(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】化粧シートの製造方法
(51)【国際特許分類】
B32B 38/06 20060101AFI20240925BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20240925BHJP
B32B 38/14 20060101ALI20240925BHJP
B41M 3/06 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B32B38/06
B32B27/00 E
B32B38/14
B41M3/06 A
(21)【出願番号】P 2020130720
(22)【出願日】2020-07-31
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】徳本 直樹
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-182748(JP,A)
【文献】特開2017-030159(JP,A)
【文献】特開平06-297570(JP,A)
【文献】特開2015-213848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00-43/00
B05D1/00-7/26
B41M1/00-3/18
7/00-9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原反ロールから原反シートを引き出して移送する原反シート供給工程と、
前記原反シート供給工程により移送される前記原反シートの一方の面に、印刷に関する印刷情報に基づき、印刷機を用いて、印刷絵柄部を有する印刷層を形成する印刷層形成工程と、
前記印刷層形成工程により形成された前記印刷層において、前記原反シートと隣り合う一方の面とは逆側に向く他方の面に、透明の樹脂層を前記印刷層と同じ向きに形成する樹脂層形成工程と、
前記樹脂層形成工程により形成された前記樹脂層において、前記印刷層と隣り合う一方の面とは逆側に向く他方の面に、前記印刷絵柄部と同調させて凹凸模様部を形成する凹凸模様形成工程と、
を連続して実行する化粧シートの製造方法であって、
前記凹凸模様形成工程には、
前記原反シートにおいて、前記印刷絵柄部の外側に位置し、前記凹凸模様部に関連付けられた凹凸模様目印を形成する凹凸模様目印形成工程を含み、
前記凹凸模様目印形成工程の後段には、
前記凹凸模様目印形成工程により形成された前記凹凸模様目印を検出する目印検出工程と、
前記目印検出工程において検出した凹凸模様目印検出情報に基づいて、前記印刷情報を補正するフィードバック工程と、
を含
み、
前記印刷層形成工程には、
前記原反シートにおいて、前記印刷絵柄部の外側に位置し、前記印刷絵柄部に関連付けられた印刷目印を形成する印刷目印形成工程を含み、
前記目印検出工程においては、
前記凹凸模様目印に加え、前記印刷目印形成工程により形成された前記印刷目印を検出し、
前記フィードバック工程においては、
前記凹凸模様目印に係る前記凹凸模様目印検出情報に加え、
前記印刷目印に係る印刷目印検出情報に基づいて、前記印刷情報を補正することを特徴とする化粧シートの製造方法。
【請求項2】
前記印刷目印と、前記凹凸模様目印とは、
前記原反シートの厚さ方向から見て、予め設定された特定の位置関係になった場合に、前記印刷絵柄部と前記凹凸模様部とが同調するように関係付けられていることを特徴とする請求項
1に記載の化粧シートの製造方法。
【請求項3】
前記フィードバック工程においては、
前記印刷絵柄部の寸法補正情報と、位相補正情報とのいずれか少なくとも一方の補正情報を作成することを特徴とする請求項
1又は請求項
2に記載の化粧シートの製造方法。
【請求項4】
前記印刷絵柄部の前記寸法補正情報は、
前記原反シートの移送方向及び幅方向において、隣り合う前記凹凸模様目印の間の距離を算出し、算出した距離を含む凹凸模様距離情報に基づいて作成していることを特徴とする請求項
3に記載の化粧シートの製造方法。
【請求項5】
前記印刷絵柄部の前記寸法補正情報は、
前記原反シートの移送方向及び幅方向において、隣り合う前記印刷目印の間の距離を算出し、算出した距離を含む印刷目印距離情報と、前記凹凸模様距離情報との比率に基づいて作成していることを特徴とする請求項
4に記載の化粧シートの製造方法。
【請求項6】
前記印刷絵柄部の前記位相補正情報は、
前記原反シートの移送方向及び幅方向において、隣り合う前記凹凸模様目印と前記印刷目印との間の距離を算出し、算出した距離を含む目印間距離情報に基づいて作成していることを特徴とする請求項
3~
5のいずれか1項に記載の化粧シートの製造方法。
【請求項7】
前記製造方法には、
前記原反シートの前記一方の面の他方の面に、プライマー層を形成するプライマー層形成工程と、
前記凹凸模様形成工程による前記凹凸模様部の形成後、前記樹脂層の表面に、透明の保護層を形成する保護層形成工程と、
を含み、
前記プライマー層形成工程と前記保護層形成工程とを、
前記原反シート供給工程、前記印刷層形成工程、前記樹脂層形成工程及び前記凹凸模様形成工程に連続させて、又は連続させることなく設けていることを特徴とする請求項1~
6のいずれか1項に記載の化粧シートの製造方法。
【請求項8】
原反ロールから原反シートを引き出して移送する原反シート供給工程と、
前記原反シート供給工程により移送される前記原反シートの一方の面に、印刷に関する印刷情報に基づき、印刷機を用いて、印刷絵柄部を有する印刷層を形成する印刷層形成工程と、
前記印刷層形成工程により形成された前記印刷層において、前記原反シートと隣り合う一方の面とは逆側に向く他方の面に、透明の樹脂層を前記印刷層と同じ向きに形成する樹脂層形成工程と、
前記樹脂層形成工程により形成された前記樹脂層において、前記印刷層と隣り合う一方の面とは逆側に向く他方の面に、前記印刷絵柄部と同調させて凹凸模様部を形成する凹凸模様形成工程と、
を連続して実行する化粧シートの製造方法であって、
前記凹凸模様形成工程の後段には、
前記凹凸模様形成工程により形成された前記凹凸模様部を検出する凹凸模様検出工程と、
前記凹凸模様検出工程において検出した凹凸模様検出情報に基づいて、前記印刷情報を補正するフィードバック工程と、
を含
み、
前記印刷層形成工程には、
前記原反シートにおいて、前記印刷絵柄部の外側に位置し、前記印刷絵柄部に関連付けられた印刷目印を形成する印刷目印形成工程を含み、
前記凹凸模様検出工程には、
前記印刷目印形成工程により形成された前記印刷目印を検出する印刷目印検出工程を含み、
前記フィードバック工程においては、
前記凹凸模様部に係る前記凹凸模様検出情報に加え、
前記印刷目印検出工程において検出した前記印刷目印に係る印刷目印検出情報に基づいて、前記印刷情報を補正することを特徴とする化粧シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば家具・建具用の化粧シートであって、その製造工程において、絵柄部と凹凸模様部とを同調できるようにした化粧シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基材シートの裏面に印刷機を用いて絵柄層を印刷し、エンボス模様のピッチを連続的に測定し、この測定値に対して、インクジェット印刷絵柄層のピッチが等しくなるように調節しながら印刷するようにした「化粧シートおよびその製造方法」が知られている(特許文献1の段落[0025]、[0041]及び[0042]、並びに
図5参照)。
また、従来、予め印刷されたシート基材に対し、一対のローラ間のプレス力を制御することで、印刷した絵柄と凹凸模様とを同調できるようにした「化粧シートの製造装置、及び化粧シートの製造方法」が知られている(特許文献2の段落[0021]及び[0031]~[0034]、並びに
図2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-55211号公報
【文献】特開2016-182750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の「化粧シートおよびその製造方法」(特許文献1)では、特許文献1の
図1及び
図2に示すように、表面にエンボス絵柄を賦形した化粧シートの裏面側、すなわち合成樹脂基材シートの裏面にインクジェット印刷絵柄層を形成しているので、インクジェット印刷絵柄層の保護が不十分なケースが想定される。
また、従来の「化粧シートの製造装置、及び化粧シートの製造方法」(特許文献2)では、一対のローラ間のプレス力を制御することで、印刷した絵柄と凹凸模様とを同調できるようにしたものであり、同調性は良好であるが、細かな同調が困難なケースが想定される。
【0005】
本発明は、上記のような点に着目したもので、印刷機により印刷した印刷絵柄部と、その後に形成した凹凸模様部とを同調できるばかりでなく、印刷絵柄部を印刷層において、原反シートと接する面とは逆側に向く面に印刷することで、樹脂層及び保護層により、印刷絵柄部を十分に保護できるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る化粧シートの製造方法は、原反ロールから原反シートを引き出して移送する原反シート供給工程と、 前記原反シート供給工程により移送される前記原反シートの一方の面に、印刷に関する印刷情報に基づき、印刷機を用いて、印刷絵柄部を有する印刷層を形成する印刷層形成工程と、前記印刷層形成工程により形成された前記印刷層において、前記原反シートと隣り合う一方の面とは逆側に向く他方の面に、透明の樹脂層を前記印刷層と同じ向きに形成する樹脂層形成工程と、前記樹脂層形成工程により形成された前記樹脂層において、前記印刷層と隣り合う一方の面とは逆側に向く他方の面に、前記印刷絵柄部と同調させて凹凸模様部を形成する凹凸模様形成工程と、を連続して実行する化粧シートの製造方法であって、前記凹凸模様形成工程には、前記原反シートにおいて、前記印刷絵柄部の外側に位置し、前記凹凸模様部に関連付けられた凹凸模様目印を形成する凹凸模様目印形成工程を含み、前記凹凸模様目印形成工程の後段には、前記凹凸模様目印形成工程により形成された前記凹凸模様目印を検出する目印検出工程と、前記目印検出工程において検出した凹凸模様目印検出情報に基づいて、前記印刷情報を補正するフィードバック工程と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様に係る化粧シートの製造方法は、前記印刷層形成工程に、前記原反シートにおいて、前記印刷絵柄部の外側に位置し、前記印刷絵柄部に関連付けられた印刷目印を形成する印刷目印形成工程を含み、前記目印検出工程においては、前記凹凸模様目印に加え、前記印刷目印形成工程により形成された前記印刷目印を検出し、前記フィードバック工程においては、前記凹凸模様目印に係る前記凹凸模様目印検出情報に加え、前記印刷目印に係る印刷目印検出情報に基づいて、前記印刷情報を補正することを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様に係る化粧シートの製造方法は、前記印刷目印と、前記凹凸模様目印とが、前記原反シートの厚さ方向から見て、予め設定された特定の位置関係になった場合に、前記印刷絵柄部と前記凹凸模様部とが同調するように関係付けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る化粧シートの製造方法は、前記フィードバック工程において、前記印刷絵柄部の寸法補正情報と、位相補正情報とのいずれか少なくとも一方の補正情報を作成することを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様に係る化粧シートの製造方法は、前記印刷絵柄部の前記寸法補正情報が、前記原反シートの移送方向及び幅方向において、隣り合う前記凹凸模様目印の間の距離を算出し、算出した距離を含む凹凸模様距離情報に基づいて作成していることを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様に係る化粧シートの製造方法は、前記印刷絵柄部の前記寸法補正情報が、前記原反シートの移送方向及び幅方向において、隣り合う前記印刷目印の間の距離を算出し、算出した距離を含む印刷目印距離情報と、前記凹凸模様距離情報との比率に基づいて作成していることを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様に係る化粧シートの製造方法は、前記印刷絵柄部の前記位相補正情報が、前記原反シートの移送方向及び幅方向において、隣り合う前記凹凸模様目印と前記印刷目印との間の距離を算出し、算出した距離を含む目印間距離情報に基づいて作成していることを特徴とする。
【0013】
本発明の一態様に係る化粧シートの製造方法は、前記製造方法に、前記原反シートの前記一方の面の他方の面に、プライマー層を形成するプライマー層形成工程と、前記凹凸模様形成工程による前記凹凸模様部の形成後、前記樹脂層の表面に、透明の保護層を形成する保護層形成工程と、を含み、前記プライマー層形成工程と前記保護層形成工程とを、前記原反シート供給工程、前記印刷層形成工程、前記樹脂層形成工程及び前記凹凸模様形成工程に連続させて、又は連続させることなく設けていることを特徴とする。
【0014】
本発明の一態様に係る化粧シートは、化粧シートの製造方法を用いて製造されたことを特徴とする。
【0015】
本発明の一態様に係る化粧板は、前記化粧シートと、前記化粧シートの少なくとも一方の面に貼り合わされた基材と、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の一態様に係る化粧シートの製造方法は、原反ロールから原反シートを引き出して移送する原反シート供給工程と、前記原反シート供給工程により移送される前記原反シートの一方の面に、印刷に関する印刷情報に基づき、印刷機を用いて、印刷絵柄部を有する印刷層を形成する印刷層形成工程と、前記印刷層形成工程により形成された前記印刷層において、前記原反シートと隣り合う一方の面とは逆側に向く他方の面に、透明の樹脂層を前記印刷層と同じ向きに形成する樹脂層形成工程と、前記樹脂層形成工程により形成された前記樹脂層において、前記印刷層と隣り合う一方の面とは逆側に向く他方の面に、前記印刷絵柄部と同調させて凹凸模様部を形成する凹凸模様形成工程と、を連続して実行する化粧シートの製造方法であって、前記凹凸模様形成工程の後段には、前記凹凸模様形成工程により形成された前記凹凸模様部を検出する凹凸模様検出工程と、前記凹凸模様検出工程において検出した凹凸模様検出情報に基づいて、前記印刷情報を補正するフィードバック工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の一態様に係る化粧シートの製造方法は、前記印刷層形成工程に、前記原反シートにおいて、前記印刷絵柄部の外側に位置し、前記印刷絵柄部に関連付けられた印刷目印を形成する印刷目印形成工程を含み、前記目印検出工程には、前記印刷目印形成工程により形成された前記印刷目印を検出する印刷目印検出工程を含み、前記フィードバック工程においては、前記凹凸模様部に係る前記凹凸模様検出情報に加え、前記印刷目印検出工程において検出した前記印刷目印に係る印刷目印検出情報に基づいて、前記印刷情報を補正することを特徴とする。
【0018】
本発明の一態様に係る化粧シートの製造方法は、原反ロールから原反シートを引き出して移送する原反シート供給工程と、前記原反シート供給工程により移送される前記原反シートの一方の面に、印刷に関する印刷情報に基づき、印刷機を用いて、印刷絵柄部を有する印刷層を形成する印刷層形成工程と、前記印刷層形成工程により形成された前記印刷層において、前記原反シートと隣り合う一方の面とは逆側に向く他方の面に、透明の樹脂層を前記印刷層と同じ向きに形成する樹脂層形成工程と、前記樹脂層形成工程により形成された前記樹脂層において、前記印刷層と隣り合う一方の面とは逆側に向く他方の面に、前記印刷絵柄部と同調させて凹凸模様部を形成する凹凸模様形成工程と、を連続して実行する化粧シートの製造方法であって、前記凹凸模様形成工程の後段には、前記印刷層形成工程により形成された前記印刷絵柄部と、前記凹凸模様形成工程により形成された前記凹凸模様部とを同時に撮像する画像検出工程と、前記画像検出工程において検出した画像検出情報に基づいて、前記印刷情報を補正するフィードバック工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一態様によれば、印刷機により印刷した印刷絵柄部と、その後に形成した凹凸模様部とを同調できるばかりでなく、印刷絵柄部を印刷層において、原反シートと接する面とは逆側に向く面に印刷することで、樹脂層及び保護層により、印刷絵柄部を十分に保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施形態1に係り、化粧シートの断面図である。
【
図2】実施形態1に係り、化粧シートの製造装置の概略を示す構成図である。
【
図3】実施形態1に係り、印刷目印及び凹凸模様目印を説明するための説明図である。
【
図4】実施形態1に係り、
図3に対応する他の説明図である。
【
図5】実施形態2に係り、化粧シートの製造装置の概略を示す構成図である。
【
図6】実施形態3に係り、化粧シートの製造装置の概略を示す構成図である。
【
図7】実施形態4に係り、化粧シートの製造装置の概略を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(
図1~7に示す実施形態1~4の説明)
実施形態1の第一の特徴は、
図3に示すように、原反シート20に凹凸模様目印500,510及び印刷目印400,410を形成し、当該目印500,510,400,410を製造工程において検出するようにした点である。
なお、印刷目印400,410は、既存の通称「トンボ」を用いても良い。
【0022】
実施形態1の第二の特徴は、
図2に示すように、目印検出工程J及びフィードバック工程Kを経て、印刷機140にフィードバックすることで、それ以降に当該印刷機140により形成する印刷絵柄部31の印刷情報を補正するようにした点である。
実施形態2の特徴は、実施形態1に用いた1個の目印検出器330(
図2参照)を、
図5に示すように、2個の検出器320,330に分離した点である。
実施形態3の特徴は、実施形態1に用いた凹凸模様目印500,510に代えて、
図6に示すように、凹凸模様検出工程Nにおいて、凹凸模様部51を直接、検出するようにした点である。
実施形態4の特徴は、実施形態1に用いた印刷目印400,410に代えて、
図7に示すように、画像検出工程Oにおいて、印刷絵柄部31及び凹凸模様部51を、同時に撮像するようにした点である。
【0023】
(
図1に示す化粧シート10)
図1中、10は化粧シートを示し、化粧シート10は、例えば家具・建具等の用途の表面材として使用される。
化粧シート10は、
図1に示すように、次の各層から構成されている。
なお、次の(1)~(7)については、後述する。
(1)原反シート20
(2)印刷層30
(3)接着層40
(4)樹脂層50
(6)保護層60
(7)プライマー層70
化粧シート10は、(7)プライマー層70、(1)原反シート20、(2)印刷層30、(3)接着層40、(4)樹脂層50、(6)保護層60の順番に積層され、7層から構成されている。なお、化粧シート10は、(1)~(7)に限定されず、例えばプライマー層70を省略しても良い。
【0024】
(原反シート20)
原反シート20は、例えば透明な熱可塑性樹脂製で、着色したフィルムから構成されている。
原反シート20に用いる材料としては、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリオレフィン系エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等のポリエステル系樹脂、セロハン、三酢酸セルロース(TAC)樹脂等のセルロース系樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂(PMMA)、エチレン-酢酸ビニル系共重合樹脂(EVA)、アイオノマー樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ナイロン-6、ナイロン-66等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂(PS)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、ポリカーボネート樹脂(PC)、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂等の各種合成樹脂フィルムが使用可能であるが、張力に対して伸び難い材料が適しており、一般的な材料としては、延伸ポリプロピレン樹脂(OPP)フィルム、延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)フィルム、延伸ポリアミド樹脂(ONy)フィルム等が挙げられる。
原反シート20の厚さとしては、PPフィルムであれば70μm程度が望ましく、30μmでは後述するエンボス模様のピッチが安定しない。
【0025】
(印刷層30)
印刷層30は、原反シート20の表面に、印刷機140、例えばインクジェット方式を用いて形成され、更に表面には印刷絵柄部31が形成されている。
印刷機140は、例えば溶剤系、水性系、無溶剤系のインクジェット印刷機用インキを用いることができるが、中でも無溶剤ないしは貧溶剤の紫外線硬化型インキは、インクジェットノズルの目詰まりが生じ難く、好適に使用できる。
【0026】
(接着層40)
接着層40は、印刷絵柄部31を有する印刷層30の表面に形成される。
接着層40は、例えば極性基を導入したポリオレフィン系共重合樹脂や、同様に極性基を導入したポリエステル系樹脂、アイオノマー樹脂等を用いることができる。
【0027】
(樹脂層50)
樹脂層50は、印刷絵柄部31が透けて見えるように透明であり、その表面には、印刷絵柄部31と同調させてエンボス等の凹凸模様部51を形成する。
樹脂層50は、原反シート20と同様の材料を用いることができるが、エンボス等の凹凸模様部51の賦型方法として、
図2に示すように、溶融した樹脂材料をTダイ160から押し出し、冷却したエンボスロール180に押し当ててエンボスフィルム(図示せず)を直接製膜する方法によると、最も再現性の高いエンボス効果が得られるため、この方法に適した樹脂材料を選択すると良い。
【0028】
具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリオレフィン系エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂(PMMA)、エチレン-酢酸ビニル系共重合樹脂(EVA)、アイオノマー樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ナイロン-6、ナイロン-66等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂(PS)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ウレタン系樹脂等の各種合成樹脂フィルムの押出し加工用グレードが使用可能である。
樹脂層50についてTダイ160を用いて押し出し加工法によって形成する場合、単層に限らず、2層や3層の同時押出し法を用いても良い。原反シート20に接する側に接着性の良い材料を用いて、先に説明した接着層40、主層(図示せず)の2層押し出しとしたり、さらに主層の外側に耐光性の良い材料を用いた3層押出しとしても良い。
【0029】
(保護層60)
保護層60は、凹凸模様部51を有する樹脂層50の表面に形成され、化粧シート10の表面に、各種表面性能を付加するものであり、耐傷性、耐光性、表面光沢、手触り感等を改善することができる。材質としては、2液硬化型のアクリルウレタン系樹脂や、紫外線硬化型のアクリル系樹脂に必要な添加剤を添加したトップコート用樹脂を用いることができる。
【0030】
(プライマー層70)
プライマー層70は、原反シート20の裏面に形成する。
プライマー層70は、樹脂の接着性を改善することを目的としたアンカーコート層である。また、プライマー層70の機能には、接着性改善のほか、表面処理後の表面安定化、金属表面の防食、粘着性の付与、接着剤の劣化防止等も含まれる。
プライマー層70を形成するプライマー(下塗り剤)としては、例えば、二液ウレタン樹脂系のプライマーが使用可能である。プライマーの種類は、被着材や用途に応じて異なる。被着材としては、例えば、金属系又は木質系からなる板状の部材がある。
金属系としては、例えば、アルミ、鋼、ステンレス、複合パネル等がある。複合パネルとしては、例えば、芯材となる樹脂層と、樹脂層の両面それぞれに貼り付けられた金属板(アルミニウム、ガルバリウム、ステンレス等)とを備えたものがある。また、木質系としては、MDF(medium density fiberboard:中密度繊維板)、合板、パーチクルボード等がある。
【0031】
(製造装置100)
上記した各層を有する化粧シート10は、
図2に示す製造装置100を用いて製造する。
製造装置100には、
図2に示すように、次のパーツを備える。
なお、次の(1)~(15)については、後述する。
(1)原反ロール110
(2)プライマーコーター120
(3)プライマー用乾燥設備130
(4)印刷機140
(5)インキ用乾燥設備150
(6)Tダイ160
(7)バックロール170
(8)エンボスロール180
(11)保護層コーター190
(12)保護層用乾燥設備200
(13)製品ロール210
(14)目印検出器300
(15)検出信号310
【0032】
なお、製造装置100のパーツとして、上記した(1)~(15)を例示したが、これらに限定されず、図示しないが、例えばプライマー層70を非連続(オフライン)に形成する場合には、プライマーコーター120及びプライマー用乾燥設備130を省略しても良く、又、保護層60を非連続(オフライン)に形成する場合には、保護層コーター190及び保護層用乾燥設備200を省略しても良い。また、目印検出器300を、1個の検出器から構成したが、これに限定されず、
図5に示すように、例えば印刷目印検出器320と凹凸模様目印検出器330との2個の検出器から構成しても良い。
【0033】
すなわち、プライマー層70及び保護層60の両方或いは一方を非連続(オフライン)に形成することか可能である。
例えば、プライマー層70を、非連続(オフライン)に形成した場合には、プライマーコーター120及びプライマー用乾燥設備130を省略でき、製造装置100全体の構造の簡便化や小型化が可能である。
また、例えば、保護層60を非連続(オフライン)に形成する場合には、保護層コーター190及び保護層用乾燥設備200を省略でき、製造装置100全体の構造の簡便化や小型化が可能である。
【0034】
(原反ロール110)
原反ロール110は、原反シート20を巻き付けたものである。
(プライマーコーター120)
プライマーコーター120は、原反シート20の裏面にプライマー層70を形成するものである。
(プライマー用乾燥設備130)
プライマー用乾燥設備130は、プライマーコーター120により形成したプライマー層70を乾燥させるものである。
【0035】
(印刷機140)
印刷機140は、原反シート20の表面に印刷絵柄部31を有する印刷層30を形成するものであり、例えばインクジェット方式を用いている。
(インキ用乾燥設備150)
インキ用乾燥設備150は、印刷機140により形成した印刷絵柄部31を有する印刷層30を乾燥させるものであり、例えば印刷に用いられる紫外線硬化型インキをUV硬化させるものである。
(Tダイ160)
Tダイ160は、溶融した樹脂材料を押し出し、印刷絵柄部31を有する印刷層30の表面に、樹脂層50を形成するものである。なお、樹脂層50を形成する際に、樹脂層50と樹脂層50との間に、接着層40を共押し出し、或いは独立して形成しても良い。
【0036】
(バックロール170)
バックロール170は、Tダイ160から押し出された溶融した樹脂材料を、エンボスロール180に向かって押し当てるものである。
(エンボスロール180)
エンボスロール180は、例えば木目の導管模様が形成され、樹脂層50の表面に、エンボス等の凹凸模様部51を形成するものである。凹凸模様部51は、印刷絵柄部31と同調するように形成される。
【0037】
(保護層コーター190)
保護層コーター190は、凹凸模様部51を有する樹脂層50の表面に、保護層60を形成するものである。
(保護層用乾燥設備200)
保護層用乾燥設備200は、保護層60を乾燥させるものである。
(製品ロール210)
製品ロール210は、製造された化粧シート10を巻き取るものである。
【0038】
(目印検出器300)
目印検出器300は、エンボスロール180の後段に位置し、
図3を用いて後述する凹凸模様目印500,510を検出するためのものである。目印検出器300は、印刷機140に直接、或いは間接的に電気的に接続されている。
また、目印検出器300は、凹凸模様目印500,510に加え、
図3を用いて後述する印刷目印400,410を検出するようにしても良い。
本実施形態1では、凹凸模様目印500,510と、印刷目印400,410とを同時に検出するようにしている。
なお、目印検出器300を、1個の検出器から構成したが、これに限定されず、
図5に示すように、例えば印刷目印検出器320と凹凸模様目印検出器330との2個の検出器から構成しても良い。
【0039】
(検出信号310)
検出信号310には、目印検出器300により検出された凹凸模様目印検出情報を含まれる。
また、検出信号310には、凹凸模様目印検出情報に加え、目印検出器300により検出された印刷目印検出情報を含んでも良い。
本実施形態1では、検出信号310に、凹凸模様目印検出情報と、印刷目印検出情報とを識別可能に含んでいる。
【0040】
(製造方法)
上記した製造装置100を用いた化粧シート10の製造方法には、
図2に示すように、次の工程を含む。
なお、次の(1)~(7)については、後述する。
(1)原反シート供給工程A
(2)プライマー層形成工程B
(3)印刷層形成工程C
(4)樹脂層形成工程D
(5)凹凸模様形成工程E
(6)保護層形成工程F
(7)製品回収工程G
なお、製造方法として、上記した(1)~(7)を例示したが、これらに限定されず、図示しないが、例えば例えばプライマー層70を非連続(オフライン)に形成する場合には、プライマー層形成工程Bを省略しても良く、又、保護層60を非連続(オフライン)に形成する場合には、保護層形成工程Fを省略しても良い。
【0041】
(原反シート供給工程A)
原反シート供給工程Aは、原反ロール110から原反シート20を引き出して移送する工程であり、移送方向は
図2の矢印の方向である。
(プライマー層形成工程B)
プライマー層形成工程Bは、プライマーコーター120及びプライマー用乾燥設備130を用い、原反シート20の裏面に、プライマー層70を形成する工程である。
【0042】
(印刷層形成工程C)
印刷層形成工程Cは、プライマー層形成工程Bの終了後、例えばインクジェット方式の印刷機140及びインキ用乾燥設備150を用い、原反シート20の表面に印刷絵柄部31を有する印刷層30を形成する工程である。
印刷層形成工程Cにおいては、印刷絵柄部31を有する印刷層30を、
図3を用いて後述するように、予め設定された印刷基準情報に基づいて、印刷機140を用いて印刷している。
【0043】
(樹脂層形成工程D)
樹脂層形成工程Dは、印刷層形成工程Cの終了後、主としてTダイ160及びバックロール170を用い、印刷絵柄部31を有する印刷層30の表面に、接着層40及び樹脂層50を二層に形成する工程である。
(凹凸模様形成工程E)
凹凸模様形成工程Eは、樹脂層形成工程Dの終了後、主としてエンボスロール180を用いて、樹脂層50の表面にエンボス等の凹凸模様部51を形成する工程である。凹凸模様部51は、印刷絵柄部31と同調するように形成される。
【0044】
(保護層形成工程F)
保護層形成工程Fは、凹凸模様形成工程Eの終了後、保護層コーター190及び保護層用乾燥設備200を用いて、凹凸模様部51を有する樹脂層50の表面に保護層60を形成する工程である。
(製品回収工程G)
製品回収工程Gは、保護層形成工程Fの終了後、製品ロール210を用いて、製造された化粧シート10を巻き取って回収する工程である。
【0045】
(他の工程)
先に説明した工程A~Gの他の工程としては、
図2に示すように、次の工程が含まれる。
なお、次の(1)~(4)については、後述する。
(1)印刷目印形成工程H
(2)凹凸模様目印形成工程I
(3)目印検出工程J
(4)フィードバック工程K
なお、他の工程として、上記した(1)~(4)を例示したが、これらに限定されず、例えば、
図3を用いて後述する印刷目印400,410を、原反シート20に予め形成しておくことも可能であり、印刷目印400,410を非連続(オフライン)に形成した場合には、印刷目印形成工程Hを省略しても良い。また、目印検出工程Jを1つの工程としたが、これに限らず、例えば
図5に示すように、印刷目印検出工程Lと、凹凸模様目印検出工程Mとの2つの工程から構成しても良い。
【0046】
(印刷目印形成工程H)
印刷目印形成工程Hは、印刷層形成工程Cに含まれ、原反シート20において、
図3に示すように、印刷絵柄部31の外側に位置し、印刷絵柄部31に関連付けられた印刷目印400,410を形成する工程である。
ここで、印刷絵柄部31の「外側」としては、例えば
図3に示すように、印刷絵柄部31を形成した位置よりも、原反ロール110の幅方向で「外側」を意味する。
また、印刷目印400,410は、印刷機140を用いて印刷している。
なお、印刷目印400,410を、印刷機140を用いて印刷したが、これに限らず、図示しないが、印刷機140に他の印刷機を併設し、印刷しても良いし、又、例えばスタンプを用いたり、或いはレザー光線で焼き印を形成しても良い。
【0047】
(凹凸模様目印形成工程I)
凹凸模様目印形成工程Iは、凹凸模様形成工程Eに含まれ、例えば
図3に示すように、原反シート20において、印刷絵柄部31の外側に位置し、凹凸模様部51に関連付けられた凹凸模様目印500,510を形成する工程である。
ここで、印刷絵柄部31の「外側」としては、先に説明したように、原反ロール110の幅方向で「外側」を意味する。
また、凹凸模様目印500,510は、エンボスロール180を用いて凹凸状に形成している。
なお、凹凸模様目印500,510を、エンボスロール180を用いて凹凸状に形成したが、これに限らず、図示しないが、平面的に形成しても良い。例えば、エンボスロール180に印刷機を併設し、印刷しても良いし、又、例えばスタンプを用いたり、或いはレザー光線で焼き印を形成しても良い。
【0048】
(目印検出工程J)
目印検出工程Jは、凹凸模様目印形成工程Iの後段に位置し、凹凸模様目印形成工程Iにより形成された凹凸模様目印500,510を検出する工程である。
また、目印検出工程Jにおいては、検出した凹凸模様目印検出情報を含む検出信号310を、印刷機140に直接、或いは間接的に送信する。
一方、目印検出工程Jにおいては、凹凸模様目印500,510に加え、印刷目印形成工程Hにより形成された印刷目印400,410を検出する。目印検出工程Jは、凹凸模様目印検出情報に加え、印刷目印検出情報を含む印刷機140に送信する。
【0049】
(フィードバック工程K)
フィードバック工程Kは、目印検出工程Jにおいて検出した凹凸模様目印検出情報に基づいて、印刷情報を補正する工程である。
また、フィードバック工程Kは、凹凸模様目印500,510に係る凹凸模様目印検出情報に加え、印刷目印400,410に係る印刷目印検出情報に基づいて、印刷情報を補正する
フィードバック工程Kにおいては、印刷絵柄部31の寸法補正情報と、位相補正情報とのいずれか少なくとも一方の補正情報を作成する。
【0050】
すなわち、凹凸模様目印検出情報及び印刷目印検出情報に基づいて、印刷絵柄部31と凹凸模様部51とが同調していないと判断したときには、その原因が印刷絵柄部31の寸法、すなわち縮尺について、印刷絵柄部31の寸法補正情報を作成する。また、非同調の原因が、印刷絵柄部31の位相のズレにあるときには、印刷絵柄部31の位相補正情報を作成する。非同調の原因が、寸法及び位相のズレの両方にあるときには、寸法補正情報及び位相補正情報の両補正情報を作成する。
これに対し、印刷絵柄部31と凹凸模様部51とが同調していると判断したときには、補正情報を作成しない。
【0051】
(
図3及び
図4に示す印刷目印400,410及び凹凸模様目印500,510の説明)
図3及び
図4を用いて、印刷目印400,410及び凹凸模様目印500,510について説明する。
図3は、目印検出器300による印刷目印400,410及び凹凸模様目印500,510の検出状態を示すものである。同図中に、印刷絵柄部31及び凹凸模様部51を記入したが、目印検出器300は、印刷目印400,410及び凹凸模様目印500,510のみを検出し、印刷絵柄部31及び凹凸模様部51は参考までに記入したものである。
【0052】
(特定の位置関係)
印刷目印400,410と、凹凸模様目印500,510とは、原反シート20の厚さ方向から見て、予め設定された特定の位置関係、例えば
図4に示すように、重なり合った場合、すなわち一致した場合に、印刷絵柄部31と凹凸模様部51とが同調するように関係付けられている。
なお、特定の位置関係として、一致した場合を例示したが、これに限定されず、一部が重なり合ったり、或いは交差ししている場合であっても良い。
図3は、印刷絵柄部31と凹凸模様部51と同調していない場合を例示し、その結果、印刷目印400,410と凹凸模様目印500,510とが重ならず、離隔している。
これに対し、
図4は、印刷絵柄部31と凹凸模様部51と同調している場合を例示し、その結果、印刷目印400,410と凹凸模様目印500,510とが一部重なり合って一致している。
【0053】
(印刷目印400,410)
印刷目印400,410は、
図3に示すように、原反シート20において、印刷絵柄部31の外側に位置し、印刷絵柄部31に関連付けられている。
図3においては、印刷目印400,410を、XY軸上に図示している。X軸方向は、原反シート20の移送方向に一致させている。Y軸方向は、原反シート20の幅方向に一致させている。
印刷目印400,410は、原反シート20の移送方向(X軸方向)に沿って、一定の間隔で形成されている。
【0054】
また、印刷目印400,410は、原反シート20の幅方向(Y軸方向)に離れて一対形成されている。
印刷目印400は、例えば印刷絵柄部31を挟んで、原反シート20の幅方向において、
図3の上側に位置する。印刷目印410は、
図3の下側に位置する。
上側の印刷目印400と、下側の印刷目印410とは、原反シート20の幅方向(Y軸方向)において線対称に形成されている。
印刷目印400,410は、通称「トンボ」といわれるが、「トンボ」に限定されず、例えば、交点a’,b’,c’,d’を有する正符号「プラス」形に形成している。
なお、印刷目印400,410として、「プラス」形を例示したが、これに限定されず、図示しないが、例えば多角形、円形、幾何学形などに形成しても良い。
【0055】
(凹凸模様目印500,510)
凹凸模様目印500,510は、原反シート20において、印刷絵柄部31の外側に位置し、凹凸模様部51に関連付けられている。
凹凸模様目印500,510は、原反シート20の移送方向(X軸方向)に沿って、印刷目印400,410と同一の間隔で形成する。
凹凸模様目印500,510は、印刷目印400,410と同様に、原反シート20の幅方向(Y軸方向)に離れて一対形成されている。
凹凸模様目印500は、例えば印刷絵柄部31を挟んで、原反シート20の幅方向において、
図3の上側に位置する。凹凸模様目印510は、
図3の下側に位置する。
上側の凹凸模様目印500と、下側の凹凸模様目印510とは、上側の印刷目印400や、下側の印刷目印410と同様に、原反シート20の幅方向(Y軸方向)において線対称に形成されている。
【0056】
凹凸模様目印500,510は、例えば、交点a,b,c,dを有する正符号「プラス」形に形成している。凹凸模様目印500,510の形状は、印刷目印400,410と区別可能なように、両者の形状を異ならせている。例えば、凹凸模様目印500,510の形状は、印刷目印400,410の形状より、大きく形成している。
なお、凹凸模様目印500,510として、「プラス」形を例示したが、これに限定されず、図示しないが、例えば多角形、円形、幾何学形などに形成しても良い。
また、凹凸模様目印500,510と、印刷目印400,410とは、
図3及び
図4に示すように、組をなしている。すなわち、上側の凹凸模様目印500の交点aは、同じく上側の印刷目印400の交点a’と組を構成している。同様に、交点bは交点b’と、交点cは交点c’と、交点dは交点d’とそれぞれ組を構成している。
【0057】
(特定の位置関係)
特定の位置関係については、先に説明したが、例えば、印刷目印400,410の交点a’,b’,c’,d’が、凹凸模様目印500,510の交点a,b,c,dと重なる際に、印刷絵柄部31と凹凸模様部51とが同調しているようにレイアウトされている。
(印刷絵柄部31の補正情報)
印刷絵柄部31の補正情報には、(1)寸法補正情報(以下、「寸法補正」ともいう。)と、(2)位相補正情報(以下、「位相補正」ともいう。)とが含まれる。
【0058】
(寸法補正)
寸法補正は、原反シート20の移送方向(X軸方向)及び幅方向(Y軸方向)において、隣り合う凹凸模様目印500,510の間の距離を算出し、算出した距離を含む凹凸模様距離情報に基づいて作成している。
また、寸法補正は、原反シート20の移送方向(X軸方向)及び幅方向(Y軸方向)において、隣り合う印刷目印400,410の間の距離を算出し、算出した距離を含む印刷目印距離情報と、凹凸模様距離情報との比率に基づいて作成している。
【0059】
ここで、隣り合う凹凸模様目印500,510の間の距離とは、
図3に示すように、例えば凹凸模様目印500,510の交点a~dにおいて、交点a,b間及び交点c,d間のX軸方向の距離をいう。
Y軸方向においては、交点a,c間、交点b、d間の距離をいう。
また、ここで、隣り合う印刷目印400,410の間の距離とは、例えば印刷目印400,410の交点a’~d’において、交点a’,b’間及び交点c’,d’間のX軸方向の距離をいう。
Y軸方向においては、交点a’,c’間、交点b’、d’間の距離をいう。
【0060】
(位相補正)
位相補正は、原反シート20の移送方向(X軸方向)及び幅方向(Y軸方向)において、隣り合う凹凸模様目印500,510と印刷目印400,410との間の距離を算出し、算出した距離を含む目印間距離情報に基づいて作成している。
ここで、隣り合う凹凸模様目印500,510と印刷目印400,410との間の距離とは、印刷目印400の交点a’と凹凸模様目印500の交点a間、印刷目印400の交点b’と凹凸模様目印500の交点b間のX軸方向の距離をいう。
Y軸方向においては、印刷目印400の交点a’と凹凸模様目印500の交点a間、印刷目印400の交点b’と凹凸模様目印500の交点b間の距離をいう。
【0061】
(寸法補正の算出)
寸法補正は、次の通り、算出する。
(1)凹凸模様目印500,510の交点a~dにおいて、交点a,b間及び交点c,d間のX軸方向の距離を算出する。
同様に、a,c間、b、d間のY軸方向の距離を算出する。
それぞれの平均を、次の「数1」とする。
【0062】
【0063】
(2)印刷目印400,410についても、同様に、次の「数2」を算出する。
【0064】
【0065】
すなわち、印刷目印400,410の交点a’~d’において、交点a’,b’間及び交点c’,d’間のX軸方向の距離を算出する。
同様に、a’,c’間、b’、d’間のY軸方向の距離を算出する。
【0066】
(3)凹凸模様目印500,510から算出した先の「数1」の寸法を基準に、印刷絵柄部31の寸法、すなわち縮尺とする。
補正前の印刷寸法をx2',y2'とした場合、補正後の印刷寸法x3'は、次の「数3」となる。
【0067】
【0068】
補正後の印刷寸法y3'は、次の「数4」となる。
【0069】
【0070】
印刷寸法x2',x3'は、原反シート20の移送方向(X軸方向)に位置し、印刷絵柄部31の縦寸法が相当する。
印刷寸法y2',y3'は、原反シート20の幅方向(Y軸方向)に位置し、印刷絵柄部31の横寸法が相当する。
【0071】
例えば、印刷寸法のうち、縦寸法が「x2'=x3'」の場合には、縦寸法においては印刷絵柄部31と凹凸模様部51とが同調しており、印刷絵柄部31の縦寸法を補正する必要が無い。
これに対し、印刷寸法のうち、縦寸法が「x2'<x3'」の場合には、凹凸模様部51に対し、印刷絵柄部31の縦寸法が相対的に短くなり、次回以降の印刷では印刷絵柄部31の縦寸法を長くする補正が必要となる。
逆に、印刷寸法のうち、縦寸法が「x2'>x3'」の場合には、凹凸模様部51に対し、印刷絵柄部31の縦寸法が相対的に長くなり、次回以降の印刷では印刷絵柄部31の縦寸法を短くする補正が必要となる。
【0072】
(位相補正の算出)
つぎに、位相補正は、次の通り、算出する。
上記寸法補正により、寸法補正が完了しているため、位相補正は、基本的に片側に位相、すなわち、上側に位置する印刷目印400と凹凸模様目印500、或いは下側に位置する印刷目印410と凹凸模様目印510を検知して補正すれば、もう一方の位相と寸法も揃うものと推測した。
位相補正は、次の(1)X軸方向の位相補正と、(2)Y軸方向の位相補正とから補正後の印刷出力位置を算出した。
【0073】
(1)X軸方向の位相補正
X軸方向の位相補正には、次の「数5」を用いた。
【0074】
【0075】
上記「数5」で求めた値だけ、寸法補正後の凹凸模様部51の印刷出力位置をX軸方向にずらす。
すなわち、上記「数5」の前段で、印刷目印400の交点a’と、凹凸模様目印500の交点aとの距離を算出(xa’-xa)する。
つぎに、印刷目印400の交点b’と、凹凸模様目印500の交点bとの距離を算出(xb’-xb)する。その後、「xa’-xa」と「(xb’-xb)の平均値を算出する。
最後に、X軸方向における、補正前の印刷寸法をx'2と補正後の印刷寸法x'3との比率を算出し、寸法補正後の凹凸模様部51の印刷出力位置を算出する。
【0076】
(2)Y軸方向の位相補正
Y軸方向の位相補正には、次の「数6」を用いた。
【0077】
【0078】
上記「数6」で求めた値だけ、寸法補正後の凹凸模様部51の印刷出力位置をY軸方向ずらす。
すなわち、上記「数6」において、上記「数5」と同様に、Y軸方向において、寸法補正後の凹凸模様部51の印刷出力位置を算出する。
【0079】
(実施形態1の作用)
本実施形態1によれば、凹凸模様目印500,510を用いることで、印刷絵柄部31と凹凸模様部51とが同調していることを、印刷目印400,410と特定の位置関係にあることを目視することで、簡単に且つ確実に確認できる。
また、本実施形態1によれば、印刷絵柄部31の補正情報を正確に且つ簡便に算出できる。
本実施形態1によれば、補正情報として、印刷寸法の寸法補正や、位相補正について正確に且つ簡便に算出することができる。
【0080】
(
図5に示す実施形態2の説明)
図5を用い、実施形態2について説明する。
実施形態2の第一の特徴点は、
図2に示す実施形態1の1個の目印検出器300を、
図5に示すように、印刷目印検出器320と、凹凸模様目印検出器330との2個の検出器から構成した点である。
実施形態2の第二の特徴点は、
図2に示す実施形態1の1つの目印検出工程Jを、
図5に示すように、印刷目印検出工程Lと、凹凸模様目印検出器Mとの2つの工程に分離した点である。
なお、本実施形態2の説明においては、
図1~4を用いて説明した実施形態1と同一の構成部分については、同一の符号を用いて説明を省略する。
【0081】
(実施形態2の製造装置100)
本実施形態2に係る製造装置100には、
図5に示すように、次のパーツを備える。
なお、次の(1)及び(2)については、後述する。
(1)印刷目印検出器320
(2)凹凸模様目印検出器330
【0082】
(印刷目印検出器320)
印刷目印検出器320は、
図5に示すように、エンボスロール180の後段に位置し、印刷目印400,410(
図3参照)を検出するものである。
印刷目印検出器320は、印刷機140に直接、或いは間接的に電気的に接続されている。
(凹凸模様目印検出器330)
凹凸模様目印検出器330は、
図5に示すように、エンボスロール180の後段に位置し、凹凸模様目印500,510(
図3参照)を検出するためのものである。
凹凸模様目印検出器330は、印刷機140に直接、或いは間接的に電気的に接続されている。
【0083】
(実施形態2の工程)
実施形態2には、次の工程を含む。
なお、次の(1)~(3)については、後述する。
(1)印刷目印検出工程L
(2)凹凸模様目印検出工程M
(3)フィードバック工程K
【0084】
(印刷目印検出工程L)
印刷目印検出工程Lは、凹凸模様目印形成工程Iの後段に位置し、印刷目印検出器320を用いて、印刷目印形成工程Hにより形成された印刷目印400,410(
図3参照)を検出する工程である。
印刷目印検出工程Lおいては、検出した印刷目印検出情報を含む検出信号310を、印刷機140に直接、或いは間接的に送信する。
【0085】
(凹凸模様目印検出工程M)
凹凸模様目印検出工程Mは、凹凸模様目印形成工程Iの後段に位置し、凹凸模様目印検出器330を用いて、凹凸模様目印形成工程Iにより形成された凹凸模様目印500,510(
図3参照)を検出する工程である。
凹凸模様目印検出工程Mおいては、検出した凹凸模様目印検出情報を含む検出信号310を、印刷機140に直接、或いは間接的に送信する。
(フィードバック工程K)
フィードバック工程Kは、印刷目印検出工程Lにおいて検出した印刷目印検出情報と、凹凸模様目印検出工程Mにおいて検出した凹凸模様目印検出情報とに基づいて、印刷情報を補正する工程である。
【0086】
(実施形態2の作用)
本実施形態2によれば、2個の検出器を使用することで、
図2に示す実施形態1の1個の目印検出器300の負担を軽減できる。
また、本実施形態2によれば、2つの工程に分離することで、
図2に示す実施形態1の1つの目印検出工程Jの工程の負担を軽減できる。
【0087】
(
図6に示す実施形態3の説明)
図6を用い、実施形態3について説明する。
実施形態3の第一の特徴点は、
図3に示す実施形態1の凹凸模様目印500,510の使用を止めた点である。
すなわち、実施形態3においては、
図6に示すように、凹凸模様検出器340を用いて、凹凸模様部51(
図3参照)を検出している。
なお、本実施形態3の説明においては、
図1~4を用いて説明した実施形態1と同一の構成部分については、同一の符号を用いて説明を省略する。
【0088】
(実施形態3の工程)
本実施形態3には、
図6に示すように、次の工程を含む。
なお、次の(1)及び(2)については、後述する。
(1)凹凸模様検出工程N
(2)フィードバック工程K
【0089】
(凹凸模様検出工程N)
凹凸模様検出工程Nは、
図6に示すように、凹凸模様形成工程Eの後段に位置し、凹凸模様形成工程Eにより形成された凹凸模様部51(
図1及び
図3参照)を検出する工程である。
(フィードバック工程K)
フィードバック工程Kは、凹凸模様検出工程Nにおいて検出した凹凸模様検出情報に基づいて、印刷情報を補正する工程である。
【0090】
(本実施形態3の作用)
本実施形態3によれば、凹凸模様検出工程Nにおいて、凹凸模様部51を検出することで、フィードバック工程Kにおいて印刷情報を補正することができる。
すなわち、補正後の印刷情報を用いて、その後、印刷機140を用いて印刷層形成工程Cにおいて、印刷絵柄部31を形成することで、印刷絵柄部31と凹凸模様部51とを同調させることができる。
また、本実施形態3によれば、
図3に示す実施形態1の凹凸模様目印500,510を用いる必要が無いので、製造装置100の構造を簡便にすることができばかりで無く、工程数を減少することが可能である。
【0091】
(実施形態3の製造装置100)
本実施形態3に係る製造装置100には、
図7に示すように、次のパーツを備える。
(1)凹凸模様検出器340
凹凸模様検出器340は、凹凸模様部51(
図3参照)の検出に加え、印刷目印400,410(
図3参照)を同時に検出するようにしても良い。
なお、凹凸模様検出器340を、1個の検出器から構成したが、
図5に示す実施形態2のように、図示しないが、複数個の検出器から構成しても良い。すなわち、凹凸模様検出器340を、凹凸模様部51の検出用の検出器と、印刷目印400,410の検出用の検出器とに分離しても良い。
【0092】
(実施形態3の他の工程)
実施形態3には、次の他の工程を含む。
なお、次の(1)~(3)については、後述する。
(1)印刷目印形成工程H
(2)印刷目印検出工程L
(3)フィードバック工程K
なお、他の工程として、上記した(1)~(3)を例示したが、これらに限定されず、例えば、印刷目印400,410を、原反シート20に予め形成しておくことも可能であり、印刷目印400,410を非連続(オフライン)に形成した場合には、印刷目印形成工程Hを省略しても良い。
【0093】
(印刷目印形成工程H)
印刷目印形成工程Hは、印刷層形成工程Cに含まれ、原反シート20において、印刷絵柄部31の外側に位置し、印刷絵柄部31に関連付けられた印刷目印400,410(
図3参照)を形成する工程である。
(印刷目印検出工程L)
印刷目印検出工程Lは、目印検出工程Jに含まれ、印刷目印形成工程Hにより形成された印刷目印400,410を検出する工程である。
(フィードバック工程K)
フィードバック工程Kは、凹凸模様部51に係る凹凸模様検出情報に加え、印刷目印検出工程Lにより検出した印刷目印400,410に係る目印検出情報に基づいて、印刷情報を補正する工程である。
【0094】
(本実施形態3の他の作用)
本実施形態3によれば、印刷目印400,410を用いることで、凹凸模様部51に対し、凹凸模様部51の相対的な位置を容易に知ることができる。
【0095】
(
図7に示す実施形態4の説明)
図7を用いて、実施形態4について説明する。
実施形態4の第一の特徴は、
図6を用いて説明した実施形態3の凹凸模様検出器340に代えて、
図7に示すように、画像検出器350を用いた点である。
実施形態4の第二の特徴は、画像検出器350を用いた画像検出工程Oを含む点である。
すなわち、画像検出器350を用いて、
図1に示す凹凸模様部51の表面側から、画像検出器350により撮像した場合には、保護層60、樹脂層50及び接着層40が透明であることから、印刷絵柄部31が透けて撮像される。その結果、一コマの画像中に、印刷絵柄部31と凹凸模様部51とが同時に映り込み、印刷絵柄部31に対し、凹凸模様部51の相対的な位置を把握することが可能となる。
なお、本実施形態4において、印刷絵柄部31と凹凸模様部51との画像に加え、印刷目印400,410を補助的に用い、画像の一部として同時に撮像するようにしても良い。
また、本実施形態4の説明においては、
図1~4を用いて説明した実施形態1と同一の構成部分については、同一の符号を用いて説明を省略する。
【0096】
(実施形態4の製造装置100)
本実施形態4に係る製造装置100には、
図7に示すように、次のパーツを備える。
(1)画像検出器350
画像検出器350は、
図1に示す印刷絵柄部31と、凹凸模様部51とを同時に撮像するものであり、例えばCCDイメージセンサを用いている。
【0097】
(実施形態4の工程)
本実施形態4には、
図6に示すように、次の工程を含む。
なお、次の(1)及び(2)については、後述する。
(1)画像検出工程O
(2)フィードバック工程K
【0098】
(画像検出工程O)
画像検出工程Oは、画像検出器350を用いて、印刷層形成工程Cにより形成された印刷絵柄部31と、凹凸模様形成工程Eにより形成された凹凸模様部51とを同時に撮像する工程である。
また、画像検出工程Oは、検出した画像検出情報を含む検出信号310を、印刷機140に直接、或いは間接的に送信する。
(フィードバック工程K)
フィードバック工程Kは、画像検出工程Oにより検出した画像検出情報に基づいて、印刷情報を補正する工程である。
印刷情報の補正情報の作成に当たっては、AI(人工知能)を用いても良い。例えば、印刷絵柄部31と凹凸模様部51との両画像を、AIを用いて解析し、画像の解析結果に基づき、AIを用いて補正情報を作成させるようにしても良い。
【0099】
(本実施形態4の作用)
本実施形態4によれば、画像検出器350による検出された画像情報中に、印刷絵柄部31と凹凸模様部51とが同時に映り込んでいることから、
図1~
図4を用いて説明した実施形態1のように、凹凸模様目印500,510を形成・検出する必要がない。
【符号の説明】
【0100】
10 化粧シート
20 原反シート
30 印刷層
31 印刷絵柄部
40 接着層
50 樹脂層
51 凹凸模様部
60 保護層
70 プライマー層
100 製造装置
110 原反ロール
120 プライマーコーター
130 プライマー用乾燥設備
140 印刷機
150 インキ用乾燥設備
160 Tダイ
170 バックロール
180 エンボスロール
190 保護層コーター
200 保護層用乾燥設備
210 製品ロール
A 原反シート供給工程
B プライマー層形成工程
C 印刷層形成工程
D 樹脂層形成工程
E 凹凸模様形成工程
F 保護層形成工程
G 製品回収工程
300 目印検出器
310 検出信号
H 印刷目印形成工程
I 凹凸模様目印形成工程
J 目印検出工程
K フィードバック工程
400,410 印刷目印
500,510 凹凸模様目印
320 印刷目印検出器
330 凹凸模様目印検出器
L 印刷目印検出工程
M 凹凸模様目印検出工程
340 凹凸模様検出器
N 凹凸模様検出工程
350 画像検出器
O 画像検出工程