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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/17 20060101AFI20240925BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240925BHJP
   B41J 2/165 20060101ALI20240925BHJP
   B41J 11/00 20060101ALI20240925BHJP
   B41J 11/70 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B41J2/17 103
B41J2/01 301
B41J2/01 305
B41J2/165 501
B41J11/00 B
B41J11/70
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020143306
(22)【出願日】2020-08-27
(65)【公開番号】P2022038687
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】早川 直人
(72)【発明者】
【氏名】山谷 啓介
【審査官】村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/040205(WO,A1)
【文献】特開2013-086249(JP,A)
【文献】特開平09-109375(JP,A)
【文献】特開2009-172827(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0196317(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
B41J 11/00-11/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を収納する収納部と、
前記収納部から搬送される前記媒体に液滴を吐出して記録を行う記録部と、
記録された前記媒体を排出する排出部と、
前記収納部から前記記録部を経由して前記排出部に至る搬送経路上に配置され、記
録された前記媒体を撮像する撮像部と、
前記記録部と前記撮像部との間に、前記搬送経路における前記媒体上方の空間を狭
める規制壁と、
を備え、
前記記録部は、前記媒体に向かって前記液滴を吐出するノズルを有するヘッドと、
前記ヘッドを搭載するキャリッジと、有し、
前記キャリッジを支持するガイドフレームは、前記搬送経路において前記記録部と
前記撮像部との間に位置し、前記規制壁として機能することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置であって、
前記搬送経路は、前記収納部と前記記録部との間に、前記媒体を反転搬送させて前
記記録部に搬送する湾曲経路を備え、
前記撮像部は、前記湾曲経路と前記記録部との間に配置される、記録装置。
【請求項3】
媒体を収納する収納部と、
前記収納部から搬送される前記媒体に液滴を吐出して記録を行う記録部と、
記録された前記媒体を排出する排出部と、
記収納部と前記記録部との間に、前記収納部から前記記録部を経由して前記排出
部に至る搬送経路上に設けられ前記媒体を反転搬送させて前記記録部に搬送する湾曲経路
と、
記記録部と前記排出部との間に、第1面に記録された前記媒体を切断可能な切断
部と、
前記搬送経路上に配置され、記録された前記媒体を撮像する撮像部と、
前記記録部と前記撮像部との間に、前記搬送経路における前記媒体上方の空間を狭
める規制壁と、
を備え、
前記撮像部は、前記湾曲経路と前記記録部との間に配置され、
前記搬送経路は、前記切断部で切断された前記媒体を反転搬送させ、前記湾曲経路
の上流側に合流する反転経路を含み、
前記記録部では、前記反転経路で反転搬送された前記媒体の前記第1面とは反対の
第2面に前記液滴を吐出することを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項3に記載の記録装置であって、
前記湾曲経路と前記記録部との間の前記搬送経路は、前記湾曲経路の上端部から前
記記録部の前記液滴が吐出される吐出面に向けて下方に傾斜しており、
前記撮像部の少なくとも一部は、高さ方向において前記湾曲経路の前記上端部と前
記記録部の前記吐出面との間に配置される、記録装置。
【請求項5】
媒体を収納する収納部と、
前記収納部から搬送される前記媒体に液滴を吐出して記録を行う記録部と、
記録された前記媒体を排出する排出部と、
記収納部と前記記録部との間に、前記収納部から前記記録部を経由して前記排出
部に至る搬送経路上に設けられ前記媒体を反転搬送させて前記記録部に搬送する湾曲経路
と、
前記前記搬送経路上に配置され、記録された前記媒体を撮像する撮像部と、
前記記録部と前記撮像部との間に、前記搬送経路における前記媒体上方の空間を狭
める規制壁と、
を備え、
前記撮像部は、前記湾曲経路と前記記録部との間に配置され、
前記湾曲経路の外周面に沿って前記媒体を搬送する搬送ローラーが配置されること
を特徴とする記録装置。
【請求項6】
媒体を収納する収納部と、
前記収納部から搬送される前記媒体に液滴を吐出して記録を行う記録部と、
記録された前記媒体を排出する排出部と、
記収納部と前記記録部との間に、前記収納部から前記記録部を経由して前記排出
部に至る搬送経路上に設けられ前記媒体を反転搬送させて前記記録部に搬送する湾曲経路
と、
前記記録部と前記排出部との間に、前記媒体を切断可能な切断部と、
前記搬送経路上に配置され、記録された前記媒体を撮像する撮像部と、
前記記録部と前記撮像部との間に、前記搬送経路における前記媒体上方の空間を狭
める規制壁と、
を備え、
前記搬送経路は、前記切断部で切断された前記媒体を反転搬送させ、前記湾曲経路
の上流側に合流する反転経路を含み、
前記撮像部は、前記記録部と前記排出部との間に配置されることを特徴とする記録
装置。
【請求項7】
請求項6に記載の記録装置であって、
記撮像部は、前記記録部と前記切断部との間に配置され、
前記記録部と前記撮像部との間に前記規制壁が配置され、
前記撮像部と前記切断部との間に、前記搬送経路における前記媒体上方の空間を狭
める他の規制壁が配置される、記録装置。
【請求項8】
媒体を収納する収納部と、
前記収納部から搬送される前記媒体に液滴を吐出して記録を行う記録部と、
記録された前記媒体を切断する切断部と、
切断された前記媒体を排出する排出部と、
前記収納部から前記記録部を経由して、前記切断部及び前記排出部に至る搬送経路
上に配置され、記録された前記媒体を撮像する撮像部と、
前記撮像部と前記切断部との間に、前記搬送経路における前記媒体上方の空間を狭
める規制壁と、
を備え、
前記撮像部は、前記記録部よりも前記搬送経路の上流に配置され、
前記規制壁は、前記撮像部と前記記録部との間に配置されることを特徴とする記録
装置。
【請求項9】
媒体を収納する収納部と、
前記収納部から搬送される前記媒体に液滴を吐出して記録を行う記録部と、
切断された前記媒体を排出する排出部と、
記収納部と前記記録部との間に、前記収納部から前記記録部を経由して前記排出
部に至る搬送経路上に設けられ前記媒体を反転搬送させて前記記録部に搬送する湾曲経路
と、
記録された前記媒体を切断する切断部と、
前記搬送経路上に配置され、記録された前記媒体を撮像する撮像部と、
前記撮像部と前記切断部との間に、前記搬送経路における前記媒体上方の空間を狭
める規制壁と、
を備え、
前記撮像部は、前記湾曲経路と前記記録部との間に配置されることを特徴とする記
録装置。
【請求項10】
請求項9に記載の記録装置であって、
前記切断部では、第1面に記録された前記媒体を切断し、
前記搬送経路は、前記切断部で切断された前記媒体を反転搬送させ、前記湾曲経路
の上流側に合流する反転経路を含み、
前記記録部では、前記反転経路で反転搬送された前記媒体の前記第1面とは反対の
第2面に前記液滴を吐出する、記録装置。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の記録装置であって、
前記湾曲経路と前記記録部との間の前記搬送経路は、前記湾曲経路の上端部から前
記記録部の前記液滴が吐出される吐出面に向けて下方に傾斜しており、
前記撮像部の少なくとも一部は、高さ方向において前記湾曲経路の前記上端部と前
記記録部の前記吐出面との間に配置される、記録装置。
【請求項12】
請求項9から請求項11のいずれか一項に記載の記録装置であって、
前記湾曲経路の外周面に沿って前記媒体を搬送する搬送ローラーが配置される、記
録装置。
【請求項13】
媒体を収納する収納部と、
前記収納部から搬送される前記媒体に液滴を吐出して記録を行う記録部と、
切断された前記媒体を排出する排出部と、
記収納部と前記記録部との間に、前記収納部から前記記録部を経由して前記排出
部に至る搬送経路上に設けられ前記媒体を反転搬送させて前記記録部に搬送する湾曲経路
と、
記録された前記媒体を切断する切断部と、
前記搬送経路上に配置され、記録された前記媒体を撮像する撮像部と、
前記撮像部と前記切断部との間に、前記搬送経路における前記媒体上方の空間を狭
める規制壁と、
を備え、
前記搬送経路は、前記切断部で切断された前記媒体を反転搬送させ、前記湾曲経路
の上流側に合流する反転経路を含み、
前記撮像部は、前記記録部と前記切断部との間に配置されることを特徴とする記録
装置。
【請求項14】
請求項13に記載の記録装置であって、
前記撮像部と前記切断部との間に前記規制壁が配置され、
前記記録部と前記撮像部との間に、前記搬送経路における前記媒体上方の空間を狭
める他の規制壁が配置される、記録装置。
【請求項15】
媒体を収納する収納部と、
前記収納部から搬送される前記媒体に液滴を吐出して記録を行う記録部と、
記録された前記媒体を切断する切断部と、
切断された前記媒体を排出する排出部と、
前記収納部から前記記録部を経由して、前記切断部及び前記排出部に至る搬送経路
上に配置され、記録された前記媒体を撮像する撮像部と、
前記撮像部と前記切断部との間に、前記搬送経路における前記媒体上方の空間を狭
める規制壁と、
を備え、
前記撮像部は、前記切断部と前記排出部との間に配置されることを特徴とする記録
装置。
【請求項16】
請求項15に記載の記録装置であって、
前記撮像部と前記切断部との間に前記規制壁が配置され、
前記記録部と前記切断部との間に、前記搬送経路における前記媒体上方の空間を狭
める他の規制壁が配置される、記録装置。
【請求項17】
請求項1ないし請求項16のいずれか一項に記載の記録装置であって、
前記規制壁の前記媒体の搬送方向に交差する幅寸法は、前記撮像部の前記媒体の搬
送方向に交差する幅寸法よりも長い、記録装置。
【請求項18】
請求項1ないし請求項16のいずれか一項に記載の記録装置であって、
前記撮像部によって撮像された情報に基づき、前記記録部による記録の状態を判断
する制御部を有する、記録装置。
【請求項19】
請求項18に記載の記録装置であって、
前記制御部の判断結果に基づいて、判断結果を通知する通知部を備える、記録装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すように、搬送経路に沿って媒体を搬送する搬送機構と、搬送される媒体に対して記録を行う記録部と、記録された媒体を裁断する裁断部と、を備えた記録装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-63382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記記録装置では、記録時にミストの発生が懸念される。そして、上記装置において、記録部によって記録された媒体の記録状態を撮像する撮像機構を備えた構成の場合、撮像機構へのミストの付着により、媒体の記録状態を正確に撮像することができない、という課題がある。
また、記録装置は長尺の媒体に記録を行い、記録を行った長尺の媒体を切断して単票として排出する記録装置もある。このような、記録装置では、切断時に紙粉の発生が懸念される。そして、切断部を有する上記装置においても、記録部によって記録された媒体の記録状態を撮像する撮像機構を備えた構成の場合、撮像機構への紙粉の付着により、媒体の記録状態を正確に撮像することができない、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
記録装置は、媒体を収納する収納部と、前記収納部から搬送される前記媒体に液滴を吐出して記録を行う記録部と、記録された前記媒体を排出する排出部と、前記収納部から前記記録部を経由して前記排出部に至る搬送経路上に配置され、記録された前記媒体を撮像する撮像部と、を備え、前記記録部と前記撮像部との間に、前記搬送経路における前記媒体上方の空間を狭める規制壁を備えた。
【0006】
記録装置は、媒体を収納する収納部と、前記収納部から搬送される前記媒体に液滴を吐出して記録を行う記録部と、記録された前記媒体を切断する切断部と、切断された前記媒体を排出する排出部と、前記収納部から前記記録部を経由して、前記切断部及び前記排出部に至る搬送経路上に配置され、記録された前記媒体を撮像する撮像部と、を備え、前記撮像部と前記切断部との間に、前記搬送経路における前記媒体上方の空間を狭める規制壁を備えた。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態にかかる記録装置の外観構成を示す斜視図。
図2】第1実施形態にかかる記録装置の外観構成を示す斜視図。
図3】第1実施形態にかかる記録装置の内部構成を示す断面模式図。
図4】第1実施形態にかかる記録装置の制御部の構成を示すブロック図。
図5A】第1実施形態にかかる記録装置の制御方法を示す模式図。
図5B】第1実施形態にかかる記録装置の制御方法を示す模式図。
図5C】第1実施形態にかかる記録装置の制御方法を示す模式図。
図5D】第1実施形態にかかる記録装置の制御方法を示す模式図。
図5E】第1実施形態にかかる記録装置の制御方法を示す模式図。
図6A】第1実施形態にかかる記録装置の他の制御方法を示す模式図。
図6B】第1実施形態にかかる記録装置の他の制御方法を示す模式図。
図6C】第1実施形態にかかる記録装置の他の制御方法を示す模式図。
図6D】第1実施形態にかかる記録装置の他の制御方法を示す模式図。
図7】第1実施形態にかかる記録装置の内部構成を示す一部拡大模式図。
図8】第1実施形態にかかる記録装置の内部構成を示す一部拡大模式図。
図9】第2実施形態にかかる記録装置の内部構成を示す一部拡大模式図。
図10】第3実施形態にかかる記録装置の内部構成を示す一部拡大模式図。
図11】第4実施形態にかかる記録装置の内部構成を示す一部拡大模式図。
図12】第5実施形態にかかる記録装置の内部構成を示す一部拡大模式図。
図13】第6実施形態にかかる記録装置の内部構成を示す一部拡大模式図。
図14】第7実施形態にかかる記録装置の内部構成を示す一部拡大模式図。
図15】第8実施形態にかかる記録装置の内部構成を示す一部拡大模式図。
図16】第9実施形態にかかる記録装置の内部構成を示す断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.第1実施形態
まず、記録装置11の構成について説明する。本実施形態の記録装置11は、媒体Mに液体としてのインクを吐出して印刷するインクジェット方式の記録装置である。媒体Mは、例えば、ロール紙Rであり、ロール状に巻き重ねられた長尺の媒体である。
【0009】
以降の図面では、記録装置11が水平面上に載置された状態とし、水平面に沿う方向として、記録装置11の前後方向をX軸に沿った方向とし、左右方向(又は幅方向)をY軸に沿った方向とする。また、水平面に対して鉛直方向(上下方向)をZ軸に沿った方向とする。また、+X方向を前方向、-X方向を後方向、+Y方向を右方向、-Y方向を左方向、+Z方向を上方向、-Z方向を下方向とする。
【0010】
図1図2及び図3に示すように、記録装置11は、直方体状の筐体12、及び記録装置11の各部を支持する本体フレーム16を備える。筐体12は、前面に開口する開口部13を備えている。また、筐体12には、記録(印刷)されて切断された媒体Mを排出する排出口14が設置されている。なお、排出口14は排出部28を構成する。
【0011】
記録装置11は、ロール紙Rを収納し、また収納したロール紙Rを繰り出す収納部40を備えている。収納部40は、開口部13を通じて筐体12から前方向に引き出し可能に設置される。収納部40は、筐体12に収納された場合、記録装置11の外装の一部を構成する前板部42と、ロール紙Rを回転自在に支持する一対の支持壁43と、を備えている。
【0012】
排出部28の下方には、切断部27による切断で生じる媒体Mの切断屑Maを収容する箱状の切断屑収容部80を備えている。切断屑収容部80は、ロール紙Rの前方向で、着脱可能に筐体12の前面に設置されている。切断屑収容部80は、筐体12に取り付けられることで開口部13を塞ぐ。切断屑収容部80は、筐体12に取り付けられた場合、記録装置11の外装の一部を構成する外壁81を備えている。
【0013】
切断屑収容部80が筐体12から取り外された場合、収納部40が筐体12から引き出し可能な状態となる。収納部40が筐体12から引き出された状態で、ロール紙Rを交換する。
【0014】
また、筐体12の前方には、記録装置11を操作するための操作部15が設けられる。操作部15は、Y軸に沿った方向に横長のパネルであり、記録装置11をオン又はオフする際に操作される電源ボタン15aや、各種の操作情報を入力可能な入力ボタン15bや、記録装置11の操作状態などの表示や記録装置11の操作ボタンが設けられた操作パネル15cが設けられる。操作パネル15cは、タッチパネルである。また、外部に向けて音を発するスピーカー15dが設けられる。
【0015】
図3に示すように、記録装置11は、媒体Mが搬送される搬送経路30(図中、二点鎖線で示す)を備える。記録装置11は、搬送経路30に沿って媒体Mを搬送する搬送部31と、媒体Mに記録を行う記録部20と、媒体Mを切断する切断部27と、を備える。
【0016】
記録部20は、収納部40から搬送される媒体Mに記録を行う。記録部20は、媒体Mに向かってインクを吐出するノズル23を有するヘッド22と、ヘッド22を搭載するキャリッジ21と、を備える。キャリッジ21は、Y軸に沿って延在するガイドフレーム100と、ガイドフレーム100に取り付けられ、Y軸に沿って延在するガイド軸24とによって支持される。キャリッジ21は、モーター等の駆動源によってガイド軸24に沿って移動可能である。すなわち、キャリッジ21は、Y軸に沿った方向に往復移動可能である。ヘッド22と対向する位置には、媒体Mを支持する支持部25が設けられる。
【0017】
ヘッド22は、キャリッジ21と共に媒体Mの幅方向に往復移動しならインクを吐出することで、支持部25に支持された媒体Mに記録を行う。本実施形態では、記録部20として、ヘッド22が幅方向に往復移動するシリアルヘッド方式を例示したが、ヘッド22が幅方向に延在して固定配列されたラインヘッド方式の記録部であってもよい。
【0018】
搬送経路30は、媒体Mが移動可能な空間であり、複数の部材により構成される。搬送経路30は、最上流に位置してロール紙Rを繰り出す収納部40から、最下流に位置する排出部28(排出口14)まで続く。記録部20及び支持部25などは、搬送経路30上に配置される。
【0019】
切断部27は、支持部25より下流に位置すると共に、排出口14より上流に位置する。本実施形態の切断部27は、幅方向(左右方向)に往復移動可能な可動刃27aと、移動しない固定刃27bと、を備える。可動刃27aは、搬送経路30の上方に設けられ、固定刃27bは搬送経路30の下方に設けられる。切断部27は、媒体Mを切断位置で幅方向にわたって切断する。切断位置は、固定刃27bの刃先の位置である。
【0020】
本実施形態の搬送経路30は、媒体Mの搬送方向上流側から、ロール紙Rから繰り出される媒体Mが搬送される第1経路30aと、媒体Mが湾曲しながら搬送される湾曲経路30bと、ヘッド22(支持部25)に向けて媒体Mが搬送される第2経路30cと、支持部25の下流から排出部28に向けて媒体Mが搬送される第3経路30dと、を有する。
【0021】
さらに、搬送経路30は、反転経路30eを備える。反転経路30eは、第2経路30cから分岐する分岐点P1と、第1経路30aに合流する合流点P2とを結ぶ通路である。湾曲経路30bを介して搬送される媒体Mの搬送方向において、合流点P2は、分岐点P1より上流に位置する。すなわち、反転経路30eは、湾曲経路30bの上流側に合流する。反転経路30eは、単票状の媒体Mを反転させて、媒体Mの両面に記録を行うための経路である。
【0022】
搬送部31は、収納部40から記録部20を経由して、切断部27及び排出部28に至る搬送経路30に沿って媒体Mを搬送する。搬送部31は、第1経路30a上に設けられる供給ローラー対32、湾曲経路30bを形成する中間ローラー33、湾曲経路30bの中間ローラー33の外周面に沿って配置された従動ローラー34(搬送ローラーに相当)、第2経路30c上に設けられる上流側搬送ローラー対35を備えている。
従動ローラー34は、回転自在に設けられ、中間ローラー33との間に媒体Mを挟んで従動回転する。本実施形態では、従動ローラー34は複数(本実施形態では3つ)備えている。これにより、反転された媒体Mを湾曲経路30bに沿って円滑に搬送させることができる。
【0023】
搬送部31は、さらに第3経路30d上に下流側第1搬送ローラー対36、下流側第2搬送ローラー対37、及び下流側第3搬送ローラー対38を備えている。下流側第2搬送ローラー対37は、切断部27より上流に位置する。下流側第3搬送ローラー対38は、切断部27より下流に位置する。
【0024】
ここで、収納部40の構成について説明する。
収納部40は、ロール紙Rが筐体12の幅方向に延びる支軸41を介して回転可能に支持される。支軸41は、正逆両方向に回転駆動可能に構成される。そのため、ロール紙Rは、支軸41を介して正逆両方向に回転駆動される。また、収納部40には、ロール紙Rから繰り出される媒体Mを、第1経路30aに向かって搬送するためのロール紙搬送路50が設けられる。ロール紙搬送路50は、搬送経路30の一部である。
【0025】
ロール紙搬送路50は、支軸41を介して支持されたロール紙Rの前側から下方に向かって延びてから後方向に屈曲し、ロール紙Rの下方向及び後方向を回り込んでロール紙Rよりも高い位置まで上方向に向かって第1経路30aまで延びる。
【0026】
ロール紙搬送路50は、その上流端部、すなわちロール紙搬送路50におけるロール紙Rの前方向で、斜め下方向の位置に、ほぼ直角に曲がる屈曲部50aを有する。ロール紙搬送路50における屈曲部50aの下流側には、ロール紙Rから繰り出される媒体Mの曲がり癖を矯正するデカールを行うためのデカール機構51が設けられる。
【0027】
ロール紙搬送路50におけるデカール機構51よりも下流側には、ロール紙Rに搬送力を付与するロール紙搬送ローラー対56が適宜間隔を置いて設置される。ロール紙搬送ローラー対56が回転駆動することにより、媒体Mがロール紙Rから繰り出されて、第1経路30aに搬送される。ロール紙搬送ローラー対56は、搬送部31の一部である。
【0028】
ロール紙搬送ローラー対56、供給ローラー対32、中間ローラー33、従動ローラー34、上流側搬送ローラー対35、下流側第1搬送ローラー対36、下流側第2搬送ローラー対37、及び下流側第3搬送ローラー対38は、媒体Mを挟んだ状態で回転することにより媒体Mを搬送する。
【0029】
搬送部31の各ローラーが正転駆動されることにより媒体Mを上流から下流に搬送し、逆転駆動されることにより媒体Mを下流から上流に搬送する。本実施形態では、搬送経路30に沿って、下流に向かう方向を順送方向D1(搬送方向に相当)といい、上流に向かう方向を逆送方向D2という。
【0030】
記録装置11は、搬送される媒体Mへの加熱を行う加熱部60を備えている。加熱部60は、湾曲経路30bに設置される中間ローラー33に対向して位置し、3つの従動ローラー34において、最も下流側の従動ローラー34の直ぐ下流側に設置されている。加熱部60は、媒体Mの巻癖を矯正するために構成されている。本実施形態の加熱部60は、発熱するヒーター61と、発熱したヒーター61の熱を媒体Mに吹き付けるファン62とで構成されている。
【0031】
ヘッド22の上流側には、搬送される媒体Mの先端部を検出可能な検出部85を備える。本実施形態では、検出部85は、搬送経路30上におけるヘッド22と上流側搬送ローラー対35との間に配置される。
検出部85は、例えば、光学式センサーであり、発光可能な発光部及び受光可能な受光部を有する。発光部は、光学式センサーの下方に向けて発光し、受光部は、媒体Mに反射した反射光を受光する。発光部は、LED(Light Emitting Diode)やレーザー発光素子等で構成される。また、受光部は、フォトトランジスターやフォトIC等で構成される。受光部は、受光した受光量を電圧値として取得する。そして、受光量(電圧値)に媒体Mの有無を判断するための閾値が設けられ、当該閾値を基準にして媒体Mの有無が判断される。これにより媒体Mの先端部の検出が可能となる。
【0032】
また、記録装置11は、収納部40から記録部20を経由して排出部28に至る搬送経路30上に撮像部90が配置される。本実施形態では、撮像部90は、湾曲経路30bと記録部20のヘッド22との間に配置される。さらに詳細には、撮像部90は、第2経路30c上に配置される。
ここで、第2経路30cは、湾曲経路30bの上端部から記録部20のヘッド22からインクが吐出される吐出面(ヘッド22の-Z方向端面)に向けて下方に傾斜している。そして、撮像部90の少なくとも一部は、高さ方向において湾曲経路30bの上端部とヘッド22の吐出面との間に配置される。本実施形態では、撮像部90は、湾曲経路30bの上端部とヘッド22の吐出面との間に配置される。これにより、記録装置11の高さ方向の寸法を抑えることができる。
【0033】
撮像部90は、記録された媒体Mを撮像するものである。例えば、撮像部90は、記録部20によって記録されたテストパターンを撮像する。撮像部90は、例えば、密着光学方式のセンサー(CIS:Contact Image Sensor)である。撮像部90は、ライン型センサーであり、フォトセンサー、光源部及びレンズ等を有する。撮像部90は、媒体Mの幅方向における領域を撮像することができる。また、撮像部90は、排出部28からより離れた位置に配置されるため、外乱光の影響が少なく、撮像機能を確保することができる。
【0034】
ここで、テストパターンは、記録部20のノズル23からインクを吐出させて、各ノズル23に対応する複数の直線の集合からなるパターンである。記録されたテストパターンによりノズル23の吐出状態を確認することができる。本実施形態では、撮像部90によってテストパターンの画像データを取得し、取得された画像データに基づいて、制御部58がノズル23の吐出状態の良否判断を行う。制御部58がノズル23の吐出状態が良と判断した場合は記録(印刷)処理を実行する。一方、ノズル抜け(ドット抜け)等によりノズル23の吐出状態が否と判断した場合はクリーニング等のメンテナンス処理を実行することができる。
【0035】
次に、記録装置11の制御部58の構成について説明する。
図4に示すように、記録装置11は、記録装置11で実行される各種動作を制御する制御部58を備える。制御部58は、CPU581と、メモリー582と、制御回路583と、I/F(インターフェイス)584と、を有する。CPU581は演算処理装置である。メモリー582は、CPU581のプログラムを格納する領域または作業領域等を確保する記憶装置であり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。情報処理端末等の外部からI/F584を介して記録データ等を取得すると、CPU581が各駆動部等を制御する。
なお、搬送部31を構成する供給ローラー対32、中間ローラー33、上流側搬送ローラー対35、下流側第1搬送ローラー対36、下流側第2搬送ローラー対37、下流側第3搬送ローラー対38、ロール紙搬送ローラー対56は、それぞれ駆動制御可能に構成される。
【0036】
次に、記録装置11の制御方法について説明する。
まず、媒体Mの第1面S1に記録する制御方法について説明する。図5Aから図5Eは、記録装置11の制御方法を示す模式図である。なお、媒体Mの第1面S1は、ロール状に巻き重ねられた状態で外側となる面である。一方、媒体Mの第2面S2は、ロール状に巻き重ねられた状態で内側となる面である。
【0037】
まず、図5Aに示すように、制御部58は、収納部40の支軸41及び搬送部31を正転駆動させ、収納部40に収納された媒体Mを搬送経路30の順送方向D1に搬送させる。媒体Mは、ロール紙搬送路50、第1経路30a、湾曲経路30b、第2経路30cを通ってヘッド22に対向する位置まで搬送される。
そして、記録部20を駆動させ、媒体Mにテストパターンを記録させる。
【0038】
次いで、図5Bに示すように、制御部58は、搬送部31を逆転駆動させ、媒体Mを搬送経路30の逆送方向D2に搬送させる。具体的には、媒体Mのテストパターンが記録された部分が撮像部90と対向する位置まで媒体Mを搬送させる。
そして、撮像部90を駆動させ、テストパターンを撮像させる。撮像された画像データ(情報)は制御部58に送信される。制御部58は、撮像部90から送信された画像データに基づき、記録部20による吐出状態を判断する。例えば、ヘッド22のノズル抜けの有無を判断する。
ヘッド22のノズル抜けが無いと判断された場合は、記録処理が継続される。一方、ヘッド22のノズル抜けが有ると判断された場合は、クリーニング等のメンテナンス処理が行われる。
また、制御部58の判断結果に基づいて、判断結果を通知する。具体的には、通知部としての操作部15の操作パネル15cに判断結果を表示させてもよいし、判断結果を、スピーカー15dを介して音で通報させてもよい。これにより、ユーザーは記録部20による吐出状態を容易に知ることができる。
【0039】
次いで、ヘッド22のノズル抜けが無いと判断された場合は、図5Cに示すように、制御部58は、収納部40の支軸41及び搬送部31を正転駆動させ、媒体Mを搬送経路30の順送方向D1に搬送させる。具体的には、媒体Mのテストパターンが記録された部分が切断部27の下流側に位置するまで媒体Mを搬送させる。
そして、切断部27を駆動させ、媒体Mのテストパターンが記録された部分を切断させる。
【0040】
次いで、図5Dに示すように、切断された媒体Mの切断屑Maは、下方に落下し、切断屑収容部80に収容される。
また、制御部58は、搬送部31を逆転駆動させ、媒体Mを搬送経路30の逆送方向D2に搬送させる。また、制御部58は、検出部85を駆動させ、検出部85によって媒体Mの先端部が検出された位置で搬送部31の駆動を停止させる。これにより、図5Dに示すように、媒体Mの先端部が、ヘッド22の上流側に位置した状態で停止する。
【0041】
次いで、図5Eに示すように、制御部58は、搬送部31及び記録部20を駆動させ、媒体Mを搬送経路30の順送方向D1に搬送させながら媒体Mに画像を記録させる。
そして、所定のタイミングで切断部27を駆動させ、媒体Mを切断させる。切断された媒体Mは、排出部28から排出される。
【0042】
次に、媒体Mの第1面S1及び第1面S1とは反対の第2面S2に記録する、両面印刷にかかる制御方法について説明する。図6Aから図6Dは、記録装置11の両面印刷にかかる制御方法を示す模式図である。
【0043】
図6Aに示すように、制御部58は、搬送部31及び記録部20を駆動させ、媒体Mを搬送経路30の順送方向D1に搬送させながら媒体Mの第1面S1に画像を記録させる。
【0044】
次いで、図6Bに示すように、所定のタイミングで切断部27を駆動させ、媒体Mを切断させる。また、制御部58は、下流側第3搬送ローラー対38の駆動を停止させ、切断されて単票状となった媒体Mを保持させる。
また、制御部58は、ロール紙搬送ローラー対56、供給ローラー対32、中間ローラー33、上流側搬送ローラー対35、下流側第1搬送ローラー対36及び下流側第2搬送ローラー対37を逆転駆動させ、媒体Mを搬送経路30の逆送方向D2に搬送させる。そして、媒体Mの先端部が供給ローラー対32に保持される位置で駆動を停止させる。
【0045】
次いで、図6Cに示すように、制御部58は、下流側第3搬送ローラー対38を逆転駆動させるとともに、上流側搬送ローラー対35、下流側第1搬送ローラー対36及び下流側第2搬送ローラー対37を逆転駆動させ、媒体Mを搬送経路30の逆送方向D2に搬送させ、媒体Mを反転経路30eに引き込ませる。
【0046】
次いで、図6Dに示すように、制御部58は、中間ローラー33及び上流側搬送ローラー対35を正転駆動させ、媒体Mを湾曲経路30b、第2経路30cを介してヘッド22に向けて搬送させる。これにより、媒体Mが反転し、媒体Mの第2面S2とヘッド22とが対向する。
次いで、媒体Mを順送方向D1に搬送させながら媒体Mの第2面S2にインクを吐出させて画像を記録させる。これにより、媒体Mの第1面S1及び第2面S2に記録が行われる。すなわち、両面印刷が実行される。
以降、さらに、媒体Mを順送方向D1に搬送させることで、媒体Mは、排出部28から排出される。
【0047】
ここで、撮像部90における異物付着について説明する。異物は、例えば、ミストである。上述の通り記録装置11は、インクジェット方式の記録装置である。このため、ヘッド22からインクが吐出された際、微小の液状粒子(ミスト)が発生し、空気中に浮遊する。そして、このミストが撮像部90に付着してしまう、という課題がある。撮像部90にミストが付着すると、媒体Mの記録状態を正確に撮像することができない。
そこで、本実施形態では、撮像部90へのミストの付着を抑制するための規制壁100が設けられる。以下、規制壁100の具体的な形態について説明する。
【0048】
図7は、記録装置11の内部構成を示す一部拡大模式図である。
図7に示すように、記録部20と撮像部90との間に、搬送経路30における媒体M上方の空間を狭める規制壁100が設けられる。規制壁100は板状を成す。規制壁100は、Z軸に沿った方向に延在する。従って、規制壁100が配置される媒体M上方の空間は、規制壁100が無い場合に比べて、非常に狭くなる。
なお、本実施形態では、キャリッジ21を支持するガイドフレーム100が規制壁100として機能する(図3参照)。
【0049】
記録部20で発生したミストの撮像部90側への移動が規制壁100によって規制される。これにより、撮像部90へのミストの付着が抑制される。従って、撮像部90において媒体Mの記録状態を正確に撮像することができる。また、撮像部90に付着したミストの除去等のメンテナンス作業が低減し、工数を削減できる。
さらに、ガイドフレーム100を規制壁100として用いることで、別途規制壁を設置する必要が無いため、構成を簡略化できる。
【0050】
また、図8に示すように、規制壁100の媒体Mの搬送方向に交差する幅寸法(Y軸に沿った方向における寸法)は、媒体Mを搬送する搬送経路の搬送方向に交差する幅寸法(Y軸に沿った方向における寸法)よりも長い。また、規制壁100の幅寸法は、撮像部90の媒体Mを搬送する搬送経路の搬送方向に交差する幅寸法(Y軸に沿った方向における寸法)よりも長い。なお、撮像部90の幅寸法は、媒体Mを搬送する搬送経路の幅寸法とほぼ同等である。
また、規制壁100の幅寸法は、キャリッジ21(ヘッド22)がY軸に沿った方向に往復移動する移動領域とほぼ同等である。これにより、撮像部90の幅方向全体に亘ってミストの付着が抑制される。
また、媒体Mを順送方向D1に搬送すると、気流が下流側に発生するので、撮像部90を、記録部20の上流側に配置することで撮像部90にミストが付着しにくい。
【0051】
2.第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。具体的には、記録装置11Aにおける撮像部90及び規制壁100の配置について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図9は、本実施形態にかかる記録装置11Aの内部構成を示す一部拡大模式図である。
【0052】
図9に示すように、記録装置11Aにおける撮像部90は、記録部20と排出部28との間に配置される。すなわち、本実施形態では、撮像部90が記録部20の下流側に配置される。なお、本実施形態では、撮像部90は、記録部20と切断部27との間に配置される。そして、規制壁100が、記録部20と撮像部90との間に配置される。規制壁100は、第1実施形態と同様の機能を有し、搬送経路30における媒体M上方の空間を狭めるものである。
記録装置11Aでは、媒体Mを搬送経路30の順送方向D1に搬送させ、媒体Mにテストパターンを記録させた後、媒体Mを順送方向D1に搬送させて撮像部90でテストパターンを撮像する。その後、媒体Mを順送方向D1に搬送させて切断部27で媒体Mのテストパターンが記録された部分を切断する。
本実施形態によれば、規制壁100により撮像部90へのミストの付着を抑制できる。また、第1実施形態とは異なり、撮像部90が記録部20の下流側に配置されるため、媒体Mを逆送方向D2に搬送する必要が無く、媒体Mの搬送処理を容易に行うことができる。
【0053】
3.第3実施形態
次に、第3実施形態について説明する。具体的には、記録装置11Bにおける撮像部90、規制壁100及び他の規制壁101の配置について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図10は、本実施形態にかかる記録装置11Bの内部構成を示す一部拡大模式図である。
【0054】
図10に示すように、記録装置11Bにおける撮像部90は、記録部20と切断部27との間に配置される。そして、規制壁100が、記録部20と撮像部90との間に配置される。さらに、撮像部90と切断部27との間に、他の規制壁101が配置される。他の規制壁101は、規制壁100と同様の機能を有し、搬送経路30における媒体M上方の空間を狭めるものである。
本実施形態によれば、規制壁100により撮像部90へのミストの付着を抑制できる。さらに、他の規制壁101により切断部27から発生する紙粉の撮像部90への付着を抑制できる。
【0055】
4.第4実施形態
次に、第4実施形態について説明する。上記実施形態では、撮像部90に付着する異物として、記録部20で発生するミストを例に説明したが、他の異物として切断部27に発生する紙粉が考えられる。撮像部90に紙粉が付着すると、媒体Mの記録状態を正確に撮像することができない。
そこで、本実施形態では、撮像部90への紙粉の付着を抑制するため構成について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図11は、本実施形態にかかる記録装置11Cの内部構成を示す一部拡大模式図である。
【0056】
図11に示すように、記録装置11Cは、媒体Mを収納する収納部40(図3参照)と、収納部40から搬送される媒体Mに液滴を吐出して記録を行う記録部20と、記録された媒体Mを切断する切断部27と、切断された媒体Mを排出する排出部28と、収納部40から記録部20を経由して、切断部27及び排出部28に至る搬送経路30上に配置され、記録された媒体Mを撮像する撮像部90と、を備える。そして、撮像部90と切断部27との間に、搬送経路30における媒体M上方の空間を狭める規制壁100を備える。
【0057】
本実施形態では、搬送経路30は、収納部40と記録部20との間に、媒体Mを反転搬送させて記録部20に搬送する湾曲経路30bを備え、撮像部90は、搬送経路30上における湾曲経路30bと記録部20との間に配置される。
【0058】
これにより、切断部27で発生した紙粉の撮像部90側への移動が規制壁100によって規制され、撮像部90への紙粉の付着が抑制される。従って、撮像部90における媒体Mの記録状態を正確に撮像することができる。また、撮像部90に付着した紙粉の除去等のメンテナンス作業が低減し、工数を削減できる。
なお、規制壁100は、撮像部90と記録部20との間に配置してもよい。このようにすれば、撮像部90への紙粉の付着とともに記録部20によるミストの付着を抑制することができる。
【0059】
5.第5実施形態
次に、第5実施形態について説明する。具体的には、記録装置11Dにおける撮像部90及び規制壁100の配置について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図12は、本実施形態にかかる記録装置11Dの内部構成を示す一部拡大模式図である。
【0060】
図12に示すように、記録装置11Dにおける撮像部90は、記録部20と切断部27との間に配置される。そして、規制壁100は、記録部20と切断部27との間に配置される。
本実施形態によれば、規制壁100により撮像部90への紙粉の付着を抑制できる。また、第4実施形態とは異なり、撮像部90が記録部20の下流側に配置されるため、媒体Mを逆送方向D2に搬送する必要が無く、媒体Mの搬送処理を容易に行うことができる。
【0061】
6.第6実施形態
次に、第6実施形態について説明する。具体的には、記録装置11Eにおける撮像部90、規制壁100及び他の規制壁101の配置について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図13は、本実施形態にかかる記録装置11Eの内部構成を示す一部拡大模式図である。
【0062】
図13に示すように、記録装置11Eにおける撮像部90は、記録部20と切断部27との間に配置される。そして、規制壁100が、撮像部90と切断部27の間に配置される。さらに、記録部20と撮像部90との間に、他の規制壁101が配置される。他の規制壁101は、規制壁100と同様の機能を有し、搬送経路30における媒体M上方の空間を狭めるものである。
本実施形態によれば、規制壁100により撮像部90への紙粉の付着を抑制できる。さらに、他の規制壁101により記録部20から発生するミストの撮像部90への付着を抑制できる。
【0063】
7.第7実施形態
次に、第7実施形態について説明する。具体的には、記録装置11Fにおける撮像部90及び規制壁100の配置について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図14は、本実施形態にかかる記録装置11Fの内部構成を示す一部拡大模式図である。
【0064】
図14に示すように、記録装置11Fにおける撮像部90は、切断部27と排出部28との間に配置される。そして、規制壁100は、切断部27と撮像部90との間に配置される。
本実施形態によれば、規制壁100により撮像部90への紙粉の付着を抑制できる。また、第4実施形態とは異なり、撮像部90が記録部20の下流側に配置されるため、媒体Mを逆送方向D2に搬送する必要が無く、媒体Mの搬送処理を容易に行うことができる。さらに、撮像部90で撮像した直後に媒体Mを切断できるので、搬送効率が高まる。
【0065】
8.第8実施形態
次に、第8実施形態について説明する。具体的には、記録装置11Gにおける撮像部90、規制壁100及び他の規制壁101の配置について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図15は、本実施形態にかかる記録装置11Gの内部構成を示す一部拡大模式図である。
【0066】
図15に示すように、記録装置11Gにおける撮像部90は、切断部27と排出部28の間に配置される。そして、規制壁100が、切断部27と撮像部90との間に配置される。さらに、記録部20と切断部27との間に、他の規制壁101が配置される。他の規制壁101は、規制壁100と同様の機能を有し、搬送経路30における媒体M上方の空間を狭めるものである。このようにしても、上記同様の効果を得ることができる。
【0067】
9.第9実施形態
上記実施形態では、媒体Mとしてロール状に巻き重ねられた長尺の媒体を例に挙げて説明したが、これに限定されず、単票状の媒体M1であってもよい。
図16は、本実施形態にかかる記録装置11Hの内部構成を示す断面模式図である。
記録装置11Hは、ロール状に巻き重ねられた長尺の媒体Mと、単票状の媒体M1と、に記録可能に構成される。また、単票状の媒体M1に対しても両面印刷可能に構成される。
図16に示すように、記録装置11Hは、上述の筐体12の外面に媒体M1を収容するカセット221を収容し、媒体M1を搬送可能な収容搬送体200がセットされる。
【0068】
収容搬送体200は、カセット221に収容された媒体M1を湾曲経路30bに向けて搬送する給送部222を有する。
給送部222は、カセット221に積層状態で収容された媒体M1のうち、最上位の媒体M1を送り出すピックアップローラー227と、ピックアップローラー227により送り出された媒体M1を1枚ずつ分離する分離ローラー対228と、単票用搬送経路217に沿って湾曲経路30bに向けて媒体M1を搬送する搬送ローラー対229と、を備える。
【0069】
単票用搬送経路217の下流端には、湾曲経路30bと連通する連通路230が設けられる。
カセット221から搬送された媒体M1は、単票用搬送経路217に沿って搬送され、連通路230を介して湾曲経路30bに合流する。湾曲経路30bに合流した媒体M1は、搬送部31によって記録部20側に搬送される。
また、記録部20によって記録された媒体M1を逆送方向D2に搬送させ、反転経路30eを介して媒体M1の表裏を反転させて、媒体M1を順送方向D1に搬送させ記録部20に搬送させ、反対面に記録することができる。これにより、両面印刷が可能となる。
なお、記録装置11Hにおける撮像部90及び規制壁100の配置は、上述の実施形態と同様である。このようにすれば、単票状の媒体M1を搬送する構成であっても上記同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0070】
11,11A,11B,11C,11D,11E,11F,11G,11H…記録装置、12…筐体、13…開口部、14…排出口、15…操作部(通知部)、15a…電源ボタン、15b…入力ボタン、15c…操作パネル、15d…スピーカー、20…記録部、21…キャリッジ、22…ヘッド、23…ノズル、25…支持部、27…切断部、28…排出部、30…搬送経路、30a…第1経路、30b…湾曲経路、30c…第2経路、30d…第3経路、30e…反転経路、31…搬送部、32…供給ローラー対、33…中間ローラー、34…従動ローラー、35…上流側搬送ローラー対、36…下流側第1搬送ローラー対、37…下流側第2搬送ローラー対、38…下流側第3搬送ローラー対、40…収納部、58…制御部、85…検出部、90…撮像部、100…規制壁(ガイドフレーム)、101…他の規制壁、D1…順送方向(搬送方向)、D2…逆送方向、M,M1…媒体、S1…第1面、S2…第2面。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16