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特許7559433プロセス制御システムにおいてフィールドデバイス状態を監視するための方法、システム、およびコンピュータプログラム製品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】プロセス制御システムにおいてフィールドデバイス状態を監視するための方法、システム、およびコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20240925BHJP
【FI】
G05B23/02 T
G05B23/02 301N
【請求項の数】 25
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020144465
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2021093126
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-08-01
(31)【優先権主張番号】16/705,313
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(72)【発明者】
【氏名】トゥン・ンギー・タン
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-106172(JP,A)
【文献】特開2008-077175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/00 -23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフィールドデバイスを備えるプロセス制御システム内のフィールドデバイスパラメータ状態変化を監視するための方法であって、
前記複数のフィールドデバイスの選択されたサブセット内のフィールドデバイスごとに、
前記フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットを取り出すステップであって、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットが、(i)前記フィールドデバイスに関連付けられた基準パラメータ状態または(ii)前記フィールドデバイスに関連付けられた前のパラメータ状態の記憶されたセットのいずれかを表し、前記前のパラメータ状態が、前記フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットとは異なる、ステップと、
前記フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットを取得するステップであって、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットが、前記フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットを表し前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットを取得することが、
前記フィールドデバイスのメモリがアクセス可能であるかどうかを判定するために、前記フィールドデバイスに問い合わせることと、
前記フィールドデバイスの前記メモリがアクセス可能であるとき、前記フィールドデバイスの前記メモリから前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットを取り出すことと、
前記フィールドデバイスの前記メモリがアクセス可能でないとき、前記フィールドデバイスの前記メモリとは別のヒストリアンデータベースから、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットを取り出すことであって、前記ヒストリアンデータベースは前記フィールドデバイスに対して以前に収集されたフィールドデバイスパラメータ状態データを含む、取り出すことと、を含む、ステップと、
それぞれ前記フィールドデバイスに対応する前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットと前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットとを比較するステップと、
前記比較された、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットと前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットとの間の偏差を検出するステップと、
ディスプレイデバイス上に、前記複数のフィールドデバイスの前記選択されたサブセット内のフィールドデバイスごとに、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットと前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットとの間の前記検出された偏差を表すデータを表示するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記複数のフィールドデバイスの前記サブセットは、前記プロセス制御システム内の2つ以上のフィールドデバイスを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットは、1つまたは複数のパラメータ状態クエリが前記フィールドデバイスに送信されたことに応じて前記フィールドデバイスから受信されるパラメータ状態データを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットは、前記フィールドデバイスに関連付けられ、フィールドデバイス構成データベースから取り出されたパラメータ状態データを備え、取り出されたパラメータ状態データは、前記フィールドデバイスから直前に受信されたパラメータ状態データの記憶されたセットを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットは、(i)1つまたは複数のパラメータ状態クエリが前記フィールドデバイスに送信されたことに応じて、前記フィールドデバイスから受信されるパラメータ状態データ、または(ii)前記フィールドデバイスに関連付けられ、フィールドデバイス構成データベースから取り出されたパラメータ状態データを備え、取り出されたパラメータ状態データは、前記フィールドデバイスから直前に受信されたパラメータ状態データの記憶されたセットを備え、
前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットは、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットよりも前に前記フィールドデバイスから受信され、前記フィールドデバイス構成データベースに記憶されたパラメータ状態データを表す、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットおよび前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットが対応するフィールドデバイスパラメータは、受信されたユーザ入力に基づいて選択され、前記ユーザ入力は、ユーザインターフェースを通じて受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットおよび前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットが対応する前記フィールドデバイスパラメータは、前記ユーザインターフェースを通じてユーザ構成可能な1つまたは複数の属性を有するフィールドデバイスパラメータのみからなる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第1のユーザ入力を備える前記受信されたユーザ入力に応じて、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットおよび前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットが対応する前記フィールドデバイスパラメータは、選択されたフィールドデバイスが対応するフィールドデバイスの同じクラスに属するすべての前記選択されたフィールドデバイスによって共有されるそのようなフィールドデバイスパラメータのみを備え、または
第2のユーザ入力を備える前記受信されたユーザ入力に応じて、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットおよび前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットが対応する前記フィールドデバイスパラメータは、前記フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータである、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記受信されたユーザ入力は前記第1のユーザ入力であり、
前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットは、前記フィールドデバイスが対応するフィールドデバイスの識別されたクラス内の複数のフィールドデバイスが分類されるクラスに関連付けられた記憶された基準パラメータ状態データを備え、
前記記憶された基準パラメータ状態データは、前記フィールドデバイスに一意に関連付けられ、かつ前記複数のフィールドデバイスの前記選択されたサブセット内の2つ以上のフィールドデバイス用のフィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットとして使用され、前記2つ以上のフィールドデバイスは、フィールドデバイスの前記識別されたクラスに対応する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記受信されたユーザ入力は前記第2のユーザ入力であり、
前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットは、前記フィールドデバイスに一意に関連付けられた記憶された基準パラメータ状態データを備える、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記比較された、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットと前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットとの間の偏差が検出されたことに応じて、前記フィールドデバイスに一意に関連付けられた前記記憶された基準パラメータ状態データは、ユーザ入力を通じて受信された更新命令に基づいて更新される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記比較された、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットと前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットとの間の偏差が検出されたことに応じてアラートが生成され、アラート生成は、1つまたは複数の既定のアラート生成規則に基づいて行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
プロセス制御システム内のフィールドデバイスパラメータ状態変化を監視するためのシステムであって、
複数のフィールドデバイスと、
前記複数のフィールドデバイスの選択されたサブセット内のフィールドデバイスごとに、
前記フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットを取り出すことであって、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットが、(i)前記フィールドデバイスに関連付けられた基準パラメータ状態または(ii)前記フィールドデバイスに関連付けられた前のパラメータ状態の記憶されたセットのいずれかを表し、前記前のパラメータ状態が、前記フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットとは異なる、取り出すことと、
前記フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットを取得することであって、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットが、前記フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットを表し前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットを取得することが、
前記フィールドデバイスのメモリがアクセス可能であるかどうかを判定するために、前記フィールドデバイスに問い合わせることと、
前記フィールドデバイスの前記メモリがアクセス可能であるとき、前記フィールドデバイスの前記メモリから前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットを取り出すことと、
前記フィールドデバイスの前記メモリがアクセス可能でないとき、前記フィールドデバイスの前記メモリとは別のヒストリアンデータベースから、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットを取り出すことであって、前記ヒストリアンデータベースは前記フィールドデバイスに対して以前に収集されたフィールドデバイスパラメータ状態データを含む、取り出すことと、を含む、
取得することと、
それぞれ前記フィールドデバイスに対応する前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットと前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットとを比較することと、
前記比較された、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットと前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットとの間の偏差を検出することと、
ディスプレイデバイス上に、前記複数のフィールドデバイスの前記選択されたサブセット内のフィールドデバイスごとに、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットと前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットとの間の前記検出された偏差を表すデータを表示することと
を行うように構成された監視サーバと
を備える、システム。
【請求項14】
前記複数のフィールドデバイスの前記サブセットは、前記プロセス制御システム内の2つ以上のフィールドデバイスを備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットは、1つまたは複数のパラメータ状態クエリが前記フィールドデバイスに送信されたことに応じて前記フィールドデバイスから受信されるパラメータ状態データを備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットは、前記フィールドデバイスに関連付けられ、フィールドデバイス構成データベースから取り出されたパラメータ状態データを備え、取り出されたパラメータ状態データは、前記フィールドデバイスから直前に受信されたパラメータ状態データの記憶されたセットを備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットは、(i)1つまたは複数のパラメータ状態クエリが前記フィールドデバイスに送信されたことに応じて、前記フィールドデバイスから受信されるパラメータ状態データ、または(ii)前記フィールドデバイスに関連付けられ、フィールドデバイス構成データベースから取り出されたパラメータ状態データを備え、取り出されたパラメータ状態データは、前記フィールドデバイスから直前に受信されたパラメータ状態データの記憶されたセットを備え、
前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットは、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットよりも前に前記フィールドデバイスから受信され、前記フィールドデバイス構成データベースに記憶されたパラメータ状態データを表す、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットおよび前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットが対応するフィールドデバイスパラメータは、受信されたユーザ入力に基づいて選択され、前記ユーザ入力は、ユーザインターフェースを通じて受信される、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットおよび前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットが対応する前記フィールドデバイスパラメータは、前記ユーザインターフェースを通じてユーザ構成可能な1つまたは複数の属性を有するフィールドデバイスパラメータのみからなる、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
第1のユーザ入力を備える前記受信されたユーザ入力に応じて、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットおよび前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットが対応する前記フィールドデバイスパラメータが、選択されたフィールドデバイスが対応するフィールドデバイスの同じクラスに属するすべての前記選択されたフィールドデバイスによって共有されるそのようなフィールドデバイスパラメータのみを備え、または
第2のユーザ入力を備える前記受信されたユーザ入力に応じて、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットおよび前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットが対応する前記フィールドデバイスパラメータが、前記フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータである、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記受信されたユーザ入力は前記第1のユーザ入力であり、
前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットは、前記フィールドデバイスが対応するフィールドデバイスの識別されたクラス内の複数のフィールドデバイスが分類されるクラスに関連付けられた記憶された基準パラメータ状態データを備え、
前記記憶された基準パラメータ状態データは、前記フィールドデバイスに一意に関連付けられ、かつ前記複数のフィールドデバイスの前記選択されたサブセット内の2つ以上のフィールドデバイス用のフィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットとして使用され、前記2つ以上のフィールドデバイスは、フィールドデバイスの前記識別されたクラスに対応する、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記受信されたユーザ入力は前記第2のユーザ入力であり、
前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットは、前記フィールドデバイスに一意に関連付けられた記憶された基準パラメータ状態データを備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記監視サーバは、前記比較された、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットと前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットとの間の偏差が検出されたことに応じて、前記フィールドデバイスに一意に関連付けられた前記記憶された基準パラメータ状態データが、ユーザ入力を通じて受信された更新命令に基づいて更新されるように構成される、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記監視サーバは、前記比較された、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットと前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットとの間の偏差が検出されたことに応じてアラートを生成し、アラート生成が、1つまたは複数の既定のアラート生成規則に基づいて行われるように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項25】
複数のフィールドデバイスを備えるプロセス制御システム内のフィールドデバイスパラメータ状態変化を監視するためのコンピュータプログラムであって、コンピュータ可読プログラムコードが具現化される非一時的コンピュータ使用可能媒体を備え、前記コンピュータ可読プログラムコードは、プロセッサベースのコンピューティングシステム内で、
前記複数のフィールドデバイスの選択されたサブセット内のフィールドデバイスごとに、
前記フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットを取り出すステップであって、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットが、(i)前記フィールドデバイスに関連付けられた基準パラメータ状態または(ii)前記フィールドデバイスに関連付けられた前のパラメータ状態の記憶されたセットのいずれかを表し、前記前のパラメータ状態が、前記フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットとは異なる、ステップと、
前記フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットを取得するステップであって、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットが、前記フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットを表し前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットを取得することが、
前記フィールドデバイスのメモリがアクセス可能であるかどうかを判定するために、前記フィールドデバイスに問い合わせることと、
前記フィールドデバイスの前記メモリがアクセス可能であるとき、前記フィールドデバイスの前記メモリから前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットを取り出すことと、
前記フィールドデバイスの前記メモリがアクセス可能でないとき、前記フィールドデバイスの前記メモリとは別のヒストリアンデータベースから、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットを取り出すことであって、前記ヒストリアンデータベースは前記フィールドデバイスに対して以前に収集されたフィールドデバイスパラメータ状態データを含む、取り出すことと、を含む、ステップと、
それぞれ前記フィールドデバイスに対応する前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットと前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットとを比較するステップと、
前記比較された、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットと前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットとの間の偏差を検出するステップと、
ディスプレイデバイス上に、前記複数のフィールドデバイスの前記選択されたサブセット内のフィールドデバイスごとに、前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットと前記フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第2のセットとの間の前記検出された偏差を表すデータを表示するステップとを
実施するための命令を備える、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラントリソース管理の分野に関する。詳細には、本発明は、プロセス制
御システム内のフィールドデバイス状態を監視し、1つまたは複数のフィールドデバイスに関連する状態変化を検出し対応するための方法、システム、およびコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
工業環境では、製造、転換、または生成のためのプロセスを実行し制御するための分散プロセス制御システムが実現される。分散プロセス制御システムは一般に、1つまたは複数のフィールドデバイスに接続された1つまたは複数のプロセスコントローラを含む。フィールドデバイスは、工業環境内に配置され、物理制御機能またはプロセス制御機能向けに構成された弁、弁アクチュエータ、スイッチ、および伝送器(たとえば、温度センサー、圧力センサー、レベルセンサー、および流量センサー)を含むことがある。フィールドデバイス制御機能の例には、プロセスプラントまたはシステム内の1つまたは複数のプロセスを制御するための弁の開閉、プロセスパラメータおよび/または環境パラメータ(たとえば、温度または圧力)の測定が含まれる。
【0003】
一方、プロセスコントローラは、フィールドデバイスによって生成された信号を受信するように構成される場合があり、受信された信号は、フィールドデバイスによって測定されたプロセスパラメータに対応する情報および/またはフィールドデバイスの状態に関する他の情報を伝達する。プロセスコントローラはさらに、プロセス制御決定を実施するための1つまたは複数の制御モジュールを実現する制御アプリケーションを実行することがある。プロセスコントローラ内の制御モジュールは、通信ネットワークを通じてフィールドデバイスに制御信号を送り、フィールドデバイスのうちの1つもしくは複数の動作を制御する。プロセスコントローラと1つまたは複数のフィールドデバイスとの間の通信媒介として配置された入出力(I/O)デバイスは、電気信号をデジタル値に変換し、そのような信号を1つまたは複数の通信プロトコルを介して送受信することによって、プロセスコントローラとフィールドデバイスとの間のデータ転送および制御命令転送を可能にする。
【0004】
プロセスプラント内の分散プロセス制御システムは、1つまたは複数のプロセスコントローラを含み、各コントローラは入出力(I/O)デバイスを介して1つまたは複数のフィールドデバイスに接続される。1つまたは複数のコントローラは、制御アプリケーションを記憶し、制御および動作用の制御戦略を実施する。分散制御システムは、限定はしないが、フィールドデバイス、回転機器、および主要機械などを含む、様々なプラント資産またはプラント機器に関するデータを追跡または収集するプラントリソース管理プラットフォームに通信可能に結合されることがある。プラントリソース管理プラットフォームは、プラント資産の状況および健全性を監視しメンテナンス作業を行うことを目的として、プラントまたはプラントのグループ内のすべてのデバイスまたは資産についてデバイス関連データおよび/または性能データを記憶し提供する。さらに、プラントリソース管理プラットフォームは、そのようなフィールドデバイスの効率的な構成、試運転、検査、およびメンテナンスを可能にすることを目的として、一方のプラントオペレータまたはオペレータ端末と他方の1つまたは複数のフィールドデバイスとの間の通信媒介として働く。
【0005】
図1は、工業環境内のプロセス制御に使用されることがある種類の分散プロセス制御システム100を示す。プロセス制御システム100は、オペレータ端末102と、プラントリソース管理プラットフォーム104と、フィールドデバイスネットワーク106とを備える。
【0006】
オペレータ端末102は、プラントリソース管理プラットフォーム104に通信可能に結合された端末デバイスまたはクライアントデバイスによって実現される任意のプロセッサを備える。オペレータ端末102は、オペレータがプラントリソース管理プラットフォーム104に命令を送信し、プラントリソース管理プラットフォーム104からデータを受信するのを可能にするように構成されてもよい。
【0007】
プラントリソース管理プラットフォーム104は、プラントリソース管理サーバ104aと、プラントリソース管理データベース104bと、プラントリソース管理ゲートウェイインターフェース104cとを備える。プラントリソース管理サーバ104aは、少なくとも1つのプロセッサと、1つもしくは複数の一時的および/または非一時的メモリとを含むことがある。プラントリソース管理サーバ104aは、上述のプロセスコントローラの1つまたは複数の機能を実施するように構成されることがある。プラントリソース管理データベース104bは、たとえば、フィールドデバイスに対応するデバイスパラメータデータ、デバイス記述ファイル、およびデバイスドキュメントを含む、フィールドデバイスに対応するデータレコードを記憶するように構成された非一時的メモリベースのデータベースを含む場合がある。プラントリソース管理ゲートウェイインターフェース104cは、プラントリソース管理プラットフォーム104によって通信の送信および受信を可能にするように構成されたハードウェアまたはソフトウェアネットワークゲートウェイを含むことがある。
【0008】
フィールドデバイスネットワーク106は、プラントリソース管理プラットフォーム104および/またはプラントリソース管理プラットフォーム104が内部で実現される分散制御システムに通信可能に結合された複数のフィールドデバイス106a~106c(すなわち、フィールドデバイス1~n)を備える。
【0009】
フィールドデバイスをプロセス制御環境(工業プラントなど)内に設置しならびに/またはプロセス制御環境内で動作させる間、そのようなフィールドデバイスの構成を監視し、定期的に検証して、フィールドデバイスが適切に構成されていることを確認する必要がある。フィールドデバイス設定の監視および検証は以下のことを回避するうえで重要である。
・不適切な機能パラメータ設定、
・動作時にエラーを生じさせることがある不適切な構成ディスプレイ、
・意図しないかもしくは誤った動作結果をもたらすことがある、デバイス構成パラメータについての誤った範囲設定、および/または
・1つもしくは複数のフィールドデバイスについての不適切なプローブ寸法設定の結果としての誤ったレベル表示。
【0010】
フィールドデバイスパラメータ検証は一般に、以下の場合に実施される。
・新しいプラントの建造/既存のプラントの更新時、
・プラントの試運転時もしくは試運転後、
・プラント内のフィールドデバイス交換後、および/または
・シャットダウンメンテナンスに伴い定期的に実施。
【0011】
フィールドデバイス監視および検証についての既存の解決策は、プラントリソース管理プラットフォーム104内で実現されるパラメータマネージャツールに依存する。図2は、パラメータマネージャツールに対応する例示的なスクリーンインターフェース200を示す。パラメータマネージャツールは、オペレータが(オペレータ端末102で与えられる入力を通して)フィールドデバイスに対応する少なくともパラメータ状態データの2つのセット202、204を選択するのを可能にする。選択されるパラメータ状態データの2つのセット202、204のうちの少なくとも一方は、フィールドデバイスに対応する履歴パラメータ状態データを表し、一方、選択されるパラメータ状態データの2つのセット202、204のうちの他方は、フィールドデバイスに対応する現在のパラメータ状態データまたは直前に保存されたパラメータ状態データを表すことがある。パラメータマネージャツールは、パラメータ状態データの2つのセット202、204を同時に表示し、比較に基づいてフィールドデバイス構成の構成および管理を可能にする。
【0012】
図2に示すように、パラメータ状態データの2つのセット202、204間の任意の検出された差は、視覚資料として色付きテキストまたは強調テキストでマーク付けされ得る。図2に示すように、パラメータセット1(202)およびパラメータセット2(204)の各々におけるパラメータ3に対応するパラメータ値2022、2042は互いに異なり、したがって、異なる陰影で強調されている。同様に、パラメータセット1(202)およびパラメータセット2(204)の各々におけるパラメータ5のサブパラメータ1に対応するパラメータ値2024、2044は互いに異なり、したがって、異なる陰影で強調されている。
【0013】
パラメータ状態データの2つのセット202、204において異なる状態を有するものとして識別されたフィールドデバイスパラメータはその後、レポートまたは要約を作成するために手動で文書処理ドキュメントにコピーする必要がある。これは労力と時間を要するプロセスであり、また、もっぱらオペレータがパラメータ状態データの2つのセット202、204間の強調された差を見つけることに依存する。さらに、任意の所与の時間において、パラメータマネージャツールが一度に比較できるのはパラメータ状態データの2つのセット202、204だけである。
【0014】
プラントにおけるプロセス制御システムが非常に多くのフィールドデバイス(数十台から数百台までの範囲のフィールドデバイス)を有する可能性が高いことを考えると、従来技術の解決策は、少なくとも以下の理由で不十分であることがわかっている。
・各フィールドデバイスは、デバイス当たりに数百の異なるデバイスパラメータを含む場合がある。(たとえば、HARTデバイスは、50個~250個のパラメータを有する可能性が高く、一方、FF-H1(フィールドバスファウンデーションH1)デバイスは1000個を超えるパラメータを有することがある。)その結果、場合によっては単一のフィールドデバイスでも一組のパラメータセットを調査し比較することは、多大な時間と労力を要し、必要とされる労力および関与する複雑さのレベルは、一般に、プラントがプロセス制御環境内に少なくとも1000個のフィールドデバイスを有することに鑑みて理解されることがある。
・デバイスごとのパラメータにおける検出された差のレポートまたは要約を生成することも複雑で時間がかかる。その理由は、オペレータが、(比較されるパラメータセット全体において異なる値を示すものとして識別されたパラメータに対応する)パラメータ状態データを手動で識別し文書処理ドキュメントまたはスプレッドシートにコピーすることを含めて、各比較の結果を個々にエクスポートする必要があるからである。
・フィールドデバイスのパラメータを検証することは、プラントにおいて頻繁に行われる業務であり、プラントにおけるすべてのフィールドデバイスについてのすべてのパラメータを適切に検証することは、従来技術において利用可能な解決策を使用した場合数日または数か月かかることがある。
【0015】
したがって、プロセス制御システム内のフィールドデバイス状態の監視および検証を可能にし、1つまたは複数のフィールドデバイスに関連する状態変化を検出し対応することを可能にする解決策が必要である。解決策は以下のことを含む。
・フィールドデバイスパラメータ状態の監視および検証を多数のデバイスに対して自動的に可能にして、多数のフィールドデバイスに関連して/と協働して多数のフィールドデバイスパラメータ状態を同時に監視し検証するのを可能にする。
・自動レポート生成を可能にする。この場合、パラメータ状態データの2つのセット間の検出された偏差または差を包括的に記載することができ、好都合なことにユーザ/オペレータによってレポートをフィルタ処理、表示、ならびに/またはその他の方法で修正することができる。
・ユーザ/オペレータが、フィールドデバイス内のパラメータデータ状態の値を、そのフィールドデバイスについての現在のパラメータデータ状態と1つまたは複数の基準パラメータデータ状態との間の偏差が検出されたことに応じて修正するのを可能にする。
・フィールドデバイスパラメータデータ状態と、1つまたは複数のフィールドデバイスの様々な利用または用途についての設定を含むように作成された既定のパラメータデータ状態テンプレートとの比較を可能にする。
・1つまたは複数の有意義なパラメータに基づいて(たとえば、データパラメータが構成可能なデータパラメータであるかどうかに基づいて)、検討すべきフィールドデバイスパラメータデータ状態の数を制限するようにレポート生成を構成するのを可能にする
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、プラントリソース管理の分野に関し、より具体的には、プロセス制御システム内のフィールドデバイス状態を監視し、1つまたは複数のフィールドデバイスに関連する状態変化を検出し対応するための方法、システム、およびコンピュータプログラム製品に関する。
【0017】
本発明は、複数のフィールドデバイスを備えるプロセス制御システム内のフィールドデバイスパラメータ状態変化を監視するための方法を提供する。この方法は、複数のフィールドデバイスの選択されたサブセット内のフィールドデバイスごとに、(1)フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットを取り出すステップであって、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットが、(i)フィールドデバイスに関連付けられた基準パラメータ状態または(ii)フィールドデバイスに関連付けられた前のパラメータ状態の記憶されたセットのいずれかを表し、前のパラメータ状態が、フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットとは異なる、ステップと、(2)フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットを取得するステップであって、フィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットが、フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットを表す、ステップと、(3)それぞれフィールドデバイスに対応するフィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットとフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットとを比較するステップと、(4)比較された、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットとフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットとの間の偏差を検出するステップと、(5)ディスプレイデバイス上に、複数のフィールドデバイスの選択されたサブセット内のフィールドデバイスごとに、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットとフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットとの間の検出された偏差を表すデータを表示するステップとを含む。
【0018】
一方法実施形態では、複数のフィールドデバイスのサブセットは、プロセス制御システム内の2つ以上のフィールドデバイスを備える。
【0019】
別の方法実施形態では、フィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットは、1つまたは複数のパラメータ状態クエリがフィールドデバイスに送信されたことに応じてフィールドデバイスから受信されるパラメータ状態データを備える。
【0020】
方法の特定の実施形態では、フィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットは、フィールドデバイスに関連付けられ、フィールドデバイス構成データベースから取り出されたパラメータ状態データを備え、取り出されたパラメータ状態データは、フィールドデバイスから直前に受信されたパラメータ状態データの記憶されたセットを備える。
【0021】
特定の方法実施形態では、(1)フィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットは、(i)1つまたは複数のパラメータ状態クエリがフィールドデバイスに送信されたことに応じて、フィールドデバイスから受信されるパラメータ状態データ、または(ii)フィールドデバイスに関連付けられ、フィールドデバイス構成データベースから取り出されたパラメータ状態データを備え、取り出されたパラメータ状態データは、フィールドデバイスから直前に受信されたパラメータ状態データの記憶されたセットを備え、(2)フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットは、フィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットよりも前にフィールドデバイスから受信され、フィールドデバイス構成データベースに記憶されたパラメータ状態データを表す。
【0022】
方法の別の実施形態では、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットおよびフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットが対応するフィールドデバイスパラメータは、受信されたユーザ入力に基づいて選択され、ユーザ入力は、ユーザインターフェースを通じて受信される。
【0023】
特定の方法実施形態では、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットおよびフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットが対応するフィールドデバイスパラメータは、ユーザインターフェースを通じてユーザ構成可能な1つまたは複数の属性を有するフィールドデバイスパラメータのみからなる。例示的な構成可能なパラメータは、限定はしないが、範囲、デバイス、モードなどを含んでもよい。
【0024】
この方法は、(1)第1のユーザ入力を備える受信されたユーザ入力に応じて、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットおよびフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットが対応するフィールドデバイスパラメータは、選択されたフィールドデバイスが対応するフィールドデバイスの同じクラスに属するすべての選択されたフィールドデバイスによって共有されるそのようなフィールドデバイスパラメータのみを備え、または(2)第2のユーザ入力を備える受信されたユーザ入力に応じて、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットおよびフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットが対応するフィールドデバイスパラメータは、フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータであるように実現されてもよい。
【0025】
フィールドデバイスの「クラス」に関して、HARTおよびFF-H1プロトコルによってサポートされるデバイスなどのインテリジェントフィールドデバイスは、製造業者識別情報(すなわち、製造業者ID)、モデルを識別する情報(すなわち、デバイスタイプID)、および修正を識別する情報(すなわち、デバイス修正)によって一意に識別され、これらの情報は、集合的にフィールドデバイスの「クラス」と呼ばれる。場合によっては、デバイスクラスは、何らかの追加的な情報、たとえば、デバイスカテゴリおよびデバイスサブモデルの情報に基づいて判定されてもよい。デバイスカテゴリは、フィールドデバイスが実行する機能、たとえば、工業プロセス内の圧力データを測定する圧力伝送器を表す。
【0026】
方法実施形態では、(1)受信されたユーザ入力は第1のユーザ入力であり、(2)フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットは、このフィールドデバイスが対応するフィールドデバイスの同じクラスに属する複数のフィールドデバイスに関連付けられた記憶された基準パラメータ状態データを備え、(3)記憶された基準パラメータ状態データは、複数のフィールドデバイスの選択されたサブセット内の2つ以上のフィールドデバイス用のフィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットとして使用され、2つ以上のフィールドデバイスはフィールドデバイスの識別されたクラスに対応する。
【0027】
方法のさらなる実施形態では、(1)受信されたユーザ入力は第2のユーザ入力であり、(2)フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットは、フィールドデバイスに一意に関連付けられた記憶された基準パラメータ状態データを備える。
【0028】
方法の一実施形態では、比較された、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットとフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットとの間の偏差が検出されたことに応じて、フィールドデバイスに一意に関連付けられた記憶された基準パラメータ状態データは、ユーザ入力を通じて受信された更新命令に基づいて更新される。
【0029】
別の方法実施形態では、比較された、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットとフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットとの間の偏差が検出されたことに応じてアラートが生成され、アラート生成が、1つまたは複数の既定のアラート生成規則に基づいて行われ、たとえば、アラートは、検出された偏差または差が所定の限界またはしきい値レベルを超えたときに発行される。
【0030】
本発明は、プロセス制御システム内のフィールドデバイスパラメータ状態変化を監視するためのシステムも提供する。システムは、(1)複数のフィールドデバイスと、(2)複数のフィールドデバイスの選択されたサブセット内のフィールドデバイスごとに、(i)フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットを取り出すことであって、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットが、(A)フィールドデバイスに関連付けられた基準パラメータ状態または(B)フィールドデバイスに関連付けられた前のパラメータ状態の記憶されたセットのいずれかを表し、前のパラメータ状態が、フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットとは異なる、取り出すことと、(ii)フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットを取得することであって、フィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットが、フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットを表す、取得することと、(iii)それぞれフィールドデバイスに対応するフィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットとフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットとを比較することと、(iv)比較された、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットとフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットとの間の偏差を検出することと、(v)ディスプレイデバイス上に、複数のフィールドデバイスの選択されたサブセット内のフィールドデバイスごとに、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットとフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットとの間の検出された偏差を表すデータを表示することとを行うように構成された監視サーバとを備える。
【0031】
システムは、複数のフィールドデバイスのサブセットがプロセス制御システム内の2つ以上のフィールドデバイスを備えるように構成されてもよい。
【0032】
一実施形態では、システムは、フィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットが、1つまたは複数のパラメータ状態クエリがフィールドデバイスに送信されたことに応じてフィールドデバイスから受信されるパラメータ状態データを備えるように構成される。
【0033】
別の実施形態では、システムは、フィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットが、フィールドデバイスに関連付けられ、フィールドデバイス構成データベースから取り出されたパラメータ状態データを備え、取り出されたパラメータ状態データが、フィールドデバイスから直前に受信されたパラメータ状態データの記憶されたセットを備えるように構成されてもよい。
【0034】
特定のシステム実施形態では、(1)フィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットは、(i)1つまたは複数のパラメータ状態クエリがフィールドデバイスに送信されたことに応じて、フィールドデバイスから受信されるパラメータ状態データ、または(ii)フィールドデバイスに関連付けられ、フィールドデバイス構成データベースから取り出されたパラメータ状態データを備え、取り出されたパラメータ状態データは、フィールドデバイスから直前に受信されたパラメータ状態データの記憶されたセットを備え、(2)フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットは、フィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットよりも前にフィールドデバイスから受信され、フィールドデバイス構成データベースに記憶されたパラメータ状態データを表す。
【0035】
システムは、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットおよびフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットが対応するフィールドデバイスパラメータが、受信されたユーザ入力に基づいて選択され、ユーザ入力が、ユーザインターフェースを通じて受信されるようにさらに構成されてもよい。
【0036】
一システム実施形態では、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットおよびフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットが対応するフィールドデバイスパラメータは、ユーザインターフェースを通じてユーザ構成可能な1つまたは複数の属性を有するフィールドデバイスパラメータのみからなる。
【0037】
システムは、(1)第1のユーザ入力を備える受信されたユーザ入力に応じて、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットおよびフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットが対応するフィールドデバイスパラメータが、選択されたフィールドデバイスが対応するフィールドデバイスの同じクラスに属するすべての選択されたフィールドデバイスによって共有されるそのようなフィールドデバイスパラメータのみを備え、または(2)第2のユーザ入力を備える受信されたユーザ入力に応じて、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットおよびフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットが対応するフィールドデバイスパラメータが、フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータであるように構成されてもよい。
【0038】
システムは、(1)受信されたユーザ入力は第1のユーザ入力であり、(2)フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットが、このフィールドデバイスが対応するフィールドデバイスの同じクラスに属する複数のフィールドデバイスに関連付けられた記憶された基準パラメータ状態データを備え、(3)記憶された基準パラメータ状態データが、複数のフィールドデバイスの選択されたサブセット内の2つ以上のフィールドデバイス用のフィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットとして使用され、2つ以上のフィールドデバイスが、フィールドデバイスの識別されたクラスに対応するようにさらに構成されてもよい。
【0039】
特定のシステム構成では、(1)受信されたユーザ入力は第2のユーザ入力であり、(2)フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットは、フィールドデバイスに一意に関連付けられた記憶された基準パラメータ状態データを備える。
【0040】
監視サーバは、比較された、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットとフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットとの間の偏差が検出されたことに応じて、フィールドデバイスに一意に関連付けられた記憶された基準パラメータ状態データが、ユーザ入力を通じて受信された更新命令に基づいて更新されるように構成されてもよい。
【0041】
監視サーバは、比較された、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットとフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットとの間の偏差が検出されたことに応じてアラートを生成し、アラート生成が、1つまたは複数の既定のアラート生成規則に基づいて行われるようにさらに構成されてもよい。
【0042】
本発明は、複数のフィールドデバイスを備えるプロセス制御システム内のフィールドデバイスパラメータ状態変化を監視するためのコンピュータプログラム製品も提供する。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化される非一時的コンピュータ使用可能媒体を備え、コンピュータ可読プログラムコードは、プロセッサベースのコンピューティングシステム内で、複数のフィールドデバイスの選択されたサブセット内のフィールドデバイスごとに、(1)フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットを取り出すステップであって、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットが、(a)フィールドデバイスに関連付けられた基準パラメータ状態または(b)フィールドデバイスに関連付けられた前のパラメータ状態の記憶されたセットのいずれかを表し、前のパラメータ状態が、フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットとは異なる、ステップと、(2)フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットを取得するステップであって、フィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットが、フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットを表す、ステップと、(3)それぞれフィールドデバイスに対応するフィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットとフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットとを比較するステップと、(4)比較された、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットとフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットとの間の偏差を検出するステップと、(5)ディスプレイデバイス上に、複数のフィールドデバイスの選択されたサブセット内のフィールドデバイスごとに、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットとフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットとの間の検出された偏差を表すデータを表示するステップとを実施するための命令を備える。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】工業環境内のプロセス制御に使用されることがある種類の分散プロセス制御システムを示す図である。
図2】パラメータマネージャツールに対応する第1の例示的なスクリーンインターフェースを示す図である。
図3】本発明によるプロセス制御環境内の様々なシステム構成要素において実施されるプロセスを示す図である。
図4】本発明によるフィールドデバイスパラメータ監視方法を示すフローチャートである。
図5図4の方法を実施することを目的として、複数の利用可能な監視プロセスから監視プロセスを選択する方法を示すフローチャートである。
図6図5の方法を実施することを目的としてプロセス制御監視サーバのオペレータに提示されてもよい例示的なインターフェースを示す図である。
図7図4の方法を実施することを目的として複数のフィールドデバイスからフィールドデバイスのセットを選択する方法を示すフローチャートである。
図8A図7の方法を実施することを目的としてプロセス制御監視サーバのオペレータに提示されてもよい例示的なインターフェースを示す図である。
図8B図7の方法を実施することを目的としてプロセス制御監視サーバのオペレータに提示されてもよい例示的なインターフェースを示す図である。
図9図4の方法を実施することを目的として複数のフィールドデバイスパラメータからフィールドデバイスパラメータのセットを選択する方法を示すフローチャートである。
図10図4の方法を実施することを目的としてフィールドデバイスパラメータ状態データの基準セットまたはテンプレートセットと現在のフィールドデバイスパラメータ状態データのセットとを比較する方法を示すフローチャートである。
図11A図10の方法を実施することを目的としてフィールドデバイスパラメータ状態データの基準セットを識別して取り出す方法を示すフローチャートである。
図11B図10の方法を実施することを目的としてフィールドデバイスパラメータ状態データのテンプレートセットを識別して取り出す方法を示すフローチャートである。
図12A図10の方法を実施することを目的として現在のフィールドデバイスパラメータ状態データのセットを取り出すための例示的な方法実施形態を示す図である。
図12B図10の方法を実施することを目的として現在のフィールドデバイスパラメータ状態データのセットを取り出すための例示的な方法実施形態を示す図である。
図13図4の方法の出力を提示することを目的としてプロセス制御監視サーバのオペレータに提示されてもよい例示的なインターフェースを示す図である。
図14図4の方法の出力を提示することを目的としてプロセス制御監視サーバのオペレータに提示されてもよい例示的なインターフェースを示す図である。
図15】本発明の教示に従って構成されたプロセス制御環境を示す図である。
図16】本発明の様々な実施形態が実施されてもよい例示的なコンピュータシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明は、プラントリソース管理の分野に関し、より具体的には、プロセス制御システム内のフィールドデバイス状態を監視し、1つまたは複数のフィールドデバイスに関連する状態変化を検出し対応するための方法、システム、およびコンピュータプログラム製品に関する。
【0045】
以下の説明では、「フィールドデバイス」および「センサー」という用語は、交換可能に使用されてもよく、工業環境内の1つまたは複数の資産、デバイス、構成要素、タグ、ハードウェア、ソフトウェア、またはデータパラメータに対応するパラメータを監視または制御するように構成されたデバイスまたは構成要素を指すものと理解されたい。
【0046】
以下の説明では、「フィールドデバイスパラメータ状態」および/または「パラメータ状態」という用語は、交換可能に使用されてもよく、1つまたは複数のフィールドデバイス構成パラメータの状態(または値)を指すものと理解されたい。1つまたは複数のフィールドデバイス構成パラメータは、フィールドデバイスの動作、機能、感度、アラーム限界、または選択可能な状態を制御する任意のパラメータを含んでもよい。
【0047】
図3は、本発明によるプロセス制御環境300内の様々なシステム構成要素において実施されるプロセスを示す。プロセス制御環境300は、少なくとも端末デバイス302と、プロセス制御監視サーバ304aと、フィールドデバイスネットワーク306と、データベース304bとを備える環境を備える。
【0048】
端末デバイス302は、プロセス制御環境300内の1つまたは複数のシステム構成要素に通信可能に結合された端末デバイスによって実現される任意のプロセッサを備えてもよい。一実施形態では、端末デバイス302は、プロセス制御環境300内のプラントリソース管理プラットフォームおよび/または分散制御システム内のオペレータ端末またはプラントリソース管理プラットフォームおよび/または分散制御システムと通信可能に結合されたオペレータ端末を備えてもよい。端末デバイス302は、さらに「クライアント」と呼ばれてもよく、オペレータがプロセス制御監視サーバ304aに命令を送信しプロセス制御監視サーバ304aからデータを受信するのを可能にするように構成されてもよい。
【0049】
プロセス制御監視サーバ304aは、少なくとも1つのプロセッサ、ならびに1つまたは複数の一時的および/または非一時的メモリを備えてもよく、後述の方法のうちの1つまたは複数の方法による1つまたは複数のプロセス制御監視ならびにフィールドデバイスパラメータ状態監視および/または制御の機能を実施するように構成されてもよい。一実施形態では、プロセス制御監視サーバ304aは、プロセス制御環境300内のプラントリソース管理プラットフォームおよび/もしくは分散制御システム内に実装されてもよく、またはプラントリソース管理プラットフォームおよび/もしくは分散制御システムに通信可能に結合されてもよい。
【0050】
フィールドデバイスネットワーク306は、プロセス制御監視サーバ304aに通信可能に結合されならびに/または工業ネットワーク、たとえば、VnetおよびEthernetを介してプラントリソース管理プラットフォームに通信可能に結合されるか、またはプロセス制御監視サーバ304が内部に実装される分散制御システムに通信可能に結合された、複数のHART、FF-H1、またはProfibus対応フィールドデバイスを備えてもよい。
【0051】
データベース304bは、プロセス制御監視サーバ304aに通信可能に結合されてもよく、フィールドデバイスネットワーク306内の1つまたは複数のフィールドデバイスに対応するパラメータ状態データの取り出し可能な記憶を可能にするように構成されてもよい非一時的メモリベースストレージまたはレポジトリを備えてもよい。
【0052】
図3に示すように、プロセス制御監視サーバ304aは、オンラインデバイスパラメータ取り出しのためのプロセス3042であって、フィールドデバイスネットワーク306内の1つまたは複数のフィールドデバイスからの現在のパラメータ状態データの取り出しを含んでもよい、プロセス3042、(ii)フィールドデバイスネットワーク306内の1つまたは複数のフィールドデバイスのデバイスパラメータ状態をフィールドデバイスネットワーク306内の1つまたは複数のフィールドデバイスの履歴パラメータ状態、基準パラメータ状態、またはテンプレートパラメータ状態と比較するためのプロセス3044であって、比較プロセスが、フィールドデバイスネットワーク306内の1つまたは複数のフィールドデバイスの履歴パラメータ状態、基準パラメータ状態、またはテンプレートパラメータ状態のうちのいずれかのデータベース304bからの取り出しを含んでもよい、プロセス3044、および(iii)プロセス制御監視サーバ304a内で共通的なサービス、たとえば、メモリ、セキュリティ、ファイル、およびディレクトリ構造の管理(administering and managing)、検査、アラート通知、ロギング、ネットワーキング、ならびにメッセージングを実施するためのプロセス3046であって、プロセス制御監視サーバ304aによって実施される様々な他のプロセスまたはトランザクションのために共通的に実行することができる、プロセス3046を実施するように構成されてもよい。一実施形態では、共通サービスプロセス3046は、端末デバイス302内の対応する共通サービスプロセス3028とのネットワーク通信を可能にしてもよい。
【0053】
端末デバイス302は、(i)プロセス制御監視サーバ304aから受信された情報またはデータを表示することを含む表示機能を実施するためのプロセス3022、(ii)モニタウィザードを実施するためのプロセス3024であって、モニタウィザードが、オペレータが(表示プロセス3022および1つまたは複数の入出力プロセスによって)端末デバイス302において与えられた入力を通じてフィールドデバイスパラメータ状態監視を制御するのを可能にするためのソフトウェア実施ツールを備える、プロセス3024、(iii)プロセス制御監視サーバ304aにおいて実施されたフィールドデバイスパラメータ状態監視の結果を(たとえば、表示プロセス3022によって)オペレータに報告するためのプロセス3026、および(iv)端末デバイス302内で共通的なサービス、たとえば、メモリ、セキュリティ、ファイル、およびディレクトリ構造の管理、検査、アラート通知、ロギング、ネットワーキング、ならびにメッセージングを実施するためのプロセス3028であって、プロセス制御監視サーバ304aによって実施される様々な他のプロセスまたはトランザクションのために共通的に実行することができる、プロセス3028を実施するように構成されてもよい。上述のように、共通サービスプロセス3028は、プロセス制御監視サーバ304a内の対応する共通サービスプロセス3046とのネットワーク通信を可能にしてもよい。
【0054】
図3のシステム構成要素のさらなる機能および構成について、以下で図4図16に関連してより詳細に説明する。
【0055】
図4は、本発明によるフィールドデバイスパラメータ監視方法を示すフローチャートである。図4の方法は、一実施形態では、プロセス制御環境300内において部分的もしくは全体的にプロセス制御監視サーバ304a内で実施されてもよくまたはプロセス制御管理プラットフォーム内で実施されてもよくまたは分散制御システム内で実施されてもよい。
【0056】
ステップ402は、フィールドデバイスパラメータ監視を開始するための命令を受信することを含む。ステップ402の命令は、端末デバイス302から受信されてもよく、一実施形態では、端末デバイス302を通じて与えられる1つまたは複数のオペレータ入力によって開始されてもよい。
【0057】
ステップ404は、フィールドデバイスパラメータ状態データを監視するための複数の利用可能なプロセスから監視プロセスを選択することを含む。一実施形態では、フィールドデバイスパラメータ状態データを監視するための複数の利用可能なプロセスは、(i)フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットと同じフィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の基準セットとの比較に基づく第1の監視プロセスと、(ii)フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットとフィールドデバイスに関連付けられるかまたはフィールドデバイスが分類されるクラスに関連付けられたパラメータ状態のテンプレートセットとの比較に基づく第2の監視プロセスとを少なくとも含んでもよい。この第1および第2の監視プロセスの各々は、図5および図6に関する以下の説明においてより詳細に開示される。ステップ404において監視プロセスの選択は、端末デバイス302から受信されてもよく、一実施形態では、端末デバイス302を通じて与えられる1つまたは複数のオペレータ入力に基づいて実施されてもよい。
【0058】
ステップ406は、フィールドデバイスパラメータ監視の選択されたプロセスを実施するために複数のフィールドデバイスからフィールドデバイスのセットを選択することを含む。複数のフィールドデバイスは、プロセス制御環境300におけるフィールドデバイスネットワーク306内の2つ以上のフィールドデバイスからなってもよい。ステップ406において選択されたフィールドデバイスのセットは、本発明の教示による、ステップ404において選択されたフィールドデバイスパラメータ監視プロセスが適用されることが意図された1つまたは複数のフィールドデバイスを備える。フィールドデバイスのセットを選択するステップ406の実施形態は、図7ならびに図8Aおよび図8Bに関する以下の説明においてより詳細に開示される。ステップ406においてフィールドデバイスのセットの選択は、端末デバイス302から受信されてもよく、一実施形態では、選択は、端末デバイス302を通じて与えられる1つまたは複数のオペレータ入力に基づいて実施されてもよい。
【0059】
ステップ408は、フィールドデバイスのセット内のフィールドデバイスごとに、パラメータ監視プロセスに使用されることが意図された1つまたは複数のフィールドデバイスパラメータを選択することを含む。フィールドデバイスに対応する1つまたは複数のフィールドデバイスパラメータは、そのフィールドデバイスに対応する複数の監視可能、測定可能、または検出可能なパラメータから選択されてもよい。フィールドデバイスのセット内のフィールドデバイスについてフィールドデバイスパラメータを選択するステップの実施形態は、図9に関する以下の説明においてより詳細に開示される。フィールドデバイスの選択されたセット内の各フィールドデバイスに対応したフィールドデバイスパラメータの選択は、端末デバイス302から受信されてもよく、この選択は、一実施形態では、端末デバイス302を通じて与えられる1つまたは複数のオペレータ入力に基づいて実施されてもよい。
【0060】
ステップ410は、ステップ406において選択されたフィールドデバイスのセット内のフィールドデバイスごとにパラメータ監視を実施することを含んでもよい。ステップ410におけるパラメータ監視は、(i)ステップ406において選択されたフィールドデバイスのセット内の各フィールドデバイスに対応するフィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットを取り出すことであって、各フィールドデバイスのフィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットが、そのようなフィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データの基準セットまたはフィールドデバイスパラメータ状態データのテンプレートセットのいずれかである、取り出すことと、(ii)ステップ408において選択されたフィールドデバイスのセット内の各フィールドデバイスに対応するフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットを取り出すことであって、各フィールドデバイスのフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットが、フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットを表す、取り出すことと、(iii)ステップ406において選択されたフィールドデバイスのセット内のフィールドデバイスごとに、フィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットとフィールドデバイスパラメータ状態データの第2のセットとを比較し、フィールドデバイスパラメータ状態データの前記第1のセットと第2のセットとの間の任意の偏差または差を識別することとを含む。ステップ406において選択されたフィールドデバイスのセット内のフィールドデバイス410ごとのパラメータ監視ステップの実施形態は、図10図12Bに関する以下の説明により詳細に開示される。
【0061】
ステップ412は、実施されるパラメータ監視からの出力に基づいてアラートまたはレポートを生成することを含む。一実施形態では、アラートまたはレポートは、ステップ410において検出されたフィールドデバイスパラメータ状態データの第1のセットと第2のセットとの間の任意の偏差または差を識別または強調する情報を含んでもよい。アラートまたはレポートを生成するステップに関するさらなる詳細は、図13および図14に関する以下の説明に開示されている。
【0062】
図5は、図4の方法を実施することを目的として複数の利用可能な監視プロセスから監視プロセスを選択する方法を示すフローチャートである。一実施形態では、図5の方法は、図4の方法ステップ404の一部として実施される。図5のステップは、一実施形態では、プロセス制御環境300内において部分的もしくは全体的にプロセス制御監視サーバ304a内で実施されてもよく、またはプロセス制御管理プラットフォーム内で実施されてもよく、または分散制御システム内で実施されてもよい。
【0063】
ステップ502は、オペレータに複数の利用可能な監視プロセスを提示することを含む。利用可能な監視プロセスは、端末デバイス302内に組み込まれるかまたは端末デバイス302に結合されたディスプレイにおいてオペレータに提示されてもよい。一実施形態では、複数の利用可能な監視プロセスは、(i)フィールドデバイスに関連付けられた現在のパラメータ状態のセットと同じフィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の基準セットとの比較に基づくかまたはこの比較を伴う第1の監視プロセスと、(ii)フィールドデバイスに関連付けられた現在のパラメータ状態のセットとフィールドデバイス自体に関連付けられるかまたはフィールドデバイスが分類されるクラスに関連付けられたパラメータ状態のテンプレートセットとの比較に基づく第2の監視プロセスとを少なくとも備える。
【0064】
第1の監視プロセスの一実施形態では、フィールドデバイスについての現在のパラメータ状態のセットは、フィールドデバイスがプロセス制御監視サーバ304aに通信可能に結合されたときにフィールドデバイスから取り出され、またはフィールドデバイスに対応し、ヒストリアンデータベース(たとえば、データベース304b)から取り出し可能なパラメータ状態の直前に保存された(または現在保存されている)セットから取り出されたパラメータ状態のセットを備える。第1の監視プロセスの実施形態では、フィールドデバイスについてのパラメータ状態の基準セットは、(i)フィールドデバイスに関連付けられた既定のパラメータ状態、たとえば、フィールドデバイスの製造業者、フィールドデバイスベンダーのサービスエンジニア、フィールドデバイスの顧客もしくは設置者、またはプロセス制御環境内のプラントリソース管理プラットフォームもしくは分散制御システムのオペレータによって、フィールドデバイスについて確立されたデフォルトパラメータ状態または推奨パラメータ状態、あるいは(ii)フィールドデバイスに対応するパラメータ状態のすでに保存されたセットであって、フィールドデバイスに対応する直前に保存された(または現在保存されている)パラメータ状態よりも前に保存され、ヒストリアンデータベース(たとえば、データベース304b)から取り出し可能である、セットのいずれかを備える。
【0065】
第2の監視プロセスの一実施形態では、フィールドデバイスについての現在のパラメータ状態のセットは、フィールドデバイスがプロセス制御監視サーバ304aに通信可能に結合されたときにフィールドデバイスから取り出され、またはフィールドデバイスに対応し、ヒストリアンデータベース(たとえば、データベース304b)から取り出し可能なパラメータ状態の直前に保存された(または現在保存されている)セットから取り出されたパラメータ状態のセットを備える。第2の監視プロセスの実施形態では、パラメータ状態のテンプレートセットは、フィールドデバイス自体に関連付けられるかまたはフィールドデバイスが分類されるフィールドデバイスのクラスに関連付けられた既定のパラメータ状態のセットである。特定の実施形態では、パラメータ状態のテンプレートセットは、フィールドデバイスの製造業者、フィールドデバイスベンダーのサービスエンジニア、フィールドデバイスの顧客もしくは設置者のうちのいずれか、またはプロセス制御環境内のプラントリソース管理プラットフォームもしくは分散制御システムのオペレータによって確立または定義されてもよい。一実施形態では、パラメータ状態のテンプレートセットはフィールドデバイスのクラスに関連付けられた既定のパラメータ状態のセットである。フィールドデバイスのクラスは、デバイス製造業者/ベンダー、デバイスモデル、およびデバイス修正によって判定される。言い換えれば、同じクラスに属するフィールドデバイスは、同じデバイス製造業者/ベンダー、同じデバイスモデル番号、および同じデバイス修正番号を有してもよい。
【0066】
ステップ504は、複数の監視プロセスから1つのプロセスを識別する1つまたは複数の入力をオペレータから受信することを含む。一実施形態では、ステップ504は、第1の監視プロセスまたは第2の監視プロセスのいずれかを識別するオペレータ入力をオペレータから受信することを含む。オペレータ入力は、一実施形態では、端末デバイス302内の入出力インターフェースを通じて受信されてもよい。
【0067】
ステップ506は、その後受信されたオペレータ入力に基づいて複数の監視プロセスから1つのプロセスを選択することを含み、選択された監視プロセスはその後、図4の方法の教示に従ってパラメータ監視を実施することを目的として使用される。
【0068】
図6は、図5の方法を実施することを目的としてプロセス制御監視サーバのオペレータに提示されてもよい例示的なインターフェース600を示す。例示的なインターフェース600を見るとわかるように、オペレータは、「検査タイプ(Audit Type)」を選択するオプションが提示され(「Audit Type」は、フィールドデバイスのパラメータ状態を監視するための選択可能な監視プロセスを指す)、オペレータには、「デバイス比較(Compare Devices)」という名称の第1の監視プロセスと「テンプレートとの比較(Compare with Templates)」という名称の第2の監視プロセスとの間の選択が提案される。例示的なインターフェース600における各オプションを伴う記述データに基づいて、(i)「デバイス比較(Compare Devices)」という名称の第1の監視プロセスは、フィールドデバイスに関連付けられた現在のパラメータ状態のセットと同じフィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の基準セットとの比較に基づくかまたはこの比較を伴う監視プロセスを含み、(ii)「テンプレートとの比較(Compare with Templates)」という名称の第2の監視プロセスは、フィールドデバイスに関連付けられた現在のパラメータ状態のセットとフィールドデバイス自体に関連付けられるかまたはフィールドデバイスが分類されるクラスに関連付けられたパラメータ状態のテンプレートセットとの比較に基づくかまたはこの比較を伴う監視プロセスを含むことを理解されたい。
【0069】
図7は、図4の方法を実施することを目的として複数のフィールドデバイスからフィールドデバイスのセットを選択する方法を示すフローチャートである。一実施形態では、図7の方法は図4の方法ステップ406の一部として実施される。図7のステップは、一実施形態では、プロセス制御環境300内において部分的もしくは全体的にプロセス制御監視サーバ304a内で実施されてもよくまたはプロセス制御管理プラットフォーム内で実施されてもよくまたは分散制御システム内で実施されてもよい。
【0070】
ステップ702は、複数のフィールドデバイスからフィールドデバイスのセットを選択するために複数の選択可能なオプションをオペレータに提示することを含む。複数のフィールドデバイスは、端末デバイス302内に組み込まれるかまたは端末デバイス302に結合されたディスプレイにおいてオペレータに提示されてもよい。
【0071】
ステップ704は、複数のフィールドデバイスからフィールドデバイスのセットを識別する1つまたは複数の入力をオペレータから受信することを含み、オペレータは、図4の方法に従ったパラメータ監視のためにフィールドデバイスを選択することを意図する。オペレータ入力は、一実施形態では、端末デバイス302内の入出力インターフェースを通じて受信されてもよい。
【0072】
ステップ706は、受信された1つまたは複数のオペレータ入力に基づいて(ステップ704において識別された)フィールドデバイスの識別されたセットを選択することを含む。
【0073】
図8Aおよび図8Bは、図7の方法を実施することを目的としてプロセス制御監視サーバのオペレータに提示されてもよい例示的なインターフェーススクリーン800Aおよび800Bを示す。図示のインターフェーススクリーン800Aおよび800Bを見るとわかるように、オペレータは、パラメータ監視の対象となるフィールドデバイスの選択を可能にするインターフェースが提示される。オペレータは、「プラントビュー」、「ネットワークビュー」、または「クラスビュー」のうちの1つまたは複数を含む1つまたは複数のフィールドデバイスを、複数の異なるフィルタオプションに基づいてフィルタ処理し選択することができる。「プラントビュー」は、プラント内のデバイスおよび機器モジュールをプラント階層ツリービューの形に表示し、サイト、エリア、セル、ユニット、およびモジュールを含んでもよい複数の異なる階層を表示する。「ネットワークビュー」は、フィールドネットワークに接続されたデバイスのネットワーク階層をツリービューの形に表示する。「クラスビュー」は、以下の種類、すなわち、デバイスベンダー、デバイスモデル、デバイス修正、通信タイプ、デバイスカテゴリ(任意)、およびデバイスサブモデル(任意)の組合せによって定義されるそれぞれに異なるデバイスクラスにデバイスをグループ分けする。
【0074】
図9は、図4の方法を実施することを目的として複数のフィールドデバイスパラメータからフィールドデバイスパラメータのセットを選択する方法を示すフローチャートである。一実施形態では、図9の方法は、図4の方法ステップ408の一部として実施される。図9のステップは、一実施形態では、プロセス制御環境300内において部分的もしくは全体的にプロセス制御監視サーバ304a内で実施されてもよくまたはプロセス制御管理プラットフォーム内で実施されてもよくまたは分散制御システム内で実施されてもよい。
【0075】
ステップ902は、フィールドデバイスに関連付けられた複数のフィールドデバイスパラメータからフィールドデバイスパラメータのセットを選択するために複数の選択可能なオプションをオペレータに提示することを含む。複数のフィールドデバイスパラメータは、端末デバイス302内に組み込まれるかまたは端末デバイス302に結合されたディスプレイにおいてオペレータに提示されてもよい。
【0076】
ステップ904は、(ステップ902において)オペレータに選択のために提示される複数のフィールドデバイスパラメータからフィールドデバイスパラメータのセットを識別する1つまたは複数の入力をオペレータから受信することを含む。オペレータ入力は、一実施形態では、端末デバイス302内の入出力インターフェースを通じて受信されてもよい。
【0077】
ステップ906は、受信されたオペレータ入力に基づいて、(ステップ904で識別された)フィールドデバイスパラメータの識別されたセットを選択することを含む。
【0078】
図10は、図4の方法を実施することを目的としてフィールドデバイスパラメータ状態データの基準セットまたはテンプレートセットと現在のフィールドデバイスパラメータ状態データのセットとを比較する方法を示すフローチャートである。一実施形態では、図10の方法は、図4の方法ステップ410の一部として実施される。図10のステップは、一実施形態では、プロセス制御環境300内において部分的もしくは全体的にプロセス制御監視サーバ304a内で実施されてもよくまたはプロセス制御管理プラットフォーム内で実施されてもよくまたは分散制御システム内で実施されてもよい。
【0079】
ステップ1002は、フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データの基準セットまたはフィールドデバイスパラメータ状態データのテンプレートセットのいずれかを取り出すことを含み、フィールドデバイスパラメータ状態データの基準セットまたはテンプレートセットは、フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットを表すものではない。フィールドデバイスパラメータ状態データを監視するために図4のステップ404が第1の監視プロセス(すなわち、フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットと同じフィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の基準セットとの比較に基づく監視プロセス)の選択を伴う本発明の一実施形態では、ステップ1002は、フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データの基準セットを取り出すことを含む。フィールドデバイスパラメータ状態データを監視するために図4のステップ404が第2の監視プロセス(すなわち、フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットとフィールドデバイスに関連付けられるかまたはフィールドデバイスが分類されるクラスに関連付けられたパラメータ状態のテンプレートセットとの比較に基づく監視プロセス)の選択を伴う本発明の一実施形態では、ステップ1002は、フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データのテンプレートセットを取り出すことを含む。
【0080】
ステップ1002の実施形態では、フィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データの基準セットまたはフィールドデバイスパラメータ状態データのテンプレートセットは、たとえば、ユーザインターフェースまたはオペレータインターフェースを通じてユーザ構成可能な1つまたは複数の属性を有するフィールドデバイスパラメータのみからなる。
【0081】
ステップ1004は、フィールドデバイスに関連付けられた現在のフィールドデバイスパラメータ状態データのセットを取り出すことを含み、現在のフィールドデバイスパラメータ状態データのセットは、フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットを表す。現在のフィールドデバイスパラメータ状態データは、フィールドデバイス自体のメモリから取り出される(フィールドデバイスがプロセス制御監視サーバ304aに通信可能に結合されている場合)、またはフィールドデバイスに対応するパラメータ状態の直前に保存された(または現在保存されている)セットを記憶するヒストリアンデータベース304bから取り出されるかのいずれでもよい。ステップ1004の一実施形態では、現在のフィールドデバイスパラメータ状態データの取り出されたセットは、1つまたは複数のパラメータ状態クエリが(たとえば、プロセス制御監視サーバ304aから)フィールドデバイスに送信されたことに応じてフィールドデバイスから受信されたパラメータ状態データを備える。
【0082】
ステップ1004の一実施形態では、フィールドデバイスに関連付けられた現在のフィールドデバイスパラメータ状態データのセットは、たとえば、ユーザインターフェースまたはオペレータインターフェースを通じてユーザ構成可能な1つまたは複数の属性を有するフィールドデバイスパラメータのみからなる。
【0083】
図10の方法の一実施形態では、(i)第1のユーザ入力を受信したことに応じて、ステップ1002で取り出されたフィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データのテンプレートセット、およびステップ1004で取り出された現在のフィールドデバイスパラメータ状態データのセットは、選択されたフィールドデバイスが対応するフィールドデバイスの同じクラスに属するすべての選択されたフィールドデバイスによって共有されるそのようなフィールドデバイスパラメータのみを備え、(ii)(第1のユーザ入力とは異なる)第2のユーザ入力を受信したことに応じて、ステップ1002で取り出されたフィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データの基準セット、およびステップ1004で取り出された現在のフィールドデバイスパラメータ状態データのセットは、フィールドデバイス自体に関連付けられたフィールドデバイスパラメータを備える。
【0084】
上記のより具体的な実施形態では、第1のユーザ入力を含む受信されたユーザ入力に応じて、(i)ステップ1002で取り出されたフィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データのテンプレートセットは、フィールドデバイスが対応するフィールドデバイスの識別されたクラス内の複数のフィールドデバイスに関連付けられた記憶された基準パラメータ状態データを備える。
【0085】
受信されたユーザ入力は第2のユーザ入力である上記の別の実施形態では、ステップ1002で取り出されたフィールドデバイスに関連付けられたフィールドデバイスパラメータ状態データの基準セットはフィールドデバイス自体に関連付けられたフィールドデバイスパラメータを備え、ステップ1004で取り出されたフィールドデバイスに関連付けられた現在のフィールドデバイスパラメータ状態データのセットは、フィールドデバイスに一意に関連付けられた記憶された現在の基準パラメータ状態データを備える。
【0086】
ステップ1006は、(i)ステップ1002で取り出されたフィールドデバイスパラメータ状態データの基準セットまたはテンプレートセットと(ii)ステップ1004で取り出された現在のフィールドデバイスパラメータ状態データのセットとを比較して、2つのセット間の任意の偏差または差を識別することを含む。
【0087】
ステップ1008は、ステップ1006における比較の1つまたは複数の出力または結果を含むレポートまたはドキュメントを生成することを含む。一実施形態では、レポートまたはドキュメントは、ステップ1006で識別された偏差または差の少なくとも要約または詳細なレポートを、フィールドデバイス、およびそのような偏差または差が対応するフィールドデバイスパラメータ状態を識別する情報とともに含む。
【0088】
図10の方法の一実施形態では、方法は、(i)ステップ1002で取り出されたフィールドデバイスパラメータ状態データの基準セットまたはテンプレートセットと(ii)ステップ1004で取り出された現在のフィールドデバイスパラメータ状態データのセットとを比較した結果として、フィールドデバイスパラメータ状態データ間の偏差または差の検出をもたらすステップ1006に応じてアラートを生成するステップをさらに含んでもよい。本発明の一実施形態では、アラートの生成は、1つまたは複数の既定のアラート生成規則に基づいて行われてもよい。
【0089】
図10の方法のさらなる実施形態では、方法は、(i)ステップ1002で取り出されたフィールドデバイスパラメータ状態データの基準セットまたはテンプレートセットと(ii)ステップ1004で取り出された現在のフィールドデバイスパラメータ状態データのセットとを比較した結果として、フィールドデバイスパラメータ状態データ間の(ステップ1006における)偏差または差が検出されたことに応答するステップをさらに含んでもよい。本発明の一実施形態では、アラートの生成は、フィールドデバイスに一意に関連付けられた記憶された基準パラメータ状態データを更新することによって、1つまたは複数の既定のアラート生成規則に基づいて行われてもよく、更新は、ユーザ入力を通じて受信された更新命令に基づいて行われる。
【0090】
図10の方法のさらに別の実施形態では、方法は、(i)ステップ1002で取り出されたフィールドデバイスパラメータ状態データの基準セットまたはテンプレートセットと(ii)ステップ1004で取り出された現在のフィールドデバイスパラメータ状態データのセットとを比較した結果として、フィールドデバイスパラメータ状態データ間の(ステップ1006における)偏差または差が検出されたことに応答するステップをさらに含んでもよい。本発明の一実施形態では、アラートの生成は、フィールドデバイス内のローカルメモリにおいて、ステップ1002で取り出されたフィールドデバイスパラメータ状態データの基準セットまたはテンプレートセットから1つまたは複数の項目またはパラメータ状態データを更新することによって、1つまたは複数の既定のアラート生成規則に基づいて行われてもよい。
【0091】
図11Aは、図10の方法を実施することを目的としてフィールドデバイスパラメータ状態データの基準セットを識別し取り出す方法を示すフローチャートである。一実施形態では、図11Aの方法は、図10の方法ステップ1002の一部として実施される。図11Aのステップは、一実施形態では、プロセス制御環境300内において部分的もしくは全体的にプロセス制御監視サーバ304a内で実施されてもよくまたはプロセス制御管理プラットフォーム内で実施されてもよくまたは分散制御システム内で実施されてもよい。
【0092】
ステップ1102aは、(i)フィールドデバイスに関連付けられた既定の基準パラメータ状態データ、または(ii)フィールドデバイスに関連付けられた履歴パラメータ状態データの記憶されたセットを備えるフィールドデバイスパラメータ状態データの基準セットを識別することによって、オペレータが、フィールドデバイスに関連付けられた現在のパラメータ状態データのセットと同じフィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態データの基準セットとを比較する監視プロセスを選択したこと(すなわち、図5に関連して説明した、オペレータによる第1の監視プロセスの選択)に応答することを含む。
【0093】
ステップ1104aは、その後、データベースからフィールドデバイスパラメータ状態データの識別された基準セットを取り出すことを含み、基準セットはその後、図10に関連して説明した比較ステップ1006に使用されてもよい。
【0094】
図11Bは、図10の方法を実施することを目的としてフィールドデバイスパラメータ状態データのテンプレートセットを識別し取り出す方法を示すフローチャートである。一実施形態では、図11Bの方法は、図10の方法ステップ1002の一部として実施される。図11Bのステップは、一実施形態では、プロセス制御環境300内において部分的もしくは全体的にプロセス制御監視サーバ304a内で実施されてもよくまたはプロセス制御管理プラットフォーム内で実施されてもよくまたは分散制御システム内で実施されてもよい。
【0095】
ステップ1102bは、フィールドデバイスに関連付けられた現在のパラメータ状態データのセットとフィールドデバイス自体に関連付けられるかまたはフィールドデバイスが分類されるクラスに関連付けられたパラメータ状態データのテンプレートセットとを比較し、以下のいずれか、すなわち、(i)フィールドデバイス自体に関連付けられるかまたはフィールドデバイスが分類されるクラスに関連付けられた基準テンプレートから取り出されたパラメータ状態データ、(ii)フィールドデバイスに適用されることが意図された(しかし、まだ適用されていない)デフォルト基準テンプレート内に記憶されたパラメータ状態データの直前のセット、または(iii)フィールドデバイスに適用された基準テンプレート内に記憶されたパラメータ状態データの直前のセットのいずれかを備えるフィールドデバイスパラメータ状態データのテンプレートセットを識別する監視プロセスのオペレータによる選択に応答することを含む。「Apply」は、テンプレート内のパラメータデータおよび他の種類のデータが、構成またはその他の目的のためにフィールドデバイスによってダウンロードされるという点で理解されよう。
【0096】
ステップ1104bは、その後、データベースからフィールドデバイスパラメータ状態データの識別された基準セットを取り出すことを含み、基準セットはその後、図10に関連して説明した比較ステップ1006に使用されてもよい。
【0097】
図12Aおよび図12Bはそれぞれ、図10の方法を実施することを目的として現在のフィールドデバイスパラメータ状態データのセットを取り出すための第1および第2の例示的な方法実施形態を示す。一実施形態では、図12Aおよび図12Bの方法はいずれも図10の方法ステップ1004の一部として実施される。図12Aおよび図12Bのいずれのステップも、一実施形態では、プロセス制御環境300内において部分的もしくは全体的にプロセス制御監視サーバ304a内で実施されてもよくまたはプロセス制御管理プラットフォーム内で実施されてもよくまたは分散制御システム内で実施されてもよい。
【0098】
図12Aのステップ1202aは、フィールドデバイスに対応するパラメータ状態データがフィールドデバイスから取り出し可能であるかどうかを判定することを含む。一実施形態では、このことは、フィールドデバイスが、プロセス制御監視サーバ304aに通信可能に結合され、および/または前記フィールドデバイスのメモリからパラメータ状態データを取り出す要求に対応するかどうかを判定することを含んでもよい。
【0099】
ステップ1204aは、フィールドデバイス内のメモリから、フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態の現在のセットを表すデータを取り出すことによって、フィールドデバイスに対応するパラメータ状態データがフィールドデバイスから取り出し可能であると判定したことに応答することを含む。
【0100】
同様に、図12Bのステップ1202bは、フィールドデバイスに対応するパラメータ状態データがフィールドデバイスから取り出し可能であるかどうかを判定することを含む。一実施形態では、このことは、フィールドデバイスが、プロセス制御監視サーバ304aに通信可能に結合され、および/または前記フィールドデバイスのメモリからパラメータ状態データを取り出す要求に対応するかどうかを判定することを含んでもよい。
【0101】
ステップ1204bは、履歴パラメータ状態データのデータベースまたはレポジトリから、フィールドデバイスに関連付けられたパラメータ状態に対応する保存されたデータを取り出すことによって、フィールドデバイスに対応するパラメータ状態データがフィールドデバイスから取り出し可能ではないと判定したことに応答することを含む。ステップ1204bの特定の実施形態では、ステップ1204bで取り出された保存されたデータは、フィールドデバイスに対応するパラメータ状態のすでに保存されたセットを備え、このパラメータ状態のセットは、フィールドデバイスに対応する直前に保存された(または現在保存されている)パラメータ状態よりも前に保存されており、ヒストリアンデータベースから取り出し可能である。
【0102】
図13および図14は、図4の方法の出力を提示することを目的としてプロセス制御監視サーバ304aのオペレータに提示されてもよい例示的なインターフェースを示す。
【0103】
図13は、図4のステップ412において生成された要約レポート1300を示し、この要約レポートは、監視/検査すべきフィールドデバイスとして選択されたフィールドデバイスの数、実際に監視/検査されたフィールドデバイスの数、およびスキップされたフィールドデバイス(すなわち、何らかの技術的理由またはエラーのために監視されなかったフィールドデバイス)の数量を示す。
【0104】
図14は、図4のステップ412で生成されたレポート1400を示し、このレポートは、監視/検査しているフィールドデバイスに関して、フィールドデバイスの詳細、いくつのパラメータを監視/検査しているか、およびフィールドデバイスの現在のパラメータ状態とパラメータ状態の基準セットとの間、または場合によっては、フィールドデバイスの現在のパラメータ状態とフィールドデバイスに対応するパラメータ状態のテンプレートセットとの間の任意の差もしくは偏差を提示する。
【0105】
図15は、本発明の教示に従って構成されたプロセス制御環境1500を示す。プロセス制御環境1500は、オペレータ端末1502と、プロセス制御監視サーバ1504と、フィールドデバイスネットワーク1506とを備える。
【0106】
オペレータ端末1502は、プロセス制御監視サーバ1504に通信可能に結合され、オペレータがプロセス制御監視サーバ1504に命令を送信しプロセス制御監視サーバ1504からデータを受信するのを可能にするように構成された、端末デバイスまたはクライアントデバイスによって実現される任意のプロセッサを備える。
【0107】
フィールドデバイスネットワーク1506は、プロセス制御監視サーバ1504に通信可能に結合された複数のフィールドデバイスを備える。図15において、フィールドデバイスネットワーク1506は、フィールドデバイス1(15062)、フィールドデバイス2(15064)、~フィールドデバイスn(1506n)を備える。フィールドデバイスネットワーク1506内のフィールドデバイス15062~1506nは、弁アクチュエータ、スイッチ、伝送器、または工業プロセス環境内に配置されてもよく、物理もしくはプロセス制御機能向けに構成されてもよい他のセンサーデバイスのうちのいずれかを含んでもよい。
【0108】
プロセス制御監視サーバ1504は、オペレータ端末1502とフィールドデバイスネットワーク1506との間の通信媒介として実装されたサーバを備える。一実施形態では、プロセス制御監視サーバ1504は、図1に示す種類のプラントリソース管理プラットフォーム内に配置されてもよい。
【0109】
プロセス制御監視サーバ1504は、(i)ディスプレイ15042と、(ii)プロセス制御監視サーバ1504内のデータ処理動作向けに構成されたプロセッサ15044と、(iii)プロセス制御監視サーバ1504に関連する入出力機能を有効化するように構成された入出力コントローラ15046と、(iv)一時的メモリおよび/または非一時的メモリを含むメモリ15048とを含んでもよい。
【0110】
一実施形態では、メモリ15048には、(i)デバイスハードウェアおよびソフトウェアリソースを管理するように構成され、プロセス制御監視サーバ1504内で実施されるソフトウェアプログラム向けの共通のサービスを提供するオペレーティングシステム15050と、(ii)オペレータがプロセス制御監視サーバ1504を構成または制御することを可能にするように構成されたオペレータインターフェース15052と、(iii)図10の方法ステップ1002ならびに/または図11Aの各方法ステップおよび/もしくは図11Bの各方法ステップに従って、1つまたは複数のフィールドデバイスに対応する基準パラメータ状態データおよび/またはテンプレートパラメータ状態データの一方または両方を取り出すように構成された基準/テンプレートパラメータ取り出しコントローラ15054と、(iv)1つまたは複数のフィールドデバイスと通信し、そのようなフィールドデバイスごとに対応する現在のフィールドデバイスパラメータ状態データを、図10のステップ1004および/または図12Aの各方法ステップの教示に従って、そのようなフィールドデバイスのメモリから取り出すように構成されたフィールドデバイス状態パラメータモニタ15056と、(v)1つまたは複数のフィールドデバイスについて、図10の方法ステップ1006に従って、フィールドデバイスパラメータ状態データの現在のセットと1つまたは複数のフィールドデバイスに対応する基準パラメータ状態データまたはテンプレートパラメータ状態データのいずれかとを比較するように構成された状態パラメータ比較器15058と、(vi)プロセス制御監視サーバ1504とフィールドデバイスネットワーク1506および/または個々のフィールドデバイス15062~1506nとの間のデータ通信および制御通信を可能にするように構成されたフィールドデバイスインターフェース15059とが記憶されてもよい。
【0111】
図16は、本発明の様々な実施形態が実施されてもよい例示的なコンピュータシステムを示す。
【0112】
システム1600はコンピュータシステム1602を含み、次にコンピュータシステム1602は、1つまたは複数のプロセッサ1604と少なくとも1つのメモリ1606とを備える。プロセッサ1604は、プログラム命令を実行するように構成され、実際のプロセッサであってもよくまたは仮想プロセッサであってもよい。コンピュータシステム1602が説明した実施形態の使用範囲または機能に関する限定を示すものではないことが理解されよう。コンピュータシステム1602は、限定はしないが、汎用コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、および本発明の方法を構成するステップを実施することのできる他のデバイスまたはデバイスの構成のうちの1つもしくは複数を含んでもよい。本発明によるコンピュータシステム1602の例示的な実施形態は、1つまたは複数のサーバ、デスクトップ、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、モバイルフォン、モバイル通信デバイス、タブレット、ファブレット、および携帯情報端末を含んでもよい。本発明の一実施形態では、メモリ1606は、本発明の様々な実施形態を実施するためのソフトウェアを記憶してもよい。コンピュータシステム1602は、追加の構成要素を有してもよい。たとえば、コンピュータシステム1602は、1つまたは複数の通信チャネル1608と、1つまたは複数の入力デバイス1610と、1つまたは複数の出力デバイス1612と、ストレージ1614とを含んでもよい。バス、コントローラ、またはネットワークなどの相互接続機構(図示せず)は、コンピュータシステム1602の構成要素を相互接続する。本発明の様々な実施形態では、オペレーティングシステムソフトウェア(図示せず)が、プロセッサ1604を使用してコンピュータシステム1602において実行される様々なソフトウェア用の動作環境を提供し、コンピュータシステム1602の構成要素のそれぞれに異なる機能を管理する。
【0113】
通信チャネル1608は、通信媒体を介した様々な他のコンピューティングエンティティとの通信を可能にする。通信媒体は、プログラム命令または通信媒体におけるその他のデータなどの情報を提供する。通信媒体は、限定はしないが、電気、光、RF、赤外線、音響、マイクロ波、Bluetooth、またはその他の伝送媒体によって実現される有線または無線の方法を含む。
【0114】
入力デバイス1610は、限定はしないが、タッチスクリーン、キーボード、マウス、ペン、ジョイスティック、トラックボール、音声デバイス、スキャニングデバイス、またはコンピュータシステム1602に入力を与えることのできる任意の別のデバイスを含んでもよい。本発明の一実施形態では、入力デバイス1610は、サウンドカードであってもよく、またはアナログ形式またはデジタル形式のオーディオ入力を受け入れる同様のデバイスであってもよい。出力デバイス1612は、限定はしないが、CRT、LCD、LEDディスプレイ上のユーザインターフェース、またはサーバ、デスクトップ、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、モバイルフォン、モバイル通信デバイス、タブレット、ファブレット、および携帯情報端末のうちのいずれかに関連付けられた任意の他のディスプレイ、プリンタ、スピーカー、CD/DVDライター、またはコンピュータシステム1602からの出力を提供する任意の他のデバイスを含んでもよい。
【0115】
ストレージ1614は、限定はしないが、磁気ディスク、磁気テープ、CD-ROM、CD-RW、DVD、任意の種類のコンピュータメモリ、磁気ストライプ、スマートカード、印刷されたバーコード、または情報を記憶するために使用することができ、コンピュータシステム1602によってアクセスすることができる任意の他の一時的もしくは非一時的媒体を含んでもよい。本発明の様々な実施形態では、ストレージ1614は、前述の実施形態のうちのいずれかを実施するためのプログラム命令を含んでもよい。
【0116】
本発明の一実施形態では、コンピュータシステム1602は、分散ネットワークの一部であるか、または利用可能なクラウドリソースのセットの一部であってもよい。
【0117】
本発明は、システム、方法、またはコンピュータ可読記憶媒体もしくはプログラミング命令がリモート位置から通信されるコンピュータネットワークなどのコンピュータプログラム製品として、を含む、多数の仕方で実現されてもよい。
【0118】
本発明は、コンピュータシステム1602とともに使用されるコンピュータプログラム製品として好適に具現化されてもよい。本明細書で説明した方法は一般に、コンピュータプログラム製品として実現され、コンピュータシステム1602または任意の他の同様のデバイスによって実行されるプログラム命令のセットを備える。プログラム命令のセットは、コンピュータ可読記憶媒体(ストレージ1614)、たとえば、ディスケット、CD-ROM、ROM、フラッシュドライブもしくはハードディスクなどの有形の媒体上に記憶されるか、またはモデムもしくは他のインターフェースデバイスを介して、限定はしないが、光学通信チャネルまたはアナログ通信チャネル1608を含むいずれかの有形媒体上でコンピュータシステム1602に送信可能な一連のコンピュータ可読コードであってもよい。コンピュータプログラム製品としての本発明の実現は、限定はしないが、マイクロ波、赤外線、Bluetooth、または他の送信技法を含むワイヤレス技法を使用した無形形態であってもよい。これらの命令は、システムにプリロードするかもしくはCD-ROMなどの記憶媒体上に記録することができ、またはインターネットもしくは移動電話網などのネットワーク上でのダウンロードに利用可能にすることができる。一連のコンピュータ可読命令は、本明細書で前述の機能のうちのすべてまたは一部を具現化してもよい。
【0119】
上記のことに基づいて、本発明が従来技術の解決策では利用できなかった顕著な利点をもたらすことが明らかになろう。詳細には、本発明は以下のことを実現する。
・フィールドデバイスパラメータ状態の監視および検証を多数のデバイスに対して自動的に可能にして、多数のフィールドデバイスに関連して/と協働して多数のフィールドデバイスパラメータ状態の同時監視および検証を可能にする。
・自動レポート生成を可能にする。この場合、パラメータ状態データの2つのセット間の検出された偏差または差を包括的に記載することができ、好都合なことに、レポートをユーザ/オペレータによってフィルタ処理、表示、ならびに/または他の方法で修正することができる。
・ユーザ/オペレータが、フィールドデバイス内のパラメータデータ状態の値を、そのフィールドデバイスについての現在のパラメータデータ状態と1つまたは複数の基準パラメータデータ状態との間の偏差が検出されたことに応じて修正するのを可能にする。
・フィールドデバイスパラメータデータ状態と、1つまたは複数のフィールドデバイスの様々な利用または目的についての設定を含むように作成された既定のパラメータデータ状態テンプレートとの比較を可能にする。
・1つまたは複数の有意義なパラメータに基づいて(たとえば、データパラメータが構成可能なパラメータであるかどうかに基づいて)、検討すべきフィールドデバイスパラメータデータ状態の数を制限するようにレポート生成を構成するのを可能にする
【0120】
本発明の例示的な実施形態について本明細書で説明し図示したが、これらの実施形態が例に過ぎないことが諒解されよう。当業者には、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の趣旨および範囲から逸脱せず、また、その趣旨および範囲に違反せずに、形態および詳細への様々な修正を施してもよいことが理解されよう。さらに、本明細書に例示的に開示された本発明は、本明細書に具体的に開示されていない要素の非存在下で好適に実施されてもよく、具体的に企図される特定の実施形態では、本発明は、本明細書に具体的に開示されていない1つまたは複数の要素の非存在下で実施されることが意図される。
【符号の説明】
【0121】
100 分散プロセス制御システム
102 オペレータ端末
104 プラントリソース管理プラットフォーム
104a プラントリソース管理サーバ
104b プラントリソース管理データベース
104c プラントリソース管理ゲートウェイインターフェース
106 フィールドデバイスネットワーク
106a~106c フィールドデバイス
200 スクリーンインターフェース
202、204 パラメータ状態データ
300 プロセス制御環境
302 端末デバイス
304a プロセス制御監視サーバ
304b データベース
306 フィールドデバイスネットワーク
600 インターフェース
800A、800B インターフェーススクリーン
1300 要約レポート
1400 レポート
1500 プロセス制御環境
1502 オペレータ端末
1504 プロセス制御監視サーバ
15042 ディスプレイ
15044 プロセッサ
15046 入出力コントローラ
15048 メモリ
15050 オペレーティングシステム
15052 オペレータインターフェース
15054 基準/テンプレートパラメータ取り出しコントローラ
15056 フィールドデバイス状態パラメータモニタ
15058 状態パラメータ比較器
15059 フィールドデバイスインターフェース
1506 フィールドデバイスネットワーク
15062~1506n フィールドデバイス
1600 システム
1602 コンピュータシステム
1604 プロセッサ
1606 メモリ
1608 通信チャネル
1610 入力デバイス
1612 出力デバイス
1614 ストレージ
2022、2042 パラメータ値
3028 共通サービスプロセス
3022、3024、3026、3028、3042、3044、3046 プロセス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16