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特許7559454施策提案装置、施策提案方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】施策提案装置、施策提案方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0639 20230101AFI20240925BHJP
【FI】
G06Q10/0639
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020156167
(22)【出願日】2020-09-17
(65)【公開番号】P2022049886
(43)【公開日】2022-03-30
【審査請求日】2023-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】池内 宏
(72)【発明者】
【氏名】後藤 潤一
(72)【発明者】
【氏名】藤原 弾
(72)【発明者】
【氏名】西村 知泰
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-035219(JP,A)
【文献】特開2008-041047(JP,A)
【文献】国際公開第2019/215855(WO,A1)
【文献】特開2009-134468(JP,A)
【文献】特開2013-206148(JP,A)
【文献】戸沢 拓 ほか,SCM診断ツール適用による業務課題の抽出,日立TO技報,日本,株式会社日立東日本ソリューションズ,2010年10月25日,第16号,pp.22~27,ISSN 1342-8217
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示手段と、
アンケートの回答の入力を受け付ける入力手段と、
アンケートの質問を前記表示手段に表示させ、前記入力手段に入力されたアンケートの質問に対する回答を受信する回答処理手段と、
前記回答処理手段が受信した企業におけるSCMに関連する部門のアンケートの回答に基づいてSCM成熟度を生成する成熟度生成手段と、
前記SCM成熟度に基づいて、所定の施策のなかから提案する施策を決定する施策決定手段と、
決定された前記施策に基づいて改善が見込まれる評価指標を決定する評価指標決定手段と、
改善が見込まれる前記評価指標と前記施策とを関連付けて出力する出力手段と
含み、
前記施策決定手段は、前記SCM成熟度に基づいて予め設定された施策のなかから提案する前記施策を決定する施策決定アプリケーションに前記SCM成熟度を適用して、提案する前記施策を決定する
施策提案装置。
【請求項2】
改善が見込まれる前記評価指標の改善量を算出する改善量算出アプリケーションを用いて、改善が見込まれる前記評価指標の改善量を算出する改善量算出手段をさらに含み、
前記出力手段が、前記評価指標の改善量と、前記施策とを関連付けて出力する
請求項1に記載の施策提案装置。
【請求項3】
前記アンケートの回答に基づいて、前記企業のSCMレベルを生成するレベル生成手段をさらに含み、
前記出力手段が、前記SCMレベルを出力する
請求項1又は2に記載の施策提案装置。
【請求項4】
前記成熟度生成手段が、前記企業に関連する追加情報を取得し、取得した前記追加情報を用いて前記SCM成熟度を生成する
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の施策提案装置。
【請求項5】
前記評価指標が、少なくとの廃棄ロスを含む
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の施策提案装置。
【請求項6】
コンピュータが、
アンケートの質問を表示させ、
入力されたアンケートの質問に対する回答を受信し、
受信した企業におけるSCMに関連する部門のアンケートの回答に基づいてSCM成熟度を生成し、
前記SCM成熟度に基づいて、所定の施策のなかから提案する施策を決定し、
決定された前記施策に基づいて改善が見込まれる評価指標を決定し、
改善が見込まれる前記評価指標と前記施策とを関連付けて出力し、
前記評価指標の決定は、前記SCM成熟度に基づいて予め設定された施策のなかから提案する前記施策を決定する施策決定アプリケーションに前記SCM成熟度を適用して、提案する前記施策を決定する
施策提案方法。
【請求項7】
アンケートの質問を表示させる処理と、
入力されたアンケートの質問に対する回答を受信する処理と、
受信した企業におけるSCMに関連する部門のアンケートの回答に基づいてSCM成熟度を生成する処理と、
前記SCM成熟度に基づいて、所定の施策のなかから提案する施策を決定する処理と、
決定された前記施策に基づいて改善が見込まれる評価指標を決定する処理と、
改善が見込まれる前記評価指標と前記施策とを関連付けて出力する処理と
をコンピュータに実行させ、
前記施策を決定する処理は、前記SCM成熟度に基づいて予め設定された施策のなかから提案する前記施策を決定する施策決定アプリケーションに前記SCM成熟度を適用して、提案する前記施策を決定する処理
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報の処理に関し、特に、企業における管理に関連する情報の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
各企業は、競合他社に対する優位性を確保するため、各種の取り組みを実施している。
【0003】
このような企業の取り組みの一つに、供給連鎖(Supply Chain(以下、「SC」と呼ぶ))を管理する供給連鎖管理(Supply Chain Management(以下、「SCM」と呼ぶ))がある(例えば、特許文献1及び2を参照)。
【0004】
特許文献1に記載の情報技術活用評価装置(以下、単に「情報技術活用評価装置」と呼ぶ)は、SCの単位工程における情報技術の活用度の評価に基づいて、単位工程と単位工程の集合である被管理工程との自動化の成熟レベルを判定する。そして、情報技術活用評価装置は、単位工程の自動化の成熟レベルと、被管理工程の自動化の成熟レベルとを表示する。そして、情報技術活用評価装置は、ユーザーに指示されたボトルネックとなる単位工程を改善する提案を決定する。
【0005】
特許文献2に記載の供給連鎖シミュレーションシステム(以下、単に「供給連鎖シミュレーションシステム」と呼ぶ)は、供給連鎖を構成する工程のパラメータに基づいて、生産計画を立案する。そして、供給連鎖シミュレーションシステムは、立案した計画に基づいて、シミュレーションする。さらに、供給連鎖シミュレーションシステムは、計画の立案と、シミュレーションとを連携させ、シミュレーションの精度を向上する。
【0006】
供給連鎖シミュレーションシステムは、上記の動作において、シミュレーションした活動の結果を示す評価指標を求める。そして、供給連鎖シミュレーションシステムは、シミュレーションの理解及び納得性などを向上するため、供給連鎖の全体及び各工程それぞれの、最終的及び途中経過における評価指標を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第6664564号公報
【文献】特開2009-134468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
情報技術の活用度は、一般的に、単位工程ごとに独立して改善可能である。そのため、単位工程の集合である被管理工程における情報技術の活用度の改善としては、単位工程それぞれにおける情報技術の活用度を改善すればよい。
【0009】
そのため、情報技術活用評価装置は、ボトルネックとなる単位工程における情報技術の活用度を改善する提案を決定する。
【0010】
しかし、企業内の各部門における活動は、各部門で独立的に実行できる活動ではなく、相互に関連した活動であることが多い。そのため、企業の各部門での最適化は、必ずしも複数の部門全体としての最適化につながるとは限らない。
【0011】
例えば、SCMは、複数の部門(又は、企業全体)にまたがる管理となる。つまり、SCMの管理対象は、複数の部門(又は、企業全体)となる。そのため、SCMに関する施策は、個別の部門の状態に対する施策でなく、SCMに関連する複数の部門の状態に基づいた施策であることが望ましい。
【0012】
また、SCMに関する施策の提案においては、施策に加え、施策の有効性を判断するための情報(例えば、施策に基づいて改善が見込まれる評価指標)を提供することが望ましい。
【0013】
情報技術活用評価装置は、単位工程ごとに、情報技術の活用度を改善するための提案を決定する。しかし、情報技術活用評価装置は、SCMのような複数の部門の状態に基づいた施策を決定するものではない。
【0014】
さらに、情報技術活用評価装置は、提案の有効性を判断するための情報を提供していない。
【0015】
このように、特許文献1に記載の技術は、複数の部門の状態に基づく施策と、その施策に基づいて改善が見込まれる評価指標とを関連付けて出力できないという問題点があった。
【0016】
供給連鎖シミュレーションシステムは、立案された生産計画をシミュレーションして、シミュレーションにおける時間の経過に沿って、全体及び各工程の評価指標を表示する。しかし、供給連鎖シミュレーションシステムは、供給連鎖の工程のパラメータに基づいて立案された生産計画をシミュレーションするものであり、複数の部門の状態に基づく施策を提案するものではない。
【0017】
さらに、供給連鎖シミュレーションシステムは、生産計画のシミュレーションに含まれる評価指標を表示するが、施策に基づいて改善が見込まれる評価指標を表示するものではない。
【0018】
このように、特許文献2に記載の技術は、複数の部門の状態に基づく施策と、その施策に基づいて改善が見込まれる評価指標とを関連付けて出力できないという問題点があった。
【0019】
まとめると、特許文献1及び2に記載の技術は、複数の部門の状態に基づく施策と、その施策に基づいて改善が見込まれる評価指標とを関連付けて出力することができないという問題点があった。
【0020】
本発明の目的は、上記問題点を解決し、複数の部門の状態に基づく施策と、その施策に基づいて改善が見込まれる評価指標とを関連付けて出力する施策提案装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の一形態における施策提案装置は、
企業におけるSCMに関連する部門のアンケートの回答に基づいてSCM成熟度を生成する成熟度生成手段と、
SCM成熟度に基づいて、所定の施策のなかから提案する施策を決定する施策決定手段と、
決定された施策に基づいて改善が見込まれる評価指標を決定する評価指標決定手段と、
改善が見込まれる評価指標と施策とを関連付けて出力する出力手段とを含む。
【0022】
本発明の一形態における施策提案方法は、
企業におけるSCMに関連する部門のアンケートの回答に基づいてSCM成熟度を生成し、
SCM成熟度に基づいて、所定の施策のなかから提案する施策を決定し、
決定された施策に基づいて改善が見込まれる評価指標を決定し、
改善が見込まれる評価指標と施策とを関連付けて出力する。
【0023】
本発明の一形態におけるプログラムは、
企業におけるSCMに関連する部門のアンケートの回答に基づいてSCM成熟度を生成する処理と、
SCM成熟度に基づいて、所定の施策のなかから提案する施策を決定する処理と、
決定された施策に基づいて改善が見込まれる評価指標を決定する処理と、
改善が見込まれる評価指標と施策とを関連付けて出力する処理と
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に基づけば、複数の部門全体の状態に基づく施策と、その施策に基づいて改善が見込まれる評価指標とを関連付けて出力するとの効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、第1の実施形態にかかる施策提案装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、SCM成熟度と、関連する情報との表示の一例を示す図である。
図3図3は、施策と評価指標との表示の一例を示す図である。
図4図4は、評価指標の改善量の表示の一例を示す図である。
図5図5は、施策と、評価指標の改善量との表示の一例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態にかかる施策提案装置の処理部の動作の一例を示すフロー図である。
図7図7は、施策提案装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図8図8は、第2の実施形態にかかる施策提案装置の構成の一例を示すブロック図である。
図9図9は、第2の実施形態にかかる施策提案装置の動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明における実施形態について図面を参照して説明する。
【0027】
なお、各図面は、本発明における実施形態を説明するためのものである。ただし、本発明は、各図面の記載に限られるわけではない。また、各図面の同様の構成には、同じ番号を付し、その繰り返しの説明を、省略する場合がある。また、以下の説明に用いる図面において、本発明の説明に関係しない部分の構成については、記載を省略し、図示しない場合もある。
【0028】
[用語]
まず、以下の説明に用いる用語について整理しておく。
【0029】
「SCM成熟度」とは、SCMの関連する部門全体に関する状態を示す値である。より詳細には、SCM成熟度とは、SCMに関連する複数の部門の状態を総合的に判断して生成される値である。なお、企業が、独立的に管理できる複数のSCMを含む場合、各実施形態は、SCMそれぞれに対して動作してもよい。
【0030】
SCM成熟度の値の表現は、任意である。例えば、SCM成熟度は、数値(例えば、1から5までの数値)を用いて表現されてもよい。あるいは、SCM成熟度は、文字(例えば、低/中/高)、又は、記号(例えば、×/△/〇)を用いて表現されてもよい。
【0031】
なお、SCM成熟度は、所定の知見に基づいて予め作成されたアプリケーション又は計算式を用いて算出される。
【0032】
以下の説明において、各実施形態は、複数の部門の状態を表す情報の一例として、SCM成熟度を生成する。ただし、各実施形態は、複数の部門の状態を示す情報として、SCMとは異なる管理に関連する情報を生成してもよい。
【0033】
「評価指標」とは、予め決められている企業の活動状態を評価するための指標である。評価指標は、重要業績評価指標(Key Performance Idencicator(KPI))と呼ばれる場合もある。例えば、評価指標は、食品の廃棄ロスの金額又は比率である。
【0034】
「施策」とは、各実施形態が提案する、企業が実際に行う活動に対する施策である。なお、各実施形態において、提案の対象となる施策は、提案対象の企業に関連して、予め設定されている。そして、各実施形態は、SCM成熟度に対応して、予め設定されている施策のなかから、提案する施策を決定する。
【0035】
例えば、対象となる企業が食品メーカーの場合、各実施形態は、食品の廃棄ロスに対する施策(例えば、食品の製造及び配送に関連する施策)を提案する。
【0036】
ただし、各実施形態が提案する施策は、食品に関連する施策に限定されない。
【0037】
「SCMレベル」とは、SCMを構成する各項目が、予め設定された値(例えば、業界の平均値)に対する達成の程度を示す値である。SCMレベルは、企業におけるSCMに関連する詳細な情報(例えば、各部門の活動項目におけるSCMに関連する状態)である。
【0038】
SCMレベルの値の表現は、任意である。例えば、SCMレベルは、1から10までの数値を用いて表現されてもよい。あるいは、SCMレベルは、「低/中/高」のような文字を用いて表現されてもよい。あるいは、SCMレベルは、「×/△/〇」のような記号を用いて表現されてもよい。
【0039】
なお、各実施形態は、SCM成熟度などの情報を生成、決定、及び/又は、算出する手段として、任意の手段を用いてよい。例えば、各実施形態は、所定のアプリケーション(Applicaton(以下、「AP」と呼ぶ))を用いて、SCM成熟度などの情報を生成、決定、及び/又は、算出してもよい。例えば、各実施形態は、表計算ソフトウェアを用いて、SCM成熟度などの情報を生成、決定、及び/又は、算出してもよい。あるいは、各実施形態は、所定の数式を用いて、SCM成熟度などの情報を生成、決定、及び/又は、算出してもよい。あるいは、各実施形態は、所定の機械学習又はAI(Artificial Intelligence)を用いて、SCM成熟度などの情報を生成、決定、及び/又は、算出してもよい。
【0040】
なお、以下の説明では、一例として、各実施形態は、SCM成熟などの情報を生成、決定、及び/又は、算出する手段として「AP」を用いる。
【0041】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、第1の実施形態について説明する。
【0042】
[構成の説明]
まず、第1の実施形態にかかる施策提案装置10の構成について、図面を参照して説明する。
【0043】
図1は、第1の実施形態にかかる施策提案装置10の構成の一例を示すブロック図である。
【0044】
施策提案装置10は、処理部20と、保存部30と、入力部40と、表示部50とを含む。
【0045】
表示部50は、所定の情報(例えば、施策、及び、評価指標)を表示する。
【0046】
入力部40は、利用者などから、必要な情報(例えば、アンケートの回答32)の入力を受け付ける。
【0047】
なお、入力部40及び表示部50は、タッチパッドと液晶パネルとを含むタッチパネルのように、一つの装置を用いて構成されてもよい。
【0048】
保存部30は、処理部20が処理に用いるデータ、及び、処理に用いるAPを保存する。詳細には、保存部30は、アンケートの質問31と、アンケートの回答32と、SCMレベル生成AP33と、SCM成熟度生成AP34と、施策決定AP35と、評価指標決定AP36と、改善量算出AP37とを保存する。
【0049】
なお、保存部30は、処理部20の処理結果(例えば、SCM成熟度)を保存してもよい。
【0050】
アンケートの質問31は、企業におけるSCMに関するアンケートについての質問である。アンケートの質問31は、SCM成熟度の生成などに用いられるアンケートの回答32を得るための質問である。アンケートの質問31は、予め、SCMに関する所定の知見に基づいて作成され、保存部30に保存されている。
【0051】
アンケートの回答32は、アンケートの質問31に対する回答である。つまり、アンケートの回答32は、企業におけるSCMに関するアンケートの回答である。なお、後ほど説明する通り、アンケートの回答32は、SCM成熟度などの生成に用いられる情報である。
【0052】
SCMレベル生成AP33は、アンケートの回答32を用いて、SCMレベルを生成する。SCMレベル生成AP33は、予め、所定の知見に基づいて作成され、保存部30に保存されている。
【0053】
SCM成熟度生成AP34は、アンケートの回答32を用いて、SCM成熟度を生成する。SCM成熟度生成AP34は、予め、所定の知見に基づいて作成され、保存部30に保存されている。
【0054】
なお、SCM成熟度生成AP34は、アンケートの回答32に加え、企業に関連する他の情報(以下、「追加情報」と呼ぶ)を用いてもよい。例えば、SCM成熟度生成AP34は、追加情報として、企業の関係者(例えば、経営者、従業員、又は、取引先)から聞き取った情報、及び/又は、公開された資料(例えば、有価証券報告書)の情報を用いてもよい。
【0055】
施策決定AP35は、SCM成熟度に基づいて、予め設定された施策のなかから、提案する施策を決定する。施策決定AP35は、予め、所定の知見に基づいて作成され、保存部30に保存されている。なお、施策は、施策決定AP35に含まれていてもよく、施策決定AP35とは別に保存されていてもよい。
【0056】
評価指標決定AP36は、提案すると決定された施策を用いると改善が見込まれる評価指標を決定する。つまり、評価指標決定AP36は、施策に基づいて評価指標を決定する。評価指標決定AP36は、予め、所定の知見に基づいて作成され、保存部30に保存されている。なお、評価指標は、評価指標決定AP36に含まれていてもよく、評価指標決定AP36とは別に保存されていてもよい。
【0057】
改善量算出AP37は、改善が見込まれる評価指標の改善量を算出する。改善量算出AP37は、予め、所定の知見に基づいて作成され、保存部30に保存されている。
【0058】
なお、改善量算出AP37は、改善量の算出において、追加情報(例えば、現在時点における企業に関する情報)を用いてもよい。
【0059】
例えば、評価指標の一例として廃棄ロスの場合を説明する。
【0060】
廃棄ロスの改善量は、例えば、次のように算出される。
廃棄ロスの改善量=年間売上×(1-売上総利益率)×(現在の廃棄率-改善後の廃棄率)
この式において、「年間売上」及び「売上総利益率」は、有価証券報告書などから取得できる情報である。「現在の廃棄率」は、企業の従業員などからの聞き取りを用いて取得可能な情報である。「改善後の廃棄率」は、各施策に対して予め設定された値である。
【0061】
なお、SCMレベル生成AP33、SCM成熟度生成AP34、施策決定AP35、評価指標決定AP36、及び、改善量算出AP37の一部又は全ては、個別のAPではなく、一つのAPに含まれていてもよい。
【0062】
処理部20は、回答処理部21と、レベル生成部22と、成熟度生成部23と、施策決定部24と、評価指標決定部25と、改善量算出部26と、出力部27とを含む。
【0063】
出力部27は、処理部20の各構成の処理において、所定の情報を表示部50に出力する。ただし、出力部27は、表示部50とは異なる出力先に情報を出力してもよい。例えば、出力部27は、図示しないネットワークを介して、利用者の端末装置に情報を出力してもよい。ただし、以下の説明では、説明の便宜のため、出力部27は、情報の出力先の一例として、表示部50に情報を出力する。
【0064】
回答処理部21は、企業におけるSCMに関連する項目についてのアンケートを処理する。詳細には、回答処理部21は、次のような動作を実行する。
【0065】
回答処理部21は、出力部27を介して、保存部30に保存されているアンケートの質問31(例えば、企業におけるSCMに関連する各部門についての質問)を表示部50に出力する。表示部50は、アンケートの質問31を表示する。
【0066】
そして、回答処理部21は、入力部40を介して、アンケートの回答32(例えば、表示されたアンケートの質問31に対する回答)を受信する。例えば、施策提案装置10の利用者が、表示部50に表示されたアンケートの質問31に対して、入力部40を用いてアンケートの回答32を入力した場合、回答処理部21は、入力部40を介して、利用者が入力したアンケートの回答32を受信する。
【0067】
なお、回答処理部21は、アンケートの回答32を一度に受信してもよく、複数回に分けて受信してもよい。
【0068】
そして、回答処理部21は、受信したアンケートの回答32を保存部30に保存する。
【0069】
なお、施策提案装置10は、図示しない装置からアンケートの回答32を受信してもよい。この場合、施策提案装置10は、回答処理部21を含まなくてもよい。また、この場合、保存部30は、アンケートの質問31を保存しなくてもよい。
【0070】
レベル生成部22は、アンケートの回答32をSCMレベル生成AP33に適用して、SCMレベルを生成する。
【0071】
そして、レベル生成部22は、出力部27を介して、SCMレベルを表示部50に出力する。表示部50は、SCMレベルを表示する。例えば、表示部50は、レーダーチャートを用いてSCMレベルを表示する。利用者は、表示部50の表示に基づいて、各項目のSCMレベルを把握できる。
【0072】
なお、施策提案装置10は、SCMレベルを表示しなくてもよい。例えば、利用者が、施策を確認したい場合などは、施策提案装置10は、SCMレベルの表示を省略してもよい。この場合、施策提案装置10は、レベル生成部22を含まなくてもよい。また、この場合、保存部30は、SCMレベル生成AP33を保存しなくてもよい。
【0073】
成熟度生成部23は、アンケートの回答32をSCM成熟度生成AP34に適用して、SCM成熟度を生成する。
【0074】
なお、SCM成熟度生成AP34が所定の追加情報を用いる場合、成熟度生成部23は、SCM成熟度の算出において、必要となる追加情報を取得する。例えば、成熟度生成部23は、表示部50に必要な追加情報を表示し、入力部40を介して利用者などから追加情報を取得する。
【0075】
そして、成熟度生成部23は、出力部27を介して、SCM成熟度を表示部50に出力する。表示部50は、SCM成熟度を表示する。利用者は、表示部50の表示に基づいて、SCM成熟度を把握できる。
【0076】
なお、施策提案装置10は、SCM成熟度の表示において、SCM成熟の生成に関連する情報の少なくとも一部をSCM成熟度に関連付けて表示してもよい。
【0077】
図2は、SCM成熟度と、関連する情報との表示の一例を示す図である。図2において、矢印は、SCM成熟度の算出に用いられた各項目の達成状態を示す。
【0078】
図2の(A)は、成熟度が「低」の場合の例である。各項目の達成状態は、いずれも低い。
【0079】
図2の(B)は、成熟度が「中」の場合の例である。各項目の達成度は、(A)よりは高いが、中程度である。
【0080】
図2の(C)は、成熟度が「高」の場合の例である。各項目の達成度は、いずれも高くなっている。
【0081】
ただし、SCM成熟度の表示は、図2に限定されない。
【0082】
図1を参照した説明に戻る。
【0083】
施策決定部24は、生成されたSCM成熟度を施策決定AP35に適用して、予め設定されている施策のなかから提案する施策を決定する。
【0084】
そして、施策決定部24は、出力部27を介して、決定した施策を表示部50に出力する。表示部50は、決定された施策、つまり、提案する施策を表示する。利用者は、表示部50の表示に基づいて、提案された施策を把握できる。
【0085】
評価指標決定部25は、決定された施策を評価指標決定AP36に適用して、決定された施策を用いると改善が見込まれる評価指標(例えば、廃棄ロス)を決定する。
【0086】
そして、評価指標決定部25は、出力部27を介して、改善が見込まれる評価指標を表示部50に出力する。表示部50は、改善が見込まれる評価指標を表示する。利用者は、表示部50の表示に基づいて、改善が見込まれる評価指標を把握できる。
【0087】
なお、処理部20は、決定した施策と、決定した施策を用いると改善が見込まれる評価指標とを関連付けて表示部50に出力してもよい。この場合、表示部50は、施策と評価指標とを関連付けて表示してもよい。
【0088】
図3は、施策と評価指標との表示の一例を示す図である。
【0089】
図3において、黒丸が、施策を用いると改善が見込まれる評価指標を示す。例えば、施策1を用いると、評価指標2及び3の改善が見込まれる。
【0090】
利用者は、図3の表示に基づいて、施策と評価指標との関連性を含めて、改善が見込まれる評価指標を把握できる。
【0091】
ただし、施策及び評価指標の表示は、図3に限定されない。
【0092】
図1を参照した説明に戻る。
【0093】
改善量算出部26は、改善量算出AP37を用いて、評価指標決定部25において改善が見込まれる評価指標(例えば、廃棄ロス)の改善量を算出する。
【0094】
なお、改善量算出AP37が所定の追加情報を用いる場合、改善量算出部26は、改善量の算出において、必要となる追加情報を取得する。例えば、改善量算出部26は、表示部50に必要な追加情報を表示し、入力部40を介して利用者などから追加情報を取得する。
【0095】
なお、改善量算出部26が算出する改善量の値は、任意である。例えば、改善量算出部26は、改善量として金額を算出してもよい。あるいは、改善量算出部26は、改善量として改善の比率を算出してもよい。
【0096】
そして、改善量算出部26は、出力部27を介して、算出した評価指標の改善量を表示部50に出力する。表示部50は、評価指標の改善量を表示する。利用者は、表示部50の表示に基づいて、評価指標の改善量を把握できる。
【0097】
図4は、評価指標の改善量の表示の一例を示す図である。図4は、改善量として、比率を算出した場合の例である。なお、図4において、改善量の「-」は、改善量が小さいこと(例えば、5%未満)を示す。
【0098】
ただし、評価指標の改善量の表示は、図4に限定されない。
【0099】
例えば、処理部20は、施策に関連するように、評価指標の改善量を出力してもよい。この場合、表示部50は、施策と評価指標とを関連付けて表示する。
【0100】
図5は、施策と、評価指標の改善量との表示の一例を示す図である。例えば、「施策1」を用いた場合、「評価指標2」の改善量が25%であり、「評価指標3」の改善量が30%である。図5において、改善量の「-」は、改善量が小さいこと(例えば、5%未満)を示す。
【0101】
なお、施策提案装置10は、上記の説明において表示部50に表示した情報の一部を、表示しなくてもよい。例えば、施策提案装置10は、表示の見易さなどを考慮して、表示する情報の範囲を制限してもよい。
【0102】
あるいは、施策提案装置10は、上記の説明において表示部50に表示した情報の一部を、組み合わせて表示してもよい。例えば、施策提案装置10は、SCMレベルと、SCM成熟度とを、一つの画面に表示してもよい。
【0103】
[動作の説明]
次に、第1の実施形態にかかる施策提案装置10の動作について、図面を参照して説明する。
【0104】
図6は、第1の実施形態にかかる施策提案装置10の処理部20の動作の一例を示すフロー図である。
【0105】
回答処理部21は、出力部27を介して、保存部30に保存されているアンケートの質問31を表示部50に出力する(ステップS101)。表示部50は、アンケートの質問31を表示する。
【0106】
回答処理部21は、入力部40を介して、アンケートの回答32を受信する(ステップS102)。そして、回答処理部21は、受信したアンケートの回答32を保存部30に保存する。
【0107】
レベル生成部22は、アンケートの回答32をSCMレベル生成AP33に適用して、SCMレベルを生成する(ステップS103)。
【0108】
そして、レベル生成部22は、出力部27を介して、SCMレベルを表示部50に出力する(ステップS104)。表示部50は、SCMレベルを表示する。
【0109】
成熟度生成部23は、アンケートの回答32をSCM成熟度生成AP34に適用して、SCM成熟度を生成する(ステップS105)。
【0110】
そして、成熟度生成部23は、出力部27を介して、SCM成熟度を表示部50に出力する(ステップS106)。表示部50は、SCM成熟度を表示する。
【0111】
施策決定部24は、生成されたSCM成熟度を施策決定AP35に適用して、予め保存された施策のなかから提案する施策を決定する(ステップS107)。
【0112】
評価指標決定部25は、決定された施策を評価指標決定AP36に適用して、提案すると決定された施策を用いると改善が見込まれる評価指標を決定する(ステップS108)。
【0113】
そして、評価指標決定部25は、出力部27を介して、決定した評価指標(改善が見込まれる評価指標)と施策とを、関連付けて表示部50に出力する(ステップS109)。表示部50は、決定された施策と、改善が見込まれる評価指標とを表示する。
【0114】
改善量算出部26は、改善量算出AP37を用いて、改善が見込まれる評価指標の改善量を算出する(ステップS110)。
【0115】
そして、改善量算出部26は、出力部27を介して、算出した評価指標の改善量と、施策とを関連付けて表示部50に出力する(ステップS111)。表示部50は、改善量と、施策とを表示する。
【0116】
なお、処理部20は、施策と関連付けずに、評価指標の改善量を出力してもよい。
【0117】
また、施策提案装置10は、図6を用いて説明した出力動作の一部(例えば、SCMレベルの出力動作)を省略してもよい。
【0118】
[効果の説明]
次に第1の実施形態にかかる施策提案装置10の効果について説明する。
【0119】
第1の実施形態かかる施策提案装置10は、複数の部門の状態に基づく施策と、その施策に基づいて改善が見込まれる評価指標とを関連付けて出力するとの効果を得ることができる。
【0120】
その理由は、次のとおりである。
【0121】
施策提案装置10は、成熟度生成部23と、施策決定部24と、評価指標決定部25と、出力部27とを含む。成熟度生成部23は、企業におけるSCMに関連する部門のアンケートの回答32に基づいてSCM成熟度を生成する。施策決定部24は、SCM成熟度に基づいて、所定の施策のなかから提案する施策を決定する。評価指標決定部25は、決定された施策に基づいて改善が見込まれる評価指標を決定する。出力部27は、改善が見込まれる評価指標と施策とを関連付けて出力する。
【0122】
SCMは、複数の部門に関連する管理である。そのため、SCMに関するアンケートの回答32は、複数の部門全体の状態に関連する情報である。そして、成熟度生成部23は、アンケートの回答32に基づいてSCM成熟度を生成する。そして、施策決定部24は、所定の施策のなかから、SCM成熟度に基づいて提案する施策を決定する。つまり、施策提案装置10は、複数の部門全体の状態に基づいて施策を決定する。そして、評価指標決定部25は、決定した施策に基づいて改善が見込まれる評価指標を決定する。そして、施策提案装置10の出力部27は、決定した評価指標と施策とを関連付けて出力する。このように、施策提案装置10は、複数の部門全体の状態に基づく施策と、その施策に基づいて改善が見込まれる評価指標とを関連付けて出力する。
【0123】
その結果、利用者などは、予め設定されている施策において、複数の部門全体において適切となる施策を把握できる。さらに、利用者などは、評価指標において、改善が見込まれる評価指標を把握できる。
【0124】
このように、施策提案装置10は、利用者などに対して有効な情報を提供できる。
【0125】
なお、企業環境は、年々、変化が速くなり、必ずしも過去の延長とは限らなくなっている。そのため、企業に対して提案する施策は、現在時点での企業の状態を基に決定された施策であること望ましくなってきている。
【0126】
しかし、特許文献2に記載の供給連鎖シミュレーションシステムは、所定の期間に対して立案した計画をシミュレートするものであり、所定の時点での状態に対する施策及び評価指標を提案するものではない。
【0127】
このように、特許文献2に記載の技術は、所定の時点(例えば、現在時点)での状態に基づいて動作できないという問題点もあった。
【0128】
一方、通常、アンケートの回答32は、現在時点での企業の状態に対する回答である。そのため、施策提案装置10は、現在時点における複数の部門の状態に基づく施策と、その施策に基づいて改善が見込まれる評価指標とを関連付けて出力することができる。
【0129】
なお、施策提案装置10は、現在とは異なる所定の時点におけるアンケートの回答32を用いて動作してもよい。
【0130】
また、シミュレーションの処理は、一般的に、多くの処理負荷及び処理時間を必要とする。しかし、施策提案装置10は、シミュレーションなど負荷の大きい処理を含まない。そのため、施策提案装置10は、施策と、施策に基づいて改善が見込まれる評価指標とを、比較的短い時間で出力できる。また、施策提案装置10は、処理能力が高いシステムなども必要としない。
【0131】
さらに、施策提案装置10は、改善量算出部26を含む。
【0132】
改善量算出部26は、改善が見込まれる評価指標の改善量を算出する。そして、改善量算出部26は、出力部27を介して、評価指標の改善量と、施策とを関連付けて出力する。つまり、施策提案装置10は、利用者などに対して、施策に関連付けて、改善が見込まれる評価指標の改善量を出力できる。
【0133】
さらに、施策提案装置10は、レベル生成部22を含む。
【0134】
レベル生成部22は、アンケートの回答32に基づいて、企業のSCMレベルを生成する。そして、レベル生成部22は、出力部27を介して、SCMレベルを出力する。そのため、施策提案装置10は、利用者などに対して、さらに、企業のSCMレベルを出力できる。
【0135】
さらに、施策提案装置10は、回答処理部21を含む。
【0136】
回答処理部21は、出力部27を介して、アンケートの質問31を出力し、出力したアンケートの質問31に対するアンケートの回答32を受信し、保存部30に保存する。そのため、施策提案装置10は、他の装置を用いなくても、アンケートの回答32を取得できる。
【0137】
さらに、施策提案装置10は、企業に関連する追加情報を取得してもよい。この場合、施策提案装置10は、アンケートの回答に加え、取得した追加情報を用いてSCM成熟度を生成してもよい。この場合、施策提案装置10は、より正確なSCM成熟度を生成できる。
【0138】
さらに、施策提案装置10は、追加情報を用いて、評価指標の改善量を算出してもよい。この場合、施策提案装置10は、より正確な改善量を算出できる。
【0139】
さらに、施策提案装置10は、入力部40を含む。そのため、施策提案装置10は、他の装置を用いなくても、アンケートの回答32及び追加情報を取得できる。
【0140】
あるいは、施策提案装置10は、表示部50を含む。そのため、施策提案装置10は、他の装置を用いなくても、表示として、提案する施策などを出力できる。
【0141】
[ハードウェア構成]
次に、施策提案装置10のハードウェア構成について説明する。
【0142】
施策提案装置10の各構成部は、ハードウェア回路で構成されてもよい。
【0143】
あるいは、施策提案装置10において、各構成部は、ネットワークを介して接続した複数の装置を用いて、構成されてもよい。例えば、施策提案装置10は、クラウドコンピューティングを利用して構成されてもよい。
【0144】
あるいは、施策提案装置10において、複数の構成部は、1つのハードウェアで構成されてもよい。
【0145】
あるいは、施策提案装置10は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを含むコンピュータ装置として実現されてもよい。
【0146】
施策提案装置10は、上記構成に加え、さらに、所定の装置との入力及び出力を仲介する入出力接続回路(Input and Output Circuit(IOC))を含むコンピュータ装置として実現されてもよい。施策提案装置10は、上記構成に加え、さらに、所定の装置(例えば、記憶装置)との入力および出力を仲介するインターフェース回路(Interface Circuit(IFC))を含むコンピュータ装置として実現されてもよい。施策提案装置10は、上記構成に加え、さらに、他の装置との通信を仲介するネットワークインターフェース回路(Network Interface Circuit(NIC))を含むコンピュータ装置として実現されてもよい。
【0147】
なお、施策提案装置10の一部(例えば、処理部20)が、CPU、ROM及びRAMなどを含むコンピュータ装置として実現されてもよい。
【0148】
図7は、施策提案装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0149】
図7に示されている施策提案装置10は、CPU610と、ROM620と、RAM630と、IFC640と、IOC650と、NIC660と、記憶装置670と、入力装置680と、表示装置690とを含み、コンピュータ装置を構成している。
【0150】
IFC640は、CPU610と記憶装置670とにおけるデータの送信及び受信を中継する。IFC640は、例えば、USB(Universal Serial Bus)カード又はLAN(Local Area Network)カードである。なお、IFC640は、有線に限らず、無線を用いてもよい。
【0151】
IOC650は、CPU610と入力装置680、及び、CPU610と表示装置690とのデータの送信及び受信を中継する。IOC650は、例えば、USBカードである。なお、IOC650は、有線に限らず、無線を用いてもよい。
【0152】
NIC660は、CPU610と他の装置と間におけるデータの通信を中継する。NIC660は、例えば、LANカードである。なお、NIC660は、有線に限らず、無線を用いてもよい。
【0153】
CPU610は、ROM620及び/又は記憶装置670からプログラムを読み込む。そして、CPU610は、読み込んだプログラムに基づいて、RAM630と、IFC640と、IOC650と、NIC660と、記憶装置670と、入力装置680と、表示装置690とを制御する。そして、CPU610を含むコンピュータは、これらの構成を制御し、図1に示されている、処理部20、保存部30、入力部40、及び、表示部50としての各機能を実現する。
【0154】
CPU610は、各機能を実現する際に、RAM630又は記憶装置670を、プログラムの一時的な記憶媒体として使用してもよい。
【0155】
また、CPU610は、コンピュータで読み取り可能にプログラムを記録した記録媒体700が含むプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。この場合、記録媒体700に記録されたプログラムは、施策提案装置10の一部を構成する。
【0156】
あるいは、CPU610は、NIC660を介して、図示しない他の装置からプログラムを受け取り、RAM630又は記憶装置670に保存して、保存したプログラムを基に動作してもよい。
【0157】
ROM620は、CPU610が実行するプログラム及び固定的なデータを記憶する。ROM620は、例えば、P-ROM(Programmable-ROM)又はフラッシュROMである。
【0158】
RAM630は、CPU610が実行するプログラム及びデータを一時的に記憶する。RAM630は、例えば、D-RAM(Dynamic-RAM)である。
【0159】
CPU610と、ROM620と、RAM630と、IFC640と、IOC650と、NIC660とは、処理部20を構成する。
【0160】
記憶装置670は、施策提案装置10が長期的に保存するデータ及びプログラムを記憶する。記憶装置670は、保存部30を構成する。さらに、記憶装置670は、CPU610の一時記憶装置として動作してもよい。記憶装置670は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)又はディスクアレイ装置である。
【0161】
ROM620と記憶装置670とは、不揮発性(non-transitory)の記録媒体である。一方、RAM630は、揮発性(transitory)の記録媒体である。そして、CPU610は、ROM620、記憶装置670、又は、RAM630に記憶されているプログラムを基に動作可能である。つまり、CPU610は、不揮発性記録媒体又は揮発性記録媒体を用いて動作可能である。
【0162】
入力装置680は、施策提案装置10の操作者からの入力指示を受け取る装置である。入力装置680は、入力部40を構成する。入力装置680は、例えば、キーボード、マウス又はタッチパネルである。
【0163】
表示装置690は、施策提案装置10の利用者などに対して、情報を表示する機器である。表示装置690は、表示部50を構成する。表示装置690は、例えば、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス・ディスプレイ、又は、電子ペーパーである。
【0164】
図7に示されている施策提案装置10は、図1に示されている施策提案装置10と同様の効果を得ることができる。
【0165】
その理由は、図7の施策提案装置10のCPU610が、プログラムに基づいて、図1の施策提案装置10と同様の機能を実現できるためである。
【0166】
<第2の実施形態>
入力部40及び表示部50は、施策提案装置10とは別の装置でもよい。例えば、利用者が使用する端末装置が、入力部40及び表示部50として動作してもよい。
【0167】
また、施策提案装置10は、保存部30として、外部の記憶装置を用いてもよい。
【0168】
次に、施策提案装置10の概要を、第2の実施形態として説明する。
【0169】
[構成の説明]
第2の実施形態にかかる施策提案装置11の構成について、図面を参照して説明する。
【0170】
図8は、第2の実施形態にかかる施策提案装置11の構成の一例を示すブロック図である。
【0171】
施策提案装置11は、成熟度生成部23と、施策決定部24と、評価指標決定部25と、出力部27とを含む。成熟度生成部23は、企業におけるSCMに関連する部門のアンケートの回答32に基づいて企業のSCM成熟度を生成する。施策決定部24は、SCM成熟度に基づいて、所定の施策のなかから提案する施策を決定する。評価指標決定部25は、決定された施策に基づいて改善が見込まれる評価指標を決定する。出力部27は、改善が見込まれる評価指標と施策とを関連付けて出力する。
【0172】
施策提案装置11の各構成は、必要に応じて、図示しない外部の装置と情報を送信及び受信する。
【0173】
例えば、成熟度生成部23は、図示しない入力部40又は保存部30と同様の機能を備えた装置から、アンケートの回答32を取得する。
【0174】
さらに、図8に示されている構成(例えば、成熟度生成部23)は、図示しない保存部30と同様の機能を備えた装置が保存するAP(例えば、SCM成熟度生成AP)を用いて動作する。なお、図8に示されている構成(例えば、成熟度生成部23)が、必要なAP(例えば、SCM成熟度生成AP)を含んでいてもよい。
【0175】
さらに、出力部27は、図示しない表示部50と同様の機能を備えた装置に、施策と評価指標とを出力する。
【0176】
なお、施策提案装置11は、図7に示されているコンピュータ装置を用いて実現されてもよい。
【0177】
[動作の説明]
施策提案装置11の各構成は、施策提案装置10における対応する各構成と同様に動作する。
【0178】
図9は、第2の実施形態にかかる施策提案装置11の動作の一例を示すフロー図である。
【0179】
成熟度生成部23は、図示しない装置などからアンケートの回答32を取得する。
【0180】
そして、成熟度生成部23は、アンケートの回答32に基づいてSCM成熟度を生成する(ステップS105)。例えば、成熟度生成部23は、アンケートの回答32を、図示しない装置に保存されているSCM成熟度生成AP34に適用して、SCM成熟度を生成する。
【0181】
施策決定部24は、SCM成熟度に基づいて、予め保存された施策のなかから、提案する施策を決定する(ステップS107)。例えば、施策決定部24は、生成されたSCM成熟度を、図示しない装置に保存されている施策決定AP35に適用して、予め保存された施策のなかから提案する施策を決定する。
【0182】
評価指標決定部25は、施策に基づいて改善が見込まれる評価指標を決定する(ステップS108)。例えば、評価指標決定部25は、決定された施策を、図示しない装置に保存されている評価指標決定AP36に適用して、提案すると決定された施策を用いると改善が見込まれる評価指標を決定する。
【0183】
そして、出力部27は、決定した評価指標(改善が見込まれる評価指標)と施策とを関連付けて出力する(ステップS109)。例えば、出力部27は、図示しない表示部50と同様の機能を備える表示装置に、施策と評価指標とを関連付けて出力する。
【0184】
[効果の説明]
このように構成された施策提案装置11は、施策提案装置10と同様の効果を得ることができる。
【0185】
その理由は、施策提案装置11の各構成が、施策提案装置10における対応する構成と同様に動作するためである。
【0186】
なお、施策提案装置11は、第1の実施形態における施策提案装置10の最小構成である。
【0187】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0188】
10 施策提案装置
11 施策提案装置
20 処理部
21 回答処理部
22 レベル生成部
23 成熟度生成部
24 施策決定部
25 評価指標決定部
26 改善量算出部
27 出力部
30 保存部
31 アンケートの質問
32 アンケートの回答
33 SCMレベル生成AP
34 SCM成熟度生成AP
35 施策決定AP
36 評価指標決定AP
37 改善量算出AP
40 入力部
50 表示部
610 CPU
620 ROM
630 RAM
640 IFC
650 IOC
660 NIC
670 記憶装置
680 入力装置
690 表示装置
700 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9