(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】帳票管理方法、及び、帳票システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20240925BHJP
G06Q 30/02 20230101ALI20240925BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q30/02
(21)【出願番号】P 2020169364
(22)【出願日】2020-10-06
【審査請求日】2023-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】中井 亮太
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 大
(72)【発明者】
【氏名】谷本 好史
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-355417(JP,A)
【文献】特開2013-161481(JP,A)
【文献】特開2006-268704(JP,A)
【文献】特開2019-016302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録ボタンを有する帳票データを管理する帳票管理サーバと、所定の属性によって定められたルームに属する1又は複数のユーザに対してメッセージを配信するチャットサーバと、を備える帳票システムにおける帳票管理方法であって、
前記帳票管理サーバが、前記登録ボタンが押されたとのイベントを検知して新規帳票データが作成されたか否かを判定するステップと、
前記新規帳票データが作成されたと判定された場合、前記帳票管理サーバが、前記新規帳票データが作成されたことを示す新規帳票作成メッセージを、前記新規帳票データの前記登録ボタンに関連付けられ前記チャットサーバから取得した第1トークンから抽出した関連ルームを宛先として前記チャットサーバに送信するステップと、
前記チャットサーバが、前記帳票管理サーバから前記新規帳票作成メッセージを受信した場合、受信した前記新規帳票作成メッセージの宛先である前記関連ルームを特定するステップと、
前記チャットサーバが、特定した前記関連ルームに属するユーザに、受信した前記新規帳票作成メッセージを配信するステップと、
を備える、帳票管理方法。
【請求項2】
前記帳票管理サーバが、
クライアント端末からの入力操作を受け付け、受け付けた入力操作に従って前記新規帳票作成メッセージの内容を編集するステップをさらに備える、請求項1に記載の帳票管理方法。
【請求項3】
前記帳票管理サーバが、前記帳票管理サーバにアクセスするための第2トークンを生成して前記チャットサーバに送信するステップと、
前記チャットサーバが、前記帳票管理サーバから受信した前記第2トークンを用いて前記帳票管理サーバに所定の通知をするステップと、
をさらに備える、請求項1又は2に記載の帳票管理方法。
【請求項4】
登録ボタンを有する帳票データを管理する帳票管理サーバと、所定の属性によって定められたルームに属する1又は複数のユーザに対してメッセージを配信するチャットサーバと、を備える帳票システムであって、
前記帳票管理サーバは、
前記登録ボタンが押されたとのイベントを検知して新規帳票データが作成されたか否かを判定する判定部と、
前記新規帳票データが作成されたと判定された場合、前記新規帳票データが作成されたことを示す新規帳票作成メッセージを、前記新規帳票データの前記登録ボタンに関連付けられ前記チャットサーバから取得した第1トークンから抽出した関連ルームを宛先として前記チャットサーバに送信する送信部と、
を有し、
前記チャットサーバは、
前記帳票管理サーバから前記新規帳票作成メッセージを受信した場合、受信した前記新規帳票作成メッセージの宛先である前記関連ルームを特定する特定部と、
特定した前記関連ルームに属するユーザに、受信した前記新規帳票作成メッセージを配信する配信部と、
を有する、帳票システム。
【請求項5】
前記帳票管理サーバは、
クライアント端末からの入力操作を受け付け、受け付けた入力操作に従って前記新規帳票作成メッセージの内容を編集する編集部をさらに有する、請求項4に記載の帳票システム。
【請求項6】
前記帳票管理サーバは、前記帳票管理サーバにアクセスするための第2トークンを生成して前記チャットサーバに送信するトークン生成部をさらに有し、
前記チャットサーバは、前記帳票管理サーバから受信した前記第2トークンを用いて前記帳票管理サーバに所定の通知をする通知部をさらに有する、
請求項4又は5に記載の帳票システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種作業に用いられる帳票データを管理する帳票管理方法、及び、帳票データを管理する帳票システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙ベースで行われていた業務をペーパーレスで効率よく行うためのシステム及びサービスが広く用いられるようになってきた。例えば、予め決められたフォーマットを有する帳票データを端末に表示させて、この帳票データにプラントにおける生産管理、設備管理等の各種管理を行うために必要な情報を入力することで、ペーパーレスにて各種管理等を行うシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大規模な工場、プラント等において各種管理を適切に行うためには、各種管理を行うために新たな帳票データが作成されたときに、新たな帳票データの内容確認、内容の編集依頼などのために、新たな帳票データに関連する作業者に対して新たな帳票データが作成されたことを通知する必要がある。
【0005】
従来のシステムにおいては、新たな帳票データが作成されたことを通知する際には、新たな帳票データに関連する作業者を特定し、特定した作業者のそれぞれに、メールにより新たな帳票データを送信していた。各種管理に多数の作業者が関与する場合には、当該多数の作業者を特定する作業が大きな負担となっていた。
【0006】
本発明の目的は、帳票データを管理する帳票システムにおいて、新たな帳票データが作成されたことを多数のユーザに効率よく通知可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る帳票管理方法は、帳票管理サーバと、チャットサーバと、を備える帳票システムにおける帳票管理方法である。帳票管理サーバは、帳票データを管理する。チャットサーバは、所定の属性によって定められたルームに属する1又は複数のユーザに対してメッセージを配信する。帳票管理方法は、以下のステップを備える。
◎帳票管理サーバが新規帳票データを作成するステップ。
◎帳票管理サーバが新規帳票データを作成したか否かを判定するステップ。
◎新規帳票データが作成されたと判定された場合、帳票管理サーバが、新規帳票データが作成されたことを示す新規帳票作成メッセージを、新規帳票データに関連するユーザが属する関連ルームを宛先としてチャットサーバに送信するステップ。
◎チャットサーバが、帳票管理サーバから新規帳票作成メッセージを受信した場合、受信した新規帳票作成メッセージの宛先である関連ルームを特定するステップ。
◎チャットサーバが、特定した関連ルームに属するユーザに、受信した新規帳票作成メッセージを配信するステップ。
【0008】
上記の帳票管理方法においては、帳票管理サーバにおいて新規帳票データが作成された場合に、帳票管理サーバが、新規帳票データが作成されたことを示す新規帳票作成メッセージを、新規帳票データに関連するユーザが属する関連ルームを宛先としてチャットサーバに送信している。
また、新規帳票作成メッセージを受信したチャットサーバは、受信した新規帳票作成メッセージの宛先である関連ルームを特定し、特定した関連ルームに属する1又は複数のユーザに、受信した新規帳票作成メッセージを配信している。
【0009】
関連ルームには新規帳票データに関連する多数のユーザが属することができ、チャットサーバは、関連ルームを宛先とするメッセージを当該関連ルームに属する全ユーザに一度に配信できるので、上記の帳票管理方法では、帳票管理サーバにおいて新規帳票データが作成されたときに、チャットサーバの関連ルーム宛に新規帳票作成メッセージを送信するだけで、新規帳票データに関連する多数のユーザに新規帳票データが作成されたことを効率よく通知できる。
【0010】
上記の帳票管理方法は、帳票管理サーバが新規帳票作成メッセージの内容を編集するステップをさらに備えてもよい。これにより、新規帳票作成メッセージの内容を必要に応じて任意に変更できる。
【0011】
上記の帳票管理方法は、以下のステップをさらに備えてもよい。
◎帳票管理サーバが、帳票管理サーバにアクセスするためのトークンを生成してチャットサーバに送信するステップ。
◎チャットサーバが、帳票管理サーバから受信したトークンを用いて帳票管理サーバに所定の通知をするステップ。
これにより、帳票管理サーバからチャットサーバへ新規帳票作成メッセージを送信するだけでなく、チャットサーバから帳票管理サーバに所定の通知を行うことも可能となる。すなわち、帳票管理サーバとチャットサーバとの双方向通信が可能となる。
【0012】
本発明の他の見地に係る帳票システムは、帳票管理サーバと、チャットサーバと、を備える。帳票管理サーバは、帳票データを管理する。チャットサーバは、所定の属性によって定められたルームに属する1又は複数のユーザに対してメッセージを配信する。
帳票管理サーバは、作成部と、判定部と、送信部と、を有する。
作成部は、新規帳票データを作成する。判定部は、新規帳票データが作成されたか否かを判定する。
送信部は、新規帳票データが作成されたと判定された場合、新規帳票データが作成されたことを示す新規帳票作成メッセージを、新規帳票データに関連するユーザが属する関連ルームを宛先としてチャットサーバに送信する。
【0013】
チャットサーバは、特定部と、配信部と、を有する。特定部は、帳票管理サーバから新規帳票作成メッセージを受信した場合、受信した新規帳票作成メッセージの宛先である関連ルームを特定する。配信部は、特定した関連ルームに属するユーザに、受信した新規帳票作成メッセージを配信する。
【0014】
上記の帳票システムにおいては、帳票管理サーバの作成部において新規帳票データが作成された場合に、帳票管理サーバの送信部が、新規帳票データが作成されたことを通知する新規帳票作成メッセージを、新規帳票データに関連するユーザが属する関連ルームを宛先としてチャットサーバに送信している。
また、新規帳票作成メッセージを受信したチャットサーバの特定部が、受信した新規帳票作成メッセージの宛先である関連ルームを特定し、チャットサーバの配信部が、特定した関連ルームに属するユーザに、受信した新規帳票作成メッセージを配信している。
【0015】
関連ルームには新規帳票データに関連する多数のユーザが属することができ、チャットサーバは、関連ルームを宛先とするメッセージを当該関連ルームに属する全ユーザに一度に配信できるので、上記の帳票システムでは、帳票管理サーバにおいて新規帳票データが作成されたときに、チャットサーバの関連ルーム宛に新規帳票作成メッセージを送信するだけで、新規帳票データに関連する多数のユーザに新規帳票データが作成されたことを効率よく通知できる。
【0016】
帳票管理サーバは、編集部をさらに有してもよい。編集部は、新規帳票作成メッセージの内容を編集する。これにより、新規帳票作成メッセージの内容を任意に変更できる。
【0017】
帳票管理サーバは、トークン生成部をさらに有してもよい。トークン生成部は、帳票管理サーバにアクセスするためのトークンを生成してチャットサーバに送信する。
この場合、チャットサーバは、通知部をさらに有してもよい。通知部は、帳票管理サーバから受信したトークンを用いて、帳票管理サーバに所定の通知をする。
これにより、帳票管理サーバからチャットサーバへ新規帳票作成メッセージを送信するだけでなく、チャットサーバから帳票管理サーバに所定の通知を行うことも可能となる。すなわち、帳票管理サーバとチャットサーバとの双方向通信が可能となる。
【発明の効果】
【0018】
新たな帳票データに関連のある関連ルーム宛に新規帳票作成メッセージを送信して、新たな帳票データが作成されたことを関連するユーザに効率よく通知できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】帳票管理サーバ及びチャットサーバの機能ブロック構成を示す図。
【
図5】空フォームを作成するための第1ユーザインタフェースの一例を示す図。
【
図6】帳票システムのクライアント端末、帳票管理サーバ、チャットサーバ間の情報の送受信を示す図。
【
図7】新規帳票データが作成される場合の帳票管理サーバの動作を示すフローチャート。
【
図9】新規帳票データが作成される場合のチャットサーバの動作を示すフローチャート。
【
図11】新規帳票作成メッセージが表示されたチャット画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
1.第1実施形態
(1)帳票システムの概略
以下、第1実施形態に係る帳票システム100を説明する。第1実施形態に係る帳票システム100は、例えば、帳票システム100が設置された工場、プラント等における「4M変動管理」をペーパーレスで実現するシステムである。4M変動管理とは、(i)製品の生産に用いる原料(Material)に関する管理、(ii)工場、プラント等の作業者(Man)に関する管理、(iii)工場、プラント等の稼働(Method)に関する管理、(iv)工場、プラント等の設備(Machine)に関する管理を含む概念である。
【0021】
原料に関する管理においては、例えば、原料が枯渇したことを通知する原料切れ通知、原料情報の管理がなされる。
作業者に関する管理においては、例えば、作業者情報の管理、各種情報の多言語対応、工場、プラント等でトラブルが発生した場合の担当者の呼び出し(トラブルコール)などがなされる。
稼働に関する管理においては、例えば、製品の検査結果の管理、作業手順書などの作業に関する文書の管理、生産ロットに関する情報の管理などがなされる。
設備に関する管理においては、例えば、設備で発生したトラブルの通知、設備点検の管理がなされる。
【0022】
本実施形態の帳票システム100においては、4M変動管理が、上記した管理及び通知の種類毎に独自のフォーマットを有する電子データ(以下、帳票データと呼ぶ)を用いて実行される。
【0023】
(2)帳票システムの全体構成
図1を用いて、第1実施形態に係る帳票システム100の全体構成を説明する。
図1は、帳票システムの全体構成を示す図である。帳票システム100は、帳票管理サーバ1と、チャットサーバ3と、を主に備える。
帳票管理サーバ1は、プロセッサと、記憶装置(例えば、RAM、ROM、ハードディスク、SSDなど)と、ネットワークインタフェースと、を備えるコンピュータシステムであって、帳票データDを管理する。
【0024】
帳票管理サーバ1は、ネットワーク(例えば、WAN、インターネットなど)を介して、チャットサーバ3と接続されており、チャットサーバ3に対してメッセージを送信可能となっている。
【0025】
また、帳票管理サーバ1は、ネットワークを介して、第1クライアント端末T1と、第2クライアント端末T2と通信可能となっている。第1クライアント端末T1は、タブレット端末、スマートフォンなどの携帯端末であり、帳票システム100が設置された工場、プラント等で作業を行う作業者が使用する。作業者は、第1クライアント端末T1を用いて、帳票データDの内容を参照し、必要に応じて帳票データDの内容を編集できる。
【0026】
第2クライアント端末T2は、パーソナルコンピュータなどの端末であり、帳票管理サーバ1の管理者が主に使用する。帳票管理サーバ1の管理者は、第2クライアント端末T2を用いて、帳票データD用のフォームを作成できる。
【0027】
なお、第1クライアント端末T1は、第2クライアント端末T2と同様の機能を有していてもよい。具体的には、帳票管理サーバ1の管理者は、第1クライアント端末T1を用いて帳票管理サーバ1に管理者としてログインして、帳票データDのフォームを作成できる。
また、第2クライアント端末T2は、第1クライアント端末T1と同様の機能を有していてもよい。具体的には、帳票管理サーバ1の管理者は、第2クライアント端末T2を用いて、帳票データDの内容を参照し、必要に応じて帳票データDの内容を編集できる。
【0028】
帳票管理サーバ1は、例えば、第1クライアント端末T1、第2クライアント端末T2からの指令に基づいて、帳票データDに含まれる情報を用いて、帳票システム100が設置された工場、プラント等に関する各種データを解析できる。各種データの解析結果は、第1クライアント端末T1、第2クライアント端末T2に送信され、作業者などがその内容を閲覧できる。
【0029】
チャットサーバ3は、プロセッサと、記憶装置(例えば、RAM、ROM、ハードディスク、SSDなど)と、ネットワークインタフェースと、を備えるコンピュータシステムであって、帳票システム100におけるユーザ(帳票システム100が設置された工場、プラントの管理者、作業者)間のチャット機能を提供するサーバである。
チャットサーバ3は、ネットワークを介して、第1クライアント端末T1と通信可能となっている。作業者は、第1クライアント端末T1を用いてチャットサーバ3にログインして、チャットサーバ3にて提供されているチャット機能を用いて、他の作業者などとの間でメッセージのやりとりを行うことができる。
【0030】
なお、チャットサーバ3は、ネットワークを介して、第2クライアント端末T2とも通信可能となっていてもよい。これにより、帳票管理サーバ1の管理者は、第2クライアント端末T2を用いてチャットサーバ3にログインして、他の作業者などとの間でメッセージのやりとりを行うことができる。
【0031】
本実施形態のチャットサーバ3は、チャット機能を使用するユーザを、所定の属性によって定められた「ルーム」と呼ばれるグループ単位で管理している。ルームは、例えば、作業者などが属する組織、部課、チームなどの単位で定められる。すなわち、各ルームには、例えば、同じ組織、部課、チームなどに属する作業者が属している。
【0032】
本実施形態のチャットサーバ3は、ルーム毎に閉じられたチャット機能を提供可能となっている。具体的には、チャットサーバ3は、1つのルームに属するユーザのクライアント端末間でのみメッセージのやりとりを可能とし、当該1つのルームに属さないユーザのクライアント端末との間のメッセージのやりとり及び閲覧を禁止できる。
また、チャットサーバ3は、単数又は複数のルームを宛先としたメッセージ機能を提供可能となっている。具体的には、チャットサーバ3は、ルームを宛先としたメッセージを、宛先となったルームに属するユーザのクライアント端末のみに対して配信できる。
【0033】
チャットサーバ3は、帳票管理サーバ1と双方向通信可能となっている。例えば、チャットサーバ3は、帳票管理サーバ1からメッセージを受信するだけでなく、帳票管理サーバ1に対してチャットサーバ3で閲覧済みのメッセージに関する情報を通知できる。
【0034】
本実施形態の帳票システム100は、生産管理システム5を備える。生産管理システム5は、プロセッサと、記憶装置(例えば、RAM、ROM、ハードディスク、SSDなど)と、ネットワークインタフェースと、を備えるコンピュータシステムであって、帳票システム100が設置された工場、プラント等において生産される製品の生産管理に関する各種情報を管理する。
生産管理システム5は、例えば、工場、プラント等において生産される製品のロット情報、製品の生産に用いられる原料情報、特定の製品を担当する作業者に関する情報、などを管理する。生産管理システム5は、ネットワークを介して、帳票管理サーバ1と通信可能となっており、帳票管理サーバ1は、生産管理システム5から取得した情報を帳票データDに入力できる。
【0035】
本実施形態の帳票システム100において、帳票管理サーバ1は、ネットワークを介して、帳票システム100が設置された工場、プラント等が備える設備7と通信可能となっている。これにより、帳票管理サーバ1は、例えば、設備7において発生したトラブルに関する情報を取得したときに、トラブルが発生した設備7に対するトラブルコールに用いる帳票データDを作成できる。帳票管理サーバ1と通信可能な設備7としては、例えば、製品の製造装置、工場、プラント等に設けられたセンサ(例えば、カメラ、温度計、湿度計、振動計など)がある。
【0036】
(3)帳票管理サーバの機能ブロック構成
図2を用いて、帳票管理サーバ1及びチャットサーバ3の機能ブロック構成を説明する。
図2は、帳票管理サーバ及びチャットサーバの機能ブロック構成を示す図である。帳票管理サーバ1の各機能ブロックの一部又は全部は、帳票管理サーバ1を構成するコンピュータシステムの記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
図2に示すように、帳票管理サーバ1は、記憶部11と、作成部12と、判定部13と、第1送受信部14(送信部の一例)と、を機能ブロックとして主に有する。
【0037】
記憶部11は、帳票管理サーバ1において管理されている帳票データDを記憶する。帳票データDとしては、例えば、
図3に示すような設備7の点検作業に使用される帳票データ、
図4に示すような製品の生産に必要な部品供給に使用される帳票データがある。
図3及び
図4は、帳票データの一例を示す図である。
【0038】
図3に示す帳票データDには、設備7のチェック項目が配置されており、このチェック項目に対するチェック結果の記載がチェックボックスとともに配置されている。一方、
図4に示す帳票データDには、原料の不足が生じた発生日と、供給が必要な部品の品番と、当該部品の供給依頼をするためのボタンと、が配置されている。また、部品の品番の端には、画像を撮影して添付するためのボタンが配置されている。
【0039】
また、記憶部11は、新規帳票作成メッセージM1を記憶する。新規帳票作成メッセージM1は、帳票管理サーバ1の作成部12で新規帳票データNDが作成されたことを示すメッセージであり、チャットサーバ3の特定のルーム(関連ルームと呼ぶ)を宛先として送信される。
【0040】
作成部12は、新規帳票データNDを作成する。作成部12は、第1クライアント端末T1、第2クライアント端末T2の入力装置(例えば、タッチパネル、キーボード、マウスなど)の操作により入力された情報を、対象の帳票データD又は後述する空フォームに追加して新規帳票データNDを作成する。
また、作成部12は、生産管理システム5、設備7から取得した情報を帳票データD又は空フォームに追加することにより、新規帳票データNDを作成することもできる。
【0041】
さらに、作成部12は、帳票データDの空フォーム(情報が入力されていない帳票データD)を作成できる。例えば、作成部12は、
図5に示す第1ユーザインタフェースINF1を第2クライアント端末T2に提供し、第2クライアント端末T2を使用するユーザ(帳票管理サーバ1の管理者)が、第1ユーザインタフェースINF1を操作することで、空フォームを作成できる。
図5は、空フォームを作成するための第1ユーザインタフェースの一例を示す図である。
第1ユーザインタフェースINF1は、作成中の空フォームを表示するフォーム表示部DIS1と、空フォームに配置する部品PA(ユーザインタフェース)をリスト表示した部品リスト表示部PLと、を有する。
【0042】
第2クライアント端末T2を使用するユーザは、例えば、部品リスト表示部PLに配置された部品PAを、フォーム表示部DIS1に表示されている空フォームの当該部品PAを配置したい位置にドラッグ・アンド・ドロップ操作することにより、容易に空フォームを作成できる。
なお、帳票データDの種類によっては、空フォームを新規帳票データNDとすることもできる。また、空フォームの作成は、第1クライアント端末T1を用いて帳票管理サーバ1に管理者としてログインすることで、当該第1クライアント端末T1を用いて実行できる。
【0043】
判定部13は、作成部12において新規帳票データNDが作成されたか否かを判定する。判定部13は、第1クライアント端末T1、第2クライアント端末T2にて帳票データDに情報が入力される場合には、例えば、情報の入力が完了して帳票データDの登録ボタンB1が押されたことを検知することで、新規帳票データNDが作成されたと判定できる。
また、帳票データDの種類によっては、判定部13は、帳票データDの空フォームが作成されたときに新規帳票データNDが作成されたと判定する。
【0044】
さらに、判定部13は、例えば、生産管理システム5、設備7から情報を取得して帳票データDに入力したときに、新規帳票データNDが作成されたと判定することもできる。この場合、作成部12は、帳票データDに情報の入力が完了したときに登録ボタンB1が押されたときと同様のイベント通知をしてもよい。
【0045】
第1送受信部14は、判定部13において新規帳票データNDが作成されたと判定された場合に、新規帳票データNDが作成されたことを示す新規帳票作成メッセージM1を、チャットサーバ3(の第2送受信部32)に送信する。
【0046】
帳票管理サーバ1は、編集部15を有する。編集部15は、第1クライアント端末T1、第2クライアント端末T2からの入力操作を受け付け、受け付けた入力操作に従って記憶部11に記憶された新規帳票作成メッセージM1を編集する。これにより、新規帳票作成メッセージM1の内容を必要に応じて任意に変更できる。例えば、新規帳票作成メッセージM1に、新規帳票データNDに関連する作業者に関する情報、設備7のトラブル発生場所などを含めることができる。
【0047】
帳票管理サーバ1は、第2トークン生成部16を有する。第2トークン生成部16は、チャットサーバ3からの要求により、チャットサーバ3が帳票管理サーバ1にアクセスするための第2トークンTOK2を生成し、チャットサーバ3に送信する。
【0048】
上記の構成を有することにより、帳票管理サーバ1は、帳票データDを空フォームも含めて作成し記憶部11に記憶して、帳票データDを管理できる。
また、情報が追加された帳票データD、又は、空フォームが新規帳票データNDとして作成された場合には、第1トークンTOK1に示されたルーム(ルームID)を宛先として、新規帳票データNDが生成されたことを示す新規帳票作成メッセージM1をチャットサーバ3に送信できる。
【0049】
(4)チャットサーバの機能ブロック構成
次に、
図2を用いて、チャットサーバ3の機能ブロック構成を説明する。チャットサーバ3の各機能ブロックの一部又は全部は、チャットサーバ3を構成するコンピュータシステムの記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
図2に示すように、チャットサーバ3は、記憶部31と、第2送受信部32(通知部の一例)と、特定部33と、メッセージ送受信部34(配信部の一例)と、第1トークン生成部35と、を有する。
【0050】
記憶部31は、チャットサーバ3において用いられる各種情報を記憶する。
具体的には、記憶部31は、ルーム情報ROIを記憶する。ルーム情報ROIは、ユーザ間のメッセージのやりとり(チャット機能)をルーム単位で行うための情報である。ルーム情報ROIは、ルームを識別するルームIDであるルーム識別情報IDと、ルーム識別情報IDで識別されるルームに属するユーザのユーザ情報UIと、を含む。
【0051】
また、記憶部31は、チャットサーバ3が帳票管理サーバ1にアクセスするための第2トークンTOK2を記憶する。第2トークンTOK2は、例えば、新規帳票作成メッセージM1が既読となり帳票既読情報RI(後述)を帳票管理サーバ1に送信するときに、帳票管理サーバ1の第2トークン生成部16により生成され、チャットサーバ3に送信される。
【0052】
さらに、記憶部31は、帳票既読情報RI(所定の通知の一例)を記憶する。帳票既読情報RIは、ユーザにより内容が確認された既読の新規帳票作成メッセージM1に関する情報である。具体的には、帳票既読情報RIは、例えば、新規帳票データNDに関連するユーザに関する情報、新規帳票作成メッセージM1が既読となった時刻、帳票データDを登録した時刻から新規帳票データNDに関し何らかの作業を開始する(受付)までの時刻、作業を開始してから当該作業を完了するまでの時刻、を含む。
【0053】
後述するように、上記の帳票既読情報RIは、チャットサーバ3において新規帳票作成メッセージM1が既読となった後に帳票管理サーバ1に通知される。これにより、帳票管理サーバ1は、帳票既読情報RIを参照して、何らかの作業がなされた帳票データDと、当該作業を行った作業者と、当該作業が行われた時刻と、を認識でき、より適切な帳票データDの管理(すなわち、4M変動管理)を実現できる。
【0054】
第2送受信部32は、新規帳票作成メッセージM1と、当該新規帳票作成メッセージM1の宛先のルームIDと、を帳票管理サーバ1から受信する。受信された新規帳票作成メッセージM1とルームIDは、特定部33に送信される。
また、第2送受信部32は、新規帳票作成メッセージM1が既読となったときに取得した第2トークンTOK2を用いて、既読となった新規帳票作成メッセージM1に対応する帳票既読情報RIを帳票管理サーバ1に送信する。
【0055】
このように、本実施形態の帳票システム100では、帳票管理サーバ1がチャットサーバ3へ新規帳票作成メッセージM1を送信するだけでなく、チャットサーバ3が帳票管理サーバ1に帳票既読情報RIを送信することで、帳票管理サーバ1とチャットサーバ3との双方向通信が可能となる。
【0056】
特定部33は、第2送受信部32から受信した新規帳票作成メッセージM1の宛先であるルーム(関連ルームと呼ぶ)を特定する。具体的には、特定部33は、新規帳票作成メッセージM1とともに受信したルームIDと、各ルーム情報ROIのルーム識別情報IDと、を比較し、受信したルームIDと一致するルーム識別情報IDを有するルーム情報ROIに対応するルームを、受信した新規帳票作成メッセージM1の宛先である関連ルームと特定する。特定部33は、第2送受信部32から受信した新規帳票作成メッセージM1と、関連ルームの特定結果(特定されたルームのルーム情報ROI)と、をメッセージ送受信部34に送信する。
【0057】
メッセージ送受信部34は、ルーム情報ROIに含まれるユーザ情報UIに示されたユーザ間のメッセージのやりとり(チャット機能)を実現する。本実施形態のチャットサーバ3においては各ユーザがルーム単位で管理されているので、メッセージ送受信部34は、ルーム単位でのチャット機能(1つのルームに含まれるユーザ間のみのメッセージのやりとり)を実現できる。
【0058】
また、特定部33から新規帳票作成メッセージM1と関連ルームの特定結果とを受信した場合、メッセージ送受信部34は、特定結果に示された関連ルームに対応するルーム情報ROIに含まれるユーザ情報UIに示されたユーザ(作業者)が用いる第1クライアント端末T1、第2クライアント端末T2に、受信した新規帳票作成メッセージM1を配信する。
【0059】
第1トークン生成部35は、帳票管理サーバ1からの要求により、帳票管理サーバ1がチャットサーバ3にアクセスするための第1トークンTOK1を生成し、帳票管理サーバ1に送信する。
【0060】
上記の構成を有することにより、チャットサーバ3は、所定の属性により定められたルームに属する1又は複数のユーザに対してメッセージを配信して、当該1又は複数のユーザ間のみのメッセージのやりとりを行うルーム単位のチャット機能を実現できる。
また、帳票管理サーバ1において新規帳票データNDが作成されたことを通知する新規帳票作成メッセージM1を受信した場合には、当該新規帳票作成メッセージM1の宛先である関連ルームに属する1又は複数のユーザに、受信した新規帳票作成メッセージM1に送信できる。すなわち、上記の構成を有するチャットサーバ3は、関連ルームを宛先とする新規帳票作成メッセージM1を受信するだけで、新規帳票データNDが作成されたことを当該新規帳票データNDに関連する1又は複数のユーザに一度に効率よく通知できる。
【0061】
(5)新規帳票データが作成される場合の帳票システムの動作
(5-1)帳票管理サーバにおける動作
以下、新規帳票データNDが作成される場合の帳票システム100の動作を説明する。最初に、
図6及び
図7を用いて、新規帳票データNDが作成される場合の帳票管理サーバ1の動作を説明する。
図6は、帳票システムのクライアント端末、帳票管理サーバ、チャットサーバ間の情報の送受信を示す図である。
図7は、新規帳票データが作成される場合の帳票管理サーバの動作を示すフローチャートである。以下の説明では、第1クライアント端末T1と第2クライアント端末T2とを総称して「クライアント端末」と呼ぶ。
【0062】
ユーザがクライアント端末を用いて帳票管理サーバ1にログインし、当該クライアント端末から帳票管理サーバ1にアクセスすると、帳票管理サーバ1は、クライアント端末に
図8に示すような開始画面INF2を送信する(ステップS101、S11)。開始画面INF2を受信したクライアント端末は、当該開始画面をディスプレイに表示する。
図8は、開始画面の一例を示す図である。
図8に示すように、開始画面INF2には、クライアント端末にて情報を入力可能な帳票データDが第1アイコンICO1により示されている。また、開始画面INF2には、開始画面INF2に帳票データDを追加する「+」形状の第2アイコンICO2が設けられている。
【0063】
ステップS101と並行して、チャットサーバ3はクライアント端末に対してチャット画面を送信し、クライアント端末はディスプレイにチャット画面を表示する(ステップS102)。
【0064】
その後、ユーザは、クライアント端末に表示された開始画面INF2を用いて、新たな情報を入力した帳票データDを選択する。
具体的には、ユーザが、クライアント端末のディスプレイに表示中の開始画面INF2の所定の第1アイコンICO1を指定して(例えば、第1アイコンICO1の一つをタッチする、第1アイコンICO1の一つをマウスでクリックするなど)、新たな情報を入力したい帳票データDを選択する。
帳票データDの選択を受け付けたクライアント端末は、選択した帳票データDの送信要求を帳票管理サーバ1に送信する(ステップS103)。
【0065】
帳票データDの送信要求を受信した帳票管理サーバ1の第1送受信部14は、送信要求のあった帳票データDを記憶部11から抽出し、クライアント端末に送信する(ステップS104、S12)。帳票データDを受信したクライアント端末は、
図4及び
図5に示すような帳票データDをディスプレイに表示する。
ユーザは、クライアント端末の入力装置を用いて、表示中の帳票データDに追加したい情報を入力する。クライアント端末にて入力された情報は、帳票管理サーバ1に送信され(ステップS105)、帳票管理サーバ1の作成部12が、帳票データDの指定された位置に、受信した情報を追加する(ステップS13)。
【0066】
帳票管理サーバ1の判定部13は、帳票データDへの情報の追加が完了し、新規帳票データNDが作成されたか否かを判定する(ステップS14)。
具体的には、判定部13は、帳票データDへの情報の追加を完了後、クライアント端末に表示中の帳票データDにて登録ボタンB1が押されたことが、当該クライアント端末から帳票管理サーバ1に通知された(ステップS106)ときに、新規帳票データNDが作成されたと判定する。
【0067】
新規帳票データNDが作成されたと判定部13にて判定されていない場合(ステップS14で「No」)、登録ボタンB1が押されて新規帳票データNDが作成されるまで待機する。なお、帳票データDを表示中に情報の追加を中止(キャンセル)した場合には、新規帳票データNDの作成動作を終了する。
一方、新規帳票データNDが作成されたと判定部13にて判定された場合(ステップS14で「Yes」)、帳票管理サーバ1の第1送受信部14は、第1トークンTOK1を用いて、チャットサーバ3に新規帳票作成メッセージM1を送信する(ステップS107、S15)。
【0068】
具体的には、第1送受信部14は、第1トークンTOK1から新規帳票作成メッセージM1の宛先であるルームに関する情報(例えば、新規帳票作成メッセージM1の宛先であるルームのルームID)を抽出し、第1トークンTOK1から抽出したルームを宛先として、チャットサーバ3に新規帳票作成メッセージM1を送信する。
なお、第1トークンTOK1は、第1送受信部14が新規帳票作成メッセージM1を送信する毎にチャットサーバ3に第1トークンTOK1の生成と送信を要求することで取得される。
【0069】
他の実施形態として、第1トークンTOK1は、予め取得されて記憶部11に記憶され、当該第1トークンTOK1の有効期限に関する情報を含んでいてもよい。この場合、第1送受信部14は、第1トークンTOK1の有効期限を考慮して、チャットサーバ3に第1トークンTOK1の生成と送信を要求してもよい。
【0070】
新規帳票作成メッセージM1は、関連ルームに属するユーザが使用するクライアント端末のディスプレイに表示される。新規帳票作成メッセージM1を送信後、帳票管理サーバ1の第2トークン生成部16は、チャットサーバ3から第2トークンTOK2の生成要求(ステップS110)が送信されてきたか否かを判定する。第2トークンTOK2の生成要求は、クライアント端末に表示中の新規帳票作成メッセージM1の内容が確認された(既読ステータスになった)とき(ステップS109)に、チャットサーバ3から帳票管理サーバ1に対してなされる。
【0071】
第2トークンTOK2の生成要求がなされない場合(ステップS16で「No」)、第2トークンTOK2の生成要求がされるまで待機する。なお、例えば、第2トークンTOK2の生成要求が長時間なされない場合などには、帳票管理サーバ1は、そのまま動作を終了してもよい。
一方、第2トークンTOK2の生成要求がなされた場合(ステップS16で「Yes」)、第2トークン生成部16は、第2トークンTOK2を生成し、チャットサーバ3に送信する(ステップS111、S17)。
【0072】
第2トークンTOK2をチャットサーバ3に送信後、帳票管理サーバ1の第1送受信部14がチャットサーバ3から帳票既読情報RIを受信した場合(ステップS112)、帳票管理サーバ1は、受信した帳票既読情報RIを用いた処理を実行する(ステップS18)。例えば、帳票管理サーバ1は、帳票既読情報RIに含まれる情報を、新規帳票データNDの管理のために記憶部11などに記憶する。
【0073】
(5-2)チャットサーバにおける動作
次に、
図6及び
図9を用いて、新規帳票データNDが作成される場合のチャットサーバ3の動作を説明する。
図9は、新規帳票データが作成される場合のチャットサーバの動作を示すフローチャートである。
ユーザがクライアント端末を用いてチャットサーバ3にログインし、当該クライアント端末からチャットサーバ3にアクセスすると、チャットサーバ3は、クライアント端末に
図10に示すようなチャット画面INF3を送信する(ステップS102、S21)。チャット画面INF3を受信したクライアント端末は、当該チャット画面をディスプレイに表示する。
図10は、チャット画面の一例を示す図である。
【0074】
図10に示すように、チャット画面INF3は、ルーム表示欄A1と、チャット欄A2と、情報表示部DIS2と、を有する。ルーム表示欄A1は、チャットサーバ3にて登録されているルーム名を表示する。ユーザが属しているルーム名の下には、当該ルームに属する他のユーザ名が表示される。
図10に示す例では、ルームとして「部門ルーム」と「グループルーム」が登録されており、
図10に示すチャット画面INF3を用いるユーザはグループルームに入室している。
【0075】
チャット欄A2は、ルームに属しているユーザ間のチャットの内容が記載された吹き出しCHが表示される。吹き出しCHの近傍には、チャットを投稿したユーザ名と画像(例えば、ユーザの顔写真、アバターなど)と、チャットが投稿された年月日、時刻が表示される。情報表示部DIS2は、チャット欄A2でなされるチャットで共有された情報(例えば、画像など)を表示する。
【0076】
図9に戻り、クライアント端末にてチャット画面INF3を表示中、チャットサーバ3の第2送受信部32は、帳票管理サーバ1から新規帳票作成メッセージM1を受信したか否かを判定する(ステップS107、S22)。
新規帳票作成メッセージM1を受信しない場合(ステップS22で「No」)、チャット画面INF3を用いた通常のチャット(ユーザ間のメッセージのやりとり)が継続される。
【0077】
一方、新規帳票作成メッセージM1を受信した場合(ステップS22で「Yes」)、第2送受信部32は、受信した新規帳票作成メッセージM1と、当該新規帳票作成メッセージM1の宛先とを、チャットサーバ3の特定部33に送信する。
新規帳票作成メッセージM1を受信した特定部33は、受信した新規帳票作成メッセージM1の宛先である関連ルームを特定する(ステップS23)。具体的には、特定部33は、新規帳票作成メッセージM1とともに受信した当該新規帳票作成メッセージM1の宛先であるルームに関する情報(ルームID)と一致するルーム識別情報IDを有するルーム情報ROIに対応するルームを、関連ルームと特定する。関連ルームを特定後、新規帳票作成メッセージM1と関連ルームの特定結果(関連ルームのルーム情報ROI)と、がメッセージ送受信部34に送信される。
【0078】
その後、チャットサーバ3のメッセージ送受信部34は、特定部33から受信した新規帳票作成メッセージM1を、関連ルームのルーム情報ROIに含まれる全ユーザ(すなわち、関連ルームに属するユーザ)のクライアント端末に配信する(ステップS108、S24)。
新規帳票作成メッセージM1が配信されたユーザのチャット画面INF3には、
図11に示すように、「新規帳票が作成されました」との記載と、「Abcdef」とのリンクLNと、を含む吹き出しCH1が、新規帳票作成メッセージM1として表示される。新規帳票作成メッセージM1に含まれるリンクLNは、新規帳票データNDに直接アクセスするためのリンクである。このようなリンクLNを新規帳票作成メッセージM1に含めることにより、チャット画面INF3においてリンクLNをクリック、タッチ等することにより、新規帳票データNDに直ちにアクセスできる。
図11は、新規帳票作成メッセージが表示されたチャット画面の一例を示す図である。
【0079】
新規帳票作成メッセージM1をチャット画面INF3に表示中に、チャットサーバ3は、新規帳票作成メッセージM1のリンクLNに対して操作がなされて、新規帳票作成メッセージM1の内容が確認されたか否かを判定する(ステップS109、S25)。
新規帳票作成メッセージM1の内容が確認されていない場合(ステップS25で「No」)、チャット画面INF3に新規帳票作成メッセージM1を表示した状態で待機する。
【0080】
一方、チャット画面INF3において新規帳票作成メッセージM1の内容が確認された場合(ステップS25で「Yes」)、チャットサーバ3の第2送受信部32は、帳票管理サーバ1に、第2トークンTOK2の生成要求を送信する(ステップS110、S26)。
第2トークンTOK2の生成要求の結果、帳票管理サーバ1から第2トークンTOK2が受信されない場合(ステップS27で「No」)、第2トークンTOK2の受信まで待機する。
【0081】
一方、帳票管理サーバ1から第2トークンTOK2を受信した場合(ステップS27で「Yes」)、チャットサーバ3の第2送受信部32は、第2トークンTOK2を用いて、帳票管理サーバ1に、ユーザにより内容が確認された既読の新規帳票作成メッセージM1に関する情報である帳票既読情報RIを送信する(ステップS112、S28)。
【0082】
(6)まとめ
上記にて説明した第1実施形態に係る帳票システム100においては、帳票管理サーバ1の作成部12において新規帳票データNDが作成された場合に、帳票管理サーバ1の第1送受信部14が、新規帳票データNDが作成されたことを示す新規帳票作成メッセージM1を、新規帳票データNDに関連するユーザが属する関連ルームを宛先としてチャットサーバ3に送信している。
また、新規帳票作成メッセージM1を受信したチャットサーバ3の特定部33が、受信した新規帳票作成メッセージM1の宛先である関連ルームを特定し、チャットサーバ3のメッセージ送受信部34が、特定した関連ルームに属するユーザに、受信した新規帳票作成メッセージM1を配信している。
【0083】
関連ルームには新規帳票データNDに関連する1又は多数のユーザが属することができ、チャットサーバ3は、関連ルームを宛先とするメッセージを当該関連ルームに属する全ユーザに一度に配信できるので、帳票システム100では、帳票管理サーバ1において新規帳票データNDが作成されたときに、チャットサーバ3の関連ルーム宛に新規帳票作成メッセージM1を送信するだけで、新規帳票データNDに関連する多数のユーザに新規帳票データNDが作成されたことを効率よく通知できる。
【0084】
2.第2実施形態
上記のように、帳票システム100においては、帳票管理サーバ1にアクセスしたときにクライアント端末に表示される開始画面INF2には、当該クライアント端末にて情報を入力可能な帳票データDが第1アイコンICO1により表示される。開始画面INF2の特定の第1アイコンICO1を指定することで、当該特定の第1アイコンICO1が示す帳票データDをクライアント端末に表示できる。
この第1アイコンICO1の開始画面INF2における配置を、例えば、帳票管理サーバ1にログインできるユーザ毎、ユーザが使用する端末毎、ユーザのグループ毎に対応付けて記憶部11に記憶してもよい。これにより、開始画面INF2における第1アイコンICO1の配置を、ユーザ毎、端末毎、グループ毎に独立して設定できる。
【0085】
また、第1アイコンICO1の開始画面INF2における配置のユーザ毎などの設定を、所定の識別コードと関連付けてもよい。また、この所定の識別コードを印刷して帳票システム100が配置された工場、プラント等の所定の位置に貼り付けてもよい。なお、上記の所定の識別コードは、例えば、QRコード(登録商標)、バーコード、ARマーカーとできる。これにより、この識別コードをクライアント端末により読み取るだけで、ユーザが以前に設定していた第1アイコンICO1の配置を簡単に再現できる。
【0086】
3.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(A)上記の第1実施形態において、
図6~
図8、
図10に示されたフローチャートに示された各ステップの処理順及び/又は処理内容は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更できる。
【0087】
(B)帳票管理サーバ1とチャットサーバ3とを1つのコンピュータシステムで実現してもよい。例えば、帳票管理サーバ1として機能するプログラムと、チャットサーバ3として機能するプログラムと、を当該1つのコンピュータシステムにインストールすることでこれを実現できる。
【0088】
(C)第1トークンTOK1を新規帳票データNDの登録ボタンB1に関連付け、新規帳票データNDの登録ボタンB1が押されてときに、第1送受信部14が、当該第1トークンTOK1から新規帳票データNDの宛先であるルームに関する情報を抽出してもよい。この場合、第1トークンTOK1は、新規帳票データNDのひな型が作成されたときに登録ボタンB1に関連付けられる。
【0089】
また、登録ボタンB1に関連付ける第1トークンTOK1は、第1トークンTOK1を登録ボタンB1に関連付ける際に、帳票管理サーバ1がチャットサーバ3に第1トークンTOK1の生成と送信を要求することで取得されてもよい。
または、チャットサーバ3にて予め作成されているトークンのうちの1つをユーザが選択し、選択したTOKを第1トークンTOK1として登録ボタンB1に関連付けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、各種作業に用いられる帳票データを管理する帳票管理方法、及び、帳票データを管理する帳票システムに広く適用できる。
【符号の説明】
【0091】
100 帳票システム
1 帳票管理サーバ
11 記憶部
12 作成部
13 判定部
14 第1送受信部
15 編集部
16 第2トークン生成部
3 チャットサーバ
31 記憶部
32 第2送受信部
33 特定部
34 メッセージ送受信部
35 第1トークン生成部
5 生産管理システム
7 設備
T1 第1クライアント端末
T2 第2クライアント端末
D 帳票データ
ND 新規帳票データ
M1 新規帳票作成メッセージ