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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】光学式選別機
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/342 20060101AFI20240925BHJP
   B07C 5/36 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B07C5/342
B07C5/36
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020187213
(22)【出願日】2020-11-10
(65)【公開番号】P2022076697
(43)【公開日】2022-05-20
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100158702
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 卓也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 隆文
(72)【発明者】
【氏名】宮本 知幸
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-160973(JP,A)
【文献】特開2012-143670(JP,A)
【文献】特開2014-233644(JP,A)
【文献】特開平10-225934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 5/342
B07C 5/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被選別物を検出位置において検出する光学検出手段と、
前記光学検出手段による検出結果に基づいて除去すべき対象の被選別物を判別する判別手段と、
前記判別手段の判別結果に基づいて前記除去すべき対象の被選別物を圧縮気体の噴風により吹き飛ばして除去する噴風手段と、を備え
籾摺機の後工程に配置した光学式選別機であって
前記噴風手段は、圧電素子の変位を利用して弁体を駆動しバルブの開閉を行う圧電式バルブと、前記圧電素子に駆動電圧を印加するバルブ駆動手段と、を備え、
前記バルブ駆動手段は、前記除去すべき対象の被選別物に応じて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御し、前記被選別物を除去する前記圧縮気体の噴風圧力を制御するものであり、前記除去すべき対象の被選別物である粒状物の種類により定まる比重が大きいものほど前記噴風により吹き飛ばす距離が短くなるよう前記圧電素子に小さな駆動電圧を印加し、前記圧縮気体の噴風圧力を小さくすることで、前記被選別物に応じて前記噴風により吹き飛ばす距離を変更し、前記噴風により吹き飛ばす距離の違いにより前記除去すべき対象の被選別物を複数に分別することを特徴とする光学式選別機。
【請求項2】
前記除去すべき対象の被選別物である粒状物であって比重が同程度の種類の場合には、前記バルブ駆動手段は、前記除去すべき対象の粒状物の種類毎の混入率に基づいて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御する請求項1に記載の光学式選別機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀粒や樹脂ペレット等の粒状物等を噴風により吹き飛ばして選別を行う光学式選別機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、穀粒や樹脂ペレット等の粒状物を噴風により吹き飛ばして良品と不良品に選別したり、粒状物に混入する異物等を噴風により除去したりする光学式選別機が知られている(特許文献1,2を参照。)。
【0003】
特許文献1及び2に記載された光学式選別機は、搬送路の端部から所定の軌跡に沿って落下する粒状物の不良品や異物等を検出し、該検出した不良品や異物等を落下速度や大きさに応じて設定される噴風時間に基づいて噴風により吹き飛ばして除去することで、前記粒状物の選別を行うものである。
【0004】
ところで、前記光学式選別機は、電磁バルブを使用するものであり、前記噴風時間を長めに設定することで不良品や異物等を確実に除去するものであるが、良品も一緒に除去される、いわゆる「巻き添え」が増えるため、整品の歩留まりが低下する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平11-179292号公報
【文献】実開平6-41876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、巻き添えを減らし、除去すべき対象の被選別物を確実に除去することができる光学式選別機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、
被選別物を検出位置において検出する光学検出手段と、
前記光学検出手段による検出結果に基づいて除去すべき対象の被選別物を判別する判別手段と、
前記判別手段の判別結果に基づいて前記除去すべき対象の被選別物を圧縮気体の噴風により吹き飛ばして除去する噴風手段と、を備え
籾摺機の後工程に配置した光学式選別機であって
前記噴風手段は、圧電素子の変位を利用して弁体を駆動しバルブの開閉を行う圧電式バルブと、前記圧電素子に駆動電圧を印加するバルブ駆動手段と、を備え、
前記バルブ駆動手段は、前記除去すべき対象の被選別物に応じて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御し、前記被選別物を除去する前記圧縮気体の噴風圧力を制御することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、
被選別物を移送する移送手段と、
前記移送手段の端部から落下する被選別物を検出位置において検出する光学検出手段と、
前記光学検出手段による検出結果に基づいて除去すべき対象の被選別物を判別する判別手段と、
前記光学検出手段のさらに下方に設けられ、前記判別手段の判別結果に基づいて前記除去すべき対象の被選別物を圧縮気体の噴風により吹き飛ばして除去する噴風手段と、を備える光学式選別機において、
前記噴風手段は、圧電素子の変位を利用して弁体を駆動しバルブの開閉を行う圧電式バルブと、前記圧電素子に駆動電圧を印加するバルブ駆動手段と、を備え、
前記バルブ駆動手段は、前記除去すべき対象の被選別物に応じて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御し、前記被選別物を除去する前記圧縮気体の噴風圧力を制御することを特徴とする。
【0009】
本発明は、
前記バルブ駆動手段が、前記除去すべき対象の被選別物に応じて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御し、前記圧電素子の伸縮により前記弁体を駆動して前記被選別物を除去する前記圧縮気体の噴風圧力を制御することが好ましい。
【0010】
本発明は、
前記バルブ駆動手段が、前記除去すべき対象の被選別物に応じて前記圧電素子に印加する駆動電圧の電圧値を事前に設定しておくことが好ましい。
【0011】
本発明は、
前記バルブ駆動手段が、前記除去すべき対象の被選別物に応じて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御し、前記被選別物を除去する前記圧縮気体の噴風圧力を制御することで、前記被選別物に応じて前記噴風により吹き飛ばす距離を変更し、前記噴風により吹き飛ばす距離の違いにより前記除去すべき対象の被選別物を複数に分別す
本発明は、
前記バルブ駆動手段が、前記除去すべき対象の被選別物である粒状物の種類により定まる比重が大きいものほど前記噴風により吹き飛ばす距離が短くなるよう前記圧電素子に小さな駆動電圧を印加し、前記圧縮気体の噴風圧力を小さくすることで、前記被選別物に応じて前記噴風により吹き飛ばす距離を変更し、前記噴風により吹き飛ばす距離の違いにより前記除去すべき対象の被選別物を複数に分別する。
本発明は、
前記除去すべき対象の被選別物である粒状物であって比重が同程度の種類の場合には、前記バルブ駆動手段は、前記除去すべき対象の粒状物の種類毎の混入率に基づいて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御することが好ましい。
【0012】
本発明は、
前記判別手段が、前記除去すべき対象の被選別物の種類を判別し、
前記バルブ駆動手段が、前記除去すべき対象の被選別物の種類に応じて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御し、前記被選別物を除去する前記圧縮気体の噴風圧力を制御することが好ましい。
【0013】
本発明は、
前記判別手段が、前記除去すべき対象の被選別物の大きさを判別し、
前記バルブ駆動手段が、前記除去すべき対象の被選別物の大きさに応じて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御し、前記被選別物を除去する前記圧縮気体の噴風圧力を制御することが好ましい。
【0014】
本発明は、
前記判別手段が、前記除去すべき対象の被選別物の種類及び大きさを判別し、
前記バルブ駆動手段が、前記除去すべき対象の被選別物の種類及び大きさに応じて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御し、前記被選別物を除去する前記圧縮気体の噴風圧力を制御することが好ましい。
【0015】
本発明は、
前記圧電式バルブが、外部から供給される圧縮気体を受け入れる気体圧力室、及び該気体圧力室から前記圧縮気体を排出する気体排出路を有するバルブ本体と、前記気体圧力室に配置され前記気体排出路を開閉する前記弁体、前記弁体の動作に必要な駆動力を変位として発生する前記圧電素子、及び前記圧電素子の変位を前記弁体に作用させる変位機構を有するアクチュエータと、を有し、
前記バルブ駆動手段が、前記除去すべき対象の被選別物に応じて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御し、前記圧電素子の伸縮により前記弁体を駆動して、前記被選別物を除去する前記圧縮気体の噴風圧力を制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の光学式選別機は、前記噴風手段が、圧電素子の変位を利用して弁体を駆動しバルブの開閉を行う圧電式バルブと、前記圧電素子に駆動電圧を印加するバルブ駆動手段と、を備え、前記バルブ駆動手段が、前記除去すべき対象の被選別物に応じて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御し、前記被選別物を除去する前記圧縮気体の噴風圧力を制御するので、電磁バルブに比べ、バルブ開閉時の応答性に優れる圧電式バルブを備えることで、電磁バルブを使用する従来の光学式選別機のように、噴風時間を長めに設定する必要がなく、また、バルブ駆動手段が、前記圧電式バルブの圧電素子に印加する駆動電圧を制御することで、圧縮気体の供給圧力が一定でも前記圧縮気体の噴風圧力を変更することができる。
したがって、本発明の光学式選別機によれば、前記噴風時間を、例えば周辺の被選別物を巻き添えにしない短い時間に固定し、かつ、前記除去すべき対象の被選別物に応じて前記圧縮気体の噴風圧力を制御することができるので、他の被選別物の巻き添えを減らし、除去すべき対象の被選別物を確実に除去することができる。
【0017】
本発明の光学式選別機は、前記バルブ駆動手段が、前記除去すべき対象の被選別物に応じて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御し、前記圧電素子の伸縮により前記弁体を駆動して前記被選別物を除去する前記圧縮気体の噴風圧力を制御するので、前記圧縮気体の供給圧力が一定でも前記圧縮気体の噴風圧力を変更することができる。
【0018】
本発明の光学式選別機は、前記バルブ駆動手段が、前記除去すべき対象の被選別物に応じて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御し、前記被選別物を除去する前記圧縮気体の噴風圧力を制御することで、前記被選別物に応じて前記噴風により吹き飛ばす距離を変更するので、他の被選別物の巻き添えを減らし、除去すべき対象の被選別物を確実に除去することができるとともに、前記噴風により吹き飛ばす距離の違いにより前記除去すべき対象の被選別物を複数のグループに分別することができる。
本発明の光学式選別機は、前記バルブ駆動手段が、前記除去すべき対象の被選別物である粒状物の種類により定まる比重が大きいものほど前記噴風により吹き飛ばす距離が短くなるよう前記圧電素子に小さな駆動電圧を印加し、前記圧縮気体の噴風圧力を小さくするので、前記噴風により吹き飛ばす距離の違いにより、前記除去すべき対象の被選別物を種類により複数のグループに分別することができる。
また、本発明の光学式選別機は、前記バルブ駆動手段が、前記除去すべき対象の被選別物である粒状物の種類により定まる比重が大きいものほど前記噴風により吹き飛ばす距離が短くなるよう前記圧電素子に小さな駆動電圧を印加し、前記圧縮気体の噴風圧力を小さくするので、比重が大きい粒状物が途中落下して他の種類の粒状物に混入することを防止することができる。
本発明の光学式選別機は、前記除去すべき対象の被選別物である粒状物であって比重が同程度の種類の場合には、前記バルブ駆動手段は、前記除去すべき対象の粒状物の種類毎の混入率に基づいて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御することとすれば、前記混入率の高いものほど前記噴風により吹き飛ばす距離が短くなるよう前記圧電素子に小さな駆動電圧を印加し、前記圧縮気体の噴風圧力を小さくすることで、前記除去すべき対象の被選別物を種類により複数のグループに分別することができる。
また、本発明の光学式選別機は、前記除去すべき対象の被選別物である粒状物であって比重が同程度の種類の場合には、前記バルブ駆動手段は、前記除去すべき対象の粒状物の種類毎の混入率に基づいて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御することとすれば、前記混入率の高いものほど前記噴風により吹き飛ばす距離が短くなるよう前記圧電素子に小さな駆動電圧を印加し、前記圧縮気体の噴風圧力を小さくすることで、混入率の高い粒状物が途中落下して他の種類の粒状物に混入することを防止することができる。
【0019】
本発明の光学式選別機は、前記判別手段が、前記除去すべき対象の被選別物の種類を判別し、前記バルブ駆動手段が、前記除去すべき対象の被選別物の種類に応じて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御し、前記被選別物を除去する前記圧縮気体の噴風圧力を制御することとすれば、前記除去すべき対象の被選別物を種類に応じて適切に除去することが可能となる。
【0020】
本発明の光学式選別機は、前記判別手段が、前記除去すべき対象の被選別物の大きさを判別し、前記バルブ駆動手段が、前記除去すべき対象の被選別物の大きさに応じて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御し、前記被選別物を除去する前記圧縮気体の噴風圧力を制御することとすれば、前記除去すべき対象の被選別物を大きさに応じて適切に除去することが可能となる。
【0021】
本発明の光学式選別機は、前記判別手段が、前記除去すべき対象の被選別物の種類及び大きさを判別し、前記バルブ駆動手段が、前記除去すべき対象の被選別物の種類及び大きさに応じて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御し、前記被選別物を除去する前記圧縮気体の噴風圧力を制御することとすれば、前記除去すべき対象の被選別物を種類及び大きさの組み合わせに応じて適切に除去することが可能となる。
【0022】
本発明の光学式選別機は、前記圧電式バルブが、外部から供給される圧縮気体を受け入れる気体圧力室、及び該気体圧力室から前記圧縮気体を排出する気体排出路を有するバルブ本体と、前記気体圧力室に配置され前記気体排出路を開閉する前記弁体、前記弁体の動作に必要な駆動力を変位として発生する前記圧電素子、及び前記圧電素子の変位を前記弁体に作用させる変位機構を有するアクチュエータと、を有し、前記バルブ駆動手段が、前記除去すべき対象の被選別物に応じて前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御し、前記圧電素子の伸縮により前記弁体を駆動して、前記被選別物を除去する前記圧縮気体の噴風圧力を制御することとすれば、前記圧電式バルブが、バルブ開閉時の応答性に優れることから、電磁バルブを使用する従来の光学式選別機に比べ、前記圧縮気体の噴風時間を短縮できるとともに、他の被選別物の巻き添えを減らし、除去すべき対象の被選別物を確実に吹き飛ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態1の光学式選別機の説明図であって要部側断面図である。
図2】光学式選別機の制御ブロック図である。
図3】圧電式バルブの概略説明図。
図4】圧電素子に印加する駆動電圧の説明図である。
図5】圧電式バルブのエア噴出圧特性を説明するグラフである。
図6】実施形態2の光学式選別機の説明図である。
図7】実施形態2の光学式選別機において不良品等の種類に応じて圧電素子に印加する駆動電圧と排出口との関係を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
[実施形態1]
本発明の実施形態1の光学式選別機は、良品と不良品、原料と異物等、原料となる粒状物を2種類に選別するものである。
図1は本発明の実施形態1の光学式選別機の内部構造を簡略化して示した要部側断面図を示す。図2は光学式選別機の制御ブロック図を示す。
本発明の実施形態1の光学式選別機1は、上部にタンク2と振動フィーダ3とからなる粒状物供給部を有する。該粒状物供給部の下方には所定幅を有する傾斜状シュート4が配置される。
前記粒状物供給部から供給された粒状物は、前記傾斜状シュート4上を幅方向に広がって連続状に自然流下した後、その下端から所定の落下軌跡に沿って空中に放出される。
【0025】
前記所定の落下軌跡の前後には、前記傾斜状シュート4の幅方向に平行に直線状に延びる粒状物検出位置Oにおいて粒状物を撮像する少なくとも一対の光学検出装置5a,5bが対向して配設される。各光学検出装置5a,5bは、それぞれCCD等のラインセンサやエリアセンサを内蔵し、近赤外線(NIR)、可視光又は紫外線等の波長域の光を受光可能とするCCDカメラ等の撮像手段51a,51b、LED等からなる照明手段52a,52b、及び前記粒状物を撮像する際の背景となるバックグラウンド53a,53b等から構成される。
【0026】
また、前記粒状物検出位置Oの下方には、不良品や異物等(以下、「不良品等」という。)をエアの噴風により除去する噴風装置7が配設される。前記噴風装置7は、後述する圧電式バルブを複数並設して組み込んでなる噴風ノズル71と、前記圧電式バルブを開閉駆動するバルブ駆動装置72と、前記噴風ノズル71に圧縮エアを送る圧縮エア供給装置73を備え、前記各光学検出装置5a,5bの検出結果に基づいて前記圧電式バルブを選択的に開弁駆動し、前記傾斜状シュート4の下端から放出される粒状物を、該粒状物の落下軌跡の幅方向各位置に対応して設けられる前記噴風ノズル71の複数のノズル孔からのエアの噴射により吹き飛ばす。なお、前記圧電式バルブの圧電素子は、前記バルブ駆動装置72の駆動回路と電気的に接続される。
【0027】
上記光学式選別機1において、前記傾斜状シュート4を幅方向に広がって連続状に自然流下した後、その下端から所定の落下軌跡に沿って空中に放出される粒状物は、前記粒状物検出位置Oにおいて前記各光学検出装置5a,5bの撮像手段51a,51bにより撮像され、当該撮像データが制御装置6に送られる。
【0028】
前記制御装置6は、前記撮像データに基づいて粒状物の色彩や形状等に関する情報等を取得し、前記粒状物の種類や大きさ等を判別して不良品等の除去すべき粒状物を特定する判別部を備え、前記判別部の判別結果に基づいて前記不良品等の排除信号を前記バルブ駆動装置72に送る。
【0029】
前記噴風装置7は、前記バルブ駆動装置72に送られる前記排除信号に基づいて所定のタイミングで前記複数の圧電式バルブを選択的に駆動し、前記傾斜状シュート4の幅方向に平行に直線状に延びる粒状物排除位置Eを通過する不良品等に対し、該幅方向の各位置に対応して設けられる前記噴風ノズル71の各ノズル孔からエアを噴風する。
【0030】
そして、前記噴風ノズル71の各ノズル孔からの噴風により吹き飛ばされた不良品等は、不良品排出口81から機外に排出される。また、噴風により吹き飛ばされることなく所定の落下軌跡をそのまま通過した良品等は、良品排出口82から回収される。
【0031】
次に、圧電式バルブについて説明する。
図3は圧電式バルブの一例であり、バルブ本体の側面が開放された状態における圧電式バルブの概略説明図であって、閉弁時における側面図を示す。
本発明において、圧電式バルブとは、圧電素子の変位を利用して弁体を駆動しバルブの開閉を行うものである。
図3に示す圧電式バルブ9は、バルブ本体91と、弁体92、圧電素子93及び変位拡大機構94を有するアクチュエータと、バルブ駆動装置72とを備える。
【0032】
前記バルブ本体91は、外部の圧縮気体供給源(図示せず)から圧縮気体の供給を受ける気体圧力室911、及び該気体圧力室911内の気体を外部に噴出する気体排出路912を有する。
前記弁体92は、前記バルブ本体91の前記気体圧力室911内に配置され、前記気体排出路912を開閉する。
前記圧電素子93は、前記バルブ本体91内に配置され、該バルブ本体91に一端が固定される。
【0033】
前記変位拡大機構94は、前記バルブ本体91の前記気体圧力室911内に配置され、前記圧電素子93の変位を拡大して前記弁体92に作用させる。
前記バルブ駆動装置72は、前記圧電素子93に駆動電圧を印加して電荷を充電し、該圧電素子93を伸張させる充電用駆動回路と、前記充電した電荷を放電し、前記圧電素子93を収縮させる放電用駆動回路を備え、前記圧電素子93を伸縮変位させることにより前記弁体92を開閉駆動する。
なお、前記バルブ駆動装置72は、前記両駆動回路が前記圧電素子と電気的に接続されるものであればよく、例えば前記バルブ本体91と物理的に一体とされる必要はない。
【0034】
前記変位拡大機構94は、前記圧電素子93の長手方向軸線と気体排出路912とを結ぶ線(以下、「中心線」という。)に対し対称に一対設けられるものである。
第1変位拡大機構は、第1ヒンジ96a、第2ヒンジ97a、第1アーム部材98a及び第1板ばね99aで構成される。第1ヒンジ96aの一端はバルブ本体91に接合される。第2ヒンジ97aの一端は前記圧電素子93に取り付けられるキャップ部材931に接合される。第1ヒンジ96a及び第2ヒンジ97aの各他端は、第1アーム部材98aの基部に接合される。第1アーム部材98aの外側先端部分には、第1板ばね99aの一端が接合される。第1板ばね99aの他端は弁体92の一方側の側端部に接合される。
【0035】
一方、第2変位拡大機構は、第3ヒンジ96b、第4ヒンジ97b、第2アーム部材98b及び第2板ばね99bで構成される。第3ヒンジ96bの一端はバルブ本体91に接合される。第4ヒンジ97bの一端は前記圧電素子93に取り付けられるキャップ部材931に接合される。第3ヒンジ96b及び第4ヒンジ97bの各他端は、第2アーム部材98bの基部に接合される。第2アーム部材98bの外側先端部分には、第2板ばね99bの一端が接合される。第2板ばね99bの他端は弁体92の他方側の側端部に接合される。
【0036】
前記圧電式バルブ9は、図3の状態において、バルブ駆動装置72により圧電素子93に通電すると、当該圧電素子93が図面上右方向に伸長する。当該圧電素子93の伸長に伴う変位は、第1変位拡大機構では、第2ヒンジ97aを力点、第1ヒンジ96aを支点、第1アーム部材98aの先端部を作用点としてテコの原理により拡大され、第1アーム部材98aの外側先端部を大きく変位させる。同様に、当該圧電素子93の伸長に伴う変位は、第2変位拡大機構では、第4ヒンジ97bを力点、第3ヒンジ96bを支点、第2アーム部材98bの先端部を作用点としてテコの原理により拡大され、第2アーム部材98bの外側先端部を大きく変位させる。
【0037】
そして、前記第1アーム部材98a及び第2アーム部材98bの各外側先端部における変位は、第1板ばね99a及び第2板ばね99bを介して弁体92を弁座95から離間させ、気体排出路912を開放する。
【0038】
一方、圧電式バルブ9は、バルブ駆動装置72による上記圧電素子93への通電が解除されると該圧電素子93が収縮し、当該収縮が第1及び第2変位拡大機構を介して弁体92に伝達され、当該弁体92が弁座95に着座する。
【0039】
なお、上記圧電式バルブ9は、圧縮気体供給源から圧縮気体の供給を受ける気体圧力室911、及び前記気体圧力室911内の気体を外部に噴出する気体排出路912を有するバルブ本体91と、前記バルブ本体91の前記気体圧力室911内に配置され前記気体排出路912を開閉する弁体92、前記弁体92の動作に必要な駆動力を変位として発生する圧電素子93、及び前記気体圧力室911内に配置され前記圧電素子93の変位を前記弁体92に作用させる変位機構を有するアクチュエータと、を備えるものであればよく、図3に示すものに限定されない。
【0040】
図4は圧電素子に印加する駆動電圧の説明図であって、図4(a)は圧電素子に印加する駆動電圧の波形図、図4(b)は駆動電圧と充電用駆動回路への入力信号の関係の説明図を示す。また、図5は圧電式バルブのエア噴出圧特性を説明するグラフを示す。
実験は、特開2017-160973号公報の[実施例]に記載された方法に基づいて行われた。実験条件は以下のとおりである。
(1)圧縮エア供給圧力:0.12MPa(大気圧下のゲージ圧値)
(2)駆動電圧:48~72V
(3)圧縮エア設定流量:50L/min
(4)入力信号:1ms
第1プレパルス時間t1、第1休止時間t2、第2プレパルス時間t3、第2休止時間t4及びメインパルス時間t5は、駆動電圧毎に設定(図4(b)を参照)
(圧電素子の通電時間:1ms)
(5)エア噴出圧検出位置:気体排出路先端より2mm
なお、図4に示すように、駆動電圧の電圧値により入力信号の各時間t1,t2,t4及びt5が若干異なるが、エア噴出圧力の安定性等を考慮したことによるものである。
【0041】
図5に示す結果から、前記圧電式バルブ9は、前記圧電素子93に印加する駆動電圧を変化させると、前記圧縮エアの噴風圧力が変化することが理解できる。また、前記圧電素子93に印加する駆動電圧を大きくすると、前記圧縮エアの噴風圧力が大きくなることが理解できる。これは、前記圧電式バルブ9において、前記圧電素子93に印加する駆動電圧を変化させると、前記弁体92と前記弁座95の離間距離が変化し、前記圧電式バルブの開度が変化することによるものと思われる。
【0042】
本発明の実施形態1の光学式選別機において、前記噴風装置7は、圧電素子93の変位を利用して弁体92を駆動しバルブの開閉を行う圧電式バルブ9と、前記圧電素子93に駆動電圧を印加するバルブ駆動装置72と、を備え、前記バルブ駆動装置72が、前記除去すべき対象の粒状物に応じて前記圧電素子93に印加する駆動電圧を制御し、前記圧電素子93の伸縮により前記弁体92を駆動して前記圧電式バルブの開度を調整し、前記粒状物を除去する前記圧縮エアの噴風圧力を制御する。
【0043】
本発明の実施形態1の光学式選別機において、前記制御装置6の判別部は、前記除去すべき対象の粒状物の種類を判別し、前記バルブ駆動装置72は、前記除去すべき対象の粒状物の種類に応じて前記圧電素子93に印加する駆動電圧を制御し、前記粒状物を除去する前記圧縮エアの噴風圧力を制御することができる。そして、前記粒状物の種類により定まる比重が大きいものほど、前記圧電素子93に大きな駆動電圧を印加し、前記圧縮エアの噴風圧力を大きくすることで、前記除去すべき対象の粒状物を確実に除去して2種類に選別することができる。
【0044】
ここで、前記粒状物の種類は、例えば穀粒の場合、可視光により被害粒やガラス、近赤外光により石やガラス等の異物を検出することができる。
また、前記圧電素子93に印加する駆動電圧は、前記粒状物の種類毎に前記比重に基づいて事前に電圧値を設定しておくことができる。
【0045】
本発明の実施形態1の光学式選別機において、前記制御装置6の判別部は、前記除去すべき対象の粒状物の大きさを判別し、前記バルブ駆動装置72は、前記除去すべき対象の粒状物の大きさに応じて前記圧電素子93に印加する駆動電圧を制御し、前記粒状物を除去する前記圧縮エアの噴風圧力を制御することができる。そして、前記粒状物の大きさが大きいものほど重量が大きいと推定されるため、前記圧電素子93に大きな駆動電圧を印加し、前記圧縮エアの噴風圧力を大きくすることで、前記除去すべき対象の粒状物を確実に除去することができる。
ここでも、前記圧電素子93に印加する駆動電圧は、前記粒状物の大きさに対応して電圧値を事前に設定しておくことが好ましい。
【0046】
本発明の実施形態1の光学式選別機において、前記制御装置6の判別部は、前記除去すべき対象の粒状物の種類及び大きさを判別し、前記バルブ駆動装置72は、前記除去すべき対象の粒状物の種類及び大きさに応じて前記圧電素子93に印加する駆動電圧を制御し、前記粒状物を除去する前記圧縮エアの噴風圧力を制御することができる。そして、前記粒状物の種類により定まる比重と前記粒状物の大きさとの組み合わせにより重量を求め(推定し)、前記重量が大きいものほど前記圧電素子93に大きな駆動電圧を印加し、前記圧縮エアの噴風圧力を大きくすることで、前記除去すべき対象の粒状物を確実に除去することができる。
なお、ここでも、前記圧電素子93に印加する駆動電圧は、前記粒状物の種類及び大きさの組み合わせにより求まる重量に対応して事前に電圧値を設定しておくことが好ましい。
【0047】
本発明の実施形態1の光学式選別機は、電磁バルブに比べ、バルブ開閉時の応答性に優れる圧電式バルブ9を備えることで、電磁バルブを使用する従来の光学式選別機のように、噴風時間を長めに設定する必要がなく、また、前記バルブ駆動装置72が、前記除去すべき対象の粒状物に応じて前記圧電素子93に印加する駆動電圧を制御し、前記圧電素子93の伸縮により前記弁体92を駆動して前記圧電式バルブ9の開度を調整し、前記粒状物を除去する前記圧縮エアの噴風圧力を制御するので、圧縮エアの供給圧力が一定でも前記圧縮エアの噴風圧力を変更することができる。
したがって、本発明の実施形態1の光学式選別機によれば、前記噴風時間を、例えば周辺の粒状物を巻き添えにしない短い時間に固定し、かつ、前記除去すべき対象の粒状物に応じて前記圧縮エアの噴風圧力を制御することができるので、他の粒状物の巻き添えを減らし、除去すべき対象の粒状物を確実に除去することができる。
【0048】
[実施形態2]
本発明の実施形態2の光学式選別機は、除去する粒状物を複数のグループに分別するものであり、原料となる粒状物を少なくも3つ以上のグループに分別するものである。
図6は本発明の実施形態2の光学式選別機の説明図を示す。
本発明の実施形態2の光学式選別機1は、4つの粒状物排出口を備え、除去する粒状物を3種類に分別できる点で、図1に示す実施形態1の光学式選別機と相違する。なお、それ以外の構成については実施形態1の光学式選別機と実質的に同じなので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0049】
本発明の実施形態2の光学式選別機は、前記バルブ駆動装置72が、前記除去すべき対象の粒状物に応じて前記圧電素子93に印加する駆動電圧を制御し、前記粒状物を除去する前記圧縮エアの噴風圧力を制御し、前記粒状物に応じて前記噴風により吹き飛ばす距離を変更することで、他の粒状物の巻き添えを減らし、除去すべき対象の粒状物を確実に除去することができるとともに、前記噴風により吹き飛ばす距離の違いにより前記除去すべき対象の粒状物を複数のグループに分別することができる。
【0050】
図7は実施形態2の光学式選別機の不良品等の種類に応じて設定される駆動電圧と排出口との関係の一例を示す。
図7では、本発明の実施形態2の光学式選別機を籾摺機の後工程に置くことを想定し、前記籾摺機からは玄米、被害粒、籾、石やガラス等の異物が排出され、不良品等の混入率は、被害粒が1~5%程度、籾が10%程度、異物が1%以下であるとする。
【0051】
図7の例では、圧電式バルブ9への供給エア圧を0.44MPaで一定とし、各粒状物に対応して異なる電圧値が事前に設定されている。
例えば、異物の場合、最も重量が大きいので、吹き飛ばす距離を最も短くして不良品排出口81の「A」から排出することとし、駆動電圧を54V以下と最も低く設定する。
【0052】
また、籾と被害粒の場合、籾は比重が小さい割には大きさが大きく、被害粒は比重が大きい割には大きさが小さいため、重量的にはほぼ同等となるが、籾は被害粒に比べ混入率が高いため、吹き飛ばす距離を中間として不良品排出口81の「B」から排出することとし、駆動電圧を54Vとして異物の場合と同じか、それよりも大きく設定する。
【0053】
さらに、被害粒の場合、最も遠くへ吹き飛ばすこととして不良品排出口81の「C」から排出することとし、駆動電圧を72Vと最も高く設定する。
【0054】
本発明の実施形態2の光学式選別機において、前記制御装置6の判別部は、前記除去すべき対象の粒状物の種類を判別し、前記バルブ駆動装置72は、前記除去すべき対象の粒状物の種類に応じて前記圧電素子93に印加する駆動電圧を制御し、前記粒状物を除去する前記圧縮エアの噴風圧力を制御することができる。そして、前記粒状物の種類により定まる比重が大きいものほど前記噴風により吹き飛ばす距離が短くなるよう前記圧電素子93に小さな駆動電圧を印加し、前記圧縮エアの噴風圧力を小さくすることで、前記除去すべき対象の粒状物を種類により複数のグループに分別することができる。
【0055】
本発明の実施形態2の光学式選別機において、前記粒状物の種類により定まる比重が大きいものほど前記噴風により吹き飛ばす距離が短くなるよう前記圧電素子93に小さな駆動電圧を印加し、前記圧縮エアの噴風圧力を小さくすることとすれば、比重が大きい粒状物が途中落下して他の種類の粒状物に混入することを防止できる。
【0056】
本発明の実施形態2の光学式選別機において、前記除去すべき対象の粒状物であって比重が同程度の種類の場合には、前記バルブ駆動装置72は、前記除去すべき対象の粒状物の種類毎の混入率に基づいて前記圧電素子93に印加する駆動電圧を制御することができる。そして、前記混入率の高いものほど前記噴風により吹き飛ばす距離が短くなるよう前記圧電素子93に小さな駆動電圧を印加し、前記圧縮エアの噴風圧力を小さくすることで、前記除去すべき対象の粒状物を種類により複数のグループに分別することができる。
【0057】
本発明の実施形態2の光学式選別機において、前記粒状物の比重が同程度の種類の場合、前記混入率の高いものほど前記噴風により吹き飛ばす距離が小さくなるよう前記圧電素子93に小さな駆動電圧を印加し、前記圧縮エアの噴風圧力を小さくすることとすれば、混入率の高い粒状物が途中落下して他の種類の粒状物に混入することを防止できる。
【0058】
本発明の実施形態2の光学式選別機において、前記制御装置6の判別部は、前記除去すべき対象の粒状物の大きさを判別し、前記バルブ駆動装置72は、前記除去すべき対象の粒状物の大きさに応じて前記圧電素子93に印加する駆動電圧を制御し、前記粒状物を除去する前記圧縮エアの噴風圧力を制御することができる。そして、前記粒状物の大きさが大きいものほど重量が大きいと推定されるため、前記噴風により吹き飛ばす距離が短くなるよう前記圧電素子93に小さな駆動電圧を印加し、前記圧縮エアの噴風圧力を小さくすることで、前記除去すべき対象の粒状物を大きさにより複数のグループに分別することができる。
【0059】
本発明の実施形態2の光学式選別機において、前記粒状物の大きさが大きいものほど前記噴風により吹き飛ばす距離が短くなるよう前記圧電素子93に小さな駆動電圧を印加し、前記圧縮エアの噴風圧力を小さくすることとすれば、大きさが大きい粒状物が途中落下して他の大きさのグループの粒状物に混入することを防止できる。
【0060】
本発明の実施形態2の光学式選別機において、前記制御装置6の判別部は、前記除去すべき対象の粒状物の種類及び大きさを判別し、前記バルブ駆動装置72は、前記除去すべき対象の粒状物の種類及び大きさに応じて前記圧電素子93に印加する駆動電圧を制御し、前記粒状物を除去する前記圧縮エアの噴風圧力を制御することができる。そして、前記粒状物の種類により定まる比重と前記粒状物の大きさとの組み合わせにより重量を求め(推定し)、前記重量が大きいものほど前記噴風により吹き飛ばす距離が短くなるよう前記圧電素子93に小さな駆動電圧を印加し、前記圧縮エアの噴風圧力を小さくすることで、前記除去すべき対象の粒状物を種類及び大きさの組み合わせにより複数のグループに分別することができる。
【0061】
本発明の実施形態2の光学式選別機において、前記粒状物の種類により定まる比重と前記粒状物の大きさとの組み合わせにより重量を求め、前記重量が大きいものほど前記噴風により吹き飛ばす距離が短くなるよう前記圧電素子93に小さな駆動電圧を印加し、前記圧縮エアの噴風圧力を小さくすることとすれば、重量が大きい粒状物が途中落下して他のグループの粒状物に混入することを防止できる。
【0062】
また、本発明の実施形態2の光学式選別機において、前記除去すべき対象の粒状物であって前記重量が同程度の場合には、前記バルブ駆動装置72は、前記除去すべき対象の粒状物の種類毎の混入率に基づいて前記圧電素子93に印加する駆動電圧を制御することができる。そして、前記混入率の高いものほど前記噴風により吹き飛ばす距離が短くなるよう前記圧電素子93に小さな駆動電圧を印加し、前記圧縮エアの噴風圧力を小さくすることで、前記除去すべき対象の粒状物を種類及び大きさの組み合わせにより複数のグループに分別することができる。
【0063】
本発明の実施形態2の光学式選別機において、前記粒状物の前記重量が同程度の場合、前記混入率の高いものほど前記噴風により吹き飛ばす距離が小さくなるよう前記圧電素子93に小さな駆動電圧を印加し、前記圧縮エアの噴風圧力を小さくすることとすれば、混入率の高い粒状物が途中落下して他のグループの粒状物に混入することを防止できる。
【0064】
なお、本発明の実施形態2の光学式選別機において、除去すべき対象の粒状物を噴風により吹き飛ばす距離については、上記の例に限定されるものでなく、例えば比重が大きい粒状物を最も遠くに吹き飛ばすこととする等、任意に設定することができる。
【0065】
本発明の実施形態2の光学式選別機によれば、1つの噴風ノズル71により、除去すべき対象の粒状物を複数のグループに分別することができる。
【0066】
本発明は、上記実施の形態に限らず発明の範囲を逸脱しない限りにおいてその構成を適宜変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の光学式選別機は、巻き添えを減らし、除去すべき対象の被選別物を確実に除去することができるものであり、極めて有用である。
【符号の説明】
【0068】
1 光学式選別機
2 タンク
3 振動フィーダ
4 傾斜状シュート
5a,5b 光学検出装置
51a,51b CCDカメラ(撮像手段)
52a,52b 照明手段
53a,53b バックグラウンド
6 制御装置
7 噴風装置
71 噴風ノズル
72 バルブ駆動装置
73 圧縮エア供給装置
81 不良品排出口
82 良品排出口
9 圧電式バルブ
91 バルブ本体
911 気体圧力室
912 気体排出路
92 弁体
93 圧電素子
94 変位拡大機構
95 弁座
98a,98b アーム部材
99a,99b 板ばね

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7