(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20240925BHJP
B60W 30/06 20060101ALI20240925BHJP
B60W 40/09 20120101ALI20240925BHJP
G08G 1/14 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
G01C21/26 C
B60W30/06
B60W40/09
G08G1/14 A
(21)【出願番号】P 2020188651
(22)【出願日】2020-11-12
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】黒崎 竜治
(72)【発明者】
【氏名】竹内 香織
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-091465(JP,A)
【文献】国際公開第2017/068699(WO,A1)
【文献】特開2019-167098(JP,A)
【文献】特開2019-096086(JP,A)
【文献】特開2022-046377(JP,A)
【文献】特開2019-096124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-25/00
B60W 40/09
B60W 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が駐車場の駐車を実行した際に、前記駐車場を特定する駐車場データと前記駐車に関連付けられる運転操作を示す操作データが入力される受付部と、
コントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記駐車を実行した際の前記駐車場の環境を示す第1環境データを取得し、
前記操作データ及び前記第1環境データに基づいて、前記運転操作に対する変動要因があるか否かを判定し、
前記変動要因があると判定した場合、前記駐車を実行する際の前記駐車場の環境を示す第2環境データを取得し、
前記第2環境データに基づいて前記操作データを補正して補正操作データを算出し、
前記補正操作データに基づいて、前記駐車の難易度を示す指標を算出し、
前記駐車場と前記指標を関連付けて出力すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記コントローラは、
前記変動要因がないと判定した場合、前記操作データに基づいて前記指標を算出すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項
1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記操作データは、前記駐車を実行した際の切り返し回数の情報を含むこと
を特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項
1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記操作データは、前記駐車を実行した際のシフトポジション変更回数の情報を含むこと
を特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項
1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記操作データは、前記駐車を実行した際の前記車両の走行距離の情報を含むこと
を特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項
1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記操作データは、前記駐車を実行した際の前記車両の車速の情報を含むこと
を特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項
1~6のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記操作データは、前記駐車を実行した際の前記車両と前記車両の外部の障害物との距離に関する情報を含むこと
を特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項
1~7のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記駐車場と前記指標を関連付けて提示する提示部を更に備えること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
請求項
8に記載の情報処理装置であって、
前記提示部は、前記指標が小さい前記駐車場ほど高い優先度で提示すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
請求項
8又は9に記載の情報処理装置であって、
前記提示部は、前記車両に搭載された端末、又は、ユーザの端末であること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
請求項
1~10のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記車両は、自動運転によって前記駐車を実行可能な車両であること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
請求項
1~11のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記コントローラは、
運転者の運転スキルを示す運転者情報を取得し、
前記運転者情報に基づいて設定した閾値を設定し、
前記閾値を超えない大きさの前記指標に関連付けられる前記駐車場を前記運転者に推奨すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
請求項
1~12のいずれか一項に記載の情報処理装置に前記駐車場データを送信し、
前記情報処理装置から、前記駐車場データによって特定される前記駐車場の前記指標を受信すること
を特徴とする情報端末。
【請求項14】
請求項
13に記載の情報端末であって、
前記指標をユーザに通知する通知部を更に備えること
を特徴とする情報端末。
【請求項15】
車両が駐車場の駐車を実行した際に、前記駐車場を特定する駐車場データと前記駐車に関連付けられる運転操作を示す操作データ
が入力されるコントローラを制御する情報処理方法であって、
前記コントローラは、
前記駐車を実行した際の前記駐車場の環境を示す第1環境データを取得し、
前記操作データ及び前記第1環境データに基づいて、前記運転操作に対する変動要因があるか否かを判定し、
前記変動要因があると判定した場合、前記駐車を実行する際の前記駐車場の環境を示す第2環境データを取得し、
前記第2環境データに基づいて前記操作データを補正して補正操作データを算出し、
前記補正操作データに基づいて、前記駐車の難易度を示す指標を算出し、
前記駐車場と前記指標を関連付けて出力すること
を特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場についての営業時間、車種別規制条件、料金等を加味して利用者の希望に即した駐車場を表示する駐車場案内方法に関する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、運転者の駐車時の運転スキルを加味して運転者の希望に即した駐車場を表示するものではない。そのため、駐車場についての営業時間、車種別規制条件、料金等に基づいたとしても、駐車場に車両を駐車させることが苦手な運転者にとって適切な駐車場を表示することができないおそれがあるという課題がある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、駐車場における車両の駐車の難易度を提供することが可能な情報処理装置及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した問題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置及び情報処理方法は、車両による駐車場の駐車に関連付けられる運転操作を示す操作データを受け付け、操作データに基づいて、駐車の難易度を示す指標を算出し、駐車場と指標を関連付けて出力する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、駐車場における車両の駐車の難易度を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の処理(登録処理)を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の処理(算出処理)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。説明において、同一のものには同一符号を付して重複説明を省略する。
【0010】
[情報処理装置の構成]
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理装置1の構成例を説明する。情報処理装置1は車両に搭載されるものであってもよいし、車両の外部に設置されるものであってもよい。なお、以下では、本実施形態の車両は、運転者が手動で駐車を実行する車両であるとして説明するが、これに限定されない。例えば、自動駐車を実行可能な車両であってもよい。
【0011】
図1に示すように情報処理装置1は、駐車場データ受付部21と、操作データ受付部22と、記憶部25と、コントローラ100とを備える。その他、情報処理装置1は、提示部300を備えるものであってもよい。
【0012】
駐車場データ受付部21は、駐車場特定部11及びコントローラ100と接続され、駐車場特定部11から駐車場を特定するための駐車場データを受け付ける。駐車場特定部11は、車両が駐車した駐車場を特定する情報を、駐車場データとして生成する。例えば、駐車場データには、駐車場の位置情報、又は、データベース上で駐車場に紐づけられた固有番号などの情報が含まれる。駐車場特定部11によって生成された駐車場データは、駐車場データ受付部21に入力される。
【0013】
なお、駐車場特定部11によって生成された駐車場データ以外にも、駐車場データ受付部21は、車両が駐車を予定している駐車場を特定する情報を駐車場データとして受け付けるものであってもよい。
【0014】
駐車場データ受付部21は、受け付けた駐車場データをコントローラ100に送信する。その他、駐車場データ受付部21は、受け付けた駐車場データを後述する記憶部25に送信するものであってもよい。
【0015】
操作データ受付部22は、車両操作装置12及びコントローラ100と接続され、車両操作装置12から操作データを受け付ける。車両操作装置12は、車両が駐車を実行した際に、駐車に関連付けられる運転操作を示す操作データを生成する。
【0016】
ここで、「駐車に関連付けられる運転操作」には、車両が駐車場に接近して駐車場に停車するまでの間に車両に対して行われた運転操作が含まれうる。「駐車に関連付けられる運転操作」には、車両が駐車場から発進して駐車場から離れるまでの間に車両に対して行われた運転操作が含まれうる。
【0017】
つまり、「駐車に関連付けられる運転操作」には、車両が駐車場に停車したタイミングから当該タイミングよりも所定時間前のタイミングまでの期間内に車両に対して行われた運転操作が含まれていてもよい。「駐車に関連付けられる運転操作」には、車両が駐車場から発進したタイミングから当該タイミングよりも所定時間後のタイミングまでの期間内に車両に対して行われた運転操作が含まれていてもよい。
【0018】
または、「駐車に関連付けられる運転操作」には、駐車場から所定距離内に車両が位置する間に、車両に対して行われた運転操作が含まれていてもよい。
【0019】
「運転操作」には、車両の走行を制御する種々の操作が含まれうる。そのため、「操作データ」には、例えば、切り返し回数の情報、シフトポジション変更回数の情報などが含まれていてもよい。その他にも、「操作データ」には、車両の走行距離の情報、車両の車速の情報、車両と車両の外部の障害物との距離に関する情報などが含まれていてもよい。
【0020】
「運転操作」は、車両に乗車する運転者、あるいは、車両の外部にいる運転者が手動で行う操作であってもよいし、図示しない運転支援装置が自動運転で行う操作であってもよい。「操作データ」は、上述した種々の「運転操作」の内容を示す情報である。
【0021】
その他、「操作データ」には、上述した「運転操作」の内容を示す情報と共に、車両が駐車を実行した時期(年月日)や時間帯(時刻)、駐車を実行した際の駐車場周辺の天候に関する情報(駐車場が位置するエリアの天候の情報)、駐車場又は駐車場付近の混雑状況を示す情報など、駐車の際の駐車場の環境を表す環境データが付随していてもよい。なお、環境データは、図示しない外部サーバから取得されるものであってもよいし、車両に搭載されたセンサによって取得されるものであってもよい。
【0022】
操作データ受付部22は、車両操作装置12から受け付けた操作データ及び環境データをコントローラ100に送信する。その他、操作データ受付部22は、受け付けた操作データ及び環境データを後述する記憶部25に送信するものであってもよい。
【0023】
記憶部25は、コントローラ100と接続され、駐車場データ受付部21によって受け付けた駐車場データ、操作データ受付部22によって受け付けた操作データ及び環境データを記憶する。記憶部25は、受け付けたデータ(駐車場データ、操作データ、環境データ)を、所定時間の間、記憶するものであってもよい。すなわち、記憶されたデータは、記憶されてから所定時間の間、記憶部25によって保持され、記憶されてから所定時間が経過した後には、削除されるものであってもよい。
【0024】
コントローラ100は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、記憶装置、入出力部などを備える汎用のコンピュータである。コントローラ100は、提示部300及び情報端末400と接続される。
【0025】
コントローラ100には、情報処理装置1として機能させるためのコンピュータプログラムがインストールされている。コンピュータプログラムを実行することにより、コントローラ100は情報処理装置1が備える複数の情報処理回路として機能する。
【0026】
なお、ここでは、ソフトウェアによって情報処理装置1が備える複数の情報処理回路を実現する例を示すが、もちろん、以下に示す各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して情報処理回路を構成することも可能である。また、複数の情報処理回路を個別のハードウェアにより構成してもよい。
【0027】
コントローラ100は、複数の情報処理回路として、要因判定部110と、指標算出部120と、送信部130とを備える。
【0028】
要因判定部110は、操作データ及び環境データに基づいて、駐車を実行した際の駐車に関連付けられる運転操作に変動要因があるか否かを判定する。例えば、要因判定部110は、記憶部25に記憶され蓄積された複数の操作データ及び環境データの間の相関関係の有無を分析し、相関係数が所定の閾値以上である場合に、運転操作に変動要因があると判定するものであってもよい。
【0029】
要因判定部110は、操作データ及び環境データの間の相関分析以外にも、機械学習による分析に基づいて運転操作に変動要因があるか否かを判定するものであってもよい。
【0030】
要因判定部110による判定結果は、駐車場データ、操作データに関連付けられて、記憶部25に記憶される。その他、複数の操作データ及び環境データの間の関係性(相関分析又は機械学習などによって得られた関係性)について、記憶部25に記憶されるものであってもよい。
【0031】
また、要因判定部110は、変動要因がある運転操作が行われた駐車場を、「変動要因がある駐車場」として分類し、変動要因がない運転操作が行われた駐車場を、「変動要因がない駐車場」として分類するものであってもよい。要因判定部110による分類結果は、駐車場データ、操作データに関連付けられて、記憶部25に記憶されるものであってよい。
【0032】
指標算出部120は、操作データに基づいて、駐車場データによって特定される駐車場における駐車の難易度を示す指標を算出する。なお、指標が大きいほど、駐車の難易度が高いことを意味する。
【0033】
例えば、指標算出部120は、駐車を実行した際の切り返し回数の情報を参照し、当該切り返し回数が小さい場合に算出される指標と比較して、当該切り返し回数が大きい場合に算出される指標が大きくなるよう、指標を算出するものであってもよい。
【0034】
また、指標算出部120は、駐車を実行した際のシフトポジション変更回数の情報を参照し、当該シフトポジション変更回数が小さい場合に算出される指標と比較して、当該シフトポジション変更回数が大きい場合に算出される指標が大きくなるよう、指標を算出するものであってもよい。
【0035】
さらに、指標算出部120は、駐車を実行した際の車両の走行距離の情報を参照し、当該走行距離が小さい場合に算出される指標と比較して、当該走行距離が大きい場合に算出される指標が大きくなるよう、指標を算出するものであってもよい。
【0036】
また、指標算出部120は、駐車を実行した際の車両の車速の情報を参照し、当該車速が大きい場合に算出される指標と比較して、当該車速が小さい場合に算出される指標が大きくなるよう、指標を算出するものであってもよい。
【0037】
さらに、指標算出部120は、駐車を実行した際の車両と車両の外部の障害物との距離に関する情報を参照し、当該距離が長い場合に算出される指標と比較して、当該距離が短い場合に算出される指標が大きくなるよう、指標を算出するものであってもよい。
【0038】
その他、指標算出部120は、「変動要因がある駐車場」と「変動要因がない駐車場」とで、異なる算出方法で指標を算出するものであってもよい。例えば、指標算出部120は、「変動要因がある駐車場」に対する駐車に関連付けられる運転操作を示す操作データについて、変動要因による影響を除去する補正を行って補正操作データを算出し、補正操作データに基づいて難易度を示す指標を算出するものであってもよい。
【0039】
一方、「変動要因がない駐車場」に対する駐車に関連付けられる運転操作を示す操作データについて、当該操作データに基づいて難易度を示す指標を算出するものであってもよい。
【0040】
変動要因による影響を除去する補正について注記する。「変動要因がある駐車場」において行われた運転操作は、駐車の際の駐車場の環境に依存して変動しうる。そこで、「変動要因がある駐車場」に対する駐車が予定されている場合には、複数の操作データ及び環境データ(第1環境データ)の間の関係性と、駐車を実行する際の当該駐車場での環境に対応する環境データ(第2環境データ)に基づいて、操作データを補正するものであってもよい。
【0041】
ここで、駐車を実行する際の当該駐車場での環境に対応する環境データ(第2環境データ)は、図示しない外部サーバから取得されるものであってもよいし、外部サーバから取得された情報に基づいて推定されるものであってもよい。
【0042】
その他、指標算出部120は、運転者の運転スキルを示す運転者情報を取得し、運転者情報に基づいて設定した閾値を設定し、閾値を超えない大きさの指標に関連付けられる駐車場を運転者に推奨する駐車場として抽出するものであってもよい。
【0043】
送信部130は、駐車場の情報と当該駐車場の駐車の難易度を示す指標とを関連付けて出力する。例えば、送信部130からの出力は、提示部300又は情報端末400に入力される。
【0044】
提示部300は、例えば、車両に搭載された端末、又は、ユーザの端末である。提示部300は、送信部130からの出力を処理して、ディスプレイ又はスピーカなどを介して、光又は音声によりユーザに提示する。
【0045】
例えば、提示部300は、駐車場の情報と当該駐車場の駐車の難易度を示す指標とを関連付けて提示するものであってもよい。また、提示部300は、複数の駐車場に関する情報を提示する際に、駐車の難易度を示す指標が小さい駐車場ほど高い優先度で提示するものであってもよい。
【0046】
情報端末400は、例えば、車両に搭載された端末、又は、ユーザの端末である。情報端末400は、情報処理装置1に対して駐車場データを送信し、送信した駐車場データによって特定される駐車場に対する駐車の難易度を示す指標を受信する。なお、情報端末400は、受信した情報をユーザに通知する通知部を備えるものであってもよい。通知部の構成は、上述した提示部300と同様であってもよい。
【0047】
[情報処理装置の処理手順(登録処理)]
次に、本実施形態に係る情報処理装置1の処理のうち、登録処理に関する手順を、
図2のフローチャートを参照して説明する。
図2に示す情報処理装置1の処理は、車両が駐車場に接近して駐車場に停車した後、又は、車両が駐車場から発進して駐車場から離れた後に開始される。
【0048】
まず、ステップS101において、駐車場データ受付部21は駐車場データを受け付ける。また、ステップS103において、操作データ受付部22は操作データ及び環境データを受け付ける。
【0049】
ステップS105において、要因判定部110は、操作データ及び環境データに基づいて、駐車に関連付けられる運転操作に変動要因があるか否かの分析を実行する。そして、ステップS107において、要因判定部110は、分析の結果に基づいて運転操作に変動要因があるか否かの判定を行う。
【0050】
変動要因があると判定された場合(ステップS107でYESの場合)には、ステップS109において、要因判定部110は、変動要因があると判定された運転操作が行われた駐車場を「変動要因がある駐車場」として分類する。
【0051】
一方、変動要因がないと判定された場合(ステップS107でNOの場合)には、ステップS111において、要因判定部110は、変動要因がないと判定された運転操作が行われた駐車場を「変動要因がない駐車場」として分類する。
【0052】
そして、ステップS113において、分類結果が記憶部25に記憶される。その後、登録処理は終了する。
【0053】
[情報処理装置の処理手順(算出処理)]
次に、本実施形態に係る情報処理装置1の処理のうち、算出処理に関する手順を、
図3のフローチャートを参照して説明する。
図3に示す情報処理装置1の処理は、車両を駐車させる駐車場の候補が複数存在する場合には、それぞれの候補に対して順次実行される。
【0054】
まず、ステップS201において、駐車場データ受付部21は駐車場データを受け付ける。
【0055】
ステップS203において、指標算出部120は、記憶部25を参照し、駐車場データに対応付けられた駐車場の分類結果を参照し、駐車場に関連付けられた変動要因の有無を取得する。
【0056】
そして、ステップS205において、指標算出部120は、駐車場が「変動要因がある駐車場」として分類されているのかを判定する。
【0057】
変動要因がないと判定された場合(ステップS205でNOの場合)、すなわち、駐車場が「変動要因がない駐車場」として分類されていると判定された場合には、次に、ステップS211に進む。
【0058】
変動要因があると判定された場合(ステップS205でYESの場合)、すなわち、駐車場が「変動要因がある駐車場」として分類されていると判定された場合には、ステップS207において、指標算出部120は、駐車を実行する際の当該駐車場での環境に対応する環境データ(第2環境データ)を取得する。
【0059】
そして、ステップS209において、指標算出部120は、取得した環境データ(第2環境データ)に基づいて、変動要因による影響を除去する補正を行って補正操作データを算出する。
【0060】
ステップS211において、指標算出部120は、操作データ、又は、補正操作データに基づいて、駐車場データによって特定される駐車場における駐車の難易度を示す指標を算出する。その後、算出処理は終了する。
【0061】
[実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る情報処理装置及び情報処理方法は、車両が駐車場の駐車を実行した際に、駐車場を特定する駐車場データと駐車に関連付けられる運転操作を示す操作データを受け付け、操作データに基づいて、駐車の難易度を示す指標を算出し、駐車場と指標を関連付けて出力する。
【0062】
これにより、駐車場における車両の駐車の難易度を提供することができる。また、駐車場における車両の駐車の難易度に基づいて駐車場を目的地に設定できるようになるため、運転者の運転スキルに見合わない駐車場が運転者に提案される可能性を低減できる。また、車両が駐車場に到着した後の駐車、又は、駐車場からの発進に係るユーザの労力や負担を低減することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0063】
また、本実施形態に係る情報処理装置及び情報処理方法は、駐車を実行した際の駐車場の環境を示す第1環境データを取得し、操作データ及び第1環境データに基づいて、運転操作に対する変動要因があるか否かを判定し、変動要因がないと判定した場合、操作データに基づいて指標を算出するものであってもよい。変動要因のある駐車場を除いて指標が算出される結果、より正確な、駐車場における車両の駐車の難易度を提供することができる。
【0064】
さらに、本実施形態に係る情報処理装置及び情報処理方法は、変動要因があると判定した場合、駐車を実行する際の駐車場の環境を示す第2環境データを取得し、第2環境データに基づいて操作データを補正して補正操作データを算出し、補正操作データに基づいて、指標を算出するものであってもよい。これにより、変動要因による運転操作への影響が取り除かれ、より正確に指標を算出することができ、より正確な、駐車場における車両の駐車の難易度を提供することができる。
【0065】
また、本実施形態に係る情報処理装置及び情報処理方法において、操作データは、駐車を実行した際の切り返し回数の情報を含むものであってもよい。これにより、駐車に際して高い運転スキルが必要と考えられる駐車場について、駐車の難易度をより正確に提示することができる。さらには、切り返し回数が小さいほど指標を小さく算出することで、難易度が小さい駐車場を選択したユーザの労力や負担を低減できる。
【0066】
さらに、本実施形態に係る情報処理装置及び情報処理方法において、操作データは、駐車を実行した際のシフトポジション変更回数の情報を含むものであってもよい。これにより、駐車に際して高い運転スキルが必要と考えられる駐車場について、駐車の難易度をより正確に提示することができる。さらには、シフトポジション変更回数が小さいほど指標を小さく算出することで、難易度が小さい駐車場を選択したユーザの労力や負担を低減できる。
【0067】
また、本実施形態に係る情報処理装置及び情報処理方法において、操作データは、駐車を実行した際の車両の走行距離の情報を含むものであってもよい。これにより、駐車に際して高い運転スキルが必要と考えられる駐車場について、駐車の難易度をより正確に提示することができる。さらには、車両の走行距離が小さいほど指標を小さく算出することで、難易度が小さい駐車場を選択したユーザの労力や負担を低減できる。
【0068】
さらに、本実施形態に係る情報処理装置及び情報処理方法において、操作データは、駐車を実行した際の車両の車速の情報を含むものであってもよい。これにより、駐車に際して高い運転スキルが必要と考えられる駐車場について、駐車の難易度をより正確に提示することができる。さらには、車両の車速が大きいほど指標を小さく算出することで、難易度が小さい駐車場を選択したユーザの労力や負担を低減できる。
【0069】
また、本実施形態に係る情報処理装置及び情報処理方法において、操作データは、駐車を実行した際の車両と車両の外部の障害物との距離に関する情報を含むものであってもよい。これにより、駐車に際して高い運転スキルが必要と考えられる駐車場について、駐車の難易度をより正確に提示することができる。さらには、障害物との距離が大きいほど指標を小さく算出することで、難易度が小さい駐車場を選択したユーザの労力や負担を低減できる。
【0070】
さらに、本実施形態に係る情報処理装置及び情報処理方法は、提示部を介して駐車場と指標を関連付けて提示するものであってもよい。また、本実施形態に係る情報処理装置及び情報処理方法は、指標が小さい駐車場ほど高い優先度で提示するものであってもよい。さらに、本実施形態に係る情報処理装置及び情報処理方法は、車両に搭載された端末、又は、ユーザの端末によって、駐車場と指標を関連付けて提示するものであってもよい。これらにより、情報の提示を受けたユーザは、複数の駐車場の間での比較を行うことができ、いずれの駐車場に駐車すべきかを提示された難易度を示す指標に基づいてユーザが判断することができる。
【0071】
また、本実施形態に係る情報処理装置及び情報処理方法において、車両は、自動運転によって駐車を実行可能な車両であってもよい。これにより、運転支援装置によって得られる自動運転に関する情報に基づいて、駐車の難易度を示す指標を算出することができ、より正確な、駐車場における車両の駐車の難易度を提供することができる。
【0072】
また、本実施形態に係る情報処理装置及び情報処理方法は、運転者の運転スキルを示す運転者情報を取得し、運転者情報に基づいて設定した閾値を設定し、閾値を超えない大きさの指標に関連付けられる駐車場を運転者に推奨するものであってもよい。これにより、運転者が自身の運転スキルに合わせて駐車場を選択することができるように、駐車場における車両の駐車の難易度を提供することができる。
【0073】
さらに、本実施形態に係る情報端末は、上述した情報処理装置に駐車場データを送信し、情報処理装置から、駐車場データによって特定される駐車場の指標を受信するものであってもよい。これにより、注目した駐車場に関する難易度を得ることができる。さらには、情報端末がナビゲーションシステム、運転支援装置である場合に、より正確な難易度に基づいて駐車が可能な駐車場を選択することができ、システム全体の稼働効率が向上する。さらには、ユーザの利便性も向上する。
【0074】
また、本実施形態に係る情報端末は、通知部を介して指標をユーザに通知するものであってもよい。これにより、運転者が自身の運転スキルに合わせて駐車場を選択することができるように、駐車場における車両の駐車の難易度を提供することができる。
【0075】
上述の実施形態で示した各機能は、1又は複数の処理回路によって実装されうる。処理回路には、プログラムされたプロセッサや、電気回路などが含まれ、さらには、特定用途向けの集積回路(ASIC)のような装置や、記載された機能を実行するよう配置された回路構成要素なども含まれる。
【0076】
以上、実施形態に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0077】
本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0078】
1 情報処理装置
11 駐車場特定部
12 車両操作装置
21 駐車場データ受付部
22 操作データ受付部
25 記憶部
100 コントローラ
110 要因判定部
120 指標算出部
130 送信部
300 提示部
400 情報端末