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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】媒体支持装置及び印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 16/06 20060101AFI20240925BHJP
   B41J 15/04 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B65H16/06 B
B41J15/04
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020198323
(22)【出願日】2020-11-30
(65)【公開番号】P2022086368
(43)【公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100143960
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 早百合
(72)【発明者】
【氏名】戸松 義也
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-010944(JP,A)
【文献】特開平10-035960(JP,A)
【文献】特開2006-188355(JP,A)
【文献】特開2017-132611(JP,A)
【文献】特開昭62-269836(JP,A)
【文献】特開2012-136343(JP,A)
【文献】特開2015-134686(JP,A)
【文献】特開2002-046902(JP,A)
【文献】米国特許第05060878(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 16/00-16/10
B65H 19/00-19/30
B65H 75/14
B41J 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の紙管周りに長尺状の印刷媒体が巻回されたロールの前記紙管が挿通される、軸方向に延びる軸部と、
前記軸部よりも前記軸方向に交差する方向に突出し、前記軸部に挿通された前記ロールの前記軸方向の位置を規定する第一フランジであって、
前記軸方向の一端側の面であって、前記ロールと対向する第一対向面と、
前記第一対向面から前記軸方向の前記一端側に突出し、前記紙管と当接する第一当接部と
を有する前記第一フランジと、
前記軸部よりも前記軸方向に交差する方向に突出し、前記軸部に挿通された前記ロールの前記軸方向の位置を規定する第二フランジであって、
前記軸方向の他端側の面であって、前記ロールと対向する第二対向面と、
前記第二対向面から前記軸方向の前記他端側に突出し、前記紙管と当接する第二当接部と
を有する前記第二フランジと、
前記軸方向に延びる軸心周りに回動可能であり、前記軸部に挿通され、前記軸部、前記第一フランジ、及び前記第二フランジに対して相対的に回動することで、前記第一当接部と前記第二当接部とで前記紙管を前記軸方向に押圧して挟持する挟持位置と、前記第一当接部と前記第二当接部との少なくとも一方が前記紙管から離隔した離隔位置とに前記第一フランジと、前記第二フランジとの相対位置を変更可能なネジ部材と
を備えたことを特徴とする媒体支持装置。
【請求項2】
前記第一当接部は、前記軸方向の前記一端側の面に、前記軸方向の前記一端側に突出する複数の第一凸部を有し、
前記第二当接部は、前記軸方向の前記他端側の面に、前記軸方向の前記他端側に突出する複数の第二凸部を有することを特徴とする請求項1に記載の媒体支持装置。
【請求項3】
前記軸部は、
前記第一当接部よりも前記軸方向の前記一端側に突出した第一突出部を有し、前記第一フランジと共に、前記ネジ部材に対し前記軸方向に移動可能な第一スリーブと
前記第二当接部よりも前記軸方向の前記他端側に突出した第二突出部を有し、前記第二フランジと共に、前記ネジ部材に対し前記軸方向に移動可能な第二スリーブと
を含み、
前記第一スリーブは、前記第二スリーブに対し前記軸方向に移動可能に、前記第二スリーブと係合することを特徴とする請求項1又は2に記載の媒体支持装置。
【請求項4】
前記第一フランジは、前記第一スリーブと取り外し可能に嵌合することを特徴とする請求項3に記載の媒体支持装置。
【請求項5】
前記ネジ部材は、前記軸方向において互いに異なる位置に位置する一対のネジ山を有し、
前記第一スリーブは、前記一対のネジ山の一方と係合する第一係合凸部を有し、
前記第二スリーブは、前記一対のネジ山の他方と係合する第二係合凸部を有し、
前記ネジ部材の回転に応じて、前記第一フランジと、前記第二フランジとの各々が前記ネジ部材に対し、前記第一フランジと、前記第二フランジとが近接する方向、又は前記第一フランジと、前記第二フランジとが離隔する方向に移動することを特徴とする請求項3又は4に記載の媒体支持装置。
【請求項6】
前記一対のネジ山は、前記軸方向に対して垂直、且つ、前記ネジ部材の前記軸方向の中心部を通る仮想面に対して対称であり、
前記第一係合凸部は、前記一対のネジ山の一方と螺合する第一雌ネジ部であり、
前記第二係合凸部は、前記一対のネジ山の他方と螺合する第二雌ネジ部であることを特徴とする請求項5に記載の媒体支持装置。
【請求項7】
前記軸方向に延び、前記第二フランジの前記軸方向の前記一端側から、前記第二スリーブの前記第二突出部に挿通され、前記第一フランジ、前記第二フランジ、及び前記軸部が、前記ネジ部材と共に回転することを規制するストッパーを更に備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の媒体支持装置。
【請求項8】
前記ネジ部材の前記軸方向の前記他端側の端部は、前記第一フランジよりも前記軸方向の前記他端側にあり、
前記媒体支持装置は、前記ネジ部材の前記第一フランジよりも前記軸方向の前記他端側にノブを更に備えることを特徴する請求項1から7の何れかに記載の媒体支持装置。
【請求項9】
前記第二フランジは把持部を有し、
前記第一フランジの前記第一対向面とは反対側の反対面は、前記軸方向の前記一端側に凹む凹部を備えることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の媒体支持装置。
【請求項10】
前記ストッパーは、前記第二フランジよりも前記軸方向の前記一端側に、印刷装置の駆動部の動力を伝達する被係合部に取り外し可能に係合する係合部を有し、
前記ネジ部材の前記軸方向の前記他端側の端部は、前記第一フランジよりも前記軸方向の前記他端側まで延び、
前記媒体支持装置は、前記係合部を前記被係合部と係合させ、前記ネジ部材の前記軸方向の前記他端側の前記端部を支持させた状態で、前記印刷装置の収容部に取り出し可能に収容され、前記駆動部の駆動に応じて、前記軸心周りに、前記第一フランジ、前記第二フランジ、前記軸部、及び前記ストッパーが回転することを特徴とする請求項7に記載の媒体支持装置。
【請求項11】
請求項10に記載の媒体支持装置と、
前記媒体支持装置の前記係合部と取り外し可能に係合する前記被係合部に動力を伝達し、前記媒体支持装置の前記第一フランジ、前記第二フランジ、前記軸部、及び前記ストッパーを回動する前記駆動部と、
前記ネジ部材の前記軸方向の前記他端側の前記端部を支持された前記媒体支持装置を収容する前記収容部と
を備えることを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体支持装置及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置にロール状に巻回された長尺の印刷媒体を供給する媒体支持装置が種々開発されている(例えば、特許文献1)。媒体支持装置は、ノブ、スクリューシャフト、紙管挿入軸、及びブレードを備え、ユーザによるノブの回転に応じて、スクリューシャフトを回転させ、ブレードを紙管挿入軸の外周に等間隔で設けたスリットから突出させる。スリットからを紙管挿入軸の外側に突出したブレードは、紙管挿入軸に挿通されたロールの軸芯をなす紙管の内周に当接し、紙管を固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-026426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の媒体支持装置では、紙管の径のバラツキに起因して、紙管を安定して固定できない場合がある。
【0005】
本発明は、紙管の径にバラツキがある場合でも、紙管を従来よりも安定して固定可能な媒体支持装置及び印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る媒体支持装置は、筒状の紙管周りに長尺状の印刷媒体が巻回されたロールの前記紙管が挿通される、軸方向に延びる軸部と、前記軸部よりも前記軸方向に交差する方向に突出し、前記軸部に挿通された前記ロールの前記軸方向の位置を規定する第一フランジであって、前記軸方向の一端側の面であって、前記ロールと対向する第一対向面と、前記第一対向面から前記軸方向の前記一端側に突出し、前記紙管と当接する第一当接部とを有する前記第一フランジと、前記軸部よりも前記軸方向に交差する方向に突出し、前記軸部に挿通された前記ロールの前記軸方向の位置を規定する第二フランジであって、前記軸方向の他端側の面であって、前記ロールと対向する第二対向面と、前記第二対向面から前記軸方向の前記他端側に突出し、前記紙管と当接する第二当接部とを有する前記第二フランジと、前記軸方向に延びる軸心周りに回動可能であり、前記軸部に挿通され、前記軸部、前記第一フランジ、及び前記第二フランジに対して相対的に回動することで、前記第一当接部と前記第二当接部とで前記紙管を前記軸方向に押圧して挟持する挟持位置と、前記第一当接部と前記第二当接部との少なくとも一方が前記紙管から離隔した離隔位置とに前記第一フランジと、前記第二フランジとの相対位置を変更可能なネジ部材とを備える。
【0007】
第一態様の媒体支持装置は、紙管の両端部を第一当接部と、第二当接部とにより押圧して狭持するので、紙管の径にバラツキがある場合でも、紙管を従来よりも安定して固定できる。
【0008】
本発明の第二態様に係る印刷装置は、第一態様の媒体支持装置の前記係合部と取り外し可能に係合する前記被係合部に動力を伝達し、前記媒体支持装置の前記第一フランジ、前記第二フランジ、前記軸部、及び前記ストッパーを回動する前記駆動部と、前記ネジ部材の前記軸方向の前記他端側の前記端部を支持された前記媒体支持装置を収容する前記収容部とを備える。
【0009】
第二態様の印刷装置は、媒体支持装置が、紙管の両端部を第一当接部と、第二当接部とにより押圧して狭持することで、紙管の径にバラツキがある場合でも、紙管を従来よりも安定して固定できるので、従来の媒体支持装置を備える場合よりも、安定して印刷媒体を搬送できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】印刷装置1の斜視図である。
図2】印刷装置1の内部構成を示す断面図である。
図3】マガジン4に支持された媒体支持装置5の斜視図である。
図4】マガジン4に支持された媒体支持装置5の背面図である。
図5】(A)はストッパー20の係合部25と、被係合部108とを係合させる前の媒体支持装置5の斜視図であり、(B)はストッパー20の係合部25と、被係合部108とを係合させた媒体支持装置5の斜視図である。
図6】ストッパー20の係合部25と、被係合部108とを係合させる前の媒体支持装置5の斜視図である。
図7】媒体支持装置5の分解斜視図である。
図8】(A)は第一フランジ6と、第二フランジ7との軸方向Dの間隔が最も広い状態の媒体支持装置5の斜視図であり、(B)は第一フランジ6と、第二フランジ7との軸方向Dの間隔が最も狭い状態の媒体支持装置5の斜視図である。
図9】(A)は第一フランジ6と、第二フランジ7との軸方向Dの間隔が最も広い状態の媒体支持装置5の断面図であり、(B)は第一フランジ6と、第二フランジ7との軸方向Dの間隔が最も狭い状態の媒体支持装置5の断面図である。
図10】(A)は変形例の媒体支持装置150から第一フランジ6及び第一スリーブ9が取り外された状態の媒体支持装置150の斜視図であり、(B)は第一フランジ6と、第二フランジ7との軸方向Dの間隔が最も広い状態の媒体支持装置150の斜視図であり、(C)は第一フランジ6と、第二フランジ7との軸方向Dの間隔が最も狭い状態の媒体支持装置5の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態に係る印刷装置1及び媒体支持装置5について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載される装置の構成などは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。本実施形態の説明では、図1の左下側、右上側、右下側、左上側、上側、及び下側を各々、印刷装置1及び媒体支持装置5の前側、後側、右側、左側、上側、及び下側とする。
【0012】
図1から図9を参照して、印刷装置1及び媒体支持装置5の物理的構成を説明する。図1及び図2に示すように、印刷装置1は、長尺状の印刷媒体Mに印刷を行うインクジェットプリンタである。印刷媒体Mは、例えば、筒状の紙管C(図4参照)にロール状に巻回された長尺状の紙である。印刷装置1は、筐体2、表示部58、及び操作部59を備える。
【0013】
筐体2は、前壁34、右壁35、後壁36、左壁(図示略)、下壁37、上壁38、及びカバー33を有し、卓上に載置可能な大きさの直方体状である。筐体2には、排出口31及び開口32が形成される。排出口31は、筐体2の前壁34に、正面視左右方向に長い矩形状に形成される。開口32は、筐体2の右壁35の後下部に、右側面視矩形状に形成される。カバー33は、右側面視矩形状の板であり、開口32を塞ぐ閉位置(図1中実線で図示)と、開口32を解放する開位置(図1中一点鎖線で図示)とに回動可能に筐体2の右側面の後下部に支持される。表示部58は、筐体2の前壁34の前面右上部に設けられ、画像を表示する。操作部59は、筐体2の前壁34の前面右上部の内、表示部58の下方に設けられ、各種指示を入力する複数のボタンである。表示部58及び操作部59は、排出口31の上方に設けられる。
【0014】
図2に示すように、印刷装置1は、筐体2の内部に、隔壁55、収容部3、マガジン4、媒体支持装置5、駆動機構110、印刷ヘッド46、第一搬送部47、第一搬送駆動部(図示略)、バックテンション付与部85、定着ユニット40、第二搬送部49、第二搬送駆動部(図示略)、第三搬送部50、及び第三搬送駆動部(図示略)を備える。隔壁55は、筐体2の下壁37から上方に延びる第一壁部56と、第一壁部56の上端から後方に延びる第二壁部57とを有し、筐体2の内部空間を仕切る。第二壁部57は、筐体2の後壁36と前後方向に離隔する。収容部3は、閉位置にあるカバー33の左方、且つ、印刷装置1の後下部の、隔壁55と筐体2とによって囲まれた空間であり、後述のネジ部材10の軸方向他端側D2の端部を支持された媒体支持装置5を収容する。本実施形態の媒体支持装置5は、マガジン4と、駆動機構110とに後述の軸方向Dの両端部を支持された状態で、収容部3に収容される。
【0015】
図3及び図4に示すように、マガジン4は、背面面視L字状の支持台であり、媒体支持装置5の右端部を、左右方向に延びる軸心G周りに軸部8(後述)が回動可能に支持する。媒体支持装置5の右端部は、マガジン4に取り外し可能に支持される。マガジン4は、印刷装置1の収容部3に筐体2から取り出し可能に収容される。ユーザはロールRを交換する場合、カバー33を開位置に配置して、マガジン4を筐体2の内部から取り出し、ロールRの交換作業を行う。マガジン4は、台部310及び右壁部210を備える。台部310は水平方向に延びる板状である。右壁部210は、台部310の上面右部から上方に延びる板状である。右壁部210の上端部には下方に凹む支持部211が形成される。右壁部210及び左壁部100は、台部310に対して取り外し可能に装着される。
【0016】
図5に示すように、媒体支持装置5の左端部は、駆動機構110に対して取り外し可能である。駆動機構110は、左壁部100、凸部109、被係合部108、軸部103、ギヤ102、及び駆動部101を備える。左壁部100は、マガジン4が、収容部3に収容された状態において、台部310の上面左部の上方において台部310に略垂直に延びる板状である。凸部109は左壁部100の右面から左方に突出する部分である。被係合部108は、後述のストッパー20の係合部25と取り外し可能に係合する。被係合部108は、筒部106、凸部107、及び軸部105を備える。筒部106は、左壁部100を貫通する筒状の部分である。凸部107は、筒部106の内周に設けられ、軸心G側に突出する。図6に示すように、軸部103及びギヤ102は、左壁部100の左面に設けられる。軸部103は軸心Gに沿って延びる。ギヤ102は、軸部103を中心に回動可能であり、駆動部101の出力軸(図示略)に設けたギヤ(図示略)と噛み合う。軸部103は、筒部106と連結している。駆動部101は、左壁部100の左面側に設けられる。駆動部101の駆動に応じて、軸部103及び筒部106が軸心G周りに回転する。駆動部101は、例えば、正逆回転可能なステッピングモータである。
【0017】
図2に示すように、印刷ヘッド46は、収容部3から繰り出される印刷媒体Mに画像を印刷する。本実施形態の印刷ヘッド46は、液体Hを吐出方向に吐出する複数のノズル(図示略)を備え、複数のノズルから液体H(例えば、黒色インク)を吐出することで、印刷媒体Mに画像に印刷を行うインクジェットヘッドである。本実施形態の吐出方向は下方であり、印刷ヘッド46は、印刷媒体Mの搬送経路Qの上方に、複数のノズルが下方を向く姿勢で設けられる。搬送経路Qは、収容部3から繰り出され、排出口31から筐体2の外部に排出されるまでの、印刷媒体Mが搬送される経路である。液体Hは、チューブ(図示略)を介して筐体2の内部に配置されたタンク39から印刷ヘッド46に供給される。
【0018】
第一搬送部47は、印刷媒体Mを収容部3から印刷ヘッド46に向かう搬送方向Bと、搬送方向Bとは反対の戻し方向Eとに搬送する。搬送方向Bは収容部3から印刷ヘッド46に向かう搬送経路Qに沿った方向である。搬送方向Bは、搬送経路Q上の位置に応じて変化する方向である。収容部3からバックテンション付与部85までの搬送方向Bは、印刷媒体Mの残量に応じて変化する方向であり、印刷媒体Mの残量が初期値である場合、概ね上方である。バックテンション付与部85から排出口31までの搬送方向Bは、概ね前方である。つまり印刷装置1では、印刷媒体Mがバックテンション付与部85に当接する部分で、搬送経路Qが屈曲し、搬送方向Bが変化する。
【0019】
第一搬送部47は、印刷ヘッド46に対し搬送方向上流側、且つ 収容部3に対し搬送方向下流側に設けられる。本実施形態の第一搬送部47は、左右方向に延びる軸を中心に回転する搬送ローラ471と、ピンチローラ472とを有し、搬送ローラ471と、ピンチローラ472とで印刷媒体Mを上下に挟んでニップ搬送を行う。第一搬送駆動部は、第一搬送部47を回転駆動する。第一搬送駆動部は、例えば、正逆回転可能なステッピングモータである。
【0020】
バックテンション付与部85は、搬送経路Qにおいて、収容部3と第一搬送部47との間の印刷媒体Mにバックテンションを付与する。バックテンションは、印刷媒体Mの進行方向とは逆方向に作用する張力である。バックテンション付与部85は、第一搬送部47よりも搬送方向上流側、且つ、媒体支持装置5よりも搬送方向下流側に配置され、印刷媒体Mに当接して印刷媒体Mを搬送方向Bと交差する方向に付勢する。バックテンション付与部85は、第一搬送部47の後方、且つ、収容部3の上方に設けられる。バックテンション付与部85は、当接部材81、支持部材82、及び付勢部材(図示略)を備える。当接部材81は、印刷媒体Mが当接する当接面84を有する。支持部材82は、当接部材81を、搬送方向に交差する方向に移動可能に支持する。付勢部材は、例えば、コイルバネであり、当接部材81を搬送方向Bと交差する方向に付勢する。
【0021】
媒体支持装置5は、ロールRを左右方向(軸方向D)に延びる軸心Gを中心に回動可能に支持する。図3から図7に示すように、媒体支持装置5は、軸部8、第一フランジ6、第二フランジ7、ネジ部材10、ストッパー20、及びノブ45を備える。以下の説明では軸部8の回転中心を軸心Gとも言い、軸心G周りの方向を周方向と言う。軸心Gの延設方向を軸方向Dと言い、軸心Gと垂直な方向の内の軸心Gから離れる方向を径方向と言う。本実施形態の軸方向Dは左右方向であり、軸方向一端側D1は左方であり、軸方向他端側D2は右方である。
【0022】
軸部8は、軸方向Dに延びる長尺状の印刷媒体Mが巻回されたロールRの紙管Cに挿通される。図4に示すように、軸部8の径は、紙管Cの挿通孔径よりも小さい。本実施形態の軸部8は、第一スリーブ9及び第二スリーブ77を有する。図7に示すように、第一スリーブ9は、筒部90及び一対の第一突出部91を備える。筒部90は、第一スリーブ9の右端部に設けられた筒状の部分である。筒部90は、外周面93、鍔部92、複数の係合部94、内周面96、及び第一係合凸部95を備える。鍔部92は、外周面93よりも径方向に突出する部分であり、筒部90の左端部に設けられる。複数の係合部94は、筒部90の外周面93から径方向に突出する部分である。複数の係合部94は、周方向に略等間隔で筒部90の外周面93に配置される。第一係合凸部95は、筒部90の内周面96側に設けられ、軸心Gに向かって突出する凸部であり、後述のネジ部材10のネジ山13と係合する。本実施形態の第一係合凸部95は、ネジ山13と螺合する雌ネジである。第一係合凸部95は、筒部90の内周面96の右端部に、数リード分設けられる。第一係合凸部95は、周方向において、一対の第一突出部91が設けられた部分に設けられる。つまり、第一係合凸部95は、周方向の一部に設けられている。
【0023】
一対の第一突出部91は、鍔部92よりも左方に突出する、左側面視軸心Gを中心とする円弧に沿って扇状に湾曲した部分である。一対の第一突出部91は、左側面視、軸心Gに対して、互いに点対称に設けられている。一対の第一突出部91の径は、筒部90の径よりも小さく、一対の第一突出部91の右端部は、筒部90の右端部まで延びる。一対の第一突出部91は、後述の第一当接部64及び段部60よりも左方に突出する。第一スリーブ9の筒部90は、後述の第一フランジ6と取り外し可能に嵌合する。第一スリーブ9が第一フランジ6と嵌合された状態で、第一スリーブ9は、第一フランジ6と共に、ネジ部材10に対し軸方向Dに移動可能である。
【0024】
第二スリーブ77は、一対の第二突出部78及び第二係合凸部80を備える。一対の第二突出部78は各々、後述の第二当接部74及び段部76よりも軸方向他端側D2に突出する、右側面視軸心Gを中心とする円弧に沿って扇状に湾曲した部分である。一対の第二突出部78は、右側面視、軸心Gに対して、互いに点対称に設けられている。本実施形態の第二スリーブ77は後述の第二フランジ7と一体に形成されており、第二フランジ7と共に、ネジ部材10に対し軸方向Dに移動可能である。軸方向Dにおいて一対の第二突出部78の左端部は、第二フランジ7の左端部まで延びる。一対の第二突出部78には、左右方向に貫通する孔79が形成されており、一対の第二突出部78は各々、中空状である。一対の孔79には各々、後述のストッパー20の一対の突出部21が左方から挿通される。第二係合凸部80は、一対の第二突出部78の内側面の左端部に設けられ、軸心Gに向かって突出する凸部であり、後述のネジ部材10のネジ山14と係合する。本実施形態の第二係合凸部80は、ネジ山14と螺合する雌ネジである。第二係合凸部80は、一対の第二突出部78の内側面の左端部に、数リード分設けられる。第二係合凸部80は、周方向において一対の第二突出部78が設けられた部分に設けられる。つまり、第二係合凸部80は、周方向の一部に設けられている。
【0025】
第一スリーブ9は、第二スリーブ77に対し軸方向Dに移動可能に、第二スリーブ77と係合する。具体的には、図4に示すように、周方向において、第一スリーブ9の一対の第一突出部91の間の各々に、一対の第二突出部78が配置され、一対の第一突出部91と、一対の第二突出部78とが左右方向に移動可能に係合する。
【0026】
図8(A)及び図9(A)に示す、第一フランジ6と、第二フランジ7との軸方向Dの間隔が最も広い状態では、軸方向Dにおいて、一対の第一突出部91の左端部と、一対の第二突出部78の右端部とが、周方向に当接する。図8(B)及び図9(B)に示す、第一フランジ6と、第二フランジ7との軸方向Dの間隔が最も狭い状態では、一対の第一突出部91の左端部は、第二フランジ7よりも左方にある。一対の第二突出部78の右端部は、第一フランジ6よりも右方にある。一対の第一突出部91と、一対の第二突出部78とは、軸方向Dにおいて、第一フランジ6と第二フランジ7との間となる部分において、周方向に当接する。
【0027】
図3から図9に示すように、第一フランジ6は、軸部8よりも軸方向Dに交差する方向に突出し、軸部8に挿通されたロールRの軸方向Dの位置を規定する。第一フランジ6は、右側面視、正多角形状(正十六角形)の板状である。第一フランジ6の径は、ロールRの径よりも大きい。第一フランジ6は、第一対向面61、凹部62、外周壁部63、内周壁部68、複数のリブ69、段部60、及び第一当接部64を備える。第一対向面61は、第一フランジ6の面の内の軸方向一端側D1の面であって、ロールR及び第二フランジ7と対向する。第一対向面61は、軸心Gに対し略垂直に延びる。凹部62は、第一フランジ6の第一対向面61とは反対側において、軸方向一端側D1に凹む。外周壁部63は、第一フランジ6の外周に設けられ、第一対向面61から軸方向他端側D2に延びる。
【0028】
図7に示すように、内周壁部68は、第一フランジ6の内周に設けられ、第一対向面61から軸方向他端側D2に延びる。外周壁部63の右端及び内周壁部68の右端は各々、凹部62の左端よりも右方にある。内周壁66は、内周に複数の被係合部67を備える。複数の被係合部67は、内周壁66から軸心Gに向かう方向に突出する部分である。複数の被係合部67は、周方向に略等間隔で配置される。複数の被係合部67は各々、第一スリーブ9の対応する係合部94と取り外し可能に係合する。複数のリブ69は、凹部62から軸方向他端側D2に突出する。複数のリブ69は各々、軸心Gを中心に放射線状に延び、第一フランジ6の軸方向他端側D2の面に略等間隔で配置される。複数のリブ69の内、任意の隣合う一対のリブ69の間には、軸心Gを中心に放射線状に延び、左右方向に貫通する貫通孔70が形成されている。
【0029】
図4図6、及び図9に示すように、段部60及び第一当接部64は、第一対向面61から軸方向一端側D1に突出する。軸方向Dにける、段部60の第一対向面61からの突出量は、第一当接部64の第一対向面61からの突出量よりも大きい。段部60は第一当接部64よりも軸心G側に設けられる。図4に示すように、第一当接部64は、第一フランジ6と第二フランジ7との間に配置されたロールRの紙管Cの右側面と当接する。第一当接部64は、軸方向一端側D1の面(つまり左面)に、軸方向一端側D1に突出する複数の第一凸部65を有する。図6に示すように、複数の第一凸部65は各々、軸心Gを中心に放射状、且つ、周方向に略等間隔に配置される。第一凸部65の第一当接部64からの軸方向一端側D1への突出量は、第一凸部65の径方向の長さよりも小さい。第一凸部65の第一当接部64からの軸方向一端側D1への突出量は、第一当接部64の第一対向面61からの軸方向一端側D1への突出量よりも小さい。図4に示すように、ロールRが媒体支持装置5に支持された状態では、段部60の外周面には、ロールRの紙管Cの内周が当接する。第一当接部64は、紙管Cの右面と当接する。複数の第一凸部65は、紙管Cの右面に食い込む。
【0030】
図3から図9に示すように、第二フランジ7は、軸部8よりも軸方向Dに交差する方向に突出し、軸部8に挿通されたロールRの軸方向Dの位置を規定する。第二フランジ7は、左側面視、正多角形状(正十六角形)の板状である。第二フランジ7の径は、第一フランジ6の径と略同じであり、ロールRの径よりも大きい。第二フランジ7は、第二対向面71、把持部72、段部76、第二当接部74、及ぶ凹部88を備える。第二対向面71は、軸方向他端側D2の面(つまり右面)であって、ロールR及び第一フランジ6と対向する。第二対向面71は、軸心Gに対し略垂直に延びる。
【0031】
図7に示すように、把持部72は、第二フランジ7の外周から軸心G側に凹んで凹部73に嵌合し、固定されている。図5に示すように、段部76及び第二当接部74は、第二対向面71から軸方向他端側D2に突出する。軸方向Dにける、段部76の第二対向面71からの突出量は、第二当接部74の第二対向面71からの突出量よりも大きい。段部76は第二当接部74よりも軸心G側に設けられる。図4に示すように、第二当接部74は、第一フランジ6と第二フランジ7との間に配置されたロールRの紙管Cの左側面と当接する。第二当接部74は、軸方向他端側D2の面(右面)に、軸方向他端側D2に突出する複数の第二凸部75を有する。複数の第二凸部75は各々、軸心Gを中心に放射状、且つ、周方向に略等間隔に配置される。第二凸部75の第二当接部74から軸方向他端側D2への突出量は、第二凸部75の径方向の長さよりも小さい。第二凸部75の第二当接部74から軸方向他端側D2への突出量は、第二当接部74の第二対向面71からの軸方向他端側D2への突出量よりも小さい。図4に示すように、ロールRが媒体支持装置5に支持された状態では、段部76の外周面には、ロールRの紙管Cの内周が当接する。第二当接部74は、紙管Cの左面と当接する。複数の第二凸部75は、紙管Cの左面に食い込む。図6に示すように、凹部88は、第二フランジ7の左側面の、軸心G側に設けられた、軸方向他端側D2に凹む部分である。凹部88は段部76に対応する位置に設けられる。
【0032】
図7に示すように、ネジ部材10は、軸方向Dに延びる軸心G周りに回動可能であり、軸部8の孔に挿通される。ネジ部材10は、軸部8、第一フランジ6、及び第二フランジ7に対して相対的に回動することで、挟持位置と、離隔位置とに第一フランジ6と第二フランジ7との相対位置を変更できる。挟持位置は、第一当接部64と第二当接部74とで紙管Cを軸方向Dに押圧して挟持する位置である。離隔位置は、第一当接部64と第二当接部74との少なくとも一方が紙管Cから離隔した位置である。挟持位置は、第一フランジ6と、第二フランジ7との間に配置されるロールRの左右方向の長さに応じて変わる位置である。挟持位置と、離隔位置とでは、第一フランジ6と第二フランジ7との軸方向Dの間隔が互いに異なる。挟持位置にある場合の第一フランジ6と第二フランジ7との軸方向Dの間隔は、離隔位置にある場合の第一フランジ6と第二フランジ7との軸方向Dの間隔よりも狭い。
【0033】
ネジ部材10は、軸芯部11と、胴部12と、一対のネジ山13、14とを備える。軸芯部11は、軸心Gを中心とする円柱状である。胴部12は、軸芯部11を挿通する筒状である。ネジ山13、14は、胴部12の外周に形成される。一対のネジ山13、14は、軸方向Dにおいて異なる位置に位置する。本実施形態の一対のネジ山13、14は、軸方向Dに対して垂直、且つ、ネジ部材10の軸方向Dの中心部を通る仮想面V(図9参照)に対して対称である。つまり、ネジ山13の巻き方向は、ネジ山14の巻き方向の逆の方向である。ネジ山13のリードは、ネジ山14とリードとは互いに同じである。ネジ山13は、第一スリーブ9の第一係合凸部95と螺合する。ネジ山14は、第二スリーブ77の第二係合凸部80と螺合する。ネジ部材10の回転に応じて、第一スリーブ9と第二スリーブ77との各々は軸方向Dに移動する。これに伴い、第一スリーブ9と共に移動する第一フランジ6と、第二スリーブ77と共に第二フランジ7との各々は、ネジ部材10に対し、第一フランジ6と、第二フランジ7とが近接する方向、又は第一フランジ6と、第二フランジ7とが離隔する方向に移動する。図4及び図5に示すように、ネジ部材10の軸方向他端側D2の端部、つまり軸芯部11の右端部は、第一フランジ6よりも軸方向他端側D2にある。
【0034】
ノブ45は、ネジ部材10の軸方向他端側D2の端部、つまり軸芯部11の右端部に設けられる。ノブ45は第一フランジ6よりも軸方向他端側D2に配置される。ノブ45は右側面視軸心Gを中心とする側面視十字状である。ユーザはノブ45に指等の操作体を掛けて、ノブ45を軸心G周りに回動することで、ネジ部材10を軸心G周りに回動できる。
【0035】
ストッパー20は、軸方向Dに延び、第二フランジ7の軸方向一端側D1から、第二スリーブ77の第二突出部78の孔79に挿通され、第一フランジ6、第二フランジ7、及び軸部8が、ネジ部材10と共に回転することを規制する。図6及び図7に示すように、ストッパー20は、一対の突出部21、円盤部22、筒部24、及び係合部25を備える。一対の突出部21は円盤部22よりも軸方向他端側D2に突出する、右側面視軸心Gを中心とする円弧に沿って扇状に湾曲した部分である。一対の突出部21は、右側面視、軸心Gに対して、互いに点対称に設けられている。一対の突出部21は各々、軸方向一端側D1から、第二スリーブ77の一対の第二突出部78の孔79に挿通される。一対の突出部21の軸方向他端側D2の端部(右端)は、一対の第二突出部78の軸方向他端側D2の端部(右端)よりもの軸方向他端側D2に配置される。一対の突出部21の内、一対の第二突出部78よりも右方に突出した部分は、周方向において、一対の第一突出部91の間に配置される。円盤部22は、ストッパー20の左端部に設けられ、外周面にノッチ23を備える。円盤部22は、第二フランジ7の段部76に対応する凹部88に配置される。筒部24は、円盤部22の中心部を軸方向Dに貫通する筒状である。筒部24には、軸方向Dに延びる挿通孔27が形成される。図9に示すように、筒部24は、軸芯部11の軸方向一端側D1の端部を挿通孔27に挿通して、ネジ部材10をストッパー20に対し相対的に回動可能に支持する。
【0036】
図6及び図9に示すように、係合部25は、第二フランジ7よりも軸方向一端側D1に配置され、印刷装置1の駆動部101の駆動力を伝達する被係合部108に、取り外し可能に係合する。係合部25は、筒部26及び複数の凸部28を備える。筒部26は、第二フランジ7の左面から左方に突出する。筒部26は、筒部24と連結する。複数の凸部28は、筒部26の外周面から径方向に突出する。複数の凸部28は、周方向において、略等間隔で配置される。係合部25が駆動機構110の被係合部108に係合された場合、筒部26の挿通孔27には軸部105が左方から挿通され、複数の凸部107と複数の凸部28が噛み合う。図3及び図4に示すように、媒体支持装置5は、係合部25を被係合部108と係合させ、ネジ部材10の軸方向他端側D2の端部を支持させた状態で、印刷装置1の収容部3に取り出し可能に収容される。第一フランジ6、第二フランジ7、軸部8、及びストッパー20は、駆動部101の駆動に応じて、ネジ部材10に対して軸心G周りに回転する。
【0037】
図2に示すように、定着ユニット40は、印刷ヘッド46に対し搬送方向下流側且つ第一搬送部47に対し搬送方向上流側に配置される。定着ユニット40は、ハロゲンヒータであり、ハロゲンランプ41、反射板42、及び筐体43を有する。筐体43の下壁には、左右方向に沿った開口44が形成されている。定着ユニット40は、開口44を通じて赤外光を輻射し、開口44の直下を通過する印刷媒体Mを加熱する。これにより、印刷ヘッド46により印刷媒体M上に吐出された液体Hは印刷媒体Mに定着する。
【0038】
第二搬送部49は、印刷ヘッド46の下方、且つ、第一搬送部47に対し搬送方向下流側に設けられ、印刷媒体Mを搬送方向Bに搬送する。第二搬送部49は、駆動ローラ491、従動ローラ492、及び無端ベルト493を備える。駆動ローラ491と、従動ローラ492とは、前後方向に互いに離隔している。無端ベルト493は、駆動ローラ491と、従動ローラ492とに掛け渡される。駆動ローラ491は、第二搬送駆動部からの駆動力により回転し、無端ベルト493を回転させる。無端ベルト493の回転に伴い、従動ローラ492が回転する。無端ベルト493の外周面の上端は、第一搬送部47により印刷媒体Mがニップされる部分の上下位置と略同じであり、印刷ヘッド46の複数のノズルと対向する。無端ベルト493の外周面の上端は、搬送方向Bにおいて、第一搬送部47と、第三搬送部50との間で搬送される印刷媒体Mを下方から支持して搬送する。第二搬送駆動部は、例えば、ステッピングモータである。
【0039】
第三搬送部50は、印刷ヘッド46及び定着ユニット40に対し搬送方向下流側、且つ、排出口31に対し搬送方向上流側に設けられ、印刷媒体Mを搬送方向Bと、戻し方向Eとに搬送する。第三搬送部50は、左右方向に延びる軸を中心に回転する搬送ローラ501と、ピンチローラ502とを有し、搬送ローラ501と、ピンチローラ502とで印刷媒体Mを上下に挟んでニップ搬送を行う。第三搬送駆動部は、例えば、正逆回転可能なステッピングモータである。
【0040】
上記印刷装置1において、印刷処理が実行される場合、印刷装置1の制御部は、第一搬送部47、第二搬送部49、第三搬送部50、及び媒体支持装置5を駆動して、印刷媒体Mを搬送する。印刷装置1の制御部は、印刷媒体Mの搬送と同期して、印刷ヘッド46を駆動して、印刷媒体Mに液体Hを吐出する。印刷装置1の制御部は、ハロゲンランプ41を駆動して、印刷媒体M上の液体Hを印刷媒体Mに定着させる。印刷媒体Mは排出口31から筐体2の外部に排出される。
【0041】
ロールRの交換作業を説明する。筐体2の内部に配置されたロールRを交換する場合、ユーザは、筐体2のカバー33を開位置に移動して、媒体支持装置5が支持されたマガジン4を筐体2の外部に取り出す。この時、図5(A)及び図6に示すように、媒体支持装置5の係合部25と、マガジン4の被係合部108との係合が解除される。ユーザは、マガジン4から媒体支持装置5を取り外す。ユーザは、例えば、媒体支持装置5の第一フランジ6の凹部62に指を掛け、第二フランジ7の把持部72を掴むことで、媒体支持装置5を両手で持ち運ぶことができる。第一フランジ6と、第二フランジ7とは各々、側面視正多角形状の板状であるので、媒体支持装置5の軸心Gを水平方向が延びる姿勢で、媒体支持装置5を作業台等の平面に載置した場合にも、軸心G周りに転がらない。ユーザは、媒体支持装置5の軸心Gを水平方向が延びる姿勢で媒体支持装置5を作業台に載置した状態で、安定して作業できる。ユーザは、第一スリーブ9に対し、第一フランジ6を左側面視時計回りに回動させて、第一スリーブ9の係合部94と、第一フランジ6の被係合部67との係合を解除して、第一スリーブ9に対し、第一フランジ6を右方に移動させる。これにより、第一フランジ6が媒体支持装置5から取り外され、軸部8に挿通された紙管Cを取り外し可能な状態となる。ユーザは、紙管Cを軸部8に対して右方に移動させて、紙管Cを媒体支持装置5から取り出す。
【0042】
ユーザは、新しいロールRの紙管Cを、軸部8に対して左方に移動させて、紙管Cに軸部8を挿通させる。紙管Cの左端部の内周面は、第二フランジ7の段部76の外周面と当接する。紙管Cの左端は、第二フランジ7の第二当接部74の右面と当接する。ユーザは、軸部8に対し、第一フランジ6を左方に移動させて、第一フランジ6の内周壁66を、第一スリーブ9の筒部90の鍔部92に右方から当接させる。ユーザは、第一スリーブ9に対し、第一フランジ6を左側面視反時計回りに回動させて、第一スリーブ9の係合部94と、第一フランジ6の被係合部67とを係合させる。ユーザは、ノブ45を操作して、ネジ部材10を第一フランジ6、第二フランジ7、軸部8、及びストッパー20に対し回動させることで、第一フランジ6と第二フランジ7との軸方向Dの間隔を変更する。
【0043】
図8(A)及び図9(A)に示す位置から、ノブ45が右側面視時計回りに回動されると、図8(B)及び図9(B)に示すように、第一フランジ6と第二フランジ7との軸方向Dの間隔が回動前よりも狭くなる。図8(B)及び図9(B)に示す位置から、ノブ45が右側面視反時計回りに回動されると、図8(A)及び図9(A)に示すように、第一フランジ6と第二フランジ7との軸方向Dの間隔が回動前よりも広くなる。ノブ45の回動に応じて、ネジ部材10は、第一フランジ6と、第二フランジ7との相対位置を、挟持位置と、離隔位置とに変更する。図4に示すように、第一フランジ6と、第二フランジ7とが狭持位置に移動されると、第一当接部64と第二当接部74とで紙管Cを軸方向Dに押圧して挟持する。複数の第一凸部65は各々、紙管Cの右側面に食い込み、複数の第二凸部75は各々、紙管Cの左側面に食い込む。第一フランジ6の第一対向面61と、第二フランジ7の第二対向面71とは、ロールRと軸方向Dに離隔する。ユーザは媒体支持装置5の右端部をマガジン4に支持させる。ネジ部材10の右端部、つまり、軸芯部11の右端部は、支持部211に支持される。媒体支持装置5が支持されたマガジン4を筐体2の開口32から筐体2の内部の所定位置に配置する。図3及び図4に示すように係合部25は、被係合部108に係合され、、媒体支持装置5は、マガジン4と、駆動機構110とに支持される。
【0044】
上記実施形態において、印刷装置1、媒体支持装置5、第一フランジ6、第二フランジ7、軸部8、ネジ部材10、第一当接部64、第一凸部65、第二当接部74、及び第二凸部75は各々、本発明の印刷装置、媒体支持装置、第一フランジ、第二フランジ、軸部、ネジ部材、第一当接部、第一凸部、第二当接部、及び第二凸部の一例である。第一スリーブ9、ネジ部材10、ストッパー20、係合部25、第一対向面61、凹部62、第二対向面71、把持部72、第二スリーブ77、第二突出部78、第二係合凸部80、第一突出部91、及び第一係合凸部95は各々、本発明の第一スリーブ、ネジ部材、ストッパー、係合部、第一対向面、凹部、第二対向面、把持部、第二スリーブ、第二突出部、第二係合凸部、第一突出部、及び第一係合凸部の一例である。ネジ山13、14は、本発明の一対のネジ山の一例である。収容部3は、本発明の収容部の一例である。
【0045】
上記実施形態の印刷装置1の媒体支持装置5は、軸部8、第一フランジ6、第二フランジ7、及びネジ部材10を備える。軸部8は、筒状の紙管C周りに長尺状の印刷媒体Mが巻回されたロールRの紙管Cが挿通され、軸方向Dに延びる。第一フランジ6は、軸部8よりも軸方向Dに交差する方向に突出し、軸部8に挿通されたロールRの軸方向Dの位置を規定する。第一フランジ6は、第一対向面61と、第一当接部64とを備える。第一対向面61は、軸方向一端側D1の面であって、ロールRと対向する。第一当接部64は、第一対向面61から軸方向一端側D1に突出し、紙管Cと当接する。第二フランジ7は、軸部8よりも軸方向Dに交差する方向に突出し、軸部8に挿通されたロールRの軸方向Dの位置を規定する。第二フランジ7は、第二対向面71と、第二当接部74とを備える。第二対向面71は、軸方向他端側D2の面であって、ロールRと対向する。第二当接部74は、第二対向面71から軸方向他端側D2に突出し、紙管Cと当接する。ネジ部材10は、軸方向Dに延びる軸心G周りに回転可能であり、軸部8に挿通される。ネジ部材10は、軸部8、第一フランジ6、及び第二フランジ7に対して相対的に回動することで、挟持位置と、離隔位置とに、第一フランジ6と、第二フランジ7との相対位置を変更可能である。狭持位置は、第一当接部64と第二当接部74とで紙管Cを軸方向Dに押圧して挟持する位置である。離隔位置は、第一当接部64と第二当接部74との少なくとも一方が紙管Cから離隔した位置である。媒体支持装置5は、紙管Cの両端部を第一当接部64と、第二当接部74とにより押圧して狭持するので、紙管Cの径にバラツキがある場合でも、紙管Cを従来よりも安定して固定できる。
【0046】
第一当接部64は、軸方向一端側D1の面に、軸方向一端側D1に突出する複数の第一凸部65を有する。第二当接部74は、軸方向他端側D2の面に、軸方向他端側D2に突出する複数の第二凸部75を有する。媒体支持装置5は、第一凸部65及び第二凸部75を紙管Cの軸方向Dの側面に食い込ませることができるので、第一凸部65及び第二凸部75を有しない場合に比べ、紙管Cを強固に固定できる。
【0047】
軸部8は、第一スリーブ9と、第二スリーブ77とを含む。第一スリーブ9は、第一当接部64よりも軸方向一端側D1に突出した第一突出部91を有し、第一フランジ6と共に、ネジ部材10に対し軸方向Dに移動可能である。第二スリーブ77は、第二当接部74よりも軸方向他端側D2に突出した第二突出部78を有し、第二フランジ7と共に、ネジ部材10に対し軸方向Dに移動可能である。第一スリーブ9は、第二スリーブ77に対し軸方向Dに移動可能に、第二スリーブ77と係合する。故に、媒体支持装置5は、軸部8に含まれる第一スリーブ9と第二スリーブ77との軸方向Dの相対位置を変更することで、第一フランジ6と第二フランジ7との軸方向Dの相対位置を変更できる。媒体支持装置5は、第一フランジ6と、第二フランジ7とを軸方向Dに移動させるための構成を比較的簡単にできる。
【0048】
第一フランジ6は、第一スリーブ9と取り外し可能に嵌合する。媒体支持装置5では、ユーザは、第一スリーブ9から第一フランジ6を取り外すという簡単な操作により、ロールRの交換作業ができる。
【0049】
ネジ部材10は、軸方向Dに対おいて互いに異なる位置に位置する一対のネジ山13、14を有する。第一スリーブ9は、ネジ山13と係合する第一係合凸部95を有する。第二スリーブ77は、ネジ山14と係合する第二係合凸部80を有する。ネジ部材10の回転に応じて、第一フランジ6と、第二フランジ7との各々がネジ部材10に対し、第一フランジ6と、第二フランジ7とが近接する方向、又は第一フランジ6と、第二フランジ7とが離隔する方向に移動する。媒体支持装置5では、ネジ部材10を回転させることで、ネジ部材10に対し、第一フランジ6と第二フランジ7との双方を軸方向Dに移動させることができる。媒体支持装置5は、ロールRの軸方向Dの長さによらず、ロールRの軸方向Dの中心位置を略一定にできる。
【0050】
一対のネジ山13、14は、軸方向Dに対して垂直、且つ、ネジ部材10の軸方向Dの中心部を通る仮想面Vに対して対称である。この対称形状により、印刷装置1は、対称形状を有しない場合に比べ、ネジ部材10の周方向の位相ずれを管理し易くすることができる。第一係合凸部95、ネジ山13と螺合する第一雌ネジ部である。第二係合凸部80は、ネジ山14と螺合する第二雌ネジ部である。第一係合凸部95、第二係合凸部80が雌ネジ部でない場合に比べ、ネジ部材10を軸心G周りに回動させることで、スムーズに第一フランジ6と、第二フランジ7との各々をネジ部材10に対し移動させることができる。媒体支持装置5は、ネジ部材10の回動に応じて、第一フランジ6と第二フランジ7とを、互いに反対の方向に同じ距離だけ移動させることができるので、第一フランジ6と、第二フランジ7との間で挟持されるロールRの幅方向(左右方向)の中心位置を、ロールRの幅方向の長さによらず、一定にできる。
【0051】
媒体支持装置5は、軸方向Dに延び、第二フランジ7の軸方向一端側D1から、第二スリーブ77の第二突出部78に挿通され、第一フランジ6、第二フランジ7、及び軸部8が、ネジ部材10と共に回転することを規制するストッパー20を備える。媒体支持装置5は、比較的簡単な構成により、第一フランジ6、第二フランジ7、及び軸部8が、ネジ部材10と共に回転することを規制できる。
【0052】
ネジ部材10の軸方向他端側D2の端部は、第一フランジ6よりも軸方向他端側D2にある。媒体支持装置5は、ネジ部材10の第一フランジ6よりも軸方向他端側D2にノブを備える。媒体支持装置5は、ノブ45を備えない場合に比べ、ユーザがネジ部材10を回転する操作を容易にできる。本実施形態の第一係合凸部95及び第二係合凸部80は、周方向の一部に数リード分設けられている。故にユーザは、第一係合凸部95及び第二係合凸部80が、周方向全周に亘って設けられている場合に比べ、ネジ部材10と、第一係合凸部95及び第二係合凸部80との間の摩擦が少なく、ノブ45を少ない力で回動させることができる。
【0053】
第二フランジ7は把持部72を有する。第一フランジ6の第一対向面61とは反対側に、軸方向一端側D1に凹む凹部62を備える。媒体支持装置5では、ユーザは、第二フランジ7の把持部72と、第一フランジ6の外周面とを摘まんで運ぶことができ、媒体支持装置5を持ち運びやすい。
【0054】
ストッパー20は、第二フランジ7よりも軸方向一端側D1に、印刷装置1の駆動部101の動力を伝達する被係合部108に取り外し可能に係合する。ネジ部材10の軸方向他端側D2の端部は、第一フランジ6よりも軸方向他端側D2まで延びる。媒体支持装置5は、係合部25を被係合部108と係合させ、ネジ部材10の軸方向他端側D2の端部を支持させた状態で、印刷装置1の収容部3に収容部3から取り出し可能に収容され、駆動部101の駆動に応じて、軸心G周りに、第一フランジ6、第二フランジ7、軸部8、及びストッパー20が回転する。媒体支持装置5は、比較的簡単な構成で、印刷装置1の収容部3に媒体支持装置5を収容できる。媒体支持装置5は、印刷装置1からの駆動部101の動力を第一フランジ6、第二フランジ7及び軸部8に伝達するための構成を簡単にできる。
【0055】
印刷装置1は、媒体支持装置5と、駆動部101と、収容部3とを備える。駆動部101は、媒体支持装置5の係合部25と取り外し可能に係合する被係合部108に動力を伝達し、媒体支持装置5の第一フランジ6、第二フランジ7、軸部8、及びストッパー20を、ネジ部材10に対して回動する。収容部3は、ネジ部材10の軸方向他端側D2の端部(右端部)を支持された媒体支持装置5を収容する。印刷装置1は、媒体支持装置5が、紙管Cの両端部を第一当接部64と、第二当接部74とにより押圧して狭持する。故に媒体支持装置5は、紙管Cの径にバラツキがある場合でも、紙管Cを従来よりも安定して固定できるので、従来の媒体支持装置5を備える場合よりも、安定して印刷媒体Mを搬送できる。
【0056】
本発明の媒体支持装置及び印刷装置は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。例えば、以下の変形が適宜加えられてもよい。
【0057】
印刷装置1の構成は適宜変更されてもよい。収容部3は長尺状の媒体支持装置5を収容できればよく、印刷装置1における配置、大きさ等は適宜変更されてよい。印刷ヘッド46の構成は適宜変更されてよく、カラー印刷可能なインクジェットヘッドでもよいし、電子写真式又は感熱式のサーマルヘッドでもよい。定着ユニット40は、印刷装置1の印刷方式に応じて、省略されてもよいし、構成が変更されてもよい。印刷装置1は、印刷後の印刷媒体Mを幅方向に沿って切断可能な切断装置を備えてもよい。第一搬送部47、第二搬送部49及び第三搬送部50の少なくとも何れかは、必要に応じて省略されてもよいし、構成が変更されてもよい。駆動部101は、DCモータ等ステッピングモータ以外のアクチュエータでもよい。印刷装置1は、媒体支持装置5を取り外し可能に装着するマガジン4を備えなくてもよい。マガジン4の構成は適宜変更されてよく、軸受けでネジ部材10の右端部を支持してもよい。マガジン4は背面視U字状であってもよく、媒体支持装置5の軸方向Dの両端部を支持してもよい。
【0058】
媒体支持装置5の構成は適宜変更されてもよい。第一当接部64は複数の第一凸部65を省略してもよい。複数の第一凸部65の数、形状及び配置は適宜変更されてもよい。同様に、第二当接部74は複数の第二凸部75を省略してもよい。複数の第二凸部75の数、形状及び配置は適宜変更されてもよい。第一フランジ6及び第二フランジ7の側面形状は、円状、楕円状等適宜変更されてもよい。第一フランジ6は凹部62を備えなくてもいし、凹部62に替えて把持部72と同様な構成を有してもよい。第二フランジ7は把持部72を備えなくてもよいし、凹部62と同様の構成を有してもよい。凹部62の形状は適宜変更されてもよい。第一フランジ6は段部60を備えず、ロールRと当接してもよい。第二フランジ7は段部76を備えず、ロールRと当接してもよい。
【0059】
第一フランジ6と、第一スリーブ9とは一体に形成されてもよい。その場合、ユーザは、媒体支持装置5から、第一フランジ6及び第一スリーブ9を取り外して、ロールRの効果作業を行ってもよい。第二フランジ7と、第二スリーブ77とは別体に構成されてもよい。第一係合凸部95と、第二係合凸部80との少なくとも何れかは、ネジ山と係合可能な形状を有すればよく、雌ネジでなくてもよい。第一係合凸部95と、第二係合凸部80との軸方向D及び周方向における延設範囲は適宜変更されてよい。第一突出部91、第二突出部78、及び突出部21の数は一以上であればよく、互いに同じ数であってもよいし、互いに異なる数であってもよい。第一突出部91、第二突出部78、及び突出部21の周方向の延設範囲は、適宜変更されてよい。媒体支持装置5は、ストッパー20及び係合部25を備えず、印刷装置1の駆動部101の駆動に応じて軸心Gを中心に回転しなくてもよい。
【0060】
媒体支持装置5のネジ部材10の一対のネジ山13、14の各々は、螺旋状の溝及び山(凹凸)を備える、その他の構造であっても良い。媒体支持装置5のネジ部材10は、一対のネジ山13、14は、仮想面Vに対して対称でなくてもよい。例えば、一対のネジ山13、14は、ネジ山13と、ネジ山14とのリードの進み量(リード角)が逆方向で同等であれば良い。ネジ部材10のネジ山13、14の溝及び山のピッチは、上記実施形態におけるネジ部材10のネジ山13、14の溝及び山のピッチよりも広くても良い。ネジ部材10は、例えば、ネジ山13のリードと、ネジ山14とのリードとを互いに異なるように設定し、ネジ部材10の回動に応じて、第一フランジ6と第二フランジ7とを、互いに反対の方向に互いに異なる距離だけ移動させてもよい。媒体支持装置5は、第一フランジ6及び第二フランジ7の何れかのみをネジ部材10に対して移動させてもよい。
【0061】
図10に示す変形例の媒体支持装置150のように、媒体支持装置5のネジ部材10に替えて、ネジ部材160を備えてもよい。図10において媒体支持装置5と同様の構成には同じ符号を付与している。媒体支持装置150は、第二係合凸部80を備えなくてもよい。図10(A)に示すように、ネジ部材160は、軸芯部11と、胴部162と、ネジ山163とを備える。ネジ山163は胴部162の外周に形成される。ネジ山163は、第一フランジ6の第一係合凸部95と螺合する。図10(B)に示すように、第一スリーブ9及び第一フランジ6にネジ部材160が挿通され、ノブ45が右側面視時計回りに回動されると、ネジ部材160に対し、第一フランジ6のみが軸方向一端側D1に移動し、図10(C)に示すように、第一フランジ6と第二フランジ7との軸方向Dの間隔が回動前よりも狭くなる。図10(C)に示す状態から、ノブ45が右側面視反時計回りに回動されると、図10(B)に示すように、ネジ部材160に対し、第一フランジ6のみが軸方向他端側D2に移動し、第一フランジ6と第二フランジ7との軸方向Dの間隔が回動前よりも広くなる。変形例の媒体支持装置150は、ロールRの幅方向の長さによらず、ロールRの左端部の位置を一定にできる。
【0062】
上記実施形態及び上記変形例に開示された各媒体支持装置及び印刷装置の特徴を適宜組み合わせて、他の変形例の媒体支持装置及び印刷装置が構成されてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1:印刷装置、5、150:媒体支持装置、6:第一フランジ、7:第二フランジ、8:軸部、9:第一スリーブ、10、160:ネジ部材、13、14、163:ネジ山20:ストッパー、25:係合部、61:第一対向面、62:凹部、64:第一当接部、65:第一凸部、71:第二対向面、72:把持部、74:第二当接部、75:第二凸部、77:第二スリーブ、78:第二突出部、80:第二係合凸部、91:第一突出部、95:第一係合凸部
図1
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図10