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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】電動車両
(51)【国際特許分類】
   B62D 5/04 20060101AFI20240925BHJP
   B62K 5/01 20130101ALI20240925BHJP
【FI】
B62D5/04
B62K5/01
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021016627
(22)【出願日】2021-02-04
(65)【公開番号】P2022119474
(43)【公開日】2022-08-17
【審査請求日】2023-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仁田脇 邦浩
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特許第3956595(JP,B2)
【文献】特開2018-069788(JP,A)
【文献】特表2020-507137(JP,A)
【文献】特開2005-247029(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0311814(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104443011(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 5/04
B62K 5/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の前輪を車体部材に懸架し、運転者が座席に着座した状態でハンドルを掴んで回動させ、前記ハンドルの回動に従って前記左右の前輪を操舵する一人乗り用の電動車両であって、
上端部に前記ハンドルを有し、前記座席の前方において前記車体部材に回動自在に支持されたハンドル回動軸と、
前記ハンドル回動軸に対して前方に位置し、荷物を収容可能なフロントバスケットが取付けられるシャーシフレームと、
車幅方向で前記左右の前輪の間に回動自在に設けられたステアリングシャフトと、
前記ステアリングシャフトを回動させるステアリングモータと、
前記ステアリングシャフトと前記左右の前輪とをそれぞれ連結し、前記左右の前輪の操舵方向を前記ステアリングシャフトの回動に追従させる一対のステアリングロッドと、
前記ハンドル回動軸の回動角を検出するハンドル回動角検出部材と、
前記ステアリングシャフトの回動角を検出するステアリング回動角検出部材と、
前記ハンドル回動角検出部材と前記ステアリング回動角検出部材から入力された操舵信号に基づいて前記ステアリングモータを駆動し、前記左右の前輪の切れ角を変化させるコントローラ部とを備え、
前記ステアリングモータ、前記ハンドル回動角検出部材および前記ステアリング回動角検出部材は、前記ステアリングシャフトよりも前方で、かつ、前記シャーシフレームの下方に設置されていることを特徴とする電動車両。
【請求項2】
前記車体部材に、前記ステアリングシャフトよりも前方に位置するブラケットが設けられており、
前記ステアリングモータと前記ステアリング回動角検出部材は、前記ブラケットに上下に分かれて設置されており、
前記ステアリングモータは、前記ブラケットの上面に固定され、前記ステアリング回動角検出部材は、前記ブラケットの下面に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
【請求項3】
前記ステアリングモータと前記ハンドル回動角検出部材と前記ステアリング回動角検出部材とは、それぞれの少なくとも一部分が前記ステアリングシャフトの軸線方向に並ぶように設置されており、
前記車体部材に一対の側板が設置されており、
前記一対の側板は、前記ハンドル回動軸の車幅方向の両側に位置して前記車体部材から前記シャーシフレームに向かって上方に延びており、
前記シャーシフレームは、前記一対の側板を介して前記車体部材に取付けられており、
前記フロントバスケットは、前記シャーシフレームの下部の上面に当接しており、
前記電動車両を車幅方向から見て、前記一対の側板は、前記ステアリングモータの少なくとも一部と前記ハンドル回動角検出部材とを覆うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動車両。
【請求項4】
前記電動車両は、自動運転車両であり、
自動運転時に、前記ハンドル回動軸を回動不能に固定する固定部を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
運転者が座席に着座した状態でハンドルを掴んで回動させたときに、ハンドルの回動に従って左右の前輪を自動的に操舵するようにしたステアバイワイヤ機構を有する一人乗り用の電動車両が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この電動車両は、ハンドル操作によって回動されるハンドル軸の回動角を検出するハンドル切れ角センサと、ステアリングシャフトの切れ角を検出するステアリング切れ角センサと、ステアリングシャフトを回動させるモータとを備えている。
【0004】
この電動車両は、運転者によってハンドル軸が回動されると、ハンドル切れ角センサとステアリング切れ角センサから出力される情報に基づいてモータを操作することにより、モータによってステアリングシャフトを回動し、左右の前輪の切れ角を変化させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3956595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の電動車両にあっては、ハンドル切れ角センサとステアリング切れ角センサとモータとを車体に固定する必要があるが、ステアリング切れ角センサをステアリングシャフトの後方にあるシャーシフレームに固定している(特許文献1の図5参照)。
【0007】
これにより、運転者の足元のスペースの一部がステアリング切れ角センサによって占有される。このため、運転者の居住性を損ねるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、運転者の足元の空間を広く確保して運転者の居住性を向上しつつ、ステアバイワイヤ機構を搭載できる電動車両を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、左右の前輪を車体部材に懸架し、運転者が座席に着座した状態でハンドルを掴んで回動させ、前記ハンドルの回動に従って前記左右の前輪を操舵する一人乗り用の電動車両であって、上端部に前記ハンドルを有し、前記座席の前方において前記車体部材に回動自在に支持されたハンドル回動軸と、前記ハンドル回動軸に対して前方に位置し、荷物を収容可能なフロントバスケットが取付けられるシャーシフレームと、車幅方向で前記左右の前輪の間に回動自在に設けられたステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトを回動させるステアリングモータと、前記ステアリングシャフトと前記左右の前輪とをそれぞれ連結し、前記左右の前輪の操舵方向を前記ステアリングシャフトの回動に追従させる一対のステアリングロッドと、前記ハンドル回動軸の回動角を検出するハンドル回動角検出部材と、前記ステアリングシャフトの回動角を検出するステアリング回動角検出部材と、前記ハンドル回動角検出部材と前記ステアリング回動角検出部材から入力された操舵信号に基づいて前記ステアリングモータを駆動し、前記左右の前輪の切れ角を変化させるコントローラ部とを備え、前記ステアリングモータ、前記ハンドル回動角検出部材および前記ステアリング回動角検出部材は、前記ステアリングシャフトよりも前方で、かつ、前記シャーシフレームの下方に設置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このように上記の本発明によれば、運転者の足元の空間を広く確保して運転者の居住性を向上しつつ、ステアバイワイヤ機構を搭載できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施例に係る電動車両の左斜め前方から見た図である。
図2図2は、本発明の一実施例に係る電動車両の正面図である。
図3図3は、図2のIII-III方向矢視断面図である。
図4図4は、本発明の一実施例に係る電動車両の操舵機構を後斜め上方から見た図である。
図5図5は、本発明の一実施例に係る電動車両のステアバイワイヤ機構の一部であるステアリングモータおよびハンドル切れ角センサとその周辺を左斜め前方から見た図である。
図6図6は、図2のVI-VI方向矢視断面図である。
図7図7は、本発明の一実施例に係る電動車両のステアバイワイヤ機構の一部であるステアリングモータおよびハンドル切れ角センサとその周辺を後方から見た図である。
図8図8は、本発明の一実施例に係る電動車両のハンドル回動軸、ハンドル切れ角センサ、ステアリングサポート部材、ステアリングモータ、ステアリング切れ角センサ、モータギヤおよびステアリングシャフトの分解斜視図である。
図9図9は、本発明の一実施例に係る電動車両のステアバイワイヤ機構の一部であるステアリングモータおよびハンドル切れ角センサとその周辺を左方から見た図である。
図10図10は、ステアバイワイヤ機構の一部であるステアリングモータとその周辺を上方から見た図である。
図11図11は、本発明の一実施例に係る電動車両のステアリングシャフトを左斜め上方から見た図である。
図12図12は、図3の上側支持部材とその周辺の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施の形態に係る電動車両は、左右の前輪を車体部材に懸架し、運転者が座席に着座した状態でハンドルを掴んで回動させ、ハンドルの回動に従って左右の前輪を操舵する一人乗り用の電動車両であって、上端部にハンドルを有し、座席の前方において車体部材に回動自在に支持されたハンドル回動軸と、車幅方向で左右の前輪の間に回動自在に設けられたステアリングシャフトと、ステアリングシャフトを回動させるステアリングモータと、ステアリングシャフトと左右の前輪とをそれぞれ連結し、左右の前輪の操舵方向をステアリングシャフトの回動に追従させる一対のステアリングロッドと、ハンドル回動軸の回動角を検出するハンドル回動角検出部材と、ステアリングシャフトの回動角を検出するステアリング回動角検出部材と、ハンドル回動角検出部材とステアリング回動角検出部材から入力された操舵信号に基づいてステアリングモータを駆動し、左右の前輪の切れ角を変化させるコントローラ部とを備え、ステアリングモータ、ハンドル回動角検出部材およびステアリング回動角検出部材は、ステアリングシャフトよりも前方に設置されている。
【0013】
これにより、本発明の一実施の形態に係る電動車両は、運転者の足元の空間を広く確保して運転者の居住性を向上しつつ、ステアバイワイヤ機構を搭載できる。
【実施例
【0014】
以下、本発明の一実施例に係る電動車両について、図面を用いて説明する。
図1から図12は、本発明の一実施例に係る電動車両を示す図である。図1から図12において、上下前後左右方向は、電動車両を基準とし、電動車両の前後方向(直進方向)を前後方向、電動車両の左右方向(電動車両の幅方向)を左右方向、電動車両の上下方向(電動車両の高さ方向)を上下方向とする。
【0015】
まず、構成を説明する。
図1において、電動車両1は、高齢者向けのセニアカーであり、自動運転車両である。電動車両としては、これに限定されることはなく、例えば、身体に障害を持った人向けの電動車椅子等、他のタイプの電動車両に適用されてもよい。
【0016】
電動車両1は、車体フレーム2(図2図3参照)と、車体フレーム2に取付けられた外装カバー3とを有する車体部材を備えている。
【0017】
車体フレーム2は、電動車両1の骨格部分を構成し、例えば、金属パイプや板金部材等を溶接して形成される。
【0018】
図2図3に示すように、車体フレーム2は、電動車両1の幅方向に離隔して前後方向に延びる左右一対のサイドバー11L、11R(図10参照)を有する。サイドバー11L、11Rの後端部は、図示しないリヤバーによって連結されている。以下、電動車両1の幅方向を車幅方向という。
【0019】
サイドバー11L、11Rは、サイドバー11L、11Rの前端部に行くに従って車幅方向に近づくように折り曲げられており、サイドバー11L、11Rの前端部の車幅方向の隙間が最も小さく形成されている。
【0020】
車体フレーム2は、フロアプレート13(図5参照)を有する。フロアプレート13は、サイドバー11L、11Rの間に設けられており、フロアプレート13の車幅方向の両端部は、サイドバー11L、11Rに固定されている。
【0021】
図1に示すように、外装カバー3は、電動車両1の前側に設置されるフロントカバー4と、リヤカバー5と、運転者の足載せ空間を規定するフロア6とを備えている。
【0022】
フロントカバー4は、左右の前輪21L、21Rの上方を覆うように形成されており、フロントカバー4は、前輪21L、21Rの泥除けとして機能する。
【0023】
フロントカバー4の上部にはフロントバスケット7が設けられており、フロントバスケット7には荷物等が収容される。
【0024】
リヤカバー5は、左右の後輪22L、22R(図3参照)の上方を覆っており、リヤカバー5の上方には運転者用のシート8が設置されている。シート8は、運転者が着座するシートクッション8Aと、運転者の背もたれを構成するシートバック8Bと、左右一対のアームレスト8R、8Lとを備えている。本実施例のシート8は、座席を構成する。
【0025】
シート8の下方においてリヤカバー5にはコントローラ部50が設置されている。コントローラ部50は、各種処理を実行するプロセッサやメモリ等により構成されている。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶媒体で構成される。メモリには、電動車両1を制御する制御プログラム等が記憶されている。
【0026】
フロア6は、前後方向でフロントカバー4とリヤカバー5の間に設けられている。フロア6は、運転者の足が乗せられ、かつ、足を前後左右に動かすのに充分な面積を有する。
【0027】
図2図5に示すように、サイドバー11L、11Rの前端部にはサポートブラケット14が設けられており、サポートブラケット14は、サイドバー11L、11Rの前端部を連結している。
【0028】
サポートブラケット14には左右のサスペンションアーム15L、15Rの一端部が連結されている。
【0029】
サスペンションアーム15Lの他端部は、左側の前輪21Lに連結されており、前輪21Lは、左右方向に揺動自在となっている。
【0030】
サスペンションアーム15Rの他端部は、右側の前輪21Rに連結されており、前輪21Rは、左右方向に揺動自在となっている。
【0031】
このようにサイドバー11L、11Rは、サポートブラケット14を介して左右の前輪21L、21Rを懸架している。
【0032】
図2図5に示すように、サイドバー11L、11Rの前端部にはそれぞれサスペンションブラケット19L、19Rが取付けられており、サスペンションブラケット19L、19Rは、それぞれサイドバー11L、11Rから車幅方向外方に突出している。
【0033】
サスペンションブラケット19L、19Rとサスペンションアーム15L、15Rは、それぞれコイルスプリングとショックアブソードとから構成される緩衝部材20L、20Rによって連結されている。
【0034】
緩衝部材20L、20Rは、前輪21L、21Rの振動を吸収し、振動がシート8に伝達されることを抑制する。
【0035】
図2図3に示すように、車体フレーム2は、シートバー16を有する。シートバー16は、サイドバー11L、11Rから上方に延びており、電動車両1の後面視でU字形状に形成されている。
【0036】
シートバー16の上端部は、シート8に連結されており、シートバー16は、シート8を支持している。
【0037】
左右の後輪22L、22Rは、サスペンションアーム17(図3参照)によって連結されており、サスペンションアーム17は、コイルスプリングとショックアブソードとから構成される緩衝部材18によってシートバー16に連結されている。
【0038】
緩衝部材18は、後輪22L、22Rの振動の振動を吸収し、振動がシート8に伝達されることを抑制する。
【0039】
図3に示すように、電動車両1の前部には操舵機構24およびハンドル回動軸25が設けられている。
【0040】
車体フレーム2は、シャーシフレーム27を有する。シャーシフレーム27は、シート8の前方に設けられており、ハンドル回動軸25はシャーシフレーム27に回動自在に支持されている。
【0041】
図2図5に示すように、シャーシフレーム27は、ブラケット28の上端部に取付けられている。図5に示すように、ブラケット28は、ハンドル回動軸25の前側に位置する後壁28Aと、後壁28Aの車幅方向の左端部から前方に突出する左側壁28Lと、後壁28Aの車幅方向の右端部から前方に突出する右側壁28Rとを有する。
【0042】
ブラケット28の左側壁28Lと右側壁28Rにはそれぞれブレース29A、29Bのスペーサ部29a、29bが当接している。
【0043】
ブレース29A、29Bの下端部はサイドバー11L、11Rに溶接等によって固定されている。ブレース29A、29Bは、ハンドル回動軸25の車幅方向の両側に位置しており、サイドバー11L、11Rから上方に延びている。
【0044】
すなわち、シャーシフレーム27は、ブラケット28およびブレース29A、29Bを介してサイドバー11L、11Rに取付けられている。
【0045】
ブレース29A、29Bの上端部には連結ブラケット29Cが取付けられており、連結ブラケット29Cは、車幅方向に離れたブレース29A、29Bの上端部を連結している。
【0046】
フロントバスケット7は、シャーシフレーム27の下部の上面に当接しており、フロントバスケット7は、ブラケット28を介してブレース29A、29Bに支持されている。
【0047】
このため、フロントバスケット7に荷物が収容されてフロントバスケット7の重量が増大した場合に、フロントバスケット7は、ブレース29A、29Bによって安定して支持される。
【0048】
図3に示すように、シャーシフレーム27は、ハンドル回動軸25に対して前方に位置して上下方向に延びており、上端部に上側支持部材27Aを有し、上側支持部材27Aによってハンドル回動軸25を回動自在に支持している。
【0049】
回動とは、軸が軸線周りに回転する運動を意味し、回転角が360度未満である場合も、回転角が360度以上である場合も含む。また、回動は、一方向に回転する運動に限らず、一方向と他方向の両方向に回転する運動も含む。
【0050】
ハンドル回動軸25は下側支持部材27Bを有し(図8参照)、下側支持部材27Bは連結ブラケット29Cに取付けられている。ハンドル回動軸25は、下側支持部材27Bに回動自在に支持されている。
【0051】
このように、ハンドル回動軸25は、上側支持部材27Aおよび下側支持部材27Bに回動自在に支持されている。これにより、ハンドル回動軸25が前後左右方向に倒れ込むことを防止できる。
【0052】
ハンドル回動軸25の上端部にはプレート30A(図8参照)が設けられており、プレート30Aにはハンドル30が取付けられている。ハンドル30は、運転者によって把持され、運転者によってハンドル30が回動されると、ハンドル回動軸25がハンドル30と一体で回動される。
【0053】
図5に示すように、ブラケット28には棒状部材28Dが設けられている。ハンドル回動軸25の下部にはリターンスプリング33が巻き掛けられている。
【0054】
リターンスプリング33の両端部は、棒状部材28Dに当接しており、ハンドル回動軸25は、リターンスプリング33によって切れ角、すなわち、操舵角がゼロとなる原位置(前輪21L、21Rが前後に向いて電動車両1が直進する位置)に付勢されている。
【0055】
ここで、切れ角(操舵角)とは、前輪21L、21Rが直進方向を向く中立位置を基準とし、中立位置から左右何れかに回動したときの角度である。
【0056】
図7に示すように、ブラケット28の後壁28Aにはストッパ爪28E、28Fが設けられており、ストッパ爪28E、28Fは、ハンドル回動軸25の幅方向の両側に位置している。
【0057】
ハンドル回動軸25にはストッパ片25Cが設けられており(図6参照)、ストッパ片25Cは、ハンドル回動軸25の回動によってストッパ爪28E、28Fに当接または離隔する。
【0058】
具体的には、ハンドル回動軸25が一方向に一定角度回動すると、ストッパ片25Cがストッパ爪28Eに当接することにより、ハンドル回動軸25が一定角度以上、一方向に回動することが規制される。
【0059】
また、ハンドル回動軸25が他方向に一定角度回動すると、ストッパ片25Cがストッパ爪28Fに当接することにより、ハンドル回動軸25が一定角度以上、他方向に回動することが規制される。これにより、前輪21L、21Rの切れ角が過度に大きくなることを防止できる。
【0060】
図6に示すように、操舵機構24は、ステアリングシャフト26を有する。ステアリングシャフト26は、ハンドル回動軸25と同一線上に並ぶようにしてハンドル回動軸25の下方に位置し、車幅方向で前輪21L、21Rの間に回動自在に設けられている。
【0061】
すなわち、図6に示すように、ステアリングシャフト26の軸線26sは、ハンドル回動軸25の軸線と同一の軸線である。以下、ステアリングシャフト26の軸線26sの方向をステアリングシャフト26の軸線方向という。
【0062】
図3図6に示すように、ハンドル回動軸25の下端部とステアリングシャフト26の上端部は筒状のステアリングサポート部材31によって連結されている。
【0063】
図7に示すように、ステアリングサポート部材31は、ボルト38Aによってブレース29A、29Bに固定されている。
【0064】
図6に示すように、ハンドル回動軸25は、軸受32Aを介してステアリングサポート部材31に回動自在に支持されている。
【0065】
ステアリングシャフト26の上端とハンドル回動軸25の下端との間には一定の隙間が形成されており、ステアリングシャフト26は、軸受32Bを介してステアリングサポート部材31に回動自在に支持されている。
【0066】
すなわち、ハンドル回動軸25とステアリングシャフト26は、相対的に回動可能となっている。
【0067】
図5図8に示すように、ハンドル回動軸25の下部には扇形状のピニオンギヤ25Aが設けられており、ピニオンギヤ25Aは、ハンドル回動軸25と一体で回転する。
【0068】
ピニオンギヤ25Aの前方にはハンドル切れ角センサ51が設けられている。ハンドル切れ角センサ51は、ピニオンギヤ51Aを有し、ピニオンギヤ51Aは、ピニオンギヤ25Aに噛み合っている。
【0069】
ハンドル切れ角センサ51は、ハンドル回動軸25の回動がピニオンギヤ25Aからピニオンギヤ51Aに伝達されると、ピニオンギヤ51Aの回動角を検出することにより、ハンドル回動軸25の回動角(切れ角)を検出し、検出信号をコントローラ部50に出力する。
【0070】
コントローラ部50は、ハンドル切れ角センサ51から入力された回動角の情報に基づいてハンドル回動軸25の中立位置(電動車両1が直進するハンドル位置)に対する回動角を算出する。
【0071】
図8図9に示すように、操舵機構24は、ステアリングギヤ53、ピニオンギヤ54、ステアリングモータ55、ステアリング切れ角センサ56、ステアリングロッドプレート57および左右のステアリングロッド58L、58R(図4図10参照)を有する。
【0072】
図9図11に示すように、ステアリングギヤ53は、ステアリングシャフト26の上端部に取付けられている。ステアリングギヤ53は、扇形状に形成されており、ステアリングシャフト26から前方に突出している。
【0073】
ピニオンギヤ54は、ステアリングギヤ53の下方においてステアリングシャフト26に取付けられている。ピニオンギヤ54は、ステアリングギヤ53よりも小さい扇形状に形成されており、ステアリングシャフト26から前方に突出している。
【0074】
ステアリングモータ55は、図示しないモータギヤを備えており、モータギヤは、ステアリングギヤ53に噛み合っている。ステアリングモータ55にはワイヤハーネス55B(図10参照)が接続されており、ワイヤハーネス55Bは、コントローラ部50に接続されている。
【0075】
ステアリング切れ角センサ56は、ピニオンギヤ56Aを有し、ピニオンギヤ56Aは、ピニオンギヤ54に噛み合っている。
【0076】
ステアリングロッドプレート57は、ピニオンギヤ54の下方に取付けられており、ステアリングシャフト26から後方に突出している。
【0077】
図4にステアリングロッド58Lの一端部は、ステアリングロッドプレート57の嵌合穴57a(図11参照)に嵌合されることにより、ステアリングロッドプレート57に連結されており、ステアリングロッド58Lの他端部は、前輪21Lに連結されている。
【0078】
ステアリングロッド58Rの一端部は、ステアリングロッドプレート57の嵌合穴57b(図11参照)に嵌合されることにより、ステアリングロッドプレート57に連結されており、ステアリングロッド58Rの他端部は、前輪21Rに連結されている。
【0079】
ステアリング切れ角センサ56は、ステアリングシャフト26の回動がピニオンギヤ54からピニオンギヤ56Aに伝達されると、ピニオンギヤ56Aの回動角を検出することにより、ステアリングシャフト26の回動角(切れ角)を検出し、検出信号をコントローラ部50に出力する。
【0080】
本実施例の電動車両1は、運転者がハンドル30を操作すると、ハンドル回動軸25が回動し、ピニオンギヤ25Aおよびピニオンギヤ51Aを介して、ハンドル切れ角センサ51が作動する。ハンドル切れ角センサ51の出力信号は、コントローラ部50に送られる。コントローラ部50は、ステアリングモータ55に操舵信号を送信してステアリングモータ55を作動させる。
【0081】
ステアリングモータ55が作動されると、モータギヤを介してステアリングシャフト26がハンドル30の操作方向と同方向に回動する。
【0082】
ステアリングシャフト26がハンドル30の操作方向と同方向に回動すると、ステアリングロッド58L、58Rが前輪21L、21Rの操舵方向をステアリングシャフト26の回動に追従させ、前輪21L、21Rの切れ角を変化させる。
【0083】
前輪21L、21Rの操舵時の前輪21L、21Rの切れ角は、ステアリングシャフト26に取付けられたピニオンギヤ54を介してステアリング切れ角センサ56によって検出され、この検出信号がコントローラ部50に送信される。
【0084】
コントローラ部50は、ステアリング切れ角センサ56から入力された操舵信号に基づいて、フィードバック制御によりハンドル切れ角センサ51の信号に見合った前輪21L、21Rの操舵を行う。
【0085】
すなわち、コントローラ部50は、ハンドル切れ角センサ51とステアリング切れ角センサ56とから入力された操舵信号に基づいてステアリングモータ55を駆動し、前輪21L、21Rの切れ角を変化させる。
【0086】
このように、本実施例の電動車両1は、ハンドル回動軸25と操舵機構24とが機械的に分離されており、運転者がシート8に着座した状態でハンドル30を掴んで回動させ、ハンドル30の回動に従ってステアリングモータ55によってステアリングシャフト26を回動させることにより、前輪21L、21Rを操舵する、いわゆるステアバイワイヤ方式の一人乗り用の電動車両である。
【0087】
本実施例のハンドル回動軸25および操舵機構24は、ステアバイワイヤ機構60を構成する。また、本実施例の車体フレーム2および外装カバー3は、車体部材を構成する。
【0088】
ハンドル切れ角センサ51は、ハンドル回動角検出部材を構成し、ステアリング切れ角センサ56は、ステアリング回動角検出部材を構成する。
【0089】
また、本実施例の電動車両1は、自動運転が可能な自動運転車両である。なお、自動運転とは、運転者によるハンドル30の操作を必要としない運転のことであるが、完全な自動運転のみならず、運転者が補助的な操作を行う半自動運転をも含む。
【0090】
電動車両1は、いずれも図示しないカメラ、センサ(ハンドル切れ角センサ51とステアリング切れ角センサ56を含む)、レーダ、GPSアンテナ等から入力された情報や、ネットワークを介して送信される外部サーバからの指令等に基づいて、コントローラ部50がステアリングモータ55を作動させることにより、自動運転を行う。
【0091】
図12に示すように、上側支持部材27Aにはボルト40が締結されるねじ穴27aが設けられている。ハンドル回動軸25にはボルト40が締結されるねじ溝25aが形成されている。
【0092】
自動運転時に、運転者によってねじ穴27aとねじ溝25aにボルト40が締結されると、ボルト40によってハンドル回動軸25が回動不能に固定される。本実施例のボルト40は、固定部を構成する。
【0093】
ボルト40の頭部にはキャップ40Aが取付けられており、ボルト40の頭部はキャップによって覆われている。これにより、自動運転中に運転者がボルト40に接触することを防止できる。
【0094】
固定部は、ボルト40に限らず、例えば、レバーと、レバーが回動されると、ハンドル回動軸25の嵌合穴に嵌合されるプランジャとを有する装置や、ハンドル回動軸25の嵌合穴に嵌合される電磁ソレノイド等から構成されてもよい。
【0095】
また、プランジャや電磁ソレノイドが嵌合穴に嵌合されたことを図示しないセンサによって検出し、センサからの入力情報に基づいて自動運転を開始してもよい。
【0096】
図10に示すように、サイドバー11L、11Rの先端部にはベースブラケット34が溶接等によって固定されている。
【0097】
ベースブラケット34にはボルト38Bによってモータブラケット35が固定されており、ベースブラケット34は、ハンドル回動軸25とステアリングシャフト26よりも前側に設置されている(図9参照)。
【0098】
ステアリングモータ55にはねじ穴55aが形成されており、ねじ穴55aは、ステアリングモータ55の周方向に90°の間隔で離活している。
【0099】
ねじ穴55aにはモータブラケット35に形成された図示しないねじ穴を通してボルト38Cが締結(ねじ締め)されている。これにより、ステアリングモータ55は、ボルト38Cによってモータブラケット35に固定される。すなわち、ステアリングモータ55は、ボルト38Cによってモータブラケット35の上面に三点止めされている。
【0100】
図9に示すように、モータブラケット35の下面にはボルト38Dによってセンサブラケット36が固定されており、センサブラケット36は、ハンドル回動軸25とステアリングシャフト26よりも前側に設置されている。
【0101】
センサブラケット36は、モータブラケット35から下方に延びるクランク形状に形成されており、センサブラケット36の下部にはステアリング切れ角センサ56が固定されている。
【0102】
ステアリングモータ55とステアリング切れ角センサ56は、ベースブラケット34を挟んで上下に設置されている。
【0103】
このように、ステアリングモータ55とステアリング切れ角センサ56は、ベースブラケット34に対して上下に分かれるようにしてモータブラケット35とセンサブラケット36に取付けられている。
【0104】
本実施例のベースブラケット34、モータブラケット35およびセンサブラケット36は、ブラケットを構成する。
【0105】
このように本実施例の電動車両1は、ステアリングモータ55、ハンドル切れ角センサ51およびステアリング切れ角センサ56がハンドル回動軸25およびステアリングシャフト26よりも前方に設置されている。
【0106】
図3に示すように、ステアリングモータ55とハンドル切れ角センサ51とステアリング切れ角センサ56とは、それぞれの少なくとも一部分がステアリングシャフト26の軸線方向に並ぶように設置されている。
【0107】
換言すれば、ステアリングシャフト26の軸線方向から見た場合に、ステアリングモータ55とハンドル切れ角センサ51とステアリング切れ角センサ56とは、それぞれの少なくとも一部分が重なっている。
【0108】
図5に示すように、ステアリングモータ55の一部とハンドル切れ角センサ51は、車幅方向でブレース29A、29Bの間に設置されており、電動車両1を車幅方向から見て、ブレース29A、29Bは、ステアリングモータ55の一部とハンドル切れ角センサ51とを覆っている。
【0109】
なお、ステアリングモータ55の全体を車幅方向でブレース29A、29Bの間に設置してもよい。
【0110】
次に、本実施例の電動車両1の効果について説明する。
本実施例の電動車両1は、上端部にハンドル30を有し、シート8の前方においてシャーシフレーム27に回動自在に支持されたハンドル回動軸25と、車幅方向で前輪21L、21Rの間に回動自在に設けられたステアリングシャフト26と、ステアリングシャフト26を回動させるステアリングモータ55とを有する。
【0111】
また、電動車両1は、ステアリングシャフト26と前輪21L、21Rとを連結し、前輪21L、21Rの操舵方向をステアリングシャフト26の回動に追従させるステアリングロッド58L、58Rと、ハンドル回動軸25の回動角を検出するハンドル切れ角センサ51と、ステアリングシャフト26の回動角を検出するステアリング切れ角センサ56とを有する。
【0112】
また、電動車両1は、ハンドル切れ角センサ51とステアリング切れ角センサ56から入力された操舵信号に基づいてステアリングモータ55を駆動し、前輪21L、21Rの切れ角を変化させるコントローラ部50とを備えている。
【0113】
このような電動車両1において、ステアリングモータ55、ハンドル切れ角センサ51およびステアリング切れ角センサ56がステアリングシャフト26よりも前方に設置されている。
【0114】
これにより、ステアバイワイヤ機構60の一部を構成するステアリングモータ55、ハンドル切れ角センサ51およびステアリング切れ角センサ56をフロア6よりも前側に設置できる。このため、運転者の足元の空間を広く確保して運転者の居住性を向上しつつ、ステアバイワイヤ機構60を搭載できる。
【0115】
また、本実施例の電動車両1によれば、シャーシフレーム27に、ステアリングシャフト26よりも前方に位置するベースブラケット34、モータブラケット35およびセンサブラケット36が設けられており、ステアリングモータ55とステアリング切れ角センサ56は、ベースブラケット34に対して上下に分かれるようにしてモータブラケット35とセンサブラケット36に取付けられている。
【0116】
これにより、ハンドル回動軸25の前方の小さい空間にステアリングモータ55とステアリング切れ角センサ56を設置でき、ステアバイワイヤ機構60の設置スペースを低減できる。
【0117】
また、ステアリングモータ55とステアリング切れ角センサ56とをベースブラケット34に対して上下に分かれるようにして設置することにより、ステアリングモータ55とステアリング切れ角センサ56を前後方向に並んで設置する場合に比べて、電動車両1の前後方向の長さを短くできる。このため、電動車両1の小型化を図ることができる。
【0118】
なお、本実施例のステアリングモータ55とステアリング切れ角センサ56は、3つのベースブラケット34、モータブラケット35およびセンサブラケット36に取付けられているが、1つのブラケットに取り付けられてもよい。
【0119】
この場合には、ステアリングモータ55を1つのブラケットの上面に取付け、ステアリング切れ角センサ56を1つのブラケットの下面に取り付ければ、ブラケットに対してステアリングモータ55とステアリング切れ角センサ56とを上下に分けて設置できる。
【0120】
また、本実施例の電動車両1によれば、ステアリングモータ55とハンドル切れ角センサ51とステアリング切れ角センサ56とは、それぞれの少なくとも一部分がステアリングシャフト26の軸線方向に並ぶように設置されている。
【0121】
これにより、ハンドル回動軸25の前方の小さい空間にステアリングモータ55、ハンドル切れ角センサ51およびステアリング切れ角センサ56を設置でき、ステアバイワイヤ機構60の設置スペースをより効果的に低減できるとともに、電動車両1の前後方向の長さをより効果的に短くできる。この結果、電動車両1の小型化をより効果的に図ることができる。
【0122】
また、本実施例の電動車両1によれば、シャーシフレーム27に一対のブレース29A、29Bが設置されている。ブレース29A、29Bは、ハンドル回動軸25の車幅方向の両側に位置してシャーシフレーム27から上方に延びており、電動車両1を車幅方向から見て、ブレース29A、29Bは、ステアリングモータ55の一部とハンドル切れ角センサ51を覆っている。
【0123】
これにより、車幅方向から電動車両1の前部に衝撃が加わった場合に、衝撃をブレース29Aまたはブレース29Bを受け止めることができ、ハンドル切れ角センサ51とステアリングモータ55に衝撃が加わることを抑制できる。このため、ハンドル切れ角センサ51とステアリングモータ55を衝撃から保護できる。
【0124】
なお、電動車両1を車幅方向から見て、ブレース29A、29Bがハンドル切れ角センサ51とステアリングモータ55とステアリング切れ角センサ56とを覆ってもよい。
【0125】
また、本実施例の電動車両1は自動運転車両であり、電動車両1は、自動運転時に、ハンドル回動軸25を回動不能に固定するボルト40を有する。
【0126】
これにより、運転者は、自動運転時に回動不能なハンドル30を把持することができ、体勢が不安定になることを防止できる。これに加えて、自動運転中においてハンドル回動軸25が回動不能となるので、ハンドル回動軸25の回動角とステアリングシャフト26の回動角に差異が生じることを防止できる。
【0127】
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0128】
1...電動車両、2...車体フレーム(車体部材)、3...外装カバー(車体部材)、8...シート(座席)、21L、21R...前輪、25...ハンドル回動軸、26...ステアリングシャフト、29A,29B...ブレース(側板)、30...ハンドル、34...ベースブラケット(ブラケット)、35...モータブラケット(ブラケット)、36...センサブラケット(ブラケット)、40...ボルト(固定部)、50...コントローラ部、51...ハンドル切れ角センサ(ハンドル回動角検出部材)、55...ステアリングモータ、56...ステアリング切れ角センサ(ステアリング回動角検出部材)、58L,58R...ステアリングロッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12