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  • 特許-方法、情報処理装置、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】方法、情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/40 20240101AFI20240925BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20240925BHJP
   G08G 1/127 20060101ALI20240925BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20240925BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240925BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20240925BHJP
【FI】
G06Q50/40
G01C21/34
G08G1/127
G08G1/09 F
G16Y10/40
G16Y40/60
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021025699
(22)【出願日】2021-02-19
(65)【公開番号】P2022127507
(43)【公開日】2022-08-31
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】村上 涼
(72)【発明者】
【氏名】橘 勇次
(72)【発明者】
【氏名】中通 実
(72)【発明者】
【氏名】兼市 大輝
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-106019(JP,A)
【文献】国際公開第2020/002959(WO,A1)
【文献】特開平10-208195(JP,A)
【文献】特開2008-104758(JP,A)
【文献】特開2019-175403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G01C 21/34
G08G 1/127
G08G 1/09
G16Y 10/40
G16Y 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が実行する方法であって、
端末装置を介してユーザから配車要求を取得すること、
前記ユーザの運動量の目標値から現在値を減算した不足値を含む運動情報を取得すること、
前記不足値に基づいて決定される目標距離だけ前記ユーザの現在位置から離れた位置を前記ユーザを乗車させる乗車位置として決定すること及び
車両が前記乗車位置に向かうように前記車両の運行計画を決定すること
を含む、方法。
【請求項2】
請求項に記載の方法であって、
前記不足値が多いほど前記目標距離は長くなるように決定される、方法。
【請求項3】
請求項又はに記載の方法であって、
前記配車要求は、前記ユーザの移動の目的地を示す情報を含み、
前記目標距離は、前記ユーザの現在位置から前記目的地までの距離よりも短くなるように決定される、方法。
【請求項4】
請求項に記載の方法であって、
前記目標距離は、前記乗車位置から前記目的地までの距離が所定の下限値以上となるように決定される、方法。
【請求項5】
請求項又はに記載の方法であって、
前記目標距離をA、前記乗車位置から前記目的地までの距離をB、前記ユーザの現在位置から前記目的地までの距離をCとして、前記目標距離は、A+B-C又は(A+B)/Cが所定の閾値未満となるように決定される、方法。
【請求項6】
請求項1からの何れか一項に記載の方法であって、
複数の候補車両の中から、前記乗車位置に前記ユーザよりも早く又は略同時に到着可能な1つの候補車両を、前記車両として選択することを更に含む、方法。
【請求項7】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
ユーザの端末装置から配車要求を取得し、
前記ユーザの運動量の目標値から現在値を減算した不足値を含む運動情報を取得し、
前記不足値に基づいて決定される目標距離だけ前記ユーザの現在位置から離れた位置を前記ユーザを乗車させる乗車位置として決定し、
車両が前記乗車位置に向かうように前記車両の運行計画を決定する、情報処理装置。
【請求項8】
請求項に記載の情報処理装置であって、
前記不足値が多いほど前記目標距離は長くなるように決定される、情報処理装置。
【請求項9】
請求項又はに記載の情報処理装置であって、
前記配車要求は、前記ユーザの移動の目的地を示す情報を含み、
前記目標距離は、前記ユーザの現在位置から前記目的地までの距離よりも短くなるように決定される、情報処理装置。
【請求項10】
請求項に記載の情報処理装置であって、
前記目標距離は、前記乗車位置から前記目的地までの距離が所定の下限値以上となるように決定される、情報処理装置。
【請求項11】
請求項又は10に記載の情報処理装置であって、
前記目標距離をA、前記乗車位置から前記目的地までの距離をB、前記ユーザの現在位置から前記目的地までの距離をCとして、前記目標距離は、A+B-C又は(A+B)/Cが所定の閾値未満となるように決定される、情報処理装置。
【請求項12】
請求項から11の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、複数の候補車両の中から、前記乗車位置に前記ユーザよりも早く又は略同時に到着可能な1つの候補車両を、前記車両として選択する、情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータに、
ユーザの端末装置から配車要求を取得すること、
前記ユーザの運動量の目標値から現在値を減算した不足値を含む運動情報を取得すること、
前記不足値に基づいて決定される目標距離だけ前記ユーザの現在位置から離れた位置を前記ユーザを乗車させる乗車位置として決定すること、及び
車両が前記乗車位置に向かうように前記車両の運行計画を決定すること
を実行させる、プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムであって、
前記不足値が多いほど前記目標距離は長くなるように決定される、プログラム。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のプログラムであって、
前記配車要求は、前記ユーザの移動の目的地を示す情報を含み、
前記目標距離は、前記ユーザの現在位置から前記目的地までの距離よりも短くなるように決定される、プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムであって、
前記目標距離は、前記乗車位置から前記目的地までの距離が所定の下限値以上となるように決定される、プログラム。
【請求項17】
請求項15又は16に記載のプログラムであって、
前記目標距離をA、前記乗車位置から前記目的地までの距離をB、前記ユーザの現在位置から前記目的地までの距離をCとして、前記目標距離は、A+B-C又は(A+B)/Cが所定の閾値未満となるように決定される、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、方法、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両を用いて旅客輸送を行う技術が知られている。例えば特許文献1には、移動体に乗車するための乗車地点であって仮想の乗車地点である仮想乗車地点の位置に関する乗車位置情報を取得し、ユーザが仮想乗車地点へと接近する行動に関する条件を示す条件情報を、ユーザが満たす場合に、ユーザに対して、乗車位置情報によって示される位置に関する情報を通知する情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-106019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両を用いて旅客輸送を行う技術には改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、車両を用いて旅客輸送を行う技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る方法は、
情報処理装置が実行する方法であって、
端末装置を介してユーザから配車要求を取得すること、
前記ユーザの運動量に関する運動情報を取得すること、
前記ユーザを乗車させる乗車位置を、前記ユーザの現在位置及び前記運動情報に基づいて決定すること、及び
車両が前記乗車位置に向かうように前記車両の運行計画を決定することを含む。
【0007】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
ユーザの端末装置から配車要求を取得し、
前記ユーザの運動量に関する運動情報を取得し、
前記ユーザを乗車させる乗車位置を、前記ユーザの現在位置及び前記運動情報に基づいて決定し、
車両が前記乗車位置に向かうように前記車両の運行計画を決定する。
【0008】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
コンピュータに、
ユーザの端末装置から配車要求を取得すること、
前記ユーザの運動量に関する運動情報を取得すること、
前記ユーザを乗車させる乗車位置を、前記ユーザの現在位置及び前記運動情報に基づいて決定すること、及び
車両が前記乗車位置に向かうように前記車両の運行計画を決定することを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、車両を用いて旅客輸送を行う技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
図2】端末装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図4】システムの動作を示すシーケンス図である。
図5】ユーザの現在位置、乗車位置、及び目的地の位置関係の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、端末装置10と、情報処理装置20と、を備える。端末装置10及び情報処理装置20は、例えばインターネット及び移動体通信網等を含むネットワーク30と通信可能に接続される。
【0013】
端末装置10は、ユーザによって使用される任意の装置である。例えばスマートフォン若しくはタブレット端末等の汎用の電子機器、又は専用の電子機器が、端末装置10として採用可能である。本実施形態において、システム1が備える端末装置10の数は、1以上であればよい。
【0014】
情報処理装置20は、例えばサーバ装置であるが、これに限られず任意のコンピュータであってもよい。情報処理装置20は、ネットワーク30を介して端末装置10と通信可能である。
【0015】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。情報処理装置20は、端末装置10を介してユーザから配車要求を取得する。情報処理装置20は、ユーザの運動量に関する運動情報を取得する。情報処理装置20は、ユーザを乗車させる乗車位置を、ユーザの現在位置及び運動情報に基づいて決定する。そして情報処理装置20は、車両が乗車位置に向かうように当該車両の運行計画を決定する。
【0016】
このように、本実施形態によれば、ユーザを車両に乗車させる乗車位置が、ユーザの現在位置及び運動情報に基づいて決定される。例えば、ユーザの現在位置から離れた位置が乗車位置として決定されると、ユーザの運動量の増加が促進される。一方、ユーザの現在位置に近い位置が乗車位置として決定されると、ユーザの運動量の増加が抑制される。したがって、ユーザの運動量を一定の程度で制御可能となる点で、車両を用いて旅客輸送を行う技術が改善される。
【0017】
次に、システム1の各構成について詳細に説明する。
【0018】
(端末装置の構成)
図2に示すように、端末装置10は、通信部11と、測位部12と、出力部13と、入力部14と、記憶部15と、制御部16と、を備える。
【0019】
通信部11は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応するが、これらに限られず任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、端末装置10は、通信部11及びネットワーク30を介して情報処理装置20と通信する。
【0020】
測位部12は、端末装置10の位置情報を取得する1つ以上の装置を含む。具体的には、測位部12は、例えばGPSに対応する受信機を含むが、これに限られず、任意の衛星測位システムに対応する受信機を含んでもよい。本実施形態において、端末装置10はユーザによって携帯され、端末装置10の位置情報はユーザの位置情報として扱われる。
【0021】
出力部13は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力装置を含んでもよい。当該出力装置は、例えば情報を映像で出力するディスプレイ、又は情報を音声で出力するスピーカ等であるが、これらに限られない。出力部13は、外部の出力装置を接続するためのインタフェースを含んでもよい。
【0022】
入力部14は、ユーザ入力を検出する1つ以上の入力装置を含んでもよい。当該入力装置は、例えば物理キー、静電容量キー、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、音声入力を受け付けるマイクロフォン、又はカメラ等であるが、これらに限られない。入力部14は、外部の入力装置を接続するためのインタフェースを含んでもよい。
【0023】
記憶部15は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部15に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部15は、端末装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部15は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。記憶部15に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク30から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0024】
制御部16は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部16は、端末装置10全体の動作を制御する。
【0025】
(情報処理装置の構成)
図3に示すように、情報処理装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。
【0026】
通信部21は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、情報処理装置20は、通信部21及びネットワーク30を介して端末装置10と通信する。
【0027】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。記憶部22に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、情報処理装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク30から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0028】
制御部23は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部23は、情報処理装置20全体の動作を制御する。
【0029】
(システムの動作フロー)
図4を参照して、本実施形態に係るシステム1の動作について説明する。
【0030】
ステップS100:各端末装置10の制御部16は、ユーザによる特定の操作を検出すると、配車要求を情報処理装置20に通知する。ここでは、1つの端末装置10が配車要求を情報処理装置20に通知したものとして説明する。
【0031】
具体的には、制御部16は、入力部14に対するユーザ入力に基づいて、ユーザにより特定の操作が実行されたことを検出する。特定の操作は、例えば配車要求を通知するための専用アプリケーションプログラムを起動する操作、及び配車要求の通知をユーザが承認する操作等を含み得るが、これらに限られず任意の操作を含んでもよい。制御部16は、当該操作を検出すると、通信部11及びネットワーク30を介して情報処理装置20へ、ユーザからの配車要求を示す信号を送信する。
【0032】
ユーザからの配車要求を示す信号は、ユーザの現在位置の位置情報を含む。ユーザからの配車要求を示す信号は、ユーザの移動の目的地を示す情報を更に含んでもよい。ユーザからの配車要求を示す信号は、ユーザの認証情報を更に含んでもよい。ユーザの認証情報は、例えばユーザID及びパスワードを含むアカウント情報、又は顔、指紋、静脈、若しくは虹彩等の画像を含む生体情報等であるが、これらに限られない。ユーザの生体情報は、例えば入力部14のカメラを用いて取得可能である。
【0033】
ステップS101:情報処理装置20の制御部23は、端末装置10を介してユーザから配車要求を取得する。
【0034】
具体的には、制御部23は、通信部21及びネットワーク30を介して端末装置10から、ユーザからの配車要求を示す信号を受信する。
【0035】
ステップS102:制御部23は、ユーザの運動量に関する運動情報を取得する。
【0036】
運動情報は、例えばユーザの運動量の目標値から現在値を減算した不足値を含む。運動量とは、ユーザの運動の多寡を示す任意の度合いである。例えば、歩数又は消費エネルギ量等が、運動量として採用可能である。運動情報の取得には、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部23は、ユーザが装着しているウェアラブルデバイスから端末装置10を介して、当該ウェアラブルデバイスに予め設定された目標値と、当該ウェアラブルデバイスによって測定されたユーザの運動量の現在値とを受信し、目標値から現在値を減算することによって不足値を取得してもよい。或いは、制御部23は、ユーザのウェアラブルデバイス又は端末装置10から不足値を直接取得してもよい。
【0037】
ステップS103:制御部23は、ユーザを車両に乗車させる乗車位置を、ユーザの現在位置及び運動情報に基づいて決定する。
【0038】
乗車位置の決定には、任意の手法が採用可能である。例えば制御部23は、ユーザの運動量の目標値から現在値を減算した不足値に基づいて目標距離を決定してもよい。制御部23は、決定された目標距離だけユーザの現在位置から離れた位置を乗車位置として決定してもよい。
【0039】
図5は、ユーザの現在位置Pと、乗車位置Qと、目的地Rと、の具体例を模式的が示す図である。図5においては説明の簡便のため、P、Q、Rそれぞれの間の経路を直線で図示しているが、P、Q、Rそれぞれの間の経路は地図上の道路に沿っていてもよい。以下、現在位置Pと乗車位置Qの間の距離(すなわち、目標距離)をA、乗車位置Qと目的地Rの間の距離をB、及び現在位置Pと目的地Rの間の距離をCとも表記する。目標距離A及び乗車位置Qの決定に際して、現在位置P、目的地R、及び現在位置Pから目的地Rまでの距離Cは定数である。
【0040】
ここで制御部23は、ユーザの運動量の不足値が多いほど目標距離Aを長くしてもよい。かかる場合、ユーザの運動量が不足しているほど、現在位置Pから離れた位置が乗車位置Qとして決定されるので、ユーザの運動量の増加が促進される。
【0041】
また制御部23は、ユーザの現在位置Pから目的地Rまでの距離Cよりも目標距離Aを短くしてもよい。かかる場合、例えばユーザが現在位置Pから目的地Rまで徒歩で移動するよりもユーザを車両に乗車させる方が逆に移動時間が長くなってしまうという不都合の発生を防止し得る。
【0042】
また制御部23は、乗車位置Qから目的地Rまでの距離Bが所定の下限値以上となるように目標距離A及び乗車位置Qを決定してもよい。かかる場合、例えば車両での移動距離(すなわち、乗車位置Qから目的地Rまでの距離B)が極端に短くなり、ユーザが煩わしさを感じてしまう蓋然性を低減し得る。
【0043】
また制御部23は、A+B-C又は(A+B)/Cが所定の閾値未満となるように目標距離A及び乗車位置Qを決定してもよい。かかる場合、現在位置Pから目的地Rまで直接移動する場合の距離Cと比較して、現在位置Pから乗車位置Qを経由して目的地Rまで移動する場合の距離A+Bが極端に長くなってしまう(すなわち、遠回りとなってしまう)という不都合の発生を防止し得る。
【0044】
ステップS104:制御部23は、車両がステップS103の乗車位置Qに向かうように車両の運行計画を決定する。
【0045】
具体的には、制御部23は、車両が乗車位置Qに到着するまでの移動経路と、車両が乗車位置Qに到着する到着予定時刻と、を取得する。車両は、例えばオンデマンドバス又はタクシー等の旅客車両であるが、これらに限られない。移動経路及び到着予定時刻の取得には、一般的な経路探索の手法が採用可能である。制御部23は、取得された移動経路及び到着予定時刻を含む運行計画を決定する。車両の運行計画は、例えば将来における車両の移動経路と、複数の時刻のそれぞれにおける車両の位置と、を示す情報を含むが、これに限られず車両の運行に関する任意の情報を含んでもよい。車両は、情報処理装置20によって決定された運行計画に従って乗車位置に向かうように、自動運転又は運転者の手動運転により運行する。
【0046】
ここで、複数の候補車両が存在する場合、制御部23は、複数の候補車両の中から、乗車位置Qにユーザよりも早く又は略同時に到着可能な1つの候補車両を、上記の車両として選択してもよい。具体的には、制御部23は、ユーザが所定の移動手段(例えば、徒歩)で乗車位置Qに到着する予測時刻を取得し、当該予測時刻よりも早く又は略同時に乗車位置Qに到着可能な1つの候補車両を、上記の車両として選択する。制御部23は、選択された当該車両の運行計画を上述のように決定する。
【0047】
ステップS105:制御部23は、ステップS104で取得された車両の乗車位置Qを端末装置10に通知する。
【0048】
具体的には、制御部23は、通信部21及びネットワーク30を介して、車両の乗車位置Qを示す情報を端末装置10へ送信する。
【0049】
ステップS106:端末装置10の制御部16は、出力部13を介して乗車位置Qをユーザに通知する。
【0050】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置20は、端末装置10を介してユーザから配車要求を取得する。情報処理装置20は、ユーザの運動量に関する運動情報を取得する。情報処理装置20は、ユーザを乗車させる乗車位置を、ユーザの現在位置及び運動情報に基づいて決定する。そして情報処理装置20は、車両が乗車位置に向かうように当該車両の運行計画を決定する。
【0051】
かかる構成によれば、ユーザを車両に乗車させる乗車位置が、ユーザの現在位置及び運動情報に基づいて決定される。例えば、ユーザの現在位置から離れた位置が乗車位置として決定されると、ユーザの運動量の増加が促進される。一方、ユーザの現在位置に近い位置が乗車位置として決定されると、ユーザの運動量の増加が抑制される。したがって、ユーザの運動量を一定の程度で制御可能となる点で、車両を用いて旅客輸送を行う技術が改善される。
【0052】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0053】
例えば、上述した実施形態において、情報処理装置20の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。
【0054】
また、例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る端末装置10又は情報処理装置20として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る端末装置10又は情報処理装置20の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本実施形態に係る発明は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 システム
10 端末装置
11 通信部
12 測位部
13 出力部
14 入力部
15 記憶部
16 制御部
20 情報処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
30 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5