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  • 特許-電源装置および照明装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】電源装置および照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/105 20200101AFI20240925BHJP
【FI】
H05B47/105
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021048789
(22)【出願日】2021-03-23
(65)【公開番号】P2022147515
(43)【公開日】2022-10-06
【審査請求日】2024-01-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相場 明穂
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩士
(72)【発明者】
【氏名】平本 雄也
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-027751(JP,A)
【文献】特開2017-098051(JP,A)
【文献】特開2013-246974(JP,A)
【文献】米国特許第8698407(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1スイッチング素子のオンオフにより光源を点灯させる点灯回路と、
外部から入力される目標値が予め定められた閾値より大きいとき、前記光源を流れる光源電流が前記目標値と一致するように、前記第1スイッチング素子のオンデューティを前記目標値に応じて変化させる制御回路と、
前記オンデューティに対応する目標電圧が入力される第1入力端子と、前記光源電流に応じた電圧が入力される第2入力端子と、前記第1入力端子に入力される電圧と、前記第2入力端子に入力される電圧とが等しくなるように前記第1スイッチング素子をオンオフさせる信号を出力する出力端子を有する比較器と、
前記制御回路からの信号に応じて、前記第1入力端子と接地用端子を短絡させる第2スイッチング素子と、
を備え
前記制御回路は、前記目標値が前記閾値より小さいとき、前記目標値の変化に対して前記目標電圧を一定にして、前記光源電流が前記目標値と一致するように、前記第2スイッチング素子のオンオフを制御して、前記光源を間欠的に消灯状態とし、
前記目標電圧が変化する周期と比較して、前記第2スイッチング素子がオンオフする周期は短いことを特徴とする電源装置
【請求項2】
前記点灯回路は、
外部電源から電力を供給され、出力電圧を生成する第1スイッチング回路と、
前記光源と直列に接続される前記第1スイッチング素子を有し、前記出力電圧から電力を供給されて前記第1スイッチング素子のオンオフにより前記光源を点灯させる第2スイッチング回路と、
を備え、
前記制御回路は、前記目標値が前記閾値より大きいとき、前記第1スイッチング素子のドレイン電圧が予め定められた電圧と一致するように、前記第1スイッチング回路を制御し、前記目標値が前記閾値より小さいとき、前記出力電圧が予め定められた電圧と一致するように、前記第1スイッチング回路を制御することを特徴とする請求項1に記載の電源装置
【請求項3】
請求項1または2に記載の電源装置と、
前記光源と、
を備えることを特徴する照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電源装置および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、発光ダイオードからなる発光ユニットに定電流回路を直列接続する点灯回路が開示されている。この点灯回路では、発光ユニットと定電流回路の直列回路に対して、コンバータ回路から、定電流回路の端子間電圧が一定になるよう出力電圧を制御しながら直流電力を供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-215913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような点灯回路では、光源に流す電流が少ないときに、光源の個体差等により色温度が安定しないおそれがある。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、安定した色温度が得られる電源装置および照明装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の開示に係る電源装置は、第1スイッチング素子のオンオフにより光源を点灯させる点灯回路と、外部から入力される目標値が予め定められた閾値より大きいとき、前記光源を流れる光源電流が前記目標値と一致するように、前記第1スイッチング素子のオンデューティを前記目標値に応じて変化させる制御回路と、前記オンデューティに対応する目標電圧が入力される第1入力端子と、前記光源電流に応じた電圧が入力される第2入力端子と、前記第1入力端子に入力される電圧と、前記第2入力端子に入力される電圧とが等しくなるように前記第1スイッチング素子をオンオフさせる信号を出力する出力端子を有する比較器と、前記制御回路からの信号に応じて、前記第1入力端子と接地用端子を短絡させる第2スイッチング素子と、を備え、前記制御回路は、前記目標値が前記閾値より小さいとき、前記目標値の変化に対して前記目標電圧を一定にして、前記光源電流が前記目標値と一致するように、前記第2スイッチング素子のオンオフを制御して、前記光源を間欠的に消灯状態とし、前記目標電圧が変化する周期と比較して、前記第2スイッチング素子がオンオフする周期は短い
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る電源装置では、光源電流の目標値が閾値より小さいとき、目標値の変化に対してオンデューティを一定にして、光源を間欠的に消灯状態とする。従って、安定した色温度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る照明装置の回路ブロック図である。
図2】実施の形態1に係る制御部の構成を説明する図である。
図3】調光率とオンデューティの関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施の形態に係る電源装置および照明装置について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置100の回路ブロック図である。照明装置100は、商用電源から電力を得る電源装置50と、電源装置50に接続された光源10および調光器8を備える。光源10は、発光素子として例えば直列に接続された複数のLEDを備える。
【0011】
電源装置50は、入力フィルタ回路1と、入力電圧検出回路2と、スイッチング回路3と、Vcc生成回路4と、出力電圧検出回路5と、定電流回路6と、ドレイン電圧検出回路7と、制御部9を備える。スイッチング回路3と定電流回路6は、スイッチング素子61のオンオフにより光源10を点灯させる点灯回路を構成する。
【0012】
入力フィルタ回路1は、過電流を保護するためのヒューズ11と、交流用のコンデンサ12と、交流を直流に変換するためのダイオードブリッジ13を備える。ダイオードブリッジ13の出力はスイッチング回路3に接続される。ダイオードブリッジ13の出力の低電位側は接地用端子に接続される。
【0013】
入力電圧検出回路2は、直列に接続された抵抗21と抵抗22から構成される。入力電圧検出回路2は、コンデンサ31と並列に接続される。抵抗21と抵抗22の分圧値は制御部9に伝達される。これにより、制御部9はスイッチング回路3への入力電圧を検出する。
【0014】
スイッチング回路3はフライバック回路から構成される。スイッチング回路3は、外部電源から電力を供給され、出力電圧Voutを生成する。制御部9はスイッチング回路3を制御する。スイッチング回路3において、ダイオードブリッジ13の出力と並列にコンデンサ31が接続される。コンデンサ31の正極には、コンデンサ38の正極、抵抗37の一端およびトランス33の一次側の一端が接続される。コンデンサ38の負極と抵抗37の他端には、ダイオード39のカソードが接続される。コンデンサ38、抵抗37およびダイオード39は、スイッチングに伴う過渡的な高電位を吸収するスナバ回路を形成する。
【0015】
トランス33の一次側の他端には、スイッチング素子35の第1端子が接続される。スイッチング素子35の第2端子は抵抗36を介してコンデンサ31の負極側に接続される。スイッチング素子35の制御端子は、制御IC30に接続される。制御端子は、第1、第2端子間をスイッチングするための端子である。
【0016】
スイッチング素子35は、例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。スイッチング素子35がMOSFETの場合、第1端子はドレイン端子、第2端子はソース端子、制御端子はゲート端子である。
【0017】
制御IC30はスイッチング制御用のドライバである。制御IC30は制御部9からの信号を受けてスイッチング素子35を駆動させる。コンデンサ31は、正極に接続された抵抗41を介して、制御IC30の電源を供給する。
【0018】
抵抗36は、スイッチング素子35のドレイン電流を検出するために設けられる。抵抗36は、スイッチング素子35のソースと接地用端子との間に接続される。抵抗36の両端電圧であるスイッチング素子35のソース電圧は、制御IC30に入力される。これにより、制御IC30はスイッチング素子35のドレイン電流を検出する。
【0019】
トランス33の二次側のフライバック巻き線の一端には、ダイオード34のアノードが接続される。ダイオード34は、トランス33の二次側に直列接続され、出力側に安定した電圧を伝達するために設けられる。ダイオード34のカソードには、電解コンデンサ32の正極が接続される。電解コンデンサ32の負極は接地用端子に接続される。
【0020】
Vcc生成回路4は、レギュレータ42で構成される。レギュレータ42は、電圧を安定させるために設けられる。レギュレータ42により、ダイオードブリッジ13の出力電圧から電圧Vccが生成される。電圧Vccは制御部9に電源として供給される。
【0021】
出力電圧検出回路5は、直列に接続された抵抗51と抵抗52から構成される。出力電圧検出回路5は、電解コンデンサ32と並列に接続される。抵抗51と抵抗52の分圧値は制御部9に伝達される。これにより、制御部9はスイッチング回路3の出力電圧Voutを検出する。
【0022】
定電流回路6は、光源10のカソード側に直列に接続されたスイッチング素子61と、抵抗62を備える。定電流回路6は、出力電圧Voutから電力を供給されて、スイッチング素子61のオンオフにより光源10を点灯させるスイッチング回路である。定電流回路6は、スイッチング素子61のインピーダンスを制御して、光源10に流れる電流を一定に制御する。スイッチング素子61の第1端子は光源10のカソード側に接続され、第2端子は抵抗62を介して接地用端子に接続される。スイッチング素子61の制御端子は誤差増幅器68の出力に接続される。スイッチング素子61は、例えばMOSFETである。
【0023】
誤差増幅器68の第1入力端子には、抵抗64の一端とコンデンサ65の正極が接続される。誤差増幅器68の第2入力端子には、スイッチング素子61の第2端子が接続される。コンデンサ65の負極は接地用端子に接続される。抵抗64の他端は、誤差増幅器69を介して、抵抗66の一端とコンデンサ67の正極に接続される。コンデンサ67の負極は、接地用端子に接続される。抵抗66の他端は制御部9のDIM端子に接続される。
【0024】
また、誤差増幅器68の第1入力端子には、スイッチング素子63の第1端子が接続される。スイッチング素子63の第2端子は接地用端子に接続される。スイッチング素子63の制御端子は制御部9のP_SW端子に接続される。スイッチング素子63は例えばMOSFETである。
【0025】
光源10を流れる光源電流の目標値は、制御部9のDIM端子からPWM(Pulse Width Modulation)信号として出力される。DIM端子から出力された信号は、抵抗66とコンデンサ67で平滑され、直流電圧として誤差増幅器69に入力される。誤差増幅器69は、DIM端子からの信号を切り分けるためのボルテージフォロワの役割を果たす。光源電流の目標値に応じた目標電圧は、誤差増幅器69を介して誤差増幅器68に入力される。誤差増幅器68、69は比較器または積分回路とも呼ばれる。誤差増幅器69は誤差増幅器68よりも時定数が大きい。
【0026】
また、抵抗62に発生する電圧は光源電流に対応する。このように、誤差増幅器68は、光源電流の目標値に応じた目標電圧が入力される第1入力端子と、光源電流に応じた電圧が入力される第2入力端子と、出力端子とを有する。誤差増幅器68の出力端子からは、第1入力端子に入力される電圧と、第2入力端子に入力される電圧とが等しくなるように、スイッチング素子61をオンオフさせる信号が出力される。つまり誤差増幅器68は、抵抗62に発生する電圧が一定になるようにスイッチング素子61のオンオフを制御する。これにより、光源10の定電流フィードバックが実現する。
【0027】
本実施の形態では、スイッチング素子61のインピーダンスが大きくなるほど、光源10が暗くなる。制御部9は、スイッチング素子61を所定間隔でオンオフするPWM制御手段である。制御部9がスイッチング素子61をオフするときには、光源電流は略ゼロとなる。調光率が小さくなるに連れて、スイッチング素子61のオフ期間の割合が大きくなる。
【0028】
スイッチング素子63は、制御部9からの信号に応じて、誤差増幅器68の第1入力端子と接地用端子を短絡させる。後述するようにスイッチング素子63は、光源電流の目標値が予め定められた閾値より小さいとき、誤差増幅器68の第1入力端子の電圧を低下させることで、光源10を消灯させることができる。このため、スイッチング素子63のオンオフを制御することで、パルス点灯を実現できる。
【0029】
ドレイン電圧検出回路7は、直列に接続された抵抗71と抵抗72から構成される。ドレイン電圧検出回路7は、光源10のカソード側と接地用端子間に接続される。抵抗71と抵抗72の分圧値は制御部9に伝達される。これにより、制御部9は定電流回路6の両端電圧Vdを検出する。
【0030】
制御部9は、例えばマイクロコンピュータである。制御部9は、例えば各種の演算を行うCPUと、メモリと、タイマを備えている。メモリには、予めCPUの演算に用いられる値が書き込まれている。メモリは、例えば不揮発性メモリから構成される。
【0031】
図2は、実施の形態1に係る制御部9の構成を説明する図である。制御部9では、プログラムにより誤差増幅器が構築されている。この誤差増幅器は、スイッチング回路3の出力電圧Voutまたは定電流回路6の両端電圧Vdが、予め設定された基準電圧となるように、PFC_DR端子からPWM信号を出力する。これにより、制御部9はスイッチング素子35のオンオフを制御する。従って、フライバック回路であるスイッチング回路3の定電圧フィードバックが実現する。
【0032】
次に、調光器8からの信号に応じた制御部9の動作を説明する。まず、調光器8から調光率が制御部9に入力される。制御部9の比較部は、メモリ空間に予め書き込まれた閾値と入力された調光率を比較する。
【0033】
調光率が閾値より高い場合、制御部9はドレイン電圧検出回路7で、定電流回路6の両端電圧Vdの検出を行う。制御部9は、プログラムにより仮想的に構築された誤差増幅器によって、両端電圧Vdが予め設定された基準電圧と一致するように、スイッチング素子35のオンオフを制御する。このとき制御部9は、PFC_DR端子から出力されるPWM信号のオン時間をPI演算によって制御する。これにより、スイッチング回路3は、定電流回路6の両端電圧Vdが一定になるように制御される。従って、スイッチング回路3の高効率な動作が可能となる。ここで、オン時間はオンデューティであっても良い。
【0034】
また制御部9は、調光器8から受信した調光率が実現されるように、メモリ空間に予め書き込まれたオン時間を有するPWM信号をDIM端子から出力する。これにより、光源10の定電流制御が実現する。つまり、制御部9は、外部から入力される目標値が予め定められた閾値より大きいとき、光源10を流れる光源電流が目標値と一致するように、スイッチング素子61のオンデューティを目標値に応じて変化させる。
【0035】
次に、調光率が閾値より低い場合、制御部9は出力電圧検出回路5でスイッチング回路3の出力電圧Voutの検出を行う。制御部9は、プログラムにより仮想的に構築された誤差増幅器により、出力電圧Voutが基準電圧と一致するように、スイッチング素子35のオンオフを制御する。
【0036】
また制御部9は、調光器8から受信した調光率が実現されるように、メモリ空間に予め書き込まれたオン時間に基づきDIM端子およびP_SW端子から出力される信号を制御する。制御部9は、光源電流の目標値が閾値より小さいとき、光源電流の目標値の変化に対してスイッチング素子61のオンデューティを一定にする。つまり制御部9は、光源電流の目標値の変化に対して、誤差増幅器68の第1入力端子に入力される目標電圧を一定にする。また、制御部9は、スイッチング素子61のオンデューティを一定にしたまま、光源電流が目標値と一致するように、光源10を間欠的に消灯状態とする。間欠的な消灯状態はパルス点灯とも呼ばれる。間欠的な消灯状態は、制御部9がスイッチング素子63のオンオフを制御することで実現される。これにより、制御部9は光源10の定電流制御を実現する。
【0037】
P_SW端子がハイレベルになったとき、スイッチング素子63がオン状態となる。このため、誤差増幅器68の第1入力端子の電圧がゼロとなる。従って、光源10は消灯状態となる。P_SW端子がローレベルになったとき、誤差増幅器68の第1入力端子の電圧は、元の値に復帰する。このため、P_SW端子からの信号に応じて光源10は明暗し、パルス点灯を実現できる。
【0038】
このとき、DIM端子からの信号が変化する周期に対して、P_SW端子からの信号が変化する周期を短くすると良い。つまり、誤差増幅器68の第1入力端子に入力される目標電圧が変化する周期と比較して、スイッチング素子63がオンオフする周期が短いと良い。また、間欠的な消灯状態を実現するために、スイッチング素子63がオンオフする周期は、スイッチング素子61がオンオフする周期よりも長いことが好ましい。
【0039】
光源に流す電流が少ない場合、光源の個体差等により色温度が安定しないことがある。つまり、スイッチング素子61のオンデューティが小さい場合、色温度が安定しないことがある。これに対し本実施の形態では、光源電流の目標値が閾値より小さい場合、DIM端子からの信号のオン時間を短くせずに、P_SW端子からの信号のオン時間を長くする。つまり、光源10をパルス点灯させる。これにより、スイッチング素子61のオンデューティを色温度が安定する値に維持したまま、スイッチング素子63のオンオフにより低調光を実現できる。従って、安定した色温度が得られ、色温度の再現性を高めることができる。
【0040】
また、制御部9は、光源電流の目標値が閾値より大きいとき、両端電圧Vdに対応するスイッチング素子61のドレイン電圧が予め定められた電圧と一致するように、スイッチング回路3を制御する。また、制御部9は、光源電流の目標値が閾値より小さいとき、出力電圧Voutが予め定められた電圧と一致するように、スイッチング回路3を制御する。これにより、光源電流がパルス点灯により変化しても出力電圧Voutを一定に維持できる。
【0041】
図3は、調光率とオンデューティの関係を説明する図である。調光器8からの信号に応じて、DIM端子とP_SW端子からはPWM信号が出力される。図3には、調光率に応じたDIM端子からのPWM信号のオンデューティD_Duty81と、P_SW端子からのPWM信号のオンデューティP_Duty82が示されている。
【0042】
光源電流の目標値が閾値以上の領域において、調光率に対するDIM端子のオンデューティD_Duty81は一次関数で表すことができる。XY座標の2点を通る直線の式から、調光率をX軸とし、D_DutyをY軸とすると、式(1)が成り立つ。
【0043】
【数1】
【0044】
ここで、D_Dutyは、DIM端子から出力されるオンデューティ、D_Duty_TopはDIM端子から出力される最大オンデューティ、D_Duty_BottomはDIM端子から出力される最小ONDutyである。また、DIMはD_Dutyに対応する現在の調光率であり、DIM_BottomはD_Duty_Bottomに対応する調光率である。つまり、DIM_Bottomは光源電流の目標値の閾値に対応する。なお、式(1)では調光率100%を1000としている。
【0045】
式(1)を制御部9のメモリ空間に予め書き込んでおくことで、調光率に応じてDIM端子のオンデューティを制御できる。従って、定電流制御を実現できる。なお、光源電流の目標値が閾値以上の領域において、P_SW端子はローレベルに固定されている。つまり、スイッチング素子63はオフ状態に固定される。
【0046】
同様に、光源電流の目標値が閾値以下の領域において、調光率に対するP_SW端子のオンデューティ82は、一次関数である式(2)で表すことができる。
【0047】
【数2】
【0048】
ここで、P_Dutyは、P_SW端子から出力されるオンデューティ、P_Duty_TopはP_SW端子から出力される最大オンデューティ、P_Duty_BottomはP_SW端子から出力される最小ONDutyである。また、P_DIMはP_Dutyに対応する現在の調光率である。なお、式(2)では調光率0.1%を1としている。
【0049】
式(2)を制御部9のメモリ空間に予め書き込んでおくことで、P_SW端子のオンデューティを制御できる。従って、低調光時の定電流制御を実現できる。なお、光源電流の目標値が閾値以下の領域において、D_DutyはD_Duty_Bottomに固定される。
【0050】
照明装置100の回路構成は図1に示されるものに限定されない。例えば、本実施の形態ではスイッチング素子63により誤差増幅器68の第1入力端子の電圧をゼロとすることで、パルス点灯を実現した。これに限らず、パルス点灯は別の方法で実現されても良い。なお、本実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いても良い。
【符号の説明】
【0051】
1 入力フィルタ回路、2 入力電圧検出回路、3 スイッチング回路、4 Vcc生成回路、5 出力電圧検出回路、6 定電流回路、7 ドレイン電圧検出回路、8 調光器、9 制御部、10 光源、11 ヒューズ、12 コンデンサ、13 ダイオードブリッジ、21 抵抗、22 抵抗、30 制御IC、31 コンデンサ、32 電解コンデンサ、33 トランス、34 ダイオード、35 スイッチング素子、36 抵抗、37 抵抗、38 コンデンサ、39 ダイオード、41 抵抗、42 レギュレータ、50 電源装置、51 抵抗、52 抵抗、61 スイッチング素子、62 抵抗、63 スイッチング素子、64 抵抗、65 コンデンサ、66 抵抗、67 コンデンサ、68 誤差増幅器、69 誤差増幅器、71 抵抗、72 抵抗、100 照明装置
図1
図2
図3