(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】車両用灯具の制御装置、及び車両用灯具
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/08 20060101AFI20240925BHJP
F21S 41/153 20180101ALI20240925BHJP
F21S 41/151 20180101ALI20240925BHJP
B60Q 1/04 20060101ALI20240925BHJP
F21S 41/143 20180101ALN20240925BHJP
F21S 41/663 20180101ALN20240925BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240925BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240925BHJP
F21W 102/20 20180101ALN20240925BHJP
F21W 102/13 20180101ALN20240925BHJP
【FI】
B60Q1/08
F21S41/153
F21S41/151
B60Q1/04 E
F21S41/143
F21S41/663
F21Y115:10
F21Y115:30
F21W102:20
F21W102:13
(21)【出願番号】P 2021067283
(22)【出願日】2021-04-12
【審査請求日】2024-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 恭史
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/082980(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/026437(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/164269(WO,A1)
【文献】特開2020-32872(JP,A)
【文献】特開2001-270383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/08
F21S 41/153
F21S 41/151
B60Q 1/04
F21S 41/143
F21S 41/663
F21Y 115/10
F21Y 115/30
F21W 102/20
F21W 102/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転機能又は運転支援機能を備える車両に搭載され配光パターンを車両前方に照射する灯具を制御する車両用灯具の制御装置であって、
前記車両が自動運転状態又は運転支援状態の場合に、前記配光パターンのホットゾーンの幅を、前記車両の走行速度が上がるにつれて段階的又は連続的に拡大させる車両用灯具の制御装置。
【請求項2】
前記車両が自動運転状態又は運転支援状態の場合に、前記配光パターンの全体の幅を、前記車両の走行速度が上がるにつれて段階的又は連続的に縮小させる請求項1に記載の車両用灯具の制御装置。
【請求項3】
前記車両が自動運転状態又は運転支援状態の場合に、前記配光パターンの前記ホットゾーンの高さを、前記車両の走行速度が上がるにつれて段階的又は連続的に上昇させる請求項1又は2に記載の車両用灯具の制御装置。
【請求項4】
前記車両が自動運転状態又は運転支援状態の場合に、前記配光パターンの前記ホットゾーンを、前記車両が自動運転状態又は運転支援状態ではない場合のハイビーム用の配光パターンのホットゾーンに比して高くする請求項1~3の何れか1項に記載の車両用灯具の制御装置。
【請求項5】
前記車両の前方に位置する対象物を検出する車載センサが、前記車両における運転手のアイポイントより高い位置に設置されている請求項1~4の何れか1項に記載の車両用灯具の制御装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の前記車両用灯具の制御装置と、
前記車両用灯具の制御装置によって制御される前記灯具と
を備える車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具の制御装置、及び車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用灯具の制御装置として、自動運転モードの設定時に手動運転モードの設定時とは異なる車両用灯具の制御を実行するものが知られている(例えば、特許文献1~5参照)。例えば、特許文献1に記載の制御装置では、手動運転モードの設定時にロービーム用の配光パターンを形成し、自動運転モードの設定時に照度の高い領域が上方側に位置する配光パターンを形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開2019/082980号
【文献】国際公開2019/026437号
【文献】国際公開2018/164269号
【文献】特開2020-32872号公報
【文献】特開2020-26199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カメラ、ミリ波レーダー、LiDAR(Light Detection and Ranging)、ソナー等の車載センサの信号に基づいて、運転支援、条件付き自動運転、自動運転、完全自動運転等を実行する自動運転システムでは、周囲が暗くなると車載センサによる対象物の検出可能距離が短くなる傾向がある。また、自動運転システムでは、車載センサによる対象物の検出を車速が上がるほど速くする必要があるので、車速が上がるほど車載センサによる対象物の検出可能距離を延ばす必要性が高くなる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、車載センサによる対象物の検出可能距離を車速に応じて延ばすことができる車両用灯具の制御装置、及び車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、自動運転機能又は運転支援機能を備える車両に搭載され配光パターンを車両前方に照射する灯具を制御する車両用灯具の制御装置であって、前記車両が自動運転状態又は運転支援状態の場合に、前記配光パターンのホットゾーンの幅を、前記車両の走行速度が上がるにつれて段階的又は連続的に拡大させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、配光パターンのホットゾーンの幅を、車両の走行速度が上がるにつれて段階的又は連続的に拡大させることにより、車両の走行速度が上がるにつれて、より遠方をより高い照度で照明する。従って、車載センサによる対象物の検出可能距離を車速に応じて延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用灯具の制御装置の概略を示す図である。
【
図2】
図2は、手動運転モードが設定されている場合におけるハイビーム用の配光パターンと、自動運転モード又は運転支援モードが設定されている場合における配光パターンとを示す図である。
【
図3】
図3は、自動運転モード又は運転支援モードが設定されている場合における配光パターンを示す図である。
【
図4】
図4は、自動運転モード又は運転支援モードが設定されている場合における配光パターンの他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、構成の図示や説明を省略している箇所が一部あるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用される。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用灯具1の制御装置100の概略を示す図である。この図に示す車両用灯具1の制御装置100は、自動運転機能又は運転支援機能を備える車両Cに搭載された車両用灯具1を制御するコントロールユニットである。自動運転は、条件付き自動運転(自動運転レベル3に相当)、自動運転(自動運転レベル4に相当)、完全自動運転(自動運連レベル5に相当)を含む。また、運転支援は、アクセル・ブレーキ操作又はハンドル操作が部分的に自動化された運転(自動運転レベル1に相当)、アクセル・ブレーキ操作及びハンドル操作の両方が、部分的に自動化された運転(自動運転レベル2に相当)を含む。また、車両Cは、手動運転モードも設定可能である。手動運転は、自動運転機能又は運転支援機能が実行されていない時の運転である。
【0011】
車両Cは、カメラ、レーダー(ミリ波レーダー)、LiDAR、ソナー等の車載センサ2と、自動運転機能又は運転支援機能を実行する運転制御装置3とを備える。車載センサ2は、車両Cに車両前方に向けて設置されており、対象物の画像検出や測距等を行う。この車載センサ2の中の少なくとも一つ(例えばカメラ)は、例えばフロントガラスの上部等の車両Cにおける運転手のアイポイントよりも高い位置に設置されている。
【0012】
運転制御装置3は、車載センサ2の信号に応じて車両Cのアクセル操作、ブレーキ操作及びハンドル操作の少なくとも一つを自動化する。この運転制御装置3は、自動運転機能又は運転支援機能を実行する場合に、車両用灯具1の制御装置100に制御信号を送信する。なお、運転制御装置3と車両用灯具1の制御装置100とを一体のコントロールユニットとしてもよい。
【0013】
車両用灯具1は、左右の前照灯1L,1Rを備える。前照灯1L,1Rは、光源ユニット11と、光学系12とを備え、車両前方に配光パターンを照射する。光源ユニット11は、複数の発光素子11Eを備える。複数の発光素子11Eのそれぞれは、LED(Light Emitting Diode)やレーザーダイオード等であり、制御装置100により個別に調光される。例えば、発光素子11EがLEDの場合には、PWM(Pulse Width Modulation)方式により点灯時間が制御されることで調光される。
【0014】
光源ユニット11としては、LEDアレイ等の複数の発光素子11Eが車幅方向に並べて配されたものや、複数の発光素子11Eがマトリックス状に並べられたものや、複数の発光素子11Eが相互に離間して同じ向きになるように配されたものや、複数の発光素子11Eが相互に離間し向きが異なるように配されたもの等を例示できる。複数の発光素子11Eが相互に離間し同じ向きになるように配されている場合には、光学系12が備える導光部材により、複数の発光素子11Eから射出された光を同方向に導く。また、複数の発光素子11Eが相互に離間し向きが異なるように配されている場合には、光学系12が備えるミラーユニットにより、複数の発光素子11Eから射出された光を同方向に導く。
【0015】
制御装置100により複数の発光素子11Eが個別に調光されることにより、前照灯1L,1Rが車両前方に照射する配光パターンが変化する。配光パターンの変化としては、配光パターンが有するホットゾーンの幅や高さや位置の変化や、配光パターン全体の幅や高さや位置の変化等を例示できる。ここで、ホットゾーンは、配光パターンの中で最も照度が高い領域である。
【0016】
図2は、手動運転モードが設定されている場合におけるハイビーム用の配光パターンP
Mと、自動運転モード又は運転支援モード(以下、自動運転モード等という)が設定されている場合における配光パターンP
Aとを示す図である。
図2の左側には、手動運転モードが設定されている場合におけるハイビーム用の配光パターンP
Mを示し、
図2の右側には、自動運転モード等が設定されている場合における配光パターンP
Aを示している。ホットゾーンH
Aは、配光パターンP
Aの中央に位置する。
【0017】
図2に示すように、自動運転モード等が設定されている場合における配光パターンP
AのホットゾーンH
Aは、手動運転モードが設定されている場合におけるハイビーム用の配光パターンP
MのホットゾーンH
Mに比して上方に位置する。即ち、自動運転モード等が設定されている場合には、制御装置100が、前照灯1L,1RからホットゾーンH
Aの中心に至る光軸を、手動運転モードが設定されている場合における前照灯1L,1RからホットゾーンH
Mの中心に至る光軸よりも上向きに調整する。
【0018】
ここで、手動運転モード且つハイビームに設定されている場合における配光パターンP
Mは、運転手のアイポイントに合わせて空間への照射よりも路面への照射を重視した配光パターンである。それに対して、自動運転モード等が設定されている場合における配光パターンP
Aは、運転手のアイポイントよりも高い位置に設置された車載センサ2(
図2参照)の検出軸に合わせて路面への照射よりも空間への照射を重視した配光パターンである。
【0019】
これにより、自動運転モード等が設定されている場合には、手動運転モード且つハイビームに設定されている場合の配光パターンPAに比して、車載センサ2の検出軸に合わせて遠方の照度を高くすることができ、車載センサ2による対象物の検出可能距離を延ばすことができる。
【0020】
図3は、自動運転モード等が設定されている場合における配光パターンP
A-L,P
A-M,P
A-Hを示す図である。
図3の下段には、自動運転モード等が設定され且つ車速が低速域(例えば40~60km/h)に設定されている場合における配光パターンP
A-Lを示している。また、
図3の中段には、自動運転モード等が設定され且つ車速が中速域(例えば60~80km/h)に設定されている場合における配光パターンP
A-Mを示している。さらに、
図3の上段には、自動運転モード等が設定され且つ車速が高速域(例えば80~km/h)に設定されている場合における配光パターンP
A-Hを示している。ホットゾーンH
A―L,H
A―M,H
A―Hは、それぞれ配光パターンP
A―L,P
A―M,P
A―Hの中央に位置する。
【0021】
図3の下段に示すように、自動運転モード等が設定され且つ車速が低速域に設定されている場合には、車速が相対的に速い車速域に設定されている場合に比して、幅W
Pの広い配光パターンP
A-Lが形成される。この配光パターンP
A-LのホットゾーンH
A-Lの幅W
Hは、車速が相対的に速い車速域に設定されている場合に比して狭くなるように設定されている。この配光パターンP
A-Lは、中央の照度を高めることよりも左右の広範囲を照射することを重視した配光パターンである。これにより、自動運転モード等が設定され且つ車速が低速域に設定されている場合には、車速が相対的に速い車速域に設定されている場合に比して、車載センサ2(
図1参照)の検出可能な視野角を広げることができる。従って、車載センサ2の検出可能な視野角に車両Cの斜め前方に位置する歩行者や標識等を入れることができる。
【0022】
図3の上段に示すように、自動運転モード等が設定され且つ車速が高速域に設定されている場合には、車速が相対的に遅い車速域に設定されている場合に比して、幅W
Pの狭い配光パターンP
A-Hが形成される。この配光パターンP
A-HのホットゾーンH
A-Hの幅W
Hは、車速が相対的に遅い車速域に設定されている場合に比して広くなるように設定されている。この配光パターンP
A-Hは、左右の広範囲を照射することよりも中央の照度を高めることを重視した配光パターンである。これにより、自動運転モード等が設定され且つ車速が高速域に設定されている場合には、車速が相対的に遅い車速域に設定されている場合に比して、車載センサ2の対象物の検出可能距離を延ばすことができる。
【0023】
図3の中段に示すように、自動運転モード等が設定され且つ車速が中速域に設定されている場合には、車速が低速域に設定されている場合に比して幅W
Pが狭く車速が高速域に設定されている場合に比して幅W
Pが広い配光パターンP
A-Mが形成される。この配光パターンP
A-MのホットゾーンH
A-Mの幅W
Hは、車速が低速域に設定されている場合に比して広く、車速が高速域に設定されている場合に比して狭くなるように設定されている。この配光パターンP
A-Mは、左右の広範囲を照射することと中央の照度を高めることとのバランスを重視した配光パターンである。これにより、自動運転モード等が設定され且つ車速が中速域に設定されている場合には、車速が相対的に速い車速域に設定されている場合に比して、車載センサ2の検出可能な視野角を広げることができ、他方で、車速が相対的に遅い車速域に設定されている場合に比して、車載センサ2の対象物の検出可能距離を延ばすことができる。
【0024】
即ち、制御装置100(
図1参照)は、設定されている車速域に応じて、前照灯1L,1R(
図1参照)が照射する配光パターンP
A-L,P
A-M,P
A-Hの全体の幅W
Pを変化させると共に、前照灯1L,1Rが照射する配光パターンP
A-L,P
A-M,P
A-HのホットゾーンH
A-L,H
A-M,H
A-Hの幅W
Hを変化させる。具体的には、制御装置100は、車速域が低速域、中速域、高速域と高速側に変化するにつれて、配光パターンP
A-L,P
A-M,P
A-Hの全体の幅W
Pを段階的に減少させると共に、ホットゾーンH
A-L,H
A-M,H
A-Hの幅W
Hを段階的に拡大させる。
【0025】
このように、制御装置100は、設定されている車速域に応じて、光源ユニット11(
図1参照)から放出される光エネルギーの密度が変化するように、光源ユニット11を調光する。具体的には、制御装置100は、車速域が低速域、中速域、高速域と高速側に変化するにつれて、光源ユニット11から放出される光エネルギーの密度が段階的に高くなるように、光源ユニット11を調光する。ここで、車速が相対的に低速域に設定されている場合には、車速が相対的に高速域に設定されている場合に比して、車載センサ2の対象物の検出可能距離に対する要求レベルは低い一方で、車載センサ2の検出可能な視野角に対する要求レベルは高い。また、車速が相対的に高速域に設定されている場合には、車速が相対的に低速域に設定されている場合に比して、車載センサ2の検出可能な視野角に対する要求レベルは低い一方で、車載センサ2の検出可能距離に対する要求レベルは高い。そこで、本実施形態では、車速に応じた車載センサ2の検出可能距離と検出可能な視野角とに対する要求レベルに合わせて、光源ユニット11から放出される光エネルギーを配分する。これによって、光源ユニット11の消費電力を抑制しながら、車載センサ2による対象物の検出可能距離を車速に応じて延ばすと共に、車載センサ2による必要な検出可能な視野角を確保することができる。
【0026】
図4は、自動運転モード等が設定されている場合における配光パターンP
A-L,P
A-M,P
A-Hの他の実施形態を示す図である。
図4の下段には、自動運転モード等が設定され且つ車速が低速域(例えば40~60km/h)に設定されている場合における配光パターンP
A-Lを示している。また、
図4の中段には、自動運転モード等が設定され且つ車速が中速域(例えば60~80km/h)に設定されている場合における配光パターンP
A-Mを示している。さらに、
図4の上段には、自動運転モード等が設定され且つ車速が高速域(例えば80~km/h)に設定されている場合における配光パターンP
A-Hを示している。
【0027】
上記実施形態と同様に、制御装置100は、車速域が低速域、中速域、高速域と高速側に変化するにつれて、配光パターンPA-L,PA-M,PA-Hの全体の幅WPを段階的に減少させると共に、ホットゾーンHA-L,HA-M,HA-Hの幅WHを段階的に拡大させる。それに加えて、制御装置100は、車速域が低速域、中速域、高速域と高速側に変化するにつれて、ホットゾーンHA-L,HA-M,HA-Hの高さを段階的に上昇させる。
【0028】
ここで、自動運転モード等が設定され且つ車速域が高速域に設定されている場合のホットゾーンHA-Hは、手動運転モードが設定されている場合のホットゾーンHMよりも高い位置に設定されている。なお、自動運転モード等が設定され且つ車速域が中速域又は低速域に設定されている場合のホットゾーンHA-L,HA-Mは、手動運転モードが設定されている場合のハイビーム用の配光パターンPMのホットゾーンHMよりも高い位置に設定されてもよく、当該ホットゾーンHMと同じ高さに設定されてもよい。
【0029】
このように、本実施形態では、車速域が低速域、中速域、高速域と高速側に変化するにつれて、ホットゾーンHA-L,HA-M,HA-Hの高さが段階的に上昇されることにより、車速に応じた車載センサ2の検出可能距離に対する要求レベルを満足することが可能になる。
【0030】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、実施形態同士の技術や公知・周知技術を組み合わせてもよい。
【0031】
例えば、上記実施形態では、車速域が低速域、中速域、高速域と高速側に変化するにつれて、ホットゾーンHA-L,HA-M,HA-Hの幅WHを段階的に拡大させたが、車速が上がるにつれて、ホットゾーンHA-L,HA-M,HA-Hの幅WHを連続的に拡大させてもよい。また、上記実施形態では、車速域が低速域、中速域、高速域と高速側に変化するにつれて、配光パターンPA-L,PA-M,PA-Hの全体の幅WPを段階的に減少させたが、車速が上がるにつれて、配光パターンPA-L,PA-M,PA-Hの全体の幅WPを連続的に減少させてもよい。
【0032】
また、上記実施形態では、車速域が低速域、中速域、高速域と高速側に変化するにつれて、ホットゾーンHA-L,HA-M,HA-Hの幅WHを拡大させたが、これは必須ではない。例えば、車速域が低速域から中速域に変化した際にはホットゾーンHA-L,HA-Mの幅WHを拡大させるが、車速域が中速域から高速域に変化した際にはホットゾーンHA-M,HA-Hの幅WHを変化させないようにすることや、車速域が低速域から中速域に変化した際にはホットゾーンHA-L,HA-Mの幅WHを変化させないが、車速域が中速域から高速域に変化した際にはホットゾーンHA-M,HA-Hの幅WHを拡大させるようにすることも可能である。
【0033】
また、上記実施形態では、車速域が低速域、中速域、高速域と高速側に変化するにつれて、配光パターンPA-L,PA-M,PA-Hの全体の幅WPを減少させたが、これは必須ではない。例えば、車速域が低速域から中速域に変化した際には配光パターンPA-L,PA-Mの全体の幅WPを減少させるが、車速域が中速域から高速域に変化した際には配光パターンPA-M,PA-Hの全体の幅WPを変化させないようにすることや、車速域が低速域から中速域に変化した際には配光パターンPA-L,PA-Mの全体の幅WPを変化させないが、車速域が中速域から高速域に変化した際には配光パターンPA-M,PA-Hの全体の幅WPを減少させるようにすることも可能である。
【0034】
また、上記実施形態では、車速域が低速域、中速域、高速域と高速側に変化するにつれて、ホットゾーンHA-L,HA-M,HA-Hの高さを段階的に上昇させたが、車速が上がるにつれて、ホットゾーンHA-L,HA-M,HA-Hの高さを連続的に上昇させてもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、車速域が低速域、中速域、高速域と高速側に変化するにつれて、ホットゾーンHA-L,HA-M,HA-Hの高さを上昇させたが、これは必須ではない。例えば、車速域が低速域から中速域に変化した際にはホットゾーンHA-L,HA-Mの高さを上昇させるが、車速域が中速域から高速域に変化した際にはホットゾーンHA-M,HA-Hの高さを変化させないようにすることや、車速域が低速域から中速域に変化した際にはホットゾーンHA-L,HA-Mの高さを変化させないが、車速域が中速域から高速域に変化した際にはホットゾーンHA-M,HA-Hの高さを上昇させるようにすることも可能である。
【0036】
さらに、上記実施形態では、車速域が低速域、中速域、高速域と高速側に変化するにつれて、配光パターンPA-L,PA-M,PA-Hの全体の幅WPを減少させたが、配光パターンPA-L,PA-M,PA-Hの全体の幅WPは、車速の変化にかかわらず一定であってもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 :車両用灯具
1L,1R :前照灯(灯具)
100 :制御装置
C :車両
PA :配光パターン
PA-L :配光パターン
PA-M :配光パターン
PA-H :配光パターン
PM :配光パターン
HA :ホットゾーン
HA-L :ホットゾーン
HA-M :ホットゾーン
HA-H :ホットゾーン
HM :ホットゾーン
WP :全体の幅
WH :幅