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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】遠隔操作装置
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/16 20060101AFI20240925BHJP
   E02F 9/26 20060101ALI20240925BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20240925BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
E02F9/16 B
E02F9/26 A
E02F9/20 B
H04Q9/00 371Z
H04Q9/00 301B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021117373
(22)【出願日】2021-07-15
(65)【公開番号】P2023013301
(43)【公開日】2023-01-26
【審査請求日】2024-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大谷 真輝
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 均
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 洋一郎
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-116773(JP,A)
【文献】特開2006-150568(JP,A)
【文献】特開2008-296909(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0230447(US,A1)
【文献】特開2006-102288(JP,A)
【文献】特開2004-113454(JP,A)
【文献】特開2019-065657(JP,A)
【文献】特開平06-028028(JP,A)
【文献】国際公開第2015/155845(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0365031(US,A1)
【文献】特開2021-025271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/16
E02F 9/20-9/22
E02F 3/42-3/43
E02F 3/84-3/85
E02F 9/26
H04Q 9/00
G09B 23/00-29/14
G09B 1/00-9/56
G09B 17/00-19/26
A63G 1/00-33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート装置を備え、遠隔操作で機械を操作する遠隔操作装置であって、
前記シート装置を上部に支持する第1筐体部と、前記第1筐体部の前方に位置しており、前記第1筐体部の上面よりも低い位置に上面を有している第2筐体部と、を有している筐体と、
前記シート装置に設けられており、操作者の足を載せる足保持部と、を備え、
前記足保持部は、前記第2筐体部の上面の上方に位置しており、
前記遠隔操作装置は、前記操作者による前記機械の操作を受け付ける操作モードと、
前記シート装置に前記操作者が乗降する乗降モードと、を有し、
前記乗降モードでは、前記操作モードに比べ前記シート装置の少なくとも前記足保持部前記第2筐体部の上面に接近した位置となる遠隔操作装置。
【請求項2】
前記筐体は、前記機械の操作のための処理を行う電子機器類を収容する、請求項1に記載の遠隔操作装置。
【請求項3】
前記乗降モードにおいて、前記足保持部の少なくとも一部は前記第2筐体部の上面に接触する、請求項1又は2に記載の遠隔操作装置。
【請求項4】
前記シート装置は座部を有し、
前記乗降モードでは、前記シート装置の少なくとも座部が操作モードの時に比べて前傾する、請求項1~3の何れか一項に記載の遠隔操作装置。
【請求項5】
前記遠隔操作装置は、前記機械から送信される加速度信号に応じて前記シート装置を振動させる駆動装置を備えている、請求項1~4の何れか一項に記載の遠隔操作装置。
【請求項6】
前記第1筐体部は、上部に前記シート装置を支持している支持板を備えており、
前記遠隔操作装置は、前記支持板が水平に保持される待機モードを有している、請求項1~5のいずれか一項に記載の遠隔操作装置。
【請求項7】
前記遠隔操作装置は、所定の条件を検出した場合、前記待機モードに移行し、
前記待機モードに移行する所定の条件は、前記遠隔操作装置のアプリケーションソフトが立ち上げられたこと、又は、乗降状態と待機状態とを切り替えるモード切り替えスイッチの操作を検出したこと、の何れかである、請求項6に記載の遠隔操作装置。
【請求項8】
前記遠隔操作装置は、前記待機モードおいて前記操作者の乗降モードに移行する所定の操作を検出した場合、前記乗降モードに移行し、
前記乗降モードに移行する所定の操作は、前記遠隔操作装置のアプリケーションソフトを終了する操作を検出したこと、又は、乗降状態と待機状態とを切り替えるモード切り替えスイッチの操作を検出したこと、の何れかである、請求項6に記載の遠隔操作装置。
【請求項9】
前記遠隔操作装置は、前記待機モードおいて前記操作者の操作モード切り替えへの意図があると判定される所定の条件を検出した場合、前記操作モードに移行し、
前記操作モードに移行する所定の条件は、遠隔操作で操作する前記機械のエンジンがオンに操作されることを含む、請求項6に記載の遠隔操作装置。
【請求項10】
前記遠隔操作装置は、前記操作モードおいて前記操作者の待機モード切り替えへの意図があると判定される所定の条件を検出した場合、前記待機モードに移行し、
前記待機モードに移行する所定の条件は、遠隔操作で操作する前記機械のエンジンがオフに操作されることを含む、請求項6に記載の遠隔操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作者の操作に基づいて車両を遠隔操作する遠隔操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、作業機械を遠隔操作する遠隔操作装置が知られている。特許文献1の作業機械には、スレーブ側操作装置、及びカメラなどである外界センサが取り付けられており、操作者は遠隔操作装置に搭乗して、ディスプレイに映される実機の外の様子を見ながら遠隔操作することができる。
また、遠隔操作装置に関連した技術であり、実機搭乗時の臨場感を再現する方法として、作業中の実機の振動、及び、実機の上部旋回体の回転を検出し、遠隔操作装置に送信して、実機搭乗時に体感するキャビンの動きを遠隔操作装置で再現する方法も検討されている。
【0003】
上記の遠隔操作装置の場合、操作者が搭乗するシート装置は、振動可能、かつ回転可能であり、足を載せる足保持部を備えて構成されている。足保持部は床に干渉しないように床より高い位置に配置される必要がある。このように構成された遠隔操作装置により、操作者はディスプレイ上のカメラ映像と、シート装置の動きとにより、実機搭乗時に近い感覚で遠隔操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-154851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、足保持部を床から高い位置に配置すると、シート装置への乗り降りがしにくくなってしまう。また、足保持部を床から高く配置する構造とした場合、乗降時に体重で変形しないように足保持部を強固な構造としなければならず、重量及び製造コストが増えることになる。さらに、安全で効率的に遠隔操作できる遠隔操作装置であることも必要である。
【0006】
上記を解決するため、本発明は、乗降しやすい遠隔操作装置を実現することを目的とする。加えて、強固な足保持部を備えることなく乗降可能であり、安全で効率的に遠隔操作できる遠隔操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る遠隔操作装置は、シート装置と、前記シート装置を上部に支持する第1筐体部と、前記第1筐体部の前方に位置しており、前記第1筐体部の上面よりも低い位置に上面を有している第2筐体部と、を有している筐体と、前記シート装置に設けられており、操作者の足を載せる足保持部と、を備え、前記足保持部は、前記第2筐体部の上面の上方に位置しており、前記遠隔操作装置は、前記操作者による機械の操作を受け付ける操作モードと、シート装置に操作者が乗降する乗降モードと、を有し、乗降モードでは、操作モードに比べシート装置の少なくとも前記足保持部前記第2筐体部の上面に接近した位置となることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る遠隔操作装置によれば、操作モードではシート装置は第2筐体部の上面から離間した位置になるので操作者に搭乗感を与えやすくすることができ、乗降モードではシート装置の少なくとも足保持部第2筐体部の上面に接近することで操作者の第2筐体部の上面足保持部との間の移動が容易になり、乗降しやすいシート装置とすることができる。
【0009】
本発明に係る遠隔操作装置の前記筐体は、前記機械の操作のための処理を行う電子機器類を収容することが好ましい。
【0011】
本発明に係る遠隔操作装置において、乗降モードにおいて、足保持部の少なくとも一部は前記第2筐体部の上面に接触することが好ましい。
【0012】
本発明に係る遠隔操作装置によれば、乗降モードにおいて足保持部が記第2筐体部の上面に接触するため、操作者のシート装置への乗降時に足保持部にかかる操作者の体重を記第2筐体部の上面で支持することができる。そのため、強固な足保持部を備えずとも、乗降しやすい遠隔操作装置とすることができる。
【0013】
本発明に係る遠隔操作装置において、シート装置は座部を有し、乗降モードでは、シート装置の少なくとも座部が操作モードの時に比べて前傾していることが好ましい。
【0014】
本発明に係る遠隔操作装置によれば、乗降モードにおいてシート装置の座部が前傾するため座部への着座時に深く腰掛ける必要がなく、より乗降しやすいシート装置とすることができる。また、シート装置の座部が前傾した状態であるため、周囲から目視した時にシート装置が乗降モードであることがすぐ把握できる。そのため、乗降モードであることを確認することなく、シート装置に乗り込むことができる。したがって、乗降しやすい遠隔操作装置とすることができる。
【0015】
本発明に係る遠隔操作装置は、前記機械から送信される加速度信号に応じて前記シート装置を振動させる駆動装置を備えていることが好ましい。
【0017】
本発明に係る遠隔操作装置の第1筐体部は、上部に前記シート装置を支持している支持板を備えており、前記遠隔操作装置は、前記支持板が水平に保持される待機モードを有していることが好ましい。
【0018】
本発明に係る遠隔操作装置は待機モードを有しているので、操作者が機械を遠隔操作することを意識していない時に、意図せずに機械を操作してしまうことを防ぐことができる。
【0019】
本発明に係る遠隔操作装置は、所定の条件を検出した場合、前記待機モードに移行することが好ましい。前記待機モードに移行する所定の条件は、前記遠隔操作装置のアプリケーションソフトが立ち上げられたこと、又は、乗降状態と待機状態とを切り替えるモード切り替えスイッチの操作を検出したこと、の何れかである。
【0021】
本発明に係る遠隔操作装置は、前記待機モードおいて前記操作者の乗降モードに移行する所定の操作を検出した場合、前記乗降モードに移行することが好ましい。前記乗降モードに移行する所定の操作は、前記遠隔操作装置のアプリケーションソフトを終了する操作を検出したこと、又は、乗降状態と待機状態とを切り替えるモード切り替えスイッチの操作を検出したこと、の何れかである。
【0023】
本発明に係る遠隔操作装置は、前記待機モードおいて前記操作者の待機モードへの切り替えの意図があると判定される所定の条件を検出した場合、前記操作モードに移行することが好ましい。前記操作モードに移行する所定の条件は、遠隔操作で操作する前記機械のエンジンがオンに操作されることを含む。
【0025】
本発明に係る遠隔操作装置は、前記遠隔操作装置は、前記操作モードおいて前記操作者の待機モードへの切り替えの意図があると判定される所定の条件を検出した場合、前記待機モードに移行することが好ましい。前記待機モードに移行する所定の条件は、遠隔操作で操作する前記機械のエンジンがオフに操作されることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施の形態にかかる遠隔操作装置の斜視図である。
図2図1の遠隔操作装置の乗降モード状態を示す側面図である。
図3図1の遠隔操作装置の待機モード状態を示す側面図である。
図4図1の遠隔操作装置の操作モード状態を示す側面図である。
図5図1の遠隔操作装置の駆動装置周辺部を示す拡大側面図である。
図6図1のB-B断面による第1上下方向駆動部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<実施の形態>
図1を参照して、本発明に係る遠隔操作装置100を説明する。遠隔操作装置100は、遠隔操作装置100から離れた場所にある図示しない機械を遠隔操作する装置である。機械はその種類を限定しないが、例えば、作業機械のクローラショベルである。
【0029】
クローラショベルは、クローラ式の下部走行体と、旋回機構を介して下部走行体に搭載されている上部旋回体とを備えている。上部旋回体には、キャブと、バケットを有するアームを備えた作業アタッチメントが設けられている。キャブには、操作レバー等を遠隔操作可能な制御機構と、キャブのフロントウィンドウ越しに周囲環境を撮像する撮像装置とが設けられている。撮像装置により撮像された画像は、遠隔操作装置100に無線送信されて、操作者は撮像された画像を視認することができる。操作者は、送信された画像を見ながら遠隔操作装置100を操作することで、遠隔操作装置100から制御信号が送信され、作業機械が遠隔操作される。作業機械には3軸方向の加速度を検出するジャイロセンサ等の加速度センサが搭載されており、加速度センサにより検出された加速度信号は遠隔操作装置100に無線送信される。
【0030】
遠隔操作装置100は、筐体10、遠隔操作する機械の周囲環境の画像を映すモニタ装置20、操作信号を生成する操縦装置30、筐体10の上に配置されているシート装置40、シート装置40を駆動する駆動装置50を備えている。
【0031】
筐体10は、上部にシート装置40を固定しているとともに、内部に電子機器類を収容している部材である。遠隔操作装置100の搬送性をよくするために、筐体10は複数の部分で構成されており、第1筐体部11と、第2筐体部15とを有している。第1筐体部11と、第2筐体部15とは、それぞれが直方体に形成され、左右方向長さは同じ、前後方向長さ、及び上下方向長さは異なって形成されている。第1筐体部11の前方に第2筐体部15が接して配置されており、第1筐体部11と第2筐体部15とは、互いに接するそれぞれの側面の四隅において、図示しないボルトナット等の締結具で接続されている。第1筐体部11、及び第2筐体部15のそれぞれの下面には、移動防止具を含むキャスタ13が複数配置されている。なお、搬送時には、第1筐体部11と第2筐体部15とを固定している締結具を外すことで、互いに容易に分離可能である。
【0032】
第2筐体部15は、第1筐体部11に比べ、前後方向長さが長く、上下方向長さが短く形成されている。第1筐体部11は、第1筐体部11の上面に第1上板12を有している。また、第2筐体部15は、第2筐体部15の上面に第2上板16を有している。第2上板16の高さは、第1上板12の高さより低くされている。遠隔操作装置100に操作者が搭乗する場合、シート装置40が高くなるほど乗降しにくくなるが、第2筐体部15を第1筐体部11より低くすることで、第2筐体部15を乗降用のステップ台として利用することができる。乗降時に上下動するシート装置40と合わせて、乗降し易い遠隔操作装置100を実現している。
【0033】
第1筐体部11の内部には、電子機器類であり、図示しない第1演算処理ユニットと、第2演算処理ユニットと、シートコントローラとが収容されている。第1演算処理ユニットは、モニタ装置20の出力制御、操作レバー31と走行レバー32とを含む各種入力の認識を行う。第2演算処理ユニットは、遠隔操作装置100と遠隔操作対象となる作業機械との通信を管理し、作業機械から無線送信される映像や傾斜の信号を第1演算処理ユニットに受け渡し、及び第1演算処理ユニットで認識された操作入力等の入力情報を作業機械に送信する。シートコントローラは、遠隔操作装置100が受信した加速度信号に基いて駆動装置50を制御する。
【0034】
第2筐体部15の内部には、電子機器類である図示しない通信装置が収容されている。通信装置は、遠隔操作の対象である作業機械との通信を行う装置であり、第2演算処理ユニットによって制御される。通信装置は、送受信部と、当該送受信部と第1演算処理ユニット、及び第2演算処理ユニット等の他の制御機器とを接続するスイッチングハブにより構成される。通信装置と他の制御機器とは、例えば、LANケーブルで接続されている。
【0035】
次に、モニタ装置20を説明する。モニタ装置20は、中央モニタ21、左モニタ22、右モニタ23、中央モニタ21の上部に設けられている撮像装置24、中央モニタ21等を支えているモニタ支持部25を有している。モニタ装置20は、作業機械から送信される作業機械の前方とその左右の画像を表示する。操作者はモニタ装置20の画像を見ながら作業機械を遠隔操作する。モニタ支持部25は、金属製の中空管で形成されている。2本のモニタ支持部25は、互いに平行、かつ遠隔操作装置100が設置される設置面に対して垂直に配置されている。それぞれのモニタ支持部25の上部には、中央モニタ21が2本のモニタ支持部25に差し渡されて配置され、中央モニタ21は中央モニタ21の後面で2本のモニタ支持部25にそれぞれ固定されている。中央モニタ21の左側、及び右側には、左モニタ22と、右モニタ23とが、それぞれ図示しない開閉装置により保持されており、中央モニタ21に対して開閉装置を中心に開閉することができる。
【0036】
モニタ支持部25のそれぞれの下端部は、第2筐体部15の前側の垂直面に固定されている。モニタ支持部25が第2筐体部15の所定位置に固定されていることで、遠隔操作装置100の搬送後、遠隔操作装置100を組み立てる際に、シート装置40とモニタ装置20との間隔を毎回調整して所定位置に合わせる必要がなく、所定の間隔にされた状態で組み立てが完了する。なお、モニタ装置20と、モニタ支持部25とを固定している固定具は特に限定されないが、例えば、U字状に形成された金属製ブラケットと、ボルトナット等からなる締結具でよい。金属製ブラケットとボルトナットの締結具により、遠隔操作装置100を容易に分解及び組み立てることができる。
【0037】
シート装置40は、第1筐体部11の上に配置されている。シート装置40は、座部41、背もたれ部42、アームレスト43、足保持部44、第1支持板47、及び第2支持板48を有している。
【0038】
操作者は座部41に座り、背もたれ部42に背中を支持された状態で遠隔操作を行う。アームレスト43、43は、座部41の左右にそれぞれ固定されている。足保持部44は、作業機械を遠隔操作している時に足を載せている部材であり、第1支持板47に回転可能に支持されている第2支持板48に固定されている。操縦装置30は、作業機械のアーム等を操作する操作レバー31、及び走行装置を操作する走行レバー32を含んでいる。左右のアームレスト43、43にはそれぞれ操作レバー31、31が配置されている。また、走行レバー32は、足保持部44に配置されている。
【0039】
図2図4を参照して、シート装置40の支持構造を説明する。図2は、操作者が乗降する際の乗降モード状態の遠隔操作装置100を示している。なお、図3は乗降モード後に移行する待機モード状態の遠隔操作装置100、及び図4は作業機械を遠隔操作可能な操作モード状態の遠隔操作装置100をそれぞれ示している。図2図4の各モードの制御と、シート装置40の作動の詳細については後述する。
【0040】
駆動装置50は、シート装置40を上下動、及び振動させる第1上下方向駆動部51と第2上下方向駆動部57、及びシート装置40を回転させる回転方向駆動部71を有している。
【0041】
シート装置40は、第1筐体部11の上部にそれぞれ配置されている、第1上下方向駆動部51、51、及び第2上下方向駆動部57により支持されている。第1筐体部11の上部の前側に配置されている2つの第1上下方向駆動部51、51、及び第1筐体部11の上部の後ろ側に配置されている1つの第2上下方向駆動部57は、上面視でそれらが仮想の三角形の頂点の位置にそれぞれ配置されている。それぞれの位置について、第1筐体部11の第1上板12上に、遠隔操作装置100の左右方向に平行に配置された1辺が前側に配置された仮想の三角形を考えた場合、その仮想の三角形の前側の2つの各頂点の位置に第1上下方向駆動部51、51、後ろ側の頂点の位置に第2上下方向駆動部57が配置されている。
【0042】
第1上下方向駆動部51、51、及び第2上下方向駆動部57の上には、第1上下方向駆動部51、51、及び第2上下方向駆動部57のそれぞれに接続されて第1支持板47が固定されている。図1に示されているように、第1支持板47は板部材であり、左右方向に平行にされた1辺が前側に配置された略三角形に形成され、後ろ側の頂点が前側の1辺と平行な直線でカットされた形状に形成されている。
【0043】
第1支持板47の上には、回転保持装置49を介して、第2支持板48が回転可能な状態で載せられている。第2支持板48は、前後方向長さが左右方向長さより若干長い長方形形状に形成された板部材であり、上面には座部41が固定されている。回転保持装置49は、第1支持板47の上面の略中心付近に配置されている。回転保持装置49は、第2支持板48の下面の略中心付近を、第2支持板48が第1支持板47に対して回転可能に支持している。足保持部44は、第2支持板48に固定されている第1足保持部材45と、第1足保持部材45に接続されており、足を載せる部材である第2足保持部材46とを有している。第2支持板48、座部41、背もたれ部42、及び足保持部44は、第1支持板47に対して回転保持装置49を回転中心にして一体的に回転可能に支持されている。
【0044】
図5及び図6を参照して、駆動装置50を説明する。図5は駆動装置50の拡大図である。図6は、図1におけるB-B断面図による第1上下方向駆動部51を示している。シート装置40を下側から支持している第1上下方向駆動部51、51、及び第2上下方向駆動部57は、シート装置40を上下方向に駆動する。また、第1支持板47の上面に配置されている回転方向駆動部71は、シート装置40を回転方向に駆動する。
【0045】
まず、シート装置40を上下動させる機構である、第1上下方向駆動部51、51、及び第2上下方向駆動部57を説明する。第1上下方向駆動部51、51、及び第2上下方向駆動部57は同じものであり、それぞれ外筒52、内筒55、及びボールジョイント61を有している。
【0046】
外筒52は、第1筐体部11の合計3ヶ所の所定位置において、下端部を第1筐体部11に設けられた固定穴の内部に挿入され、上端部を第1筐体部11の第1上板12上に露出して固定されている。外筒52は固定板53と固定具54とを有している。外筒52は、外筒52の上端部に上側から固定板53の下面の略中央部を押し当てられている。固定板53には固定板53の下面において外筒52を取り囲むように下向きに固定具54が4本設けられている。4本の固定具54のそれぞれの下端部は第1上板12の上面に接続されており、それにより外筒52は第1筐体部11に固定されている。
【0047】
図6に示されているように、固定板53の略中央部には、内筒55の外径より若干大きい穴が設けられており、その穴に内筒55が通されている。内筒55は、外筒52に伸縮自在に挿入されている。内筒55の上端部は内筒55の外筒52に対する伸縮においても外筒52に入り込むことなく常に露出しており、内筒55の上端部に内筒接続部56が設けられている。内筒接続部56にはボールジョイント61が接続されている。
【0048】
ボールジョイント61は、内筒55に接続されている棒状部材のボールスタッド62と、第1支持板47に固定されボールスタッド62の上端部が挿入されているソケット66とを有している。ボールスタッド62は、外径が一定に形成されている棒状部材の棒状部63、棒状部63の下端部に設けられている接続部65、及び棒状部63の上端部に設けられている球形部64を有している。接続部65は内筒接続部56に対しねじ嵌合により接続されている。
【0049】
第1支持板47の裏側において、各内筒55の直上の位置には、ソケット66がそれぞれ配置されている。ソケット66は、内径が球形部64より若干大きく形成され、上側が閉塞され下側が開口している円筒形状に形成されている。ソケット66の内部には、球形部64に対応した凹部形状を有し、下側が開口した図示しない樹脂部材が挿入されており、球形部64を包み込んで保持している。公知のように、ボールスタッド62と第1支持板47とのなす角度が変化すると、球形部64は樹脂部材の内部において中心位置を変えずに、樹脂部材の内面を摺動しながら相対回転する。
【0050】
第1上下方向駆動部51、51、及び第2上下方向駆動部57は、遠隔操作する作業機械のキャビンからの加速度信号に応じて、外筒52に挿入されている内筒55を上下動させ、第1支持板47の下面を上下動させてシート装置40を上下動させる。第1上下方向駆動部51、51、及び第2上下方向駆動部57の駆動源は、図示しないが例えば、エアポンプにより発生されるエア圧、又は電動モータである。エア圧の場合は、外筒52内部の内筒55のストローク空間内に導入されて、内筒55の下端部が押圧されて、内筒55が外筒52に対して伸縮する。また、電動モータの場合は、内筒55の外周面の長手方向にギア歯面が連続して設けられてラックギアが形成され、出力シャフトにピニオンギアを設けられた電動モータが第1筐体部11内に備えられる。外筒52の孔を通して電動モータのピニオンギアが内筒55のギア歯面に噛み合って駆動することで、内筒55が外筒52に対して伸縮する。
【0051】
第1上下方向駆動部51、51、及び第2上下方向駆動部57は、互いに独立して内筒55の外筒52に対する伸縮位置を制御可能である。例えば、図3、及び図4のように、第1上下方向駆動部51、51、及び第2上下方向駆動部57の内筒55のそれぞれの上端位置は、同じ高さに制御することが可能である。その場合、ボールスタッド62は第1支持板47に対し略垂直となり、第1支持板47は水平に保持される。
【0052】
また、第1上下方向駆動部51、51、及び第2上下方向駆動部57の内筒55のそれぞれの上端位置は、異なる高さに制御することが可能である。例えば、図2のように、第1上下方向駆動部51、51の内筒55の両方の上端位置が、第2上下方向駆動部57の内筒55の上端位置より低くされる場合は、ボールスタッド62は第1支持板47に対して垂直方向よりも若干傾いた角度となり、その状態で第1支持板47は保持される。その際に、球形部64とソケット66とは滑らかに摺動して、第1支持板47はそれぞれの内筒55の上端位置に追従して保持される。
【0053】
また、第1上下方向駆動部51、51、及び第2上下方向駆動部57は、作業機械から送信されるキャビンの加速度信号に基づいて、シート装置40を振動させる。シート装置40を振動させる場合、第1上下方向駆動部51、51、及び第2上下方向駆動部57の内筒55をそれぞれ独立して短時間に小刻みに上下動させる。それぞれの内筒55が上下に小刻みに動かされると、球形部64とソケット66とは互いに滑らかに摺動して第1支持板47が内筒55の動きにスムーズに連動して上下動する。その結果、シート装置40を振動させることができる。
【0054】
次に、シート装置40を回転させる機構である、回転方向駆動部71を説明する。回転方向駆動部71は、シート装置40を回転させる駆動力を発生する駆動力発生装置72と、発生した駆動力を伝達する駆動力伝達部73とを有している。駆動力発生装置72は、リニア駆動装置であり、直方体形状に形成されて第1支持板47の後端部の上面に設けられている。リニア駆動装置の駆動形式は限定されないが、例えば、リニアモータである。リニア駆動装置の駆動形式のそれ以外の事例として、エアシリンダ、又は回転モータとボールねじとの組み合わせでもよい。駆動力伝達部73は、駆動力発生装置7の出力部に固定されており、回転可能に保持されている第2支持板48の後端部を連結している。駆動力発生装置72が直線方向に動くと駆動力伝達部73が一体的に動く。それにより、第2支持板48も連動して動き、第2支持板48上に固定されている座部41、及び背もたれ部42が回転する。回転方向駆動部71は、上下方向と同様に、遠隔操作する作業機械から送信されるキャビンの加速度信号に応じて回転力を発生させる。
【0055】
図2図4を参照して、以下に、遠隔操作装置100が有する各モードでの作動を説明する。遠隔操作装置100は、図2に示される乗降モード、図3に示される待機モード、及び図4に示される操作モードを有している。
【0056】
(1)乗降モード
図2は、乗降モード状態の遠隔操作装置100を示す側面図である。遠隔操作中はシート装置40が所定の高さに保持されて操作者が乗り降りしにくいため、シート装置40に容易に乗り降りするためのモードである。乗降モードでは、第1上下方向駆動部51、51の両方の内筒55の上端位置は、後述する待機モード時、及び操作モード時の上端位置より低い位置に制御され、第2上下方向駆動部57の内筒55の上端位置は、待機モード時、及び操作モード時の上端位置より高い位置に制御される。
【0057】
そのため、乗降モードでは、待機モード時、及び操作モード時に比べ、第1支持板47の前端位置は低く、後端位置は高く保持される。その結果、第1支持板47は前側に傾斜した状態に保持され、座部41と背もたれ部42とは、待機モード、及び操作モードの時に比べて前傾する。また、座部41、背もたれ部42、アームレスト43、及び足保持部44は、床である第1筐体部11の第1上板12に接近した位置となる。さらに、足保持部44の第2足保持部材46の下面は、第上板1に接触した状態となる。
【0058】
遠隔操作装置100に乗り込む時には、操作者は第2筐体部15の第2上板16に乗り、第上板1に接触した状態の第2足保持部材46を踏んで、座部41に座る。第2足保持部材46の下面は第1上板12に接触しているため、操作者の体重は床面で支えられる。
【0059】
上記実施の形態に関し、変形例1を説明する。上記において、乗降モードにおける各内筒55の上端部の位置について、第1上下方向駆動部51、51の両方の内筒55の上端位置は、待機モード時、及び操作モード時の上端位置より低い位置に制御され、第2上下方向駆動部57の内筒55の上端位置は、待機モード時、及び操作モード時の上端位置より高い位置に制御されると説明した。この点の変形例として、第1上下方向駆動部51、51の両方の内筒55の上端位置は上記説明のとおりとし、第2上下方向駆動部57の内筒55の上端位置は、待機モード時、及び操作モード時の上端位置と変えずに同じ高さ位置とする制御としてもよい。このような制御とした場合、第1上下方向駆動部51、51と第2上下方向駆動部57との制御を簡素化することができる。また、第2上下方向駆動部57の上下方向ストローク範囲が少なくなることで上下方向ストローク量が少ない、より安価な第2上下方向駆動部57を選択することが可能となり、コスト低減に寄与できる。
【0060】
上記実施の形態に関し、変形例2を説明する。上記において、乗降モード時には、座部41、背もたれ部42、アームレスト43、及び足保持部44が床に接近する構成を説明したが、足保持部44のみが床に接近する構成としてもよい。本変形例2の基本構造は上記と同じであり、第1上下方向駆動部51、51、及び、第2上下方向駆動部57は、シート装置40の振動を行うことは上記説明と同様である。一方、乗降モード時には、第1上下方向駆動部51、51及び、第2上下方向駆動部57は上下動せずに、座部41、背もたれ部42、アームレスト43、及び足保持部44は、待機モード時及び操作モード時の高さを保ったままであり、足保持部44のみが床に接近する。又は、足保持部44は床に接触する位置とされる。
【0061】
例えば、足保持部44は図示しないモータにより駆動されて第2支持板48との接続部を中心にして回転するように構成される。第1足保持部材45の端部は、第2支持板48の端部との間に配置された左右方向に平行な図示しない回転軸を介して接続されている。回転軸は図示しないモータにより駆動される。乗降モード時において、足保持部44は、モータ駆動されて第2足保持部材46が床に接近した位置、又は床に接触した位置に移動する。待機モード時、及び操作モード時には、足保持部44はモータ駆動されて床から上方に離間した位置に移動し、その位置に保持される。本変形例2では、第1上下方向駆動部51、51、及び、第2上下方向駆動部57は、振動の再現のみとなるため、第1上下方向駆動部51、51、及び、第2上下方向駆動部57のストローク量を少なくできる。その結果、第1上下方向駆動部51、51、及び、第2上下方向駆動部57の制御が簡素化され、ストローク量が少ない、より安価な第1上下方向駆動部51、51、及び、第2上下方向駆動部57を採用することができる。
【0062】
(2)待機モード
図3は、待機モード状態を示す側面図である。待機モードは、シート装置40を所定の高さにセットして操作モードへの移行準備、及び操作モード中に所定の条件を検知した場合に操作モードを離れるためのモードである。操作者が遠隔操作装置100に乗り込み、所定の条件となると待機モードに移行する。所定の条件とは、所定の操作により遠隔操作装置100のアプリケーションソフトが立ち上げられるか、又は乗降状態と待機状態とを切り替える図示しないモード切り替えスイッチが操作されるか、の何れかである。
【0063】
待機モードに移行すると、第1上下方向駆動部51、51の両方の内筒55の上端位置、及び第2上下方向駆動部57の内筒55の上端位置は、所定の高さ位置に制御されて、第1支持板47は水平状態に保持される。待機モードでは、第1支持板47が保持される高さは操作モード時と同じであるが、待機モードでは操作モードに対して以下が異なる。待機モードでは遠隔操作装置100は操作者による作業機械の操作を受け付けない。また、遠隔操作する作業機械のキャビンの振動はシート装置40に伝達されない。
【0064】
(3)操作モード
図4は、操作モード状態の遠隔操作装置100を示す側面図である。操作モードは、作業機械の遠隔操作を行うモードである。待機モードにおいて、遠隔操作装置100が操作者の操作モード切り替えへの意図があると判定される所定の条件を検出した場合、操作モードに移行する。操作モードに移行する所定の条件とは、作業機械が備える装置の作動状態に関する条件、操作者の視認状態に関する条件、及び停止スイッチの状態に関する条件を含んでいる。操作モード時のシート装置40の高さ位置、及び姿勢は、待機モード時から変更なく同じである。
【0065】
作業機械が備える装置の作動状態に関する条件とは、操作者が作業機械の遠隔操作を行おうとして、遠隔操作する作業機械を作動開始の状態にしているかどうかを示す条件である。例えば作業機械が備えるショベル等の作業用油圧装置のロック状態である。操作者が作業用油圧装置のロックが解除した時には、操作者は作業機械の遠隔操作を行う意思があると判断される。作業機械が備える装置の作動状態に関する条件のその他の事例としては、操作者が遠隔操作する作業機械のエンジンを図示しない操作盤上の操作スイッチを操作してオンにした時としてもよい。加えて、操作者が遠隔操作する作業機械の走行用電動機、又は作業装置用電動機を図示しない操作盤上の操作スイッチを操作して作動状態のオンにした時としてもよい。これらの場合には、操作者が遠隔操作を行う意思があると判断される。なお、乗降モードから待機モードへの移行時点では、作業用油圧装置はロック状態に設定されており、作業機械のエンジン、走行用電動機、作業装置用電動機はオフに設定されている。
【0066】
操作者の視認状態に関する条件とは、操作者が作業機械の遠隔操作を行おうとして、モニタ装置20をよく視認している状態かどうかを示す条件である。モニタ装置20には、操作者を撮像する撮像装置24が備えられており、操作者の視認状態を検出可能である。遠隔操作装置100は、操作者がモニタ装置20を直視しているかを検出する。操作者がモニタ装置20を直視せず、よそ見をしていることを検知した場合は、操作モードには移行されない。操作者がモニタ装置20を直視しているかの判定について、操作者の顔が上面視において、左右モニタの両端部間の角度範囲内を向いている時にモニタ装置20を直視していると判定してもよい。例えば、操作者の顔が上面視において、正面を0[deg]とした時、左右それぞれ30[deg]の範囲、又は45[deg]の範囲とすることができる。
【0067】
停止スイッチの状態に関する条件とは、遠隔操作装置100が備えている遠隔操作を停止するスイッチの操作状態に関する条件である。操作者が何らかの理由で遠隔操作を中止する非常停止スイッチを操作している場合、操作モードには移行されない。
【0068】
遠隔操作装置100は、操作者がよそ見をしておらず、非常停止スイッチが操作されておらず、かつ作業用油圧装置のロックが解除された時に自動的に操作モードに移行する。又は、上記操作モードに移行する条件は、適宜変更されてもよい。例えば、操作者がよそ見をしていない、及び非常停止スイッチが操作されていない状態の何れか一方、並びに作業用油圧装置のロックの解除を検出した場合に自動的に操作モードに移行するようにしてもよい。
【0069】
また、操作モードでは、遠隔操作する作業機械からの加速度信号に応じて、第1上下方向駆動部51、51、及び第2上下方向駆動部57により、シート装置40を振動させる。図4中に矢印で示されているように、駆動装置50により、遠隔操作中の作業機械の動きに合わせてシート装置40が駆動されて振動するとともに、乗降モードから他のモードへの移行、又は他のモードから乗降モードへの移行の際にシート装置40が上下動する。
【0070】
操作モードにおいて、作業機械を遠隔操作中に、遠隔操作装置100が所定の条件を検出すると、操作モードから待機モードに自動的に移行する。操作モードから待機モードに移行する所定の条件とは、作業用油圧装置のロック状態を検出した時、操作者のよそ見を検出した時、操作者の非常停止スイッチ操作を検出した時である。又は、操作者により遠隔操作する作業機械のエンジンが図示しない操作盤上の操作スイッチによりオフにされた時としてもよい。あるいは、操作者により遠隔操作する作業機械の走行用電動機、又は作業装置用電動機が図示しない操作盤上の操作スイッチにより非作動状態のオフにされた時としてもよい。これらの場合には、操作者が遠隔操作を行う意思がないと判断される。これらのうち、少なくとも1つを検出した時には、自動的に操作モードから待機モードに移行する。
【0071】
遠隔操作を終了する時には、所定の操作を検出することで、待機モードから乗降モードに移行し、操作者は遠隔操作装置100から降りて、遠隔操作を終了する。待機モードから乗降モードに移行する所定の操作とは、遠隔操作装置100のアプリケーションソフトを終了する操作を検出するか、又は乗降状態と待機状態とを切り替えるモード切り替えスイッチの操作を検出するか、の何れかである。
【0072】
上記特有の構成を有する本発明により、乗降しやすく、強固な足保持部を備えることなく乗降可能であり、安全で効率的に遠隔操作できる遠隔操作装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0073】
10 筐体、 40 シート装置、41 座部、44 足保持部、
50 駆動装置、100 遠隔操作装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6