(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】サーバー
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240925BHJP
【FI】
G06Q50/26 300
(21)【出願番号】P 2021118780
(22)【出願日】2021-07-19
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】内海 敦子
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-112969(JP,A)
【文献】特開2007-148590(JP,A)
【文献】特開2020-047014(JP,A)
【文献】特開2020-009087(JP,A)
【文献】特開2013-222305(JP,A)
【文献】特開2007-219949(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車と通信可能なサーバーであって、
災害時の給電要請を受信した場合に、前記電動車に対して
、前記電動車の識別情報、前記電動車の位置情報及び前記電動車のエネルギー残量を含む車両情報の開示を要求し、
前記開示の要求に対して、前記電動車のユーザの同意を得られた前記電動車から前記車両情報を取得し、
取得した前記車両情報に基づいて、前記電動車に対して給電指示を行い、
前記給電要請が終了した場合には、前記ユーザに対して、前記車両情報の取得の終了を通知する、
サーバー。
【請求項2】
前記電動車が行う給電に必要なエネルギーを補給するエネルギー補給ステーションと通信可能であり、
前記エネルギー補給ステーションの位置情報及び前記エネルギー補給ステーションのエネルギー残量を含むステーション情報を取得し、
取得した前記ステーション情報及び前記車両情報に基づいて、前記電動車に対して、補給指示を行う、
請求項1に記載のサーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、災害時において、避難所情報と車両情報とに基づいて車両の給電先を決定する災害時給電システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の災害時給電システムは、車両情報を常に開示することを好まないユーザにとっては利用しにくい。
【0005】
本発明は、そのような課題を解決するためになされたものであり、災害時といった緊急時にのみ車両情報を提供できるようにするので、より多くのユーザに利用されるようにすることができるサーバーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係るサーバーは、電動車と通信可能なサーバーであって、災害時の給電要請を受信した場合に、前記電動車に対して前記電動車の位置情報及び前記電動車のエネルギー残量を含む車両情報の開示を要求し、前記開示の要求に対して、前記電動車のユーザの同意を得られた前記電動車から前記車両情報を取得し、取得した前記車両情報に基づいて、前記電動車に対して給電指示を行い、前記給電要請が終了した場合には、前記ユーザに対して、前記車両情報の取得の終了を通知する。このような構成により、災害時といった緊急時にのみ車両情報を提供できるようにするので、より多くのユーザに利用されるようにすることができる。
【0007】
また、上記サーバーは、前記電動車が行う給電に必要なエネルギーを補給するエネルギー補給ステーションと通信可能であり、前記エネルギー補給ステーションの位置情報及び前記エネルギー補給ステーションのエネルギー残量を含むステーション情報を取得し、取得した前記ステーション情報及び前記車両情報に基づいて、前記電動車に対して、補給指示を行う。このような構成により、効率的にエネルギーを補給することができる。
【発明の効果】
【0008】
本実施形態によれば、災害時といった緊急時にのみ車両情報を提供できるようにするので、より多くのユーザに利用されるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1に係るサーバー及び電動車を例示した図である。
【
図2】実施形態1に係るサーバーを例示したブロック図である。
【
図3】実施形態1に係る端末装置を例示したブロック図である。
【
図4】実施形態1に係るサーバー及び端末装置の給電方法を例示したシークエンス図である。
【
図5】実施形態1に係るサーバーにおいて、給電方法を例示したフローチャート図である。
【
図6】実施形態1に係る電動車において、給電方法を例示したフローチャート図である。
【
図7】実施形態1に係るエネルギー補給ステーションが付加されたサーバー及び電動車を例示した図である。
【
図8】実施形態2に係るサーバー、電動車及びエネルギーサービス事業者を例示した図である。
【
図9】実施形態2に係るサーバーを例示したブロック図である。
【
図10】実施形態2に係るサーバー及び電動車におけるエネルギー補給方法を例示したシークエンス図である。
【
図11】実施形態2に係るサーバーにいて、補給方法を例示したフローチャート図である。
【
図12】実施形態2に係る電動車において、補給方法を例示したフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲に係る発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0011】
(実施形態1)
実施形態1に係るサーバーを説明する。本実施形態のサーバーは、災害時等の緊急時において、自治体等からの給電要請に対応するためのサーバーである。災害時には、自治体等からの給電要請に基づき、給電を行う車両の手配を行う必要がある。但し、車両によっては、車両に蓄えられている水素や電気等のエネルギー残量及び車両の位置をタイムリーに把握することができない。よって、人為的に給電を行う車両を管理し、立ち合いを行っている。
【0012】
本実施形態のサーバーは、災害時等の緊急時において、自治体等からの給電要請に応じる車両の車両情報を取得し、車両に対して給電指示を行う。これにより、災害時にどの車両がどこにいて、どの程度のエネルギー残量かを把握することができ、給電のタイミングや車両の入れ替え等をタイムリーに行うことができる。
【0013】
以下では、車両として、電動車を例として説明する。電動車は、バッテリーの電力を車両の動力のすべてまたは一部として使用するものであり、例えば、電気自動車(Electric Vehicle、EVと呼ぶ。)、プラグインハイブリッド車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle、PHEVと呼ぶ、及び、Plug-in Hybrid Vehicle、PHVと呼ぶ)、ハイブリッド車(Hybrid Electric Vehicle、HEVと呼ぶ、及び、Hybrid Vehicle、HVと呼ぶ)、燃料電池車(Fuel Cell Electric Vehicle、FCEVと呼ぶ、及び、Fuel Cell Vehicle、FCVと呼ぶ)を含む。なお、以下では、電動車を例にして説明しているが、給電することができれば、電動車の代わりに、ガソリン車、ディーゼル車等の車両でもよい。
【0014】
図1は、実施形態1に係るサーバー及び電動車を例示した図である。
図1に示すように、サーバー10は、電動車20A~20Cと通信可能な状態で接続されている。例えば、サーバー10は、無線通信回線により各電動車20A~20Cと直接通信可能な状態で接続されてもよいし、インターネットを介して、各電動車20A~20Cと通信可能な状態で接続されてもよい。サーバー10は、各電動車20A~20Cに配置された端末装置30A~30Cと通信可能な状態で接続されてもよい。電動車20A~20Cを総称して、電動車20と呼ぶ。端末装置30A~30Cを総称して、端末装置30と呼ぶ。また、各電動車20A~20Cの各ユーザ40A~40Cを総称してユーザ40と呼ぶ。
【0015】
サーバー10は、複数の電動車20と接続されてもよいし、1つの電動車20とだけ接続されてもよい。
図1には3台の電動車20A~20Cが示されているが、複数の電動車20は、2台でもよいし、4台以上でもよい。サーバー10は、所定の箇所に固定されたものに限らず、クラウド上に設けられてもよい。サーバー10は、例えば、自治体50と通信可能な状態で接続されている。そして、サーバー10は、自治体50から災害時の給電要請を受信する。なお、サーバー10は、自治体50に配置され、自治体50内の給電要請を行う部署から給電要請を受信してもよい。
【0016】
図2は、実施形態1に係るサーバー10を例示したブロック図である。
図2に示すように、サーバー10は、制御部11、通信部12、記憶部13、インタフェース部14及び給電指示生成部15を有している。制御部11、通信部12、記憶部13、インタフェース部14及び給電指示生成部15は、それぞれ、制御手段、通信手段、記憶手段、インタフェース手段及び給電指示生成手段としての機能を有している。
【0017】
サーバー10は、コンピュータを含む情報処理装置であり、AI(Artificial Intelligence)を含んでもよい。制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む。制御部11は、制御処理及び演算処理等を行う演算装置としての機能を有する。また、制御部11は、通信部12、記憶部13、インタフェース部14及び給電指示生成部15等の各構成要素の動作を制御する。
【0018】
通信部12は、電動車20及び自治体50と無線の通信回線を介して通信を行うために必要な処理を行う。通信部12は、ユーザ40の携帯端末と無線の通信回線を介して接続されてもよい。通信部12は、通信ポート、ルータ、ファイアウォール等を含み得る。
【0019】
記憶部13は、例えば、メモリ又はハードディスク等の記憶装置を有してもよい。記憶装置は、例えば、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等である。記憶部13は、制御部11によって実行される制御プログラム及び演算プログラム等を記憶するための機能を有する。また、記憶部13は、処理データ等を一時的に記憶するための機能を有する。
【0020】
また、記憶部13は、各ユーザ40の住所及び電話番号等の個人情報を記憶してもよい。記憶部13は、各電動車20の車種、型式、製造年月日等の車両識別情報を記憶してもよい。記憶部13は、給電を受けられる給電場所を記憶する。
【0021】
インタフェース部14は、例えば、ユーザインタフェース(User Interface)である。インタフェース部14は、キーボード、タッチパネル又はマウス等の入力装置と、ディスプレイ又はスピーカ等の出力装置とを有する。インタフェース部14は、オペレータ等によるデータの入力の操作を受け付け、オペレータ等に対して情報を出力する。
【0022】
給電指示生成部15は、車両情報に基づいて、電動車20に対して行う給電指示を生成する。制御部11、通信部12、記憶部13、インタフェース部14及び給電指示生成部15は、データバスなどを介して相互に接続されている。
【0023】
サーバー10の各構成要素は、例えば、制御部11の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、各構成要素は、記憶部13に格納されたプログラムを、制御部11が実行することによって実現され得る。また、必要なプログラムを任意の不揮発性記録媒体に記録しておき、必要に応じてインストールすることで、各構成要素を実現するようにしてもよい。また、各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。
【0024】
サーバー10は、例えば、自治体50から災害時の給電要請を受信した場合に、電動車20に対して車両情報の開示を要求する。具体的には、制御部11は、通信部12を制御することにより、通信部12が自治体50から災害時の給電要請を受信した場合には、電動車20に対して車両情報の開示要求を送信させる。
【0025】
サーバー10は、電動車20に対して、車両情報の開示を要求した場合に、電動車20のユーザ40から車両情報の開示の同意を受信する。具体的には、制御部11は、通信部12を制御することにより、通信部12に、ユーザ40から車両情報の開示の同意を受信させる。また、サーバー10は、車両情報の開示の不同意を受信してもよいし、同意も不同意も受信しない場合があってもよい。サーバー10は、電動車20のユーザ40の同意を得られた電動車20から車両情報を取得する。具体的には、制御部11は、通信部12を制御することにより、ユーザ40の同意を得られた電動車20から車両情報を取得させる。車両情報は、例えば、電動車20の位置情報、電動車20の識別情報、電動車20のエネルギー残量を含む。
【0026】
サーバー10は、取得した車両情報に基づいて、電動車20に対して給電指示を行う。具体的には、制御部11は、給電指示生成部15を制御することにより、取得した車両情報に基づいて、電動車20に対して行う給電指示を生成させる。例えば、給電指示生成部15は、ユーザ40の同意を得られた電動車20から、自治体50のA地区に近い位置情報及び十分なエネルギー残量を含む車両情報を取得する。その場合には、給電指示生成部15は、電動車20に対して、A地区に移動してA地区の給電場所で給電せよとの給電指示を生成する。そして、制御部11は、通信部12を制御することにより、電動車20に対して給電指示生成部15が生成した給電指示を送信させる。
【0027】
サーバー10は、自治体50からの給電要請が終了した場合には、ユーザ40に対して、車両情報の取得の終了を通知する。具体的には、制御部11は、通信部12を制御することにより、通信部12が自治体50から給電要請の終了を受信した場合には、電動車20のユーザ40に対して、車両情報の取得の終了を送信させる。このようにして、サーバー10は、災害時といった緊急時において、給電要請に応じる電動車20の車両情報を取得し、電動車20に対して給電指示を行う。
【0028】
電動車20は、サーバー10と通信可能な状態で接続された端末装置30を有してもよい。端末装置30は、災害時等にサーバー10から車両情報の開示要求を受信する。端末装置30は、電動車20のユーザ40の同意を得られた場合に、電動車20から取得した車両情報をサーバー10に送信する。また、端末装置30は、サーバー10から給電指示を受信する。そして、端末装置30は、サーバー10から車両情報の取得の終了を受信する。
【0029】
図3は、実施形態1に係る端末装置30を例示したブロック図である。
図3に示すように、端末装置30は、電動車20に設けられている。端末装置30は、制御部31、通信部32、記憶部33、インタフェース部34及び車両情報取得部35を備えている。制御部31、通信部32、記憶部33、インタフェース部34及び車両情報取得部35は、それぞれ、制御手段、通信手段、記憶手段、インタフェース手段及び車両情報取得手段としての機能を有している。
【0030】
端末装置30の各構成要素は、一つの筐体または基板に配置されてもよいし、各構成要素のうちいずれかまたはいくつかが、他の構成要素から分離してもよい。例えば、端末装置30の各構成要素は、ユーザ40が携帯する携帯端末に配置されてもよいし、電動車20に配置されたカーナビゲーション装置に配置されてもよいし、電動車20の操作パネル等に配置されてもよい。また、例えば、制御部31、記憶部33及び車両情報取得部35は、カーナビゲーション装置に配置され、通信部32及びインタフェース部34は、携帯端末に配置されてもよい。端末装置30の各構成要素の配置位置はこだわらない。
【0031】
端末装置30は、コンピュータを含む情報処理装置であり、制御部31は、例えば、CPU等のプロセッサを含む。制御部31は、制御処理及び演算処理等を行う演算装置としての機能を有する。制御部31は、通信部32、記憶部33、インタフェース部34及び車両情報取得部35等の各構成要素の動作を制御する。
【0032】
通信部32は、サーバー10と無線の通信回線を介して通信を行うために必要な処理を行う。通信部32は、通信ポート、ルータ、ファイアウォール等を含み得る。通信部32は、ユーザ40の携帯端末に配置されてもよい。
【0033】
記憶部33は、例えば、メモリ又はハードディスク等の記憶装置を有してもよい。記憶装置は、例えば、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等である。記憶部33は、制御部31によって実行される制御プログラム及び演算プログラム等を記憶するための機能を有する。また、記憶部33は、処理データ等を一時的に記憶するための機能を有する。
【0034】
また、記憶部33は、電動車20の車種、型式、製造年月日等の車両識別情報を記憶してもよい。記憶部33は、給電を行う給電場所を記憶してもよい。
【0035】
インタフェース部34は、例えばユーザインタフェースである。インタフェース部34は、キーボード、タッチパネル又はマウス等の入力装置と、ディスプレイ又はスピーカ等の出力装置とを有する。インタフェース部34は、ユーザ40によるデータの入力の操作を受け付け、ユーザ40に対して情報を出力する。
【0036】
車両情報取得部35は、電動車20の位置情報及び電動車20のエネルギー残量を含む車両情報を取得する。例えば、車両情報取得部35は、位置情報取得部21及びエネルギー残量計22と有線又は無線の通信回線により接続されている。位置情報取得部21は、例えば、カーナビゲーション装置であり、GPS等の情報を取得する。車両情報取得部35は、車両情報として、記憶部33に記憶された電動車20の車種、型式、製造年月日等の車両識別情報を取得してもよい。
【0037】
制御部31、通信部32、記憶部33、インタフェース部34及び車両情報取得部35は、データバス、無線通信回線などを介して相互に接続されている。
【0038】
端末装置30の各構成要素は、例えば、制御部31の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、各構成要素は、記憶部33に格納されたプログラムを、制御部31が実行することによって実現され得る。また、必要なプログラムを任意の不揮発性記録媒体に記録しておき、必要に応じてインストールすることで、各構成要素を実現するようにしてもよい。また、各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。
【0039】
端末装置30は、災害時にサーバー10から車両情報の開示要求を受信する。具体的には、制御部31は、通信部32を制御することにより、サーバー10の通信部12から車両情報の開示要求を受信させる。制御部31は、インタフェース部34を制御することにより、通信部32が車両情報の開示要求を受信した場合に、車両情報の開示に同意するか、ユーザ40に問い合わせる。これを受けて、ユーザ40は、インタフェース部34に同意または不同意を入力する。
【0040】
端末装置30は、ユーザ40の同意を得られた場合には、サーバー10に対して車両情報を送信する。具体的には、ユーザ40からインタフェース部34に車両情報の開示の同意を入力された場合には、制御部31は、車両情報取得部35を制御することにより、車両情報取得部35に車両情報を取得させる。制御部31は、車両情報取得部35及び通信部32を制御することにより、車両情報取得部35が取得した車両情報をサーバー10に対して送信させる。
【0041】
端末装置30は、サーバー10から給電指示を受信する。具体的には、制御部31は、通信部32を制御することにより、サーバー10の通信部12から給電指示を受信させる。通信部32が給電指示を受信した場合には、制御部31は、インタフェース部34を制御することにより、給電指示に従って電動車20を移動させるようにユーザ40に指示する。
【0042】
端末装置30は、自治体50の給電要請が終了した場合には、サーバー10から車両情報の取得の終了を受信する。具体的には、制御部31は、通信部32を制御することにより、サーバー10の通信部12から車両情報の取得の終了を受信させる。そして、通信部32が車両情報の取得の終了を受信した場合には、制御部31は、インタフェース部34を制御することにより、ユーザ40に車両情報の取得の終了を知らせる。
【0043】
次に、サーバー10及び端末装置30の給電方法を、シークエンス図を参照して説明する。
図4は、実施形態1に係るサーバー10及び端末装置30の給電方法を例示したシークエンス図である。
【0044】
図4に示すように、自治体50は、災害時等において、サーバー10に対して給電要請を行う(S101)。サーバー10は、自治体50から給電要請を受信する(S102)。そうすると、サーバー10は、電動車20に対して車両情報の開示を要求する(S103)。これにより、電動車20は、車両情報の開示要求を受信する(S104)。そして、電動車20は、開示要求に同意か不同意かユーザに問い合わせる(S105)。ユーザ40が開示要求に同意の場合には、電動車20は、車両情報を取得する(S106)。そして、電動車20は、サーバー10に対して、開示要求に同意であることを送信するとともに(S107)、取得した車両情報を送信する(S108)。これにより、サーバー10は、開示要求に同意であることを受信するとともに(S109)、車両情報を受信する(S110)。なお、ユーザ40が開示要求に不同意の場合、または、開示要求が不達で同意及び不同意をできない場合には、処理を終了する。
【0045】
サーバー10は、取得した車両情報に基づいて、給電指示を生成する(S111)。給電指示は、例えば、給電場所及び給電日時を含んでもよい。そして、サーバー10は、電動車20に対して、給電指示を送信する(S112)。電動車20は、サーバー10から給電指示を受信する(S113)。そして、電動車20は、給電指示に従った給電を行う(S114)。
【0046】
自治体50は、災害時の緊急時等を脱し、給電の必要がなくなった場合には、給電要請の終了をサーバー10に対して送信する(S115)。これにより、サーバー10は、自治体50から給電要請の終了を受信する(S116)。そして、サーバー10は、電動車20に対して、車両情報の取得の終了を送信する(S117)。これにより、電動車20は、サーバー10から車両情報の取得の終了を受信する(S118)。そして、電動車20は、車両情報の取得の終了をユーザ40に通知する(S119)。
【0047】
次に、サーバー10における給電方法を、フローチャート図を用いて説明する。
図5は、実施形態1に係るサーバー10における給電方法を例示したフローチャート図である。
【0048】
図5のステップS201に示すように、サーバー10は、災害時の給電要請を受信する。例えば、サーバー10は、自治体50から災害時の給電要請を受信する。次に、ステップS202に示すように、サーバー10は、電動車20に対して、災害時の給電に必要な車両情報の開示を要求する。その際に、電動車20は、車両情報の開示について同意するかユーザに問い合わせる。
【0049】
次に、ステップS203に示すように、サーバー10は、ユーザ40から、車両情報の開示について同意を得られたか判断する。ステップS203において、ユーザ40から同意を得られない場合には、処理を終了する。一方、ステップS203において、ユーザから同意を得られた場合には、ステップS204に示すように、サーバー10は、ユーザの同意を得られた電動車20から車両情報を取得する。
【0050】
次に、ステップS205に示すように、サーバー10は、取得した車両情報に基づいて、給電指示を生成する。具体的には、サーバー10は、取得した電動車20の位置情報及び電動車20のエネルギー残量を含む車両情報に基づいて、電動車20に対して行う給電指示を生成する。そして、ステップS206に示すように、サーバー10は、電動車20に対して生成した給電指示を送信することにより、給電指示を行う。
【0051】
次に、ステップS207に示すように、給電要請の終了を受信したか判断する。ステップS207において、給電要請の終了を受信していない場合には、ステップS204に戻り、ステップS204~ステップS206を繰り返す。例えば、新たな車両情報に基づいて、他の給電場所に移動する給電指示をしてもよいし、他の電動車20と交代する給電指示をしてもよい。
【0052】
一方、ステップS207において、給電要請の終了を受信した場合には、ステップS208に示すように、ユーザ40に対して、車両情報の取得の終了を通知する。そして、処理を終了する。このようにして、サーバー10は、災害時といった緊急時において、給電要請に応じる電動車20の車両情報を取得し、電動車20に対して給電指示を行うことができる。
【0053】
次に、電動車20における給電方法を、フローチャート図を用いて説明する。
図6は、実施形態1に係る電動車20における給電方法を例示したフローチャート図である。
【0054】
図6のステップS301に示すように、電動車20は、サーバー10から車両情報の開示要求を受信する。次に、ステップS302に示すように、電動車20は、車両情報の開示供給に対して同意するかユーザ40に問い合わせる。ステップS302において、ユーザ40から同意を得られない場合には、処理を終了する。一方、ステップS302において、ユーザから同意を得られた場合には、ステップS303に示すように、電動車20は、車両情報を取得する。
【0055】
次に、ステップS304に示すように、電動車20は、サーバー10に、取得した車両情報を送信する。次に、ステップS305に示すように、電動車20は、送信した車両情報に基づいてサーバー10が生成した給電指示を受信する。次に、ステップS306に示すように、電動車20は、給電指示に従って給電を行う。
【0056】
次に、ステップS307に示すように、サーバー10から車両情報の取得の終了を受信したか判断する。ステップS307において、サーバー10から車両情報の取得の終了を受信していない場合には、ステップS303に戻り、ステップS303~S306を繰り返す。例えば、新たな車両情報を送信することにより、新たな給電指示を受信し、新たな給電を行ってもよい。ステップS307において、サーバー10から車両情報の取得の終了を受信した場合には、ステップS308に示すように、電動車20は、車両情報の取得の終了をユーザ40に通知する。そして、処理を終了する。このようにして、電動車20は、災害時といった緊急時において、給電要請に応じた給電を行うことができる。
【0057】
図7は、実施形態1に係るエネルギー補給ステーションが付加されたサーバー及び電動車を例示した図である。
図7に示すように、サーバー10は、エネルギー補給ステーション60と通信可能な状態で接続されてもよい。エネルギー補給ステーション60は、例えば、FCVに水素を補給する水素ステーション等のように、電動車20が行う給電に必要なエネルギーを電動車20に補給する。サーバー10は、エネルギー補給ステーション60の位置情報及びエネルギー補給ステーション60のエネルギー残量を含むステーション情報を取得する。サーバー10は、取得したステーション情報及び電動車20の車両情報に基づいて、電動車20に対して、補給指示を行ってもよい。
【0058】
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態のサーバー10は、災害時といった緊急時の給電要請に応じることができる電動車20の車両情報を取得する。電動車20のユーザ40によっては、緊急時には車両情報を提供してもよいが、通常時の車両情報の提供を嫌う場合がある。そこで、サーバー10は、災害時の給電要請を受信した場合に、電動車20に対して車両情報の開示を要求する。そして、電動車20のユーザ40の同意を得られた電動車20から車両情報を取得する。これにより、災害時といった緊急時にのみ車両情報を提供できるようになるので、より多くのユーザ40が利用できるようにすることができる。
【0059】
また、給電要請が終了した場合には、ユーザ40に対して、車両情報の取得の終了を通知する。これにより、ユーザ40は、通常時には、車両情報を提供することがないので、安心して電動車20を使用することができる。
【0060】
今後、電動車20が普及した際に、多くの電動車20が給電を行う可能性がある。例えば、災害時等の混乱した状況下でも、各電動車20の電欠、水素欠の心配を防ぎつつ、最適な場所に電動車20を誘導することが可能となる。
【0061】
また、このような給電を行う電動車20は、平常時には、移動手段はもちろんのこと、キッチンカー、物品販売車、医療用車両と多様な目的に用いることができる。よって、緊急時にのみ使用だけのために準備するものではなく、マルチパーポスとして運用できるのでコストを低減することができる。
【0062】
また、電動車20は、振動、騒音及び異臭を抑制することができるので、周囲の環境衛生を向上させることができる。
【0063】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係るサーバーを説明する。本実施形態のサーバーは、エネルギーの需給に応じてエネルギー価格が変動するサービスへ対応するためのものである。具体的には、本実施形態のサーバーは、エネルギーの需給に応じてエネルギー価格が変動しても、エネルギーの価格が低い時間帯及びエネルギーの価格が低い地区でエネルギーを補給することができるようにする。
【0064】
図8は、実施形態2に係るサーバー10A、電動車20及びエネルギーサービス事業者70を例示した図である。
図8に示すように、サーバー10Aは、エネルギーを販売するエネルギーサービス事業者70と通信可能な状態で接続されている。エネルギーは、例えば、FCVに補給される水素、EVに補給される電力等である。また、サーバー10Aは、エネルギー補給ステーション60と通信可能な状態で接続されてもよい。サーバー10Aは、エネルギーの価格及びエネルギーの販売地区の位置情報を含む価格情報をエネルギーサービス事業者70から受信する。なお、サーバー10Aは、エネルギーサービス事業者70に配置され、エネルギーサービス事業者70内の価格情報を取得する部署から価格情報を受信してもよい。
【0065】
図9は、実施形態2に係るサーバー10Aを例示したブロック図である。
図9に示すように、サーバー10Aは、制御部11、通信部12、記憶部13、インタフェース部14及び補給指示生成部16を有している。制御部11、通信部12、記憶部13、インタフェース部14及び補給指示生成部16は、それぞれ、制御手段、通信手段、記憶手段、インタフェース手段及び補給指示生成手段としての機能を有している。
【0066】
補給指示生成部16は、エネルギーの価格及びエネルギーの販売地区の位置情報を含む価格情報、並びに、車両情報に基づいて、補給指示を生成する。例えば、補給指示生成部16は、B地区及びC地区との間の価格差、電動車20のB地区及びC地区までの距離差、電動車20のエネルギー残量、電動車20のエネルギー残量が0になるまでのエネルギー価格の変動予測等から、すぐにB地区で補給せよ、または、明日以降にC地区で補給せよ、等の補給指示を生成する。これ以外のサーバー10Aの構成は、実施形態1と同様である。
【0067】
次に、サーバー10A及び電動車20におけるエネルギー補給方法を、シークエンス図を参照して説明する。
図10は、実施形態2に係るサーバー10及び電動車20におけるエネルギー補給方法を例示したシークエンス図である。
【0068】
図10に示すように、エネルギーサービス事業者70は、エネルギーの価格及びエネルギーの販売地区の位置情報を含む価格情報を、サーバー10Aに対して送信する(S401)。サーバー10Aは、エネルギーサービス事業者70から価格情報を受信する(S402)。そうすると、サーバー10Aは、電動車20に対して車両情報の開示を要求する(S403)。これにより、電動車20は、車両情報の開示要求を受信する(S404)。そして、電動車20は、開示要求に同意か不同意かユーザに問い合わせる(S405)。ユーザ40が開示要求に同意の場合には、電動車20は、車両情報を取得する(S406)。そして、電動車20は、サーバー10Aに対して、開示要求に同意であることを送信するとともに(S407)、取得した車両情報を送信する(S408)。これにより、サーバー10Aは、開示要求に同意であることを受信するとともに(S409)、車両情報を受信する(S410)。なお、ユーザ40が開示要求に不同意の場合、または、開示要求が不達で同意及び不同意をできない場合には、処理を終了する。
【0069】
サーバー10Aは、取得した車両情報及び価格情報に基づいて、補給指示を生成する(S411)。そして、サーバー10Aは、電動車20に対して、補給指示を送信する(S412)。電動車20は、サーバー10Aから補給指示を受信する(S413)。そして、電動車20は、補給指示に従った補給を行う(S414)。
【0070】
次に、サーバー10Aによる補給方法を、フローチャート図を用いて説明する。
図11は、実施形態2に係るサーバー10Aにおける補給方法を例示したフローチャート図である。
【0071】
図11のステップS501に示すように、サーバー10Aは、エネルギーサービス事業者70から価格情報を受信する。次に、ステップS502に示すように、サーバー10Aは、電動車20に対して、車両情報の開示を要求する。その際に、電動車20は、車両情報の開示について同意するかユーザに問い合わせる。
【0072】
次に、ステップS503に示すように、サーバー10Aは、ユーザ40から、車両情報の開示について同意を得られたか判断する。ステップS503において、ユーザ40から同意を得られない場合には、処理を終了する。一方、ステップS503において、ユーザから同意を得られた場合には、ステップS504に示すように、サーバー10Aは、ユーザの同意を得られた電動車20から車両情報を取得する。
【0073】
次に、ステップS505に示すように、サーバー10Aは、価格情報及び車両情報に基づいて、補給指示を生成する。具体的には、サーバー10Aの補給指示生成部16は、エネルギーサービス事業者70から取得した価格情報及び電動車20から取得した車両情報に基づいて、電動車20に対して行う補給指示を生成する。そして、ステップS506に示すように、サーバー10Aは、電動車20に対して生成した補給指示を送信することにより、給電指示を行う。
【0074】
次に、電動車20による補給方法を、フローチャート図を用いて説明する。
図12は、実施形態2に係る電動車20における補給方法を例示したフローチャート図である。
【0075】
図12のステップS601に示すように、電動車20は、サーバー10Aから車両情報の開示要求を受信する。次に、ステップS602に示すように、電動車20は、車両情報の開示供給に対して同意するかユーザ40に問い合わせる。ステップS602において、ユーザ40から同意を得られない場合には、処理を終了する。一方、ステップS602において、ユーザ40から同意を得られた場合には、ステップS603に示すように、電動車20は、車両情報を取得する。
【0076】
次に、ステップS604に示すように、電動車20は、サーバー10Aに、取得した車両情報を送信する。次に、ステップS605に示すように、電動車20は、価格情報及び車両情報に基づいてサーバー10Aが生成した補給指示をサーバー10Aから受信する。次に、ステップS606に示すように、電動車20は、補給指示に従った給電を行う。このようにして、電動車20は、価格情報に応じた補給を行うことができる。
【0077】
本実施形態のサーバー10Aは、エネルギーの需給変動に応じてエネルギー価格が変動するサービスへ対応することができる。よって、サーバー10Aは、エネルギーの価格が低い時間帯または価格が低い地区での補給をユーザ40に対して指示することができる。これにより、エネルギーの購入価格を低減することができる。本実施形態における上記以外の構成及び効果は、実施形態1の記載に含まれている。
【0078】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施形態1及び2の各構成を組み合わせたものも、本実施形態の技術的思想の範囲に含まれる。例えば、災害時の給電要請時において、エネルギーの需給変動に応じてエネルギー価格が変動するサービスに対応させてもよい。
【符号の説明】
【0079】
10、10A サーバー
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
14 インタフェース部
15 給電指示生成部
16 補給指示生成部
20、20A、20B、20C 電動車
21 位置情報取得部
22 エネルギー残量計
30、30A、30B、30C 端末装置
31 制御部
32 通信部
33 記憶部
34 インタフェース部
35 車両情報取得部
40、40A、40B、40C ユーザ
50 自治体
60 エネルギー補給ステーション
70 エネルギーサービス事業者