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  • 特許-車両の発生音を診断する診断装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】車両の発生音を診断する診断装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/007 20060101AFI20240925BHJP
   G01H 3/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
G01M17/007 H
G01H3/00 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021124162
(22)【出願日】2021-07-29
(65)【公開番号】P2023019442
(43)【公開日】2023-02-09
【審査請求日】2024-02-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】茨木 理
【審査官】川野 汐音
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-096547(JP,A)
【文献】特開2011-203146(JP,A)
【文献】特開2006-177711(JP,A)
【文献】特開2010-271073(JP,A)
【文献】特開2010-243338(JP,A)
【文献】特開2005-257460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 17/00ー17/10
G01H 1/00ー17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の発生音を診断する診断装置であって、
マイクと、前記マイクに接続された処理回路とを備え、
前記処理回路は、
前記マイクを用いて前記発生音を所定時間に亘って収録する処理と、
前記所定時間に亘って収録された前記発生音に対して、フーリエ変換を所定の周期で繰り返し実行する処理と、
前記所定の周期で繰り返し作成された一連のフーリエ変換データにおいて、周波数毎に、音圧が所定の閾値を跨いで上昇する回数をカウントする処理と、
前記カウントされた前記回数が所定の下限値以上かつ上限値以下であるときに、前記発生音に変動音が含まれると判定する処理と、
前記発生音に前記変動音が含まれると判定したときに、前記変動音に対応付けて用意された実績データ又は収録音を提示する処理と、を実行する、
診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、車両の発生音を診断する診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、車両の走行時において、適切に製造されていれば本来生じるはずがない音、即ち、異音が発生しないことが望ましい。この点に関して、特許文献1に、車両の発生音を診断する診断装置が記載されている。この診断装置は、マイクと、マイクに接続された処理回路とを備える。処理回路は、発生音を継続的に収録する処理と、収録された発生音をフーリエ変換する処理と、を実行する。このフーリエ変換データに基づいて、ディープラーニングといった機械学習により異音の検出や識別が行なわれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-164107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した診断装置では、機械学習によって異音の検出や識別が行われており、その過程を外部から把握することができず、いわゆる「ブラックボックス問題」を招くおそれがある。例えば、機械学習による診断結果は、必ずしも完全ではなく、時として的外れな診断結果を導き出すこともある。このような場合に、機械学習による診断結果が、ユーザ自身の経験に基づく想定結果と相違していると、その診断装置に対してユーザは不信感を覚えるおそれがある。特に、異音には、例えば、周波数及び大きさが一定である異音(以下、「定常音」と称する)や、周波数又は大きさの少なくとも一方が刻々と変化する異音(以下、「変動音」と称する)が含まれる。変動音は、その周波数又は大きさの変化をユーザも知覚可能であり、定常音と比較して、ユーザに不快感を与える場合が多い。このような変動音が生じているときに、ユーザの想定に反して、定常音として誤認されたような診断結果が示されると、ユーザに対して強い不信感を与えてしまう。
【0005】
上記の実情を鑑み、本明細書では、車両の発生音に含まれる変動音を確実に検出して、発生音をより正しく診断し得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する技術は、車両の発生音を診断する診断装置に具現化される。この診断装置は、マイクと、前記マイクに接続された処理回路とを備える。前記処理回路は、前記マイクを用いて前記発生音を所定時間に亘って収録する処理と、前記所定時間に亘って収録された前記発生音に対して、フーリエ変換を所定の周期で繰り返し実行する処理と、前記所定の周期で繰り返し作成された一連のフーリエ変換データにおいて、周波数毎に、音圧が所定の閾値を跨いで上昇する回数をカウントする処理と、前記カウントされた前記回数が所定の下限値以上かつ上限値以下であるときに、前記発生音に変動音が含まれると判定する処理と、前記発生音に前記変動音が含まれると判定したときに、前記変動音に対応付けて用意された実績データ又は収録音を提示する処理と、を実行する。
【0007】
上記の診断装置では、車両の発生音を収録しながら、収録した発生音のフーリエ変換を所定時間に亘って繰り返し実行して、一連のフーリエ変換データを作成する。車両の発生音に変動音が含まれる場合、一連のフーリエ変換データでは、音圧が閾値を上回るフーリエ変換データの列と、当該音圧が閾値を下回るフーリエ変換データの列とが、比較的に緩やかな頻度で繰り返し現れる。その一方で、車両の発生音に定常音が含まれる場合は、音圧が閾値を上回るフーリエ変換データのみが連続して現れたり、あるいは、音圧が閾値を上回るフーリエ変換データの列と、当該音圧が閾値を下回るフーリエ変換データの列とが、人が知覚不能な頻度で繰り返し現れたりする。そのことから、一連のフーリエ変換データにおいて、音圧が所定の閾値を跨いで上昇する回数をカウントし、そのカウントされた回数が所定の下限値以上かつ上限値以下であるときは、発生音に変動音が含まれると判定することができる。これにより、車両の発生音に含まれる変動音を確実に検出することができるとともに、変動音が検出されたときには、その変動音に対応付けて用意された実績データ(例えば別車両での実績に基づくデータ)又は収録音を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】診断装置10の構成を示す概略図。
図2】処理回路16が実行する診断処理の一例を説明するフローチャート。
図3】いずれの周波数においても音圧が閾値Tを超えないフーリエ変換データを示す。
図4】ある周波数において音圧が閾値Tを超えるフーリエ変換データを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照して、診断装置10について説明する。診断装置10は、車両の発生音を診断する装置である。診断装置10は、例えば、携帯電話(例えば、スマートフォン)、タブレット型コンピュータ、携帯情報端末等に搭載される。但し、他の実施形態として、診断装置10は、車両に搭載されてもよい。
【0010】
図1に示すように、診断装置10は、マイク12と、A/D変換器14とを備える。マイク12は、周囲の音を収集する機器である。A/D変換器14は、アナログ信号をデジタル信号に変換することができる。A/D変換器14は、マイク12と電気的に接続されており、マイク12で収集した音を、デジタル信号へ変換する。従って、マイク12が車両の室内に配置されている場合には、マイク12は、車両の室内において、乗客が知覚する車両に関連する音、即ち、車両の発生音を収集することができる。ここで、車両の発生音には、適切に製造されていても生じる音(即ち、正常音)と、適切に製造されていれば本来生じるはずがない音(即ち、異音)とが含まれる。マイク12により収集された車両の発生音は、A/D変換器14によってデジタル信号である音声データへ変換される。なお、マイク12の具体的な構成は、特に限定されず、周囲の音を収集可能であればよい。
【0011】
図1に示すように、診断装置10は、処理回路16をさらに備える。処理回路16は、メモリ18とプロセッサ20とを備え、車両の発生音を診断するための診断処理を実行する。メモリ18は、例えば不揮発性メモリであって、診断処理に係るプログラムやデータを記憶している。メモリ18に記憶されるデータには、例えば、診断処理に利用される閾値Tといったパラメータや、診断結果に応じてユーザに提示される実績データや収録音も含まれる。特に限定されないが、メモリ18に記憶されるプログラムやデータは、一又は複数にパッケージングされたアプリケーションとして、インターネット上のサーバから診断装置10にインストールされる。
【0012】
処理回路16は、マイク12及びA/D変換器14の各々と通信可能に接続されており、マイク12及びA/D変換器14の動作を監視及び制御することができる。例えば、処理回路16は、マイク12を用いて車両の発生音を集音し、A/D変換器14から出力される音声データを、メモリ18に記録(収録)することができる。プロセッサ20は、メモリ18に記憶されたプログラムやデータを利用し、メモリ18に記録された音声データに後述する様々な処理を実行することによって、車両の発生音に含まれる変動音を検出する。
【0013】
図1に示すように、診断装置10は、タッチパネル22をさらに備える。タッチパネル22は、様々な情報を表示する表示装置であるとともに、ユーザによる操作を受け付ける操作装置でもある。即ち、ユーザは、タッチパネル22を操作することにより、様々な指示を診断装置10に入力することができる。タッチパネル22から入力された指示は、処理回路16に送信される。例えば、ユーザが診断処理の実行開始指示をタッチパネル22に入力すると、処理回路16はマイク12やA/D変換器14を用いて診断処理に係る一連の処理を開始する。なお、タッチパネル22は、ユーザインターフェースの一例であって、特に限定されない。他の実施形態として、診断装置10は、他の形態のディスプレイ、スピーカ、操作ボタン等を備えてもよく、あるいは、マイク12を用いた音声入力によってユーザの指示を受け付けてもよい。また、診断装置10による診断処理は、ユーザによる指示に限られず、外部からの通信を介して指示されてもよく、あるいは、事前にスケージュールされていてもよい。
【0014】
次に、図2に示すフローチャートに沿って、処理回路16が実行する診断処理について説明する。前述したように、処理回路16は、例えばユーザによる指示に応じて、診断処理の実行を開始する。先ず、ステップS10では、処理回路16が、マイク12を用いて、車両の発生音を所定時間に亘って収録する。この所定時間は、特に限定されないが、例えば10秒とすることができる。次に、ステップS12において、処理回路16は、所定時間に亘って収録された発生音に対して、フーリエ変換を所定の周期で繰り返し実行する。この所定の周期は、特に限定されないが、例えばプロセッサ20のシステム周波数であってよい。一例ではあるが、本実施例のシステム周波数は22キロヘルツである。
【0015】
ここまでの処理により、所定時間に亘って収録された発生音に対して、一連のフーリエ変換データが作成される。図3図4に模式的に示すように、各々のフーリエ変換データでは、それぞれのタイミングにおいて、発生音の周波数毎の音圧が記述されている。そして、図4に示すように、いずれかの周波数において、音圧が閾値Tを超える場合は、車両の発生音に異音が含まれている蓋然性が高いと判断される。ここで、車両の発生音に含まれる異音は、周波数及び大きさが一定である定常音と、周波数又は大きさの少なくとも一方が刻々と変化する変動音とに区別される。例えば、一連のフーリエ変換データの全てが、図4に示すようなデータである場合、即ち、特定の周波数において音圧が閾値Tを超えている場合は、車両の発生音に定常音が含まれると判断することができる。これに対して、例えば、一連のフーリエ変換データにおいて、音圧が閾値Tを上回るフーリエ変換データ(図4参照)の列と、当該音圧が閾値Tを下回るフーリエ変換データ(図3参照)の列とが、比較的に緩やかな頻度で繰り返し現れる場合は、車両の発生音に変動音が含まれると判断することができる。
【0016】
変動音は、その周波数又は大きさの変化をユーザも知覚可能であり、定常音と比較して、ユーザに不快感を与える場合が多い。このような変動音が生じているときに、ユーザの想定に反して、定常音として誤認されたような診断結果が示されると、ユーザに対して強い不信感を与えてしまう。本実施例の診断装置10は、一連のフーリエ変換データに対して、以下に説明する処理をさらに実行することによって、車両の発生音に含まれる変動音を、確実に検出することができる。
【0017】
図2に戻り、ステップS14において、処理回路16は、所定の周期に亘って繰り返し作成された一連のフーリエ変換データにおいて、周波数毎に、音圧が所定の閾値Tを跨いで上昇する回数Nをカウントする。なお、車両がエンジンを有する場合は、図3及び図4に示す低周波数の範囲Aを、処理する対象から除外してもよい。正常音であるエンジンの動作音は、低周波数の範囲Aにおいて顕著に検出されるためである。エンジンの動作音が検出される周波数は、エンジンの気筒数と回転数によって定まる。例えば、6気筒エンジンの回転数が6000rpmである場合には、エンジンの動作音の周波数は300ヘルツとなることから、300ヘルツ以下の周波数では、エンジンの動作音に由来するピーク成分が顕著に検出される。そこで、ステップS14では、エンジンの動作音に由来するピーク成分が検出される低周波数の範囲Aを除外し、その他の周波数の範囲において、音圧が所定の閾値Tを跨いで上昇する回数Nをカウントする。なお、所定の閾値Tは、周波数ごとに異なる値であってもよいし、周波数に依らず一定であってもよい。
【0018】
ステップS16において、処理回路16は、ステップS14でカウントされた回数Nが、6以上かつ100以下であるのか否かを判断する。ステップS16でYES、即ち、ステップS14でカウントされた回数Nが6以上かつ100以下であるとは、一連のフーリエ変換データにおいて、音圧が閾値Tを上回るフーリエ変換データの列と、当該音圧が閾値Tを下回るフーリエ変換データの列とが、比較的に緩やかな頻度で繰り返し現れることを意味する。このような音圧の緩やかな変動を、ユーザは変動音として知覚することができる。従って、ステップS16でYESの場合、処理回路16は、車両の発生音に変動音が含まれると判定する(ステップS18)。そして、処理回路16は、変動音に対応付けて用意された実績データ又は収録音を提示し(ステップS20)、診断処理を終了する。なお、実績データとは、別車両で検出された変動音に関する様々なデータ(例えば、走行速度や路面状態といった変動音が発生したときの状態や、変動音の原因等)を意味する。
【0019】
ステップS16でNOの場合、処理回路16は、ステップS22に移行する。ステップS22では、処理回路16は、ステップS14でカウントされた回数Nが0であるのか否かを判断する。ステップS22でYES、即ち、ステップS14でカウントされた回数Nが0であるとは、一連のフーリエ変換データに、音圧が閾値Tを上回るフーリエ変換データの列が含まれないことを意味する。従って、ステップS22でYESの場合、処理回路16は、車両の発生音に異音が含まれないと判定し(ステップS24)、診断処理を終了する。
【0020】
ステップS22でNOの場合、処理回路16は、ステップS26に移行する。ステップS26では、処理回路16は、ステップS14で音圧が所定の閾値Tを超えた回数Nが1であり、かつ、収録された所定時間(例えば、10秒)に亘って音圧が継続して所定の閾値Tを超えているのか否かを判断する。ステップS26でYES、即ち、ステップS14でカウントされた回数Nが1であり、かつ、収録された所定時間に亘って音圧が継続して所定の閾値Tを超えているとは、一連のフーリエ変換データの全てについて、特定の周波数における音圧が閾値Tを超えていることを意味する。従って、ステップS26でYESの場合、処理回路16は、車両の発生音に定常音が含まれると判定し(ステップS30)、診断処理を終了する。
【0021】
ステップS26でNOの場合、処理回路16は、ステップS28に移行する。ステップS28では、処理回路16は、ステップS14でカウントされた回数Nが100よりも大きいか否かを判断する。ステップS28でYES、即ち、ステップS14でカウントされた回数Nが100よりも大きいとは、一連のフーリエ変換データにおいて、音圧が閾値Tを上回るフーリエ変換データの列と、当該音圧が閾値Tを下回るフーリエ変換データの列とが、人が知覚不能な頻度で繰り返し現れることを意味する。このように、音圧が閾値Tを上回るフーリエ変換データの列と、当該音圧が閾値Tを下回るフーリエ変換データの列とが人が知覚不能な頻度で繰り返し現れると、人の耳には定常音として認識される。従って、ステップS28でYESの場合、処理回路16は、車両の発生音に定常音が含まれると判定し(ステップS30)、診断処理を終了する。
【0022】
ステップS28でNOの場合、診断装置10は、ステップS10の処理に戻る。即ち、ステップS14でカウントされた回数Nが1以上かつ5以下である場合には、収録された音声データに、車両の発生音とは異なるノイズ音が含まれる可能性が高いことから、上記の一連の処理を再度実行することによって、診断処理をやり直す。
【0023】
なお、音圧が閾値Tを上回るフーリエ変換データの列と、当該音圧が閾値Tを下回るフーリエ変換データの列とが繰り返し現れる場合において、人が知覚不能な頻度で繰り返されるのか否かを区別する具体的な回数Nは特に限定されない。即ち、ステップS16における回数Nの上限値及びステップS28における回数Nの下限値は、特に限定されない。また、収録された音声データにノイズ音が含まれるのか否かを区別する具体的な回数Nも特に限定されない。即ち、ステップS16における回数Nの下限値も、特に限定されない。
【0024】
以上のように、本実施例の診断装置10に実施される診断方法は、車両の発生音を収録しながら、収録した発生音のフーリエ変換を所定時間に亘って繰り返し実行して、一連のフーリエ変換データを作成する。車両の発生音に変動音が含まれる場合、一連のフーリエ変換データでは、音圧が閾値Tを上回るフーリエ変換データの列と、当該音圧が閾値Tを下回るフーリエ変換データの列とが、比較的に緩やかな頻度で繰り返し現れる。その一方で、車両の発生音に定常音が含まれる場合は、音圧が閾値Tを上回るフーリエ変換データのみが連続して現れたり、あるいは、音圧が閾値Tを上回るフーリエ変換データの列と、当該音圧が閾値Tを下回るフーリエ変換データの列とが、人が知覚不能な頻度で繰り返し現れたりする。そのことから、一連のフーリエ変換データにおいて、音圧が所定の閾値Tを跨いで上昇する回数Nをカウントし、そのカウントされた回数Nが所定の下限値以上かつ上限値以下であるときは、発生音に変動音が含まれると判定することができる。これにより、車両の発生音に含まれる変動音を確実に検出することができるとともに、変動音が検出されたときには、その変動音に対応付けて用意された実績データ(例えば別車両での実績に基づくデータ)又は収録音を提示することができる。
【0025】
なお、上記した実施形態において、マイク12は、必ずしも診断装置10に設けられている必要はない。即ち、他の実施形態として、マイク12は診断装置10とは別個に設けられてもよい。この場合、マイク12が車両の室内に配置され、車両から離れた位置に診断装置10が配置されていてもよい。マイク12と診断装置10とが通信可能に接続されることで、処理回路16は、上記と同様の診断処理を実行することができる。
【0026】
以上、いくつかの具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは組み合わせによって技術的有用性を発揮するものである。
【符号の説明】
【0027】
10:診断装置
12:マイク
14:A/D変換器
16:処理回路
18:メモリ
20:プロセッサ
22:タッチパネル
A :範囲
N :回数
T :閾値
図1
図2
図3
図4