(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】クーラント状態推測システム、クーラント状態推測方法、プログラム、学習済みモデルおよび機械学習器
(51)【国際特許分類】
B23Q 11/10 20060101AFI20240925BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20240925BHJP
B23Q 17/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B23Q11/10 Z
G05B19/418 Z
B23Q17/00 A
(21)【出願番号】P 2021151042
(22)【出願日】2021-09-16
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】於本 傑
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-179433(JP,A)
【文献】特開2017-087403(JP,A)
【文献】国際公開第2018/062317(WO,A1)
【文献】特開2007-100967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 11/00、10
B23Q 17/00
G05B 19/418
G06N 5/046
G06N 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工機に用いられるクーラントの状態の時間的変化を推測するクーラント状態推測システムであって、
前記クーラントの状態に関する測定値を、前記測定値の測定時刻と関連付けた測定情報として取得するクーラント状態取得部と、
前記加工機の加工条件に関する加工情報を取得する加工情報取得部と、
前記測定情報と前記加工情報に基づき、学習済みモデルを用いて前記測定情報の測定時刻以後の前記測定値の時間的変化を推測する推測部と、を備え、
前記学習済みモデルは、前記測定情報と前記加工情報から作成される教師データを用いて前記測定値の時間的変化を学習させたものである、クーラント状態推測システム。
【請求項2】
前記加工情報は、前記加工機の加工計画に関する加工計画情報を含む情報である、
請求項1に記載のクーラント状態推測システム。
【請求項3】
前記加工情報は、前記加工機を使用する環境に関する環境情報を含む情報である、
請求項1又は2に記載のクーラント状態推測システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のクーラント状態推測システムであって、
前記推測部により推測された前記測定値の時間的変化に基づいて、前記クーラントの状態を改善する作業計画を決定する作業計画決定部をさらに備えるクーラント状態推測システム。
【請求項5】
前記作業計画決定部は、作業内容と作業時期を決定する、
請求項4に記載のクーラント状態推測システム。
【請求項6】
前記作業計画決定部は、前記加工機の加工計画に基づいて、前記加工機による加工が停止されている期間内に作業時期を決定する、
請求項4又は5に記載のクーラント状態推測システム。
【請求項7】
前記測定値は、前記クーラントの液量、前記クーラントの濃度、前記クーラントの温度、前記クーラントのpH、前記クーラントの硬度の少なくともいずれかを含む、
請求項1~6のいずれか1項に記載のクーラント状態推測システム。
【請求項8】
コンピュータによって、加工機に用いられるクーラントの状態の時間的変化を推測するクーラント状態推測方法であって、
前記クーラントの状態に関する測定値を、前記測定値の測定時刻と関連付けた測定情報として取得するクーラント状態取得ステップと、
前記加工機の加工条件に関する加工情報を取得する加工情報取得ステップと、
前記測定情報と前記加工情報に基づき、学習済みモデルを用いて前記測定情報の測定時刻以後の前記測定値の時間的変化を推測する推測ステップと、を備え、
前記学習済みモデルは、前記測定情報と前記加工情報から作成される教師データを用いて前記測定値の時間的変化を学習させたものである、クーラント状態推測方法。
【請求項9】
加工機に用いられるクーラントの状態の時間的変化を推測するクーラント状態推測方法を実行するプログラムであって、
前記クーラントの状態に関する測定値を、前記測定値の測定時刻と関連付けた測定情報として取得するクーラント状態取得ステップと、
前記加工機の加工条件に関する加工情報を取得する加工情報取得ステップと、
前記測定情報と前記加工情報に基づき、学習済みモデルを用いて前記測定情報の測定時刻以後の前記測定値の時間的変化を推測する推測ステップと、をコンピュータに実行させるものであって、
前記学習済みモデルは、前記測定情報と前記加工情報から作成される教師データを用いて前記測定値の時間的変化を学習させたものである、プログラム。
【請求項10】
加工機に用いられるクーラントの状態に関する測定値を、前記測定値の測定時刻と関連付けた測定情報と、前記加工機の加工条件に関する加工情報から作成される教師データを用いて、前記測定値の時間的変化を学習させた学習済みモデルであって、
前記測定情報と前記加工情報の入力に対し、前記測定情報の測定時刻以後の前記測定値の時間的変化を出力するよう、コンピュータを機能させる学習済みモデル。
【請求項11】
加工機に用いられるクーラントの状態の時間的変化を学習する機械学習器であって、
前記クーラントの状態に関する測定値を、前記測定値の測定時刻と関連付けた測定情報として取得するクーラント状態取得部と、
前記加工機の加工条件に関する加工情報を取得する加工情報取得部と、
前記測定情報と前記加工情報から作成される教師データに基づいて、前記測定値の時間的変化を学習する学習部と、
を備える機械学習器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーラント状態推測システム、クーラント状態推測方法、プログラム、学習済みモデルおよび機械学習器に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械などの加工機では、加工時や工具の交換時にクーラント(切削油)が供給される。クーラントは、加工機において、加工精度の向上や工具の磨耗の抑制など重要な役割を果たしているため、クーラントの状態を適切に管理する必要がある。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1では、加工機に供給されるクーラントを貯留するクーラントタンクに各種センサを設け、クーラントの状態(濃度、硬度など)を継続的に測定することで、クーラントの状態を監視する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、発明者は、このようなクーラントの状態を継続的に測定する技術に関して、以下のような問題点を見出した。
クーラントの状態を精度よく測定するためには、測定する際に、クーラントを攪拌し、クーラントタンク内のクーラントの状態を均一にする必要がある。そのため、上記従来技術のようにクーラントの状態を継続的に測定していても、例えば加工機の停止中など、クーラントが十分に攪拌されていない時間帯においては、クーラントの状態を精度よく測定できず、クーラントの状態を適切に管理することができないという問題点がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされてものであって、クーラントが十分に攪拌されていない時間帯においても、クーラントの状態を推測できるクーラント状態推測システム、クーラント状態推測方法、プログラムおよび学習済みモデルと、クーラントの状態の時間的変化を学習できる機械学習器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るクーラント状態推測システムは、
加工機に用いられるクーラントの状態の時間的変化を推測するクーラント状態推測システムであって、前記クーラントの状態に関する測定値を、前記測定値の測定時刻と関連付けた測定情報として取得するクーラント状態取得部と、前記加工機の加工条件に関する加工情報を取得する加工情報取得部と、前記測定情報と前記加工情報に基づき、学習済みモデルを用いて前記測定情報の測定時刻以後の前記測定値の時間的変化を推測する推測部と、を備え、前記学習済みモデルは、前記測定情報と前記加工情報から作成される教師データを用いて前記測定値の時間的変化を学習させたものである。
【0008】
このような構成により、クーラントの状態に関する測定値の時間的変化を推測することができるため、クーラントの状態に関する測定値を継続的に精度よく測定できない場合にも、推測された測定値の時間的変化に基づいてクーラントの状態を適切に管理することができる。
【0009】
上記態様のクーラント状態推測システムにおいて、前記加工情報は、前記加工機の加工計画に関する加工計画情報を含む情報であってもよい。
このような構成により、クーラントの状態に関する測定値の時間的変化に影響を及ぼしうる加工計画を含めて、クーラントの状態に関する測定値の時間的変化を推測することができる。
【0010】
上記態様のクーラント状態推測システムにおいて、前記加工情報は、前記加工機を使用する環境に関する環境情報を含む情報であってもよい。
このような構成により、クーラントの状態に関する測定値の時間的変化に影響を及ぼしうる環境情報を含めて、クーラントの状態に関する測定値の時間的変化を推測することができる。
【0011】
上記態様のクーラント状態推測システムにおいて、前記推測部により推測された前記測定値の時間的変化に基づいて、前記クーラントの状態を改善する作業計画を決定する作業計画決定部をさらに備えるものであってもよい。
このような構成により、クーラントの状態に関する測定値の時間的変化から、クーラントの状態を改善するための適切な作業計画を決定することができる。
【0012】
上記態様のクーラント状態推測システムにおいて、前記作業計画決定部は、作業時期と作業内容を決定するものであってもよい。
このような構成により、クーラントの状態に関する測定値の時間的変化から、クーラントの状態を改善するための適切な作業計画をより詳細に決定することができる。
【0013】
上記態様のクーラント状態推測システムにおいて、前記作業計画決定部は、前記加工機の加工計画に基づいて、前記加工機による加工が停止されている期間内に作業時期を決定するものであってもよい。
このような構成により、加工機による加工が停止されている期間内に作業を行うことで、クーラントを交換する場合にも加工を停止することなく、作業を行うことができる。また、作業後、加工機の稼働までにクーラントの状態を均一にする時間を確保することができる。
【0014】
上記態様のクーラント状態推測システムにおいて、前記測定値は、前記クーラントの液量、前記クーラントの濃度、前記クーラントの温度、前記クーラントのpH、前記クーラントの硬度の少なくともいずれかを含むものであってもよい。
このような構成により、種々のクーラントの状態に関する測定値の時間的変化を推測することができ、これらに起因する悪影響を防止することができる。
【0015】
また、本発明の一態様に係るクーラント状態推測方法は、
コンピュータによって、加工機に用いられるクーラントの状態の時間的変化を推測するクーラント状態推測方法であって、前記クーラントの状態に関する測定値を、前記測定値の測定時刻と関連付けた測定情報として取得するクーラント状態取得ステップと、前記加工機の加工条件に関する加工情報を取得する加工情報取得ステップと、前記測定情報と前記加工情報に基づき、学習済みモデルを用いて前記測定情報の測定時刻以後の前記測定値の時間的変化を推測する推測ステップと、を備え、前記学習済みモデルは、前記測定情報と前記加工情報から作成される教師データを用いて前記測定値の時間的変化を学習させたものである。
【0016】
また、本発明の一態様に係るプログラムは、
加工機に用いられるクーラントの状態の時間的変化を推測するクーラント状態推測方法を実行するプログラムであって、前記クーラントの状態に関する測定値を、前記測定値の測定時刻と関連付けた測定情報として取得するクーラント状態取得ステップと、前記加工機の加工条件に関する加工情報を取得する加工情報取得ステップと、前記測定情報と前記加工情報に基づき、学習済みモデルを用いて前記測定情報の測定時刻以後の前記測定値の時間的変化を推測する推測ステップと、をコンピュータに実行させるものであって、前記学習済みモデルは、前記測定情報と前記加工情報から作成される教師データを用いて前記測定値の時間的変化を学習させたものである。
【0017】
また、本発明の一態様に係る学習済みモデルは、
加工機に用いられるクーラントの状態に関する測定値を、前記測定値の測定時刻と関連付けた測定情報と、前記加工機の加工条件に関する加工情報から作成される教師データを用いて、前記測定値の時間的変化を学習させた学習済みモデルであって、前記測定情報と前記加工情報の入力に対し、前記測定情報の測定時刻以後の前記測定値の時間的変化を出力するよう、コンピュータを機能させるものである。
【0018】
このような構成により、クーラントの状態に関する測定値の時間的変化を推測することができるため、クーラントの状態に関する測定値を継続的に精度よく測定できない場合にも、推測された測定値に基づいてクーラントの状態を適切に管理することができる。
【0019】
また、本発明の一態様に係る機械学習器は、
加工機に用いられるクーラントの状態の時間的変化を学習する機械学習器であって、前記クーラントの状態に関する測定値を、前記測定値の測定時刻と関連付けた測定情報として取得するクーラント状態取得部と、前記加工機の加工条件に関する加工情報を取得する加工情報取得部と、前記測定情報と前記加工情報から作成される教師データに基づいて、前記測定値の時間的変化を学習する学習部と、を備えるものである。
【0020】
このような構成により、クーラントの状態に関する測定値の時間的変化を学習し、該測定値の時間的変化を推測することができる学習済みモデルを生成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、クーラントが十分に攪拌されていない時間帯においても、クーラントの状態を推測できるクーラント状態推測システム、クーラント状態推測方法、プログラムおよび学習済みモデルと、クーラントの状態の時間的変化を学習できる機械学習器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第1の実施形態にかかるクーラント状態推測システムのハードウェア構成の 概略を示す図である。
【
図2】第1の実施形態にかかるクーラント状態推測システムの機能構成を示す図で ある。
【
図3】第1の実施形態にかかる機械学習器の機能構成を示す図である。
【
図4】第1の実施形態にかかる機械学習に用いられる学習用データセットを示す図 である。
【
図5】第1の実施形態にかかる機械学習に用いられるニューラルネットワークを示 す図である。
【
図6】第1の実施形態にかかる機械学習に用いられるリカレントニューラルネット ワークを示す図である。
【
図7】第1の実施形態にかかる学習処理の流れを示すフロー図である。
【
図8】第1の実施形態にかかるクーラント状態推測処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0024】
<第1の実施形態>
まず、第1の実施形態にかかるクーラント状態推測システムについて説明する。
図1は、本実施形態にかかるクーラント状態推測システム100のハードウェア構成の概略を示すブロック図である。
【0025】
図1に示すように、クーラント状態推測システム100は、パーソナルコンピュータなどの一般的な情報処理装置が有するコンピュータ資源を有している。具体的には、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、HDD(Hard Disk Drive)104と、通信インターフェース(I/F)105と、入出力インターフェース(I/F)106と、を備えている。また、これらの各部は、データバス107を介して相互に通信可能に接続されている。なお、ここでは、クーラント状態推測システム100の各部が、加工機200の制御機能が組み込まれた情報処理装置により実現される例について説明するが、加工機200の制御機能を有する制御装置とは独立して設けられた情報処理装置により実現されてもよく、また、これらの一部又は全ての機能が、エッジやクラウド等の外部装置において、実現されてもよい。
【0026】
CPU101は、クーラント状態推測システム100を統括的に制御するマイクロプロセッサである。具体的には、ROM102、HDD104に記憶された本実施形態において実行される各種の制御プログラムを読み出し、RAM103上に展開されたこれらのプログラムを実行する。ここで、記憶装置として、HDD104に替えて、または加えて、SSD(Solid State Drive)が備えられていてもよい。
【0027】
通信インターフェース105は、クーラント状態推測システム100と外部装置との通信を行う。ここで、通信は、無線有線を問わず、種々の通信技術により実現される。
本実施形態では、例えば、加工機200の周辺に設けられ、加工機200が使用される環境に関する環境情報を測定する環境情報センサ201から、環境情報を受信する。また、加工機200と、クーラント供給路202およびクーラント回収路203を介して接続されたクーラントタンク204に設けられ、クーラント205の状態に関する測定値を測定するクーラント状態センサ206から、クーラント205の状態に関する測定値を受信する。
【0028】
入出力インターフェース106は、クーラント状態推測システム100と外部との入出力を行う。例えば、推測されたクーラント205の状態に関する情報を表示するディスプレイなどの出力装置や、作業者が使用するための入力装置が備えられている。
【0029】
次に、本実施形態に係るクーラント状態推測システム100の機能構成を説明する。
図2は、本実施形態に係るクーラント状態推測システム100の機能構成を示すブロック図である。
【0030】
図2に示すように、クーラント状態推測システム100は、機能構成として、クーラント状態取得部301と、環境情報取得部302および加工計画情報取得部303を含む加工情報取得部304と、推測部305と、制御部306と、加工計画記憶部307と、作業計画決定部308と、表示部309と、を備えている。これらは、CPU101により、ROM102などに記憶された各種の制御プログラムが実行されることによって機能する。また、クーラント状態推測システム100の機能の一部または全ての機能は、ハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0031】
クーラント状態取得部301は、クーラント205の状態に関する測定値を、該測定値を測定した測定時刻と関連付けた測定情報として取得する。具体的には、クーラント205の液量、濃度、温度、pH、硬度などを測定するクーラント状態センサ206から、測定結果としての測定値を、該測定値を測定した測定時刻と関連付けた測定情報として取得する。ここで、クーラント状態センサ206からは測定値のみを取得し、クーラント状態取得部301において、測定時刻との関連付けを行い、測定情報として取得するようにしてもよい。
【0032】
また、これらの測定情報は、クーラントタンク204に設けられたクーラント状態センサ206から取得されてもよいが、作業者がクーラントタンク204から独立した各種センサを用いて、クーラントの状態を測定し、クーラント状態推測システム100に対して入力することにより取得されてもよい。すなわち、本発明においては、必ずしもクーラントの状態を継続的に測定する必要がないため、クーラントタンク204に備え付けのクーラント状態センサ206を設けない構成とすることもできる。このような構成により、1つのセンサを複数のクーラントタンク204で共有することができるため、コストを削減することができる。
【0033】
加工情報取得部304は、加工機200の加工条件に関する加工情報を取得する。具体的には、環境情報取得部302および加工計画情報取得部303を備えている。
環境情報取得部302は、加工機200が使用される環境に関する環境情報を取得する。具体的には、加工機200の周辺に設けられ、加工機200が使用される環境の温度や湿度などを測定する環境情報センサ201から、環境情報を取得する。ここで、これらの環境情報は、環境情報センサ201から取得されてもよいが、外部から提供されている気象情報、気象予報情報などを利用し、取得されてもよい。
【0034】
加工計画情報取得部303は、加工機200の加工計画に関する加工計画情報を取得する。具体的には、加工計画記憶部307に記憶されている加工機200の加工計画から、加工機200が加工する加工部品数や、加工機200が稼働している時間の割合を指す稼働率、加工機200が一つの部品を加工するのに要する時間を指すサイクルタイムなどの情報を取得する。ここでは、クーラント状態推測システム100が加工計画記憶部307を備える例について説明したが、エッジやクラウドなどの外部装置において記憶された加工機200の加工計画から、加工計画情報を取得する構成であってもよい。
【0035】
また、本発明において、加工情報取得部304が取得する加工情報は、上記のような環境情報や加工計画情報に限定されず、加工機200における主軸回転数、切削速度、工具に関する情報など加工条件に関する加工情報を幅広く含むものである。
【0036】
推測部305は、クーラント状態取得部301により取得された測定情報と、加工情報取得部304により取得された加工情報に基づいて、学習済みモデルを用いて該測定情報の測定時刻以後の測定値の時間的変化を推測する。具体的には、測定情報の測定時刻から所定時間経過後の液量、濃度、温度、pH、硬度などの測定値を推測する。なお、本発明において、測定値の時間的変化とは、測定時刻以後の測定値の連続的な時系列データと、測定時刻から所定時間経過後の1時点における測定値との双方を含むものであり、推測部305は、測定時刻から所定時間経過後の1時点における測定値のみを推測する構成であってもよい。ここで、上記の学習済みモデルは、予め、クーラント状態推測システム100や外部装置において、測定情報と加工情報から作成される教師データを用いて測定値の時間的変化を学習させ、推測部305に記憶されたものであるが、具体的な学習の手法については、後に詳述する。
【0037】
制御部306は、加工機200による加工動作を制御する。例えば、加工計画記憶部307に記憶されている加工計画に基づいて、加工機200に設けられたサーボモータなどの駆動を数値制御し、加工動作を制御する。
【0038】
作業計画決定部308は、推測部305により推測されたクーラント205の状態に関する測定値の時間的変化に基づいて、クーラント205の状態を改善するための作業計画を決定する。具体的には、推測されたクーラント205の状態に関する測定値の時間的変化から、クーラントの補充・交換の必要性を判断し、クーラント205の状態を改善するために必要な作業内容や作業時期を決定する。例えば、予めクーラント205の状態に関する測定値の正常範囲などをメモリ上に記憶しておき、推測された所定時間経過後の測定値が正常範囲を外れる場合には、所定時間が経過する前のタイミングを作業時期として決定する。
【0039】
また、作業内容については、クーラント205を補充することにより、測定値が正常範囲に収まる場合には、測定値を正常範囲に収めるために必要な補充量や補充するクーラント濃度を、推測された測定値を用いて算出し、補充量と補充するクーラント濃度を作業内容として決定する。一方で、クーラント205の補充によって、正常範囲に収めることができない場合には、クーラント205の交換を作業内容として決定する。その他にも、クーラント205の状態を改善するために必要な作業内容を、クーラント205の状態に関する測定値の時間的変化と関連付けて、予めテーブルなどでメモリ上に記憶しておき、推測された測定値の時間的変化に基づいて、作業内容を決定する例なども考えられる。この場合、予め実験を行うことや、熟練度の高い作業者へヒアリングを行うことで、クーラント205の状態を改善するために必要な作業内容を決定することができる。
【0040】
このように、作業計画決定部308は、作業内容、作業時期を決定するが、これらの一方のみを決定する構成であってもよい。すなわち、予め作業時期を作業者が決定し、作業計画決定部308に入力しておくことで、該作業時期に実行すべき作業内容を作業計画決定部308が決定するものであってもよく、作業計画決定部308が、作業が必要となる作業時期のみを決定し、作業者に通知するなどして、作業者が作業内容を決定するものであってもよい。
【0041】
ここで、作業計画決定部308は、加工計画記憶部307に記憶されている加工機200の加工計画をさらに用いて、作業時期を決定することもできる。具体的には、推測された所定時間経過後の測定値が正常範囲を外れる場合、所定時間が経過する前であり、かつ、加工機200による加工が停止されている期間内に作業時期を決定する。
【0042】
ここで、作業内容としてクーラント205の交換をする場合は、クーラント205を交換している間、加工機200による加工を停止する必要があり、クーラント205を補充する場合にも、補充したクーラント205が残存するクーラント205と、混ざり合うまで一定期間を要する。したがって、作業時期としては、加工機200による加工が停止されている期間が好ましい場合があり、作業計画決定部308は、加工機200による加工が停止されている期間内に作業時期を決定することができる。なお、ここでいう、加工が停止されている期間とは、加工機200の電源が停止されている期間のみではなく、加工機200の加工条件などを調整するために一時的に加工が停止されている期間も含むものである。
【0043】
表示部309は、推測部305により推測されたクーラント205の状態に関する測定値の時間的変化や、作業計画決定部308により決定されたクーラント205の状態を改善するために必要な作業計画(作業内容・作業時期)などを表示する。表示部309により、表示することによって、作業者に対してこれらの情報を通知することができ、例えば、クーラント205の状態に関する測定値の時間的変化を通知した場合には、作業者が必要な作業時期や作業内容を自ら決定し、作業を行うことができる。また、ここでは、クーラント状態推測システム100が情報処理装置として、表示部309を備える例について説明したが、作業者が保有するタブレット端末などに表示部309が設けられる構成であってもよい。
【0044】
また、本実施形態においては、推測部305により推測されたクーラント205の状態に関する測定値の時間的変化や、作業計画決定部308により決定されたクーラント205の状態を改善するために必要な作業計画(作業内容・作業時期)を、作業者に通知することで所定の作業を行うように指示する構成について説明したが、クーラントタンク204に対して、クーラント205を自動で供給する図示しないクーラント供給部をさらに設け、作業計画決定部308により決定された作業を、クーラント供給部を制御することにより、自動的に実施する構成であってもよい。
【0045】
次に、本実施形態に係る機械学習器400について説明する。ここでは、機械学習器400のハードウェア構成についての詳細な説明は省略するが、クーラント状態推測システム100と同様に、一般的な情報処理装置が有するコンピュータ資源を有している。また、ここでは、機械学習器400の各部が、クーラント状態推測システム100とは独立した情報処理装置により実現される例について説明するが、クーラント状態推測システム100の内部に組み込まれた構成として実現されてもよい。
【0046】
ここで、加工機が多数存在する工場などにおいては、例えば、工場内の各セルに存在する各加工機や各クーラント状態推測システム100が、ネットワークを介して、フォグサーバに繋がれており、また、セルごとに設けられたフォグサーバは、ネットワークを介して、クラウドサーバに繋がれている。このような構成において、機械学習器400は、フォグサーバ上に設けられてもよく、クラウドサーバ上に設けられてもよい。このように、サーバ上に機械学習器400を設けることで、ネットワークを介して、複数のクーラントタンク204などから情報を収集し、学習することができる。
【0047】
次に、本実施形態に係る機械学習器400の機能構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る機械学習器400の機能構成を示すブロック図である。
【0048】
機械学習器400は、クーラント状態取得部301と、環境情報取得部302および加工計画情報取得部303を含む加工情報取得部304と、学習部401と、を備えている。クーラント状態取得部301、環境情報取得部302、加工計画情報取得部303は、前述したように、それぞれクーラント205の状態に関する測定情報、加工機200が使用される環境に関する環境情報、加工機200における加工計画情報を取得する。
【0049】
ここで、クーラント205の状態の時間的変化に影響を及ぼしうる種々の因子について説明する。クーラントタンク204からクーラント供給路202を介して加工機200に供給されたクーラントは、加工機200において使用され、クーラント回収路203を介して、クーラントタンク204に戻され、再使用される。その際、加工機200において使用されたクーラント205の一部は、加工機200で加工されたワークに付着し、加工機200の外部に持ち出される。また、ワークの成分やワークに付着した不純物などがクーラント205に溶け込み、クーラントタンク204に回収される。したがって、加工機200が加工する加工部品数や、加工機200の稼働率などの加工計画情報が、クーラント205の状態の時間的変化に影響を及ぼしうる。
【0050】
また、クーラント205は、上記サイクルにおいて、一部が揮発するが、クーラント205は、その原液と水が混合された状態で使用されているため、これらの揮発性の差から、揮発によりクーラント205の状態(原液と水の割合)が変化する。ここで、それらの揮発量については、加工機200の周辺の温度や湿度に影響される。よって、加工機を使用する環境に関する環境情報がクーラント205の状態の時間的変化に影響を及ぼしうる。
【0051】
したがって、本実施形態において、学習部401は、クーラント状態取得部301により取得された、クーラント205の状態に関する測定値を該測定値の測定時刻と関連付けた測定情報と、加工情報取得部304により取得された、加工機200の加工条件に関する加工情報と、から教師データを作成、記憶し、該教師データに基づいて、クーラントの状態に関する測定値の時間的変化を学習する、いわゆる教師あり学習を行う。なお、教師あり学習とは、教師データ、つまり、ある入力とその入力に対する結果の学習用データセットを学習させ、入力から結果を推定・推測する学習済みモデルを生成するものであり、本発明においては、教師あり学習で用いられる種々の手法を用いることができる。
【0052】
ここでは、ニューラルネットワークを例に挙げ、機械学習器400によりクーラントの状態に関する測定値の時間的変化を学習する学習フェーズと、学習された学習済みモデルを用いて、クーラント状態推測システム100によりクーラントの状態に関する測定値の時間的変化を推測する運用フェーズについて説明する。まず、学習フェーズでは、学習用データセットを作成する。
【0053】
図4には、本学習において使用する学習用データセットの例を示している。例えば、入力値として、x11には、時刻t=0におけるクーラントの状態に関する測定値を、x21、x31、・・・xn-11、xn1には、時刻t=0から時刻t=t0における加工機の加工条件に関する加工情報を、クーラント状態取得部301、加工情報取得部304により、それぞれ取得する。出力値として、yt01には、時刻t=t0におけるクーラントの状態に関する測定値(実測値)をクーラント状態取得部301により取得し、No.1の学習用データセットを作成し、記憶する。これらの入力値x1、x2、・・・xn-1、xnと、出力値yt0との関係を表すデータをm個用意することで、
図4に示す学習用データセットが作成される。
【0054】
次に、学習に用いられるニューラルネットワークについて、
図5を参照して説明する。
図5には、「多入力一出力」の階層型ニューラルネットワークを示す。ここでは、簡略化のため、隠れ層を2層として記述しているが、実際には、より多層化されていることは言うまでもなく、入力層や隠れ層のノード数も、学習用データセットに応じて、任意に変更することが可能である。
【0055】
このようなニューラルネットワークの入力層の各ノードに対して、前述した学習用データセットを使用し、x1、x2、・・・xn-1、xnの入力値が入力されることで、時刻t=t0におけるクーラント205の状態に関する測定値が出力層から推測値として出力される。そして、該推測値が、学習用データセットとして用意した時刻t=t0におけるクーラント205の状態に関する実測値yt0と一致するように学習が行われる。具体的には、バックプロパゲーションなどを用いて、これらの値の誤差が予め定めた設定誤差以下に収束するまで学習を行い、ニューラルネットワークの重みやバイアス(以下、まとめて重みという。)が学習される。このようにして、クーラント205の状態に関する測定情報と、加工機200の加工条件に関する加工情報の入力に対して、該測定情報の測定時刻以後の測定値の時間的変化を出力するニューラルネットワーク(学習済みモデル)が生成される。
【0056】
このように重みが学習されたニューラルネットワークは、クーラント状態推測システム100の推測部305に出力され、運用フェーズが実行される。運用フェーズでは、
図5に示されるように、学習されたニューラルネットワークの入力層に対して、クーラント状態取得部301と加工情報取得部304により取得された、x1、x2、・・・xn-1、xnの入力値が入力され、出力層から、時刻t=t0におけるクーラントの状態に関する測定値が出力され、時刻t=t0におけるクーラントの状態に関する測定値を推測することができる。
【0057】
さらに、同様の手法により、時刻t=t1、t2、・・・txにおけるクーラント205の状態に関する測定値を出力するニューラルネットワークをそれぞれ生成することで、運用フェーズにおいて、
図5に示すように、測定値の連続的な時系列データを推測することが可能となる。なお、ここでは、入力値として、クーラント205の状態に関する測定値としては、時刻t=0における測定値のみを与える例について説明したが、クーラントの状態に関する測定値を連続的な時系列データとして取得しておき、入力層に与えることもできる。また、入力値として、環境情報を使用する場合、環境情報センサから取得した時刻t=0またはその近辺における環境情報(温度、湿度など)のみを与えてもよく、気象予報情報から、時刻t=0から時刻t=tnの予報値を時系列データとして取得し、入力層に与えることもできる。
【0058】
ここで、前述したように、推測部305が測定値の連続的な時系列データを推測する場合には、
図5に示すような単純なニューラルネットワークの代わりに、リカレントニューラルネットワーク(RNN)を用いることができる。具体的には、
図6に示すように、時刻t=tnにおける測定値を出力するニューラルネットワークの隠れ層の各ノードの出力を該ニューラルネットワークの次の層の入力のみでなく、時刻t=tn+1における測定値を出力するニューラルネットワークの入力にも使用する。このような構造により、時刻t=tn+1における測定値を出力するニューラルネットワークにおいては、時刻t=tnおよびそれ以前の情報も踏まえて、時刻t=tn+1における測定値を出力するため、測定値の連続的な時系列データを推測する場合に、より高い精度で測定値の時間的変化を推測することができる。
【0059】
次に、本実施形態にかかる機械学習器400における学習フェーズの流れ、すなわち、学習方法を説明する。
図7は、本実施形態にかかる学習処理のフロー図である。本フローは、例えば、所定量以上の学習用データセットが機械学習器400に蓄積された状態で開始する。また、前回の学習から、新たに所定量以上の学習用データセットが蓄積された場合に、本学習処理を実行し、再学習するようにしてもよい。
【0060】
まず初めに、ステップ101において、機械学習器400に記憶されている学習用データセットの各データが読みこまれる。
次いで、ステップ102において、ニューラルネットワークの入力層、隠れ層、出力層の各ノード数が読み込まれ、ニューラルネットワークが作成される。
【0061】
ステップ103では、読み込まれた学習用データセットを用いて、ニューラルネットワークの重みが学習される。具体的には、
図4の学習用データセットNo.1の入力値を入力層に入力し、出力されるニューラルネットワークの出力値と、学習用データセットNo.1の出力値の間の誤差が小さくなるようバックプロパゲーションを用いて、ニューラルネットワークの重みの学習が行われる。順次、m番目までの全てのデータについて、学習が行われると、ステップ104に進む。
【0062】
ステップ104では、ニューラルネットワークにおける出力値と、学習用データセットの出力値との誤差が予め定めた設定誤差以下に収束したか否かが判定され、設定誤差以下に収束したと判定された場合、ステップ105に進み、学習されたニューラルネットワークの重みが記憶される。一方、設定誤差以下に収束していないと判定された場合、ステップ103において、再度重みが学習され、ニューラルネットワークにおける出力値と、学習用データセットの出力値との誤差が設定誤差以下に収束するまで継続される。
【0063】
次に、本実施形態にかかるクーラント状態推測システム100における運用フェーズの流れ、すなわち、クーラント状態推測方法を説明する。
図8は、本実施形態にかかるクーラント状態推測処理のフロー図である。本フローは、前述した学習処理が完了し、学習済みモデルが推測部305に記憶された状態で開始するものであり、例えば、前回の推測から所定時間経過したタイミングや、クーラント205の状態に関する測定値が、クーラント状態推測システム100に入力されたタイミングで開始する。
【0064】
まず初めに、ステップ201において、クーラント状態取得部301により、クーラント205の状態に関する測定値が、該測定値を測定した測定時刻と関連付けられた測定情報として取得される。
次いで、ステップ202において、加工情報取得部304により、加工機200の加工条件に関する加工情報が取得される。例えば、環境情報取得部302により、加工機200が使用される環境に関する環境情報が取得され、加工計画情報取得部303により、加工機200における加工計画情報を取得される。ここで、ステップ201、202については、適宜順序を変更してもよい。
【0065】
次に、ステップ203において、推測部305により、クーラント状態取得部301により取得された測定情報と、加工情報取得部304により取得された加工情報に基づいて、前述した学習処理が完了された学習済みモデルを用いて該測定情報の測定時刻以後の測定値の時間的変化が推測される。
【0066】
続いて、ステップ204において、ステップ203で推測されたクーラント205の状態に関する測定値の時間的変化に基づいて、作業計画決定部308により、クーラント205の状態を改善するための作業が必要か否か判定される。例えば、予めクーラント205の状態に関する測定値の正常範囲などをメモリ上に記憶しておき、推測された時間の範囲で測定値が正常範囲を外れる場合には、クーラント205の状態を改善するための作業が必要と判断し、ステップ205に進む。一方、クーラント205の状態を改善するための作業が不要と判定された場合、本フローは終了する。
【0067】
次いで、ステップ205において、クーラント205の状態に関する測定値の時間的変化に基づいて、作業計画決定部308により、クーラント205の状態を改善するための作業計画が決定される。具体的には、作業内容や作業時期などが決定され、本フローは終了する。なお、本フローでは省略するが、これらのクーラント205の状態に関する測定値の時間的変化に係る情報や、クーラント205の状態を改善するための作業に係る情報を表示部309に出力するステップを加えてもよく、クーラント205を自動で供給する構成を備える場合には、クーラント供給部を制御し、作業計画に基づいて、クーラント205の自動供給するステップを加えてもよい。
【0068】
<その他の実施形態>
第1の実施形態では、クーラント状態推測システム100、機械学習器400がクーラントタンク204ごとに設けられている場合を例に挙げて説明したが、これらが複数のクーラントタンク204の間で共有されており、複数のクーラントタンク204のクーラント205の状態の時間的変化を推測、学習するように構成されていてもよい。また、第1の実施形態では、各加工機200に設けられたクーラントタンク204の状態を推測する構成について説明したが、複数のクーラントタンク204にクーラント205を供給する不図示のサーバータンクに貯留されているクーラント205の状態の時間的変化を推測、学習することも可能である。
【0069】
また、本発明において、加工機とは、ワークに所望の機械加工を施すことができ、クーラントを使用するものであればよく、旋盤、ボール盤、フライス盤、放電加工機、レーザ加工機、マシニングセンタなど種々の機械を含むものである。
【0070】
なお、本発明は、上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることで、様々な態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0071】
100 クーラント状態推測システム
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 HDD
105 通信I/F
106 入出力I/F
107 データバス
200 加工機
201 環境情報センサ
202 クーラント供給路
203 クーラント回収路
204 クーラントタンク
205 クーラント
206 クーラント状態センサ
301 クーラント状態取得部
302 環境情報取得部
303 加工計画情報取得部
304 加工情報取得部
305 推測部
306 制御部
307 加工計画記憶部
308 作業計画決定部
309 表示部
400 機械学習器
401 学習部