(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】車載装置、車両、車載装置の制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B60H 1/00 20060101AFI20240925BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20240925BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B60H1/00 103S
G06F3/048
G01C21/26 B
(21)【出願番号】P 2021151506
(22)【出願日】2021-09-16
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志賀 一之
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-222270(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0288643(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0185805(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/00
G06F 3/048
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーンを有する車載装置であって、
車室内の空調または各装備の温度調整のために操作される操作部を表示する第1画像と、前記第1画像とは異なる画像情報を表示する第2画像と、を前記タッチスクリーンに分割表示する制御部を備え、
前記第1画像と前記第2画像とを分割表示する表示パターンとして第1パターンと第2パターンとを有し、前記第2パターンにおいては、前記第1パターンよりも、前記第1画像の表示領域が小さく且つ前記第2画像の表示領域が大きく、
前記制御部は、前記第1パターンまたは前記第2パターンのいずれかの表示パターンで前記第1画像と前記第2画像とを分割表示
し、
前記第2画像として表示される画像情報は動画コンテンツの画像情報であり、
前記制御部は、
前記タッチスクリーンにおいて、前記第2画像の表示領域全体に前記動画コンテンツの画像情報を表示するとともに、前記第1画像の表示領域に、前記第1画像に代えて、前記第1画像を表示するために操作される表示アイコンを前記第2パターンで表示し、
前記表示アイコンは、前記第1画像の表示領域において、前記表示アイコンに代えて前記第1画像を前記第1パターンで表示するように操作されるアイコンである、
車載装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記タッチスクリーンにおいて、前記第1画像と前記第2画像とを分割表示するときに、前記第1パターンと前記第2パターンとを切り換えるために操作される切換アイコンを表示し、
前記切換アイコンが操作されたときに前記第1パターンと前記第2パターンとを切り換える、
請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記操作部は、一または複数の第1操作アイコンと、前記一または複数の第1操作アイコンよりも操作される頻度が低い一または複数の第2操作アイコンとを含み、
前記制御部は、
前記第1パターンで前記第1画像と前記第2画像とを分割表示する場合、前記一または
複数の第1操作アイコンおよび前記一または複数の第2操作アイコンを前記第1画像に表示し、
前記第2パターンで前記第1画像と前記第2画像とを分割表示する場合、前記一または複数の第2操作アイコンを非表示とし、前記一または複数の第1操作アイコンのみを前記第1画像に表示する、
請求項1または2に記載の車載装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記表示アイコンが操作されたときに、前記表示アイコンを非表示とするとともに、前記第1画像と前記第2画像とを分割表示し、
前記第1画像と前記第2画像との分割表示後に前記第1画像における前記操作部に対する無操作状態が所定期間以上継続した場合、前記第1画像に代えて前記表示アイコンを再表示する、
請求項
1から3のいずれか一項に記載の車載装置。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか一項に記載の車載装置を搭載した車両。
【請求項6】
タッチスクリーンを有する車載装置の制御方法であって、
車室内の空調または各装備の温度調整のために操作される操作部を表示する第1画像と、前記第1画像とは異なる画像情報を表示する第2画像と、を前記タッチスクリーンに分割表示することを含み、
前記車載装置は、前記第1画像と前記第2画像とを分割表示する表示パターンとして第1パターンと第2パターンとを有し、前記第2パターンにおいては、前記第1パターンよりも、前記第1画像の表示領域が小さく且つ前記第2画像の表示領域が大きく、
前記制御方法において、前記第1パターンまたは前記第2パターンのいずれかの表示パターンで前記第1画像と前記第2画像とが分割表示され
、
前記第2画像として表示される画像情報は動画コンテンツの画像情報であり、
前記制御方法において、
前記タッチスクリーンにおいて、前記第2画像の表示領域全体に前記動画コンテンツの画像情報を表示するとともに、前記第1画像の表示領域に、前記第1画像に代えて、前記第1画像を表示するために操作される表示アイコンを前記第2パターンで表示し、
前記表示アイコンは、前記第1画像の表示領域において、前記表示アイコンに代えて前記第1画像を前記第1パターンで表示するように操作されるアイコンである、
車載装置の制御方法。
【請求項7】
前記タッチスクリーンにおいて、前記第1画像と前記第2画像とを分割表示するときに、前記第1パターンと前記第2パターンとを切り換えるために操作される切換アイコンを表示することと、
前記切換アイコンが操作されたときに前記第1パターンと前記第2パターンとを切り換えることと、をさらに含む、
請求項
6に記載の車載装置の制御方法。
【請求項8】
前記操作部は、一または複数の第1操作アイコンと、前記一または複数の第1操作アイコンよりも操作される頻度が低い一または複数の第2操作アイコンとを含み、
前記制御方法において、
前記第1パターンで前記第1画像と前記第2画像とが分割表示される場合、前記一または複数の第1操作アイコンおよび前記一または複数の第2操作アイコンが前記第1画像に表示され、
前記第2パターンで前記第1画像と前記第2画像と
が分割表示される場合、前記一または複数の第2操作アイコンが非表示とされ、前記一または複数の第1操作アイコンのみが
前記第1画像に表示される、
請求項
6または
7に記載の車載装置の制御方法。
【請求項9】
前記表示アイコンが操作されたときに、前記表示アイコンを非表示とするとともに、前記第1画像と前記第2画像とを分割表示することと、
前記第1画像と前記第2画像との分割表示後に前記第1画像における前記操作部に対する無操作状態が所定期間以上継続した場合、前記第1画像に代えて前記表示アイコンを再表示することと、をさらに含む、
請求項
6から8のいずれか一項に記載の車載装置の制御方法。
【請求項10】
タッチスクリーンを有する車載装置を制御するプログラムであって、
前記車載装置に、車室内の空調または各装備の温度調整のために操作される操作部を表示する第1画像と、前記第1画像とは異なる画像情報を表示する第2画像と、を前記タッチスクリーンにおいて分割表示させ、
前記車載装置は、前記第1画像と前記第2画像とを分割表示する表示パターンとして第1パターンと第2パターンとを有し、前記第2パターンにおいては、前記第1パターンよりも、前記第1画像の表示領域が小さく且つ前記第2画像の表示領域が大きく、
前記車載装置に、前記第1パターンまたは前記第2パターンのいずれかの表示パターンで前記第1画像と前記第2画像とを分割表示させ
、
前記第2画像として表示される画像情報は動画コンテンツの画像情報であり、
前記車載装置に、
前記タッチスクリーンにおいて、前記第2画像の表示領域全体に前記動画コンテンツの画像情報を表示させるとともに、前記第1画像の表示領域に、前記第1画像に代えて、前記第1画像を表示するために操作される表示アイコンを前記第2パターンで表示させ、
前記表示アイコンは、前記第1画像の表示領域において、前記表示アイコンに代えて前記第1画像を前記第1パターンで表示するように操作されるアイコンである、
プログラム。
【請求項11】
前記車載装置に、
前記タッチスクリーンにおいて、前記第1画像と前記第2画像とを分割表示させるときに、前記第1パターンと前記第2パターンとを切り換えるために操作される切換アイコンを表示させ、
前記切換アイコンが操作されたときに前記第1パターンと前記第2パターンとを切り換えさせる、
請求項
10に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載装置における画像情報の表示に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車載用操作表示装置が開示されいる。特許文献1に開示された車載用操作表示装置は、タッチパネルを有したモニタと複数のメカスイッチとを備えている。複数のメカスイッチはモニタの周囲に配設されている。モニタには、操作されたメカスイッチの機能に対応したアイコンが表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、車載装置のタッチスクリーンに、車室内の空調または各装備の温度調整のために操作される操作部をより好適に表示することが可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様に係る車載装置は、
タッチスクリーンを有する車載装置であって、
車室内の空調または各装備の温度調整のために操作される操作部を表示する第1画像と、前記第1画像とは異なる画像情報を表示する第2画像と、を前記タッチスクリーンに分割表示する制御部を備え、
前記第1画像と前記第2画像とを分割表示する表示パターンとして第1パターンと第2パターンとを有し、前記第2パターンにおいては、前記第1パターンよりも、前記第1画像の表示領域が小さく且つ前記第2画像の表示領域が大きく、
前記制御部は、前記第1パターンまたは前記第2パターンのいずれかの表示パターンで前記第1画像と前記第2画像とを分割表示する。
【0006】
本開示の第2の態様に係る車両は、本開示の第1の態様に係る車載装置を搭載している。
【0007】
本開示の第3の態様に係る車載装置の制御方法は、
タッチスクリーンを有する車載装置の制御方法であって、
車室内の空調または各装備の温度調整のために操作される操作部を表示する第1画像と、前記第1画像とは異なる画像情報を表示する第2画像と、を前記タッチスクリーンに分割表示することを含み、
前記車載装置は、前記第1画像と前記第2画像とを分割表示する表示パターンとして第1パターンと第2パターンとを有し、前記第2パターンにおいては、前記第1パターンよりも、前記第1画像の表示領域が小さく且つ前記第2画像の表示領域が大きく、
前記制御方法において、前記第1パターンまたは前記第2パターンのいずれかの表示パターンで前記第1画像と前記第2画像とが分割表示される。
【0008】
本開示の第4の態様に係るプログラムは、
タッチスクリーンを有する車載装置を制御するプログラムであって、
前記車載装置に、車室内の空調または各装備の温度調整のために操作される操作部を表示する第1画像と、前記第1画像とは異なる画像情報を表示する第2画像と、を前記タッチスクリーンにおいて分割表示させ、
前記車載装置は、前記第1画像と前記第2画像とを分割表示する表示パターンとして第1パターンと第2パターンとを有し、前記第2パターンにおいては、前記第1パターンよりも、前記第1画像の表示領域が小さく且つ前記第2画像の表示領域が大きく、
前記車載装置に、前記第1パターンまたは前記第2パターンのいずれかの表示パターンで前記第1画像と前記第2画像とを分割表示させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、車載装置のタッチスクリーンに、車室内の空調または各装備の温度調整のために操作される操作部をより好適に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る車載装置の概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、タッチスクリーンにおける画像表示の第一の例を示す図である。
【
図3】
図3は、タッチスクリーンにおける画像表示の第二の例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る、車載装置における画像表示の表示パターンの切換制御のフローを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、タッチスクリーンにおける画像表示の第三の例を示す図である。
【
図6】
図6は、タッチスクリーンにおける画像表示の第四の例を示す図である。
【
図7】
図7は、タッチスクリーンにおける画像表示の第五の例を示す図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る、車載装置における画像表示の表示パターンの切換制御のフローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の第1の態様に係る車載装置はタッチスクリーンを有する。タッチスクリーンは、ユーザに提供する画像情報を表示するとともに、ユーザのタッチ操作による入力を受け付ける。また、車載装置においては、制御部が、タッチスクリーンに第1画像と第2画像とを分割表示する。
【0012】
第1画像は、車室内の空調または各装備の温度調整のために操作される操作部を表示する画像である。つまり、ユーザは、タッチスクリーンに第1画像として表示される操作部をタッチ操作することで、車室内の空調または各装備の温度調整を行うことができる。第2画像は、第1画像とは異なる画像情報、すなわち操作部とは異なる画像情報を表示する画像である。第2画像として表示される画像情報としては、ナビゲーション用の地図情報または動画コンテンツの画像情報を例示することができる。
【0013】
ここで、車載装置において、タッチスクリーンに第1画像として表示される操作部は、車室内のユーザによって操作される頻度が比較的高い。そのため、タッチスクリーンに第2画像が表示される場合であっても、第1画像も分割表示されることで、ユーザが車室内の空調または各装備の温度調整を行う際の利便性を向上させることができる。ただし、タッチスクリーンに第1画像と第2画像とを分割表示させつつも、第2画像としてより多くの画像情報を表示させたり、第2画像をより大きく表示させたりすることをユーザが希望する場合がある。
【0014】
そこで、本開示の第1の態様に係る車載装置は、タッチスクリーンにおいて第1画像と第2画像とを分割表示する表示パターンとして第1パターンと第2パターンとを有している。つまり、第1パターンおよび第2パターンのいずれにおいても、第1画像と第2画像とがタッチスクリーンに分割表示される。ただし、第1パターンと第2パターンとでは、
タッチスクリーンにおける、第1画像が表示される領域の大きさおよび第2画像が表示される領域の大きさが異なる。詳細には、第2パターンにおいては、第1パターンよりも、第1画像の表示領域が小さく且つ第2画像の表示領域が大きい。そして、制御部は、第1パターンまたは第2パターンのいずれかの表示パターンで第1画像と第2画像とを分割表示する。
【0015】
本開示の第1の態様に係る車載装置によれば、車載装置において、タッチスクリーンに第1画像と第2画像とを分割表示する表示パターンとして第1パターンと第2パターンとをユーザの要望に応じて切り換えることができる。したがって、ユーザの要望に応じた第1画像と第2画像との分割表示が可能となる。
【0016】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、および、その相対配置等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0017】
<第1実施形態>
(車載装置の概略構成)
図1は、本実施形態に係る車載装置の概略構成を示す図である。車載装置100は、車両1に搭載される装置である。車載装置100は、プロセッサ101、主記憶部102、および補助記憶部103を有するコンピュータを含んで構成される。また、車載装置100はタッチスクリーン10を有する。タッチスクリーン10は、ユーザに提供する画像情報を表示するためのディスプレイと、ユーザのタッチ操作による入力を受け付けるためのタッチパネルとを含む装置である。
【0018】
プロセッサ101は、車載装置100を制御するための演算処理を行う。プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)である。主記憶部102は、例えば、RAM(Random Access Memory)である
。補助記憶部103は、例えば、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、またはフラッシュメモリである。また、補助記憶部103は、リムーバブルメディ
ア(可搬記録媒体)を含んでもよい。ここで、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、SDカード、または、CD-ROM、DVDディスク、若しくはブルーレイディスクのようなディスク記録媒体である。
【0019】
補助記憶部103には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、および、各種情報テーブルが格納されている。また、補助記憶部103には、タッチスクリーン10に表示する各種の画像情報も格納されている。そして、プロセッサ101が、補助記憶部103に記憶されたプログラムを主記憶部102にロードして実行することによって、タッチスクリーン10に各種の画像情報を表示するための制御が実現される。なお、本実施形態においては、プロセッサ101が、本開示に係る「制御部」に相当する。
【0020】
(表示パターン)
図2は、車載装置100のタッチスクリーン10における画像表示の第一の例を示す図である。
図3は、車載装置100のタッチスクリーン10における画像表示の第二の例を示す図である。
図2および
図3では、いずれにおいても、タッチスクリーン10に第1画像i1および第2画像i2が分割表示されている。ただし、
図2と
図3とでは表示パターンが異なっている。
図2においては、第1パターンで第1画像i1および第2画像i2が分割表示されている。
図3においては、第2パターンで第1画像i1および第2画像i2が分割表示されている。
【0021】
第1画像i1は、車両1の車室内における空調または各装備の温度調整のために操作さ
れる操作部を表示する画像である。操作部は、複数の操作アイコン20によって構成される。各操作アイコン20は、車室内における空調または各装備の温度調整のために操作されるボタン、スイッチ、またはレバー等を示すアイコンである。つまり、車両1では、第1画像i1における各操作アイコン20をユーザがタッチ操作することで、車室内における空調または各装備の温度調整が行われる。
【0022】
操作アイコン20としては、エアコン(A/C)ON/OFF用アイコン、ブロアレベル調整用アイコン、送風OFF用アイコン、内外気切り換え用アイコン、オート空調ON/OFF用アイコン、エアコン吹き出しモード切り換え用アイコン、シート空調ON/OFF用アイコン、およびステアリングヒータON/OFF用アイコンを例示することができる。ただし、これらのアイコンはあくまでも例示であり、操作アイコン20はこれらの機能を有するアイコンに限られるものではない。
【0023】
第2画像i2はナビゲーション用の地図情報を表示する画像情報である。上述したように、タッチスクリーン10に表示する各種の画像情報は補助記憶部103に格納されている。プロセッサ101は、第1画像i1として表示すべき画像情報および第2画像i2として表示すべき画像情報を補助記憶部103から取得し、タッチスクリーン10に両画像i1、i2を分割表示する。なお、タッチスクリーン10に表示する画像情報は必ずしも補助記憶部103に格納されていなくてもよい。例えば、車載装置100が外部のサーバ装置とネットワークを介して通信する機能を有している場合がある。この場合、プロセッサ101は、ナビゲーション用の地図情報等の画像情報を外部のサーバ装置から受信してもよい。
【0024】
ここで、タッチスクリーン10の画面上において、第1画像i1および第2画像i2が分割表示されるときに、第1画像i1が表示される領域を第1領域E1とし、第2画像i2が表示される領域を第2領域E2とする。
図2および
図3に示すように、タッチスクリーン10の画面上においては表示領域が上下に二分割される。そして、下側の領域が第1領域E1となっており、上側の領域が第2領域E2となっている。
【0025】
このときに、
図2に示す第1パターンと
図3に示す第2パターンとでは、タッチスクリーン10の画面上における第1領域E1および第2領域E2の大きさが異なっている。つまり、第2パターンにおいては、第1パターンよりも、第1領域E1が小さく且つ第2領域E2が大きくなっている。以下、第1パターンと第2パターンとの画像表示の相違についてより詳細に説明する。
【0026】
第1パターンでは、
図2に示すように、第1画像i1が一段目の画像および二段目の画像を含んでいる(
図2においては、破線が、一段目の画像と二段目の画像との境界を示している。)。そして、第1画像i1の一段目および二段目のそれぞれに複数の操作アイコン20が表示されている。このとき、一段目に表示された操作アイコン20を第1操作アイコンと称し、二段目に表示された操作アイコン20を第2操作アイコンと称する。ここで、第2操作アイコンは、一般的に、第1操作アイコンよりもユーザによって操作される頻度が低いアイコンである。第1操作アイコンは、例えば、エアコン(A/C)ON/OFF用アイコン、ブロアレベル調整用アイコン、送風OFF用アイコン、内外気切り換え用アイコン、およびオート空調ON/OFF用アイコンである。また、第2操作アイコンは、例えば、エアコン吹き出しモード切り換え用アイコン、シート空調ON/OFF用アイコン、およびステアリングヒータON/OFF用アイコンである。
【0027】
これに対し、第2パターンでは、
図3に示すように、第1画像i1として一段目の画像のみが表示される。つまり、第2パターンでは、第2操作アイコンは非表示となり、第1操作アイコンのみが第1画像i1に表示される。その結果、第2パターンでは、タッチス
クリーン10の画面上における第1表示領域E1が、第1パターンでの第1表示領域E1よりも、非表示となった第1画像i1の二段目の画像の分だけ小さくなる。さらに、第2パターンでは、タッチスクリーン10の画面上における第2表示領域E2が、第1パターンでの第2表示領域E2よりも、非表示となった第1画像i1の二段目の画像の分だけ大きくなる。そのため、第2パターンでは、第2領域E2において、第2画像i2として、第1パターンよりもより広範囲の地図情報が表示される。ただし、第2パターンでは、第1画像i1において表示される操作アイコン20の種類が第1パターンに比べて減少する。そのため、第2パターンでは、車室内における空調または各装備の温度調整に関しユーザが調整可能な項目が減少する。
【0028】
また、
図2および
図3に示すように、第1パターンおよび第2パターンのいずれの表示パターンにおいても、タッチスクリーン10には切換アイコン30が表示される。切換アイコン30は、第1パターンと第2パターンとを切り換えるために操作されるアイコンである。つまり、車載装置100では、タッチスクリーン10に第1画像i1および第2画像i2が分割表示されているときに、ユーザが切換アイコン30をタッチ操作することで、表示パターンが切り換えられる。
【0029】
(切換制御)
図4は、本実施形態に係る、車載装置100における画像表示の表示パターンの切換制御のフローを示すフローチャートである。本フローは、プロセッサ101によって実行される。また、本フローは、タッチスクリーン10に第1パターンで第1画像i1および第2画像i2が分割表示されているときに所定の間隔で繰り返し実行されるものとする。
【0030】
本フローでは、先ずS101において、ユーザによって表示パターンの切換操作がなされたか否かが判別される。具体的には、タッチスクリーン10の画面上において切換アイコン30へのタッチ操作が検出された否かが判別される。ここで、切換アイコン30へのタッチ操作が検出されなければ(S101:No)、本フローは一旦終了される。
【0031】
一方で、切換アイコン30へのタッチ操作が検出された場合(S101:Yes)、次にS102の処理が実行される。S102では、表示パターンが第1パターンから第2パターンに切り換えられる。具体的には、第1画像i1における二段目の画像が非表示にされ、且つ、第2画像i2における地図情報の表示範囲が拡大される。その後、本フローは一旦終了される。
【0032】
また、タッチスクリーン10に第2パターンで第1画像i1および第2画像i2が分割表示されているときにおいても、プロセッサ101によって表示パターンの切換制御が実行される。この場合、切換アイコン30へのタッチ操作が検出されると、表示パターンが第2パターンから第1パターンに切り換えられる。具体的には、第1画像i1における二段目の画像が表示され、且つ、第2画像i2における地図情報の表示範囲が縮小される。
【0033】
本実施形態によれば、タッチスクリーン10に第1画像i1と第2画像i2が分割表示される。そのため、第2画像i2としてナビゲーション用の地図情報が表示された状態で、第1画像i1における各種の操作アイコン20をユーザが操作することが可能となる。したがって、ユーザが車室内における空調または各装備の温度調整する際の利便性を向上させることができる。
【0034】
また、ユーザは、タッチスクリーン10に第1画像i1と第2画像i2とを分割表示する際の表示パターンとして第1パターンまたは第2パターンを選択することができる。そのため、ユーザは、ナビゲーション用の地図情報としてより広範囲の地図情報を表示することを希望する場合、第2パターンを選択することが可能となる。また、ユーザは、車室
内における空調または各装備の温度調整をより適切に行うことを希望する場合、第1パターンを選択することが可能となる。
【0035】
また、本実施形態では、第2パターンにおいて非表示となるのは、第1画像i1における第2操作アイコンである。つまり、第2パターンにおいても、第1画像i1において第2操作よりも操作頻度の高い第1操作アイコンはタッチスクリーン10に表示される。そのため、第2パターンが選択されることに伴う、ユーザが車室内における空調または各装備の温度調整する際の利便性の低下を抑制することができる。
【0036】
なお、本実施形態においては、第2画像i2としてタッチスクリーン10に表示される画像情報をナビゲーション用の地図情報とした。ただし、第2画像i2としてタッチスクリーン10に表示される画像情報はナビゲーション用の地図情報に限られものではない。例えば、第2画像i2としてタッチスクリーン10に表示される画像情報は動画コンテンツの画像情報(すなわち動画情報)であってもよい。また、車載装置100がインターネットに接続する通信機能を有する場合、第2画像i2としてタッチスクリーン10に表示される画像情報はWebページの画像情報であってもよい。
【0037】
<第2実施形態>
本実施形態においても、車載装置100のタッチスクリーン10において第1画像i1および第2画像i2が分割表示される。また、第2画像i2として、ナビゲーション用の地図情報を表示する画像情報が表示される場合は、第1実施形態と同様、第1パターンまたは第2パターンで第1画像i1および第2画像i2が分割表示される。ただし、本実施形態では、第2画像i2として動画コンテンツの画像情報が表示される場合、タッチスクリーン10における画像の表示パターンが第1パターンおよび第2パターンとは異なる。
【0038】
(表示パターン)
図5は、車載装置100のタッチスクリーン10における画像表示の第三の例を示す図である。
図6は、車載装置100のタッチスクリーン10における画像表示の第四の例を示す図である。
図7は、車載装置100のタッチスクリーン10における画像表示の第五の例を示す図である。
図5、
図6、および
図7では、いずれにおいても、第2画像i2として動画コンテンツの画像情報が表示されている。ただし、
図5と
図6と
図7では表示パターンが異なっている。
【0039】
図5においては、第3パターンで第1画像i1および第2画像i2が分割表示されている。第3パターンでは、第1画像i1の表示内容および表示領域は、第1パターンにおける第1画像i1の表示内容および表示領域と同様である。つまり、第3パターンでは、第1画像i1が、それぞれに複数の操作アイコン20が表示される一段目の画像および二段目の画像を含んでいる。また、タッチスクリーン10の画面上において、第1パターンにおける第1領域E1と同様の領域に第1画像i1が表示されている。
【0040】
また、第3パターンでは、タッチスクリーン10の画面上において、第1パターンにおける第2領域E2内の一部の領域に第2画像i2が縮小表示されている。さらに、第3パターンでは、タッチスクリーン10に拡大アイコン40が表示される。拡大アイコン40は、縮小表示された第2画像i2を拡大表示するために操作されるアイコンである。車載装置100では、タッチスクリーン10に第3パターンで第1画像i1および第2画像i2が分割表示されているときに、ユーザが拡大アイコン40をタッチ操作することで、表示パターンが
図6に示す第4パターンに切り換えられる。
【0041】
図6においては、第4パターンで第2画像i2が表示されている。第4パターンでは、第2領域E2全体に第2画像i2が表示されている。また、第4パターンでは、タッチス
クリーン10において第1画像i1が非表示となる。そして、第4パターンでは、タッチスクリーン10において、第1画像i1に代えて、表示アイコン50が表示される。表示アイコン50は、第1画像i1を表示するために操作されるアイコンである。
【0042】
また、第4パターンにおいては、タッチスクリーン10の画面上において、第2パターンにおける第1領域E1と同様の領域に表示アイコン50が表示されている。そして、タッチスクリーン10の画面上において、第2画像i2が表示される第2領域E2は、第2パターン2における第2領域E2と同様の領域まで拡大されている。
【0043】
つまり、本実施形態に係る車載装置100では、タッチスクリーン10の画面上において、第2領域E2全体に、第2画像i2として動画コンテンツの画像情報が表示される場合、第1画像i1が非表示となるととも、第2領域E2の大きさが拡大される。これによれば、ユーザが車載装置100によって動画コンテンツを視聴する際に、第1画像i1の表示がユーザに対して煩わしさを感じさせることを避けることができる。さらに、タッチスクリーン10において動画コンテンツを極力大きく表示することができる。したがって、ユーザは、車載装置100において、動画コンテンツをより快適な状態で視聴することが可能となる。
【0044】
また、車載装置100では、タッチスクリーン10に第4パターンで第2画像i2が表示されているときに、ユーザが表示アイコン50をタッチ操作することで、表示パターンが
図7に示す第5パターンに切り換えられる。
【0045】
図7においては、第5パターンで第1画像i1および第2画像i2が分割表示されている。つまり、第5パターンでは、タッチスクリーン10において、第2領域E2全体に第2画像i2が表示された状態で、表示アイコン50が非表示にされるとともに、第1領域E1に第1画像i1が表示される。これによれば、ユーザは、車載装置100において、動画コンテンツを視聴しつつ、車室内における空調または各装備の温度調整を行うことが可能となる。なお、車載装置100において、第3パターン、第4パターン、または第5パターンによる画像表示はプロセッサ101によって実行される。
【0046】
(切換制御)
図8は、本実施形態に係る、車載装置100における画像表示の表示パターンの切換制御のフローを示すフローチャートである。本フローは、プロセッサ101によって実行される。また、本フローは、タッチスクリーン10に第4パターンで第2画像i2が表示されているときに所定の間隔で繰り返し実行されるものとする。
【0047】
本フローでは、先ずS201において、ユーザによって第1画像i1の再表示操作がなされたか否かが判別される。具体的には、タッチスクリーン10の画面上において表示アイコン50へのタッチ操作が検出された否かが判別される。ここで、表示アイコン50へのタッチ操作が検出されなければ(S201:No)、本フローは一旦終了される。
【0048】
一方で、表示アイコン50へのタッチ操作が検出された場合(S201:Yes)、次にS202の処理が実行される。S202では、表示パターンが第4パターンから第5パターンに切り換えられる。具体的には、第2画像i2が表示された状態で、表示アイコン50が非表示にされ、且つ第1画像i1が表示される。
【0049】
次に、S203において、第1画像i1における操作部の各操作アイコン20に対する無操作状態が所定期間以上継続したか否かが判別される。具体的には、タッチスクリーン10の画面上において各操作アイコン20へのタッチ操作が検出されない状態が所定期間以上継続したか否かが判別される。ここで、各操作アイコン20へのタッチ操作が検出さ
れない状態が所定期間以上継続していなければ(S203:No)、S203の処理が再度実行される。一方で、各操作アイコン20へのタッチ操作が検出されない状態が所定期間以上継続した場合、(S203:Yes)、次にS204の処理が実行される。S204では、表示パターンが第5パターンから第4パターンに切り換えられる。具体的には、第1画像i1が非表示にされ、且つ、表示アイコン50が再表示される。その後、本フローは一旦終了される。
【0050】
上記のフローによれば、表示パターンが第4パターンから第5パターンに切り換えられた後、ユーザによって車室内における空調または各装備の温度調整が所定期間以上行われなければ、表示パターンを第4パターンに自動的に戻すことができる。
【0051】
なお、本実施形態においては、動画コンテンツの画像情報が、本開示に係る「所定の画像情報」に相当する。ただし、本開示に係る「所定の画像情報」は、動画コンテンツの画像情報に限られるものではなく、他の画像情報であってもよい。
【0052】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0053】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0054】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0055】
1・・・車両
10・・タッチスクリーン
20・・操作アイコン
30・・切換アイコン
40・・拡大アイコン
50・・表示アイコン
100・・車載装置
101・・プロセッサ
102・・主記憶部
103・・補助記憶部