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特許7559740自動倉庫システムおよび自動倉庫の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】自動倉庫システムおよび自動倉庫の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20240925BHJP
【FI】
B65G1/04 539Z
B65G1/04 537Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021194315
(22)【出願日】2021-11-30
(65)【公開番号】P2023080796
(43)【公開日】2023-06-09
【審査請求日】2023-12-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】川島 智彦
(72)【発明者】
【氏名】中川 凌
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-044732(JP,A)
【文献】特開平08-208007(JP,A)
【文献】特開2002-002909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送対象物をクレーンで移載する自動倉庫と、前記クレーンを制御する制御装置と、を備えた自動倉庫システムであって、
前記搬送対象物を載置するための、前記自動倉庫に対して固定された複数の載置部を備え、
前記載置部には、各々の載置部を識別するための識別情報を表す識別コードが表示されており、
前記クレーンのキャリッジには、画像を撮影する撮影部が搭載されており、
前記制御装置は、
前記撮影部が撮影した前記載置部の前記識別コードを含む画像から、当該識別コードが表す前記識別情報を検出し、
検出した前記識別情報と、前記画像を撮影したときの前記クレーンの位置に関する情報であるクレーン位置情報とを紐づけて記憶し、
前記制御装置は、
前記識別コードを含む前記画像と、前記クレーン位置情報とから、前記識別コードの位置に関する情報である識別コード位置情報を算出し、
前記識別情報と、算出した前記識別コード位置情報とを紐づけて記憶し、
前記制御装置は、さらに、
前記クレーン位置情報と、前記画像における前記識別コードの相対位置とから、前記識別コード位置情報を算出することを特徴とする、自動倉庫システム。
【請求項2】
前記載置部は、前記搬送対象物に対する処理を実行する処理装置の入庫部または出庫部を備える装置ポートであり、
前記制御装置は、
前記装置ポートに対応する前記識別情報と、前記識別コード位置情報とを紐づけて記憶する、請求項に記載の自動倉庫システム。
【請求項3】
前記載置部は、棚であり、
前記制御装置は、
前記棚に対応する前記識別情報と、前記識別コード位置情報とを紐づけて記憶する、請求項1または2に記載の自動倉庫システム。
【請求項4】
前記識別コードは、2次元コードである、請求項1~のいずれか1項に記載の自動倉庫システム。
【請求項5】
前記識別コードは、板部材またはシール上に表示される、請求項1~のいずれか1項に記載の自動倉庫システム。
【請求項6】
搬送対象物をクレーンで移載する自動倉庫の制御方法であって、
前記自動倉庫は、前記搬送対象物を載置するための、前記自動倉庫に対して固定された複数の載置部を備え、
前記載置部には、各々の載置部を識別するための識別情報を表す識別コードが表示されており、
前記クレーンのキャリッジには、画像を撮影する撮影部が搭載されており、
前記撮影部が撮影した前記載置部の前記識別コードを含む画像から、当該識別コードが表す前記識別情報を検出する工程と、
検出した前記識別情報と、前記画像を撮影したときの前記クレーンの位置に関する情報であるクレーン位置情報とを紐づけて記憶する工程と
前記識別コードを含む前記画像と、前記クレーン位置情報とから、前記識別コードの位置に関する情報である識別コード位置情報を算出する工程と、
前記識別情報と、算出した前記識別コード位置情報とを紐づけて記憶する工程と、を含み、
前記識別コード位置情報を算出する工程において、
前記クレーン位置情報と、前記画像における前記識別コードの相対位置とから、前記識別コード位置情報を算出することを特徴とする、自動倉庫の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動倉庫システムおよび自動倉庫の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動倉庫システムは、移動空間において物品搬送装置の移載部を水平移動及び昇降移動させて収納部の目標停止位置に位置させる。そして、自動倉庫システムは、その目標停止位置において、移載部によって物品の出し入れを行うことにより、物品収納棚の収納部への物品の入庫や物品収納棚の収納部からの物品の出庫を行うことができる。
【0003】
特許文献1は、自動倉庫システムに関する。自動倉庫システムは、移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向において学習用マーク体検出手段によって学習用マーク体の両端部を検出するように移載手段を移動させる。そして、自動倉庫システムは、学習用マーク体検出手段によって少なくとも学習用マーク体の一端部を検出したときの水平移動距離検出手段又は昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、学習水平距離情報及び学習昇降距離情報の一方を学習する。また、自動倉庫システムは、学習用マーク体検出手段によって学習用マーク体の両端部を検出したときの水平移動距離検出手段又は昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、学習水平距離情報及び学習昇降距離情報の他方を学習する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-044732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1においては、自動倉庫システムが、台形型のシールを貼った反射板(学習用マーク体)に投光し、レーザセンサにより反射光を検出することによって、学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を検出して学習する。
【0006】
例えば、上述の自動倉庫システムにおいて、自動倉庫の棚等の位置を学習させるときに、学習用マーク体からの反射光を検出して学習するが、検出範囲が狭いため、物品の出し入れ位置に対する学習用マーク体の貼り付け位置の制限が厳しい。そのため、作業者が手作業で学習用マーク体の位置を調整し、コントローラを操作する別の作業者と連絡を取りながら学習用マーク体を貼り付ける必要がある。自動倉庫の棚等に学習用マーク体を貼り付ける場合、高所での手作業となるため、作業者の安全性を確保することができず、作業者の作業負担が大きくなるといった問題がある。
【0007】
本発明の一態様は、自動倉庫の載置部の位置を容易に学習させることが可能な自動倉庫システムおよび自動倉庫の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る自動倉庫システムは、搬送対象物をクレーンで移載する自動倉庫と、クレーンを制御する制御装置と、を備えた自動倉庫システムであって、搬送対象物を載置するための、自動倉庫に対して固定された複数の載置部を備え、載置部には、各々の載置部を識別するための識別情報を表す識別コードが表示されており、クレーンのキャリッジには、画像を撮影する撮影部が搭載されており、制御装置は、撮影部が撮影した載置部の識別コードを含む画像から、当該識別コードが表す識別情報を検出し、検出した識別情報と、画像を撮影したときのクレーンの位置に関する情報であるクレーン位置情報と、を紐づけて記憶することを特徴とする。
【0009】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る自動倉庫の制御方法は、搬送対象物をクレーンで移載する自動倉庫の制御方法であって、自動倉庫は、搬送対象物を載置するための、自動倉庫に対して固定された複数の載置部を備え、載置部には、各々の載置部を識別するための識別情報を表す識別コードが表示されており、クレーンのキャリッジには、画像を撮影する撮影部が搭載されており、撮影部が撮影した載置部の識別コードを含む画像から、当該識別コードが表す識別情報を検出する工程と、検出した識別情報と、画像を撮影したときのクレーンの位置に関する情報であるクレーン位置情報と、を紐づけて記憶する工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、自動倉庫の載置部の位置を容易に学習させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る自動倉庫システムの斜視図である。
図2】スタッカークレーンの側面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る自動倉庫システムの制御部分の構成例を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る制御装置による識別コード位置情報の学習方法を説明するための図である。
図5】識別コードが棚に貼り付けられている場合の画像の一例を示す図である。
図6】識別コードが装置ポートに貼り付けられている場合の画像の一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る自動倉庫システムの載置部の学習時における処理手順を説明するためのフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態に係る自動倉庫システムの動作時における処理手順を説明するためのフローチャートである。
図9】撮影部の撮影範囲内に設定された移載OK範囲を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<自動倉庫システム100の全体構成>
本発明の一実施形態に係る自動倉庫システムの構成を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る自動倉庫システム100の斜視図である。この自動倉庫システム100は、搬送対象物1を出し入れする前面が互いに対向するように間隔を隔てて設置された2つの物品収納棚2と、2つの物品収納棚2どうしの間に形成された移動空間3を自動往復走行する物品搬送装置としてのスタッカークレーン4とを備える。なお、搬送対象物1は、カセットに物品が収納されて搬送されてもよいし、物品単体で搬送されてもよい。
【0013】
各物品収納棚2は、前後一対の支柱2aが棚横幅方向(水平方向)に間隔を隔てて複数立設され、前後一対の支柱2aの夫々には、載置支持部2bが上下方向に間隔を隔てて複数配設されている。
【0014】
載置部5は、左右一対の載置支持部2bによって搬送対象物1を載置支持する形態で搬送対象物1を収納するように構成される。そして、載置部5は、棚上下幅方向(上下方向)及び棚横幅方向に複数並ぶように設けられている。なお、載置部5は、棚5aであってもよいし、後述の装置ポート5bであってもよい。棚5aおよび装置ポート5bを総称して、載置部5と呼ぶことにする。
【0015】
図1および図2に示すように、装置ポート5bは、搬送対象物1に対する処理を実行する処理装置50の入庫部5b-1または出庫部5b-2を備える。装置ポート5bは、入庫部5b-1および出庫部5b-2の両方を備えていてもよい。なお、入庫部5b-1および出庫部5b-2を総称して、装置ポート5bと呼ぶことにする。
【0016】
物品収納棚2に入庫する搬送対象物1や物品収納棚2から出庫した搬送対象物1を載置支持する入出庫用の荷載置台6が、棚横幅方向において物品収納棚2に隣接する箇所に設置されている。
【0017】
移動空間3には、物品収納棚2の棚横幅方向の全範囲および入出庫用の荷載置台6にわたる走行レール7が床面に設置され、物品収納棚2の棚横幅方向の全範囲および入出庫用の荷載置台6にわたるガイドレール8が天井側に設置されている。そして、スタッカークレーン4がガイドレール8によって案内されながら走行レール7上を水平移動するように設けられている。
【0018】
また、自動倉庫システム100には、搬送対象物1に対する処理を実行する処理装置への搬送対象物1の搬送時および処理装置からの搬送対象物1の回収時に搬送対象物1の受け渡しを行う装置ポート5bが設けられている。装置ポート5bには、処理装置へ搬送対象物1を搬送するための入庫部と、処理装置から搬送対象物1を回収するための出庫部とが備えられている。
【0019】
スタッカークレーン4は、図2に示すように、走行レール7に沿って走行自在な走行台車9、その走行台車9に立設された昇降マスト10に沿って昇降自在なキャリッジ11、そのキャリッジ11に装着された物品移載装置(例えば、フォーク)12を備えて構成される。このように、スタッカークレーン4は、走行台車9の走行動作により物品移載装置12を水平移動自在で且つキャリッジ11の昇降動作により物品移載装置12を昇降移動自在に構成されている。
【0020】
そして、スタッカークレーン4は、走行台車9の走行動作、キャリッジ11の昇降動作、および、物品移載装置12の移載動作により、入出庫用の荷載置台6に対して搬送対象物1を移載し且つ載置部5に対して搬送対象物1の出し入れを行うように構成される。
【0021】
スタッカークレーン4において、昇降マスト10は、走行台車の前端部と後端部の夫々に1つずつ前後一対設けられている。そして、昇降マスト10の上端部には、前後一対の昇降マスト10の上端部どうしを連結する上部フレーム13が設けられる。この上部フレーム13は、ガイドレール8によって案内されるように設けられる。
【0022】
キャリッジ11は、走行台車9に立設した前後一対の昇降マスト10によって昇降自在に案内支持されており、その左右両側に連結した昇降用ワイヤ14によって吊下げ支持されている。
【0023】
昇降用ワイヤ14は、上部フレーム13に設けられた案内プーリ15と、一方の昇降マスト10に設けられた案内プーリ16とに巻き掛けられて、走行台車9の一端に装備された巻き取りドラム17に巻回されている。
【0024】
巻き取りドラム17には、インバータ式の昇降用電動モータ18が設けられている。そして、昇降用電動モータ18が正逆に回転駆動することにより、昇降用ワイヤ14の繰り出し操作や巻き取り操作を行い、キャリッジ11を昇降移動させて物品移載装置12を昇降移動させるように構成される。
【0025】
キャリッジ11には、物品移載装置12の昇降移動方向において、基準昇降位置から物品移載装置12までの昇降移動距離を検出するための昇降用エンコーダ19が設けられている。なお、昇降用エンコーダ19は、リニアエンコーダであっても良いし、ロータリエンコーダであっても良い。
【0026】
基準昇降位置は、キャリッジ11が走行台車9上に位置するときの物品移載装置12の位置に定められている。この基準昇降位置については、図示は省略するが、キャリッジ11側に装備のリミットスイッチなどの検出体によって走行台車9側に装備の被検出ドグを検出することにより基準昇降位置を検出するようにしている。そして、昇降用エンコーダ19の回転軸には、昇降マスト10の長手方向に沿って設けられたチェーンに歯合するスプロケットが設けられ、基準昇降位置を検出してからのキャリッジ11の昇降移動距離を検出することにより、基準昇降位置から物品移載装置12までの昇降移動距離を検出している。
【0027】
スタッカークレーン4において、走行台車9には、走行レール7の長手方向に間隔を隔てて前後一対の走行車輪20が配置されている。前後一対の走行車輪20のうち、一方の走行車輪20aは駆動車輪として構成され、他方の走行車輪20bは遊転自在な従動車輪として構成される。走行車輪20aには、インバータ式の走行用電動モータ21が設けられている。そして、走行用電動モータ21が正逆に回転駆動することにより、走行台車9を走行レール7に沿って走行させて物品移載装置12を水平移動させるように構成される。
【0028】
走行台車9には、物品移載装置12の水平移動方向において基準水平位置から物品移載装置12までの水平移動距離を検出する走行用エンコーダ22が設けられている。なお、走行用エンコーダ22は、リニアエンコーダであっても良いし、ロータリエンコーダであっても良い。
【0029】
基準水平位置は、走行レール7の入出庫用の荷載置台6側の端部に定められている。この基準水平位置については、図示は省略するが、走行台車9側に装備のリミットスイッチなどの検出体によって地上側に装備の被検出ドグを検出することにより基準水平位置を検出する。そして、走行用エンコーダ22の回転軸には、走行レール7の長手方向に沿って設けられたチェーンに歯合するスプロケットが設けられ、基準水平位置を検出してからの走行台車9の水平移動距離を検出することにより、基準水平位置から物品移載装置12までの水平移動距離を検出している。
【0030】
<制御装置23の構成例>
図3に示すように、自動倉庫システム100には、スタッカークレーン4の運転を制御する制御装置23が設けられている。制御装置23は、2つの入出庫用の荷載置台6から移載対象の入出庫用の荷載置台6を選択する又は複数の載置部5から移載対象の載置部5を選択して、移載対象の入出庫用の荷載置台6に対応する目標停止位置又は移載対象の載置部5に対応する目標停止位置に物品移載装置12を移動させるように、走行台車9の走行動作及びキャリッジ11の昇降動作を制御する。
【0031】
また、制御装置23は、その目標停止位置において物品移載装置12が入出庫用の荷載置台6に対する搬送対象物1の移載又は移載対象の載置部5に対して搬送対象物1の出し入れを行うように、物品移載装置12の移載動作を制御する。
【0032】
なお、制御装置23は、地上側に設けられた地上側コントローラとスタッカークレーン側に設けられたクレーン側コントローラとを通信自在に備えた2つのコントローラから構成されていてもよい。また、地上側に設けられた地上側コントローラとスタッカークレーン側に設けられた昇降用電動モータ18や走行用電動モータ21などの機器とを通信自在に備えた1つのコントローラから構成されていてもよい。
【0033】
載置部5についての目標停止位置は、載置部5に対する搬送対象物1の出し入れを適正に行うための位置であり、複数の載置部5の夫々に対して定められている。そして、目標停止位置は、物品移載装置12の水平移動方向での基準水平位置からの目標水平距離情報と、物品移載装置12の昇降移動方向での基準昇降位置からの目標昇降距離情報とによって定められる。
【0034】
本実施形態では、載置部5に対して搬送対象物1を降ろすときの降ろし用の目標停止位置と、物品移載装置12に搬送対象物1を載せるときの掬い用の目標停止位置との中間位置を目標停止位置として定めている。以下、物品移載装置12の一例として、フォークの場合について説明する。
【0035】
そして、降ろし用の目標停止位置は、搬送対象物1を載置支持した状態でフォーク12を出し入れするときに搬送対象物1が支柱2aや載置支持部2bとの衝突を回避できるように定められている。
【0036】
入出庫用の荷載置台6についての目標停止位置も、載置部5についての目標停止位置と同様に、荷載置台6に対する搬送対象物1の移載を適正に行うための位置であり、載置部5についての目標停止位置と同様に、フォーク12の水平移動方向での基準水平位置からの目標水平距離情報及びフォーク12の昇降移動方向での基準昇降位置からの目標昇降距離情報により定められる。なお、昇降移動方向におけるスタッカークレーン4の目標停止位置と、水平移動方向におけるスタッカークレーン4の目標停止位置とを、クレーン位置情報と呼ぶことにする。
【0037】
図3は、本発明の一実施形態に係る自動倉庫システム100の制御部分の構成例を示すブロック図である。制御装置23は、走行制御部23aと、昇降制御部23bと、移載制御部23cと、検出部23dと、を含む。
【0038】
走行制御部23aは、走行用エンコーダ22の検出情報及び目標水平距離情報に基づいて、物品移載装置12の水平移動方向において目標停止位置にフォーク12を水平移動させるべく、走行用電動モータ21の動作を制御する。
【0039】
昇降制御部23bは、昇降用エンコーダ19の検出情報及び目標昇降距離情報に基づいて、フォーク12の昇降移動方向において目標停止位置に物品移載装置12を昇降移動させるように、昇降用電動モータ18の動作を制御する。
【0040】
移載制御部23cは、荷載置台6に対する搬送対象物1の移載又は載置部5に対して搬送対象物1の出し入れを行うように、フォーク12の移載動作を制御する。
【0041】
走行制御部23aは、走行用電動モータ21を動作開始させて走行台車9の走行動作を開始し、走行用エンコーダ22によって検出される水平移動距離が移載対象の荷載置台6又は載置部5における目標水平距離情報になると、走行用電動モータ21の動作を停止させて、フォーク12の水平移動方向において目標停止位置にフォーク12を位置させる。
【0042】
昇降制御部23bは、載置部5又は荷載置台6に搬送対象物1を降ろすときには、昇降用電動モータ18を動作開始させてキャリッジ11の昇降動作を開始し、昇降用エンコーダ19によって検出される昇降移動距離が移載対象の荷載置台6又は載置部5における目標昇降距離情報になると、昇降用電動モータ18の動作を停止させる。そして、昇降制御部23bは、目標停止位置から設定距離だけ上方位置である降ろし用の目標停止位置にフォーク12を位置させる。
【0043】
また、昇降制御部23bは、載置部5又は荷載置台6から搬送対象物1を掬い取るときには、載置部5又は荷載置台6に搬送対象物1を降ろすときと同様の動作を行い、目標停止位置から設定距離だけ下方位置である掬い用の目標停止位置にフォーク12を位置させる。
【0044】
移載制御部23cは、載置部5又は荷載置台6に搬送対象物1を降ろすときにおいては、搬送対象物1を載置支持した状態でフォーク12を突出させたのち、キャリッジ11の下降により物品移載装置12を掬い用の目標停止位置まで下降させて搬送対象物1を載置部5又は荷載置台6に降ろし、その後フォーク12を後退させる。また、移載制御部23cは、載置部5又は荷載置台6から搬送対象物1を掬い取るときにおいては、フォーク12を突出させたのちキャリッジ11の上昇によりフォーク12を目標停止位置まで昇降させて搬送対象物1を掬い取り、その後、搬送対象物1を載置支持した状態でフォーク12を後退させる。
【0045】
複数の載置部5の夫々に対応する目標停止位置にフォーク12を移動させるためには、制御装置23が、複数の目標停止位置についての目標水平距離情報及び目標昇降距離情報を取得しておくことが必要である。
【0046】
<識別コード位置情報の学習>
図4は、本発明の一実施形態に係る制御装置23による識別コード位置情報の学習方法を説明するための図である。識別コードが表示された板部材27が、載置部5の夫々に対応して貼り付けられている(図1および図2を参照)。なお、板部材27は、識別コードを表示したシールであってもよい。
【0047】
載置部5の夫々に対応して貼り付けられた板部材27に表示される識別コードには、重複しない任意の値である識別情報が記載されている。スタッカークレーン4のキャリッジ11には、撮影部25が固定されている。なお、撮影部25の取付位置は、基準棚に貼り付けられた識別コードを用いて調整される。
【0048】
スタッカークレーン4が、クレーン位置情報に対応する位置まで移動したときに、撮影部25によって撮影される画像内に識別コードが入るように識別コードの位置が調整される。識別コードが、撮影部25によって撮影される画像内に入っていれば、制御装置23の検出部23dは、識別コードを検出することができる。したがって、手作業で識別コードの位置を調整する必要はないため、作業者の安全性を確保することができ、作業者の作業時間の短縮を図ることができる。なお、識別コードは、画像処理によって検出可能な大きさであればよく、画像の大きさに対する識別コードの大きさは、特に限定されるものではない。
【0049】
識別コードは、例えば、QR(Quick Response)コード、DataMatrix等の二次元コードである。なお、識別コードは、2次元コードに限られるものではなく、例えば、バーコード等の1次元コードであってもよいし、3次元コードであってもよい。
【0050】
識別情報の学習時において、制御装置23が、学習対象の載置部5のクレーン位置情報に対応する位置までスタッカークレーン4を移動させる。そして、制御装置23の検出部23dが、撮影部25によって撮影された画像を解析して識別コードを検出し、識別コードに記載されている識別情報を取得する。さらに、制御装置23の検出部23dは、撮影部25によって撮影された画像内における識別コードの相対位置を取得して識別コード位置情報とする。
【0051】
制御装置23の検出部23dは、載置部5を識別するための情報として識別情報を記憶し、識別情報に紐づけてクレーン位置情報と識別コード位置情報とを記憶する。識別コード位置情報は、クレーン位置情報と識別コードの相対位置とを含む情報とし、識別情報に紐づけて識別コード位置情報のみを記憶するようにしてもよい。
【0052】
図5は、識別コードが棚5aに貼り付けられている場合の画像の一例を示す図である。図5に示すように、撮影部25によって撮影された画像内に、板部材27に表示された識別コード24が含まれている。制御装置23の検出部23dは、撮影部25によって撮影された画像の中から識別コードを検出し、識別コード24の相対位置(x,y)を算出する。識別コード24の中心点を相対位置(x,y)としてもよいし、識別コード24の4つの角のいずれかを相対位置(x,y)としてもよい。
【0053】
図6は、識別コードが装置ポート5bに貼り付けられている場合の画像の一例を示す図である。図6に示すように、撮影部25によって撮影された画像内に、板部材27に表示された識別コード24が含まれている。なお、識別コード24は、処理装置50の入庫部5b-1の近辺に貼り付けられているが、出庫部5b-2の近辺にも識別コードが貼り付けられているものとする。
【0054】
<識別コード位置情報の学習時における処理手順>
図7は、本発明の一実施形態に係る自動倉庫システムの載置部5の学習時における処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、制御装置23は、学習対象の載置部5に対応するクレーン位置情報を取得し(S1)、クレーン位置情報に基づいて、スタッカークレーン4を学習対象の載置部5まで移動させる(S2)。なお、クレーン位置情報は、載置部5に対して搬送対象物1を降ろすときの降ろし用の目標停止位置と、フォーク12に搬送対象物1を載せるときの掬い用の目標停止位置との中間位置となるように設定されている。
【0055】
次に、制御装置23の検出部23dは、撮影部25によって識別コードを含む画像を撮影し(S3)、撮影した画像を解析して識別コードを検出し、識別コードに記載されている識別情報を取得する(S4)。そして、制御装置23の検出部23dは、画像内における識別コードの位置を示す識別コード位置情報を算出する(S5)。
【0056】
次に、制御装置23の検出部23dは、識別コードから取得した識別情報と、クレーン位置情報と、識別コード位置情報とを対応付けて記憶する(S6)。最後に、制御装置23は、全ての識別コードに対応する載置部5を学習したか否かを判定する(S7)。
【0057】
学習していない載置部5があれば(S7,No)、制御装置23は、ステップS1に戻って以降の処理を繰り返す。また、全ての識別コードに対応する載置部5を学習していれば(S7,Yes)、制御装置23は、処理を終了する。
【0058】
<自動倉庫システム100の動作時における処理手順>
図8は、本発明の一実施形態に係る自動倉庫システムの動作時における処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、制御装置23は、作業を行う載置部5に対応するクレーン位置情報および識別コード位置情報を取得する(S11)。載置部5と識別情報とが1対1に対応しているため、制御装置23は、識別情報を検索することによって、作業を行う載置部5に対応するクレーン位置情報および識別コード位置情報を取得することができる。
【0059】
そして、制御装置23は、クレーン位置情報に基づいて、スタッカークレーン4を、目標停止位置へ直接移動させる(S12)。なお、クレーン位置情報は、載置部5に対して搬送対象物1を降ろすときの降ろし用の目標停止位置と、フォーク12に搬送対象物1を載せるときの掬い用の目標停止位置との中間位置となるように設定されている。
【0060】
例えば、フォーク12によって載置部5から搬送対象物1を掬い取る場合、制御装置23は、クレーン位置情報から、設定距離(例えば、10cm)だけ下方位置である掬い用の目標停止位置にスタッカークレーン4を移動させる。
【0061】
また、フォーク12によって載置部5に搬送対象物1を降ろす場合、制御装置23は、クレーン位置情報から、設定距離(例えば、10cm)だけ上方位置である降ろし用の目標停止位置にスタッカークレーン4を移動させる。
【0062】
次に、制御装置23の検出部23dは、撮影部25によって識別コードを含む画像を撮影する(S13)。このとき、制御装置23は、撮影した画像を解析して識別コードを検出し、識別コードに記載されている識別情報を取得して、登録済の識別情報と一致するか否かを判定して、正しい載置部5であるかを確認するようにしてもよい。
【0063】
次に、制御装置23は、撮影部25によって撮影された画像を参照して、撮影された識別コード24の位置が移載OK範囲にあるか否かを判定する(S14)。
【0064】
図9は、撮影部25の撮影範囲内に設定された移載OK範囲を説明するための図である。図9の左図に示すように、識別コード位置情報の学習時に、識別コード24の位置が撮影範囲内のほぼ中央にあったものとする。
【0065】
例えば、制御装置23が、掬い用の目標停止位置にスタッカークレーン4を移動させる場合、図9の右図に示すように、撮影範囲内において、学習時の識別コード24の位置から設定距離(例えば、10cm)だけ上方に移載OK範囲が設定される。移載OK範囲は、識別コード24よりも大きく設定される。図9の右図においては、撮影された識別コード24の位置が移載OK範囲にない場合を示している。
【0066】
撮影された識別コード24の位置が移載OK範囲にない場合(S14,No)、フォーク12の位置を調整する(S15)。図9の中央の図に示すように、制御装置23は、識別コード24の位置が移載OK範囲内になるようにフォーク12の位置を調整する。このとき、制御装置23は、撮影部25によって撮影された画像を参照しながら、検出した識別コード24の位置が移載OK範囲内になるように、スタッカークレーン4に設けられたフォーク12の位置を調整する。
【0067】
また、制御装置23が、降ろし用の目標停止位置にスタッカークレーン4を移動させる場合、撮影範囲内において、学習時の識別コード24の位置から設定距離(例えば、10cm)だけ下方に移載OK範囲が設定される。そして、制御装置23は、識別コード24の位置が移載OK範囲内になるようにフォーク12の位置を調整する。
【0068】
また、撮影された識別コードの位置が移載OK範囲にある場合(S14,Yes)、ステップS16に処理が進む。
【0069】
最後に、制御装置23は、搬送対象物1に対する作業を行い(S16)、処理を終了する。
【0070】
<自動倉庫システム100の効果>
以上説明したように、本実施形態に係る自動倉庫システム100によれば、制御装置23の検出部23dが、撮影部25によって撮影された画像から識別コードを検出する。識別コードが、撮影部25によって撮影される画像内に入っていれば、制御装置23の検出部23dは、識別コードを検出することができる。したがって、自動倉庫システムの立ち上げ時に、手作業で識別コードの位置を調整する必要はないため、作業者の安全性を確保することができ、作業者の作業時間の短縮を図ることができる。
【0071】
また、識別コードには識別情報を記載することができるため、載置部5と識別情報との対応付けが容易に行える。
【0072】
また、識別コードには、重複しない任意の値である識別情報が記載されており、載置部5と識別情報とが1対1に対応しているため、制御装置23は、識別情報を検索することによって、作業を行う載置部5に対応するクレーン位置情報および識別コード位置情報を取得することができる。
【0073】
また、制御装置23が、識別情報と識別コード位置情報とを紐づけて記憶するため、識別情報を検索することによって、対象となる棚5aに対応する識別コード位置情報を容易に取得することができる。
【0074】
また、制御装置23が、識別情報と識別コード位置情報とを紐づけて記憶するため、識別情報を検索することによって、対象となる装置ポート5bに対応する識別コード位置情報を容易に取得することができる。また、装置ポート5bの入庫部5b-1および出庫部5b-2のそれぞれに識別コードを貼り付けることにより、処理装置50への搬送対象物1の入庫の制御、および処理装置50からの搬送対象物1の出庫の制御が容易に行える。
【0075】
また、装置ポート5bは、メーカによって形状等が異なるため、識別コードを適切な位置に貼り付けることが難しい。しかしながら、上述のように、識別コードが、撮影部25によって撮影される画像内に入っていれば、制御装置23の検出部23dは、識別コードを検出することができるため、装置ポート5bにも適用可能である。
【0076】
また、制御装置23の検出部23dが、撮影部25によって撮影された画像における識別コードの相対位置から識別コード位置情報を算出し、載置部5の識別情報と対応付けて識別コード位置情報を記憶する。したがって、自動倉庫システム100の動作時において、識別コード位置情報に基づいてフォーク12の位置調整等を容易に行うことが可能となる。
【0077】
<ソフトウェアによる実現例>
自動倉庫システム100の制御ブロック(特に、制御装置23)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0078】
後者の場合、制御装置23は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0079】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る自動倉庫システムは、
搬送対象物をクレーンで移載する自動倉庫と、前記クレーンを制御する制御装置と、を備えた自動倉庫システムであって、
前記搬送対象物を載置するための、前記自動倉庫に対して固定された複数の載置部を備え、
前記載置部には、各々の載置部を識別するための識別情報を表す識別コードが表示されており、
前記クレーンのキャリッジには、画像を撮影する撮影部が搭載されており、
前記制御装置は、
前記撮影部が撮影した前記載置部の前記識別コードを含む画像から、当該識別コードが表す前記識別情報を検出し、
検出した前記識別情報と、前記画像を撮影したときの前記クレーンの位置に関する情報であるクレーン位置情報とを紐づけて記憶することを特徴とする。
【0080】
上記構成によれば、識別コードが、撮影部によって撮影される画像内に入っていれば、制御装置は、識別コードを検出することができる。したがって、手作業で識別コードの位置を調整する必要はないため、作業者の安全性を確保することができ、作業者の作業時間の短縮を図ることができる。
【0081】
本発明の態様2に係る自動倉庫システムは、態様1に記載の自動倉庫システムであって、
前記制御装置は、
前記識別コードを含む前記画像と、前記クレーン位置情報とから、前記識別コードの位置に関する情報である識別コード位置情報を算出し、
前記識別情報と、算出した前記識別コード位置情報とを紐づけて記憶する。
【0082】
上記構成によれば、制御装置が、識別情報と識別コード位置情報とを紐づけて記憶するため、識別情報を検索することによって、対象となる載置部に対応する識別コード位置情報を容易に取得することができる。
【0083】
本発明の態様3に係る自動倉庫システムは、態様2に記載の自動倉庫システムであって、
前記制御装置は、
前記クレーン位置情報と、前記画像における前記識別コードの相対位置とから、前記識別コード位置情報を算出する。
【0084】
上記構成によれば、自動倉庫システムの動作時において、制御装置は、識別コード位置情報に基づいてフォーク等の位置調整を容易に行うことが可能となる。
【0085】
本発明の態様4に係る自動倉庫システムは、態様2または3に記載の自動倉庫システムであって、
前記載置部は、前記搬送対象物に対する処理を実行する処理装置の入庫部または出庫部を備える装置ポートであり、
前記制御装置は、
前記装置ポートに対応する前記識別情報と、前記識別コード位置情報とを紐づけて記憶する。
【0086】
上記構成によれば、制御装置が、識別情報と識別コード位置情報とを紐づけて記憶するため、識別情報を検索することによって、対象となる装置ポートに対応する識別コード位置情報を容易に取得することができる。
【0087】
本発明の態様5に係る自動倉庫システムは、態様2~4のいずれかに記載の自動倉庫システムであって、
前記載置部は、棚であり、
前記制御装置は、
前記棚に対応する前記識別情報と、前記識別コード位置情報とを紐づけて記憶する。
【0088】
上記構成によれば、制御装置が、識別情報と識別コード位置情報とを紐づけて記憶するため、識別情報を検索することによって、対象となる棚に対応する識別コード位置情報を容易に取得することができる。
【0089】
本発明の態様6に係る自動倉庫システムは、態様2~5のいずれかに記載の自動倉庫システムであって、
前記クレーンの前記キャリッジに、前記搬送対象物を移載するためのフォークが設けられており、
前記制御装置は、
前記フォークに、当該搬送対象物を載せる場合、前記識別コード位置情報に基づいて前記載置部に対する前記フォークの位置を調整する。
【0090】
上記構成によれば、フォークに、搬送対象物を載せる作業を容易に行うことが可能となる。
【0091】
本発明の態様7に係る自動倉庫システムは、態様2~6のいずれかに記載の自動倉庫システムであって、
前記クレーンの前記キャリッジに、前記搬送対象物を移載するためのフォークが設けられており、
前記制御装置は、
前記フォークから、当該搬送対象物を降ろす場合、前記識別コード位置情報に基づいて前記載置部に対する前記フォークの位置を調整する。
【0092】
上記構成によれば、フォークから、搬送対象物を降ろす作業を容易に行うことが可能となる。
【0093】
本発明の態様8に係る自動倉庫システムは、態様1~7のいずれかに記載の自動倉庫システムであって、
前記識別コードは、2次元コードである。
【0094】
本発明の態様9に係る自動倉庫システムは、態様1~8のいずれかに記載の自動倉庫システムであって、
前記識別コードは、板部材またはシール上に表示される。
【0095】
本発明の態様10に係る自動倉庫の制御方法は、
搬送対象物をクレーンで移載する自動倉庫の制御方法であって、
前記自動倉庫は、前記搬送対象物を載置するための、前記自動倉庫に対して固定された複数の載置部を備え、
前記載置部には、各々の載置部を識別するための識別情報を表す識別コードが表示されており、
前記クレーンのキャリッジには、画像を撮影する撮影部が搭載されており、
前記撮影部が撮影した前記載置部の前記識別コードを含む画像から、当該識別コードが表す前記識別情報を検出する工程と、
検出した前記識別情報と、前記画像を撮影したときの前記クレーンの位置に関する情報であるクレーン位置情報とを紐づけて記憶する工程と、を含むことを特徴とする。
【0096】
上記構成によれば、識別コードが、撮影部によって撮影される画像内に入っていれば、制御装置は、識別コードを検出することができる。したがって、手作業で識別コードの位置を調整する必要はないため、作業者の安全性を確保することができ、作業者の作業時間の短縮を図ることができる。
【0097】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0098】
1 搬送対象物
2 物品収納棚
3 移動空間
4 スタッカークレーン
5 載置部
5a 棚
5b 装置ポート
11 キャリッジ
12 フォーク
18 昇降用電動モータ
19 昇降用エンコーダ
21 走行用電動モータ
22 走行用エンコーダ
23 制御装置
24 識別コード
25 撮影部
27 板部材
100 自動倉庫システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9