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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】結合部材
(51)【国際特許分類】
   F16B 7/00 20060101AFI20240925BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20240925BHJP
   G06F 30/20 20200101ALI20240925BHJP
   E04B 1/24 20060101ALI20240925BHJP
   E04B 1/58 20060101ALI20240925BHJP
   F16B 11/00 20060101ALI20240925BHJP
   B62D 27/02 20060101ALN20240925BHJP
   B62D 67/00 20060101ALN20240925BHJP
【FI】
F16B7/00 Z
G06F30/10 100
G06F30/20
E04B1/24 K
E04B1/58 505H
F16B11/00 D
B62D27/02
B62D67/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022017041
(22)【出願日】2022-02-07
(65)【公開番号】P2023114620
(43)【公開日】2023-08-18
【審査請求日】2023-06-02
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】西垣 英一
(72)【発明者】
【氏名】青井 一郎
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-094606(JP,U)
【文献】特開2019-128868(JP,A)
【文献】特開2003-301527(JP,A)
【文献】特開平11-125226(JP,A)
【文献】特開2021-160656(JP,A)
【文献】特開2017-039338(JP,A)
【文献】特開2009-217548(JP,A)
【文献】特開2020-016277(JP,A)
【文献】特開2021-021448(JP,A)
【文献】特開2021-045772(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 5/00-5/12
F16B 7/00-7/22
F16B 9/00-11/00
B62D 17/00-25/08
B62D 25/14-29/04
E04B 1/00-1/62
G06F 30/00-30/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面と裏面とを有する第1被結合部材と、表面と裏面とを有する第2被結合部材と、を結合する結合部材であって、
前記第1被結合部材は、前記表面から前記裏面に貫通する第1孔部を有し、
前記第2被結合部材は、前記表面から前記裏面に貫通する第2孔部を有し、
前記結合部材は、
前記第1被結合部材および前記第2被結合部材の前記表面に接触し、前記第1孔部から前記第2孔部に亘って配置される表側結合部材と、
前記第1被結合部材および前記第2被結合部材の前記裏面に接触し、前記第1孔部から前記第2孔部に亘って配置される裏側結合部材と、
厚さが前記第1被結合部材の厚さと等しく、前記第1孔部内にのみ配置され、前記表側結合部材と前記裏側結合部材とを接合する第1接合部材と、
厚さが前記第2被結合部材の厚さと等しく、前記第2孔部内にのみ配置され、前記表側結合部材と前記裏側結合部材とを接合する第2接合部材と、
を備え、前記表側結合部材と前記裏側結合部材とにより、前記第1被結合部材と第2被結合部材とを挟み込み、前記表側結合部材と前記裏側結合部材とが接合されることにより前記第1被結合部材と前記第2被結合部材とを結合し、
前記第1接合部材および前記第2接合部材は、
前記表側結合部材および前記裏側結合部材の少なくともいずれか一方と溶接により接合されている、
結合部材。
【請求項2】
請求項1に記載の結合部材であって、
前記第1被結合部材、および前記第2被結合部材は、中空管状であって、前記表面が外側の面であり、前記裏面が内側の面である、
結合部材。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の結合部材であって、
前記第1接合部材は、前記第1孔部と隙間を空けて配置され、
前記第2接合部材は、前記第2孔部と隙間を空けて配置されている、
結合部材。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の結合部材であって、
前記第1孔部は、前記第1被結合部材の端部に形成され、
前記第2孔部は、前記第2被結合部材の端部に形成され、
前記結合部材は、前記第1被結合部材の端部と前記第2被結合部材の端部とを結合する、
結合部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等の移動体、建築物等の構造物を構成する部材を結合する結合部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の車体構造は、車体構造のセンターピラーの下部とサイドシルとの結合部に垂直板を備え、車体の前後、上下、斜め方向の荷重に対し変形を抑制する補強構造としている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-039338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術は、二次元板の補強構造を結合部の内部に追加する形態となり、比較的容易に剛性を高めた結合部構造を創生可能である。一方で、この二次元板の補強構造を挟む形で、大きなプレス品が溶接接合されるため、一般的に解体には不向きな構造となっている。
【0005】
近年、既存の資産を循環的に利用し続ける経済モデル「サーキュラーエコノミー」が注目されており、リユース・リサイクルに適した設計(例えば、易解体設計)が望まれている。
【0006】
上述の課題は、自動車の車体構造に限らず、種々の移動体、構造物を構成する部材の結合構造に共通する課題である。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、構造物を構成する部材を結合する構造において、易解体性を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0009】
(1)本発明の一形態によれば、表面と裏面とを有する第1被結合部材と、表面と裏面とを有する第2被結合部材と、を結合する結合部材が提供される。この結合部材であって、前記第1被結合部材は、前記表面から前記裏面に貫通する第1孔部を有し、前記第2被結合部材は、前記表面から前記裏面に貫通する第2孔部を有し、前記結合部材は、前記第1被結合部材および前記第2被結合部材の前記表面に接触し、前記第1孔部から前記第2孔部に亘って配置される表側結合部材と、前記第1被結合部材および前記第2被結合部材の前記裏面に接触し、前記第1孔部から前記第2孔部に亘って配置される裏側結合部材と、前記第1孔部内に配置され、前記表側結合部材と前記裏側結合部材とを接合する第1接合部材と、前記第2孔部内に配置され、前記表側結合部材と前記裏側結合部材とを接合する第2接合部材と、を備え、前記表側結合部材と前記裏側結合部材とにより、前記第1被結合部材と第2被結合部材とを挟み込み、前記表側結合部材と前記裏側結合部材とが接合されることにより前記第1被結合部材と前記第2被結合部材とを結合し、前記第1接合部材および前記第2接合部材は、前記表側結合部材および前記裏側結合部材の少なくともいずれか一方と溶接により接合されている、結合部材。
【0010】
この構成によれば、結合部材を構成する表側結合部材と裏側結合部材とが接合されることにより第1被結合部材と第2被結合部材が結合されており、第1被結合部材と第2被結合部材とは、直接溶接等で接合されていない。そのため、結合部材の表側結合部材と裏側結合部材とを分離することにより、第1被結合部材と第2被結合部材を切断したりせず、ほぼ元の形状のまま、容易に分離することができる(易解体性向上)。そのため、第1被結合部材と第2被結合部材の再利用が可能となり、従来のスクラップと溶解リサイクルによる二酸化炭素の発生を削減できる。また、第1被結合部材と第2被結合部材との分離が容易なため、部材の一部取り換えによる修繕やアップグレードが容易になる。この一部取り換えや共通部材の組合せで、例えば、車体を形成することにより、多品種少量生産における一括企画や共通モジュール領域の設定が可能となる。第1被結合部材および第2被結合部材への直接的な入熱が無いことにより、部材の特性低下を回避できる。その結果、解体した部材を溶融することなく再利用することができる。
【0011】
(2)上記形態の結合部材であって、前記第1被結合部材、および前記第2被結合部材は、中空管状であって、前記表面が外側の面であり、前記裏面が内側の面であってもよい。このようにすると、例えば、第1接合部材および第2接合部材の外周に沿って表側結合部材を切断することにより、表側結合部材と裏側結合部材とを分離することができる。そのため、結合された部材の外側からのみのアクセスにより、容易に第1被結合部材と第2被結合部材とを分離することができ、易解体性を向上することができる。
【0012】
(3)上記形態の結合部材であって、前記第1接合部材は、前記第1孔部と隙間を空けて配置され、前記第2接合部材は、前記第2孔部と隙間を空けて配置されていてもよい。このようにすると、第1被結合部材および第2被結合部材と、第1接合部材および第2接合部材との形成材料が異なる場合に、熱膨張差を吸収することができる。また、第1接合部材と第1孔部との隙間に対応して表側結合部材を切断し、第2接合部材と第2孔部との隙間に対応して表側結合部材を切断することにより、表側結合部材と裏側結合部材とをさらに容易に分離することができる。
【0013】
(4)上記形態の結合部材であって、前記結合部材の形状は、トポロジー最適化を用いて導出されてもよい。このようにすると、結合部材の形状をより適切にすることができ、第1被結合部材と第2被結合部材との接合部分の剛性をより向上させることができる。
【0014】
(5)上記形態の結合部材であって、前記第1孔部は、前記第1被結合部材の端部に形成され、前記第2孔部は、前記第2被結合部材の端部に形成され、前記結合部材は、前記第1被結合部材の端部と前記第2被結合部材の端部とを結合してもよい。このようにすると、第1被結合部材と第2被結合部材の端部同士を結合することにより、第1被結合部材と第2被結合部材を結合することができる。
【0015】
(6)本発明の他の形態によれば、上記形態の結合部材を設計する結合部材設計装置が提供される。この結合部材設計装置は、外部から入力された前記第1被結合部材および第2被結合部材の定義を用いて、トポロジー最適化の解析モデルを作成し、前記解析モデルを用いてトポロジー最適化を実行して結合部材の梁要素を創出し、前記梁要素のレイアウトに沿って、製造に適した実構造に置き換えて、結合部材の形状、および配置を含む結合部材の構成を設計する設計部を有する。この構成によれば、トポロジー最適化を利用しているため、必要最小限の結合部材の適用位置が導出され、軽量で高剛性な結合部材を容易に得ることができる。
【0016】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、結合部材を備える移動体、結合部材を備える構造物、結合部材の設計方法、結合部材の設計プログラム、そのプログラムが記録された記録媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態の結合部材を備える構造体を概略的に示す説明図である。
図2】構造体を分解して示す説明図である。
図3】結合部材による第1部材と第2部材との結合を概念的に示す説明図である。
図4】第1部材と第2部材との結合方法の説明図である。
図5】構造体の解体方法の説明図である。
図6】第2実施形態の結合部材を備える構造体を概略的に示す説明図である。
図7】第2実施形態の構造体を分解して示す説明図である。
図8】第3実施形態の結合部材を備える構造体を概略的に示す説明図である。
図9】第3実施形態の構造体を分解して示す説明図である。
図10】結合部材設計装置200の構成を機能的に示すブロック図である。
図11】結合部材設計処理の流れを示すフローチャートである。
図12】結合部材設計処理の流れを概念的に示す説明図である。
図13】結合部材設計処理の流れを概念的に示す説明図である。
図14】結合部材の適用位置と形状の導出の一例を概念的に示す説明図である。
図15】第1部材と第2部材との結合方法の他の例の説明図である。
図16】変形例の構造体を概略的に示す説明図である。
図17】変形例の構造体を概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の結合部材100を備える構造体1000を概略的に示す説明図である。構造体1000は、第1部材10と、第2部材20と、第3部材30と、が結合部材100によって結合されて構成されている。
【0019】
本実施形態において、第1部材10、第2部材20、第3部材30、および結合部材100は、例えば、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)等やそれらの合金等の金属、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)等のプラスチックにより形成することができる。結合される部材と結合部材とは、同じ材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。
【0020】
図2は、構造体1000を分解して示す説明図である。第1部材10は、表面12と裏面14とを有する中空四角管状であり、一方の端部16に表面12から裏面14に貫通する複数の第1孔部18と、複数の第2孔部19と、を有する。第2部材20も第1部材10と同様に、表面22と裏面24とを有する中空四角管状であり、一方の端部26に表面22から裏面24に貫通する複数の第2孔部28と、複数の第1孔部29と、を有する。第3部材30も同様に、表面32と裏面34とを有する中空四角管状であり、一方の端部36に表面32から裏面34に貫通する複数の第2孔部38と複数の第1孔部39と、を有する。表面を「外側の面」とも呼び、裏面を「内側の面」とも呼ぶ。
【0021】
構造体1000は、図1に示すように、結合部材100として、第1部材10と第2部材20とを結合する第1結合部材101と、第2部材20と第3部材30とを結合する第2結合部材102と、第3部材30と第1部材10とを結合する第3結合部材103と、を有する。以下の説明において、第1結合部材101、第2結合部材102、および第3結合部材103を区別しないときには、「結合部材100」とも呼ぶ。また、第1部材10と第2部材20が第1結合部材101により結合される関係において、第1部材10を「第1被結合部材」、第2部材20を「第2被結合部材」とも呼び、第2部材20と第3部材30が第2結合部材102により結合される関係において、第2部材20を「第1被結合部材」、第3部材30を「第2被結合部材」とも呼び、第3部材30と第1部材10が第3結合部材103により結合される関係において、第3部材30を「第1被結合部材」、第1部材10を「第2被結合部材」とも呼ぶ。
【0022】
図3は、結合部材100による第1部材10と第2部材20との結合を概念的に示す説明図である。図3(A)、(B)は、結合部材100の配置を示し、図3(C)は、図3(B)のA-A断面の一部を拡大して示す。結合部材100は、表側結合部材110と、裏側結合部材120と、第1接合部材130と、第2接合部材140と、を備える。表側結合部材110は、第1部材10の表面12および第2部材20の表面22に接触し、第1孔部18から第2孔部28に亘って配置される。裏側結合部材120は、第1部材10の裏面14および第2部材20の裏面24に接触し、第1孔部18から第2孔部28に亘って配置される。第1接合部材130は、第1孔部18内に配置され、表側結合部材110と裏側結合部材120とを接合する。第2接合部材140は、第2孔部28内に配置され、表側結合部材110と裏側結合部材120とを接合する。本実施形態では、後述するように、表側結合部材110と裏側結合部材120と、第1接合部材130および第2接合部材140は、レーザー溶接により接合されており、図示するように、溶接部130L、溶接部140Lが形成されている。
【0023】
このように、結合部材100は、表側結合部材110と裏側結合部材120とにより、第1部材10の端部16と第2部材20の端部26とを挟み込み、表側結合部材110と裏側結合部材120とが第1接合部材130および第2接合部材140に接合されることにより第1部材10の端部16と第2部材20の端部26とを結合する。結合部材100において、表側結合部材110、裏側結合部材120、第1接合部材130、および第2接合部材140は、同じ材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。異なる材料で形成される場合は、第1接合部材130および第2接合部材140の形成材料が表側結合部材110および裏側結合部材120の形成材料より強い(剛性が高い)ことが好ましい。このようにすると、結合部材100が破断する際、第1接合部材130や第2接合部材140ではなく、表側結合部材110や裏側結合部材120によって破断するため、高い接合強度を得ることができる。
【0024】
図2に示すように、構造体1000は2つの第1結合部材101と2つの第2結合部材102と、2つの第3結合部材103とを有する。第1結合部材101は、表側結合部材112と裏側結合部材122とを有する。第2結合部材102は、表側結合部材114と裏側結合部材124U、124Lとを有する。第3結合部材103は、表側結合部材116と裏側結合部材126U、126Lとを有する。第2結合部材102において、裏側結合部材120は、第3部材30の内部(裏側)に接触して配置される部分と第2部材20の内部(裏側)に接触して配置される部分とに分かれている。同様に、第3結合部材103において、裏側結合部材120は、第3部材30の内部(裏側)に接触して配置される部分と第1部材10の内部(裏側)に接触して配置される部分とに分かれている。なお、図2では、表側結合部材110と裏側結合部材120とを接合する第1接合部材130および第2接合部材140を図示していない。
【0025】
図4は、第1部材10と第2部材20との結合方法の説明図である。図4では、図3(B)のA-A断面の一部を図示している。
【0026】
まず、第1部材10の第1孔部18と第2部材20の第2孔部28に亘って、第1孔部18と第2孔部28とを覆うように、第1部材10の裏面14と第2部材20の裏面24に接触して裏側結合部材120を配置する(図4(A))。このとき、粘着テープ等を用いて、裏側結合部材120を第1部材10および第2部材20に仮留めしてもよい。
【0027】
次に、第1接合部材130を第1孔部18内に配置し、第2接合部材140を第2孔部28内に配置する(図4(B))。このとき、第1接合部材130および第2接合部材140の外周に円環状のスペーサを取り付けて、第1接合部材130および第2接合部材140の位置決めを行ってもよい。図4では、スペーサ132、142を用いる例を図示している。他の例では、例えば、ロボットにより第1接合部材130および第2接合部材140の位置決めを行い、スペーサ132、142を用いなくてもよい。
【0028】
そして、例えば、レーザー溶接、FSW(摩擦攪拌接合/Friction Stir Welding)等により、第1部材10および第2部材20の表面12、22側から第1接合部材130および第2接合部材140と、裏側結合部材120とを接合する(図4(B))。
【0029】
スペーサ132、142を取り除いた後、裏側結合部材120と対応する位置に、第1部材10の表面12と第2部材20の表面22に接触して表側結合部材110を配置し、例えば、レーザー溶接、FSW等により、第1部材10および第2部材20の表面12、22側から、第1接合部材130および第2接合部材140と、表側結合部材110とを接合する(図4(C))。これにより、表側結合部材110と裏側結合部材120とにより、第1部材10の端部16と第2部材20の端部26とを挟み込んだ状態で、表側結合部材110と裏側結合部材120とが接合され、第1部材10と第2部材20とが接合される。すなわち、第1部材10と第2部材20とが、溶接等によって直接結合されるのではなく、結合部材100を介して結合される。また、第1部材10と第2部材20との結合箇所が、表側結合部材110と裏側結合部材120とによって挟み込まれているため、結合部材100によって補強されており、第1部材10と第2部材20とを強固に結合することができる。
【0030】
図5は、構造体1000の解体方法の説明図である。図5の断面図は、図4に相当する断面を図示している。図5(B)は、図5(A)のA視を示す平面図である。図5(A)、(B)に示すように、構造体1000を解体する際、作業者は、第1部材10を、第1孔部18の内周に略沿って、例えば、レーザーLを用いて円形状に切断する。同様に、第1部材10を、第2孔部28の内周に略沿って、円形状に切断する。図5(A)、(B)において、切断線LCを太線で図示している。このように切断すると、図5(C)に示すように、円形状に切り抜かれた表側結合部材110と、第1接合部材130と、第2接合部材140と、裏側結合部材120とが接合された状態で、栓を抜くように表側結合部材110と分離することができる。このように結合部材100を分解することにより、第1部材10と第2部材20とを分離解体することができる。すなわち、第1部材10および第2部材20自体を切断することなく、分離することができる。このようにすると、第1部材10および第2部材20には、熱が加わらないため、第1部材10および第2部材20の特性低下を抑制することができる。そのため、第1部材10および第2部材20をスクラップ、溶解せず、そのまま、リサイクルすることができる。なお、他の実施形態では、ドリル、ホールソーによって表側結合部材110を切断してもよい。
【0031】
第2部材20と第3部材30の第2結合部材102による結合、第3部材30と第1部材10の第3結合部材103による結合も、第1部材10と第2部材20の第1結合部材101による結合と同様に、結合・解体することができる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態の結合部材100によれば、結合部材100を構成する表側結合部材110と裏側結合部材120とが接合されることにより第1部材10の端部16と第2部材20の端部26が結合されており、第1部材10と第2部材20とは、直接溶接等で接合されていない。そのため、結合部材100の表側結合部材110と裏側結合部材120とを分離することにより、第1部材10と第2部材20を切断したりせず、ほぼ元の形状のまま、容易に分離することができる(易解体性向上)。
【0033】
そのため、第1部材10と第2部材20の再利用が可能となり、従来のスクラップと溶解リサイクルによる二酸化炭素の発生を削減することができる。
【0034】
また、上述の通り、表側結合部材110を切断することにより、第1部材10と第2部材20とを容易に分離することができるため、部材の一部取り換えによる修繕やアップグレード等を容易にすることができる。この一部取り換えや共通部材の組合せで、例えば、車体を形成することにより、多品種少量生産における一括企画や共通モジュール領域の設定が可能となる。
【0035】
さらに、第1部材10および第2部材20への直接的な入熱が無いことにより、部材の特性低下を回避できる。その結果、解体した部材を溶融することなく再利用することができる。
【0036】
本実施形態の結合部材100によれば、中空管状の第1部材10と第2部材20とを、外側の面(表面12、22)からの処理により結合することができ、一方、外側の面(表面12、22)からの処理により解体することが可能となる。そのため、構造体1000の製造および解体を容易化することができる。
【0037】
結合部材100では、第1孔部18と第1接合部材130との間、および第2孔部28と第2接合部材140との間に隙間が形成されている。そのため、第1部材10および第2部材20と、第1接合部材130および第2接合部材140との形成材料が異なる場合に、熱膨張差を吸収することができる。
【0038】
また、結合部材100では、第1孔部18と第1接合部材130との間、および第2孔部28と第2接合部材140との間に隙間が形成されているため、構造体1000の解体時に、表側結合部材110のみを切断することにより解体することができる。そのため、第1孔部18と第1接合部材130との間、および第2孔部28と第2接合部材140との間に隙間がない場合と比較して、容易に解体することができる。
【0039】
本実施形態の結合部材による被結合部材の結合構造は、車両、航空機、列車等、種々の移動体用のフレーム、建築物等の構造物のフレーム等に適用することができる。
【0040】
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態の結合部材100Aを備える構造体1000Aを概略的に示す説明図である。図7は、構造体1000Aを分解して示す説明図である。本実施形態の構造体1000Aが第1実施形態の構造体1000と異なる点は、結合部材100Aの形状であり、第1部材10、第2部材20、および第3部材30は、第1実施形態と同一である。以下の説明において、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付して、先行する説明を参照する。
【0041】
本実施形態の構造体1000Aにおいて、第1部材10と第2部材20と第3部材30とが、1つの結合部材100Aにより結合されている。結合部材100Aは、図7に示すように、表側結合部材110Aと、裏側結合部材120Aと、を有する。裏側結合部材120Aは、第3部材30の内部(裏側)に接触して配置される裏側結合部材128と第1部材10および第2部材20の内部(裏側)に接触して配置される裏側結合部材126とに分かれている。
【0042】
上述の通り、本実施形態における第1部材10、第2部材20、および第3部材30は、第1実施形態と同一である。表側結合部材110Aと裏側結合部材120Aとにより、第1部材10の端部16と第2部材20の端部26と第3部材30の端部36とが挟み込まれ、表側結合部材110Aと裏側結合部材120Aとが第1接合部材130、第2接合部材140、および第3接合部材(不図示)によって接合されることにより、第1部材10と第2部材20と第3部材30とは結合されている。
【0043】
本実施形態の結合部材100Aは、表側結合部材110Aおよび裏側結合部材120Aの形状が第1実施形態と異なっており、それらの枚数が少ない。そのため、第1部材10、第2部材20、および第3部材30を結合するための工数を削減することができる。その結果、構造体1000Aの製造を容易にすることができ、コスト低減に資することができる。
【0044】
<第3実施形態>
図8は、第3実施形態の結合部材100Aを備える構造体1000Bを概略的に示す説明図である。図9は、構造体1000Bを分解して示す説明図である。本実施形態の構造体1000Bが第2実施形態の構造体1000Aと異なる点は、被結合部材の形状であり、結合部材100Aは、第2実施形態と同一である。以下の説明において、第2実施形態と同一の構成には同一の符号を付して、先行する説明を参照する。
【0045】
本実施形態の構造体1000Aにおいて、第1部材40と第3部材30とが、1つの結合部材100Aにより結合されている。第1部材40は、図7に示すように、第2実施形態の第1部材10と第2部材20とをつなぎ合わせた程度の長さの中空四角管状であり、表面42と裏面44とを有する。第1部材40の長手方向の中心近傍に表面42から裏面44に貫通する複数の第1孔部48を有する。第3部材30は、端部36に複数の第2孔部38を有する。本実施形態において、図8に示すように、第1部材40の長手方向の中心近傍に、第3部材30の端部36が結合部材100Aを介して接続されている。
【0046】
このようにすると、第3部材30を、第1部材40の長手方向中心に結合することができる。また、結合部材100Aにより、第1部材40(第1被結合部材)と第3部材30(第2被結合部材)との接合部分の剛性を向上させることができる。
【0047】
<第4実施形態>
図10は、本発明の一実施形態としての結合部材設計装置200の構成を機能的に示すブロック図である。結合部材設計装置200は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であって、制御部210、記憶部220、入力I/F部230、出力I/F部240、バス250を含む。なお、本明細書において、インターフェースを「I/F」と称する。バス250は、制御部210、記憶部220、入力I/F部230、出力I/F部240を電気的に接続する信号線である。ここでは、結合部材の設計処理の流れについて、上記実施形態の結合部材100、100Aを例に挙げて説明する。以下の説明において、第1部材10、第2部材20、および第3部材30をまとめて、「被結合部材」とも呼ぶ。
【0048】
制御部210は、結合部材設計装置全体の動作を制御する電子装置であり、例えば中央演算装置(CPU)であってもよい。制御部210は、後述するプログラム222を実行することにより、設計部212として機能する。
【0049】
設計部212は、入力された被結合部材の定義を用いて、トポロジー最適化の解析モデルを作成し、解析モデルを用いてトポロジー最適化を実行して結合部材の梁要素を創出し、梁要素のレイアウトに沿って、製造に適した実構造に置き換えて、結合部材の形状、配置等の結合部材の構成を創出する。
【0050】
記憶部220は、情報を記憶するメモリ装置の総称であり、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ソリッドステートドライブ(SSD)、ハードディスク、フラッシュメモリカードなど様々な形式の記憶装置を使用することができる。記憶部220には、オペレーティングシステム(OS)や本実施形態に係るプログラム222が格納されている。
【0051】
入力I/F部230は、キーボード等の入力装置(不図示)や、USBメモリ装置やフラッシュメモリ等の記録装置等から入力された指令やデータを、制御部210や記憶部220へ伝達するインターフェースである。出力I/F部240は、表示装置やプリンタ等の出力装置(不図示)や、USBメモリ装置及びフラッシュメモリ等の記録装置等に文字や画像等を出力するインターフェースである。
【0052】
本実施形態で説明する処理を実現するプログラム222は、プログラム提供者側から通信ネットワーク及び通信I/F部(不図示)を介して、例えば記憶部220に格納されてもよい。また、上記実施形態で説明した処理を実現するプログラムは、市販され、流通している可搬型記憶媒体に格納されていてもよい。この場合、この可搬型記憶媒体は外付け又は内蔵の読取装置にセットされて、制御部210によってそのプログラムが読み出されて、実行されてもよい。可搬型記憶媒体としてはCD-ROM、DVD-ROM、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ICカード、USBメモリ装置など様々な形式の記憶媒体を使用することができる。このような記憶媒体に格納されたプログラムが読取装置によって読み取られる。
【0053】
図11は、結合部材設計処理の流れを示すフローチャートである。図12図13は、結合部材設計処理の流れを概念的に示す説明図である。
【0054】
結合部材設計装置200が、結合部材設計処理開始の指示を受け付けると、結合部材設計処理が開始される。
まず、設計部212は解析モデルを作成する(ステップS1)。具体的には、ユーザーが入力装置を用いて入力した被結合部材(例えば、第1部材10、第2部材20、および第3部材30)の断面形状、板厚、材料特性を、設計部212が、入力I/F部230を介して受け付けて、被結合部材の形状を定義する。そして、設計部212は、定義した被結合部材の形状を用いてトポロジー最適化の解析モデルを作成する。具体的には、被結合部材(シェル要素:図12(A))と結合部材(梁要素:図12(B))を有する解析モデルを作成する。なお、シェル要素は非設計領域であり、梁要素が設計領域である。梁要素は、被結合部材同士の結合に必要な補強部材の候補群であり、中空円筒断面の半径が設計変数である。設計部212は、中空円筒断面の半径を増減し、軽くて高剛性な結合部材を創出すべく、不要な梁要素を細くし、必要な梁要素を太くする。設計部212は、梁構造の総体積を制約条件として、歪みエネルギーを最小化する、最適化アルゴリズムの解析結果に基づき梁要素の要不要を判断している。また、独立した被結合部材の突き合わせ部分に対して、それらの領域を囲む形で、結合部材の初期設計形状(図12(C))を定義する。
【0055】
次に、設計部212は、荷重定義とトポロジー最適化を行う(ステップS2)。ユーザーが、予め構造解析や実験で得られている荷重値を入力すると、設計部212は、入力された荷重値を用いて、ステップS1で作成した解析モデルに対して、トポロジー最適化を実行して、結合部材の梁要素を創出する(図12(D))。ここでは、剛性の最大化を目的関数とし、荷重に対する歪の値が材料の許容値を超えないことを制約関数として設定している。他の形態では、目的関数として、材料体積率を最大にする、変位を最小にする、応力を最小にする等を設定してもよい。制約関数として、所定の体積減少率、重量減少率等を設定してもよい。
【0056】
そして、設計部212は、結合部材の実体化を行う(ステップS3)。設計部212は、ステップS2においてトポロジー最適化で得られた梁要素による結合部材のレイアウトに沿って、製造に適した実構造へ置き換える(図12(E)、(F))。実体化のステップにおいて、例えば、面積の最小化、軽量化、形状の簡易化、部品点数の最小化等、所望の条件を付与することにより、ユーザーの要望に応じた適切な形状を創出させることができる。なお、穴間隔や結合部材のプレートを規格化して自動であてはめることもできるし、特化して都度置き換えても良い。
【0057】
図13は、トポロジー最適化の境界条件と最適化結果の一例を概念的に示す説明図である。本実施形態では、図示するように、第1部材10の第1端11と、第2部材20の第1端21を拘束し、第3部材30に対して荷重を加えて、トポロジー最適化を行った。図13(A)に示すケース1では、荷重を0.5N×4とし、(B)に示すケース2では、荷重を0.25N×4とし、(C)に示すケース3では、荷重を0.25N×4とし、ケース1~3を同時に考慮してトポロジー最適化を行った。その結果、図13(D)に示すような結合部材の梁要素が創出された。
【0058】
図14は、結合部材の適用位置と形状の導出の一例を概念的に示す説明図である。図14(A)は、図13(D)に示すトポロジー最適化の解析結果の1/4領域の図である。図14(B)、(C)は、上述するステップS3(図11)において行われた結合部材の実体化により得られた結合部材100(第1実施形態)、および結合部材100A(第2実施形態)を、それぞれ示している。図14(D)は第1実施形態の結合部材100における表側結合部材114(110)を示し、図14(E)は結合部材100の部分断面を示し、図14(F)は第2部材20を示している。
【0059】
図示するように、結合部材設計装置200は、例えば、1つのトポロジー最適化の解析結果(図14(A))から、第1実施形態の結合部材100(図14(B))と、第2実施形態の結合部材100A(図14(C))の2種類の結合部材を設計することができる。第1実施形態の結合部材100の形態は、結合部材の重量最小化を条件として設計した結果であり、第2実施形態の結合部材100Aの形態は、結合部材の部品点数の最小化を条件として設計した結果である。その他、条件を変更することにより、同一のトポロジー最適化解析結果から複数の結合部材100の形態を設計することができる。
【0060】
第1実施形態の結合部材100における表側結合部材114は、図14(A)に示す結合部材の梁要素の部分P1を実体化して設計したものである。図14(A)に示す結合部材の梁要素の部分P2の実体化により、図14(F)に示す第2部材20の貫通孔と、図14(E)に示す表側結合部材110と裏側結合部材120との接合部材による接合構造が設計された。
【0061】
以上説明したように、本実施形態の結合部材設計装置200によれば、結合部材の適切な形状および適用位置を容易に設計することができ、軽量で高剛性な結合部材を容易に得ることができる。
【0062】
<実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0063】
・被結合部材の結合方法は、上記第1実施形態に記載した方法に限定されない。例えば、以下に説明する方法で結合してもよい。
図15は、第1部材10と第2部材20との結合方法の他の例の説明図である。図15の断面図は、図4に相当する断面を図示している。図15(A)は、図15(B)のA視を示す平面図である。
【0064】
まず、スポット溶接、レーザー溶接、FSW等により、第1接合部材130および第2接合部材140と、裏側結合部材120とを接合する(図15(A)、(B))。このとき、裏側結合部材120側から溶融させる。そして、第1接合部材130と第2接合部材140とが接合された裏側結合部材120を、第1接合部材130が第1孔部18内に、第2接合部材140が第2孔部28内にそれぞれ位置するように配置する。表側結合部材110を、第1部材10の第1孔部18と第2部材20の第2孔部28に亘って、第1孔部18と第2孔部28とを覆うように、第1部材10の表面12と第2部材20の裏面24に接触させて配置する(図15(C))。このとき、粘着テープ等を用いて、裏側結合部材120を第1部材10および第2部材20に仮留めしてもよい。そして、レーザー溶接、FSW等により、第1接合部材130および第2接合部材140と、表側結合部材110とを接合する(図15(C))。このようにしても、表側結合部材110と裏側結合部材120とにより、第1部材10の端部16と第2部材20の端部26とを挟み込んだ状態で、表側結合部材110と裏側結合部材120とが接合され、第1部材10と第2部材20とが接合される。なお、第1接合部材130と第2接合部材140とが予め接合された裏側結合部材120を用意してもよい。
【0065】
・上記実施形態において、中空管状の被結合部材を例示したが、被結合部材は、板状であってもよいし、中実の棒状であってもよい。
【0066】
・被結合部材の断面形状の外形は、上記実施形態に限定されず、三角形、五角形、六角形等の種々の凸多角形、種々の凹多角形、真円形状、楕円形等種々の形状に形成することができる。
【0067】
図16は、変形例の構造体1000Cを概略的に示す説明図である。構造体1000Cは、第1部材10Cと、第2部材20Cと、が結合部材100Cによって結合されて構成されている。第1部材10C、および第2部材20Cは、中実の円柱状である。図16(A)は構造体1000Cの外観構成を概略的に示し、図16(B)は第1部材10CのA-A断面を概略的に示し、図16(D)は構造体1000CのB-B断面を概略的に示す。図16(B)に示すように、第1部材10Cにおいて、円柱の中心軸Cを通る平面で第1部材10Cを分けた場合の一方の外周面が表面12、他方の外周面が裏面14である。
【0068】
図16(C)に示すように、第1部材10は、端部に、表面12から裏面14に貫通する第1孔部18Cを有する。図16(A)、(C)に示すように、表側結合部材110Cは第1部材10Cの表面12に接触して、第1孔部18Cから第2孔部28Cに亘って配置され、裏側結合部材120Cは第1部材10Cの裏面14に接触して第1孔部18Cから第2孔部28Cに亘って配置されている。表側結合部材110Cと裏側結合部材120Cとにより、第1部材10Cの端部と第2部材20の端部とを挟み込み、表側結合部材110Cと裏側結合部材120Cとが第1接合部材130Cおよび第2接合部材(不図示)により接合されることにより第1部材10Cの端部と第2部材20Cの端部とを結合している。このようにしても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0069】
図17は、変形例の構造体1000D、1000E、1000Fの断面構成を概略的に示す説明図である。図17に示す例は、図16に示す例における第1部材10Bと第2部材20Bの横断面形状が異なるものである。図17は、図16(C)に示す断面に相当する。図17(A)に示す例は、第1部材10Dが中実の四角柱である。この場合、表面12と対向する面が裏面14である。図17(B)に示す例は、第1部材10Eが中実の六角柱である。図の例では、表面12と対向する面が裏面14としている。なお、図中の裏面14の隣の面15(表面12と略対向する面)を、裏面としてもよい。表面12、表面12の隣の面17を表面とし、対向する裏面14と面15を裏面としてもよい。図17(C)に示す例は、第1部材10Fが中実の五角柱である。この場合、2つの表面12と対向する面を裏面14としている。なお、一方の表面12のみに接触する表側結合部材110Eを用いてもよい。被結合部材が中実の部材の場合には、このようにすることにより、結合部材を用いて被結合部材同士を結合することができる。
【0070】
・上記実施形態において、第1接合部材が第1孔部と隙間を空けて配置され、第2接合部材が第2孔部と隙間を空けて配置される例を示したが、それぞれ、隙間なく配置されてもよい。このようにしても、被結合部材同士が直接溶接等により接合されないため、容易に解体することができる。
【0071】
・結合部材の設計において、トポロジー最適化に限定されず、寸法最適化、形状最適化を用いて結合部材を設計してもよい。また、被結合部材同士の結合部分の全体に貫通孔と結合部材を設けてもよい。
【0072】
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【符号の説明】
【0073】
10、10B、10C、10D、10E、10F…第1部材
11…第1端
12、22、32、42…表面
14、24、34、44…裏面
15、17…面
16、26、36…端部
18、18C、29、39、48…第1孔部
19、28、28C、38…第2孔部
20、20B、20C…第2部材
21…第1端
100、100A、100C…結合部材
101…第1結合部材
102…第2結合部材
103…第3結合部材
110、110A、110C、110E、112、114、116…表側結合部材
120、120A、120C、122、124U、126、126U、128…裏側結合部材
130、130C…第1接合部材
130L…溶接部
132…スペーサ
140…第2接合部材
140L…溶接部
200…結合部材設計装置
210…制御部
212…設計部
220…記憶部
222…プログラム
230…入力I/F部
240…出力I/F部
250…バス
1000、1000A、1000B、1000C、1000D…構造体
C…中心軸
L…レーザー
LC…切断線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17