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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】管理装置、管理システム、及び管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20240925BHJP
   G06Q 10/083 20240101ALI20240925BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q10/083
B65G61/00 520
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022019061
(22)【出願日】2022-02-09
(65)【公開番号】P2023116320
(43)【公開日】2023-08-22
【審査請求日】2023-11-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【弁理士】
【氏名又は名称】内海 一成
(72)【発明者】
【氏名】松下 真人
(72)【発明者】
【氏名】福井 宏依
(72)【発明者】
【氏名】上野山 直貴
(72)【発明者】
【氏名】後藤 陽
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
(72)【発明者】
【氏名】笹野 孝則
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/124247(WO,A1)
【文献】特開2002-240954(JP,A)
【文献】特開2018-179792(JP,A)
【文献】特開2011-105463(JP,A)
【文献】特表2002-501000(JP,A)
【文献】特開平11-120250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送物品を内部に収容可能に構成される通い箱の状態に関する情報に基づいて前記通い箱の保守を計画する制御部を備え
前記制御部は、前記通い箱の状態に関する情報として、前記通い箱を配送する移動体に前記通い箱を出し入れするためにかかる時間を取得する、管理装置。
【請求項2】
配送物品を内部に収容可能に構成される通い箱の状態に関する情報に基づいて前記通い箱の保守を計画する制御部を備え
前記制御部は、前記通い箱の状態に関する情報として、前記通い箱を利用したユーザから入力された情報を取得する、管理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記通い箱の状態に関する情報を入力したユーザに対してインセンティブを付与する、請求項に記載の管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記通い箱を利用したユーザから入力された情報が前記通い箱の状態が良好であると評価する情報である場合、前記ユーザの前に前記通い箱を利用した先行利用ユーザに対してインセンティブを付与する、請求項又はに記載の管理装置。
【請求項5】
配送物品を内部に収容可能に構成される通い箱の状態に関する情報に基づいて前記通い箱の保守を計画する制御部を備え
前記制御部は、前記通い箱の状態に関する情報に基づいて前記通い箱を保守したと判定されるユーザに対してインセンティブを付与する、管理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記通い箱の状態に関する情報に基づいて、前記通い箱の汚れ若しくは濡れの状態又は前記通い箱の破損若しくは変形の状態を検出する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記通い箱の状態に関する情報として、前記通い箱の外観を撮影した画像を取得する、請求項1から6までのいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記通い箱の状態に関する情報として、前記通い箱の汚れ若しくは濡れの状態又は前記通い箱の破損若しくは変形によって生じた変化の検出結果を取得する、請求項1からまでのいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記通い箱の状態に関する情報に基づいて、前記通い箱に対して実行する保守作業の内容を決定する、請求項1から8までのいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記通い箱の状態に関する情報に基づいて、前記通い箱を保守するか交換するか決定する、請求項9に記載の管理装置。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか一項に記載の管理装置と、配送物品を内部に収容可能に構成される通い箱と、前記通い箱を配送する移動体とを備える、管理システム。
【請求項12】
管理装置が、配送物品を内部に収容可能に構成される通い箱の状態に関する情報に基づいて前記通い箱の保守を計画することと、
前記管理装置が、前記通い箱の状態に関する情報として、前記通い箱を配送する移動体に前記通い箱を出し入れするためにかかる時間を取得することと
を含む、管理方法。
【請求項13】
管理装置が、配送物品を内部に収容可能に構成される通い箱の状態に関する情報に基づいて前記通い箱の保守を計画することと、
前記管理装置が、前記通い箱の状態に関する情報として、前記通い箱を利用したユーザから入力された情報を取得することと
を含む、管理方法。
【請求項14】
前記管理装置が、前記通い箱の状態に関する情報を入力したユーザに対してインセンティブを付与することを更に含む、請求項13に記載の管理方法。
【請求項15】
前記管理装置が、前記通い箱を利用したユーザから入力された情報が前記通い箱の状態が良好であると評価する情報である場合、前記ユーザの前に前記通い箱を利用した先行利用ユーザに対してインセンティブを付与することを更に含む、請求項13又は14に記載の管理方法。
【請求項16】
管理装置が、配送物品を内部に収容可能に構成される通い箱の状態に関する情報に基づいて前記通い箱の保守を計画することと、
前記管理装置が、前記通い箱の状態に関する情報に基づいて前記通い箱を保守したと判定されるユーザに対してインセンティブを付与することと
を含む、管理方法。
【請求項17】
前記管理装置が、前記通い箱の状態に関する情報に基づいて、前記通い箱の汚れ若しくは濡れの状態又は前記通い箱の破損若しくは変形の状態を検出することを更に含む、請求項12から16までのいずれか一項に記載の管理方法。
【請求項18】
前記管理装置が、前記通い箱の状態に関する情報として、前記通い箱の外観を撮影した画像を取得することを更に含む、請求項12から17までのいずれか一項に記載の管理方法。
【請求項19】
前記管理装置が、前記通い箱の状態に関する情報として、前記通い箱の汚れ若しくは濡れの状態又は前記通い箱の破損若しくは変形によって生じた変化の検出結果を取得することを更に含む、請求項12から18までのいずれか一項に記載の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理装置、管理システム、管理方法、及び通い箱に関する。
【背景技術】
【0002】
配達箱を用いた荷物の配達システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-62968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通い箱を用いて物品を配送する場合に、通い箱の効率的な運用が求められる。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、通い箱の運用効率を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る管理装置は、配送物品を内部に収容可能に構成される通い箱の状態に関する情報に基づいて前記通い箱の保守を計画する制御部を備える。
【0007】
本開示の一実施形態に係る管理システムは、前記管理装置と、配送物品を内部に収容可能に構成される通い箱と、前記通い箱を配送する移動体とを備える。
【0008】
本開示の一実施形態に係る管理方法は、配送物品を内部に収容可能に構成される通い箱の状態に関する情報に基づいて前記通い箱の保守を計画することを含む。
【0009】
本開示の一実施形態に係る通い箱は、配送物品を収容可能に構成される。前記通い箱は、前記通い箱の状態を検出する検出部と、前記通い箱の状態の検出結果を出力する通信部と
を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施形態に係る管理装置、管理システム、管理方法、及び通い箱によれば、通い箱の運用効率が向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係る管理システムの構成例を示すブロック図である。
図2】移動体の構成例を示す模式図である。
図3】通い箱の構成例を示す模式図である。
図4】一実施形態に係る管理方法の手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(管理システム1の構成例)
図1に示されるように、一実施形態に係る管理システム1は、管理装置10と、移動体40と、通い箱50とを備える。管理システム1は、必須ではないが端末装置20を更に備える。管理システム1において、移動体40は、通い箱50に収容されている配送物品52(図3参照)を配送する。管理装置10は、移動体40及び通い箱50を管理する。管理装置10は、移動体40を管理する装置と、通い箱50を管理する装置とに分けられてもよい。
【0013】
<管理装置10>
管理装置10は、制御部12と、インタフェース14とを備える。インタフェース14は、I/F14とも称される。
【0014】
制御部12は、管理装置10の少なくとも1つの構成部を制御する。制御部12は、1つ以上のプロセッサを含んで構成されてよい。本実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であるが、これらに限られない。制御部12は、1つ以上の専用回路を含んで構成されてもよい。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。制御部12は、プロセッサの代わりに専用回路を含んで構成されてもよいし、プロセッサとともに専用回路を含んで構成されてもよい。
【0015】
管理装置10は、記憶部を更に備えてよい。記憶部は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んでよい。記憶部は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を含んでよい。記憶部は、管理装置10の動作に用いられる任意の情報を格納する。例えば、記憶部は、システムプログラム、又はアプリケーションプログラム等を格納してもよい。記憶部は、制御部12に含まれてもよい。
【0016】
I/F14は、制御部12から情報又はデータ等を出力したり、制御部12に情報又はデータ等を入力したりする。I/F14は、ネットワーク30を介して移動体40又は端末装置20等の他の機器と通信可能に構成される通信モジュールを含んでよい。通信モジュールは、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応してよい。通信モジュールは、LAN(Local Area Network)等の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、有線又は無線の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、これらに限られず、種々の通信規格に対応してよい。I/F14は、通信モジュールに接続可能に構成されてもよい。
【0017】
I/F14は、ユーザから情報又はデータ等の入力を受け付ける入力デバイスを含んで構成されてよい。入力デバイスは、例えば、タッチパネル若しくはタッチセンサ、又はマウス等のポインティングデバイスを含んで構成されてよい。入力デバイスは、物理キーを含んで構成されてもよい。入力デバイスは、マイク等の音声入力デバイスを含んで構成されてもよい。
【0018】
I/F14は、ユーザに対して情報又はデータ等を出力する出力デバイスを含んで構成されてよい。出力デバイスは、例えば、画像又は文字若しくは図形等の視覚情報を出力する表示デバイスを含んでよい。表示デバイスは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ若しくは無機ELディスプレイ、又は、PDP(Plasma Display Panel)等を含んで構成されてよい。表示デバイスは、これらのディスプレイに限られず、他の種々の方式のディスプレイを含んで構成されてよい。表示デバイスは、LED(Light Emitting Diode)又はLD(Laser Diode)等の発光デバイスを含んで構成されてよい。表示デバイスは、他の種々のデバイスを含んで構成されてよい。出力デバイスは、例えば、音声等の聴覚情報を出力するスピーカ等の音声出力デバイスを含んでよい。出力デバイスは、これらの例に限られず、他の種々のデバイスを含んでよい。
【0019】
管理装置10は、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置を含んでよい。
【0020】
<移動体40>
図2に示されるように、移動体40は、通い箱50を収容する収容空間を有する本体部42と、移動体40を移動させるための駆動部44とを備える。
【0021】
本体部42は、収容空間に収容した通い箱50をロックするロック機構を備えてよい。本体部42は、通い箱50が収容されたことを検出するセンサを備えてよい。
【0022】
駆動部44は、路面を走行する機構として例えば車輪又はキャタピラ等を備えてよい。駆動部44は、車輪又はキャタピラ等を駆動するモータ又はエンジン等の駆動機構を更に備えてよい。駆動部44は、駆動機構から車輪又はキャタピラ等に動力を伝達するギア等を更に備えてよい。駆動部44は、駆動機構に電力を供給するバッテリ又は燃料を供給するタンク等を更に備えてよい。
【0023】
図1に示されるように、移動体40は、必須ではないが移動体制御部46を更に備える。移動体制御部46は、移動体40の本体部42又は駆動部44等の移動体40の少なくとも1つの構成部を制御する。移動体制御部46は、管理装置10から移動先を指定する移動先情報を取得し、移動先情報に基づいて自律走行するように駆動部44を制御してよい。移動体40は、走行開始若しくは停止のタイミング、又は、走行速度等を指示する制御情報を管理装置10から取得し、制御情報に基づいて駆動部44を制御して走行してもよい。移動体制御部46は、本体部42に通い箱50が収容された場合、収容した通い箱50を特定する情報を管理装置10に出力してよい。移動体制御部46は、本体部42から通い箱50が取り出された場合、取り出された通い箱50を特定する情報を管理装置10に出力してよい。移動体制御部46は、通い箱50が収容されるときにかかる時間、又は、通い箱50が取り出されるときにかかる時間を測定して管理装置10に出力してよい。
【0024】
移動体制御部46は、1つ以上のプロセッサを含んで構成されてよい。移動体制御部46は、プロセッサの代わりに1つ以上の専用回路を含んで構成されてもよいし、プロセッサとともに専用回路を含んで構成されてもよい。移動体40は、記憶部を含んで構成されてよい。移動体40の記憶部は、管理装置10の記憶部と同一又は類似に構成されてよい。移動体40は、I/F又は通信モジュールを含んで構成されてもよい。移動体40のI/F又は通信モジュールは、管理装置10のI/F又は通信モジュールと同一又は類似に構成されてよい。
【0025】
移動体40は、移動体40自身の位置情報を取得する位置情報検出部を含んで構成されてよい。移動体40は、移動体40自身の位置情報を管理装置10に出力してよい。位置情報検出部は、衛星測位システムに対応する受信機を含んで構成されてよい。衛星測位システムに対応する受信機は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機等を含んでもよい。
【0026】
管理システム1によって管理される移動体40の数は、2台以上であってよい。移動体40は、図2に例示される態様に限られず、通い箱50を収容して移動可能な他の種々の態様で構成されてよい。
【0027】
移動体40は、必須ではないが検出部48を更に備える。検出部48は、本体部42に収容された通い箱50の汚れ若しくは濡れ、又は、破損若しくは変形等によって生じる変化を検出する。検出部48は、例えば通い箱50の外観を撮影するカメラを含んで構成されてよい。検出部48は、通い箱50に生じる変化を種々の物理量として検出するセンサを含んで構成されてよい。検出部48は、通い箱50の汚れ又は濡れを電線の短絡によって検出する電圧センサ又は抵抗センサ等を備えてよい。検出部48は、通い箱50の破損又は変形によって外部に作用する力を検出する圧力センサ又は触覚センサ等を備えてよい。検出部48は、通い箱50の破損又は変形を光学的に検出する光学センサを備えてよい。移動体制御部46は、検出部48の検出結果に基づいて通い箱50の状態を判別し、通い箱50の状態に関する情報として、通い箱50の状態の判別結果を管理装置10に出力してよい。移動体制御部46は、通い箱50の状態に関する情報として、検出部48の検出結果そのものを管理装置10に出力してもよい。
【0028】
<通い箱50>
図3に示されるように、通い箱50は、内部に配送物品52を収容可能に構成される。通い箱50は、配送物品52として、例示されているような食料品に限られず、日用品、雑貨又は書籍等の他の種々の物品を収容可能に構成されてよい。管理システム1に含まれる通い箱50の数は、1個に限られず、2個以上であってよい。
【0029】
通い箱50は、必須ではないが識別子54を備える。識別子54は、通い箱50の外側に位置し、通い箱50の外観として見られるように構成されてよい。識別子54は、例えば二次元コードとして構成されてもよいし、バーコードとして構成されてもよいし、文字又は図形を含んで構成されてもよい。識別子54は、通い箱50の個体を特定する情報を出力するように構成されてよい。識別子54は、通い箱50の個体を特定する情報を無線通信で移動体40又は端末装置20等に出力してよい。識別子54は、これらに限られず、通い箱50の個体を識別可能な種々の態様で構成されてよい。
【0030】
通い箱50は、図1に示されるように、必須ではないが検出部56を更に備える。検出部56は、汚れ若しくは濡れ、又は、破損若しくは変形等によって通い箱50に生じる変化を検出する。検出部56は、通い箱50のクラックを電線の断線によって検出する電流センサ又は抵抗センサ等を備えてよい。検出部56は、通い箱50の汚れ又は濡れを電線の短絡によって検出する電圧センサ又は抵抗センサ等を備えてよい。つまり、検出部56は、通い箱50の異常を電磁気的に検出するセンサを備えてよい。検出部56は、これらに限られず他の種々のセンサを備えてよい。検出部56は、検出結果に基づいて通い箱50の状態そのものの判別結果を出力してもよい。
【0031】
通い箱50は、図1に示されるように、必須ではないが通信部58を更に備える。通信部58は、ネットワーク30を介して管理装置10、移動体40又は端末装置20等の他の機器と通信可能に構成される通信モジュールを含んでよい。通信部58は、検出部56の検出結果を管理装置10に出力してよい。通信部58は、通い箱50の個体を特定する識別子54からの情報を管理装置10に出力してよい。
【0032】
<端末装置20>
端末装置20は、配送物品52を発送するユーザから、配送物品52を発送する場所又は時刻を指定する情報の入力を受け付け、入力された情報を管理装置10に出力してよい。端末装置20は、配送物品52を受け取るユーザから、配送物品52を受け取る場所又は時刻を指定する情報の入力を受け付け、入力された情報を管理装置10に出力してよい。端末装置20は、管理装置10から配送物品52の配送状況に関する情報を取得し、配送物品52を発送したユーザ又は配送物品52を受け取るユーザに配送物品52の配送状況を通知してよい。
【0033】
端末装置20は、1つ以上のプロセッサ又は1つ以上の専用回路を含んで構成されてよい。端末装置20は、記憶部を含んで構成されてよい。端末装置20の記憶部は、管理装置10の記憶部と同一又は類似に構成されてよい。端末装置20は、I/F又は通信モジュールを含んで構成されてもよい。端末装置20のI/F又は通信モジュールは、管理装置10のI/F又は通信モジュールと同一又は類似に構成されてよい。
【0034】
端末装置20は、ユーザから情報又はデータ等の入力を受け付ける入力デバイスを含んで構成されてよい。入力デバイスは、I/F14として説明された種々のデバイスを含んで構成されてよい。また、端末装置20は、ユーザに対して情報又はデータ等を出力する出力デバイスを含んで構成されてよい。出力デバイスは、I/F14として説明された種々のデバイスを含んで構成されてよい。
【0035】
端末装置20は、カメラを含んで構成されてよい。端末装置20は、カメラの撮影画像を管理装置10に出力してよい。
【0036】
管理システム1が備える端末装置20の数は、1つに限られず、2つ以上であってよい。端末装置20は、スマートフォン若しくはタブレット等の携帯端末、又は、ノートPC(Personal Computer)若しくはタブレットPC等のPCを含んで構成されてよい。端末装置20は、これらの例に限られず、種々の機器を含んで構成されてよい。
【0037】
(管理システム1の動作例)
本実施形態に係る管理システム1において、管理装置10は、複数の移動体40のそれぞれの運行を管理する。管理装置10は、移動体40に、配送物品52を配送元で収容させ、配送物品52を配送先に配送させるように、移動体40の運行を管理する。配送元は、配送物品52が発送される場所を含む。配送物品52は、法人又は個人等のユーザから発送されてもよいし、配送物品52を集荷した物流センター等から発送されてもよい。配送先は、配送物品52が受け取られる場所を含む。配送物品52は、法人又は個人等のユーザによって受け取られてもよいし、配送物品52を集荷する物流センター等で受け取られてもよい。配送元又は配送先は、これらの例に限られず種々の場所を含んでよい。
【0038】
また、管理装置10は、通い箱50の状態に関する情報に基づいて通い箱50の保守を計画する。以下、管理装置10の動作例が説明される。
【0039】
<通い箱50の状態に関する情報の取得>
管理装置10の制御部12は、通い箱50の状態に関する情報を取得する。制御部12は、通い箱50の状態に関する情報として、通い箱50が汚れていたり濡れていたりする状態であるかを表す情報を取得してよい。制御部12は、通い箱50の状態に関する情報として、通い箱50が破損していたり変形していたりする状態であるかを表す情報を取得してよい。
【0040】
制御部12は、通い箱50の状態に関する情報として、通い箱50の外観を撮影した画像を取得してよい。通い箱50の外観は、移動体40の検出部48のカメラで撮影されてよい。通い箱50の外観は、端末装置20のカメラで撮影されてもよい。通い箱50の外観は、ユーザの操作によって撮影されてもよいし、自動的に撮影されてもよい。通い箱50の状態に関する情報は、通い箱50の個体を特定する情報を含んでよい。通い箱50の個体を特定する情報は、通い箱50の外観に含まれる識別子54を撮影した画像を含んでよい。通い箱50の個体を特定する情報は、識別子54から移動体40又は端末装置20が無線通信で受信した情報を含んでよい。
【0041】
制御部12は、取得した通い箱50の外観の画像に基づいて、通い箱50の状態を検出する。制御部12は、通い箱50の外観の画像の画像認識処理によって通い箱50の状態を検出してよい。制御部12は、通い箱50の外観の画像を入力したときに通い箱50の状態の判別結果を出力する機械学習済みモデルを用いて通い箱50の状態を検出してもよい。制御部12は、通い箱50を配送元から配送先まで使用したときに、配送元において通い箱50を撮影した画像と配送先において通い箱50を撮影した画像とを比較することによって、通い箱50の状態の変化を検出してもよい。制御部12は、通い箱50の外観の画像に含まれる識別子54の画像に基づいて、通い箱50を特定する情報と通い箱50の状態の検出結果とを関連づけてよい。
【0042】
制御部12は、通い箱50の状態に関する情報として、移動体40の検出部48又は通い箱50の検出部56による検出結果を取得し、取得した検出結果に基づいて通い箱50の状態を検出してよい。制御部12は、移動体40の検出部48又は通い箱50の検出部56から通い箱50の状態の判別結果を取得することによって通い箱50の状態を検出してもよい。移動体40の検出部48又は通い箱50の検出部56は、通い箱50を特定する情報とその通い箱50に関する検出結果とを関連づけて出力してよい。通い箱50を特定する情報は、識別子54に基づく情報を含んでよい。
【0043】
通い箱50が破損していたり変形していたりする場合、通い箱50の外形は、移動体40の本体部42の収容空間において通い箱50を支持する部分の形状に適合しなくなり得る。通い箱50の外形と通い箱50を支持する部分の形状とが適合しないことによって、通い箱50を収容空間に入れたり収容空間から出したりするときに、通い箱50が収容空間の内壁で引っかかり得る。その結果、破損していたり変形していたりする通い箱50を移動体40に出し入れするときにかかる時間が長くなり得る。したがって、制御部12は、移動体40から、通い箱50を移動体40に出し入れするためにかかる時間を取得し、取得した時間に基づいて通い箱50の破損又は変形の状態を検出してよい。制御部12は、通い箱50を移動体40に出し入れするためにかかる時間を、移動体40から取得してよい。制御部12は、通い箱50を移動体40に出し入れするためにかかる時間の実績データを蓄積しておき、実績データに基づいて通い箱50の破損又は変形の状態を検出してよい。制御部12は、通い箱50と移動体40との組み合わせ毎に通い箱50の出し入れにかかる時間の実績データを蓄積しておき、実績データに基づいて構築されたモデルを用いて通い箱50の破損又は変形の状態を検出してもよい。
【0044】
制御部12は、通い箱50の状態に関する情報として、通い箱50を利用したユーザから端末装置20に入力された情報を取得し、取得した情報に基づいて通い箱50の状態を検出してよい。端末装置20は、通い箱50を利用したユーザが気づいた情報の入力を受け付けてよい。端末装置20は、例えば、ユーザが通い箱50を汚れたり濡れたりしていると感じた情報の入力を受け付けてよい。端末装置20は、ユーザが通い箱50を移動体40に出し入れしにくいと感じた情報、又は、通い箱50を破損したり変形したりしていると感じた情報の入力を受け付けてよい。
【0045】
制御部12は、通い箱50の状態に関する情報として、通い箱50の通信部58との通信に関する情報を取得してよい。制御部12は、通い箱50の通信部58との通信が途絶えた場合、その通い箱50の状態が異常になっていると検出してもよい。
【0046】
端末装置20は、通い箱50を利用したユーザによる指示によって通い箱50を撮影してよい。端末装置20は、通い箱50を撮影した画像を、通い箱50の状態に関する情報として管理装置10に出力してよい。制御部12は、通い箱50を撮影した画像に基づいて、通い箱50の状態を検出してよい。制御部12は、通い箱50の状態として、通い箱50のクラック又は凹み等を検出してよい。制御部12は、通い箱50を撮影した画像の画像認識によって通い箱50の状態を検出してよい。制御部12は、通い箱50を撮影した画像を機械学習した学習済みモデルに入力して学習済みモデルから出力される通い箱50の状態の推定結果を通い箱50の状態として検出してよい。
【0047】
端末装置20は、通い箱50を利用したユーザによる通い箱50の評価結果の入力を受け付けてよい。端末装置20は、ユーザによる通い箱50の評価結果を、通い箱50の状態に関する情報として管理装置10に出力してよい。制御部12は、通い箱50が汚れたり破損していたりするような悪い状態として評価されている場合、通い箱50が悪い状態であることを検出してよい。
【0048】
<通い箱50の状態の判定>
制御部12は、通い箱50の状態に関する情報に基づいて、通い箱50の汚れ若しくは濡れ又は破損若しくは変形等の状態を検出する。制御部12は、通い箱50の状態の検出結果に基づいて通い箱50の状態が悪い状態になっているか判定する。
【0049】
制御部12は、通い箱50が配送物品52に影響を及ぼすほどに汚れたり濡れたりしている場合に通い箱50の状態が悪い状態になっていると判定してよい。制御部12は、通い箱50が移動体40に収容できなかったり収容しにくかったりするほどに変形している場合に通い箱50の状態が悪い状態になっていると判定してよい。制御部12は、通い箱50の内部に水又は塵埃等が侵入するほど破損している場合に通い箱50の状態が悪い状態になっていると判定してよい。制御部12は、通い箱50が移動体40又は他の通い箱50を破損させるような形状になっている場合に通い箱50の状態が悪い状態になっていると判定してよい。
【0050】
制御部12は、移動体40の検出部48又は通い箱50の検出部56から通い箱50の状態の判別結果を取得し、取得した判別結果に基づいて通い箱50の状態が悪い状態になっているか判定してよい。制御部12は、移動体40の検出部48又は通い箱50の検出部56の検出結果に基づいて、通い箱50に汚れ若しくは濡れ又は破損若しくは変形に起因する変化が生じたかを判定してよい。つまり、制御部12は、移動体40の検出部48又は通い箱50の検出部56の検出結果に基づいて、通い箱50の状態が悪い状態になっているか判定してよい。制御部12は、端末装置20又は移動体40の検出部48のカメラによる通い箱50の撮影画像に基づいて通い箱50の状態が悪い状態になっているか判定してよい。
【0051】
<通い箱50の保守の計画>
制御部12は、通い箱50の状態が悪い状態になっている場合、通い箱50の保守を計画する。制御部12は、通い箱50の状態に関する情報に基づいて、通い箱50に対して実行する保守作業の内容を決定してよい。
【0052】
制御部12は、例えば、通い箱50が汚れたり濡れたりしている場合、通い箱50の保守作業として清掃したり乾燥させたりすることを決定してよい。制御部12は、通い箱50が破損したり変形したりしている場合、通い箱50の保守作業として修理することを決定してよい。
【0053】
制御部12は、通い箱50の状態が悪い状態になったと判定した場合に、すぐに、その通い箱50を保守するように指示してよい。制御部12は、通い箱50の状態が悪い状態になったと判定したときにその通い箱50に配送物品52が収容されている場合、その配送物品52の配送を完了した後でその通い箱50を保守するように指示してよい。制御部12は、通い箱50の状態が悪い状態になったと判定したときにその通い箱50に収容されている配送物品52をすぐに他の通い箱50に移し替えて配送を継続するように指示してもよい。
【0054】
制御部12は、通い箱50の状態に関する情報に基づいて、通い箱50の状態が修理できない状態であると判定した場合、通い箱50を新しい通い箱50と交換することを決定してよい。つまり、制御部12は、通い箱50の状態に関する情報に基づいて、通い箱50を保守するか交換するか決定してよい。制御部12は、通い箱50を新しい通い箱50と交換することを決定した場合、その通い箱50に収容されている配送物品52をすぐに他の通い箱50に移し替えて配送を継続するように指示してもよい。
【0055】
制御部12は、通い箱50の状態の変化を監視し、通い箱50の状態が悪い状態になるタイミングを推定してよい。制御部12は、通い箱50の状態の推定結果に基づいて、通い箱50の保守をあらかじめ計画してもよい。制御部12は、通い箱50の保守の計画に基づいて、通い箱50を配送作業のために供給するように指示してよい。
【0056】
<インセンティブの付与>
制御部12は、通い箱50の状態に関する情報を端末装置20に入力したり通い箱50を端末装置20で撮影したりしたユーザに対してインセンティブを付与してよい。インセンティブは、例えば、配送料金として使用できるポイント、又は、他のサービスで使用できるポイント等を含んでよい。インセンティブは、配送サービスにおける優先配送を受ける権利等を含んでもよい。制御部12は、ユーザが所持する端末装置20に対してインセンティブに関する情報を送信することによって、ユーザにインセンティブを付与してよい。
【0057】
ユーザは、通い箱50を良好な状態として評価することもある。端末装置20は、ユーザが通い箱50を良好な状態として評価した情報の入力を受け付けてよい。制御部12は、通い箱50が良好な状態として評価された場合、そのように評価したユーザの前にその通い箱50を利用したユーザが通い箱50を適切に取り扱ったとみなしてよい。通い箱50を評価したユーザの前にその通い箱50を利用したユーザは、先行利用ユーザとも称される。制御部12は、先行利用ユーザに対してインセンティブを付与してよい。
【0058】
通い箱50を利用するユーザは、通い箱50の汚れ又は濡れの状態を見て、ユーザ自身で通い箱50を清掃したり乾燥させたりすることがある。また、通い箱50を利用するユーザは、通い箱50の破損又は変形の状態を見て、ユーザ自身で通い箱50を修理することがある。制御部12は、通い箱50の状態に関する情報に基づいて通い箱50の状態の変化を監視する。制御部12は、監視中に通い箱50の状態が良好な状態に変化した場合、そのときに通い箱50を利用していたユーザが通い箱50を保守したと判定してよい。制御部12は、通い箱50を保守したと判定されるユーザに対してインセンティブを付与してよい。
【0059】
<管理方法の手順例>
以上述べてきたように、本実施形態に係る管理システム1において管理装置10の制御部12は、通い箱50の状態に関する情報に基づいて通い箱50の保守を計画できる。制御部12は、例えば図4に例示されるフローチャートの手順を含む管理方法を実行してよい。管理方法は、制御部12に実行させる管理プログラムとして実現されてもよい。
【0060】
制御部12は、通い箱50の状態に関する情報を取得する(ステップS1)。制御部12は、通い箱50の保守が必要であるか判定する(ステップS2)。制御部12は、通い箱50の保守が必要でない場合(ステップS2:NO)、後述するステップS8の手順に進む。制御部12は、通い箱50の保守が必要である場合(ステップS2:YES)、通い箱50の保守が可能であるか判定する(ステップS3)。言い換えれば、制御部12は、通い箱50を修理して使用を継続できるか交換すべきかを判定する。
【0061】
制御部12は、通い箱50の保守が可能と判定した場合(ステップS3:YES)、通い箱50の保守作業の内容を決定し、通い箱50を保守する(ステップS4)。制御部12は、通い箱50の保守をユーザが実行したか判定する(ステップS5)。制御部12は、通い箱50の保守をユーザが実行した場合(ステップS5:YES)、そのユーザにインセンティブを付与する(ステップS6)。制御部12は、通い箱50の保守をユーザが実行していない場合(ステップS5:NO)、ユーザにインセンティブを付与せずに図4のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0062】
制御部12は、通い箱50の保守が可能と判定しなかった場合(ステップS3:NO)、通い箱50を新しい通い箱50に交換する(ステップS7)。制御部12は、ステップS7の手順の実行後、図4のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0063】
ステップS2の判定手順に戻って、制御部12は、通い箱50の保守が必要でない場合(ステップS2:NO)、通い箱50の評価が良好であるか判定する(ステップS8)。制御部12は、通い箱50の評価が良好である場合(ステップS8:YES)、その通い箱50の先行利用ユーザにインセンティブを付与する(ステップS9)。制御部12は、ステップS9の手順の実行後、図4のフローチャートの手順の実行を終了する。制御部12は、通い箱50の評価が良好でない場合(ステップS8:NO)、ユーザにインセンティブを付与せずに図4のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0064】
以上述べてきたように本実施形態に係る管理システム1及び管理装置10並びに管理方法によれば、通い箱50の状態に関する情報に基づいて通い箱50の保守が計画される。このようにすることで、悪い状態になった通い箱50が計画的に保守される。その結果、通い箱50の運用効率が高められる。
【0065】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 管理システム
10 管理装置(12:制御部、14:I/F)
20 端末装置
30 ネットワーク
40 移動体(42:本体部、44:駆動部、46:移動体制御部、48:検出部)
50 通い箱(52:配送物品、54:識別子、56:検出部、58:通信部)
図1
図2
図3
図4