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特許7559811運動評価方法、情報処理装置、運動評価システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】運動評価方法、情報処理装置、運動評価システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20240925BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20240925BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240925BHJP
   A61B 5/107 20060101ALI20240925BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
A63B71/06 M
A63B71/06 T
A63B69/00 C
A61B5/00 G
A61B5/107 300
A61B5/11 200
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022145746
(22)【出願日】2022-09-14
(65)【公開番号】P2024041106
(43)【公開日】2024-03-27
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三本木 正雄
(72)【発明者】
【氏名】小室 覚哉
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-051173(JP,A)
【文献】特開2021-129992(JP,A)
【文献】特開2014-198206(JP,A)
【文献】特開2022-014508(JP,A)
【文献】特開2006-146849(JP,A)
【文献】特開2019-093152(JP,A)
【文献】国際公開第2019/082376(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00 - 71/16
A63B 1/00 - 24/00
A61B 5/00
A61B 5/107
A61B 5/11
G06Q 50/22
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが実行する運動評価方法であって、
ユーザの運動中における体動情報を取得する取得工程と、
前記体動情報に基づいて、前記ユーザの運動中における体の動き又は姿勢に関する複数の項目について評価を行い、前記複数の項目の評価結果に基づいて、前記ユーザが前記運動において改善すべき改善点を導出する導出工程を含む第1評価処理工程と、
前記第1評価処理工程において得られた改善点に関連する項目の評価結果が、過去に前記ユーザが行った前記運動に対して導出された改善点に関連する項目の評価結果より改善した場合に、前記改善に対する評価を行う第2評価処理工程と、
を含む、運動評価方法。
【請求項2】
前記第1評価処理工程において得られた評価結果が、過去に前記ユーザが行った前記運動に対する評価結果より改善しなかった場合に、前記運動が改善していない旨を示す情報を出力する工程を含む、請求項1に記載の運動評価方法。
【請求項3】
前記ユーザを指導するコーチが存在する場合であって、前記第1評価処理工程における評価結果が過去に前記ユーザが行った前記運動に対する評価結果より改善した場合に、前記コーチに対してポイントを付与する第2ポイント付与工程を含む、請求項に記載の運動評価方法。
【請求項4】
前記第2ポイント付与工程は、前記コーチによる指導内容を取得し、前記第1評価処理工程において前記指導内容に関連する項目の評価が改善した場合に、前記コーチに対してポイントを付与する、請求項に記載の運動評価方法。
【請求項5】
コンピュータが実行する運動評価方法であって、
ユーザの運動中における体動情報を取得する取得工程と、
記体動情報に基づいて、前記ユーザの前記運動に対する評価値を算出する第1評価処理工程と
前記第1評価処理工程において得られた前記評価値が、過去に前記ユーザが行った前記運動に対して算出された評価値より改善した場合に、前記第1評価処理工程において得られた前記評価値と過去に前記ユーザが行った前記運動に対して算出された評価値との差分に運動改善付与係数を乗算した値を前記改善に対する評価値として算出する第2評価処理工程と、
を含む動評価方法。
【請求項6】
前記運動改善付与係数は、前記運動の種別に応じて変化する係数である、請求項に記載の運動評価方法。
【請求項7】
前記運動改善付与係数は、前記ユーザが行った過去の前記運動に対する評価値に応じて変化する係数である、請求項に記載の運動評価方法。
【請求項8】
前記運動改善付与係数は、前記体動情報に基づいて算出される前記運動に関する指標に応じて変化する係数である、請求項に記載の運動評価方法。
【請求項9】
コンピュータが実行する運動評価方法であって、
ユーザの運動中における体動情報を取得する取得工程と、
前記体動情報に基づいて、前記ユーザの前記運動に対する評価を行う第1評価処理工程と、
前記第1評価処理工程において得られた評価結果が、過去に前記ユーザが行った前記運動に対する評価結果より改善した場合に、前記改善に対する評価を行う第2評価処理工程と、
前記第1評価処理工程における評価結果と前記第2評価処理工程における評価結果に基づいて、前記ユーザにポイントを付与する第1ポイント付与工程と、
を含む、運動評価方法。
【請求項10】
ユーザの運動中における体動情報を取得し、
前記体動情報に基づいて、前記ユーザの前記運動に対する評価を行う第1評価処理と、
前記第1評価処理によって得られた評価結果が、過去に前記ユーザが行った前記運動に対する評価結果より改善した場合に、前記改善に対する評価を行う第2評価処理と、
前記第1評価処理における評価結果と前記第2評価処理における評価結果に基づいて、前記ユーザにポイントを付与する第1ポイント付与処理と、
を実行する制御部、
を備える情報処理装置。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理装置と、
前記第1評価処理によって得られた評価結果を、前記ユーザの識別情報及び運動日時と対応付けて保存するサーバと、
を備える運動評価システム。
【請求項12】
コンピュータに、
ユーザの運動中における体動情報を取得する処理と、
前記体動情報に基づいて、前記ユーザの前記運動に対する評価を行う第1評価処理と、
前記第1評価処理によって得られた評価結果が、過去に前記ユーザが行った前記運動に対する評価結果より改善した場合に、前記改善に対する評価を行う第2評価処理と、
前記第1評価処理における評価結果と前記第2評価処理における評価結果に基づいて、前記ユーザにポイントを付与する第1ポイント付与処理と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動評価方法、情報処理装置、運動評価システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザに対する評価に応じてポイントを付与するシステムが知られている。例えば、特許文献1には、ユーザ毎に、所定基準に基づいて、安全運転及び/又は環境運転を行っているか否かを判定し、判定結果に応じて、付与するポイント数を算出し、付与されたポイント数を累計して総ポイント数を管理する車両環境サービスシステムが記載されている。
【0003】
また、ユーザが行ったランニングやウォーキングなどの運動を記録する運動アプリケーションにおいて、運動量に応じてポイントを付与するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-293626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のシステムでは、ユーザの運転に改善された点があっても、この改善については評価されていない。
また、従来の運動アプリケーションにおいても、ユーザの運動中における動きや姿勢に改善された点があっても、この改善点については評価されていない。
そのため、ユーザの運動中における動きや姿勢の改善に対するモチベーションを向上させることはできなかった。
【0006】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、ユーザの運動中における動きや姿勢の改善に対するモチベーションを向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、本発明は、
コンピュータが実行する運動評価方法であって、
ユーザの運動中における体動情報を取得する取得工程と、
前記体動情報に基づいて、前記ユーザの運動中における体の動き又は姿勢に関する複数の項目について評価を行い、前記複数の項目の評価結果に基づいて、前記ユーザが前記運動において改善すべき改善点を導出する導出工程を含む第1評価処理工程と、
前記第1評価処理工程において得られた改善点に関連する項目の評価結果が、過去に前記ユーザが行った前記運動に対して導出された改善点に関連する項目の評価結果より改善した場合に、前記改善に対する評価を行う第2評価処理工程と、
を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザの運動における動きや姿勢の改善に対するモチベーションを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】運動評価システムの構成例を示すブロック図である。
図2】情報処理装置の制御部により実行される運動評価処理の流れを示すフローチャートである。
図3】ユーザの目標やケガ防止に効果がある指標の改善状況や目安値との差と、運動改善付与係数への加算値とを対応付けたテーブルの一例を示す図である。
図4図3に示すテーブルをランニングレベルによって変えた例を示す図である。
図5図2のステップS13において情報処理装置の表示部に表示される評価結果画面の一例を示す図である。
図6図2のステップS18において情報処理装置の表示部に表示される評価結果画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0011】
[システム構成]
図1は、本発明の実施形態における運動評価システム100の構成例を示す図である。図1に示すように、運動評価システム100は、情報処理装置1と、サーバ2と、を備えている。情報処理装置1とサーバ2とは、WiFiなどの無線LAN(Local Area Network)、携帯電話通信網、インターネット等を含む通信ネットワークNを介してデータ送受信可能に接続されている。情報処理装置1の台数は、特に限定されない。
【0012】
情報処理装置1は、運動評価アプリ121が搭載されており、ユーザの運動中における体動情報を取得してユーザの運動に対する評価を行い、評価に応じたポイントを付与する。本実施形態における情報処理装置1としては、運動時にユーザが装着可能なもの、例えば、スマートフォン、スマートウォッチ等が適用可能である。
【0013】
[情報処理装置の構成]
情報処理装置1は、図1に示すように、制御部11と、記憶部12と、入力部13と、表示部14と、センサ部15と、計時部16と、通信部17と、電源部18と、を備えて構成され、各部はバス19を介して接続されている。
【0014】
制御部11は、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、情報処理装置1の各部を制御するコンピュータである。具体的には、制御部11のCPUは、記憶部12に記憶されているシステムプログラムや各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムとの協働で、後述する運動評価処理を始めとする各種処理を実行する。
【0015】
記憶部12は、不揮発性の半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。記憶部12は、情報処理装置1のシステムプログラムや各種アプリケーションプログラム、プログラムの実行に必要なデータを記憶する。記憶部12は、情報処理装置1に内蔵されたものに限られず、情報処理装置1に対して着脱可能な外部記録媒体を含んでもよい。
【0016】
本実施形態において、記憶部12は、運動評価アプリ121を記憶している。
また、記憶部12は、運動評価アプリ121を利用するユーザのユーザ情報を記憶している。ユーザ情報としては、例えば、ユーザID、パスワード、ユーザ名、メールアドレス、年齢、性別、身長、体重、目標タイム、保有ポイント数等が含まれる。
【0017】
入力部13は、押しボタンスイッチや表示部14に取り付けられたタッチパネル等で構成されている。入力部13は、ユーザによる押しボタンスイッチの操作信号や画面上の操作信号を制御部11に出力する。
【0018】
表示部14は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)等の表示デバイスにより構成され、制御部11の制御動作に基づいて表示を行う。
【0019】
センサ部15は、3軸加速度センサ、3軸ジャイロセンサ、3軸地磁気センサ、GPS(Global Positioning System)センサ、心拍計等を備えて構成され、加速度、角速度、地磁気、GPS情報、心拍数等の計測データを取得して制御部11に出力する。なお、センサ部15は、その他のセンサ、例えば、温度センサや高度センサ等を備える構成としてもよい。
【0020】
計時部16は、発振回路、分周回路、計時回路等を備え、現在の日時を計時し、計時した結果を制御部11に出力する。
【0021】
通信部17は、通信ネットワークNを介してサーバ2等の外部装置と通信を行うための通信制御を行う。
【0022】
電源部18は、例えば、ボタン電池、二次電池等により構成され、情報処理装置1の各部が動作に要する電力を当該各部へ供給する。
【0023】
[サーバの構成]
サーバ2は、図示しない制御部、通信部等及び記憶部20を備えて構成される。
サーバ2の記憶部20には、図示しない運動評価アプリ121が記憶されており、サーバ2は、情報処理装置1からの要求に応じて、情報処理装置1に運動評価アプリ121を提供する。
【0024】
また、サーバ2の記憶部20には、ユーザDB(Data Base)21、コーチDB22、運動結果DB23が設けられている。
ユーザDB21は、運動評価アプリ121を利用するユーザのユーザ情報を格納するデータベースである。ユーザDB21は、例えば、ユーザID、パスワード、ユーザ名、メールアドレス、年齢、性別、身長、体重、目標タイム、保有ポイント数を含むユーザ情報を格納する。ユーザDB21には、複数のユーザに対応するユーザ情報がそれぞれ記憶される。
コーチDB22は、ユーザに運動を指導するコーチに関するコーチ情報を格納するデータベースである。コーチDB22は、例えば、コーチID、パスワード、コーチ名、指導する運動種別(マラソン、ウォーキング等)、メールアドレス、年齢、性別、保有ポイント数を含むコーチ情報を格納する。コーチDB22には、複数のコーチに対応するコーチ情報がそれぞれ記憶される。
運動結果DB23は、ユーザIDに対応付けて、運動日時、運動種別、運動中に算出された各種指標、評価結果(第1評価値)、付与ポイント、改善点(アドバイス)等を含む運動結果情報を格納するデータベースである。
【0025】
[動作]
次に、本実施形態における運動評価システム100の動作について説明する。
図2は、情報処理装置1の制御部11において実行される運動評価処理の流れを示すフローチャートである。運動評価処理は、例えば、運動評価アプリ121が起動された際に、制御部11と記憶部12に記憶されている運動評価アプリ121との協働により実行される。
【0026】
まず、制御部11は、ユーザ認証を行う(ステップS1)。
例えば、制御部11は、表示部14にユーザID及びパスワードの入力画面を表示し、入力部13により入力されたユーザID及びパスワードを通信部17によりサーバ2に送信する。サーバ2は、入力されたユーザID及びパスワードをユーザDB21に格納されているユーザID及びパスワードと照合し、一致するユーザID及びパスワードがあった場合に、情報処理装置1に認証OKを通知する。制御部11は、サーバ2から認証OKの通知を受信すると、ステップS2以降の処理に進む。
【0027】
ステップS2において、制御部11は、センサ部15の各種センサを起動する(ステップS2)。
【0028】
次いで、制御部11は、運動が開始されたか否かを判断する(ステップS3)。
例えば、制御部11は、表示部14に運動開始を指示するスタートボタンを表示し、ユーザによりスタートボタンが押下された場合に、運動が開始されたと判断する。または、制御部11は、センサ部15によって出力された計測データ(例えば、加速度センサ等の計測データ)を取得し、取得した計測データに基づいて、運動が開始されたか否かを判断してもよい。
【0029】
運動が開始されていないと判断した場合(ステップS3;NO)、制御部11は、ステップS3を繰り返す。
運動が開始されたと判断した場合(ステップS3;YES)、制御部11は、運動種別を判定する(ステップS4)。
【0030】
ステップS4において、制御部11は、例えば、センサ部15によって出力された計測データを取得し、取得した計測データに基づいて、実施されている運動種別を判定する。例えば、制御部11は、取得した計測データに基づいて、片足が常に着地しているか否かを判断し、片足が常に着地している場合はウォーキング、両足とも着地していない状態がある場合はランニングと判断する。
なお、本実施形態では、運動種別がランニング又はウォーキングである場合を例として説明するが、運動種別はこれらに限定されない。
【0031】
運動種別がランニングであると判定した場合(ステップS4;ランニング)、制御部11は、ランニング指標算出処理を実施し(ステップS5)、ステップS7に移行する。
ステップS5において、制御部11は、センサ部15によって出力された計測データを取得し、取得した計測データに基づいて、ユーザのランニングに関する指標であるランニング指標を算出する。運動中に取得される計測データは、ユーザの運動中における体の動きや姿勢を示す体動情報である。ステップS5で算出されるランニング指標には、例えば、ペース、タイム、走行タイム、走行距離、ピッチ[steps/min]、ストライド[m]、ストライド身長比、上下動[cm]、上下動身長比[%]、腰の沈み込み[%]、骨盤の左右傾き[°]、骨盤の回転[°]、体幹の後傾[°]、接地時間[ms]、着地衝撃[m/s2]、・・・等が挙げられる。制御部11は、算出したランニング指標を運動開始からの時間(又は日時)に対応付けてRAMに記憶する。また、制御部11は、算出したランニング指標の少なくとも一部(例えば、ペース、タイム、走行距離等)を表示部14に表示する。なお、情報処理装置1が音声出力部を備えている場合、ランニング指標の少なくとも一部を音声出力することとしてもよい。
【0032】
運動種別がウォーキングであると判定した場合(ステップS4;ウォーキング)、制御部11は、ウォーキング指標算出処理を実施し(ステップS6)、ステップS7に移行する。
ステップS6において、制御部11は、センサ部15によって出力された計測データを取得し、取得した計測データに基づいて、ユーザのウォーキングに関する指標であるウォーキング指標を算出する。ステップS6で算出されるウォーキング指標には、例えば、ペース、タイム、歩行タイム、歩行距離、ピッチ[steps/min]、ストライド[m]、ストライド身長比、・・・等が挙げられる。制御部11は、算出したウォーキング指標を運動開始からの時間(又は日時)に対応付けてRAMに記憶する。また、制御部11は、算出したウォーキング指標の少なくとも一部(例えば、ペース、タイム、歩行距離等)を表示部14に表示する。なお、情報処理装置1が音声出力部を備えている場合、ウォーキング指標の少なくとも一部を音声出力することとしてもよい。
【0033】
ステップS7において、制御部11は、運動が終了したか否かを判断する(ステップS7)。
例えば、制御部11は、運動が開始されると、表示部14に運動終了を指示する終了ボタンを表示し、ユーザにより終了ボタンが押下された場合に、運動が終了したと判断する。または、制御部11は、センサ部15によって出力された計測データ(例えば、加速度センサ等の計測データ)を取得し、取得した計測データに基づいて、運動が終了したか否かを判断してもよい。なお、運動種別が変わった場合においても、運動が終了したと判断することとしてもよい。
【0034】
運動が終了していないと判断した場合(ステップS7;NO)、制御部11は、ステップS4に戻る。
運動が終了したと判断した場合(ステップS7;YES)、制御部11は、ステップS5又はステップS6において算出した指標に基づいて、今回の運動に対する評価(第1評価)を行う第1評価処理を実行する(ステップS8)。
【0035】
第1評価処理において、制御部11は、例えば、運動開始から運動終了までに算出した指標に基づいて、ユーザの運動中における動きや姿勢に関する複数の項目(例えば、腰の位置の安定性、脚の引き上げの高さ、地面の蹴り出しの力強さ、姿勢の左右バランス、姿勢の良さ、接地に対するふらつきの少なさ等)に対して採点し、それらの採点結果から今回の運動に対する評価値(第1評価値)を算出する。
例えば、採点する各項目ごとに、その項目に関連する複数の指標(その項目を採点するにあたって使用する複数の指標)と、関連する指標の値からその項目の値を算出するための算出式が予め定め記憶部12に記憶されており、制御部11は、予め記憶された算出式に従って、各項目について採点し、各項目の採点結果の代表値(例えば、平均値や合計値)を今回の運動に対する評価値(第1評価値)として算出する。関連する指標の値からその項目の値を算出する際には、各指標の値とその指標のペースごとの目安値(教師データ)との差や比を用いてもよい。
【0036】
次いで、制御部11は、今回の運動に対する評価と過去に行った同じ種別の運動に対する評価との比較に基づいて、運動の改善に対する評価(第2評価)を行う第2評価処理を実行する(ステップS9)。
第2評価処理において、制御部11は、例えば、まず、ステップS1で実施された認証処理で入力されたユーザIDをサーバ2に送信し、運動結果DB23に格納されている、当該ユーザIDに対応する、今回と同じ種別の運動に対する過去の運動結果情報をサーバ2から取得する。取得する過去の運動結果情報は、初回の運動時のものであってもよいし、前回の運動時のものであってもよい。次いで、制御部11は、今回の第1評価値と過去の第1評価値との差分を算出して、今回の運動に対する評価結果が過去(初回又は前回)の運動に対する評価結果より改善したか否かを判断する。すなわち、今回の第1評価値-過去の第1評価値>0である場合に、今回の運動に対する評価結果が過去の運動に対する評価結果より改善したと判断する。そして、今回の運動に対する評価結果が過去の運動に対する評価結果より改善した場合、運動の改善に対する評価(第2評価)を行う。本実施形態では、今回の第1評価値と過去の第1評価値との差分値に運動改善付与係数を乗算して、第2評価値を算出する。なお、今回の第1評価値-過去の第1評価値≦0である場合(つまり、今回の運動に対する評価結果が過去(初回又は前回)の運動に対する評価結果より改善しなかった場合)は、第2評価値は0とする。
【0037】
このように、第2評価処理では、ユーザの運動中の体動情報に基づく第1評価の評価結果が改善した場合、すなわち、ユーザの運動中における動きや姿勢が改善した場合に、プラスの評価を行うので、ユーザの運動中の動きや姿勢の改善に対するモチベーションを向上させることが可能となる。
【0038】
ここで、運動改善付与係数は、一律の値であってもよいし、運動種別によって異なる係数であってもよい。例えば、ランニングを1.2、ウォーキング0.7とするなど、運動種別ごとの運動強度によって係数を変化させてもよい。
【0039】
また、過去の第1評価値が高いほど、評価(点数)を上げることが難しくなる。例えば、第1評価値を10点アップさせるにしても、10点から20点に上げるよりも、80点から90点に上げるほうが難しい。そこで、この点を運動改善付与係数に反映させ、過去の第1評価値に応じて、運動改善付与係数を変化させてもよい。例えば、過去の第1評価値が高いほど運動改善付与係数を高くすることとしてもよい。例えば、過去の第1評価値が1~60点であれば運動改善付与係数を1.0とし、60~70点であれば運動改善付与係数を1.05とし、70~80点であれば運動改善付与係数を1.1とし、80~90点であれば運動改善付与係数を1.15とし、90~100点であれば運動改善付与係数を1.2とする。
【0040】
または、算出された指標の値に基づいて、運動改善付与係数を変化させることとしてもよい。例えば、図3に示すように、ユーザの目標(タイム等)やケガ防止に効果がある指標の改善状況(例えば、ペースの短縮時間、走行タイムの短縮時間、走行距離の延び)や目安との差(例えば、着地衝撃の各ペースの目安値との差等)と、運動改善付与係数への加算値と、を対応付けたテーブルを記憶部12に記憶しておき、算出された各指標の値に該当する加算値をテーブルから取得して加算(又は初期値に加算)することにより、運動改善付与係数を算出することとしてもよい。例えば、運動改善付与係数の初期値が1.0であって、指標の1つであるペース(時間/km)が前回よりも6秒短縮している場合、運動改善付与係数は、1.0に0.03(ペースの短縮時間が5秒より大きい場合の加算値)を加えた1.03になる。
【0041】
また、図3図4に示すように、運動改善付与係数の算出に用いる指標の種類及び条件と運動改善付与係数への加算値との対応関係は、ユーザの運動レベルに応じて変化させてもよい。ユーザの運動レベルによって、高く評価すべき点も異なるからである。例えば、ランニングを例にとると、ランニングレベルの低い初心者の場合、1回当たりの走行距離が延びるだけでも評価すべきであるが、ランニングレベルの高い上級者の場合は、目標タイムとの差がどのくらいか、正しいフォームで走れるか、などの質が重要になってくる。そこで、図3図4に示すように、運動改善付与係数の算出に用いる指標の種類及び条件と運動改善付与係数との対応関係を、ユーザの運動レベルに応じて変化させる。なお、運動レベルは、所定の種類の指標や第1評価値の値等により決定することができる。例えば、ランニングレベルであれば、ペースによって決定することができる。
【0042】
また、例えば、一定したペースで運動できたか否かによって運動改善付与係数を変化させてもよい。例えば、制御部11は、ユーザが5kmをランニングした際に取得した1km毎の時間である、5つのペースの値に対して、それぞれ差分を算出し、当該差分が所定の閾値以下である場合に、通常の運動改善付与係数よりも高い値を設定してもよい。また、制御部11は、当該差分が所定の閾値より大きい場合に、通常の運動改善付与係数よりも低い値を設定してもよい。
【0043】
次いで、制御部11は、ユーザにポイントを付与する(ステップS10)。
例えば、制御部11は、以下の(式1)によりユーザへの付与ポイントを算出する。
付与ポイント=第1評価値×運動種別係数+運動距離×距離係数+第2評価値
・・・(式1)
ここで、運動種別係数は、運動種別によって変わる係数である。本実施形態では、例えば、ランニングの運動種別係数が2、ウォーキングの運動種別係数が1とするが、これに限定されるものではない。
距離係数は、予め定められた係数である。本実施形態では、例えば、距離係数を1とするが、これに限定されるものではない。
【0044】
次いで、制御部11は、指導コーチの有無をユーザに選択させる(ステップS11)。例えば、表示部14に指導コーチの有無を選択するためのポップアップ画面を表示させ、ユーザに指導コーチの有無を選択させる。
【0045】
指導コーチなしが選択された場合(ステップS11;無)、制御部11は、第1評価処理で算出された項目ごとの点数に基づいて、ユーザの運動中における動きや姿勢の改善点及びアドバイスを導出する(ステップS12)。
例えば、制御部11は、第1評価処理で算出された複数の項目のうち、所定の条件に合致する項目、例えば、予め定められた閾値より点数が低い項目を改善点(改善すべき項目)とする。そして、改善すべき項目に関連する指標のうち、所定の条件に合致する指標、例えば、指標の値が予め定められた範囲からはずれている指標に基づいて、アドバイスを導出する。例えば、指標ごとに、予め定められた範囲(基準範囲)と、当該範囲からはずれている場合のアドバイスとを対応付けて記憶部12に記憶しておき、記憶部12に記憶されている情報に基づいて、アドバイスを導出する。
なお、各項目の点数と比較する閾値は、目標タイム又はユーザのレベルに応じて変化させることとしてもよい。
【0046】
次いで、制御部11は、評価結果、付与ポイント、改善点及びアドバイスを表示部14に表示する(ステップS13)。
図5は、ステップS13において表示部14に表示される評価結果画面141の一例を示す図である。図5に示すように、評価結果画面141には、第1のレーダーチャート141a、第2のレーダーチャート141b、改善に対する評価値(第2評価値)141c、付与ポイント141d、ペース141e、改善点及びアドバイス141fが表示されている。第1のレーダーチャート141aは、今回の運動における複数の項目の点数を示すレーダーチャートである。第1のレーダーチャート141aの中央には、今回の運動に対する評価値(第1評価値)が表示されている。第2のレーダーチャート141bは、過去(前回又は初回)の運動における複数の項目のそれぞれの点数を示すレーダーチャートである。第2のレーダーチャート141bの中央には、過去の運動に対する評価値(第1評価値)が表示されている。改善に対する評価値(第2評価値)141cは、第1評価値に改善があった場合にのみ表示される。また、第2評価値が0の場合(つまり、今回の運動に対する評価結果が過去(初回又は前回)の運動に対する評価結果より改善しなかった場合)、改善に対する評価値(第2評価値)141cには、運動に対する改善が無かったことを示す情報が表示されてもよい。当該情報としては、例えば「0点」又は「運動が改善されていません。」等の文字情報である。
【0047】
図5に示すように、過去に比べて運動に対する評価に改善があった場合、運動の改善に対する評価値141cが表示されるので、ユーザの運動中の動きや姿勢の改善に対するモチベーションを向上させることが可能となる。また、運動の改善による評価値141cを加味した付与ポイント141dが付与されるので、ユーザの運動中の動きや姿勢の改善に対するモチベーションをより一層向上させることが可能となる。
また、改善点及びアドバイス141fが表示されるので、どのようにすれば運動中の動きや姿勢を改善できるのかをユーザが知ることができ、運動中の動きや姿勢を効率よく改善できるよう支援することができる。
【0048】
そして、制御部11は、運動日時、運動種別、運動中に算出された各種指標、評価結果(第1評価値)、付与ポイント、改善点及びアドバイス等をユーザIDに対応付けて運動結果情報として通信部17によりサーバ2に送信し、運動結果情報及びポイントをサーバ2の記憶部20に保存させ(ステップS14)、運動評価処理を終了する。
サーバ2においては、情報処理装置1から運動結果情報を受信すると、受信した情報をユーザIDに対応付けて運動結果DB23に記憶する。また、受信したユーザIDのユーザ情報をユーザDB21から読み出して、その保有ポイント数に受信した運動結果情報に含まれる付与ポイントを加算する。
【0049】
一方、ステップS11において、指導コーチありが選択された場合(ステップS11;有)、制御部11は、ユーザに指導コーチを選択又は登録させる(ステップS15)。
例えば、制御部11は、表示部14にコーチの検索画面を表示し、検索画面から入力された情報をサーバ2に送信し、検索条件に該当するコーチのコーチ情報を表示部14に表示させる。そして、表示されたコーチの中から指導コーチを選択させる。指導コーチがサーバ2に登録されていない場合には、コーチ登録画面を表示部14に表示させ、コーチ情報を登録させ、登録されたコーチ情報をサーバ2に送信する。サーバ2は、コーチ情報を受信すると、コーチIDを発行し、受信したコーチ情報をコーチIDに対応付けてコーチDB22に記憶する。
【0050】
次いで、制御部11は、指導コーチにポイントを付与する(ステップS16)。
例えば、制御部11は、今回の第1評価値と過去の第1評価値との差分値に運動改善付与係数を乗算して指導コーチへの付与ポイントを算出する。運動改善付与係数は、第2評価値の算出に用いたものを使用してもよいし、コーチ専用の運動改善付与係数を使用してもよい。コーチ専用の運動改善付与係数についても、第2評価値の算出に用いたものと同様に、可変としてもよい。また、指導コーチのアドバイス等によって、ユーザに付与される付与ポイント(ユーザ付与ポイントと称す)の値に応じて、指導コーチに付与するポイント(コーチ付与ポイントと称す)の値を変更するようにしてもよい。例えば、ユーザ付与ポイントが第1の範囲の場合はコーチ付与ポイントを10として、ユーザ付与ポイントが第2の範囲(第1の範囲とは異なり、第1の範囲より値が大きい)の場合はコーチ付与ポイントを20としてもよい。また、指導コーチのアドバイス等によって、ユーザの第2評価値を算出するための運動改善付与係数に図3で示すような加算値が加えられた場合、コーチ付与ポイントを算出するための運動改善付与係数に対しても、例えば初期値に対して所定の値を加算するようにしてもよい。
このように、指導コーチがいる場合、ユーザの運動が改善した場合にコーチにもポイントを付与することで、コーチの指導に対するモチベーションも向上させることが可能となる。
【0051】
次いで、制御部11は、第1評価処理で算出された項目ごとの点数に基づいて、ユーザの運動中における動きや姿勢の改善点を導出する(ステップS17)。
改善点の導出手法については、ステップS12で説明したものと同様であるので説明を援用する。なお、ステップS12のようにアドバイスも併せて導出してもよい。
【0052】
次いで、制御部11は、評価結果、ユーザへの付与ポイント、コーチへの付与ポイント及び改善点を表示部14に表示する(ステップS18)。
図6は、ステップS18において表示部14に表示される評価結果画面142の一例を示す図である。図6に示すように、評価結果画面142には、第1のレーダーチャート142a、第2のレーダーチャート142b、改善による評価値(第2評価値)142c、ユーザ付与ポイント142d、ペース142e、改善点142f、コーチ付与ポイント142gが表示されている。
なお、制御部11は、コーチにより指導されている場合であっても、アドバイスを導出して評価結果画面142に表示することとしてもよい。
【0053】
そして、制御部11は、運動日時、運動種別、運動中に算出された各種指標、評価結果(第1評価値)、付与ポイント、改善点(及びアドバイス)等をユーザIDに対応付けて運動結果情報として通信部17によりサーバ2に送信し、運動結果情報及びポイントをサーバ2の記憶部20に保存させる(ステップS19)。
サーバ2においては、情報処理装置1から運動結果情報を受信すると、受信した情報をユーザIDに対応付けて運動結果DB23に記憶する。また、受信したユーザIDのユーザ情報をユーザDB21から読み出して、その保有ポイント数に受信した運動結果情報に含まれる付与ポイントを加算する。
【0054】
また、制御部11は、ステップS15で選択されたコーチIDに対応付けてコーチへの付与ポイントの情報を通信部17によりサーバ2に送信し、コーチへの付与ポイントをサーバ2の記憶部20に保存させ(ステップS20)、運動評価処理を終了する。
サーバ2においては、情報処理装置1からコーチID及びコーチへの付与ポイントの情報を受信すると、受信したコーチIDに対応するコーチ情報をコーチDB22から読み出して、コーチ情報に含まれる保有ポイント数に受信した付与ポイントを加算する。
【0055】
以下、上記実施形態の変形例について説明する。
【0056】
(変形例1)
本実施形態において、制御部11は、今回の第1評価値が過去の第1評価値よりも高い場合、今回の運動に対する評価結果が過去の運動に対する評価結果より改善したと判断して改善に対する評価(第2評価)を行ったが、これに限定されない。
例えば、制御部11は、第1評価処理において、過去にユーザが行った、今回と同じ種別の運動に対して導出された改善点(例えば、前回の運動に対する改善点)に関連する項目の評価結果(点数)が改善した場合に、今回の運動に対する評価結果が過去の運動に対する評価結果より改善したと判断して改善に対する評価(第2評価)を行うこととしてもよい。
これにより、改善点として指摘された項目について改善しようとするモチベーションを高めることができる。
【0057】
(変形例2)
上記実施形態において、制御部11は、コーチの指導の下、過去よりも第1評価値が改善した(上がった)場合にコーチに対してポイントを付与したが、コーチの指導内容に関連する項目の評価(点数)が改善した場合に、コーチに対してポイントを付与することとしてもよい。
例えば、制御部11は、選択されたコーチによる運動に対する指導内容を選択するためのプルダウンメニュー等を表示部14に表示し、ユーザにより選択された指導内容をコーチによる運動に対する指導内容として取得する。プルダウンメニューの各選択肢には、その指導内容に関連する項目(第1評価処理で点数が算出される複数の項目のうちのいずれか)が予め対応付けられており、選択された指導内容に関連する項目の評価が改善した場合に、コーチに対してポイントを付与する。
これにより、コーチが指導の質を高めようとするモチベーションをさらに向上させることが可能となる。
【0058】
(変形例3)
運動に対する評価がもとから高い人は、それ以上評価を上げる(点数を上げる)ことは難しい。そこで、高い評価(点数)を維持した場合に所定のポイントを付与してもよい。例えば、制御部11は、過去の第1評価値が所定の閾値以上であって、その第1評価値が今回も維持された場合は、所定のポイントを付与する。
あるいは、予め定められた指標が改善した場合にその指標を点数に換算した値の前回との差分に運動改善付与係数を乗算して第2評価値としてもよい。
【0059】
(変形例4)
毎日運動をすることに対するモチベーションを高めるため、制御部11は、ユーザが所定日数連続して同じ種別の運動をした場合に、付与するポイントを増やすこととしてもよい。例えば、ポイントの算出に用いるいずれかの係数(運動種別係数、距離係数又は運動改善付与係数)を大きくしたり、所定数のポイントをプラスして付与したりしてもよい。
また、運動評価アプリ121によって提案されているトレーニングに対応する行動をした場合にいずれかの係数を大きくしたり所定数のポイントをプラスして付与したりしてもよい。
また、走ったときの状況(天気、気温、高度、道のアップダウン等)を考慮して、(式1)のいずれかの係数を大きくしたり、所定数のポイントをプラスして付与したりしてもよい。例えば、制御部11は、天気が所定の天気(例えば、雨や雪)である場合、気温や高度が所定の閾値以上である場合、又は高度の変化(高低差)が所定の閾値以上である場合に、いずれかの係数を上げたり、所定数のポイントをプラスして付与したりしてもよい。
【0060】
(変形例5)
上記実施形態においては、情報処理装置1内にセンサ部15を備える構成としたが、ユーザの運動中における体動に関する計測データ(体動情報)を取得するセンサは、情報処理装置1とは別体であってもよい。例えば、運動時にユーザに装着されるスマートウォッチ等の外部装置にセンサが備えられ、制御部11は、通信部17又はBluetooth(登録商標)通信により外部装置から体動情報を取得することとしてもよい。また、例えば、制御部11は、通信部17により運動時にユーザに装着されるモーションセンサから体動情報を取得することとしてもよい。なお、センサと情報処理装置1が別体である場合、情報処理装置1は、タブレット端末やPC(Personal Computer)等、ユーザに装着可能できない装置であってもよい。
【0061】
上記実施形態では、情報処理装置1とサーバ2との協働により上記処理を実行したが、本発明はこれに限定されない。例えば、情報処理装置1が、サーバ2の記憶部20に記憶されているユーザDB21、コーチDB22、運動結果DB23を予め取得し、情報処理装置1の記憶部12に記憶することにより、情報処理装置1が単独で上記処理を実行することができる。また、サーバ2が、運動評価アプリ121を実行し、情報処理装置1のセンサ部15によって出力された計測データを取得し、図2に示す運動評価処理のフローチャートのステップS4以降の処理を実行してもよい。
【0062】
以上説明したように、情報処理装置1の制御部11は、ユーザの運動中における体動情報を取得し、取得した体動情報に基づいて、ユーザの運動に対する評価を行い、得られた評価結果が、過去にユーザが行った前記運動に対する評価結果より改善した場合に、その改善に対する評価を行う。
したがって、ユーザの運動における動きや姿勢の改善に対するモチベーションを向上させることが可能となる。
【0063】
例えば、制御部11は、ユーザの運動中における体動情報に基づいて、ユーザの運動中における体の動き又は姿勢に関する複数の項目について評価を行い、過去にユーザが行った前記運動に対して導出された改善点に関連する項目の評価結果が改善した場合に、改善に対する評価を行う。
したがって、改善点として指摘された項目について改善しようとするモチベーションを向上させることができる。
【0064】
また、制御部11は、ユーザの運動に対する評価結果と改善に対する評価結果に基づいて、ユーザにポイントを付与する。
したがって、ユーザの運動における動きや姿勢の改善に対するモチベーションをより一層向上させることが可能となる。
【0065】
また、制御部11は、ユーザを指導するコーチが存在する場合であって、ユーザの運動に対する評価結果が過去のユーザの前記運動に対する評価結果より改善した場合に、コーチに対してポイントを付与する。
したがって、コーチの指導に対するモチベーションを向上させることができる。
【0066】
例えば、制御部11は、コーチによる指導内容を取得し、取得した指導内容に関連する項目の評価が改善した場合に、コーチに対してポイントを付与する。
したがって、コーチが指導の質を高めようとするモチベーションをさらに向上させることが可能となる。
【0067】
また、制御部11は、取得した体動情報に基づいて、ユーザの前記運動に対する評価値を算出し、得られた評価値と過去にユーザが行った前記運動に対して算出された評価値との差分に運動改善付与係数を乗算した値を改善に対する評価値として算出する。
したがって、過去との差が大きいほど(改善の幅が大きいほど)高い評価値がつくので、ユーザの運動における動きや姿勢の改善に対するモチベーションをより一層向上させることが可能となる。
【0068】
例えば、運動改善付与係数を運動の種別に応じて変化する係数とすることで、運動の種別に応じた評価を行うことが可能となる。
【0069】
また、例えば、運動改善付与係数を、ユーザが行った過去の前記運動に対する評価値に応じて変化する係数とすることで、例えば、過去の評価値が高く、評価値を上げることが難しいユーザに対しても正当な評価を行うことが可能となる。
【0070】
また、例えば、運動改善付与係数を、体動情報に基づいて算出される運動に関する指標に応じて変化する係数とすることで、例えば、ユーザの目標やケガ防止に効果がある指標が改善した場合に高く評価することが可能となる。
【0071】
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明の実施形態の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0072】
例えば、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として半導体メモリやHDD等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0073】
以上、本発明の実施形態や変形例を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施形態や変形例等に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0074】
100 運動評価システム
1 情報処理装置
11 制御部
12 記憶部
13 入力部
14 表示部
15 センサ部
16 計時部
17 通信部
18 電源部
19 バス
2 サーバ
20 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6