IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気株式会社の特許一覧

特許7559825コンテンツ送信装置、コンテンツ送信方法およびプログラム
<>
  • 特許-コンテンツ送信装置、コンテンツ送信方法およびプログラム 図1
  • 特許-コンテンツ送信装置、コンテンツ送信方法およびプログラム 図2
  • 特許-コンテンツ送信装置、コンテンツ送信方法およびプログラム 図3
  • 特許-コンテンツ送信装置、コンテンツ送信方法およびプログラム 図4
  • 特許-コンテンツ送信装置、コンテンツ送信方法およびプログラム 図5
  • 特許-コンテンツ送信装置、コンテンツ送信方法およびプログラム 図6
  • 特許-コンテンツ送信装置、コンテンツ送信方法およびプログラム 図7
  • 特許-コンテンツ送信装置、コンテンツ送信方法およびプログラム 図8
  • 特許-コンテンツ送信装置、コンテンツ送信方法およびプログラム 図9
  • 特許-コンテンツ送信装置、コンテンツ送信方法およびプログラム 図10
  • 特許-コンテンツ送信装置、コンテンツ送信方法およびプログラム 図11
  • 特許-コンテンツ送信装置、コンテンツ送信方法およびプログラム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】コンテンツ送信装置、コンテンツ送信方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240925BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022551061
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(86)【国際出願番号】 JP2020036382
(87)【国際公開番号】W WO2022064652
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昂右
(72)【発明者】
【氏名】高橋 伸寿
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/016466(WO,A1)
【文献】特開2016-162215(JP,A)
【文献】特開2001-325347(JP,A)
【文献】特開2002-351911(JP,A)
【文献】特開2004-206576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転免許の更新対象者の講習区分と、眼鏡等の着用の要否または補聴器等の着用の要否の少なくとも何れかを含む免許条件とに基づいて、運転免許更新講習のためのコンテンツを選択するコンテンツ選択手段と、
前記更新対象者を特定する情報と、その更新対象者が使用する端末装置を特定する情報とを含み、運転免許更新手続前にその端末装置に前記コンテンツを送信する事前送信を要求する事前送信要求を取得する事前送信要求取得手段と、
前記更新対象者を特定する情報に基づいて、前記事前送信の可否を判定する可否判定手段と、
前記可否判定手段が事前送信可能と判定した場合に、選択された前記コンテンツを、前記事前送信要求で特定される端末装置に送信するコンテンツ送信手段と、
を備えるコンテンツ送信装置。
【請求項2】
前記可否判定手段は、前記更新対象者の講習区分または違反履歴の少なくとも何れかに基づいて、前記事前送信の可否を判定する、
請求項1に記載のコンテンツ送信装置。
【請求項3】
前記可否判定手段は、現在時刻が、運転免許の有効期限に応じて定まる事前受講可能期間内に該当するか否かに基づいて、前記事前送信の可否を判定する、
請求項1または請求項2に記載のコンテンツ送信装置。
【請求項4】
前記可否判定手段は、前記事前送信要求で特定される前記更新対象者の免許が有効か否かに基づいて、前記事前送信の可否を判定する、
請求項1から3の何れか一項に記載のコンテンツ送信装置。
【請求項5】
前記可否判定手段は、事前送信不可と判定した場合、免許更新手続時に運転免許更新講習を受講するように前記更新対象者に促す通知を前記端末装置に行わせる
請求項1から4の何れか一項に記載のコンテンツ送信装置。
【請求項6】
前記コンテンツ選択手段は、さらに、前記更新対象者の住所に基づいて前記コンテンツを選択する、
請求項1から5の何れか一項に記載のコンテンツ送信装置。
【請求項7】
前記コンテンツ選択手段は、さらに、前記更新対象者の性別に基づいて前記コンテンツを選択する、
請求項1から5の何れか一項に記載のコンテンツ送信装置。
【請求項8】
コンテンツの評価値として、コンテンツ視聴前後での違反または事故の減少の度合いを、コンテンツ毎、かつ、コンテンツ選択基準の項目毎に算出するコンテンツ評価手段
をさらに備え、
前記コンテンツ選択手段は、さらに、コンテンツの評価がより良い項目に該当する更新対象者に対して、そのコンテンツを選択する、
請求項1から7の何れか一項に記載のコンテンツ送信装置。
【請求項9】
前記コンテンツ選択手段は、さらに、前記更新対象者の性格診断の結果に応じて前記コンテンツを選択する、
請求項1から8の何れか一項に記載のコンテンツ送信装置。
【請求項10】
コンテンツ送信装置が、
運転免許の更新対象者の講習区分と、眼鏡等の着用の要否または補聴器等の着用の要否の少なくとも何れかを含む免許条件とに基づいて、運転免許更新講習のためのコンテンツを選択することと、
前記更新対象者を特定する情報と、その更新対象者が使用する端末装置を特定する情報とを含み、運転免許更新手続前にその端末装置に前記コンテンツを送信する事前送信を要求する事前送信要求を取得することと、
前記更新対象者を特定する情報に基づいて、前記事前送信の可否を判定することと、
事前送信可能と判定した場合に、選択された前記コンテンツを、前記事前送信要求で特定される端末装置に送信することと、
を含むコンテンツ送信方法。
【請求項11】
コンピュータに、
運転免許の更新対象者の講習区分と、眼鏡等の着用の要否または補聴器等の着用の要否の少なくとも何れかを含む免許条件とに基づいて、運転免許更新講習のためのコンテンツを選択することと、
前記更新対象者を特定する情報と、その更新対象者が使用する端末装置を特定する情報とを含み、運転免許更新手続前にその端末装置に前記コンテンツを送信する事前送信を要求する事前送信要求を取得することと、
前記更新対象者を特定する情報に基づいて、前記事前送信の可否を判定することと、
事前送信可能と判定した場合に、選択された前記コンテンツを、前記事前送信要求で特定される端末装置に送信することと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ送信装置、コンテンツ送信方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
運転免許の更新に関して幾つかの技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載の運転免許証更新条件決定装置では、運転免許証の更新条件を車両の運行履歴情報に対応付けて定義しておく。そして、この運転免許証更新条件決定装置は、車載装置を用いて得られる運転者の運行履歴情報に基づいて、運転免許証の更新条件を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2016-162215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
運転免許更新の講習について、更新対象者の運転履歴情報に限らず講習の効果を得易いように、更新対象者に応じた講習を提供できることが好ましい。
【0005】
本発明の目的の一例は、上記の問題を解決することができるコンテンツ送信装置、コンテンツ送信方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様によれば、コンテンツ送信装置は、運転免許の更新対象者の講習区分と、眼鏡等の着用の要否または補聴器等の着用の要否の少なくとも何れかを含む免許条件とに基づいて、運転免許更新講習のためのコンテンツを選択するコンテンツ選択手段と、前記更新対象者を特定する情報と、その更新対象者が使用する端末装置を特定する情報とを含み、運転免許更新手続前にその端末装置に前記コンテンツを送信する事前送信を要求する事前送信要求を取得する事前送信要求取得手段と、前記更新対象者を特定する情報に基づいて、前記事前送信の可否を判定する可否判定手段と、前記可否判定手段が事前送信可能と判定した場合に、選択された前記コンテンツを、前記事前送信要求で特定される端末装置に送信するコンテンツ送信手段と、を備える
【0007】
本発明の第の態様によれば、コンテンツ送信方法は、コンテンツ送信装置が、運転免許の更新対象者の講習区分と、眼鏡等の着用の要否または補聴器等の着用の要否の少なくとも何れかを含む免許条件とに基づいて、運転免許更新講習のためのコンテンツを選択することと、前記更新対象者を特定する情報と、その更新対象者が使用する端末装置を特定する情報とを含み、運転免許更新手続前にその端末装置に前記コンテンツを送信する事前送信を要求する事前送信要求を取得することと、前記更新対象者を特定する情報に基づいて、前記事前送信の可否を判定することと、事前送信可能と判定した場合に、選択された前記コンテンツを、前記事前送信要求で特定される端末装置に送信することと、を含む
【0008】
本発明の第の態様によれば、プログラムは、コンピュータに、運転免許の更新対象者の講習区分と、眼鏡等の着用の要否または補聴器等の着用の要否の少なくとも何れかを含む免許条件とに基づいて、運転免許更新講習のためのコンテンツを選択することと、前記更新対象者を特定する情報と、その更新対象者が使用する端末装置を特定する情報とを含み、運転免許更新手続前にその端末装置に前記コンテンツを送信する事前送信を要求する事前送信要求を取得することと、前記更新対象者を特定する情報に基づいて、前記事前送信の可否を判定することと、事前送信可能と判定した場合に、選択された前記コンテンツを、前記事前送信要求で特定される端末装置に送信することと、を実行させるためのプログラムである
【発明の効果】
【0009】
上記したコンテンツ送信装置、コンテンツ送信方法およびプログラムによれば、講習の効果を得易いことが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る講習システムの装置構成の例を示す概略構成図である。
図2】実施形態に係るコンテンツ送信装置の機能構成の例を示す概略ブロック図である。
図3】実施形態に係る事前受講端末装置の機能構成の例を示す概略ブロック図である。
図4】実施形態に係る手続時受講端末装置の機能構成の例を示す概略ブロック図である。
図5】実施形態に係るコンテンツ送信装置が事前受講端末装置に事前講習のコンテンツを送信する処理手順の例を示すフローチャートである。
図6】実施形態に係るコンテンツ送信装置が手続時受講端末装置に手続時講習のコンテンツを送信する処理手順の例を示すフローチャートである。
図7】実施形態に係るコンテンツ送信装置がコンテンツの評価を行う処理手順の例を示す図である。
図8】実施形態に係る事前受講端末装置が、事前受講可能期間内である旨をユーザに通知する処理手順の例を示すフローチャートである。
図9】実施形態に係る事前受講端末装置が事前講習のコンテンツを実行する処理手順の例を示すフローチャートである。
図10】実施形態に係るコンテンツ送信装置の例を示す図である。
図11】実施形態に係るコンテンツ送信方法における処理手順の例を示すフローチャートである。
図12】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、実施形態に係る講習システムの装置構成の例を示す概略構成図である。図1に示す構成で、講習システム1は、コンテンツ送信装置11と、手続時受講端末装置12Bとを備える。コンテンツ送信装置11と手続時受講端末装置12Bとは、通信ネットワーク13に通信接続される。事前受講端末装置12Aも、通信ネットワーク13に通信接続される。
【0012】
事前受講端末装置12Aが、講習システム1に含まれていてもよいし、講習システム1の外部の構成となっていてもよい。また、事前受講端末装置12Aまたは手続時受講端末装置12Bの何れか一方が無くてもよい。事前受講端末装置12Aと手続時受講端末装置12Bとを総称して、端末装置12と表記する。
【0013】
通信ネットワーク13が、講習システム1に含まれていてもよいし、講習システム1の外部の構成となっていてもよい。また、通信ネットワーク13が複数の通信ネットワークを含んで構成され、これら複数の通信ネットワークのうち一部のみが講習システム1に含まれるなど、通信ネットワーク13の一部のみが講習システム1に含まれていてもよい。
【0014】
講習システム1は、コンテンツを用いて運転免許更新講習を行う。ここでいうコンテンツは、動画像、静止画像、音声またはテキスト(文章)、あるいはこれらの組み合わせである。講習システム1が用いるコンテンツの形態は、運転免許更新講習を実行可能ないろいろな形態とすることができる。例えば、運転の事例およびその解説などの動画像、または、音声またはテキストによる質問(問題)、あるいはそれらの組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。
コンテンツの動画像を再生するなど、コンテンツを用いて講習を実施することを、コンテンツを実行するとも称する。
【0015】
コンテンツ送信装置11は、運転免許更新講習のためのコンテンツを事前受講端末装置12Aまたは手続時受講端末装置12Bに送信する。特に、コンテンツ送信装置11は、運転免許の更新対象者に応じてコンテンツを選択し、選択したコンテンツを、その運転免許の更新対象者が使用する端末装置12へ送信する。運転免許の更新対象者を単に更新対象者とも称する。
【0016】
また、コンテンツ送信装置11によれば、運転免許更新講習の事前受講が可能である。ここでいう事前受講は、免許センター等で運転免許更新手続を行うよりも前に、講習を受講することである。運転免許更新手続時に講習を受講することを手続時受講と称する。
事前受講の場合の講習を事前講習とも称する。手続時受講の場合の講習を手続時講習とも称する。事前講習と手続時講習とで、実行されるコンテンツが同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0017】
コンテンツの事前送信要求に対し、コンテンツ送信装置11は、事前講習の受講可否を判定する。具体的には、コンテンツ送信装置11は、事前講習を受講しようとする更新対象者について、事前講習受講の要件が満たされるか否かを判定する。
ここでいうコンテンツの事前送信は、運転免許更新手続よりも前にコンテンツを送信することである。コンテンツの事前送信を、単に事前送信とも称する。コンテンツの事前送信の要求を、コンテンツの事前送信要求、あるいは単に事前送信要求とも称する。
【0018】
事前講習受講可能と判定した場合、コンテンツ送信装置11は、その更新対象者に応じたコンテンツを、その更新対象者が使用する事前受講端末装置12Aへ事前送信する。一方、コンテンツ送信装置11が事前講習受講不可と判定した場合、更新対象者は、講習を手続時受講することになる。手続時受講の場合、コンテンツ送信装置11は、更新対象者に応じたコンテンツを、その更新対象者が使用する手続時受講端末装置12Bへ送信する。あるいは、手続時受講の場合、例えば講師が講習室に設けられた大型スクリーンを用いて複数の受講者と対面で講習を行うなど、端末装置12を使用しない態様で手続時講習が行われてもよい。
事前講習を受講した更新対象者は、手続時講習を受講不要であってもよい。あるいは、講習の一部のみを事前受講できる場合など、事前講習を受講した更新対象者は、手続時講習に要する時間が短くて済むようになっていてもよい。
【0019】
更新対象者が事前講習を受講して手続時講習を受講不要または手続時講習に要する時間が短いことで、免許更新手続の所要時間も短くて済み、この点で、更新対象者の負担を軽減できる。また、更新対象者が、免許センターなど免許更新のための施設に滞在する時間が短くなる点で、感染症拡大のリスクを軽減させることができる。
ここでいう免許更新手続の所要時間は、更新対象者が免許更新のための施設で免許更新の申請用紙への記入を開始してから、更新後の免許証を受け取るまでの時間であってもよい。
【0020】
また、更新対象者が講習室に集まって講師による講習を受ける方式の場合、ある程度の人数の更新対象者が講習室に集まるのを待って講習が開始され、更新対象者に待ち時間が生じる。特に、講習を受講できる状態になるのが早い更新対象者ほど、待ち時間が長くなる。
これに対し、事前受講端末装置12Aを用いた事前講習では、ある程度の人数の更新対象者が集まるのを待つ必要は無いので上記のような待ち時間は生じず、この点でも、更新対象者の負担を軽減できる。
【0021】
また、講習システム1では、事前講習を実施することで、免許更新のための施設で手続時講習を受講する更新対象者の人数を減らすことができる。この点で、講習を実施する担当者の負担を軽減できる。
また、講師が講習を行う方式では、講習の実施ごとに講師が講習を行う必要があり、講師にとって負担となる。これに対し、コンテンツを用いた講習では、一度コンテンツを作成すれば、そのコンテンツを繰り返し使用することができる。コンテンツを用いた講習の実施によって、講師が講習を行う方式での講習の回数を減らすことができれば、講師の負担を軽減できる。コンテンツを用いた講習の実施によって、講師が講習を行う方式での、講習1回あたりの時間を減らすことができる場合も、講師の負担を軽減できる。
【0022】
また、コンテンツ送信装置11は、コンテンツの評価を行う。例えば、コンテンツ送信装置11が、コンテンツの評価値として、コンテンツ視聴前後での違反または事故の減少の度合いを算出するようにしてもよい。
例えば、コンテンツを更新する際にコンテンツの評価値結果を参照する等により、コンテンツの評価結果をコンテンツの内容に反映させるようにしてもよい。あるいは、コンテンツ送信装置11が、コンテンツの評価結果をコンテンツの選択に反映させるようにしてもよい。
コンテンツ送信装置11は、例えばワークステーション(Workstation)またはパソコン(Personal Computer;PC)などのコンピュータを用いて構成されていてもよい。
【0023】
事前受講端末装置12Aは、事前講習の受講の場合に、コンテンツ送信装置11から受信するコンテンツを実行することで、事前講習の受講環境をユーザに提供する。事前受講端末装置12Aのユーザは、その事前受講端末装置12Aを使用する更新対象者である。
【0024】
また、事前受講端末装置12Aは、事前講習の際に、更新対象者本人が実際に受講しているか否かを判定する。例えば、事前受講端末装置12Aがカメラを備え、撮影画像に顔画像が含まれているか否かを判定することで、受講者がいるか否かを判定するようにしてもよい。受講者がいると判定した場合、事前受講端末装置12Aが、撮影された顔画像と事前登録されている更新対象者の顔画像とを比較して、受講者が更新対象者本人か否かを判定するようにしてもよい。
【0025】
また、事前受講可能期間において、事前受講端末装置12Aは、事前講習を受講可能である旨をユーザに通知する。事前受講可能期間は、事前講習を受講可能な期間である。受全受講可能期間は、運転免許の有効期限に応じて定められる。
事前受講端末装置12Aが、現在時刻が事前受講可能期間内に該当するか否かを判定し、事前受講可能期間内に該当すると判定した場合に、事前講習を受講可能である旨をPUSH通知するようにしてもよい。
【0026】
事前受講端末装置12Aは、例えば、ユーザが所持するスマートフォン(Smartphone)、パソコンまたはタブレット端末装置(Tablet, Tablet Computer)など、ユーザが所持して通信ネットワーク13に通信接続可能な情報処理装置を用いて構成されていてもよい。さらに例えば、かかる情報処理装置に事前講習用のアプリケーションプログラムがインストールされ、情報処理装置がこのアプリケーションプログラムを実行することで、事前受講端末装置12Aの機能が実行されてもよい。
【0027】
手続時受講端末装置12Bは、手続時講習の受講の場合に、コンテンツ送信装置11から受信するコンテンツを実行することで、手続時講習のための受講環境をユーザに提供する。手続時受講端末装置12Bは、運転免許センターなど免許更新手続を受け付ける設備の受講室の座席に設置された設置型の端末装置であってもよい。この場合、座席に座った更新対象者が、その座席の手続時受講端末装置12Bのユーザとなり、その手続時受講端末装置12Bを使用して講習を受講する。手続時受講端末装置12Bは、例えばタブレット端末装置などのコンピュータを用いて構成されていてもよい。
【0028】
あるいは、手続時受講端末装置12Bは、更新対象者が所持するスマートフォン、ノートパソコン(Laptop Computer)またはタブレット端末装置など、更新対象者が所持して通信ネットワーク13に通信接続可能な携帯型の情報処理装置を用いて構成されていてもよい。例えば、更新対象者が免許更新手続前に事前受講端末装置12Aとして使用可能な情報処理装置が、免許更新手続時には手続時受講端末装置12Bとして使用可能であってもよい。
【0029】
通信ネットワーク13は、コンテンツ送信装置11と事前受講端末装置12Aと手続時受講端末装置12Bとの通信を仲介する。特に、通信ネットワーク13は、コンテンツ送信装置11から事前受講端末装置12Aへのコンテンツの送信を仲介する。また、通信ネットワーク13は、コンテンツ送信装置11から手続時受講端末装置12Bへのコンテンツの送信を仲介する。また、通信ネットワーク13は、事前受講端末装置12Aから手続時受講端末装置12Bへの事前送信要求の送信を仲介する。上述したように、事前送信要求は、コンテンツの事前送信の要求である。コンテンツの事前送信は、運転免許更新手続前にコンテンツを送信することである。
【0030】
通信ネットワーク13は、特定の形態の通信ネットワークに限定されない。例えば、通信ネットワーク13が、インターネット(Internet)または携帯電話網の何れかであってもよい。ここでいう携帯電話網は、通信事業者がスマートフォン等の携帯電話端末用に提供する通信網である。また、通信ネットワーク13が、インターネットとLAN(Local Area Network)とを含んで構成されるなど、複数の通信ネットワークの組み合わせによって構成されていてもよい。
【0031】
図2は、コンテンツ送信装置11の機能構成の例を示す概略ブロック図である。図2に示す構成で、コンテンツ送信装置11は、第一通信部110と、第一記憶部180と、第一制御部190とを備える。第一記憶部180は、更新対象者情報記憶部181と、コンテンツ記憶部182とを備える。第一制御部190は、可否判定部191と、コンテンツ選択部192と、コンテンツ送信制御部193と、コンテンツ評価部194とを備える。
【0032】
第一通信部110は、第一制御部190による制御に従って、他の装置と通信を行う。例えば、第一通信部110は、事前講習のためのコンテンツを事前受講端末装置12Aに送信する。また、第一通信部110は、更新時講習のためのコンテンツを手続時受講端末装置12Bに送信する。第一通信部110は、コンテンツ送信手段の例に該当する。
【0033】
また、第一通信部110は、事前受講端末装置12Aからの事前送信要求を受信する。上述したように、事前送信要求は、運転免許更新手続前にコンテンツを送信する事前送信の要求である。特に、第一通信部110は、更新対象者を特定する情報と、その更新対象者が使用する事前受講端末装置12Aを特定する情報とを含み、その事前受講端末装置12Aへのコンテンツの事前送信を要求する事前送信要求信号にて、事前送信要求を受信する。
第一通信部110は、事前送信要求取得手段の例に該当する。
【0034】
第一記憶部180は、各種データを記憶する。第一記憶部180は、コンテンツ送信装置11が備える記憶デバイスを用いて構成される。
更新対象者情報記憶部181は、更新対象者情報を記憶する。ここでいう更新対象者情報は、更新対象者に関する情報である。例えば、更新対象者情報記憶部181が記憶する更新対象者情報は、更新対象者の年齢、性別、住所、違反履歴、講習区分、免許種別、免許条件、免許が有効か否か、正確診断の結果、および、事前受講可能期間の各情報を含んでいてもよいが、これに限定されない。
【0035】
コンテンツ送信装置11が運転免許管理用のサーバ装置から更新対象者情報を取得するなど、コンテンツ送信装置11の外部から更新対象者情報を取得するようにしてもよい。この場合、コンテンツ送信装置11が更新対象者情報記憶部181を備えていなくてもよい。
【0036】
コンテンツ記憶部182は、運転免許更新講習用のコンテンツを記憶する。特に、コンテンツ記憶部182は複数のコンテンツを記憶する。コンテンツ記憶部182が、コンテンツと、そのコンテンツを選択するための検索キーとを紐付けて記憶するようにしてもよい。この場合の検索キーとして、そのコンテンツを用いた講習の受講対象となる講習区分、違反履歴、性別、住所、免許種別、免許条件、または、性格診断の結果、あるいはこれらの組み合わせを用いることができる。ただし、検索キーとして用いることのできる項目は、特定のものに限定されない。コンテンツの受講対象者の条件を示すいろいろな情報を、コンテンツの検索キーとして用いることができる。
【0037】
第一制御部190は、コンテンツ送信装置11の各部を制御して各種処理を行う。第一制御部190の機能は、コンテンツ送信装置11が備えるCPU(Central Processing Unit;中央処理装置)が第一記憶部180からプログラムを読み出して実行することで実行されてもよい。
【0038】
可否判定部191は、第一通信部110が事前送信要求を受信した場合に、更新対象者を特定する情報を事前送信要求から読み出し、読み出した更新対象者を特定する情報に基づいて、コンテンツの事前送信の可否を判定する。コンテンツの事前送信の可否は、講習の事前受講の可否でもある。
可否判定部191は、可否判定手段の例に該当する。
【0039】
可否判定部191が、更新対象者の講習区分、違反履歴、事前受講可能期間、または、免許が有効か否かの少なくとも何れかに基づいて、事前送信の可否を判定するようにしてもよい。
【0040】
(講習区分)
可否判定部191が、事前送信要求で特定される更新対象者の講習区分に基づいて、事前送信の可否を判定するようにしてもよい。
例えば、講習区分が優良講習、一般講習、違反講習、初回講習および高齢者講習となっており、これらのうち優良講習および一般講習が事前講習の対象になっている場合について考える。この場合、可否判定部191は、更新対象者の講習区分が優良講習または一般講習か否かを判定する。更新対象者の講習区分が優良講習または一般講習である場合、可否判定部191は、事前送信可能と判定する。一方、更新対象者の講習区分が違反講習、初回講習または高齢者講習である場合、可否判定部191は、事前送信不可と判定する。
【0041】
可否判定部191が、講習区分に基づいて事前送信の可否を判定することで、事前講習と手続時講習とを効果的に使い分けることができると期待される。
例えば、優良講習および一般講習を事前講習で行っても講習の効果を得られると期待される場合、上記のように、可否判定部191は、更新対象者の講習区分が優良講習または一般講習であるときは、事前送信可能と判定する。この場合更新対象者が事前講習を受講することで、免許更新手続時の所要時間が短くて済み、かつ、講習の効果を得られると期待される。
【0042】
また、違反講習、初回講習および高齢者講習では、事前講習よりも手続時講習のほうが講習の効果を得られ獲ると考えられる場合、上記のように、可否判定部191は、更新対象者の講習区分が違反講習、初回講習または高齢者講習であるときは、事前送信不可と判定する。可否判定部191の判定に従って、更新対象者が手続時講習を受講することで、講習の効果を得られると期待される。
【0043】
(違反履歴)
可否判定部191が、事前送信要求で特定される更新対象者の違反履歴に基づいて、事前送信の可否を判定するようにしてもよい。
違反の種類または違反回数、あるいはこれら両方に応じて事前送信の可否が定められていてもよい。例えば、可否判定部191が、違反Aの回数と違反Bの回数との合計が3回以上の場合は事前送信不可といった判定基準に従って、事前送信の可否を判定するようにしてもよい。
可否判定部191が、違反の種類または違反回数、あるいはこれら両方に基づいて事前送信の可否を判定することで、違反の多い更新対象者については講師との対面による講習を行う、といった講習の使い分けが可能になる。
【0044】
(事前受講可能期間)
可否判定部191が、事前送信要求で特定される更新対象者の事前受講可能期間に基づいて、事前送信の可否を判定するようにしてもよい。
上述したように、事前受講可能期間は、事前講習を受講可能な期間であり、運転免許の有効期限に応じて定められる。例えば、運転免許の有効期限の2ヶ月前から有効期限までの期間が、事前受講可能期間とされていてもよい。
【0045】
可否判定部191が、現在時刻が事前受講可能期間内に該当するか否かに基づいて、事前送信の可否を判定することで、更新対象者が免許更新手続時に近い時期に講習を受講することが期待される。これにより、更新対象者が、おおよそ免許の有効期限毎といったおおよそ一定の期間毎に講習を受講することが期待される。更新対象者がおおよそ一定の期間毎に講習を受講することで、受講の効果が比較的高くなると期待される。また、講習に法改正の説明など時期的な内容が含まれる場合、新対象者がおおよそ一定の期間毎に講習を受講することで、ある時期に関する情報を聞き漏らす可能性が比較的小さくなる。
【0046】
(免許が有効か否か)
可否判定部191が、事前送信要求で特定される更新対象者の免許が有効か否かに基づいて、事前送信の可否を判定するようにしてもよい。
更新対象者の免許が既に失効している場合、事前講習を受けても免許を更新することはできない。この点で、事前講習の受講が無駄になってしまう。
可否判定部191が、更新対象者の免許が有効か否かに基づいて事前送信の可否を判定することで、事前講習の受講が無駄になってしまうことを避けることができる。
【0047】
コンテンツ選択部192は、更新対象者に応じてコンテンツを選択する。特に、コンテンツ選択部192は、更新対象者の講習区分に基づいて、コンテンツを選択する。コンテンツ選択部192は、コンテンツ選択手段の例に該当する。
講習区分は、講習の内容を区別したほうが講習の効果を得易い区分と考えられる。コンテンツ選択部192が、講習区分に基づいてコンテンツを選択することで、講習区分に応じた講習が可能になり、講習の効果を得易いことが期待される。
【0048】
コンテンツ選択部192が、講習区分に加えて、あるいは代えて、更新対象者の違反履歴、性別、住所、免許種別、免許条件または性格診断の結果の少なくとも何れかに基づいてコンテンツを選択するようにしてもよい。
【0049】
(違反履歴)
コンテンツ選択部192が、更新対象者の違反履歴における違反の種類、または、違反の回数の少なくとも何れかに応じてコンテンツを選択するようにしてもよい。
違反の種類に応じて留意すべき事項が異なることが考えらえる。また、違反の回数が多い場合は、違反に関する講習の重要度が大きいなど、違反の回数に応じて留意すべき事項が異なることが考えらえる。
コンテンツ選択部192が、更新対象者の違反履歴における違反の種類、または、違反の回数の少なくとも何れかに応じてコンテンツを選択することで、これらに応じた講習が可能になり、講習の効果を得やすいことが期待される。
【0050】
(性別)
更新対象者が男性か女性かによって運転の傾向が異なるなど、更新対象者の性別によって留意すべき事項が異なることが考えられる。
コンテンツ選択部192が、更新対象者の性別に応じコンテンツを選択することで、性別に応じた講習が可能になり、講習の効果を得やすいことが期待される。
【0051】
(住所)
更新対象者の住所によって運転の環境が異なり、留意すべき点も異なることが考えられる。
例えば、北海道では、雪道を走行する場合があり、雪道に関する講習の重要性が東京の場合よりも高いなど、更新対象者の住所が属する地方に応じて留意すべき点が異なることが考えられる。
【0052】
また、更新対象者の家の近くに踏切がある場合、踏切を通過する頻度が高いなど、地方以外にも、更新対象者の住所が属する地方に応じて留意すべき点が異なることが考えられる。
コンテンツ選択部192が、更新対象者の住所に応じコンテンツを選択することで、住所に応じた講習が可能になり、講習の効果を得やすいことが期待される。
【0053】
(免許種別)
免許の種別は、例えば、普通免許、中型免許、大型免許、普通二輪免許、大型二輪免許等であってもよいが、これらに限定されない。
例えば、大型車を運転するときは普通車の場合よりも内輪差の意識が重要など、また、自動車と二輪車とでは運転の際に注意すべき点が異なるなど、免許の種別に応じて留意すべき点が異なることが考えられる。
コンテンツ選択部192が、更新対象者の免許種別に応じコンテンツを選択することで、免許種別に応じた講習が可能になり、講習の効果を得やすいことが期待される。
【0054】
(免許条件)
免許条件は、眼鏡等の着用、補聴器等の着用等の条件であってもよいが、これらに限定されない。
更新対象者が免許条件に該当するか否かに応じて、該当する場合はどの免許条件に該当するかに応じて、留意すべき事項が異なることが考えられる。
コンテンツ選択部192が、免許条件に応じてコンテンツを選択することで、免許条件に応じた講習が可能になり、講習の効果を得やすいことが期待される。
【0055】
(性格診断の結果)
ここでいう性格診断は、質問に対する運転者の回答に基づいて運転者の性格を判定し、性格の判定結果に応じて運転時の注意事項を提示するものであってもよい。例えば、免許を取得した初回講習時に性格診断が行われる場合、更新対象者情報記憶部181が、更新対象者それぞれについて、初回講習時における性格診断の結果を記憶しておくようにしてもよい。
コンテンツ選択部192が、更新対象者の性格診断の結果条件に応じてコンテンツを選択することで、診断された性格に応じた講習が可能になり、講習の効果を得やすいことが期待される。
【0056】
コンテンツ送信制御部193は、第一通信部110を制御して、コンテンツを端末装置12に送信させる。例えば、可否判定部191が事前送信要求に対する判定でコンテンツ送信可能と判定した場合、コンテンツ送信制御部193は、第一通信部110を制御して、コンテンツ選択部192によって選択されたコンテンツを、事前送信要求で特定される事前受講端末装置12Aに送信させる。
【0057】
コンテンツ評価部194は、コンテンツの評価を行う。コンテンツ送信装置11について上述したように、コンテンツ評価部194が、コンテンツの評価値として、コンテンツ視聴前後での違反または事故の減少の度合いを算出するようにしてもよい。
例えば、コンテンツ評価部194は、コンテンツ記憶部182が記憶するコンテンツそれぞれについて、そのコンテンツで講習を受講した人の、受講前後それぞれの所定期間における違反の回数および事故の回数の統計情報を取得するようにしてもよい。そして、コンテンツ評価部194が、受講前の情報と受講後の情報との比較によって、講習前後(コンテンツ視聴前後)での違反または事故の減少の度合いを算出するようにしてもよい。
【0058】
コンテンツ送信装置11が、コンテンツの評価結果をコンテンツの選択に反映させるようにしてもよい。例えば、コンテンツ評価部194は、コンテンツ記憶部182が記憶するコンテンツそれぞれについて、そのコンテンツで講習を受講した人の受講区分毎など、コンテンツ選択部192によるコンテンツ選択基準の項目毎に、受講前後それぞれの所定期間における違反の回数および事故の回数の統計情報を取得するようにしてもよい。
そして、コンテンツ評価部194が、コンテンツ毎、かつ、コンテンツ選択部192によるコンテンツ選択基準の項目毎に、受講前の情報と受講後の情報との比較によって、講習前後(コンテンツ視聴前後)での違反または事故の減少の度合いを算出するようにしてもよい。
【0059】
コンテンツ選択基準の項目のうち、違反または事故の減少の度合いが大きい項目について、その項目に該当する対象者に対して、そのコンテンツを用いて講習を行うことが、違反または事故を減少させるために有効と評価できる。
そこで、コンテンツ選択部192が、更新対象者の属性に応じて、その属性の更新対象者に用いることで違反または事故が減少すると評価されているコンテンツ選択するようにしてもよい。ここでいう属性は、更新対象者の講習区分、違反履歴、性別、住所、免許種別、免許条件または性格診断の結果など、コンテンツ選択部192がコンテンツを選択する基準についての、更新対象者の値である。
コンテンツ選択部192が、コンテンツの選択方法を学習するようにしてもよい。
【0060】
図3は、事前受講端末装置12Aの機能構成の例を示す概略ブロック図である。図3に示す構成で、事前受講端末装置12Aは、第二通信部210と、表示部220と、音声出力部230と、操作入力部240と、撮影部250と、第二記憶部280と、第二制御部290とを備える。第二制御部290は、受講処理部291と、受講状況処理部292と、事前受講通知制御部293とを備える。
【0061】
第二通信部210は、他の装置と通信を行う。例えば、第二通信部210は、事前講習のためのコンテンツをコンテンツ送信装置11から受信する。また、第二通信部210は、事前送信要求をコンテンツ送信装置11へ送信する。
表示部220は、例えば液晶パネルまたはLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)パネルなどの表示画面を備え各種画像を表示する。例えば、表示部220は、コンテンツに含まれる動画像および静止画像などの各種画像を表示する。
音声出力部230は、スピーカを備えて音声を出力する。例えば、音声出力部230は、事前受講端末装置12Aによるコンテンツの実行時に、コンテンツの音声を出力する。
【0062】
操作入力部240は、例えば表示部220の表示画面に設けられてタッチパネルを構成するタッチセンサなどの入力デバイスを備え、ユーザ操作を受け付ける。例えば、操作入力部240は、事前講習を要求するユーザ操作を受け付ける。また、操作入力部240は、事前受講端末装置12Aによるコンテンツ実行時の質問(問題)に対する答を入力するユーザ操作を受け付ける。
【0063】
撮影部250は、例えば表示部220の表示画面と同じ面に設けられるなど、表示画面を見る人の顔画像を撮影可能な位置および向きに設けられる。撮影部250の撮影画像は、事前講習時に更新対象者本人が受講しているか否かを判定するために用いられる。
例えば、受講者が講習を受講しているときに、撮影部250が、所定の時間間隔で間欠的に、または連続的に撮影を行うようにしてもよい。撮影画像に人の顔が写っているか否かを判定することで、受講者がコンテンツを視聴しているか否かを判定することができる。また、撮影画像に人の顔が写っている場合、その顔画像と更新対象者の顔画像とを比較することで、更新対象者本人が受講しているか否かを判定することができる。
【0064】
第二記憶部280は、各種データを記憶する。第二記憶部280は、事前受講端末装置12Aが備える記憶デバイスを用いて構成される。
第二制御部290は、事前受講端末装置12Aの各部を制御して各種処理を行う。第二制御部290の機能は、例えば事前受講端末装置12Aが備えるCPUが第二記憶部280からプログラムを読み出して実行することで構成される。
【0065】
受講処理部291は、コンテンツ送信装置11から送信されるコンテンツを実行する。受講処理部291は、コンテンツの画像を表示部220に表示させ、また、コンテンツの音声を音声出力部230から出力させる。
受講処理部291は、コンテンツの実行により、ユーザに対する講習を行う。
【0066】
受講状況処理部292は、講習の受講状況を確認する。
例えば、受講処理部291がコンテンツを実行することで質問(問題)が出題された場合、受講状況処理部292が、質問に対するユーザの回答と正解とを比較して、ユーザが講習内容を理解しているか否かを判定するようにしてもよい。
【0067】
また、受講状況処理部292が、撮影部250が撮影した撮影画像を用いて、更新対象者本人が実際に受講しているか否かを判定する。受講状況処理部292が、撮影部250が間欠的に、または連続的に撮影する画像を用いて、更新対象者本人が実際に受講しているか否かの判定を繰り返し行うようにしてもよい。
受講状況処理部292は、撮影部250の撮影画像に顔画像が含まれているか否かを判定することで、受講者がコンテンツを視聴しているか否かを判定する。受講者がコンテンツを視聴していると判定した場合、受講状況処理部292は、撮影された顔画像と事前登録されている更新対象者の顔画像とを比較して、受講者が更新対象者本人か否かを判定する。これにより、受講状況処理部292は、更新対象者本人が、コンテンツを視聴することで講習を受講しているか否かを判定する。
これにより受講状況処理部292は、本来受講すべき更新対象者本人が正しく受講を進めていることを確認できる。例えば、受講状況処理部292は、本来講習を受講すべき更新対象者に代わって第三者が受講するなりすましを判断することができる。
【0068】
更新対象者本人が受講していないと判定した場合、受講状況処理部292が、受講処理部291によるコンテンツの実行を中止させ、更新対象者本人の受講を促すメッセージを表示部220に表示させるようにしてもよい。
受講状況処理部292が、撮影部250が撮影した顔画像と比較するために、事前登録されている更新対象者の顔画像として、例えば、免許証の顔画像、または、更新後の免許証用の顔画像を用いるようにしてもよい。
【0069】
受講状況処理部292が、事前登録されている更新対象者の顔画像として、更新後の免許証用の顔画像を用いる場合、講習受講後に他人の顔画像と入れ替えられると、実際には免許証用顔画像の人物と受講者とは異なる人物であるにもかかわらず、同一人物と誤判定される可能性がある。そこで、更新後の免許証用の顔画像が入れ替えられる場合は、受講状況処理部292が事前受講の記録を削除するようにしてもよい。
【0070】
免許証の顔画像(更新前の免許証に用いられている顔画像)と、更新後の免許証用の顔画像とが異なる人物の顔画像であると判定された場合も、受講状況処理部292が事前受講の記録を削除するようにしてもよい。この場合、受講状況処理部292が、免許証の顔画像と更新後の免許証用の顔画像とを取得し、これらの顔画像が同一人物の顔画像か否かを判定するようにしてもよい。
【0071】
事前受講通知制御部293は、現在時刻が事前受講可能期間内に該当する場合に、事前講習を受講可能である旨をユーザに通知する。
例えば、例えば事前受講通知制御部293は、現在時刻と事前受講可能期間とを比較して、現在時刻が事前受講可能期間内に該当するか否かを判定する。また、第二記憶部280が事前講習の受講履歴を記憶しておき、事前受講通知制御部293は、事前講習の受講履歴を参照して、事前講習の受講が完了しているか否かを判定する。現在時刻が事前受講可能期間内に該当し、かつ、事前講習の受講が完了していないと判定した場合、事前受講通知制御部293が、事前講習を受講可能である旨のメッセージを表示部220に表示させるようにしてもよい。
【0072】
更新対象者の違反回数が所定回数以上である場合など、講習の受講の重要度に関する条件を満たす場合、事前受講通知制御部293が、事前講習を受講可能である旨の通知を、より頻繁に行うようにしてもよい。
【0073】
図4は、手続時受講端末装置12Bの機能構成の例を示す概略ブロック図である。図4に示す構成で、手続時受講端末装置12Bは、第二通信部210と、表示部220と、音声出力部230と、操作入力部240と、撮影部250と、第二記憶部280と、第三制御部390とを備える。第三制御部390は、受講処理部291と、受講状況処理部292とを備える。
【0074】
図4の例における手続時受講端末装置12Bでは、第三制御部390が事前受講通知制御部293を備えていない点で、図3の例における事前受講端末装置12Aの第二制御部290の場合と異なる。更新対象者は、手続時講習を受講すれば、さらに事前講習も受講する必要は無く、手続時受講端末装置12Bがユーザに事前講習の通知を行う必要は無いからである。
【0075】
また、図4の例では、第二通信部210が事前送信要求をコンテンツ送信装置11へ送信する。これに対し、手続時講習に関して、コンテンツ送信装置11がコンテンツの送信開始タイミングを決定する場合は、手続時受講端末装置12Bは、コンテンツの送信要求を送信する必要は無い。
一方、手続時講習を実施する部屋に管理者がいる場合、第二通信部210が、撮影部250の撮影画像を管理者の端末装置へ送信することで、管理者が受講状況を確認できるようにしてもよい。
【0076】
それ以外の点では、手続時受講端末装置12Bの機能構成は事前受講端末装置12Aの機能構成と同様である。なお、図3を参照して説明した事前受講端末装置12Aの説明を手続時受講端末装置12Bの説明に読み替える場合は、事前受講端末装置12Aとの記載を手続時受講端末装置12Bと読み替える。また、事前講習との記載を手続時講習と読み替え、事前受講との記載を手続時受講と読み替える。
【0077】
上述したように、事前受講端末装置12Aとして使用可能な情報処理装置が、手続時受講端末装置12Bとしても使用可能であってもよい。事前受講端末装置12Aとして使用可能な情報処理装置が、手続時受講端末装置12Bとして使用される場合、手続時受講端末装置12Bの第三制御部390が事前受講通知制御部293を備えていてもよい。すなわち、手続時受講端末装置12Bの構成が、図3に示される事前受講端末装置12Aの構成と同じ構成になっていてもよい。
【0078】
図5は、コンテンツ送信装置11が事前受講端末装置12Aに事前講習のコンテンツを送信する処理手順の例を示すフローチャートである。コンテンツ送信装置11は、例えば、事前受講端末装置12Aからの事前送信要求を受信したと判定すると、図5の処理を開始する。
【0079】
図5の処理で、第一制御部190は、事前受講を行う更新対象者に関する情報を取得する(ステップS111)。第一制御部190は、上述した講習区分、違反履歴、事前受講可能期間、免許が有効か否か、性別、住所、免許種別、免許条件、および、性格診断の結果など、可否判定部191が事前受講の可否を判定するための情報、および、事前講習可能な場合にコンテンツ選択部192がコンテンツを選択するための情報を取得する。
【0080】
これらの情報の全部または一部が、事前受講端末装置12Aからの事前送信要求に含まれていてもよい。あるいは、事前受講を行う更新対象者を特定する情報が事前送信要求に含まれ、コンテンツ送信装置11が、特定される更新対象者に関する情報を、免許情報を管理するサーバ装置から取得するようにしてもよい。
【0081】
次に、可否判定部191は、事前受講の可否を判定する(ステップS112)。上述したように、可否判定部191が、講習区分、違反履歴、または、事前受講可能期間、免許が有効か否か、あるいはこれらの組み合わせに基づいて、事前受講の可否を判定するようにしてもよい。
【0082】
事前受講可能と可否判定部191が判定した場合(ステップS112:YES)、コンテンツ選択部192が、コンテンツを選択する(ステップS113)。コンテンツ選択部192が、講習区分、違反履歴、性別、住所、免許種別、免許条件、または、性格診断の結果、あるいはこれらの組み合わせに基づいて、コンテンツを選択するようにしてもよい。
【0083】
次に、コンテンツ送信制御部193は、コンテンツ選択部192が選択したコンテンツを、第一通信部110を介して、事前送信要求元の事前受講端末装置12Aに送信する(ステップS114)。
ステップS114でのコンテンツの送信が完了すると、コンテンツ送信装置11は、図5の処理を終了する。
【0084】
一方、ステップS112で、可否判定部191が事前受講不可と判定した場合(ステップS112:NO)、第一制御部190は、事前受講端末装置12Aに対して、手続時受講を促す通知を行うよう指示する(ステップS115)。例えば、コンテンツ送信制御部193が、事前受講端末装置12Aのユーザに手続時受講を促すメッセージの表示要求を、第一通信部110を介して、事前送信要求元の事前受講端末装置12Aに送信するようにしてもよい。
手続時受講を促す通知は、免許更新手続時に運転免許更新講習を受講するように更新対象者に促す通知の例に該当する。
ステップS115の後、コンテンツ送信装置11は、図5の処理を終了する。
【0085】
図6は、コンテンツ送信装置11が手続時受講端末装置12Bに手続時講習のコンテンツを送信する処理手順の例を示すフローチャートである。コンテンツ送信装置11は、例えば、手続時受講端末装置12Bからのコンテンツの送信要求を受信したと判定すると、図6の処理を開始する。
【0086】
図6の処理で、第一制御部190は、手続時受講を行う更新対象者に関する情報を取得する(ステップS121)。第一制御部190は、上述した講習区分、違反履歴、性別、住所、免許種別、免許条件、および、性格診断の結果など、コンテンツ選択部192がコンテンツを選択するための情報を取得する。
【0087】
次に、コンテンツ選択部192がコンテンツを選択する(ステップS122)。コンテンツ選択部192が、講習区分、違反履歴、性別、住所、免許種別、免許条件、または、性格診断の結果、あるいはこれらの組み合わせに基づいて、コンテンツを選択するようにしてもよい。
【0088】
次に、コンテンツ送信制御部193は、コンテンツ選択部192が選択したコンテンツを、第一通信部110を介して、コンテンツ送信要求元の手続時受講端末装置12Bに送信する(ステップS123)。
ステップS123でのコンテンツの送信が完了すると、コンテンツ送信装置11は、図6の処理を終了する。
【0089】
図7は、コンテンツ送信装置11がコンテンツの評価を行う処理手順の例を示す図である。
図7の処理で、コンテンツ評価部194は、コンテンツの評価用のデータを取得する(ステップS131)。コンテンツ評価部194が、コンテンツ記憶部182が記憶するコンテンツそれぞれについて、そのコンテンツで講習を受講した人の、受講前後それぞれの所定期間における違反の回数および事故の回数の統計情報を取得するようにしてもよい。
【0090】
次に、コンテンツ評価部194は、コンテンツの評価を行う(ステップS132)。コンテンツ評価部194が、コンテンツ毎、かつ、コンテンツ選択部192によるコンテンツ選択基準の項目毎に、受講前の情報と受講後の情報との比較によって、講習前後(コンテンツ視聴前後)での違反または事故の減少の度合いを算出するようにしてもよい。この場合、コンテンツ選択基準の項目のうち、違反または事故の減少の度合いが大きい項目について、その項目に該当する対象者に対して、そのコンテンツを用いて講習を行うことが、違反または事故を減少させるために有効と評価できる。
【0091】
次に、第一制御部190は、コンテンツの評価結果を、コンテンツ選択部192によるコンテンツの選択に反映させる。例えば、コンテンツ選択部192が、コンテンツの評価結果をコンテンツ選択基準に反映させるように、コンテンツの選択方法を学習するようにしてもよい。
ステップS133の後、コンテンツ送信装置11は、図7の処理を終了する。
【0092】
図8は、事前受講端末装置12Aが、事前受講可能期間内である旨をユーザに通知する処理手順の例を示すフローチャートである。事前受講端末装置12Aが毎週など定期的に図8の処理を行うようにしてもよい。
図8の処理で、事前受講通知制御部293は、事前受講に関する情報を取得する(ステップS211)。例えば、事前受講通知制御部293が、事前受講可能期間の情報と、事前講習の受講履歴の情報とを第二記憶部280から読み出すようにしてもよい。
【0093】
次に、事前受講通知制御部293は、ユーザが事前受講対象に該当するか否かを判定する(ステップS212)。例えば、事前受講通知制御部293は、現在時刻が事前受講可能期間内に該当し、かつ、事前講習の受講が完了しているかを判定するようにしてもよい。この場合、事前受講通知制御部293は、現在時刻が事前受講可能期間内に該当し、かつ、事前講習の受講が完了していると判定した場合に、ユーザが事前受講対象に該当すると判定する。
さらに、事前受講通知制御部293が、第二通信部210を介して、事前受講の可否をコンテンツ送信装置に問い合わせるようにしてもよい。
【0094】
ユーザが事前受講対象に該当すると判定した場合(ステップS212:YES)、事前受講通知制御部293は、現在時刻が事前受講可能期間内に該当する旨をユーザに通知する(ステップS213)。例えば、事前受講通知制御部293は、表示部220を制御して、現在時刻が事前受講可能期間内に該当する旨を通知するメッセージを表示させる。
ステップS213の後、事前受講端末装置12Aは、図8の処理を終了する。
【0095】
一方、ステップS212で、ユーザが事前受講対象に該当しないと事前受講通知制御部293が判定した場合(ステップS212:YES)、事前受講端末装置12Aは、図8の処理を終了する。この場合、事前受講通知制御部293は、ユーザへの通知は行わない。
【0096】
図9は、事前受講端末装置12Aが事前講習のコンテンツを実行する処理手順の例を示すフローチャートである。事前受講端末装置12Aは、例えば、事前講習の実施を要求するユーザ操作を受けると、図9の処理を開始する。
図9の処理で、受講処理部291は、第二通信部を介して、事前送信要求をコンテンツ送信装置11に送信する(ステップS221)。
【0097】
次に、受講処理部291は、コンテンツ送信装置11が、事前送信要求に応じてコンテンツを送信しているか否かを判定する(ステップS222)。
コンテンツ送信装置11がコンテンツを送信していないと判定した場合(ステップS222:NO)、受講処理部291は、ユーザに対して手続時受講を促す通知を行う(ステップS223)。この場合、コンテンツ送信装置11は、図5のステップS115で説明したように、事前受講端末装置12Aに対して、手続時受講を促す通知を行うよう指示する。受講処理部291は、この指示に従って、ユーザに対して手続時受講を促す通知を行う。
ステップS223の後、事前受講端末装置12Aは、図9の処理を終了する。
【0098】
一方、コンテンツ送信装置11がコンテンツを送信していると判定した場合(ステップS222:YES)、受講処理部291は、第二通信部210が受信するコンテンツを取得して実行する(ステップS224)。
事前受講端末装置12Aが、コンテンツを全て受信した後、コンテンツの実行を開始するようにしてもよい。この場合、受講処理部291は、ステップS224の1回目の実行で、コンテンツを全て取得した後、コンテンツの実行を開始する。ステップS224の2回目またはそれ以降の実行では、受講処理部291は、前回のステップS224で実行の続きからコンテンツを実行する。
あるいは、事前受講端末装置12Aが、コンテンツをストリーミングにて受信して実行するようにしてもよい。この場合、受講処理部291は、ステップS224を実行する毎にコンテンツの一部を取得し、取得した部分を実行する。
【0099】
ステップS224の後、受講状況処理部292は、更新対象者本人が事前受講しているか否かの判定のための処理を行う(ステップS225)。具体的には、受講状況処理部292は、撮影部250の撮影画像を取得し、人の顔が写っているか否かを判定する。人の顔が写っていると判定した場合、受講状況処理部292は、写っている顔が更新対象者本人の顔か否かの顔認証を行う。
【0100】
そして、受講状況処理部292は、ステップS225での処理結果に基づいて、更新対象者本人が受講しているか否かを判定する(ステップS226)。ステップS225で、人の顔が写っていると判定し、かつ、写っている顔が更新対象者本人の顔であると判定した場合、受講状況処理部292は、更新対象者本人が受講していると判定する。一方、ステップS225で、人の顔が写っていないと判定した場合、または、写っている顔が更新対象者本人の顔ではないと判定した場合、受講状況処理部292は、更新対象者本人が受講していないと判定する。
【0101】
更新対象者本人が受講していないと受講状況処理部292が判定した場合(ステップS226:NO)、受講処理部291は、受講状況処理部292からの指示に従ってコンテンツの実行を中断する(ステップS227)。
そして、受講状況処理部292は、更新対象者本人の受講を促す通知を行う(ステップS228)。例えば、受講状況処理部292が、更新対象者本人の受講を促すメッセージを表示部220に表示させるようにしてもよい。
ステップS228の後、処理がステップS226へ遷移する。
【0102】
更新対象者本人が受講していると受講状況処理部292が判定した場合(ステップS226:YES)、受講処理部291は、コンテンツが終了したか否かを判定する(ステップS229)。すなわち、受講処理部291は、コンテンツ送信装置11から送信されるコンテンツを全て実行したか否かを判定する。
コンテンツが終了していないと判定した場合(ステップS229:NO)、処理がステップS224へ戻る。
一方、コンテンツが終了したと判定した場合(ステップS229:YES)、事前受講端末装置12Aは、図9の処理を終了する。
【0103】
以上のように、コンテンツ選択部192は、運転免許の更新対象者の講習区分に基づいて、運転免許更新講習のためのコンテンツを選択する。第一通信部110は、選択されたコンテンツを、その更新対象者が使用する端末装置12に送信する。
講習区分は、講習の内容を区別したほうが講習の効果を得易い区分と考えられる。コンテンツ選択部192が、講習区分に基づいてコンテンツを選択することで、講習区分に応じた講習が可能になり、講習の効果を得易いことが期待される。
また、コンテンツ送信装置11がコンテンツを端末装置12に送信することで、更新対象者に応じた内容の細分化、最適化を図ることが比較的容易である。
【0104】
また、第一通信部110は、更新対象者を特定する情報と、その更新対象者が使用する事前受講端末装置12Aを特定する情報とを含み、運転免許更新手続前にその事前受講端末装置12Aにコンテンツを送信する事前送信を要求する事前送信要求を取得する。可否判定部191は、更新対象者を特定する情報に基づいて、事前送信の可否を判定する。第一通信部110は、可否判定部191が事前送信可能と判定した場合に、事前送信要求で特定される端末装置にコンテンツを送信する。
【0105】
このように、可否判定部191が事前送信の可否を判定することで、事前講習で効果を得られると期待される場合は事前講習を可能とし、事前講習よりも手続時講習のほうが効果を得られると考えられる場合は手続時講習を行うというように、事前講習と手続時講習とを使い分けることができる。
また、事前講習では、更新対象者が特定の場所に集まる必要が無い。この点で、更新対象者の負担が比較的軽く、また、感染症対策としても有効である。
【0106】
また、可否判定部191更新対象者の講習区分または違反履歴の少なくとも何れかに基づいて、事前送信の可否を判定する。
このように、可否判定部191が講習区分または違反履歴の少なくとも何れかに基づいて事前送信の可否を判定することで、講習区分または違反履歴から、事前講習で効果を得られると期待される場合は事前講習を可能とし、事前講習よりも手続時講習のほうが効果を得られると考えられる場合は手続時講習を行うというように、事前講習と手続時講習とを使い分けることができる。
【0107】
また、可否判定部191は、現在時刻が、運転免許の有効期限に応じて定まる事前受講可能期間内に該当するか否かに基づいて、事前送信の可否を判定する。
可否判定部191が、現在時刻が事前受講可能期間内に該当するか否かに基づいて、事前送信の可否を判定することで、更新対象者が免許更新手続時に近い時期に講習を受講することが期待される。これにより、更新対象者が、おおよそ免許の有効期限毎といったおおよそ一定の期間毎に講習を受講することが期待される。更新対象者がおおよそ一定の期間毎に講習を受講することで、受講の効果が比較的高くなると期待される。また、講習に法改正の説明など時期的な内容が含まれる場合、新対象者がおおよそ一定の期間毎に講習を受講することで、ある時期に関する情報を聞き漏らす可能性が比較的小さくなる。
【0108】
また、可否判定部191は、事前送信要求で特定される更新対象者の免許が有効か否かに基づいて、事前送信の可否を判定する。
更新対象者の免許が既に失効している場合、事前講習を受けても免許を更新することはできない。この点で、事前講習の受講が無駄になってしまう。
可否判定部191が、更新対象者の免許が有効か否かに基づいて事前送信の可否を判定することで、事前講習の受講が無駄になってしまうことを避けることができる。
【0109】
また、コンテンツ選択部192は、さらに、更新対象者の性別または住所の少なくとも何れかに基づいてコンテンツを選択する。
性別に関して更新対象者の性別によって留意すべき事項が異なることが考えられる。コンテンツ選択部192が、更新対象者の性別に応じコンテンツを選択することで、性別に応じた講習が可能になり、講習の効果を得やすいことが期待される。
【0110】
住所に関して、更新対象者の住所が属する地方に応じて留意すべき点が異なることが考えられる。コンテンツ選択部192が、更新対象者の住所に応じコンテンツを選択することで、住所に応じた講習が可能になり、講習の効果を得やすいことが期待される。
【0111】
また、コンテンツ選択部192は、さらに、更新対象者の免許種別または免許条件の少なくとも何れかに基づいてコンテンツを選択する。
免許種別に関して、例えば、大型車を運転するときは普通車の場合よりも内輪差の意識が重要など、また、自動車と二輪車とでは運転の際に注意すべき点が異なるなど、免許の種別に応じて留意すべき点が異なることが考えられる。コンテンツ選択部192が、更新対象者の免許種別に応じコンテンツを選択することで、免許種別に応じた講習が可能になり、講習の効果を得やすいことが期待される。
【0112】
免許条件に関して、更新対象者が免許条件に該当するか否かに応じて、該当する場合はどの免許条件に該当するかに応じて、留意すべき事項が異なることが考えられる。コンテンツ選択部192が、免許条件に応じてコンテンツを選択することで、免許条件に応じた講習が可能になり、講習の効果を得やすいことが期待される。
【0113】
また、可否判定部191は、事前送信不可と判定した場合、免許更新手続時に運転免許更新講習を受講するように更新対象者に促す通知を事前受講端末装置12Aに行わせる。コンテンツ送信装置11によれば、更新対象者に、事前講習または更新時講習の何れか適切な講習を受けさせることができる。
また、コンテンツ送信装置11によれば、事前講習を受講できない場合の対応方法を更新対象者に通知することができる。これにより、更新対象者が事前講習を受講できないことで混乱することを防止できると期待される。
【0114】
図10は、実施形態に係るコンテンツ送信装置の例を示す図である。図10に示す構成で、コンテンツ送信装置610は、コンテンツ選択部611と、コンテンツ送信部612とを備える。
かかる構成で、コンテンツ選択部611は、運転免許の更新対象者の講習区分に基づいて、免許更新講習のためのコンテンツを選択する。コンテンツ送信部612は、選択されたコンテンツを、その更新対象者が使用する端末装置に送信する。
コンテンツ選択部611は、コンテンツ選択手段の例に該当する。コンテンツ送信部612は、コンテンツ送信手段の例に該当する。
【0115】
講習区分は、講習の内容を区別したほうが講習の効果を得易い区分と考えられる。コンテンツ選択部611が、講習区分に基づいてコンテンツを選択することで、講習区分に応じた講習が可能になり、講習の効果を得易いことが期待される。
また、コンテンツ送信装置610がコンテンツを端末装置に送信することで、更新対象者に応じた内容の細分化、最適化を図ることが比較的容易である。
【0116】
図11は、実施形態に係るコンテンツ送信方法における処理手順の例を示すフローチャートである。図11に示すコンテンツ送信方法は、コンテンツを選択すること(ステップS611)と、コンテンツを送信すること(ステップS612)とを含む。
【0117】
コンテンツを選択すること(ステップS611)では、運転免許の更新対象者の講習区分に基づいて、免許更新講習のためのコンテンツを選択する。コンテンツを送信すること(ステップS612)では、選択されたコンテンツを、その更新対象者が使用する端末装置に送信する。
【0118】
講習区分は、講習の内容を区別したほうが講習の効果を得易い区分と考えられる。図11の処理で、講習区分に基づいてコンテンツを選択することで、講習区分に応じた講習が可能になり、講習の効果を得易いことが期待される。
また、コンテンツを端末装置に送信することで、更新対象者に応じた内容の細分化、最適化を図ることが比較的容易である。
【0119】
図12は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
図12に示す構成で、コンピュータ700は、CPU710と、主記憶装置720と、補助記憶装置730と、インタフェース740とを備える。
【0120】
上記のコンテンツ送信装置11、事前受講端末装置12A、手続時受講端末装置12Bおよびコンテンツ送信装置610のうち何れか1つ以上が、コンピュータ700に実装されてもよい。その場合、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU710は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置720に確保する。各装置と他の装置との通信は、インタフェース740が通信機能を有し、CPU710の制御に従って通信を行うことで実行される。
【0121】
コンテンツ送信装置11がコンピュータ700に実装される場合、第一制御部190およびその各部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
また、CPU710は、プログラムに従って、第一記憶部180およびその各部に対応する記憶領域を主記憶装置720に確保する。
第一通信部110による通信は、インタフェース740が通信機を有し、CPU710の制御に従って動作することで実行される。
【0122】
事前受講端末装置12Aがコンピュータ700に実装される場合、第二制御部290およびその各部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
また、CPU710は、プログラムに従って、第二記憶部280に対応する記憶領域を主記憶装置720に確保する。
【0123】
第二通信部210による通信は、インタフェース740が通信機を有し、CPU710の制御に従って動作することで実行される。表示部220による各種画像の表示は、インタフェース740が表示画面を備え、CPU710の制御に従って各種画像を表示することで実行される。音声出力部230による音声の出力は、インタフェース740がスピーカを備え、CPU710の制御に従って音声を出力することで実行される。操作入力部240によるユーザ操作の受付は、インタフェース740が入力デバイスを備え、ユーザ操作を受け付けることで行われる。撮影部250による撮影は、インタフェース740がカメラを備え、CPU710の制御に従って撮影を行うことで実行される。
【0124】
手続時受講端末装置12Bがコンピュータ700に実装される場合、第三制御部390およびその各部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
また、CPU710は、プログラムに従って、第二記憶部280に対応する記憶領域を主記憶装置720に確保する。
【0125】
第二通信部210による通信は、インタフェース740が通信機を有し、CPU710の制御に従って動作することで実行される。表示部220による各種画像の表示は、インタフェース740が表示画面を備え、CPU710の制御に従って各種画像を表示することで実行される。音声出力部230による音声の出力は、インタフェース740がスピーカを備え、CPU710の制御に従って音声を出力することで実行される。操作入力部240によるユーザ操作の受付は、インタフェース740が入力デバイスを備え、ユーザ操作を受け付けることで行われる。撮影部250による撮影は、インタフェース740がカメラを備え、CPU710の制御に従って撮影を行うことで実行される。
【0126】
コンテンツ送信装置610がコンピュータ700に実装される場合、コンテンツ選択部611の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
また、CPU710は、プログラムに従って、コンテンツ送信装置610が行う処理に必要な記憶領域を主記憶装置720に確保する。
【0127】
コンテンツ送信部612による送信は、インタフェース740が通信機を有し、CPU710の制御に従って動作することで実行される。表示部220による各種画像の表示は、インタフェース740が表示画面を備え、CPU710の制御に従って各種画像を表示することで実行される。
【0128】
なお、コンテンツ送信装置11、事前受講端末装置12A、手続時受講端末装置12Bおよびコンテンツ送信装置610が行う処理の全部または一部を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0129】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本発明の実施形態は、コンテンツ送信装置、コンテンツ送信方法および記録媒体に適用してもよい。
【符号の説明】
【0131】
1 講習システム
11、610 コンテンツ送信装置
12 端末装置
12A 事前受講端末装置
12B 手続時受講端末装置
13 通信ネットワーク
110 第一通信部
180 第一記憶部
181 更新対象者情報記憶部
182 コンテンツ記憶部
190 第一制御部
191 可否判定部
192、611 コンテンツ選択部
193 コンテンツ送信制御部
194 コンテンツ評価部
210 第二通信部
220 表示部
230 音声出力部
240 操作入力部
250 撮影部
280 第二記憶部
290 第二制御部
291 受講処理部
292 受講状況処理部
293 事前受講通知制御部
390 第三制御部
612 コンテンツ送信部
700 コンピュータ
710 CPU
720 主記憶装置
730 補助記憶装置
740 インタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12