(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】情報表示装置、情報表示方法及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06F 21/62 20130101AFI20240925BHJP
【FI】
G06F21/62 345
(21)【出願番号】P 2022553372
(86)(22)【出願日】2020-10-01
(86)【国際出願番号】 JP2020037412
(87)【国際公開番号】W WO2022070380
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】上村 純一
【審査官】平井 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-115228(JP,A)
【文献】特開2017-120503(JP,A)
【文献】特開2015-032063(JP,A)
【文献】特開2010-176437(JP,A)
【文献】特開2020-024511(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0173450(US,A1)
【文献】特開2003-312173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/00-88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
第1のユーザの個人情報のうち、第2のユーザが前記表示手段に表示すること
を要求
している所望
の種類の個人情報を指定するための入力を受け付ける入力手段と、
前記第1のユーザが予め指定
した、前記第1のユーザの個人情報の種類の前記表示手段に表示することが許可されているか否かを示す単位許可データを含む許可データに基づいて、前記所望
の種類の個人情報を前記表示手段に表示
することが許可されているか否かを判定する判定手段と
を備え、
前記表示手段は、少なくとも表示することが許可されていない個人情報が認識可能な表示態様で表示されないように、個人情報を含む所定のフォーマットの物理的な媒体をカメラで撮像することで得られる画像、及び、前記所定のフォーマットの物理的な媒体を模した模擬画像の少なくとも一方を表示する
情報表示装置。
【請求項2】
前記許可データが、前記所望の個人情報を、前記表示手段に表示することが許可されている個人情報として指定している場合に、前記判定手段は、前記所望の個人情報を前記表示手段に表示可能であると判定し、
前記許可データが、前記所望の個人情報を、前記表示手段に表示することが許可されている個人情報として指定していない場合に、前記判定手段は、前記所望の個人情報を前記表示手段に表示可能でないと判定する
請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記入力手段は、前記所望の個人情報を指定する音声の入力を受け付ける
請求項1又は2に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記入力手段は、前記表示手段に表示された画像を用いて前記所望の個人情報を指定する操作の入力を受け付ける
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報表示装置。
【請求項5】
前記画像は、前記表示手段を視認するユーザが認識できないようにマスキング処理が施された前記所望の個人情報を含んでおり、
前記入力手段は、前記画像上で前記所望の個人情報を指定する操作の入力を受け付ける
請求項4に記載の情報表示装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記所望の個人情報を前記表示手段に表示可能であると前記判定手段が判定した場合には、前記所望の個人情報に施された前記マスキング処理を解除する
請求項5に記載の情報表示装置。
【請求項7】
前記入力手段は、複数の前記所望の個人情報をまとめて指定する入力を受け付ける
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報表示装置。
【請求項8】
前記入力手段は、前記情報
表示装置の位置に関する位置データの入力を受け付け、
前記判定手段は、前記位置データが示す前記位置において必要とされる個人情報を前記所望の個人情報に設定する
請求項1から7のいずれか一項に記載の情報表示装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報表示方法であって、
第1のユーザの個人情報のうち、第2のユーザが表示手段に表示すること
を要求
している所望
の種類の個人情報を指定するための入力を受け付け、
前記第1のユーザが予め指定
した、前記第1のユーザの個人情報の種類の前記表示手段に表示することが許可されているか否かを示す単位許可データを含む許可データに基づいて、前記所望
の種類の個人情報を前記表示手段に表示
することが許可されているか否かを判定し、
前記表示手段は、少なくとも表示することが許可されていない個人情報が認識可能な表示態様で表示されないように、個人情報を含む所定のフォーマットの物理的な媒体をカメラで撮像することで得られる画像、及び、前記所定のフォーマットの物理的な媒体を模した模擬画像の少なくとも一方を表示する
情報表示方法。
【請求項10】
コンピュータに情報表示方法を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記情報表示方法は、
第1のユーザの個人情報のうち、第2のユーザが表示手段に表示すること
を要求
している所望
の種類の個人情報を指定するための入力を受け付け、
前記第1のユーザが予め指定
した、前記第1のユーザの個人情報の種類の前記表示手段に表示することが許可されているか否かを示す単位許可データを含む許可データに基づいて、前記所望
の種類の個人情報を前記表示手段に表示
することが許可されているか否かを判定し、
前記表示手段は、少なくとも表示することが許可されていない個人情報が認識可能な表示態様で表示されないように、個人情報を含む所定のフォーマットの物理的な媒体をカメラで撮像することで得られる画像、及び、前記所定のフォーマットの物理的な媒体を模した模擬画像の少なくとも一方を表示する
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、個人情報を表示可能な情報表示装置、情報表示方法及び記録媒体の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの個人情報をデジタルデータとして管理するアプリケーションが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
個人情報がデジタルデータとして管理される場合、ユーザは、物理的な身分証明書を提示することなく、ユーザが保有する端末(例えば、スマートフォン)のディスプレイ上で個人情報を表示することで、個人情報を相手方に提示することができる。一方で、身分証明書がデジタルデータとして管理される場合には、デジタルデータとして提示される個人情報の不必要な流出を防ぐことが求められる。また、身分証明書に含まれる個人情報に限らず、ユーザの任意の個人情報をデジタルデータとして管理する場合においても同様に、個人情報の不必要な流出を防ぐことが求められる。
【0005】
本開示は、上述した技術的問題を解決可能な情報表示装置、情報表示方法及び記録媒体を提供することを課題とする。一例として、本開示は、個人情報の不必要な流出を防ぎながら個人情報を表示可能な情報表示装置、情報表示方法及び記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の情報表示装置の一態様は、表示手段と、前記表示手段に表示することが要求されている所望の個人情報を指定するための入力を受け付ける入力手段と、前記表示手段に表示することが許可されている個人情報を指定する許可データに基づいて、前記所望の個人情報を前記表示手段に表示可能か否かを判定する判定手段とを備える。
【0007】
本開示の情報表示方法の一態様は、表示手段に表示することが要求されている所望の個人情報を指定するための入力を受け付け、前記表示手段に表示することが許可されている個人情報を指定する許可データに基づいて、前記所望の個人情報を前記表示手段に表示可能か否かを判定する。
【0008】
本開示の記録媒体の一態様は、コンピュータに情報表示方法を実行させるコンピュータプログラムが記録された記録媒体であって、前記情報表示方法は、表示手段に表示することが要求されている所望の個人情報を指定するための入力を受け付け、前記表示手段に表示することが許可されている個人情報を指定する許可データに基づいて、前記所望の個人情報を前記表示手段に表示可能か否かを判定する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本実施形態の情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、表示許可データのデータ構造の一例を示すデータ構造図である。
【
図3】
図3は、情報表示装置が行う個人情報表示動作の流れを示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、マスキング処理が施された証明書画像を示す平面図である。
【
図5】
図5は、マスキング処理が施された証明書画像上で行われる第2のユーザの操作の様子を示す平面図である。
【
図6】
図6は、マスキング処理が施された証明書画像に重ねて表示される表示オブジェクトを示す平面図である。
【
図7】
図7は、所望の個人情報を指定するためのGUI(Graphical User Interface)の一例を示す平面図である。
【
図8】
図8は、所望の個人情報を指定するためのGUIの一例を示す平面図である。
【
図9】
図9は、マスキング処理が部分的に解除された証明書画像を示す平面図である。
【
図10】
図10は、第2のユーザが認識可能な表示態様で表示される所望の個人情報の一例を示す平面図である。
【
図11】
図11は、第2のユーザが認識可能な表示態様で表示される所望の個人情報の一例を示す平面図である。
【
図12】
図12は、第1変形例の情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、合成画像が模する物理的な媒体を指定するためのGUIを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、情報表示装置、情報表示方法及び記録媒体の実施形態について説明する。以下では、情報表示装置、情報表示方法及び記録媒体の実施形態が適用された情報表示装置1について説明する。
【0011】
情報表示装置1は、情報表示装置1を保有する又は使用するユーザの個人情報を表示するための個人情報表示動作を行うことが可能である。個人情報は、ユーザ個人に関する任意の情報を含んでいてもよい。例えば、個人情報は、当該個人情報に基づいてユーザを識別可能な任意の情報を含んでいてもよい。例えば、個人情報は、ユーザにリンクされた任意の情報を含んでいてもよい。例えば、個人情報は、ユーザに固有の任意の情報を含んでいてもよい。このような個人情報の一例として、ユーザの氏名、ユーザの住所、ユーザの生年月日、ユーザの年齢、ユーザの生誕地、ユーザの家族に関する情報、ユーザの身体的特徴(例えば、身長、体重及び顔写真の少なくとも一つ)に関する情報、ユーザの職業的特徴(例えば、現在の勤務先、勤続年数及び過去の勤務先の少なくとも一つ)に関する情報、ユーザの経済的特徴(例えば、年収、借入金額、自家保有の有無、銀行口座番号、クレジットカード番号及びユーザの過去の支払いの少なくとも一つ)に関する情報、ユーザの身分証明書に関する情報(例えば、免許証番号、マイナンバー及び社会保障番号のうちの少なくとも一つ)及びユーザの生体情報のうちの少なくとも一つがあげられる。
【0012】
情報表示装置1は、例えば、情報表示装置1を保有する又は使用する第1のユーザが、第1のユーザの個人情報を確認することを要求している第2のユーザに対して、第1のユーザの個人情報を提示する際に、個人情報表示動作を行ってもよい。この場合、第1のユーザは、個人情報が表示された情報表示装置1を第2のユーザに対して提示することで、第1のユーザの個人情報を第2のユーザに対して提示することができる。このような個人情報表示動作が行われる場面の一例として、購入に年齢制限がかけられている商品(例えば、タバコ及びアルコールの少なくとも一方)を第1のユーザが購入する際に、第1のユーザの年齢を、商品の販売者である第2のユーザに対して証明する場面があげられる。また、このような個人情報表示動作が行われる場面の他の一例として、ある商品を第1のユーザがクレジットカードで購入する際に、第1のユーザのクレジットカードのカード番号に関する情報を、商品の販売者である第2のユーザに対して提示する場面があげられる。
【0013】
以下、情報表示装置1について詳細に説明する。尚、以下の説明では、上述したように第1のユーザが第2のユーザに対して第1のユーザの個人情報を提示する個人情報表示動作を行う情報表示装置1について説明する。
【0014】
(1)情報表示装置1の構成
はじめに、
図1を参照しながら、本実施形態の情報表示装置1の構成について説明する。
図1は、本実施形態の情報表示装置1の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、情報表示装置1は、記憶装置11と、「判定手段」の一具体例である演算装置12と、「入力手段」の一具体例である入力装置13と、「表示手段」の一具体例であるディスプレイ14とを備えている。記憶装置11と、演算装置12と、入力装置13と、ディスプレイ14とは、データバス15を介して接続されている。
【0016】
記憶装置11は、所望のデータを記憶可能である。例えば、記憶装置11は、演算装置12が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶していてもよい。記憶装置11は、演算装置12がコンピュータプログラムを実行している際に演算装置12が一時的に使用するデータを一時的に記憶してもよい。記憶装置11は、情報表示装置1が長期的に保存するデータを記憶してもよい。尚、記憶装置11は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0017】
本実施形態では特に、記憶装置11は、情報表示装置1が行う個人情報表示動作のために用いられるデータを記憶する。具体的には、記憶装置11は、画像DB(DataBase)111と、「許可データ」の一具体例である表示許可データ112とを記憶する。
【0018】
画像DB111は、個人情報を含む画像を格納するデータベースである。つまり、本実施形態では、個人情報は、画像データとして記憶装置11によって記憶される。但し、後に変形例で説明するように、個人情報は、画像データとは異なるデータ形式で記憶装置11によって記憶されていてもよい。
【0019】
例えば、画像DB111は、個人情報が所定のフォーマットで記載され且つ第1のユーザが保有している物理的な媒体をカメラで撮像することで得られる画像を、個人情報を含む画像として格納していてもよい。物理的な媒体の一例として、第1のユーザの身分証明書があげられる。身分証明書は、ユーザの身分(言い換えれば、身元又は本人性)を証明可能な任意の文書及びカードの少なくとも一つを含んでいてもよい。身分証明書の一例として、運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、住民票、戸籍証明書、IDカード及びソーシャルセキュリティカードの少なくとも一つがあげられる。物理的な媒体の一例として、第1のユーザの家計に関連する媒体があげられる。第1のユーザの家計に関連する媒体の一例として、金融機関を利用するための媒体(例えば、銀行カード)及び金銭の支払いに利用するための媒体(例えば、クレジットカード、デビットカード、ローンカード及びポイントカードの少なくとも一つ)の少なくとも一つがあげられる。尚、以下では、説明の便宜上、画像DB111が、第1のユーザの身分証明書に関する画像(以降、“証明書画像1111”と称する)を格納している例を用いて説明を進める。
【0020】
表示許可データ112は、情報表示装置1が実際に表示することが第1のユーザによって許可されている個人情報を指定するためのデータである。表示許可データ112は、個人情報の表示の許可又は禁止を第1のユーザが予め指定することで生成される。表示許可データ112のデータ構造の一例が
図2に示されている。
図2に示すように、表示許可データ112は、ある項目の(言い換えれば、ある種類の)個人情報を情報表示装置1が実際に表示することが許可されているか否かを示す単位許可データ1121を、個人情報の項目数だけ含んでいてもよい。個人情報の表示が許可されていない場合には、当該個人情報の表示は禁止されていると言える。このため、表示許可データ112は、ある項目の個人情報を情報表示装置1が実際に表示することが禁止されているか否かを示す単位許可データ1121を、個人情報の項目数だけ含んでいるとみなしてもよい。例えば、
図2に示す例では、表示許可データ112は、(i)氏名に関する個人情報の表示が許可されている(つまり、禁止されていない)ことを示す単位許可データ1121と、(ii)住所に関する個人情報の表示が禁止されている(つまり、許可されていない)ことを示す単位許可データ1121と、(iii)生年月日に関する個人情報の表示が許可されていることを示す単位許可データ1121と、(iv)年齢に関する個人情報の表示が許可されていることを示す単位許可データ1121と、(v)顔写真に関する個人情報の表示が禁止されていることを示す単位許可データ1121と、(vi)免許証番号に関する個人情報の表示が許可されていることを示す単位許可データ1121と、(vii)マイナンバーに関する個人情報の表示が禁止されていることを示す単位許可データ1121と、(viii)社会保障番号に関する個人情報の表示が禁止されていることを示す単位許可データ1121とを含む。
【0021】
情報表示装置1は、表示許可データ112によって情報表示装置1が実際に表示することが許可されている個人情報を表示する。一方で、情報表示装置1は、表示許可データ112によって情報表示装置1が実際に表示することが許可されていない個人情報は、表示しない。このため、上述したように第2のユーザが第1の項目(例えば、顔写真)に関する個人情報を確認することを要求している場合であっても、個人情報の保有者である第1のユーザが当該第1の項目に関する個人情報の表示を許可していない場合には、情報表示装置1は、第1の項目に関する個人情報を表示しない。つまり、第2のユーザが第1の項目(例えば、顔写真)に関する個人情報を確認することを要求している場合には、個人情報の保有者である第1のユーザが当該第1の項目に関する個人情報の表示を許可している場合に限って、情報表示装置1は、第1の項目に関する個人情報を表示する。このため、個人情報の保有者である第1のユーザが意図しない不必要な個人情報の流出が適切に防止される。
【0022】
再び
図1において、演算装置12は、例えば、CPU(Central Proecssing Unit)を含む。演算装置12は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、演算装置12は、記憶装置11が記憶しているコンピュータプログラムを読み込んでもよい。例えば、演算装置12は、コンピュータで読み取り可能であって且つ一時的でない記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。演算装置12は、不図示の通信装置を介して、情報表示装置1の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、ダウンロードしてもよい又は読み込んでもよい)。演算装置12は、読み込んだコンピュータプログラムを実行する。その結果、演算装置12内には、情報表示装置1が行うべき動作(例えば、上述した個人情報表示動作)を行うための論理的な機能ブロックが実現される。つまり、演算装置12は、情報表示装置1が行うべき動作を実行するための論理的な機能ブロックを実現するためのコントローラとして機能可能である。
【0023】
図1には、個人情報表示動作を行うために演算装置12内に実現される論理的な機能ブロックの一例が示されている。
図1に示すように、演算装置12内には、要求特定部121と、表示判定部122と、表示制御部123とが実現されている。尚、要求特定部121、表示判定部122及び表示制御部123の夫々の動作については
図3等を参照しながら後に詳述するが、以下にその概要について簡単に説明する。要求特定部121は、第2のユーザによって情報表示装置1が表示することを要求されている第1のユーザの個人情報を特定する。つまり、要求特定部121は、第2のユーザが確認したい第1のユーザの個人情報を特定する。表示判定部122は、表示許可データ112に基づいて、要求特定部121が特定した個人情報が、情報表示装置1(具体的には、ディスプレイ14)に表示可能か否かを判定する。表示制御部123は、要求特定部121が特定した個人情報であって且つディスプレイ14に表示可能であると表示判定部122が判定した個人情報を表示するように、ディスプレイ14を制御する。
【0024】
入力装置13は、情報表示装置1の外部からの情報表示装置1に対する入力を受け付ける。情報表示装置1に対する入力は、ユーザからの入力を含んでいてもよい。ユーザからの入力は、音声を用いた入力を含んでいてもよい。この場合、入力装置13は、音声の入力を受け付けることが可能なマイクを含んでいてもよい。ユーザからの入力は、ユーザの操作に関する入力を含んでいてもよい。この場合、入力装置13は、ユーザが操作可能な操作装置(例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルの少なくとも一つ)を含んでいてもよい。情報表示装置1に対する入力は、通信ネットワークを介した入力を含んでいてもよい。この場合、入力装置13は、通信装置を含んでいてもよい。情報表示装置1に対する入力は、データの入力を含んでいてもよい。この場合、入力装置13は、データの入力を受け付け可能なインタフェース装置を含んでいてもよい。
【0025】
ディスプレイ14は、所望の画像を表示可能である。本実施形態では、上述したように、ディスプレイ14は、表示制御部123の制御下で、個人情報を表示する。
【0026】
(2)情報表示装置1が行う個人情報表示動作
続いて、
図3を参照しながら、情報表示装置1が行う個人情報表示動作について説明する。
図3は、情報表示装置1が行う個人情報表示動作の流れを示すフローチャートである。
【0027】
図3に示すように、表示制御部123は、画像DB111から、情報表示装置1が表示すべき個人情報を含む証明書画像1111を読み出す(ステップS10)。例えば、表示制御部123は、証明書画像1111を指定する第1のユーザの指示に基づいて、ユーザが指定した証明書画像1111を読み出してもよい。この場合、第1のユーザは、入力装置13を用いて、証明書画像1111を指定してもよい。
【0028】
その後、表示制御部123は、ステップS10で読み出した証明書画像1111に対して、マスキング処理を施す(ステップS11)。マスキング処理は、マスキング処理が施された証明書画像1111がディスプレイ14に表示された場合に、ディスプレイ14を視認するユーザ(特に、第2のユーザ)が証明書画像1111に含まれる個人情報を認識できなくなるように、証明書画像1111の少なくとも一部を加工する処理である。特に、マスキング処理によって証明書画像1111に含まれる個人情報をユーザ認識できなくなることを考慮すれば、マスキング処理は、証明書画像1111に含まれる個人情報をユーザ(特に、第2のユーザ)が認識できなくなるように、証明書画像1111のうち個人情報が写り込んでいる特定画像部分を少なくとも加工する処理であってもよい。マスキング処理の一例として、少なくとも特定画像部分を隠す処理、少なくとも特定画像部分の解像度を粗くする(つまり、下げる)処理及び少なくとも画像部分にモザイクをかける処理の少なくとも一つがあげられる。
【0029】
その後、表示制御部123は、ステップS11でマスキング処理が施された証明書画像1111を表示するように、ディスプレイ14を制御する(ステップS12)。その結果、
図4に示すように、ディスプレイ14は、マスキング処理が施された証明書画像1111を表示する。この場合、証明書画像1111に対してマスキング処理が施されているがゆえに、証明書画像1111に含まれている個人情報に対してもマスキング処理が施されている。このため、ステップS12において証明書画像1111が表示されたとしても、ユーザ(特に、第2のユーザ)は、証明書画像1111に写り込んだ個人情報を認識できない。このため、個人情報の保有者である第1のユーザが意図しない不必要な個人情報の流出が適切に防止される。但し、表示制御部123は、証明書画像1111を表示するように、ディスプレイ14を制御しなくてもよい。つまり、ディスプレイ14は、証明書画像1111を表示しなくてもよい。
【0030】
その後、入力装置13は、第1のユーザの個人情報を確認したい第2のユーザからの入力を受け付ける(ステップS13)。具体的には、入力装置13は、第2のユーザが確認することを希望している個人情報を指定するための第2のユーザからの入力を受け付ける。上述したように第2のユーザは情報表示装置1に表示された個人情報を確認するがゆえに、入力装置13は、第2のユーザが認識可能な状態で情報表示装置1に表示してほしいと第2のユーザが要求している個人情報を指定するための第2のユーザからの入力を受け付ける。言い換えれば、入力装置13は、第2のユーザが認識可能な状態で情報表示装置1に表示することが第2のユーザによって要求されている個人情報を指定するための第2のユーザからの入力を受け付ける。
【0031】
第2のユーザは、音声を用いて、第2のユーザが確認したい個人情報(以降、適宜“所望の個人情報”と称する)を指定してもよい。その結果、第2のユーザは、比較的容易に所望の個人情報を指定することができる。この場合、入力装置13は、入力装置13が備えるマイクを用いて、所望の個人情報を指定する第2のユーザの音声の入力を受け付けてもよい。
【0032】
第2のユーザは、入力装置13が備える操作装置を用いて、所望の個人情報を指定してもよい。この場合、入力装置13は、所望の個人情報を指定する第2のユーザの操作の入力を受け付けてもよい。例えば、第2のユーザは、ディスプレイ14に表示された証明書画像1111を用いて所望の個人情報を指定してもよい。例えば、第2のユーザは、ディスプレイ14に表示された証明書画像1111上で所望の個人情報を指定してもよい。その結果、第2のユーザは、視覚を介して直感的に所望の個人情報を指定することができる。一例として、入力装置13がディスプレイ14と一体化されたタッチパネルを含んでいる場合には、第2のユーザは、
図5に示すように、証明書画像1111のうち所望の個人情報が写り込んでいる画像領域を、第2のユーザの指31(或いは、任意のポインティングデバイス)を用いて選択してもよい。この場合、証明書画像1111のうち所望の個人情報が写り込んでいる特定画像部分を選択する操作が、所望の個人情報を指定する操作に相当する。
【0033】
但し、上述したように、証明書画像1111にマスキング処理が施されているため、第2のユーザは、証明書画像1111のどこにどの項目の個人情報が写り込んでいるかを容易に認識することができない可能性がある。そこで、表示制御部123は、証明書画像1111に重ねて、証明書画像1111のどこにどの項目の個人情報が写り込んでいるかを示す表示オブジェクトを表示するように、ディスプレイ14を制御してもよい。例えば、
図6に示すように、表示制御部123は、証明書画像1111のうち個人情報が写り込んでいる特定画像部分の位置を示す表示オブジェクト1112を表示してもよい。
図6に示す例では、表示オブジェクト1112は、特定画像部分を取り囲むフレーム状の表示オブジェクトである。例えば、
図6に示すように、表示制御部123は、証明書画像1111に写り込んでいる個人情報の項目名を示す表示オブジェクト1113を表示してもよい。
図6に示す例では、表示オブジェクト1113は、個人情報の項目名を示すテキストオブジェクトである。
【0034】
尚、
図6に示す表示オブジェクトを表示するために、画像DB111は、表示オブジェクトを表示するために利用可能な情報を、証明書画像1111に関連付けて格納していてもよい。例えば、画像DB111は、証明書画像1111に含まれる個人情報の項目(言い換えれば、種類)に関する項目情報と、証明書画像1111内で個人情報が写り込んでいる位置に関する写り込み位置情報とを、表示オブジェクトを表示するために利用可能な情報として格納していてもよい。
【0035】
或いは、第2のユーザは、証明書画像1111に加えて又は代えて、所望の個人情報を指定するための画像を用いて、所望の個人情報を指定してもよい。この場合も、第2のユーザは、視覚を介して直感的に所望の個人情報を指定することができる。例えば、第2のユーザは、所望の個人情報を指定するための任意の画像上で所望の個人情報を指定してもよい。この場合、表示制御部123は、証明書画像1111に加えて又は代えて、所望の個人情報を指定するための任意の画像を表示してもよい。
【0036】
所望の個人情報を指定するための画像は、所望の個人情報を指定するための任意のGUI(Graphical User Interface)141を含んでいてもよい。
【0037】
GUI141の一例が
図7に示されている。
図7に示すように、GUI141は、所望の個人情報を指定するために第2のユーザが押下可能なボタン1411を含んでいてもよい。
図7に示す例では、GUI141は、氏名に関する個人情報を所望の個人情報として指定したい場合に第2のユーザが押下するボタン1411aと、住所に関する個人情報を所望の情報として指定したい場合に第2のユーザが押下するボタン1411bと、生年月日に関する個人情報を所望の情報として指定したい場合に第2のユーザが押下するボタン1411cと、顔写真に関する個人情報を所望の情報として指定したい場合に第2のユーザが押下するボタン1411dとを含んでいる。更に、GUI141は、証明書画像1111に含まれる全ての個人情報を所望の個人情報として指定したい場合に第2のユーザが押下するボタン1412を含んでいてもよい。つまり、GUI141は、複数の個人情報の夫々を所望の個人情報としてまとめて(言い換えれば、一括して)指定したい場合に第2のユーザが押下するボタン1412を含んでいてもよい。その結果、第2のユーザは、所望の個人情報を指定する操作を何度も繰り返さなくてもよくなる。更に、GUI141は、所望の個人情報を指定する操作が終了した後に所望の個人情報の表示を開始したい場合に第2のユーザが押下するボタン1413を含んでいてもよい。
【0038】
GUI141の他の一例が
図8に示されている。
図8に示すように、GUI141は、情報表示装置1に表示される個人情報を用いて実現したい用途を指定することで所望の個人情報を指定するために第2のユーザが押下可能なボタン1414を含んでいてもよい。つまり、GUI141は、個人情報の用途を指定するために第2のユーザが押下可能なボタン1414を含んでいてもよい。というのも、第2のユーザは、ある用途で第1のユーザの個人情報を確認したいことが多い。このため、第2のユーザが確認したい個人情報(つまり、所望の個人情報)は、個人情報の用途に応じて決まる可能性が高い。このため、
図8に示すGUI141は、個人情報の用途の入力を受け付けることで、実質的には、所望の個人情報を指定するための第2のユーザの操作の入力を受け付けているとみなしてもよい。
【0039】
個人情報の用途の一例として、第1のユーザにアルコールを販売してもよいか否かをアルコールの販売店の店員である第2のユーザが判定する第1の用途があげられる。この場合、第2のユーザは、第1のユーザの年齢及び生年月日の少なくとも一つを確認したいはずである。このため、第1の用途が選択された場合には、年齢及び生年月日の少なくとも一つが、所望の個人情報として指定されてもよい。個人情報の用途の一例として、第1のユーザにレンタカーを貸与してもよいか否かをレンタカー店の店員である第2のユーザが判定する第2の用途があげられる。この場合、第2のユーザは、第1のユーザの氏名、住所及び免許証番号を確認したいはずである。このため、第2の用途が選択された場合には、氏名、住所及び免許証番号が、所望の個人情報として指定されてもよい。個人情報の用途の一例として、第1のユーザにタバコを販売してもよいか否かをタバコの販売店の店員である第2のユーザが判定する第3の用途があげられる。この場合、第2のユーザは、第1のユーザの年齢及び生年月日の少なくとも一つを確認したいはずである。このため、第3の用途が選択された場合には、年齢及び生年月日の少なくとも一つが、所望の個人情報として指定されてもよい。個人情報の用途の一例として、第1のユーザと携帯電話の回線の契約を締結してもよいか否かを携帯電話の販売店の店員である第2のユーザが判定する第4の用途があげられる。この場合、第2のユーザは、第1のユーザの氏名、住所及び年齢を確認したいはずである。このため、第4の用途が選択された場合には、氏名、住所及び年齢が、所望の個人情報として指定されてもよい。
図8は、GUI141が、このような第1の用途から第4の用途を夫々指定するための四つのボタン1414を含む例を示している。つまり、
図8に示す例では、GUI141は、第1のユーザにアルコールを販売してもよいか否かを第2のユーザが判定する用途で第2のユーザが第1のユーザの個人情報を確認したい場合に、第2のユーザが押下するボタン1414aと、第1のユーザにレンタカーを貸与してもよいか否かを第2のユーザが判定する用途で第2のユーザが第1のユーザの個人情報を確認したい場合に、第2のユーザが押下するボタン1414bと、第1のユーザにタバコを販売してもよいか否かを第2のユーザが判定する用途で第2のユーザが第1のユーザの個人情報を確認したい場合に、第2のユーザが押下するボタン1414cと、第1のユーザと携帯電話の回線の契約を締結してもよいか否かを第2のユーザが判定する用途で第2のユーザが第1のユーザの個人情報を確認したい場合に、第2のユーザが押下するボタン1414dとを含んでいる。
【0040】
少なくとも一つのボタン1414は、単一の個人情報を所望の個人情報として個別に指定したい場合に第2のユーザが押下するボタン1414であってもよい。或いは、少なくとも一つのボタン1414は、複数の個人情報の夫々を所望の個人情報としてまとめて指定したい場合に第2のユーザが押下するボタン1414であってもよい。
図8に示す例では、ボタン1414b及び1414dの夫々は、複数の個人情報の夫々を所望の個人情報としてまとめて指定したい場合に第2のユーザが押下するボタン1414である。
【0041】
再び
図3において、その後、要求特定部121は、ステップS13において入力装置13が受け付けた入力(つまり、第2のユーザが確認したい所望の個人情報を指定するための入力)の内容に基づいて、所望の個人情報(例えば、所望の個人情報の項目名)を特定する(ステップS14)。例えば、所望の個人情報を指定する音声の入力を入力装置13が受け付けた場合には、要求特定部121は、音声を解析することで、所望の個人情報を特定してもよい。例えば、所望の個人情報を指定する操作の入力を入力装置13が受け付けた場合には、要求特定部121は、操作の内容を解析することで、所望の個人情報を特定してもよい。
【0042】
一例として、入力装置13が、証明書画像1111のうち所望の個人情報が写り込んでいる特定画像部分を選択する操作の入力を受け付けてもよいことは上述したとおりである。この場合、要求特定部121は、証明書画像1111内でのユーザが選択した位置(つまり、特定画像部分の位置)を特定してもよい。その後、要求特定部121は、証明書画像1111に含まれる個人情報の項目(言い換えれば、種類)に関する項目情報と、証明書画像1111内で個人情報が写り込んでいる位置に関する写り込み位置情報とに基づいて、証明書画像1111内での特定画像部分の位置に記載されている個人情報を特定してもよい。尚、項目情報及び写り込み情報は、上述したように画像DB111に格納されていてもよい。
【0043】
他の一例として、入力装置13が、所望の個人情報を指定するためのGUI141の操作の入力を受け付けてもよいことは上述したとおりである。この場合、要求特定部121は、GUI141の操作の内容に基づいて、所望の個人情報を特定してもよい。例えば、要求特定部121は、第2のユーザが押下したボタン1411、1412又は1414に対応する少なくとも一つの個人情報を、所望の個人情報として特定してもよい。
【0044】
その後、表示判定部122は、ステップS14において要求特定部121が特定した所望の個人情報をディスプレイ14が表示することが、表示許可データ112によって許可されているか否かを判定する(ステップS15)。つまり、表示判定部122は、表示許可データ112に基づいて、ステップS14において要求特定部121が特定した所望の個人情報が、ディスプレイ14に表示可能か否かを判定する(ステップS15)。例えば、
図2に示す表示許可データ112が用いられる状況下で要求特定部121が氏名に関する個人情報を所望の個人情報として特定した場合には、表示判定部122は、氏名に関する個人情報をディスプレイ14が表示することが、表示許可データ112によって許可されていると判定する。他方で、例えば、
図2に示す表示許可データ112が用いられる状況下で要求特定部121が住所に関する個人情報を所望の個人情報として特定した場合には、表示判定部122は、住所に関する個人情報をディスプレイ14が表示することが、表示許可データ112によって許可されていないと判定する。
【0045】
ステップS15における判定の結果、所望の個人情報をディスプレイ14が表示することが許可されている(つまり、所望の個人情報をディスプレイ14に表示可能である)と判定された場合には(ステップS15:Yes)、表示制御部123は、所望の個人情報を、第2のユーザが認識可能な表示態様で表示するように、ディスプレイ14を制御する(ステップS16)。
【0046】
例えば、上述したようにステップS12においてマスキング処理が施された証明書画像1111が表示されている場合には、表示制御部123は、所望の個人情報に施されたマスキング処理を解除してもよい。一方で、表示制御部123は、所望の個人情報とは異なる個人情報に施されたマスキング処理を解除しないことが好ましい。その結果、
図9に示すように、ディスプレイ14は、所望の個人情報が第2のユーザによって認識可能である一方で、所望の個人情報とは異なる個人情報が第2のユーザによって認識できない表示態様で、証明書画像1111を表示する。
図9は、氏名に関する個人情報及び生年月日に関する個人情報が所望の個人情報として指定され且つディスプレイ14に表示可能であると判定された場合にディスプレイ14が表示する証明書画像1111の一例を示している。
【0047】
或いは、例えば、表示制御部123は、証明書画像1111に加えて又は代えて、所望の個人情報の内容を表す表示オブジェクトを、所望の個人情報が第2のユーザによって認識可能な表示態様で表示するように、ディスプレイ14を制御してもよい。例えば、
図10に示すように、表示制御部123は、所望の個人情報の内容を表すテキストオブジェクトを、当該テキストが第2のユーザによって認識可能な表示態様で表示するように、ディスプレイ14を制御してもよい。この場合、画像DB111は、所望の個人情報の内容に関する情報を、証明書画像1111に関連付けて格納していてもよい。
【0048】
表示制御部123は、必要に応じて、所望の個人情報の表示態様を変更してもよい。例えば、表示制御部123は、所望の個人情報の表示態様を、
図9に示す表示態様と
図10に示す表示態様との間で変更してもよい。この場合、表示制御部123は、所望の個人情報の表示態様の変更を指示するための第1又は第2のユーザからの入力装置13を介した入力に基づいて、所望の個人情報の表示態様を変更してもよい。このような所望の個人情報の表示態様の変更を指示するための入力を受け付けるために、例えば、表示制御部123は、
図11に示すように、所望の個人情報を表示すると共に、所望の個人情報の表示態様の変更を指示する際に第1又は第2のユーザが押下可能なボタン1415を表示してもよい。この場合、ボタン1415が押下される都度、表示制御部123は、所望の個人情報の表示態様を、
図9に示す表示態様から
図10に示す表示態様へと又は
図10に示す表示態様から
図9に示す表示態様へと変更してもよい。
【0049】
他方で、ステップS15における判定の結果、所望の個人情報をディスプレイ14が表示することが許可されていない(つまり、所望の個人情報をディスプレイ14に表示可能でない)と判定された場合には(ステップS15:No)、表示制御部123は、ステップS16の動作を行わない。つまり、表示制御部123は、所望の個人情報を、第2のユーザが認識可能な表示態様で表示するように、ディスプレイ14を制御しない。その結果、第2のユーザは、所望の個人情報を認識することができない。
【0050】
(3)情報表示装置1の技術的効果
以上説明したように、本実施形態の情報表示装置1は、第2のユーザが所望の個人情報を確認することを要求している場合には、所望の個人情報の保有者である第1のユーザが当該所望の個人情報の表示を許可している場合に限って、第2のユーザが所望の個人情報を認識可能な表示態様で所望の個人情報を表示する。つまり、情報表示装置1は、第2のユーザが所望の個人情報を確認することを要求している場合であっても、第1のユーザが所望の個人情報の表示を許可していない場合には、第2のユーザが所望の個人情報を認識可能な表示態様で所望の個人情報を表示することはない。従って、このため、個人情報の保有者である第1のユーザが意図しない不必要な個人情報の流出が適切に防止される。
【0051】
また、本実施形態では、情報表示装置1は、所望の情報を指定する第2のユーザからの入力を受け付けるという条件を、第2のユーザが所望の個人情報を認識可能な表示態様で所望の個人情報を表示するための条件の一つとして採用している。このため、第1のユーザが上述した個人情報表示動作を行うことなく単に情報表示装置1に第1のユーザの身分証明書の画像を表示することで第2のユーザを欺こうとしても、第2のユーザは、情報表示装置1の動作が通常の動作と異なることを認識できる。つまり、第2のユーザが所望の情報を指定するというアクションをとっていないにも関わらず情報表示装置1に所望の個人情報が表示されているがゆえに、第2のユーザは、情報表示装置1の動作が通常の動作と異なることを認識できる。その結果、第2のユーザは、第1のユーザが第2のユーザを欺こうと又は第1のユーザの身分を偽ろうとしている可能性があると認識できる。このため、情報表示装置1は、第1のユーザによる個人情報の偽装をも防止することができる。
【0052】
また、本実施形態では、第2のユーザが確認したい所望の個人情報が選択的に、第2のユーザが認識可能な表示態様で表示される。このため、あらゆる個人情報が第2のユーザが認識可能な表示態様で表示される場合と比較して、第2のユーザは、第2のユーザ自身がまさに確認したい所望の個人情報を容易に認識することができる。
【0053】
(4)変形例
続いて、情報表示装置1の変形例について説明する。
【0054】
(4-1)第1変形例
はじめに、
図12を参照しながら、第1変形例の情報表示装置1(以降、“情報表示装置1a”と称する)について説明する。
図12は、第1変形例の情報表示装置1aの構成を示すブロック図である。
【0055】
図12に示すように、第1変形例の情報表示装置1aは、上述した情報表示装置1と比較して、記憶装置11が画像DB111に加えて又は代えて個人情報DB113aを記憶していてもよいという点で異なる。更に、情報表示装置1aは、上述した情報表示装置1と比較して、演算装置12内に論理的な処理ブロックとしての画像生成部124aが実現されていてもよいという点で異なる。情報表示装置1aのその他の特徴は、情報表示装置1のその他の特徴と同一であってもよい。
【0056】
個人情報DB113aは、画像DB111と比較して、個人情報を画像データとは異なるデータ形式で格納してもよいという点で異なる。例えば、個人情報DB113aは、個人情報をテキストデータとして格納してもよい。例えば、個人情報DB113aは、個人情報を画像データとして格納してもよい。例えば、個人情報DB113aは、個人情報を音声データとして格納してもよい。例えば、個人情報DB113aは、個人情報を独自のデータ形式で格納してもよい。このため、個人情報DB113aは、画像DB111と比較して、多種多様な個人情報を格納することができる。
【0057】
このように記憶装置11が個人情報DB113aを記憶している場合においても、記憶装置11が画像DB111を記憶している場合と同様に、情報表示装置1aは、上述した個人情報表示動作を行ってもよい。つまり、情報表示装置1aは、第2のユーザが所望の個人情報を確認することを要求している場合には、第1のユーザが当該所望の個人情報の表示を許可している場合に限って、第2のユーザが所望の個人情報を認識可能な表示態様で所望の個人情報を表示してもよい。つまり、情報表示装置1aは、第2のユーザが所望の個人情報を確認することを要求している場合であっても、第1のユーザが所望の個人情報の表示を許可していない場合には、第2のユーザが所望の個人情報を認識可能な表示態様で所望の個人情報を表示することはない。このため、情報表示装置1aは、情報表示装置1が享受可能な効果と同様の効果を享受することができる。
【0058】
画像生成部124aは、個人情報DB113aに格納されている少なくとも一つの個人情報を用いて、当該少なくとも一つの個人情報を含む所定のフォーマットの物理的な媒体を模した模擬画像を生成可能である。つまり、画像生成部124aは、個人情報DB113aに格納されている少なくとも一つの個人情報を用いて、当該少なくとも一つの個人情報が所定のフォーマットで記載され且つユーザが物理的に保有可能な物理的な媒体を模した模擬画像を生成可能である。例えば、上述したように、物理的な媒体の一例として、運転免許証等の身分証明書があげられる。この場合、画像生成部124aは、個人情報DB113aから身分証明書に含まれる個人情報を読み出し、読み出した個人情報を含み且つ身分証明書を模した模擬画像を生成してもよい。この場合、個人情報DB113aが物理的な媒体の画像データを格納していなくても、情報表示装置1aは、当該物理的な媒体と撮像することで得られる画像と同様の模擬画像を表示することができる。
【0059】
画像生成部124aは、模擬画像が模する物理的な媒体を指定するユーザ(例えば、第1のユーザ)からの入力に基づいて、模擬画像を生成してもよい。具体的には、例えば、表示制御部123は、
図13に示すように、模擬画像が模する物理的な媒体を指定するためのGUI142を表示してもよい。
図13に示す例では、GUI142は、模擬画像が模する物理的な媒体として運転免許証を指定するためにユーザが押下可能なボタン1421aと、模擬画像が模する物理的な媒体としてマイナンバーカードを指定するためにユーザが押下可能なボタン1421bと、模擬画像が模する物理的な媒体としてクレジットカードを指定するためにユーザが押下可能なボタン1421cとを含んでいる。更に、GUI142は、物理的な媒体を指定する操作が終了した後に模擬画像の生成を開始させたい場合にユーザが押下するボタン1422を含んでいてもよい。
【0060】
表示制御部123は、画像生成部124aが生成した模擬画像を表示するように、ディスプレイ14を制御してもよい。この場合、情報表示装置1aは、模擬画像を対象に、上述した個人情報表示動作を行ってもよい。つまり、情報表示装置1aは、模擬画像を上述した証明書画像1111として用いることで、上述した個人情報表示動作を行ってもよい。例えば、第2のユーザが模擬画像に含まれる所望の個人情報を確認することを要求している場合には、第1のユーザが当該所望の個人情報の表示を許可している場合に限って、第2のユーザが所望の個人情報を認識可能な表示態様で模擬画像を表示してもよい。つまり、情報表示装置1aは、第2のユーザが模擬画像に含まれる所望の個人情報を確認することを要求している場合であっても、第1のユーザが所望の個人情報の表示を許可していない場合には、第2のユーザが所望の個人情報を認識可能な表示態様で模擬画像を表示することはない。例えば、情報表示装置1aは、第2のユーザが所望の個人情報を認識できない表示態様で模擬画像を表示してもよい。従って、模擬画像を表示する場合においても、個人情報の保有者である第1のユーザが意図しない不必要な個人情報の流出が適切に防止される。
【0061】
(4-2)第2変形例
上述した説明では、
図3のステップS13において、入力装置13は、第2のユーザが確認することを希望している所望の個人情報を指定するための第2のユーザからの入力を受け付けている。一方で、第2変形例では、入力装置13は、情報表示装置1の位置に関する装置位置データの入力を、所望の個人情報を指定するための入力として受け付けてもよい。例えば、入力装置13は、不図示のGPS(Global Positioning System)装置から、装置位置データの入力を受け付けてもよい。
【0062】
装置位置情報が入力された場合には、要求特定部121は、装置位置データに基づいて、第2のユーザが確認することを希望している所望の個人情報を特定する(実質的には、推定する)。例えば、要求特定部121は、装置位置データが示す位置において必要とされる可能性がある個人情報を、所望の個人情報として特定してもよい。例えば、装置位置データが示す位置にアルコールの販売店が存在する場合には、当該位置において、第1のユーザは、アルコールを購入する可能性があると想定される。その結果、アルコールの販売店の店員である第2のユーザは、第1のユーザの年齢及び生年月日の少なくとも一方を確認したい可能性があると想定される。このため、この場合には、要求特定部121は、装置位置データが示す位置において必要とされる可能性がある年齢及び生年月日の少なくとも一方に関する個人情報を、所望の個人情報として特定してもよい。
【0063】
このような第2変形例によれば、情報表示装置1は、所望の個人情報を指定するための第2のユーザからの入力を受け付けていない場合であっても、実質的には第2のユーザからの入力を受け付けた場合と同様に、所望の個人情報を特定することができる。
【0064】
(5)付記
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
[付記1]
表示手段と、
前記表示手段に表示することが要求されている所望の個人情報を指定するための入力を受け付ける入力手段と、
前記表示手段に表示することが許可されている個人情報を指定する許可データに基づいて、前記所望の個人情報を前記表示手段に表示可能か否かを判定する判定手段と
を備える情報表示装置。
[付記2]
前記許可データが、前記所望の個人情報を、前記表示手段に表示することが許可されている個人情報として指定している場合に、前記判定手段は、前記所望の個人情報を前記表示手段に表示可能であると判定し、
前記許可データが、前記所望の個人情報を、前記表示手段に表示することが許可されている個人情報として指定していない場合に、前記判定手段は、前記所望の個人情報を前記表示手段に表示可能でないと判定する
付記1に記載の情報表示装置。
[付記3]
前記入力手段は、前記所望の個人情報を指定する音声の入力を受け付ける
付記1又は2に記載の情報表示装置。
[付記4]
前記入力手段は、前記表示手段に表示された画像を用いて前記所望の個人情報を指定する操作の入力を受け付ける
付記1から3のいずれか一項に記載の情報表示装置。
[付記5]
前記画像は、前記表示手段を視認するユーザが認識できないようにマスキング処理が施された前記所望の個人情報を含んでおり、
前記入力手段は、前記画像上で前記所望の個人情報を指定する操作の入力を受け付ける
付記4に記載の情報表示装置。
[付記6]
前記表示手段は、前記所望の個人情報を前記表示手段に表示可能であると前記判定手段が判定した場合には、前記所望の個人情報に施された前記マスキング処理を解除する
付記5に記載の情報表示装置。
[付記7]
前記入力手段は、複数の前記所望の個人情報をまとめて指定する入力を受け付ける
付記1から6のいずれか一項に記載の情報表示装置。
[付記8]
前記入力手段は、前記表示手段の位置に関する位置データの入力を受け付け、
前記判定手段は、前記位置データが示す前記位置において必要とされる個人情報を前記所望の個人情報に設定する
付記1から7のいずれか一項に記載の情報表示装置。
[付記9]
前記所望の個人情報に基づいて、前記所望の個人情報を含む所定フォーマットの物理的な媒体を模した画像を生成する生成手段を更に備え、
前記表示手段は、(i)前記所望の個人情報を前記表示手段に表示可能であると前記判定手段が判定した場合には、前記所望の個人情報が前記表示手段を視認するユーザによって認識可能な表示態様で、前記画像を表示し、(ii)前記所望の個人情報を前記表示手段に表示可能でないと前記判定手段が判定した場合には、前記所望の個人情報が前記ユーザによって認識可能な表示態様で、前記画像を表示しない
付記1から8のいずれか一項に記載の情報表示装置。
[付記10]
前記表示手段は、前記所望の個人情報の表示態様を変更可能である
付記1から9のいずれか一項に記載の情報表示装置。
[付記11]
表示手段に表示することが要求されている所望の個人情報を指定するための入力を受け付け、
前記表示手段に表示することが許可されている個人情報を指定する許可データに基づいて、前記所望の個人情報を前記表示手段に表示可能か否かを判定する
情報表示方法。
[付記12]
コンピュータに情報表示方法を実行させるコンピュータプログラムが記録された記録媒体であって、
前記情報表示方法は、
表示手段に表示することが要求されている所望の個人情報を指定するための入力を受け付け、
前記表示手段に表示することが許可されている個人情報を指定する許可データに基づいて、前記所望の個人情報を前記表示手段に表示可能か否かを判定する
記録媒体。
【0065】
本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う情報表示装置、情報表示方法及び記録媒体もまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1、1a 情報表示装置
11 記憶装置
111 画像DB
112 表示許可データ
113a 個人情報DB
12 演算装置
121 要求特定部
122 表示判定部
123 表示制御部
124a 画像生成部
13 入力装置
14 ディスプレイ