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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/09 20120101AFI20240925BHJP
   B60W 30/095 20120101ALI20240925BHJP
   B60W 30/182 20200101ALI20240925BHJP
   B60W 40/08 20120101ALI20240925BHJP
   B60W 40/076 20120101ALI20240925BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20240925BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B60W30/09
B60W30/095
B60W30/182
B60W40/08
B60W40/076
B60W60/00
G08G1/16 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023003134
(22)【出願日】2023-01-12
(65)【公開番号】P2024099293
(43)【公開日】2024-07-25
【審査請求日】2023-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(74)【代理人】
【識別番号】100167793
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 学
(72)【発明者】
【氏名】岩城 祐輝
【審査官】藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-160633(JP,A)
【文献】特開2018-088060(JP,A)
【文献】特開2021-095133(JP,A)
【文献】特開2022-044236(JP,A)
【文献】特開2016-137819(JP,A)
【文献】米国特許第8352110(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00 ~ 60/00
B60W 10/00 ~ 10/30
G08G 1/00 ~ 1/16
B62D 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の操舵及び速度を自動制御して前記車両を走行させる自動運転制御を実行可能な制御装置であって、
前記車両の進行を妨げる障害物を前記自動運転制御で回避しているときに、運転者によって速度を制御するための速度制御操作が行われたか否かを判定する判定部と、
前記速度制御操作が行われたと判定された場合に、前記自動運転制御のうちの前記速度の自動制御を手動制御に切り替えて、前記操舵の自動制御を継続させる制御切替部と、
を有し、
前記判定部は、
前記車両のステアリングホイールの回転角が前記自動運転制御の前記操舵の制御量に対応する基準角度を含む判定範囲外であり、かつ前記操舵の自動制御による前記車両の旋回方向と、運転者による操舵制御操作の旋回方向とが同じである場合、前記操舵制御操作が行われたと判定し、
前記操舵の自動制御の旋回方向と、前記操舵制御操作の旋回方向とが異なる場合、前記操舵制御操作が行われていないと判定し、
前記制御切替部は、前記操舵制御操作が行われたと判定された場合に、前記操舵の自動制御を手動制御に切り替える、
する制御装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記車両のアクセルペダルの踏込量及びブレーキペダルの踏込量のうちの少なくともいずれかが、前記自動運転制御の前記速度の制御量に対応する判定閾値よりも大きくなった場合に前記速度制御操作が行われたと判定する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記車両のステアリングホイールに取り付けられたセンサにより物体の接触が検知されたら前記操舵制御操作が行われたと判定する、
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記車両が勾配のある道路を走行しているときに、前記操舵制御操作が行われたか否かを判定する、
請求項に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の自動制御と手動制御とを切り替える制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の操舵及び速度を制御して自動運転を行う自動運転装置が知られている。特許文献1には、車両の自動運転中に車両の運転者によるアクセル操作及びブレーキ操作のいずれかの操作量が閾値以上である場合には、自動運転を手動運転に切り替える技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-175613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、障害物を自動制御で回避している状態で運転者がアクセル及びブレーキのいずれかを操作した際に、運転者がステアリングホイールから手を離していると操舵操作が遅れることがある。このように、運転者の操舵操作が遅れてしまうような状況で操舵の自動制御を手動制御に切り替えてしまうと、車両の操舵が制御されない状態になってしまい、障害物を回避できなくなるおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、障害物を回避できなくなることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様においては、車両の操舵及び速度を自動制御して前記車両を走行させる自動運転制御を実行可能な制御装置であって、前記車両の進行を妨げる障害物を前記自動運転制御で回避しているときに、運転者によって速度を制御するための速度制御操作が行われたか否かを判定する判定部と、前記速度制御操作が行われたと判定された場合に、前記自動運転制御のうちの前記速度の自動制御を手動制御に切り替えて、前記操舵の自動制御を継続させる制御切替部と、を有する制御装置を提供する。
【0007】
前記判定部は、前記車両のアクセルペダルの踏込量及びブレーキペダルの踏込量のうちの少なくともいずれかが、前記自動運転制御の前記速度の制御量に対応する判定閾値よりも大きくなった場合に前記速度制御操作が行われたと判定してもよい。
【0008】
前記判定部は、前記車両のステアリングホイールの回転角が前記自動運転制御の前記操舵の制御量に対応する基準角度を含む判定範囲外になった場合に操舵制御操作が行われたと判定し、前記制御切替部は、前記操舵制御操作が行われたと判定された場合に、前記操舵の自動制御を手動制御に切り替えてもよい。
【0009】
前記判定部は、前記車両のステアリングホイールに取り付けられたセンサにより物体の接触が検知されたら操舵制御操作が行われたと判定してもよい。
【0010】
前記判定部は、前記車両が勾配のある道路を走行しているときに、前記操舵制御操作が行われたか否かを判定してもよい。
【0011】
前記判定部は、前記操舵の自動制御による前記車両の旋回方向と、前記操舵制御操作による旋回方向とが同じであるときに前記操舵制御操作が行われたと判定し、前記操舵の自動制御の旋回方向と、前記操舵制御操作の旋回方向とが異なれば、前記操舵制御操作が行われていないと判定してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、障害物を回避できなくなることを抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】制御装置の構成を説明するための図である。
図2】速度制御操作が行われたか否かを判定する処理を説明するための図である。
図3】操舵制御操作が行われたか否かを判定する処理を説明するための図である。
図4】自動制御から手動制御に制御を切り替える処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[制御装置1の構成]
図1は、制御装置1の構成を説明するための図である。制御装置1は、自動運転車両である車両2に搭載されている。車両2には、アクセルペダル3、ブレーキペダル4、ステアリングホイール5及び自動運転装置6が搭載されている。
【0015】
アクセルペダル3とブレーキペダル4とは、車両2の運転者が車両2の速度を制御するための速度制御装置である。運転者は、アクセルペダル3を踏み込むことにより車両2を加速させることができ、ブレーキペダル4を踏み込むことにより車両2を減速させることができる。運転者は、ステアリングホイール5を回転させることにより車両2の操舵角を変化させることができる。
【0016】
自動運転装置6は、車両2の操舵及び速度を自動制御して車両2を走行させる自動運転制御を実行する。例えば、自動運転装置6は、図示しない撮像装置及びLIDAR等の車両2の周辺状況を検出するセンサの検出値と、車両2の状態を検出するセンサの出力値とに基づいて、目標地点に向かうように車両2を走行させる。また、自動運転装置6は、車両2の進行方向前方に車両2の進行を妨げる障害物が存在していれば、車両2と障害物とが接触しないように車両2を走行させることで障害物を回避させる。障害物は、例えば他車両、人、道路上の物体である。自動運転装置6は、障害物の側方を車両2に通過させる又は障害物の手前で車両2を停車させることにより、車両2と障害物との接触を回避させる。
【0017】
制御装置1は、自動運転制御と、運転者の操作で操舵及び速度を制御する手動運転制御とを切り替える。手動運転制御は、運転者がアクセルペダル3又はブレーキペダル4を踏み込む操作により速度を制御する手動速度制御、及び運転者がステアリングホイール5を回転させる操作により操舵角を制御する手動操舵制御である。
【0018】
制御装置1は、記憶部11及び制御部12を有する。記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等を含む記憶媒体である。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを記憶する。
【0019】
制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部12は、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、判定部121及び制御切替部122としての機能を実現する。
【0020】
判定部121は、車両2が障害物を自動運転制御で回避しているときに、運転者の速度制御操作が行われたか否かを判定する。例えば、判定部121は、アクセルペダル3及びブレーキペダル4のうちの少なくともいずれかが操作されたら速度制御操作が行われたと判定する。具体的には、判定部121は、車両2のアクセルペダル3の踏込量及びブレーキペダル4の踏込量のうちの少なくともいずれかが、自動運転制御の速度の制御量に対応する判定閾値よりも大きくなったら速度制御操作が行われたと判定する。
【0021】
図2は、速度制御操作が行われたか否かを判定する処理を説明するための図である。判定部121は、ブレーキペダル4の踏込量が判定閾値D未満であれば運転者が速度制御操作を行っていない(操作無し)と判定する。判定部121は、ブレーキペダル4の踏込量が判定閾値D以上であれば、運転者が速度制御操作を行った(操作有り)と判定する。
【0022】
ところで、判定閾値Dが一定であると、運転者が自動運転制御による速度の制御量に応じた操作をしていなくても、速度制御操作を行ったと判定してしまうおそれがある。そこで、判定部121は、速度制御操作が行われたか否かを判定する処理を実行する直前に、自動運転制御による速度にするのに必要な踏込量よりも大きい判定閾値Dを設定する。例えば、判定部121は、速度の制御量が大きくなるほど大きくした判定閾値Dを設定する。これにより、判定部121は、運転者が行った速度制御操作では障害物を回避できない場合に、運転者の操作を反映してしまうことを抑制できる。なお、判定部121は、アクセルペダル3についても同様に判定する。
【0023】
判定部121は、運転者の操舵制御操作が行われたか否かを判定する。図3は、操舵制御操作が行われたか否かを判定する処理を説明するための図である。例えば、判定部121は、自動運転装置6がステアリングホイール5を回転させないで操舵の自動制御を行う場合、操舵の自動制御中にステアリングホイール5が基準位置Kから回転されたら操舵制御操作が行われたと判定する。具体的には、判定部121は、ステアリングホイール5の回転角が自動運転制御の操舵の制御量に対応する基準角度θ以上になったら操舵制御操作が行われたと判定する。なお、運転者による操舵制御が行われたと判定する処理は、ステアリングホイール5に取り付けられた接触検知センサによってもよい。具体的には、判定部121は、接触検知センサにより物体の接触が検知されたら操舵制御操作が行われたと判定する。接触検知センサは、例えば静電容量式のセンサであり、人の手が触れたら物体が接触したことを検知する。
【0024】
判定部121は、操舵制御操作が行われたか否かを判定する処理を実行する直前に、操舵の制御量に対応する位置Aまでステアリングホイール5が回転したときの角度を基準角度θに設定する。言い換えると、判定部121は、自動運転制御による操舵角にするのに必要なステアリングホイール5の回転角を基準角度θに設定する。なお、ステアリングホイール5の回転角は、例えばステアリングホイール5が基準位置Kにあるときに0度であるとする。
【0025】
自動運転装置6がステアリングホイール5を回転させて操舵の自動制御を行う場合、判定部121は、ステアリングホイール5の回転角が基準角度θを含む判定範囲H外になったら操舵制御操作が行われたと判定する。この場合、判定部121は、基準角度θに所定値を加えた上限値B以下、基準角度θから所定値を引いた下限値C以上の範囲を判定範囲Hに設定する。所定値は、適宜定めればよく、例えば1度である。
【0026】
判定部121は、運転者が正しい操舵制御操作を行った場合に操舵制御操作が行われたと判定し、運転者が正しい操舵制御操作を行っていない場合に操舵制御操作が行われていないと判定してもよい。例えば、判定部121は、操舵の自動制御による車両2の旋回方向と、運転者の操舵制御操作による旋回方向とが同じであるときに、正しい操舵制御操作が行われたと判定する。判定部121は、自動制御の旋回方向と、操舵制御操作による旋回方向とが異なれば、正しい操舵制御操作が行われていないと判定する。
【0027】
具体例を挙げると、判定部121は、操舵の自動制御が右旋回である場合、運転者の操舵制御操作が右旋回であれば正しい操舵制御操作が行われたと判定し、運転者の操舵制御操作の向きが左旋回であれば正しい操舵制御操作が行われていないと判定する。これにより、判定部121は、運転者が自動運転制御と異なる誤った操作を行った場合に、誤った操作を正しい操舵制御操作であると判定してしまうことを抑制できる。
【0028】
なお、判定部121は、車両2が勾配のある道路を走行しているときに操舵制御操作が行われたか否かを判定する。判定部121は、車両2に搭載された加速度センサの検出値に基づいて、車両2が走行中の道路が、勾配のある道路か否かを判定する。
【0029】
判定部121は、道路の勾配の有無を示す勾配情報を含む地図情報に基づいて勾配のある道路か否かを判定してもよい。この場合、判定部121は、記憶部11に予め記憶された地図情報を取得する、又は図示しない通信装置を介して外部装置から地図情報を取得する。そして、判定部121は、地図情報を参照して、車両2が走行中の道路に勾配があることが示されていれば車両2が勾配のある道路を走行していると判定する。判定部121は、地図情報を参照して、車両2が走行中の道路に勾配がないことが示されていれば車両2が勾配のない道路を走行していると判定する。
【0030】
制御切替部122は、車両2が障害物を自動運転制御で回避しているときに速度制御操作が行われたと判定されたら、自動運転制御のうちの速度の自動制御を手動速度制御に切り替えて、操舵の自動制御を継続させる。これにより、制御切替部122は、自動運転制御で障害物の回避中に運転者の速度制御操作が行われた際に、運転者がステアリングホイール5から手を離して手動でステアリングホイール5を操作できなくても、操舵の自動制御を継続させることで操舵遅れを抑制できる。その結果、車両2は、障害物を安全に回避できる。
【0031】
制御切替部122は、車両2が障害物を自動運転制御で回避しているときに操舵制御操作が行われたと判定されたら、操舵の自動制御を手動操舵制御に切り替える。このとき、制御切替部122は、速度制御操作が行われていないと判定されていれば、速度の自動制御を継続し、速度制御操作が行われたと判定されていれば速度の自動制御を手動速度制御に切り替える。このようにすることで、制御切替部122は、運転者の操作があったら自動制御を手動制御に切り替えて、運転者の操作が無ければ自動制御を継続させることができる。
【0032】
[制御を切り替える処理]
図4は、自動制御から手動制御に制御を切り替える処理の一例を示すフローチャートである。図4のフローチャートは、自動運転装置6が自動運転制御で障害物の回避を開始したら実行される。
【0033】
判定部121は、運転者の速度制御操作が行われたか否かを判定する(ステップS1)。具体的には、判定部121は、車両2のアクセルペダル3の踏込量及びブレーキペダル4の踏込量のうちの少なくともいずれかが、自動運転制御の速度の制御量に対応する判定閾値よりも大きくなったら速度制御操作が行われたと判定する。判定部121は、踏込量が判定閾値以下であれば速度制御操作が行われていないと判定する。
【0034】
制御切替部122は、速度制御操作が行われたかと判定されたら(ステップS1でYes)、自動運転制御のうちの速度の自動制御を手動速度制御に切り替える(ステップS2)。制御切替部122は、速度制御操作が行われていないと判定されたら(ステップS1でNo)、速度の自動制御を継続させる(ステップS3)。なお、制御切替部122は、いずれの場合であっても操舵の自動制御を継続させる。
【0035】
判定部121は、運転者の操舵制御操作が行われたか否かを判定する(ステップS4)。例えば、判定部121は、ステアリングホイール5の回転角が基準角度θを含む判定範囲H外になったら操舵制御操作が行われたと判定する。判定部121は、ステアリングホイール5の回転角が基準角度θを含む判定範囲H内である間、操舵制御操作が行われていないと判定する。制御切替部122は、操舵制御操作が行われたと判定されたら(ステップS4でYes)、操舵の自動制御を手動操舵制御に切り替える(ステップS5)。制御切替部122は、操舵制御操作が行われていないと判定されたら(ステップS4でNo)、操舵の自動制御を継続させる(ステップS6)。
【0036】
判定部121は、車両2が障害物を回避したか否かを判定する(ステップS7)。判定部121は、障害物を回避したら(ステップS7でYes)、処理を終了する。判定部121は、障害物を回避していなければ(ステップS7でNo)、車両2が障害物を回避するまでステップS1からステップS7までを繰り返す。なお、判定部121は、図4のフローチャートの2回目以降の実行の際には、速度制御操作が行われたと判定していればステップS1からステップS3の処理を省略してもよく、操舵制御操作が行われたと判定していればステップS4からステップS6の処理を省略してもよい。また、判定部121は、ステップS2及びステップS5の処理の両方が実行されたら、制御を切り替える処理を終了する。
【0037】
[制御装置1の効果]
以上説明したとおり、制御装置1は、車両2の操舵及び速度を自動制御して車両2を走行させる自動運転制御と、運転者の操作で操舵及び速度を制御する手動運転制御とを切り替える。そして、制御装置1は、車両2の進行を妨げる障害物を自動運転制御で回避しているときに、運転者の速度制御操作が行われたら、自動運転制御のうちの速度の自動制御を手動制御に切り替えて、操舵の自動制御を継続させる。
【0038】
これにより、制御装置1は、自動運転制御で障害物の回避中に運転者の速度制御操作が行われた際に、運転者がステアリングホイール5から手を離して手動でステアリングホイール5を操作できなくても、操舵の自動制御を継続することで操舵遅れを抑制できる。その結果、車両2は、障害物を安全に回避できる。
【0039】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0040】
1 制御装置
11 記憶部
12 制御部
121 判定部
122 制御切替部
2 車両
3 アクセルペダル
4 ブレーキペダル
5 ステアリングホイール
6 自動運転装置
図1
図2
図3
図4