(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】LBT監視失敗の処理方法、装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04W 72/54 20230101AFI20240925BHJP
H04W 74/0833 20240101ALI20240925BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20240925BHJP
H04W 76/18 20180101ALI20240925BHJP
【FI】
H04W72/54 110
H04W74/0833
H04W72/0453
H04W76/18
(21)【出願番号】P 2023016469
(22)【出願日】2023-02-06
(62)【分割の表示】P 2021516390の分割
【原出願日】2018-09-26
【審査請求日】2023-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】ジア・メイイ
(72)【発明者】
【氏名】ジアン・チンイェヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・レイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・グオユィ
(72)【発明者】
【氏名】ワン・シヌ
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0124831(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0006640(US,A1)
【文献】国際公開第2017/136458(WO,A2)
【文献】特表2018-514144(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0184362(US,A1)
【文献】Samsung,Initial Access and Mobility Procedure for NR-U,3GPP TSG RAN WG1 #94 R1-1808769,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_94/Docs/R1-1808769.zip>,2018年08月11日
【文献】Intel Corporation,Enhancements to initial access and mobility for NR-unlicensed,3GPP TSG RAN WG1 #94 R1-1808686,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_94/Docs/R1-1808686.zip>,2018年08月11日
【文献】InterDigital Inc.,Mobility for NR-U,3GPP TSG RAN WG2 #103 R2-1811455,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_103/Docs/R2-1811455.zip>,2018年08月09日
【文献】Ericsson,Handling LBT failures,3GPP TSG RAN WG2 #104 R2-1817969,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_104/Docs/R2-1817969.zip>,2018年11月02日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理層でLBT監視を行い、前記LBT監視が失敗したと見なすときにMAC層又はRRC層に対してLBT監視失敗又はランダムアクセスプリアンブル(preamble)伝送ドロップ又はLBT検出インスタンス失敗の指示を行う監視ユニット;及び
前記MAC層又はRRC層で前記指示に基づいて第1の処理を実施する処理部を含み、
前記第1の処理は、前記指示に基づいて、前記MAC層で
前記LBT監視に関する計数器のメンテナンスを行う処理、前記MAC層又は前記RRC層
でランダムアクセスプリアンブルの送信に用いるBWP切り替えの処理、又は前記MAC層又は前記RRC層で無線リンク失敗をトリガーする処理のうちの少なくとも1つの処理を含む処理である、端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記MAC層に対して一回指示したプリアンブルの伝送機会に対する一回又は複数回のLBT監視結果がすべてビジーであるときに、前記監視ユニットは前記端末装置の物理層でLBT監視が失敗したと見なす、端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の
端末装置であって、
前記物理層で前記MAC層にLBT監視結果失敗のチャネル又はBWPの情報を提供し;及び/又は、前記物理層で前記MAC層にLBT監視結果失敗のSSBの索引及び/又はCSI-RSのリソース標識を提供する提供ユニットをさらに含む、端末装置。
【請求項4】
請求項1に記載の
端末装置であって、
前記第1の処理は、
前記MAC層で、
LBT監視を行った各ROについて、前記ROのLBT監視が失敗した場合、
前記計数器に含まれるプリアンブル伝送計数器の値に1をプラスし;
LBT監視を行った各ROについて、前記ROのLBT監視が失敗しており、且つRARの受信ウィンドウが満了した場合、
前記計数器に含まれるプリアンブル伝送計数器の値に1をプラスし;及び
LBT監視が失敗した場合、
前記計数器に含まれる第一計数器の値に1を、前記第一計数器の値が最大値にするまでプラスする
というメカニズムのうちの何れか1つに基づいて、前記計数器のメンテナンスを行う処理を含む、端末装置。
【請求項5】
請求項1に記載の
端末装置であって、
1つのBWP上で、所定期間内の複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が所定の値に達したときに、前記
処理部は前記端末装置のMAC層で前記指示に基づいてBWP切り替えをトリガーする処理を含む前記第1の処理を実施する、端末装置。
【請求項6】
請求項5に記載の端末装置であって、
前記BWPは複数のチャネルを含み、前記BWP上のLBT監視失敗とは、前記BWPの少なくとも1つのチャネルのLBT監視失敗を指す、端末装置。
【請求項7】
請求項1に記載の
端末装置であって、
前記第1の処理は、
前記
無線リンク失敗をトリガーすることは、
前記MAC層で前記指示を受信したときにランダムアクセスが失敗したと見なし;又は
前記MAC層で前記指示に基づいて、第二条件が満足された場合、ランダムアクセスが失敗したと見なして、
前記無線リンク失敗をトリガーする処理を含み、
前記第二条件は、
所定期間内の複数回のLBT監視について、LBT監視の結果がビジーであるインスタンス数が第1の数に達する、
前記複数回のLBT監視について、前記LBT監視の結果がビジーである比率が第1の比率に達する、
前記LBT監視の結果がビジーであるインスタンス数が第2の数に達しており、
第一タイマーの計時時間内で、前記LBT監視の結果がアイドルであるインスタンス数が第3の数に達せず、前記第一タイマーは、前記LBT監視の結果がビジーであるインスタンス数が前記第2の数に達したときに起動され;及び
1つのLBTインスタンスの監視結果がビジーであるときに起動される第二タイマーが切れた後に、前記LBT監視の結果がビジーであるインスタンス数が第4の値に達する
という条件のうちの少なくとも1つである、
端末装置。
【請求項8】
請求項1に記載の
端末装置であって、
前記
無線リンク失敗をトリガーすることは、
前記RRC
層において、前記指示を受信した時に、
前記無線リンク失敗とみなすことを含む、
端末装置。
【請求項9】
請求項1に記載の
端末装置であって、
前記
無線リンク失敗をトリガーすることは、
前記RRC
層において、第2の
条件を満たした時に、
前記無線リンク失敗とみなすことを含み、
前記第2の条件は、
一定期間内の複数のLBT
監視に対して、LBT
監視結果がビジーであるインスタンスの数が第1の数に達する、
前記複数のLBT監視の場合、LBT監視結果がビジーである割合が第1の割合に達する、
前記LBT監視の結果がビジーであるインスタンス数が第2の数に達しており、
第一タイマーの計時時間内で、前記LBT監視の結果がアイドルであるインスタンス数が第3の数に達せず、前記第一タイマーは、前記LBT監視の結果がビジーであるインスタンス数が前記第2の数に達したときに起動され;及び
LBTインスタンスの監視結果がビジーである場合に開始される2番目のタイマーが切れた後、LBT監視結果がビジーであるインスタンスの数が第4の数に達する、
1つのLBTインスタンスの監視結果がビジーであるときに起動される第二タイマーが切れた後に、前記LBT監視の結果がビジーであるインスタンス数が第4の値に達する
という条件のうちの少なくとも1つである、
端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術に関し、特に、LBT監視失敗の処理方法、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線リンク失敗(Radio Link Failuere、RLF)が通信規格化の研究におけるホットトピックである。
【0003】
新無線(NR)では、以下の条件が満足されたときに、無線リンク失敗の検出をトリガーすることができ、即ち、タイマーT310が切れており、ランダムアクセスプロシージャが失敗しており且つタイマーT311がランニング(running)せず、及び無線リンク制御(RLC)が失敗したという条件である。そのうち、タイマーT310及びT311の定義については、現在の規格を参照することができる。
【0004】
図1は、ランダムアクセスプロシージャを示す図であり、
図1に示すように、端末装置がランダムアクセスレスポンスを受信せず又は競合解決が未成功であるときに、計数器(カウンター)“PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER”の値が1プラスされる。該計数器の値が“preambleTransMax+1”であるときに、端末装置は上位層に“ランダムアクセスの問題”を指示する。
【0005】
無線リンク失敗が発生した場合、端末装置にデュアルコネクティビティ(Dual Connectivity、DC)が設定されず、又は、端末装置にDCが設定されており且つ無線リンク失敗がマスターセルグループ(MCG)で発生した場合、端末装置は、この失敗がマスターセルグループの無線リンク失敗であると見なす。このような場合、端末装置は、接続状態に留まり、1つの適切なセルを選択して接続の再確立を行うことができる。無線リンク失敗後の一定の時間内で適切なセルを見つけることができないと確定した場合、端末装置はアイドル状態に進入することができる。端末にDCが設定されており且つ無線リンク失敗がセカンダリセルグループ(SCG)で発生した場合、端末装置は、この失敗がセカンダリセルグループの無線リンク失敗であると見なす。このような場合、端末装置は、セカンダリセルグループ失敗情報プロシージャにより、ネットワーク装置に該失敗を報告することができる。
【0006】
一方、周波数リソースの問題は通信技術の議論における重要な課題の1つである。周波数リソースの問題を解決するために、リソース利用率の向上以外に、3GPP(登録商標)では、アンライセンスバンド(unliciensed band)を含むより多くの周波数バンドの使用を試みている。アンライセンスバンド上で3GPPサービスを提供するために、次のようなメカニズム、即ち、LBT(Listen Before Talk、LBT)及び発見信号測定タイミング設定(Discovery RS Measurement Timing Configuration、DMTC)が導入されている。
【0007】
なお、上述の背景技術についての紹介は、本発明の技術案を明確且つ完全に説明し、また、当業者がそれを理解しやすいためのものである。これらの技術案は、本発明の背景技術に記述されているため、当業者にとって周知であると解釈してはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
発明者が次のようなことを発見した。即ち、アンライセンスバンドを用いて端末装置にサービスを提供するときに、ネットワーク装置及び端末装置は通信を行う前にチャネル監視を行い、チャネルがアイドル状態にあるかを確定する必要がある。チャネルがアイドルのときにのみ、端末装置は、上りリンクメッセージ、上りリンクデータなどを送信することができ、これは、端末装置のビヘイビアに影響を与えることがある。また、アンライセンスバンドのランダムアクセスプロシージャにおいて、媒体アクセス制御(Medium Access Control、MAC)サブ層が下位層(物理層)にランダムアクセスプリアンブルの送信を指示した後に、LBT失敗が原因で、物理層は今回のプリアンブルの伝送をドロップ(放棄)することがある。プリアンブルの伝送をドロップした後に、端末装置のビヘイビアは曖昧になる。これは、ランダムアクセスの成功率、及び接続状態下での端末装置のトラフィックに影響を与える可能性がある。
【0009】
上述の問題のうちの少なくとも1つ又は他の類似問題を解決するために、本発明の実施例は、LBT監視失敗の処理方法、preambleの送信方法、装置及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施例の第一側面によれば、ランダムアクセスプリアンブルの送信方法が提供され、そのうち、前記方法は、
端末装置の媒体アクセス制御(MAC)層が、第一数量の、プリアンブル(preamble)を送信するためのランダムアクセス伝送機会(RO)を確定し、又は、プリアンブルを送信するためのROに対応する下りリンク参照信号を選択し;及び
前記端末装置の物理層が、前記第一数量のRO又は前記下りリンク参照信号に基づいて第二数量のROを確定し、前記第一数量及び前記第二数量がすべて1よりも大きいことを含む。
【0011】
本発明の実施例の第二側面によれば、LBT監視失敗の処理方法が提供する、そのうち、前記方法は、
端末装置の物理層がLBT監視を行い、前記物理層はLBT監視が失敗したと見なすときにMAC層又はRRC層にLBT監視失敗又はランダムアクセスプリアンブル(preamble)伝送ドロップ又はLBT検出インスタンス(instancea(実例))失敗を指示し;及び
前記端末装置のMAC層又はRRC層が前記指示に基づいて以下の処理の少なくとも1つを行うことを含み、即ち、
リソース選択を実行し;
チャネル選択又はBWP切り替えをトリガーし;
無線リンクの失敗をトリガーし;
RRC接続再確立をトリガーし;及び
計数器メンテナンスを行うことである。
【0012】
本発明の実施例の第三側面によれば、ランダムアクセスプリアンブルの送信装置が提供され、それは端末装置に構成され、そのうち、前記装置は、
第一確定ユニットであって、前記端末装置の媒体アクセス制御(MAC)層で、第一数量の、プリアンブル(preamble)を送信するためのランダムアクセス伝送機会(RO)を確定し、又は、プリアンブルを送信するためのROに対応する下りリンク参照信号を選択する、もの;及び
第二確定ユニットであって、前記端末装置の物理層で、前記第一数量のRO又は前記下りリンク参照信号に基づいて第二数量のROを確定する、ものを含み、
前記第一数量及び前記第二数量はすべて1よりも大きい。
【0013】
本発明の実施例の第四側面によれば、LBT監視失敗の処理装置が提供され、それは端末装置に配置され、そのうち、前記装置は、
監視ユニットであって、端末装置の物理層でLBT監視を行い、LBT監視が失敗したと見なすときに、MAC層又はRRC層にLBT監視失敗又はランダムアクセスプリアンブル(preamble)伝送ドロップ又はLBT検出インスタンス失敗を指示する、もの;及び
処理ユニットであって、前記端末装置のMAC層又はRRC層で前記指示に基づいて以下の処理の少なくとも1つを行う、ものを含み、即ち、
リソース選択を実行し;
チャネル選択又はBWP切り替えをトリガーし;
無線リンクの失敗をトリガーし;
RRC接続再確立をトリガーし;及び
計数器メンテナンスを行うことである。
【0014】
本発明の実施例の第五側面によれば、設定方法が提供され、そのうち、前記方法は、
ネットワーク装置が、アイドル状態又はアクティブ状態の端末装置のために複数の初期BWPを設定し、端末装置が各前記初期BWP上で1つのROを確定することを含む。
【0015】
本発明の実施例の第六側面によれば、設定装置が提供され、それはネットワーク装置に配置され、そのうち、前記装置は、
設定ユニットであって、アイドル状態又はアクティブ状態の端末装置のために複数の初期BWPを設定し、端末装置が各前記初期BWP上で1つのROを確定する、ものを含む。
【0016】
本発明の実施例の第七側面によれば、端末装置が提供され、そのうち、前記端末装置は、前述の第三側面又は第四側面に記載の装置を含む。
【0017】
本発明の実施例の第八側面によれば、ネットワーク装置が提供され、そのうち、前記ネットワーク装置は、前述の第六側面に記載の装置を含む。
【0018】
本発明の実施例の第九側面によれば、通信システムが提供され、前記通信システムは、前述の第七側面に記載の端末装置及び前述の第八側面に記載のネットワーク装置を含む。
【0019】
本発明の実施例の他の側面によれば、コンピュータ可読プログラムが提供され、そのうち、端末装置中で前記プログラムを実行するときに、前記プログラムはコンピュータに、前記端末装置中で前述の第一側面又は第三側面に記載の方法を実行させる。
【0020】
本発明の実施例の他の側面によれば、コンピュータ可読プログラムを記憶した記憶媒体が提供され、そのうち、前記コンピュータ可読プログラムはコンピュータに、端末装置中で前述の第一側面又は第三側面に記載の方法を実行させる。
【0021】
本発明の実施例の他の側面によれば、コンピュータ可読プログラムが提供され、そのうち、ネットワーク装置中で前記プログラムを実行するときに、前記プログラムはコンピュータに、前記ネットワーク装置中で前述の第五側面に記載の方法を実行させる。
【0022】
本発明の実施例の他の側面によれば、コンピュータ可読プログラムを記憶した記憶媒体が提供され、そのうち、前記コンピュータ可読プログラムはコンピュータに、ネットワーク装置中で前述の第五側面に記載の方法を実行させる。
【0023】
本発明の実施例の有利な効果は次のとおりであり、即ち、本実施例のLBT監視失敗の処理方法により、LBT監視失敗後のレスポンス時間を短縮し、ランダムアクセスの成功率を向上させることができる。本実施例のランダムアクセスプリアンブルの送信方法により、端末装置のMAC層が複数の、preambleを送信するための伝送機会を確定し又はpreambleを送信するための伝送機会に対応する下りリンク参照信号を選択することで、端末装置の物理層が複数の伝送機会を得るようにさせることができるため、ランダムアクセスの伝送機会を増加させ、ランダムアクセスの信頼性を保証することができる。
【0024】
後述の説明及び図面を参照することで、本発明の特定の実施形態を詳しく開示し、本発明の原理を採用し得る態様を示す。なお、本発明の実施形態は、範囲上ではこれらにより限定されない。添付した特許請求の範囲内であれば、本発明の実施形態は、様々な変更、修正及び代替によるものを含んでも良い。
【0025】
また、1つの実施方式について説明した及び/又は示した特徴は、同じ又は類似した方式で1つ又は複数の他の実施形態に用い、他の実施形態における特徴と組み合わせ、又は、他の実施形態における特徴を置換することもできる。
【0026】
なお、「含む/有する」のような用語は、本明細書に使用されるときに、特徴、要素、ステップ、又はアセンブルの存在を指すが、1つ又は複数の他の特徴、要素、ステップ、又はアセンブリの存在又は付加を排除しないということも指す。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の1つの図面又は1つの実施形態に記載の要素及び特徴は、1つ又は複数の他の図面又は実施形態に示した要素及び特徴と組み合わせることができる。また、図面では、類似したシンボルは、幾つの図面における対応する部品を示し、複数の実施形態に用いる対応部品を示すためにも用いられる。
【0028】
含まれている図面は、本発明の実施例への更なる理解を提供するために用いられ、これらの図面は、本明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を例示し、文字記載とともに本発明の原理を説明するために用いられる。また、明らかのように、以下に記載される図面は、本発明の幾つかの実施例を示すためのものに過ぎず、当業者は、創造性のある労働をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【
図1】従来のランダムアクセスプロシージャを示す図である。
【
図2】本発明の実施例における通信システムを示す図である。
【
図3】実施例1におけるランダムアクセスプリアンブルの送信方法を示す図である。
【
図4】実施例2におけるLBT監視失敗の処理方法を示す図である。
【
図6】実施例4におけるランダムアクセスプリアンブルの送信装置を示す図である。
【
図7】実施例5におけるLBT監視失敗の処理装置を示す図である。
【
図10】実施例8におけるネットワーク装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
添付した図面及び以下の説明を参照することにより、本発明の前述及び他の特徴が明らかになる。なお、明細書及び図面では、本発明の特定の実施形態を開示するが、それは、本発明の原理を採用し得る一部のみの実施形態を示し、理解すべきは、本発明は、記載されている実施形態に限定されず、即ち、本発明は、添付した特許請求の範囲内のすべての変更、変形及び代替によるものも含むということである。
【0030】
本発明の実施例では、用語「通信ネットワーク」又は「無線通信ネットワーク」は、次のような任意の通信規格に準ずるネットワークを指しても良く、例えば、LTE(LTE、Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、WCDMA(登録商標)(Wideband Code Division Multiple Access)、HSPA(High-Speed Packet Access)などである。
【0031】
また、通信システムにおける装置間の通信は、任意の段階の通信プロトコルに従って行われても良く、例えば、次のような通信プロトコルを含んでも良いが、それに限定されず、即ち、1G(generation)、2G、2.5G、2.75G、3G、4G、4.5G及び将来の5G、新無線(NR、New Radio)など、及び/又は、その他の従来の又は将来開発される通信プロトコルである。
【0032】
本発明の実施例では、用語「ネットワーク装置」は、例えば、通信システムにおける、端末装置を通信ネットワークに接続し、且つ該端末装置にサービスを提供する装置を指す。ネットワーク装置は、次のようなものを含んでも良いが、それに限定されず、即ち、基地局(BS、Base Station)、アクセスポイント(AP、Access Point)、送受信ポイント(TRP、Transmission Reception Point)、ブロードキャスト送信機、モバイル管理エンティティ(MME、Mobile Management Entity)、ネットワークゲートウェイ、サーバー、無線ネットワーク制御器(RNC、Radio Network Controller)、基地局制御器(BSC、Base Station Controller)などである。
【0033】
そのうち、基地局は、次のようなものを含んでも良いが、それに限定されず、即ち、ノードB(NodeB又はNB)、進化ノードB(eNodeB又はeNB)及び5G基地局(gNB)などであり、さらにRRH(Remote Radio Head)、RRU(Remote Radio Unit)、リレー(relay)又は低パワーノード(例えば、femto、picoなど)を含んでも良い。また、用語「基地局」は、それらの一部又はすべての機能を含んでも良く、各基地局は、特定の地理的領域に対して通信カバレッジを提供することができる。用語「セル」が指すのは、基地局及び/又はそのカバーする領域であっても良く、これは、該用語のコンテキストによるものである。
【0034】
本発明の実施例では、用語「ユーザ装置」(UE、User Equipment)又は「端末装置」(TE、Terminal Equipment)は、例えば、ネットワーク装置により通信ネットワークにアクセスし、且つネットワークからのサービスを受ける装置を指す。ユーザ装置は、固定したもの又は移動するものであっても良く、また、移動ステーション(MS、Mobile Station)、端末、加入者ステーション(SS、Subscriber Station)、アクセス端末(AT、Access Terminal)、ステーションなどとも称される。
【0035】
そのうち、ユーザ装置は、次のようなものを含んでも良いが、それに限定されず、例えば、携帯電話(Cellular Phone)、PDA(Personal Digital Assistant)、無線モデム、無線通信装置、携帯装置、マシンタイプ通信装置、ラップトップコンピュータ、コードレス電話機、スマートフォン、スマートウォッチ、デジタルカメラなどである。
【0036】
また、例えば、IoT(Internet of Things)などのシナリオにおいて、ユーザ装置は、さらに、監視又は測定を行う機器又は装置であっても良く、例えば、次のようなものを含んでも良いが、それに限定されず、即ち、マシンタイプ通信(MTC、Machine Type Communication)端末、車載通信端末、D2D(Device to Device)端末、M2M(Machine to Machine)端末などである。
【0037】
本発明の実施例では、セルがサービングセルであっても良く、セルに対応するキャリアであっても良く、あるいは、セルは、キャリアと一対一対応すると理解されても良い。
【0038】
本発明の実施例では、DC(dual connectivity operation)の場合、特殊セルとは、MCG(master cell group)におけPcell(Primary Cell)及びSCG(secondary cell group)におけるPSCell(Primary Secondary Cell)を指し、そうでない場合、特殊セルとは、Pcellを指す。
【0039】
以下、例を挙げて本発明の実施例に係るシナリオについて説明を行うが、本発明は、これに限られない。
【0040】
図2は、本発明の実施例における通信システムを示す図であり、端末装置及びネットワーク装置を例にとったケースを例示する。
図2に示すように、通信システム200は、ネットワーク装置201及び端末装置202を含んでも良い。なお、便宜のため、
図2では、1つの端末装置のみを例にとって説明するが、本発明の実施例はこれに限定されない。ネットワーク装置201は、例えば、NRシステムにおけるネットワーク装置gNBである。
【0041】
本発明の実施例では、ネットワーク装置201と端末装置202との間で従来のトラフィック又は将来実施可能なトラフィックが行われても良い。これらのトラフィックは、例えば、eMBB(enhanced Mobile Broadband)、mMTC(massive Machine Type Communication)、URLLC(Ultra-Reliable and Low-Latency Communication)などを含むが、これに限定されない。
【0042】
端末装置202はネットワーク装置201にデータを送信することができ、例えば、グラントフリー伝送方式を用いてデータを送信することができる。ネットワーク装置201は、1つ又は複数の端末装置202が送信するデータを受信し、また、端末装置202に情報(例えば、確認ACK/非確認NACK)をフィードバックすることができ、端末装置202は、フィードバック情報に基づいて伝送過程の終了を確認し、又は、新しいデータ伝送を行い、又は、データ再送を行うことができる。
【0043】
以下、図面を参照しながら実施例を説明するが、これらの実施例は例示に過ぎす、本発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0044】
本実施例はランダムアクセスプリアンブルの送信方法を提供し、該方法は端末装置に応用される。
図3は、本実施例のランダムアクセスプリアンブルの送信方法を示す図である。
図3に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0045】
ステップ301:端末装置の媒体アクセス制御(MAC)層が、第一数量の、プリアンブル(preamble)を送信するためのランダムアクセス伝送機会(RO)を確定し、又は、プリアンブルを送信するためのROに対応する下りリンク参照信号を選択し;
ステップ302:前記端末装置の物理層が、前記第一数量のRO又は前記下りリンク参照信号に基づいて第二数量のROを確定し、前記第一数量及び前記第二数量はすべて1よりも大きい。
【0046】
本実施例の1つの実施方式において、端末装置のMAC層が複数の伝送機会を確定することができ、これにより、端末装置の物理層は該複数の伝送機会を取得し、該複数の伝送機会のうちの少なくとも1つでpreambleを送信することができる。伝送機会を増加させているから、端末装置はマルチLBT監視を行うことができ、preambleを送信する機会を増加させることができる。この実施方式では、上述の第一数量及び上述の第二数量はすべて1よりも大きい。また、上述の第一数量及び上述の第二数量は同じであっても良く異なっても良い。
【0047】
本実施例では、LBT監視を例にとって説明する。該LBT監視メカニズムは、チャネル忙閑(繁忙と閑暇)評価のためのメカニズム、例えば、アイドルチャネル評価(CCA)などで置換されても良いが、本実施例はこれに限定されない。
【0048】
本実施例の他の実施方式において、端末装置のMAC層は、上述の伝送機会を確定せず、選択した下りリンク参照信号を指示し、該下りリンク参照信号は上述の伝送機会と関連し、端末装置の物理層は、MAC層が選択した該下りリンク参照信号に基づいてその関連する複数の伝送機会を取得し、そして、該複数の伝送機会でpreambleを送信することができる。これにより、端末装置はマルチLBT監視を実行することができ、preambleの送信機会を増加させることができる。本実施方式では、上述の第二数量は1よりも大きい。
【0049】
本実施例では、端末装置の物理層は、前述の第一数量のRO又は前述の下りリンク参照信号に基づいて上述の第二数量のROを確定することができ、さらに他のルール又は基準に従って該第二数量のROを確定することもできるが、本実施例はこれに限定されない。
【0050】
本実施例では、上述の下りリンク参照信号は同期信号/ブロードキャストチャネルブロック(SSB)であっても良く、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)であっても良く、又は、両者の組み合わせであっても良いが、本実施例はこれに限られない。該下りリンク参照信号は、他の名前(名称)を有しても良く、又は、現在の規格の中の名前をそのまま使用して本実施例の方法に適用可能な上述の機能を付け加えても良い。
【0051】
本実施例のステップ301において、端末装置の物理層は、以下の方法で上述の第一数量のROを確定することができる。
【0052】
方法1:
端末装置のMAC層が第三数量のSSB及び/又はCSI-RSを選択し、選択した各SSB及び/又はCSI-RSに対応して1つのROを確定し、前記第一数量のROを取得する。
【0053】
この方法では、MAC層は複数のSSB及び/又はCSI-RSを選択し、選択した各SSB及び/又はCSI-RSに対応して1つのそれ相応のROを確定することで、複数のROを得ることができる。SSBのROとCSI-RSのROがオーバーラップする可能性があるので、上述の第三数量は上述の第一数量よりも大きく、また第一数量は1よりも大きい。
【0054】
方法2:
端末装置のMAC層が1つのSSB又はCSI-RSを選択し、選択したSSB又はCSI-RSに対応する第一数量のROを確定する。
【0055】
この方法では、MAC層は1つのみのSSB又はCSI-RSを選択し、選択したSSB又はCSI-RSに対応して、設定に基づいて複数のRO(第一数量のRO)を確定し、ここでの複数のRO(第一数量のRO)は、上述の選択したSSB又はCSI-RSに対応するすべてのROである可能性があり、選択したSSB又はCSI-RSに対応するすべてのROのうちから選んだ一部のROであっても良いが、本実施例はこれについて限定しない。また、具体的な選択方法についても本実施例は限定せず、例えば、ネットワーク装置規定のルールに基づいても良く、実装に基づいても良い。また、該方法は、1つのSSB又はCSI-RSが複数のROに対応する場合に適している。
【0056】
方法3:
端末装置がアイドル状態(idle)又は非アクティブ状態(inactive)にあり、且つ端末装置に第一数量の初期帯域幅部分(BWP)が設定されている場合、端末装置のMAC層は各初期BWP上で1つのROを確定し、これにより、上述の第一数量のROを得ることができる。
【0057】
この方法では、端末装置に複数のBWPが設定されており、MAC層は各初期BWP上で1つのROを確定し、これにより、複数のRO(第一数量のRO)を得ることができる。また、該方法はシングルアクティブBWPシナリオに適しており、言い換えると、LBT監視が成功しており且つpreambleを送信した初期BWPのみはアクティブBWPである。
【0058】
方法4:
端末装置が接続状態(connected)にある場合、端末装置のMAC層は設定される各BWP上で1つのROを確定することができる。
【0059】
現在の規格では、1つのセル(cell)において最大で4つのBWPがあり、そのうち、1つがアクティブ状態にある場合、MAC層はこの4つのBWP上でそれぞれ1つのROを確定し、4つのRO(第一数量のRO)を得ることができる。該方法もシングルアクティブBWPシナリオに適しており、LBT監視が成功したROがアクティブBWPにあれば、端末装置は該アクティブBWP上でpreambleを送信することができ、LBT監視が成功したROがアクティブBWPに無ければ、端末装置はLBT監視が成功したBWP上でpreambleを伝送することができ、ランダムアクセスプロシージャを完了した後に、端末装置はアクティブBWPに戻っても良く、preambleを伝送したBWPに留まっても良く、該BWがアクティブBWPであると確定することができる。
【0060】
方法5:
端末装置のMAC層は第一数量のアグリゲーションされるキャリア上でそれぞれ1つのROを確定する。該方法は、キャリアアグリゲーションのシナリオに適しており、MAC層は、複数のアグリゲーションされるキャリア上でそれぞれ1つのROを確定することで、複数のRO(第一数量のRO)を得ることができる。
【0061】
方法6:
端末装置のMAC層は各ランダムアクセスプロシージャについて1つのROを確定する。該方法は並列ランダムアクセスの場合に適しており、各ランダムアクセスプロシージャについて1つのROを確定することにより、複数のRO(第一数量のRO)を得ることができる。
【0062】
方法7:
端末装置のMAC層は各アクティブBWP上で1つのROを確定する。該方法は、マルチアクティブBWPのシナリオに適しており、各アクティブBWPについて1つのROを確定し、これにより、複数のRO(第一数量のRO)を得ることができる。
【0063】
なお、以上の方法は単独で使用されても良く、組み合わせて使用されても良く、本実施例はこれについて限定しない。
【0064】
本実施例のステップ302において、端末装置の物理層が複数のRO(第二数量のRO)を確定した場合、該物理層はさらにLBT監視を行うROを確定しても良く、即ち、どのRO(1つ又は複数)のためにLBT監視を実行するかを確定しても良い。
【0065】
1つの実施方式において、物理層は上述の第二数量のROの全部のためにLBT監視を行っても良い。本実施方式では、1つの以上のROのLBT監視がすべて成功した場合、物理層はすべての成功したROでpreambleの伝送を行っても良く、又は、上述の成功したROのうちから一部(1つの又は複数)を選択してpreambleの伝送を行っても良い。
【0066】
もう1つの実施方式において、物理層は上述の第二数量ROのうちから一部のROを選択してLBT監視を行っても良い。本実施方式では、この一部のROのLBTがすべて成功した場合、物理層はこの一部のROですべてpreambleの伝送を行っても良く、又は、上述の成功したROのうちから一部(1つの又は複数)を選択してpreambleの伝送を行っても良い。
【0067】
もう1つの実施方式において、物理層は時間順に従って上述の第一数量のROのためにLBT監視を、一定の条件(第一条件と言う)が満足されるまで行っても良い。第一条件は、例えば、所定数量(第四数量と言い、1つ又は複数であっても良い)のLBT監視が成功しており、又は、上述の第二数量のROのすべてのためにLBT監視を行ったという条件である。本実施方式では、上述の所定数量のLBT監視がすべて成功した場合、物理層は、すべての成功したROでpreambleの伝送を行っても良く、又は、そのうちから一部(1つの又は複数)を選択してpreambleの伝送を行っても良い。
【0068】
なお、上述の3種の実施方式は例示に過ぎず、具体的にどの種の方式を採用するかは、ネットワーク装置の設定によっても良く、又は、規格の規定によっても良く、又は、端末装置自身の実装によっても良いが、本実施例はこれについて限定しない。
【0069】
本実施例のステップ302において、端末装置の物理層が複数のRO(第二数量のRO)を確定した場合、該端末装置はさらに、RARを起動する受信ウィンドウを確定しても良い。現在の規格では、MAC層は、ランダムアクセスリソース選択(ランダムアクセスのリソース及びプリアンブルを確定する)、ランダムアクセス伝送(必要な場合、ターゲット受信パワー及びRA-RNTIを計算する)などのステップを完了した後に、確定したランダムアクセスリソースの最後の1つのシンボルの後の1つの特定のPDCCH occasionで、ランダムアクセスレスポンス(RAR)を受信するウィンドウを起動する。本実施例では、端末装置が複数のROを確定しているから、端末装置はさらに、いつ(何時)RARを受信するウィンドウ(RARの受信ウィンドウと言う)を起動するかを確定する必要がある。
【0070】
本実施例では、端末装置は前述の第一数量のRO(即ち、MAC層が確定したRO)に基づいて又は前述の第二数量のRO(即ち、物理層が確定したRO)に基づいてRARの受信ウィンドウを起動することができる。
【0071】
1つの実施方式において、端末装置は1つのRARの受信ウィンドウを確定することができ、即ち、1つのRARの受信ウィンドウをメンテナンスすることができる。この場合、以下の方法が用いられる。
【0072】
方法1:
端末装置の物理層が1つのみのROでpreambleの伝送を行った場合、RARの受信ウィンドウを起動するROはpreambleを伝送した該ROである。
【0073】
この方法では、MAC層が1つ又は1つの以上のROを確定しており、MAC層が物理層にpreambleの伝送を行うように指示するときに、物理層が1つのみのROでpreambleの伝送を行った、端末装置はpreambleの伝送が行われたROでRARの受信ウィンドウを起動する。
【0074】
方法2:
端末装置の物理層が複数のROでpreambleの伝送を行った場合、RARの受信ウィンドウを起動するROは、該複数のROのうちの1番目又は最後の1つのROである。
【0075】
この方法では、MAC層が1つ又は1つの以上のROを確定しており、MAC層が物理層にpreambleの伝送を行うように指示するときに、物理層が複数のROでpreambleの伝送を行った場合、端末装置は、preambleの伝送が行われたROのうちの1番目のOR又は最後の1つのROでRARの受信ウィンドウを起動する。
【0076】
この方法では、端末装置が、preambleの伝送が行われた1番目のROでRARの受信ウィンドウを起動した場合、端末装置はさらに、その後にpreambleの伝送が行われたROでRARの受信ウィンドウを再起動し、又は、RARの受信ウィンドウのウィンドウ長さを拡張し、又は、現在のRARの受信ウィンドウを停止して1つの新しいRARの受信ウィンドウを起動することができる。
【0077】
上述の方法1及び方法2は何れもpreambleの伝送が行われたROのみを考慮している。
【0078】
方法3:
1つのみのROのLBT監視が成功した場合、RARの受信ウィンドウを起動するROはLBT監視が成功したROである。
【0079】
この方法では、LBT監視が成功した1つのみのROがあれば、端末装置は、LBT監視が成功した該ROでRARの受信ウィンドウを起動する。
【0080】
方法4:
複数のROのLBT監視が成功した場合、RARの受信ウィンドウを起動するROは、LBT監視が成功したROのうちの1番目又は最後の1つのROである。
【0081】
この方法では、LBT監視が成功した複数のROがあれば、端末装置は、LBT監視が成功したROのうちの1番目のRO又は最後の1つのROでRARの受信ウィンドウを起動することができる。
【0082】
この方法では、端末装置が、LBT監視が成功した1番目のROでRARの受信ウィンドウを起動した場合、該端末装置はさらに、その後に各LBT監視が成功したROでRARの受信ウィンドウを再起動し、又は、RARの受信ウィンドウのウィンドウ長さを拡張し、又は、現在のRARの受信ウィンドウを停止して1つの新しいRARの受信ウィンドウを起動することができる。
【0083】
上述の方法3及び方法4は、LBT監視が成功したすべてのROを考慮している。
【0084】
方法5:
LBT監視が行われたROが1つのみある場合、RARの受信ウィンドウを起動するROはLBT監視が行われたROである。
【0085】
この方法では、LBT監視が行われたROが1つのみある場合、端末装置は、LBT監視が行われたROでRARの受信ウィンドウを起動することができる。
【0086】
方法6:
LBT監視が行われたROが複数ある場合、RARの受信ウィンドウを起動するROは、LBT監視が行われたROのうちの1番目又は最後の1つのROである。
【0087】
この方法では、LBT監視が行われたROが複数ある場合、端末装置は、LBT監視が行われたROのうちの1番目のRO又は最後の1つのROでRARの受信ウィンドウを起動することができる。
【0088】
この方法では、端末装置が、LBT監視が行われた1番目のROでRARの受信ウィンドウを起動した場合、該端末装置はさらに、その後にLBT監視が行われた各ROでRARの受信ウィンドウを再起動し、又は、RARの受信ウィンドウのウィンドウ長さを拡張し、又は、現在のRARの受信ウィンドウを停止して1つの新しいRARの受信ウィンドウを起動することができる。
【0089】
上述の方法5及び方法6は、LBT監視が行われたすべてのROを考慮している。
【0090】
方法7:
端末装置のMAC層が1つのROを確定している場合、RARの受信ウィンドウを起動するROは端末装置のMAC層が確定したROである。
【0091】
この方法では、MAC層が1つのみのROを提供している場合、端末装置はMAC層が提供したROでRARの受信ウィンドウを起動することができる。
【0092】
方法8:
端末装置のMAC層が複数のROを確定している場合、RARの受信ウィンドウを起動するROは端末装置のMAC層が確定したROのうちの1番目又は最後の1つのROである。
【0093】
この方法では、MAC層が複数のROを提供している場合、端末装置は、MAC層が提供したROのうちの1番目のRO又は最後の1つのROでRARの受信ウィンドウを起動することができる。
【0094】
この方法では、端末装置が、MAC層が提供した1番目のROでRARの受信ウィンドウを起動した場合、該端末装置はさらに、その後でMAC層が提供した各ROでRARの受信ウィンドウを再起動し、又は、RARの受信ウィンドウのウィンドウ長さを拡張し、又は、現在のRARの受信ウィンドウを停止して1つの新しいRARの受信ウィンドウを起動することができる。
【0095】
上述の方法7及び方法8は、MAC層が提供したすべてのROを考慮している。
【0096】
もう1つの実施方式において、端末装置は、複数のRARの受信ウィンドウを確定することもでき、即ち、複数のRARの受信ウィンドウをメンテナンスすることができる。この場合、以下の方法が用いられる。
【0097】
方法1:
端末装置の物理層が複数のROでpreambleの伝送を行った場合、前記端末装置は、各々又は各組の、前記プリアンブルを伝送したROで1つのRARの受信ウィンドウを起動し、且つ各組のROで1つのRARの受信ウィンドウを起動する場合、前記RARの受信ウィンドウを起動するROは、前記プリアンブルを伝送した前記複数のROのうちの1番目又は最後の1つのROである。
【0098】
この方法では、preambleの伝送を行ったROを考慮しており、MAC層が物理層にpreambleの伝送を行うように指示するときに、物理層が複数のROでpreambleの伝送を行った場合、端末装置は、preambleの伝送が行われた各ROでRARの受信ウィンドウを起動し、又は、端末装置は、preambleの伝送が行われたROに対して組分けを行い、そして、各組上で1つのRARの受信ウィンドウを起動することができる。
【0099】
この方法では、組分けのルールは次のようなものであっても良く、即ち、各SSB又はCSI-RSに対応するROが1組になり、又は、各チャネル又はBWP上のROが1組になり、又は、各セル上のROが1組になる。なお、本実施例はこれに限られず、他のルールに従ってpreambleの伝送が行われたROに対して組分けを行っても良い。
【0100】
方法2:
複数のROのLBT監視が成功した場合、前記端末装置は、各々又は各組の、LBT監視が成功したROで1つのRARの受信ウィンドウを起動し、且つ各組のROで1つのRAR受信ウィンドウを起動する場合、前記RARの受信ウィンドウを起動するROは、LBT監視が成功した前記複数のROの1番目又は最後の1つのROである。
【0101】
この方法では、LBT監視が成功したすべてのROを考慮しており、LBT監視が成功した複数のROがあれば、端末装置は、LBT監視が成功した各ROでRARの受信ウィンドウを起動することができ、又は、端末装置は、LBT監視が成功したROに対して組分けを行い、そして、各組上で1つのRARの受信ウィンドウを起動することができる。
【0102】
この方法では、組分けのルールは方法1と同じであり、ここでは詳しい説明を省略する。
【0103】
方法3:
LBT監視が行われたROが複数ある場合、前記端末装置は、各々又は各組の、LBT監視が行われたROで1つのRARの受信ウィンドウを起動し、且つ各組のROで1つのRAR受信ウィンドウを起動する場合、前記RARの受信ウィンドウを起動するROは、LBT監視が行われた前記複数のROの1番目又は最後の1つのROである。
【0104】
この方法では、LBT監視が行われたすべてのROを考慮しており、LBT監視が行われた複数のROがあれば、端末装置は、LBT監視が行われた各ROでRARの受信ウィンドウを起動することができ、又は、端末装置は、LBT監視が行われたROに対して組分けを行い、そして、各組上で1つのRARの受信ウィンドウを起動することができる。
【0105】
この方法では、組分けのルールは方法1と同じであり、ここでは詳しい説明を省略する。
【0106】
方法4:
端末装置のMAC層が複数のROを確定している場合、前記端末装置は、各々又は各組の、前記端末装置のMAC層が確定したROで1つのRARの受信ウィンドウを起動し、且つ前記RARの受信ウィンドウを起動するROは、前記端末装置のMAC層が確定した前記複数のROの1番目又は最後の1つのROである。
【0107】
この方法では、MAC層が提供したすべてのROを考慮しており、MAC層が提供した複数のROがあれば、端末装置は、MAC層が提供した各ROでRARの受信ウィンドウを起動することができ、又は、端末装置は、MAC層が提供したROに対して組分けを行い、そして、各組上で1つのRARの受信ウィンドウを起動することができる。
【0108】
この方法では、組分けのルールは方法1と同じであり、ここでは詳しい説明を省略する。
【0109】
本実施例の前述の方法によりRARの受信ウィンドウを起動し、複数のROが存在する場合、RARの受信ウィンドウを起動するタイミングを確定することで、RARの受信ウィンドウをメンテナンスすることができる。該方法によれば、端末側及びネットワーク側は、RARの受信ウィンドウのメンテナンスについて、一致した理解があり、このようにして、ネットワーク装置は、RARの受信ウィンドウ内でRARの伝送を完了し、ランダムアクセスの成功率を向上させることができる。
【0110】
本実施例ではpreambleの送信を例にとって説明したが、本実施例はこれに限られず、同じ方法はmsg.3の伝送に適用することもできる。例えば、複数のmsg.3のために複数の伝送機会を確定し、msg.3に対応する1つ又は複数の競合解決タイマーをメンテナンスすることができる。なお、ここではその詳しい説明を省略する。
【0111】
本実施例の方法により、preambleの送信機会を増加させることができ、また、preambleの伝送機会が増加した場合に生じる各種の問題を解決することができる。
【実施例2】
【0112】
本実施例はLBT監視失敗の処理方法を提供し、該方法は端末装置に応用され、該方法は実施例1の方法と組み合わせて使用されても良く、単独で使用されても良い。なお、ここでは、実施例1の内容と同じのものの重複説明が省略される。
【0113】
図4は本実施例のLBT監視失敗の処理方法を示す図であり、
図4に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0114】
ステップ401:端末装置の物理層がLBT監視を行い、前記物理層は、LBT監視が失敗したと見なすときに、MAC層又はRRC層にLBT監視失敗又はpreamble伝送ドロップ又はLBT検出インスタンス失敗を指示し;
ステップ402:前記端末装置のMAC層又はRRC層は前記指示に基づいて次のような処理の少なくとも1つを行い、即ち、リソース選択を実行し;チャネル選択又はBWP切り替えをトリガーし;無線リンクの失敗をトリガーし;RRC接続再確立をトリガーし;及び、計数器のメンテナンスを行うことである。
【0115】
本実施例のステップ401において、物理層は以下の条件のうちの少なくとも1つが満足された場合、LBT監視が失敗したと見なすことができる。
【0116】
条件1:
一回のLBT監視結果がビジー(busy)である。
【0117】
この条件では、物理層は、一回LBT監視を行った後に、ビジーと確定した場合、LBT監視が失敗したと見なすことができる。それは、LBT監視失敗の情報又はpreamble伝送ドロップの情報をMAC層又はRRC層に指示することができ、又は、上述の指示を行わず、代わりに自身で後続の処理を決定しても良い。実施例1に記載のようであり、ここではその詳しい説明を省略する。
【0118】
条件2:
端末装置のMAC層に対して一回指示したpreambleの伝送機会(RO)の一回又は複数回のLBT監視結果がすべてビジーである。
【0119】
この条件では、MAC層は、一回ROを指示(又は確定と言う)する可能性があり、物理層は、該ROのために一回又は複数回(並列又は直列)のLBT監視を行い、すべてビジーと確定した場合、LBT監視が失敗したと見なすことができる。
【0120】
条件3:
所定期間内の複数回のLBT監視について、LBT監視の結果がビジーであるインスタンス数が第一数量に達している。
【0121】
この条件では、物理層は或る期間内で複数回LBT監視を実行し、ビジーの回数が一定数量に達していると確定した場合、LBT監視が失敗したと見なすことができる。
【0122】
条件4:
複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーである比(割合)が第1の比に達している。
【0123】
この条件では、物理層は複数回LBT監視を実行し、ビジーの回数と、LBT監視を実行した総回数との比が1つの比に達している場合、LBT監視が失敗したと見なすことができる。
【0124】
条件5:
LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第二数量に達しており、第一タイマーの計時時間(計時期間)内で、LBT監視結果がアイドルであるインスタンス数が第三数量に達せず、そのうち、前記第一タイマーは、前記LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第二数量に達したときに起動される。
【0125】
この条件では、LBTインスタンスとは、一回LBT監視を実行する場合を指し、即ち、条件1が満足された場合、1つのLBTインスタンスの監視結果が失敗であると見なす。
【0126】
条件6:
第二タイマーが切れた後に、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第四数量に達しており、そのうち、前記第二タイマーは1つのLBTインスタンスの監視結果がビジーであるときに起動される。
【0127】
この条件では、LBTインスタンスの概念は前述と同じであり、ここでは詳しい説明を省略する。
【0128】
条件7:
1つのチャネル又はBWP上で、所定期間内の複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第五数量に達している。
【0129】
条件8:
1つのチャネル又はBWP上で、複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーである比が第2の比に達している。
【0130】
条件9:
1つのチャネル又はBWP上で、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第六数量に達しており、第三タイマーの計時時間内で、LBT監視結果がアイドルであるインスタンス数が第七数量に達せず、そのうち、前記第三タイマーは、前記LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第六数量に達したときに起動される。
【0131】
条件10:
1つのチャネル又はBWP上で、第四タイマーが切れた後に、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第八数量に達しており、そのうち、前記第四タイマーは1つのLBTインスタンスの監視結果がビジーであるときに起動される。
【0132】
条件11:
1つのSSB及び/又はCSI-RSについて、所定期間内の複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第九数量に達している。
【0133】
条件12:
1つのSSB及び/又はCSI-RSについて、複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーである比が第3の比に達している。
【0134】
条件13:
1つのSSB及び/又はCSI-RSについて、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第十数量に達しており、第五タイマーの計時時間内で、LBT監視結果がアイドルであるインスタンス数が第十一数量に達せず、そのうち、前記第五タイマーは、前記LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第十数量に達したときに起動される。
【0135】
条件14:
1つのSSB及び/又はCSI-RSについて、第六タイマーが切れた後に、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第十二数量に達しており、そのうち、前記第六タイマーは、1つのLBTインスタンスの監視結果がビジーであるときに起動される。
【0136】
上述の条件7乃至条件10は前述の条件3乃至条件6と類似しており、条件3乃至条件6との相違点は、該LBT監視が或るチャネル又はBWPに対して行われることにある。上述の条件7乃至条件10のうちの何れか1つの条件が満足された場合、端末装置の物理層はさらに、MAC層にLBT監視結果失敗のチャネル又はBWPの情報を提供するこができる。
【0137】
上述の条件11乃至条件14は前述の条件3乃至条件6と類似しており、条件3乃至条件6との相違点は、該LBT監視が或るSSB及び/又はCSI-RSに対して行われることにある。上述の条件11乃至条件14のうちの何れか1つの条件が満足された場合、端末装置の物理層はさらに、MAC層にLBT監視結果失敗のSSBの索引(index)及び/又はCSI-RSのリソース標識(ID)を提供することができる。
【0138】
上述の条件3、7、11における“所定期間”は、時間間隔T又は周期Tと記されても良く、本実施例はこれに限定されない。
【0139】
本実施例のステップ402において、物理層からのLBT監視失敗の指示又は現在のpreambleの伝送ドロップの指示又はLBT検出インスタンス失敗の指示を受信したときに、MAC層は、リソース選択を実行することができ、例えば、preamble伝送計数器の計数が増加せず且つパワーランプ(power ramp)を行わず、又はpreamble伝送計数器の計数が増加するがパワーランプを行わない。ここで、preambleの伝送ドロップの指示は、LBT監視失敗の指示と理解されても良いが、本実施例はこれについて限定しない。
【0140】
本実施例では、競合ベースのランダムアクセスプロシージャにおいてmsg.3伝送前にLBT監視を行うこともができ、且つmsg.3の伝送が競合解決タイマーをメンテナンスし得ることを考慮して、本実施例の該方法はmsg.3にも応用され得る。即ち、LBT監視の失敗によりmsg.3の伝送がキャンセルされたときに、競合解決タイマーが切れることを待つ必要がなく、直接ランダムアクセスリソースの選択を行うことができる。
【0141】
本実施例の該方法により、LBT失敗の場合、端末装置は、RARの受信ウィンドウの時間待つ必要がなく、直接リソース選択を行うことができるため、ランダムアクセスのプロセスを加速し、端末装置のエネルギー消費を低減することができる。
【0142】
本実施例のステップ402において、物理層からのLBT監視失敗の指示又は現在のpreambleの伝送ドロップの指示又はLBT検出インスタンス失敗の指示を受信したときに、MAC層は、チャネル選択又はBWP切り替えを実行することができ、又は、MAC層は、第一条件が満足された場合、チャネル選択又はBWP切り替えをトリガーすることもでき、ここでの第一条件は前述の条件7乃至条件10の少なくとも1つであり、ここではその詳しい説明を省略する。
【0143】
本実施例では、前述のように、端末装置の物理層はさらに、LBT監視結果失敗のチャネル又はBWPをMAC層に提供することができ、即ち、端末装置のMAC層はさらに、物理層からのLBT監視結果失敗のチャネル又はBWPを受信することができ、これにより、上述の条件の判定を行うことができる。
【0144】
本実施例では、1つのBWPが複数のチャネル(例えば、接続状態にある)を含む可能性があり、一部のチャネルのLBT監視が失敗し、他の一部のチャネルのLBT監視が成功した場合が生じる可能性がある。本実施例では、LBT監視の失敗があれば、このBWP上のLBT監視が失敗したと見なす。
【0145】
本実施例では、チャネル選択又はBWP切り替えが発生したときに、ランダムアクセスプロシージャは停止又は終了する。チャネル選択又はBWP切り替え完了後に新しいランダムアクセスプロシージャを開始しても良く;又は、ランダムアクセスプロシージャにおいてチャネル選択又はBWP切り替えを行うことを許す。
【0146】
本実施例の該方法により、LBT監視が失敗しており又は一定条件(第一条件)が満足された場合、端末装置はチャネル選択又はBWP切り替えを行うことができ、これにより、LBT監視が常に失敗したチャネル又はBWP上でずっとランダムアクセスを行うことが避けられ得る。このようにして、端末装置のエネルギー節約を実現し、より良いユーザ体験を提供することができる。該方法は、すべての状態にある端末装置、例えば、アイドル状態、非アクティブ状態及び接続状態にあるUEに適している。
【0147】
本実施例のステップ402において、物理層からのLBT監視失敗の指示又は現在のpreambleの伝送ドロップの指示又はLBT検出インスタンス失敗の指示を受信したときに、MAC層はさらに、無線リンクの失敗をトリガーし又は間接的に接続再確立をトリガーすることができる。その後の端末装置の動作は現在の規格に定義される無線リンク失敗発生後の動作と同じであり、相違点はトリガー条件のみである。
【0148】
例えば、MAC層が上述の指示を受信したときにランダムアクセスが失敗したと見なし、該ランダムアクセスが或る特定セル(第一セルと言う)、例えばPCell又はPSCellで発生した場合、端末装置はネットワーク装置に指示情報(第一指示情報と言う)を送信し、該第一指示情報によりランダムアクセス問題を指示する。上述のPCell及びPSCellの定義については現在の規格を参照することができ、ここでは“プライマリセル”と総称する。
【0149】
また、例えば、MAC層は第二条件が満足された場合、ランダムアクセスが失敗したと見なすことができ、ここでの第二条件は前述の条件3乃至条件6の少なくとも1つであり、ここではその詳しい説明を省略する。
【0150】
本実施例の該方法により、LBT監視失敗の場合、端末装置は“無線リンク失敗”又は“チャネルビジー”を宣言することで、LBT監視が常に失敗したセル又はセルの1つのチャネル上でずっとランダムアクセスを行うことが避けられる。このようにして、端末装置のエネルギー節約を実現し、トラフィックの長時間の中断を避け、より良いユーザ体験を提供することができる。該方法は、接続状態にある端末装置に適している。
【0151】
本実施例のステップ402において、物理層からのLBT監視失敗の指示又は現在のpreambleの伝送ドロップの指示又はLBT検出インスタンス失敗の指示を受信したとき、RRC層は無線リンクの失敗をトリガーし又はRRC接続再確立をトリガーすることもできる。
【0152】
例えば、RRC層は前記指示を受信したときに接続再確立プロシージャを開始し、例えば、ネットワーク装置に第二指示情報を送信し、前記第二指示情報によりRRC接続再確立をトリガーすることができる。該第二指示情報にはLBT監視失敗の情報が含まれても良いが、具体的な形式について本実施例は限定しない。該第二指示情報はRRC再確立要求メッセージ(RRCReestablishmentRequest)に含まれてネットワークとのRRC接続を再び確立するために用いられても良いが、本実施例はこれに限定されない。
【0153】
また、例えば、RRC層は第三条件が満足された場合、接続再確立プロシージャを開始し、端末装置の後続のビヘイビアをトリガーすることができ、前述のように、ここでの第三条件は前述の条件3乃至条件6の少なくとも1つであり、ここではその詳しい説明を省略する。
【0154】
また、例えば、RRC層は上述の指示を受信した後に直ぐに無線リンクが失敗したと見なし、端末装置が後続のビヘイビアを行うようにトリガーすることができる。なお、ここでの後続のビヘイビアについては、現在の規格に記載される無線リンク失敗後の端末装置に関するビヘイビアを参照することができ、ここでは詳しい説明を省略する。
【0155】
また、例えば、RRC層は第四条件が満足された場合、無線リンクが失敗したと見なし(又は無線リンクの失敗をトリガーする)、端末装置の後続のビヘイビアをトリガーすることもできる。ここでの第四条件は前述の条件3乃至条件6の少なくとも1つであっても良く、ここではその詳しい説明を省略する。
【0156】
本実施例の該方法により、LBT監視が失敗しており又は一定条件(第三条件又は第四条件)が満足された場合、端末装置は、ネットワーク側に対してRRC接続再確立プロシージャを開始し、又は無線リンクが失敗したと見なし、1つの新しいセル又は同じセル上の他のチャネルを選択することにより、LBT監視が常に失敗したセル又はセルの1つのチャネル上でずっとランダムアクセスを行うことが避けられる。このようにして、端末装置のエネルギー節約を実現し、トラフィックの長時間の中断を避け、より良いユーザ体験を提供することができる。該方法は接続状態にある端末装置に適している。
【0157】
本実施例のステップ402において、物理層からのLBT監視失敗の指示又は現在のpreambleの伝送ドロップの指示又はLBT検出インスタンス失敗の指示を受信したときに、端末装置のMAC層は計数器に対してメンテナンスを行うことができる。
【0158】
本実施例では、前述の方法において、LBT監視がすべて失敗したことにより、preambleの伝送がドロップされる可能性があり、即ち、preambleの伝送が無くなり、このような場合、進行中のランダムアクセスを停止しなければ、端末装置に問題が生じることがあり、例えば、端末装置が接続状態にあるときに、長時間ひいてはエンドレスのランダムアクセスの試み(即ち、ランダムアクセス選択を行い、ランダムアクセスリソースを確定し、物理層にプリアンブルを送信し、物理層がLBT監視を行い、LBT監視が失敗し、RARの受信ウィンドウが満了後に再びランダムアクセス選択を行う)があれば、トラフィックの中断を来し、ユーザ体験が低下し、ひいては、電力がなくなる恐れもある。
【0159】
上述の問題を解決するために、本実施例では、さらに、計数器メンテナンスのメカニズムが導入される。
【0160】
例えば、LBT監視が行われた各ROについて、該ROのLBT監視が失敗した場合、preamble伝送計数器(例えば、PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER)の値に1をプラスする。ここで、LBT監視失敗によりpreambleの伝送がドロップされるが、LBT監視失敗の場合については後述の実施例で説明する。
【0161】
また、例えば、LBT監視が行われた各ROについて、ROのLBT監視が失敗しており、またRARの受信ウィンドウが満了した場合、preamble伝送計数器(例えば、PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER)の値に1をプラスする。ここで、LBT監視失敗によりpreambleの伝送がドロップされるが、LBT監視失敗の場合については後述の実施例で説明する。
【0162】
上述のメカニズムにより、LBT監視が失敗したときに、preambleの伝送がなくても、依然として再送計数器の値に1をプラスし、このようにして、ランダムアクセスのトラーの回数を減らすことができる。よって、トラフィックの中断を低減し、ユーザ体験を改善し、端末の電力消費を節約することができる。
【0163】
なお、上述の2つのメカニズムは例示に過ぎず、本実施例はこれに限定されない。
【0164】
また、例えば、さらに1つの新しい計数器が導入されても良く、ランダムアクセスプロシージャ開始時に、該計数器の値が1に設定され、LBT監視が失敗した場合、該計数器の値に1をプラスし、該計数器の値が最大値に達すると、ランダムアクセスプロシージャが完了したと見なす。ここで、ランダムアクセスプロシージャの完了とは、成功裏に完了していることであっても良く、未成功の完了であっても良い。
【0165】
本実施例では、“ドロップ(drop)”は、“キャンセル(cancel)”又は“失敗(failed)”又は“中断(interrupt)”又は“サスペンド(suspend)”などの類語により置換されても良く、そのすべては、物理層が、指示されたRO失敗を適用し、及び/又は、ネットワーク装置にpreambleを送信しないことを示す。
【0166】
本実施例では、異なる実施方式により端末装置の物理層又はMAC層又はRRC層の処理を説明したが、これらの実施方式は単独で使用されても良く、組み合わせて使用されても良いが、本実施例はこれについて限定しない。
【0167】
本実施例の方法により、MAC層が1つ又は複数のROを確認した場合、LBT監視失敗時に異なる処理メカニズムを提供することにより、LBT監視失敗後のレスポンス時間を短縮し、ランダムアクセスの成功率を向上させることができる。
【実施例3】
【0168】
本実施例は設定方法を提供し、該方法はネットワーク装置に応用され、それは実施例1及び実施例2の方法に対応するネットワーク側の処理である。ここでは、実施例1及び実施例2と同じ内容の重複説明が省略される。
図5は、本実施例の設定方法を示す図であり、
図5に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0169】
ステップ501:ネットワーク装置が、アイドル状態又はアクティブ状態にある端末装置のために複数の初期BWPを設定し、端末装置は各前記初期BWP上で1つのROを確定する。
【0170】
本実施例では、ネットワーク装置が端末装置のために複数の初期BWPを設定し、端末装置は各初期BWP上で1つのROを確定することができる。なお、具体的な方法については実施例1に記載されているから、ここではその詳しい説明を省略する。該方法により、preambleの伝送機会を増やし、ランダムアクセスの成功率を向上させることができる。
【0171】
本実施例では、実施例2に記載されたように、ネットワーク装置はさらに、端末装置送信の第一指示情報を受信し、該第一指示情報に基づいて、アクティブBWPが上述の第一指示情報を伝送したBWPであると確定することができる。なお、後続の処理は現在の規格における規定と同じであっても良いので、ここでは詳しい説明を省略する。
【0172】
本実施例の方法により、ランダムアクセスの成功率を向上させることができる。
【実施例4】
【0173】
本実施例はランダムアクセスプリアンブルの送信装置を提供し、それは端末装置に配置される。なお、該装置が問題を解決する原理が実施例1の方法と類似しているため、その具体的な実施については実施例1を参照することができ、ここでは内容が同じである重複説明が省略される。
【0174】
図6は、本実施例におけるランダムアクセスプリアンブルの送信装置を示す図であり、
図6に示すように、本実施例のランダムアクセスプリアンブルの送信装置600は、第一確定ユニット601及び第二確定ユニット602を含む。
【0175】
第一確定ユニット601は、端末装置の媒体アクセス制御(MAC)層で第一数量の、プリアンブル(preamble)を送信するためのランダムアクセス伝送機会(RO)を確定し、又はプリアンブルを送信するためのROに対応する下りリンク参照信号を選択し;第二確定ユニット602は、前記端末装置の物理層で前記第一数量のRO又は前記下りリンク参照信号に基づいて第二数量のROを確定し、前記第一数量及び前記第二数量はともに1よりも大きい。
【0176】
本実施例では、前記第一確定ユニット601は以下の少なくとも1つの方法で第一数量のROを確定することができ、即ち、
前記端末装置のMAC層が第三数量の同期信号/ブロードキャストチャネルブロック(SSB)及び/又はチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)を選択し、選択した各SSB及び/又はCSI-RSに対応して1つのROを確定し、前記第一数量のROを取得し;
前記端末装置のMAC層が1つのSSB又はCSI-RSを選択し、選択したSSB又はCSI-RSに対応する第一数量のROを確定し;
前記端末装置がアイドル状態又は非アクティブ状態にあり、前記端末装置は第一数量の初期帯域幅部分(BWP)が設定される場合、各初期BWP上で1つのROを確定し;
前記端末装置が接続状態にある場合、前記端末装置は設定された各BWP上で1つのROを確定し;
前記端末装置のMAC層が第一数量のアグリゲーションされるキャリア上でそれぞれ1つのROを確定し;
前記端末装置が各ランダムアクセスプロシージャについて1つのROを確定し;及び
前記端末装置が各アクティブBWP上で1つのROを確定する。
【0177】
本実施例では、
図6に示すように、前記装置600はさらに以下のものが含まれても良い。
【0178】
第三確定ユニット603:前記端末装置の物理層で、以下の方法の少なくとも1つにより、LBT監視を行うROを確定し、即ち、
前記第二数量のROについてすべてLBT監視を行い;
前記第二数量のROのうちから一部のROを選択してLBT監視を行い;
時間順に従って前記第二数量のROのためにLBT監視を、第一条件が満足されるまで行い、前記第一条件は、第四数量のLBT監視が成功しており、又は、第二数量のすべてのROのためのLBT監視が行われたことである。
【0179】
本実施例では、如
図6に示すように、前記装置600はさらに以下のものを含んでも良い。
【0180】
起動ユニット604:前記第一数量のRO又は前記第二数量のROに基づいてランダムアクセスレスポンス(RAR)の受信ウィンドウを起動する。
【0181】
本実施例では、上述のRARの受信ウィンドウは1つであっても良く、且つ前記RARの受信ウィンドウを起動するROは以下の任意の1つであっても良く、即ち、
前記端末装置の物理層が1つのみのROでプリアンブルの伝送を行った場合、前記RARの受信ウィンドウを起動するROは、前記プリアンブルを伝送したROであり;
前記端末装置の物理層が複数のROでプリアンブルの伝送を行った場合、前記RARの受信ウィンドウを起動するROは、前記複数のROのうちの1番目又は最後の1つのROであり;
1つのみのROのLBT監視が成功した場合、前記RARの受信ウィンドウを起動するROは、LBT監視が成功したROであり;
複数のROのLBT監視が成功した場合、前記RARの受信ウィンドウを起動するROは、LBT監視が成功したROのうちの1番目又は最後の1つのROであり;
1つのみのROのLBT監視が行われた場合、前記RARの受信ウィンドウを起動するROは、LBT監視を行ったROであり;
複数のROのためのLBT監視を行った場合、前記RARの受信ウィンドウを起動するROは、LBT監視を行ったROのうちの1番目又は最後の1つのROであり;
前記端末装置のMAC層が1つのROを確定した場合、前記RARの受信ウィンドウを起動するROは、前記端末装置のMAC層が確定したROであり;及び
前記端末装置のMAC層が複数のROを確定した場合、前記RARの受信ウィンドウを起動するROは、前記端末装置のMAC層が確定したROのうちの1番目又は最後の1つのROである。
【0182】
本実施例では、上述のRARの受信ウィンドウは複数であっても良く、且つ前記RARの受信ウィンドウを起動するROは以下の任意の1つであっても良く、即ち、
前記端末装置の物理層が複数のROでプリアンブルの伝送を行った場合、前記端末装置は、各々又は各組の、前記プリアンブルを伝送したROで1つのRARの受信ウィンドウを起動し、且つ各組のROで1つのRARの受信ウィンドウを起動する場合、前記RARの受信ウィンドウを起動するROは、前記プリアンブルを伝送した前記複数のROの1番目又は最後の1つのROであり;
複数のROのLBT監視が成功した場合、前記端末装置は、各々又は各組の、LBT監視が成功したROで1つのRARの受信ウィンドウを起動し、且つ各組のROで1つのRARの受信ウィンドウを起動する場合、前記RARの受信ウィンドウを起動するROは、LBT監視が成功した前記複数のROの1番目又は最後の1つのROであり;
複数のROのためにLBT監視を行った場合、前記端末装置は、各々又は各組の、LBT監視を行ったROで1つのRARの受信ウィンドウを起動し、且つ各組のROで1つのRARの受信ウィンドウを起動する場合、前記RARの受信ウィンドウを起動するROは、LBT監視を行った前記複数のROの1番目又は最後の1つのROであり;及び
前記端末装置のMAC層が複数のROを確定した場合、前記端末装置は、各々又は各組の、前記端末装置のMAC層が確定したROで1つのRARの受信ウィンドウを起動し、且つ前記RARの受信ウィンドウを起動するROは、前記端末装置のMAC層が確定した前記複数のROの1番目又は最後の1つのROである。
【0183】
本実施例では、各SSB又はCSI-RSに対応するROは1組であり、又は、各チャネル又はBWP上のROは1組であり、又は、各セル上のROは1組である。
【0184】
本実施例の装置により、ランダムアクセスの成功率を向上させることができる。
【実施例5】
【0185】
本実施例はLBT監視失敗の処理装置を提供し、それは端末装置に配置される。なお、該装置が問題を解決する原理が実施例2の方法と類似しているため、その具体的な実施については実施例2を参照することができ、ここでは内容が同じである重複説明が省略される。
【0186】
図7は本実施例におけるLBT監視失敗の処理装置を示す図であり、
図7に示すように、本実施例におけるLBT監視失敗の処理装置700は監視ユニット701及び処理ユニット702を含む。
【0187】
監視ユニット701は端末装置の物理層でLBT監視を行い、LBT監視が失敗したと見なすときに、MAC層又はRRC層に、LBT監視失敗又はランダムアクセスプリアンブル(preamble)伝送ドロップ又はLBT検出インスタンス失敗を指示し;処理ユニット702は、前記端末装置のMAC層又はRRC層で前記指示に基づいて以下の処理の少なくとも1つを行い、即ち、リソース選択を実行し、チャネル選択又はBWP切り替えをトリガーし、無線リンクの失敗をトリガーし、RRC接続再確立をトリガーし、及び計数器のメンテナンスを行うことである。
【0188】
本実施例では、前記監視ユニット701は、前記端末装置の物理層で、実施例2に記載の条件1乃至条件14の少なくとも1つが満足された場合、LBT監視が失敗したと見なすことができる。
【0189】
本実施例では、
図7に示すように、前記装置700はさらに以下のものが含まれても良い。
【0190】
提供ユニット703:前記端末装置の物理層でMAC層にLBT監視結果失敗のチャネル又はBWPの情報を提供し、及び/又は、前記端末装置の物理層でMAC層にLBT監視結果失敗のSSBの索引及び/又はCSI-RSのリソース標識を提供する。
【0191】
本実施例では、前記処理ユニット702は、前記端末装置のMAC層で、前記指示に基づいて、第一条件が満足された場合、チャネル選択又はBWP切り替えをトリガーすることができ、前記第一条件は、実施例2に記載の条件3乃至条件6の少なくとも1つである。
【0192】
本実施例では、
図7に示すように、前記装置700はさらに以下のものが含まれても良い。
【0193】
受信ユニット704:前記端末装置のMAC層で、物理層が提供したLBT監視結果失敗のチャネル又はBWPの情報を受信する。
【0194】
本実施例では、前記BWPは複数のチャネルを含み、前記BWP上のLBT監視失敗とは、前記BWPの任意の1つのチャネルのLBT監視失敗を指す。
【0195】
本実施例では、前記処理ユニット702は、前記端末装置のMAC層で、前記指示に基づいて、無線リンクの失敗をトリガーすることができ、それは以下のことを含み、即ち、
前記MAC層で前記指示を受信したときにランダムアクセスが失敗したと見なし、前記ランダムアクセスが第一セルで発生したときに、ネットワーク装置に第一指示情報を送信し、前記第一指示情報によりランダムアクセスの問題を指示し、そのうち、前記第一セルはプライマリセルであり;又は
前記MAC層で前記指示に基づいて、第二条件が満足された場合、ランダムアクセスが失敗したと見なし、前記第二条件は、実施例2に記載の条件3乃至条件6の少なくとも1つである。
【0196】
本実施例では、前記処理ユニット702はさらに前記端末装置のRRC層で前記指示に基づいてRRC接続再確立をトリガーすることができ、それは以下のことを含み、即ち、
前記RRC層で前記指示を受信したときに接続再確立プロシージャを開始し;又は
前記RRC層で前記指示に基づいて第三条件が満足された場合、接続再確立プロシージャを開始し、前記第三条件は実施例2に記載の条件3乃至条件6の少なくとも1つである。
【0197】
本実施例では、前記処理ユニット702はさらに前記端末装置のRRC層で前記指示に基づいて無線リンクの失敗をトリガーすることができ、それは以下のことを含み、即ち、
前記RRC層が前記指示を受信したときに無線リンクが失敗したと見なし;又は
前記RRC層が前記指示に基づいて、第四条件が満足された場合、無線リンクが失敗したと見なし、前記第四条件は前述の条件3乃至条件6の少なくとも1つである。
【0198】
本実施例では、前記処理ユニット702はさらに端末装置のMAC層で前記指示に基づいて計数器のメンテナンスを行うことができ、それは以下のことを含み、即ち、
前記端末装置のMAC層で、以下の任意の1つのメカニズムに従って、計数器のメンテナンスを行い、即ち、
LBT監視を行った各ROについて、前記ROのLBT監視が失敗した場合、プリアンブル伝送計数器に1をプラスし;
LBT監視を行った各ROについて、前記ROのLBT監視が失敗しており、且つRARの受信ウィンドウが満了した場合、プリアンブルの伝送計数器に1をプラスし;及び
LBT監視が失敗した場合、第一計数器の値に1を、前記第一計数器の値が最大値に達するまでプラスする(即ち、前記第一計数器の値が最大値に達するまで、第一計数器の値が逓増する)。
【0199】
本実施例の装置により、ランダムアクセスの成功率を向上させることができる。
【実施例6】
【0200】
本実施例はさらに設定装置を提供し、それはネットワーク装置に配置される。なお、該装置が問題を解決する原理が実施例3の方法と類似しているから、その具体的な実施については実施例3を参照することができ、ここでは内容が同じである重複説明が省略される。
【0201】
図8は、本実施例における設定装置を示す図であり、
図8に示すように、本実施例の設定装置800は以下のものを含む。
【0202】
設定ユニット801:アイドル状態又はアクティブ状態にある端末装置のために複数の初期BWPを設定し、端末装置は各前記初期BWP上で1つのROを確定する。
【0203】
本実施例では、
図8に示すように、前記装置800はさらに以下のものを含んでも良い。
【0204】
第一受信ユニット802:端末装置送信の第一指示情報を受信し;
第一処理ユニット803:前記第一指示情報に基づいて、アクティブBWPが前記第一指示情報を伝送したBWPであると確定する。
【0205】
本実施例の装置により、ランダムアクセスの成功率を向上させることができる。
【実施例7】
【0206】
本発明の実施例はさらに端末装置を提供し、そのうち、該端末装置は実施例4又は5に記載の装置を含む。
【0207】
図9は、本発明の実施例における端末装置を示す図である。
図9に示すように、該端末装置900は中央処理器901及び記憶器902を含み、記憶器902は中央処理器901に接続される。なお、該図は例示に過ぎず、さらに他の類型の構造を用いて該構造に対して補充又は代替を行うことで、電気通信機能又は他の機能を実現することもできる。
【0208】
1つの実施方式において、実施例4又は5に記載の装置の機能が中央処理器901に統合され、中央処理器901により実施例4又は5に記載の装置の機能を実現しても良く、そのうち、実施例4又は5に記載の装置の機能がここに合併され、ここではその詳しい説明を省略する
もう1つの実施方式において、実施例4又は5に記載の装置が中央処理器901と別々で配置されても良く、例えば、該実施例4又は5に記載の装置を、中央処理器901に接続されるチップとして構成し、中央処理器901の制御により該実施例4又は5に記載の装置の機能を実現しても良い。
【0209】
図9に示すように、該端末装置900はさらに、通信モジュール903、入力ユニット904、音声処理ユニット905、表示器906、電源907を含んでも良い。なお、端末装置900は
図9に示すすべての部品を含む必要がなく、また、端末装置900はさらに、
図9にない部品を含んでも良いが、これについては従来技術を参照することができる。
【0210】
図9に示すように、中央処理器901は制御器又は操作コントローラと称される場合があり、マイクロプロセッサ又は他の処理器装置及び/又は論理装置を含んでも良く、該中央処理器901は入力を受信して端末装置900の各部品の操作を制御することができる。
【0211】
そのうち、記憶器902は例えば、バッファ、フレッシュメモリ、HDD、可移動媒体、揮発性記憶器、不揮発性記憶器又は他の適切な装置のうちの1つ又は複数であっても良く、上述の設定に関する情報を記憶することができ、また、情報処理用のプログラムをさらに記憶することができる。また、中央処理器901は、該記憶器902に記憶された該プログラムを実行することで情報の記憶又は処理などを実現することもできる。なお、他の部品の機能が従来と類似しているから、ここではその詳しい説明を省略する。また、端末装置900の各部品は専用ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はその組み合わせにより実現されても良いが、そのすべては本発明の範囲に属する。
【0212】
本実施例の端末装置により、ランダムアクセスの成功率を向上させることができる。
【実施例8】
【0213】
本発明の実施例はさらにネットワーク装置を提供し、そのうち、該ネットワーク装置は実施例6に記載の装置を含む。
【0214】
図10は、本発明の実施例におけるネットワーク装置の1つの実施方式の構成図である。
図10に示すように、ネットワーク装置1000は中央処理器(CPU)1001及び記憶器1002を含み、記憶器1002は中央処理器1001に接続される。そのうち、該記憶器1002は各種のデータを記憶することができ、情報処理用のプログラムをさらに記憶することができ、また、中央処理器1001の制御下で該プログラムを実行することで、端末装置送信の各種の情報を受信し、端末装置に各種の情報を送信することもできる。
【0215】
1つの実施方式において、実施例6に記載の装置の機能が中央処理器1001に集積され、中央処理器1001により実施例6に記載の装置の機能を実現しても良く、そのうち、実施例6に記載の装置の機能がここで合併され、ここではその詳しい説明を省略する。
【0216】
もう1つの実施方式において、実施例6に記載の装置が中央処理器1001と別々配置されても良く、例えば、該実施例6に記載の装置を、中央処理器1001に接続されるチップとして構成し、中央処理器1001の制御により該実施例6に記載の装置の機能を実現することもできる。
【0217】
また、
図10に示すように、ネットワーク装置1000はさらに送受信機1003、アンテナ1004などを含んでも良く、そのうち、上述の部品の機能が従来技術と類似しているため、ここではその詳しい説明を省略する。なお、ネットワーク装置1000は
図10に示すすべての部品を含む必要がなく、また、ネットワーク装置1000はさらに
図10にない部品を含んでも良いが、これについては従来技術を参照することができる。
【0218】
本実施例のネットワーク装置により、ランダムアクセスの成功率を向上させることができる。
【実施例9】
【0219】
本発明の実施例はさらに通信システムを提供し、該通信システムはネットワーク装置及び端末装置を含み、ネットワーク装置は例えば実施例8に記載のネットワーク装置1000であり、端末装置は例えば実施例7に記載の端末装置900である。
【0220】
本実施例では、該端末装置は例えばgNBがサービングするUEであり、それは実施例4又は5に記載の装置の機能以外に、さらに端末装置の通常の組成及び機能を含み、実施例7に記載のようであり、ここではその詳しい説明を省略する。
【0221】
本実施例では、該ネットワーク装置は例えばNRにおけるgNBであり、それは実施例6に記載の装置の機能以外、さらにネットワーク装置の通常の構成及び機能を含み、実施例8に記載のようであり、ここではその詳しい説明を省略する。
【0222】
本実施例における通信システムにより、ランダムアクセスの成功率を向上させることができる。
【0223】
本発明の実施例はさらにコンピュータ可読プログラムを提供し、そのうち、端末装置中で前記プログラムを実現するときに、前記プログラムはコンピュータに、前記端末装置中で実施例1又は2に記載の方法を実行させる。
【0224】
本発明の実施例はさらにコンピュータ可読プログラムを記憶した記憶媒体を提供し、そのうち、前記コンピュータ可読プログラムはコンピュータに、端末装置中で実施例1又は2に記載の方法を実行させる。
【0225】
本発明の実施例はさらにコンピュータ可読プログラムを提供し、そのうち、ネットワーク装置中で前記プログラムを実行するときに、前記プログラムはコンピュータに、前記ネットワーク装置中で実施例3に記載の方法を実行させる。
【0226】
本発明の実施例はさらにコンピュータ可読プログラムを記憶した記憶媒体を提供し、そのうち、前記コンピュータ可読プログラムはコンピュータに、ネットワーク装置中で実施例3に記載の方法を実行させる。
【0227】
また、上述の装置及び方法は、ソフトウェア又はハードウェアにより実現されても良く、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより実現されても良い。本発明は、さらに、下記のようなコンピュータ読み取り可能なプログラムに関し、即ち、該プログラムは、ロジック部品により実行されるときに、該ロジック部品に、上述の装置又は構成部品を実現させ、又は、該ロジック部品に、上述の各種の方法又はステップを実現させる。ロジック部品は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、マイクロプロセッサ、コンピュータに用いる処理器などであっても良い。本発明は、さらに、上述のプログラムを記憶した記憶媒体、例えば、ハードディスク、磁気ディスク、光ハードディスク、DVD、フラッシュメモリなどにも関する。
【0228】
さらに、図面に記載の機能ブロックのうちの1つ又は複数の組み合わせ及び/又は機能ブロックの1つ又は複数の組み合わせは、本明細書に記載の機能を実行するための汎用処理器、デジタル信号処理器(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラム可能な論理部品、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理部品、ディスクリートハードウェアアセンブリ又は他の任意の適切な組み合わせとして実現されても良い。また、図面に記載の機能ブロックのうちの1つ又は複数の組み合わせ及び/又は機能ブロックの1つ又は複数の組み合わせは、さらに、計算装置の組み合わせ、例えば、DSP及びマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPと通信により接続される1つ又は複数のマイクロプロセッサ又は他の任意の構成の組み合わせとして構成されても良い。
【0229】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されず、本発明の趣旨を離脱しない限り、本発明に対するあらゆる変更は本発明の技術的範囲に属する。
【0230】
また、上述の実施例などに関し、さらに以下の付記を開示する。
【0231】
(付記1)
端末装置に配置されるLBT監視失敗の処理装置であって、
前記端末装置の物理層でLBT監視を行い、LBT監視が失敗したときにMAC層又はRRC層にLBT監視失敗又はmsg.3伝送ドロップ又はLBT検出インスタンス失敗を指示する監視ユニット;及び
処理ユニットを含み、
前記処理ユニットは、
前記端末装置のMAC層又はRRC層で、前記指示に基づいて、以下の処理の少なくとも1つを行い、即ち、
リソース選択を実行し;
チャネル選択又はBWP切り替えをトリガーし;
無線リンクの失敗をトリガーし;
RRC接続再確立をトリガーし;及び
計数器のメンテナンスを行うという処理である、装置。
【0232】
(付記2)
付記1に記載の装置であって、
前記監視ユニットは、前記端末装置の物理層で、以下の条件のうちの少なくとも1つが満足された場合、LBT監視が失敗したと見なし、即ち、
一回のLBT監視結果がビジーであり;
前記端末装置のMAC層に対して一回指示したmsg.3の伝送機会の一回又は複数回のLBT監視結果がすべてビジーであり;
所定期間内の複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第一数量に達しており;
複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーである比が第1の比に達しており;
LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第二数量に達しており、第一タイマーの計時時間内で、LBT監視結果がアイドルであるインスタンス数が第三数量に達せず、そのうち、前記第一タイマーは前記LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第二数量に達したときに起動され;
第二タイマーが切れた後にLBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第四数量に達しており、そのうち、前記第二タイマーは1つのLBTインスタンスの監視結果がビジーであるときに起動され;
1つのチャネル又はBWP上で、所定期間内の複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第五数量に達しており;
1つのチャネル又はBWP上で、複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーである比が第2の比に達しており;
1つのチャネル又はBWP上で、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第六数量に達しており、第三タイマーの計時時間内で、LBT監視結果がアイドルであるインスタンス数が第七数量に達せず、そのうち、前記第三タイマーは前記LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第六数量に達したときに起動され;
1つのチャネル又はBWP上で、第四タイマーが切れた後に、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第八数量に達しており、そのうち、前記第四タイマーは1つのLBTインスタンスの監視結果がビジーであるときに起動され;
1つのSSB及び/又はCSI-RSについて、所定期間内の複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第九数量に達しており;
1つのSSB及び/又はCSI-RSについて、複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーである比が第3の比に達しており;
1つのSSB及び/又はCSI-RSについて、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第十数量に達しており、第五タイマーの計時時間内で、LBT監視結果がアイドルであるインスタンス数が第十一数量に達せず、そのうち、前記第五タイマーは前記LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第十数量に達したときに起動され;及び
1つのSSB及び/又はCSI-RSについて、第六タイマーが切れた後に、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第十二数量に達しており、そのうち、前記第六タイマーは1つのLBTインスタンスの監視結果がビジーであるときに起動されるという条件である、装置。
【0233】
(付記3)
付記2に記載の装置であって、
前記端末装置の物理層で前記MAC層に、LBT監視結果失敗のチャネル又はBWPの情報を提供し;及び/又は、前記端末装置の物理層でMAC層にLBT監視結果失敗のSSBの索引及び/又はCSI-RSのリソース標識を提供する提供ユニットをさらに含む、装置。
【0234】
(付記4)
付記1に記載の装置であって、
前記処理ユニットは、前記端末装置のMAC層で、前記指示に基づいて、第一条件が満足された場合、チャネル選択又はBWP切り替えをトリガーし、前記第一条件は、以下の条件のうちの少なくとも1つであり、即ち、
1つのチャネル又はBWP上で、所定期間内の複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第五数量に達しており;
1つのチャネル又はBWP上で、複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーである比が第2の比に達しており;
1つのチャネル又はBWP上で、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第六数量に達しており、第三タイマーの計時時間内で、LBT監視結果がアイドルであるインスタンス数が第七数量に達せず、そのうち、前記第三タイマーは前記LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第六数量に達したときに起動され;及び
1つのチャネル又はBWP上で、第四タイマーが切れた後に、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第八数量に達しており、そのうち、前記第四タイマーは、1つのLBTインスタンスの監視結果がビジーであるときに起動されるという条件である、装置。
【0235】
(付記5)
付記4に記載の装置であって、
前記BWPは複数のチャネルを含み、前記BWP上のLBT監視失敗とは、前記BWPの少なくとも1つのチャネルのLBT監視が失敗したことを指す、装置。
【0236】
(付記6)
付記1に記載の装置であって、
前記処理ユニットが前記端末装置のMAC層で前記指示に基づいて無線リンクの失敗をトリガーすることは、
前記MAC層が前記指示を受信したときに、ランダムアクセスが失敗したと見なし;又は
前記MAC層が前記指示に基づいて第二条件が満足された場合、ランダムアクセスが失敗したと見なすことを含み、
前記第二条件は、以下の条件のうちの少なくとも1つであり、即ち、
所定期間内の複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第一数量に達しており;
複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーである比が第1の比に達しており;
LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第二数量に達しており、第一タイマーの計時時間内で、LBT監視結果がアイドルであるインスタンス数が第三数量に達せず、そのうち、前記第一タイマーは前記LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第二数量に達したときに起動され;及び
第二タイマーが切れた後に、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第四数量に達しており、そのうち、前記第二タイマーは1つのLBTインスタンスの監視結果がビジーであるときに起動されるという条件である、装置。
【0237】
(付記7)
付記1に記載の装置であって、
前記処理ユニットが前記端末装置のRRC層で前記指示に基づいてRRC接続再確立をトリガーすることは、
前記RRC層で前記指示を受信したときに、接続再確立プロシージャを開始し;又は
前記RRC層が前記指示に基づいて、第三条件が満足された場合、接続再確立プロシージャを開始することを含み、
前記第三条件は、以下の条件のうちの少なくとも1つであり、即ち、
所定期間内の複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第一数量に達しており;
複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーである比が第1の比に達しており;
LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第二数量に達しており、第一タイマーの計時時間内で、LBT監視結果がアイドルであるインスタンス数が第三数量に達せず、そのうち、前記第一タイマーは前記LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第二数量に達したときに起動され;及び
第二タイマーが切れた後に、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第四数量に達しており、そのうち、前記第二タイマーは1つのLBTインスタンスの監視結果がビジーであるときに起動されるという条件である、装置。
【0238】
(付記8)
付記1に記載の装置であって、
前記処理ユニットが前記端末装置のRRC層で前記指示に基づいて無線リンクの失敗をトリガーすることは、
前記RRC層で前記指示を受信したときに、無線リンクが失敗したと見なし;又は
前記RRC層で前記指示に基づいて、第四条件が満足された場合、無線リンクが失敗したと見なすことを含み、
前記第四条件は以下の条件のうちの少なくとも1つであり、即ち、
所定期間内の複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第一数量に達しており;
複数回のLBT監視について、LBT監視結果がビジーである比が第1の比に達しており;
LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第二数量に達しており、第一タイマーの計時時間内で、LBT監視結果がアイドルであるインスタンス数が第三数量に達せず、そのうち、前記第一タイマーは前記LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第二数量に達したときに起動され;
第二タイマーが切れた後に、LBT監視結果がビジーであるインスタンス数が第四数量に達しており、そのうち、前記第二タイマーは1つのLBTインスタンスの監視結果がビジーであるときに起動されるという条件である、装置。
【0239】
(付記9)
付記1に記載の装置であって、
前記処理ユニットが前記端末装置MAC層で前記指示に基づいて計数器のメンテナンスを行うことは、
前記処理ユニットが前記端末装置MAC層で以下のメカニズムのうちの何れか1つに基づいて計数器のメンテナンスを行うことを含み、即ち、
LBT監視を行ったmsg.3の各伝送機会について、前記msg.3の伝送機会のLBT監視が失敗した場合、ランダムアクセスプリアンブル伝送計数器に1をプラスし;
LBT監視を行ったmsg.3の各伝送機会について、前記msg.3の伝送機会のLBT監視が失敗しており、且つ競合解決タイマーが切れたときに、ランダムアクセスプリアンブル伝送計数器に1をプラスし;及び
LBT監視が失敗した場合、第一計数器の値に1を、前記第一計数器が最大値に達するまでプラスするというメカニズムである、装置。
【0240】
(付記10)
端末装置に設定されるmsg.3の送信装置であって、
前記端末装置の媒体アクセス制御(MAC)層で第一数量の、msg.3を送信するための伝送機会を確定する第一確定ユニット;及び
前記端末装置の物理層で前記第一数量の伝送機会に基づいて第二数量の、msg.3を送信するための伝送機会を確定する第二確定ユニットを含み、
前記第一数量及び前記第二数量はすべて1よりも大きい、装置。
【0241】
(付記11)
付記10に記載の装置であって、
ネットワーク装置送信の設定情報を受信し、前記設定情報に基づいて、前記ネットワーク装置が前記msg.3のために設定した少なくとも1つの伝送機会を取得する受信ユニットをさらに含む、装置。
【0242】
(付記12)
付記10に記載の装置であって、
第三確定ユニットをさらに含み、
前記第三確定ユニットが前記端末装置の物理層で確定する、LBT(LBT)監視を行う伝送機会は、以下のもののうちの少なくとも1つを含み、即ち、
前記第二数量の伝送機会についてすべてLBT監視を行い;
前記第二数量の伝送機会のうちから一部の伝送機会を選択してLBT監視を行い;
時間順に従って前記第二数量の伝送機会でLBT監視を、第一条件が満足されるまで行い、前記第一条件は第四数量のLBTが成功しており、又は、第二数量のすべての伝送機会でLBT監視を行ったことであるというものである、装置。
【0243】
(付記13)
付記10に記載の装置であって、
前記第一数量の伝送機会又は前記第二数量の伝送機会に基づいて競合解決タイマーを起動する起動ユニットをさらに含む、装置。
【0244】
(付記14)
付記13に記載の装置であって、
前記競合解決タイマーは1つあり、且つ前記競合解決タイマーを起動する伝送機会は、以下のもののうちの何れか1つであり、即ち、
前記端末装置の物理層が1つのみの伝送機会でmsg.3の伝送を行った場合、前記競合解決タイマーを起動する伝送機会は、前記msg.3を伝送した伝送機会であり;
前記端末装置の物理層が複数の伝送機会でmsg.3の伝送を行った場合、前記競合解決タイマーを起動する伝送機会は、前記複数の伝送機会のうちの1番目又は最後の1つの伝送機会であり;
1つのみの伝送機会のLBT監視が成功した場合、前記競合解決タイマーを起動する伝送機会は、LBT監視が成功した伝送機会であり;
複数の伝送機会のLBT監視が成功した場合、前記競合解決タイマーを起動する伝送機会は、LBT監視が成功した伝送機会のうちの1番目又は最後の1つの伝送機会であり;
1つのみの伝送機会でLBT監視を行った場合、前記競合解決タイマーを起動する伝送機会は、LBT監視を行った伝送機会であり;
複数の伝送機会でLBT監視を行った場合、前記競合解決タイマーを起動する伝送機会は、LBT監視を行った伝送機会のうちの1番目又は最後の1つの伝送機会であり;
前記端末装置のMAC層が1つの伝送機会を確定した場合、前記競合解決タイマーを起動する伝送機会は、前記端末装置のMAC層が確定した伝送機会であり;及び
前記端末装置のMAC層が複数の伝送機会を確定した場合、前記競合解決タイマーを起動する伝送機会は、前記端末装置のMAC層が確定した伝送機会のうちの1番目又は最後の1つの伝送機会であるというものである、装置。
【0245】
(付記15)
付記13に記載の装置であって、
前記競合解決タイマーは複数あり、且つ前記競合解決タイマーを起動する伝送機会は以下のもののうちの何れか1つであり、即ち、
前記端末装置の物理層が複数の伝送機会でmsg.3の伝送を行った場合、前記端末装置は、各々又は各組の、前記msg.3を伝送した伝送機会で、1つのRARの受信ウィンドウを起動し、且つ各組の伝送機会で1つの競合解決タイマーを起動する場合、前記RARの受信ウィンドウを起動する伝送機会は、前記msg.3を伝送した前記複数の伝送機会のうちの1番目又は最後の1つの伝送機会であり;
複数の伝送機会のLBT監視が成功した場合、前記端末装置は、各々又は各組の、LBT監視が成功した伝送機会で1つのRARの受信ウィンドウを起動し、且つ各組の伝送機会で1つの競合解決タイマーを起動する場合、前記RARの受信ウィンドウを起動する伝送機会は、LBT監視が成功した前記複数の伝送機会のうちの1番目又は最後の1つの伝送機会であり;
複数の伝送機会でLBT監視を行った場合、前記端末装置は、各々又は各組の、LBT監視を行った伝送機会で1つのRARの受信ウィンドウを起動し、且つ各組の伝送機会で1つの競合解決タイマーを起動する場合、前記RARの受信ウィンドウを起動する伝送機会は、LBT監視を行った前記複数の伝送機会のうちの1番目又は最後の1つの伝送機会であり;及び
前記端末装置のMAC層が複数の伝送機会を確定した場合、前記端末装置は、各々又は各組の、前記端末装置のMAC層が確定した伝送機会で1つのRARの受信ウィンドウを起動し、且つ前記RARの受信ウィンドウを起動する伝送機会は、前記端末装置のMAC層が確定した前記複数の伝送機会のうちの1番目又は最後の1つの伝送機会であるというものである、装置。
【0246】
(付記16)
付記15に記載の装置であって、
各SSB又はCSI-RSに対応する伝送機会が1組になり、又は、各チャネル又はBWP上の伝送機会が1組になり、又は、各セル上の伝送機会が1組になる、装置。
【0247】
(付記17)
ネットワーク装置に配置される設定装置であって、
アイドル状態又はアクティブ状態にある端末装置のために複数の初期BWPを設定する設定ユニットを含み、
端末装置は、各前記初期BWP上でmsg.3を送信するための1つの伝送機会を確定する、装置。
【0248】
(付記18)
付記17に記載の装置であって、
前記端末装置送信の第一指示情報を受信する第一受信ユニット;及び
前記第一指示情報に基づいて、アクティブBWPが前記第一指示情報を伝送したBWPであると確定する第一処理ユニットをさらに含む、装置。