(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】端末デバイス、ネットワークデバイス、端末デバイスで実施される方法、及びネットワークデバイスで実施される方法
(51)【国際特許分類】
H04W 56/00 20090101AFI20240925BHJP
H04W 72/20 20230101ALI20240925BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W72/20
(21)【出願番号】P 2023073838
(22)【出願日】2023-04-27
(62)【分割の表示】P 2021505219の分割
【原出願日】2018-08-03
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ユーカイ
(72)【発明者】
【氏名】リャン リン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-034112(JP,A)
【文献】Intel Corporation,Discussion on multi-panel and multi-TRP operation,3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1709 R1-1716289,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1709/Docs/R1-1716289.zip>,2017年09月12日
【文献】Samsung,Multi-TA procedures for Multi-TRP,3GPP TSG RAN WG1 #90 R1-1713581,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_90/Docs/R1-1713581.zip>,2017年08月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
DB名 3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4、6
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークデバイスから、第1のタイミングアドバンスグループ(TAG)識別子(ID)に関する構成情報および第2のTAG-IDに関する構成情報を受信する手段と、
前記ネットワークデバイスから、参照信号リソースに関連付けられた
第1の指示を受信する手段と、
前記第1のTAG-IDまたは前記第2のTAG-IDに関連付けられたタイミングアドバンス(TA)調整のためのランダムアクセスプロシージャに関連する第2の指示を受信する手段と、
前記
第1の指示および前記第2の指示に基づいて、前記第1のTAG-IDまたは前記第2のTAG-IDに関連付けられたタイミングアドバンス(TA)値を決定する手段と、
を備えた、端末デバイス。
【請求項2】
前記参照信号リソースは、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)リソースまたはサウンディング参照信号(SRS)リソースである
請求項1に記載の端末デバイス。
【請求項3】
前記TA値に基づくアップリンク伝送を送信する手段をさらに備える
請求項1または2に記載の端末デバイス。
【請求項4】
アップリンク伝送は、
参照信
号に基づく空間的
関係で送信される
請求項1から3のいずれか1項に記載の端末デバイス。
【請求項5】
端末デバイスに、第1のタイミングアドバンスグループ(TAG)識別子(ID)に関する構成情報および第2のTAG-IDに関する構成情報を送信する手段と、
前記端末デバイスに、参照信号リソースに関連付けられた
第1の指示を送信する手段と、
前記第1のTAG-IDまたは前記第2のTAG-IDに関連付けられたタイミングアドバンス(TA)調整のためのランダムアクセスプロシージャに関連する第2の指示を送信する手段と、
を備え、
前記
第1の指示および前記第2の指示は、前記第1のTAG-IDまたは前記第2のTAG-IDに関連付けられたタイミングアドバンス(TA)値を決定するために用いられる
ネットワークデバイス。
【請求項6】
前記参照信号リソースは、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)リソースまたはサウンディング参照信号(SRS)リソースである
請求項5に記載のネットワークデバイス。
【請求項7】
前記端末デバイスから、前記TA値に基づくアップリンク伝送を受信する手段
をさらに備える請求項5または6に記載のネットワークデバイス。
【請求項8】
アップリンク伝送は、
参照信
号に基づく空間的
関係で送信される
請求項5から7のいずれか1項に記載のネットワークデバイス。
【請求項9】
端末デバイスで実施される方法であって、
ネットワークデバイスから、第1のタイミングアドバンスグループ(TAG)識別子(ID)に関する構成情報および第2のTAG-IDに関する構成情報を受信することと、
前記ネットワークデバイスから、参照信号リソースに関連付けられた
第1の指示を受信することと、
前記第1のTAG-IDまたは前記第2のTAG-IDに関連付けられたタイミングアドバンス(TA)調整のためのランダムアクセスプロシージャに関連する第2の指示を受信することと、
前記
第1の指示および前記第2の指示に基づいて、前記第1のTAG-IDまたは前記第2のTAG-IDに関連付けられたタイミングアドバンス(TA)値を決定することと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記参照信号リソースは、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)リソースまたはサウンディング参照信号(SRS)リソースである
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記TA値に基づくアップリンク伝送を送信することをさらに含む
請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
アップリンク伝送は、
参照信
号に基づく空間的
関係で送信される
請求項9から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
ネットワークデバイスで実施される方法であって、
端末デバイスに、第1のタイミングアドバンスグループ(TAG)識別子(ID)に関する構成情報および第2のTAG-IDに関する構成情報を送信することと、
前記端末デバイスに、参照信号リソースに関連付けられた
第1の指示を送信することと、
前記第1のTAG-IDまたは前記第2のTAG-IDに関連付けられたタイミングアドバンス(TA)調整のためのランダムアクセスプロシージャに関連する第2の指示を送信することと、
を含み、
前記
第1の指示および前記第2の指示は、前記第1のTAG-IDまたは前記第2のTAG-IDに関連付けられたタイミングアドバンス(TA)値を決定するために用いられる
方法。
【請求項14】
前記参照信号リソースは、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)リソースまたはサウンディング参照信号(SRS)リソースである
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記TA値に基づくアップリンク伝送を送信することをさらに含む
請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
アップリンク伝送は、
参照信
号に基づく空間的
関係で送信される
請求項13から15のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般的に、電気通信の分野に関し、特に、タイミング調整のための方法、デバイス、及びコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、端末デバイス(例えば、ユーザ機器(UE:User Equipment))からネットワークデバイス(例えば、次世代NodeB(gNB))へのアップリンク(UL:Uplink)伝送を調整する必要がある。端末デバイスからのUL無線フレームの伝送は、ネットワークデバイスで異なる端末デバイスからのUL信号を受信する時間を整列させてUL直交性を確保し、かつセル間干渉を低減することができるように、対応するダウンリンク(DL:Downlink)無線フレームの伝送開始よりも一定時間前で開始すべきである。新しい無線アクセス(NR:New Radio access)において、端末デバイスはサービングセルに2つのアップリンクキャリアが構成される場合、同じタイミングアドバンス調整用の値が両方のキャリアに適用されてもよい。例えば、ネットワークデバイス(例えば、gNB)から、少なくとも1つのサービングセルを含むタイミングアドバンスグループ(TAG:Timing Advance Group)に対するタイミングアドバンスコマンドを受信すると、端末デバイスは、受信したタイミングアドバンスコマンドに基づいて、この少なくとも1つのサービングセルの物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)及び/又はサウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)のUL伝送タイミングを調整する。
【0003】
しかしながら、NRでは、ネットワークデバイスは、複数の送受信ポイント(TRP:Transmission and Reception Points)又はアンテナパネルを備えることがある。即ち、UL信号は、複数のTRPのうちの1つ又は複数を介して端末デバイスからネットワークデバイスに伝送されることができる。通常、マルチTRP伝送の場合、複数のTRPは同じサービングセルに配置されることができるが、それぞれのTRPは端末デバイスからの距離が異なってもよい。この場合、サービングセルにおける同じタイミング調整用の値は、マルチTRP伝送には十分ではない可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、本開示の例示的な実施形態は、タイミング調整のための方法、デバイス、及びコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、端末デバイスで実施される方法を提供する。この方法は、ネットワークデバイスが端末デバイスにサービスを提供するためにサービングセルを提供し、且つサービングセルが少なくともアップリンク伝送のタイミングを調整するための第1のプロシージャ、及びアップリンク伝送のタイミングを調整するための第2のプロシージャで構成されることに応答して、第1のプロシージャ及び第2のプロシージャから、アップリンク伝送に適用される少なくとも1つのプロシージャを決定することを含む。この方法は、少なくとも1つのプロシージャに対して少なくとも1つのタイミングアドバンス(TA:Timing Advance)値を決定することをさらに含む。また、この方法は、少なくとも1つのTA値に基づいてアップリンク伝送のタイミングを調整することによって、少なくとも1つのプロシージャをアップリンク伝送に適用することをさらに含む。
【0006】
第2の態様では、ネットワークデバイスで実施される方法を提供する。この方法は、ネットワークデバイスが端末デバイスにサービスを提供するためにサービングセルを提供し、且つサービングセルが少なくともアップリンク伝送のタイミングを調整するための第1のプロシージャ、及びアップリンク伝送のタイミングを調整するための第2のプロシージャで構成されることに応答して、第1のプロシージャ及び第2のプロシージャから、アップリンク伝送に適用される少なくとも1つのプロシージャを決定することを含む。この方法は、端末デバイスがアップリンク伝送のタイミングを調整するために少なくとも1つのプロシージャを適用するように、端末デバイスに少なくとも1つのプロシージャを示すことをさらに含む。
【0007】
第3の態様では、デバイスを提供する。このデバイスは、プロセッサと、このプロセッサに接続されたメモリとを備える。このメモリは、プロセッサによって実行されると、デバイスに動作を実行させる命令を格納する。上記動作は、ネットワークデバイスが端末デバイスにサービスを提供するためにサービングセルを提供し、且つサービングセルが少なくともアップリンク伝送のタイミングを調整するための第1のプロシージャ、及びアップリンク伝送のタイミングを調整するための第2のプロシージャで構成されることに応答して、第1のプロシージャ及び第2のプロシージャから、アップリンク伝送に適用される少なくとも1つのプロシージャを決定することと、少なくとも1つのプロシージャに対して少なくとも1つのタイミングアドバンス(TA:Timing Advance)値を決定することと、少なくとも1つのTA値に基づいてアップリンク伝送のタイミングを調整することによって、少なくとも1つのプロシージャをアップリンク伝送に適用することと、を含む。
【0008】
第4の態様では、デバイスを提供する。このデバイスは、プロセッサと、プロセッサに接続されたメモリとを備える。このメモリは、プロセッサによって実行されると、デバイスに動作を実行させる命令を格納する。上記動作は、ネットワークデバイスが端末デバイスにサービスを提供するためにサービングセルを提供し、且つサービングセルが少なくともアップリンク伝送のタイミングを調整するための第1のプロシージャ、及びアップリンク伝送のタイミングを調整するための第2のプロシージャで構成されることに応答して、第1のプロシージャ及び第2のプロシージャから、アップリンク伝送に適用される少なくとも1つのプロシージャを決定することと、端末デバイスが少なくとも1つのプロシージャをアップリンク伝送に適用するように、端末デバイスに少なくとも1つのプロシージャを示すことと、を含む。
【0009】
第5の態様では、命令が格納されたコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。この命令は、少なくとも1つのプロセッサで実行されると、この少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第1の態様に記載の方法を実行させる。
【0010】
第6の態様では、命令が格納されたコンピュータ読み取り可能な媒体が提供される。この命令は、少なくとも1つのプロセッサで実行されると、この少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第2の態様に記載の方法を実行させる。
【0011】
第7の態様では、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に有形に格納されたコンピュータプログラム製品が提供される。このコンピュータプログラム製品は、少なくとも1つのプロセッサで実行されると、この少なくとも1つのプロセッサに本開示の第1の態様又は第2の態様に記載の方法を実行させる命令を含む。
【0012】
本開示の他の特徴は、以下の記述を通して容易に理解可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
添付図面における本開示のいくつかの実施形態のより詳細な説明を通して、本開示の上記及び他の目的、特徴、及び利点がより明らかになる。
【0014】
【
図1A】本開示の実施形態が実施されることができる例示的な通信ネットワークを示す。
【
図1B】本開示の実施形態が実施されることができる例示的な通信ネットワークを示す。
【0015】
【
図2】本開示のいくつかの実施形態に係るタイミング調整のための例示的な方法のフローチャートを示す。
【0016】
【
図3A】本開示のいくつかの実施形態に係る例示的な情報要素を示す。
【
図3B】本開示のいくつかの実施形態に係る例示的な情報要素を示す。
【
図3C】本開示のいくつかの実施形態に係る例示的な情報要素を示す。
【
図3D】本開示のいくつかの実施形態に係る例示的な情報要素を示す。
【
図3E】本開示のいくつかの実施形態に係る例示的な情報要素を示す。
【
図3F】本開示のいくつかの実施形態に係る例示的な情報要素を示す。
【0017】
【
図4】本開示のいくつかの実施形態に係る異なるSRSリソースとそれぞれのTA値との間の関連の例を示す。
【0018】
【0019】
【0020】
【
図7A】本開示のいくつかの実施形態に係る例示的な情報要素を示す。
【
図7B】本開示のいくつかの実施形態に係る例示的な情報要素を示す。
【
図7C】本開示のいくつかの実施形態に係る例示的な情報要素を示す。
【
図7D】本開示のいくつかの実施形態に係る例示的な情報要素を示す。
【
図7E】本開示のいくつかの実施形態に係る例示的な情報要素を示す。
【
図7F】本開示のいくつかの実施形態に係る例示的な情報要素を示す。
【0021】
【0022】
【
図9】本開示のいくつかの実施形態に係るタイミング調整のための例示的な方法のフローチャートを示す。
【0023】
【
図10】本開示の実施形態の実施に適するデバイスの簡略的なブロック図である。
【0024】
図面全体において、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の原理を、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明する。これらの実施形態は、例示の目的のみで記載され、本開示の範囲に関するいかなる制限を示唆することなく、当業者が本開示を理解及び実施することに寄与することが理解される。本明細書に説明される開示は、以下に説明されるもの以外の様々な態様で実施されることができる。
【0026】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者にとって一般的に理解するものと同じ意味を有する。
【0027】
本明細書で使用されるとき、単数形である「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「前記(the)」は、文脈からそうでないことが明確に示されていない限り、複数形も含むことを意図している。「含む」という用語及びその変形は、「含むがこれに限定されない」ことを意味するオープンな用語として読まれる。「に基づいて」という用語は、「少なくとも部分的に基づいて」として読まれる。「一実施形態」及び「実施形態」という用語は、「少なくとも1つの実施形態」として読まれる。「別の実施形態」という用語は、「少なくとも1つの他の実施形態」として読まれる。「第1」、「第2」などの用語は、異なるオブジェクト又は同じオブジェクトを指すことができる。以下には、明示的及び暗黙的なその他の定義が含まれることがある。
【0028】
いくつかの例では、値、手順、又は装置は、「最もよい」、「最も低い」、「最も高い」、「最小」、「最大」などとして言及される。そのような記述は、多くの使用される機能的選択肢から選択可能であり、このような選択は、他の選択に比べてより良く、小さい、高い、又はより好ましい必要がないことを示すと意図していることを理解されたい。
【0029】
上述したように、通常、端末デバイス(例えば、UE)からネットワークデバイス(例えば、gNB)へのUL伝送を調整する必要がある。端末デバイスからのUL無線フレームの伝送は、ネットワークデバイスで異なる端末デバイスからのUL信号を受信する時間を整列させてUL直交性を確保し、かつセル間干渉を低減することができるように、対応するDL無線フレームの伝送開始よりも一定時間前で開始すべきである。NRにおいて、端末デバイスはサービングセルに2つのアップリンクキャリアが構成される場合、同じタイミングアドバンス調整用の値が両方のキャリアに適用されてもよい。例えば、ネットワークデバイス(例えば、gNB)から、少なくとも1つのサービングセルを含むタイミングアドバンスグループに対するタイミングアドバンスコマンドを受信すると、端末デバイスは、受信したタイミングアドバンスコマンドに基づいて、この少なくとも1つのサービングセルのPUCCH、PUSCH及び/又はSRSのUL伝送タイミングを調整する。
【0030】
しかしながら、NRでは、ネットワークデバイスは、複数のTRP又はアンテナパネルを備えることがある。即ち、UL信号は、複数のTRPのうちの1つ又は複数を介して端末デバイスからネットワークデバイスに伝送されることができる。通常、マルチTRP伝送の場合、複数のTRPは同じサービングセルに配置されることができるが、それぞれのTRPは端末デバイスからの距離が異なってもよい。この場合、サービングセルにおける同じタイミング調整用の値は、マルチTRP伝送には十分ではない可能性がある。
【0031】
本開示の実施形態は、上記の課題及び他の潜在的な課題のうちの1つ又は複数を解決するために、タイミング調整のためのソリューションを提供する。このソリューションによれば、異なるタイミング調整をセル内の異なる無線リンクに適用することができる。特に、個別の無線リンクに対するタイミングアドバンス(TA:Timing Advance)値の指示、測定、及び適用が可能である。
【0032】
本開示の原理及び実施形態は、以下の図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
図1Aは、本開示の実施形態が実施されることができる例示的な通信ネットワーク100を示す。ネットワーク100は、ネットワークデバイス110と、ネットワークデバイス110によってサービスが提供される端末デバイス120とを含む。ネットワーク100は、端末デバイス120にサービスを提供するために、1つ又は複数のサービングセル102を提供することができる。ネットワークデバイス、端末デバイス及び/又はサービングセルの数は、本開示に対するいかなる制限を示唆することなく、例示の目的のみであることを理解されたい。ネットワーク100は、本開示の実施形態の実施に適する任意の適切な数のネットワークデバイス、端末デバイス及び/又はサービングセルを含むことができる。
【0034】
本明細書で使用されるとき、「端末デバイス」という用語は、無線又は有線通信機能を有する任意のデバイスを指す。端末デバイスの例としては、ユーザ機器(UE:User Equipment)、パーソナルコンピュータ、デスクトップ、移動電話、セルラー電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、ポータブルコンピュータ、デジタルカメラなどの画像キャプチャデバイス、ゲームデバイス、音楽記憶・再生機器、又は無線や有線インターネットアクセス及びブラウジングなどを可能にするインターネット機器などが挙げられるが、これらに限定されない。検討の目的のために、以下、端末デバイスの例としてUEを参照していくつかの実施形態を説明する。
【0035】
本明細書で使用されるとき、「ネットワークデバイス」又は「基地局」(BS:Base Station)という用語は、端末デバイスが通信できるセル又はカバレッジを提供し、又はホストすることができるデバイスを指す。ネットワークデバイスの例として、Node B(NodeB又はNB)、Evolved NodeB(eNodeB又はeNB)、次世代NodeB(gNB)、リモート無線ユニット(RRU:Remote Radio Unit)、無線ヘッド(RH:Radio Head)、リモート無線ヘッド(RRH:Remote Radio Head)、及びフェムトノードやピコノードなどの低パワーノードなどが挙げられるが、これらに限定されない。検討の目的のために、以下、ネットワークデバイス110の例としてgNBを参照していくつかの実施形態を説明する。
【0036】
例えば、いくつかのシナリオでは、ネットワーク100において、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)をサポートすることができ、ここで、より広い帯域幅をサポートするために2つ以上のコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)がアグリゲーションされる。CAにおいて、ネットワークデバイス110は、端末デバイス120にサービスを提供するために、1つのプライマリセル(PCell:Primary Cell)及び少なくとも1つのセカンダリセル(SCell:Secondary Cell)を含む複数のサービングセル(例えば、1CCあたり1つのサービングセル)を提供してもよい。端末デバイス120は、PCellにおいてネットワークデバイス110との間で無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)接続を確立することができる。ネットワークデバイス110と端末デバイス120との間のRRC接続が確立され、且つ上位層シグナリングを介してSCellがアクティブ化されると、SCellは、追加の無線リソースを提供することができる。
【0037】
いくつかの他のシナリオでは、例えば、端末デバイス120は、2つの異なるネットワークデバイス(
図1Aに示されていない)との接続を確立してもよく、これにより、この2つのネットワークデバイスの無線リソースを利用可能にする。2つのネットワークデバイスは、それぞれマスタネットワークデバイス及びセカンダリネットワークデバイスとして定義されてもよい。マスタネットワークデバイスは、「マスタセルグループ(MCG:Master Cell Group)」とも呼ばれるサービングセルのグループを提供してもよい。セカンダリネットワークデバイスも、「セカンダリセルグループ(SCG:Secondary Cell Group)」とも呼ばれるサービングセルのグループを提供してもよい。デュアルコネクティビティ動作の場合、「スペシャルセル(SpCell:Special Cell)」という用語は、端末デバイス120がMCG又はSCGにそれぞれ関連付けられているか否かに応じて、MCGのPcell又はSCGのプライマリScell(PScell)を指してもよい。デュアルコネクティビティ動作以外の場合、「SpCell」という用語は、PCellを指すこともある。
【0038】
図1Aに示す通信ネットワーク100において、ネットワークデバイス110は、データ及び制御情報を端末デバイス120に通信することができ、端末デバイス120も、データ及び制御情報をネットワークデバイス110に通信することができる。ネットワークデバイス110から端末デバイス120へのリンクはダウンリンク(DL)と呼ばれ、端末デバイス120からネットワークデバイス110へのリンクはアップリンク(UL)と呼ばれる。
【0039】
ネットワーク100における通信は、任意の適切な規格に準拠してもよく、ここでの規格は、モバイル通信用グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communications)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、LTEエボリューション、LTEアドバンスト(LTE-A:LTE-Advanced)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA:Wideband Code Division Multiple Access)、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN:GSM EDGE Radio Access Network)などを含むが、これらに限定されない。さらに、通信は、現在知られている、又は将来に開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実施されてもよい。通信プロトコルの例として、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)の通信プロトコルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
ネットワークデバイス110(例えば、gNB)は、1つ又は複数のTRP又はアンテナパネルを備えてもよい。本明細書で使用されるとき、用語「TRP」は、特定の地理的位置にあるネットワークデバイスに利用可能なアンテナアレイ(1つ又は複数のアンテナ要素を有する)を指す。例えば、ネットワークデバイスは、より良好なカバレッジを達成するために、異なる地理的位置にある複数のTRPと接続されてもよい。1つ又は複数のTRPは、同じサービングセルに含まれてもよいし、異なるサービングセルに含まれてもよい。
【0041】
TRPは、パネルであることもでき、パネルは、アンテナアレイ(1つ又は複数のアンテナ要素を有する)を指すこともできることを理解されたい。本開示のいくつかの実施形態は、例えば複数のTRPを参照して説明するが、これらの実施形態は、例示の目的にすぎず、本開示の範囲に対するいかなる制限を示唆することなく、当業者が本開示を理解及び実施することに寄与するためのものである。本明細書に説明される本開示は、以下に説明されるもの以外の様々な態様で実施され得ることを理解されたい。
【0042】
図1Bは、
図1Aに示すネットワーク100の例示的なシナリオを示す。
図1Bに示すように、例えば、ネットワークデバイス110は、TRP130-1、130-2を介して端末デバイス120と通信してもよい。以下の説明では、TRP130-1を第1のTRPと呼び、TRP130-2を第2のTRPと呼ぶこともある。第1のTRP130-1及び第2のTRP130-2は、ネットワークデバイス110によって提供される同一のサービングセル(例えば、
図1Aに示すセル102)に含まれてもよいし、異なるサービングセルに含まれてもよい。本開示のいくつかの実施形態は、ネットワークデバイス110によって提供される同一のサービングセル内の第1及び第2のTRP130-1、130-2を参照して説明するが、これらの実施形態は、図示の目的にすぎず、本開示の範囲に対するいかなる制限を示唆することなく、当業者が本開示を理解及び実施することに寄与するためのものである。本明細書に説明される本開示は、以下に説明されるもの以外の様々な態様で実施され得ることを理解されたい。
【0043】
図2は、本開示のいくつかの実施形態に係るタイミング調整のための方法200を示す。例えば、方法200は、
図1A~1Bに示す端末デバイス120で実施されることができる。方法200は、図示されない追加の動作を含み、及び/又は図示されているいくつかの動作を省略してもよく、本開示の範囲はこの点で限定されないことを理解されたい。検討の目的で、方法200について、
図1A~1Bを参照して、端末デバイス120の観点から説明する。
【0044】
210において、ネットワークデバイス110が端末デバイス120にサービスを提供するためにサービングセル102を提供し、且つサービングセル102が少なくともアップリンク伝送のタイミングを調整するための第1のプロシージャ、及びアップリンク伝送のタイミングを調整するための第2のプロシージャで構成されることに応答して、端末デバイス120は、第1のプロシージャ及び第2のプロシージャから、UL伝送に適用される少なくとも1つのプロシージャを決定する。
【0045】
いくつかの実施形態では、
図1Bに示すように、ネットワークデバイス110は、端末デバイス120と通信するために、第1のTRP130-1及び第2のTRP130-2と接続されてもよい。例えば、第1のTRP130-1及び第2のTRP130-2は、同じサービングセル102に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、第1のTA値に関連付けられた第1のプロシージャは、第1のTRP130-1を介するアップリンク伝送のタイミングを調整するように構成されるとともに、第2のTA値に関連付けられた第2のプロシージャは、第2のTRP130-2を介するアップリンク伝送のタイミングを調整するように構成されてもよい。以下の説明では、第1のTA値を「T
TA-1」と表し、第2のTA値を「T
TA-2」と表すことがある。
【0046】
いくつかの実施形態では、例えば、第1のプロシージャ用の第1のTA値TTA-1は、1つのセルのための現在の3GPP仕様で定義されるTA値と同じであってもよい。さらに、例えば、第2のプロシージャ用の第2のTA値TTA-2は、上記セルのための追加のTA値であってもよい。いくつかの実施形態では、第2のTA値TTA-2は、絶対値として決定されてもよい。代替的に、他の実施形態では、第2のTA値TTA-2は、第1のTA値TTA-1に対するオフセットとして決定されてもよい。第1及び第2のTA値の決定は、以下に詳細に説明される。
【0047】
いくつかの実施形態では、アップリンク伝送に関連付けられた少なくとも1つのリソースに関する情報を受信したことに応答して、端末デバイス120は、この少なくとも1つのリソースに関する情報に基づいて、サービングセルに対して構成される第1のプロシージャ及び第2のプロシージャから、UL伝送に適用される少なくとも1つのプロシージャを選択してもよい。例えば、少なくとも1つのリソースは、以下のいずれかを含んでもよい。即ち、SRS伝送に使用される1つ又は複数のSRSリソースセット、SRS伝送に使用される1つ又は複数のSRSリソース、SRS伝送用の参照信号(RS)とターゲットSRSとの間の空間的関係に関する1つ又は複数の構成、PUSCHでのアップリンク伝送に使用される1つ又は複数のSRSリソース、PUSCHに関連付けられたDMRS伝送に使用される1つ又は複数のDMRSポート、SRS伝送に使用されるプリコーディング情報を決定するための1つ又は複数のCSI-RSリソース、SRS伝送用のSRSリソース又はSRSリソースセットに関連付けられた1つ又は複数のCSI-RSリソース、PUSCHでのアップリンク伝送に使用されるプリコーディング情報を決定するための1つ又は複数のCSI-RSリソース、PUCCHでのアップリンク伝送に使用される1つ又は複数のPUCCHリソース、PUCCHでのアップリンク伝送に使用される1つ又は複数のPUCCHリソースセット、PUCCH伝送用のRSとターゲットPUCCHとの間の空間的関係に関する1つ又は複数の構成などが挙げられる。
【0048】
いくつかの実施形態では、UL伝送に適用される少なくとも1つのプロシージャは、PUSCHでのアップリンク伝送に使用される少なくとも1つのSRSリソースの指示に基づいて決定されることができる。例えば、ネットワークデバイス110から、PUSCHでのUL伝送に使用される少なくとも1つのSRSリソースの指示を受信したことに応答して、端末デバイス120は、この少なくとも1つのSRSリソースに基づいて、PUSCHでのアップリンク伝送に適用される少なくとも1つのプロシージャを決定してもよい。いくつかの実施形態では、コードブックベースのUL伝送又は非コードブックベースのUL伝送の場合、PUSCHでのUL伝送は、フォーマット0_1のダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)によってスケジュールされてもよい。例えば、フォーマット0_1のDCIは、PUSCH伝送に使用される1つ又は複数のSRSリソースを示すSRSリソースインジケータ(SRI:SRS Resource Indicator)フィールドを含んでもよい。PUSCH伝送がフォーマット0_1のDCIによってスケジュールされる場合、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110から受信したフォーマット0_1のDCIからのSRIに基づいて、第1のプロシージャ及び第2のプロシージャのどちらがPUSCH伝送に適用されるかを決定してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、SRSリソースを定義する情報要素に、第1のプロシージャ及び第2のプロシージャのどちらがSRSリソースに関連付けられているかを示す追加のファイルを導入することができる。これにより、SRSリソースが端末デバイス120に対して構成されると、端末デバイス120は、SRSリソースを示す情報要素に含まれる追加のフィールドに基づいて、第1のTA値及び第2のTA値のどちらが、SRSリソースに関連付けられたUL伝送のタイミングを調整するために使用されるかを決定することができる。
【0050】
図3Aは、SRSリソースを定義する情報要素310の一例を示す。
図3Aに示すように、情報要素310には、SRSリソースに関連付けられているTA値を示す追加のフィールド「TA-a」が含まれる。例えば、このフィールド「TA-a」の値が「A」である場合、第1のTA値T
TA-1がSRSリソースに関連付けられていることを意味する。その他、このフィールド「TA-a」の値が「B」である場合、第2のTA値T
TA-2がSRSリソースに関連付けられていることを意味する。例えば、(「A」、「B」)は、(0、1)、(有効、無効)、(存在、存在しない)又は(真、偽)であってもよい。別の例として、追加のフィールド「TA-a」が情報要素310に存在しない場合、第1のTA値T
TA-1がSRSリソースに関連付けられていることを意味する。
【0051】
図3Bは、SRSリソースを定義する情報要素320の別の例を示す。
図3Bに示すように、SRSリソースに関連付けられているTA値を示す追加のフィールド「TA-a」が情報要素320に導入されてもよい。例えば、このフィールド「TA-a」が情報要素320に存在しない、又はフィールド「TA-a」の値が「FALSE」である場合、第1のTA値T
TA-1がSRSリソースに関連付けられていることを意味する。その他、このフィールド「TA-a」が情報要素320に存在する、又はフィールド「TA-a」の値が「C」或いは「TRUE」である場合、第2のTA値T
TA-2がSRSリソースに関連付けられていることを意味する。例えば、「C」は、0、1、有効、存在又は真などの任意の値であってもよい。
【0052】
図3Cは、SRSリソースセットを定義する情報要素330の例を示す。
図3Cに示すように、情報要素330には、SRSリソースセットに関連付けられたTA値を示す追加のフィールド「TA-a」が含まれる。例えば、このフィールド「TA-a」の値が「A」である場合、第1のTA値T
TA-1がSRSリソースセットに関連付けられていることを意味する。その他、このフィールド「TA-a」の値が「B」である場合、第2のTA値T
TA-2がSRSリソースセットに関連付けられていることを意味する。例えば、(「A」、「B」)は、(0、1)、(有効、無効)、(存在、存在しない)又は(真、偽)であってもよい。別の例として、追加のフィールド「TA-a」が情報要素330に存在しない場合、第1のTA値T
TA-1がSRSリソースセットに関連付けられていることを意味する。
【0053】
図3Dは、SRSリソースセットを定義する情報要素340の別の例を示す。
図3Dに示すように、SRSリソースセットに関連付けられているTA値を示す追加のフィールド「TA-a」が情報要素340に導入されてもよい。例えば、このフィールド「TA-a」が情報要素340に存在しない、又はフィールド「TA-a」の値が「FALSE」である場合、第1のTA値T
TA-1がSRSリソースセットに関連付けられていることを意味する。その他、このフィールド「TA-a」が情報要素340に存在する、又はフィールド「TA-a」の値が「C」或いは「TRUE」である場合、第2のTA値T
TA-2がSRSリソースセットに関連付けられていることを意味する。例えば、「C」は、0、1、有効、存在又は真などの任意の値であってもよい。
【0054】
図3Eは、上位層パラメータ「SRS-SpatialRelationInfo」を定義する情報要素350の例を示す。
図3Eに示すように、情報要素350には、パラメータ「SRS-SpatialRelationInfo」に関連付けられているTA値を示す追加のフィールド「TA-a」が含まれる。例えば、このフィールド「TA-a」の値が「A」である場合、第1のTA値T
TA-1がパラメータ「SRS-SpatialRelationInfo」に関連付けられていることを意味する。その他、このフィールド「TA-a」の値が「B」である場合、第2のTA値T
TA-2がパラメータ「SRS-SpatialRelationInfo」に関連付けられていることを意味する。例えば、(「A」、「B」)は、(0、1)、(有効、無効)、(存在、存在しない)又は(真、偽)であってもよい。別の例として、追加のフィールド「TA-a」が情報要素350に存在しない場合、第1のTA値T
TA-1がパラメータ「SRS-SpatialRelationInfo」に関連付けられていることを意味する。
【0055】
図3Fは、上位層パラメータ「SRS-SpatialRelationInfo」を定義する情報要素360の別の例を示す。
図3Fに示すように、パラメータ「SRS-SpatialRelationInfo」に関連付けられているTA値を示す追加のフィールド「TA-a」が情報要素360に導入されてもよい。例えば、このフィールド「TA-a」が情報要素360に存在しない、又はフィールド「TA-a」の値が「FALSE」である場合、第1のTA値T
TA-1がパラメータ「SRS-Spation-SpationRelationInfo」に関連付けられていることを意味する。その他、このフィールド「TA-a」が情報要素360に存在する、又はフィールド「TA-a」の値が「C」或いは「TRUE」である場合、第2のTA値T
TA-2がパラメータ「SRS-SpatialRelationInfo」に関連付けられていることを意味する。例えば、「C」は、「0」、「1」、「有効」、「存在」、「真」などの任意の値であってもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、端末デバイス120に対して2つのSRSリソースセット/グループが構成されてもよい。各SRSリソースセット/グループは、1つのCSI-RSリソースごとに関連付けられてもよい。例えば、2つのSRSリソースグループは、1つのSRSリソースセット内に含まれてもよく、各SRSリソースグループは、少なくとも1つのSRSリソースを含んでもよい。異なるSRSリソースグループ内のSRSリソースは、異なってもよい。いくつかの実施形態では、端末デバイス120は、関連するCSI-RSリソースの測定に基づいて、SRSリソースグループ/セットの伝送に使用されるプリコーダを計算することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、1つのSRSリソースグループ/セットは、1つのCSI-RSリソースごとに関連付けられてもよい。CSI-RSリソースに対して追加のフィールド「TA-a」が構成されてもよく、フィールド「TA-a」は、CSI-RSリソースに関連付けられているSRSリソースグループ/セットに関連付けられているTA値を示してもよい。例えば、このフィールド「TA-a」の値が「A」である場合、第1のTA値TTA-1がSRSリソースグループ/セットに関連付けられていることを意味する。その他、このフィールド「TA-a」の値が「B」である場合、第2のTA値TTA-2がSRSリソースグループ/セットに関連付けられていることを意味する。例えば、(「A」、「B」)は、(0、1)、(有効、無効)、(存在、存在しない)又は(真、偽)であってもよい。別の例として、CSI-RSリソースに対して追加のフィールド「TA-a」が構成されない場合、第1のTA値TTA-1がSRSリソースグループ/セットに関連付けられていることを意味する。
【0058】
いくつかの実施形態では、1つのSRSリソースグループ/セットは、1つのCSI-RSリソースごとに関連付けられてもよい。CSI-RSリソースに対して追加のフィールド「TA-a」が構成されてもよく、フィールド「TA-a」は、CSI-RSリソースに関連付けられているSRSリソースグループ/セットに関連付けられているTA値を示してもよい。例えば、このフィールド「TA-a」がCSI-RSリソースに対して構成されない、又はCSI-RSリソースに対して構成されているフィールド「TA-a」の値が「FALSE」である場合、第1のTA値TTA-1がSRSリソースグループ/セットに関連付けられていることを意味する。その他、このフィールド「TA-a」がCSI-RSリソースに対して構成されている、又は CSI-RSリソースに対して構成されているフィールド「TA-a」の値が「C」或いは「TRUE」である場合、第2のTA値TTA-2がSRSリソースグループ/セットに関連付けられていることを意味する。例えば、「C」は、「0」、「1」、「有効」、「存在」、「真」などの任意の値であってもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つのSRSリソースセット/グループは端末デバイス120に対して構成されてもよい。各SRSリソースセット/グループは、2つのCSI-RSリソースに関連付けられてもよい。例えば、2つのSRSリソースグループは、1つのSRSリソースセット内に含まれてもよく、各SRSリソースグループは、少なくとも1つのSRSリソースを含んでもよい。異なるSRSリソースグループ内のSRSリソースは、異なってもよい。いくつかの実施形態では、端末デバイス120は、2つの関連するCSI-RSリソースから1つを選択し、選択した関連するCSI-RSリソースの測定に基づいて、SRSリソースグループ/セットの伝送に使用されるプリコーダを計算してもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、1つのSRSリソースグループ/セットは、1つ又は2つのCSI-RSリソースに関連付けられてもよい。いくつかの実施形態では、SRSリソースグループ/セットに関連付けられているTA値は、選択されたCSI-RSリソースに基づいて決定されてもよい。例えば、第1及び第2のCSI-RSリソースを含む2つのCSI-RSリソースがSRSリソースグループ/セットに関連付けられていると仮定する。端末デバイス120が第1のCSI-RSリソースを選択する場合、第1のTA値TTA-1がSRSリソースグループ/セットに関連付けられていることを意味する。その他、端末デバイスが第2のCSI-RSリソースを選択する場合、第2のTA値TTA-2がSRSリソースグループ/セットに関連付けられていることを意味する。別の例では、1つのCSI-RSリソースのみがSRSリソースグループ/セットに関連付けられるように構成される場合、第1のTA値TTA-1がSRSリソースグループ/セットに関連付けられていることを意味する。
【0061】
いくつかの実施形態では、1つのSRSリソースグループ/セットは、1つ又は2つのCSI-RSリソースに関連付けられてもよい。追加のフィールド「TA-a」はCSI-RSリソースに対して構成されてもよく、フィールド「TA-a」は、CSI-RSリソースに関連付けられているSRSリソースグループ/セットに関連付けられているTA値を示してもよい。いくつかの実施形態では、SRSリソースグループ/セットに関連付けられているTA値は、選択されたCSI-RSリソースに基づいて決定されてもよい。例えば、端末デバイス120が2つのCSI-RSリソースのうちの1つを選択し、且つこのフィールド「TA-a」の値が「A」である場合、第1のTA値TTA-1がSRSリソースグループ/セットに関連付けられていることを意味する。その他、このフィールド「TA-a」の値が「B」である場合、第2のTA値TTA-2がSRSリソースグループ/セットに関連付けられていることを意味する。例えば、(「A」、「B」)は、(0、1)、(有効、無効)、(存在、存在しない)又は(真、偽)であってもよい。別の例として、CSI-RSリソースに対して追加のフィールド「TA-a」が構成されない場合、第1のTA値TTA-1がSRSリソースグループ/セットに関連付けられていることを意味する。
【0062】
いくつかの実施形態では、1つのSRSリソースグループ/セットは、1つ又は2つのCSI-RSリソースに関連付けられてもよい。追加のフィールド「TA-a」はCSI-RSリソースに対して構成されてもよく、フィールド「TA-a」は、CSI-RSリソースに関連付けられているSRSリソースグループ/セットに関連付けられているTA値を示してもよい。いくつかの実施形態では、SRSリソースグループ/セットに関連付けられているTA値は、選択されたCSI-RSリソースに基づいて決定されてもよい。例えば、このフィールド「TA-a」がCSI-RSリソースに対して構成されない、又はCSI-RSリソースに対して構成されているフィールド「TA-a」の値が「FALSE」である場合、第1のTA値TTA-1がSRSリソースグループ/セットに関連付けられていることを意味する。その他、このフィールド「TA-a」が CSI-RSリソースに対して構成されている、又はCSI-RSリソースに対して構成されているフィールド「TA-a」の値が「C」或いは「TRUE」である場合、第2のTA値TTA-2がSRSリソースグループ/セットに関連付けられていることを意味する。例えば、「C」は、「0」、「1」、「有効」、「存在」、「真」のような任意の値であってもよい。
【0063】
図4は、本開示のいくつかの実施形態に係る、上記のような異なるSRSリソースとそれぞれのTA値との間の関連の例を示す。
図4に示すように、第1グループのSRSリソース{S
1、S
2...S
M}は、第1のTA値T
TA-1に関連付けられるとともに、第2グループのSRSリソース{S
M+1、S
M+2...S
N}は、第2のTA値T
TA-2に関連付けられてもよい。ここで、M及びNは整数であり、N>Mであり、S
i(ここで、iは整数であり、1≦i≦Nである)はSRSリソースの識別子を表す。
【0064】
いくつかの実施形態では、SRIフィールドによって示されるSRSリソースが同じTA値(例えば、T
TA-1又はT
TA-2)に関連付けられている場合、これらのSRSリソースでのアップリンク伝送のタイミングは、当該同じTA値に基づいて調整されることができる。上述したように、第1のTA値T
TA-1は、第1のTRP130-1を介するアップリンク伝送のタイミングを調整するように構成され、第2のTA値T
TA-2は、第2のTRP130-2を介するアップリンク伝送のタイミングを調整するように構成されてもよい。例えば、SRIフィールドによって示されるSRSリソースの全てが第1グループのSRSリソース{S
1、S
2...S
M}に含まれる場合、これらのSRIフィールドによって示されるSRSリソースは、第1のTRP130-1を介するアップリンク伝送に使用されてもよい。この場合、第1のTRP130-1を介するこれらのSRSリソースでのアップリンク伝送のタイミングは、第1のTA値T
TA-1に基づいて調整されることができる。
図5Aは、そのような実施形態の一例を示す。代替的に、SRIフィールドによって示されるSRSリソースの全てが第2グループのSRSリソース{S
M+1、S
M+2...S
N}に含まれる場合、これらのSRIフィールドによって示されるSRSリソースは、第2のTRP130-2を介するアップリンク伝送に使用されてもよい。この場合、第2のTRP130-2を介するこれらのSRSリソースでのアップリンク伝送のタイミングは、第2のTA値T
TA-2に基づいて調整されることができる。
図5Bは、そのような実施形態の一例を示す。
【0065】
いくつかの実施形態では、SRIフィールドによって示されるSRSリソースが異なるTA値に関連付けられている(例えば、一部のSRSリソースが第1のTA値T
TA-1に関連付けられ、他のSRSリソースが第2のTA値T
TA-2に関連付けられている)場合、これらのSRSリソースでのアップリンク伝送のタイミングは、それぞれ異なるTA値に基づいて調整されることができる。上述したように、第1のTA値T
TA-1は、第1のTRP130-1を介するアップリンク伝送のタイミングを調整するように構成され、第2のTA値T
TA-2は、第2のTRP130-2を介するアップリンク伝送のタイミングを調整するように構成されてもよい。例えば、SRIフィールドによって示されるSRSリソースは、第1グループのSRSリソース{S
1、S
2...S
M}に含まれる第1のSRSリソースと、第2グループのSRSリソース{S
M+1、S
M+2...S
N}に含まれる第2のSRSリソースと、を含む場合、第1のSRSリソースが第1のTRP130-1を介するアップリンク伝送に使用され、第2のSRSリソースが第2のTRP130-2を介するアップリンク伝送に使用されてもよい。この場合、第1のTRP130-1を介する第1のSRSリソースでのアップリンク伝送のタイミングは、第1のTA値T
TA-1に基づいて調整され、第2のTRP130-2を介する第2のSRSリソースでのアップリンク伝送のタイミングは、第2のTA値TA-2に基づいて調整されることができる。
図5Cは、そのような実施形態の一例を示す。
【0066】
いくつかの実施形態では、UL伝送に適用される少なくとも1つのプロシージャは、PUSCHでのアップリンク伝送に使用される少なくとも1つのSRSリソースの指示に基づいて決定されることができる。例えば、ネットワークデバイス110から、PUSCHに関連付けられたDMRSを伝送するために使用される少なくとも1つのDMRSポートの指示を受信したことに応答して、端末デバイス120は、この少なくとも1つのDMRSポートに基づいて、PUSCHでのアップリンク伝送に適用される少なくとも1つのプロシージャを決定してもよい。例えば、コード分割多重化(CDM:Code Division Multiplexing)技術に基づいて多重化された複数のDMRSポートは、PUSCHに関連付けられたDMRSを伝送するために端末デバイス120に対して構成されてもよく、複数のDMRSポートは、1つのTRPのみに関連付けられてもよい。この場合、端末デバイス120が異なるTA値を同時に示すSRIで構成されることは期待されない。例えば、この場合、第1及び第2のTA値T
TA-1及びT
TA-2の両方が、ネットワークデバイス110から受信したSRIによって示されると、第1のTA値T
TA-1のみがアップリンク伝送のタイミングを調整するように使用され、一方、第2のTA値T
TA-2が無視される可能性がある。
図6は、そのような実施形態の一例を示す。
図6に示すように、DMRSポート{0、1}は、同じTRPに関連付けられるので、1つのTA値のみが端末デバイス120によって想定されるべきである。DMRSポート{2、3}も、同じTRPに関連付けられるので、1つのTA値のみが端末デバイス120によって想定される。
【0067】
いくつかの実施形態では、非コードブックベースのUL伝送の場合、端末デバイス120は、関連するチャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)の測定に基づいて、UL伝送に使用されるプリコーダを決定してもよい。UL伝送に使用されるプリコーダを決定すると、端末デバイス120は、SRS伝送のために構成されたSRSリソースセットを介して、プリコードされたSRSをネットワークデバイス110に伝送してもよい。SRSは、ネットワークデバイス110によって受信され、且つアップリンクチャネル推定を実行するために使用されることができ、これにより、ネットワークデバイス110は、アップリンクチャネル推定の結果に基づいて、リソース割り当てを実行し、且つUL伝送(例えば、PUSCH伝送)用の伝送パラメータを構成することができる。この場合、UL伝送に適用される少なくとも1つのプロシージャは、プリコーダを計算するための少なくとも1つのCSI-RSリソースの指示に基づいて決定されることができる。例えば、ネットワークデバイス110から、PUSCHでのアップリンク伝送に使用されるプリコーディング情報を決定するための少なくとも1つのCSI-RSリソースの指示を受信したことに応答して、端末デバイス120は、この少なくとも1つのCSI-RSリソースに基づいて、PUSCHでのアップリンク伝送に適用される少なくとも1つのプロシージャを決定してもよい。そして、この少なくとも1つのプロシージャに関連付けられた対応するTA値は、少なくとも1つのCSI-RSリソースに関連付けられたプリコードされたSRSのアップリンク伝送のタイミングを調整するために使用されることができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、UL伝送に適用される少なくとも1つのプロシージャは、PUCCH構成に基づいて決定されることができる。例えば、PUSCHでのアップリンク伝送がDCIフォーマット0_0のDCIによってトリガされ、且つ端末デバイス120が、上位層パラメータ「PUCCH-Spatialrelationinfo」によってサービングセルのアクティブUL帯域幅部分(BWP:bandwidth part)内の最も低いインデックスを有するPUCCHリソースに対する空間設定が提供される場合、端末デバイス120は、PUCCHリソースに基づいて、PUSCHでのアップリンク伝送を実行してもよい。この場合、端末デバイス120は、第1のプロシージャ及び第2のプロシージャから、サービングセルのアクティブUL帯域幅部分(BWP)内の最も低いインデックスを有するPUCCHリソースに基づいて、PUSCHでのアップリンク伝送に適用される第3のプロシージャを決定してもよい。例えば、端末デバイス120は、サービングセルのアクティブUL帯域幅部分(BWP)内の最も低いインデックスを有するPUCCHリソースに基づいて、PUSCHでのアップリンク伝送に適用される第1のTA値及び第2のTA値のうちの1つを決定してもよい。さらに、PUCCHでのアップリンク伝送に関して、端末デバイス120は、第1のプロシージャ及び第2のプロシージャから、PUCCHでのアップリンク伝送に使用されるPUCCHリソースに基づいて、PUCCHでのアップリンク伝送に適用される第4のプロシージャを決定してもよい。例えば、端末デバイス120は、PUCCHでのアップリンク伝送に使用されるPUCCHリソースに基づいて、PUCCHでのアップリンク伝送に適用される第1のTA値及び第2のTA値のうちの1つを決定してもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、上位層パラメータ「PUCCH-Spatialrelationinfo」を定義する情報要素に、第1のTA値及び第2のTA値のどちらがタイミング調整に使用されるかを示す追加のファイルを導入することができる。このように、上位層パラメータ「PUCCH-Spatialrelationinfo」が端末デバイス120に対して構成されると、端末デバイス120は、上位層パラメータ「PUCCH-Spatialrelationinfo」に含まれる追加のフィールドに基づいて、第1のTA値と第2のTA値のどちらがタイミング調整に使用されるかを決定することができる。
【0070】
図7Aは、上位層パラメータ「PUCCH-Spatialrelationinfo」を定義する情報要素710の一例を示す。
図7Aに示すように、情報要素710には、第1のTA値及び第2のTA値のどちらがタイミング調整に使用されるかを示す追加のフィールド「TA-a」が含まれる。例えば、このフィールド「TA-a」の値が「A」である場合、第1のTA値T
TA-1がタイミング調整に使用されることを意味する。その他、このフィールド「TA-a」の値が「B」である場合、第2のTA値T
TA-2がタイミング調整に使用されることを意味する。例えば、(「A」、「B」)は、(0、1)、(有効、無効)、(存在、存在しない)又は(真、偽)であってもよい。別の例として、追加のフィールド「TA-a」が情報要素710に存在しない場合、第1のTA値T
TA-1がタイミング調整に使用されることを意味する。
【0071】
図7Bは、上位層パラメータ「PUCCH-Spatialrelationinfo」を定義する情報要素720の別の例を示す。
図7Bに示すように、第1のTA値及び第2のTA値のどちらがタイミング調整に使用されるかを示す追加のフィールド「TA-a」は情報要素720に導入されてもよい。例えば、このフィールド「TA-a」が情報要素720に存在しない、又はフィールド「TA-a」の値が「FALSE」である場合、第1のTA値T
TA-1がタイミング調整に使用されることを意味する。その他、このフィールド「TA-a」が情報要素720に存在する、又はフィールド「TA-a」の値が「C」或いは「TRUE」である場合、第2のTA値T
TA-2がタイミング調整に使用されることを意味する。例えば、「C」は、0、1、有効、存在又は真などの任意の値であってもよい。
【0072】
図7Cは、上位層パラメータ「PUCCH-ResourceSet」を定義する情報要素730の一例を示す図である。
図7Cに示すように、情報要素730には、第1のTA値及び第2のTA値のどちらがタイミング調整に使用されるかを示す追加のフィールド「TA-a」が含まれる。例えば、このフィールド「TA-a」の値が「A」である場合、第1のTA値T
TA-1がタイミング調整に使用されることを意味する。その他、このフィールド「TA-a」の値が「B」である場合、第2のTA値T
TA-2がタイミング調整に使用されることを意味する。例えば、(「A」、「B」)は、(0、1)、(有効、無効)、(存在、存在しない)又は(真、偽)であってもよい。別の例として、追加のフィールド「TA-a」が情報要素730に存在しない場合、第1のTA値T
TA-1がタイミング調整に使用されることを意味する。
【0073】
図7Dは、上位層パラメータ「PUCCH-ResourceSet」を定義する情報要素740の別の例を示す。
図7Dに示すように、第1のTA値及び第2のTA値のどちらがタイミング調整に使用されるかを示す追加のフィールド「TA-a」が情報要素740に導入されてもよい。例えば、このフィールド「TA-a」が情報要素740に存在しない、又はフィールド「TA-a」の値が「FALSE」である場合、第1のTA値T
TA-1がタイミング調整に使用されることを意味する。その他、このフィールド「TA-a」が情報要素740に存在する、又はフィールド「TA-a」の値が「C」或いは「TRUE」である場合、第2のTA値T
TA-2がタイミング調整に使用されることを意味する。例えば、「C」は、0、1、有効、存在又は真などの任意の値であってもよい。
【0074】
図7Eは、上位層パラメータ「PUCCH-Resource」を定義する情報要素750の一例を示す。
図7Eに示すように、情報要素750には、第1のTA値及び第2のTA値のどちらがタイミング調整に使用されるかを示す追加のフィールド「TA-a」が含まれている。例えば、このフィールド「TA-a」の値が「A」である場合、第1のTA値T
TA-1がタイミング調整に使用されることを意味する。その他、このフィールド「TA-a」の値が「B」である場合、第2のTA値T
TA-2がタイミング調整に使用されることを意味する。例えば、(「A」、「B」)は、(0、1)、(有効、無効)、(存在、存在しない)又は(真、偽)であってもよい。別の例として、追加のフィールド「TA-a」が情報要素750に存在しない場合、第1のTA値T
TA-1がタイミング調整に使用されることを意味する。
【0075】
図7Fは、上位層パラメータ「PUCCH-Resource」を定義する情報要素760の別の例を示す。
図7Fに示すように、第1のTA値及び第2のTA値のどちらがタイミング調整に使用されるかを示す追加のフィールド「TA-a」が情報要素760に導入されてもよい。例えば、このフィールド「TA-a」が情報要素760に存在しない、又はフィールド「TA-a」の値が「FALSE」である場合、第1のTA値T
TA-1がタイミング調整に使用されることを意味する。その他、このフィールド「TA-a」が情報要素760に存在する、又はフィールド「TA-a」の値が「C」或いは「TRUE」である場合、第2のTA値T
TA-2がタイミング調整に使用されることを意味する。例えば、「C」は、0、1、有効、存在又は真などの任意の値であってもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、UL伝送に適用される少なくとも1つのプロシージャは、ランダムアクセスプロシージャをトリガするために使用されることもできるPDCCHオーダーに基づいて決定されることができる。例えば、第1のプロシージャ及び第2のプロシージャのどちらが適用されるかを示す1つの追加ビットは、PDCCHオーダーに導入されることができる。代替的又は追加的に、いくつかの実施形態では、同期信号ブロック(SSB:Synchronization Signal Block)インデックス及び/又はCSI-RSリソース(又はリソースセット)は、異なるグループに分割されることができ、各グループはセル内の個別のタイミング調整に対応することができる。これにより、SSBインデックス及び/又はCSI-RSリソースのグループは、個別のTA値を暗黙的に示すことができる。代替的又は追加的に、いくつかの実施形態では、2つのTAG識別子(TAG-ID)は1つのセルに対して構成されることができ、各TAG-IDは、セル内の個別のタイミング調整に対応することができる。これにより、TAG-IDは、個別のTA値を暗黙的に示すことができる。
【0077】
図2に戻り、220において、端末デバイス120は、少なくとも1つのプロシージャに対して少なくとも1つのTA値を決定する。次に、230において、端末デバイス120は、決定された少なくとも1つのTA値に基づいてアップリンク伝送のタイミングを調整することによって、少なくとも1つのプロシージャをアップリンク伝送に適用する。
【0078】
いくつかの実施形態では、第1のプロシージャが、第1のTRP130-1を介する第1のUL伝送に適用されると決定された場合、端末デバイス120は、第1のTA値TTA-1を計算してもよい。そして、端末デバイス120は、第1のTA値TTA-1に基づいて第1のUL伝送のタイミングを調整してもよい。代替的又は追加的に、いくつかの実施形態では、第2のプロシージャが、第2のTRP130-2を介する第2のUL伝送に適用されると判定された場合、端末デバイス120は、第2のTA値TTA-2を計算してもよい。そして、端末デバイス120は、第2のTA値TTA-2に基づいて第2のUL伝送のタイミングを調整してもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、例えば、マルチTRP伝送の場合、TA測定及び調整用の2つの異なるプロシージャは、1つのセルでサポートされることができる。例えば、第1のプロシージャは、第1のTA値TTA-1を決定するとともに、第1のTA値TTA-1に基づいてタイミング調整を行うために使用されることができ、第2のプロシージャは、第2のTA値TTA-2を決定するとともに、第2のTA値TTA-2に基づいてタイミング調整を行うために使用されることができる。例えば、第1のTA値TTA-1は、ランダムアクセス応答からのTAコマンド、媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)制御要素(CE:Control Element)からのTAコマンド、及び以前に第1のプロシージャに対して決定されたTA値のうちの少なくとも1つに基づいて決定されることができる。例えば、第2のTA値TTA-2は、ランダムアクセス応答からのTAコマンド、MAC CEからのTAコマンド、以前に第1のプロシージャに対して決定されたTA値、以前に第2のプロシージャに対して決定されたTA値、及び第1のTRP130-1から受信した第1のダウンリンク信号と第2のTRP130-2から受信した第2のダウンリンク信号との間のタイミング差のうちの少なくとも1つに基づいて決定されることができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、第1のプロシージャに関連付けられた第1のTA値TTA-1が適用されると決定された場合、第1のTA値TTA-1を決定するとともに、第1のTA値TTA-1に基づいてタイミング調整を行うための第1のプロシージャは、端末デバイス120によって実行されることができる。いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス110から、タイミングアドバンスコマンド(例えば、12ビット)を含むランダムアクセス応答(RAR:Random Access Response)を受信したことに応答して、端末デバイス120は、以下の式(1)のように、RARに含まれるタイミングアドバンスコマンドに基づいて第1のTA値TTA-1を決定してもよい。
TTA-1=TA-1・16・64/2μ (1)
ここで、TA-1は、適用しようとする第1のプロシージャの量を制御するための12ビットのタイミングアドバンスコマンドで示されるインデックス値を表す。例えば、μは整数であり、且つμ>0である。
【0081】
代替的に、いくつかの他の実施形態では、ネットワークデバイス110から、タイミングアドバンスコマンド(例えば、6ビット)を含むMAC CEを受信したことに応答して、端末デバイス120は、以下の式(2)のように、MAC CEに含まれるタイミングアドバンスコマンド(以下の説明では「TAコマンドMAC CE」とも呼ばれる)に基づいて第1のTA値TTA-1を決定してもよい。
TTA-1_new=TTA-1_old+(TA-1-31)・16・64/2μ (2)
ここで、TA-1は、適用しようとする第1のプロシージャの量を制御するためのMAC CEにおける6ビットのタイミングアドバンスコマンドで示されるインデックス値を表す。TTA-1_oldは、前回第1のプロシージャで決定された第1のTA値TTA-1を表し、TTA-1_newは、今回決定される第1のTA値TTA-1を表す。例えば、μは整数であり、且つμ>0である。
【0082】
いくつかの実施形態では、第2のプロシージャに関連付けられた第2のTA値TTA-2が適用されると決定された場合、第2のTA値TTA-2を決定するとともに、第2のTA値TTA-2に基づいてタイミング調整を行うための第2のプロシージャは、端末デバイス120によって実行されることができる。いくつかの実施形態では、第2のプロシージャにおける初期のTA調整の場合、第2のTA値TTA-2は、RARに含まれるタイミングアドバンスコマンド又はMAC CEに含まれるタイミングアドバンスコマンドに基づいて決定されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、第2のプロシージャにおける初期のTA調整の場合、ネットワークデバイス110から、タイミングアドバンスコマンド(例えば、12ビット)を含むランダムアクセス応答(RAR)を受信したことに応答して、端末デバイス120は、以下の式(3)のように、RARに含まれるタイミングアドバンスコマンドに基づいて第2のTA値TTA-2を決定してもよい。
TTA-2=TA-2・16・64/2μ (3)
ここで、TA-2は、適用しようとする第2のプロシージャの量を制御するための12ビットのタイミングアドバンスコマンドで示されるインデックス値を表す。例えば、μは整数であり、且つμ>0である。
【0083】
代替的に、いくつかの他の実施形態では、ネットワークデバイス110から、タイミングアドバンスコマンド(例えば、6ビット)を含むMAC CEを受信したことに応答して、端末デバイス120は、以下の式(4)のように、MAC CEに含まれるタイミングアドバンスコマンドに基づいて第2のTA値TTA-2を決定してもよい。
TTA-2=TTA_old+(TA-2-31)・16・64/2μ (4)
ここで、TA-2は、適用しようとする第2のプロシージャの量を制御するためのMAC CEにおける6ビットのタイミングアドバンスコマンドで示されるインデックス値を表し、TTA_oldは、第1のプロシージャで決定された最新のTA値を表す。例えば、μは整数であり、且つμ>0である。
【0084】
いくつかの実施形態では、第2のプロシージャにおける後続のTA調整の場合、第2のTA値TTA-2は、MAC CEに含まれるタイミングアドバンスコマンドに基づいて決定されることができる。いくつかの他の実施形態では、ネットワークデバイス110から、タイミングアドバンスコマンド(例えば、6ビット)を含むMAC CEを受信したことに応答して、端末デバイス120は、以下の式(5)のように、MAC CEに含まれるタイミングアドバンスコマンドに基づいて第2のTA値TTA-2を決定してもよい。
TTA-2_new=TTA-2_old+(TA-2-31)・16・64/2μ (5)
ここで、TA-2は、適用しようとする第2のプロシージャの量を制御するためのMAC CEにおける6ビットのタイミングアドバンスコマンドで示されるインデックス値を表す。TTA-2_oldは、前回第2のプロシージャで決定された第2のTA値TTA-2を表し、TTA-2_newは、今回決定される第2のTA値TTA-2を表す。例えば、μは整数であり、且つμ>0である。代替的に、いくつかの他の実施形態では、ネットワークデバイス110から、タイミングアドバンスコマンド(例えば、6ビット)を含むMAC CEを受信したことに応答して、端末デバイス120は、以下の式(6)のように、MAC CEに含まれるタイミングアドバンスコマンドに基づいて第2のTA値TTA-2を決定してもよい。
TTA-2=TTA_old+(TA-2-31)・16・64/2μ (6)
ここで、TA-2は、適用しようとする第2のプロシージャの量を制御するためのMAC CEにおける6ビットのタイミングアドバンスコマンドで示されるインデックス値を表し、TTA_oldは、第1のプロシージャで決定された最新のTA値を表す。例えば、μは整数であり、且つμ>0である。
【0085】
いくつかの実施形態では、例えばマルチTRP伝送の場合、TA測定及び調整用の2つの異なるプロシージャは1つのセルでサポートされることができる。例えば、第1のプロシージャは、第1のTA値TTA-1を決定するとともに、第1のTA値TTA-1に基づいてタイミング調整を行うために使用され、第2のプロシージャは、第2のTA値TTA-2を決定し、第2のTA値TTA-2に基づいてタイミング調整を行うために使用されてもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、第1のプロシージャに関連付けられた第1のTA値TTA-1が適用されると決定された場合、第1のTA値TTA-1を決定するとともに、第1のTA値TTA-1に基づいてタイミング調整を行うための第1のプロシージャは、端末デバイス120によって実行されることができる。いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス110から、タイミングアドバイスコマンド(例えば、12ビット)を含むランダムアクセス応答(RAR)を受信したことに応答して、端末デバイス120は、上記式(1)のように、RARに含まれるタイミングアドバイスコマンドに基づいて第1のTA値TTA-1を決定してもよい。代替的に、いくつかの他の実施形態では、ネットワークデバイス110から、タイミングアドバンスコマンド(例えば、6ビット)を含むMAC CEを受信したことに応答して、端末デバイス120は、上記式(2)のように、MAC CEに含まれるタイミングアドバンスコマンドに基づいて第1のTA値TTA-1を決定してもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、第2のプロシージャに関連付けられた第2のTA値TTA-2が適用されると判定された場合、第2のTA値TTA-2を決定するとともに、第2のTA値TTA-2に基づいてタイミング調整を行うための第2のプロシージャは、端末デバイス120によって実行されることができる。いくつかの実施形態では、第2のTA値TTA-2は、端末デバイス120によって自律的に決定されることができる。例えば、端末デバイス120は、第1のTRP130-1から受信した第1のダウンリンク信号と、第2のTRP130-2から受信した第2のダウンリンク信号との間のタイミング差を測定してもよい。第1及び第2のDL信号のそれぞれは、DL参照信号(RS)又はSSBであってもよい。端末デバイス120は、さらに以下の式(7)のように、決定された2つのDL信号の間のタイミング差と、第1のプロシージャで決定された最新のTA値とに基づいて、第2のTA値TTA-2を決定してもよい。
TTA-2=TTA_old+2・ΔTA・16・64/2μ (7)
ここで、ΔTAは、決定された2つのDL信号の間のタイミング差を表し、TTA_oldは、第1のプロシージャで決定された最新のTA値を表す。例えば、μは整数であり、且つμ>0である。
【0088】
いくつかの実施形態では、例えばマルチTRP伝送の場合、TA測定及び調整用の2つの異なるプロシージャは1つのセルでサポートされることができる。例えば、第1のプロシージャは、第1のTA値T
TA-1を決定するとともに、第1のTA値T
TA-1に基づいてタイミング調整を行うために使用され、第2のプロシージャは、第2のTA値T
TA-2を決定するとともに、第2のTA値T
TA-2に基づいてタイミング調整を行うために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス110から端末デバイス120に伝送されるTAコマンドMAC CEは、2つの異なるプロシージャのうちの1つにそれぞれ対応する2つの個別のTAコマンドを含んでもよい。
図8は、TAコマンドMAC CE800の一例を示す。
図8に示すように、MAC CE800は、タイミングアドバンスコマンド810及びタイミングアドバンスコマンド820を含んでもよい。タイミングアドバンスコマンド810は、第1のプロシージャに関連付けられて、第1のプロシージャの量を制御するために使用されるインデックス値を示してもよい。タイミングアドバンスコマンド820は、第2のプロシージャに関連付けられて、第2のプロシージャの量を制御するために使用されるインデックス値を示してもよい。いくつかの実施形態では、1つのセルで異なるTA値が構成される端末デバイス120がMAC CE800を受信しなかった場合、端末デバイス120は、第1のプロシージャで決定された第1のTA値T
TA-1に基づいて、アップリンク伝送のタイミングを調整してもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、アップリンク伝送のタイミングを調整するために、端末デバイス120からのUL無線フレームの伝送は、対応するDL無線フレームの伝送開始よりも一定時間(個別のTA値によって示される)前で開始すべきである。いくつかの実施形態では、複数のTAプロシージャがサポートされている場合、対応するDL無線フレームの位置は、対応するDL RSから推定されるタイミングに基づくものであってもよい。対応するDL RSの例として、パスロス推定用のDL RS又は準コロケーションされた(QCL(quasi-co-locationed)化された)DL RSが挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
いくつかの実施形態では、第1のTRP130-1及び第2のTRP130-2は、異なるセルに属してもよい(例えば、それぞれ異なるセルインデックスに関連付けられている)。この場合、1つのTAプロシージャ及び1つのTA値は、各セルに対して十分である。しかし、この場合、共同伝送をサポートするために、DCIは、サービングセルスケジューリング及びクロスセルスケジューリングの両方を示すべきである。いくつかの実施形態では、例えば、2つのセルが同じDCIでスケジュールされているか否かを示すために、1つの追加ビットがDCIフォーマット0_1又はDCIフォーマット1_1に導入されてもよい。
【0091】
図9は、本開示のいくつかの実施形態に係る例示的な方法900のフローチャートを示す。方法900は、
図1Aに示すネットワークデバイス110で実施されることができる。方法900は、図示されない追加の動作を含み、及び/又は図示されているいくつかの動作を省略してもよく、本開示の範囲はこの点で限定されないことを理解されたい。検討の目的のために、方法900について、
図1Aを参照して、ネットワークデバイス110の観点から説明する。
【0092】
910において、ネットワークデバイス110が端末デバイス120にサービスを提供するためにサービングセル102を提供し、且つサービングセル102が少なくともアップリンク伝送のタイミングを調整するための第1のプロシージャ、及びアップリンク伝送のタイミングを調整するための第2のプロシージャで構成されることに応答して、第1のプロシージャ及び第2のプロシージャから、アップリンク伝送に適用される少なくとも1つのプロシージャを決定する。
【0093】
920において、ネットワークデバイス110は、端末デバイス120が少なくとも1つのプロシージャをアップリンク伝送に適用するように、端末デバイス120に少なくとも1つのプロシージャを示す。
【0094】
いくつかの実施形態では、ネットワークデバイスは、端末デバイスと通信するために、第1のTRP130-1及び第2のTRP130-2と接続され、第1及び第2のTRP130-1及び130-2は、サービングセル102に含まれる。いくつかの実施形態では、第1のプロシージャは、第1のTRP130-1を介するアップリンク伝送のタイミングを調整するように構成され、第2のプロシージャは、第2のTRP130-2を介するアップリンク伝送のタイミングを調整するように構成される。
【0095】
いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス110は、アップリンク伝送に関連付けられた少なくとも1つのリソースに関する情報を端末デバイス120に伝送することによって、少なくとも1つのプロシージャを示してもよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス110は、PUSCHでのアップリンク伝送に適用される少なくとも1つのプロシージャを決定してもよい。ネットワークデバイス110は、PUSCHでのアップリンク伝送に使用される少なくとも1つのSRSリソースの指示を端末デバイスに伝送することによって、少なくとも1つのプロシージャを示してもよい。
【0097】
いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス110は、PUSCHでのアップリンク伝送に適用される少なくとも1つのプロシージャを決定してもよい。ネットワークデバイス110は、PUSCHに関連付けられたDMRSを伝送するために使用される少なくとも1つのDMRSポートの指示を端末デバイス120に伝送することによって、少なくとも1つのプロシージャを示してもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス110は、PUSCHでのアップリンク伝送に適用される少なくとも1つのプロシージャを決定してもよい。ネットワークデバイス110は、PUSCHでのアップリンク伝送に使用されるプリコーディング情報を決定するための少なくとも1つのCSI-RSリソースの指示を端末デバイス120に伝送することによって、少なくとも1つのプロシージャを指示してもよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス110は、PUSCHでのアップリンク伝送に適用される第3のプロシージャと、PUCCHでのアップリンク伝送に適用される第4のプロシージャとを決定してもよい。ネットワークデバイス110は、PUCCHでの伝送用の構成(コンフィグレーション)を端末デバイス120に伝送することによって、少なくとも1つのプロシージャを示してもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス110は、第1のプロシージャに対する第1のTA値を示す第1のTAコマンドと、第2のプロシージャに対する第2のTA値を示す第2のTAコマンドと、を端末デバイスに伝送してもよい。これにより、端末デバイス120は、第1のTA値及び第2のTA値の少なくとも一方に基づいてアップリンク伝送のタイミングを調整することによって、少なくとも1つのプロシージャをアップリンク伝送に適用することになる。
【0101】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のTAコマンドは、RAR及びMAC CEの少なくとも1つを介して伝送される。
【0102】
図10は、本開示の実施形態の実施に適するデバイス1000の簡略的なブロック図である。デバイス1000は、
図1A~1Bに示すネットワークデバイス110又は端末デバイス120のさらなる例示的な実施形態と見なされることができる。従って、デバイス1000は、ネットワークデバイス110又は端末デバイス120の少なくとも一部において、又はその一部として実施されることができる。
【0103】
図示されるように、デバイス1000は、プロセッサ1010と、プロセッサ1010に接続されたメモリ1020と、プロセッサ1010に接続された適切な伝送機(TX)及び受信機(RX)1040と、TX/RX1040に接続された通信インターフェースとを含む。メモリ1010は、プログラム1030の少なくとも一部を格納する。TX/RX1040は、双方向通信用である。TX/RX1040は、通信を容易にするために少なくとも1つのアンテナを有するが、実際には、本願で言及されるアクセスノードは複数あってもよい。通信インターフェースは、eNB間の双方向通信用のX2インターフェース、モビリティマネジメントエンティティ(MME:Mobility Management Entity)/サービングゲートウェイ(S-GW:Serving Gateway)とeNBとの間の通信用のS1インターフェース、eNBとリレーノード(RN)との間の通信用のUnインターフェース、又はeNBと端末デバイスとの間の通信用のUuインターフェースなど、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを表してもよい。
【0104】
プログラム1030は、関連するプロセッサ1010によって実行されると、デバイス1000が、本明細書で
図1から
図9を参照して説明したように、本開示の実施形態に従って動作することを可能にするプログラム命令を含むと想定される。本明細書の実施形態は、デバイス1000のプロセッサ1010によって実行可能なコンピュータソフトウェアにより、又はハードウェアにより、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実施されてもよい。プロセッサ1010は、本開示の様々な実施形態を実施するように構成されてもよい。さらに、プロセッサ1010とメモリ1020の組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実施するのに適した処理手段1050を形成してもよい。
【0105】
メモリ1020は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよく、非限定的な例として、非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、半導体系のメモリデバイス、磁気メモリデバイス及びシステム、光メモリデバイス及びシステム、固定メモリデバイス及びリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータ記憶技術を使用して実施されてもよい。デバイス1000には1つのメモリ1020のみが示されているが、デバイス1000には物理的に別個である複数のメモリモジュールがあってもよい。プロセッサ1010は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ又は複数を含んでもよい。デバイス1000は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有してもよい。
【0106】
一般的に、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア又は専用回路、ソフトウェア、ロジック、又はそれらの任意の組み合わせで実施されてもよい。いくつかの態様はハードウェアで実施され、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ、又は他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェア又はソフトウェアで実施されてもよい。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャートとして、又は他の何らかの画像表現を使用して例示及び説明されたが、本明細書に記載されるこれらのブロック、装置、システム、技術又は方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又はロジック、汎用ハードウェア又はコントローラ又は他のコンピューティングデバイス、又はそれらのいくつかの組み合わせで実施されてもよいことを理解されたい。
【0107】
本開示は、さらに、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に有形に格納された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、
図2及び
図9を参照して上述したプロセス又は方法を実行するために、プログラムモジュールに含まれるものなどの、対象の実プロセッサ又は仮想プロセッサ上のデバイスで実行されるコンピュータ実行可能な命令を含む。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実施したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などを含む。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態で記載されたプログラムモジュール間で組み合わせる、又は分割されることができる。プログラムモジュールのためのマシン実行可能な命令は、ローカルデバイス又は分散型デバイス内で実行されてもよい。分散型デバイスでは、プログラムモジュールがローカル記憶媒体とリモート記憶媒体の両方に配置されてもよい。
【0108】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供されることにより、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に規定される機能/動作が実現される。プログラムコードは、完全にマシン上で実行されてもよく、その一部がマシン上で実行されてもよく、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして実行されてもよく、一部がマシン上で実行され且つ一部がリモートマシン上で実行されてもよく、完全にリモートマシン又はサーバ上で実行されてもよい。
【0109】
上記プログラムコードは、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれと関連して使用されるためのプログラムを含む又は格納することができる任意の有形媒体であり得るマシン読み取り可能な媒体上で具現化されてもよい。マシン読み取り可能な媒体は、マシン読み取り可能な信号媒体又はマシン読み取り可能な記憶媒体であってもよい。マシン読み取り可能な媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体システム、装置、デバイス、あるいは前記の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。マシン読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例として、1つ又は複数のワイヤによる電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光学式ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、又は前記の任意の適切な組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
さらに、動作が特定の順序で描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が図示の特定の順序又は連続順序で実行されること、又は描かれたすべての動作が実行されることを要求するものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスク及び並列処理が有利であることがある。同様に、上記の説明にはいくつかの特定の実施形態の詳細が含まれているが、これらは本開示の範囲を制限するものとして解釈されるべきではなく、特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別々の実施形態のコンテキストで説明されている特定の特徴は、単一の実施形態に組み合わせて実施されてもよい。逆に、単一の実施形態のコンテキストで説明されている様々な特徴も、複数の実施形態で別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実施されてもよい。
【0111】
本開示は、構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の用語で説明されたが、添付の特許請求の範囲で限定される本開示は、必ずしも上述の特定の特徴又は動作に限定されないことを理解されたい。むしろ、上述の特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として説明されている。