特許 7559880 エレベータ連携制御装置、エレベータシステム、エレベータ連携制御方法及びエレベータ連携制御プログラム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B1)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-09-24

(45)【発行日】2024-10-02

(54)【発明の名称】エレベータ連携制御装置、エレベータシステム、エレベータ連携制御方法及びエレベータ連携制御プログラム

(51)【国際特許分類】

   B66B 1/06 20060101AFI20240925BHJP

【ＦＩ】

B66B1/06 F

【請求項の数】 12

(21)【出願番号】P 2023106230

(22)【出願日】2023-06-28

【審査請求日】2023-06-28

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】000236056

【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110003199

【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】大橋 岳洋

(72)【発明者】

【氏名】川田 春菜

【審査官】須山 直紀

(56)【参考文献】

【文献】特許第７２３１０９６（ＪＰ，Ｂ１）

【文献】国際公開第２０１７／１９９３４３（ＷＯ，Ａ１）

【文献】特開２０２２－０３２４４９（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２２－０９５７２４（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｂ６６Ｂ １／０６

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

エレベータのかごを制御するエレベータ制御装置と通信可能に設けられたエレベータ連携制御装置であって、
自律移動体からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する呼び登録要求部を備え、
前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼び登録要求に応じて前記乗車階への乗場呼びを登録し、登録した前記乗場呼びに対して前記かごを配車し、
前記呼び登録要求部は、前記乗場呼びに対して配車された前記かごに対し、前記乗車階を行先階とするかご呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信し、
前記エレベータ制御装置は、前記かご呼び登録要求に応じて、前記行先階へのかご呼びを登録し、
前記乗車階への前記乗場呼びと、前記乗場呼びに配車された前記かごに対する、前記乗車階を前記行先階とする前記かご呼びとを登録するエレベータ連携制御装置。

【請求項2】

前記エレベータ制御装置は、複数の前記かごを制御し、登録した前記乗場呼びに対して複数の前記かごのうちから前記かごを割り当て、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを特定する割当かご情報を送信し、
前記エレベータ制御装置から送信された前記割当かご情報を前記自律移動体に通知する通知部をさらに備え、
前記呼び登録要求部は、前記割当かご情報により特定される前記かごに対し、前記乗車階を行先階とするかご呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する請求項１に記載のエレベータ連携制御装置。

【請求項3】

エレベータの複数のかごを制御するエレベータ制御装置と通信可能に設けられたエレベータ連携制御装置であって、
自律移動体からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する呼び登録要求部と、
通知部と、を備え、
前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼び登録要求に応じて前記乗車階への乗場呼びを登録し、登録した前記乗場呼びに対して複数の前記かごのうちから前記かごを割り当て、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを特定する割当かご情報を送信し、
前記通知部は、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当かご情報を前記自律移動体に通知し、
前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを変更した場合に、割当変更情報をさらに送信し、
前記通知部は、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当変更情報を前記自律移動体にさらに通知し、
前記割当変更情報は、前記乗場呼びに割り当てられた変更後の前記かごを特定する情報を含み、
前記呼び登録要求部は、前記割当変更情報により特定される前記かごに対し、前記乗車階を行先階とするかご呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信し、
前記エレベータ制御装置は、前記かご呼び登録要求に応じて、前記行先階へのかご呼びを登録し、
前記乗車階への前記乗場呼びと、前記割当変更情報により特定される前記かごに対する、前記乗車階を前記行先階とする前記かご呼びとを登録するエレベータ連携制御装置。

【請求項4】

エレベータの複数のかごを制御するエレベータ制御装置と通信可能に設けられたエレベータ連携制御装置であって、
自律移動体からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する呼び登録要求部と、
通知部と、を備え、
前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼び登録要求に応じて前記乗車階への乗場呼びを登録し、登録した前記乗場呼びに対して複数の前記かごのうちから前記かごを割り当て、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを特定する割当かご情報を送信し、
前記通知部は、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当かご情報を前記自律移動体に通知し、
前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを変更した場合に、割当変更情報をさらに送信し、
前記通知部は、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当変更情報を前記自律移動体にさらに通知し、
前記割当変更情報は、前記乗場呼びに割り当てられた変更後の前記かごを特定する情報を含み、
前記呼び登録要求部は、前記割当変更情報により特定される前記かごとは別の前記かごに対する、前記乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信するエレベータ連携制御装置。

【請求項5】

エレベータの複数のかごを制御するエレベータ制御装置と通信可能に設けられたエレベータ連携制御装置であって、
自律移動体からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する呼び登録要求部と、
通知部と、を備え、
前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼び登録要求に応じて前記乗車階への乗場呼びを登録し、登録した前記乗場呼びに対して複数の前記かごのうちから前記かごを割り当て、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを特定する割当かご情報を送信し、
前記通知部は、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当かご情報を前記自律移動体に通知し、
前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごの運転モードを変更した場合に、運転モード変更通知をさらに送信し、
前記通知部は、前記エレベータ制御装置から送信された前記運転モード変更通知を前記自律移動体にさらに通知するエレベータ連携制御装置。

【請求項6】

前記呼び登録要求部は、前記エレベータ制御装置から前記運転モード変更通知が送信された場合に、前記割当かご情報により特定される前記かごとは別の前記かごに対する、前記乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する請求項５に記載のエレベータ連携制御装置。

【請求項7】

請求項１から請求項６のいずれか一項に記載のエレベータ連携制御装置と、
前記エレベータ制御装置と、
前記自律移動体と、を備えたエレベータシステム。

【請求項8】

エレベータのかごを制御するエレベータ制御装置と通信可能に設けられたエレベータ連携制御装置のコンピュータにより実行されるエレベータ連携制御方法であって、
自律移動体からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する第１呼び登録要求ステップと、
第２呼び登録要求ステップと、を備え、
前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼び登録要求に応じて前記乗車階への乗場呼びを登録し、登録した前記乗場呼びに対して前記かごを配車し、
前記第２呼び登録要求ステップは、前記乗場呼びに対して配車された前記かごに対し、前記乗車階を行先階とするかご呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信し、
前記エレベータ制御装置は、前記かご呼び登録要求に応じて、前記行先階へのかご呼びを登録し、
前記乗車階への前記乗場呼びと、前記乗場呼びに配車された前記かごに対する、前記乗車階を前記行先階とする前記かご呼びとを登録するエレベータ連携制御方法。

【請求項9】

エレベータの複数のかごを制御するエレベータ制御装置と通信可能に設けられたエレベータ連携制御装置のコンピュータにより実行されるエレベータ連携制御方法であって、
自律移動体からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する第１呼び登録要求ステップと、
第１通知ステップと、
第２通知ステップと、
第２呼び登録要求ステップと、を備え、
前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼び登録要求に応じて前記乗車階への乗場呼びを登録し、登録した前記乗場呼びに対して複数の前記かごのうちから前記かごを割り当て、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを特定する割当かご情報を送信し、
前記第１通知ステップは、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当かご情報を前記自律移動体に通知し、
前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを変更した場合に、割当変更情報をさらに送信し、
前記第２通知ステップは、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当変更情報を前記自律移動体に通知し、
前記割当変更情報は、前記乗場呼びに割り当てられた変更後の前記かごを特定する情報を含み、
前記第２呼び登録要求ステップは、前記割当変更情報により特定される前記かごに対し、前記乗車階を行先階とするかご呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信し、
前記エレベータ制御装置は、前記かご呼び登録要求に応じて、前記行先階へのかご呼びを登録し、
前記乗車階への前記乗場呼びと、前記割当変更情報により特定される前記かごに対する、前記乗車階を前記行先階とする前記かご呼びとを登録するエレベータ連携制御方法。

【請求項10】

エレベータの複数のかごを制御するエレベータ制御装置と通信可能に設けられたエレベータ連携制御装置のコンピュータにより実行されるエレベータ連携制御方法であって、
自律移動体からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する第１呼び登録要求ステップと、
第１通知ステップと、
第２通知ステップと、
第２呼び登録要求ステップと、を備え、
前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼び登録要求に応じて前記乗車階への乗場呼びを登録し、登録した前記乗場呼びに対して複数の前記かごのうちから前記かごを割り当て、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを特定する割当かご情報を送信し、
前記第１通知ステップは、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当かご情報を前記自律移動体に通知し、
前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを変更した場合に、割当変更情報をさらに送信し、
前記第２通知ステップは、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当変更情報を前記自律移動体に通知し、
前記割当変更情報は、前記乗場呼びに割り当てられた変更後の前記かごを特定する情報を含み、
前記第２呼び登録要求ステップは、前記割当変更情報により特定される前記かごとは別の前記かごに対する、前記乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信するエレベータ連携制御方法。

【請求項11】

エレベータの複数のかごを制御するエレベータ制御装置と通信可能に設けられたエレベータ連携制御装置のコンピュータにより実行されるエレベータ連携制御方法であって、
自律移動体からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する呼び登録要求ステップと、
第１通知ステップと、
第２通知ステップと、を備え、
前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼び登録要求に応じて前記乗車階への乗場呼びを登録し、登録した前記乗場呼びに対して複数の前記かごのうちから前記かごを割り当て、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを特定する割当かご情報を送信し、
前記第１通知ステップは、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当かご情報を前記自律移動体に通知し、
前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごの運転モードを変更した場合に、運転モード変更通知をさらに送信し、
前記第２通知ステップは、前記エレベータ制御装置から送信された前記運転モード変更通知を前記自律移動体に通知するエレベータ連携制御方法。

【請求項12】

請求項８から請求項１１のいずれか一項に記載のエレベータ連携制御方法を、前記エレベータ連携制御装置のコンピュータに実行させるためのエレベータ連携制御プログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、エレベータ連携制御装置、エレベータシステム、エレベータ連携制御方法及びエレベータ連携制御プログラムに関するものである。

【背景技術】

【0002】

エレベータとロボット等の自律移動体とを連携制御する技術においては、ロボットからエレベータ制御システムに呼びを送信し、この呼びに対してエレベータのかごを割り当て、割り当てたかごの号機情報をロボット制御システムに送信するとともに、呼びが示す階（ロボットがいる階）に割り当てたかごが移動するようにエレベータを制御するものが知られている（例えば、特許文献１参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】特開２０２２－０１９５９０号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかしながら、特許文献１に示されるような技術においては、自律移動体からの要求により登録された呼びに割り当てられたかごが変更されたり、自律移動体からの要求により登録された呼びが取り消されたりした場合に、自律移動体は通知されたかごに乗車することができない。この場合、例えば、タイムアウトするまで、すなわち、予め設定された待機時間が経過するまで、自律移動体は通知されたかごを待ち続けることになるため、自律移動体の動作効率が低下してしまう。

【0005】

本開示は、このような課題を解決するためになされたものである。その目的は、自律移動体からの要求により登録された呼びに割り当てられたかごが変更されたり、自律移動体からの要求により登録された呼びが取り消されたりした場合であっても、自律移動体の動作効率の低下を抑制できるエレベータ連携制御装置、エレベータシステム、エレベータ連携制御方法及びエレベータ連携制御プログラムを提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本開示に係るエレベータ連携制御装置は、エレベータのかごを制御するエレベータ制御装置と通信可能に設けられたエレベータ連携制御装置であって、自律移動体からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する呼び登録要求部を備え、前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼び登録要求に応じて前記乗車階への乗場呼びを登録し、登録した前記乗場呼びに対して前記かごを配車し、前記呼び登録要求部は、前記乗場呼びに対して配車された前記かごに対し、前記乗車階を行先階とするかご呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信し、前記エレベータ制御装置は、前記かご呼び登録要求に応じて、前記行先階へのかご呼びを登録し、前記乗車階への前記乗場呼びと、前記乗場呼びに配車された前記かごに対する、前記乗車階を前記行先階とする前記かご呼びとを登録する。

【0007】

あるいは、本開示に係るエレベータ連携制御装置は、エレベータの複数のかごを制御するエレベータ制御装置と通信可能に設けられたエレベータ連携制御装置であって、自律移動体からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する呼び登録要求部と、通知部と、を備え、前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼び登録要求に応じて前記乗車階への乗場呼びを登録し、登録した前記乗場呼びに対して複数の前記かごのうちから前記かごを割り当て、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを特定する割当かご情報を送信し、前記通知部は、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当かご情報を前記自律移動体に通知し、前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを変更した場合に、割当変更情報をさらに送信し、前記通知部は、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当変更情報を前記自律移動体にさらに通知し、前記割当変更情報は、前記乗場呼びに割り当てられた変更後の前記かごを特定する情報を含み、前記呼び登録要求部は、前記割当変更情報により特定される前記かごに対し、前記乗車階を行先階とするかご呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信し、前記エレベータ制御装置は、前記かご呼び登録要求に応じて、前記行先階へのかご呼びを登録し、前記乗車階への前記乗場呼びと、前記割当変更情報により特定される前記かごに対する、前記乗車階を前記行先階とする前記かご呼びとを登録する。
あるいは、本開示に係るエレベータ連携制御装置は、エレベータの複数のかごを制御するエレベータ制御装置と通信可能に設けられたエレベータ連携制御装置であって、自律移動体からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する呼び登録要求部と、通知部と、を備え、前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼び登録要求に応じて前記乗車階への乗場呼びを登録し、登録した前記乗場呼びに対して複数の前記かごのうちから前記かごを割り当て、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを特定する割当かご情報を送信し、前記通知部は、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当かご情報を前記自律移動体に通知し、前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを変更した場合に、割当変更情報をさらに送信し、前記通知部は、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当変更情報を前記自律移動体にさらに通知し、前記割当変更情報は、前記乗場呼びに割り当てられた変更後の前記かごを特定する情報を含み、前記呼び登録要求部は、前記割当変更情報により特定される前記かごとは別の前記かごに対する、前記乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する。

【0008】

あるいは、本開示に係るエレベータ連携制御装置は、エレベータの複数のかごを制御するエレベータ制御装置と通信可能に設けられたエレベータ連携制御装置であって、自律移動体からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する呼び登録要求部と、通知部と、を備え、前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼び登録要求に応じて前記乗車階への乗場呼びを登録し、登録した前記乗場呼びに対して複数の前記かごのうちから前記かごを割り当て、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを特定する割当かご情報を送信し、前記通知部は、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当かご情報を前記自律移動体に通知し、前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごの運転モードを変更した場合に、運転モード変更通知をさらに送信し、前記通知部は、前記エレベータ制御装置から送信された前記運転モード変更通知を前記自律移動体にさらに通知する。

【0009】

本開示に係るエレベータシステムは、上記のいずれかのエレベータ連携制御装置と、前記エレベータ制御装置と、前記自律移動体とを備える。

【0010】

本開示に係るエレベータ連携制御方法は、エレベータのかごを制御するエレベータ制御装置と通信可能に設けられたエレベータ連携制御装置のコンピュータにより実行されるエレベータ連携制御方法であって、自律移動体からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する第１呼び登録要求ステップと、第２呼び登録要求ステップと、を備え、前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼び登録要求に応じて前記乗車階への乗場呼びを登録し、登録した前記乗場呼びに対して前記かごを配車し、前記第２呼び登録要求ステップは、前記乗場呼びに対して配車された前記かごに対し、前記乗車階を行先階とするかご呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信し、前記エレベータ制御装置は、前記かご呼び登録要求に応じて、前記行先階へのかご呼びを登録し、前記乗車階への前記乗場呼びと、前記乗場呼びに配車された前記かごに対する、前記乗車階を前記行先階とする前記かご呼びとを登録する。

【0011】

あるいは、本開示に係るエレベータ連携制御方法は、エレベータの複数のかごを制御するエレベータ制御装置と通信可能に設けられたエレベータ連携制御装置のコンピュータにより実行されるエレベータ連携制御方法であって、自律移動体からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する第１呼び登録要求ステップと、第１通知ステップと、第２通知ステップと、第２呼び登録要求ステップと、を備え、前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼び登録要求に応じて前記乗車階への乗場呼びを登録し、登録した前記乗場呼びに対して複数の前記かごのうちから前記かごを割り当て、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを特定する割当かご情報を送信し、前記第１通知ステップは、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当かご情報を前記自律移動体に通知し、前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを変更した場合に、割当変更情報をさらに送信し、前記第２通知ステップは、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当変更情報を前記自律移動体に通知し、前記割当変更情報は、前記乗場呼びに割り当てられた変更後の前記かごを特定する情報を含み、前記第２呼び登録要求ステップは、前記割当変更情報により特定される前記かごに対し、前記乗車階を行先階とするかご呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信し、前記エレベータ制御装置は、前記かご呼び登録要求に応じて、前記行先階へのかご呼びを登録し、前記乗車階への前記乗場呼びと、前記割当変更情報により特定される前記かごに対する、前記乗車階を前記行先階とする前記かご呼びとを登録する。
あるいは、本開示に係るエレベータ連携制御方法は、エレベータの複数のかごを制御するエレベータ制御装置と通信可能に設けられたエレベータ連携制御装置のコンピュータにより実行されるエレベータ連携制御方法であって、自律移動体からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する第１呼び登録要求ステップと、第１通知ステップと、第２通知ステップと、第２呼び登録要求ステップと、を備え、前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼び登録要求に応じて前記乗車階への乗場呼びを登録し、登録した前記乗場呼びに対して複数の前記かごのうちから前記かごを割り当て、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを特定する割当かご情報を送信し、前記第１通知ステップは、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当かご情報を前記自律移動体に通知し、前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを変更した場合に、割当変更情報をさらに送信し、前記第２通知ステップは、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当変更情報を前記自律移動体に通知し、前記割当変更情報は、前記乗場呼びに割り当てられた変更後の前記かごを特定する情報を含み、前記第２呼び登録要求ステップは、前記割当変更情報により特定される前記かごとは別の前記かごに対する、前記乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する。

【0012】

あるいは、本開示に係るエレベータ連携制御方法は、エレベータの複数のかごを制御するエレベータ制御装置と通信可能に設けられたエレベータ連携制御装置のコンピュータにより実行されるエレベータ連携制御方法であって、自律移動体からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求を前記エレベータ制御装置に送信する呼び登録要求ステップと、第１通知ステップと、第２通知ステップと、を備え、前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼び登録要求に応じて前記乗車階への乗場呼びを登録し、登録した前記乗場呼びに対して複数の前記かごのうちから前記かごを割り当て、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごを特定する割当かご情報を送信し、前記第１通知ステップは、前記エレベータ制御装置から送信された前記割当かご情報を前記自律移動体に通知し、前記エレベータ制御装置は、前記乗場呼びに割り当てられた前記かごの運転モードを変更した場合に、運転モード変更通知をさらに送信し、前記第２通知ステップは、前記エレベータ制御装置から送信された前記運転モード変更通知を前記自律移動体に通知する。

【0013】

本開示に係るエレベータ連携制御プログラムは、上記のいずれかのエレベータ連携制御方法を、エレベータ連携制御装置のコンピュータに実行させるためのものである。

【発明の効果】

【0014】

本開示に係るエレベータ連携制御装置、エレベータシステム、エレベータ連携制御方法及びエレベータ連携制御プログラムによれば、自律移動体からの要求により登録された呼びに割り当てられたかごが変更されたり、自律移動体からの要求により登録された呼びが取り消されたりした場合であっても、自律移動体の動作効率の低下を抑制できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【0015】

【図1】実施の形態１に係るエレベータ連携制御装置を備えたエレベータシステムの全体構成を示すブロック図である。

【図2】実施の形態１に係るエレベータシステムが備えるエレベータ制御装置の構成を示すブロック図である。

【図3】実施の形態１に係るエレベータシステムが備えるエレベータ連携制御装置の構成を示すブロック図である。

【図4】実施の形態１に係るエレベータシステムの動作の一例を示すフロー図である。

【図5】実施の形態１に係るエレベータシステムの第１変形例の動作の一例を示すフロー図である。

【図6】実施の形態１に係るエレベータシステムの第２変形例におけるエレベータ制御装置の構成を示すブロック図である。

【図7】実施の形態１に係るエレベータシステムの第２変形例の動作の一例を示すフロー図である。

【図8】実施の形態１に係るエレベータ連携制御装置及びエレベータ制御装置の機能を実現する構成の一例を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0016】

本開示に係るエレベータ連携制御装置、エレベータシステム、エレベータ連携制御方法及びエレベータ連携制御プログラムを実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。なお、本開示は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、又は各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。

【0017】

実施の形態１．
図１から図８を参照しながら、本開示の実施の形態１について説明する。図１はエレベータ連携制御装置を備えたエレベータシステムの全体構成を示すブロック図である。図２はエレベータシステムが備えるエレベータ制御装置の構成を示すブロック図である。図３はエレベータシステムが備えるエレベータ連携制御装置の構成を示すブロック図である。図４はエレベータシステムの動作の一例を示すフロー図である。図５はエレベータシステムの第１変形例の動作の一例を示すフロー図である。図６はエレベータシステムの第２変形例におけるエレベータ制御装置の構成を示すブロック図である。図７はエレベータシステムの第２変形例の動作の一例を示すフロー図である。図８はエレベータ連携制御装置及びエレベータ制御装置の機能を実現する構成の一例を示す図である。

【0018】

この実施の形態に係るエレベータシステムは、図１に示すように、エレベータ制御装置１００と、連携制御装置２００と、自律移動体２０とを備えている。エレベータ制御装置１００は、エレベータを制御する。エレベータ制御装置１００が制御するエレベータは１台以上のかごを有している。同図に示す例では、エレベータには２台のかごが設けられている。ただし、エレベータが有するかご１０の数は２台に限られない。

【0019】

エレベータが設置された建物には、かご１０と同数の昇降路（図示せず）が設けられている。かご１０は、昇降路内に昇降自在に配置されている。かご１０には、乗客及び自律移動体２０が乗降可能である。自律移動体２０は、例えば移動ロボットであり、自律して移動可能である。自律移動体２０の台数は１台に限られず、２台以上であってもよい。かご１０は、昇降路内を昇降し、かご１０内に搭乗している乗客及び自律移動体２０の一方又は両方を、建物の複数の階床間にわたって運搬する。

【0020】

かご１０が停止可能である各階床の乗場には、図示しない乗場呼びボタンが設けられている。乗場呼びボタンは、乗客が乗場呼びを登録するためのものである。乗客が乗場呼びボタンを操作することで、所望する進行方向のかご１０を当該階床に呼び寄せる乗場呼びを登録できる。また、かご１０内には、図示しない行先階ボタンが設けられている。行先階ボタンは、例えば、かご１０内に設けられた図示しないかご内操作盤に設けられている。行先階ボタンは、乗客がかご呼びを登録するためのものである。かご１０に搭乗した乗客が行先階ボタンを操作することで、所望する階床を行先とするかご呼びを登録できる。

【0021】

エレベータ制御装置１００は、エレベータのかご１０の運転を含むエレベータの動作全般を制御する。ここで説明する構成例では、エレベータ制御装置１００は、複数のかご１０を一群として統括的に管理する群管理を行う。なお、エレベータ制御装置１００は、群管理を行わなくともよい。また、かご１０が１台の場合は群管理は行われない。次に、図２を参照しながら、この実施の形態に係るエレベータ制御装置１００の構成について説明する。図２に示すように、エレベータ制御装置１００は、乗場呼び登録部１１０、かご呼び登録部１２０、かご割当部１３０及びかご制御部１４０を備えている。

【0022】

エレベータ制御装置１００は、各階床の乗場呼びボタンと通信可能に接続されている。乗客が乗場呼びボタンを操作すると、当該操作された乗場呼びボタンから呼び登録要求信号が出力される。乗場呼びボタンから出力された呼び登録要求信号は、エレベータ制御装置１００に入力される。エレベータ制御装置１００の乗場呼び登録部１１０は、入力された呼び登録要求信号の出力元である乗場呼びボタンが設置された階床への乗場呼びを登録する。

【0023】

かご１０に搭乗した乗客がかご１０内の行先階ボタンを操作すると、当該操作された行先階ボタンが設けられたかご内操作盤から呼び登録要求信号が出力される。かご内操作盤から出力された呼び登録要求信号は、エレベータ制御装置１００に入力される。エレベータ制御装置１００のかご呼び登録部１２０は、入力された呼び登録要求信号が示す行先階へのかご呼びを登録する。

【0024】

かご割当部１３０は、登録された乗場呼びに対して割り当てるかご１０を、複数のかご１０のうちから決定する。乗場呼びに対して割り当てるかご１０の決定は、例えば、次のようにして行われる。まず、かご割当部１３０は、各かご１０の運行状態に基づいて、かご１０のそれぞれについて割当評価値を算出する。この割当評価値は、例えば、登録された乗場呼びに応答したかご１０が到着するまでの待ち時間、かご１０の負荷等を用いて算出される。そして、かご割当部１３０は、算出した各かご１０の割当評価値を比較して、割当評価値が最も大きいかご１０を乗場呼びに対して割り当てるかご１０に決定する。このようにして、かご割当部１３０は、乗場呼びに対してかご１０を割り当てる。

【0025】

本開示においては、かご割当部１３０が乗場呼びに対して割り当てたかご１０のことを「割当かご」ともいう。また、乗場呼びに対して応答するかご１０のことを「応答かご」ともいう。割当かごは、応答かごでもある。なお、前述したようにエレベータ制御装置１００は群管理を行わなくともよい。群管理を行わない場合、エレベータ制御装置１００は、かご割当部１３０を備えていなくともよい。エレベータ制御装置１００がかご割当部１３０を備えない場合、エレベータ制御装置１００は、乗場呼びが登録されると、当該乗場呼びに対する応答かごを決定する。この場合、エレベータ制御装置１００は、例えば、現在待機中のかご１０のうち、乗場呼びの登録階に最も近いものを応答かごに決定する。

【0026】

かご制御部１４０は、複数のかご１０のそれぞれの運転を制御する。かご制御部１４０は、複数のかご１０のそれぞれに対応して１つずつ設けられている。すなわち、かご制御部１４０は、かご１０と同数だけ設けられる。かご制御部１４０は、それぞれに対応するかご１０の走行を制御する。例えば、乗場呼びに割り当てるかご１０がかご割当部１３０により決定されると、当該かご１０を制御するかご制御部１４０は、登録された乗場呼びに応答すべく、乗場呼びが登録された階床へと当該かご１０を走行させる。また、かご１０内の行先階ボタンが操作されてかご呼びが登録されると、当該かご１０を制御するかご制御部１４０は、登録されたかご呼びに応答すべく、かご呼びが示す行先階へと当該かご１０を走行させる。

【0027】

この実施の形態に係る連携制御装置２００は、エレベータが設置された建物内を移動する自律移動体２０の動作と、エレベータの動作とを連携させて制御するためのものである。連携制御装置２００は、エレベータ制御装置１００と通信可能に設けられている。図１に示す例では、連携制御装置２００は、中継器３００を介してエレベータ制御装置１００と通信可能に接続されている。中継器３００は、連携制御装置２００とエレベータ制御装置１００との間の通信を中継する。ただし、中継器３００を設けることなく、連携制御装置２００とエレベータ制御装置１００とが直接に通信できるようにしてもよい。

【0028】

図１に示すように、連携制御装置２００は、自律移動体通信部２１０、エレベータ通信部２２０、記憶部２３０、処理部２４０及び戸開閉制御部２５０を備えている。自律移動体通信部２１０は、連携制御装置２００と自律移動体２０との通信を行う。連携制御装置２００と自律移動体２０との間の通信は、主に無線で行われる。自律移動体通信部２１０は、主に処理部２４０からの指示によりデータ、信号等を自律移動体２０に送信する。また、自律移動体通信部２１０は、自律移動体２０から送信されたデータ、信号等を受信して処理部２４０等に送る。

【0029】

エレベータ通信部２２０は、連携制御装置２００とエレベータとの通信を行う。連携制御装置２００とエレベータとの間の通信は、無線、有線のいずれで行われてもよい。エレベータ通信部２２０は、主に処理部２４０からの指示によりデータ、信号等をエレベータに送信する。また、エレベータ通信部２２０は、エレベータから送信されたデータ、信号等を受信して処理部２４０等に送る。

【0030】

記憶部２３０は、連携制御装置２００によるエレベータと自律移動体２０との連携制御に係る各種データを記憶する。処理部２４０は、連携制御装置２００によるエレベータと自律移動体２０との連携制御に必要な情報処理を行う。

【0031】

戸開閉制御部２５０は、自律移動体２０がかご１０に乗降する際において、かご１０の戸の開閉を制御するためのものである。自律移動体２０がかご１０に乗降する場合には、戸開閉制御部２５０は、まず、当該かご１０に対する戸開要求信号を生成する。そして、エレベータ通信部２２０は、戸開要求信号をエレベータ制御装置１００へと送信する。戸開要求信号をエレベータ制御装置１００が受信すると、当該かご１０を制御するかご制御部１４０は、当該かご１０を戸開させる。

【0032】

自律移動体２０が戸開されたかご１０に乗降すると、当該自律移動体２０は、連携制御装置２００に乗車完了信号又は降車完了信号を送信する。連携制御装置２００の自律移動体通信部２１０が乗車完了信号又は降車完了信号を受信すると、戸開閉制御部２５０は、当該かご１０に対する戸閉要求信号を生成する。エレベータ通信部２２０は、戸閉要求信号をエレベータ制御装置１００へと送信する。そして、戸閉要求信号をエレベータ制御装置１００が受信すると、当該かご１０を制御するかご制御部１４０は、当該かご１０を戸閉させる。

【0033】

なお、連携制御装置２００は、戸開閉制御部２５０を備えていなくともよい。この場合、エレベータ制御装置１００のかご制御部１４０は、自律移動体２０に対しても、通常の人間の乗客と同様に、かご１０の戸の開閉を行う。そして、自律移動体２０は、例えば自身に搭載されたカメラ等によりかご１０の戸の開閉状態を把握し、かご１０への乗降を行う。

【0034】

この実施の形態に係る連携制御装置２００の処理部２４０は、図３に示すように、呼び登録要求部２４１を備えている。呼び登録要求部２４１は、自律移動体２０からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求をエレベータ制御装置１００に送信する。より詳しくは、自律移動体２０は、連携制御装置２００に配車要求信号を送信する。配車要求信号には、乗車階に関する情報が含まれている。乗車階は、当該自律移動体２０がかご１０に乗車する階床である。

【0035】

連携制御装置２００の自律移動体通信部２１０が配車要求信号を受信すると、処理部２４０の呼び登録要求部２４１は、受信した配車要求信号が示す乗車階への乗場呼び登録要求信号を生成する。そして、エレベータ通信部２２０は、乗場呼び登録要求信号をエレベータ制御装置１００へと送信する。

【0036】

乗場呼び登録要求信号をエレベータ制御装置１００が受信すると、乗場呼び登録部１１０は、乗場呼び登録要求信号が示す乗車階への乗場呼びを登録する。そして、かご割当部１３０は、登録された乗場呼びに対する割当かごを決定する。このようにして、自律移動体２０からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼びが登録され、かご１０が配車される。配車されるかご１０は、配車要求に応じて登録された乗場呼びへの前述した割当かごであり、換言すれば、配車要求に応じて登録された乗場呼びへの前述した応答かごでもある。

【0037】

この実施の形態に係るエレベータ制御装置１００は、図２に示すように、割当かご情報送信部１５０をさらに備えている。割当かご情報送信部１５０は、かご割当部１３０が乗場呼びに対して割り当てるかご１０を決定すると、割当かご情報を連携制御装置２００へと送信する。割当かご情報は、登録された乗場呼びに割り当てられたかご１０を特定する情報である。特に、この実施の形態においては、割当かご情報送信部１５０は、連携制御装置２００から送信された乗場呼び登録要求に応じて登録した乗場呼びに割り当てられたかご１０を特定する割当かご情報を送信する。連携制御装置２００から送信された乗場呼び登録要求に応じて登録した乗場呼びに割り当てられたかご１０は、換言すれば、自律移動体２０からの配車要求に応じて配車されたかご１０である。

【0038】

この実施の形態においては、連携制御装置２００の呼び登録要求部２４１は、割当かご情報を受信した場合に、割当かご情報により特定されるかご１０、すなわち、自律移動体２０からの配車要求に応じて配車されたかご１０に対する、乗車階を行先階とするかご呼び登録要求をエレベータ制御装置１００に送信する。すなわち、連携制御装置２００のエレベータ通信部２２０が割当かご情報を受信すると、呼び登録要求部２４１は、前述した配車要求信号が示す乗車階を行先階とするかご呼び登録要求信号を生成する。エレベータ通信部２２０は、かご呼び登録要求信号をエレベータ制御装置１００へと送信する。そして、かご呼び登録要求信号をエレベータ制御装置１００が受信すると、かご呼び登録部１２０は、かご呼び登録要求信号が示す行先階へのかご呼びを割当かご、すなわち、自律移動体２０からの配車要求に応じて配車されたかご１０に対して登録する。

【0039】

連携制御装置２００の処理部２４０は、図３に示すように、通知部２４２をさらに備えている。通知部２４２は、エレベータ制御装置１００から送信された割当かご情報を自律移動体２０に通知する。すなわち、連携制御装置２００のエレベータ通信部２２０が割当かご情報を受信すると、通知部２４２は、自律移動体通信部２１０により割当かご情報を自律移動体２０に送信させる。また、エレベータ通信部２２０が受信した割当かご情報は、連携制御装置２００の記憶部２３０に記憶される。

【0040】

次に、以上のように構成されたエレベータシステムの動作の一例を、図４を参照しながら説明する。まず、ステップＳ１０において、自律移動体２０は、連携制御装置２００に配車要求信号を送信する。続くステップＳ１１において、連携制御装置２００の自律移動体通信部２１０が配車要求信号を受信すると、処理部２４０の呼び登録要求部２４１は、受信した配車要求信号が示す乗車階への乗場呼び登録要求信号を生成する。そして、エレベータ通信部２２０は、乗場呼び登録要求信号をエレベータ制御装置１００へと送信する。ステップＳ１１の後、エレベータシステムは次にステップＳ１２の処理を行う。

【0041】

ステップＳ１２において、乗場呼び登録要求信号をエレベータ制御装置１００が受信すると、乗場呼び登録部１１０は、乗場呼び登録要求信号が示す乗車階への乗場呼びを登録する。続いて、かご割当部１３０は、登録された乗場呼びに対する割当かごを決定する。そして、割当かご情報送信部１５０は、割当かご情報を連携制御装置２００へと送信する。

【0042】

続くステップＳ１３において、連携制御装置２００のエレベータ通信部２２０が割当かご情報を受信すると、記憶部２３０は、受信した割当かご情報を記憶する。また、通知部２４２は、自律移動体通信部２１０により割当かご情報を自律移動体２０に送信させる。そして、連携制御装置２００のエレベータ通信部２２０が割当かご情報を受信すると、呼び登録要求部２４１は、前述した配車要求信号が示す乗車階を行先階とするかご呼び登録要求信号を生成する。エレベータ通信部２２０は、かご呼び登録要求信号をエレベータ制御装置１００へと送信する。かご呼び登録要求信号をエレベータ制御装置１００が受信すると、かご呼び登録部１２０は、かご呼び登録要求信号が示す行先階へのかご呼びを割当かご、すなわち、自律移動体２０からの配車要求に応じて配車されたかご１０に対して登録する。ステップＳ１３の後、エレベータシステムは次にステップＳ１４の処理を行う。

【0043】

ステップＳ１４において、エレベータ制御装置１００が、例えば、かご１０の運行状況の変化等に応じて、自律移動体２０の配車要求に応じて登録された乗場呼びへの割当かごを変更した場合、エレベータシステムは次にステップＳ１５の処理を行う。ステップＳ１５においては、自律移動体２０の配車要求に応じて登録された乗場呼びに対して、割当変更後のかご１０が配車される。一方、ステップＳ１３で自律移動体２０に通知された割当かご、すなわち、割当変更前のかご１０も、同じくステップＳ１３で登録されたかご呼びに応答して、乗車階に配車される。したがって、ステップＳ１６で、自律移動体２０は、割当かご、すなわち、割当変更前のかご１０に乗車できる。また、ステップＳ１４において、エレベータ制御装置１００が自律移動体２０の配車要求に応じて登録された乗場呼びへの割当かごを変更しない場合も、ステップＳ１６に至り、自律移動体２０はかご１０に乗車できる。

【0044】

以上のように構成された連携制御装置２００を備えたエレベータシステムによれば、自律移動体２０からの要求により登録された乗場呼びに割り当てられたかご１０が変更された場合であっても、自律移動体２０の乗車階を行先階とするかご呼びを登録することで、自律移動体２０からの要求により登録された乗場呼びに当初に割り当てられたかご１０を、自律移動体２０の乗車階に配車することができる。このため、自律移動体２０は、連携制御装置２００から通知されたかご１０に乗車でき、自律移動体２０の動作効率の低下を抑制することが可能である。

【0045】

次に、この実施の形態に係るエレベータシステムの第１変形例について説明する。この実施の形態に係るエレベータシステムにおいては、エレベータ制御装置１００のかご割当部１３０は、例えば、かご１０の運行状況の変化等に応じて、登録された乗場呼びへの割当かごを変更することがあってもよい。第１変形例においては、割当かご情報送信部１５０は、登録された乗場呼びへの割当かごが変更されると、割当変更情報を送信する。特に、自律移動体２０からの配車要求に対して登録された乗場呼びに割り当てられたかご１０をかご割当部１３０が変更した場合に、割当かご情報送信部１５０は、連携制御装置２００に割当変更情報を送信する。

【0046】

この場合、通知部２４２は、エレベータ制御装置１００から送信された割当変更情報を自律移動体２０に通知する。すなわち、連携制御装置２００のエレベータ通信部２２０が割当変更情報を受信すると、通知部２４２は、自律移動体通信部２１０により割当変更情報を自律移動体２０に送信させる。また、エレベータ通信部２２０が受信した割当変更情報は、連携制御装置２００の記憶部２３０に記憶される。

【0047】

割当変更情報は、自律移動体２０からの配車要求に対して登録された乗場呼びに割り当てられた変更後のかご１０を特定する情報を含んでいてもよい。この場合、割当変更情報は、前述した割当かご情報であってもよい。前述したように、連携制御装置２００が以前に受信した割当かご情報は、記憶部２３０に記憶されている。このため、例えば処理部２４０において、今回受信した割当かご情報と、記憶部２３０に記憶されている割り当てかご情報とを比較することで、割当かごが変更されたか否かを判定できる。

【0048】

割当変更情報を受信した自律移動体２０は、割当変更情報により特定される、割当変更後のかご１０に乗車してもよいし、割当変更後のかご１０とは別のかご１０に乗車してもよい。自律移動体２０が割当変更後のかご１０に乗車する場合、連携制御装置２００の呼び登録要求部２４１は、割当変更情報により特定されるかご１０に対し、自律移動体２０の乗車階を行先階とするかご呼び登録要求をエレベータ制御装置１００に送信してもよい。この場合、呼び登録要求部２４１は、前述した配車要求信号が示す乗車階を行先階とするかご呼び登録要求信号を生成する。エレベータ通信部２２０は、かご呼び登録要求信号をエレベータ制御装置１００へと送信する。そして、かご呼び登録要求信号をエレベータ制御装置１００が受信すると、かご呼び登録部１２０は、かご呼び登録要求信号が示す行先階へのかご呼びを、割当変更後のかご１０に対して登録する。このようにすることで、割当変更後のかご１０を自律移動体２０の乗車階へと確実に配車できる。

【0049】

また、自律移動体２０が割当変更後のかご１０とは別のかご１０に乗車する場合、自律移動体２０が、割当変更後のかご１０とは別のかご１０の配車を要求する配車要求信号を連携制御装置２００に送信してもよい。この場合、連携制御装置２００が配車要求信号を受信すると、連携制御装置２００の呼び登録要求部２４１が、割当変更情報により特定されるかご１０とは別のかご１０に対する、自律移動体２０の乗車階への乗場呼び登録要求をエレベータ制御装置１００に送信する。あるいは、自律移動体２０が別のかご１０に対する配車要求信号を連携制御装置２００に送信することなく、連携制御装置２００の呼び登録要求部２４１が、割当変更情報により特定されるかご１０とは別のかご１０に対する、自律移動体２０の乗車階への乗場呼び登録要求をエレベータ制御装置１００に送信してもよい。

【0050】

次に、以上のように構成されたエレベータシステムの第１変形例の動作の一例を、図５を参照しながら説明する。まず、ステップＳ２０において、自律移動体２０は、連携制御装置２００に配車要求信号を送信する。続くステップＳ２１において、連携制御装置２００の自律移動体通信部２１０が配車要求信号を受信すると、処理部２４０の呼び登録要求部２４１は、受信した配車要求信号が示す乗車階への乗場呼び登録要求信号を生成する。そして、エレベータ通信部２２０は、乗場呼び登録要求信号をエレベータ制御装置１００へと送信する。ステップＳ２１の後、エレベータシステムは次にステップＳ２２の処理を行う。

【0051】

ステップＳ２２において、乗場呼び登録要求信号をエレベータ制御装置１００が受信すると、乗場呼び登録部１１０は、乗場呼び登録要求信号が示す乗車階への乗場呼びを登録する。続いて、かご割当部１３０は、登録された乗場呼びに対する割当かごを決定する。そして、割当かご情報送信部１５０は、割当かご情報を連携制御装置２００へと送信する。

【0052】

続くステップＳ２３において、連携制御装置２００のエレベータ通信部２２０が割当かご情報を受信すると、記憶部２３０は、受信した割当かご情報を記憶する。また、通知部２４２は、自律移動体通信部２１０により割当かご情報を自律移動体２０に送信させる。ステップＳ２３の後、エレベータシステムは次にステップＳ２４の処理を行う。

【0053】

ステップＳ２４において、エレベータ制御装置１００が、自律移動体２０の配車要求に応じて登録された乗場呼びへの割当かごを変更しない場合、自律移動体２０はかご１０に乗車できる（ステップＳ２５）。一方、エレベータ制御装置１００が、自律移動体２０の配車要求に応じて登録された乗場呼びへの割当かごを変更した場合、エレベータシステムは次にステップＳ２６の処理を行う。

【0054】

ステップＳ２６においては、割当かご情報送信部１５０は、割当変更情報として、割当変更後の割当かごを特定する割当かご情報を連携制御装置２００へと送信する。連携制御装置２００のエレベータ通信部２２０が割当変更情報を受信すると、処理部２４０は、今回受信した割当変更情報である割当かご情報と、記憶部２３０に記憶されている割り当てかご情報とを比較することで、割当かごの変更を検知する。そして、通知部２４２は、自律移動体通信部２１０により割当変更情報、すなわち、変更後を割当かご情報を自律移動体２０へと送信させる。ステップＳ２６の後、エレベータシステムは次にステップＳ２７の処理を行う。

【0055】

ステップＳ２７において、割当変更情報を受信した自律移動体２０は、割当変更情報により特定される、割当変更後のかご１０に乗車してもよいし、割当変更後のかご１０とは別のかご１０に乗車してもよい。自律移動体２０が割当変更後のかご１０とは別のかご１０に乗車する場合、ステップＳ２０に戻って処理を継続する。

【0056】

以上のように構成されたエレベータシステムの第１変形例によれば、自律移動体２０からの要求により登録された乗場呼びに割り当てられたかご１０が変更された場合であっても、割り当ての変更を自律移動体２０に通知することで、自律移動体２０は当初のかご１０を待ち続けることなく、割当変更後のかご１０に乗車したり、別のかご１０の配車要求をしたりすることができる。また、自律移動体２０の代わりに連携制御装置２００が別のかご１０の配車要求をしてもよい。このため、自律移動体２０は、連携制御装置２００から通知されたかご１０に乗車でき、自律移動体２０の動作効率の低下を抑制することが可能である。

【0057】

次に、この実施の形態に係るエレベータシステムの第２変形例について説明する。この第２変形例では、エレベータ制御装置１００は、図６に示すように、運転モード変更部１６０及び運転モード情報送信部１７０をさらに備えている。運転モード変更部１６０は、それぞれのかご１０の運転モードを変更する。かご１０の運転モードには、例えば、通常運転モード、専用運転モード、ＶＩＰ運転モード、点検運転モード等がある。通常運転モードは、通常の運転モードである。専用運転モードは、目的とする階床に直通運転し、他の階床には停止しない運転モードである。

【0058】

運転モード情報送信部１７０は、登録された乗場呼びに割り当てられたかご１０の運転モードを変更した場合に、運転モード変更通知を送信する。特に、自律移動体２０からの配車要求に対して登録された乗場呼びに割り当てられたかご１０の運転モードを運転モード変更部１６０が変更した場合に、運転モード情報送信部１７０は、連携制御装置２００に運転モード変更通知を送信する。

【0059】

この第２変形例では、連携制御装置２００の通知部２４２は、エレベータ制御装置１００から送信された運転モード変更通知を自律移動体２０に通知する。すなわち、連携制御装置２００のエレベータ通信部２２０が運転モード変更通知を受信すると、通知部２４２は、自律移動体通信部２１０により運転モード変更通知を自律移動体２０に送信させる。

【0060】

運転モード変更通知を受信した自律移動体２０は、運転モードが変更されたかご１０とは別のかご１０の配車を要求する配車要求信号を連携制御装置２００に送信してもよい。この場合、連携制御装置２００が配車要求信号を受信すると、連携制御装置２００の呼び登録要求部２４１が、運転モードが変更されたかご１０とは別のかご１０に対する、自律移動体２０の乗車階への乗場呼び登録要求をエレベータ制御装置１００に送信する。

【0061】

あるいは、自律移動体２０が別のかご１０に対する配車要求信号を連携制御装置２００に送信することなく、連携制御装置２００の呼び登録要求部２４１が、別のかご１０に対する、自律移動体２０の乗車階への乗場呼び登録要求をエレベータ制御装置１００に送信してもよい。この場合、運転モード変更通知は、変更後の運転モードを特定する情報を含むようにするとよい。呼び登録要求部２４１は、エレベータ通信部２２０が受信した運転モード変更通知により特定される変更後の運転モードを確認する。そして、変更後の運転モードが専用運転モード等の乗場呼びが取り消される可能性があるものであった場合は、呼び登録要求部２４１は、別のかご１０に対する乗場呼び登録要求をエレベータ制御装置１００に送信する。一方、変更後の運転モードが通常運転モード等の乗場呼びが取り消される可能性がないものであった場合は、呼び登録要求部２４１は、別のかご１０に対する乗場呼び登録要求をエレベータ制御装置１００に送信しない。なお、記憶部２３０は、運転モード変更通知により特定される運転モードの情報を記憶してもよい。

【0062】

次に、以上のように構成されたエレベータシステムの第２変形例の動作の一例を、図７を参照しながら説明する。まず、ステップＳ３０において、自律移動体２０は、連携制御装置２００に配車要求信号を送信する。続くステップＳ３１において、連携制御装置２００の自律移動体通信部２１０が配車要求信号を受信すると、処理部２４０の呼び登録要求部２４１は、受信した配車要求信号が示す乗車階への乗場呼び登録要求信号を生成する。そして、エレベータ通信部２２０は、乗場呼び登録要求信号をエレベータ制御装置１００へと送信する。ステップＳ３１の後、エレベータシステムは次にステップＳ３２の処理を行う。

【0063】

ステップＳ３２において、乗場呼び登録要求信号をエレベータ制御装置１００が受信すると、乗場呼び登録部１１０は、乗場呼び登録要求信号が示す乗車階への乗場呼びを登録する。続いて、かご割当部１３０は、登録された乗場呼びに対する割当かごを決定する。そして、割当かご情報送信部１５０は、割当かご情報を連携制御装置２００へと送信する。

【0064】

続くステップＳ３３において、連携制御装置２００のエレベータ通信部２２０が割当かご情報を受信すると、記憶部２３０は、受信した割当かご情報を記憶する。また、通知部２４２は、自律移動体通信部２１０により割当かご情報を自律移動体２０に送信させる。ステップＳ３３の後、エレベータシステムは次にステップＳ３４の処理を行う。

【0065】

ステップＳ３４において、エレベータ制御装置１００が、自律移動体２０の配車要求に応じて登録された乗場呼びへの割当かごの運転モードを変更しない場合、自律移動体２０はかご１０に乗車できる（ステップＳ３５）。一方、エレベータ制御装置１００が、自律移動体２０の配車要求に応じて登録された乗場呼びへの割当かごの運転モードを変更した場合、エレベータシステムは次にステップＳ３６の処理を行う。

【0066】

ステップＳ３６においては、運転モード情報送信部１７０は、割当変更情報として、変更後の運転モードを特定する情報を運転モード変更通知として連携制御装置２００へと送信する。連携制御装置２００のエレベータ通信部２２０が運転モード変更通知を受信すると、処理部２４０は、今回受信した運転モード変更通知により特定される運転モードと、記憶部２３０に記憶されている運転モードとを比較することで、運転モードの変更を検知する。そして、通知部２４２は、自律移動体通信部２１０により運転モード変更通知を自律移動体２０へと送信させる。ステップＳ３６の後、エレベータシステムは次にステップＳ３７の処理を行う。

【0067】

ステップＳ３７において、運転モード変更通知を受信した自律移動体２０は、ステップＳ３０に戻って、別のかご１０の配車要求を行ってもよい。あるいは、連携制御装置２００の呼び登録要求部２４１が、別のかご１０に対する乗場呼び登録要求をエレベータ制御装置１００に送信してもよい。

【0068】

以上のように構成されたエレベータシステムの第２変形例によれば、自律移動体２０からの要求により登録された乗場呼びに割り当てられたかご１０の運転モードが変更された場合であっても、運転モードの変更を自律移動体２０に通知することで、自律移動体２０は当初のかご１０を待ち続けることなく、別のかご１０の配車要求をすることができる。また、自律移動体２０の代わりに連携制御装置２００が別のかご１０の配車要求をしてもよい。このため、自律移動体２０は、連携制御装置２００から通知されたかご１０に乗車でき、自律移動体２０の動作効率の低下を抑制することが可能である。

【0069】

図８は、この実施の形態における連携制御装置２００及びエレベータ制御装置１００のそれぞれの機能を実現する構成の一例を示す図である。連携制御装置２００及びエレベータ制御装置１００のそれぞれの機能は、例えば、処理回路により実現される。処理回路は、プロセッサ１及びメモリ２を備えていてもよい。処理回路は、専用ハードウェア３であってもよい。処理回路の一部が専用ハードウェア３として形成され、かつ、当該処理回路はさらにプロセッサ１及びメモリ２を備えていてもよい。同図に示す例においては、処理回路の一部は専用ハードウェア３として形成されている。また、同図に示す例において、処理回路は、プロセッサ１及びメモリ２をさらに備えている。

【0070】

一部が少なくとも１つの専用ハードウェア３である処理回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ＡＳＩＣ、ＦＰＧＡ、又はこれらを組み合わせたものが該当する。処理回路が少なくとも１つのプロセッサ１及び少なくとも１つのメモリ２を備える場合、連携制御装置２００及びエレベータ制御装置１００のそれぞれの機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。

【0071】

ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ２に格納される。プロセッサ１は、メモリ２に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。プロセッサ１は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはＤＳＰともいう。メモリ２には、例えば、ＲＡＭ、ＲＯＭ、フラッシュメモリー、ＥＰＲＯＭ及びＥＥＰＲＯＭ等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、又は磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びＤＶＤ等が該当する。

【0072】

このようにして、連携制御装置２００及びエレベータ制御装置１００のそれぞれの処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、連携制御装置２００及びエレベータ制御装置１００のそれぞれの各機能を実現することができる。連携制御装置２００及びエレベータ制御装置１００のそれぞれの処理回路が少なくともプロセッサ１及びメモリ２を備える場合、連携制御装置２００及びエレベータ制御装置１００のそれぞれにおいてメモリ２に記憶されたプログラムをプロセッサ１が実行し、連携制御装置２００及びエレベータ制御装置１００のそれぞれのハードウェアとソフトウェアとが協働することによって、連携制御装置２００及びエレベータ制御装置１００のそれぞれが備える各部の機能が実現される。

【0073】

また、この実施の形態に係るエレベータ連携制御方法は、エレベータ制御装置１００と通信可能に設けられた連携制御装置２００のコンピュータにより実行される。そして、この実施の形態に係るエレベータ連携制御方法は、これまでの説明から明らかなように、少なくとも、第１呼び登録要求ステップと、第２呼び登録要求ステップとを備えている。第１呼び登録要求ステップでは、連携制御装置２００は、自律移動体２０からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求をエレベータ制御装置１００に送信する。エレベータ制御装置１００は、乗場呼び登録要求に応じて乗車階への乗場呼びを登録し、登録した乗場呼びに対してかご１０を配車する。第２呼び登録要求ステップでは、連携制御装置２００は、乗場呼びに対して配車されたかご１０に対し、乗車階を行先階とするかご呼び登録要求をエレベータ制御装置１００に送信する。そして、エレベータ制御装置１００は、かご呼び登録要求に応じて、行先階へのかご呼びを登録する。

【0074】

あるいは、この実施の形態に係るエレベータ連携制御方法は、これまでの説明から明らかなように、少なくとも、呼び登録要求ステップと、第１通知ステップと、第２通知ステップとを備えていてもよい。呼び登録要求ステップでは、連携制御装置２００は、自律移動体２０からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求をエレベータ制御装置１００に送信する。エレベータ制御装置１００は、乗場呼び登録要求に応じて乗車階への乗場呼びを登録し、登録した乗場呼びに対して複数のかご１０のうちからかご１０を割り当て、乗場呼びに割り当てられたかご１０を特定する割当かご情報を連携制御祖装置０へと送信する。第１通知ステップでは、連携制御装置２００は、エレベータ制御装置１００から送信された割当かご情報を自律移動体２０に通知する。エレベータ制御装置１００は、乗場呼びに割り当てられたかご１０を変更した場合に、割当変更情報を連携制御装置２００へと送信する。第２通知ステップでは、連携制御装置２００は、エレベータ制御装置１００から送信された割当変更情報を自律移動体２０に通知する。

【0075】

あるいは、この実施の形態に係るエレベータ連携制御方法は、これまでの説明から明らかなように、少なくとも、呼び登録要求ステップと、第１通知ステップと、第２通知ステップとを備えていてもよい。呼び登録要求ステップでは、連携制御装置２００は、自律移動体２０からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求をエレベータ制御装置１００に送信する。エレベータ制御装置１００は、乗場呼び登録要求に応じて乗車階への乗場呼びを登録し、登録した乗場呼びに対して複数のかご１０のうちからかご１０を割り当て、乗場呼びに割り当てられたかご１０を特定する割当かご情報を連携制御装置２００へと送信する。第１通知ステップでは、連携制御装置２００は、エレベータ制御装置１００から送信された割当かご情報を自律移動体２０に通知する。エレベータ制御装置１００は、乗場呼びに割り当てられたかご１０の運転モードを変更した場合に、運転モード変更通知を連携制御装置２００へと送信する。第２通知ステップでは、連携制御装置２００は、エレベータ制御装置１００から送信された運転モード変更通知を自律移動体２０に通知する。

【0076】

この実施の形態に係るエレベータ連携制御プログラムは、上述したエレベータ連携制御方法を、連携制御装置２００のコンピュータに実行させるためのものである。また、この実施の形態に係る記憶媒体は、このようなエレベータ連携制御プログラムを記憶している。

【0077】

なお、本開示においては、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態を任意に組み合わせてもよい。

【符号の説明】

【0078】

１ プロセッサ
２ メモリ
３ 専用ハードウェア
１０ かご
２０ 自律移動体
１００ エレベータ制御装置
１１０ 乗場呼び登録部
１２０ かご呼び登録部
１３０ かご割当部
１４０ かご制御部
１５０ 割当かご情報送信部
１６０ 運転モード変更部
１７０ 運転モード情報送信部
２００ 連携制御装置
２１０ 自律移動体通信部
２２０ エレベータ通信部
２３０ 記憶部
２４０ 処理部
２４１ 呼び登録要求部
２４２ 通知部
２５０ 戸開閉制御部
３００ 中継器

【要約】

【課題】呼びに割り当てられたかごが変更等されても自律移動体の動作効率の低下を抑制できるエレベータ連携制御装置等を提供する。
【解決手段】連携制御装置２００は、自律移動体２０からの配車要求に応じて、乗車階への乗場呼び登録要求をエレベータ制御装置１００に送信する呼び登録要求部２４１を備える。エレベータ制御装置１００は、乗場呼び登録要求に応じて乗車階への乗場呼びを登録し、登録した乗場呼びに対してかご１０を配車する。呼び登録要求部２４１は、乗場呼びに対して配車されたかご１０に対し、乗車階を行先階とするかご呼び登録要求をエレベータ制御装置１００に送信する。エレベータ制御装置１００は、かご呼び登録要求に応じて、行先階へのかご呼びを登録する。
【選択図】図１

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】