(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】通報システム
(51)【国際特許分類】
B66B 3/00 20060101AFI20240925BHJP
B66B 1/14 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B66B3/00 L
B66B3/00 F
B66B3/00 G
B66B1/14 F
(21)【出願番号】P 2023172532
(22)【出願日】2023-10-04
【審査請求日】2023-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 豪
(72)【発明者】
【氏名】小村 章
【審査官】山田 拓実
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-059607(JP,A)
【文献】特開2010-184774(JP,A)
【文献】特開2011-236036(JP,A)
【文献】特開2009-091052(JP,A)
【文献】特開2005-154092(JP,A)
【文献】特開2004-149287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00-5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの乗りかご内の画像を取得し、その画像に基づいて当該乗りかご内で利用者が倒れたか否かを判断し、倒れたと判断した場合に、当該エレベータを特定するエレベータ情報を出力するAIカメラと、
前記エレベータ情報を前記AIカメラから受信した場合、当該エレベータ情報で特定されるエレベータの設置場所を示した位置情報を取得し、その位置情報と共に、倒れた利用者がいることを消防局へ通報する通報処理部と、
を備える、通報システム
であり、
対象者ごとに、その対象者の顔情報及び持病情報が互いに対応付けられている情報管理データ、を更に備え、
前記AIカメラは、前記乗りかご内で利用者が倒れたと判断した場合には、前記エレベータ情報と共に、倒れた利用者の顔情報を出力し、
前記通報処理部は、倒れた利用者についての前記顔情報及び前記エレベータ情報を前記AIカメラから受信した場合において、当該顔情報が前記情報管理データ内の顔情報の何れかと合致した場合には、消防局への通報に加えて、その顔情報に対応付けられている前記持病情報を前記消防局へ送信する、通報システム。
【請求項2】
前記情報管理データでは、各対象者の顔情報に連絡先が更に対応付けられており、
前記通報処理部は、倒れた利用者についての前記顔情報及び前記エレベータ情報を前記AIカメラから受信した場合において、当該顔情報が前記情報管理データ内の顔情報の何れかと合致した場合には、更に、当該顔情報に対応付けられている前記連絡先へ、その利用者が倒れたことを通報する、請求項
1に記載の通報システム。
【請求項3】
エレベータの乗りかご内の画像を取得し、その画像に基づいて当該乗りかご内で利用者が倒れたか否かを判断し、倒れたと判断した場合に、当該エレベータを特定するエレベータ情報を出力するAIカメラと、
前記エレベータ情報を前記AIカメラから受信した場合、当該エレベータ情報で特定されるエレベータの設置場所を示した位置情報を取得し、その位置情報と共に、倒れた利用者がいることを消防局へ通報する通報処理部と、
を備え、
前記AIカメラは、前記乗りかご内で利用者が倒れたと判断した場合、更に、当該乗りかご内に同乗者がいるか否かを判断し、同乗者がいると判断した場合には、前記エレベータ情報と共に、同乗者がいることを知らせる同乗者信号を出力し、
前記通報処理部は、前記エレベータ情報と共に前記同乗者信号を前記AIカメラから受信した場合には、当該エレベータ情報で特定されるエレベータに対し、倒れた利用者の救助を、前記乗りかご内に設置されているスピーカ又はモニタを通じて前記同乗者に依頼するように指令する
、通報システム。
【請求項4】
エレベータの乗りかご内の画像を取得し、その画像に基づいて当該乗りかご内で利用者が倒れたか否かを判断し、倒れたと判断した場合に、当該エレベータを特定するエレベータ情報を出力するAIカメラと、
前記エレベータ情報を前記AIカメラから受信した場合、当該エレベータ情報で特定されるエレベータの設置場所を示した位置情報を取得し、その位置情報と共に、倒れた利用者がいることを消防局へ通報する通報処理部と、
を備え、
前記AIカメラは、前記乗りかご内で利用者が倒れたと判断した場合、更に、当該乗りかご内に同乗者がいるか否かを判断し、同乗者がいると判断した場合には、前記エレベータ情報と共に、同乗者がいることを知らせる同乗者信号を出力し、
前記通報処理部は、
前記エレベータ情報を前記AIカメラから受信する一方で、前記同乗者信号を受信しなかった場合において、当該エレベータ情報で特定されるエレベータにて乗場呼びが発生している場合には、そのエレベータに対し、倒れた利用者が乗車している前記乗りかごが当該乗場呼びに応答するように指令し、
更に、当該エレベータに対して、倒れた利用者が乗車している前記乗りかごが前記乗場呼びに応答して当該乗場呼びの発生階に到着した場合に、倒れた利用者の救助を、前記乗りかご内に設置されているスピーカ又はモニタを通じて、当該発生階の乗場にいる利用者に依頼するように指令する
、通報システム。
【請求項5】
前記通報処理部は、更に、前記エレベータに対して、前記発生階への前記乗りかごの到着後に、続けて、救急隊が到着する階へ当該乗りかごを移動させるように指令する、請求項
4に記載の通報システム。
【請求項6】
対象者ごとに、その対象者の顔情報及び持病情報が互いに対応付けられている情報管理データ、を更に備え、
前記AIカメラは、前記乗りかご内で利用者が倒れたと判断した場合には、前記エレベータ情報と共に、倒れた利用者の顔情報を出力し、
前記通報処理部は、倒れた利用者についての前記顔情報及び前記エレベータ情報を前記AIカメラから受信した場合において、当該顔情報が前記情報管理データ内の顔情報の何れかと合致した場合には、消防局への通報に加えて、その顔情報に対応付けられている前記持病情報を前記消防局へ送信する、請求項3~5の何れかに記載の通報システム。
【請求項7】
前記情報管理データでは、各対象者の顔情報に連絡先が更に対応付けられており、
前記通報処理部は、倒れた利用者についての前記顔情報及び前記エレベータ情報を前記AIカメラから受信した場合において、当該顔情報が前記情報管理データ内の顔情報の何れかと合致した場合には、更に、当該顔情報に対応付けられている前記連絡先へ、その利用者が倒れたことを通報する、請求項6に記載の通報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータに適用可能な通報技術に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの乗りかご内には、監視センタへの通報が可能となるように、非常呼びボタン(インターホンなど)が設けられている(例えば、特許文献1参照)。従って、利用者は、エレベータが緊急停止して乗りかご内に閉じ込められてしまった場合など、緊急時には、非常呼びボタンを用いて監視センタへ通報することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、乗りかご内では、利用者が、急な体調の悪化によって非常呼びボタンを押せずに倒れてしまうことがある。そのような緊急時の場合には、同乗者がいなかったとすると、倒れた利用者は、倒れたままの状態で乗りかご内に放置されるおそれがある。そのような状況は、特に持病のある利用者において起こりやすいと考えられる。
【0005】
そこで本発明の目的は、エレベータの乗りかご内で利用者が倒れた場合に同乗者がいなくても、その利用者を即座に救急搬送できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る通報システムは、AIカメラと、通報処理部と、を備える。AIカメラは、エレベータの乗りかご内の画像を取得し、その画像に基づいて当該乗りかご内で利用者が倒れたか否かを判断し、倒れたと判断した場合に、当該エレベータを特定するエレベータ情報を出力する。通報処理部は、エレベータ情報をAIカメラから受信した場合、当該エレベータ情報で特定されるエレベータの設置場所を示した位置情報を取得し、その位置情報と共に、倒れた利用者がいることを消防局へ通報する(態様1)。
【0007】
上記態様1によれば、従来であれば乗りかご内で倒れた利用者が放置されてしまうような場合であっても、即座に、その利用者が倒れたことをAIカメラで検出して消防局に通報すると共に、利用者が倒れた場所(エレベータの設置場所)を消防局に伝えることが可能になる。
【0008】
上記態様1に係る通報システムは、情報管理データを更に備えていてもよい(態様2)。情報管理データには、対象者ごとに、その対象者の顔情報及び持病情報が互いに対応付けられた状態で保存される。この態様2において、AIカメラは、乗りかご内で利用者が倒れたと判断した場合には、エレベータ情報と共に、倒れた利用者の顔情報を出力してもよい。そして、通報処理部は、倒れた利用者についての顔情報及びエレベータ情報をAIカメラから受信した場合において、当該顔情報が情報管理データ内の顔情報の何れかと合致した場合には、消防局への通報に加えて、その顔情報に対応付けられている持病情報を消防局へ送信してもよい。
【0009】
上記態様2によれば、対象者の顔情報及び持病情報を情報管理データに登録しておくことにより、倒れた利用者が対象者であった場合には、消防局への通報に加えて、その利用者の持病情報を消防局に提供することが可能になる。これにより、消防局は、救急隊が現場(倒れた利用者が利用していたエレベータの設置場所)へ向けて出発する前又は現場へ向かっている途中に、倒れた利用者の持病情報を救急隊に伝えることができるようになる。その結果として、救急隊は、現場に到着するまでに、倒れた利用者の状態を予測して救助活動の準備を進めることが可能になる。
【0010】
上記態様1又は2に係る通報システムは、次のような構成を備えていてもよい(態様3)。具体的には、情報管理データにおいて、各対象者の顔情報に連絡先が更に対応付けられていてもよい。そして、通報処理部は、倒れた利用者についての顔情報及びエレベータ情報をAIカメラから受信した場合において、当該顔情報が情報管理データ内の顔情報の何れかと合致した場合には、更に、当該顔情報に対応付けられている連絡先へ、その利用者が倒れたことを通報してもよい。
【0011】
上記態様3によれば、対象者の顔情報と共に更に連絡先を情報管理データに登録しておくことにより、各対象者が乗りかご内で倒れた場合に、その対象者が倒れたことを連絡先の関係者(対象者の家族など)に連絡することが可能になる。従って、関係者は、対象者が倒れたことを即座に知ることができるようになる。
【0012】
上記態様1~3の何れかに係る通報システムは、次のような構成を備えていてもよい(態様4)。具体的には、AIカメラは、乗りかご内で利用者が倒れたと判断した場合、更に、当該乗りかご内に同乗者がいるか否かを判断し、同乗者がいると判断した場合には、エレベータ情報と共に、同乗者がいることを知らせる同乗者信号を出力してもよい。そして、通報処理部は、エレベータ情報と共に同乗者信号をAIカメラから受信した場合には、当該エレベータ情報で特定されるエレベータに対し、倒れた利用者の救助を、乗りかご内に設置されているスピーカ又はモニタを通じて同乗者に依頼するように指令してもよい。
【0013】
上記態様4によれば、乗りかご内で利用者が倒れた場合において、その乗りかご内に同乗者がいた場合には、即座に、当該同乗者をAIカメラで検出し、その同乗者に救助を依頼することが可能になる。従って、救急隊が到着するまでの間も、同乗者の助けを借りて、倒れた利用者の救助(救命措置など)を行うことが可能になる。
【0014】
上記態様1~4の何れかに係る通報システムにおいて、通報処理部は、エレベータ情報をAIカメラから受信した場合、当該エレベータ情報で特定されるエレベータに対し、救急隊が到着する階へ当該乗りかごを移動させるように指令してもよい(態様5)。
【0015】
上記態様5によれば、エレベータが設置されている建物内での救急隊の移動時間を縮めることができ、その結果として、倒れた利用者のところに救急隊が到着するまでの時間をできるだけ短くすることが可能になる。
【0016】
上記態様1~3の何れかに係る通報システムは、次のような構成を備えていてもよい(態様6)。具体的には、AIカメラは、乗りかご内で利用者が倒れたと判断した場合、更に、当該乗りかご内に同乗者がいるか否かを判断し、同乗者がいると判断した場合には、エレベータ情報と共に、同乗者がいることを知らせる同乗者信号を出力してもよい。そして、通報処理部は、エレベータ情報をAIカメラから受信する一方で、同乗者信号を受信しなかった場合において、当該エレベータ情報で特定されるエレベータにて乗場呼びが発生している場合には、そのエレベータに対し、倒れた利用者が乗車している乗りかごが当該乗場呼びに応答するように指令してもよい。通報処理部は、更に、当該エレベータに対して、倒れた利用者が乗車している乗りかごが上記乗場呼びに応答して当該乗場呼びの発生階に到着した場合に、倒れた利用者の救助を、乗りかご内に設置されているスピーカ又はモニタを通じて、当該発生階の乗場にいる利用者に依頼するように指令してもよい。この態様6の構成は、上記態様4の構成と組み合わせて用いられてもよい。
【0017】
上記態様6によれば、乗りかご内で利用者が倒れた場合に同乗者がいなかったとしても、乗場呼びの発生階の乗場にいる利用者に救助を依頼することが可能になる。従って、救急隊が到着するまでの間も、エレベータの他の利用者の助けを借りて、倒れた利用者の救助(救命措置など)を行うことが可能になる。
【0018】
上記態様6に係る通報システムにおいて、通報処理部は、更に、エレベータに対して、上記発生階への乗りかごの到着後に、続けて、救急隊が到着する階へ当該乗りかごを移動させるように指令してもよい(態様7)。
【0019】
上記態様7によれば、エレベータが設置されている建物内での救急隊の移動時間を縮めることができ、その結果として、倒れた利用者のところに救急隊が到着するまでの時間をできるだけ短くすることが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、エレベータの乗りかご内で利用者が倒れた場合に同乗者がいなくても、その利用者を即座に救急搬送できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態に係る通報システムが適用されたエレベータを例示した概念図である。
【
図2】実施形態で用いられる(A)情報管理データ及び(B)エレベータ管理データをそれぞれ例示した概念図である。
【
図3】実施形態にて実行される通報処理を示したフローチャートである。
【
図4】第1変形例で用いられる情報管理データを例示した概念図である。
【
図5】第1変形例にて実行される通報処理を示したフローチャートである。
【
図6】第4変形例に係る通報システムが適用されたエレベータを例示した概念図である。
【
図7】第4変形例にて実行される通報処理を示したフローチャートである。
【
図8】第5変形例にて実行される通報処理を示したフローチャートである。
【
図9】第6変形例にて実行される通報処理を示したフローチャートである。
【
図10】第7変形例にて実行される通報処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[1]実施形態
図1は、実施形態に係る通報システムが適用されたエレベータ1を例示した概念図である。この図に示されるように、エレベータ1の乗りかごG内には、通常、エレベータ1から監視センタ2への通報が可能となるように、非常呼びボタン11が設けられている。また、エレベータ1と監視センタ2とは、それらの間の情報通信(通話を含む)が可能となるようにネットワークを介して互いに接続される。
【0023】
従って、利用者は、エレベータ1が緊急停止して乗りかごG内に閉じ込められてしまった場合など、緊急時には、非常呼びボタン11を用いて監視センタ2へ通報することができる。一方、乗りかごG内では、利用者が、急な体調の悪化によって非常呼びボタン11を押せずに倒れてしまうことがある。そのような緊急時の場合には、同乗者がいなかったとすると、倒れた利用者は、倒れたままの状態で乗りかごG内に放置されるおそれがある。そのような状況は、特に持病のある利用者において起こりやすいと考えられる。
【0024】
そこで本実施形態では、乗りかごG内で利用者が倒れた場合に同乗者がいなくても、その利用者を即座に救急搬送できるようにするべく、それを可能にするための通報システムが、エレベータ1の乗りかごG内に設置されるAIカメラ12と、監視センタ2に設置される制御装置20と、によって構成されている(
図1参照)。
【0025】
AIカメラ12は、AI(人工知能)が搭載されたカメラである。本実施形態では、このAIカメラ12は、エレベータ1の乗りかごG内の画像を取得し、その画像をAIで解析することにより(換言すれば、AIを用いた画像認識により)、当該乗りかごG内で利用者が倒れたか否かを判断できる。そして、AIカメラ12は、AIによる画像解析の結果として「利用者が倒れた」と判断した場合には、その利用者が利用していたエレベータ1を特定するエレベータ情報Pe(エレベータ1を識別するIDなど)を出力する。
【0026】
更に、AIカメラ12は、「利用者が倒れた」と判断した場合には、エレベータ情報Peと共に、倒れた利用者の顔情報Pfを出力する。具体的には、AIカメラ12は、乗りかごG内の画像をAIで解析することにより、乗りかごG内の各利用者の顔情報Pf(顔特徴量など)を抽出しつつ(換言すれば、AIを用いた画像認識によって各利用者の顔を認識しつつ)、「利用者が倒れた」と判断した場合には、倒れた利用者の顔情報Pfを抽出して出力する。
【0027】
AIカメラ12が出力したエレベータ情報Pe及び顔情報Pfは、後述する監視センタ2の制御装置20が行う制御処理(具体的には通報処理)に用いられる。そのため、それらの情報は、エレベータ1の制御装置10を通じて監視センタ2へ送信される。尚、制御装置10は、AIカメラ12が備える一部の機能を担っていてもよく、例えば、「利用者が倒れた」とAIカメラ12が判断した場合には、制御装置10が、AIカメラ12に代わってエレベータ情報Peの出力(監視センタ2への送信を含む)を行ってもよい。
【0028】
制御装置20は、記憶部21と制御部22とを備える(
図1参照)。ここで、記憶部21は、ROMやRAMなどの記憶デバイスで構成される部分である。制御部22は、CPUやMPUなどの処理デバイスで構成される部分である。
【0029】
記憶部21には、情報管理データDpとエレベータ管理データDrとが保存される。
図2(A)及び
図2(B)は、本実施形態で用いられる情報管理データDp及びエレベータ管理データDrをそれぞれ例示した概念図である。
【0030】
情報管理データDp(
図2(A)参照)には、対象者ごとに、その対象者の顔情報Pf及び持病情報Pgが互いに対応付けられた状態で保存される。具体的には、対象者自身又はその関係者(対象者の家族など)が、その対象者の顔情報Pf及び持病情報Pgを事前に登録することにより、それらの情報が、互いに対応付けられた状態で情報管理データDp内に保存される。ここで、持病情報Pgとは、対象者が倒れたときにその原因になり得る病気や症候群などの情報(病名など)である。尚、
図2(A)の例では、対象者を特定する情報として、当該対象者の氏名、性別、及び年齢が、事前登録によって顔情報Pf及び持病情報Pgと共に情報管理データDpに保存される場合が示されている。
【0031】
このような情報管理データDpは、監視対象であるエレベータ1ごとに記憶部21に保存しておく必要がなく、それらのエレベータ1に共通の1つのデータとして記憶部21に保存しておくことができる。
【0032】
エレベータ管理データDr(
図2(B)参照)には、監視対象であるエレベータ1ごとに、当該エレベータ1のエレベータ情報Pe及び位置情報Pkが互いに対応付けられた状態で保存される。ここで、各エレベータ1の位置情報Pkは、そのエレベータ1の設置場所を示す住所や地図上の位置などの情報である。そして、この位置情報Pkは、以下に説明する通報処理(
図3参照)において、乗りかごG内で利用者が倒れたことを消防局3に通報するときに、その利用者が倒れた場所を消防局3に伝えるために用いられる。
【0033】
制御部22は、制御処理の1つとして次のような通報処理を行う。具体的には、制御部22は、AIカメラ12が出力したエレベータ情報Pe及び顔情報Pfを受信した場合、当該エレベータ情報Peで特定されるエレベータ1の位置情報Pkを取得し、その位置情報Pkと共に、倒れた利用者がいることを消防局3へ通報する。また、制御部22は、受信した顔情報Pfが情報管理データDp内の顔情報Pfの何れかと合致した場合には、消防局3への通報に加えて、当該情報管理データDpにて当該顔情報Pfに対応付けられている持病情報Pgを消防局3へ送信する。尚、通報処理の詳細については後述する。
【0034】
本実施形態では、通報処理は、制御部22内に構築された通報処理部220によって実行される(
図1参照)。具体的には、この処理部は、制御部22にプログラムを実行させることによってソフトウェアで構成される。そして、そのようなプログラムは、携帯可能な記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ等)に読取可能な状態で保存され、当該記憶媒体から読み出されてインストールされたものが制御装置20の記憶部21に保存されてもよいし、他のサーバなどにダウンロード可能に保存され、当該サーバからダウンロードされてインストールされたものが記憶部21に保存されてもよい。尚、上述した通報処理部220は、制御装置20内に回路を構築することによってハードウェアで構成されてもよい。
【0035】
図3は、本実施形態において監視センタ2の制御装置20が実行する通報処理を示したフローチャートである。この通報処理は、AIカメラ12が出力したエレベータ情報Pe及び顔情報Pfを監視センタ2の制御装置20が受信した場合に開始される。以下では、これらの情報を纏めて「受信情報Pr」と呼ぶことにする。
【0036】
通報処理が開始されると、制御装置20は、受信情報Pr内のエレベータ情報Peを用いて、そのエレベータ情報Peで特定されるエレベータ1の位置情報Pkを取得する(ステップS11)。具体的には、制御装置20は、エレベータ管理データDrから、受信情報Pr内のエレベータ情報Peに対応付けられている位置情報Pkを抽出する。
【0037】
次に、制御装置20は、ステップS11で抽出した位置情報Pkと共に、倒れた利用者がいることを消防局3へ通報する(ステップS12)。消防局3は、制御装置20から通報を受けた場合、その通報時に伝えられた位置情報Pkが示す場所へ救急隊を直行させる。
【0038】
このようなAIカメラ12を用いた通報処理によれば、従来であれば乗りかごG内で倒れた利用者が放置されてしまうような場合であっても、即座に、その利用者が倒れたことをAIカメラ12で検出して消防局3に通報すると共に、利用者が倒れた場所(エレベータ1の設置場所)を消防局3に伝えることが可能になる。よって、エレベータ1の乗りかごG内で利用者が倒れた場合に同乗者がいなくても、その利用者を即座に救急搬送できるようになる。
【0039】
ステップS12の後、制御装置20は、乗りかごG内で倒れた利用者が情報管理データDpへの事前登録済みの対象者であるか否かを判断するべく、受信情報Pr内の顔情報Pfを情報管理データDp内の顔情報Pfと照合する(ステップS13)。具体的には、制御装置20は、情報管理データDp内の顔情報Pfの中に、受信情報Pr内の顔情報Pfと合致するものがあるか否かを判断する。
【0040】
制御装置20は、ステップS13での照合において「合致あり」と判断した場合には、その照合の結果を以て、倒れた利用者は事前登録済みの対象者であると判断できる。その場合、制御装置20は、情報管理データDpから、倒れた利用者の顔情報Pfに対応付けられている持病情報Pgを抽出する(ステップS14)。このとき、制御装置20は、利用者の持病情報Pgと共に、その利用者を特定する情報(氏名、性別、年齢)を抽出してもよい。
【0041】
その後、制御装置20は、ステップS14で抽出した持病情報Pgを消防局3へ送信する(ステップS15)。このとき、制御装置20は、その持病情報Pgが誰のものであるのかを消防局3が認識できるように、持病情報Pgと共に、その持病情報Pgが誰のものであるのかを特定する情報(氏名、性別、年齢)を消防局3へ送信してもよい。
【0042】
一方、制御装置20は、ステップS13での照合において「合致なし」と判断した場合には、その照合の結果を以て、倒れた利用者は事前登録済みの対象者でないと判断できる。その場合、制御装置20は、上述したステップS14及びS15を行うことなく通報処理を終了させる。
【0043】
このような通報処理によれば、対象者の顔情報Pf及び持病情報Pgを情報管理データDpに登録しておくことにより、倒れた利用者が対象者であった場合には、消防局3への通報に加えて、その利用者の持病情報Pgを消防局3に提供することが可能になる。これにより、消防局3は、救急隊が現場(倒れた利用者が利用していたエレベータ1の設置場所)へ向けて出発する前又は現場へ向かっている途中に、倒れた利用者の持病情報Pgを救急隊に伝えることができるようになる。その結果として、救急隊は、現場に到着するまでに、倒れた利用者の状態を予測して救助活動の準備を進めることが可能になる。
【0044】
[2]変形例
[2-1]第1変形例
図4は、第1変形例で用いられる情報管理データDpを例示した概念図である。ここで、第1変形例は、上述した実施形態の変形例である。本変形例では、情報管理データDpにおいて、各対象者の顔情報Pfに、対象者自身又はその関係者が事前登録した連絡先Phが更に対応付けられる。ここで、関係者とは、対象者の状況(ここでは主に倒れたこと)を知る必要があるといった関係性を持った者であり、例えば、対象者を管理している管理者(お年寄りの家族、老人ホーム、介護施設など)である。そして、対象者ごとに情報管理データDpに保存される連絡先Phは、そのような関係者の連絡先であり、対象者が乗りかごG内で倒れた場合に、倒れたことを当該関係者へ通報するために用いられる。
【0045】
図4の例では、連絡先Phとして、関係者のE-mailアドレス(関係者が所持するスマートホンなどで受信できるE-mailアドレスなど)が登録された場合が示されている。尚、連絡先Phは、関係者へ連絡できるものであれば、E-mailアドレスに限らず、電話番号やSNSのアカウントなどであってもよい。
【0046】
図5は、第1変形例において監視センタ2の制御装置20が実行する通報処理を示したフローチャートである。本変形例では、制御装置20は、ステップS15の後、情報管理データDpから、倒れた利用者の顔情報Pfに対応付けられている連絡先Phを抽出する(ステップS16)。尚、ステップS16での連絡先Phの抽出は、ステップS14において制御装置20が持病情報Pgを抽出するときに一緒に行われてもよい。
【0047】
その後、制御装置20は、ステップS16で抽出した関係者の連絡先Phへ、対象者が倒れたことを通報する(ステップS17)。このとき、制御装置20は、その対象者が誰であるのかを関係者が明確に認識できるように、倒れた対象者を特定できる情報(氏名、性別、年齢)を連絡先Phへ送信してもよい。また、制御装置20は、その対象者がどこで倒れたのかを関係者が認識できるように、ステップS11で取得した位置情報Pkを連絡先Phへ送信してもよい。
【0048】
第1変形例によれば、対象者の顔情報Pfと共に更に連絡先Phを情報管理データDpに事前登録しておくことにより、各対象者が乗りかごG内で倒れた場合に、その対象者が倒れたことを連絡先Phの関係者(対象者の家族など)に連絡することが可能になる。従って、関係者は、対象者が倒れたことを即座に知ることができるようになる。
【0049】
[2-2]第2変形例
上述した実施形態(
図3参照)又は第1変形例(
図5参照)において、消防局3への通報(ステップS12)は、制御装置20が消防局3への持病情報Pgの送信(ステップS15)を行うタイミングで一緒に行われてもよい。
【0050】
[2-3]第3変形例
上述した実施形態において、通報システムは、情報管理データDpを持たないものに適宜変更されてもよい。換言すれば、通報システムは、乗りかごG内で「利用者が倒れた」とAIカメラ12が判断した場合に、倒れた利用者がいることを位置情報Pkと共に消防局3へ通報することだけを行うものに変更されてもよい。
【0051】
[2-4]第4変形例
図6は、第4変形例に係る通報システムが適用されたエレベータ1を例示した概念図である。ここで、第4変形例は、上述した実施形態の変形例である。本変形例では、乗りかごG内に、スピーカ13及びモニタ14が設置されている。そして、本変形例の通報システムは、乗りかごG内で利用者が倒れた場合において、その乗りかごG内に同乗者がいた場合に、倒れた利用者の救助を、スピーカ13又はモニタ14を通じて同乗者に依頼できるように構成される。以下、具体的に説明する。
【0052】
AIカメラ12は、乗りかごG内で「利用者が倒れた」と判断した場合、更に、乗りかごG内の画像をAIで解析することにより(換言すれば、AIを用いた画像認識により)、当該乗りかごG内に同乗者がいるか否かを判断できる。そして、AIカメラ12は、AIによる画像解析の結果として「同乗者がいる」と判断した場合には、その倒れた利用者が利用していたエレベータ1のエレベータ情報Pe(更には、倒れた利用者の顔情報Pf)と共に、同乗者がいることを知らせる同乗者信号Sxを出力する。
【0053】
そして、監視センタ2の制御装置20は、AIカメラ12が出力した同乗者信号Sxをエレベータ情報Peと共に受信した場合には、当該エレベータ情報Peで特定されるエレベータ1に対し、倒れた利用者の救助を、乗りかごG内に設置されているスピーカ13又はモニタ14を通じて同乗者に依頼するように指令する。
【0054】
図7は、第4変形例において監視センタ2の制御装置20が実行する通報処理を示したフローチャートである。本変形例においてAIカメラ12が「同乗者がいる」と判断した場合には、制御装置20は、利用者が倒れたときに出力されるエレベータ情報Pe及び顔情報Pfに加えて、同乗者信号SxをAIカメラ12から更に受信することになる。換言すれば、利用者が倒れた乗りかごG内に同乗者がいた場合には、受信情報Prに同乗者信号Sxが含まれていることになる。一方、利用者が倒れた乗りかごG内に同乗者がいなかった場合には、受信情報Prには同乗者信号Sxは含まれていない。
【0055】
そこで、制御装置20は、利用者が倒れた乗りかごG内に同乗者がいるか否かを判断するべく、ステップS12での消防局3への通報後、受信情報Pr内に同乗者信号Sxが含まれているか否かを判断する(ステップS21)。
【0056】
制御装置20は、ステップS21にて「含まれている(Yes)」と判断した場合には、その判断を以て、利用者が倒れた乗りかごG内には同乗者がいると判断できる。この場合、制御装置20は、受信情報Pr内のエレベータ情報Peで特定されるエレベータ1に対し、倒れた利用者の救助を、乗りかごG内に設置されているスピーカ13又はモニタ14を通じて同乗者に依頼するように指令する(ステップS22)。
【0057】
エレベータ1は、制御装置20からステップS22の指令を受けた場合、利用者が倒れた乗りかごG内に設置されているスピーカ13又はモニタ14を通じて、同乗者へ、倒れている利用者を救助してくれるように依頼する。
【0058】
一方、制御装置20は、ステップS21にて「含まれていない(No)」と判断した場合には、その判断を以て、利用者が倒れた乗りかごG内には同乗者がいないと判断できる。この場合、制御装置20は、ステップS22を行うことなく次のステップ(ここではステップS13)へ移行する。
【0059】
第4変形例によれば、乗りかごG内で利用者が倒れた場合において、その乗りかごG内に同乗者がいた場合には、即座に、当該同乗者をAIカメラ12で検出し、その同乗者に救助を依頼することが可能になる。従って、救急隊が到着するまでの間も、同乗者の助けを借りて、倒れた利用者の救助(救命措置など)を行うことが可能になる。
【0060】
尚、ステップS21及びS22は、ステップS12の直後に行う場合に限らず、通報処理内のどこで実行されてもよい。また、本変形例に係る通報処理のうちの、同乗者に救助を依頼する部分については、上述した第1変形例~第3変形例の何れにも適用できる。
【0061】
[2-5]第5変形例
図8は、第5変形例において監視センタ2の制御装置20が実行する通報処理を示したフローチャートである。ここで、第5変形例は、上述した実施形態の変形例である。本変形例では、制御装置20は、ステップS12での消防局3への通報後、受信情報Pr内のエレベータ情報Peで特定されるエレベータ1に対し、倒れた利用者が乗車している乗りかごGを、救急隊が到着する階へ移動させるように指令する(ステップS30)。ここで、救急隊が到着する階は、エレベータ1が設置されている建物の出入口がある階やロビー階など、救急隊がその建物に到着してから短時間でエレベータ1にアクセスできる階である。
【0062】
エレベータ1は、制御装置20からステップS30の指令を受けた場合、倒れた利用者が乗車している乗りかごGを、救急隊が到着する階へ移動させる。
【0063】
第5変形例によれば、エレベータ1が設置されている建物内での救急隊の移動時間を縮めることができ、その結果として、倒れた利用者のところに救急隊が到着するまでの時間をできるだけ短くすることが可能になる。
【0064】
尚、本変形例に係る通報処理のうちの、救急隊が到着する階へ乗りかごGを移動させる部分については、上述した第1変形例~第4変形例の何れにも適用できる。
【0065】
[2-6]第6変形例
図9は、第6変形例において監視センタ2の制御装置20が実行する通報処理を示したフローチャートである。ここで、第6変形例は、上述した第4変形例の更なる変形例である。
【0066】
本変形例では、制御装置20は、ステップS21にて「含まれていない(No)」と判断した場合(即ち、その判断を以て、利用者が倒れた乗りかごG内には同乗者がいないと判断できた場合)、受信情報Pr内のエレベータ情報Peで特定されるエレベータ1にて乗場呼びが発生しているか否かを判断する(ステップS40)。具体的には、制御装置20は、上記エレベータ1に対し、そのときに発生している乗場呼びがあるか否かを問合せ、当該エレベータ1から「乗場呼びがある」と返信があった場合に、ステップS40にて「発生している(Yes)」と判断する。
【0067】
そして、制御装置20は、ステップS40にて「発生している(Yes)」と判断した場合には、上記エレベータ1に対し、倒れた利用者が乗車している乗りかごGが、そのときに発生している乗場呼びに応答するように指令する(ステップS41)。
【0068】
エレベータ1は、制御装置20からステップS41の指令を受けた場合、倒れた利用者が乗車している乗りかごGを、そのときに発生している乗場呼びに応答させる。これにより、当該乗りかごGは、乗場に他の利用者がいる階へ移動することになる。
【0069】
更に、制御装置20は、上記エレベータ1に対して、倒れた利用者が乗車している乗りかごGが乗場呼びの発生階に到着した場合に、倒れた利用者の救助を、その乗りかごG内に設置されているスピーカ13又はモニタ14を通じて、当該発生階の乗場にいる利用者に依頼するように指令する(ステップS42)。
【0070】
エレベータ1は、制御装置20からステップS42の指令を受けた場合、倒れた利用者が乗車している乗りかごGが乗場呼びの発生階に到着し、戸開したときに、その乗りかごG内に設置されているスピーカ13又はモニタ14を通じて、乗場にいる利用者へ、乗りかごG内で倒れている利用者を救助してくれるように依頼する。
【0071】
一方、制御装置20は、ステップS40にて「発生していない(No)」と判断した場合には、ステップS41及びS42を行うことなく次のステップ(ここではステップS13)へ移行する。
【0072】
第6変形例によれば、乗りかごG内で利用者が倒れた場合に同乗者がいなかったとしても、乗場呼びの発生階の乗場にいる利用者に救助を依頼することが可能になる。従って、救急隊が到着するまでの間も、エレベータ1の他の利用者の助けを借りて、倒れた利用者の救助(救命措置など)を行うことが可能になる。
【0073】
[2-7]第7変形例
図10は、第7変形例において監視センタ2の制御装置20が実行する通報処理を示したフローチャートである。ここで、第7変形例は、上述した第6変形例の更なる変形例である。本変形例では、制御装置20は、ステップS41及びS42でのエレベータ1への指令に加えて、更に、そのエレベータ1に対して、乗場呼びの発生階への乗りかごG(倒れた利用者が乗車している乗りかごG)の到着後に、続けて、救急隊が到着する階へ当該乗りかごGを移動させるように指令する(ステップS43)。
【0074】
エレベータ1は、制御装置20からステップS43の指令を受けた場合、乗場呼びの発生階への乗りかごGの到着後、その乗りかごGを、乗場にいる利用者が乗り込んでから、救急隊が到着する階まで移動させる。この場合、エレベータ1は、乗りかごGが乗場呼びの発生階に到着し、戸開したときに、乗場にいる利用者へ、乗りかごGに乗り込んで救助してくれるように依頼してもよい。
【0075】
第7変形例によれば、エレベータ1が設置されている建物内での救急隊の移動時間を縮めることができ、その結果として、倒れた利用者のところに救急隊が到着するまでの時間をできるだけ短くすることが可能になる。
【0076】
上述の実施形態及び変形例の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態や変形例ではなく、特許請求の範囲によって示される。更に、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0077】
また、上述の実施形態や変形例からは、発明の対象として、通報システムに限らず、その通報システムを構成する装置、当該通報システムで実行される制御処理やプログラムなどが個々に抽出されてもよいし、それらの一部が部分的に抽出されてもよい。また、通報システムが適用されたエレベータ1を含む全体構成の一部又は全部が、発明の対象として抽出されてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 エレベータ
2 監視センタ
3 消防局
G 乗りかご
10 制御装置
11 非常呼びボタン
12 AIカメラ
13 スピーカ
14 モニタ
20 制御装置
21 記憶部
22 制御部
Dp 情報管理データ
Dr エレベータ管理データ
Pe エレベータ情報
Pf 顔情報
Pg 持病情報
Ph 連絡先
Pk 位置情報
Pr 受信情報
Sx 同乗者信号
220 通報処理部
【要約】
【課題】エレベータの乗りかご内で利用者が倒れた場合に同乗者がいなくても、その利用者を即座に救急搬送できるようにする。
【解決手段】通報システムは、AIカメラと、通報処理部と、を備える。AIカメラは、エレベータの乗りかご内の画像を取得し、その画像に基づいて当該乗りかご内で利用者が倒れたか否かを判断し、倒れたと判断した場合に、当該エレベータを特定するエレベータ情報を出力する。通報処理部は、エレベータ情報をAIカメラから受信した場合、当該エレベータ情報で特定されるエレベータの設置場所を示した位置情報を取得し、その位置情報と共に、倒れた利用者がいることを消防局へ通報する。
【選択図】
図1