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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】部品収容装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/86 20060101AFI20240925BHJP
【FI】
B65D85/86 100
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023175247
(22)【出願日】2023-10-10
(62)【分割の表示】P 2021044538の分割
【原出願日】2021-03-18
(65)【公開番号】P2023171527
(43)【公開日】2023-12-01
【審査請求日】2023-10-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】小久貫 太一
(72)【発明者】
【氏名】玉村 真一
(72)【発明者】
【氏名】岩本 耕一
(72)【発明者】
【氏名】工藤 敦
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-41150(JP,A)
【文献】特開2009-295618(JP,A)
【文献】特開平2-28490(JP,A)
【文献】特開昭56-78717(JP,A)
【文献】米国特許第5881782(US,A)
【文献】特開2018-95468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/86
B65G 47/08-47/86
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向を有する直方体状であってその長さ方向の一端部に開口を有するとともに、スライドすることにより前記開口を開閉するシャッター部材を有するケースの内部に、複数の部品を前記開口から収容する部品収容装置であって、
複数の部品を連続して搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送された部品を落下させる排出部と、
前記排出部から排出される部品が前記開口に落下するように、前記ケースが位置決めされた状態で設置される設置部と、を備え、
前記設置部は、前記ケースを、前記開口を上方に向けて保持可能な保持部と、
前記シャッター部材を開閉する開閉機構と、を有する部品収容装置。
【請求項2】
前記保持部は、前記ケースを、その長さ方向が略鉛直方向に沿う縦置きの状態に保持可能である、請求項1に記載の部品収容装置。
【請求項3】
前記保持部は、前記ケースを、その長さ方向が鉛直方向に対して所定の角度傾斜した斜め置きの状態に保持可能である、請求項1に記載の部品収容装置。
【請求項4】
前記保持部は、前記ケースを、その長さ方向が鉛直方向に対して所定の角度傾斜した斜め置きの状態から略鉛直方向に沿う縦置きの状態に保持可能である、請求項1に記載の部品収容装置。
【請求項5】
前記シャッター部材にスライダが一体に設けられ、
前記開閉機構は、前記スライダに係合し、往復移動することにより前記シャッター部材を開閉する駆動ピンを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の部品収容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップ部品等の電子部品をケースの中に収容する部品収容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チップ部品等の小型の電子部品を多数まとめて運搬するにあたっては、電子部品をバラの状態でまとめて収容する箱状のケースが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-295618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多数の部品をバラの状態で収容するケースは、一定の容積内に多数の部品を収容する収容効率の点で、キャリアテープ等よりも効率的である。効率化を促進する上で、そのようなケースの中に多数の部品を自動的に収容できる装置が求められている。
【0005】
本発明は、ケースの中に多数の部品を自動的に収容できるような部品収容装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る部品収容装置は、長さ方向を有する直方体状であってその長さ方向の一端部に開口を有するとともに、スライドすることにより前記開口を開閉するシャッター部材を有するケースの内部に、複数の部品を前記開口から収容する部品収容装置であって、複数の部品を連続して搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送された部品を1つずつ自重で落下させる排出部と、前記排出部から排出される部品が前記開口に落下するように、前記ケースが位置決めされた状態で設置される設置部と、を備え、前記設置部は、前記ケースを、前記開口を上方に向けて保持可能な保持部と、前記シャッター部材を開閉する開閉機構と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ケースの中に多数の部品を自動的に収容できるような部品収容装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係るケースを斜め上側から見た斜視図であり、排出口が開いた状態を示す。
図2】実施形態に係るケースの内部状態を示す斜視図であり、排出口が開いた状態を示す。
図3】実施形態に係るケースの内部状態を示す斜視図であり、排出口が閉じた状態を示す。
図4】実施形態に係るケースを斜め下側から見た斜視図であり、排出口が閉じた状態を示す。
図5】実施形態に係る部品収容装置を模式的に示す平面図である。
図6図5のVI-VI線に対応する一部断面図である。
図7】実施形態に係る排出部を模式的に示す一部断面図側面図である。
図8】実施形態に係るケース、及びケースが設置される設置部を示す一部断面側面図である。
図9】実施形態に係るケースが設置部に設置され、ケースの排出口が閉じた状態を示す一部断面側面図である。
図10】実施形態に係るケースが設置部に設置され、ケースの排出口が開口した状態を示す一部断面側面図である。
図11】他の実施形態に係る部品収容装置の保持部にケースが保持された状態を示す側面図である。
図12】他の実施形態に係る保持部によりケースを斜め置きに設置して電子部品を収容する状態を示す側面図である。
図13】他の実施形態に係る保持部によりケースを斜め置きから縦置きに回転させながら電子部品を収容する状態を(a)~(c)の順に示す側面図である。
図14】他の実施形態に係る保持部によりケースを横置きに設置して電子部品を収容する状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1図4は、実施形態に係るケース1に関する図である。図5図10は、実施形態に係る部品収容装置200に関する図である。部品収容装置200は、ケース1内に複数の部品を自動的に収容する装置である。はじめに、ケース1について説明する。
【0010】
図1はケース1を斜め上側から見た斜視図である。ケース1は、その内部に、部品としての電子部品50(図2に図示)をバラの状態で収容する。ケース1は、フィーダ100に着脱可能にセットされる。なお、フィーダ100は、振動することにより、ケース1内から電子部品50を排出し、その電子部品50を不図示の実装装置に供給する装置である。本実施形態の電子部品50は、例えば長さ方向の長さが1.2mm以下の微小な直方体状の電子部品である。そのような電子部品としては、コンデンサやインダクタ等が挙げられるが、本実施形態はこれらに限定されない。
【0011】
図2及び図3は、それぞれ後述する第2部材22を取り外したケース1の内部状態を示す斜視図である。図2は、電子部品50を排出する排出口6が開いた状態を示し、図3は、排出口6が閉じた状態を示す。排出口6は開口の一例である。図4は、ケース1を斜め下側から見た斜視図である。
【0012】
ケース1は、ケース本体2と、シャッター部材3と、シャッター部材3と一体のスライダ4と、RFIDタグ5と、を備える。
【0013】
ケース本体2は、第1部材21及び第2部材22を有する。ケース1は、第1部材21と、第2部材22とが合体されて接合されることにより、内部に収容空間Sが形成される容器である。ケース本体2は、天板部2Uと、底板部2Dと、前側壁部2Fと、後側壁部2Bと、第1部材21側の右側壁部2Rと、第2部材22側の左側壁部2Lと、を備える。ケース1の内部には、複数の電子部品50がバラの状態で収容される。
【0014】
なお、本明細書において、ケース1をフィーダ100にセットした状態で、鉛直方向の上下となる方向を、ケース1の上下方向とする。また、ケース1における、排出口6が設けられている側を前方、その逆側を後方とする。左側及び右側といった左右方向は、ケース1を前方から見たときの左右方向とする。第1部材21は右側にあり、第2部材22は左側にある。ケース1は、前後方向に長く、左右方向の厚みが薄い偏平箱状の形状を有する。
前側壁部2F、後側壁部2B、右側壁部2R及び左側壁部2Lのそれぞれは、鉛直方向すなわち上下方向に延びる壁部である。天板部2U及び底板部2Dのそれぞれは、水平方向すなわち前後方向(長さ方向)に延びる板部である。
【0015】
図1及び図4に示すように、ケース1は、左右対称に構成された第1部材21及び第2部材22が合体し、互いに接合されて構成される。すなわち第1部材21及び第2部材22のそれぞれは、左右に分割する半割体である。
【0016】
ケース本体2は、前側壁部2Fの下側に排出口6を有する。排出口6は、実施形態では四角形の開口部である。なお、排出口6は四角形に限定されず、例えば円形、楕円形状等の輪郭をもった開口部でもよい。
【0017】
図2に示すように、収容空間S内において、第1部材21と第2部材22との間に板部材7が延びている。板部材7の上面は、後方から前方の排出口6の下縁部6aに向かって延び、下縁部6a側が最も下側になるように傾斜した傾斜面7aとなっている。傾斜面7aの傾斜角度θは、ケース1がフィーダ100にセットされた状態で、水平方向に対して3°~10°が好ましく、5°~7°であればさらによい。
【0018】
図2に示すように、排出口6を開閉するシャッター部材3が、底板部2Dから前側壁部2Fにわたって連続して延びている。シャッター部材3は、自身の延在方向に沿ってスライドすることにより排出口6を開閉する。シャッター部材3は、底板部2Dから前側壁部2Fにわたって連続して延びており、その延在方向に沿ってスライド可能となっている。シャッター部材3は、細長い帯状のフィルム部材である。シャッター部材3は、例えばPET(Polyethylene terephthalate)等の、ある程度剛性を有し、かつ、湾曲可能な可撓性の材料からなる。シャッター部材3の幅は、排出口6の幅より若干大きく、排出口6を隙間なく覆うことができる幅を有する。
【0019】
シャッター部材3は、その前端部に、排出口6と略同形の開口部3aを有する。開口部3aと排出口6とが合致すると排出口6が開口する。シャッター部材3が排出口6を覆うと、排出口6はシャッター部材3により閉塞される。なお、開口部3aは排出口6と同形である必要はなく、排出口6を開口させる形状及び大きさを有していればよい。
【0020】
ケース本体2の前側壁部2Fにおける排出口6の上側には、ケース本体2の外側から内側に向かって窪んだ凹部61が設けられている。排出口6及び凹部61が設けられている部分の、前側壁部2Fの厚み方向すなわち左右方向の側面には、上下方向に延びる案内溝62が、左右一対の状態で設けられている。シャッター部材3の長さ方向に延びる両側の部分のそれぞれが、左右の案内溝62に挿入される。シャッター部材3は、案内溝62に案内されて前側壁部2Fを上下方向にスライドする。
【0021】
図2及び図3に示すように、シャッター部材3の後端部には、円形の孔3bが設けられている。孔3bを利用してスライダ4がシャッター部材3と一体になるように取り付けられている。スライダ4は、直方体状の部材であり、図4に示すように、下方に開口する下側開口部4cを有するとともに、前端板部4d及び後端板部4eをそれぞれ有する。
【0022】
図2及び図3に示すように、スライダ4は、その上端部に、左右方向にそれぞれ延びるフランジ部4aを有する。スライダ4が、その上面に、凸部4bを有する。凸部4bは、シャッター部材3の孔3bに嵌合して上方に突き出しており、これによりスライダ4はシャッター部材3と一体となっている。
【0023】
図4に示すように、ケース1の底板部2Dには、上方に向かって窪んだ前後方向に長い凹部23が設けられている。凹部23の前面には、スリット24が設けられている。シャッター部材3の後端部は、スリット24を挿通している。シャッター部材3の後端部は、スリット24を通って凹部23の下面に沿って延びている。凹部23の下面には、窪み26a及び窪み26bが前後一対の状態に設けられている。スライダ4の凸部4bは、窪み26a及び窪み26bのそれぞれに嵌合可能となっている。
【0024】
凹部23が設けられている部分の、底板部2Dの左右方向の両側の面には、前後に延びる溝部25がそれぞれ設けられている。左右の溝部25のそれぞれにスライダ4の左右のフランジ部4aがそれぞれ挿通されている。フランジ部4aが溝部25に沿って前後に摺動することにより、スライダ4が前後方向にスライドする。このとき、スライダ4のスライド範囲は、凸部4bが前側の窪み26aに係合する位置と、後側の窪み26bに係合する位置との間である。
【0025】
図3に示すように、スライダ4の凸部4bが前側の窪み26aに嵌合しているとき、シャッター部材3の開口部3aは凹部61内に位置して排出口6と合致しない。このとき、排出口6の全体がシャッター部材3により閉塞され、電子部品50は排出口6から外部に排出されない。一方、シャッター部材3が後方にスライドして、図2に示すように凸部4bが後側の窪み26bに嵌合すると、シャッター部材3の開口部3aは排出口6と合致する。このとき、排出口6は開口し、電子部品50が排出口6から排出可能となる。
【0026】
図1及び図2に示すように、ケース本体2は、上側把持部10A及び後側把持部10Bを有する。上側把持部10Aは、ケース本体2の上側の前後両端に設けられた前後一対の窪みである。後側把持部10Bは、ケース本体2の後側の上下の両端に設けられた上下一対の窪みである。上側把持部10A及び後側把持部10Bのそれぞれは、例えばロボットハンドによりケース1を運搬する際などにおいて、そのロボットハンドに把持される。
【0027】
図1及び図2に示すように、ケース本体2における下部であって上記凹部23に概ね対応する位置に、左右に貫通する貫通孔9が設けられている。貫通孔9は、前後方向に延在するスリット状の孔である。貫通孔9の内部の上面に、前後方向に長い帯状のRFIDタグ5が貼着されている。RFIDタグ5は、送受信部、メモリ及びアンテナ等を有する公知の構成を備えるものである。図1に示すように、フィーダ100には、RFIDタグ5に対して情報を読み書きするリーダーライタ105が配置される。
【0028】
図1図4に示すように、さらにケース本体2は、底板部2Dの外面から下方に延びる爪部8及びT字スロット部13を有する。
【0029】
爪部8は、前側爪部8Aと、後側爪部8Bとを含む。前側爪部8A及び後側爪部8Bは同形状であって、上方から下方に向かって延び、下端が略90°後方に屈曲した側面視L字形状を有する板片である。なお、前側爪部8Aと後側爪部8Bとは同形状でなくてもよい。
【0030】
T字スロット部13は、前側T字スロット部13Aと、後側T字スロット部13Bとを含む。前側T字スロット部13A及び後側T字スロット部13Bは、いずれも正面視が逆T字形状の突起である。前側T字スロット部13Aは、前端部に先細り形状のテーパ部13cが形成されている。
【0031】
フィーダ100は、爪部8及びT字スロット部13のそれぞれが着脱可能に係合してケース1をフィーダ100にセット可能とする不図示の係合部を有する。当該係合部に爪部8及びT字スロット部13のそれぞれが係合してフィーダ100にケース1が着脱可能にセットされる。このようにフィーダ100にセットされたケース1においては、排出口6が開口した状態でフィーダ100が振動することにより、電子部品50が傾斜面7aを下って排出口6から排出される。排出された電子部品50は、上述したように実装装置に供給される。
【0032】
次に、図5図10を参照して実施形態に係る部品収容装置200について説明する。
図5は部品収容装置200の概要を示す平面図、図6図5のVI-VI線に対応する一部断面図である。
【0033】
部品収容装置200は、上述したケース1内に複数の電子部品50を、排出口6を通して収容空間Sに自動的に収容する装置である。図5及び図6に示すように、実施形態に係る部品収容装置200は、電子部品50を搬送する搬送部210と、搬送部210から電子部品50を落下させて排出する排出部230と、上述したケース1が設置される設置部240と、部品検知部270と、を備える。
【0034】
搬送部210は、複数の電子部品50を排出部230まで連続して搬送する。実施形態の搬送部210は、複数の電子部品50を直線的に連続して搬送するリニアフィーダ211と、リニアフィーダ211により搬送される複数の部品を1つずつ受け、回転動作により電子部品50を回転させて間欠搬送するターンテーブル212と、を有する。
【0035】
複数の電子部品50は、略水平に設置されたリニアフィーダ211により、1列に並んだ状態でターンテーブル212に向けて搬送される。リニアフィーダ211は、例えば不図示の振動機によって振動し、その振動によって電子部品50をターンテーブル212に向けて矢印F方向に順次搬送する。電子部品50は、後続の電子部品50に押されながらリニアフィーダ211上を送られていく。リニアフィーダ211は、ターンテーブル212の回転中心に向かって延びており、その終端部はターンテーブル212の外周縁近傍に到達している。
【0036】
ターンテーブル212は、水平に設置される円盤状の回転部材である。ターンテーブル212の材質は、セラミック、ガラスエポキシ樹脂などからなる。ターンテーブル212は、鉛直方向に延びる回転軸213を介して基台214上に回転可能に配置されている。ターンテーブル212は、回転軸213を回転駆動する駆動源217により、回転軸213を中心にして図5中の矢印R方向に間欠的に回転する。ターンテーブル212の外周縁には、外周側に開口する複数の切り欠き215が周方向に等間隔をおいて配列されている。1つの切り欠き215の内部に、1つの電子部品50が収容される。なお、ターンテーブル212の回転方向は図5中のR方向に限らず、このR方向の逆方向であってもよい。
【0037】
図6に示すように、ターンテーブル212は、基台214の上面216に配置されている。切り欠き215は、ターンテーブル212の外周面側及び上下の面に開口している。ターンテーブル212は、その内部に、各切り欠き215に通じる不図示の空気吸引通路を備えている。この空気吸引通路は、各切り欠き215の奥側の面に開口している。空気吸引通路は、バキュームポンプ等の吸引源に連通しており、この吸引源が作動することにより、切り欠き215内の空気が奥側の面に吸引されて負圧の状態となる。これにより、切り欠き215に収容される電子部品50は奥側の面に負圧作用で吸着され、切り欠き215内に保持される。
【0038】
リニアフィーダ211によりターンテーブル212の近傍に搬送された電子部品50は、間欠回転するターンテーブル212の複数の切り欠き215のそれぞれに、側方から1つずつ収容され、上述したように奥側の面に吸着して保持される。切り欠き215に収容、保持された電子部品50は、ターンテーブル212の回転により矢印R方向に排出部230まで間欠的に搬送される。切り欠き215に収容された電子部品50は、基台214の上面216上を移動する。
【0039】
排出部230は、ターンテーブル212に対応して配置されている。詳しくは、排出部230は、ターンテーブル212の切り欠き215の回転軌跡に対応する円形状の搬送経路に配置されている。排出部230は、リニアフィーダ211からターンテーブル212への移行部分に対して概ね270°の回転角度位置に配置されている。排出部230は、ターンテーブル212により搬送された電子部品50を、設置部240に設置されたケース1の排出口6に1つずつ自重で落下させる部分である。
なお、排出部230はターンテーブル212の任意の位置に配置されていてよく、例えば、リニアフィーダ211からみて最も奥側の位置、すなわちリニアフィーダ211からターンテーブル212への移行部分に対して180°の回転角度位置に配置されていてもよい。
【0040】
図7に示すように、排出部230は、円筒部材231と、押下ピン236と、を備える。排出部230において、ターンテーブル212の直下の部分には、ターンテーブル212の切り欠き215に対応する通過孔218が設けられている。通過孔218は、電子部品50が通過する大きさを有する。また、排出部230には、切り欠き215内への空気吸引による電子部品50の吸着保持を解除する不図示の吸引解除機構が設けられている。吸引解除機構としては、例えば空気を噴出して、吸引している空気の流れを止めたり弱めたりする機構でよい。ターンテーブル212が回転して切り欠き215が通過孔218に合致すると、上記吸引解除機構により切り欠き215内での電子部品50の保持が解除され、それまで基台214の上面216上を移動してきた電子部品50が、切り欠き215から通過孔218に落下し、さらに通過孔218を通って円筒部材231の内部に落下する。
【0041】
通過孔218を通過して落下する電子部品50は、漏斗形状を有する円筒部材231の内部を通過することにより、ケース1の排出口6に導かれる。円筒部材231は、上方に向かうにつれて内径が拡径する逆円錐状の上側筒部233と、上側筒部233の下端の中心から下方に延びる下側筒部234と、を有する。上側筒部233と下側筒部234とは一体である。通過孔218を通過する電子部品50は、上側筒部233の内側に落下して下側筒部234の内部に至り、下側筒部234の内部を通って落下する。電子部品50は、円筒部材231の内面232に接触しながら滑り落ちていく場合がある。
なお、上側筒部233の内径は、電子部品50の長さ方向寸法より大きく、また、下側筒部234の内径は、電子部品50の長さ方向寸法より大きく、かつ、上側筒部233の内径より小さいことが好ましい。
【0042】
摩擦によって生じる静電気によって電子部品50が電気的な破損を受けることを抑えるために、円筒部材231の少なくとも内面232は、導電性を有する金属等の導電性材料を含む材料で構成されていることが好ましい。また、電子部品50が円滑に滑り落ちるように、円筒部材231の内面232は平滑な低摩擦面であることが好ましく、例えばフッ素樹脂等の樹脂で表面加工されていることが好ましい。
【0043】
排出部230には、切り欠き215から電子部品50を強制的に落下させる押下ピン236が設けられている。押下ピン236は、通過孔218と合致する切り欠き215の上方位置に配置される。押下ピン236は上下方向に延びる棒状部材であり、不図示のアクチュエータ等によって上下方向に駆動される。押下ピン236が下方に駆動されると、切り欠き215内の電子部品50が下方に押され、通過孔218を通って円筒部材231の内部に落下させられる。押下ピン236で押されることにより、電子部品50は切り欠き215内に引っ掛かることなく確実に切り欠き215から脱して落下する。
【0044】
なお、押下ピン236に代えて、または追加して、空気の流れで電子部品50を切り欠き215から落下させる空気流発生部237を排出部230に設けてもよい。そのような空気流発生部237としては、例えば、電子部品50に上方から空気を吹き付けて落下させたり、あるいは側方から空気を吸引して電子部品50を落下させたりする機能を備えたもの等が挙げられる。
【0045】
さらに排出部230には、当該排出部230を通る電子部品50の経路を清浄化する清浄部238が設けられている。詳しくは、清浄部238は押下ピン236の上方に配置され、空気を吸入する空気吸入機構で構成される。清浄部238により空気が吸入されることにより、切り欠き215、通過孔218及び円筒部材231の内部である電子部品50の経路の空気が吸入される。これにより、当該経路に存在する破片や塵埃等が清浄部238に吸入されて清浄化される。
なお、清浄部238は、空気を噴出して破片や塵埃等を吹き飛ばすことにより電子部品50の経路を清浄化するものでもよい。その場合、ケース1内に破片や塵埃等が入り込むことを防ぐために、シャッター部材3により排出口6を閉じた状態で作動させるとよい。
【0046】
図8は、設置部240にケース1が設置された状態を示している。ケース1は、排出部230から排出される電子部品50が排出口6に落下するように位置決めされた状態で設置部に設置される。ケース1は、ケース1の前後方向を鉛直方向に沿った状態、すなわち縦置きの状態に設置部240に設置される。
【0047】
設置部240は、壁部241と、壁部241にケース1を縦置きの状態に保持する保持部250と、ケース1のシャッター部材3を開閉する開閉機構260と、を有する。
【0048】
壁部241は、略鉛直方向に沿った面である壁面241aを有する。
保持部250は、壁面241aから突出する上下一対のフック部、すなわち上側フック部251と、下側フック部252と、を含む。上側フック部251及び下側フック部252は同形状であって、先端が略90°上方に屈曲した側面視L字形状を有する板片である。図9に示すように、上側フック部251にケース1の前側爪部8Aが上方から着脱可能に係合し、下側フック部252にケース1の後側爪部8Bが上方から着脱可能に係合する。これにより、ケース1は、排出口6が上方に向き、かつ前後方向すなわち長さ方向が壁面241aに沿って上下方向に延びる縦置きの状態で保持部250に着脱可能に保持される。ケース1の底板部2Dが、隙間をおいて壁面241aと平行に対向する。なお、上側フック部251と下側フック部252とは同形状でなくてもよい。
【0049】
壁部241には、上下方向に延在して壁面241a側に開口する凹所242が形成されている。この凹所242内に、シャッター部材3をスライドさせる開閉機構260が配置されている。開閉機構260は、凹所242の底面に沿って上下方向に移動可能に設けられた駆動ピン261を有する。駆動ピン261の先端部は、壁面241aから突出している。駆動ピン261は、例えば凹所242の底面に設けられたガイド溝に沿って上下方向に移動可能に支持され、アクチュエータ等により上下方向に往復駆動される。壁部241の凹所242には、RFIDタグ5に対して非接触で情報を書き込み可能なリーダーライタ243が配置されている。
【0050】
図9に示すように、保持部250に保持されたケース1のスライダ4に、駆動ピン261が係合する。図9に示すケース1のシャッター部材3は、前方(図9では上方)にスライドしてスライダ4の凸部4bが前側の窪み26aに嵌合しており、排出口6がシャッター部材3により閉塞されている。一方、駆動ピン261は、上方に移動している。駆動ピン261が上方に位置しているときに、排出口6がシャッター部材3で閉塞されているケース1を保持部250に保持すると、駆動ピン261は、図4に示したスライダ4の下側開口部4cに挿入され、前端板部4dと後端板部4eとの間に位置付けられる。
【0051】
この状態から図9において駆動ピン261が下方に移動すると、駆動ピン261はスライダ4の後端板部4eに接触し、スライダ4を下方に押してスライドさせる。スライダ4が下方にスライドすることにより、シャッター部材3はケース1における後方にスライドする。すると、図10に示すように、スライダ4の凸部4bが後側の窪み26bに嵌合し、シャッター部材3の開口部3aがケース1の排出口6に合致して排出口6が開口する。この状態から駆動ピン261が上方に戻ると、駆動ピン261はスライダ4の前端板部4dに接触し、スライダ4を上方に押してスライドさせる。スライダ4が上方にスライドすることによりシャッター部材3はケース1における前方にスライドし、図9に示すように凸部4bが前側の窪み26aに嵌合し、開口部3aがシャッター部材3で閉じられる。
【0052】
部品検知部270は、搬送部210から設置部240に設置されたケース1の排出口6までの間の電子部品50の経路の任意の位置において電子部品50を検知する。実施形態の部品検知部270は、図5に示すリニアフィーダ211の側方の所定位置に配置された第1部品検知部271と、ターンテーブル212に配置された第2部品検知部272及び第3部品検知部273と、図7に示す排出部230に設けられた第4部品検知部274と、を含む。
【0053】
第1部品検知部271は、リニアフィーダ211を搬送される電子部品50を定位置で検知する。第2部品検知部272は、ターンテーブル212の搬送経路における上流側に配置されている。第3部品検知部273は、ターンテーブル212の搬送経路における第2部品検知部272の下流側に配置されている。
【0054】
第1部品検知部271、第2部品検知部272及び第3部品検知部273のそれぞれは、電子部品50に関する任意の事項について検知する。第1部品検知部271は、例えば電子部品50が通過したことを検知し、電子部品50の通過数をカウントするカウンターの機能を有する。第2部品検知部272は、例えば電子部品50の形状を検知し、検知した形状から電子部品50に形状的な欠陥があるか否かを検知するイメージセンサである。第3部品検知部273は、例えば電子部品50の性能を検知する性能検知部として機能する。当該性能検知部は、例えば電子部品50がコンデンサである場合、機能としての静電容量が規定値を有しているか否かを検知する静電容量センサ等が適用される。
【0055】
第4部品検知部274は、円筒部材231の上流側と下流側のそれぞれの位置に配置された上流側通過検知部275と、下流側通過検知部276と、を含む。上流側通過検知部275は、円筒部材231の上流側であって、通過孔218を通過して円筒部材231に入る電子部品50の通過数をカウントするカウンターの機能を有する。上流側通過検知部275は、発光素子275a及び受光素子275bで構成される公知の光センサが用いられる。下側流通過検知部276は、円筒部材231の下流側であって、円筒部材231を通過してケース1の排出口6に入る電子部品50の通過数をカウントするカウンターの機能を有する。下流側通過検知部276も上流側通過検知部275と同様であって、発光素子276a及び受光素子276bで構成される公知の光センサが用いられる。なお、光センサとしては、発光した光の反射を対象物から受光する形式であって、発光素子及び受光素子が分離せず一体となったものでもよい。
【0056】
以上の実施形態に係る部品収容装置200によれば、次のようにして電子部品50がケース1に収容される。
【0057】
電子部品50はリニアフィーダ211によって1つずつターンテーブル212に搬送される。第1部品検知部271により電子部品50は検知される。第1部品検知部271では、例えば搬送される電子部品50の数がカウントされる。リニアフィーダ211から1つの電子部品50が間欠回転中のターンテーブル212の切り欠き215に収容される。ターンテーブル212の間欠回転中において、切り欠き215中の電子部品50は第2部品検知部272及び第3部品検知部273によって検知される。
【0058】
第2部品検知部272では、例えば電子部品50の形状を検知し、検知した形状から電子部品50に形状的な欠陥があるか否かが検知される。第3部品検知部273では、例えば電子部品50の性能が検知される。第2部品検知部272及び第3部品検知部273において検知により不良品であると判断されると、その電子部品50はターンテーブル212から排除される。
【0059】
電子部品50は、ターンテーブル212によって1つずつ排出部230に搬送される。排出部230では、切り欠き215が通過孔218に合致すると同時に押下ピン236が下降して電子部品50を下方に押す。電子部品50は切り欠き215から通過孔218に落下し、さらに通過孔218を通って円筒部材231の内部に入り、円筒部材231内を落下してケース1の排出口6からケース1内に落下して収容される。このとき、第4部品検知部274の上流側通過検知部275により、切り欠き215から落下した電子部品50が円筒部材231に入ることが検知され、下流側通過検知部276により、円筒部材231から落下した電子部品50がケース1内に入ることが検知される。
【0060】
以上の動作が連続的に行われて、複数の電子部品50がケース1内に収容される。リニアフィーダ211を搬送中において第1部品検知部271により電子部品50の搬送数がカウントされる。また、上流側通過検知部275及び下流側通過検知部276を含む第4部品検知部274により、切り欠き215から落下した電子部品50が最終的にケース1内に収容された電子部品50の数がカウントされる。ケース1内に収容された電子部品Mの数が所定数に到達すると搬送部210による電子部品50の搬送が中断され、設置部240へ新たな空のケース1が付け替えられた後、ケース1への電子部品50の収容が再開される。
【0061】
以上説明した実施形態に係る部品収容装置200によれば、以下の効果が奏される。
【0062】
(1)実施形態に係る部品収容装置200は、長さ方向を有する直方体状であってその長さ方向の一端部に開口としての排出口6を有するとともに、スライドすることにより排出口6を開閉するシャッター部材3を有するケース1の内部に、複数の電子部品50を排出口6から収容する部品収容装置であって、複数の電子部品50を連続して搬送する搬送部210と、搬送部210により搬送された電子部品50を1つずつ自重で落下させる排出部230と、排出部230から排出される電子部品50が排出口6に落下するように、ケース1が位置決めされた状態で設置される設置部240と、を備え、設置部240は、ケース1を、排出口6を上方に向けて保持可能な保持部250と、シャッター部材3を開閉する開閉機構260と、を有する。
【0063】
これにより、ケース1の中に多数の電子部品50を自動的に収容できる。
ケース1は、排出口6が上方に向いた状態で設置部240の保持部250に保持されるため、排出口6から電子部品50がケース1内に円滑に収容されるとともに、排出口6から電子部品50が重力により出てしまうことがなく、所定数の電子部品50を確実に収容することができる。
保持部250に保持した状態で、開閉機構260によりシャッター部材3をスライドさせてケース1の排出口6を容易に開閉することができる。排出口6をシャッター部材3で閉じた状態で保持部250からケース1から取り外すようにすることにより、取り外しの際に電子部品50が排出口6から不用意にこぼれ出ることを防ぐことができる。
【0064】
(2)実施形態に係る部品収容装置200において、保持部250は、ケース1を、その長さ方向が略鉛直方向に沿う縦置きの状態に保持可能であることが好ましい。
【0065】
これにより、電子部品50を重力にしたがって隙間なくケース1内に収容することができることから、ケース1を振動させたり揺動させたりすることなく速やかに電子部品50を収容することができる。
【0066】
(5)実施形態に係る部品収容装置200において、シャッター部材3にスライダ4が一体に設けられ、開閉機構260は、スライダ4に係合し、往復移動することによりシャッター部材3を開閉する駆動ピン261を含むことが好ましい。
【0067】
これにより、簡素な構成でシャッター部材3を作動させて排出口6を開閉することができる。排出口6をシャッター部材3で閉じた状態で保持部250からケース1から取り外すようにすることにより、取り外しの際に電子部品50が排出口6から不用意にこぼれ出ることを防ぐことができる。
【0068】
次に、図11図14を参照しながら他の実施形態について説明する。他の実施形態は上記実施形態においてケース1を設置部240に設置する態様が異なり、他の構成は同じである。したがって他の実施形態の説明において、上記実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してそれらについての説明は省略または簡略化し、主に相違点について説明する。
【0069】
他の実施形態では、ケース1を壁部241に直接設置せず、図11に示す保持部300を介して壁部241に設置する。保持部300は、その内部にケース1を収容して壁部241に設けられるもので、他の実施形態の部品収容装置200の一部を構成する。
【0070】
図11に示すように、保持部300は、底板部301と、底板部301から図中上方に立ち上がり互いに対向する一対の側壁部302及び側壁部303と、上板部305と、を有する。保持部300は、その内部に、底板部301と、側壁部302、側壁部303及び上板部305とに囲まれたケース収容部300aを有する。実施形態では、底板部301、側壁部303及び上板部305が一体であり、側壁部302が底板部301及び側壁部303に対して着脱可能な蓋の機能を有する。側壁部302は、側方に開口する開口部300bを開閉する。ケース1は、排出口6を上方に向け、前後方向が上下方向に沿う状態で、開口部300bから水平方向に保持部300内に挿入してケース収容部300a内に収容される。その後、側壁部302が閉じられる。なお、保持部300は、蓋としての側壁部302が省略されてもよい。その場合、ケース1は開口部300bから水平方向に保持部300内に挿入して収容され、開口部300bが開放した状態となる。
【0071】
上板部305には、保持部300の内外に貫通する孔300cが設けられ、この孔300cに、排出部230の円筒部材231が上側筒部233を上方に向けて配置される。円筒部材231は、上側筒部233の上端開口部が上板部305の上方に突出し、下側筒部234の下端がケース1の排出口6の内側に配置される。
【0072】
保持部300は、一方の側壁部303の内面に、上記実施形態と同様の上側フック部251及び下側フック部252を有する。また、その側壁部303の内面の上側フック部251と下側フック部252との間に、凹所304が形成されている。この凹所304内に、駆動ピン261を有する開閉機構260が配置されている。駆動ピン261は、凹所304の底面に沿って上下方向に移動可能に設けられている。凹所304には、RFIDタグ5に対して情報を読み書きするリーダーライタ243が配置されている。保持部300は、上記実施形態の壁部241に、回転軸310を介して図11の矢印G方向に揺動可能、かつ、任意の揺動角度位置で停止可能に取り付けられる。
【0073】
図11に示すように、前側爪部8Aが上方から上側フック部251に着脱可能に係合し、後側爪部8Bが上方から下側フック部252に着脱可能に係合して、側壁部303の内側にケース1が保持される。ケース1は、排出口6が上方に向き、かつ前後方向すなわち長さ方向が側壁部303に沿って上下方向に延びる縦置きの状態で保持される。ケース1の底板部2Dは、隙間をおいて側壁部303と平行に対向する。ケース1の排出口6の内側に、上板部305に配置された円筒部材231における下側筒部234の下端が配置される。保持部300の回転軸310は、その軸心が円筒部材231の上側筒部233の開口中心付近を通る位置に配置されている。
【0074】
このように保持部300に保持されたケース1のRFIDタグ5に対して、リーダーライタ243により情報の読み書きが行われる。なお、実施形態のリーダーライタ243は、側壁部303の底板部301寄りに設けられた凹所304に配置されているが、リーダーライタ243の位置はここに限定されない。例えば、側壁部303の内面の上板部305に近い位置(図11の243Bで示す位置)に配置されてもよい。また、他方の側壁部302の内面の、上板部305に近い位置(図11の243Cで示す位置)や、底板部301寄りの位置に配置されてもよい。
【0075】
この実施形態では、例えば、回転軸310を中心とした保持部300の回転角度位置を、図11に示すようにケース1の長さ方向が上下方向に沿う状態として、上記実施形態と同様に排出部230から落下する電子部品50が、円筒部材231を介して排出口6からケース1内に落下して収容される。
【0076】
また、図12に示すように、保持部300を回転させてケース1を長さ方向が鉛直方向に対して所定の角度で傾斜した斜め置きの状態に保持し、この状態で排出口6からケース1内に電子部品50を落下させて収容するように用いることができる。このようにケース1を斜め置きで保持することにより、収容初期の際には、傾斜する傾斜面7aに電子部品50を落下させることができるため、電子部品50が受ける落下の衝撃を弱めることができ、電子部品50の損傷を抑制することができる。
【0077】
さらにこの実施形態では、図13(a)に示すように、保持部300によってケース1をある程度傾斜させた状態で電子部品50を収容し始め、次いで、図13(b)に示すように収容数が増えるにつれてしだいにケース1を縦置きに近付けていき、最終的に図13(c)に示すように縦置きで収容を終えるという使用方法を採用してもよい。これにより、電子部品50が受ける衝撃をさらに弱めることができるとともに、電子部品50が排出口6からこぼれ出る事態を回避することができる。
【0078】
なお、回転軸310を中心としたケース1を傾斜させる方向は、図13に示すように一方側(図13では左側)のみならず、他方側に傾斜させてもよく、さらに図13において左右方向に揺動させるようにしてもよい。
さらに、回転軸310の位置を中心として、ケース1の幅方向(図13で紙面表裏方向)に沿った面内においてケース1が両側に揺動して傾斜するようにしてもよい。
【0079】
なお、ケース1が縦置き及び斜め置きのいずれの場合も、ケース1内の傾斜面7aと、傾斜面7aの終端から下方に延びる重力方向との交差角度(図12のθ2)は、常に鋭角である。θ2が鋭角になることによって、排出口6から供給された電子部品50は、重力の影響もあり、ケース1内に容易に収容される。一方、図1に示すようにケース1を横置きにして排出口6から電子部品50を供給するケース1の使用状態では、傾斜面7aと、傾斜面7aの終端から下方に延びる重力方向との交差角度(図2のθ1)は、鈍角である。θ1が鈍角になることによって、ケース1に収容された電子部品50は、重力の影響もあり、ケース1外に容易に排出される。なお、実施形態のケース1においては、θ2は鋭角が望ましいが、鋭角でなくてもθ1>θ2であればよい。これにより、排出口6からケース1内に供給された電子部品50が再び排出口6から出てくることを抑制できる。また、θ2>0°であることが望ましい。これにより、排出口6から供給された電子部品50は、一旦傾斜面7aに当たることになり、電子部品50の落下距離は短くできる。よって、電子部品50の落下の衝撃を弱めることができる。
【0080】
(3)実施形態に係る部品収容装置200においては、上述した他の実施形態のように、保持部としての保持部300は、ケース1を、その長さ方向が鉛直方向に対して所定の角度傾斜した斜め置きの状態に保持可能であることが好ましい。
【0081】
ケース1を斜め置きで保持した状態で電子部品50を収容することにより、電子部品50が受ける落下の衝撃を弱めることができ、電子部品50の損傷を抑制することができる。
【0082】
(4)実施形態に係る部品収容装置200においては、上述した他の実施形態のように、保持部としての保持部300は、ケース1を、その長さ方向が鉛直方向に対して所定の角度傾斜した斜め置きの状態から略鉛直方向に沿う縦置きの状態に保持可能であることが好ましい。
【0083】
これにより、電子部品50が受ける衝撃をさらに弱めることができるとともに、電子部品50が排出口6からこぼれ出る事態を回避することができる。
【0084】
なお、上記保持部300は、図14に示すように、側壁部302及び側壁部303を水平方向に延びる横置きの状態で壁部231に設けてもよい。その場合には、図14に示すように、上側フック部251、下側フック部252及び開閉機構260が設けられた側壁部303側を上方に配置し、側壁部302を下側に配置する。排出部230においてターンテーブル212から落下する電子部品50を円筒部材231の内部に供給してケース1内に電子部品50を収容させるような樋状部材306を設けるとよい。このようにケース1を横置きした場合、傾斜面7aが上方に配置され、収容される電子部品50はケース1の天板部2Uの内側に溜るように収容される。
【0085】
以上、実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、ケース1を縦置きで設置する態様に代えて、図1に示すように横置きに設置して、排出部230から自重で落下する電子部品50が排出口6からケース1内に収容されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 ケース
3 シャッター部材
4 スライダ
6 排出口(開口)
50 電子部品(部品)
200 部品収容装置
210 搬送部
230 排出部
240 設置部
250、300 保持部
260 開閉機構
261 駆動ピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14