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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】燃焼装置およびガスタービンシステム
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/14 20060101AFI20240925BHJP
   F23R 3/28 20060101ALI20240925BHJP
   F23D 14/24 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
F23R3/14
F23R3/28 F
F23R3/28 D
F23D14/24 E
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023508844
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 JP2022008007
(87)【国際公開番号】W WO2022202104
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-08-22
(31)【優先権主張番号】P 2021051545
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 慎太朗
(72)【発明者】
【氏名】内田 正宏
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-094573(JP,A)
【文献】特開2006-300448(JP,A)
【文献】特開2020-143888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23R 3/14
F23R 3/28
F23D 14/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼室と、
前記燃焼室内に臨み、前記燃焼室の周方向に間隔を空けて設けられる複数の水素噴射孔と、
前記燃焼室内に臨み、前記複数の水素噴射孔に対して径方向外側において前記周方向に延在する環状の第1空気噴射孔と、
前記燃焼室内に臨み、前記複数の水素噴射孔に対して径方向内側において前記周方向に延在する環状の第2空気噴射孔と、
前記第1空気噴射孔に設けられ、前記燃焼室の軸方向のうち前記燃焼室を向く燃焼室側軸方向に対して前記周方向に傾く第1旋回翼と、
前記第2空気噴射孔に設けられ、前記燃焼室側軸方向に対して前記周方向のうち前記第1旋回翼と同じ側に傾く第2旋回翼と、
を備え
前記複数の水素噴射孔、前記第1空気噴射孔および前記第2空気噴射孔を有する少なくとも1つの噴射孔群において、
前記第1空気噴射孔の外周側の第1壁部は、前記第1空気噴射孔よりも前記燃焼室側まで延在しており、
前記第1壁部の前記燃焼室側には、前記燃焼室側軸方向に対して径方向内側に傾くテーパ部が形成されており、
前記第2空気噴射孔の内周側の第2壁部は、前記第2空気噴射孔よりも前記燃焼室側まで延在しており、
前記第2壁部の前記燃焼室側には、前記燃焼室側軸方向に対して径方向外側に傾くテーパ部が形成されている、
燃焼装置。
【請求項2】
前記複数の水素噴射孔、前記第1空気噴射孔および前記第2空気噴射孔を有する噴射孔群が前記燃焼室の径方向に間隔を空けて一対設けられ、
一方の前記噴射孔群において前記第1旋回翼および前記第2旋回翼が前記燃焼室側軸方向に対して傾く方向と、他方の前記噴射孔群において前記第1旋回翼および前記第2旋回翼が前記燃焼室側軸方向に対して傾く方向は、前記周方向のうち異なる側である、
請求項1に記載の燃焼装置。
【請求項3】
前記複数の水素噴射孔、前記第1空気噴射孔および前記第2空気噴射孔を有する噴射孔群が前記燃焼室の径方向に間隔を空けて一対設けられ、
一方の前記噴射孔群において前記第1旋回翼および前記第2旋回翼が前記燃焼室側軸方向に対して傾く方向と、他方の前記噴射孔群において前記第1旋回翼および前記第2旋回翼が前記燃焼室側軸方向に対して傾く方向は、前記周方向のうち同じ側である、
請求項1に記載の燃焼装置。
【請求項4】
前記複数の水素噴射孔、前記第1空気噴射孔および前記第2空気噴射孔を有する噴射孔群に対して径方向内側に設けられ、前記燃焼室内に臨む第3空気噴射孔を備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の燃焼装置。
【請求項5】
前記第3空気噴射孔は、前記周方向に延在して環状に形成され、
前記第3空気噴射孔には、前記燃焼室側軸方向に対して前記周方向に傾く第3旋回翼が設けられる、
請求項4に記載の燃焼装置。
【請求項6】
前記第3空気噴射孔において前記第3旋回翼が前記燃焼室側軸方向に対して傾く方向と、前記第3空気噴射孔と隣り合う前記噴射孔群において前記第1旋回翼および前記第2旋回翼が前記燃焼室側軸方向に対して傾く方向は、前記周方向のうち異なる側である、
請求項5に記載の燃焼装置。
【請求項7】
前記燃焼室の端部を塞ぐバーナプレートを備え、
前記バーナプレートには、前記複数の水素噴射孔、前記第1空気噴射孔および前記第2空気噴射孔を有する噴射孔群が形成される、
請求項1から6のいずれか一項に記載の燃焼装置。
【請求項8】
前記バーナプレートには、前記複数の水素噴射孔と連通するマニホールドが形成される、
請求項7に記載の燃焼装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の燃焼装置を備える、
ガスタービンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃焼装置およびガスタービンシステムに関する。本出願は2021年3月25日に提出された日本特許出願第2021-051545号に基づく優先権の利益を主張するものであり、その内容は本出願に援用される。
【背景技術】
【0002】
燃焼器で燃料を燃焼させることによって動力を得るガスタービンシステムが利用されている。ガスタービンシステムとして、例えば、特許文献1に開示されているように、水素を燃料として用いるものがある。水素を燃料として用いることによって、二酸化炭素の排出が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-014400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水素の燃焼速度は、天然ガス等の他の燃料の燃焼速度と比べて非常に速い。ゆえに、天然ガス等が燃料として用いられる場合と同様に、燃料と空気を予め混合してバーナから燃焼器の燃焼室に供給すると、水素が燃料として用いられる場合には、逆火(つまり、バーナ内に炎が逆流する現象)が生じやすくなってしまう。また、水素の燃焼により形成される火炎の温度は、他の燃料の燃焼により形成される火炎の温度と比べて高い。ゆえに、火炎によってバーナが溶損しやすくなってしまう。このように、バーナを火炎から保護する必要性が高い。
【0005】
本開示の目的は、バーナを火炎から保護することが可能な燃焼装置およびガスタービンシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の燃焼装置は、燃焼室と、燃焼室内に臨み、燃焼室の周方向に間隔を空けて設けられる複数の水素噴射孔と、燃焼室内に臨み、複数の水素噴射孔に対して径方向外側において周方向に延在する環状の第1空気噴射孔と、燃焼室内に臨み、複数の水素噴射孔に対して径方向内側において周方向に延在する環状の第2空気噴射孔と、第1空気噴射孔に設けられ、燃焼室の軸方向のうち燃焼室を向く燃焼室側軸方向に対して周方向に傾く第1旋回翼と、第2空気噴射孔に設けられ、燃焼室側軸方向に対して周方向のうち第1旋回翼と同じ側に傾く第2旋回翼と、を備え、複数の水素噴射孔、第1空気噴射孔および第2空気噴射孔を有する少なくとも1つの噴射孔群において、第1空気噴射孔の外周側の第1壁部は、第1空気噴射孔よりも燃焼室側まで延在しており、第1壁部の燃焼室側には、燃焼室側軸方向に対して径方向内側に傾くテーパ部が形成されており、第2空気噴射孔の内周側の第2壁部は、第2空気噴射孔よりも燃焼室側まで延在しており、第2壁部の燃焼室側には、燃焼室側軸方向に対して径方向外側に傾くテーパ部が形成されている
【0007】
複数の水素噴射孔、第1空気噴射孔および第2空気噴射孔を有する噴射孔群が燃焼室の径方向に間隔を空けて一対設けられ、一方の噴射孔群において第1旋回翼および第2旋回翼が燃焼室側軸方向に対して傾く方向と、他方の噴射孔群において第1旋回翼および第2旋回翼が燃焼室側軸方向に対して傾く方向は、周方向のうち異なる側であってもよい。
【0008】
複数の水素噴射孔、第1空気噴射孔および第2空気噴射孔を有する噴射孔群が燃焼室の径方向に間隔を空けて一対設けられ、一方の噴射孔群において第1旋回翼および第2旋回翼が燃焼室側軸方向に対して傾く方向と、他方の噴射孔群において第1旋回翼および第2旋回翼が燃焼室側軸方向に対して傾く方向は、周方向のうち同じ側であってもよい。
【0009】
複数の水素噴射孔、第1空気噴射孔および第2空気噴射孔を有する噴射孔群に対して径方向内側に設けられ、燃焼室内に臨む第3空気噴射孔を備えてもよい。
【0010】
第3空気噴射孔は、周方向に延在して環状に形成され、第3空気噴射孔には、燃焼室側軸方向に対して周方向に傾く第3旋回翼が設けられてもよい。
【0011】
第3空気噴射孔において第3旋回翼が燃焼室側軸方向に対して傾く方向と、第3空気噴射孔と隣り合う噴射孔群において第1旋回翼および第2旋回翼が燃焼室側軸方向に対して傾く方向は、周方向のうち異なる側であってもよい。
【0012】
燃焼室の端部を塞ぐバーナプレートを備え、バーナプレートには、複数の水素噴射孔、第1空気噴射孔および第2空気噴射孔を有する噴射孔群が形成されてもよい。
【0013】
バーナプレートには、複数の水素噴射孔と連通するマニホールドが形成されてもよい。
【0014】
上記課題を解決するために、本開示のガスタービンシステムは、上記の燃焼装置を備える。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、バーナを火炎から保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本開示の実施形態に係るガスタービンシステムの構成を示す模式図である。
図2図2は、本開示の実施形態に係るバーナプレートを燃焼室側から見た図である。
図3図3は、図2中のA2-A2断面における断面図である。
図4図4は、図2中のA3-A3断面における断面図である。
図5図5は、図2中のA4-A4断面における断面図である。
図6図6は、本開示の実施形態に係る燃焼室内に生じるガスの流れを示す模式図である。
図7図7は、第1の変形例に係るバーナプレートを燃焼室側から見た図である。
図8図8は、第2の変形例に係るバーナプレートを燃焼室側から見た図である。
図9図9は、第3の変形例に係るバーナプレートを燃焼室側から見た図である。
図10図10は、第4の変形例に係るバーナプレートを燃焼室側から見た図である。
図11図11は、第5の変形例に係るバーナプレートを示す断面図である。
図12図12は、各噴射孔群において第1旋回翼と第2旋回翼との間で燃焼室側軸方向に対して傾く方向が周方向のうち異なる側である第1の例を示す図である。
図13図13は、各噴射孔群において第1旋回翼と第2旋回翼との間で燃焼室側軸方向に対して傾く方向が周方向のうち異なる側である第2の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0018】
図1は、本実施形態に係るガスタービンシステム1の構成を示す模式図である。図1に示すように、ガスタービンシステム1は、過給機11と、発電機12と、燃焼器13と、バーナ14と、水素タンク15と、流量制御弁16とを備える。
【0019】
ガスタービンシステム1のうち、燃焼器13と、バーナ14と、水素タンク15と、流量制御弁16とが、燃焼装置10に含まれる。
【0020】
過給機11は、圧縮機11aとタービン11bとを有する。圧縮機11aおよびタービン11bは、一体として回転する。圧縮機11aとタービン11bとは、シャフトによって連結されている。
【0021】
圧縮機11aは、燃焼器13と接続される吸気流路21に設けられている。吸気流路21には、燃焼器13に供給される空気が流通する。吸気流路21の上流側の端部には、空気が外部から取り込まれる不図示の吸気口が設けられる。吸気口から取り込まれた空気は、圧縮機11aを通過して、燃焼器13に送られる。圧縮機11aは、空気を圧縮して下流側に吐出する。
【0022】
タービン11bは、燃焼器13と接続される排気流路22に設けられている。排気流路22には、燃焼器13から排出された排気ガスが流通する。排気流路22の下流側の端部には、排気ガスが外部に排出される不図示の排気口が設けられる。燃焼器13から排出された排気ガスは、タービン11bを通過して、排気口に送られる。タービン11bは、排気ガスによって回されることによって、回転動力を生成する。
【0023】
発電機12は、過給機11と接続される。発電機12は、過給機11によって生成された回転動力を用いて発電する。
【0024】
燃焼器13は、ケーシング13aと、ライナ13bと、燃焼室13cとを有する。ケーシング13aは、略円筒形状を有する。ケーシング13aの内部に、ライナ13bが設けられる。ライナ13bは、略円筒形状を有する。ライナ13bは、ケーシング13aと同軸上に配置される。ライナ13bの内部には、燃焼室13cが形成されている。つまり、ライナ13bの内部空間が燃焼室13cに相当する。燃焼室13cは、略円柱形状の空間である。燃焼室13cには、排気流路22が接続されている。
【0025】
後述するように、燃焼室13cに、水素および空気が供給される。燃焼室13c内では、水素が燃料として用いられ、燃焼が行われる。燃焼室13c内での燃焼により生じた排気ガスは、排気流路22に排出される。ケーシング13aの内面とライナ13bの外面との間には、空間Sが形成されている。空間Sには、吸気流路21が接続されている。空間Sには、吸気流路21を介して圧縮機11aから空気が送られる。ライナ13bの端部(図1中の左側の端部)には、開口が形成される。ライナ13bの端部の開口に、バーナ14が挿通されている。
【0026】
バーナ14は、バーナプレート14aと、複数の水素供給管14bとを有する。バーナプレート14aは、ライナ13bの端部の開口を塞ぐ。つまり、バーナプレート14aは、燃焼室13cの端部を塞ぐ。バーナプレート14aは、円板形状を有する。水素供給管14bは、バーナプレート14aのうち燃焼室13c側に対して逆側の面に接続される。水素供給管14bは、ケーシング13aを貫通して、ケーシング13aの外部まで延在する。図1では、3つの水素供給管14bが示されている。ただし、水素供給管14bの数は限定されない。
【0027】
バーナプレート14aには、図2図5を参照して後述するように、水素噴射孔(具体的には、後述する水素噴射孔31)と、空気噴射孔(具体的には、後述する第1空気噴射孔32および第2空気噴射孔33)とが形成される。バーナプレート14aに形成される水素噴射孔は、水素供給管14bと連通する。水素供給管14bには、後述するように、水素が送られる。水素供給管14bからバーナプレート14aに送られた水素は、バーナプレート14aの水素噴射孔を通って、燃焼室13cに噴射される。図1中で一点鎖線矢印により示すように、空間Sに送られた空気は、空間Sを通過した後、バーナプレート14aのうち燃焼室13c側に対して逆側の面に到達する。バーナプレート14aに送られた空気は、バーナプレート14aの空気噴射孔を通って、燃焼室13cに噴射される。
【0028】
水素タンク15には、水素が貯蔵される。なお、水素タンク15内において、水素は液体であってもよく、気体であってもよい。水素タンク15は、流路23を介して流量制御弁16と接続されている。流量制御弁16は、流路24を介してバーナ14の各水素供給管14bと接続されている。水素タンク15に貯蔵される水素は、流路23、流量制御弁16および流路24を介して、水素供給管14bに供給される。流量制御弁16は、水素タンク15から水素供給管14bに供給される水素の流量を制御(つまり、調整)する。流量制御弁16の開度が調整されることによって、水素タンク15から水素供給管14bへの水素の供給量が調整される。
【0029】
以下では、燃焼室13cの周方向を単に周方向とも呼ぶ。燃焼室13cの径方向を単に径方向とも呼ぶ。燃焼室13cの軸方向を単に軸方向とも呼ぶ。
【0030】
図2は、バーナプレート14aを燃焼室13c側から見た図(具体的には、図1中の矢印A1方向から見た図)である。図3は、図2中のA2-A2断面における断面図である。図4は、図2中のA3-A3断面における断面図である。図5は、図2中のA4-A4断面における断面図である。
【0031】
図2に示すように、バーナプレート14aには、一対の噴射孔群30(具体的には、噴射孔群30-1および噴射孔群30-2)が形成されている。各噴射孔群30は、複数の水素噴射孔31、第1空気噴射孔32および第2空気噴射孔33を有する。各噴射孔群30は、周方向に延在し、円環形状を有する。噴射孔群30-1は、噴射孔群30-2に対して径方向外側に配置される。このように、噴射孔群30-1および噴射孔群30-2は、径方向に間隔を空けて設けられる。ただし、バーナプレート14aに形成される噴射孔群30の数は、この例に限定されない。例えば、バーナプレート14aに形成される噴射孔群30の数は、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
【0032】
水素噴射孔31は、燃焼室13c内に臨む。水素噴射孔31は、バーナプレート14aのうち燃焼室13c側の面に開口する。各噴射孔群30において、複数の水素噴射孔31は、周方向に間隔を空けて設けられる。各噴射孔群30において、複数の水素噴射孔31は、等間隔に設けられる。ただし、各噴射孔群30において、複数の水素噴射孔31は、不等間隔に設けられてもよい。
【0033】
バーナプレート14aには、複数の水素噴射孔31と連通するマニホールド40が各噴射孔群30に対して形成される。マニホールド40は、周方向に延在する。マニホールド40は、例えば、環状に形成される。図2および図3に示すように、マニホールド40は、各噴射孔群30の複数の水素噴射孔31に対して燃焼室13cの軸方向に並設される。マニホールド40は、各噴射孔群30の複数の水素噴射孔31に対して燃焼室13c側と逆側に配置される。図3の例では、マニホールド40の横断面形状(具体的には、マニホールド40の延在方向に直交する断面における形状)は、円形状である。ただし、マニホールド40の横断面形状は、円形状以外の形状(例えば、多角形状等)であってもよい。
【0034】
マニホールド40には、バーナ14の水素供給管14bが接続されている。水素供給管14bから各マニホールド40に水素が供給される。マニホールド40に供給された水素は、図3中で矢印C1により示すように、各水素噴射孔31から燃焼室13cに噴射される。噴射孔群30-1に対して設けられるマニホールド40に供給された水素は、噴射孔群30-1の複数の水素噴射孔31から燃焼室13cに噴射される。噴射孔群30-2に対して設けられるマニホールド40に供給された水素は、噴射孔群30-2の複数の水素噴射孔31から燃焼室13cに噴射される。
【0035】
第1空気噴射孔32は、燃焼室13c内に臨む。第1空気噴射孔32は、バーナプレート14aを燃焼室13c側から燃焼室13c側に対して逆側まで貫通する。各噴射孔群30において、第1空気噴射孔32は、複数の水素噴射孔31に対して径方向外側に設けられる。第1空気噴射孔32は、周方向に延在し、環状に形成される。燃焼器13内の空間Sを通ってバーナプレート14aに送られた空気の一部は、図3および図4中で矢印C2により示すように、第1空気噴射孔32から燃焼室13cに噴射される。
【0036】
第1空気噴射孔32には、燃焼室側軸方向に対して周方向に傾く第1旋回翼32aが設けられる。燃焼室側軸方向は、燃焼室13cの軸方向のうち燃焼室13cを向く方向である。燃焼室側軸方向に対して周方向に傾くことは、燃焼室側軸方向のベクトルに周方向のベクトルを合成したベクトルの方向に延在すること、または、燃焼室13cに近づくにつれて周方向に進むように傾くことを意味する。第1旋回翼32aは、例えば、略平板形状を有する。第1旋回翼32aは、第1空気噴射孔32を周方向に区切る。第1旋回翼32aは、周方向に対して交差する面上に延在する。各第1空気噴射孔32において、複数の第1旋回翼32aが、周方向に間隔を空けて設けられる。各第1空気噴射孔32において、複数の第1旋回翼32aは、等間隔に設けられる。ただし、各第1空気噴射孔32において、複数の第1旋回翼32aは、不等間隔に設けられてもよい。
【0037】
例えば、図4に示すように、噴射孔群30-1の第1空気噴射孔32では、第1旋回翼32aは、燃焼室側軸方向に対して周方向の一側(図2中の時計回り方向)に傾く。第1空気噴射孔32から噴射される空気の噴射方向は、第1旋回翼32aに沿った方向となる。ゆえに、図4中で矢印C2により示すように、噴射孔群30-1の第1空気噴射孔32から噴射される空気の噴射方向は、燃焼室側軸方向に対して周方向の一側に傾く方向となる。よって、図2中で矢印B1により示すように、噴射孔群30-1の第1空気噴射孔32から噴射された空気は、燃焼室13c内において周方向の一側に旋回する。
【0038】
第2空気噴射孔33は、燃焼室13c内に臨む。第2空気噴射孔33は、バーナプレート14aを燃焼室13c側から燃焼室13c側に対して逆側まで貫通する。各噴射孔群30において、第2空気噴射孔33は、複数の水素噴射孔31に対して径方向内側に設けられる。第2空気噴射孔33は、周方向に延在し、環状に形成される。燃焼器13内の空間Sを通ってバーナプレート14aに送られた空気の一部は、図3および図5中で矢印C3により示すように、第2空気噴射孔33から燃焼室13cに噴射される。
【0039】
第2空気噴射孔33には、燃焼室側軸方向に対して周方向のうち第1旋回翼32a(具体的には、同じ噴射孔群30に属する第1旋回翼32a)と同じ側に傾く第2旋回翼33aが設けられる。第2旋回翼33aは、例えば、略平板形状を有する。第2旋回翼33aは、第2空気噴射孔33を周方向に区切る。第2旋回翼33aは、周方向に対して交差する面上に延在する。各第2空気噴射孔33において、複数の第2旋回翼33aが、周方向に間隔を空けて設けられる。各第2空気噴射孔33において、複数の第2旋回翼33aは、等間隔に設けられる。ただし、各第2空気噴射孔33において、複数の第2旋回翼33aは、不等間隔に設けられてもよい。
【0040】
例えば、図5に示すように、噴射孔群30-1の第2空気噴射孔33では、第2旋回翼33aは、燃焼室側軸方向に対して周方向の一側(図2中の時計回り方向)に傾く。第2空気噴射孔33から噴射される空気の噴射方向は、第2旋回翼33aに沿った方向となる。ゆえに、図5中で矢印C3により示すように、噴射孔群30-1の第2空気噴射孔33から噴射される空気の噴射方向は、燃焼室側軸方向に対して周方向の一側に傾く方向となる。よって、図2中で矢印B2により示すように、噴射孔群30-1の第2空気噴射孔33から噴射された空気は、燃焼室13c内において周方向の一側に旋回する。
【0041】
噴射孔群30-1において第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aが燃焼室側軸方向に対して傾く方向と、噴射孔群30-2において第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aが燃焼室側軸方向に対して傾く方向は、周方向のうち異なる側である。つまり、噴射孔群30-2の第1空気噴射孔32では、第1旋回翼32aは、燃焼室側軸方向に対して周方向の他側(図2中の反時計回り方向)に傾く。よって、図2中で矢印B3により示すように、噴射孔群30-2の第1空気噴射孔32から噴射された空気は、燃焼室13c内において周方向の他側に旋回する。噴射孔群30-2の第2空気噴射孔33では、第2旋回翼33aは、燃焼室側軸方向に対して周方向の他側に傾く。よって、図2中で矢印B4により示すように、噴射孔群30-2の第2空気噴射孔33から噴射された空気は、燃焼室13c内において周方向の他側に旋回する。
【0042】
上記のように、各噴射孔群30において、複数の水素噴射孔31に対して径方向外側に設けられる第1空気噴射孔32には、燃焼室側軸方向に対して周方向に傾く第1旋回翼32aが設けられる。複数の水素噴射孔31に対して径方向内側に設けられる第2空気噴射孔33には、燃焼室側軸方向に対して周方向のうち第1旋回翼32aと同じ側に傾く第2旋回翼33aが設けられる。それにより、第1空気噴射孔32および第2空気噴射孔33から噴射された空気は、燃焼室13c内において周方向の同じ側に旋回する。水素噴射孔31から噴射される水素は、このように生じた空気の旋回流に向けて噴射される。ゆえに、水素噴射孔31から噴射される水素は、空気の旋回流によって、旋回しながら空気と混合される。
【0043】
以上説明したように、ガスタービンシステム1の燃焼装置10によれば、各噴射孔群30において、第1空気噴射孔32および第2空気噴射孔33から噴射される空気により生じる空気の旋回流によって、水素噴射孔31から噴射される水素が空気と急速に混合される。ゆえに、水素と空気が予め混合された状態で燃焼室13cに供給される場合と比べて、着火位置が燃焼室13cの内部側になる。よって、逆火が抑制される。また、バーナ14の溶損が抑制される。ゆえに、バーナ14を火炎から保護することができる。また、空気の供給量を適宜調整し、火炎の温度を低下させることによって、NOxの排出量の低減も実現される。
【0044】
なお、各噴射孔群30において、第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aの傾斜角(つまり、燃焼室側軸方向に対する傾斜角)は、一致していてもよく、異なっていてもよい。
【0045】
図6は、燃焼室13c内に生じるガスの流れを示す模式図である。図6では、第1空気噴射孔32および第2空気噴射孔33から噴射される空気により生じる空気の旋回流が、矢印D1により示されている。空気の旋回流が生じると、矢印D2により示すように、旋回流の中心軸近傍(つまり、燃焼室13cの中心軸近傍)を通ってバーナプレート14a側に向かうガスの流れである循環流が生じる。
【0046】
燃焼装置10では、上述したように、噴射孔群30-1において第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aが燃焼室側軸方向に対して傾く方向と、噴射孔群30-2において第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aが燃焼室側軸方向に対して傾く方向は、周方向のうち異なる側である。それにより、噴射孔群30-1から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向(具体的には、図2中の時計回り方向)と、噴射孔群30-2から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向(具体的には、図2中の反時計回り方向)とが逆方向になる。ゆえに、噴射孔群30-1から噴射される空気により生じる空気の旋回流と、噴射孔群30-2から噴射される空気により生じる空気の旋回流とが、互いに弱め合う。よって、旋回流の中心軸近傍を通ってバーナプレート14a側に向かう循環流(つまり、図6中で矢印D2により示す流れ)が弱まる。それにより、バーナプレート14aへの火炎の接近が抑制される。ゆえに、バーナ14の溶損が抑制される。
【0047】
燃焼室13cの軸方向において、噴射孔群30-1により生じる空気の旋回流と、噴射孔群30-2により生じる空気の旋回流とが互いに干渉する位置では、局所的な渦が生じ、噴射孔群30-1から噴射されるガスと噴射孔群30-2から噴射されるガスとが混合しやすくなる。それにより、NOxの排出量がより低減される。
【0048】
上記の例では、噴射孔群30-1の第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aが燃焼室側軸方向に対して周方向の一側(図2中の時計回り方向)に傾く。ただし、噴射孔群30-1の第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aが、燃焼室側軸方向に対して周方向の他側(図2中の反時計回り方向)に傾いていてもよい。この場合、噴射孔群30-2の第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aは、燃焼室側軸方向に対して周方向の一側に傾く。
【0049】
燃焼装置10では、燃焼室13cの端部を塞ぐバーナプレート14aに、噴射孔群30が形成される。ゆえに、バーナプレート14aを金属積層技術等によって一体成型することによって、噴射孔群30を容易に形成することができる。このようにバーナプレート14aが一体成型されることによって、噴射孔群30を形成する部材がバーナプレート14aと別体である場合と比べ、バーナ14の構造が簡略化され、バーナ14が小型化され、バーナ14の製造コストが低減される。また、部材の接合部分からの水素の漏れが抑制される。また、熱応力による接合部分での割れの発生が抑制される。
【0050】
燃焼装置10では、バーナプレート14aには、複数の水素噴射孔31と連通するマニホールド40が形成される。ゆえに、バーナプレート14aを金属積層技術等によって一体成型することによって、マニホールド40を容易に形成することができる。このようにバーナプレート14aが一体成型されることによって、マニホールド40を形成する部材がバーナプレート14aと別体である場合と比べ、バーナ14の構造が簡略化され、バーナ14が小型化され、バーナ14の製造コストが低減される。また、部材の接合部分からの水素の漏れが抑制される。また、熱応力による接合部分での割れの発生が抑制される。
【0051】
なお、バーナプレート14aを分割した各部分(例えば、周方向に所定角度ずつ分割した各部分)を金属積層技術等によってそれぞれ一体成型し、得られる部材を組み立ててもよい。その場合にも、バーナ14の製造コストが低減され、部材の接合部分からの水素の漏れが抑制され、熱応力による接合部分での割れの発生が抑制される。
【0052】
以下、図7図11を参照して、各変形例に係るガスタービンシステムについて説明する。なお、以下で説明する各変形例に係るガスタービンシステムでは、バーナプレート以外の構成については、上述したガスタービンシステム1と同様なので、説明を省略する。
【0053】
図7は、第1の変形例に係るバーナプレート14aAを燃焼室13c側から見た図である。図7に示すように、第1の変形例に係るガスタービンシステム1Aの燃焼装置10Aは、バーナプレート14aAを備える。
【0054】
バーナプレート14aAでは、上述したバーナプレート14aと比較して、噴射孔群30-2において第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aが燃焼室側軸方向に対して傾く方向が異なる。
【0055】
第1の変形例では、噴射孔群30-1において第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aが燃焼室側軸方向に対して傾く方向と、噴射孔群30-2において第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aが燃焼室側軸方向に対して傾く方向は、周方向のうち同じ側である。
【0056】
噴射孔群30-1の第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aは、上述したバーナプレート14aと同様に、燃焼室側軸方向に対して周方向の一側(図7中の時計回り方向)に傾く。よって、図7中で矢印B1および矢印B2により示すように、噴射孔群30-1の第1空気噴射孔32および第2空気噴射孔33から噴射された空気は、燃焼室13c内において周方向の一側に旋回する。
【0057】
一方、噴射孔群30-2の第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aは、上述したバーナプレート14aと異なり、燃焼室側軸方向に対して周方向の一側(図7中の時計回り方向)に傾く。よって、図7中で矢印B3および矢印B4により示すように、噴射孔群30-2の第1空気噴射孔32および第2空気噴射孔33から噴射された空気は、燃焼室13c内において周方向の一側に旋回する。
【0058】
上記のように、第1の変形例に係る燃焼装置10Aでは、噴射孔群30-1において第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aが燃焼室側軸方向に対して傾く方向と、噴射孔群30-2において第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aが燃焼室側軸方向に対して傾く方向は、周方向のうち同じ側である。それにより、噴射孔群30-1から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向(具体的には、図7中の時計回り方向)と、噴射孔群30-2から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向(具体的には、図7中の時計回り方向)とが同一方向になる。ゆえに、噴射孔群30-1から噴射される空気により生じる空気の旋回流と、噴射孔群30-2から噴射される空気により生じる空気の旋回流とが、互いに強め合う。よって、燃焼室13c内に生じる空気の旋回流によって、火炎が旋回流の中心側に保持されやすくなり、火炎がより安定化される。
【0059】
なお、噴射孔群30-2の第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aの傾斜角(つまり、燃焼室側軸方向に対する傾斜角)は、噴射孔群30-1の第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aの傾斜角よりも小さくてもよい。それにより、噴射孔群30-2から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向の速度成分を、噴射孔群30-1から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向の速度成分よりも小さくしやすくなる。ゆえに、旋回流の中心軸近傍を通ってバーナプレート14aA側に向かう循環流が過度に強くなることが抑制され、バーナプレート14aAへの火炎の接近が抑制される。
【0060】
上記の例では、噴射孔群30-1の第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aが、燃焼室側軸方向に対して周方向の一側(図7中の時計回り方向)に傾く。ただし、噴射孔群30-1の第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aが、燃焼室側軸方向に対して周方向の他側(図7中の反時計回り方向)に傾いていてもよい。この場合、噴射孔群30-2の第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aは、燃焼室側軸方向に対して周方向の他側に傾く。
【0061】
図8は、第2の変形例に係るバーナプレート14aBを燃焼室13c側から見た図である。図8に示すように、第2の変形例に係るガスタービンシステム1Bの燃焼装置10Bは、バーナプレート14aBを備える。
【0062】
バーナプレート14aBでは、上述したバーナプレート14aと比較して、第3空気噴射孔51が設けられる点が異なる。
【0063】
第3空気噴射孔51は、燃焼室13c内に臨む。第3空気噴射孔51は、バーナプレート14aBを燃焼室13c側から燃焼室13c側に対して逆側まで貫通する。第3空気噴射孔51は、噴射孔群30-2に対して径方向内側に設けられる。このように、噴射孔群30が複数存在する場合、第3空気噴射孔51は、最も径方向内側の噴射孔群30に対して径方向内側に設けられる。つまり、第3空気噴射孔51は、いずれの噴射孔群30よりも径方向内側に設けられる。
【0064】
第3空気噴射孔51は、燃焼室13cの中心軸と同軸上に配置される。ただし、第3空気噴射孔51の中心軸と燃焼室13cの中心軸とは一致しなくてもよい。第3空気噴射孔51は、円柱形状を有する。ただし、第3空気噴射孔51は、円柱形状以外の形状(例えば、多角柱形状等)を有してもよい。
【0065】
燃焼器13内の空間Sを通ってバーナプレート14aBに送られた空気の一部は、第3空気噴射孔51から燃焼室13cに噴射される。第3空気噴射孔51から噴射される空気の噴射方向は、燃焼室13cの軸方向である。ただし、第3空気噴射孔51から噴射される空気の噴射方向は、燃焼室13cの軸方向に対して傾斜していてもよい。
【0066】
上記のように、第2の変形例に係る燃焼装置10Bでは、噴射孔群30-2に対して径方向内側に第3空気噴射孔51が設けられる。それにより、旋回流の中心軸近傍を通ってバーナプレート14aB側に向かう循環流を、第3空気噴射孔51から噴射される空気によって弱めることができる。ゆえに、バーナプレート14aBへの火炎の接近がより効果的に抑制される。よって、バーナ14の溶損がより効果的に抑制される。
【0067】
図8の例では、噴射孔群30-1から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向と、噴射孔群30-2から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向とが逆方向である。ただし、燃焼装置10Bにおいて、噴射孔群30-1から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向と、噴射孔群30-2から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向とが同一方向であってもよい。
【0068】
図9は、第3の変形例に係るバーナプレート14aCを燃焼室13c側から見た図である。図9に示すように、第3の変形例に係るガスタービンシステム1Cの燃焼装置10Cは、バーナプレート14aCを備える。
【0069】
バーナプレート14aCでは、上述したバーナプレート14aと比較して、複数の第3空気噴射孔52と、複数の第4空気噴射孔53と、複数の第5空気噴射孔54とが設けられる点が異なる。
【0070】
第3空気噴射孔52、第4空気噴射孔53および第5空気噴射孔54は、燃焼室13c内に臨む。第3空気噴射孔52、第4空気噴射孔53および第5空気噴射孔54は、バーナプレート14aCを燃焼室13c側から燃焼室13c側に対して逆側まで貫通する。第3空気噴射孔52、第4空気噴射孔53および第5空気噴射孔54の流路断面形状は、円形状を有する。ただし、第3空気噴射孔52、第4空気噴射孔53および第5空気噴射孔54の流路断面形状は、円形状以外の形状(例えば、多角形状等)を有してもよい。
【0071】
第3空気噴射孔52、第4空気噴射孔53および第5空気噴射孔54の流路径は、上述したバーナプレート14aBの第3空気噴射孔51の流路径よりも小さい。第3空気噴射孔52、第4空気噴射孔53および第5空気噴射孔54の流路径は、互いに一致する。ただし、第3空気噴射孔52、第4空気噴射孔53および第5空気噴射孔54の流路径は、互いに異なっていてもよい。
【0072】
燃焼器13内の空間Sを通ってバーナプレート14aCに送られた空気の一部は、第3空気噴射孔52、第4空気噴射孔53および第5空気噴射孔54から燃焼室13cに噴射される。第3空気噴射孔52、第4空気噴射孔53および第5空気噴射孔54から噴射される空気の噴射方向は、燃焼室13cの軸方向である。ただし、第3空気噴射孔52、第4空気噴射孔53および第5空気噴射孔54から噴射される空気の噴射方向は、燃焼室13cの軸方向に対して傾斜していてもよい。
【0073】
第3空気噴射孔52は、噴射孔群30-2に対して径方向内側に設けられる。第4空気噴射孔53は、噴射孔群30-1に対して径方向内側、かつ、噴射孔群30-2に対して径方向外側に設けられる。第5空気噴射孔54は、噴射孔群30-1に対して径方向外側に設けられる。
【0074】
上記のように、第3の変形例に係る燃焼装置10Cでは、噴射孔群30-2に対して径方向内側に第3空気噴射孔52が設けられる。それにより、上述した燃焼装置10Bと同様に、旋回流の中心軸近傍を通ってバーナプレート14aC側に向かう循環流を、第3空気噴射孔52から噴射される空気によって弱めることができる。ゆえに、バーナプレート14aCへの火炎の接近がより効果的に抑制される。よって、バーナ14の溶損がより効果的に抑制される。
【0075】
さらに、第3の変形例に係る燃焼装置10Cでは、バーナプレート14aCにおける広い範囲に亘って、第3空気噴射孔52、第4空気噴射孔53および第5空気噴射孔54が設けられている。それにより、第3空気噴射孔52、第4空気噴射孔53および第5空気噴射孔54を通る空気によって、バーナプレート14aCが冷却される。
【0076】
図9の例では、噴射孔群30-1から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向と、噴射孔群30-2から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向とが逆方向である。ただし、燃焼装置10Cにおいて、噴射孔群30-1から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向と、噴射孔群30-2から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向とが同一方向であってもよい。
【0077】
図10は、第4の変形例に係るバーナプレート14aDを燃焼室13c側から見た図である。図10に示すように、第4の変形例に係るガスタービンシステム1Dの燃焼装置10Dは、バーナプレート14aDを備える。
【0078】
バーナプレート14aDでは、上述したバーナプレート14aと比較して、第3空気噴射孔55が設けられる点が異なる。
【0079】
第3空気噴射孔55は、燃焼室13c内に臨む。第3空気噴射孔55は、バーナプレート14aDを燃焼室13c側から燃焼室13c側に対して逆側まで貫通する。第3空気噴射孔55は、噴射孔群30-2に対して径方向内側に設けられる。第3空気噴射孔55は、周方向に延在し、環状に形成される。燃焼器13内の空間Sを通ってバーナプレート14aDに送られた空気の一部は、第3空気噴射孔55から燃焼室13cに噴射される。
【0080】
第3空気噴射孔55には、燃焼室側軸方向に対して周方向に傾く第3旋回翼55aが設けられる。第3旋回翼55aは、例えば、略平板形状を有する。第3旋回翼55aは、第3空気噴射孔55を周方向に区切る。第3旋回翼55aは、周方向に対して交差する面上に延在する。第3空気噴射孔55において、複数の第3旋回翼55aが、周方向に間隔を空けて設けられる。第3空気噴射孔55において、複数の第3旋回翼55aは、等間隔に設けられる。ただし、第3空気噴射孔55において、複数の第3旋回翼55aは、不等間隔に設けられてもよい。
【0081】
第3空気噴射孔55において第3旋回翼55aが燃焼室側軸方向に対して傾く方向と、第3空気噴射孔55と隣り合う噴射孔群30-2において第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aが燃焼室側軸方向に対して傾く方向は、周方向のうち異なる側である。図10の例では、噴射孔群30-2の第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aは、燃焼室側軸方向に対して周方向の他側(図10中の反時計回り方向)に傾く。つまり、第3旋回翼55aは、燃焼室側軸方向に対して周方向の一側(図10中の時計回り方向)に傾く。よって、図10中で矢印B5により示すように、第3空気噴射孔55から噴射された空気は、燃焼室13c内において周方向の一側に旋回する。
【0082】
上記のように、第4の変形例に係る燃焼装置10Dでは、噴射孔群30-2に対して径方向内側に第3空気噴射孔55が設けられる。それにより、上述した燃焼装置10Bと同様に、旋回流の中心軸近傍を通ってバーナプレート14aD側に向かう循環流を、第3空気噴射孔51から噴射される空気によって弱めることができる。ゆえに、バーナプレート14aDへの火炎の接近がより効果的に抑制される。よって、バーナ14の溶損がより効果的に抑制される。さらに、第4の変形例に係る燃焼装置10Dでは、第3空気噴射孔55から噴射された空気によって、燃焼室13c内に空気の旋回流が生じるので、水素と空気との混合をより促進させることができる。
【0083】
燃焼装置10Dでは、上述したように、第3空気噴射孔55において第3旋回翼55aが燃焼室側軸方向に対して傾く方向と、第3空気噴射孔55と隣り合う噴射孔群30-2において第1旋回翼32aおよび第2旋回翼33aが燃焼室側軸方向に対して傾く方向は、周方向のうち異なる側である。それにより、第3空気噴射孔55から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向(具体的には、図10中の時計回り方向)と、噴射孔群30-2から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向(具体的には、図10中の反時計回り方向)とが逆方向になる。ゆえに、第3空気噴射孔55から噴射される空気により生じる空気の旋回流と、噴射孔群30-2から噴射される空気により生じる空気の旋回流とが、互いに弱め合う。よって、旋回流の中心軸近傍を通ってバーナプレート14aD側に向かう循環流が弱まる。それにより、バーナプレート14aDへの火炎の接近がさらに効果的に抑制される。よって、バーナ14の溶損がさらに効果的に抑制される。ただし、第3空気噴射孔55に第3旋回翼55aが設けられなくてもよい。
【0084】
図10の例では、噴射孔群30-1から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向と、噴射孔群30-2から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向とが逆方向である。ただし、燃焼装置10Dにおいて、噴射孔群30-1から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向と、噴射孔群30-2から噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向とが同一方向であってもよい。
【0085】
図11は、第5の変形例に係るバーナプレート14aEを示す断面図である。図11に示すように、第5の変形例に係るガスタービンシステム1Eの燃焼装置10Eは、バーナプレート14aEを備える。
【0086】
バーナプレート14aEでは、上述したバーナプレート14aと比較して、第1空気噴射孔32の外周側の壁部61、および、第2空気噴射孔33の内周側の壁部62の構成が異なる。なお、壁部61および壁部62の構成は、各噴射孔群30において同様である。
【0087】
第1空気噴射孔32の外周側の壁部61は、第1空気噴射孔32よりも燃焼室13c側まで延在している。壁部61の燃焼室13c側には、テーパ部61aが形成されている。テーパ部61aは、燃焼室側軸方向に対して径方向内側に傾く。
【0088】
第2空気噴射孔33の内周側の壁部62は、第2空気噴射孔33よりも燃焼室13c側まで延在している。壁部62の燃焼室13c側には、テーパ部62aが形成されている。テーパ部62aは、燃焼室側軸方向に対して径方向外側に傾く。
【0089】
水素噴射孔31から噴射された水素、第1空気噴射孔32から噴射された空気、および、第2空気噴射孔33から噴射された空気は、壁部61のテーパ部61aと壁部62のテーパ部62aとの間において絞られる。それにより、壁部61のテーパ部61aと壁部62のテーパ部62aとの間において、水素および空気の流速が高くなり、水素と空気との混合が促進される。
【0090】
なお、噴射孔群30が複数存在する場合、壁部61のテーパ部61a、および、壁部62のテーパ部62aは、一部の噴射孔群30のみに設けられてもよく、全ての噴射孔群30に設けられてもよい。
【0091】
燃焼装置10Eは、上述した燃焼装置10に対して、壁部61のテーパ部61a、および、壁部62のテーパ部62aを追加した例である。ただし、上述した燃焼装置10A、燃焼装置10B、燃焼装置10Cまたは燃焼装置10Dに対して、壁部61のテーパ部61a、および、壁部62のテーパ部62aが追加されてもよい。
【0092】
上記では、各噴射孔群において第1旋回翼32aと第2旋回翼33aとの間で燃焼室側軸方向に対して傾く方向が周方向のうち同じ側である例を説明した。ただし、各噴射孔群において第1旋回翼32aと第2旋回翼33aとの間で燃焼室側軸方向に対して傾く方向が周方向のうち異なる側であってもよい。つまり、各噴射孔群において、第2旋回翼33aは、燃焼室側軸方向に対して周方向のうち第1旋回翼32aと異なる側に傾いてもよい。
【0093】
図12は、各噴射孔群において第1旋回翼32aと第2旋回翼33aとの間で燃焼室側軸方向に対して傾く方向が周方向のうち異なる側である第1の例を示す図である。図12では、このような第1の例に係るガスタービンシステム1Fの燃焼装置10Fのバーナプレート14aFを燃焼室13c側から見た様子が示されている。
【0094】
バーナプレート14aFでは、噴射孔群30-1の第1旋回翼32aは、燃焼室側軸方向に対して周方向の一側(図12中の時計回り方向)に傾く。よって、図12中で矢印B1により示すように、噴射孔群30-1の第1空気噴射孔32から噴射された空気は、燃焼室13c内において周方向の一側に旋回する。一方、噴射孔群30-1の第2旋回翼33aは、燃焼室側軸方向に対して周方向の他側(図12中の反時計回り方向)に傾く。よって、図12中で矢印B2により示すように、噴射孔群30-1の第2空気噴射孔33から噴射された空気は、燃焼室13c内において周方向の他側に旋回する。
【0095】
バーナプレート14aFでは、噴射孔群30-2の第1旋回翼32aは、燃焼室側軸方向に対して周方向の一側(図12中の時計回り方向)に傾く。よって、図12中で矢印B3により示すように、噴射孔群30-2の第1空気噴射孔32から噴射された空気は、燃焼室13c内において周方向の一側に旋回する。一方、噴射孔群30-2の第2旋回翼33aは、燃焼室側軸方向に対して周方向の他側(図12中の反時計回り方向)に傾く。よって、図12中で矢印B4により示すように、噴射孔群30-2の第2空気噴射孔33から噴射された空気は、燃焼室13c内において周方向の他側に旋回する。
【0096】
燃焼装置10Fでは、各噴射孔群において、第1旋回翼32aと第2旋回翼33aとの間で燃焼室側軸方向に対して傾く方向が周方向のうち異なる側である。それにより、各噴射孔群において、水素噴射孔31から噴射される水素は、径方向内側と径方向外側とで、周方向のうち異なる側の旋回力を受ける。ゆえに、各噴射孔群において、第1空気噴射孔32および第2空気噴射孔33から噴射される空気により生じる空気の旋回流によって、水素噴射孔31から噴射される水素が空気と急速に混合される。これにより、水素と空気が予め混合された状態で燃焼室13cに供給される場合と比べて、着火位置が燃焼室13cの内部側になるので、逆火が抑制される。よって、バーナ14を火炎から保護することができる。
【0097】
また、燃焼装置10Fでは、噴射孔群30-1の第2旋回翼33aと、噴射孔群30-2の第1旋回翼32aとの間で燃焼室側軸方向に対して傾く方向が周方向のうち異なる側である。それにより、噴射孔群30-1の第2旋回翼33aから噴射された空気により生じる空気の旋回流の旋回方向(具体的には、図12中の反時計回り方向)と、噴射孔群30-2の第1旋回翼32aから噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向(具体的には、図12中の時計回り方向)とが逆方向になる。ゆえに、噴射孔群30-1の第2旋回翼33aから噴射される空気により生じる空気の旋回流と、噴射孔群30-2の第1旋回翼32aから噴射される空気により生じる空気の旋回流とが、互いに弱め合う。よって、旋回流の中心軸近傍を通ってバーナプレート14aF側に向かう循環流(つまり、図6中で矢印D2により示す流れ)が弱まる。それにより、バーナプレート14aFへの火炎の接近が抑制される。ゆえに、バーナ14の溶損が抑制される。
【0098】
図13は、各噴射孔群において第1旋回翼32aと第2旋回翼33aとの間で燃焼室側軸方向に対して傾く方向が周方向のうち異なる側である第2の例を示す図である。図13では、このような第2の例に係るガスタービンシステム1Gの燃焼装置10Gのバーナプレート14aGを燃焼室13c側から見た様子が示されている。
【0099】
バーナプレート14aGでは、噴射孔群30-1の第1旋回翼32aは、燃焼室側軸方向に対して周方向の一側(図13中の時計回り方向)に傾く。よって、図13中で矢印B1により示すように、噴射孔群30-1の第1空気噴射孔32から噴射された空気は、燃焼室13c内において周方向の一側に旋回する。一方、噴射孔群30-1の第2旋回翼33aは、燃焼室側軸方向に対して周方向の他側(図13中の反時計回り方向)に傾く。よって、図13中で矢印B2により示すように、噴射孔群30-1の第2空気噴射孔33から噴射された空気は、燃焼室13c内において周方向の他側に旋回する。
【0100】
バーナプレート14aGでは、噴射孔群30-2の第1旋回翼32aは、燃焼室側軸方向に対して周方向の他側(図13中の反時計回り方向)に傾く。よって、図13中で矢印B3により示すように、噴射孔群30-2の第1空気噴射孔32から噴射された空気は、燃焼室13c内において周方向の他側に旋回する。一方、噴射孔群30-2の第2旋回翼33aは、燃焼室側軸方向に対して周方向の一側(図13中の時計回り方向)に傾く。よって、図13中で矢印B4により示すように、噴射孔群30-2の第2空気噴射孔33から噴射された空気は、燃焼室13c内において周方向の一側に旋回する。
【0101】
燃焼装置10Gでは、燃焼装置10Fと同様に、各噴射孔群において、第1旋回翼32aと第2旋回翼33aとの間で燃焼室側軸方向に対して傾く方向が周方向のうち異なる側である。それにより、燃焼装置10Fと同様に、各噴射孔群において、第1空気噴射孔32および第2空気噴射孔33から噴射される空気により生じる空気の旋回流によって、水素噴射孔31から噴射される水素が空気と急速に混合され、逆火が抑制される。
【0102】
また、燃焼装置10Gでは、噴射孔群30-1の第2旋回翼33aと、噴射孔群30-2の第1旋回翼32aとの間で燃焼室側軸方向に対して傾く方向が周方向のうち同じ側である。それにより、噴射孔群30-1の第2旋回翼33aから噴射された空気により生じる空気の旋回流の旋回方向(具体的には、図13中の反時計回り方向)と、噴射孔群30-2の第1旋回翼32aから噴射される空気により生じる空気の旋回流の旋回方向(具体的には、図13中の反時計回り方向)とが同一向になる。ゆえに、噴射孔群30-1の第2旋回翼33aから噴射される空気により生じる空気の旋回流と、噴射孔群30-2の第1旋回翼32aから噴射される空気により生じる空気の旋回流とが、互いに強め合う。しかしながら、各噴射孔群において、第1旋回翼32aから噴射される空気により生じる空気の旋回流と第2旋回翼33aから噴射される空気により生じる空気の旋回流とは、互いに弱め合う。よって、旋回流の中心軸近傍を通ってバーナプレート14aG側に向かう循環流(つまり、図6中で矢印D2により示す流れ)は、図12の例と比べて強いものの、過度に強くなることはない。
【0103】
なお、図12の燃焼装置10Fおよび図13の燃焼装置10Gに対して、図8の例に示される第3空気噴射孔51、図9の例に示される第3空気噴射孔52、第4空気噴射孔53および第5空気噴射孔54、図10の例に示される第3空気噴射孔55、図11の例に示される壁部61のテーパ部61a、および、壁部62のテーパ部62aがそれぞれ追加されてもよい。
【0104】
以上、添付図面を参照しながら本開示の実施形態について説明したが、本開示はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0105】
上記では、ガスタービンシステム1、ガスタービンシステム1A、ガスタービンシステム1B、ガスタービンシステム1C、ガスタービンシステム1D、ガスタービンシステム1E、ガスタービンシステム1Fおよびガスタービンシステム1Gにおいて、過給機11によって生成された回転動力が発電機12を駆動させるエネルギとして利用される例を説明した。ただし、ガスタービンシステム1、ガスタービンシステム1A、ガスタービンシステム1B、ガスタービンシステム1C、ガスタービンシステム1D、ガスタービンシステム1E、ガスタービンシステム1Fおよびガスタービンシステム1Gにおいて、過給機11によって生成された回転動力が他の用途(例えば、船舶等の移動体を駆動させる目的等)に利用されてもよい。
【0106】
上記では、燃焼室13cの形状が略円柱形状である例を説明した。ただし、燃焼室13cの形状は、この例に限定されない。例えば、燃焼室13cは、略円筒形状の空間であってもよい。バーナプレート14a、バーナプレート14aA、バーナプレート14aB、バーナプレート14aC、バーナプレート14aD、バーナプレート14aE、バーナプレート14aFおよびバーナプレート14aGの形状は、燃焼室13cの形状に応じて適宜変更され得る。
【0107】
上記で説明した図1の例では、圧縮機11aから燃焼器13に送られた空気は、ライナ13bの外周面とケーシング13aの内周面との間を通った後に燃焼室13cに送られる。ただし、圧縮機11aから燃焼器13に送られた空気の経路はこの例(つまり、ターンフロー型)に限定されない。
【符号の説明】
【0108】
1:ガスタービンシステム 1A:ガスタービンシステム 1B:ガスタービンシステム 1C:ガスタービンシステム 1D:ガスタービンシステム 1E:ガスタービンシステム 1F:ガスタービンシステム 1G:ガスタービンシステム 10:燃焼装置 10A:燃焼装置 10B:燃焼装置 10C:燃焼装置 10D:燃焼装置 10E:燃焼装置 10F:燃焼装置 10G:燃焼装置 13c:燃焼室 14a:バーナプレート 14aA:バーナプレート 14aB:バーナプレート 14aC:バーナプレート 14aD:バーナプレート 14aE:バーナプレート 14aF:バーナプレート 14aG:バーナプレート 30:噴射孔群 30-1:噴射孔群 30-2:噴射孔群 31:水素噴射孔 32:第1空気噴射孔 32a:第1旋回翼 33:第2空気噴射孔 33a:第2旋回翼 40:マニホールド 51:第3空気噴射孔 52:第3空気噴射孔 55:第3空気噴射孔 55a:第3旋回翼
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13