(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】マッチング装置、マッチング方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20230101AFI20240925BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240925BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240925BHJP
G16H 40/20 20180101ALI20240925BHJP
【FI】
G06Q10/04
G06Q30/0601 312
G06Q50/10
G16H40/20
(21)【出願番号】P 2023539438
(86)(22)【出願日】2021-08-04
(86)【国際出願番号】 JP2021028893
(87)【国際公開番号】W WO2023012919
(87)【国際公開日】2023-02-09
【審査請求日】2024-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】駱 園
(72)【発明者】
【氏名】西原 康介
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-009705(JP,A)
【文献】特開2010-176515(JP,A)
【文献】特開2019-067158(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0103620(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 40/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスの提供を受ける複数の利用者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって当該サービスの提供を行う複数の提供者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第1の優先順位を設定するとともに、前記複数の提供者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって前記複数の利用者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第2の優先順位を設定する優先順位設定手段と、
前記第1の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各提供者の順番を入れ替えた第3の優先順位と、前記第2の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各利用者の順番を入れ替えた第4の優先順位と、のうちの少なくとも一方を設定する優先順位入れ替え手段と、
前記複数の利用者と前記複数の提供者とをマッチングするためのマッチング処理として、前記第1の優先順位及び前記第2の優先順位の組み合わせに基づく第1のマッチング処理を行うとともに、前記第3の優先順位及び前記第2の優先順位、前記第1の優先順位及び前記第4の優先順位、または、前記第3の優先順位及び前記第4の優先順位のいずれかの組み合わせに基づく第2のマッチング処理を行うマッチング処理手段と、
前記第1のマッチング処理により得られた第1のマッチング結果と、前記第2のマッチング処理により得られた第2のマッチング結果と、のうちのいずれか一方を最終的なマッチング結果として選定するマッチング結果選定手段と、
を備えるマッチング装置。
【請求項2】
前記第3の優先順位は、前記第1の優先順位において付与されているスコアの差が第1の閾値の範囲内に属する各提供者の順番を入れ替えることにより設定され、
前記第4の優先順位は、前記第2の優先順位において付与されているスコアの差が第2の閾値の範囲内に属する各利用者の順番を入れ替えることにより設定される請求項1のマッチング装置。
【請求項3】
前記優先順位入れ替え手段は、前記第1の閾値が0より大きな値に設定された場合であるとともに前記第2の閾値が0に設定された場合に、前記第3の優先順位を設定し、
前記マッチング処理手段は、前記第1の閾値が0より大きな値に設定され、かつ、前記第2の閾値が0に設定された場合に、前記第1のマッチング処理と、前記第3の優先順位及び前記第2の優先順位の組み合わせに基づく前記第2のマッチング処理と、を行う請求項2のマッチング装置。
【請求項4】
前記優先順位入れ替え手段は、前記第1の閾値が初期設定値から漸次増加される場合であるとともに前記第2の閾値が0に設定された場合に、前記マッチング処理の実施に係る経過時間が制限時間を超えるまでの期間において、前記第3の優先順位の設定を繰り返し行い、
前記マッチング処理手段は、前記第1の閾値が初期設定値から漸次増加される場合であるとともに前記第2の閾値が0に設定された場合に、前記期間において、前記第1のマッチング処理を行うとともに、前記第3の優先順位及び前記第2の優先順位の組み合わせに基づく前記第2のマッチング処理を繰り返し行う請求項2のマッチング装置。
【請求項5】
前記第3の優先順位及び前記第2の優先順位の組み合わせに基づく前記第2のマッチング処理が行われる際の処理順位を設定する処理順位設定手段をさらに有する請求項4のマッチング装置。
【請求項6】
前記優先順位入れ替え手段は、前記第2の閾値が0より大きな値に設定された場合であるとともに前記第1の閾値が0に設定された場合に、前記第4の優先順位を設定し、
前記マッチング処理手段は、前記第2の閾値が0より大きな値に設定され、かつ、前記第1の閾値が0に設定された場合に、前記第1のマッチング処理と、前記第1の優先順位及び前記第4の優先順位の組み合わせに基づく前記第2のマッチング処理と、を行う請求項2のマッチング装置。
【請求項7】
前記優先順位入れ替え手段は、前記第2の閾値が初期設定値から漸次増加される場合であるとともに前記第1の閾値が0に設定された場合に、前記マッチング処理の実施に係る経過時間が制限時間を超えるまでの期間において、前記第4の優先順位の設定を繰り返し行い、
前記マッチング処理手段は、前記第2の閾値が初期設定値から漸次増加される場合であるとともに前記第1の閾値が0に設定された場合に、前記期間において、前記第1のマッチング処理を行うとともに、前記第1の優先順位及び前記第4の優先順位の組み合わせに基づく前記第2のマッチング処理を繰り返し行う請求項2のマッチング装置。
【請求項8】
前記第1の優先順位及び前記第4の優先順位の組み合わせに基づく前記第2のマッチング処理が行われる際の処理順位を設定する処理順位設定手段をさらに有する請求項7のマッチング装置。
【請求項9】
コンピュータが実行するマッチング方法であって、
サービスの提供を受ける複数の利用者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって当該サービスの提供を行う複数の提供者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第1の優先順位を設定するとともに、前記複数の提供者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって前記複数の利用者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第2の優先順位を設定し、
前記第1の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各提供者の順番を入れ替えた第3の優先順位と、前記第2の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各利用者の順番を入れ替えた第4の優先順位と、のうちの少なくとも一方を設定し、
前記複数の利用者と前記複数の提供者とをマッチングするためのマッチング処理として、前記第1の優先順位及び前記第2の優先順位の組み合わせに基づく第1のマッチング処理を行うとともに、前記第3の優先順位及び前記第2の優先順位、前記第1の優先順位及び前記第4の優先順位、または、前記第3の優先順位及び前記第4の優先順位のいずれかの組み合わせに基づく第2のマッチング処理を行い、
前記第1のマッチング処理により得られた第1のマッチング結果と、前記第2のマッチング処理により得られた第2のマッチング結果と、のうちのいずれか一方を最終的なマッチング結果として選定するマッチング方法。
【請求項10】
サービスの提供を受ける複数の利用者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって当該サービスの提供を行う複数の提供者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第1の優先順位を設定するとともに、前記複数の提供者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって前記複数の利用者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第2の優先順位を設定し、
前記第1の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各提供者の順番を入れ替えた第3の優先順位と、前記第2の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各利用者の順番を入れ替えた第4の優先順位と、のうちの少なくとも一方を設定し、
前記複数の利用者と前記複数の提供者とをマッチングするためのマッチング処理として、前記第1の優先順位及び前記第2の優先順位の組み合わせに基づく第1のマッチング処理を行うとともに、前記第3の優先順位及び前記第2の優先順位、前記第1の優先順位及び前記第4の優先順位、または、前記第3の優先順位及び前記第4の優先順位のいずれかの組み合わせに基づく第2のマッチング処理を行い、
前記第1のマッチング処理により得られた第1のマッチング結果と、前記第2のマッチング処理により得られた第2のマッチング結果と、のうちのいずれか一方を最終的なマッチング結果として選定する処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療サービス等の様々なサービスにおけるリソースを有効活用することが可能なマッチングを行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
医療サービス等の様々なサービスにおいて、当該サービスの利用者及び当該サービスの提供者の便宜を図るために行われるマッチングに係る技術が従来知られている。
【0003】
具体的には、非特許文献1には、児童と保育施設との間のマッチングを行う際のマッチング方法として、受け入れ保留方式を用いる場合の例が開示されている。
【0004】
また、非特許文献2には、複数の判断要素及び当該複数の判断要素に係る指標を各々の優先度の高さに応じて重み付けした数値群を設定し、当該設定した数値群を用いて所定の計算を行うことにより、当該複数の判断要素を各々含む複数の要求項目における優先順位を決定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】安田洋祐、“マッチング理論に何ができるか<前編>”、[online]、[令和3年5月14日検索]、インターネット<URL:https://note.com/yagena/n/nf9c9b87ce4a2>
【文献】長沢智治、“もう迷わない!優先順位を決めるための「優先度の重み付け方」”、[online]、[令和3年5月14日検索]、インターネット<URL:https://backlog.com/ja/blog/priority-weighting-for-determining-the-order-of-priority/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の1つの目的は、サービスの利用者及び当該サービスの提供者の両者の希望に配慮した適切なマッチング結果を提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一つの観点では、マッチング装置は、
サービスの提供を受ける複数の利用者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって当該サービスの提供を行う複数の提供者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第1の優先順位を設定するとともに、前記複数の提供者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって前記複数の利用者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第2の優先順位を設定する優先順位設定手段と、
前記第1の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各提供者の順番を入れ替えた第3の優先順位と、前記第2の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各利用者の順番を入れ替えた第4の優先順位と、のうちの少なくとも一方を設定する優先順位入れ替え手段と、
前記複数の利用者と前記複数の提供者とをマッチングするためのマッチング処理として、前記第1の優先順位及び前記第2の優先順位の組み合わせに基づく第1のマッチング処理を行うとともに、前記第3の優先順位及び前記第2の優先順位、前記第1の優先順位及び前記第4の優先順位、または、前記第3の優先順位及び前記第4の優先順位のいずれかの組み合わせに基づく第2のマッチング処理を行うマッチング処理手段と、
前記第1のマッチング処理により得られた第1のマッチング結果と、前記第2のマッチング処理により得られた第2のマッチング結果と、のうちのいずれか一方を最終的なマッチング結果として選定するマッチング結果選定手段と、を備える。
【0008】
本開示の他の観点では、マッチング方法は、
コンピュータが実行するマッチング方法であって、
サービスの提供を受ける複数の利用者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって当該サービスの提供を行う複数の提供者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第1の優先順位を設定するとともに、前記複数の提供者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって前記複数の利用者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第2の優先順位を設定し、
前記第1の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各提供者の順番を入れ替えた第3の優先順位と、前記第2の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各利用者の順番を入れ替えた第4の優先順位と、のうちの少なくとも一方を設定し、
前記複数の利用者と前記複数の提供者とをマッチングするためのマッチング処理として、前記第1の優先順位及び前記第2の優先順位の組み合わせに基づく第1のマッチング処理を行うとともに、前記第3の優先順位及び前記第2の優先順位、前記第1の優先順位及び前記第4の優先順位、または、前記第3の優先順位及び前記第4の優先順位のいずれかの組み合わせに基づく第2のマッチング処理を行い、
前記第1のマッチング処理により得られた第1のマッチング結果と、前記第2のマッチング処理により得られた第2のマッチング結果と、のうちのいずれか一方を最終的なマッチング結果として選定する。
【0009】
本開示のさらに他の観点では、プログラムは、
サービスの提供を受ける複数の利用者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって当該サービスの提供を行う複数の提供者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第1の優先順位を設定するとともに、前記複数の提供者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって前記複数の利用者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第2の優先順位を設定し、
前記第1の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各提供者の順番を入れ替えた第3の優先順位と、前記第2の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各利用者の順番を入れ替えた第4の優先順位と、のうちの少なくとも一方を設定し、
前記複数の利用者と前記複数の提供者とをマッチングするためのマッチング処理として、前記第1の優先順位及び前記第2の優先順位の組み合わせに基づく第1のマッチング処理を行うとともに、前記第3の優先順位及び前記第2の優先順位、前記第1の優先順位及び前記第4の優先順位、または、前記第3の優先順位及び前記第4の優先順位のいずれかの組み合わせに基づく第2のマッチング処理を行い、
前記第1のマッチング処理により得られた第1のマッチング結果と、前記第2のマッチング処理により得られた第2のマッチング結果と、のうちのいずれか一方を最終的なマッチング結果として選定する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、サービスの利用者及び当該サービスの提供者の両者の希望に配慮した適切なマッチング結果を提示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係るサーバ装置を含むマッチングシステムの構成の一例を示す図。
【
図2】サーバ装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【
図3】第1の実施形態に係るサーバ装置の機能構成を示すブロック図。
【
図4】第1の実施形態に係るサーバ装置の動作等を説明するためのフローチャート。
【
図5】第2の実施形態に係るサーバ装置の機能構成を示すブロック図。
【
図6】第2の実施形態に係るサーバ装置の動作等を説明するためのフローチャート。
【
図7】第3の実施形態に係るサーバ装置の機能構成を示すブロック図。
【
図8】第3の実施形態に係るサーバ装置の動作等を説明するためのフローチャート。
【
図9】第4の実施形態に係るサーバ装置の機能構成を示すブロック図。
【
図10】第4の実施形態に係るサーバ装置の動作等を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本開示の好適な実施形態について説明する。
【0013】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るサーバ装置を含むマッチングシステムの構成の一例を示す図である。
【0014】
マッチングシステム1は、
図1に示すように、サーバ装置100と、複数のユーザ側端末装置200と、複数の施設側端末装置300と、を有している。
【0015】
サーバ装置100は、マッチングシステム1におけるマッチング装置としての機能を有している。また、サーバ装置100は、複数のユーザ側端末装置200各々と、複数の施設側端末装置300各々と、に対して通信を行うことができるように構成されている。また、サーバ装置100は、複数のユーザ側端末装置200各々から送信された情報と、複数の施設側端末装置300各々から送信された情報と、に基づき、複数のユーザと複数の施設とをマッチングするためのマッチング処理(詳細については後述)を行うように構成されている。また、サーバ装置100は、情報の送信元となったユーザ側端末装置200各々及び施設側端末装置300各々に対し、マッチング処理等の処理を経て得られた最終的なマッチング結果を送信するように構成されている。
【0016】
ユーザ側端末装置200は、施設側端末装置300が設けられた各施設により提供されるサービスの利用を希望するユーザに紐付けられている。換言すると、複数のユーザ側端末装置200は、サービスの提供を受ける複数の利用者各々に紐づけられている。また、ユーザ側端末装置200は、サーバ装置100に対して通信を行う機能、サーバ装置100へ送信される情報を入力する機能、及び、サーバ装置100から受信した情報を表示する機能を有している。具体的には、ユーザ側端末装置200は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、及び、タブレット型コンピュータ等のような装置により構成されている。
【0017】
施設側端末装置300は、ユーザ側端末装置200に紐付けられた各ユーザのうちの希望者に対してサービスの提供を行う施設に設けられている。換言すると、複数の施設側端末装置300は、サービスの提供を行う複数の提供者各々に紐付けられている。また、施設側端末装置は、サーバ装置100に対して通信を行う機能、サーバ装置100へ送信される情報を入力する機能、及び、サーバ装置100から受信した情報を表示する機能を有している。具体的には、施設側端末装置300は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、及び、タブレット型コンピュータ等のような装置により構成されている。
【0018】
図2は、サーバ装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0019】
サーバ装置100は、
図2に示すように、インタフェース(I/F)11と、プロセッサ12と、メモリ13と、記録媒体14と、データベース(DB)15と、表示部16と、入力部17と、を有している。
【0020】
インタフェース11は、複数のユーザ側端末装置200各々と、複数の施設側端末装置300各々と、に対して通信を行うことができるように構成されている。すなわち、ユーザ側端末装置200及び施設側端末装置300から送信された情報は、インタフェース11において受信される。また、マッチング処理の処理結果は、インタフェース11を通じてユーザ側端末装置200及び施設側端末装置300へ送信される。
【0021】
プロセッサ12は、CPU(Central Processing Unit)等により構成されており、予め用意されたプログラムを実行することによりサーバ装置100の全体を制御する。なお、プロセッサ12は、GPU(Graphics Processing Unit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)であってもよい。また、プロセッサ12は、インタフェース11において受信された情報を用い、マッチング処理及び当該マッチング処置に関連する処理を実行する。
【0022】
メモリ13は、ROM(Read Only Memory)、及び、RAM(Random Access Memory)等により構成されている。メモリ13は、プロセッサ12による各種の処理の実行中に作業メモリとしても使用される。
【0023】
記録媒体14は、ディスク状記録媒体、半導体メモリなどの不揮発性で非一時的な記録媒体であり、サーバ装置100に対して着脱可能に構成されている。また、記録媒体14には、プロセッサ12により実行される各種のプログラムが格納されている。サーバ装置100が各種の処理を実行する際には、記録媒体14に格納されているプログラムがメモリ13にロードされ、プロセッサ12により実行される。また、記録媒体14には、マッチング処理の実施の際に用いられる情報が格納されている。
【0024】
DB15には、必要に応じて、マッチング処理の処理結果等が格納される。
【0025】
表示部16は、例えば、液晶モニタ等のような表示装置により構成されている。また、表示部16は、必要に応じ、マッチング処理の処理結果等の情報を表示する。
【0026】
入力部17は、例えば、キーボード、マウス及びタッチパネル等のような入力装置により構成されている。
【0027】
図3は、第1の実施形態に係るサーバ装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0028】
サーバ装置100は、
図3に示すように、スコア付与部21と、スコア計算部22と、閾値設定部23と、優先順位設定部24と、マッチング処理部25と、マッチング結果評価部26と、マッチング結果選定部27と、マッチング結果出力部28と、を有している。
【0029】
スコア付与部21は、ユーザ側端末装置200から送信された情報に含まれる複数のユーザ側希望項目(希望条件)を抽出し、当該抽出した複数のユーザ側希望項目各々に対してユーザ側評価基準(具体例については後述)を適用することにより、当該複数のユーザ側希望項目各々に対応する施設評価スコアFeを付与する。
【0030】
スコア付与部21は、施設側端末装置300から送信された情報に含まれる複数の施設側希望項目(希望条件)を抽出し、当該抽出した複数の施設側希望項目各々に対して施設側評価基準(具体例については後述)を適用することにより、当該複数の施設側希望項目各々に対応するユーザ評価スコアUeを付与する。
【0031】
スコア計算部22は、スコア付与部21により付与された各施設評価スコアFeを用いて所定の計算(具体例については後述)を行うことにより、前述のユーザ側評価基準に基づいて評価される施設におけるサービスの提供をユーザが希望するか否か等の要素に応じて増減する値であるユーザ側優先順位スコアFpを算出する。換言すると、スコア計算部22は、ユーザ側端末装置200に紐付けられた一のユーザによる評価対象となる複数の施設各々に対応する複数のユーザ側優先順位スコアFpを算出する。
【0032】
スコア計算部22は、スコア付与部21により付与された各ユーザ評価スコアUeを用いて所定の計算(具体例については後述)を行うことにより、前述の施設側評価基準に基づいて評価されるユーザに対して必要かつ十分なサービスを提供できるか否か等の要素に応じて増減する値である施設側優先順位スコアUpを算出する。換言すると、スコア計算部22は、施設側端末装置300が設けられた一の施設による評価対象となる複数のユーザ各々に対応する複数の施設側優先順位スコアUpを算出する。
【0033】
閾値設定部23は、スコア計算部22において計算されるユーザ側優先順位スコアFpの最大値に対し、スコア計算部22の計算結果として得られた複数のユーザ側優先順位スコアFpにおける近似範囲として許容される割合に相当する許容割合Faを乗じて得られるスコアの値をユーザ側閾値Ftとして設定する。
【0034】
具体的には、閾値設定部23は、例えば、ユーザ側優先順位スコアFpの最大値が100点であり、かつ、許容割合Faが5%である場合には、ユーザ側閾値Ftを5点として設定する。
【0035】
閾値設定部23は、スコア計算部22において計算される施設側優先順位スコアUpの最大値に対し、スコア計算部22の計算結果として得られた複数の施設側優先順位スコアUpにおける近似範囲として許容される割合に相当する許容割合Uaを乗じて得られるスコアの値を施設側閾値Utとして設定する。
【0036】
具体的には、閾値設定部23は、例えば、施設側優先順位スコアUpの最大値が100点であり、かつ、許容割合Uaが5%である場合には、施設側閾値Utを5点として設定する。
【0037】
なお、閾値設定部23は、許容割合Faを0に設定することにより、ユーザ側閾値Ftを0点として設定することができるものとする。また、閾値設定部23は、許容割合Uaを0に設定することにより、施設側閾値Utを0点として設定することができるものとする。
【0038】
優先順位設定部24は、スコア計算部22の計算結果として得られた複数のユーザ側優先順位スコアFpと、閾値設定部23により設定されたユーザ側閾値Ftと、に基づき、ユーザが利用を希望する施設の順番に応じた優先順位を含むユーザ側優先順位を設定する。
【0039】
具体的には、優先順位設定部24は、例えば、閾値設定部23によりユーザ側閾値FtがX点に設定された場合には、スコア計算部22の計算結果として得られた複数のユーザ側優先順位スコアFpのうち、スコアの差がX点以内の範囲に属する各ユーザ側優先順位スコアFpに対応する施設の優先順位の順番を相互に入れ替え可能であると推定する。そして、優先順位設定部24は、スコア計算部22の計算結果として得られた複数のユーザ側優先順位スコアFpに基づき、ユーザ側優先順位スコアFpを高い順に並べた優先順位、及び、前述のように推定した相互に入れ替え可能な各ユーザ側優先順位スコアFpの組み合わせに応じた優先順位をユーザ側優先順位として設定する。なお、優先順位設定部24は、X=0の場合には、ユーザ側優先順位スコアFpを高い順に並べた優先順位をユーザ側優先順位として設定する。
【0040】
優先順位設定部24は、スコア計算部22の計算結果として得られた複数の施設側優先順位スコアUpと、閾値設定部23により設定された施設側閾値Utと、に基づき、施設が受け入れを希望するユーザの順番に応じた優先順位を含む施設側優先順位を設定する。
【0041】
具体的には、優先順位設定部24は、例えば、閾値設定部23により施設側閾値UtがY点に設定された場合には、スコア計算部22の計算結果として得られた複数の施設側優先順位スコアUpのうち、スコアの差がY点以内の範囲に属する各施設側優先順位スコアUpに対応するユーザの優先順位の順番を相互に入れ替え可能であると推定する。そして、優先順位設定部24は、スコア計算部22の計算結果として得られた複数の施設側優先順位スコアUpに基づき、施設側優先順位スコアUpを高い順に並べた優先順位、及び、前述のように推定した相互に入れ替え可能な各施設側優先順位スコアUpの組み合わせに応じた優先順位を施設側優先順位として設定する。なお、優先順位設定部24は、Y=0の場合には、施設側優先順位スコアUpを高い順に並べた優先順位を施設側優先順位として設定する。
【0042】
すなわち、優先順位設定部24は、優先順位設定手段としての機能を有し、サービスの提供を受ける複数の利用者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって当該サービスの提供を行う複数の提供者各々に対して付与されたユーザ側優先順位スコアFpを降順に並べることによりユーザ側優先順位(第1の優先順位)を設定するとともに、当該複数の提供者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって当該複数の利用者各々に対して付与された施設側優先順位スコアUpを降順に並べることにより施設側優先順位(第2の優先順位)を設定する。また、優先順位設定部24は、優先順位入れ替え手段としての機能を具備し、ユーザ側優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各提供者の順番を入れ替えた優先順位(第3の優先順位)と、施設側優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各利用者の順番を入れ替えた優先順位(第4の優先順位)と、のうちの少なくとも一方を設定する。また、第3の優先順位は、ユーザ側優先順位において付与されているスコアの差がユーザ側閾値Ftの範囲内に属する各提供者の順番を入れ替えることにより設定される。また、第4の優先順位は、施設側優先順位において付与されているスコアの差が施設側閾値Utの範囲内に属する各利用者の順番を入れ替えることにより設定される。
【0043】
マッチング処理部25は、優先順位設定部24により設定されたユーザ側優先順位及び施設側優先順位に含まれる各優先順位に基づいてマッチング処理を行う。
【0044】
なお、本開示の説明においては、特に言及のない限り、マッチング処理部25は、優先順位設定部24により設定されたユーザ側優先順位及び施設側優先順位に含まれる全ての優先順位の組み合わせにおいて、受け入れ保留方式によるマッチング処理を行うものとする。
【0045】
マッチング結果評価部26は、スコア計算部22により算出された複数のユーザ側優先順位スコアFpと、スコア計算部22により算出された複数の施設側優先順位スコアUpと、マッチング処理部25により得られたマッチング結果と、に基づく処理を行うことにより、当該マッチング結果の評価の高低を表す値であるマッチング結果評価値を算出する。
【0046】
マッチング結果選定部27は、マッチング結果評価部26により算出された各マッチング結果評価値の中から1つのマッチング結果評価値を選定し、当該選定した1つのマッチング結果評価値に紐付けられている1つのマッチング結果を最終的なマッチング結果として取得する。
【0047】
マッチング結果出力部28は、マッチング結果選定部27により得られた最終的なマッチング結果をユーザ側端末装置200及び施設側端末装置300に対して出力(送信)する。
【0048】
続いて、本実施形態の作用について、
図4のフローチャートを適宜参照しつつ説明を行う。
図4は、第1の実施形態に係るサーバ装置の動作等を説明するためのフローチャートである。
【0049】
なお、以降においては、医療サービスの提供を行う施設としての医療施設に施設側端末装置300が設けられているとともに、当該医療サービスの提供を受けるユーザとしての患者にユーザ側端末装置200が紐付けられている場合を例に挙げて説明を行う。また、以降においては、施設側端末装置300が設けられている医療施設が施設P1、施設P2、及び施設P3の3つであるとともに、ユーザ側端末装置200が紐付けられている患者が患者Q1、患者Q2、患者Q3、患者Q4及び患者Q5の5人である場合を例に挙げて説明を行う。また、以降においては、各種のスコアが0点から100点までの間のいずれかの点数で表されるものとする。
【0050】
患者は、ユーザ側端末装置200を操作することにより、医療サービスの提供元となる医療施設の評価に係る複数のユーザ側希望項目を含む情報を入力する。ユーザ側端末装置200は、患者により入力された情報をサーバ装置100へ送信する。
【0051】
前述の複数のユーザ側希望項目には、例えば、患者の住所と医療施設との間の距離、医療サービスを利用する際の希望料金、入院調整時間、入院時の生活品の持ち込みの可否、及び、医療施設の評判の高さ等の項目を含めることができる。また、前述の複数のユーザ側希望項目には、例えば、医療サービスを受ける医療施設に対するユーザの希望に関する項目を含めることができる。すなわち、前述の複数のユーザ側希望項目には、ユーザが医療サービスを受ける際の、当該ユーザの希望に関する1つ以上の項目が含まれていればよい。
【0052】
医師等の医療従事者は、施設側端末装置300を操作することにより、医療サービスの提供先となる患者の評価に係る複数の施設側希望項目を含む情報を入力する。施設側端末装置300は、医療従事者により入力された情報をサーバ装置100へ送信する。
【0053】
前述の複数の施設側希望項目には、例えば、空き病床数、病状の種類、及び、病状の重さ等の項目を含めることができる。また、前述の複数の施設側希望項目には、例えば、患者を受け入れる際の、医療施設の希望に関する項目を含めることができる。また、前述の複数の施設側希望項目には、例えば、ユーザに対する医療施設の希望に関する項目を含めることができる。すなわち、前述の複数の施設側希望項目には、医療施設が患者を受け入れる際の、当該医療施設の受け入れ能力に関する1つ以上の項目が含まれていればよい。
【0054】
スコア付与部21は、ユーザ側端末装置200から送信された情報に含まれる複数のユーザ側希望項目を抽出し、当該抽出した複数のユーザ側希望項目各々に対してユーザ側評価基準を適用することにより、当該複数のユーザ側希望項目各々に対応する施設評価スコアFeを付与する(
図4のステップS1)。
【0055】
ユーザ側評価基準においては、複数のユーザ側希望項目各々の入力値に対応する複数のスコアの値が予め設定されている。そのため、スコア付与部21は、例えば、ユーザ側希望項目として抽出した患者の住所と医療施設との間の距離の入力値DVが5km未満の場合には、施設評価スコアFeとして10点を付与する。また、スコア付与部21は、例えば、前述の入力値DVが5km以上かつ10km未満の場合には、施設評価スコアFeとして5点を付与する。また、スコア付与部21は、例えば、前述の入力値DVが10km以上の場合には、施設評価スコアFeとして0点を付与する。
【0056】
スコア付与部21は、施設側端末装置300から送信された情報に含まれる複数の施設側希望項目を抽出し、当該抽出した複数の施設側希望項目各々に対して施設側評価基準を適用することにより、当該複数の施設側希望項目各々に対応するユーザ評価スコアUeを付与する(
図4のステップS1)。
【0057】
施設側評価基準においては、複数の施設側希望項目各々の入力値に対応する複数のスコアの値が予め設定されている。そのため、スコア付与部21は、例えば、施設側希望項目として抽出した病状の重さの入力値MVが軽症の場合には、ユーザ評価スコアUeとして10点を付与する。また、スコア付与部21は、例えば、前述の入力値MVが中等症の場合には、ユーザ評価スコアUeとして5点を付与する。また、スコア付与部21は、例えば、前述の入力値MVが重症の場合には、ユーザ評価スコアUeとして0点を付与する。なお、このようなユーザ評価スコアUeの付与方法は、重症度が低い患者を優先的に受け入れる場合の例であるため、他の付与方法に置き換えてもよい。具体的には、例えば、重症度が高い患者に対して高いユーザ評価スコアUeが付与されるとともに、重症度が低い患者に対して低いユーザ評価スコアUeが付与されるようにしてもよい。
【0058】
スコア計算部22は、
図4のステップS1の処理により付与された各施設評価スコアFeと、スコア付与部21により抽出される複数のユーザ側希望項目各々に対応する値として予め設定された重み係数WFと、に基づいて所定の計算を行うことにより、ユーザ側優先順位スコアFpを算出する(
図4のステップS2)。
【0059】
具体的には、スコア計算部22は、n個のユーザ側希望項目のうちのi個目の項目に対応する重み係数WFi及び施設評価スコアFeiを以下の数式(1)の右辺に適用することにより、ユーザ側優先順位スコアFpを算出する。
【数1】
【0060】
すなわち、以上に述べたような
図4のステップS2の処理によれば、スコア計算部22は、例えば、i=10、WF1~WF9=1.0、WF10=0.5、Fe1=10、Fe2=5、Fe3=10、Fe4=0、Fe5=8、Fe6=10、Fe7=9、Fe8=7、Fe9=8、及び、Fe10=8の場合には、ユーザ側優先順位スコアFpを71点として算出する。
【0061】
また、以上に述べたような
図4のステップS2の処理によれば、スコア計算部22は、患者Q1~Q5の各々におけるユーザ側優先順位スコアとして、施設P1のユーザ側優先順位スコアFp1と、施設P2のユーザ側優先順位スコアFp2と、施設P3のユーザ側優先順位スコアFp3と、を算出する。
【0062】
スコア計算部22は、
図4のステップS1の処理により付与された各ユーザ評価スコアUeと、スコア付与部21により抽出される複数の施設側希望項目各々に対応する値として予め設定された重み係数WUと、に基づいて所定の計算を行うことにより、施設側優先順位スコアUpを算出する(
図4のステップS2)。
【0063】
具体的には、スコア計算部22は、n個の施設側希望項目のうちのk個目の項目に対応する重み係数WUk及びユーザ評価スコアUekを以下の数式(2)の右辺に適用することにより、施設側優先順位スコアUpを算出する。
【数2】
【0064】
すなわち、以上に述べたような
図4のステップS2の処理によれば、スコア計算部22は、例えば、k=10、WU1~WU9=1.0、WU10=0.5、Ue1=10、Ue2=5、Ue3=10、Ue4=0、Ue5=8、Ue6=10、Ue7=9、Ue8=7、Ue9=8、及び、Ue10=8の場合には、施設側優先順位スコアUpを71点として算出する。
【0065】
また、以上に述べたような
図4のステップS2の処理によれば、スコア計算部22は、施設P1~P3の各々における施設側優先順位スコアとして、患者Q1の施設側優先順位スコアUp1と、患者Q2の施設側優先順位スコアUp2と、患者Q3の施設側優先順位スコアUp3と、患者Q4の施設側優先順位スコアUp4と、患者Q5の施設側優先順位スコアUp5と、を算出する。
【0066】
閾値設定部23は、許容割合Fa=Ua=0とすることにより、ユーザ側閾値Ft及び施設側閾値Utを0点に設定する(
図4のステップS3)。
【0067】
優先順位設定部24は、
図4のステップS3の処理により設定されたユーザ側閾値Ft(=0点)に応じ、
図4のステップS2の処理により算出されたユーザ側優先順位スコアFpを高い順に並べた優先順位をユーザ側優先順位として設定する(
図4のステップS4)。また、優先順位設定部24は、
図4のステップS3の処理により設定された施設側閾値Ut(=0点)に応じ、
図4のステップS2の処理により算出された施設側優先順位スコアUpを高い順に並べた優先順位を施設側優先順位として設定する(
図4のステップS4)。
【0068】
マッチング処理部25は、
図4のステップS4の処理により設定されたユーザ側優先順位及び施設側優先順位に基づいて後述のマッチング処理を行う(
図4のステップS5)。また、マッチング処理部25は、
図4のステップS5の処理により得られたマッチング結果をDB15に格納する。
【0069】
マッチング結果評価部26は、
図4のステップS2の処理により算出された複数のユーザ側優先順位スコアFp及び複数の施設側優先順位スコアUpと、
図4のステップS5の処理により得られたマッチング結果と、に基づいて後述の処理を行うことにより、マッチング結果評価値を算出する(
図4のステップS6)。また、マッチング結果評価部26は、
図4のステップS6の処理により算出したマッチング結果評価値を、
図4のステップS5の処理によりDB15に格納されたマッチング結果に紐づける。
【0070】
閾値設定部23は、ユーザ側閾値Ft及び施設側閾値Utのうちの少なくとも一方を変化させることにより、新たな閾値を設定する(
図4のステップS7)。
【0071】
ここで、本実施形態の以降の説明においては、特に言及のない限り、
図4のステップS7の処理により、ユーザ側閾値Ftが5点に設定され、かつ、施設側閾値Utが0点に設定された場合の例について説明する。
【0072】
優先順位設定部24は、
図4のステップS2の処理により算出された複数のユーザ側優先順位スコアFpと、
図4のステップS7の処理により設定されたユーザ側閾値Ftと、に基づき、
図4のステップS4において設定されたユーザ側優先順位を他の優先順位に変更可能であるか否かに係る判断を行う(
図4のステップS8)。
【0073】
具体的には、優先順位設定部24は、
図4のステップS8において、
図4のステップS2の処理により算出された複数のユーザ側優先順位スコアFpのうち、スコアの差が5点以内の範囲に属するものがあるか否かを検出する。
【0074】
優先順位設定部24は、
図4のステップS4において設定されたユーザ側優先順位を他の優先順位に変更不可能である場合(S8:NO)には、後述の
図4のステップS13の処理をマッチング結果選定部27に行わせる。また、優先順位設定部24は、
図4のステップS4において設定されたユーザ側優先順位を他の優先順位に変更可能である場合(S8:YES)には、後述の
図4のステップS9の処理を行う。
【0075】
具体的には、優先順位設定部24は、
図4のステップS2の処理により算出された複数のユーザ側優先順位スコアFpのうち、スコアの差が5点以内の範囲に属するものがない場合には、
図4のステップS4において設定されたユーザ側優先順位を他の優先順位に変更不可能であると判断し、後述の
図4のステップS13の処理をマッチング結果選定部27に行わせる。また、優先順位設定部24は、
図4のステップS2の処理により算出された複数のユーザ側優先順位スコアFpのうち、スコアの差が5点以内の範囲に属するものがある場合には、
図4のステップS4において設定されたユーザ側優先順位を他の優先順位に変更可能であると判断し、後述の
図4のステップS9の処理を行う。
【0076】
優先順位設定部24は、
図4のステップS2の処理により算出された複数のユーザ側優先順位スコアFpのうち、スコアの差が
図4のステップS7の処理により設定されたユーザ側閾値Ftの範囲内に属する各ユーザ側優先順位スコアFpに対応する施設の優先順位の順番を相互に入れ替えることにより、現在設定中のユーザ側優先順位を、後述の
図4のステップS11の処理によるマッチング結果評価値の算出が行われていない未処理の優先順位に変更する(
図4のステップS9)。
【0077】
ここで、本実施形態の以降の説明においては、
図4のステップS2の処理により、患者Q1におけるユーザ側優先順位スコアとして、Fp1=88点、Fp2=90点、及び、Fp3=70点とのスコアが算出され、患者Q2、Q3及びQ5におけるユーザ側優先順位スコアとして、Fp1=90点、Fp2=80点、及び、Fp3=70点とのスコアが算出され、患者Q4におけるユーザ側優先順位スコアとして、Fp1=80点、Fp2=90点、及び、Fp3=80点とのスコアが算出された場合を具体例として挙げつつ説明する。また、本実施形態の以降の説明においては、
図4のステップS2の処理により、施設P1における施設側優先順位スコアとして、Up1=90点、Up2=70点、Up3=80点、Up4=60点、及び、Up5=50点とのスコアが算出され、施設P2における施設側優先順位スコアとして、Up1=80点、Up2=70点、Up3=90点、Up4=50点、及び、Up5=60点とのスコアが算出され、施設P3における施設側優先順位スコアとして、Up1=70点、Up2=90点、Up3=60点、Up4=50点、及び、Up5=80点とのスコアが算出された場合を具体例として挙げつつ説明する。
【0078】
前述の具体例の場合には、優先順位設定部24は、
図4のステップS4の処理により、患者Q1におけるユーザ側優先順位として、施設P2→施設P1→施設P3と表される優先順位を設定する。また、前述の具体例の場合には、優先順位設定部24は、
図4のステップS4の処理により、患者Q2、Q3及びQ5におけるユーザ側優先順位として、施設P1→施設P2→施設P3と表される優先順位を設定する。また、前述の具体例の場合には、優先順位設定部24は、
図4のステップS4の処理により、患者Q4におけるユーザ側優先順位として、施設P2→施設P1→施設P3と表される優先順位を設定する。
【0079】
前述の具体例の場合には、優先順位設定部24は、
図4のステップS4の処理により、施設P1における施設側優先順位として、患者Q1→患者Q3→患者Q2→患者Q4→患者Q5と表される優先順位を設定する。また、前述の具体例の場合には、優先順位設定部24は、
図4のステップS4の処理により、施設P2における施設側優先順位として、患者Q3→患者Q1→患者Q2→患者Q5→患者Q4と表される優先順位を設定する。前述の具体例の場合には、優先順位設定部24は、
図4のステップS4の処理により、施設P3における施設側優先順位として、患者Q2→患者Q5→患者Q1→患者Q3→患者Q4と表される優先順位を設定する。
【0080】
前述の具体例の場合には、優先順位設定部24は、患者Q1におけるユーザ側優先順位スコアFp1及びFp2が5点以内の範囲に属するため、
図4のステップS8において、ユーザ側優先順位を変更可能であると判断する。
【0081】
前述の具体例の場合には、優先順位設定部24は、
図4のステップS9において、施設P1及び施設P2の優先順位の順番を相互に入れ替えることにより、
図4のステップS4において設定されたユーザ側優先順位を、
図4のステップS11の処理によるマッチング結果評価値の算出が行われていない未処理の優先順位に変更する。
【0082】
より具体的には、優先順位設定部24は、
図4のステップS9の処理により、患者Q1におけるユーザ側優先順位を、施設P2→施設P1→施設P3から施設P1→施設P2→施設P3に変更する。
【0083】
マッチング処理部25は、マッチング処理手段としての機能を有し、
図4のステップS9の処理により変更されたユーザ側優先順位と、
図4のステップS4の処理により設定された施設側優先順位と、に基づいてマッチング処理を行う(
図4のステップS10)。また、マッチング処理部25は、
図4のステップS10の処理により得られたマッチング結果をDB15に格納する。
【0084】
ここで、本実施形態によれば、
図4のステップS5及びステップS10において、医療施設側の希望を優先する第1のマッチング方法を用いた処理と、患者側の希望を優先する第2のマッチング方法を用いた処理と、のうちの少なくともいずれか一方が行われればよい。
【0085】
前述の第1のマッチング方法の詳細について、以下に説明する。
【0086】
マッチング処理部25は、
図4のステップS4の処理により設定されたユーザ側優先順位(第1の優先順位)及び施設側優先順位(第2の優先順位)に基づき、受け入れ保留方式によるマッチング処理を行うことにより、施設P1に対して患者Q3及びQ2をマッチングさせ、施設P2に対して患者Q1及びQ5をマッチングさせ、施設P3に対して患者Q4をマッチングさせたマッチング結果M11を取得する。すなわち、マッチング処理部25は、
図4のステップS5のマッチング処理(第1のマッチング処理)により、マッチング結果M11を取得する。
【0087】
また、マッチング処理部25は、
図4のステップS9の処理により変更されたユーザ側優先順位(第3の優先順位)と、
図4のステップS4の処理により設定された施設側優先順位(第2の優先順位)と、に基づき、受け入れ保留方式によるマッチング処理を行うことにより、施設P1に対して患者Q1及びQ2をマッチングさせ、施設P2に対して患者Q3及びQ5をマッチングさせ、施設P3に対して患者Q4をマッチングさせたマッチング結果M12を取得する。すなわち、マッチング処理部25は、
図4のステップS10のマッチング処理(第2のマッチング処理)により、マッチング結果M12を取得する。
【0088】
前述の第2のマッチング方法の詳細について、以下に説明する。
【0089】
マッチング処理部25は、
図4のステップS4の処理により設定されたユーザ側優先順位(第1の優先順位)及び施設側優先順位(第2の優先順位)に基づき、受け入れ保留方式によるマッチング処理を行うことにより、患者Q2及びQ3に対して施設P1をマッチングさせ、患者Q1及びQ5に対して施設P2をマッチングさせ、患者Q4に対して施設P3をマッチングさせたマッチング結果M21を取得する。すなわち、マッチング処理部25は、
図4のステップS5のマッチング処理(第1のマッチング処理)により、マッチング結果M21を取得する。
【0090】
また、マッチング処理部25は、
図4のステップS9の処理により変更されたユーザ側優先順位(第3の優先順位)と、
図4のステップS4の処理により設定された施設側優先順位(第2の優先順位)と、に基づき、受け入れ保留方式によるマッチング処理を行うことにより、患者Q1及びQ2に対して施設P1をマッチングさせ、患者Q3及びQ5に対して施設P2をマッチングさせ、患者Q4に対して施設P3をマッチングさせたマッチング結果M22を取得する。すなわち、マッチング処理部25は、
図4のステップS10のマッチング処理(第2のマッチング処理)により、マッチング結果M22を取得する。
【0091】
マッチング結果評価部26は、
図4のステップS2の処理により算出された複数のユーザ側優先順位スコアFp及び複数の施設側優先順位スコアUpと、マッチング処理部25により得られたマッチング結果と、に基づいて後述の処理を行うことにより、マッチング結果評価値を算出する(
図4のステップS11)。また、マッチング結果評価部26は、
図4のステップS11の処理により算出したマッチング結果評価値を、
図4のステップS10の処理によりDB15に格納されたマッチング結果に紐づける。
【0092】
ここで、本実施形態においては、
図4のステップS6及びステップS11のマッチング結果評価値を算出するための処理として、前述の第1のマッチング処理のマッチング結果に紐づけられる値を算出するための第1の評価値算出処理、前述の第2のマッチング処理のマッチング結果に紐づけられる値を算出するための第2の評価値算出処理、並びに、前述の第1及び第2のマッチング処理のマッチング結果の両方に紐づけられる値を算出するための第3の評価値算出処理のうちの少なくともいずれか1つが行われればよい。
【0093】
前述の第1の評価値算出処理の詳細について、以下に説明する。
【0094】
マッチング結果評価部26は、
図4のステップS5の処理により得られたマッチング結果M11に基づき、
図4のステップS2の処理により算出された複数の施設側優先順位スコアの中から、施設P1におけるUp3及びUp2と、施設P2におけるUp1及びUp5と、施設P3におけるUp4と、を抽出する。そして、マッチング結果評価部26は、前述のように抽出した各施設側優先順位スコアを合計して得られる値を、マッチング結果M11に紐づけられるマッチング結果評価値A11として算出する。すなわち、マッチング結果評価部26は、
図4のステップS6の処理として前述の処理を行うことによりマッチング結果評価値A11を算出し、当該算出したマッチング結果評価値A11をマッチング結果M11に紐づける。
【0095】
マッチング結果評価部26は、
図4のステップS10の処理により得られたマッチング結果M12に基づき、
図4のステップS2の処理により算出された複数の施設側優先順位スコアの中から、施設P1におけるUp1及びUp2と、施設P2におけるUp3及びUp5と、施設P3におけるUp4と、を抽出する。そして、マッチング結果評価部26は、前述のように抽出した各施設側優先順位スコアを合計して得られる値を、マッチング結果M12に紐づけられるマッチング結果評価値A12として算出する。すなわち、マッチング結果評価部26は、
図4のステップS11の処理として前述の処理を行うことによりマッチング結果評価値A12を算出し、当該算出したマッチング結果評価値A12をマッチング結果M12に紐づける。
【0096】
前述の第2の評価値算出処理の詳細について、以下に説明する。
【0097】
マッチング結果評価部26は、
図4のステップS10の処理により得られたマッチング結果M21に基づき、
図4のステップS2の処理により算出された複数のユーザ側優先順位スコアの中から、患者Q2及びQ3におけるFp1と、患者Q1及びQ5におけるFp2と、患者Q4におけるFp3と、を抽出する。そして、マッチング結果評価部26は、前述のように抽出した各ユーザ側優先順位スコアを合計して得られる値を、マッチング結果M21に紐づけられるマッチング結果評価値A21として算出する。すなわち、マッチング結果評価部26は、
図4のステップS6の処理として前述の処理を行うことによりマッチング結果評価値A21を算出し、当該算出したマッチング結果評価値A21をマッチング結果M21に紐づける。
【0098】
マッチング結果評価部26は、
図4のステップS10の処理により得られたマッチング結果M22に基づき、
図4のステップS2の処理により算出された複数のユーザ側優先順位スコアの中から、患者Q1及びQ2におけるFp1と、患者Q3及びQ5におけるFp2と、患者Q4におけるFp3と、を抽出する。そして、マッチング結果評価部26は、前述のように抽出した各ユーザ側優先順位スコアを合計して得られる値を、マッチング結果M22に紐づけられるマッチング結果評価値A22として算出する。すなわち、マッチング結果評価部26は、
図4のステップS11の処理として前述の処理を行うことによりマッチング結果評価値A22を算出し、当該算出したマッチング結果評価値A22をマッチング結果M11に紐づける。
【0099】
前述の第3の評価値算出処理の詳細について、以下に説明する。
【0100】
マッチング結果評価部26は、前述の第1の評価値算出処理により算出したマッチング結果評価値A11と、前述の第2の評価値算出処理により算出したマッチング結果評価値A21と、を合計して得られる値を、マッチング結果M11及びM21に紐づけられるマッチング結果評価値A31として算出する。すなわち、マッチング結果評価部26は、
図4のステップS11の処理として前述の処理を行うことによりマッチング結果評価値A31を算出し、当該算出したマッチング結果評価値A31をマッチング結果M11及びM21の両方に紐づける。
【0101】
マッチング結果評価部26は、前述の第1の評価値算出処理により算出したマッチング結果評価値A12と、前述の第2の評価値算出処理により算出したマッチング結果評価値A22と、を合計して得られる値を、マッチング結果M12及びM22に紐づけられるマッチング結果評価値A32として算出する。すなわち、マッチング結果評価部26は、
図4のステップS11の処理として前述の処理を行うことによりマッチング結果評価値A32を算出し、当該算出したマッチング結果評価値A32をマッチング結果M12及びM22の両方に紐づける。
【0102】
マッチング結果選定部27は、DB15に格納されているマッチング結果及びマッチング結果評価値を参照することにより、
図4のステップS9の処理により変更可能な全優先順位の中でマッチング結果評価値が算出されていない未処理の優先順位があるか否かに係る判断を行う(
図4のステップS12)。
【0103】
マッチング結果選定部27は、
図4のステップS9の処理により変更可能な全優先順位の中でマッチング結果評価値が算出されていない未処理の優先順位がある場合(S12:YES)には、前述の
図4のステップS9からステップS11までの処理を再度行わせる。また、マッチング結果選定部27は、
図4のステップS9の処理により変更可能な全優先順位においてマッチング結果評価値が算出された場合(S12:NO)には、後述のステップS13の処理を行う。
【0104】
マッチング結果選定部27は、DB15に格納されている各マッチング結果評価値の中から1つのマッチング結果評価値を選定し、当該選定した1つのマッチング結果評価値に紐づけられている1つのマッチング結果を最終的なマッチング結果として取得する(
図4のステップS13)。換言すると、マッチング結果選定部27は、マッチング結果選定手段としての機能を有し、
図4のステップS5のマッチング処理(第1のマッチング処理)により得られたマッチング結果(第1のマッチング結果)と、
図4のステップS10のマッチング処理(第2のマッチング処理)により得られたマッチング結果と、のうちのいずれか一方を最終的なマッチング結果として選定する。
【0105】
ここで、例えば、
図4のステップS6において第1の評価値算出処理が行われた場合には、マッチング結果選定部27は、マッチング結果評価値A11として340を取得する。また、
図4のステップS11において第1の評価値算出処理が行われた場合には、マッチング結果選定部27は、マッチング結果評価値A12として360を取得する。従って、マッチング結果選定部27は、マッチング結果評価値A11及びマッチング結果評価値A12の比較結果に基づき、当該マッチング結果評価値A12に紐づけられているマッチング結果M12を、第1の評価値算出処理に応じた最終的なマッチング結果として取得する。
【0106】
また、例えば、
図4のステップS6において第2の評価値算出処理が行われた場合には、マッチング結果選定部27は、マッチング結果評価値A21として430を取得する。
図4のステップS11において第2の評価値算出処理が行われた場合には、マッチング結果選定部27は、マッチング結果評価値A22として428を取得する。従って、マッチング結果選定部27は、マッチング結果評価値A21及びマッチング結果評価値A22の比較結果に基づき、当該マッチング結果評価値A21に紐づけられているマッチング結果M21を、第2の評価値算出処理に応じた最終的なマッチング結果として取得する。
【0107】
また、例えば、
図4のステップS11において第3の評価値算出処理が行われた場合には、マッチング結果選定部27は、マッチング結果評価値A31として770を取得するとともに、マッチング結果評価値A32として788を取得する。従って、マッチング結果選定部27は、マッチング結果評価値A31及びマッチング結果評価値A32の比較結果に基づき、当該マッチング結果評価値A32に紐づけられているマッチング結果M32を、第3の評価値算出処理に応じた最終的なマッチング結果として取得する。
【0108】
なお、本実施形態によれば、例えば、第1、第2及び第3の評価値算出処理が
図4のステップS11において行われた場合に、マッチング結果選定部27が、前述のように取得した最終的なマッチング結果M12、M21及びM32のうちの1つを最適なマッチング結果として選定するための処理をさらに行うものであってもよい。
【0109】
マッチング結果出力部28は、
図4のステップS13の処理により得られた最終的なマッチング結果をユーザ側端末装置200及び施設側端末装置300に対して出力(送信)する(
図4のステップS14)。
【0110】
サーバ装置100から送信された最終的なマッチング結果は、ユーザ側端末装置200の表示画面等を通じて患者に提示されるとともに、施設側端末装置300の表示画面等を通じて医療従事者に提示される。
【0111】
なお、
図4の一連の処理は、ユーザ側閾値Ftが0点に設定され、かつ、施設側閾値Utが0点より大きな値に設定された場合においても略同様に適用される。また、
図4の一連の処理は、ユーザ側閾値Ftが0点より大きな値に設定され、かつ、施設側閾値Utが0点より大きな値に設定された場合においても略同様に適用される。
【0112】
そのため、優先順位設定部24は、施設側閾値Utが0より大きな値に設定された場合であるとともにユーザ側閾値Ftが0に設定された場合に、
図4のステップS9の処理により、
図4のステップS4の処理において設定された施設側優先順位(第2の優先順位)の順番を入れ替えた優先順位(第4の優先順位)を設定することができる。
【0113】
また、マッチング処理部25は、施設側閾値Utが0より大きな値に設定された場合であるとともにユーザ側閾値Ftが0に設定された場合に、
図4のステップS10において、
図4のステップS9の処理により変更された施設側優先順位(第4の優先順位)と、
図4のステップS4の処理により設定されたユーザ側優先順位(第1の優先順位)と、の組み合わせに基づくマッチング処理を行うことができる。
【0114】
また、優先順位設定部24は、ユーザ側閾値Ftが0より大きな値に設定された場合であるとともに施設側閾値Utが0より大きな値に設定された場合に、
図4のステップS9の処理により、
図4のステップS4の処理において設定されたユーザ側優先順位(第1の優先順位)の順番を入れ替えた優先順位(第3の優先順位)と、
図4のステップS4の処理において設定された施設側優先順位(第2の優先順位)の順番を入れ替えた優先順位(第4の優先順位)と、をそれぞれ設定することができる。
【0115】
また、マッチング処理部25は、ユーザ側閾値Ftが0より大きな値に設定された場合であるとともに施設側閾値Utが0より大きな値に設定された場合に、
図4のステップS10において、
図4のステップS9の処理により変更されたユーザ側優先順位(第3の優先順位)及び施設側優先順位(第4の優先順位)の組み合わせに基づくマッチング処理を行うことができる。
【0116】
以上に述べたように、本実施形態によれば、例えば、多数の施設のうちのいずれかによるサービスの提供を希望するユーザが、2つ以上の異なる施設を略同等の希望順位として認識しているような場合であっても、適切なマッチング結果を当該ユーザに提示することができる。また、本実施形態によれば、例えば、多数のユーザに対してサービスの提供を行う施設が、2人以上の異なるユーザを略同等の希望順位で受け入れ可能な場合において、適切なマッチング結果を当該施設の従業員等に提示することができる。その結果、本実施形態によれば、サービスの利用者及び当該サービスの提供者の両者の希望に配慮した適切なマッチング結果を提示することができる。
【0117】
<第2の実施形態>
図5は、第2の実施形態に係るサーバ装置の機能構成を示すブロック図である。なお、以降においては、簡単のため、既述の処理等を適用可能な部分に関する具体的な説明を適宜省略するものとする。
【0118】
本実施形態に係るマッチングシステム1は、サーバ装置100Aと、複数のユーザ側端末装置200と、複数の施設側端末装置300と、を有している。また、サーバ装置100Aは、サーバ装置100と同様のハードウェア構成を有している。また、サーバ装置100Aは、
図5に示すように、スコア付与部21と、スコア計算部22と、閾値設定部23Aと、優先順位設定部24と、マッチング処理部25と、マッチング結果評価部26と、マッチング結果選定部27と、マッチング結果出力部28と、制限時間設定部31と、を有している。
【0119】
閾値設定部23Aは、閾値設定部23と同様の方法により、ユーザ側閾値Ft及び施設側閾値Utを設定することができる。また、閾値設定部23Aは、後述の制限時間TL以内において、ユーザ側閾値Ft及び施設側閾値Utのうちのいずれか一方の閾値を0点から漸次増加させる。なお、本実施形態によれば、閾値設定部23Aは、制限時間TL以内において、閾値を0点以外の所定の点数から漸次増加させてもよい。
【0120】
制限時間設定部31は、制限時間設定部31は、マッチング処理の実施に係る制限時間TLを設定する。また、制限時間設定部31は、マッチング処理が開始されてからの経過時間を計測するとともに、当該計測した経過時間が制限時間TLを超えた際に、閾値設定部23Aにおける閾値の変更に係る処理、及び、マッチング結果評価部26におけるマッチング結果評価値の算出に係る処理のうちの少なくとも一方を停止させた後、マッチング結果選定部27における最終的なマッチング結果の取得に係る処理を行わせる。
【0121】
続いて、本実施形態の作用について、
図6のフローチャートを適宜参照しつつ説明を行う。なお、本実施形態の以降の説明においては、特に言及のない限り、制限時間設定部31が、マッチング処理の実施に係る経過時間を、
図6のフローチャートに示す処理が開始されたタイミングから計測し始めるものとする。また、本実施形態の以降の説明においては、制限時間設定部31が、マッチング結果評価部26におけるマッチング結果評価値の算出に係る処理を停止させた後で、マッチング結果選定部27における最終的なマッチング結果の取得に係る処理を行わせる場合について述べる。
図6は、第2の実施形態に係るサーバ装置の動作等を説明するためのフローチャートである。
【0122】
スコア付与部21は、
図6のステップS21の処理として、
図4のステップS1と同様の処理を行うことにより、複数のユーザ側希望項目各々に対応する施設評価スコアFeと、複数の施設側希望項目各々に対応するユーザ評価スコアUeと、をそれぞれ付与する。
【0123】
スコア計算部22は、
図6のステップS22の処理として、
図4のステップS2と同様の処理を行うことにより、ユーザ側優先順位スコアFpと、施設側優先順位スコアUpと、をそれぞれ算出する。
【0124】
閾値設定部23Aは、
図6のステップS23の処理として、
図4のステップS3と同様の処理を行うことにより、ユーザ側閾値Ft及び施設側閾値Utを0点に設定する。
【0125】
優先順位設定部24は、
図6のステップS24の処理として、
図4のステップS4と同様の処理を行うことにより、ユーザ側優先順位スコアFpを高い順に並べた優先順位をユーザ側優先順位として設定するとともに、施設側優先順位スコアUpを高い順に並べた優先順位を施設側優先順位として設定する。
【0126】
マッチング処理部25は、
図6のステップS25の処理として、
図4のステップS5と同様の処理を行うことにより、
図6のステップS24の処理により設定されたユーザ側優先順位及び施設側優先順位に応じたマッチング結果を取得する。また、マッチング処理部25は、
図6のステップS25の処理により取得したマッチング結果をDB15に格納する。
【0127】
マッチング結果評価部26は、
図6のステップS26の処理として、
図4のステップS6と同様の処理を行うことにより、
図6のステップS25の処理により得られたマッチング結果に応じたマッチング結果評価値を算出する。また、マッチング結果評価部26は、
図6のステップS26の処理により算出したマッチング結果評価値を、
図6のステップS25の処理によりDB15に格納されたマッチング結果に紐づける。
【0128】
閾値設定部23Aは、ユーザ側閾値Ft及び施設側閾値Utのうちのいずれか一方を0点から増加させることにより、新たな閾値を設定する(
図6のステップS27)。
【0129】
ここで、本実施形態の以降の説明においては、特に言及のない限り、
図6のステップS27の処理により、ユーザ側閾値Ftが0点(初期設定値)から1点ずつ漸次増加される一方で、施設側閾値Utが0点に維持される場合の例について説明する。
【0130】
優先順位設定部24は、
図6のステップS22の処理により算出された複数のユーザ側優先順位スコアFpと、
図6のステップS27の処理により設定されたユーザ側閾値Ftと、に基づき、
図6のステップS24において設定されたユーザ側優先順位を他の優先順位に変更可能であるか否かに係る判断を行う(
図6のステップS28)。
【0131】
具体的には、優先順位設定部24は、
図6のステップS28において、
図6のステップS22の処理により算出された複数のユーザ側優先順位スコアFpのうち、スコアの差が1点以内の範囲に属するものがあるか否かを検出する。
【0132】
優先順位設定部24は、
図6のステップS24において設定されたユーザ側優先順位を他の優先順位に変更不可能である場合(S28:NO)には、制限時間設定部31により設定された制限時間TL以内において、後述の
図6のステップS33の処理をマッチング結果選定部27に行わせる。また、優先順位設定部24は、
図6のステップS24において設定されたユーザ側優先順位を他の優先順位に変更可能である場合(S28:YES)には、後述の
図6のステップS29の処理を行う。
【0133】
具体的には、優先順位設定部24は、
図6のステップS22の処理により算出された複数のユーザ側優先順位スコアFpのうち、スコアの差が1点以内の範囲に属するものがない場合には、
図6のステップS24において設定されたユーザ側優先順位を他の優先順位に変更不可能であると判断し、制限時間設定部31により設定された制限時間TL以内において、後述の
図6のステップS33の処理をマッチング結果選定部27に行わせる。また、優先順位設定部24は、
図6のステップS22の処理により算出された複数のユーザ側優先順位スコアFpのうち、スコアの差が1点以内の範囲に属するものがある場合には、
図6のステップS24において設定されたユーザ側優先順位を他の優先順位に変更可能であると判断し、後述の
図6のステップS29の処理を行う。
【0134】
優先順位設定部24は、
図6のステップS22の処理により算出された複数のユーザ側優先順位スコアFpのうち、スコアの差が
図6のステップS27の処理により設定されたユーザ側閾値Ftの範囲内に属する各ユーザ側優先順位スコアFpに対応する施設の優先順位の順番を相互に入れ替えることにより、現在設定中のユーザ側優先順位を、後述の
図6のステップS31の処理によるマッチング結果評価値の算出が行われていない未処理の優先順位に変更する(
図6のステップS29)。
【0135】
すなわち、優先順位設定部24は、ユーザ側閾値Ftが初期設定値から漸次増加される場合であるとともに施設側閾値Utが0に設定された場合に、マッチング処理に係る経過時間が制限時間TLを超えるまでの期間において、
図6のステップS29の処理によるユーザ側優先順位の設定を繰り返し行う。
【0136】
マッチング処理部25は、
図6のステップS29の処理により変更されたユーザ側優先順位と、
図6のステップS24の処理により設定された施設側優先順位と、に基づいて第1の実施形態と同様のマッチング処理を行う(
図6のステップS30)。また、マッチング処理部25は、
図6のステップS30の処理により得られたマッチング結果をDB15に格納する。
【0137】
すなわち、マッチング処理部25は、ユーザ側閾値Ftが初期設定値から漸次増加される場合であるとともに施設側閾値Utが0に設定された場合に、マッチング処理に係る経過時間が制限時間TLを超えるまでの期間において、
図6のステップS25の処理(第1のマッチング処理)を行うとともに、
図6のステップS29の処理により変更されたユーザ側優先順位と、
図6のステップS24の処理により設定された施設側優先順位と、の組み合わせに基づく
図6のステップS30の処理(第2のマッチング処理)を繰り返し行う。
【0138】
なお、本実施形態のマッチング処理部25は、マッチング結果を未取得のユーザ側優先順位及び施設側優先順位の組み合わせに対して
図6のステップS30の処理を行うものとする。すなわち、本実施形態のマッチング処理部25は、マッチング結果を取得済のユーザ側優先順位及び施設側優先順位の組み合わせに対しては、
図6のステップS30の処理を改めて行わないものとする。
【0139】
マッチング結果評価部26は、
図6のステップS22の処理により算出された複数のユーザ側優先順位スコアFp及び複数の施設側優先順位スコアUpと、
図6のステップS30の処理により得られたマッチング結果と、に基づいて第1の実施形態と同様の処理を行うことにより、マッチング結果評価値を算出する(
図6のステップS31)。また、マッチング結果評価部26は、
図6のステップS31の処理により算出したマッチング結果評価値を、
図6のステップS30の処理によりDB15に格納されたマッチング結果に紐づける。
【0140】
なお、本実施形態のマッチング結果評価部26は、マッチング結果評価値を未算出のユーザ側優先順位及び施設側優先順位の組み合わせに対して
図6のステップS31の処理を行うものとする。すなわち、本実施形態のマッチング結果評価部26は、マッチング結果評価値を算出済のユーザ側優先順位及び施設側優先順位の組み合わせに対しては、
図6のステップS31の処理を改めて行わないものとする。
【0141】
制限時間設定部31は、サーバ装置100Aにおけるマッチング処理の実施に係る経過時間が制限時間TLを超えたか否かに係る判断を行う(
図6のステップS32)。
【0142】
制限時間設定部31は、サーバ装置100Aにおけるマッチング処理の実施に係る経過時間が制限時間TL以内である場合(S32:NO)には、後述の
図6のステップS33の処理をマッチング結果選定部27に行わせる。また、制限時間設定部31は、サーバ装置100Aにおけるマッチング処理の実施に係る経過時間が制限時間TLを超えた場合(S33:YES)には、後述の
図6のステップS34の処理をマッチング結果選定部27に行わせる。
【0143】
マッチング結果選定部27は、DB15に格納されているマッチング結果及びマッチング結果評価値を参照することにより、
図6のステップS29の処理により変更可能な全優先順位の中でマッチング結果評価値が算出されていない未処理の優先順位があるか否かに係る判断を行う(
図6のステップS33)。
【0144】
マッチング結果選定部27は、
図6のステップS29の処理により変更可能な全優先順位の中でマッチング結果評価値が算出されていない未処理の優先順位がある場合(S32:YES)には、前述の
図6のステップS29からステップS31までの処理を再度行わせる。また、マッチング結果選定部27は、
図6のステップS29の処理により変更可能な全優先順位においてマッチング結果評価値が算出された場合(S32:NO)には、
図6のステップS27以降の処理を再度行わせる。
【0145】
ここで、本実施形態の以降の説明においては、第1の実施形態において挙げた各ユーザ側優先順位スコア及び各施設側優先順位スコアの具体例を用いつつ説明を行う。
【0146】
まず、
図6のステップS23の処理によりユーザ側閾値Ftが0点に設定された場合には、マッチング結果M11及びマッチング結果評価値A11、または、マッチング結果M21及びマッチング結果評価値A21がDB15に格納される。
【0147】
次に、
図6のステップS27の処理によりユーザ側閾値Ftが0点から1点に増加された場合には、患者Q1~Q5における各ユーザ側優先順位スコアの中に、
図6のステップS28の判断条件に該当するスコアの組み合わせが存在しないため、
図6のステップS24において設定されたユーザ側優先順位を他の優先順位に変更不可能であると判断される。そのため、
図6のステップS27の処理によりユーザ側閾値Ftが0点から1点に増加された場合であって、かつ、制限時間設定部31により設定された制限時間TL以内である場合には、ステップS27→ステップS28→ステップS32→ステップS33→ステップS27…の順に処理が行われることにより、DB15への新規のマッチング結果及びマッチング結果評価値の格納が行われない。
【0148】
続いて、
図6のステップS27の処理によりユーザ側閾値Ftが1点から2点に増加された場合には、患者Q1におけるユーザ側優先順位スコアFp1(=88点)及びFp2(=90点)の組み合わせが
図6のステップS28の判断条件に該当するため、
図6のステップS24において設定されたユーザ側優先順位を他の優先順位に変更可能であると判断される。そのため、
図6のステップS27の処理によりユーザ側閾値Ftが1点から2点に増加された場合であって、かつ、制限時間設定部31により設定された制限時間TL以内である場合には、ステップS27からステップS33までの処理が順次行われた後、ステップS27の処理が再度行われる。また、
図6のステップS27の処理によりユーザ側閾値Ftが2点に設定された場合には、マッチング結果M12及びマッチング結果評価値A12、または、マッチング結果M22及びマッチング結果評価値A22がDB15に格納される。
【0149】
続いて、
図6のステップS27の処理によりユーザ側閾値Ftが2点から3点に増加された場合には、
図6のステップS24において設定されたユーザ側優先順位を他の優先順位に変更可能であると判断される。そのため、
図6のステップS27の処理によりユーザ側閾値Ftが2点から3点に増加された場合であって、かつ、制限時間設定部31により設定された制限時間TL以内である場合には、
図6のステップS27からステップS33までの処理が順次行われる。但し、第1の実施形態において挙げた各ユーザ側優先順位スコア及び各施設側優先順位スコアの具体例によれば、ユーザ側閾値Ftが3点に設定された場合のマッチング結果及びマッチング結果評価値と、ユーザ側閾値Ftが2点に設定された場合のマッチング結果及びマッチング結果評価値と、が一致する。従って、
図6のステップS27の処理によりユーザ側閾値Ftが2点から3点に増加された場合には、
図6のステップS30及びステップS31の処理が行われないことに起因し、DB15への新規のマッチング結果及びマッチング結果評価値の格納が行われない。
【0150】
その後、ユーザ側閾値Ftが10点に達するまでの間においては、DB15への新規のマッチング結果及びマッチング結果評価値の格納が行われない。
【0151】
そして、ユーザ側閾値Ftが漸次増加して10点に達した場合には、第1の実施形態の具体例として挙げた各スコアにおいて、
図6のステップS28の判断条件に該当するスコアの組み合わせが多数存在することに起因し、
図6のステップS29からステップS31までの処理を繰り返す回数が膨大な回数となる。そのため、本実施形態においては、ユーザ側閾値Ft=10点に対応する全てのマッチング結果及びマッチング結果評価値がDB15に格納されるより前に、
図6のステップS32からステップS34の処理への移行が行われ得る。
【0152】
すなわち、本実施形態においては、一のユーザ側閾値Ftに対応する全てのマッチング結果及びマッチング結果評価値がDB15に格納されていない場合であっても、制限時間設定部31により設定された制限時間TLを超えた際に、
図6のステップS29からステップS31までの繰り返し処理が中断されるようにしている。
【0153】
なお、本実施形態によれば、
図6のステップS32からステップS34への移行が行われる際に、制限時間設定部31により設定された制限時間TL以内に行われた処理に応じたマッチング結果及びマッチング結果評価値がDB15に格納される。そのため、以降においては、ユーザ側閾値Ft=10点に設定された際に
図6のステップS32からステップS34への移行が行われ、ユーザ側閾値Ft=10点に対応する各マッチング結果のうちの1つがマッチング結果MRXとしてDB15に格納され、当該マッチング結果MRXに対してマッチング結果評価値ARXが紐づけられているものとして説明を行う。
【0154】
また、本実施形態においては、
図6のステップS32の判定条件として、制限時間TLの代わりに、例えば、
図6のステップS29からステップS31までの処理に応じてDB15に格納されたマッチング結果評価値の個数、及び、
図6のステップS27の処理により設定された閾値の設定回数等を利用してもよい。
【0155】
また、本実施形態においては、制限時間TLを超過した場合であっても、一のユーザ側閾値Ftに対応する全てのマッチング結果及びマッチング結果評価値がDB15に格納されるまでは、
図6のステップS29からステップS31までの処理が繰り返されるようにしてもよい。
【0156】
マッチング結果選定部27は、DB15に格納されている(制限時間TL以内に算出された)各マッチング結果評価値のうち、制限時間設定部31により処理が中断された直近のユーザ側閾値Ftに対応する1つ以上のマッチング評価値(マッチング結果評価値ARXを含む)を最終的なマッチング結果の選択に係る処理対象から除外する。なお、
図6のステップS29からステップS31までの処理が繰り返し行われることにより、直近のユーザ側閾値Ftに対応する全てのマッチング結果及びマッチング結果評価値がDB15に格納された場合には、最終的なマッチング結果の選択に係る処理対象から当該マッチング結果評価値が除外されないものとする。そして、マッチング結果選定部27は、DB15に格納されておりかつ処理対象から除外されなかった各マッチング結果評価値の中から1つのマッチング結果評価値を選定し、当該選定した1つのマッチング結果評価値に紐づけられている1つのマッチング結果を最終的なマッチング結果として取得する(
図6のステップS34)。
【0157】
マッチング結果出力部28は、
図4のステップS13の処理により得られた最終的なマッチング結果をユーザ側端末装置200及び施設側端末装置300に対して出力(送信)する(
図6のステップS35)。
【0158】
サーバ装置100Aから送信された最終的なマッチング結果は、ユーザ側端末装置200の表示画面等を通じて患者に提示されるとともに、施設側端末装置300の表示画面等を通じて医療従事者に提示される。
【0159】
なお、
図6の一連の処理は、施設側閾値Utが0点(初期設定値)から漸次増加される一方で、ユーザ側閾値Ftが0点に維持される場合においても略同様に適用される。
【0160】
そのため、優先順位設定部24は、施設側閾値Utが初期設定値から漸次増加される場合であるとともにユーザ側閾値Ftが0に設定された場合に、マッチング処理の実施に係る経過時間が制限時間TLを超えるまでの期間において、
図6のステップS29の処理による施設側優先順位の設定を繰り返し行うことができる。
【0161】
また、マッチング処理部25は、施設側閾値Utが初期設定値から漸次増加される場合であるとともにユーザ側閾値Ftが0に設定された場合に、マッチング処理の実施に係る経過時間が制限時間TLを超えるまでの期間において、
図6のステップS25の処理(第1のマッチング処理)を行うとともに、
図6のステップS24の処理により設定されたユーザ側優先順位と、
図6のステップS29の処理により変更された施設側優先順位と、の組み合わせに基づく
図6のステップS30の処理(第2のマッチング処理)を繰り返し行うことができる。
【0162】
以上に述べたように、本実施形態によれば、例えば、ユーザ側閾値Ftを順次増加しつつマッチング処理を行うことにより、ユーザ側の希望に沿ったマッチング結果を提示し易くすることができる。また、本実施形態によれば、例えば、施設側閾値Utを順次増加しつつマッチング処理を行うことにより、施設側の希望に沿ったマッチング結果を提示し易くすることができる。その結果、本実施形態によれば、サービスの利用者及び当該サービスの提供者の両者の希望に配慮した適切なマッチング結果を提示することができる。
【0163】
<第3の実施形態>
図7は、第3の実施形態に係るサーバ装置の機能構成を示すブロック図である。
【0164】
本実施形態に係るマッチングシステム1は、サーバ装置100Bと、複数のユーザ側端末装置200と、複数の施設側端末装置300と、を有している。また、サーバ装置100Bは、サーバ装置100と同様のハードウェア構成を有している。また、サーバ装置100Bは、
図7に示すように、スコア付与部21と、スコア計算部22と、閾値設定部23Aと、優先順位設定部24と、マッチング処理部25と、マッチング結果評価部26と、マッチング結果選定部27と、マッチング結果出力部28と、制限時間設定部31と、処理順位設定部32と、を有している。
【0165】
処理順位設定部32は、処理順位設定手段としての機能を有し、優先順位設定部24の処理により取得された優先順位各々に対し、マッチング処理部25及びマッチング結果評価部26による処理が行われる際の処理順位を設定する。
【0166】
続いて、本実施形態の作用について、
図8のフローチャートを適宜参照しつつ説明を行う。なお、本実施形態の以降の説明においては、特に言及のない限り、制限時間設定部31が、サーバ装置100Bにおけるマッチング処理の実施に係る経過時間を、
図8のフローチャートに示す処理が開始されたタイミングから計測し始めるものとする。また、本実施形態の以降の説明においては、制限時間設定部31が、マッチング結果評価部26におけるマッチング結果評価値の算出に係る処理を停止させた後で、マッチング結果選定部27における最終的なマッチング結果の取得に係る処理を行わせる場合について述べる。また、本実施形態の以降の説明においては、第1の実施形態の具体例として挙げた各ユーザ側優先順位スコアのうち、患者Q1におけるユーザ側優先順位スコアFp3が85点であり、かつ、患者Q2におけるユーザ側優先順位スコアFp2が85点である場合の例について説明する。
図8は、第3の実施形態に係るサーバ装置の動作等を説明するためのフローチャートである。
【0167】
スコア付与部21は、
図8のステップS41の処理として、
図4のステップS1と同様の処理を行うことにより、複数のユーザ側希望項目各々に対応する施設評価スコアFeと、複数の施設側希望項目各々に対応するユーザ評価スコアUeと、をそれぞれ付与する。
【0168】
スコア計算部22は、
図8のステップS42の処理として、
図4のステップS2と同様の処理を行うことにより、ユーザ側優先順位スコアFpと、施設側優先順位スコアUpと、をそれぞれ算出する。
【0169】
閾値設定部23Aは、
図8のステップS43の処理として、
図4のステップS3と同様の処理を行うことにより、ユーザ側閾値Ft及び施設側閾値Utを0点に設定する。
【0170】
優先順位設定部24は、
図8のステップS44の処理として、
図4のステップS4と同様の処理を行うことにより、ユーザ側優先順位スコアFpを高い順に並べた優先順位をユーザ側優先順位として設定するとともに、施設側優先順位スコアUpを高い順に並べた優先順位を施設側優先順位として設定する。
【0171】
マッチング処理部25は、
図8のステップS45の処理として、
図4のステップS5と同様の処理を行うことにより、
図8のステップS44の処理により設定されたユーザ側優先順位及び施設側優先順位に応じたマッチング結果を取得する。また、マッチング処理部25は、
図8のステップS45の処理により取得したマッチング結果をDB15に格納する。
【0172】
マッチング結果評価部26は、
図8のステップS46の処理として、
図4のステップS6と同様の処理を行うことにより、
図8のステップS45の処理により得られたマッチング結果に応じたマッチング結果評価値を算出する。また、マッチング結果評価部26は、
図8のステップS46の処理により算出したマッチング結果評価値を、
図8のステップS45の処理によりDB15に格納されたマッチング結果に紐づける。
【0173】
閾値設定部23Aは、ユーザ側閾値Ft及び施設側閾値Utのうちのいずれか一方を0点から増加させることにより、新たな閾値を設定する(
図8のステップS47)。
【0174】
ここで、本実施形態の以降の説明においては、特に言及のない限り、
図8のステップS47の処理により、ユーザ側閾値Ftが0点から5点に増加される一方で、施設側閾値Utが0点に維持される場合の例について説明する。
【0175】
優先順位設定部24は、
図8のステップS42の処理により算出された複数のユーザ側優先順位スコアFpと、
図8のステップS47の処理により設定されたユーザ側閾値Ftと、に基づき、
図8のステップS44において設定されたユーザ側優先順位を他の優先順位に変更可能であるか否かに係る判断を行う(
図8のステップS48)。
【0176】
具体的には、優先順位設定部24は、
図8のステップS48において、
図8のステップS42の処理により算出された複数のユーザ側優先順位スコアFpのうち、スコアの差が5点以内の範囲に属するものがあるか否かを検出する。
【0177】
優先順位設定部24は、
図8のステップS44において設定されたユーザ側優先順位を他の優先順位に変更不可能である場合(S48:NO)には、制限時間設定部31により設定された制限時間TL以内において、後述の
図8のステップS55の処理をマッチング結果選定部27に行わせる。また、優先順位設定部24は、
図8のステップS44において設定されたユーザ側優先順位を他の優先順位に変更可能である場合(S48:YES)には、
図8のステップS49の処理を行う。
【0178】
優先順位設定部24は、
図8のステップS42の処理により算出された複数のユーザ側優先順位スコアFpのうち、スコアの差が
図8のステップS47の処理により設定されたユーザ側閾値Ftの範囲内に属する各ユーザ側優先順位スコアFpに対応する施設の優先順位の順番を相互に入れ替えることにより、現在設定中のユーザ側優先順位を、直前までの処理において設定済のものを除く未設定の優先順位に変更する(
図8のステップS49)。また、優先順位設定部24は、
図8のステップS49の処理により設定したユーザ側優先順位をDB15に格納する。
【0179】
優先順位設定部24は、DB15に格納されているユーザ側優先順位を参照することにより、
図8のステップS49の処理により設定可能な全ての優先順位を取得したか否かに係る判断を行う(
図8のステップS50)。
【0180】
優先順位設定部24は、
図8のステップS49の処理により設定可能な全ての優先順位を取得していない場合(S49:NO)には、
図8のステップS49の処理を再度行う。また、優先順位設定部24は、
図8のステップS49の処理により設定可能な全ての優先順位を取得した場合(S49:YES)には、後述の
図8のステップS51の処理を処理順位設定部32に行わせる。
【0181】
ここで、本実施形態の具体例によれば、患者Q1におけるユーザ側優先順位スコアFp1、Fp2及びFp3が5点以内の範囲に属していることに起因し、施設P1、P2及びP3の優先順位の順番を相互に入れ替えることができるため、当該患者Q1におけるユーザ側優先順位として6パターンの優先順位を設定することができる。また、本実施形態の具体例によれば、患者Q2におけるユーザ側優先順位スコアFp1及びFp2が5点以内の範囲に属していることに起因し、施設P1及びP2の優先順位の順番を相互に入れ替えることができるため、当該患者Q2におけるユーザ側優先順位として2パターンの優先順位を設定することができる。
【0182】
従って、本実施形態の具体例によれば、ユーザ側閾値Ftが5点に設定された状態において、優先順位設定部24が
図8のステップS49及びステップS50の処理を繰り返すことにより、当該患者Q1~Q5における施設P1~P3のユーザ側優先順位として12パターンの優先順位がDB15に格納される。
【0183】
処理順位設定部32は、
図8のステップS49及びステップS50の処理を経てDB15に格納された各ユーザ側優先順位について、後述の
図8のステップS52及びステップS53の処理が行われる際の処理順位を設定する(
図8のステップS51)。また、処理順位設定部32は、前述のように設定した処理順位をDB15に格納する。
【0184】
具体的には、処理順位設定部32は、DB15に格納されている各ユーザ側優先順位に基づき、優先順位の順番が1番である施設各々における患者の人数を取得し、当該取得した患者の人数が少ない順に
図8のステップS52及びステップS53の処理が行われるように処理順位を設定する。
【0185】
ここで、前述の12パターンの優先順位によれば、患者Q1における施設P1~P3の優先順位の順番が各々1番として扱われているとともに、患者Q2における施設P1及びP2の優先順位の順番が各々1番として扱われている。
【0186】
そのため、前述の12パターンの優先順位によれば、患者Q1、Q2、Q3及びQ5(4人の患者)が施設P1を第1希望としてもよいとの認識を有しているものと推定される。また、前述の12パターンの優先順位によれば、患者Q1、Q2及びQ4(3人の患者)が施設P2を第1希望としてもよいとの認識を有しているものと推定される。また、前述の12パターンの優先順位によれば、患者Q1(1人の患者)が施設P3を第1希望としてもよいとの認識を有しているものと推定される。
【0187】
従って、処理順位設定部32は、例えば、前述の12パターンの優先順位がDB15に格納されている場合には、患者Q1における各ユーザ側優先順位のうち、施設P3→施設P2→施設P1と表される優先順位が1番目に処理されるように処理順位を設定する。そして、処理順位設定部32は、
図8のステップS51の処理を行うことにより、前述の12パターンの優先順位各々についての(1番目から12番目までの)処理順位を設定し、当該設定した処理順位をDB15に格納する。
【0188】
なお、本実施形態においては、施設側の受け入れ可能人数を鑑みつつ、ユーザ側優先順位に対して
図8のステップS49からステップS51までの処理が行われるものであってもよい。また、本実施形態においては、例えば、ユーザ側閾値Ftを0点に維持しつつ施設側閾値Utを漸次増加させる場合に、施設側優先順位に対して
図8のステップS49からステップS51までの処理が行われるものであってもよい。また、本実施形態においては、例えば、ユーザ側閾値Ftを及び施設側閾値Utを交互に漸次増加させる場合に、ユーザ側優先順位及び施設側優先順位の両方に対して
図8のステップS49からステップS51までの処理が行われるものであってもよい。
【0189】
マッチング処理部25は、
図8のステップS51の処理により設定された処理順位に基づいて第2の実施形態と同様のマッチング処理を行う(
図8のステップS52)。また、マッチング処理部25は、
図8のステップS52の処理により得られたマッチング結果をDB15に格納する。
【0190】
なお、本実施形態のマッチング処理部25は、マッチング結果を未取得のユーザ側優先順位及び施設側優先順位の組み合わせに対して
図8のステップS52の処理を行うものとする。すなわち、本実施形態のマッチング処理部25は、マッチング結果を取得済のユーザ側優先順位及び施設側優先順位の組み合わせに対しては、
図8のステップS52の処理を改めて行わないものとする。
【0191】
マッチング結果評価部26は、
図8のステップS42の処理により算出された複数のユーザ側優先順位スコアFp及び複数の施設側優先順位スコアUpと、
図8のステップS52の処理により得られたマッチング結果と、に基づいて第2の実施形態と同様の処理を行うことにより、マッチング結果評価値を算出する(
図8のステップS53)。また、マッチング結果評価部26は、
図8のステップS53の処理により算出したマッチング結果評価値を、
図8のステップS52の処理によりDB15に格納されたマッチング結果に紐づける。
【0192】
なお、本実施形態のマッチング結果評価部26は、マッチング結果評価値を未算出のユーザ側優先順位及び施設側優先順位の組み合わせに対して
図8のステップS53の処理を行うものとする。すなわち、本実施形態のマッチング結果評価部26は、マッチング結果評価値を算出済のユーザ側優先順位及び施設側優先順位の組み合わせに対しては、
図8のステップS53の処理を改めて行わないものとする。
【0193】
制限時間設定部31は、サーバ装置100Bにおけるマッチング処理の実施に係る経過時間が制限時間TLを超えたか否かに係る判断を行う(
図8のステップS54)。
【0194】
制限時間設定部31は、サーバ装置100Bにおけるマッチング処理の実施に係る経過時間が制限時間TL以内である場合(S54:NO)には、後述の
図8のステップS55の処理をマッチング結果選定部27に行わせる。また、制限時間設定部31は、サーバ装置100Bにおけるマッチング処理の実施に係る経過時間が制限時間TLを超えた場合(S54:YES)には、後述の
図8のステップS56の処理をマッチング結果選定部27に行わせる。
【0195】
マッチング結果選定部27は、DB15を参照することにより、
図8のステップS51の処理により設定された処理順位において、マッチング結果評価値が算出されていない未処理の優先順位があるか否かに係る判断を行う(
図8のステップS55)。
【0196】
マッチング結果選定部27は、
図8のステップS51の処理により設定された処理順位において、マッチング結果評価値が算出されていない未処理の優先順位がある場合(S55:YES)には、前述の
図8のステップS52及びステップS53の処理を再度行わせる。また、マッチング結果選定部27は、
図8のステップS51の処理により設定された処理順位に含まれる全てのパターンの優先順位において、マッチング結果評価値が算出された場合(S55:NO)には、
図8のステップS47以降の処理を再度行わせる。
【0197】
マッチング結果選定部27は、DB15に格納されている各マッチング結果評価値の中から1つのマッチング結果評価値を選定し、当該選定した1つのマッチング結果評価値に紐づけられている1つのマッチング結果を最終的なマッチング結果として取得する(
図8のステップS56)。
【0198】
なお、本実施形態においては、
図8のステップS51の処理により処理順位が設定されていることに起因し、マッチング結果評価値ARXが妥当性を有する値として算出され得る。そのため、本実施形態においては、例えば、マッチング結果選定部27が、マッチング結果評価値ARXを除外せずに
図8のステップS56の処理を行うことにより、当該マッチング結果評価値ARXに紐づけられているマッチング結果MRXを最終的なマッチング結果として取得してもよい。
【0199】
マッチング結果出力部28は、
図8のステップS56の処理により得られた最終的なマッチング結果をユーザ側端末装置200及び施設側端末装置300に対して出力(送信)する(
図8のステップS57)。
【0200】
以上に述べたように、本実施形態によれば、例えば、ユーザ側優先順位に基づいてマッチング処理に係る処理順位を設定することにより、ユーザ側の希望に沿ったマッチング結果を提示し易くすることができる。また、本実施形態によれば、例えば、施設側優先順位に基づいてマッチング処理に係る処理順位を設定することにより、施設側の希望に沿ったマッチング結果を提示し易くすることができる。その結果、本実施形態によれば、サービスの利用者及び当該サービスの提供者の両者の希望に配慮した適切なマッチング結果を提示することができる。
【0201】
<第4の実施形態>
図9は、第4の実施形態に係るサーバ装置の機能構成を示すブロック図である。
【0202】
本実施形態に係るマッチングシステム1は、サーバ装置100Cと、複数のユーザ側端末装置200と、複数の施設側端末装置300と、を有している。また、サーバ装置100Cは、サーバ装置100と同様のハードウェア構成を有している。また、サーバ装置100Cは、
図9に示すように、優先順位設定手段41と、優先順位入れ替え手段42と、マッチング処理手段43と、マッチング結果選定手段44と、を有している。
【0203】
図10は、第4の実施形態に係るサーバ装置の動作等を説明するためのフローチャートである。
【0204】
優先順位設定手段41は、サービスの提供を受ける複数の利用者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって当該サービスの提供を行う複数の提供者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第1の優先順位を設定するとともに、当該複数の提供者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって当該複数の利用者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第2の優先順位を設定する(
図10のステップS61)。
【0205】
優先順位入れ替え手段42は、第1の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各提供者の順番を入れ替えた第3の優先順位と、第2の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各利用者の順番を入れ替えた第4の優先順位と、のうちの少なくとも一方を設定する(
図10のステップS62)。
【0206】
マッチング処理手段43は、複数の利用者と複数の提供者とをマッチングするためのマッチング処理として、第1の優先順位及び第2の優先順位の組み合わせに基づく第1のマッチング処理を行うとともに、第3の優先順位及び当該第2の優先順位、当該第1の優先順位及び第4の優先順位、または、当該第3の優先順位及び当該第4の優先順位のいずれかの組み合わせに基づく第2のマッチング処理を行う(
図10のステップS63)。
【0207】
マッチング結果選定手段44は、第1のマッチング処理により得られた第1のマッチング結果と、第2のマッチング処理により得られた第2のマッチング結果と、のうちのいずれか一方を最終的なマッチング結果として選定する(
図10のステップS64)。
【0208】
本実施形態によれば、サービスの利用者及び当該サービスの提供者の両者の希望に配慮した適切なマッチング結果を提示することができる。
【0209】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0210】
(付記1)
サービスの提供を受ける複数の利用者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって当該サービスの提供を行う複数の提供者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第1の優先順位を設定するとともに、前記複数の提供者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって前記複数の利用者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第2の優先順位を設定する優先順位設定手段と、
前記第1の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各提供者の順番を入れ替えた第3の優先順位と、前記第2の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各利用者の順番を入れ替えた第4の優先順位と、のうちの少なくとも一方を設定する優先順位入れ替え手段と、
前記複数の利用者と前記複数の提供者とをマッチングするためのマッチング処理として、前記第1の優先順位及び前記第2の優先順位の組み合わせに基づく第1のマッチング処理を行うとともに、前記第3の優先順位及び前記第2の優先順位、前記第1の優先順位及び前記第4の優先順位、または、前記第3の優先順位及び前記第4の優先順位のいずれかの組み合わせに基づく第2のマッチング処理を行うマッチング処理手段と、
前記第1のマッチング処理により得られた第1のマッチング結果と、前記第2のマッチング処理により得られた第2のマッチング結果と、のうちのいずれか一方を最終的なマッチング結果として選定するマッチング結果選定手段と、
を備えるマッチング装置。
【0211】
(付記2)
前記第3の優先順位は、前記第1の優先順位において付与されているスコアの差が第1の閾値の範囲内に属する各提供者の順番を入れ替えることにより設定され、
前記第4の優先順位は、前記第2の優先順位において付与されているスコアの差が第2の閾値の範囲内に属する各利用者の順番を入れ替えることにより設定される付記1のマッチング装置。
【0212】
(付記3)
前記優先順位入れ替え手段は、前記第1の閾値が0より大きな値に設定された場合であるとともに前記第2の閾値が0に設定された場合に、前記第3の優先順位を設定し、
前記マッチング処理手段は、前記第1の閾値が0より大きな値に設定され、かつ、前記第2の閾値が0に設定された場合に、前記第1のマッチング処理と、前記第3の優先順位及び前記第2の優先順位の組み合わせに基づく前記第2のマッチング処理と、を行う付記2のマッチング装置。
【0213】
(付記4)
前記優先順位入れ替え手段は、前記第1の閾値が初期設定値から漸次増加される場合であるとともに前記第2の閾値が0に設定された場合に、前記マッチング処理の実施に係る経過時間が制限時間を超えるまでの期間において、前記第3の優先順位の設定を繰り返し行い、
前記マッチング処理手段は、前記第1の閾値が初期設定値から漸次増加される場合であるとともに前記第2の閾値が0に設定された場合に、前記期間において、前記第1のマッチング処理を行うとともに、前記第3の優先順位及び前記第2の優先順位の組み合わせに基づく前記第2のマッチング処理を繰り返し行う付記2のマッチング装置。
【0214】
(付記5)
前記第3の優先順位及び前記第2の優先順位の組み合わせに基づく前記第2のマッチング処理が行われる際の処理順位を設定する処理順位設定手段をさらに有する付記4のマッチング装置。
【0215】
(付記6)
前記優先順位入れ替え手段は、前記第2の閾値が0より大きな値に設定された場合であるとともに前記第1の閾値が0に設定された場合に、前記第4の優先順位を設定し、
前記マッチング処理手段は、前記第2の閾値が0より大きな値に設定され、かつ、前記第1の閾値が0に設定された場合に、前記第1のマッチング処理と、前記第1の優先順位及び前記第4の優先順位の組み合わせに基づく前記第2のマッチング処理と、を行う付記2のマッチング装置。
【0216】
(付記7)
前記優先順位入れ替え手段は、前記第2の閾値が初期設定値から漸次増加される場合であるとともに前記第1の閾値が0に設定された場合に、前記マッチング処理の実施に係る経過時間が制限時間を超えるまでの期間において、前記第4の優先順位の設定を繰り返し行い、
前記マッチング処理手段は、前記第2の閾値が初期設定値から漸次増加される場合であるとともに前記第1の閾値が0に設定された場合に、前記期間において、前記第1のマッチング処理を行うとともに、前記第1の優先順位及び前記第4の優先順位の組み合わせに基づく前記第2のマッチング処理を繰り返し行う付記2のマッチング装置。
【0217】
(付記8)
前記第1の優先順位及び前記第4の優先順位の組み合わせに基づく前記第2のマッチング処理が行われる際の処理順位を設定する処理順位設定手段をさらに有する付記7のマッチング装置。
【0218】
(付記9)
サービスの提供を受ける複数の利用者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって当該サービスの提供を行う複数の提供者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第1の優先順位を設定するとともに、前記複数の提供者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって前記複数の利用者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第2の優先順位を設定し、
前記第1の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各提供者の順番を入れ替えた第3の優先順位と、前記第2の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各利用者の順番を入れ替えた第4の優先順位と、のうちの少なくとも一方を設定し、
前記複数の利用者と前記複数の提供者とをマッチングするためのマッチング処理として、前記第1の優先順位及び前記第2の優先順位の組み合わせに基づく第1のマッチング処理を行うとともに、前記第3の優先順位及び前記第2の優先順位、前記第1の優先順位及び前記第4の優先順位、または、前記第3の優先順位及び前記第4の優先順位のいずれかの組み合わせに基づく第2のマッチング処理を行い、
前記第1のマッチング処理により得られた第1のマッチング結果と、前記第2のマッチング処理により得られた第2のマッチング結果と、のうちのいずれか一方を最終的なマッチング結果として選定するマッチング方法。
【0219】
(付記10)
サービスの提供を受ける複数の利用者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって当該サービスの提供を行う複数の提供者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第1の優先順位を設定するとともに、前記複数の提供者各々の希望条件に応じて付与されたスコアであって前記複数の利用者各々に対して付与されたスコアを降順に並べることにより第2の優先順位を設定し、
前記第1の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各提供者の順番を入れ替えた第3の優先順位と、前記第2の優先順位において付与されているスコアの差に基づいて各利用者の順番を入れ替えた第4の優先順位と、のうちの少なくとも一方を設定し、
前記複数の利用者と前記複数の提供者とをマッチングするためのマッチング処理として、前記第1の優先順位及び前記第2の優先順位の組み合わせに基づく第1のマッチング処理を行うとともに、前記第3の優先順位及び前記第2の優先順位、前記第1の優先順位及び前記第4の優先順位、または、前記第3の優先順位及び前記第4の優先順位のいずれかの組み合わせに基づく第2のマッチング処理を行い、
前記第1のマッチング処理により得られた第1のマッチング結果と、前記第2のマッチング処理により得られた第2のマッチング結果と、のうちのいずれか一方を最終的なマッチング結果として選定する処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
【0220】
以上、実施形態及び実施例を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0221】
12 プロセッサ
22 スコア計算部
23,23A 閾値設定部
24 優先順位設定部
25 マッチング処理部
26 マッチング結果評価部
27 マッチング結果選定部
31 制限時間設定部
32 処理順位設定部