(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】UWBモジュールの車両内自動位置特定
(51)【国際特許分類】
B60R 25/24 20130101AFI20240925BHJP
G01S 13/76 20060101ALI20240925BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B60R25/24
G01S13/76
E05B49/00 J
(21)【出願番号】P 2023554377
(86)(22)【出願日】2022-03-01
(86)【国際出願番号】 JP2022008505
(87)【国際公開番号】W WO2022196335
(87)【国際公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-09-06
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】シャー ティルテシュ
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第10926738(US,B1)
【文献】国際公開第2015/179090(WO,A1)
【文献】特開2020-172220(JP,A)
【文献】国際公開第2017/062980(WO,A1)
【文献】特開2020-172851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 25/00-25/40
H04W 4/00-99/00
G01S 13/76
E05B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモジュール位置(A,B,C,D,E,F,G)を有する車両(12)内に配置される複数の超広帯域(UWB)モジュール(1,2,3,4,5,6,7)と、
複数のモジュール位置(A,B,C,D,E,F,G)は、互いに対して既知の距離に位置し、
各UWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)は、ポータブルデバイス(14)及び複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の他の全てのUWBモジュールとUWB距離測距を実行するように構成され、
複数のモジュール位置(A,B,C,D,E,F,G)の互いに対する既知の距離を記憶し、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の他の全てのUWBモジュールとの距離測距を実行するように複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールに命令し(306)、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールに関連付けられる測定値のセットを受信し(308)、測定値のセットは、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の他の全てのUWBモジュールまでの、関連付けられるUWBモジュールによって測定された距離を含み、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の互いに対する既知の距離と各UWBモジュールに関連付けられる測定値のセットとの比較を実行し(310)、そして、比較に基づいて複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールの車両(12)内の位置を決定する(312)ように構成されるプロセッサとメモリとを有するとともに、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)と通信する制御モジュール(10)と、を備え、
各UWBモジュールの位置は、複数のモジュール位置(A,B,C,D,E,F,G)の1つである、システム。
【請求項2】
制御モジュール(10)は、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールに固有のネットワークアドレスを割り当てるようにさらに構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
制御モジュール(10)は、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールについて、UWBモジュールに割り当てられた固有のネットワークアドレスとともにUWBモジュールの決定された位置を記憶するようにさらに構成される請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
各UWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)は固有の識別子を含み、
制御モジュール(10)は、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールについて、決定された位置及びUWBモジュールに割り当てられた固有のネットワークアドレスとともに、UWBモジュールの固有の識別子を記憶する(312)ようにさらに構成される請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
制御モジュール(10)は、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールに、ポータブルデバイス(14)との距離測距を実行するように命令し、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)から距離測定値のセットを受信し、距離測定値のセットは、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールからポータブルデバイス(14)までの距離を示し、そして、距離測定値のセットに基づいて、及び車両(12)内の各UWBモジュールの決定された位置に基づいて、車両(12)に対するポータブルデバイス(14)の位置を決定するようにさらに構成される請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
制御モジュール(10)は、車両(12)に対するポータブルデバイス(14)の決定された位置に基づいて、車両(12)の少なくとも1つの車両機能を許可するようにさらに構成され、少なくとも1つの車両機能には、車両(12)のロック解除、車両(12)のトランクの開放、及び車両(12)の始動の少なくとも1つが含まれる請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
制御モジュール(10)は、車両(12)に対するポータブルデバイス(14)の決定された位置に基づいて車両(12)の少なくとも1つの車両機能を許可するように構成されるパッシブエントリパッシブスタートシステムと通信し、少なくとも1つの車両機能には、車両(12)のロック解除、車両(12)のトランクの開放、及び車両(12)の始動の少なくとも1つが含まれる請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
制御モジュール(10)は、少なくとも1つの有線バス通信接続を介して複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールと通信するように構成される請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
複数のモジュール位置(A,B,C,D,E,F,G)を有する車両(12)内に配置される複数の超広帯域(UWB)モジュール(1,2,3,4,5,6,7)の位置を特定する方法であって、
複数のモジュール位置(A,B,C,D,E,F,G)は、互いに対して既知の距離に位置し、
各UWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)は、ポータブルデバイス(14)及び複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の他の全てのUWBモジュールとUWB距離測距を実行するように構成され、
制御モジュール(10)を用いて、複数のモジュール位置(A,B,C,D,E,F,G)の互いに対する既知の距離を記憶すること、
制御モジュール(10)を用いて、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の他の全てのUWBモジュールとの距離測距を実行するように複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールに命令すること(306)、
制御モジュール(10)を用いて、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールに関連付けられる測定値のセットを受信すること(308)、
測定値のセットは、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の他の全てのUWBモジュールまでの、関連付けられるUWBモジュールによって測定された距離を含み、
制御モジュール(10)を用いて、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の互いに対する既知の距離と各UWBモジュールと関連付けられる測定値のセットとの比較を実行すること(310)、及び、
制御モジュール(10)を用いて、比較に基づいて複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールの車両(12)内の位置を決定すること(312)、を備え、
各UWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の位置は、複数のモジュール位置(A,B,C,D,E,F,G)の1つである方法。
【請求項10】
制御モジュール(10)を用いて、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールに固有のネットワークアドレスを割り当てること(312)をさらに備える請求項9に記載の方法。
【請求項11】
制御モジュール(10)を用いて、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールについて、UWBモジュールに割り当てられた固有のネットワークアドレスとともにUWBモジュールの決定された位置を記憶すること(312)をさらに備える請求項10に記載の方法。
【請求項12】
各UWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)は固有の識別子を含み、
複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールについて、決定された位置及びUWBモジュールに割り当てられた固有のネットワークアドレスとともに、UWBモジュールの固有の識別子を記憶すること(312)をさらに備える請求項11に記載の方法。
【請求項13】
制御モジュール(10)を用いて、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールに、ポータブルデバイス(14)との距離測距を実行するように命令すること、
制御モジュール(10)を用いて、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)から距離測定値のセットを受信すること、
距離測定値のセットは、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールからポータブルデバイス(14)までの距離を示し、及び、
制御モジュール(10)を用いて、距離測定値のセットに基づいて、及び車両(12)内の各UWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の決定された位置に基づいて、車両(12)に対するポータブルデバイス(14)の位置を決定すること、をさらに備える請求項9乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
制御モジュール(10)を用いて、車両(12)に対するポータブルデバイス(14)の決定された位置に基づいて、車両(12)の少なくとも1つの車両機能を許可することをさらに含み、少なくとも1つの車両機能には、車両(12)のロック解除、車両(12)のトランクの開放、及び車両(12)の始動の少なくとも1つが含まれる請求項13に記載の方法。
【請求項15】
制御モジュール(10)を用いて、ポータブルデバイス(14)の決定された位置を、車両(12)に対するポータブルデバイス(14)の決定された位置に基づいて車両(12)の少なくとも1つの車両機能を許可するように構成されたパッシブエントリパッシブスタートシステムに通信することをさらに含み、少なくとも1つの車両機能には、車両(12)のロック解除、車両(12)のトランクの開放、及び車両(12)の始動の少なくとも1つが含まれる請求項13に記載の方法。
【請求項16】
制御モジュール(10)と複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールとの間で、少なくとも1つの有線バス通信接続を介して通信することをさらに備える請求項9乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
複数のモジュール位置(A,B,C,D,E,F,G)を有する車両(12)内に配置される複数の超広帯域(UWB)モジュール(1,2,3,4,5,6,7)と、
各モジュール位置は、対応するモジュール位置に配置されたUWBモジュールに電力を供給するように構成された対応する電力線を有し、各UWBモジュールは、ポータブルデバイス(14)とのUWB距離測距を実行するように構成され、
モジュール位置(A,B,C,D,E,F,G)のそれぞれに配置された各電力線に接続され、電力を制御するように構成され、及び、複数のモジュール位置(A,B,C,D,E,F,G)の各モジュール位置に対して、モジュール位置に関連付けられた電力線へ電力を供給する一方で、複数のモジュール位置(A,B,C,D,E,F,G)のうちの他のすべてのモジュール位置に関連付けられた他のすべての電力線への電力を停止し、特定のモジュール位置に関連付けられた電力線から電力を受け取っている通信UWBモジュールと通信を実行し、そして、通信及び電力線に関連付けられたモジュールの位置に基づいて、車両(12)内の通信UWBモジュールの位置を決定するように構成されるプロセッサ及びメモリを有する制御モジュール(10)と、を備えるシステム。
【請求項18】
制御モジュール(10)は、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールについて、UWBモジュールの決定された位置とともにUWBモジュールに割り当てられた固有のネットワークアドレスを記憶するようにさらに構成される請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
制御モジュール(10)は、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の各UWBモジュールに、ポータブルデバイス(14)との距離測距を実行するように命令し、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)から距離測定値のセットを受信し、距離測定値のセットは、複数のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)のそれぞれのUWBモジュールからポータブルデバイス(14)までの距離を示し、そして、距離測定値のセット及び車両(12)内のUWBモジュール(1,2,3,4,5,6,7)の決定された位置(A,B,C,D,E,F,G)に基づいて、車両(12)に対するポータブルデバイス(14)の位置を決定するようにさらに構成される請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
制御モジュール(10)は、車両(12)に対するポータブルデバイス(14)の決定された位置に基づいて、車両(12)の少なくとも1つの車両機能を許可するようにさらに構成され、少なくとも1つの車両機能には、車両(12)のロック解除、車両(12)のトランクの開放、及び車両(12)の始動の少なくとも1つが含まれる請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2021年3月15日に出願された米国仮出願第63/160999号及び2021年9月20に出願された米国出願第17/479566号の利益を主張する。上記出願の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、車両内の超広帯域モジュールの位置を自動的に特定するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
この欄は、必ずしも公知技術に該当しない、本開示に関連する背景情報を提供する。
【0004】
車両用パッシブエントリ/パッシブスタート(PEPS)システムは、車両内及び車両周りの既知の位置に配置された多数の超広帯域(UWB)モジュールを利用する場合がある。UWBモジュールは、車両に関連付けられたスマートフォンやキーフォブなどのポータブルデバイスとの距離の測距を実行し、各UWBモジュールからポータブルデバイスまでの測定された距離を、測定された距離及び車両内及び車両周りのUWBモジュールの既知の位置に基づいて車両に対するポータブルデバイスの位置を決定するPEPSシステム制御モジュールに報告することができる。PEPSシステムは、車両に対するポータブルデバイスの位置に基づいて、車両のロックを解除する、車両のトランクを開ける、車両を始動するなど、特定の車両機能を許可することができる。
【0005】
UWBモジュールの車両内及び車両周りへの設置の誤りを防止するために、従来のシステムは、互いに異なる物理的特性を持つUWBモジュールを利用する。例えば、UWBモジュールのセットは、コネクタキーイングを使用することができ、これにより、UWBモジュールは車両内の異なる位置に物理的に異なるコネクタを持つことができる。例えば、UWBモジュールは4ピン又は6ピンのコネクタを含んでもよく、UWBモジュール用のコネクタ内のピンは、車両内のUWBモジュールの指定された位置に応じて異なるように配置されてもよい。さらなる例として、車両の前方運転者側に配置されるUWBモジュール用のコネクタのピンの構成は、車両の後方乗員側などの他の位置に配置されるUWBモジュール用のコネクタのピンの構成とは異なる。このようにして、取り付け時に、前方運転者側に指定されたUWBモジュールは、後方乗員側などの別の位置に物理的に取り付けることができなくなる。従って、コネクタ内のピンの物理的構成により、確実にUWBモジュールが車両内及び車両周りの適切な位置へ取り付けられる。
【0006】
しかしながら、車両内の異なるUWBモジュールのために異なる物理的特性を利用するには、物理的な違いを持つ複数の異なるUWBモジュールを製造するために、製造コストの上昇が避けられない。さらに、物理的に異なるUWBモジュールの各々は、部品番号承認プロセスを受ける必要がある。車両で使用するUWBモジュールごとに異なる物理構成及び異なる部品番号が必要になると、コストが増加するとともに、部品の承認のために追加の時間とリソースが必要になる。
【発明の概要】
【0007】
この欄は、本開示の一般的な概要を提供するものであり、本開示の全範囲又は特徴の全てを包括的に開示するものではない。
【0008】
提供されるシステムは、複数のモジュール位置を有する車両内に配置される複数の超広帯域(UWB)モジュールを含み、複数のモジュール位置は、互いに対して既知の距離に位置し、各UWBモジュールは、ポータブルデバイス及び複数のUWBモジュールの他の全てのUWBモジュールとUWB距離測距を実行するように構成される。システムは、複数のモジュール位置の互いに対する既知の距離を記憶し、複数のUWBモジュールの他の全てのUWBモジュールとの距離測距を実行するように複数のUWBモジュールの各UWBモジュールに命令し、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールに関連付けられる測定値のセットを受信し、測定値のセットは、複数のUWBモジュールの他の全てのUWBモジュールまでの、関連付けられるUWBモジュールによって測定された距離を含み、複数のUWBモジュールの互いに対する既知の距離と各UWBモジュールに関連付けられる測定値のセットとの比較を実行し、そして、比較に基づいて複数のUWBモジュールの各UWBモジュールの車両内の位置を決定するように構成されるプロセッサとメモリとを有するとともに、複数のUWBモジュールと通信する制御モジュールも含み、各UWBモジュールの位置は、複数のモジュール位置の1つである。
【0009】
他の特徴では、制御モジュールは、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールに固有のネットワークアドレスを割り当てるようにさらに構成される。
【0010】
他の特徴では、制御モジュールは、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールについて、UWBモジュールに割り当てられた固有のネットワークアドレスとともにUWBモジュールの決定された位置を記憶するようにさらに構成される。
【0011】
他の特徴では、各UWBモジュールは固有の識別子を含み、制御モジュールは、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールについて、決定された位置及びUWBモジュールに割り当てられた固有のネットワークアドレスとともに、UWBモジュールの固有の識別子を記憶するようにさらに構成される。
【0012】
他の特徴では、制御モジュールは、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールに、ポータブルデバイスとの距離測距を実行するように命令し、複数のUWBモジュールから距離測定値のセットを受信し、距離測定値のセットは、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールからポータブルデバイスまでの距離を示し、そして、距離測定値のセットに基づいて、及び車両内の各UWBモジュールの決定された位置に基づいて、車両に対するポータブルデバイスの位置を決定するようにさらに構成される。
【0013】
他の特徴では、制御モジュールは、車両に対するポータブルデバイスの決定された位置に基づいて、車両の少なくとも1つの車両機能を許可するようにさらに構成され、少なくとも1つの車両機能には、車両のロック解除、車両のトランクの開放、及び車両の始動の少なくとも1つが含まれる。
【0014】
他の特徴では、制御モジュールは、車両に対するポータブルデバイスの決定された位置に基づいて車両の少なくとも1つの車両機能を許可するように構成されるパッシブエントリパッシブスタートシステムと通信し、少なくとも1つの車両機能には、車両のロック解除、車両のトランクの開放、及び車両の始動の少なくとも1つが含まれる。
【0015】
他の特徴では、制御モジュールは、少なくとも1つの有線バス通信接続を介して複数のUWBモジュールの各UWBモジュールと通信するように構成される。
【0016】
複数のモジュール位置を有する車両内に配置される複数の超広帯域(UWB)モジュールの位置を特定する方法も提供される。複数のモジュール位置は、互いに対して既知の距離に位置し、各UWBモジュールは、ポータブルデバイス及び複数のUWBモジュールの他の全てのUWBモジュールとUWB距離測距を実行するように構成される。この方法は、制御モジュールを用いて、複数のモジュール位置の互いに対する既知の距離を記憶すること、制御モジュールを用いて、複数のUWBモジュールの他の全てのUWBモジュールとの距離測距を実行するように複数のUWBモジュールの各UWBモジュールに命令すること、制御モジュールを用いて、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールに関連付けられる測定値のセットを受信すること、測定値のセットは、複数のUWBモジュールの他の全てのUWBモジュールまでの、関連付けられるUWBモジュールによって測定された距離を含み、制御モジュールを用いて、複数のUWBモジュールの互いに対する既知の距離と各UWBモジュールと関連付けられる測定値のセットとの比較を実行すること、及び、制御モジュールを用いて、比較に基づいて複数のUWBモジュールの各UWBモジュールの車両内の位置を決定すること、を含み、各UWBモジュールの位置は、複数のモジュール位置の1つである。
【0017】
他の特徴では、方法は、制御モジュールを用いて、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールに固有のネットワークアドレスを割り当てることをさらに含む。
【0018】
他の特徴では、方法は、制御モジュールを用いて、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールについて、UWBモジュールに割り当てられた固有のネットワークアドレスとともにUWBモジュールの決定された位置を記憶することをさらに含む。
【0019】
他の特徴では、各UWBモジュールは固有の識別子を含み、方法は、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールについて、決定された位置及びUWBモジュールに割り当てられた固有のネットワークアドレスとともに、UWBモジュールの固有の識別子を記憶することをさらに含む。
【0020】
他の特徴では、方法は、制御モジュールを用いて、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールに、ポータブルデバイスとの距離測距を実行するように命令すること、制御モジュールを用いて、複数のUWBモジュールから距離測定値のセットを受信すること、距離測定値のセットは、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールからポータブルデバイスまでの距離を示し、及び、制御モジュールを用いて、距離測定値のセットに基づいて、及び車両内の各UWBモジュールの決定された位置に基づいて、車両に対するポータブルデバイスの位置を決定すること、をさらに含む。
【0021】
他の特徴では、方法は、制御モジュールを用いて、車両に対するポータブルデバイスの決定された位置に基づいて、車両の少なくとも1つの車両機能を許可することをさらに含み、少なくとも1つの車両機能には、車両のロック解除、車両のトランクの開放、及び車両の始動の少なくとも1つが含まれる。
【0022】
他の特徴では、方法は、制御モジュールを用いて、ポータブルデバイスの決定された位置を、車両に対するポータブルデバイスの決定された位置に基づいて車両の少なくとも1つの車両機能を許可するように構成されたパッシブエントリパッシブスタートシステムに通信することをさらに含み、少なくとも1つの車両機能には、車両のロック解除、車両のトランクの開放、及び車両の始動の少なくとも1つが含まれる。
【0023】
他の特徴では、方法は、制御モジュールと複数のUWBモジュールの各UWBモジュールとの間で、少なくとも1つの有線バス通信接続を介して通信することをさらに含む。
【0024】
提供される別のシステムは、複数のモジュール位置を有する車両内に配置される複数の超広帯域(UWB)モジュールを含み、各モジュール位置は、対応するモジュール位置に配置されたUWBモジュールに電力を供給するように構成された対応する電力線を有し、各UWBモジュールは、ポータブルデバイスとのUWB距離測距を実行するように構成される。このシステムはさらに、モジュール位置のそれぞれに配置された各電力線に接続され、電力を制御するように構成され、及び、プロセッサ及びメモリを有する制御モジュールを含む。プロセッサ及びメモリは、複数のモジュール位置の各モジュール位置に対して、モジュール位置に関連付けられた電力線へ電力を供給する一方で、複数のモジュール位置のうちの他のすべてのモジュール位置に関連付けられた他のすべての電力線への電力を停止し、特定のモジュール位置に関連付けられた電力線から電力を受け取っている通信UWBモジュールと通信を実行し、そして、通信及び電力線に関連付けられたモジュールの位置に基づいて、車両内の通信UWBモジュールの位置を決定する。
【0025】
他の特徴では、制御モジュールは、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールについて、UWBモジュールの決定された位置とともにUWBモジュールに割り当てられた固有のネットワークアドレスを記憶するようにさらに構成される。
【0026】
他の特徴では、制御モジュールは、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールに、ポータブルデバイスとの距離測距を実行するように命令し、複数のUWBモジュールから距離測定値のセットを受信し、距離測定値のセットは、複数のUWBモジュールのそれぞれのUWBモジュールからポータブルデバイスまでの距離を示し、そして、距離測定値のセット及び車両内のUWBモジュールの決定された位置に基づいて、車両に対するポータブルデバイスの位置を決定するようにさらに構成される。
【0027】
他の特徴では、制御モジュールは、車両に対するポータブルデバイスの決定された位置に基づいて、車両の少なくとも1つの車両機能を許可するようにさらに構成され、少なくとも1つの車両機能には、車両のロック解除、車両のトランクの開放、及び車両の始動の少なくとも1つが含まれる。
【0028】
適用可能なさらなる領域は、本明細書に提供される説明から明らかとなろう。この概要における説明および特定の例は、例示のみを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図したものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本明細書で説明される図面は、選択された実施形態の例示のみを目的としており、すべての可能な実施例を示すものではなく、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【
図1】本開示による、車両内のUWBモジュールの位置を自動的に特定するためのシステムの機能ブロック図である。
【
図2】本開示による、車両内のUWBモジュールの設置位置を示す機能ブロック図である。
【
図3】本開示による、車両内のUWBモジュールの位置を自動的に特定するプロセスのフロー図である。
【
図4】本開示による、車両内のUWBモジュールの位置を自動的に特定するためのシステムの別の機能ブロック図である。
【
図5】本開示による、車両内のUWBモジュールの位置を自動的に特定するためのシステムの別の機能ブロック図である。
【
図6】本開示による、車両内のUWBモジュールの位置を自動的に特定するための別のシステムの機能ブロック図である。
【
図7】本開示による、車両内のUWBモジュールの位置を自動的に特定する別のプロセスのフロー図である。
【0030】
図面のいくつかの図を通して、対応する参照番号は対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、例示的な実施形態が、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【0032】
本開示は、車両内及び車両周りの異なる位置に関連付けられたUWBモジュールを区別するために、異なる物理的コネクタ及びピン配列などの物理的な相違の使用を必要とすることなく、車両内に配置された超広帯域(UWB)モジュールの位置を自動的に特定するためのシステムおよび方法を提供する。そのため、同じタイプのピン配列を備えた同じタイプのコネクタを含む、同じ物理的特性を持つUWBモジュールが、車両内及び車両周りの異なる位置に配置することができ、車両内のUWBモジュールの位置は、本開示により自動的に検出することができる。以下でさらに詳細に説明するように、本開示のシステム及び方法は、車両内及び車両周りの様々なUWBモジュールの位置を自動的に検出する制御モジュールを含む。以下でさらに詳細に説明するように、制御モジュールは、UWBモジュールの各々に、車両内及び車両周りのUWBモジュールのすべてのペア間で測距を実行するように指示し、次いで、車両内及び車両周りのすべてのペア間の距離測定値のセットに基づいて、車両内及び車両周りの各UWBモジュールの固有の位置を決定することができる。追加的に又は代替的に、制御モジュールは、車両内及び車両周りの既知の位置にあるUWBモジュールに関連付けられた電力端子を含むことができる。そして、制御モジュールは、電力端子の各々に一度に1つずつ個別に電力を供給し、電力が関連付けられる電力端子に供給された後に、どのUWBモジュールが応答するかを観察することによって、各UWBモジュールの位置を決定することができる。このようにして、物理的に同一であり、同じ部品番号を共有する複数のUWBモジュールを単一の車両に取り付けることができ、それらの位置は、本開示のシステム及び方法に従って制御モジュールによって自動的に検出される。
【0033】
図1を参照すると、車両12内に配置されたUWBモジュール1~7の位置を自動的に特定するためのシステム20が示されており、これは制御モジュール10を含む。制御モジュール10は、パッシブエントリ/パッシブスタート(PEPS)システムの一部であってもよく、又はPEPSシステムと通信してもよい。例えば、UWBモジュール1~7は、車両12に関連付けられたスマートフォン又はキーフォブなどのポータブルデバイス14との距離測距を実行し、測定された距離を制御モジュール10に報告することができる。次いで、制御モジュール10は、測定された距離と、車両12内及び車両12周りのUWBモジュール1~7の既知の位置とに基づいて、車両12に対するポータブルデバイス14の位置を決定することができる。車両12に対するポータブルデバイス14の位置に基づいて、制御モジュール10、及び/又は制御モジュール10と通信するPEPSシステムのモジュールは、車両のロック解除、車両のトランクの開放、車両の始動などの特定の車両機能を許可することができる。
【0034】
UWBモジュール1~7は、車両12内及び車両12周りの既知の相対位置に設置される。
図2を参照すると、例えば、車両12は、UWBモジュール1~7の指定設置位置A~Gを含むことができる。設置位置A~Gはそれぞれ、UWBモジュール1~7を受け入れるためのブラケットなどの設置ハードウェアを含むことができる。設置位置A~Gはそれぞれ、UWBモジュール1~7と制御モジュール10との間の通信を可能にするために、車両内の通信バスへの通信接続を含むこともできる。設置位置A~Gはそれぞれ、以下でさらに詳細に説明するように、UWBモジュール1~7に電力を供給する電力線及び電力コネクタも含むことができる。設置位置A~Gの相対位置は、UWBモジュール1~7の設置前に予め決定されており、既知である。さらに、以下でさらに詳細に説明するように、設置位置A~Gのそれぞれの間の距離は、車両の設計段階でUWBモジュール1~7の設置前に予め決定され、既知である。
【0035】
UWBモジュール1~7は、適切な通信バスを介して制御モジュール10に接続され、制御モジュール10と通信する。UWBモジュール1~7のそれぞれは、通信バスを介して制御モジュール10と通信するように構成された処理モジュール及び/又は通信モジュールを含む。通信バスは、コントローラエリアネットワーク(CAN)バスやローカル相互接続ネットワーク(LIN)バスなどの有線通信バスとすることができるが、UWBモジュール1~7と制御モジュール10との間の通信を提供するために任意の他の適切な通信バス又はプロトコルが使用され得る。UWBモジュール1~7の各設置位置A~Gのそれぞれには、UWBモジュール1~7が、制御モジュール10と通信するための通信バスに接続し、通信バスを介して通信できるようにする適切な通信コネクタ/インターフェースが設けられ得る。あるいは、UWBモジュール1~7は、制御モジュール10と無線で通信するように構成され得る。例えば、UWBモジュール1~7は、任意の適切な無線通信プロトコルを使用することができるが、UWBを使用して、及び/又はブルートゥース(登録商標、以下同様)、ブルートゥースローエナジー(BLE)、及び/又は近距離無線通信(NFC)通信プロトコルを介して制御モジュール10と通信するように構成することができる。
【0036】
上述したように、UWBモジュール1~7は、物理的に区別できず、それぞれ、同じタイプのピン配列及び同じ部品番号を持つ同じタイプのコネクタを有することができる。物理的には区別できないが、UWBモジュール1~7のそれぞれは、その特定のUWBモジュールを一意に識別するシリアル番号など、関連付けられた固有の識別番号を有することができる。例えば、UWBモジュールは、UWBモジュールの寿命までの間、その特定のUWBモジュールに関連付けられた固有の識別子を記憶する、非一時的メモリなどの記憶モジュールを含むことができる。UWBモジュール1~7のそれぞれは、UWBセンサーと、他のUWB対応通信装置とのUWB距離測距を実行するように構成される処理モジュール及び/又は通信モジュールとを含む。上述したように、UWBモジュール1~7のそれぞれは、スマートフォン又はキーフォブなどのUWB対応ポータブルデバイス14との距離測距を実行することができる。加えて、UWBモジュール1~7のそれぞれは、互いに距離測距を行うことができる。
【0037】
図3を参照すると、本開示による、車両12内及び車両12周りのUWBモジュール1~7の位置を自動的に特定するプロセスのフロー図が示されている。このプロセスは、UWBモジュール1~7が車両12の様々な設置位置に設置され、制御モジュール10と通信するように構成された後に、制御モジュール10によって実行することができる。プロセスは300から始まる。302で、制御モジュール10は、UWBモジュール1~7のそれぞれにシリアル番号などの固有の識別子を要求する。それに応じて、UWBモジュール1~7のそれぞれは、固有の識別子を制御モジュールに送信する。304で、制御モジュール10は、UWBモジュール1~7から固有の識別子を受信する。
【0038】
306で、制御モジュール10は、システム20内の他のすべてのUWBモジュール1~7との距離測距を実行するように、各UWBモジュール1~7に個別かつ順次に命令する。例えば、制御モジュール10は、UWBモジュール2~7との距離測距を実行するように、UWBモジュール1に命令することができる。次に、制御モジュール10は、UWBモジュール1及び3~7との距離測距を実行するように、UWBモジュール2に命令することができる。このようにして、UWBモジュール1~7のそれぞれは、車両12内及び車両周りの、及びシステム20内の、他のすべてのUWBモジュール1~7との距離測距を実行するように命令される。
図4を参照すると、UWBモジュール1とUWBモジュール2~7の各々との間の距離測距測定値が示されている。例えば、UWBモジュール1がUWBモジュール2との距離測距を行った結果の距離測定値はd1,2と表され、UWBモジュール1がUWBモジュール3との距離測距を行った結果の距離測定値はd1,3と表されるなどである。同様に、
図5を参照すると、UWBモジュール2とUWBモジュール1、3~7の各々との間の距離測距測定値が示されている。例えば、UWBモジュール2がUWBモジュール1との距離測距を行った結果の距離測定値はd2,1と表され、UWBモジュール2がUWBモジュール3との距離測距を行った結果の距離測定値はd2,3と表されるなどである。
【0039】
図3に戻ると、308で、制御モジュール10は、システム20内の他のすべてのUWBモジュール1~7までの、各UWBモジュール1~7によって測定された測距距離を受信する。換言すれば、制御モジュール10は、各UWBモジュール1~7から測定値のセットを受信して記憶し、測定値の各セットには、特定のUWBモジュールからシステム20内の他のすべてのUWBモジュール1~7までの距離測距測定値が含まれる。例えば、制御モジュール10は、以下の表1に示される距離測定値を受信し、距離「dx,y」は、UWB距離測距を使用してUWBモジュールXによって測定されたUWBモジュールYまでの距離を表す。制御モジュール10は、以下の表1に示す測定値などの測定値を記憶するための非一時的メモリを含む。
【0040】
【0041】
310で、制御モジュール10は、UWBモジュール1~7間の測定距離を、UWBモジュールの設置位置A~Gのそれぞれの間の既知の距離と比較して、車両12内及び車両12周りの各UWBモジュール1~7の位置を決定及び識別する。例えば、制御モジュール10は、以下の表2に示すUWBモジュール設置位置A~Gのそれぞれの間の既知の距離を記憶しており、距離「Dx,y」は、設置位置Xと設置位置Yとの間の既知の距離を表す。距離DX,Yは距離DY,Xに等しく、表2の両方の場所、つまり両方の設置位置に関連付けられた行/列にリスト化されている。制御モジュール10は、以下の表2に示す設置位置の間の既知の距離を記憶するための非一時的メモリを含む。
【0042】
【0043】
制御モジュール10は、表1に示すUWBモジュール1~7によって測定された距離のセットと、表2に示すUWBモジュール設置位置A~G間の既知の距離のセットとを互いに関係付けて比較し、車両内及び車両周りのUWBモジュール1~7の位置を決定する。UWBモジュールの設置位置A~G間の既知の距離は、距離のセットがUWBモジュールの設置位置A~Gのそれぞれにとって固有となるように構成される。換言すると、上記の例では、設置位置Aに関連付けられた、5つの距離のセットは、設置位置Aに固有なものである。別の言い方をすれば、他の設置位置B~Gのいずれも、設置位置Aと同じ5つの関連付けられる距離のセットを有さない。このように、制御モジュール10は、UWBモジュール1~7の1つによって測定された距離のセットと、設置位置A~G間の特定の既知の距離のセットと一致すると、制御モジュール10は、特定のUWBモジュールが関連付けられる設置位置に配置されていると決定する。
【0044】
例えば、制御モジュール10が、UWBモジュール1によって測定された他のUWBモジュール2~7までの距離のセット、すなわち{d
1,2、d
1,3、d
1,4、d
1,5、d
1,6、d
1,7}が、位置Aに関連付けられた他の設置位置との既知の距離のセット、すなわち{D
A,B、D
A,C、D
A,D、D
A,E、D
A,F、D
A,G}と一致した場合、制御モジュール10は、UWBモジュール1が車両上の設置位置Aに配置されていることを決定し、識別することができる。
図2に示すように、設置位置Aは、車両12の前方運転者側に位置する。UWBモジュール1~7は、既知の精度公差を持つことができる。例えば、UWBモジュール1~7によって測定される距離は、10~20センチメートル以内の精度であり得るが、他の精度公差を有するUWBモジュールも本教示に従って使用され得る。制御モジュール10は、UWBモジュール1~7の既知の精度公差を考慮しつつ、測定距離と既知の距離との比較を実行する。
【0045】
制御モジュール10は、UWBモジュール1~7のそれぞれを設置位置A~Gの対応する1つに結び付けるまで継続する。UWBモジュール1~7のすべてが設置位置A~Gの対応する1つに結び付けられると、制御モジュールは312に進む。
【0046】
312で、制御モジュール10は、各UWBモジュール1~7に固有のネットワークアドレスを割り当て、割り当てられた固有のネットワークアドレスを各UWBモジュールの識別された位置とともにメモリに記録する。このように、312で、制御モジュール10は、以下の表3に示される情報を生成し、記憶する。ここで、UIDXは、UWBモジュールXに関連付けられた固有の識別番号を表し、UNAXは、UWBモジュールXに関連付けられた固有のネットワークアドレスを表す。
【0047】
【0048】
この時点で、制御モジュール10は、車両内及び車両周りのすべてのUWBモジュール1~7の位置を特定し、通信バスを介した通信に使用するための固有のネットワークアドレスを各UWBモジュール1~7に割り当てている。これで、制御モジュール10は、UWBモジュール1~7を利用してポータブルデバイス14との測距を実行し、車両に対するポータブルデバイス14の位置を決定する処理に進むことができる。車両12に対するポータブルデバイス14の位置に基づいて、制御モジュール10、及び/又は制御モジュール10と通信するPEPSシステムのモジュールは、車両のロック解除、車両のトランクの開放、車両の始動などの特定の車両機能を許可することができる。
【0049】
プロセスは314で終了する。
【0050】
図3に示すプロセスは、車両12の製造時にUWBモジュール1~7が車両12内及び車両12周りに設置されるときに、制御モジュール10によって実行することができる。
図3に示すプロセスは、UWBモジュール1~7のいずれかの修理又は交換を伴う車両12の修理手順の後に、制御モジュール10によって実行することもできる。
【0051】
このように、
図3に示され、
図1~5を参照して上述されたプロセスは、車両内及び車両周りの異なる設置位置に配置されるUWBモジュールについて、異なるコネクタピン構成を使用するコネクタキーイングなど、UWBモジュール1~7間の物理的な相違を利用する必要なしに、車両12内のUWBモジュール1~7の位置を自動的に特定するために使用することができる。
【0052】
図6、7を参照すると、車両12内のUWBモジュール1~7の位置を自動的に特定するための追加のシステム及び追加の方法が示されている。
図6、7に示される実施形態では、制御モジュール10は、UWBモジュール1~7のそれぞれに順次に電源を供給し、どのUWBモジュールが応答するかを監視する。各UWBモジュールについて制御モジュール10によって制御される個々の電力端子は、UWBモジュール1~7の既知の設置位置に関連付けられているため、制御モジュール10は、UWBモジュール1~7のそれぞれの設置位置を決定することができる。
【0053】
図6を参照すると、制御モジュール10は、電力線61~67及びUWBモジュール1~7にそれぞれ接続される電力端子51~57を有することが示されている。本実施形態では、制御モジュール10、電力端子51~57、及び電力線61~67は、電力端子51~57の各々と電力線61~67の各々とが、設置位置A~Gの所定の1つに関連付けられるように構成されている。例えば、車両12の製造時に、制御モジュール10、電力端子51~57、及び電力線61~67は、電力端子51が、設置位置Aに配置されるUWBモジュールに電力を供給する電力線61と関連づけられるように構成されている。同様に、電力端子52と電力線62が設置位置Bに配置されるUWBモジュールに電力を提供できるなどである。電力線61~67の各々及び制御モジュール10の電力端子51~57の各々と関連付けられる設置位置A~Gは、車両の設計/製造時に、既知であり、決定される。
【0054】
図7を参照すると、本開示による、電力端子51~57及び電力線61~67を利用して、車両12内のUWBモジュール1~7の位置を自動的に特定するプロセスのフロー図が示されている。このプロセスは、UWBモジュール1~7が、車両12の様々な設置位置に設置され、関連付けられる電力線61~67及び電力端子51~57に接続され、制御モジュール10と通信するように構成された後に、制御モジュール10によって実行することができる。プロセスは700から始まる。702で、制御モジュールは、オンにする最初の電力端子/電力線を選択し、残りのすべての電力端子/電力線をオフにする。例えば、制御モジュール10は、電力端子51への電力供給をオンにして電力線61に電力を供給し、また、電力端子52~57への電力供給をオフにして電力線62~67への電力供給をオフにすることができる。制御モジュール10は、電力端子51及び電力線61が車両12内の設置位置Aと関連付けられていることを示す情報を記憶することができる。
【0055】
この時点では1つのUWBモジュールのみがオンされるため、1つのUWBモジュールのみが制御モジュール10と通信することができる。704で、制御モジュール10は、現在オンされている唯一のUWBモジュールの固有の識別子を受信する。例えば、704で、UWBモジュール1は、制御モジュール10に応答し、その固有の識別子を制御モジュール10に提供することができる。706で、制御モジュール10は、UWBモジュール1に固有のネットワークアドレスを割り当て、UWBモジュール1の固有のネットワークアドレス及び固有の識別子を示す情報、及びUWBモジュール1が設置位置Aに配置されていることを示す情報を記録する。そして、制御モジュール10は708に進む。
【0056】
708で、制御モジュール10は、すべてのネットワークアドレスが割り当てられたかどうかを判断する。例えば、制御モジュール10は、7つの固有のUWBモジュール1~7に割り当てる7つのネットワークアドレスを有することができる。708において、7つのすべてのネットワークアドレスがまだ割り当てられていないとき、制御モジュール10は702にループバックし、次の電力端子及び電力線に電力を供給する。例えば、2番目のパスでは、制御モジュール10は、電力端子52への電力供給をオンにして、電力線62に電力を供給することができる。制御モジュール10は、電力端子52及び電力線62が設置位置Bに関連付けられていることを示す情報を記憶することができる。また、制御モジュール10は、残りの電力端子51、53~57及び関連する残りの電力線61、63~67への電力供給をオフにすることができる。制御モジュール10は、すべてのネットワークアドレスが割り当てられるまで、このように動作し続ける。
【0057】
708で、すべてのネットワークアドレスが割り当てられると、制御モジュール10は710に進み、プロセスは終了する。
【0058】
この時点で、制御モジュール10は各UWBモジュール1~7に固有のネットワークアドレスを割り当て、割り当てられた固有のネットワークアドレスを各UWBモジュールの識別された位置とともにメモリに記録している。このようにして、制御モジュール10は、以下の表4に示される情報を生成し、記憶する。ここで、UIDXは、UWBモジュールXに関連付けられた固有の識別番号を表し、UNAXは、UWBモジュールXに関連付けられた固有のネットワークアドレスを表す。
【0059】
【0060】
図7に示すプロセスは、車両12の製造時にUWBモジュール1~7が車両12内及び車両12周りに設置されるときに、制御モジュール10によって実行することができる。
図7に示すプロセスは、UWBモジュール1~7のいずれかの修理又は交換を伴う車両12の修理手順の後に、制御モジュール10によって実行することもできる。
【0061】
このように、
図7に示され、上述されたプロセスは、車両内及び車両周りの異なる設置位置に配置されるUWBモジュールについて、異なるコネクタピン構成を使用するコネクタキーイングなど、UWBモジュール1~7間の物理的な相違を利用する必要なしに、車両12内のUWBモジュール1~7の位置を自動的に特定するために使用することができる。
【0062】
上述したように、提供されるシステムは、複数のモジュール位置を有する車両内に配置される複数の超広帯域(UWB)モジュールを含み、複数のモジュール位置は、互いに対して既知の距離に位置し、各UWBモジュールは、ポータブルデバイス及び複数のUWBモジュールの他の全てのUWBモジュールとUWB距離測距を実行するように構成される。システムは、複数のモジュール位置の互いに対する既知の距離を記憶し、複数のUWBモジュールの他の全てのUWBモジュールとの距離測距を実行するように複数のUWBモジュールの各UWBモジュールに命令し、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールに関連付けられる測定値のセットを受信し、測定値のセットは、複数のUWBモジュールの他の全てのUWBモジュールまでの、関連付けられるUWBモジュールによって測定された距離を含み、複数のUWBモジュールの互いに対する既知の距離と各UWBモジュールに関連付けられる測定値のセットとの比較を実行し、そして、比較に基づいて複数のUWBモジュールの各UWBモジュールの車両内の位置を決定するように構成されるプロセッサとメモリとを有するとともに、複数のUWBモジュールと通信する制御モジュールも含み、各UWBモジュールの位置は、複数のモジュール位置の1つである。
【0063】
他の特徴では、制御モジュールは、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールに固有のネットワークアドレスを割り当てるようにさらに構成される。
【0064】
他の特徴では、制御モジュールは、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールについて、UWBモジュールに割り当てられた固有のネットワークアドレスとともにUWBモジュールの決定された位置を記憶するようにさらに構成される。
【0065】
他の特徴では、各UWBモジュールは固有の識別子を含み、制御モジュールは、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールについて、決定された位置及びUWBモジュールに割り当てられた固有のネットワークアドレスとともに、UWBモジュールの固有の識別子を記憶するようにさらに構成される。
【0066】
他の特徴では、制御モジュールは、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールに、ポータブルデバイスとの距離測距を実行するように命令し、複数のUWBモジュールから距離測定値のセットを受信し、距離測定値のセットは、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールからポータブルデバイスまでの距離を示し、そして、距離測定値のセットに基づいて、及び車両内の各UWBモジュールの決定された位置に基づいて、車両に対するポータブルデバイスの位置を決定するようにさらに構成される。
【0067】
他の特徴では、制御モジュールは、車両に対するポータブルデバイスの決定された位置に基づいて、車両の少なくとも1つの車両機能を許可するようにさらに構成され、少なくとも1つの車両機能には、車両のロック解除、車両のトランクの開放、及び車両の始動の少なくとも1つが含まれる。
【0068】
他の特徴では、制御モジュールは、車両に対するポータブルデバイスの決定された位置に基づいて車両の少なくとも1つの車両機能を許可するように構成されるパッシブエントリパッシブスタートシステムと通信し、少なくとも1つの車両機能には、車両のロック解除、車両のトランクの開放、及び車両の始動の少なくとも1つが含まれる。
【0069】
他の特徴では、制御モジュールは、少なくとも1つの有線バス通信接続を介して複数のUWBモジュールの各UWBモジュールと通信するように構成される。
【0070】
上述したように、複数のモジュール位置を有する車両内に配置される複数の超広帯域(UWB)モジュールの位置を特定する方法も提供される。複数のモジュール位置は、互いに対して既知の距離に位置し、各UWBモジュールは、ポータブルデバイス及び複数のUWBモジュールの他の全てのUWBモジュールとUWB距離測距を実行するように構成される。この方法は、制御モジュールを用いて、複数のモジュール位置の互いに対する既知の距離を記憶すること、制御モジュールを用いて、複数のUWBモジュールの他の全てのUWBモジュールとの距離測距を実行するように複数のUWBモジュールの各UWBモジュールに命令すること、制御モジュールを用いて、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールに関連付けられる測定値のセットを受信すること、測定値のセットは、複数のUWBモジュールの他の全てのUWBモジュールまでの、関連付けられるUWBモジュールによって測定された距離を含み、制御モジュールを用いて、複数のUWBモジュールの互いに対する既知の距離と各UWBモジュールと関連付けられる測定値のセットとの比較を実行すること、及び、制御モジュールを用いて、比較に基づいて複数のUWBモジュールの各UWBモジュールの車両内の位置を決定すること、を含み、各UWBモジュールの位置は、複数のモジュール位置の1つである。
【0071】
他の特徴では、方法は、制御モジュールを用いて、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールに固有のネットワークアドレスを割り当てることをさらに含む。
【0072】
他の特徴では、方法は、制御モジュールを用いて、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールについて、UWBモジュールに割り当てられた固有のネットワークアドレスとともにUWBモジュールの決定された位置を記憶することをさらに含む。
【0073】
他の特徴では、各UWBモジュールは固有の識別子を含み、方法は、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールについて、決定された位置及びUWBモジュールに割り当てられた固有のネットワークアドレスとともに、UWBモジュールの固有の識別子を記憶することをさらに含む。
【0074】
他の特徴では、方法は、制御モジュールを用いて、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールに、ポータブルデバイスとの距離測距を実行するように命令すること、制御モジュールを用いて、複数のUWBモジュールから距離測定値のセットを受信すること、距離測定値のセットは、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールからポータブルデバイスまでの距離を示し、及び、制御モジュールを用いて、距離測定値のセットに基づいて、及び車両内の各UWBモジュールの決定された位置に基づいて、車両に対するポータブルデバイスの位置を決定すること、をさらに含む。
【0075】
他の特徴では、方法は、制御モジュールを用いて、車両に対するポータブルデバイスの決定された位置に基づいて、車両の少なくとも1つの車両機能を許可することをさらに含み、少なくとも1つの車両機能には、車両のロック解除、車両のトランクの開放、及び車両の始動の少なくとも1つが含まれる。
【0076】
他の特徴では、方法は、制御モジュールを用いて、ポータブルデバイスの決定された位置を、車両に対するポータブルデバイスの決定された位置に基づいて車両の少なくとも1つの車両機能を許可するように構成されたパッシブエントリパッシブスタートシステムに通信することをさらに含み、少なくとも1つの車両機能には、車両のロック解除、車両のトランクの開放、及び車両の始動の少なくとも1つが含まれる。
【0077】
他の特徴では、方法は、制御モジュールと複数のUWBモジュールの各UWBモジュールとの間で、少なくとも1つの有線バス通信接続を介して通信することをさらに含む。
【0078】
上述したように、提供される別のシステムは、複数のモジュール位置を有する車両内に配置される複数の超広帯域(UWB)モジュールを含み、各モジュール位置は、対応するモジュール位置に配置されたUWBモジュールに電力を供給するように構成された対応する電力線を有し、各UWBモジュールは、ポータブルデバイスとのUWB距離測距を実行するように構成される。このシステムはさらに、モジュール位置のそれぞれに配置された各電力線に接続され、電力を制御するように構成され、及び、プロセッサ及びメモリを有する制御モジュールを含む。プロセッサ及びメモリは、複数のモジュール位置の各モジュール位置に対して、モジュール位置に関連付けられた電力線への電力を供給する一方で、複数のモジュール位置のうちの他のすべてのモジュール位置に関連付けられた他のすべての電力線への電力を停止し、特定のモジュール位置に関連付けられた電力線から電力を受け取っている通信UWBモジュールと通信を実行し、そして、通信及び電力線に関連付けられたモジュールの位置に基づいて、車両内の通信UWBモジュールの位置を決定する。
【0079】
他の特徴では、制御モジュールは、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールについて、UWBモジュールの決定された位置とともにUWBモジュールに割り当てられた固有のネットワークアドレスを記憶するようにさらに構成される。
【0080】
他の特徴では、制御モジュールは、複数のUWBモジュールの各UWBモジュールに、ポータブルデバイスとの距離測距を実行するように命令し、複数のUWBモジュールから距離測定値のセットを受信し、距離測定値のセットは、複数のUWBモジュールのそれぞれのUWBモジュールからポータブルデバイスまでの距離を示し、そして、距離測定値のセット及び車両内のUWBモジュールの決定された位置に基づいて、車両に対するポータブルデバイスの位置を決定するようにさらに構成される。
【0081】
他の特徴では、制御モジュールは、車両に対するポータブルデバイスの決定された位置に基づいて、車両の少なくとも1つの車両機能を許可するようにさらに構成され、少なくとも1つの車両機能には、車両のロック解除、車両のトランクの開放、及び車両の始動の少なくとも1つが含まれる。
【0082】
前述の説明は、本質的に単なる例示にすぎず、本開示、その適用、又は使用を限定することを決して意図するものではない。本開示の広範な教示は様々な形態で実施することができる。従って、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、及び添付の特許請求の範囲を検討すれば他の変更態様が明らかになるので、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきものではない。本開示の原理を変更することなく、方法内の1つ又は複数のステップが異なる順序で(又は同時に)実行されてもよいことを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するものとして上記に説明されているが、本開示の任意の実施形態に関して説明されたこれらの特徴のうちのいずれか1つ又は複数は、任意の他の実施形態で実施されること、及び/又は、組み合わせが明示的に説明されていなくとも、任意の他の実施形態の特徴と組み合わせることが可能である。言い換えれば、説明された実施形態は相互に排他的ではなく、1つ又は複数の実施形態の相互の入れ替えは、本開示の範囲内に留まる。
【0083】
要素間(例えば、モジュール間)の空間的及び機能的関係は、「接続され」、「係合され」、「インターフェース接続され」、及び「結合され」を含む、様々な用語を用いて説明される。第1及び第2要素間の関係が、上記開示において説明されているとき、「直接」であると明示的に記載されていない限り、その関係は、第1及び第2要素間に他の介在要素が存在しない直接的な関係を包含し、及び第1及び第2要素間に1つ又は複数の介在要素が(空間的又は機能的に)存在する間接的な関係も包含する。
【0084】
本明細書で使用されるように、A、B、及びCのうちの少なくとも1つとのフレーズは、非排他的論理和を使用する論理(A又はB又はC)を意味すると解釈されるべきである。例えば、A、B、及びCのうちの少なくとも1つとのフレーズは、(i)Aのみ、(ii)Bのみ、(iii)Cのみ、(iv)AとB、(v)AとC、(vi)BとC、(vii)AとBとC、の任意の1つを含むと解釈されるべきである。A、B、及びCのうちの少なくとも1つとのフレーズは、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、及びCの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0085】
図面において、矢じりで示される矢印の方向は、概して、説明に重要な情報(データ又は命令など)の流れを示す。例えば、要素Aと要素Bが様々な情報を交換するが、要素Aから要素Bに送信される情報が説明に関連する場合、矢印は要素Aから要素Bを指すことがある。この一方向の矢印は、他の情報が要素Bから要素Aに送信されないことを意味しない。さらに、要素Aから要素Bに送信される情報について、要素Bは、要素Aに、情報の要求又は情報の受信確認を送信するかもしれない。
【0086】
以下の定義を含む本出願では、用語「モジュール」又は用語「コントローラ」は、用語「回路」と置き換えられてもよい。「モジュール」という用語は、コードを実行するプロセッサハードウェア(共有、専用、又はグループ)、及びプロセッサハードウェアによって実行されるコードを記憶するメモリハードウェア(共有、専用、又はグループ)の一部であること、又は含むことを指すことができる。
【0087】
モジュールは、1つ以上のインターフェース回路を含むことができる。いくつかの例では、インターフェース回路は、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)に接続する有線又は無線インターフェースを実装することができる。LANの例には、米国電気電子学会(IEEE)規格802.11-2016(WIFI無線ネットワーク規格としても知られる)とIEEE規格802.3-2015(ETHERNET有線ネットワーク規格としても知られる)がある。WPANの例には、IEEE規格802.15.4(ZigBeeアライアンスのZIGBEE規格を含む)、Bluetooth Special Interest Group(SIG)によるBLUETOOTHワイヤレスネットワーク規格(Bluetooth SIGの、Core Specification versions 3.0、4.0、4.1、4.2、5.0及び5.1を含む)がある。
【0088】
モジュールは、インターフェース回路を使用して他のモジュールと通信してもよい。本開示では、モジュールは、論理的に他のモジュールと直接的に通信するように描かれることがあるが、様々な実施例では、モジュールは、実際のところ、通信システムを介して通信してもよい。通信システムは、ハブ、スイッチ、ルーター、及びゲートウェイなどの物理的及び/又は仮想的なネットワーク機器を含む。いくつかの実施例では、通信システムは、インターネットなどの広域エリアネットワーク(WAN)に接続し、又はそれを経由する。例えば、通信システムは、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)及びバーチャルプライベートネットワーク(VPN)を含む技術を利用して、インターネットやポイントツーポイントの専用線を介して互いに接続された複数のLANを含むことができる。
【0089】
様々な実施例において、モジュールの機能は、通信システムを介して接続される複数のモジュール間で分散されてもよい。例えば、複数のモジュールが、負荷平衡システムによって分散された同じ機能を実施してもよい。さらなる例では、モジュールの機能が、サーバ(リモート、又はクラウドとしても知られる)モジュールと、クライアント(又はユーザ)モジュールとで分割されてもよい。例えば、クライアントモジュールは、クライアントデバイス上で実行され、サーバモジュールとネットワーク通信するネイティブアプリケーションまたはウェブアプリケーションを含んでもよい。
【0090】
上記で使用される、コードという用語は、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又はマイクロコードを含むことができ、プログラム、ルーチン、機能、クラス、データ構造、及び/又はオブジェクトを指すことがある。共有プロセッサハードウェアは、複数のモジュールからのコードの一部又は全部を実行する単一のマイクロプロセッサを包含する。グループプロセッサハードウェアは、追加のマイクロプロセッサと組み合わせて、1つ又は複数のモジュールからのコードの一部又は全部を実行するマイクロプロセッサを包含する。複数のマイクロプロセッサへの言及は、個別のダイ上の複数のマイクロプロセッサ、単一のダイ上の複数のマイクロプロセッサ、単一のマイクロプロセッサの複数のコア、単一のマイクロプロセッサの複数のスレッド、又はこれらの組み合わせを包含する。
【0091】
共有メモリハードウェアは、複数のモジュールからのコードの一部又は全部を格納する単一のメモリデバイスを包含する。グループメモリハードウェアは、他のメモリデバイスと組み合わせて、1つ又は複数のモジュールからのコードの一部又は全部を格納するメモリデバイスを包含する。
【0092】
メモリハードウェアとの用語は、コンピュータ可読媒体との用語のサブセットである。本明細書で使用されるコンピュータ可読媒体との用語は、(搬送波上などの)媒体を通じて伝播する一時的な電気信号又は電磁信号を含まない。従って、コンピュータ可読媒体との用語は、有形の非一時的なものと見なすことができる。非一時的なコンピュータ可読媒体の非限定的な例は、(フラッシュメモリデバイス、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリデバイス、又はマスク読み出し専用メモリデバイスなどの)不揮発性メモリデバイス、(SRAMデバイスやDRAMデバイスなどの)揮発性メモリ回路、(アナログ又はデジタル磁気テープ又はハードディスクドライブなどの)磁気記憶媒体、及び(CD、DVD、又はブルーレイディスクなどの)光記憶媒体である。
【0093】
本出願に記載されている装置及び方法は、コンピュータプログラムで具現化された1つ又は複数の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することによって作成された専用コンピュータによって部分的又は完全に実施され得る。上記の機能ブロック、フローチャート要素は、ソフトウェアの仕様として役立ち、熟練した技術者又はプログラマーの日常業務によってコンピュータプログラムに変換することができる。
【0094】
コンピュータプログラムは、少なくとも1つの非一時的なコンピュータ可読媒体に格納されるプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムはまた、格納されたデータを含むか又はそれに依存することができる。コンピュータプログラムは、専用コンピュータのハードウェアと相互作用する基本入出力システム(BIOS)、専用コンピュータの特定のデバイスと相互作用するデバイスドライバ、1つ以上のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーションなどを含んでも良い。
【0095】
コンピュータプログラムは、(i)HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)、XML(拡張マークアップ言語)、又はJSON(ジャバスクリプトオブジェクトノーテーション)のような解析される記述テキスト、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されるオブジェクトコード、(iv)インタプリタによる実行のためのソースコード、(v)ジャストインタイムコンパイラによるコンパイル及び実行のためのソースコードなどを含むことができる。単なる例として、ソースコードは、C、C++、C#、Objective-C、Swift、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(登録商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、javaScript(登録商標)、HTML5(ハイパーテキストマークアップ言語第5改訂版)、Ada、ASP(Active Server Pages)、PHP(ハイパーテキストプリプロセッサ)、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(登録商標)、VisualBasic(登録商標)、Lua、MATLAB、SIMULINK、及びPython(登録商標)を含む言語の構文法を使って書くことができる。
【0096】
例示的な実施形態は、この開示が完全であるように提供されており、その範囲を当業者に十分に伝える。この開示の実施形態の完全な理解を提供するために、特定の構成部品、デバイス、及び方法の例など、多くの具体的な詳細が示されている。特定の詳細が採用される必要はなく、例示的な実施形態は多くの異なる形態で実施することができ、いずれもこの開示の範囲を限定するものと解釈すべきでないことは、当業者には明らかであろう。いくつかの例示的な実施形態において、周知のプロセス、周知のデバイス構造、および周知の技術は詳細に説明されていない。
【0097】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な実施形態を説明する目的のためだけであり、限定することを意図するものではない。この明細書で使用される、単数形(定冠詞及び不定冠詞)は、文脈が他に明白に示さない限り、複数形も含むことが意図されている。用語「備える」、「備えている」、「含む」、および「有する」は、包括的であり、従って、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素および/または構成部品の存在を特定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成部品、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を除外しない。この明細書に記載の方法のステップ、プロセス、及び動作は、実施の順序として具体的に特定されない限り、必ずしも説明又は図示された特定の順序での実施を必要とするものと解釈されるべきではない。付加的又は代替的なステップが使用されてもよいことも理解されるべきである。