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特許7559976パッケージ製造方法、パッケージ製造装置、およびパッケージ用治具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】パッケージ製造方法、パッケージ製造装置、およびパッケージ用治具
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20240925BHJP
   B65B 61/02 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
G06K19/077 220
B65B61/02
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023567650
(86)(22)【出願日】2022-11-25
(86)【国際出願番号】 JP2022043529
(87)【国際公開番号】W WO2023112638
(87)【国際公開日】2023-06-22
【審査請求日】2024-06-12
(31)【優先権主張番号】P 2021203503
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】山脇 喜典
(72)【発明者】
【氏名】加藤 登
(72)【発明者】
【氏名】鷲田 亮介
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 陽一
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02428457(EP,A1)
【文献】特開2017-001267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/077
B65B 61/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDモジュールを複数のパッケージそれぞれのRFIDモジュール搭載箇所に取り付けるパッケージ製造方法であって、
前記複数のパッケージを、前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が露出するように、斜めに積層し、
斜めに積層した状態の前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所に、前記RFIDモジュールを取り付け、
実装装置が、斜めに積層した状態の前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所に、前記RFIDモジュールを実装する、パッケージ製造方法。
【請求項2】
斜めに積層された前記複数のパッケージを、前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が水平に並ぶように配置する、請求項1に記載のパッケージ製造方法。
【請求項3】
前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が水平に並ぶように、斜めに積層された前記複数のパッケージを支持するパッケージ用治具を用いる、請求項2に記載のパッケージ製造方法。
【請求項4】
前記パッケージ用治具が、斜めに積層された前記複数のパッケージが載置される傾斜面を備え、
前記傾斜面が、前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が水平に並ぶ角度で傾斜している、請求項3に記載のパッケージ製造方法。
【請求項5】
前記パッケージ用治具の前記傾斜面の下側部分に、前記パッケージそれぞれと係合する複数の段差が形成されている、請求項4に記載のパッケージ製造方法。
【請求項6】
前記パッケージ用治具が、弾性部材を含み、
前記弾性部材が、前記傾斜面を備える、請求項4に記載のパッケージ製造方法。
【請求項7】
斜めに積層された前記複数のパッケージが載置され、前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が水平に並ぶように傾くことが可能なチルトステージを用いる、請求項2に記載のパッケージ製造方法。
【請求項8】
斜めに積層された状態の前記複数のパッケージに、荷重部材によって上方から荷重をかける、請求項1から7のいずれか一項に記載のパッケージ製造方法。
【請求項9】
前記RFIDモジュールがホットメルト層を備え、
前記RFIDモジュールを前記パッケージに取り付ける前に、前記ホットメルト層を加熱装置によって軟化させ、
軟化した前記ホットメルト層を介して、前記パッケージに前記RFIDモジュールを取り付ける、請求項1からのいずれか一項に記載のパッケージ製造方法。
【請求項10】
RFIDモジュールを複数のパッケージそれぞれのRFIDモジュール搭載箇所に取り付けるパッケージ製造装置であって、
前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が露出するように斜めに積層された前記複数のパッケージを支持するパッケージ用治具と、
前記パッケージ用治具に支持された前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所に、前記RFIDモジュールを実装する実装装置と、を有する、パッケージ製造装置。
【請求項11】
RFIDモジュールが実装されるRFIDモジュール搭載箇所をそれぞれ備える複数のパッケージを支持するパッケージ用治具であって、
斜めに積層された前記複数のパッケージを、前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が露出するように支持する、パッケージ用治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDモジュールが設けられたパッケージを製造する方法、装置、およびそれに用いる治具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ロールから引き出された材料シートにおける複数のアンテナパターン上にRFID(Radio-Frequency Identification)モジュールをそれぞれ実装し、その後にその材料シートをパッケージ形状に打ち抜くことにより、RFID機能付きパッケージを作製するパッケージ製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/216686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載されたパッケージ製造方法によってRFID機能付きパッケージを大量生産する場合、RFIDモジュールをパッケージの材料シートに高速実装する必要がある。しかし、パッケージのサイズに対してRFIDモジュールのサイズが非常に小さい。そのため、パッケージの材料シートを高速に搬送する必要がある。また、RFIDモジュールの実装を行う位置(実装位置)にパッケージ上のRFIDモジュール搭載箇所を位置決めするために、材料シートを断続的に停止させる必要がある。したがって、パッケージの材料シートを搬送するシート搬送装置は、高速搬送能力を備えるとともに高い加減速能力も備える必要がある。このような材料シートの搬送により、パッケージの製造装置が複雑化および大型化する。
【0005】
そこで、本発明は、パッケージ製造装置を複雑化および大型化することなく、シンプルな方法で、RFIDモジュールを複数のパッケージのRFIDモジュール搭載箇所それぞれに高速に取り付けることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するために、本発明の一態様によれば、
RFIDモジュールを複数のパッケージそれぞれのRFIDモジュール搭載箇所に取り付けるパッケージ製造方法であって、
前記複数のパッケージを、前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が露出するように、斜めに積層し、
斜めに積層した状態の前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所に、前記RFIDモジュールを取り付ける、パッケージ製造方法が提供される。
【0007】
また、本発明の別態様によれば、
RFIDモジュールを複数のパッケージそれぞれのRFIDモジュール搭載箇所に取り付けるパッケージ製造装置であって、
前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が露出するように斜めに積層された前記複数のパッケージを支持するパッケージ用治具と、
前記パッケージ用治具に支持された前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所に、前記RFIDモジュールを実装する実装装置と、を有する、パッケージ製造装置が提供される。
【0008】
さらに、本発明の異なる態様によれば、
RFIDモジュールが実装されるRFIDモジュール搭載箇所をそれぞれ備える複数のパッケージを支持するパッケージ用治具であって、
斜めに積層された前記複数のパッケージを、前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が露出するように支持する、パッケージ用治具が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、パッケージ製造装置を複雑化および大型化することなく、シンプルな方法で、RFIDモジュールを複数のパッケージのRFIDモジュール搭載箇所それぞれに高速に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】RFID機能付きパッケージの分解斜視図
図2】RFIDモジュールの分解斜視図
図3】RFID機能付きパッケージの等価回路図
図4】実施の形態1に係るパッケージ製造装置の概略的な構成図
図5】パッケージ用治具の斜視図
図6】複数のパッケージを支持した状態のパッケージ用治具の断面図
図7】複数のパッケージを支持した状態のパッケージ治具の上面図
図8】実施の形態2に係るパッケージ製造装置における、複数のパッケージを支持した状態のパッケージ用治具の断面図
図9】実施の形態3に係るパッケージ製造装置における、複数のパッケージを支持した状態のパッケージ用治具の断面図
図10】実施の形態4に係るパッケージ製造装置における、複数のパッケージを支持した状態のパッケージ用治具の断面図
図11】実施の形態5に係るパッケージ製造装置における、複数のパッケージを支持した状態のパッケージ用治具の断面図
図12】実施の形態6に係るパッケージ製造装置におけるチルトステージを示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一態様のパッケージ製造方法は、RFIDモジュールを複数のパッケージそれぞれのRFIDモジュール搭載箇所に取り付けるパッケージ製造方法であって、前記複数のパッケージを、前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が露出するように、斜めに積層し、斜めに積層した状態の前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所に、前記RFIDモジュールを取り付ける。
【0012】
このような態様によれば、パッケージ製造装置を複雑化および大型化することなく、シンプルな方法で、RFIDモジュールを複数のパッケージのRFIDモジュール搭載箇所それぞれに高速に取り付けることができる。
【0013】
例えば、実装装置が、斜めに積層した状態の前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所に、前記RFIDモジュールを実装してもよい。
【0014】
実装装置を用いる場合、例えば、斜めに積層された前記複数のパッケージを、前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が水平に並ぶように配置してもよい。これにより、実装装置の移動ヘッドのノズルの昇降ストロークを一定にすることができる。
【0015】
例えば、前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が水平に並ぶように、斜めに積層された前記複数のパッケージを支持するパッケージ用治具を用いてもよい。
【0016】
例えば、前記パッケージ用治具が、斜めに積層された前記複数のパッケージが載置される傾斜面を備えてもよい。この場合、前記傾斜面が、前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が水平に並ぶ角度で傾斜している。
【0017】
例えば、前記パッケージ用治具の前記傾斜面の下側部分に、前記パッケージそれぞれと係合する複数の段差が形成されてもよい。パッケージそれぞれのRFIDモジュール搭載箇所を位置決めすることができる。
【0018】
例えば、前記パッケージ用治具が、弾性部材を含み、前記弾性部材が、前記傾斜面を備えてもよい。
【0019】
例えば、斜めに積層された前記複数のパッケージが載置され、前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が水平に並ぶように傾くことが可能なチルトステージを用いてもよい。
【0020】
例えば、斜めに積層された状態の前記複数のパッケージに、荷重部材によって上方から荷重をかけてもよい。これにより、複数のパッケージがより密着する。その結果、1バッチで処理できるパッケージの数が増加する。
【0021】
例えば、前記RFIDモジュールがホットメルト層を備え、前記RFIDモジュールを前記パッケージに取り付ける前に、前記ホットメルト層を加熱装置によって軟化させ、軟化した前記ホットメルト層を介して、前記パッケージに前記RFIDモジュールを取り付けてもよい。
【0022】
また、本発明の別態様のパッケージ製造装置は、RFIDモジュールを複数のパッケージそれぞれのRFIDモジュール搭載箇所に取り付けるパッケージ製造装置であって、前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が露出するように斜めに積層された前記複数のパッケージを支持するパッケージ用治具と、前記パッケージ用治具に支持された前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所に、前記RFIDモジュールを実装する実装装置と、を有する。
【0023】
このような態様によれば、パッケージ製造装置を複雑化および大型化することなく、シンプルな方法で、RFIDモジュールを複数のパッケージのRFIDモジュール搭載箇所それぞれに高速に取り付けることができる。
【0024】
さらに、本発明の異なる態様のパッケージ用治具は、RFIDモジュールが実装されるRFIDモジュール搭載箇所をそれぞれ備える複数のパッケージを支持するパッケージ用治具であって、
斜めに積層された前記複数のパッケージを、前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が露出するように支持する。
【0025】
このような態様によれば、パッケージ製造装置を複雑化および大型化することなく、シンプルな方法で、RFIDモジュールを複数のパッケージのRFIDモジュール搭載箇所それぞれに高速に取り付けることができる。
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、RFID機能付きパッケージの分解斜視図である。
【0028】
図1に示すように、本実施の形態1に係るパッケージ製造装置は、シート状のパッケージ20にRFIDモジュール30を取り付けることにより、RFID機能付きパッケージ10を作製ように構成されている。パッケージ20は、例えば、紙などの可撓性材料から作製されている。また、パッケージ20には、RFIDモジュール搭載箇所Lpが設けられている。
【0029】
図2は、RFIDモジュールの分解斜視図である。また、図3は、RFID機能付きパッケージの等価回路図である。
【0030】
図2および図3に示すように、RFIDモジュール30は、例えば900MHz帯、すなわちUHF帯の通信周波数で、パッケージ20に形成された第1および第2のアンテナパターン22A、22Bを介して無線通信を行うデバイスである。なお、図1では、アンテナパターン22A、22Bは省略されている。
【0031】
図2に示すように、本実施の形態の場合、RFIDモジュール30は、多層構造体である。具体的には、RFIDモジュール30は、主要の構成要素であるモジュール基材として、絶縁材料から作製されて積層される二枚の薄板状の絶縁シート32A、32Bを備える。絶縁シート32A、32Bそれぞれは、ポリイミドや液晶ポリマなどの絶縁材料から作製された可撓性のシートである。また、本実施の形態の場合、RFIDモジュール30は、ホットメルト接着剤の層(ホットメルト層)34を備える。RFIDモジュール30は、ホットメルト層34を介してパッケージ20に接着される。
【0032】
図2および図3に示すように、RFIDモジュール30は、RFIC(Radio-Frequency Integrated Circuit)チップ36と、そのRFICチップ36に接続される端子電極38A、38Bとを備える。また、RFIDモジュール30は、RFICチップ36と端子電極38A、38Bとの間に設けられた整合回路40を備える。
【0033】
RFICチップ36は、UHF帯の周波数(通信周波数)で駆動するチップであって、シリコン等の半導体を素材とする半導体基板に各種の素子を内蔵した構造を有する。また、RFICチップ36は、第1の入出力端子36aと第2の入出力端子36bとを備える。さらに、図3に示すように、RFICチップ36は、内部容量(キャパシタンス:RFICチップ自身が持つ自己容量)C1を備える。
【0034】
また、RFICチップ36は、図2に示すように、多層構造体であるRFIDモジュール30に内蔵されている。具体的には、RFICチップ36は、絶縁シート32A上に配置され、その絶縁シート32A上に形成された樹脂パッケージ42内に封止されている。樹脂パッケージ42は、例えばポリウレタンなどのエラストマー樹脂、またはホットメルト樹脂から作製される。この樹脂パッケージ42により、RFICチップ36は保護される。また、この樹脂パッケージ42により、可撓性の絶縁シート32A、32Bからなる多層構造体のRFIDモジュール30はたわみ剛性が向上する(絶縁シート単体の剛性に比べて)。その結果、RFICチップ36が内蔵されたRFIDモジュール30を、電子部品と同様に、パーツフィーダなどの部品供給装置や後述する実装装置で取り扱うことができる(参考までに、RFICチップ36単体は、チッピングなどの破損が生じる恐れがあるため、パーツフィーダなどで取り扱うことができない)。
【0035】
端子電極38A、38Bは、銀、銅、アルミニウムなどの導体材料から作製された導体パターンであって、絶縁シート32Bの内側面32Ba(絶縁シート32Aと対向する面)に設けられている。すなわち、本実施の形態1の場合、端子電極38A、38Bは、RFIDモジュール30の外部に露出せずに、内蔵されている。また、端子電極38A、38Bは、その形状が矩形状である。なお、これらの端子電極38A、38Bは、第1および第2のアンテナパターン22A、22Bそれぞれと、ホットメルト層34を介して電気的に接続する(すなわち容量結合する)。
【0036】
図3に示すように、RFICチップ36と端子電極38A、38Bとの間に設けられる整合回路40は、複数のインダクタンス素子44A~44Eから構成されている。
【0037】
複数のインダクタンス素子44A~44Eそれぞれは、絶縁シート32A、32Bそれぞれに設けられた導体パターンによって構成されている。
【0038】
RFIDモジュール30の絶縁シート32Aの外側面32Aa(樹脂パッケージ42が設けられる面)には、銀、銅、アルミニウムなどの導体材料から作製された導体パターン46、48が設けられている。導体パターン46、48それぞれは、渦巻きコイル状のパターンであって、外周側端にRFICチップ36と電気的に接続するためのランド部46a、48aを備える。なお、ランド部46aとRFICチップ36の第1の入出力端子36aは、例えばはんだまたは導電性接着剤を介して電気的に接続されている。同様に、ランド部48aと第2の入出力端子36bも電気的に接続されている。
【0039】
絶縁シート32A上の一方の渦巻コイル状の導体パターン46は、図3に示すように、インダクタンスL1を持つインダクタンス素子44Aを構成している。また、他方の渦巻コイル状の導体パターン48は、インダクタンスL2を持つインダクタンス素子44Bを構成している。
【0040】
絶縁シート32Aに隣接する絶縁シート32Bには、銀、銅、アルミニウムなどの導体材料から作製された導体パターン50が設けられている。導体パターン50は、端子電極38A、38Bと、渦巻コイル部50a、50bと、ミアンダ部50cとを含んでいる。絶縁シート32Bにおいて、渦巻コイル部50a、50b、およびミアンダ部50cは、端子電極38A、38Bの間に配置されている。
【0041】
絶縁シート32B上の導体パターン50における一方の渦巻コイル部50aは、端子電極38Aに電気的に接続されている。また、渦巻コイル部50aの中心側端50dは、絶縁シート32Aに形成されたスルーホール導体などの層間接続導体52を介して、その絶縁シート32A上の渦巻コイル状の導体パターン46の中心側端46bに電気的に接続されている。また、導体パターン46を流れる電流と渦巻コイル部50aを流れる電流の周回方向が同一になるように、渦巻コイル部50aは構成されている。さらに、渦巻コイル部50aは、図3に示すように、インダクタンスL3を持つインダクタンス素子44Cを構成している。
【0042】
絶縁シート32B上の導体パターン50における他方の渦巻コイル部50bは、端子電極38Bに電気的に接続されている。また、渦巻コイル部50bの中心側端50eは、絶縁シート32Aに形成されたスルーホール導体などの層間接続導体54を介して、その絶縁シート32A上の渦巻コイル状の導体パターン48の中心側端48bに電気的に接続されている。また、導体パターン48を流れる電流と渦巻コイル部50bを流れる電流の周回方向が同一になるように、渦巻コイル部50bは構成されている。さらに、渦巻コイル部50bは、図3に示すように、インダクタンスL4を持つインダクタンス素子44Dを構成している。
【0043】
絶縁シート32B上の導体パターン50におけるミアンダ部50cは、一方の渦巻コイル部50aの外周側端と多方の渦巻コイル部50bの外周側端とを電気的に接続する。また、ミアンダ部50cは、図3に示すように、インダクタンスL5を持つインダクタンス素子44Eを構成している。
【0044】
このようなインダクタンス素子44A~44Eを含む(RFICチップ36の自己容量C1も含む)整合回路40により、RFICチップ36と端子電極38A、38Bとの間のインピーダンスが、所定の周波数(通信周波数)で整合されている。またインダクタンス素子44A~44EとRFICチップ36で閉じたループ回路になっており、端子電極38A、38B間は、インダクタンス素子44Eに繋がっているので低周波域(DC~400MHzの周波数帯域)では、低インピーダンスとなる。
【0045】
このようなRFIDモジュール30によれば、パッケージ20に設けられた第1および第2のアンテナパターン22A、22BがUHF帯の所定の周波数(通信周波数)の電波(信号)を受信すると、第1および第2のアンテナパターン22A、22BからRFICチップ36に信号に対応する電流が流れる。その電流の供給を受けてRFICチップ36は駆動し、その内部の記憶部(図示せず)に記憶されている情報に対応する電流(信号)を第1および第2のアンテナパターン22A、22Bに出力する。そして、その電流に対応する電波(信号)が第1および第2のアンテナパターン22A、22Bから放射される。
【0046】
なお、ここで説明したRFIDモジュール30は一例であって、本発明はRFIDモジュール30の形態を限定しない。
【0047】
これまでは、RFIDモジュール30の構成を説明してきた。ここからは、図1に示すRFID機能付きパッケージ10を作製するパッケージ製造装置について説明する。
【0048】
図4は、本実施の形態1に係るパッケージ製造装置の概略的な構成図である。なお、図中のX-Y-Z座標系は、発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。X軸方向およびY軸方向は水平方向を示し、Z軸方向は鉛直方向を示している。
【0049】
図4に示すように、本実施の形態1の場合、パッケージ製造装置100は、パッケージ20を搬送する搬送装置102と、搬送装置102によって搬送されているパッケージ20に対してRFIDモジュール30を実装する実装装置104とを有する。なお、本実施の形態1の場合、パッケージ20は、直接的に搬送装置102によって搬送されるのでなく、パッケージ用治具110に支持された状態で搬送装置102に搬送される。すなわち、搬送装置102は、パッケージ用治具110を実装装置104内の実装位置Mpに搬送する。
【0050】
図5は、パッケージ用治具の斜視図である。また、図6は、複数のパッケージを支持した状態のパッケージ用治具の断面図である。そして、図7は、複数のパッケージを支持した状態のパッケージ治具の上面図である。
【0051】
図5図7に示すように、パッケージ用治具110は、本実施の形態1の場合、複数のパッケージ20を重ねた状態で支持可能なトレイ状の治具である。なお、図面では、複数のパッケージ20は、視認しやすくするために、間隔をあけた状態で図示されている。具体的には、パッケージ用治具110は、パッケージ20それぞれのRFIDモジュール搭載箇所Lpが露出するように、複数のパッケージ20を斜めに積層した状態で支持するように構成されている。すなわち、パッケージ20それぞれのRFIDモジュール搭載箇所Lpが他のパッケージ20に覆われないように、パッケージ用治具110は複数のパッケージ20を支持する。なお、「斜めに積層した状態」とは、複数のパッケージ20において、互いに隣接して重なり合う任意の2つのパッケージ20の一方の外周端に対して他方の外周端が重ならずにずれている状態を言う。
【0052】
また、本実施の形態1の場合、理由は後述するが、パッケージ用治具110は、パッケージ20それぞれのRFIDモジュール搭載箇所Lpが実質的に水平方向に並ぶように、複数のパッケージ20を斜めに積層された状態で支持する。本実施の形態1の場合、RFIDモジュール搭載箇所Lpが一列に直線状に並ぶように且つ狭いピッチ間隔で並ぶように、複数のパッケージ20をパッケージ用治具110は支持する。
【0053】
そのために、パッケージ用治具110は、斜めに積層された状態の複数のパッケージ20が載置される傾斜面110aを備える。具体的には、斜めに積層された状態の複数のパッケージ20の積層体が斜めに傾いた状態(積層方向が鉛直方向から傾いた状態)で、傾斜面110a上に載置される。このような載置状態のときに、パッケージ20それぞれのRFIDモジュール搭載箇所Lpが実質的に水平に並ぶような傾斜角度θで、傾斜面110aは水平に対して傾斜している。なお、図面に示すパッケージ20およびパッケージ用治具110の縦横比、傾斜角度θなどは、実際とは異なり、見やすさを考慮してデフォルメされている。
【0054】
本実施の形態1の場合、パッケージ用治具110において、傾斜面110aの下側部分には複数の段差面110bが形成されている。この複数の段差面110bそれぞれにパッケージ20の下端が接触することにより、RFIDモジュール搭載箇所Lpが位置決めされる。すなわち、隣接し合う2つのパッケージ20において上側のパッケージ20が下側のパッケージ20上を滑ることが抑制される。なお、段差面110bの上端でパッケージ20に傷がつかないように、その上端をR加工してもよい。
【0055】
図4に示すように、搬送装置102は、複数のパッケージ20を支持した状態のパッケージ用治具110を実装装置104の実装位置Mpに搬送する。搬送装置102は、例えば、ベルトコンベアである。
【0056】
実装装置104は、実装位置Mpに配置されたパッケージ用治具110に支持されている複数のパッケージ20それぞれのRFIDモジュール搭載箇所Lpに、RFIDモジュール30を実装する。具体的には、移動ヘッド104aに搭載された複数のノズル104bが、例えパーツフィーダ(図示せず)などの供給位置からRFIDモジュール30を受け取り、その受け取ったRFIDモジュール30をパッケージ用治具110上のRFIDモジュール搭載箇所Lpに実装する。移動ヘッド104aは水平方向(X軸方向およびY軸方向)と鉛直方向(Z軸方向)に移動可能であって、ノズル104bは移動ヘッド104aに対して鉛直方向に昇降可能である。移動ヘッド104aは、例えば、複数のノズル104bを鉛直方向(Z軸方向)に延在する回転中心線を中心とする周方向に並んだ状態で備え、その周方向に沿って複数のノズル104bを周回させるロータリーヘッドである。
【0057】
なお、本実施の形態1の場合、図2に示すように、RFIDモジュール30は、予め設けられたホットメルト層34を介して、パッケージ20のRFIDモジュール搭載箇所Lpに接着される。そのため、RFIDモジュール30の供給位置から実装位置Mpとの間に、ノズル104bに保持されたRFIDモジュール30のホットメルト層34を加熱して軟化させる、例えばハロゲンヒータなどの加熱装置(図示せず)が配置されている。
【0058】
実装位置Mpに配置されたパッケージ用治具110上の全てのパッケージ20それぞれのRFIDモジュール搭載箇所LpへのRFIDモジュール30の実装(接着)が完了すると、搬送装置102は、そのパッケージ用治具110を実装位置Mpから移動させる。そして、新たなパッケージ用治具110(すなわち、RFIDモジュール30が実装される前のパッケージ20を支持するパッケージ用治具)が、搬送装置102によって実装装置104の実装位置Mpに配置される。
【0059】
以上のような実施の形態1によれば、パッケージ製造装置を複雑化および大型化することなく、シンプルな方法で、RFIDモジュールを複数のパッケージのRFIDモジュール搭載箇所それぞれに高速に取り付けることができる。
【0060】
具体的には、斜めに積層された状態の複数のパッケージ20それぞれのRFIDモジュール搭載箇所LpにRFIDモジュール30を実装することより、これらの実装処理はバッチ処理される。言い換えると、複数のパッケージ20をまとめて1回、実装装置104の実装位置Mpに搬送するだけで、複数のパッケージ20に対するRFIDモジュール30の実装処理が可能である。そのため、パッケージ20を1枚ずつ実装位置Mpに搬送する搬送装置、すなわち高速搬送能力とともに高い加減速能力を備える搬送装置を必要としない。したがって、1バッチで処理できるパッケージ20の数、すなわちパッケージ用治具110が支持するパッケージ20の数が増えれば増えるほど、RFIDモジュール30を複数のパッケージ20のRFIDモジュール搭載箇所Lpそれぞれに高速に取り付けることができる。
【0061】
また、本実施の形態1の場合、パッケージ20それぞれのRFIDモジュール搭載箇所Lpが実質的に水平方向に並ぶように、複数のパッケージ20は、パッケージ用治具110に支持される。その結果、実装装置104の移動ヘッド104aのノズル104bの昇降ストロークを一定にすることができる。これと異なり、RFIDモジュール搭載箇所Lpの高さ(Z軸方向位置)が異なる場合、RFIDモジュール搭載箇所Lpそれぞれについて、対応するノズル104bの昇降ストロークを調節する必要がある。
【0062】
さらに、本実施の形態1の場合、図7に示すように、複数のパッケージ20のRFIDモジュール搭載箇所Lpは、一列に直線状に並んでいる。そのため、実装装置104の移動ヘッド104aは、方向転換することなく、一方向に移動するだけで済む。それにより、移動ヘッド104aの移動距離が最短化され、複数のパッケージ20全てに対するRFIDモジュール30の実装時間が短くなる、すなわち、RFIDモジュール30を複数のパッケージ20のRFIDモジュール搭載箇所Lpそれぞれにより高速に取り付けることができる。
【0063】
(実施の形態2)
本実施の形態2は、パッケージ用治具について上述の実施の形態1と異なる。したがって、本実施の形態2のパッケージ用治具について説明する。
【0064】
図8は、実施の形態2に係るパッケージ製造装置における、複数のパッケージを支持した状態のパッケージ用治具の断面図である。
【0065】
図8に示すように、実施の形態2に係るパッケージ製造装置において、パッケージ用治具210は、本体212と、例えばマグネットなどを介して本体212に取り付けられるカバー部材214とを備える。本体212は、上述の実施の形態1におけるパッケージ用治具110と実質的に同一である。カバー部材214は、斜めの積層された状態の複数のパッケージ20に対して上方から荷重をかける荷重部材として弾性部材216を備える。弾性部材216の荷重が上方から加わることにより、複数のパッケージ20は、より密着した状態で積層する。その結果、パッケージ用治具210が支持できるパッケージ20の数が増加する。なお、複数のパッケージ20に対して上方から荷重をかける荷重部材は、弾性部材216に限らない。例えば、荷重部材は、おもりであってもよい。また、カバー部材214には、複数のパッケージ20それぞれのRFIDモジュール搭載箇所Lpを露出させる貫通穴214aが形成されている。
【0066】
以上のような本実施の形態2も、上述の実施の形態1と同様に、パッケージ製造装置を複雑化および大型化することなく、シンプルな方法で、RFIDモジュールを複数のパッケージのRFIDモジュール搭載箇所それぞれに高速に取り付けることができる。
【0067】
(実施の形態3)
本実施の形態3は、パッケージ用治具について上述の実施の形態1と異なる。したがって、本実施の形態3のパッケージ用治具について説明する。
【0068】
図9は、実施の形態3に係るパッケージ製造装置における、複数のパッケージを支持した状態のパッケージ用治具の断面図である。
【0069】
図9に示すように、本実施の形態3に係るパッケージ製造装置において、パッケージ用治具310は、上述の実施の形態1のパッケージ用治具110と同様に、斜めに積層された状態の複数のパッケージ20が載置される傾斜面310aを備える。しかしながら、パッケージ用治具310は、その傾斜面310aの下側部分に、上述の実施の形態1のパッケージ用治具110と異なり、段差面を備えていない。その代わりに、パッケージ用治具310は、複数のパッケージ20の下端と接触する摩擦面310bを備える。摩擦面310bは、例えば微少な凹凸が形成された面であって、パッケージ20の下端が滑らない摩擦係数を備える。
【0070】
以上のような本実施の形態3も、上述の実施の形態1と同様に、パッケージ製造装置を複雑化および大型化することなく、シンプルな方法で、RFIDモジュールを複数のパッケージのRFIDモジュール搭載箇所それぞれに高速に取り付けることができる。
【0071】
(実施の形態4)
本実施の形態4は、パッケージ用治具について上述の実施の形態1と異なる。したがって、本実施の形態4のパッケージ用治具について説明する。
【0072】
図10は、実施の形態4に係るパッケージ製造装置における、複数のパッケージを支持した状態のパッケージ用治具の断面図である。
【0073】
図10に示すように、本実施の形態4に係るパッケージ製造装置において、パッケージ用治具410は、本体412と、例えばマグネットなどを介して本体412に取り付けられるカバー部材414とを備える。また、カバー部材414は、斜めの積層された状態の複数のパッケージ20に対して上方から荷重をかける荷重部材として弾性部材416を備える。さらに、パッケージ用治具410は、複数のパッケージ20が載置される傾斜面418aを備える第2の弾性部材418を備える。本実施の形態4の場合、複数のパッケージ20は、2つの弾性部材416、418によって挟持され、それにより互いに対して密着する。その結果、パッケージ用治具410が支持できるパッケージ20の数が増加する。
【0074】
以上のような本実施の形態4も、上述の実施の形態1と同様に、パッケージ製造装置を複雑化および大型化することなく、シンプルな方法で、RFIDモジュールを複数のパッケージのRFIDモジュール搭載箇所それぞれに高速に取り付けることができる。
【0075】
(実施の形態5)
上述の実施の形態1~4の場合、複数のパッケージ20は、積層断面が実質的に平行四辺形になるように、パッケージ用治具110~410に支持されている。すなわち、複数のパッケージ20の積層体が崩れないように、複数のパッケージ20は支持されている。
【0076】
具体的に説明すると、それぞれのRFIDモジュール搭載箇所Lpが露出するように複数のパッケージ20を斜めに積層すると、上側のパッケージ20は部分的に下方からの支持がないために、たわみやすい。その結果、斜めに積層してなる複数のパッケージ20の積層体は、RFIDモジュール搭載箇所Lpに対して反対側の方向に崩れやすい。特に、最上位置のパッケージ20と最下位置のパッケージ20とがオーバーラップしていない場合、複数のパッケージ20の積層体は崩れやすい。そこで、本実施の形態5は、複数のパッケージ20の積層体が崩れた状態であっても対応する。
【0077】
図11は、実施の形態5に係るパッケージ製造装置における、複数のパッケージを支持した状態のパッケージ用治具の断面図である。
【0078】
図11に示すように、本実施の形態5に係るパッケージ製造装置において、パッケージ用治具510は、崩れた状態で複数のパッケージ20の積層体が載置される傾斜面510aを備える。傾斜面510aは、崩れた状態の積層体における複数のパッケージ20それぞれのRFIDモジュール搭載箇所Lpが水平に並ぶような角度φで傾いている。
【0079】
以上のような本実施の形態5も、上述の実施の形態1と同様に、パッケージ製造装置を複雑化および大型化することなく、シンプルな方法で、RFIDモジュールを複数のパッケージのRFIDモジュール搭載箇所それぞれに高速に取り付けることができる。
【0080】
(実施の形態6)
上述の実施の形態1~5の場合、パッケージ用治具110~510により、斜めに積層された状態の複数のパッケージ20それぞれのRFIDモジュール搭載箇所Lpが水平に並ぶ。本実施の形態6は、異なる方法で、斜めに積層された状態の複数のパッケージ20それぞれのRFIDモジュール搭載箇所Lpを水平に並べる。
【0081】
図12は、実施の形態6に係るパッケージ製造装置におけるチルトステージを示す図である。
【0082】
図12に示すように、本実施の形態6に係るパッケージ製造装置において、パッケージ用治具610は、斜めに積層された複数のパッケージ20を傾ける傾斜面を備えていない。そのため、本実施の形態6に係るパッケージ製造装置は、実装位置Mpに、複数のパッケージ20それぞれのRFIDモジュール搭載箇所Lpが水平に並ぶようにパッケージ用治具610を傾けるチルトステージ606を備える。チルトステージ606は、水平方向(Y軸方向)に延在する回転中心線CLを中心にして回動することにより、その載置面606aが水平に対して傾く。それにより、載置面606a上に載置されたパッケージ用治具610が傾き、その結果、パッケージ用治具610に支持された複数のパッケージ20のRFIDモジュール搭載箇所Lpが水平に並ぶ。
【0083】
なお、チルトステージ606を用いる場合、斜めに積層された状態の複数のパッケージ20は、パッケージ用治具610を用いることなく、直接的にチルトステージ606の載置面606aに載置されてもよい。
【0084】
以上のような本実施の形態6も、上述の実施の形態1と同様に、パッケージ製造装置を複雑化および大型化することなく、シンプルな方法で、RFIDモジュールを複数のパッケージのRFIDモジュール搭載箇所それぞれに高速に取り付けることができる。
【0085】
以上、複数の上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明の実施の形態はこれに限らない。
【0086】
例えば、上述の実施の形態1の場合、図4に示すように、RFIDモジュール30は、実装装置104の移動ヘッド104aに搭載されたノズル104bによってパッケージ20のRFIDモジュール搭載箇所Lpに取り付けられる。そのために、パッケージ20それぞれのRFIDモジュール搭載箇所Lpが水平に並んでいる。しかしながら、本発明の実施の形態はこれに限らない。例えば、RFIDモジュール30を吸着するノズルがスプリングを介して移動ヘッドに取り付けられている場合、そのスプリングの圧縮範囲でパッケージ20それぞれのRFIDモジュール搭載箇所Lp間の高低差を吸収可能であれば、パッケージ20それぞれのRFIDモジュール搭載箇所Lpが水平に並んでなくてもよい。
【0087】
また、RFIDモジュール30をパッケージ20のRFIDモジュール搭載箇所Lpに搭載する手段は、実装装置104に限らない。例えば、キャリアシートに取り外し可能に貼り付けられた複数のRFIDモジュール30を、斜めに積層された複数のパッケージ20それぞれのRFIDモジュール搭載箇所Lpに転写してもよい。
【0088】
すなわち、本発明の実施の形態に係るパッケージ製造方法は、広義には、RFIDモジュールを複数のパッケージそれぞれのRFIDモジュール搭載箇所に取り付けるパッケージ製造方法であって、前記複数のパッケージを、前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が露出するように、斜めに積層し、斜めに積層した状態の前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所に、前記RFIDモジュールを取り付ける。
【0089】
また、本発明の実施の形態に係るパッケージ製造装置は、広義には、RFIDモジュールを複数のパッケージそれぞれのRFIDモジュール搭載箇所に取り付けるパッケージ製造装置であって、前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が露出するように斜めに積層された前記複数のパッケージを支持するパッケージ用治具と、前記パッケージ用治具に支持された前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所に、前記RFIDモジュールを実装する実装装置と、を有する。
【0090】
さらに、本発明の実施の形態に係るパッケージ用治具は、広義には、RFIDモジュールが実装されるRFIDモジュール搭載箇所をそれぞれ備える複数のパッケージを支持するパッケージ用治具であって、斜めに積層された前記複数のパッケージを、前記パッケージそれぞれの前記RFIDモジュール搭載箇所が露出するように支持する。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、RFID機能付きパッケージの作製に関して適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12