(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】不揮発性メモリ装置および不揮発性メモリ装置のプログラム方法
(51)【国際特許分類】
G11C 16/10 20060101AFI20240925BHJP
G11C 16/04 20060101ALI20240925BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240925BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20240925BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20240925BHJP
H10B 41/27 20230101ALI20240925BHJP
H10B 41/40 20230101ALI20240925BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20240925BHJP
H10B 43/40 20230101ALI20240925BHJP
【FI】
G11C16/10 140
G11C16/04 170
H01L29/78 371
H10B41/27
H10B41/40
H10B43/27
H10B43/40
(21)【出願番号】P 2020113455
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2023-06-07
(31)【優先権主張番号】10-2019-0088372
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】朴 相元
(72)【発明者】
【氏名】南 尚完
(72)【発明者】
【氏名】申 芝淵
(72)【発明者】
【氏名】沈 元補
(72)【発明者】
【氏名】尹 廷允
(72)【発明者】
【氏名】趙 志虎
(72)【発明者】
【氏名】洪 相基
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-129194(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0287720(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0267895(US,A1)
【文献】特表2007-537560(JP,A)
【文献】特開2008-159244(JP,A)
【文献】特開2001-332093(JP,A)
【文献】特開2011-070717(JP,A)
【文献】特表2007-506221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/10
G11C 16/04
G11C 16/08
H01L 29/78
H10B 41/27
H10B 41/40
H10B 43/27
H10B 43/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリ装置のプログラム方法であって、
複数のメモリセルに接続されており、選ばれたワード線に段階的に電圧レベルが変更されるプログラムワード線電圧を印加するステップと、
前記プログラムワード線電圧が前記選ばれたワード線に印加される間に、複数の第1メモリセルに接続された第1ビット線にプログラムビット線電圧を印加するステップと、を含み、
前記プログラムビット線電圧は、
第1区間においては、前記複数の第1メモリセルがプログラムされないようにするプログラム禁止電圧レベルと、前記複数の第1メモリセルがプログラムされるようにするプログラム電圧レベルとの間の第1電圧レベルであり、かつ、
前記第1区間に後続する第2区間においては、前記プログラム禁止電圧レベル、前記プログラム電圧レベル、および、前記プログラム禁止電圧レベルと前記プログラム電圧レベルとの間の第2電圧レベル、のうちいずれか一つの電圧レベルであ
り、
前記複数のワード線に前記プログラムワード線電圧を印加するステップは、
前記複数のワード線に段階的に電圧レベルが下降する電圧を印加するステップ、を含む、
方法。
【請求項2】
前記プログラム禁止電圧レベルは、電源電圧レベルを含み、
前記プログラム電圧レベルは、接地電圧レベルを含み、
前記第1電圧レベルは、前記複数のメモリセルの閾値電圧の分布を改善するために前記
第1ビット線に印加されるフォーシング電圧レベルを含む、
請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記プログラムビット線電圧は、
前記第2区間において、前記第1電圧レベルから前記プログラム禁止電圧レベルに遷移する、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プログラムビット線電圧は、
前記第2区間において、前記第1電圧レベルから前記第2電圧レベルに遷移し、
前記第2電圧レベルは、前記第1電圧レベルより低い電圧レベルを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記プログラムビット線電圧は、
前記第2区間において、前記第1電圧レベルから前記第2電圧レベルに遷移し、
前記第2電圧レベルは、前記第1電圧レベルより高い電圧レベルを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記プログラムビット線電圧は、
前記第2区間において、前記第1電圧レベルから前記プログラム電圧レベルに遷移する、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の第1メモリセルは、前記プログラムワード線電圧と前記プログラムビット線電圧によって事前設定されたプログラムステートにプログラムされる、
請求項1乃至
6いずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
不揮発性メモリ装置のプログラム方法であって、
複数のメモリセルに接続されており、選ばれたワード線に段階的に電圧レベルが変更されるプログラムワード線電圧を印加するステップと、
前記プログラムワード線電圧が前記選ばれたワード線に印加される間に、複数の第1メモリセルに接続された第1ビット線に第1プログラムビット線電圧を印加するステップと、を含み、
前記第1プログラムビット線電圧は、
第1区間においては、前記複数の第1メモリセルがプログラムされないようにするプログラム禁止電圧レベルであり、かつ、
前記第1区間に後続する第2区間においては、第1電圧レベルと第2電圧レベルのうちいずれか一つであり、
前記第1電圧レベルは、前記プログラム禁止電圧レベルと前記複数の第1メモリセルがプログラムされるようにするプログラム電圧レベルとの間の電圧レベルであり、
前記第2電圧レベルは、前記プログラム禁止電圧レベルより高い電圧レベルであ
り、
前記選ばれたワード線に前記プログラムワード線電圧を印加するステップは、
前記選ばれたワード線に段階的に電圧レベルが下降する電圧を印加するステップ、を含む、
方法。
【請求項9】
前記第1プログラムビット線電圧は、
前記第2区間において、前記第1電圧レベルである、
請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記プログラム禁止電圧レベルは、電源電圧レベルを含み、
前記プログラム電圧レベルは、接地電圧レベルを含み、
前記第1電圧レベルは、前記複数のメモリセルの閾値電圧の分布を改善するために前記第1ビット線に印加されるフォーシング電圧レベルを含む、
請求項
8または
9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1プログラムビット線電圧は、
前記第2区間において、前記第2電圧レベルである、
請求項
8に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、さらに、
前記第1ビット線に前記第1プログラムビット線電圧が印加される間に、複数の第2メモリセルに接続された第2ビット線に第2プログラムビット線電圧を印加するステップ、を含み、
前記第2プログラムビット線電圧は、
前記第1区間においては、前記プログラム禁止電圧レベルであり、
前記第2区間においては、前記プログラム電圧レベルである、
請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1ビット線および前記第2ビット線は、相互に隣接して配置されている、
請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
不揮発性メモリ装置のプログラム方法であって、
複数のメモリセルに接続されており、選ばれたワード線に段階的に電圧レベルが変更されるプログラムワード線電圧を印加するステップと、
前記プログラムワード線電圧が前記選ばれたワード線に印加される間に、複数の第1メモリセルに接続された第1ビット線に第1プログラムビット線電圧を印加するステップと、を含み、
前記第1プログラムビット線電圧が、第1電圧レベルから、前記複数の第1メモリセルがプログラムされるようにするプログラム電圧レベルに遷移する前に、前記複数の第1メモリセルに接続されたストリング選択トランジスタがターンオフされる、
方法。
【請求項15】
前記第1電圧レベルは、前記複数の第1メモリセルがプログラムされないようにするプログラム禁止電圧レベルを含む、
請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、さらに、
前記プログラムワード線電圧が前記選ばれたワード線に印加される間に、複数の第2メモリセルに接続された第2ビット線に第2プログラムビット線電圧を印加するステップ、を含み、
前記第1ビット線に印加される第1プログラムビット線電圧が前記プログラム禁止電圧レベルから前記プログラム電圧レベルに遷移するときに、前記第2ビット線に印加される第2プログラムビット線電圧は、前記プログラム禁止電圧レベルから、前記プログラム禁止電圧レベルより高いレベルを有する第2電圧レベルに遷移する、
請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1ビット線および前記第2ビット線は、相互に隣接して配置されている、
請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記ストリング選択トランジスタは、前記第2プログラムビット線電圧が、前記第2電圧レベルから前記プログラム禁止電圧レベルに遷移した後で、ターンオンされる、
請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、さらに、
前記プログラムワード線電圧が前記選ばれたワード線に印加される間に、複数の第2メモリセルに接続された第2ビット線に第2プログラムビット線電圧を印加するステップ、を含み、
前記第1ビット線に印加される第1プログラムビット線電圧が前記プログラム禁止電圧レベルから前記プログラム電圧レベルに遷移するときに、前記第2ビット線に印加される第2プログラムビット線電圧は、前記プログラム禁止電圧レベルから、
第2電圧レベル差だけ高い電圧レベルに遷移する、
請求項
15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は不揮発性メモリ装置および不揮発性メモリ装置のプログラム方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリ装置は、データを格納して、必要なときにそれを読み出せる記憶装置である。メモリ装置は、電源が供給されなくても格納されたデータが消滅しない不揮発性メモリ(nonvolatile memory,NVM)と、電源が供給されなければ格納されたデータが消滅する揮発性メモリ(volatile memory,VM)に大きく分けられる。
【0003】
メモリ装置はその内部に配置された複数のメモリセルを制御するためにその内部に多様な配線を配置して用いることができる。このような配線の例としてはメモリセルに接続されるワード線(word line)とビット線(bit line)などが挙げられる。
【0004】
メモリセルをプログラムするために、プログラムの対象となるメモリセルに接続されたワード線とビット線にそれぞれ多様な形態のプログラム電圧を印加してメモリセルをプログラムすることができる。しかし、プログラムの対象となるメモリセル別に多様な形態のプログラム電圧をセットアップした後でプログラムを行うと、プログラムの所要時間が増加する。したがって、これを改善するための研究が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、メモリセルに対するプログラムの所要時間が短縮されて動作性能が向上した不揮発性メモリ装置を提供することにある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、メモリセルに対するプログラムの所要時間が短縮されて動作性能が向上した不揮発性メモリ装置のプログラム方法を提供することにある。
【0007】
本発明の技術的課題は、上述の技術的課題に限定されず、言及されていない他の技術的課題は、また、以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を達成するための本発明のいくつかの実施形態による不揮発性メモリ装置のプログラム方法は、複数のメモリセルに接続されており、選ばれたワード線に段階的にその電圧レベルが変更されるプログラムワード線電圧を印加し、プログラムワード線電圧が選ばれたワード線に印加される間に、複数の第1メモリセルに接続された第1ビット線にプログラムビット線電圧を印加することを含む。ここで、プログラムビット線電圧は、第1区間において、複数の第1メモリセルがプログラムされないようにするプログラム禁止電圧レベルと、複数の第1メモリセルがプログラムされるようにするプログラム電圧レベルとの間の第1電圧レベルであり、第1区間に後続する第2区間において、プログラム禁止電圧レベル、プログラム電圧レベル、および、プログラム禁止電圧レベルとプログラム電圧レベルとの間の第2電圧レベル、のうちいずれか一つの電圧レベルである。
【0009】
前記技術的課題を達成するための本発明のいくつかの実施形態による不揮発性メモリ装置のプログラム方法は、複数のメモリセルに接続されており、選ばれたワード線に段階的にその電圧レベルが変更されるプログラムワード線電圧を印加し、プログラムワード線電圧が選ばれたワード線に印加される間に、複数の第1メモリセルに接続された第1ビット線に第1プログラムビット線電圧を印加することを含む。ここで、第1プログラムビット線電圧は、第1区間において、複数の第1メモリセルがプログラムされないようにするプログラム禁止電圧レベルであり、第1区間に後続する第2区間において、第1電圧レベルと第2電圧レベルのうちいずれか一つであり、第1電圧レベルは前記プログラム禁止電圧レベルと複数の第1メモリセルがプログラムされるようにするプログラム電圧レベルとの間の電圧レベルであり、第2電圧レベルはプログラム禁止電圧レベルより高い電圧レベルである。
【0010】
前記技術的課題を達成するための本発明のいくつかの実施形態による不揮発性メモリ装置のプログラム方法は、複数のメモリセルに接続されており、選ばれたワード線に段階的にその電圧レベルが変更されるプログラムワード線電圧を印加し、プログラムワード線電圧が選ばれたワード線に印加される間に、複数の第1メモリセルに接続された第1ビット線に第1プログラムビット線電圧を印加することを含む。ここで、プログラムビット線電圧が、第1電圧レベルから複数の第1メモリセルがプログラムされるようにするプログラム電圧レベルに遷移する前に、複数の第1メモリセルに接続されたストリング選択トランジスタがターンオフ(turn-off)される。
【0011】
その他の実施形態の具体的な内容は、詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】いくつかの実施形態による不揮発性メモリシステムを説明するためのブロック図である。
【
図2】
図1の不揮発性メモリ装置を説明するためのブロック図である。
【
図3】
図2のメモリセルアレイを説明するための図である。
【
図4】
図2のメモリセルアレイを説明するための図である。
【
図5】いくつかの実施形態による不揮発性メモリ装置のプログラム動作を説明するためのタイミング図である。
【
図6】
図5に示す不揮発性メモリ装置のプログラム動作を説明するための図である。
【
図7】
図5に示す不揮発性メモリ装置のプログラム動作を説明するための図である。
【
図8】
図5に示す不揮発性メモリ装置のプログラム動作を説明するための図である。
【
図9】
図5に示す不揮発性メモリ装置のプログラム動作を説明するための図である。
【
図10】いくつかの実施形態による不揮発性メモリ装置のプログラム動作を説明するためのタイミング図である。
【
図11】いくつかの実施形態による不揮発性メモリ装置のプログラム動作を説明するためのフローチャートである。
【
図12】いくつかの実施形態による不揮発性メモリ装置のプログラム動作を説明するためのフローチャートである。
【
図13】いくつかの実施形態による不揮発性メモリ装置のプログラム動作を説明するためのフローチャートである。
【
図14】いくつかの実施形態による不揮発性メモリ装置のプログラム動作を説明するためのフローチャートである。
【
図15】いくつかの実施形態による不揮発性メモリ装置のプログラム動作を説明するためのフローチャートである。
【
図16】いくつかの実施形態による不揮発性メモリ装置のプログラム動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付した図面を参照して本発明の技術的思想による実施形態について説明する。
【0014】
図1はいくつかの実施形態による不揮発性メモリシステムを説明するためのブロック図である。
【0015】
図1を参照すると、不揮発性メモリシステム10は、メモリコントローラ200および不揮発性メモリ装置100を含む。
図1に示す不揮発性メモリシステム10の例としては、メモリカード、USBメモリ、SSD(Solid State Drive)などのようなフラッシュメモリを基盤とするデータ記憶媒体が挙げられる、実施形態は、このような例示に限定されない。
【0016】
メモリコントローラ200は、ホスト(Host)および不揮発性メモリ装置100に接続され得る。メモリコントローラ200は、図示するように、ホスト(Host)からの要請に応答し、不揮発性メモリ装置100をアクセスするように構成することができる。メモリコントローラ200は、不揮発性メモリ装置100とホスト(Host)との間にインターフェースを提供するように構成することができる。また、メモリコントローラ200は、不揮発性メモリ装置100を制御するためのファームウェア(firmware)を駆動するように構成することもできる。
【0017】
メモリコントローラ200は、不揮発性メモリ装置100の動作を制御することができる。具体的に、メモリコントローラ200は、不揮発性メモリ装置100と接続された入出力線に沿ってコマンドCMD、アドレスADDR、制御信号CTRL、およびデータDATAを提供することができる。アドレスADDRはローアドレス(row address)とカラムアドレス(column address)を含み得る。
メモリコントローラ200が不揮発性メモリ装置100に提供する制御信号CTRLは、例えば、チップイネーブル(CE)、ライトイネーブル(WE)、およびリードイネーブル(RE)などを含み得るが、実施形態はこれに限定されるものではない。
【0018】
メモリコントローラ200は、エラービットを訂正するECC回路を含むこともできる。ECC回路は、データに含まれたエラービットの訂正を行うことができる。しかし、実施形態はこれに限定されるものではなく、必要に応じて、ECC回路は不揮発性メモリ装置100の構成要素として提供され得る。
【0019】
メモリコントローラ200および不揮発性メモリ装置100は、それぞれ一つのチップ、一つのパッケージ、または一つのモジュールなどとして提供され得る。または、メモリコントローラ200および不揮発性メモリ装置100は、例えば、PoP(Package on Package)、Ball grid arrays(BGAs)、Chip scale packages(CSPs)、Plastic Leaded Chip Carrier(PLCC)、Plastic Dual In-Line Package(PDIP)、Die in Waffle Pack、Die in Wafer Form、Chip On Board(COB)、Ceramic Dual In-Line Package(CERDIP)、Plastic Metric Quad Flat Pack(MQFP)、Thin Quad Flatpack(TQFP)、Small Outline(SOIC)、Shrink Small Outline Package(SSOP)、Thin Small Outline(TSOP)、Thin Quad Flatpack(TQFP)、System In Package(SIP)、Multi Chip Package(MCP)、Wafer-level Fabricated Package(WFP)、Wafer-Level Processed Stack Package(WSP)などのようなパッケージを用いて実装され得る。
【0020】
以下、
図2を参照して不揮発性メモリ装置100の構成についてより具体的に説明する。
【0021】
図2は、
図1の不揮発性メモリ装置を説明するためのブロック図である。
【0022】
図2を参照すると、不揮発性メモリ装置100は、電圧生成器110、アドレスデコーダ130、入出力回路140、コントロールロジック回路150、およびメモリセルアレイ160、を含み得る。
【0023】
不揮発性メモリ装置100は、例えば、NANDフラッシュメモリ(NAND Flash Memory)、垂直型NANDフラッシュメモリ(Vertical NAND;VNAND)、ノアフラッシュメモリ(NOR Flash Memory)、抵抗性RAM(Resistive Random Access Memory:RRAM)、相変化メモリ(Phase-Change Memory:PRAM)、磁気抵抗メモリ(Magneto resistive Random Access Memory:MRAM)、強誘電体メモリ(Ferroelectric Random Access Memory:FRAM)、スピン注入磁化反転メモリ(Spin Transfer Torque Random Access Memory:STT-RAM)などを含み得るが、実施形態はこのような例示に限定されるものではない。
【0024】
以下では、不揮発性メモリ装置100が垂直型NANDフラッシュメモリ(VNAND)である場合を例示して、本発明の技術的思想について説明するが、本発明の技術的思想による権利範囲は、このような例示に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的思想による実施形態は、上述の不揮発性メモリに適宜適用することが可能である。
【0025】
電圧生成器110は、電源電圧Vccを利用して不揮発性メモリ装置100の動作に必要な動作電圧Vgを生成することができる。このような動作電圧Vgの例としては、プログラム電圧、パス電圧、リード電圧、リードパス電圧、検証電圧、消去電圧、共通ソース線電圧、ウェル電圧などが挙げられるが、実施形態はこれに限定されるものではない。
【0026】
電圧生成器110は、メモリセルアレイ160に配置されたメモリセルに新たなデータをプログラムしたり、メモリセルに格納されたデータを読み出したり、メモリセルに格納されたデータを消去するのに必要なワード線電圧を生成することができる。
【0027】
いくつかの実施形態において、メモリセルアレイ160に配置されたメモリセルに新たなデータをプログラムするための電圧生成器110が生成するワード線電圧(以下、プログラムワード線電圧)は、プログラムの動作速度を向上させるために、例えば、段階的にその電圧レベルが変更され得る。具体的には、プログラムワード線電圧は、その電圧レベルが段階的に下降する形態で生成することができる。しかし、実施形態はこれに限定されるものではなく、必要に応じて、その形態は適宜変形することができる。いくつかの実施形態において、プログラムワード線電圧はその電圧レベルが段階的に上昇する形態で生成することもできる。これに対するより具体的な説明は後述する。
【0028】
アドレスデコーダ130は、アドレスADDRに応答して、複数のメモリブロックBLK1~BLKzのいずれか一つを選択し得る。また、アドレスデコーダ130は、複数のワード線WL、少なくとも一つのストリング選択線SSLおよび少なくとも一つの接地選択線GSLを通じて、メモリセルアレイ160に接続され得る。
【0029】
アドレスデコーダ130は、デコーディングされたロー(row)アドレスを利用してワード線WL、ストリング選択線SSL、接地選択線GSLを選択し得る。また、アドレスデコーダ130は、入力されたアドレスのうちカラム(column)アドレスをデコーディングし得る。ここで、デコーディングされたカラムアドレスは、入出力回路140に転送され得る。いくつかの実施形態において、アドレスデコーダ130は、ローデコーダ、カラムデコーダ、アドレスバッファなどを含み得る。
【0030】
入出力回路140は、ビット線BLを通じてメモリセルアレイ160に接続され得る。入出力回路140は、アドレスデコーダ130からデコードされたカラムアドレスの入力を受けるように具現化することができる。入出力回路140は、デコードされたカラムアドレスを利用してビット線BLを選択し得る。
【0031】
入出力回路140は不揮発性メモリ装置100がプログラム動作を行うときプログラムされるデータを格納したり、リード動作を行うとき読み出されたデータを格納する複数のページバッファ141を含み得る。ここで、複数のページバッファ141それぞれは複数のラッチを含み得る。
【0032】
プログラムの動作時、複数のページバッファ141に格納されたデータは、ビット線BLを通じて、選ばれたメモリブロックに対応するページ(例えば、メモリセルの集合)にプログラムされ得る。リード動作時の選択メモリブロックに対応するページから読み出したデータは、ビット線BLを通じてページバッファ141に格納され得る。
【0033】
いくつかの実施形態において、複数のページバッファ141には、メモリセルアレイ160に含まれたメモリセルが以前のプログラムループでビット線にフォーシング電圧が印加されたセルに対する情報が一時的に格納され得る。
【0034】
プログラムの動作時にアドレスデコーダ130が選ばれたワード線WLにプログラムワード線電圧を印加するとき、入出力回路140は、ライトドライバ(write driver)として動作してメモリセルに接続されたビット線BLにプログラム禁止電圧(program inhibit voltage)、プログラムフォーシング電圧(program forcing voltage)、およびプログラム電圧(program voltage)のようなプログラムビット線電圧を印加することができる。しかし、実施形態は、これに限定されるものではなく、図示した構成は、適宜変形して実施することが可能である。
【0035】
一方、入出力回路140は、メモリセルアレイ160の第1領域からデータを読み出し、読み出したデータをメモリセルアレイ160の第2領域に格納することもできる。例えば、入出力回路140は、コピーバック(copy-back)を行うように実現することもできる。
【0036】
コントロールロジック回路150は、不揮発性メモリ装置100の全般的な動作(プログラム、リード、消去など)を制御することができる。具体的に、コントロールロジック回路150は、不揮発性メモリ装置100が動作する間、電圧生成器110、アドレスデコーダ130、および入出力回路140の動作を制御することができる。コントロールロジック回路150は、外部から入力された制御信号CTRLあるいは命令に応答して動作し得る。図面では、コントロールロジック回路150が電圧生成器110、アドレスデコーダ130、および入出力回路140の動作を制御する構成のみ図示されているが、実施形態は、これに限定されるものではない。必要に応じて、不揮発性メモリ装置100は、図示した構成要素の他により多くの構成要素を含み、コントロールロジック回路150は、これら構成要素の全般的な動作を制御することができる。
【0037】
メモリセルアレイ160は、例えば、3次元アレイ構造(three-dimensional memory array structure)で実現することができる。3次元メモリアレイは、垂直方向に方向性を有し、少なくとも一つのメモリセルが他の一つのメモリセルの上に位置する複数の垂直NANDストリングを含み得る。少なくとも一つのメモリセルは、例えば、電荷トラップ層を含み得る。それぞれの垂直NANDストリングは、メモリセル上に位置する少なくとも一つの選択トランジスタを含み得る。少なくとも一つの選択トランジスタはメモリセルと同じ構造を有し、メモリセルと共にモノリシック(monolithically)に形成され得る。モノリシックという用語は、3次元アレイの各レベルの層が3次元アレイの下位レベルの層上に直接蒸着されることを意味する。
【0038】
3次元メモリアレイが複数のレベルで構成され、レベルの間に共有されるワード線またはビット線が配置され得る。不揮発性メモリ装置100は、電荷格納膜が伝導性浮遊ゲートで構成されたフラッシュメモリ装置であり、または、電荷格納膜が絶縁膜で構成されたチャージトラップ型フラッシュ(charge trap flash;CTF)メモリ装置であり得る。以下では、不揮発性メモリ装置100が垂直型NANDフラッシュメモリ装置である場合を例示して説明する。
【0039】
メモリセルアレイ160は、複数のメモリブロックBLK1~BLKzを含み得る。メモリブロックBLK1~BLKzそれぞれは、複数のワード線WL、少なくとも一つのストリング選択線SSL、および、少なくとも一つの接地選択線GSLを通じてアドレスデコーダ130に接続され、複数のビット線BLを通じて入出力回路140に接続され得る。いくつかの実施形態において、複数のワード線WLは、積層された板形状の構造を有し得る。
【0040】
複数のメモリブロックBLK1~BLKzそれぞれは、基板上で第1方向、および、第1方向とは異なる第2方向に沿って配列され、第1方向および第2方向によって形成された平面に垂直な第3方向に配列される3次元構造の複数のストリング(string)を含み得る。ここで、複数のストリングそれぞれは、ビット線と共通ソース線(common source line,CSL)との間で直列接続された少なくとも一つのストリング選択トランジスタ、複数のメモリセル、少なくとも一つの接地選択トランジスタで構成することができる。ここで、複数のメモリセルそれぞれは、少なくとも一つのビットを格納し得る。いくつかの実施形態において、少なくとも一つのストリング選択トランジスタと複数のメモリセルとの間には、少なくとも一つのダミーセルが含まれ得る。いくつかの実施形態において、複数のメモリセルと少なくとも一つの接地選択トランジスタとの間には、少なくとも一つのダミーセルが含まれ得る。以下、
図3および
図4を参照して、メモリセルアレイ160のメモリブロックBLK1~BLKzについてより具体的に説明する。
【0041】
図3および
図4は、
図2のメモリセルアレイを説明するための図である。
【0042】
図3を参照すると、メモリブロックBLK1は基板SUBと垂直方向に形成されている。基板SUBには、不純物を含む、例えば、n+ドーピング領域166が、形成され得る。このようなドーピング領域166は、例えば、共通ソース線(
図4のCSL)として用いることができる。
【0043】
基板SUB上には、ゲート電極165と絶縁膜164が交互に積層され得る。ゲート電極165と絶縁膜164との間には、データ格納膜161が形成され得る。
【0044】
ピラー(pillar)は、ゲート電極165および絶縁膜164を垂直方向に貫くことができる。ピラーは図示されるように、V字形状に形成され得る。ピラーは、ゲート電極165および絶縁膜164を貫いて、基板SUBと接続され得る。ピラーの内部は、充電誘電パターン163としてシリコン酸化物(Silicon Oxide)のような絶縁物質で構成され得る。ピラーの外部は、垂直活性パターン162としてチャネル半導体で構成され得る。
【0045】
メモリブロックBLK1のゲート電極165は、接地選択線GSL、複数のワード線WL1~WL8、およびストリング選択線SSLに接続され得る。そして、メモリブロックBLK1のピラー外部に形成されてチャネルとして用いられる垂直活性パターン162は、複数のビット線BL1~BL3に接続され得る。
図3では、一つのメモリブロックBLK1が、8個のワード線WL1~WL8および3個のビット線BL1~BL3を有する場合を図示しているが、実施形態は、これに限定されるものではない。必要に応じて、配線の数は、これとは異なるように適宜変形して実施することができる。
【0046】
図4は、メモリブロックBLK1に対する例示的な等価回路図である。
図4を参照すると、ビット線BL1~BL3と共通ソース線CSLとの間にはセルストリング(NS11~NS33)が配置され得る。それぞれのセルストリング(例えば、NS11)は、接地選択トランジスタGST、複数のメモリセルMC1~MC8、およびストリング選択トランジスタSSTを含み得る。
【0047】
ストリング選択トランジスタSSTは、ストリング選択線(SSL;string selection line)に接続され得る。ストリング選択線SSLは、第1~第3ストリング選択線SSL1~SSL3に分離することができる。接地選択トランジスタGSTは、接地選択線GSL1~GSL3に接続され得る。いくつかの実施形態において、接地選択線GSL1~GSL3は、相互に接続され得る。ストリング選択トランジスタSSTは、ビット線BLに接続され、接地選択トランジスタGSTは共通ソース線(CSL;common source line)に接続され得る。ストリング選択トランジスタSSTおよび接地選択トランジスタGSTが複数のメモリセルMC1~MC8と同じタイプのトランジスタで形成された場合を図示しているが、実施形態は、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態において、ストリング選択トランジスタSSTおよび接地選択トランジスタGSTは、複数のメモリセルMC1~MC8とは異なるタイプのトランジスタで形成され得る。
【0048】
複数のメモリセルMC1~MC8は、それぞれ対応するワード線(WL1~WL8)に接続され得る。一つのワード線に接続され、同時にプログラムされるメモリセルの集合をページ(page)と呼ぶ。メモリブロックBLK1は、図示されるように複数のページを含み得る。また、一つのワード線には複数のページが接続され得る。
図4を参照すると、共通ソース線CSLから同一高さのワード線(例えば、WL4)は、3個のページに共通して接続され得る。
【0049】
このようなページは、データプログラムおよび読出しの単位になり、メモリブロックBLK1はデータ消去の単位になる。すなわち、不揮発性メモリ装置がプログラムやリード動作を行うときは、ページ単位のデータがプログラムされるか、あるいは読み出され、不揮発性メモリ装置が消去動作を行うときは、メモリブロック単位でデータが消去され得る。すなわち、一つのメモリブロックに含まれたすべてのメモリセルMC1~MC8に格納されたデータが、一度に消去され得る。
【0050】
一方、それぞれのメモリセルMC1~MC8は、1ビットのデータまたは2ビット以上のデータを格納し得る。一つのメモリセルMC1~MC8に1ビットのデータを格納できるメモリセルをシングルレベルセル(SLC;single level cell)またはシングルビットセル(single bit cell)と呼ぶ。一つのメモリセルに2ビット以上のデータを格納できるメモリセルをマルチレベルセル(MLC;multi level cell)またはマルチビットセル(multi bit cell)と呼ぶ。2ビットMLCの場合は、一つの物理的ページに2個のページデータが格納され得る。いくつかの実施形態において、メモリセルMC1~MC8は、3ビットまたはそれ以上のデータを格納することもできる。この場合、一つの物理的ページに3個またはそれ以上のページデータが格納され得る。
【0051】
以下、
図1、
図4および
図5~
図10を参照して、いくつかの実施形態による不揮発性メモリ装置のプログラム動作について説明する。
【0052】
図5は、いくつかの実施形態による不揮発性メモリ装置のプログラム動作を説明するためのタイミング図である。
図6~
図9は、
図5に示す不揮発性メモリ装置のプログラム動作を説明するための図である。
図10はいくつかの実施形態による不揮発性メモリ装置のプログラム動作を説明するためのタイミング図である。
【0053】
図1、
図4および
図5を参照すると、コントロールロジック回路150は、プログラムの対象となるメモリセル(MCn、以下nは自然数)に接続されたワード線(WLm、以下mは自然数)、すなわち選択ワード線WLmに対して、図示されるように段階的にその電圧レベルが変更されるプログラムワード線電圧を印加するように制御することができる。
【0054】
以下ではこのようなプログラムワード線電圧が、図示されるように、第1電圧レベル差dV1だけ毎に下降する場合を例に挙げて説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。すなわち、コントロールロジック回路150は、選択ワード線WLmに対して段階的にその電圧レベルが下降するプログラムワード線電圧を印加するように制御することができる。
【0055】
選択ワード線WLmにこのようなプログラムワード線電圧が印加されると、プログラムワード線電圧の各区間(
図5のT1~T3および
図10のT11~T14)を用いて、選ばれたメモリセルMCnに多様なプログラムが行われ得る。すなわち、本実施形態では、選ばれたメモリセルMCnに多様なプログラムを行うために、毎回プログラムワード線電圧を新たにセットアップ(set up)するのではなく、図示されるように、一度のセットアップ後に、各区間(
図5のT1~T3および
図10のT11~T14)別に相互に異なる電圧レベルを有するプログラムワード線電圧を選択ワード線WLmに印加することによって、多様なプログラムを行いながらも、プログラムの実行時間を効果的に短縮させることができる。
【0056】
本実施形態では、多様なプログラムを行うために、プログラムワード線電圧が印加される各区間(
図5のT1~T3および
図10のT11~T14)でビット線(BLq、ここでqは自然数)に印加されるプログラムビット線電圧を制御する。ここで、第1~第3区間(T1~T3)および第4~第4区間(T11~T14)は、プログラムの実行時間を区間に区分して表示されている。以下、これについて、より具体的に説明する。
【0057】
図5を参照すると、第1区間T1において、ビット線(BLa,BLb,BLc,BLd)にはプログラム禁止電圧レベル(Program Inhibit Voltage Level,PIVL)を有するプログラムビット線電圧が印加される。これにより、ビット線(BLa,BLb,BLc,BLd)に接続されたメモリセルMCnにはプログラムが行われない。
【0058】
いくつかの実施形態において、このようなプログラム禁止電圧レベルPIVLは、例えば、電源電圧VDDレベルと同一であり得る。しかし、実施形態は、これに限定されるものではなく、プログラム禁止電圧レベルPIVLは、これとは異なり適宜変形することができる。
【0059】
再び、
図5を参照すると、第2区間T2において、ビット線(BLb,BLc,BLd)にはプログラム禁止電圧レベルPIVLを有するプログラムビット線電圧が印加されるが、ビット線BLaに印加されるプログラムビット線電圧は、プログラム禁止電圧レベルPIVLからプログラム電圧レベル(Program Voltage Level,PVL)に遷移(transition)する。これにより、ビット線(BLb,BLc,BLd)に接続されたメモリセルMCnにはプログラムが行われないが、ビット線BLaに接続されたメモリセルMCnにはプログラムが行われる。
【0060】
いくつかの実施形態において、このようなプログラム電圧レベルPVLは、例えば、接地電圧GNDレベルと同一であり得る。しかし、実施形態は、これに限定されるものではなく、プログラム電圧レベルPVLは、これとは異なり適宜変形することができる。
【0061】
図5と
図6および
図7を共に参照すると、第2区間T2において、ビット線BLaに接続されたメモリセルグループGaに含まれたメモリセルMCnは、
図5に示すプログラムワード線電圧とプログラムビット線電圧によって第1プログラムステートP1にプログラムされ得る。
【0062】
再び、
図5を参照すると、第3区間T3において、ビット線BLbに印加されるプログラムビット線電圧が、プログラム禁止電圧レベルPIVLからプログラム電圧レベルPVLに遷移する。そして、ビット線BLcに印加されるプログラムビット線電圧が、プログラム禁止電圧レベルPIVLから、プログラム禁止電圧レベルPIVLとプログラム電圧レベルPVLとの間の電圧レベルに遷移する。
【0063】
いくつかの実施形態において、ビット線BLcに印加されるプログラムビット線電圧はビット線BLcに接続されたメモリセルMCnの閾値電圧(threshold voltage)の分布を改善するためにビット線BLcに印加されるフォーシング(forcing)電圧レベルFVLであり得る。しかし、実施形態はこれに限定されるものではなく、これは適宜変形して実施することができる。
【0064】
これにより、ビット線(BLb,BLc)に接続されたメモリセルMCnにはプログラムが行われる。
【0065】
図5と
図6ないし
図8を共に参照すると、第3区間T3において、あらかじめ定めた閾値電圧Vrlより低い閾値電圧を有するビット線BLbに接続されたメモリセルグループGbに含まれるメモリセルMCnは、
図5において、プログラムワード線電圧とプログラムビット線電圧によって第2プログラムステートP2にプログラムされ得る。また、あらかじめ定めた閾値電圧Vrlより高い閾値電圧を有するビット線BLcに接続されたメモリセルグループGcに含まれるメモリセルMCnも、
図5において、プログラムワード線電圧と、プログラムビット線電圧によって第2プログラムステートP2にプログラムされ得る。ここで、メモリセルグループGcに含まれるメモリセルMCnに印加されるプログラムビット線電圧のフォーシング電圧レベルFVLは、メモリセルグループGbに含まれるメモリセルMCnおよびメモリセルグループGcに含まれるメモリセルMCnの分布に応じて、適宜変形して実施することができる。すなわち、フォーシング電圧レベルFVLは、図示した例とは異なるプログラム例でも適宜変形して実施することができる。
【0066】
再び、
図5を参照すると、第3区間T3において、ビット線BLdに印加されるプログラムビット線電圧が、プログラム禁止電圧レベルPIVLからプログラム禁止電圧レベルPIVLより高い電圧レベルに遷移する。いくつかの実施形態において、ビット線BLdに印加されるプログラムビット線電圧は、プログラム禁止電圧レベルPIVLより第2電圧レベル差dV2だけ高い電圧レベルを有する電圧レベルに遷移することができる。
【0067】
これにより、ビット線BLdに接続されたメモリセルMCnにプログラムが行われるものではないが、隣接するビット線(例えば、BLb)に印加されるプログラムビット線電圧のレベルが低くなることにより、ビット線BLdに接続されたメモリセルMCnが受ける影響(例えば、カップリング効果)を最小化することができる。以下に、
図9を参照して、これについてより具体的に説明する。
【0068】
図9を参照すると、
図9に図示されるように、ビット線BLbおよびビット線BLdが相互に隣接して配置される場合に、第3区間T3においてビット線BLbに印加されるプログラムビット線電圧のレベルが低くなる場合、カップリング効果によってビット線BLdに接続されたメモリセルMCnが影響を受け得る。これにより、本実施形態では、このようなカップリング効果を最小化するために、ビット線BLbに印加されるプログラムビット線電圧のレベルが低くなる場合に、それに隣接するビット線BLdに印加されるプログラムビット線電圧の電圧レベルを第2電圧レベル差dV2だけ上げて、カップリング効果を防止することができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、このように相互に隣接して配置されたビット線BLbとビット線BLdとの間に発生するカップリング効果は、選択線SSL1に印加される制御信号を制御して防止することもできる。例えば、ビット線BLbに印加されるプログラムビット線電圧のレベルが低くなる前に(すなわち、第3区間T3になる前に)、ビット線BLbに接続された選択トランジスタSSTbおよびビット線BLbに隣接するビット線BLdに接続された選択トランジスタSSTdをそれぞれターンオフして、ビット線BLbとビット線BLdのチャネルが相互にカップリングすることを防止することができる。
【0070】
また、いくつかの実施形態において、ビット線BLbに印加されるプログラムビット線電圧のレベルが低くなる前に(すなわち、第3区間T3になる前に)、ビット線BLbに接続された選択トランジスタSSTbおよびビット線BLbに隣接するビット線BLdに接続された選択トランジスタSSTdをそれぞれターンオフして、ビット線BLdに接続されたメモリセルの漏洩(leakage)も防止することができる。
【0071】
以後、選択トランジスタ(SSTb,SSTd)は、線BLdに印加されるプログラムビット線電圧の電圧レベルが再びプログラム禁止電圧レベルPIVLになると(電圧レベルが再び第2電圧レベル差dV2だけ減少すると)、ターンオン(turn on)され得る。
【0072】
選択トランジスタ(SSTb,SSTd)をターンオフする方法として、
図9では選択線SSL1に印加される選択信号の電圧レベルを遷移させる実施形態を図示したが、実施形態は、これに限定されるものではない。
【0073】
次いで、
図10を参照すると、第4区間T11において、ビット線BLeに印加されるプログラムビット線電圧が第2電圧レベル2VLからプログラム禁止電圧レベルPIVLに遷移する。これにより、例えば、ビット線BLeに接続されて特定のプログラムステートにプログラムされたメモリセルMCnが他のプログラム動作によって影響されないようにメモリセルMCnに対するブースティングを維持することができる。
【0074】
説明の便宜上、第1~第3区間T1~T3と第4~第7区間T11~T14を
図5と
図10に分けて図示したが、
図5と
図10に図示した構成が別途の実施形態として区分されて実施されるものではない。すなわち、選択ワード線WLmに図示されるように段階的にその電圧レベルが下降するプログラムワード線電圧が連続的に印加される間、ビット線BLa~BLhにはプログラムビット線電圧は、
図5の第1~第3区間T1~T3と
図10の第4~第7区間T11~T14に図示されるように多様に遷移することができる。この時、各区間(T1~T3,T11~T14)の間に図示した時間順序は絶対的なものでなく、本明細書では説明の便宜上、
図5の第1~第3区間T1~T3と
図10の第4~第7区間T11~T14を順次説明した。
【0075】
いくつかの実施形態において、
図10に図示した第1~第3電圧レベル1VL~3VLは、いずれもプログラム禁止電圧レベルPIVLとプログラム電圧レベルPVLとの間の電圧レベルを有し得る。いくつかの実施形態において、第2電圧レベル2VLは、上述のフォーシング電圧レベル(
図5のFVL)であり得るが、実施形態は、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態において、第3電圧レベル3VLは、第2電圧レベル2VLより高い電圧を有する電圧レベルであり、第1電圧レベル1VLは、第2電圧レベル2VLより低い電圧を有する電圧レベルであり得る。
【0076】
再び、
図10を参照すると、第5区間T12において、ビット線BLfに印加されるプログラムビット線電圧が、第2電圧レベル2VLを維持する。これにより、例えば、ビット線BLfに接続されたメモリセルMCnに対してファインプログラム(fine program)が持続的に行われ得る。
【0077】
次に、
図10を参照すると、第6区間T13において、ビット線BLgに印加されるプログラムビット線電圧が、第2電圧レベル2VLから第3電圧レベル3VLに遷移するか、あるいは、第2電圧レベル2VLから第1電圧レベル1VLに遷移する。これにより、例えば、ビット線BLgに接続され、プログラム禁止状態(program inhibit state)から解除されたメモリセルMCnに必要なファインプログラム動作が行われ得る。
【0078】
次に、
図10を参照すると、第7区間T14において、ビット線BLhに印加されるプログラムビット線電圧が、第2電圧レベル2VLからプログラム電圧レベルPVLに遷移する。これにより、例えば、ビット線BLhに接続されたメモリセルMCnに追加的なプログラム動作が行われ得る。
【0079】
次に、
図11~
図16を参照して、いくつかの実施形態による不揮発性メモリ装置のプログラム動作について説明する。
図11~
図16は、いくつかの実施形態による不揮発性メモリ装置のプログラム動作を説明するためのフローチャートである。
【0080】
図11を参照すると、複数のワード線にプログラムワード線電圧を提供する(S100)。
【0081】
具体的には、複数のワード線WLmに対して段階的にその電圧レベルが変更されるプログラムワード線電圧を提供することができる。いくつかの実施形態において、プログラムワード線電圧は、
図5に示されるように、第1電圧レベル差dV1だけ毎にその電圧レベルが下降し得るが、実施形態は、これに限定されるものではない。
【0082】
次に、複数のビット線にプログラムビット線電圧を提供する(S200)。
【0083】
この時、複数のビット線BLqにプログラムビット線電圧を提供することが、複数のワード線にプログラムワード線電圧が提供される間に行われ得る。このような動作は、以下で説明するすべての実施形態について同一である。
【0084】
複数のビット線BLqに提供されるプログラムビット線電圧は、多様な電圧レベル間の遷移を含み得る。以下に、
図12ないし
図19を参照して、より具体的に説明する。
【0085】
図12を参照すると、複数のビット線に第1電圧レベルを有するプログラムビット線電圧を提供する(S201)。
【0086】
ここで、第1電圧レベルは、プログラムビット線電圧が提供されるビット線に接続されたメモリセルがプログラムされないようにするプログラム禁止電圧レベルと、プログラムビット線電圧が提供されるビット線に接続されたメモリセルがプログラムされるようにするプログラム電圧レベルとの間の電圧レベルであり得る。
【0087】
いくつかの実施形態において、このような第1電圧レベルは、プログラムビット線電圧が提供されるビット線に接続されたメモリセルの閾値電圧の分布を改善するためにビット線に提供されるフォーシング電圧レベルを含み得る。しかし、実施形態は、これに限定されるものではない。
【0088】
次に、複数のビット線にプログラム禁止電圧レベルを有するプログラムビット線電圧を提供する(S202)。
【0089】
いくつかの実施形態において、ビット線に提供されるプログラムビット線電圧の電圧レベルを第1レベルからプログラム禁止電圧レベルに遷移させることによって、複数のビット線にプログラム禁止電圧レベルを有するプログラムビット線電圧を提供することができる。
【0090】
図13を参照すると、複数のビット線に第1電圧レベルを有するプログラムビット線電圧を提供する(S211)。
【0091】
第1電圧レベルは、上述の一実施形態と同様であるため重複する説明は省略し、以下においても第1電圧レベルに対する重複する説明は省略する。
【0092】
次に、複数のビット線に第2電圧レベルを有するプログラムビット線電圧を提供する(S212)。
【0093】
いくつかの実施形態において、ビット線に提供されるプログラムビット線電圧の電圧レベルを第1レベルから第2電圧レベルに遷移させることによって、複数のビット線に第2電圧レベルを有するプログラムビット線電圧を提供することができる。
【0094】
ここで、第2電圧レベルは、プログラム禁止電圧レベルと、プログラム電圧レベルとの間の電圧レベルであり得る。いくつかの実施形態において、第2電圧レベルは、第1電圧レベルより高い電圧を有する電圧レベルであり得る。また、いくつかの実施形態において、第2電圧レベルは第1電圧レベルより低い電圧を有する電圧レベルであり得る。
【0095】
図14を参照すると、複数のビット線に第1電圧レベルを有するプログラムビット線電圧を提供する(S221)。
【0096】
次に、複数のビット線にプログラム電圧レベルを有するプログラムビット線電圧を提供する(S222)。
【0097】
いくつかの実施形態において、ビット線に提供されるプログラムビット線電圧の電圧レベルを第1電圧レベルからプログラム電圧レベルに遷移させることによって、複数のビット線にプログラム電圧レベルを有するプログラムビット線電圧を提供することができる。
【0098】
図15を参照すると、複数のビット線にプログラム禁止電圧レベルを有するプログラムビット線電圧を提供する(S231)。
【0099】
次に、複数のビット線に第1電圧レベルを有するプログラムビット線電圧を提供する(S232)。
【0100】
いくつかの実施形態において、ビット線に提供されるプログラムビット線電圧の電圧レベルをプログラム禁止電圧レベルから第1電圧レベルに遷移させることによって、複数のビット線に第1電圧レベルを有するプログラムビット線電圧を提供することができる。
【0101】
図16を参照すると、複数のビット線にプログラム禁止電圧レベルを有するプログラムビット線電圧を提供する(S241)。
【0102】
次に、複数のビット線に第3電圧レベルを有するプログラムビット線電圧を提供する(S242)。
【0103】
いくつかの実施形態において、ビット線に提供されるプログラムビット線電圧の電圧レベルをプログラム禁止電圧レベルから第3電圧レベルに遷移させることによって、複数のビット線に第3電圧レベルを有するプログラムビット線電圧を提供することができる。
【0104】
ここで、第3電圧レベルは、プログラム禁止電圧レベルより高い電圧を有する電圧レベルであり得る。
【0105】
以上、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、相互に異なる多様な形態で製造することができ、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記の一実施形態は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解されなければならない。
【符号の説明】
【0106】
100:不揮発性メモリ装置
WL:ワード線
BL:ビット線