(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】3軸力センサ
(51)【国際特許分類】
G01L 5/165 20200101AFI20240925BHJP
G01L 5/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
G01L5/165
G01L5/00 101Z
(21)【出願番号】P 2021006939
(22)【出願日】2021-01-20
【審査請求日】2023-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】508282568
【氏名又は名称】ザ ユニバーシティ オブ ブリティッシュ コロンビア
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】石▲崎▼ 隆介
(72)【発明者】
【氏名】ミルザ サキーブ サーウォー
(72)【発明者】
【氏名】ジョーン ディー ダブリュー マッデン
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0015311(US,A1)
【文献】特開平08-005481(JP,A)
【文献】特開2014-115282(JP,A)
【文献】特開2019-152599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 5/165, 5/24
G01L 1/14
G01L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極間の静電容量の変化に基づいて直交3軸方向の力を検出するための3軸力センサであって、
誘電性及び弾性を有する柔軟部材と、
所定平面に沿って互いに離間するように前記柔軟部材に取り付けられた複数の第1電極と、
前記所定平面に沿って互いに離間するとともに前記複数の第1電極に対して間隔を存しながら対向するように設けられ、前記複数の第1電極との間に前記柔軟部材が位置するように前記柔軟部材に取り付けられ、前記複数の第1電極との間の静電容量をそれぞれ検出するための複数の第2電極と、
を備え、
前記複数の第2電極は、当該複数の第2電極を前記複数の第1電極側に向かって見たときの中央部に配置された第2中央電極と、当該第2中央電極を取り囲むように配置された複数の第2周辺電極とを備えており、
前記複数の第1電極は、当該複数の第1電極を前記複数の第2電極側から見たときに前記第2中央電極と一部が重なる前記一対の第1電極及び前記他の一対の第1電極と、前記複数の第2周辺電極とそれぞれ対向する複数の第1周辺電極とを備えており、
前記複数の第1電極は、一対の前記第1電極と、当該一対の第1電極と異なる他の一対の前記第1電極とを含み、
前記一対の第1電極は、互いに直交しながら前記所定平面に沿って延びる第1直線及び第2直線の一方の直線に沿うとともに、当該一方の直線に沿う方向の力が前記柔軟部材に作用した際、前記第2電極側から見たときの前記一対の第1電極の各々における前記第2
中央電極と重なる面積が変化するように配置されており、
前記他の一対の第1電極は、第1直線及び第2直線の他方の直線に沿うとともに、当該他方の直線に沿う方向の力が前記柔軟部材に作用した際、前記第2電極側から見たときの前記他の一対の第1電極の各々における前記第2
中央電極と重なる面積が変化するように配置されていることを特徴とする3軸力センサ。
【請求項2】
請求項
1に記載の3軸力センサにおいて、
前記複数の第2周辺電極は、一対の前記第2周辺電極を含んでおり、
当該一対の第2周辺電極は、前記複数の第1周辺電極側に向かって見たときに、前記一方の直線を間にして前記他方の直線に沿うように配置されていることを特徴とする3軸力センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3軸力センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、3軸力センサとして、特許文献1に記載されたものが知られている。この3軸力センサは、分布荷重を含む直交3軸方向の力を検出するためのものであり、平面的に配置された多数の応力検出素子を備えている。各応力検出素子は、圧電素子タイプのものであり、押圧力検出素子と、一対のせん断力検出素子と、他の一対のせん断力検出素子とを備えている。一対のせん断力検出素子及び他の一対のせん断力検出素子は、平面視十字状に配置され、その中心に押圧力検出素子が位置するように設けられている。これらの押圧力検出素子及び各せん断力検出素子は、上下一対の電極などで構成されている。
【0003】
この応力検出素子では、押圧力が押圧力検出素子によって検出され、一対のせん断力検出素子の並び方向に作用するせん断力が、一対のせん断力検出素子によって検出され、他の一対のせん断力検出素子の並び方向に作用するせん断力が、他の一対のせん断力検出素子によって検出される。そして、多数の応力検出素子によって、分布荷重が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の触覚センサによれば、直交3軸方向の力を検出するために、1個の押圧力検出素子及び4個のせん断力検出素子からなる応力検出素子を多数、平面的に配置する必要がある。その結果、センサが大型化するとともに、多数の電極が必要となることで、部品点数が増大し、製造コストの上昇を招いてしまう。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、直交3軸方向の力を検出する場合において、部品点数の削減及びセンサの小型化を実現することができ、製造コストを低減することができる3軸力センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、電極間の静電容量の変化に基づいて直交3軸方向の力を検出するための3軸力センサ100~104であって、誘電性及び弾性を有する柔軟部材(電極支持体10,10A)と、所定平面に沿って互いに離間するように柔軟部材に取り付けられた複数の第1電極111~122と、所定平面に沿って互いに離間するとともに複数の第1電極に対して間隔を存しながら対向するように設けられ、複数の第1電極との間に柔軟部材が位置するように柔軟部材に取り付けられ、複数の第1電極との間の静電容量をそれぞれ検出するための複数の第2電極201~209と、を備え、複数の第2電極は、複数の第2電極を複数の第1電極側に向かって見たときの中央部に配置された第2中央電極(第2電極201)と、第2中央電極を取り囲むように配置された複数の第2周辺電極(第2電極202~209)とを備えており、複数の第1電極は、複数の第1電極を複数の第2電極側から見たときに第2中央電極と一部が重なる一対の第1電極(一対の第1電極111,112及び一対の第1電極113,114の一方)及び他の一対の第1電極(一対の第1電極111,112及び一対の第1電極113,114の他方)と、複数の第2周辺電極とそれぞれ対向する複数の第1周辺電極(第1電極115~122)とを備えており、複数の第1電極は、一対の第1電極と、一対の第1電極と異なる他の一対の第1電極とを含み、一対の第1電極は、互いに直交しながら所定平面に沿って延びる第1直線L1及び第2直線L2の一方の直線に沿うとともに、一方の直線に沿う方向の力が柔軟部材に作用した際、第2電極側から見たときの一対の第1電極の各々における第2中央電極と重なる面積が変化するように配置されており、他の一対の第1電極は、第1直線及び第2直線の他方の直線に沿うとともに、他方の直線に沿う方向の力が柔軟部材に作用した際、第2電極側から見たときの他の一対の第1電極の各々における第2中央電極と重なる面積が変化するように配置されていることを特徴とする。
【0008】
この3軸力センサによれば、複数の第1電極が、所定平面に沿って互いに離間するよう、柔軟部材に取り付けられており、複数の第2電極が、所定平面に沿って互いに離間するとともに複数の第1電極に対して間隔を存しながら対向するように設けられ、複数の第1電極との間に柔軟部材が位置するように柔軟部材に取り付けられている。したがって、所定平面に直交する方向の力が柔軟部材に作用した際、複数の第1電極の各々と、複数の第2電極の各々との間の距離が変化し、それに伴う静電容量の変化に基づいて、その力を検出することができる。
【0009】
また、複数の第1電極が、一対の第1電極と、一対の第1電極と異なる他の一対の第1電極とを含んでおり、一対の第1電極は、互いに直交しながら所定平面に沿って延びる第1直線及び第2直線の一方の直線に沿うとともに、一方の直線に沿う方向の力が柔軟部材に作用した際、第2電極側から見たときの一対の第1電極の各々における第2電極と重なる面積が変化するように配置されている。したがって、一方の直線に沿う方向の力が柔軟部材に作用した際、これらの重なる面積の変化に伴って、一対の第1電極の各々と第2電極との間の静電容量が変化することになる。その結果、これらの静電容量の変化に基づいて、一方の直線に沿う方向の力すなわちせん断力を検出することができる。
【0010】
さらに、他の一対の第1電極は、第1直線及び第2直線の他方の直線に沿うとともに、他方の直線に沿う方向の力が柔軟部材に作用した際、第2電極側から見たときの他の一対の第1電極の各々における第2電極と重なる面積が変化するように配置されている。したがって、他方の直線に沿う方向の力が柔軟部材に作用した際、これらの重なる面積の変化に伴って、他の一対の第1電極の各々と第2電極との間の静電容量が変化することになる。その結果、これらの静電容量の変化に基づいて、第2直線に沿う方向の力すなわちせん断力を検出することができる。以上のように、8個の電極を用いて、直交2軸方向のせん断力及び所定平面に直交する方向の力(すなわち直交3軸方向の力)を検出することができる。したがって、直交3軸方向の力を検出するために、4個のせん断力検出素子及び1個の押圧力検出素子(すなわち計10個の電極)が必要となる従来の場合と比べて、部品点数を減らすことができるとともにセンサを小型化することができ、その分、製造コストを削減することができる。
【0011】
さらに、この3軸力センサによれば、1個の第2中央電極と4個の第1電極を用いて、所定平面に直交する方向の力を4箇所で検出できると同時に、直交2軸方向のせん断力を検出することができる。それにより、計10個の電極を用いて押圧力を1箇所でしか検出できない従来の場合と比べて、所定平面に直交する方向の力の検出領域を拡大することができる。これに加えて、複数の第2周辺電極及び複数の第1周辺電極を用いて、所定平面に直交する方向の力をさらに複数箇所で検出することができるので、所定平面に直交する方向の力の検出領域をさらに拡大することができる。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の3軸力センサ100~104において、複数の第2周辺電極は、一対の第2周辺電極を含んでおり、一対の第2周辺電極は、複数の第1周辺電極側に向かって見たときに、一方の直線を間にして他方の直線に沿うように配置されていることを特徴とする。
【0016】
この3軸力センサによれば、複数の第2周辺電極が一対の第2周辺電極を含んでおり、一対の第2周辺電極は、複数の第1周辺電極側に向かって見たときに、一方の直線を間にして他方の直線に沿うように配置されているので、一対の第2周辺電極と、これらに対向する第1周辺電極との間の静電容量の変化に基づいて、一対の第2周辺電極の一方に作用する、所定平面に直交する方向の力と、一対の第2周辺電極の他方に作用する、所定平面に直交する方向の力とを検出することができる。その結果、これら2つの力の差と、一方の直線からの距離とに基づいて、柔軟部材に作用しているモーメントを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る3軸力センサなどの構成を示す平面図である。
【
図3】力が3軸力センサに作用したときの静電容量の変化を示す図である。
【
図4A】せん断力が3軸力センサに作用していないときの第1電極及び第2電極の位置関係を示す平面図である。
【
図4B】せん断力が3軸力センサに作用したときの第1電極及び第2電極の位置関係を示す平面図である。
【
図6】シールド層を備えた3軸力センサを示す図である。
【
図7】物体の接近検出用の電極を備えた3軸力センサを示す図である。
【
図8】物体の接近検出用の2つの電極を備えた3軸力センサを示す図である。
【
図9】第2実施形態に係る3軸力センサなどの構成を示す平面図である。
【
図12】第1電極及び第2電極の配置を示す平面図である。
【
図13】3軸力センサに作用するモーメントの説明図である。
【
図15】シールド層を備えた3軸力センサを示す図である。
【
図16】物体の接近検出用の電極を備えた3軸力センサを示す図である。
【
図17】物体の接近検出用の2つの電極を備えた3軸力センサを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る3軸力センサについて説明する。本実施形態の
図1に示す3軸力センサ1は、図示しない電線を介して力検出装置40に接続されている。この力検出装置40は、後述するように、3軸力センサ1による静電容量C1~C9の検出結果に基づいて、3軸力センサ1に作用する直交3軸方向の力を検出するものである。
【0019】
本実施形態の3軸力センサ1は、
図1及び
図2に示すように、電極支持体10、9個の第1電極11~19及び9個の第2電極21~29などを備えている。
【0020】
なお、以下の説明では、便宜上、
図1の左側を「左」、
図1の右側を「右」、
図1の下側を「前」、
図1の上側を「後ろ」、
図1の手前側を「上」、
図1の奥側を「下」という。
【0021】
電極支持体10は、誘電性及び弾性(又は可撓性)を有する半透明のシリコンゴムで構成され、中実の直方体形状を有している。なお、本実施形態では、電極支持体10が柔軟部材に相当する。
【0022】
9個の第1電極11~19の各々は、板状のフレキシブル電極で構成され、図示しないフレキシブル電線を介して、力検出装置40に接続されている。また、9個の第1電極11~19の各々は、電極支持体10の下面と面一の状態で電極支持体10に取り付けられている(
図2参照)。
【0023】
5つの第1電極11,13,15,17,19の各々は、これらを平面視した場合、同じサイズの正方形に形成されており、残り4つの第1電極12,14,16,18の各々は、これらを平面視した場合、第1電極11の半分のサイズの長方形に形成されている。また、9個の第1電極11~19は、これらを平面視した場合、各辺が互いに平行になるように配置されている。
【0024】
また、5つの第1電極11,13,15,17,19においては、これらを平面視した場合、4つの第1電極11,13,17,19の中心が正方形を形成するとともに、第1電極15がその正方形の中心に位置するように配置されている。なお、本実施形態では、第1電極15が第1中央電極に相当し、第1電極11~14,16~19が第1周辺電極相当する。
【0025】
一方、第1電極12は、その前縁が2つの第1電極11,13の中心を通る直線と一致する状態で、2つの第1電極11,13間の中央の位置に配置されている。また、第1電極14は、その右縁が2つの第1電極11,17の中心を通る直線と一致する状態で、2つの第1電極11,17間の中央の位置に配置されている。
【0026】
さらに、第1電極16は、その左縁が2つの第1電極13,19の中心を通る直線と一致する状態で、2つの第1電極13,19間の中央の位置に配置されている。一方、第1電極18は、その後ろ縁が2つの第1電極17,19の中心を通る直線と一致する状態で、2つの第1電極17,19間の中央の位置に配置されている。
【0027】
以上により、3軸力センサ1においては、前後一対の第1電極18,12の中心間を結んだ直線が、左右一対の第1電極14,16の中心間を結んだ直線と直交するとともに、前後一対の第1電極18,12の中心間の距離と、左右一対の第1電極14,16の中心間の距離が同一になるように構成されている。なお、本実施形態では、前後一対の第1電極18,12及び左右一対の第1電極14,16の一方が、一対の第1電極に相当し、他方が他の一対の第1電極に相当する。
【0028】
一方、9個の第2電極21~29の各々は、板状のフレキシブル電極で構成され、図示しないフレキシブル電線を介して、力検出装置40に接続されている。9個の第2電極21~29の各々は、これらを平面視した場合、第1電極11よりも小さいサイズの正方形に形成されており、電極支持体10の上面から所定距離分、下方の位置において電極支持体10の上面に平行な姿勢で、電極支持体10に内蔵されている(
図2参照)。
【0029】
5つの第2電極21,23,25,27,29はそれぞれ、これらを平面視した場合、5つの第1電極11,13,15,17,19と同心に配置されている。すなわち、4つの第2電極21,23,27,29の中心が正方形を形成するとともに、第2電極25がその正方形の中心に位置するように配置されている。
【0030】
また、第2電極22は、これを平面視した場合、その後ろ半部が第1電極12と重なる状態で、2つの第2電極21,23間の中央の位置に配置されている。さらに、第2電極24は、これを平面視した場合、その左半部が第1電極14と重なる状態で、2つの第2電極21,27間の中央の位置に配置されている。
【0031】
一方、第2電極26は、これを平面視した場合、その右半部が第1電極16と重なる状態で、2つの第2電極23,29間の中央の位置に配置されている。また、第2電極28は、その下半部が第1電極18と重なる状態で、2つの第2電極27,29間の中央の位置に配置されている。
【0032】
以上により、3軸力センサ1においては、2つの第2電極22,28の中心間を結んだ直線が、2つの第2電極24,26の中心間を結んだ直線と直交するとともに、2つの第2電極22,28の中心間の距離と、2つの第2電極24,26の中心間の距離が同一になるように構成されている。なお、本実施形態では、第2電極25が第2中央電極に相当し、第2電極21~24,26~29が第2周辺電極に相当する。
【0033】
一方、力検出装置40は、電気回路及びマイクロコンピュータを組み合わせて構成されている。この力検出装置40では、2つの第1電極11及び第2電極21の間に電圧を印加することにより、これらの電極11,21の間の静電容量C1が検出され、2つの第1電極12及び第2電極22の間に電圧を印加することにより、これらの電極12,22の間の静電容量C2が検出される。
【0034】
さらに、以上と同様の手法により、静電容量C3が2つの第1電極13及び第2電極23の間の静電容量として、静電容量C4が2つの第1電極14及び第2電極24の間の静電容量として、静電容量C5が2つの第1電極15及び第2電極25の間の静電容量としてそれぞれ検出される。
【0035】
これに加えて、静電容量C6が2つの第1電極16及び第2電極26の間の静電容量として、静電容量C7が2つの第1電極17及び第2電極27の間の静電容量として、静電容量C8が2つの第1電極18及び第2電極28の間の静電容量として、静電容量C9が2つの第1電極19及び第2電極29の間の静電容量としてそれぞれ検出される。
【0036】
これらの静電容量C1~C9は、直交3軸方向の力が3軸力センサ1に対して作用した際、
図3に示すように変化する。なお、
図3では、静電容量が上昇することを「Up」と表記し、静電容量が低下することを「Down]と表記する。同図に示すように、下向きの力(すなわち荷重)が3軸力センサ1に対して作用した場合、9個の静電容量C1~C9がいずれも上昇する。
【0037】
また、左向き力(左向きのせん断力)が3軸力センサ1に対して作用した場合、静電容量C4が上昇するとともに、静電容量C6が低下する。これは、以下の理由による。すなわち、力が3軸力センサ1に作用していない
図4Aに示す状態から、
図4Bに示すように、左向きの力Fxが3軸力センサ1に作用した場合、上下方向に並んだ2つの第1電極14及び第2電極24においては、両者のオーバーラップする面積が
図4B中のハッチングで示す分だけ増大し、それに伴い、静電容量C4が上昇することになる。
【0038】
これと同時に、上下方向に並んだ2つの第1電極16及び第2電極26においては、両者のオーバーラップする面積が
図4B中のハッチングで示す分だけ減少し、それに伴い、静電容量C6が低下することになる。また、上記以外の上下方向に並んだ2つの第1電極及び第2電極においては、両者のオーバーラップする面積が変化しないことで、静電容量が変化しない状態となる。
【0039】
一方、右向き力(右向きのせん断力)が3軸力センサ1に対して作用した場合、左向き力が作用した場合とは逆に、静電容量C4が低下するとともに、静電容量C6が上昇する状態になる。
【0040】
さらに、前向き力(前向きのせん断力)が3軸力センサ1に対して作用した場合、上下方向に並んだ2つの第1電極12及び第2電極22において、両者のオーバーラップする面積が減少するとともに、上下方向に並んだ2つの第1電極18及び第2電極28において、両者のオーバーラップする面積が増大することになる。それに伴い、静電容量C2が低下するとともに、静電容量C8が上昇する状態になる。
【0041】
また、後ろ向き力(後ろ向きのせん断力)が3軸力センサ1に対して作用した場合、2つの第1電極12及び第2電極22において、両者のオーバーラップする面積が増大するとともに、2つの第1電極18及び第2電極28において、両者のオーバーラップする面積が減少することになる。それに伴い、静電容量C2が上昇するとともに、静電容量C8が低下する状態になる。
【0042】
以上の原理に基づき、力検出装置40では、9個の静電容量C1~C9が3軸力センサ1を用いて検出され、これらの9個の静電容量C1~C9に基づき、図示しない演算式によって、3軸力センサ1に対して作用する下向きの力(荷重)、左右方向に作用するせん断力及び前後方向に作用するせん断力が演算される。すなわち、3軸力センサ1に対して作用する直交3軸方向の力が検出される。
【0043】
以上のように、第1実施形態の3軸力センサ1よれば、9個の第1電極11~19が、電極支持体10の底面に面一の状態で電極支持体10に取り付けられており、9個の第2電極21~29が、9個の第1電極11~19に対して平行な姿勢で電極支持体10に取り付けられている。したがって、下向き力が電極支持体10に作用した際、9個の第2電極21~29の各々と、9個の第1電極11~19の各々との間の距離が変化することになり、それに伴う静電容量C1~C9の変化に基づいて、電極支持体10に作用している力を計9箇所で検出することができる。すなわち、分布荷重が電極支持体10に作用した場合でも、その分布荷重を検出することができる。
【0044】
また、左向き及び右向きのせん断力が3軸力センサ1に対して作用した場合、2つの第1電極14及び第2電極24の間の静電容量C4と、2つの第1電極16及び第2電極26の間の静電容量C6とが変化する。これと同様に、前向き及び後ろ向きのせん断力が3軸力センサ1に対して作用した場合、2つの第1電極12及び第2電極22の間の静電容量C2と、2つの第1電極18及び第2電極28間の静電容量C8とが変化することになる。したがって、これらの静電容量C2,C4,C6,C8の変化に基づいて、前後方向及び左右方向のせん断力を検出することができる。
【0045】
さらに、計8個の電極(第1電極12,14,16,18と第2電極22,24,26,28)を用いて、直交3軸方向の力を検出することができるので、計10個の電極が必要となる従来の場合と比べて、部品点数を減らすことができるとともにセンサを小型化することができ、その分、製造コストを削減することができる。
【0046】
これに加えて、この3軸力センサ1よれば、後述する原理により、第2電極25の中心を通って前後方向及び左右方向に延びる直線周りのモーメントも検出することができる。
【0047】
なお、第1実施形態は、3軸力センサ1が中実の電極支持体10を備えている例であるが、これに代えて、
図5に示すように、3軸力センサ1Aが中空の電極支持体10A(柔軟部材)を備えるように構成してもよい。この3軸力センサ1Aの場合、複数の空隙10aが電極支持体10Aの内部に形成されているとともに、下向きの力が作用した際、第1電極11~19と第2電極21~29が短絡することがないように構成されている。
【0048】
この3軸力センサ1Aによれば、空隙10aが電極支持体10A内に形成されていることにより、せん断力が電極支持体10Aに作用した際、上下方向に並んだ2つの第1電極及び第2電極の間における左右方向及び前後方向のずれが、第1実施形態の電極支持体10よりも発生しやすくなる。それにより、この3軸力センサ1Aによれば、せん断力の検出感度を第1実施形態の3軸力センサ1よりも向上させることができる。
【0049】
また、
図6に示すように、3軸力センサ1Bを構成してもよい。この3軸力センサ1Bは、シールド層30を備えており、このシールド層30は、第2電極21~29よりも上側に配置された状態で、電極支持体10に内蔵されている。この3軸力センサ1Bによれば、シールド層30の効果によって、外部からのノイズの影響を抑制することができ、3軸力の検出精度を向上させることができる。
【0050】
さらに、
図7に示すように、3軸力センサ1Cを構成してもよい。この3軸力センサ1Cは、シールド層30の上側に電極31をさらに備えている。この電極31は、指Qなどの物体の接近を検出するためのものであり、発振回路及び力検出装置(いずれも図示せず)に接続されている。電極31は、発振回路によって駆動されることにより電界を発生する。力検出装置は、物体が電極31が発生する電界内に進入した際、電極31の静電容量の変化に基づいて、物体の接近を検出する。以上のように、この3軸力センサ1Cによれば、3軸力を検出できることに加えて、物体の接近を検出することができる。
【0051】
また、
図8に示すように、3軸力センサ1Dを構成してもよい。この3軸力センサ1Dは、シールド層30の上側に、2つの電極32,33をさらに備えている。これら電極32,33は、指Qなどの物体の接近を検出するためのものであり、力検出装置(図示せず)に接続されている。力検出装置は、電圧を電極32,33に印可し、電極32,33間の静電容量の変化に基づいて、物体の接近を検出する。以上のように、この3軸力センサ1Dによれば、上記の3軸力センサ1Cと同様に、3軸力を検出できることに加えて、物体の接近を検出することができる。
【0052】
なお、第1実施形態は、柔軟部材として、シリコンゴムで構成された電極支持体10を用いた例であるが、本発明の柔軟部材は、これに限らず、誘電性及び弾性を有するものであればよい。例えば、柔軟部材として、チオフェン系導電性高分子もしくはPSSなどの導電性樹脂、PVCゲル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂もしくはエポキシ系樹脂、または、これらの任意の組み合わせの複合材料などの誘電体を用いてもよい。
【0053】
また、第1実施形態は、柔軟部材として、直方体状の電極支持体10を用いた例であるが、これに代えて、小判形状及び円筒形状などの様々な形状の柔軟部材を用いてもよい。
【0054】
一方、第1実施形態は、5個の第1電極11,13,15,17,19及び5個の第2電極21,23,25,27,29として、平面視正方形のものを用いた例であるが、これらに代えて、平面視したときに正方形以外の多角形のもの、又は円形のものなどを用いてもよい。その場合、せん断力が電極支持体10に作用したときに、5個の第2電極21,23,25,27,29と5個の第1電極11,13,15,17,19との間のオーバーラップ面積が変化しないように構成すればよい。
【0055】
さらに、第1実施形態は、4個の第1電極12,14,16,18として、平面視矩形のものを用いた例であるが、これらに代えて、平面視したときに対称性を有する形状のものを用いてもよい。
【0056】
また、第1実施形態は、4個の第2電極22,24,26,28として、平面視正方形のものを用いた例であるが、これに代えて、平面視したときに正方形以外の矩形のものを用いてもよく、平面視したときに対称性を有する形状のものを用いればよい。
【0057】
一方、第1実施形態は、9個の第1電極を、複数の第1電極として用いた例であるが、これに代えて、8個以下又は10個以上の第1電極を、複数の第1電極として用いてもよい。また、8個の第1周辺電極を、複数の第1周辺電極として用いた例であるが、これに代えて、7個以下又は9個以上の第1周辺電極を、複数の第1周辺電極として用いてもよい。
【0058】
また、第1実施形態は、9個の第2電極を、複数の第2電極として用いた例であるが、これに代えて、8個以下又は10個以上の第2電極を、複数の第2電極として用いてもよい。また、8個の第2周辺電極を、複数の第2周辺電極として用いた例であるが、これに代えて、7個以下又は9個以上の第2周辺電極を、複数の第2周辺電極として用いてもよい。
【0059】
以下、図面を参照しながら、本発明の第2実施形態に係る3軸力センサについて説明する。
図9~12に示すように、第2実施形態の3軸力センサ100は、第1実施形態の3軸力センサ1と比較した場合、第1電極11~19及び第2電極21~29に代えて、12個の第1電極111~122及び9個の第2電極201~209を備えている点が異なっているので、以下、これらの第1電極111~122及び第2電極201~208を中心に説明する。また、第1実施形態と同一の構成に対しては同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0060】
12個の第1電極111~122の各々は、板状のフレキシブル電極で構成され、図示しないフレキシブル電線を介して、力検出装置40に接続されている。また、12個の第1電極111~122の各々は、
図11に示すように、これらを平面視した場合、互いに同じサイズの正方形に形成されているとともに、各辺が互いに平行になるように配置されている。また、12個の第1電極111~122は、電極支持体10の底面から所定距離分、上方の位置に配置され、電極支持体10の底面に平行な姿勢で電極支持体10に内蔵されている(
図10参照)。
【0061】
12個の第1電極111~122のうち、4個の第1電極111~114は、これらを平面視した場合、電極支持体10の中央部付近に配置され、前後一対の第1電極111,112の中心間を結んだ直線L1が、左右一対の第1電極113,114の中心間を結んだ直線L2と電極支持体10の中心点で直交するとともに、前後の第1電極111,112の中心間の距離と、左右の第1電極113,114の中心間の距離が同一になるように配置されている(
図12参照)。
【0062】
これらの4個の第1電極111~114の各々は、平面視した場合、第2電極201がその半部に重なるように設けられている。すなわち、第2電極20は、第1電極111の後ろ半部、第1電極112の前半部、第1電極113の右半部及び第1電極114の左半部に重なるように設けられている。
【0063】
また、残りの8個の第1電極115~122は、これらを平面視した場合、4個の第1電極111~114を取り囲むとともに、電極支持体10の中心点に対して点対称になるように配置されている。より具体的には、2つの第1電極115,116は、直線L1から所定距離L分、左方に離間しているとともに、直線L2に対して前後方向に等間隔に配置されている。また、2つの第1電極117,118は、直線L1を間にして、2つの第1電極115,116と線対称の状態で配置されている。
【0064】
さらに、2つの第1電極119,120は、直線L2から所定距離L分、前方に離間しているとともに、直線L1に対して左右方向に等間隔に配置されている。また、2つの第1電極121,122は、直線L2を間にして、2つの第1電極119,120と線対称の状態で配置されている。なお、本実施形態では、前後一対の第1電極111,112及び左右一対の第1電極113,114の一方が一対の第1電極に相当し、他方が他の一対の第1電極に相当し、第1電極115~122が第1周辺電極に相当する。
【0065】
一方、9個の第2電極201~209の各々は、板状のフレキシブル電極で構成され、図示しないフレキシブル電線を介して、力検出装置40に接続されている。また、9個の第2電極201~209は、電極支持体10の上面から所定距離分、下方の位置に配置され、電極支持体10の上面に平行な姿勢で電極支持体10に内蔵されている(
図10参照)。
【0066】
さらに、9個の第2電極201~209の各々は、
図9に示すように、平面視正方形に形成され、各辺が互いに平行になるとともに、各辺が第1電極111~122の各辺と互いに平行になるように配置されている。
【0067】
9個の第2電極201~209のうち、第2電極201は、中央に配置され、それ以外の第2電極202~209よりも大きいサイズを有している。この第2電極201は、前述したように、平面視した場合、4個の第1電極111~114の半部に重なるように配置されている。
【0068】
さらに、8個の第2電極202~209は、平面視した場合、第2電極201を取り囲むように設けられており、第1電極111~122と同じサイズを有しているとともに、8個の第1電極115~122と同心に配置されている。すなわち、8個の第2電極202~209はそれぞれ、平面視した場合、8個の第1電極115~122と全体が重なるように配置されている。なお、本実施形態では、第2電極201が第2中央電極に相当し、第2電極202~209が第2周辺電極に相当する。
【0069】
以上のように、第2実施形態の3軸力センサ100よれば、12個の第1電極111~122が、電極支持体10の上面に平行な姿勢で電極支持体10に取り付けられており、9個の第2電極201~209が、12個の第1電極111~122に対して間隔を存しながら対向するように電極支持体10に取り付けられている。さらに、1個の第2電極201は、これを平面視した場合、4つの第1電極111~114の半部が第2電極201に重なるように配置されている。
【0070】
したがって、下向き力が電極支持体10に作用した際、9個の第2電極201~209の各々と、12個の第1電極111~122の各々との間の距離が変化することになり、それに伴う静電容量の変化に基づいて、電極支持体10に作用している下向き力を計12箇所で検出することができる。すなわち、分布荷重が電極支持体10に作用した場合でも、その分布荷重を検出することができる。
【0071】
また、4個の第1電極111~114は、これらを平面視した場合、前後一対の第1電極111,112の中心間を結んだ直線L1が、左右一対の第1電極113,114の中心間を結んだ直線L2と電極支持体10の中心点で直交するとともに、前後の第1電極111,112の中心間の距離と、左右の第1電極113,114の中心間の距離が同一になるように配置されている。
【0072】
したがって、せん断力が電極支持体10に作用した際、電極支持体10が弾性変形するのに伴い、4個の第1電極111~114と第2電極201の間において、互いに対向する面のオーバーラップ面積が変化し、静電容量が変化することになる。それにより、これらの静電容量の変化に基づき、直交2軸方向のせん断力を検出することができる。
【0073】
さらに、計5個の電極(第1電極111~114と第2電極201)を用いて、直交3軸方向の力を検出することができるので、計10個の電極が必要となる従来の場合と比べて、部品点数を減らすことができるとともにセンサを小型化することができ、その分、製造コストを削減することができる。
【0074】
また、3軸力センサ100によれば、第2電極201の左右方向及び上下方向の中心を通って前後方向に延びる直線と、第2電極201の前後方向及び上下方向の中心を通って左右方向に延びる直線とを想定した場合、これら2つの直線周りのモーメントも検出可能である。以下、その原理について説明する。
【0075】
まず、
図13に示すように、xyz軸をそれぞれ、奥行き方向がx軸の正値側、右方向がy軸の正値側、上方向がz軸の正値側になるように設定した場合において、第2電極201の左右方向及び上下方向の中心Oを回転中心とするx軸周りのモーメントMxを検出する原理について説明する。
【0076】
ここで、第2電極203と第1電極116の間の静電容量をC_leftとし、誘電率をε、電極面積をS、電極間距離をZ_leftとした場合、下式(1)が成立する。
C_left=ε・(S/Z_left) ・・・(1)
【0077】
これと同様に、第2電極205と第1電極118の間の静電容量をC_right、誘電率をε、電極面積をS、電極間距離をZ_rightとした場合、下式(2)が成立する。
C_right=ε・(S/Z_right) ・・・(2)
【0078】
また、第2電極203側に作用する下向き力をFx_left、比例係数をk、下向き力Fx_leftに起因する静電容量C_leftの変化量をΔC_leftとした場合、下式(3)が成立する。
Fx_left=k・ΔC_left ・・・(3)
【0079】
これと同様に、第2電極205に作用する下向き力をFx_right、比例係数をk、下向き力Fx_rightに起因する静電容量C_rightの変化量をΔC_rightとした場合、下式(4)が成立する。
Fx_right=k・ΔC_right ・・・(4)
【0080】
さらに、中心Oから作用点までの腕の長さは前述した値Lとなるので、モーメントMxは、下式(5)によって算出/検出できることになる。
Mx=L・(Fx_left-Fx_right) ・・・(5)
【0081】
以上と同様に原理により、第2電極201の前後方向及び上下方向の中心を回転中心とするy軸周りのモーメントも算出/検出できることになる。したがって、本実施形態の3軸力センサ100によれば、3軸力に加えて、2軸周りのモーメントも検出することができる。
【0082】
なお、説明は省略するが、第1実施形態の3軸力センサ1においても、以上と同じ原理により、3軸力に加えて、2軸周りのモーメントも検出することが可能である。
【0083】
また、第2実施形態の3軸力センサ100は、中実の電極支持体10を備えている例であるが、これに代えて、
図14に示すように、3軸力センサ101を、前述した3軸力センサ1Aと同様の中空の電極支持体10Aを備えるように構成してもよい。この3軸力センサ101の場合、下向きの力が作用した際、第1電極111~122と第2電極201~209が短絡することがないように構成されている。この3軸力センサ101によれば、前述した理由により、せん断力の検出感度を第2実施形態の3軸力センサ100よりも向上させることができる。
【0084】
また、
図15に示すように、3軸力センサ102を構成してもよい。この3軸力センサ102の場合、前述した3軸力センサ1Bと同様に、シールド層30を備えているので、その効果によって、外部からのノイズの影響を抑制することができ、3軸力の検出精度を向上させることができる。
【0085】
さらに、
図16に示すように、3軸力センサ103を構成してもよい。この3軸力センサ103は、前述した3軸力センサ1Cと同様に、シールド層30の上側に電極31をさらに備えている。したがって、この3軸力センサ103によれば、3軸力センサ1Cと同様に、3軸力を検出できることに加えて、物体の接近を検出することができる。
【0086】
また、
図17に示すように、3軸力センサ104を構成してもよい。この3軸力センサ104は、前述した3軸力センサ1Dと同様に、シールド層30の上側に、2つの電極32,33をさらに備えている。したがって、この3軸力センサ104によれば、3軸力センサ1Dと同様に、3軸力を検出できることに加えて、物体の接近を検出することができる。
【0087】
なお、第2実施形態は、8個の第1電極115~122及び8個の第2電極202~209として、平面視正方形のものを用いた例であるが、これらに代えて、平面視したときに正方形以外の多角形のもの、又は円形のものなどを用いてもよい。
【0088】
また、第2実施形態は、4個の第1電極111~114として、平面視正方形のものを用いた例であるが、これらに代えて、4個の第1電極111~114として、平面視したときに対称性を有する形状のものを用いてもよい。
【0089】
さらに、第2実施形態は、直線L1から2個の第2電極202,203までの距離と、直線L1から2個の第2電極204,205までの距離を同一とした例であるが、これらの距離を異なるように構成してもよく、その場合にも、x軸周りのモーメントを検出することができる。
【0090】
これと同様に、直線L2から2個の第2電極206,207までの距離と、直線L2から2個の第2電極208,209までの距離を同一とした例であるが、これらの距離を異なるように構成してもよく、その場合にも、y軸周りのモーメントを検出することができる。
【0091】
また、第2実施形態は、8個の第1電極を、複数の第1周辺電極として用いた例であるが、これに代えて、7個以下又は9個以上の第1電極を、複数の第1周辺電極として用いてもよい。
【0092】
さらに、第2実施形態は、8個の第2電極を、複数の第2周辺電極として用いた例であるが、これに代えて、7個以下又は9個以上の第2電極を、複数の第2周辺電極として用いてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1 3軸力センサ
1A~1D 3軸力センサ
10 電極支持体(柔軟部材)
10A 電極支持体(柔軟部材)
11~14 第1電極(第1周辺電極)
15 第1電極(第1中央電極)
16~19 第1電極(第1周辺電極)
21~24 第2電極(第2周辺電極)
25 第2電極(第2中央電極)
26~29 第2電極(第2周辺電極)
100 3軸力センサ
101~104 3軸力センサ
111~114 第1電極(一対の第1電極、他の一対の第1電極)
115~122 第1電極(第1周辺電極)
201 第2電極(第2中央電極)
202~209 第2電極(第2周辺電極)
L1 第1直線
L2 第2直線