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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】飲料消費システム及び飲料消費方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20240925BHJP
【FI】
G06Q50/12
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022123624
(22)【出願日】2022-08-02
(62)【分割の表示】P 2021072937の分割
【原出願日】2021-04-22
(65)【公開番号】P2022167904
(43)【公開日】2022-11-04
【審査請求日】2023-09-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510218087
【氏名又は名称】有限会社フロンティア
(73)【特許権者】
【識別番号】521178482
【氏名又は名称】株式会社イーキンコ
(73)【特許権者】
【識別番号】713009208
【氏名又は名称】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川原 和紀
(72)【発明者】
【氏名】細野 太一
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-073075(JP,A)
【文献】特開2001-325338(JP,A)
【文献】特開2017-033456(JP,A)
【文献】特開2017-208105(JP,A)
【文献】特開2003-016163(JP,A)
【文献】特開2017-016661(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1のコンピュータ装置を備え、価格帯の異なる飲料ごとに設定された仮想飲料の消費可能量を減少させることに応じて、ユーザに、該仮想飲料に対応する飲料を消費させるための飲料消費システムであって、
価格帯の異なる飲料ごとに仮想飲料を設定する飲料設定手段と、
ユーザが仮想飲料を購入する飲料購入手段と、
ユーザ毎の仮想飲料の消費可能量を記憶する残量記憶手段と、
ユーザが飲料を消費することに対応して、該飲料に対応する仮想飲料の消費可能量を減少させる第一消費可能量更新手段と
を備える、飲料消費システム。
【請求項2】
購入時から所定の期間を経過した仮想飲料に対応する消費可能量を減少させる第四消費可能量更新手段と
を備え、
飲料購入手段において、ユーザが第一の仮想飲料又は第二の仮想飲料を購入し、
第一消費可能量更新手段が、第一の仮想飲料及び第二の仮想飲料が同じ種類の仮想飲料であるとき、購入時期が早い仮想飲料から優先して、仮想飲料の消費可能量を減少させる、請求項1に記載の飲料消費システム。
【請求項3】
少なくとも1のコンピュータ装置を備える飲料消費システムであって、
ユーザが一の仮想飲料を購入する第一飲料購入手段と、
ユーザが第二の仮想飲料を購入する第二飲料購入手段と、
ユーザ毎の仮想飲料の消費可能量を記憶する残量記憶手段と、
ユーザが飲料を消費することに対応して、仮想飲料の消費可能量を減少させる第一消費可能量更新手段と、
購入時から所定の期間を経過した仮想飲料に対応する消費可能量を減少させる第四消費可能量更新手段と
ユーザが操作するユーザ端末の操作に応じて、所定の期間を延長する期間延長手段と
を備え、
第一消費可能量更新手段が、一の仮想飲料及び二の仮想飲料が同じ種類の仮想飲料であるとき、購入時期が早い仮想飲料から優先して、仮想飲料の消費可能量を減少させる、飲料消費システム。
【請求項4】
他のユーザが操作する他のユーザ端末を備え、
他のユーザ端末の操作により、一のユーザの仮想飲料の消費可能量を減少させる第二消費可能量更新手段と
を備える、請求項1~3のいずれかに記載の飲料消費システム。
【請求項5】
一のユーザの仮想飲料の消費可能量を減少させるとともに、他のユーザの仮想飲料の消費可能量について、該減少させた消費可能量に応じた消費可能量を増加させる第三消費可能量更新手段と
を備える、請求項1~3のいずれかに記載の飲料消費システム。
【請求項6】
複数の仮想飲料が設けられており、
第一消費可能量更新手段により仮想飲料の消費可能量を減少させることで消費することが可能な飲料が、仮想飲料ごとに異なる、請求項1~のいずれかに記載の飲料消費システム。
【請求項7】
ユーザが操作するユーザ端末と、ユーザ端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備え、
ユーザ端末の操作入力に応じて、飲料の飲み方を選択する飲み方選択手段と、
第一消費可能量更新手段が、選択した飲み方に応じて、ユーザの仮想飲料の消費可能量を減少させる、請求項1~のいずれかに記載の飲料消費システム。
【請求項8】
少なくとも1のコンピュータ装置を備え、価格帯の異なる飲料ごとに設定された仮想飲料の消費可能量を減少させることに応じて、ユーザに、該仮想飲料に対応する飲料を消費させるための飲料消費システムにおいて実行される飲料消費方法であって、
価格帯の異なる飲料ごとに対応する仮想飲料を設定する飲料設定ステップと、
仮想飲料を購入する飲料購入ステップと、
ユーザ毎の仮想飲料の消費可能量を記憶する残量記憶ステップと、
ユーザが飲料を消費することに対応して、該飲料に対応する仮想飲料の消費可能量を減少させる第一消費可能量更新ステップと
を有する、飲料消費方法。
【請求項9】
少なくとも1のコンピュータ装置を備える飲料消費システムを利用することで飲料を消費する飲料消費方法であって、
飲料消費システムが、
価格帯の異なる飲料ごとに仮想飲料を設定する飲料設定手段と、
ユーザが仮想飲料を購入する飲料購入手段と、
ユーザ毎の仮想飲料の消費可能量を記憶する残量記憶手段と、
仮想飲料の消費可能量を減少させる第一消費可能量更新手段と
を備え、
第一消費可能量更新手段により仮想飲料の消費可能量を減少させることに応じて、ユーザに、該仮想飲料に対応する飲料を消費させる、飲料消費方法。
【請求項10】
少なくとも1のコンピュータ装置を備える飲料消費システムにおいて実行される飲料消費方法であって、
一の仮想飲料を購入する第一飲料購入ステップと、
第二の仮想飲料を購入する第二飲料購入ステップと、
ユーザ毎の仮想飲料の消費可能量を記憶する残量記憶ステップと、
ユーザが飲料を消費することに対応して、仮想飲料の消費可能量を減少させる第一消費可能量更新ステップと、
購入時から所定の期間を経過した仮想飲料に対応する消費可能量を減少させる第四消費可能量更新ステップと
ユーザが操作するユーザ端末の操作に応じて、所定の期間を延長する期間延長ステップと
を有し、
第一消費可能量更新ステップが、一の仮想飲料及び二の仮想飲料が同じ種類の仮想飲料であるとき、購入時期が早い仮想飲料から優先して、仮想飲料の消費可能量を減少させる、飲料消費方法。
【請求項11】
少なくとも1のコンピュータ装置を備える飲料消費システムを利用することで飲料を消費する飲料消費方法であって、
飲料消費システムが、
ユーザが一の仮想飲料を購入する第一飲料購入手段と、
ユーザが第二の仮想飲料を購入する第二飲料購入手段と、
ユーザ毎の仮想飲料の消費可能量を記憶する残量記憶手段と、
仮想飲料の消費可能量を減少させる第一消費可能量更新手段と、
購入時から所定の期間を経過した仮想飲料に対応する消費可能量を減少させる第四消費可能量更新手段と
ユーザが操作するユーザ端末の操作に応じて、所定の期間を延長する期間延長手段と
を備え、
第一消費可能量更新手段が、一の仮想飲料及び二の仮想飲料が同じ種類の仮想飲料であるとき、購入時期が早い仮想飲料から優先して、仮想飲料の消費可能量を減少させ、
第一消費可能量更新手段により仮想飲料の消費可能量を減少させることに応じて、ユーザに飲料を消費させる、飲料消費方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な飲料消費システム及び飲料消費方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、居酒屋やバーなどの飲食店では、顧客がボトルに入った焼酎やウイスキーなどの酒類を注文し、飲みきれなかったような場合に、そのボトルを一定期間キープしておくことが行われている。顧客は、次回の来店時に、キープしておいたボトルから残りのお酒を飲むことができる。
【0003】
このような中、酒類の残量を検出する残量検出手段と、前記酒類の残量を特定の管理単位による酒類の残量に単位変換する変換手段と、前記変換手段により変換された管理単位による酒類の残量を格納するデータベースとを備え、酒類の種類,店舗に拘わらず、酒類の残量を管理できる、酒類残量管理システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-325388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、新規な飲料消費システム及び飲料消費方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題は、
[1]少なくとも1のコンピュータ装置を備える飲料消費システムであって、ユーザが仮想飲料を購入する飲料購入手段と、ユーザ毎の仮想飲料の消費可能量を記憶する残量記憶手段と、ユーザが飲料を消費することに対応して、仮想飲料の消費可能量を減少させる第一消費可能量更新手段とを備える、飲料消費システム;
[2]他のユーザが操作する他のユーザ端末を備え、他のユーザ端末の操作により、一のユーザの仮想飲料の消費可能量を減少させる第二消費可能量更新手段とを備える、前記[1]に記載の飲料消費システム;
[3]一のユーザの仮想飲料の消費可能量を減少させるとともに、他のユーザの仮想飲料の消費可能量について、該減少させた消費可能量に応じた消費可能量を増加させる第三消費可能量更新手段とを備える、前記[1]に記載の飲料消費システム;
[4]購入時から所定の期間を経過した仮想飲料に対応する消費可能量を減少させる第四消費可能量更新手段と、所定の条件を満たすことで、所定の期間を延長する期間延長手段とを備える、前記[1]~[3]のいずれかに記載の飲料消費システム;
[5]複数の仮想飲料が設けられており、第一消費可能量更新手段により仮想飲料の消費可能量を減少させることで消費することが可能な飲料が、仮想飲料ごとに異なる、前記[1]~[4]のいずれかに記載の飲料消費システム;
[6]ユーザが操作するユーザ端末と、ユーザ端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備え、ユーザ端末の操作入力に応じて、飲料の飲み方を選択する飲み方選択手段と、第一消費可能量更新手段が、選択した飲み方に応じて、ユーザの仮想飲料の消費可能量を減少させる、前記[1]~[5]のいずれかに記載の飲料消費システム;
[7]少なくとも1のコンピュータ装置を備える飲料消費システムにおいて実行される飲料消費方法であって、仮想飲料を購入する飲料購入ステップと、ユーザ毎の仮想飲料の消費可能量を記憶する残量記憶ステップと、ユーザが飲料を消費することに対応して、仮想飲料の消費可能量を減少させる第一消費可能量更新ステップとを有する、飲料消費方法;
[8]少なくとも1のコンピュータ装置を備える飲料消費システムを利用すること飲料を消費する飲料消費方法であって、飲料消費システムが、ユーザが仮想飲料を購入する飲料購入手段と、ユーザ毎の仮想飲料の消費可能量を記憶する残量記憶手段と、仮想飲料の消費可能量を減少させる第一消費可能量更新手段とを備え、第一の消費可能量更新手段により仮想飲料の消費可能量を減少させることに応じて、ユーザに飲料を消費させる、飲料消費方法;
により達成することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、新規な飲料消費システム及び飲料消費方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態にかかる飲料消費システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態にかかるユーザ端末の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態にかかるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施の形態にかかる仮想ボトル購入処理のフローチャートを示す図である。
図5】本発明の実施の形態にかかる飲料消費処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について説明をするが、本発明の趣旨に反しない限り、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態にかかる飲料消費システムの構成を示すブロック図である。図示するように、飲料消費システムは、ユーザ端末1と、サーバ装置2と、店舗端末3と、通信ネットワーク4とから構成されている。例えば、ユーザ端末1は、ユーザが所有するものであり、ユーザにより仮想ボトルを購入する際に、或いは、ユーザが飲料を消費する際に操作される。ユーザ端末1は、通信ネットワーク4を介してサーバ装置2と通信接続が可能である。また、飲料消費システムは、複数のユーザ端末1を備えていてもよい。
【0011】
ユーザ端末1は、表示画面と入力部を有するコンピュータ装置であれば特に限定されない。ユーザ端末1は、据え置き型であってもよく、携帯型でユーザが移動する際に携帯することができるものであってもよい。ユーザ端末1としては、例えば、従来型の携帯電話、タブレット型端末、スマートフォン、デスクトップ型・ノート型のパーソナルコンピュータなどが挙げられる。
【0012】
また、店舗端末3は、通信ネットワーク4を介してサーバ装置2と通信接続が可能である。また、飲料消費システムは、複数の店舗端末3を備えていてもよい。店舗端末3は、例えば、同一店舗内のテーブルごとに設置されていてもよく、異なる店舗にそれぞれ設置されていてもよい。
【0013】
図2は、本発明の実施の形態にかかるユーザ端末の構成を示すブロック図である。ユーザ端末1は、制御部11、RAM12、ストレージ部13、グラフィックス処理部14、通信インタフェース15、インタフェース部16からなり、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0014】
制御部11は、CPUやROMから構成される。制御部11は、ストレージ部13に格納されたプログラムを実行し、ユーザ端末1の制御を行なう。RAM12は、制御部11のワークエリアである。ストレージ部13は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部11は、プログラム及びデータをRAM12から読み出して処理を行なう。制御部11は、RAM12にロードされたプログラム及びデータを処理することで、描画命令をグラフィックス処理部14に出力する。
【0015】
グラフィックス処理部14は表示部18に接続されている。表示部18は表示画面19を有している。制御部11が描画命令をグラフィックス処理部14に出力すると、グラフィックス処理部14は、表示画面19上に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。ここで、表示部18はタッチセンサを備えるタッチパネルであってもよい。この表示部18のタッチパネルが入力部として機能する。
【0016】
通信インタフェース15は無線又は有線により通信ネットワーク4に接続が可能であり、通信ネットワーク4を介して、サーバ装置2とデータを送受信することが可能である。通信インタフェース15を介して受信したデータは、RAM12にロードされ、制御部11により演算処理が行われる。インタフェース部16には外部メモリ17(例えば、SDカード等)が接続されている。
【0017】
店舗端末3は、ユーザ端末1と同様の構成を備えている。例えば、店舗端末3は、制御部、RAM、ストレージ部、グラフィックス処理部、通信インタフェース、インタフェース部からなり、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0018】
図3は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。サーバ装置2は、制御部21、RAM22、ストレージ部23及び通信インタフェース24を少なくとも備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0019】
制御部21は、CPUやROMから構成され、ストレージ部23に格納されたプログラムを実行し、サーバ装置2の制御を行う。また、制御部21は時間を計時する内部タイマを備えている。RAM22は、制御部21のワークエリアである。ストレージ部23は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部21は、プログラム及びデータをRAM12から読み出し、ユーザ端末1から受信した情報等をもとに、プログラム実行処理を行う。
【0020】
まず、飲料消費システムにおける仮想ボトルの購入処理について説明する。図4は、本発明の実施の形態にかかる仮想ボトル購入処理のフローチャートを示す図である。ユーザは、ユーザ端末1にダウンロードされたアプリケーションプログラム(以下、専用アプリという)を起動し、サーバ装置2へアクセスすることで、飲料消費システムにログインをする(ステップS1)。
【0021】
ユーザが専用アプリにログインをすると、サーバ装置2から仮想ボトルについての情報がユーザ端末1に送信され、ユーザ端末1では、ユーザが購入することができる複数の仮想ボトルが表示される(ステップS2)。
【0022】
仮想ボトルは、例えば、「焼酎」、「ウイスキー」などのようにお酒の種類ごとに用意されている。また、仮想ボトルは、「芋焼酎A」、「芋焼酎B」、「芋焼酎C」といったように、同じ芋焼酎でも異なる種類の芋焼酎を利用できるようにしてもよい。例えば、「芋焼酎A」を購入した場合は、通常に購入すれば、1ボトルあたり1000~2000円の芋焼酎の数種類を飲むことができ、「芋焼酎B」を購入した場合は、1ボトルあたり2000~3000円の芋焼酎の数種類を飲むことができる。このように、仮想ボトルごとに対応するお酒(つまり飲むことができるお酒)を変えることができる。また、価格帯の異なるお酒ごとに対応する仮想ボトルを設定することができる。
【0023】
ユーザにより仮想ボトルのいずれかが選択されると(ステップS3)、決済処理が実行される(ステップS4)。決済処理は、例えば、クレジットカードや銀行振り込み等の公知の決済手段を用いることができる。決済処理により、ユーザから支払われた料金は、飲料消費システムの運営者に支払われる。
【0024】
決済処理が完了すると、ユーザIDと関連付けて、購入した仮想ボトルの種類と、その仮想ボトルにおける仮想飲料の消費可能量が、サーバ装置2のユーザ管理テーブルに登録される(ステップS5)。ステップS1~S5を経ることで、仮想ボトルの購入処理は終了する。
【0025】
仮想飲料は、現実の飲料に相当する仮想的なポイントであり、飲料と同様に「ml」を単位とすることができる。例えば、700mlの仮想ボトルを購入することは、700mlの現実のボトルを購入したことと同じであり、700mlの飲料を消費することが可能である。なお、ユーザが仮想ボトルを購入した段階では、ボトルの残量、つまり消費可能量は満量である。仮想ボトルごとに満量となる仮想飲料の量が異なっていてもよい。
【0026】
次に、第一の実施の形態にかかる飲料消費処理について説明する。図5は、本発明の実施の形態にかかる飲料消費処理のフローチャートを示す図である。ユーザは、飲料消費システムを利用可能な店舗にて、飲料の提供を受けることができる。例えば、ユーザはユーザ端末1を操作して、専用アプリを起動させ、サーバ装置2へアクセスしてログインを行う(ステップS11)。
【0027】
ユーザは、ユーザ端末1を操作して専用アプリに設けられた検索機能を用いて、店舗の検索を実行する(ステップS12)。店舗の検索が実行されると、サーバ装置2の店舗データベース内に記憶された店舗情報のうち、検索の条件に合致した店舗の情報のみが特定され、特定された店舗情報がサーバ装置2からユーザ端末1へ送信される。
【0028】
ステップS12では、例えば、これから利用しようとしている店舗や、今、現実に利用している店舗を検索することができる。店舗の検索は、地域や路線を選択して、選択した地域や路線を検索条件とすることもできれば、店舗名や店舗のジャンルなどのキーワードで検索することもできる。また、ユーザが所有している仮想ボトルに対応する酒類を取り扱っている店舗のみを検索することもできる。
【0029】
ステップS12での店舗検索の結果、検索した条件に合致した店舗が表示画面に表示され(ステップS13)、その中でユーザが飲料の消費を行うことを希望する店舗を選択する(ステップS14)。店舗を選択すると、その店舗内で利用できる仮想ボトルが表示される(ステップS15)。この際、店舗内で利用できる仮想ボトルであれば、ユーザが利用できるか否かにかかわらず表示されてもよく、店舗内で利用でき、且つ、ユーザが利用できる店舗のみが表示されてもよい。
【0030】
ユーザは、ユーザ端末1に表示された仮想ボトルの中から、利用する仮想ボトル及び消費する飲料の量や飲み方を選択する(ステップS16)。たとえば、飲料がウイスキーである場合は、「シングル」、「ダブル」のいずれであるか、飲み方としては、ストレート、オンザロック、水割り、ソーダ割りのいずれであるか等を選択できる。仮想ボトル、飲料の消費量や飲み方を選択すると、ユーザIDと仮想ボトルの種類や消費量等の情報を特定できる2次元コードが生成され、ユーザ端末1の表示画面に表示される(ステップS17)。
【0031】
表示された2次元コードは、店舗の店員により、店舗に設置された店舗端末3にて読み取られる(ステップS18)。店舗端末3では、読み取ったユーザIDと仮想ボトルの種類や消費量等の消費情報及び、店舗を特定する店舗ID等の店舗情報をサーバ装置2へ送信する(ステップS19)。サーバ装置2にて、ユーザIDと仮想ボトルの種類や消費量等の消費情報、及び、店舗情報を受信すると(ステップS20)、ユーザ管理テーブルが更新される(ステップS21)。具体的には、消費情報に対応するユーザID、仮想ボトルの種類に対応する仮想飲料の消費可能量から、受信した消費量分が減量される。店舗では、ユーザに対して、仮想ボトルに対応する種類の飲料が、仮想飲料の減量分に対応する量で提供される。ユーザは、提供された飲料を消費することができる。
【0032】
次に、サーバ装置2において、ステップS20にて受信した店舗情報に対応する店舗について、仮想飲料の減量分に対応する費用が売上データとして計上される(ステップS22)。売上計上される仮想飲料の減量分に対応する費用は、ユーザが仮想ボトルを購入する際に、飲料消費システムの運営者に支払われた費用の一部から支払われる。ステップS11~22の一連の処理により、飲料消費処理は終了する。
【0033】
次に、第二の実施の形態にかかる飲料消費処理について説明する。第一の実施の形態にかかる飲料消費処理では、ユーザが飲料を消費するために、ユーザ端末1の表示画面に2次元コードを表示させ、表示された2次元コードを店舗端末にて読み込み、ユーザIDと仮想ボトルの種類や消費量等の情報をサーバ装置2へ送信することにより、飲料の消費処理を実行することとしていたが、第二の実施の形態にかかる飲料消費処理では、店舗内の店舗端末やメニュー表に表示された2次元コードをユーザ端末にて読み込むことで、飲料の消費処理を実行することもできる。
【0034】
店舗には、例えば、仮想ボトル内の仮想飲料を消費するための2次元コードが表示されたメニュー表が設けられている。仮想飲料が複数ある場合は、これらの2次元コードも仮想飲料ごとに設けられる。また、店舗には、タブレット型の端末が備えられており、タブレット型の端末の表示画面に、複数の仮想飲料に対応する2次元コードをそれぞれ表示することができる。
【0035】
ユーザは、ユーザ端末1を操作して、これらの2次元コードをカメラ機能により読み取る。2次元コードが読み取られると、読み取られた情報がサーバ装置2へ送信され、サーバ装置2にて受信をする。この読み取られた情報には、ユーザID、店舗を特定するための情報、仮想ボトルの種類と消費量等に関する情報が少なくとも含まれている。ユーザ端末1からサーバ装置2へ送信される情報としては、2次元コードにて読み取られた情報だけでなく、ユーザが店舗内で利用しているテーブル番号等の情報が含まれていてもよい。テーブル番号の情報については、ユーザがユーザ端末1を操作することにより入力できる。
【0036】
サーバ装置2では、ユーザ管理テーブルにて、ユーザID、仮想ボトルの種類に対応する仮想飲料の消費可能量から、受信した消費情報の消費量分が減量される。また、サーバ装置2から、ユーザのテーブル番号、仮想ボトルの種類と消費量等に関する情報が、店舗端末3へ送信され、店舗端末3にてこれらの情報を受信する。店舗では、店舗端末3にて受信した情報をもとに、ユーザに対して、仮想ボトルに対応する種類の飲料が、仮想飲料の減量分に対応する量で提供される。ユーザは、提供された飲料を消費することができる。これらのステップを経ることにより、第二の実施の形態にかかる飲料消費処理は終了する。
【0037】
ところで、仮想ボトルの購入費用は、現実のボトルと同様、グラス一杯ずつ飲料を注文して同じだけの飲料を消費するよりも安価をなるように価格設定をすることができる。そのため、現実のボトルキープ制と同様に、購入した仮想ボトルを維持できる期間を設けることができる。例えば、仮想ボトルを維持できる期間を6か月と設定した場合は、仮想ボトルを購入してから6か月を経過した後に、まだ消費されていない消費可能量がある場合は、ユーザ管理テーブルにおいて、6か月を経過した未消費分の仮想飲料の消費可能量が減量される。
【0038】
異なる日時において、まだ未消費の仮想飲料が残っている仮想ボトルと、同じ種類の仮想ボトルを購入した場合は、ステップS21において、仮想ボトルを購入した時期が早いものに対応する仮想飲料から消費されるようにしてもよい。より早い時期に購入した仮想ボトルから優先して消費されるため、購入した仮想ボトルを維持できる期間を設けたとしても、仮想飲料の消費可能量が不適切に消滅することを防ぐことができる。
【0039】
ここでは、購入した仮想ボトルを維持することができる期間を設けることについて説明をしたが、所定の条件を満たした場合に(例えば、ユーザが期間を延長するための料金やポイントを支払った場合に)、この期間を延長することもできる。ユーザはユーザ端末1にて専用アプリにログインをし、期間の延長を要求し、決済処理を行うことで、仮想ボトルを維持することができる期間を延長することができる。
【0040】
ところで、ユーザが所有する仮想ボトルの仮想飲料は、その一部又は全部を、他のユーザに譲渡することができる。ユーザはユーザ端末1を操作し、専用アプリにログインし、仮想飲料の譲渡機能を起動する。ユーザは、ユーザ端末1を操作して、所有している仮想ボトルから、譲渡の対象となる仮想ボトルを選択し、譲渡する量を決定することができる。譲渡の対象となる仮想ボトル、譲渡する量を決定すると、譲渡元のユーザのユーザID、仮想ボトル、譲渡する量を特定できる2次元コードが生成される。生成された2次元コードは、ユーザ端末1の表示画面に表示される。
【0041】
他のユーザは、他のユーザが所有する他のユーザ端末を操作し、専用アプリにログインする。そして、他のユーザ端末にてユーザ端末1の表示画面に表示された2次元コードを読み取る。2次元コードから読み取られた、譲渡元のユーザのユーザID、仮想ボトル、譲渡する量に関する情報は、他のユーザのユーザIDとともに、他のユーザ端末からサーバ装置2へ送信される。サーバ装置2のユーザ管理テーブルでは、譲渡の対象となる仮想ボトルについて、譲渡元のユーザについては、譲渡量だけ消費可能量を減量し、他のユーザについては、譲渡量だけ消費可能量を増量することができる。
【0042】
なお、この他、ユーザが所有する仮想ボトルの仮想飲料の一部又は全部を、他のユーザに譲渡する方法としては、譲渡元のユーザから他のユーザに対して、譲渡元のユーザの仮想飲料を直接的に利用する権限を付与する方法があげられる。ユーザはユーザ端末1を操作し、専用アプリにログインし、仮想飲料の譲渡機能を起動する。ユーザは、ユーザ端末1を操作して、所有している仮想ボトルから、譲渡の対象となる仮想ボトルを選択することができる。譲渡の対象となる仮想ボトルを決定すると、譲渡元のユーザのユーザID、仮想ボトルを特定できる2次元コードが生成される。生成された2次元コードは、ユーザ端末1の表示画面に表示される。他のユーザは、他のユーザが所有する他のユーザ端末を操作し、専用アプリにログインする。そして、他のユーザ端末にて、ユーザ端末1の表示画面に表示された2次元コードを読み取ることで、ユーザの仮想飲料を直接的に利用する権限が他のユーザに付与される。
【0043】
権限が付与された他のユーザが他のユーザ端末を操作すると、ステップS15~S22の処理が実行される。ステップS21では、ユーザ管理テーブルが更新される。具体的には、譲渡元のユーザのユーザID、譲渡の対象である仮想ボトルの種類に対応する仮想飲料の消費可能量から、ステップS20にて受信した消費量分が減量される。店舗では、他のユーザに対して、仮想ボトルに対応する種類の飲料が、仮想飲料の減量分に対応する量で提供され、他のユーザは、提供された飲料を消費することができる。
【0044】
ここでは、譲渡元のユーザから他のユーザに対して権限を付与するための方法として、2次元コードを利用することとしたが、他の方法によっても実現することが可能である。例えば、譲渡物のユーザが操作するユーザ端末1において、譲渡先の他のユーザのユーザIDを入力することで、権限を付与することもできる。この場合、譲渡元のユーザのユーザ端末1からサーバ装置2へ、譲渡先の他のユーザのユーザIDが送信され、サーバ装置2から、送信されたユーザIDに対応する譲渡先の他のユーザが操作する他のユーザ端末1へ、権限が付与された旨の通知が送信される。権限が付与された旨の通知がされると、他のユーザは、譲渡元のユーザの仮想飲料を利用して、ステップS15~S22の処理を実行することが可能となる。
【0045】
本発明によれば、ユーザが仮想飲料を購入し、ユーザが現実世界で飲料を消費することに対応して仮想飲料の消費可能量を減少させることにより、新規な飲料消費システム及び飲料消費方法を提供することができる。また、現実のボトルを購入しなくても、仮想的にボトルをキープすることが可能となる。さらには、異なる複数の店舗において、仮想的にキープをしたボトルを利用して、飲料を消費することができる。
【0046】
本発明によれば、他のユーザが操作する他のユーザ端末を備え、他のユーザ端末の操作により、一のユーザの仮想飲料の消費可能量を減少させることにより、一のユーザが所有している仮想飲料を他のユーザに譲渡することができる。
【0047】
本発明によれば、一のユーザの仮想飲料の消費可能量を減少させるとともに、他のユーザの仮想飲料の消費可能量について、該減少させた消費可能量に応じた消費可能量を増加させることにより、一のユーザが所有している仮想飲料を他のユーザに譲渡することができる。
【0048】
本発明によれば、購入時から所定の期間を経過した仮想飲料に対応する消費可能量を減少させ、且つ、所定の条件を満たすことで所定の期間を延長するという構成を採用することにより、現実のボトルキープ制と同様、ボトルをキープできる期間が決まっているという概念を取り入れることができ、且つ、所定の条件を満たすことにより(例えば、ユーザによる対価の支払いにより)、その期間を延長することができる。
【0049】
本発明によれば、複数の仮想飲料が設けられており、仮想飲料の消費可能量を減少させることで消費することが可能な飲料が、仮想飲料ごとに異なるため、ユーザは多様な飲料を消費することが可能となる。
【0050】
本発明によれば、ユーザが操作するユーザ端末と、ユーザ端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備え、ユーザ端末の操作入力に応じて、飲料の飲み方を選択し、選択した飲み方に応じて、ユーザの仮想飲料の消費可能量を減少させるため、例えば、ウイスキーの量をシングル、ダブルのいずれとしたか、或いは、ストレート、ロック、水割り、ソーダ割りのいずれの飲み方で飲んだのかに応じて、仮想飲料の消費可能量の減少のさせ方を変化させることができる。
【符号の説明】
【0051】
1 ユーザ端末
2 サーバ装置
3 通信ネットワーク
11 制御部
12 RAM
13 ストレージ部
14 グラフィックス処理部
15 通信インタフェース
16 インタフェース部
17 外部メモリ
18 表示部
19 表示画面
21 制御部
22 RAM
23 ストレージ部
24 通信インタフェース
図1
図2
図3
図4
図5