(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240925BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 315A
(21)【出願番号】P 2023015310
(22)【出願日】2023-02-03
【審査請求日】2023-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】馬場 俊宏
【審査官】小河 俊弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-049374(JP,A)
【文献】特開2019-005438(JP,A)
【文献】特開2021-087896(JP,A)
【文献】特開2016-116666(JP,A)
【文献】特開2019-013569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の状態を制御する状態制御手段と、
音声を出力する音声出力手段と、
前記音声出力手段を制御する出力制御手段と、
遊技者による操作が可能な操作手段と、を備え、
前記状態制御手段により制御される状態には、通常状態と、通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態とがあり、
前記有利状態には、第1有利状態と、第2有利状態と、を含む複数種類の前記有利状態があり、該複数種類の前記有利状態は、遊技者にとっての有利度が異なり、
前記第1有利状態は、前記第2有利状態よりも遊技者にとって有利な有利状態であり、
前記音声出力手段は、前記有利状態中に楽曲を出力可能であり、
前記有利状態中に出力可能な楽曲は複数種類あり、
前記出力制御手段は、
前記操作手段の操作に応じて、前記有利状態中に出力する楽曲を変更させる制御が可能であって、
前記第1有利状態に制御された回数が特定回数であるときには、該第1有利状態に制御される前の前記有利状態中に出力させた楽曲の種類にかかわらず、前記特定回数目の前記第1有利状態中に特定楽曲を出力させ
、
前記第2有利状態に制御された後に前記第1有利状態に制御され、その後さらに前記第2有利状態に制御された場合に、前記第1有利状態の前に制御された前記第2有利状態中に出力された楽曲の種類に基づいて、前記第1有利状態の後に制御される前記第2有利状態の開始に伴って出力される楽曲を決定可能であることを特徴とする遊技機
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、スピーカから出力される楽曲を選択する操作が可能に構成されたものがある。
例えば、特許文献1に記載の遊技機では、待機状態中に所定のボタン操作を行うことにより、スピーカから出力される楽曲を変更可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような遊技機では、スピーカから出力される楽曲の選択の態様についてさらに工夫することにより、遊技に対する興趣を向上させることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、遊技機の状態を制御する状態制御手段と、音声を出力する音声出力手段と、前記音声出力手段を制御する出力制御手段と、遊技者による操作が可能な操作手段と、を備え、前記状態制御手段により制御される状態には、通常状態と、通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態とがあり、前記有利状態には、第1有利状態と、第2有利状態と、を含む複数種類の前記有利状態があり、該複数種類の前記有利状態は、遊技者にとっての有利度が異なり、前記第1有利状態は、前記第2有利状態よりも遊技者にとって有利な有利状態であり、前記音声出力手段は、前記有利状態中に楽曲を出力可能であり、前記有利状態中に出力可能な楽曲は複数種類あり、前記出力制御手段は、前記操作手段の操作に応じて、前記有利状態中に出力する楽曲を変更させる制御が可能であって、前記第1有利状態に制御された回数が特定回数であるときには、該第1有利状態に制御される前の前記有利状態中に出力させた楽曲の種類にかかわらず、前記特定回数目の前記第1有利状態中に特定楽曲を出力させ、前記第2有利状態に制御された後に前記第1有利状態に制御され、その後さらに前記第2有利状態に制御された場合に、前記第1有利状態の前に制御された前記第2有利状態中に出力された楽曲の種類に基づいて、前記第1有利状態の後に制御される前記第2有利状態の開始に伴って出力される楽曲を決定可能であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技に対する興趣を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】(a)は、大当り図柄の種類を示す説明図であり、(b)は、特殊当り図柄の種類を示す説明図である。
【
図4】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図6】第1時短状態開始処理を示すフローチャートである。
【
図7】第2時短状態開始処理を示すフローチャートである。
【
図9】特別楽曲設定処理を示すフローチャートである。
【
図10】(a)~(c)は、時短中チャンス演出の態様を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、パチンコ遊技機の一実施形態について説明する。以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、遊技球を発射させるときに遊技者によって操作される発射ハンドルHDを備える。パチンコ遊技機10は、音声を出力するスピーカSPを備える。スピーカSPは、楽曲や効果音などの音声を出力することにより、各種の報知(以下、音声報知と示す)及び各種の演出(以下、音声演出と示す)を実行可能である。本実施形態において、スピーカSPは、音声を出力する音声出力手段に相当する。パチンコ遊技機10は、図示しない発光体を有する装飾ランプLAを備える。装飾ランプLAは、発光体を点灯、点滅、及び消灯することにより、各種の報知(以下、発光報知と示す)及び各種の演出(以下、発光演出と示す)を実行可能である。
【0009】
パチンコ遊技機10は、遊技者による操作が可能な操作手段としての操作ボタンBTを備える。本実施形態において、操作ボタンBTは、パチンコ遊技機10の前面側に配設されている。本実施形態において、操作ボタンBTは、押下操作を可能に構成されたボタン式の手段である。操作ボタンBTは、ボタン式であることに限らず、タッチセンサ式であってもよく、所定の表示装置をタッチパネル式の手段として機能させる構成であってもよい。
【0010】
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備えている。遊技盤YBの前面側には、遊技球が流下可能な遊技領域YBaが形成されている。本実施形態において、遊技領域YBaには、発射ハンドルHDの操作により発射された遊技球が到達する。遊技盤YBは、正面から見たときの略中央部分に、開口窓YBbを備える。開口窓YBbには、各種の意匠が施されたセンター枠Wが組み付けられている。
【0011】
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、画像を表示可能な画像表示部GHを有する演出表示装置12を備える。演出表示装置12は、正面から見たときに、画像表示部GHが遊技盤YBの開口窓YBb(センター枠W)を介して視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。例えば、画像表示部GHは、液晶パネルや、有機ELパネルである。演出表示装置12は、各種の画像を表示することにより、各種の報知(以下、表示報知と示す)及び各種の演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。本実施形態において、演出表示装置12は、画像を表示する表示手段に相当する。
【0012】
パチンコ遊技機10は、所定の情報を表示可能な情報表示装置13を備える。情報表示装置13は、遊技盤YBにおいて、遊技者が視認可能な位置に設けられている。
情報表示装置13は、第1特別図柄表示部13aを備える。第1特別図柄表示部13aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第1特別図柄を確定停止表示させる変動ゲームとしての第1特別図柄変動ゲームを実行可能である。情報表示装置13は、第2特別図柄表示部13bを備える。第2特別図柄表示部13bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第2特別図柄を確定停止表示させる変動ゲームとしての第2特別図柄変動ゲームを実行可能である。第1特別図柄、及び第2特別図柄は、後述する特別当り抽選の結果を報知するための図柄である。
【0013】
以下の説明では、第1特別図柄の特別当り抽選を略して「第1特別当り抽選」と示すとともに、第2特別図柄の特別当り抽選を略して「第2特別当り抽選」と示す。また、第1特別図柄変動ゲームを略して「第1特別ゲーム」と示し、第2特別図柄変動ゲームを略して「第2特別ゲーム」と示す。また、第1特別ゲームと、第2特別ゲームと、を総称して「特別ゲーム」と示す。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味している。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味している。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。
【0014】
第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bにおいて導出可能な特別図柄には、特殊当り結果としての特殊当り図柄と、大当り結果としての大当り図柄と、はずれ結果としてのはずれ図柄とがある。本実施形態において、第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、同時に実行されない。本実施形態では、特別当り抽選において特殊当りに当選した場合、特別ゲームにおいて特殊当り図柄が導出されるとともに、該特別ゲームの終了後に特殊当り遊技が生起される。特殊当り遊技について、詳しくは後述する。また、特別当り抽選において大当りに当選した場合、特別ゲームにおいて大当り図柄が導出されるとともに、該特別ゲームの終了後に大当り遊技が生起される。以下の説明では、特別当り抽選において当選する大当りを「図柄当り」と示す場合があるとともに、特別当り抽選において大当りに当選した場合に付与される大当り遊技を「図柄当りに基づく大当り遊技」と示す場合がある。大当り遊技について、詳しくは後述する。一方、特別当り抽選において特殊当り及び大当りの何れにも当選しなかった場合、特別ゲームにおいてはずれ図柄が導出される。即ち、本実施形態の第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bでは、特別当り抽選の結果に基づいて特別図柄を変動及び停止させて行う特別ゲームを実行可能である。
【0015】
情報表示装置13は、第1特別保留表示部13cを備える。第1特別保留表示部13cは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の第1特別ゲームの回数を「第1特別保留数」と示す。本実施形態において、第1特別保留数の最大値は「4」である。情報表示装置13は、第2特別保留表示部13dを備える。第2特別保留表示部13dは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の第2特別ゲームの回数を「第2特別保留数」と示す。本実施形態において、第2特別保留数の最大値は「4」である。
【0016】
情報表示装置13は、普通図柄表示部13eを備える。普通図柄表示部13eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を確定停止表示させる普通図柄変動ゲームを実行可能である。普通図柄は、後述する普通抽選の結果を報知するための図柄である。以下の説明では、普通図柄変動ゲームを略して「普通ゲーム」と示す。普通図柄表示部13eに導出可能な普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄とがある。本実施形態では、普通抽選において普通当りに当選した場合、普通ゲームにおいて普通当り図柄が導出され、当該普通ゲームの終了後に普通当り遊技が生起される。
【0017】
情報表示装置13は、普通保留表示部13fを備える。普通保留表示部13fは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の普通ゲームの回数を「普通保留数」と示す。本実施形態において、普通保留数の最大値は「1」である。なお、情報表示装置13における各表示部は、1つの表示装置に設けられている必要はなく、異なる部分に設けられていてもよい。また、情報表示装置13は、所謂「右打ち」を指示する情報を表示する右打ち表示部や、後述するラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示部を備えていてもよい。
【0018】
遊技盤YBには、遊技球が入球可能な複数の入賞口が形成される。複数の入賞口は、遊技領域YBaに開口する。複数の入賞口は、第1始動入賞口14と、第2始動入賞口15と、第1大入賞口18と、第2大入賞口20と、を含む。複数の入賞口には、これらの入賞口とは異なる入賞口を含んでもよい。
【0019】
第1始動入賞口14は、賞球の付与条件、及び第1特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第1始動入賞口14は、演出表示装置12の下方にある。第1始動入賞口14は、常に遊技球を入球させうるように開口される。パチンコ遊技機10は、第1始動入賞口14へ入球した遊技球を検知する第1始動入賞センサSE1を備える(
図4参照)。具体的に、本実施形態では、第1始動入賞センサSE1により遊技球が検知されると、賞球として3球の遊技球の付与条件が成立する。
【0020】
第2始動入賞口15は、賞球の付与条件、及び第2特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第2始動入賞口15は、演出表示装置12の右方にある。パチンコ遊技機10は、第2始動入賞口15へ入球した遊技球を検知する第2始動入賞センサSE2を備える(
図4参照)。具体的に、本実施形態では、第2始動入賞センサSE2により遊技球が検知されると、賞球として1球の遊技球の付与条件が成立する。
【0021】
パチンコ遊技機10は、遊技球が入球可能となるように第2始動入賞口15を開放する開放状態と、遊技球が入球不能又は開放状態と比較して遊技球が入球困難となるように第2始動入賞口15を閉鎖する閉鎖状態と、を取りうる普通可動片16を備える。例えば、普通可動片16は、第2始動入賞口15を開閉させる扉状の部材であってもよい。普通可動片16は、常には閉鎖状態となっており、普通当り遊技が生起された場合に開放状態に動作する。即ち、第2始動入賞口15は、普通当り遊技が生起されると、遊技球を入球させることができるようになる。遊技盤YBは、普通可動片16を動作させる手段として、第1ソレノイドSL1を備える(
図4参照)。
【0022】
第1大入賞口18は、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第1大入賞口18は、第2始動入賞口15の下方にある。パチンコ遊技機10は、第1大入賞口18へ入球した遊技球を検知する第1カウントセンサSE3を備える(
図4参照)。具体的に、本実施形態では、第1カウントセンサSE3により遊技球が検知されると、賞球として1球の遊技球の付与条件が成立する。
【0023】
パチンコ遊技機10は、遊技球が入球可能となるように第1大入賞口18を開放する開放状態と、遊技球が入球不能又は開放状態と比較して遊技球が入球困難となるように第1大入賞口18を閉鎖する閉鎖状態と、を取りうる第1特別開閉片19を備える。例えば、第1特別開閉片19は、第1大入賞口18を開閉させる扉状の部材であってもよい。第1特別開閉片19は、常には閉鎖状態となっており、特殊当り遊技が生起された場合に開放状態に動作する。即ち、第1大入賞口18は、特殊当り遊技が生起されると、遊技球を入球させることができるように開放される。遊技盤YBは、第1特別開閉片19を動作させる手段として、第2ソレノイドSL2を備える(
図4参照)。
【0024】
第1大入賞口18の奥方には、第1大入賞口18に入球した遊技球が通過可能な通路26が設けられている。通路26は、第1大入賞口18の下流である分岐部27において、第1通路26aと第2通路26bとに分岐するように設けられている。
【0025】
分岐部27には、第4ソレノイドSL4(
図4参照)の作動により、第1大入賞口18に入球した遊技球を第1通路26a又は第2通路26bに振り分ける振分シャッタ28が設けられている。振分シャッタ28は、第1大入賞口18に入球した遊技球を第1通路26aに振り分ける第1振分状態と、第2通路26bに振り分ける第2振分状態とを取りうるように動作する。振分シャッタ28は、予め定めた動作条件が成立すると、所定の動作パターンで動作する。
【0026】
パチンコ遊技機10は、第1大入賞口18に入球した遊技球のうち、第1通路26a内の特定領域を通過する遊技球を検知する特定通過センサSE5を備える(
図4参照)。特定領域とは、いわゆるV領域である。詳しくは後述するが、本実施形態では、特殊当り遊技において第1大入賞口18が開放された場合に、該第1大入賞口18に入球した遊技球が第1通路26a内の特定領域を通過して特定通過センサSE5により検知されたことを契機として大当りとなり、大当り遊技が生起される。本実施形態において、第1大入賞口18に入球した遊技球を第1通路26a及び第2通路26bの何れかに振り分けることは、役物の当り抽選としても把握できる。この場合、第1大入賞口18に入球した遊技球が第1通路26aに振り分けられることが、役物の当り抽選において大当りに当選することに相当する。以下の説明では、役物の当り抽選において当選する大当りを「役物当り」と示す場合があるとともに、役物の当り抽選において大当りに当選した場合に付与される大当り遊技を「役物当りに基づく大当り遊技」と示す場合がある。つまり、本実施形態におけるパチンコ遊技機10は、図柄当りに基づく大当り遊技と役物当りに基づく大当り遊技とが付与可能な遊技機(所謂、「1種2種混合機」)である。
【0027】
第2大入賞口20は、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第2大入賞口20は、第1大入賞口18の下方にある。パチンコ遊技機10は、第2大入賞口20へ入球した遊技球を検知する第2カウントセンサSE4を備える(
図4参照)。具体的に、本実施形態では、第2カウントセンサSE4により遊技球が検知されると、賞球として15球の遊技球の付与条件が成立する。
【0028】
パチンコ遊技機10は、遊技球が入球可能となるように第2大入賞口20を開放する開放状態と、遊技球が入球不能又は開放状態と比較して遊技球が入球困難となるように第2大入賞口20を閉鎖する閉鎖状態と、を取りうる第2特別開閉片21を備える。例えば、第2特別開閉片21は、第2大入賞口20を開閉させる扉状の部材であってもよい。第2特別開閉片21は、常には閉鎖状態となっており、大当り遊技が生起された場合に開放状態に動作する。即ち、第2大入賞口20は、大当り遊技が生起されると、遊技球を入球させることができるように開放される。遊技盤YBは、第2特別開閉片21を動作させる手段として、第3ソレノイドSL3を備える(
図4参照)。本実施形態において、大当り遊技では、第2大入賞口20が開放され、該第2大入賞口20に入球した遊技球が第2カウントセンサSE4によって検知されることで賞球の付与条件が成立する。即ち、本実施形態において、大当り遊技では、賞球としての遊技球を獲得可能である。
【0029】
遊技盤YBは、ゲート23を備える。一例として、ゲート23は、第2始動入賞口15の上方にある。ゲート23には、ゲート口23aが形成されている。ゲート口23aは、常に遊技球を入球させることができるように開口される。パチンコ遊技機10は、ゲート口23aへ入球した遊技球を検知するゲートセンサSE6を備える(
図4参照)。ゲート口23aは、普通ゲームの始動条件を成立させるために、遊技球を入球させる入球口である。ゲート口23aは、遊技球が入球しても賞球の付与条件が成立しない。
【0030】
次に、本実施形態において、遊技球が流下する経路について説明する。
上記のように構成されたパチンコ遊技機10は、遊技領域YBaにおいて遊技球が流下する経路として、遊技球の発射強度に応じた複数通りの経路を有している。遊技球が流下する経路は、遊技球が流下する領域として把握することもできる。複数通りの経路には、センター枠W(演出表示装置12)の左側を流下する第1経路R1と、センター枠W(演出表示装置12)の右側を流下する第2経路R2と、がある。第1経路R1と第2経路R2は、一部が重複してもよく、全部が重複していなくてもよい。以下の説明では、遊技盤YBを正面視したときに遊技領域YBaを左右に二等分する中心線CLよりも左側に位置する領域を左側領域R1aと示し、中心線CLよりも右側に位置する領域を右側領域R2aと示す。即ち、本実施形態では、左側領域R1aを流下する経路が第1経路R1であり、右側領域R2aを流下する経路が第2経路R2である。
【0031】
遊技者は、発射ハンドルHDを操作して遊技球の発射強度を調整することで、左側領域R1a及び右側領域R2aに遊技球を打ち分けることができる。第1経路R1上(左側領域R1a)には、第1始動入賞口14が開口している。このため、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合、遊技球が左側領域R1aを流下し易く、第1始動入賞口14へ入球する可能性がある。第2経路R2上(右側領域R2a)には、上流から順に、ゲート口23a、第2始動入賞口15、第1大入賞口18、及び第2大入賞口20が開口している。このため、発射強度を強めに調整して遊技球を発射させた場合、遊技球が右側領域R2aを流下し易く、第2始動入賞口15、第1大入賞口18、第2大入賞口20、又はゲート口23aへ入球する可能性がある。
【0032】
以下の説明では、遊技球が第1経路R1上を流下し易い発射強度で遊技球を発射することにより左側領域R1aに向かって発射することを「左打ち」と示す場合がある。また、遊技球が第2経路R2上を流下し易い発射強度で遊技球を発射することを「右打ち」と示す場合がある。
【0033】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、特別ゲームの平均変動時間が異なる遊技状態として、非時短状態と、第1時短状態と、第2時短状態と、を備える。以下の説明では、第1時短状態と第2時短状態とをまとめて単に「時短状態」と示す場合がある。本実施形態の時短状態は、非時短状態と比較して、特別ゲームの平均変動時間が短い状態である。特に、第1時短状態は、第2時短状態と比較して、特別ゲームの平均変動時間が短い状態である。即ち、本実施形態において、特別ゲームの平均変動時間は、非時短状態>第2時短状態>第1時短状態の順で短い。
【0034】
また、本実施形態において、時短状態は、非時短状態と比較して遊技球が第2始動入賞口15に入球する確率が高い状態である。言い換えれば、本実施形態において、時短状態は、非時短状態と比較して第2始動入賞口15への遊技球の入球率が向上する入球率向上状態である。即ち、本実施形態において、時短状態は、非時短状態と比較して第2始動入賞口15への遊技球の入球率が向上するという点で遊技者にとって有利な遊技状態である。このため、本実施形態において、非時短状態は、通常状態に相当し、時短状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態に相当する。
【0035】
さらに、本実施形態において、第1時短状態は、第2時短状態と比較して遊技球が第2始動入賞口15に入球する確率が高い状態である。即ち、本実施形態において、第1時短状態は、第2時短状態と比較して第2始動入賞口15への遊技球の入球率が向上するという点で遊技者にとって有利な遊技状態である。このため、本実施形態において、第2時短状態は、第2有利状態に相当し、第1時短状態は、第2有利状態よりも遊技者にとって有利な第1有利状態に相当する。
【0036】
例えば、第2始動入賞口15への遊技球の入球率は、次に説明する3つの制御のうち、任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことにより向上させることができる。1つめの制御は、普通ゲームの変動時間を短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。2つめの制御は、普通抽選において普通当りに当選する確率(普通当り確率)を、高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。3つめの制御は、1回の普通当り遊技において普通可動片16が開放状態に動作する合計動作時間を長くする動作時間延長制御である。動作時間延長制御は、1回の普通当り遊技において普通可動片16が開放状態に動作する動作回数を多くする制御、及び普通当り遊技において普通可動片16が開放状態に動作するときの1回の動作時間を長くする制御のうち、少なくとも一方であるとよい。
【0037】
具体的に、本実施形態では、1回の普通当り遊技において普通可動片16が開放状態に動作する動作時間は、非時短状態<第2時短状態<第1時短状態の順で長い。また、本実施形態において、非時短状態又は第2時短状態であるときに1回の普通当り遊技において普通可動片16が開放状態に動作する動作時間は、第1時短状態であるときに1回の普通当り遊技において普通可動片16が開放状態に動作する動作時間よりも短い時間である。
【0038】
特に、本実施形態において、非時短状態であるときに1回の普通当り遊技において普通可動片16が開放状態に動作する動作時間は、遊技球が実質的に第2始動入賞口15に入球し得ない程度に短い時間である。このため、本実施形態において、非時短状態では、左側領域R1aへ遊技球を発射したときの方が右側領域R2aへ遊技球を発射したときよりも遊技者にとって有利となる。即ち、非時短状態は、左打ちが推奨される遊技状態であるといえる。
【0039】
一方、本実施形態において、第1時短状態又は第2時短状態であるときに1回の普通当り遊技において普通可動片16が開放状態に動作する動作時間は、遊技球が十分に第2始動入賞口15に入球可能な程度に長い時間である。このため、本実施形態において、第1時短状態又は第2時短状態では、右側領域R2aへ遊技球を発射したときの方が左側領域R1aへ遊技球を発射したときよりも遊技者にとって有利となる。即ち、時短状態は、右打ちが推奨される遊技状態であるといえる。
【0040】
ここで、時短状態に制御されるときの制御条件について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技の終了後に時短状態に制御される場合がある。言い換えれば、本実施形態において、時短状態に制御される制御条件には、大当り遊技の終了を契機として成立し得る大当り制御条件がある。
【0041】
次に、時短状態が終了するときの終了条件について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技が開始されたことを契機として時短状態が終了する場合がある。言い換えれば、時短状態が終了する終了条件には、大当り遊技の開始を契機として成立する大当り終了条件がある。
【0042】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、時短状態に制御されてから予め定めた上限実行回数としての作動回数の特別ゲームが実行されたことを契機として時短状態が終了する場合がある。言い換えれば、本実施形態において、時短状態が終了する終了条件には、時短状態に制御されてから予め定めた作動回数の特別ゲームが実行されたときに成立する回数終了条件がある。
【0043】
本実施形態において、第1時短状態に制御されるときの作動回数は、第2時短状態に制御されるときの作動回数よりも多い。具体的に、本実施形態において、第1時短状態に制御されるときの作動回数は、100回である。また、本実施形態において、第2時短状態に制御されるときの作動回数は、10回、15回、及び20回の何れかである。このため、本実施形態において、第1時短状態は、第2時短状態と比較して回数終了条件が成立しにくく時短状態が継続しやすいという点で遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0044】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10における特殊当り遊技について説明する。
特殊当り遊技は、特殊図柄が導出された特別ゲームの終了後に開始される。特殊当り遊技では、最初に、予め定められたオープニング時間にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、特殊当り遊技の開始を示すオープニング演出である。特殊当り遊技では、オープニング時間の経過後に、第1大入賞口18を開放するラウンド遊技が行われる。即ち、本実施形態では、特別抽選で特殊当りに当選した場合、特別ゲームにおいて特殊図柄を導出した後に第1大入賞口18を開放させる特殊当り遊技が生起される。そして、特殊当り遊技では、予め定めた上限個数の遊技球が入球する入球条件、又は予め定めた上限時間が経過する時間経過条件が成立したことを契機として、第1大入賞口18が閉鎖される。即ち、本実施形態において、第1特別開閉片19は、特殊当り遊技中に開放状態に動作し、入球条件又は時間経過条件の成立を契機として閉鎖状態に動作する。また、本実施形態では、ラウンド遊技中に所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、第1大入賞口18を開放するラウンド遊技の実行中であることを示すラウンド演出である。その後、特殊当り遊技では、予め定められたエンディング時間にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、特殊当り遊技の終了を示すエンディング演出である。そして、特殊当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了する。
【0045】
次に、本実施形態における大当り遊技について説明する。なお、以下の説明では、単に「大当り遊技」と示す場合、「図柄当りに基づく大当り遊技」と「役物当りに基づく大当り遊技」の両方を含むことを意図している。
【0046】
大当り遊技では、最初に、予め定められたオープニング時間にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を示すオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、第2大入賞口20を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数(本実施形態では、10個)の遊技球が入球する第1ラウンド終了条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2ラウンド終了条件が成立することによって終了される。ラウンド遊技において、第2大入賞口20は、所定の開放態様となるように開放される。具体的に、本実施形態において、第2大入賞口20は、ラウンド遊技の開始を契機として開放され、ラウンド遊技の終了を契機として閉鎖される。即ち、本実施形態において、第2特別開閉片21は、ラウンド遊技の開始を契機として開放状態に動作し、ラウンド遊技の終了を契機として閉鎖状態に動作する。本実施形態では、ラウンド遊技中に所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、第2大入賞口20を開放するラウンド遊技の実行中であることを示すラウンド演出である。最終回のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技では、予め定められたエンディング時間にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を示すエンディング演出である。そして、大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了する。
【0047】
次に、本実施形態における当り(大当り及び特殊当り)の種類について説明する。
図3(a)に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備えている。複数種類の大当り図柄には、それぞれ大当り遊技の種類が定められている。大当り図柄の種類は、大当りの種類としても把握できる。
【0048】
本実施形態において、特別図柄の大当り図柄は、予め定めた比率で、図柄ZA及び図柄ZBの2つのグループに分類されている。具体的に、本実施形態では、100種類の第1特別図柄の大当り図柄のうち、50種類の大当り図柄が図柄ZAに、50種類の大当り図柄が図柄ZBに、それぞれ分類されている。また、本実施形態では、100種類の第2特別図柄の大当り図柄のすべてが図柄ZAに分類されている。
【0049】
以下の説明では、図柄ZAに分類される大当り図柄に基づく大当りを「大当りZA」、図柄ZBに分類される大当り図柄に基づく大当りを「大当りZB」と示す。また、以下の説明では、大当りZA及び大当りZBの各大当りに基づく大当り遊技を、それぞれ「大当り遊技ZA」、「大当り遊技ZB」と示す。
【0050】
本実施形態において、大当り遊技ZAでは、ラウンド遊技の上限回数として10回が定められている。また、大当り遊技ZBでは、ラウンド遊技の上限回数として4回が定められている。本実施形態において、大当り遊技ZA,ZBの各大当り遊技では、各ラウンド遊技の上限時間として25秒が定められている。
【0051】
本実施形態において、図柄当りに基づく大当り遊技の終了後には、時短状態に制御される場合がある。具体的に、図柄当りに基づく大当り遊技の終了後には、大当り時の遊技状態に応じた遊技状態に制御される。ここで、大当り時の遊技状態とは、特別当り抽選において大当りに当選した時点の遊技状態を指す。
【0052】
例えば、非時短状態中に大当りZAに当選した場合、大当り遊技ZAの終了後には、第2時短状態に制御されるとともに、時短状態の作動回数として10回が設定される。また、時短状態中に大当りZAに当選した場合、大当り遊技ZAの終了後には、第1時短状態に制御されるとともに、時短状態の作動回数として100回が設定される。
【0053】
非時短状態中に大当りZBに当選した場合、大当り遊技ZBの終了後には、非時短状態に制御される。また、時短状態中に大当りZBに当選した場合、大当り遊技ZBの終了後には、第2時短状態に制御されるとともに、時短状態の作動回数として10回が設定される。
【0054】
図3(b)に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の特殊当り図柄として、複数種類の特殊当り図柄を備えている。複数種類の特殊当り図柄には、それぞれ特殊当り遊技の種類が定められている。特殊当り図柄の種類は、特殊当りの種類としても把握できる。
【0055】
本実施形態において、特別図柄の特殊当り図柄は、予め定めた比率で、図柄Za、図柄Zb、図柄Zc、及び図柄Zdの4つのグループに分類されている。具体的に、本実施形態では、100種類の第2特別図柄の特殊当り図柄のうち、10種類の特殊当り図柄が図柄Zaに、15種類の特殊当り図柄が図柄Zbに、25種類の特殊当り図柄が図柄Zcに、50種類の特殊当り図柄が図柄Zdに、それぞれ分類されている。なお、本実施形態において、第1特別図柄には、特殊当り図柄が含まれていない。即ち、本実施形態では、第1特別ゲームにおいて特殊当り図柄が導出されることはない。
【0056】
以下の説明では、図柄Zaに分類される特殊当り図柄に基づく特殊当りを「特殊当りZa」と示す。同様に、図柄Zbに分類される特殊当り図柄に基づく特殊当りを「特殊当りZb」、図柄Zcに分類される特殊当り図柄に基づく特殊当りを「特殊当りZc」、図柄Zdに分類される特殊当り図柄に基づく特殊当りを「特殊当りZd」と示す。また、以下の説明では、特殊当りZa、特殊当りZb、特殊当りZc、及び特殊当りZdの各特殊当りに基づく特殊当り遊技を、それぞれ「特殊当り遊技Za」、「特殊当り遊技Zb」、「特殊当り遊技Zc」、「特殊当り遊技Zd」と示す。
【0057】
本実施形態の特殊当り遊技では、特殊当りの種類に関わらず一定の動作パターンで第1特別開閉片19が動作する。具体的に、特殊当り遊技Za~Zdの各特殊当り遊技では、遊技球が第1大入賞口18に入球可能な動作パターンで第1特別開閉片19が動作する。
【0058】
また、本実施形態の特殊当り遊技では、一定の動作パターンで振分シャッタ28が動作する。この動作パターンにおいて、振分シャッタ28は、第1大入賞口18に入球した遊技球を第1通路26aに振り分ける第1振分状態と、第1大入賞口18に入球した遊技球を第2通路26bに振り分ける第2振分状態と、に動作する。
【0059】
そして、本実施形態では、特殊当り遊技において遊技球が第1通路26a内の特定領域を通過し、特定通過センサSE5で検知された場合に大当りとなり、該特殊当り遊技の終了後に大当り遊技が生起される。なお、以下の説明では、特殊当り遊技において、遊技球が第1通路26a内の特定領域を通過して特定通過センサSE5で検知されることを「規定条件」と示す。
【0060】
このように、本実施形態において、特殊当り遊技Za~Zdの各特殊当り遊技では、遊技球が第1大入賞口18に入球可能な動作パターンで第1特別開閉片19が動作され、且つ、第1大入賞口18に入球した遊技球が第1通路26aを通過可能な動作パターンで振分シャッタ28が動作される。このため、本実施形態において、特殊当り遊技Za~Zdの各特殊当り遊技では、規定条件が成立して大当り遊技が生起され得る。特に、本実施形態において、特殊当り遊技Za~Zdの各特殊当り遊技では、該特殊当り遊技中に遊技球を右打ちしていれば、極めて高い確率で遊技球が第1大入賞口18に入球して第1通路26aを通過するような動作パターンで第1特別開閉片19及び振分シャッタ28が動作される。即ち、本実施形態において、特殊当り遊技Za~Zdの各特殊当り遊技では、該特殊当り遊技中に遊技球を右打ちしていれば、極めて高い確率で規定条件が成立して大当り遊技が生起される。
【0061】
以下の説明では、特殊当り遊技Za、特殊当り遊技Zb、特殊当り遊技Zc、及び特殊当り遊技Zdの各特殊当り遊技において規定条件が成立した場合に生起される大当り遊技を、それぞれ「大当り遊技Za」、「大当り遊技Zb」、「大当り遊技Zc」、「大当り遊技Zd」と示す。
【0062】
本実施形態において、大当り遊技Zaでは、ラウンド遊技の上限回数として10回が定められている。即ち、本実施形態では、特殊当り遊技Zaにおいて規定条件が成立したことを契機として大当り遊技Zaが生起される場合、特殊当り遊技Zaにおける1回のラウンド遊技と、大当り遊技Zaにおける10回のラウンド遊技とを合わせて、計11回にわたって大入賞口が開放される。また、大当り遊技Zb~Zdでは、ラウンド遊技の上限回数として4回が定められている。即ち、本実施形態では、特殊当り遊技Zb~Zdにおいて規定条件が成立したことを契機として大当り遊技Zb~Zdが生起される場合、特殊当り遊技Zb~Zdにおける1回のラウンド遊技と、大当り遊技Zb~Zdにおける4回のラウンド遊技とを合わせて、計5回にわたって大入賞口が開放される。
【0063】
本実施形態において、大当り遊技Za~Zdの各大当り遊技では、各ラウンド遊技の上限時間として25秒が定められている。また、本実施形態において、大当り遊技Za~Zdの各大当り遊技では、各ラウンド遊技で入球可能な遊技球の上限個数として10個が定められている。このため、本実施形態において、大当り遊技Zaと、大当り遊技Zb~Zdの各大当り遊技とでは、1回の大当り遊技において獲得可能な遊技球の数が異なる。なお、ここでいう「獲得」とは、遊技球が機外に払い出されることにより遊技者が現実に遊技球を得ることに限らず、例えば、パチンコ遊技機10又はパチンコ遊技機10とは別体の外部装置においてデータとして記憶されている遊技者の持ち球数が更新(加算)されることなども含むことを意図している。
【0064】
また、本実施形態において、役物当りに基づく大当り遊技の終了後には、時短状態に制御される。具体的に、大当り遊技Zaの終了後には、第1時短状態に制御されるとともに、時短状態の作動回数として100回が設定される。大当り遊技Zbの終了後には、第2時短状態に制御されるとともに、時短状態の作動回数として20回が設定される。大当り遊技Zcの終了後には、第2時短状態に制御されるとともに、時短状態の作動回数として15回が設定される。大当り遊技Zdの終了後には、第2時短状態に制御されるとともに、時短状態の作動回数として10回が設定される。
【0065】
次に、パチンコ遊技機10において実行される演出図柄変動ゲームについて説明する。
本実施形態において、演出表示装置12は、演出図柄を複数列で変動表示させるとともに、最終的に演出図柄の組み合わせを導出させる演出図柄変動ゲームを実行可能である。以下の説明では、演出図柄変動ゲームを略して「演出ゲーム」と示す。演出図柄は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄(飾り図柄)であって、表示演出を多様化させるためのものである。本実施形態において、演出ゲームは、第1列、第2列、及び第3列の図柄列をそれぞれ所定の方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0066】
演出ゲームは、特別ゲームの開始に伴って開始され、特別ゲームの終了に伴って終了される。具体的に、演出ゲームでは、第1列~第3列の各図柄列において演出図柄が一時的に停止表示(以下、一旦停止表示と示す)された後に、各図柄列に一旦停止表示されている演出図柄が確定停止表示されることにより、演出図柄の組み合わせが導出される。演出ゲームでは、特別ゲームにて導出された特別図柄に応じた演出図柄の組み合わせが導出される。具体的に、特別ゲームで大当り図柄(大当り結果)が導出される場合には、演出ゲームでも演出図柄による大当りの図柄組み合わせが導出される。さらに、特別ゲームで特殊当り図柄(特殊当り結果)が導出される場合には、演出ゲームでは演出図柄による特殊当りの図柄組み合わせが導出される。そして、特別ゲームではずれ図柄(はずれ結果)が導出される場合には、演出ゲームでは演出図柄によるはずれの図柄組み合わせが導出される。なお、以下の説明では、特別ゲームと演出ゲームとをまとめて「変動ゲーム」と示す場合がある。
【0067】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図4に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御基板40を備える。主制御基板40は、各種の処理を行い、該処理の結果に応じて、制御情報の一例である制御コマンドなどの制御信号を出力する。パチンコ遊技機10は、副制御基板50を備える。主制御基板40と、副制御基板50とは、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板50は、主制御基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
【0068】
主制御基板40について詳しく説明する。
主制御基板40は、マイクロプロセッサ41を備える。マイクロプロセッサ41は、処理部(以下、主制御CPU41aと示す)と、記憶部(メモリ)と、を備える。主制御CPU41aは、主制御用のプログラムを実行することにより、各種処理を実行する。マイクロプロセッサ41の記憶部には、情報の読出しが可能であって、且つ情報の書込みが不能なROM領域(以下、主制御ROM41bと示す)と、情報の読出し及び書込みが可能なRAM領域(以下、主制御RAM41cと示す)とが含まれる。
【0069】
主制御ROM41bは、各種の判定や抽選に用いる判定値やテーブルなどを記憶している。主制御ROM41bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、変動ゲームの内容を特定可能な変動情報である。特に、本実施形態において、変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出の内容を特定可能な情報であってもよい。
【0070】
主制御RAM41cは、主制御CPU41aによる処理の結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。本実施形態において、主制御RAM41cは、遊技に関する各種の情報を記憶する記憶手段に相当する。例えば、主制御RAM41cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。マイクロプロセッサ41は、ハードウェア乱数を生成する図示しない乱数回路を備える。マイクロプロセッサ41は、主制御CPU41aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。なお、主制御CPU41a、主制御ROM41b、及び主制御RAM41cは、マイクロプロセッサ41としてワンチップに構成されていることに限らず、それぞれ別体に構成されていてもよい。
【0071】
主制御CPU41aは、第1始動入賞センサSE1、第2始動入賞センサSE2、第1カウントセンサSE3、第2カウントセンサSE4、特定通過センサSE5、及びゲートセンサSE6と接続されている。主制御CPU41aは、各センサが遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU41aは、情報表示装置13と接続されている。主制御CPU41aは、情報表示装置13の表示内容を制御可能に構成されている。
【0072】
主制御CPU41aは、第1ソレノイドSL1、第2ソレノイドSL2、第3ソレノイドSL3、及び第4ソレノイドSL4と接続されている。主制御CPU41aは、第1ソレノイドSL1を制御することによって、普通可動片16の動作を制御可能に構成されている。主制御CPU41aは、第2ソレノイドSL2を制御することによって、第1特別開閉片19の動作を制御可能に構成されている。主制御CPU41aは、第3ソレノイドSL3を制御することによって、第2特別開閉片21の動作を制御可能に構成されている。主制御CPU41aは、第4ソレノイドSL4を制御することによって、振分シャッタ28の動作を制御可能に構成されている。
【0073】
次に、副制御基板50について詳しく説明する。
副制御基板50は、副制御CPU50aと、副制御ROM50bと、副制御RAM50cとを備える。副制御CPU50aは、副制御用のプログラムを実行することにより、演出に関する各種の処理を行う。副制御ROM50bは、副制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM50bは、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データ、及び可動体演出に用いる可動体演出データなどを記憶している。
【0074】
副制御RAM50cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RAM50cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。本実施形態において、また、副制御基板50は、副制御CPU50aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0075】
副制御CPU50aは、演出表示装置12と接続されている。副制御CPU50aは、演出表示装置12の表示内容を制御可能に構成されている。本実施形態において、副制御CPU50aは、表示手段を制御する表示制御手段として機能する。副制御CPU50aは、装飾ランプLAと接続されている。副制御CPU50aは、装飾ランプLAの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU50aは、スピーカSPと接続されている。副制御CPU50aは、スピーカSPの出力態様を制御可能に構成されている。本実施形態において、副制御CPU50aは、音声出力手段を制御する出力制御手段として機能する。副制御CPU50aは、操作ボタンBTと接続されている。副制御CPU50aは、操作ボタンBTが操作されたときに出力する操作信号(オン信号)を入力可能に構成されている。
【0076】
次に、主制御CPU41aが行う各種の処理について説明する。
まず、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において、主制御CPU41aは、第1始動入賞センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動入賞口14へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第1始動入賞口14へ入賞した場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41aは、第1特別保留数を1加算して更新する。続けて、主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。このように、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動入賞センサSE1によって検知されると成立する。また、このとき、主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報(以下、第1保留数コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。なお、本実施形態において、出力バッファにセットされた情報(制御コマンド)は、所定の出力処理において副制御基板50へ出力される。
【0077】
次に、主制御CPU41aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM41cに記憶させる。例えば、乱数は、特別当り抽選に用いる特別当り乱数、特別図柄の決定抽選に用いる特別図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。主制御CPU41aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RAM41cに記憶させておくことで、該第1特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0078】
第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM41cに記憶させた場合、第1始動入賞口14へ遊技球が入賞していない場合、及び、第1特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU41aは、第2始動入賞センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動入賞口15に入賞したか否かを判定する。遊技球が第2始動入賞口15へ入賞している場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41aは、第2特別保留数を1加算して更新する。このとき、主制御CPU41aは、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示部13dを制御する。このように、第2特別ゲームの保留条件は、第2特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2始動入賞センサSE2によって検知されると成立する。また、このとき、主制御CPU41aは、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報(以下、第2保留数コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。
【0079】
次に、主制御CPU41aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM41cに記憶させる。主制御CPU41aは、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RAM41cに記憶させておくことで、該第2特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0080】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
特別図柄開始処理において、主制御CPU41aは、特別ゲームの実行条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU41aは、当り遊技中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの実行条件が成立していない場合、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの実行条件が成立している場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第2特別保留数が「1」以上であるか否かを判定する。第2特別保留数が「1」以上である場合、主制御CPU41aは、第2特別ゲームを実行させる処理を行う。一方、第2特別保留数が「1」以上ではない場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数が「1」以上であるか否かを判定する。第1特別保留数が「1」以上ではない場合、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、第1特別保留数が「1」以上である場合、主制御CPU41aは、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。
【0081】
主制御CPU41aは、特別ゲームを実行させる処理を行うに際して、最初に、主制御RAM41cに記憶されている特別保留数を「1」減算して更新する。具体的に、主制御CPU41aは、第1特別ゲームを実行させる場合、第1特別保留数を「1」減算して更新するとともに、更新後の第1特別保留数が表示されるように、第1特別保留表示部13cを制御する。このとき、主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数を示す第1保留数コマンドを生成して出力バッファにセットする。同様に、主制御CPU41aは、第2特別ゲームを実行させる場合、第2特別保留数を「1」減算して更新するとともに、更新後の第2特別保留数が表示されるように、第2特別保留表示部13dを制御する。このとき、主制御CPU41aは、更新後の第2特別保留数を示す第2保留数コマンドを生成して出力バッファにセットする。
【0082】
次に、主制御CPU41aは、特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM41cから取得する。続けて、主制御CPU41aは、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数を用いて特別当り抽選を行う。即ち、本実施形態において、主制御CPU41aは、特別抽選としての特別当り抽選を行う特別抽選手段に相当する。具体的に、主制御CPU41aは、第1特別ゲームを実行させる場合、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM41cから取得し、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数を用いて第1特別当り抽選を行う。同様に、主制御CPU41aは、第2特別ゲームを実行させる場合、第2特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM41cから取得し、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数を用いて第2特別当り抽選を行う。
【0083】
ここで、主制御CPU41aは、特別当り乱数の値が主制御ROM41bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定することにより、大当りに当選するか否かを判定する。そして、特別当り乱数の値が大当り判定値と一致した場合、主制御CPU41aは、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において主制御CPU41aは、取得した乱数情報から特定される特別図柄乱数の値に基づいて特別図柄の決定抽選を行うことにより、大当り図柄に分類される特別図柄の中から何れかの特別図柄を決定する。この決定した特別図柄が、特別ゲームにて導出される確定停止図柄となる。
【0084】
一方、特別当り乱数の値が大当り判定値と一致しなかった場合、主制御CPU41aは、特別当り乱数の値が主制御ROM41bに記憶されている特殊当り判定値と一致するか否かを判定することにより、特殊当りに当選するか否かを判定する。
【0085】
このとき、主制御CPU41aは、第1特別当り抽選と第2特別当り抽選とで異なる特殊当り判定値を用いて特殊当りに当選するか否かを判定する。このため、本実施形態では、第1特別当り抽選で特殊当りに当選する確率と、第2特別当り抽選で特殊当りに当選する確率とが異なる。具体的に、本実施形態において、第2特別当り抽選では、第1特別当り抽選と比較して、高い確率で特殊当りに当選するように特殊当り判定値が振り分けられている。特に、本実施形態では、第2特別当り抽選において特殊当りに当選可能となる一方で、第1特別当り抽選において特殊当りに当選しないように特殊当り判定値が振り分けられている。
【0086】
特別当り乱数の値が特殊当り判定値と一致する場合、主制御CPU41aは、特殊当り変動処理を行う。特殊当り変動処理において主制御CPU41aは、取得した乱数情報から特定される特別図柄乱数の値に基づいて特別図柄の決定抽選を行うことにより、特殊当り図柄に分類される特別図柄の中から何れかの特別図柄を決定する。この決定した特別図柄が、特別ゲームにて導出される確定停止図柄となる。
【0087】
特別当り乱数の値が大当り判定値及び特殊当り判定値の何れとも一致しなかった場合、主制御CPU41aは、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において主制御CPU41aは、はずれ図柄としての特別図柄を決定する。この決定した特別図柄が、特別ゲームにて導出される確定停止図柄となる。
【0088】
そして、主制御CPU41aは、特別ゲームにて導出される確定停止図柄を決定すると、取得した乱数情報から特定される変動パターン乱数の値に基づいて変動パターン決定抽選を行うことにより変動パターンを決定する。このとき、主制御CPU41aは、確定停止図柄として大当り図柄を決定した場合、大当り用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。主制御CPU41aは、確定停止図柄として特殊当り図柄を決定した場合、特殊当り用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。主制御CPU41aは、確定停止図柄としてはずれ図柄を決定した場合、はずれ用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。そして、主制御CPU41aは、変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
【0089】
特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU41aは、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始させるように情報表示装置13の表示内容を制御する。また、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を指定する情報(以下、特別図柄指定コマンドと示す)を出力バッファにセットする。また、主制御CPU41aは、変動パターンを指定するとともに演出ゲームの開始を指示する情報(以下、変動パターン指定コマンドと示す)を出力バッファにセットする。また、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間を計測する。そして、主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄が導出されるように、情報表示装置13を制御する。また、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間が経過すると、演出図柄の組み合わせを導出させるための情報(以下、全図柄停止コマンドと示す)を出力バッファにセットする。以上のような制御により、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄を変動させて行う変動ゲームを実行可能である。
【0090】
次に、主制御CPU41aが行う特殊当り遊技を生起させるための特殊当り処理について説明する。
主制御CPU41aは、特殊当りの特別ゲームの終了後に特殊当り処理を行う。特殊当り処理において、主制御CPU41aは、当選した特殊当りの種類に応じた制御を行うことにより、当選した特殊当りに基づく特殊当り遊技を生起させる。
【0091】
最初に、主制御CPU41aは、オープニング時間の計測を開始するとともに、特殊当り遊技の開始を特定可能な情報(以下、特殊当り遊技開始コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。主制御CPU41aは、オープニング時間が経過すると、所定の開放パターンに基づいて第1大入賞口18が開放されるように第2ソレノイドSL2を制御するとともに、第1大入賞口18が開放されたことを特定可能な情報(以下、開放開始コマンド)を生成して出力バッファにセットする。その後、主制御CPU41aは、入球条件又は時間経過条件が成立すると、第1大入賞口18が閉鎖されるように第2ソレノイドSL2を制御するとともに、第1大入賞口18が閉鎖されたことを特定可能な情報(以下、開放終了コマンド)を生成して出力バッファにセットする。その後、主制御CPU41aは、エンディング時間の計測を開始する。そして、主制御CPU41aは、エンディング時間が経過すると、特殊当り遊技の終了を特定可能な情報(以下、特殊当り遊技終了コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。その後、主制御CPU41aは、特殊当り処理を終了する。
【0092】
また、主制御CPU41aは、特殊当り処理において、特殊当り遊技中に所定の動作パターンに基づいて振分シャッタ28を動作させるように第4ソレノイドSL4を制御する。そして、主制御CPU41aは、特殊当り遊技の終了時において、所定の動作パターンに基づく振分シャッタ28の動作が終了していない場合、特殊当り遊技の終了に伴って振分シャッタ28の動作を終了させるように第4ソレノイドSL4を制御する。
【0093】
次に、主制御CPU41aが行う特別遊技としての大当り遊技を生起させるための大当り処理について説明する。
主制御CPU41aは、特殊当り遊技において遊技球が特定通過センサSE5で検知された場合、該特殊当り遊技の終了後に大当り処理を行う。大当り処理において、主制御CPU41aは、大当り遊技を生起する契機となった特殊当りの種類に応じた制御を行うことにより、当選した特殊当りに基づく大当り遊技を生起させる。即ち、本実施形態において、特別抽選の結果が特殊当りとなったときには、その後に特殊当りに基づく大当り遊技が生起され得る。
【0094】
大当り処理において、主制御CPU41aは、オープニング時間の計測を開始するとともに、大当り遊技の開始を特定可能な情報(以下、大当り遊技開始コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。主制御CPU41aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。具体的に、主制御CPU41aは、所定の開放パターンに基づいて第2大入賞口20が開放されるように第3ソレノイドSL3を制御し、ラウンド遊技を開始させる。そして、主制御CPU41aは、ラウンド遊技を開始させた後、第1ラウンド終了条件又は第2ラウンド終了条件が成立すると、第2大入賞口20が閉鎖されるように第3ソレノイドSL3を制御し、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU41aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。また、主制御CPU41aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な情報(以下、ラウンド開始コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。また、主制御CPU41aは、ラウンド遊技を終了する毎に、ラウンド遊技の終了を特定可能な情報(以下、ラウンド終了コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。
【0095】
主制御CPU41aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の計測を開始する。そして、主制御CPU41aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技の終了を特定可能な情報(以下、大当り遊技終了コマンド)を生成して出力バッファにセットする。その後、主制御CPU41aは、大当り処理を終了する。
【0096】
次に、主制御CPU41aが行う遊技状態に関する処理について説明する。本実施形態では、主制御CPU41aが遊技状態に関する処理を行うことにより、遊技機の状態を制御する状態制御手段が実現される。
【0097】
主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている作動フラグに所定の値を設定することにより、遊技状態を制御可能である。具体的に、主制御CPU41aは、非時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定することにより、非時短状態に制御する。主制御CPU41aは、第1時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定することにより、第1時短状態に制御する。主制御CPU41aは、第2時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定することにより、第2時短状態に制御する。また、主制御CPU41aは、主制御RAM41c内の作動回数フラグに所定の値を設定させることにより、時短状態における作動回数を設定可能である。そして、主制御CPU41aは、作動フラグ及び作動回数フラグの値を更新した場合、現在の遊技状態及び作動回数を特定可能な遊技状態コマンドを副制御基板50へ出力する。
【0098】
主制御CPU41aは、大当り遊技を開始させる場合、非時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定するとともに、作動回数フラグの値を消去する。これにより、主制御CPU41aは、大当り終了条件の成立を契機として、時短状態を終了させる制御が可能である。
【0099】
また、主制御CPU41aは、大当り遊技を終了させる場合、大当り時の遊技状態と、大当り遊技の種類と、に応じて作動フラグ及び作動回数フラグの値を更新する。これにより、主制御CPU41aは、大当り制御条件の成立を契機として、時短状態に制御可能である。
【0100】
具体的に、主制御CPU41aは、大当り遊技ZAを終了させる場合であって、大当り時の遊技状態が非時短状態であるときには、第2時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定するとともに、作動回数として10回を特定可能な値を作動回数フラグに設定する。主制御CPU41aは、大当り遊技ZAを終了させる場合であって、大当り時の遊技状態が時短状態であるときには、第1時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定するとともに、作動回数として100回を特定可能な値を作動回数フラグに設定する。
【0101】
主制御CPU41aは、大当り遊技ZBを終了させる場合であって、大当り時の遊技状態が非時短状態であるときには、作動フラグ及び作動回数フラグの値を更新しない。即ち、主制御CPU41aは、大当り遊技ZBを終了させる場合であって、大当り時の遊技状態が非時短状態であるときには、大当り遊技の終了後も引き続き非時短状態に制御する。主制御CPU41aは、大当り遊技ZBを終了させる場合であって、大当り時の遊技状態が時短状態であるときには、第2時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定するとともに、作動回数として10回を特定可能な値を作動回数フラグに設定する。
【0102】
主制御CPU41aは、大当り遊技Zaを終了させる場合、大当り時の遊技状態が非時短状態及び時短状態の何れであっても、第1時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定するとともに、作動回数として100回を特定可能な値を作動回数フラグに設定する。
【0103】
主制御CPU41aは、大当り遊技Zbを終了させる場合、大当り時の遊技状態が非時短状態及び時短状態の何れであっても、第2時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定するとともに、作動回数として20回を特定可能な値を作動回数フラグに設定する。
【0104】
主制御CPU41aは、大当り遊技Zcを終了させる場合、大当り時の遊技状態が非時短状態及び時短状態の何れであっても、第2時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定するとともに、作動回数として15回を特定可能な値を作動回数フラグに設定する。
【0105】
主制御CPU41aは、大当り遊技Zdを終了させる場合、大当り時の遊技状態が非時短状態及び時短状態の何れであっても、第2時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定するとともに、作動回数として10回を特定可能な値を作動回数フラグに設定する。
【0106】
また、主制御CPU41aは、時短状態に制御されてから特別ゲームが実行されるごとに、作動回数フラグの値を更新する。そして、主制御CPU41aは、時短状態に制御されてから予め定めた作動回数の特別ゲームが実行されたことを契機として、非時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。これにより、主制御CPU41aは、回数終了条件の成立を契機として、時短状態を終了させる制御が可能である。
【0107】
次に、主制御CPU41aが行う普通図柄入力処理について説明する。
普通図柄入力処理において、主制御CPU41aは、ゲートセンサSE6から検知信号を入力した場合であって、普通保留数が上限数未満である場合に、主制御RAM41cに記憶されている普通保留数を1加算して更新するとともに、更新後の普通保留数を表示するように普通保留表示部13fを制御する。その後、主制御CPU41aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM41cに記憶させる。この場合、主制御CPU41aは、普通ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように記憶させる。なお、例えば、乱数は、普通当り判定(普通抽選)に用いる普通当り乱数などである。その後、主制御CPU41aは、普通図柄入力処理を終了する。
【0108】
次に、主制御CPU41aが行う普通図柄開始処理について説明する。
普通図柄開始処理において、主制御CPU41aは、普通当り遊技中ではなく且つ普通ゲームの実行中ではない場合であって、主制御RAM41cに記憶されている普通保留数が1以上である場合に、主制御RAM41cに記憶されている普通保留数を1減算して更新する。また、このとき、主制御CPU41aは、更新後の普通保留数が表示されるように普通保留表示部13fを制御する。続いて、主制御CPU41aは、普通ゲーム用の乱数情報のうち最先に記憶された乱数情報を主制御RAM41cから読み出し、読み出した乱数情報に基づいて、普通抽選を行う。具体的に、主制御CPU41aは、普通当り乱数の値が主制御ROM41bに記憶されている普通当り判定値と一致するか否かを判定することにより普通抽選を行う。このとき、主制御CPU41aは、現在の遊技状態に応じて異なる普通当り判定値を用いて普通抽選を行う。例えば、本実施形態では、非特定遊技状態であるときには、普通当り乱数の値にかかわらず普通当りに当選しない一方で、特定遊技状態であるときには普通当り乱数の値にかかわらず普通当りに当選するように、遊技状態毎に普通当り判定値が振り分けられている。
【0109】
続いて、主制御CPU41aは、普通ゲームで導出させる普通図柄と、普通ゲームの変動時間と、を決定する。その後、主制御CPU41aは、普通図柄開始処理を終了する。このとき、主制御CPU41aは、特定遊技状態であるときには非特定遊技状態であるときと比較して普通ゲームの変動時間として短い時間を決定する(又は、普通ゲームの変動時間として短い時間を決定し易い)ようにしてもよい。
【0110】
そして、主制御CPU41aは、普通図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、普通ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU41aは、普通ゲームを開始させるとともに、普通図柄開始処理において決定した変動時間が経過したときに、普通図柄開始処理において決定した普通図柄が導出されるように、情報表示装置13を制御する。
【0111】
次に、主制御CPU41aが行う普通当り処理について説明する。主制御CPU41aは、普通当りの普通ゲームが終了すると、普通当り処理を実行する。普通当り処理において、主制御CPU41aは、普通図柄(普通当りの種類)に定められた動作態様で普通可動片16を第2動作状態に動作させるように第1ソレノイドSL1を制御することにより、普通当り遊技を生起する。
【0112】
このような普通図柄入力処理、普通図柄開始処理、及び普通当り処理により、主制御CPU41aは、時短状態である場合には、非時短状態であるときと比較して、第2始動入賞口15に遊技球が入球しやすくなるように普通可動片16を動作させる。
【0113】
また、主制御CPU41aは、前述した処理の他にも各種の処理を行う。例えば、主制御CPU41aは、各センサから遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、該検知信号を入力したことを示す情報を生成して出力バッファにセットする。例えば、主制御CPU41aは、第1始動入賞センサSE1から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、第1始動入賞口14に遊技球が入球したことを示す第1入球コマンドを生成して出力バッファにセットする。主制御CPU41aは、第2始動入賞センサSE2から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、第2始動入賞口15に遊技球が入球したことを示す第2入球コマンドを生成して出力バッファにセットする。
【0114】
また、主制御CPU41aは、第1カウントセンサSE3から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、第1大入賞口18に遊技球が入球したことを示す第1大入賞コマンドを生成して出力バッファにセットする。主制御CPU41aは、第2カウントセンサSE4から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、第2大入賞口20に遊技球が入球したことを示す第2大入賞コマンドを生成して出力バッファにセットする。主制御CPU41aは、特定通過センサSE5から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、第1大入賞口18に入球した遊技球が第1通路26a内の特定領域を通過したことを示す特定通過コマンドを生成して出力バッファにセットする。主制御CPU41aは、ゲートセンサSE6から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、ゲート23を遊技球が通過したことを示すゲート通過コマンドを生成して出力バッファにセットする。
【0115】
他にも、主制御CPU41aは、賞球の付与条件の成立を契機として所定数の賞球を付与する制御を行う。なお、本明細書において賞球を付与する制御とは、現実に遊技球を機外に払い出す制御に限らず、例えば、パチンコ遊技機10又はパチンコ遊技機10とは別体の外部装置においてデータとして記憶されている遊技者の持ち球数を更新(加算)する制御なども含むことを意図している。
【0116】
次に、副制御CPU50aが行う各種の処理について説明する。副制御CPU50aは、主制御CPU41aから制御信号を入力すると、その制御信号に応じて各種の処理を実行する。
【0117】
まず、演出ゲームを実行するための演出図柄変動処理について説明する。
副制御CPU50aは、特別図柄指定コマンド及び変動パターン指定コマンドを入力すると、演出図柄の変動表示を開始させることにより特別ゲームに対応する演出ゲームを実行させるように演出表示装置12を制御する。具体的に、副制御CPU50aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、入力した特別図柄指定コマンドにより指定された特別図柄の種類に基づいて、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。
【0118】
具体的に、副制御CPU50aは、大当り図柄に分類される特別図柄が指定された場合、演出図柄による大当りの図柄組み合わせを決定する。副制御CPU50aは、特殊当り図柄に分類される特別図柄が指定された場合、演出図柄による特殊当りの図柄組み合わせを決定する。副制御CPU50aは、はずれ図柄に分類される特別図柄が指定された場合、演出図柄によるはずれの図柄組み合わせを決定する。
【0119】
また、副制御CPU50aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、入力した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、演出ゲームの実行中に実行させる演出を決定する。その後、副制御CPU50aは、各図柄列の演出図柄の変動表示を開始するように演出表示装置12を制御する。即ち、副制御CPU50aは、演出ゲームを開始させる。具体的に、副制御CPU50aは、演出表示装置12において、3列の演出図柄を変動表示させるように制御する。また、副制御CPU50aは、実行が決定された各種の演出を実行させるように制御する。続いて、副制御CPU50aは、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、各図柄列の演出図柄を一旦停止表示させるとともに、全図柄停止コマンドの入力を契機に、各図柄列の演出図柄を確定停止表示させる。なお、副制御CPU50aは、全図柄停止コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に各図柄列の演出図柄を確定停止表示させてもよい。この場合、全図柄停止コマンドは省略してもよい。
【0120】
その後、副制御CPU50aは、特別図柄の確定停止時間が経過したことを契機として、演出図柄の確定停止表示を終了させることにより、演出ゲームを終了させるように演出表示装置12を制御する。
【0121】
次に、遊技状態に関する処理について説明する。
副制御CPU50aは、主制御CPU41aから遊技状態コマンドを入力すると、入力した遊技状態コマンドから特定した遊技状態を特定可能な値を副制御RAM50cの副作動フラグに記憶させる。さらに、副制御CPU50aは、入力した遊技状態コマンドから特定した作動回数を特定可能な値を副制御RAM50cの副作動回数フラグに記憶させる。さらに、副制御CPU50aは、時短状態に制御されている場合、特別ゲームが実行されるごとに副作動回数フラグの値を更新する。このとき、副制御CPU50aは、変動パターン指定コマンドを入力したことを契機として副作動回数フラグの値を更新してもよいし、特別図柄指定コマンドを入力したことを契機として副作動回数フラグの値を更新してもよい。また、副制御CPU50aは、全図柄停止コマンドを入力したことを契機として副作動回数フラグの値を更新してもよい。これにより、副制御CPU50aは、現在の遊技状態及び作動回数を特定可能である。
【0122】
また、副制御CPU50aは、第1時短状態であることを特定可能な遊技状態コマンドを入力するごとに、副制御RAM50cに記憶される第1時短状態制御回数の値を更新することにより、第1時短状態に制御された回数を特定可能とする。なお、副制御CPU50aは、非時短状態中に特別ゲームが実行されたことを契機として第1時短状態制御回数の値を消去する。一方で、副制御CPU50aは、第2時短状態中に特別ゲームが実行されたことを契機としては、第1時短状態制御回数の値を消去しない。
【0123】
次に、本実施形態における演出モードについて説明する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、各種の演出の態様を定めた複数の演出モードを備えている。各種の演出の態様とは、例えば、実行可能な演出の種類や、演出の実行確率、演出において表示される画像の種類などを含む。
【0124】
図5に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10における演出モードには、通常モードと、第1特別モードと、第2特別モードと、の3種類の演出モードがある。通常モードは、現在の遊技状態が非時短状態であるときの演出モードである。第1特別モード及び第2特別モードは、現在の遊技状態が時短状態であるときの演出モードである。このうち、第1特別モードは、現在の遊技状態が第1時短状態であるときの演出モードである。また、第2特別モードは、現在の遊技状態が第2時短状態であるときの演出モードである。
【0125】
本実施形態において、副制御CPU50aは、副制御RAM50c内に記憶されている副作動フラグの値に基づいて現在の遊技状態を特定し、特定した内容に応じた演出モードに制御する。即ち、本実施形態において、副制御CPU50aは、現在の遊技状態に応じて、複数種類の演出モードの中から何れかの演出モードに制御する。このとき、副制御CPU50aは、副制御RAM50cに記憶されているモードフラグに所定の演出モードを示す値を記憶させる。そして、副制御CPU50aは、モードフラグに記憶された値に基づいて各種の演出を実行させることにより、所定の演出モードに制御する。
【0126】
なお、本実施形態において、副制御CPU50aは、特殊当り遊技中及び大当り遊技中には何れの演出モードにも制御しない。このとき、副制御CPU50aは、特殊当り遊技中及び大当り遊技中はモードフラグの値を消去するようにしてもよい。
【0127】
次に、遊技状態及び演出モードの移行態様について、主制御CPU41a及び副制御CPU50aの制御とともに説明する。なお、この説明では、通常に遊技が行われている場合には発生しない又はし難い状況については考慮しないものとする。即ち、この説明では、左打ちが推奨される遊技状態である非時短状態において特殊当りZa~Zdに当選する状況については考慮しない。また、この説明では、右打ちが推奨される遊技状態である時短状態において大当りZBに当選する状況については考慮しない。
【0128】
まず、現在の遊技状態が非時短状態であるときの遊技状態及び演出モードの移行態様について説明する。
主制御CPU41aは、非時短状態中に大当りZAに当選した場合には、大当り遊技の終了後に第2時短状態に制御する。このため、副制御CPU50aは、通常モード中に大当りZAに当選した場合には、大当り遊技の終了後に第2特別モードに制御する。また、主制御CPU41aは、非時短状態中に大当りZBに当選した場合には、大当り遊技の終了後も非時短状態に制御する。このため、副制御CPU50aは、通常モード中に大当りZBに当選した場合には、大当り遊技の終了後も通常モードに制御する。
【0129】
次に、現在の遊技状態が第1時短状態であるときの遊技状態及び演出モードの移行態様について説明する。
主制御CPU41aは、第1時短状態中に大当りZAに当選した場合には、大当り遊技の終了後も第1時短状態に制御する。このため、副制御CPU50aは、第1特別モード中に大当りZAに当選した場合には、大当り遊技の終了後も第1特別モードに制御する。同様に、主制御CPU41aは、第1時短状態中に特殊当りZaに当選した場合であって、特殊当り遊技Zaにおいて遊技球が特定領域を通過したときには、大当り遊技の終了後に第1時短状態に制御する。このとき、副制御CPU50aは、大当り遊技の終了後も第1特別モードに制御する。一方、主制御CPU41aは、第1時短状態中に特殊当りZb~Zdに当選した場合であって、特殊当り遊技Zb~Zdにおいて遊技球が特定領域を通過したときには、大当り遊技の終了後に第2時短状態に制御する。このとき、副制御CPU50aは、大当り遊技の終了後に第2特別モードに制御する。
【0130】
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10における演出について、副制御CPU50aによる制御とともに説明する。
まず、本実施形態のパチンコ遊技機10が実行可能な時短中楽曲演出について説明する。本実施形態において、副制御CPU50aは、時短状態中に時短中楽曲演出を実行させる制御が可能である。本実施形態において、時短中楽曲演出では、時短状態中に所定の楽曲がスピーカSPから出力される。言い換えれば、本実施形態において、スピーカSPは、時短状態中に楽曲を出力可能である。本実施形態の時短中楽曲演出において出力可能な楽曲は、複数種類ある。具体的に、本実施形態の時短中楽曲演出において出力可能な楽曲には、楽曲A~楽曲Eの5種類の楽曲がある。
【0131】
また、本実施形態では、操作ボタンBTの操作に応じて時短状態中に出力する楽曲を変更可能である。即ち、本実施形態では、操作ボタンBTの操作に応じて、時短中楽曲演出で出力される楽曲を変更可能である。
【0132】
以下、時短中楽曲演出に関する制御について詳しく説明する。
まず、第1時短状態の開始を契機として副制御CPU50aが実行する第1時短状態開始処理について説明する。本実施形態において、副制御CPU50aは、第1時短状態を特定可能な遊技状態コマンドを入力したことを契機として第1時短状態開始処理を実行する。
【0133】
図6に示すように、第1時短状態開始処理において、副制御CPU50aは、特別楽曲フラグがON状態であるか否かを判定する(ステップS1)。特別楽曲フラグは、副制御RAM50cに記憶されるフラグであって、時短中楽曲演出において特別楽曲としての楽曲Eを出力させることを指示するフラグである。
【0134】
特別楽曲フラグがOFF状態である場合(ステップS1:NO)、副制御CPU50aは、第1時短状態制御回数が特定回数であるか否かを判定する(ステップS2)。第1時短状態制御回数が特定回数である場合(ステップS2:YES)、副制御CPU50aは、特定楽曲フラグをON状態に設定する(ステップS3)。特定楽曲フラグは、副制御RAM50cに記憶されるフラグであって、時短中楽曲演出において特定楽曲としての楽曲Dの出力を許容するフラグである。
【0135】
続いて、副制御CPU50aは、時短中楽曲演出における楽曲の変更を制限する変更制限期間を開始させるように制御する(ステップS4)。なお、本実施形態において、副制御CPU50aは、予め定めた一定時間が経過したことを契機として変更制限期間を終了させるように制御する。即ち、本実施形態において、変更制限期間は、予め定めた一定時間が経過したことを契機として終了される。
【0136】
変更制限期間を開始させた後、副制御CPU50aは、第1楽曲フラグに楽曲Dを示す値を記憶させる(ステップS5)。第1楽曲フラグは、副制御RAM50cに記憶されるフラグであって、第1時短状態中の時短中楽曲演出において出力する楽曲を指示するフラグである。そして、副制御CPU50aは、第1楽曲フラグの値に基づいて楽曲の出力を開始させることにより、時短中楽曲演出を実行させるように制御する(ステップS6)。その後、副制御CPU50aは、第1時短状態開始処理を終了する。即ち、副制御CPU50aは、特別楽曲フラグがOFF状態であり、且つ、今回の第1時短状態が特定回数目の第1時短状態である場合、時短中楽曲演出において特定楽曲としての楽曲Dを出力させるように制御する。
【0137】
また、第1時短状態制御回数が特定回数ではない場合(ステップS2:NO)、副制御CPU50aは、現在の第1楽曲フラグの値に基づいて楽曲の出力を開始させることにより、時短中楽曲演出を実行させるように制御する(ステップS6)。その後、副制御CPU50aは、第1時短状態開始処理を終了する。即ち、副制御CPU50aは、特別楽曲フラグがOFF状態であり、且つ、今回の第1時短状態が特定回数目の第1時短状態ではない場合には、第1時短状態開始処理中に第1楽曲フラグの値を更新することなく、現在の第1楽曲フラグの値に応じた楽曲を時短中楽曲演出において出力させる。
【0138】
一方、特別楽曲フラグがON状態である場合(ステップS1:YES)、副制御CPU50aは、第1楽曲フラグに楽曲Eを示す値を記憶させる(ステップS7)。そして、副制御CPU50aは、第1楽曲フラグの値に基づいて楽曲の出力を開始させることにより、時短中楽曲演出を実行させるように制御する(ステップS6)。その後、副制御CPU50aは、第1時短状態開始処理を終了する。即ち、副制御CPU50aは、特別楽曲フラグがON状態である場合、時短中楽曲演出において特別楽曲としての楽曲Eを出力させるように制御する。
【0139】
以上のような第1時短状態開始処理により、副制御CPU50aは、第1時短状態の開始に伴って時短中楽曲演出を開始させる制御が可能である。特に、副制御CPU50aは、特別楽曲フラグがOFF状態である場合であって、第1時短状態制御回数が特定回数であるときには、第1時短状態開始処理において、第1楽曲フラグに特定楽曲としての楽曲Dを示す値を記憶させた後に、第1楽曲フラグの値に基づいて楽曲の出力を開始させる。即ち、第1時短状態開始処理において、副制御CPU50aは、特定回数目の第1時短状態の開始に伴って特定楽曲としての楽曲Dを出力させるように制御する。
【0140】
次に、第2時短状態の開始を契機として副制御CPU50aが実行する第2時短状態開始処理について説明する。本実施形態において、副制御CPU50aは、第2時短状態を特定可能な遊技状態コマンドを入力したことを契機として第2時短状態開始処理を実行する。
【0141】
図7に示すように、第2時短状態開始処理において、副制御CPU50aは、特別楽曲フラグがON状態であるか否かを判定する(ステップS11)。特別楽曲フラグがOFF状態である場合(ステップS11:NO)、副制御CPU50aは、第2楽曲フラグの値を特定する(ステップS12)。第1楽曲フラグは、副制御RAM50cに記憶されるフラグであって、第2時短状態中の時短中楽曲演出において出力する楽曲を指示するフラグである。
【0142】
続いて、副制御CPU50aは、第2楽曲フラグの値が楽曲Aを示す値であるか否かを判定する(ステップS13)。第2楽曲フラグの値が楽曲Aを示す値である場合(ステップS13:YES)、副制御CPU50aは、第2楽曲フラグに楽曲Bを示す値を記憶させる(ステップS14)。そして、副制御CPU50aは、第2楽曲フラグの値に基づいて楽曲の出力を開始させることにより、時短中楽曲演出を実行させるように制御する(ステップS15)。その後、副制御CPU50aは、第2時短状態開始処理を終了する。
【0143】
第2楽曲フラグの値が楽曲Aを示す値ではない場合(ステップS13:NO)、副制御CPU50aは、第2楽曲フラグの値が楽曲Bを示す値であるか否かを判定する(ステップS16)。第2楽曲フラグの値が楽曲Bを示す値である場合(ステップS16:YES)、副制御CPU50aは、第2楽曲フラグに楽曲Cを示す値を記憶させる(ステップS17)。そして、副制御CPU50aは、第2楽曲フラグの値に基づいて楽曲の出力を開始させることにより、時短中楽曲演出を実行させるように制御する(ステップS15)。その後、副制御CPU50aは、第2時短状態開始処理を終了する。
【0144】
第2楽曲フラグの値が楽曲Bを示す値ではない場合(ステップS16:NO)、副制御CPU50aは、第2楽曲フラグに楽曲Cを示す値を記憶させる(ステップS18)。そして、副制御CPU50aは、第2楽曲フラグの値に基づいて楽曲の出力を開始させることにより、時短中楽曲演出を実行させるように制御する(ステップS15)。その後、副制御CPU50aは、第2時短状態開始処理を終了する。
【0145】
一方、特別楽曲フラグがON状態である場合(ステップS11:YES)、副制御CPU50aは、第2楽曲フラグに楽曲Eを示す値を記憶させる(ステップS19)。そして、副制御CPU50aは、第2楽曲フラグの値に基づいて楽曲の出力を開始させることにより、時短中楽曲演出を実行させるように制御する(ステップS15)。その後、副制御CPU50aは、第2時短状態開始処理を終了する。即ち、副制御CPU50aは、特別楽曲フラグがON状態である場合、時短中楽曲演出において特別楽曲としての楽曲Eを出力させるように制御する。
【0146】
次に、時短状態中に操作ボタンBTが操作されたことを契機として副制御CPU50aが実行する楽曲変更処理について説明する。本実施形態において、副制御CPU50aは、時短状態中に操作ボタンBTが操作されたことを示す操作信号を入力したことを契機として楽曲変更処理を実行する。なお、以下の説明では、第1楽曲フラグと第2楽曲フラグとをまとめて「楽曲フラグ」と示す場合がある。
【0147】
図8に示すように、楽曲変更処理において、副制御CPU50aは、特別楽曲フラグがON状態であるか否かを判定する(ステップS21)。特別楽曲フラグがON状態である場合(ステップS21:YES)、副制御CPU50aは、楽曲変更処理を終了する。即ち、副制御CPU50aは、特別楽曲フラグがON状態である場合、操作ボタンBTが操作されたときであっても、時短中楽曲演出で出力される楽曲を変更しない。
【0148】
特別楽曲フラグがOFF状態である場合(ステップS21:NO)、副制御CPU50aは、変更制限期間中であるか否かを判定する(ステップS22)。変更制限期間中である場合(ステップS22:YES)、副制御CPU50aは、楽曲変更処理を終了する。即ち、副制御CPU50aは、変更制限期間中である場合、操作ボタンBTが操作されたときであっても、時短中楽曲演出で出力される楽曲を変更しない。
【0149】
変更制限期間中ではない場合(ステップS22:NO)、副制御CPU50aは、第1時短状態中であるか否かを判定する(ステップS23)。第1時短状態中である場合(ステップS23:YES)、副制御CPU50aは、変更対象の楽曲フラグとして第1楽曲フラグを選択する(ステップS24)。即ち、第1時短状態中である場合、副制御CPU50aは、楽曲変更処理において第1楽曲フラグの値を変更することにより、時短中楽曲演出で出力される楽曲を変更可能である。一方、第1時短状態中ではない場合(ステップS23:NO)、副制御CPU50aは、変更対象の楽曲フラグとして第2楽曲フラグを選択する(ステップS25)。即ち、第2時短状態中である場合、副制御CPU50aは、楽曲変更処理において第2楽曲フラグの値を変更することにより、時短中楽曲演出で出力される楽曲を変更可能である。
【0150】
そして、変更対象となる楽曲フラグを選択すると、副制御CPU50aは、楽曲フラグの値が楽曲Dを示す値であるか否かを判定する(ステップS26)。楽曲フラグの値が楽曲Dを示す値である場合(ステップS26:YES)、副制御CPU50aは、楽曲フラグに楽曲Aを示す値を記憶させる(ステップS27)。その後、副制御CPU50aは、楽曲変更処理を終了する。
【0151】
楽曲フラグの値が楽曲Dを示す値ではない場合(ステップS26:NO)、副制御CPU50aは、楽曲フラグの値が楽曲Cを示す値であるか否かを判定する(ステップS28)。楽曲フラグの値が楽曲Cを示す値である場合(ステップS28:YES)、副制御CPU50aは、特定楽曲フラグがON状態であるか否かを判定する(ステップS29)。特定楽曲フラグがON状態である場合(ステップS29:YES)、副制御CPU50aは、楽曲フラグに楽曲Dを示す値を記憶させる(ステップS30)。一方、特定楽曲フラグがOFF状態である場合(ステップS29:NO)、副制御CPU50aは、楽曲フラグに楽曲Aを示す値を記憶させる(ステップS27)。その後、副制御CPU50aは、楽曲変更処理を終了する。
【0152】
楽曲フラグの値が楽曲Cを示す値ではない場合(ステップS28:NO)、副制御CPU50aは、楽曲フラグの値が楽曲Bを示す値であるか否かを判定する(ステップS31)。楽曲フラグの値が楽曲Bを示す値である場合(ステップS31:YES)、副制御CPU50aは、楽曲フラグに楽曲Cを示す値を記憶させる(ステップS32)。その後、副制御CPU50aは、楽曲変更処理を終了する。一方、楽曲フラグの値が楽曲Bを示す値ではない場合(ステップS31:NO)、副制御CPU50aは、楽曲フラグに楽曲Bを示す値を記憶させる(ステップS33)。その後、副制御CPU50aは、楽曲変更処理を終了する。
【0153】
以上のような楽曲変更処理により、副制御CPU50aは、時短中楽曲演出で出力される楽曲を変更する制御が可能である。即ち、副制御CPU50aは、操作ボタンBTの操作に応じて、時短状態中に出力する楽曲を変更する制御が可能である。
【0154】
特に、本実施形態において、副制御CPU50aは、操作ボタンBTが操作されるごとに、予め定めた決定条件にしたがって楽曲を変更可能である。このとき、副制御CPU50aは、特定楽曲フラグがON状態であるときと、特定楽曲フラグがOFF状態であるときとで、異なる決定条件により楽曲を変更する。具体的に、副制御CPU50aは、特定楽曲フラグがON状態であるときには、楽曲A→楽曲B→楽曲C→楽曲D→楽曲A→・・・の順序で楽曲を変更する。一方で、副制御CPU50aは、特定楽曲フラグがOFF状態であるときには、楽曲A→楽曲B→楽曲C→楽曲A→・・・の順序で楽曲を変更する。即ち、本実施形態の楽曲変更処理では、特定楽曲フラグがON状態であるか否かに応じて、時短中楽曲演出で出力させる楽曲として決定可能な楽曲の種類が異なる。
【0155】
また、副制御CPU50aは、特定回数目の第1時短状態中の開始に伴って第1時短状態開始処理において変更制限期間が開始された場合、該変更制限期間中には時短中楽曲演出で出力される楽曲を変更不能である。即ち、本実施形態では、特定回数目の第1時短状態中である期間のうち少なくとも一部の期間において、操作ボタンBTの操作による楽曲の変更が制限される。
【0156】
一方で、副制御CPU50aは、特定回数目の第1時短状態中の開始に伴って第1時短状態開始処理において変更制限期間が開始された場合であっても、該特定回数目の第1時短状態中である期間のうち、変更制限期間の終了後には、操作ボタンBTの操作に応じて時短中楽曲演出で出力される楽曲を変更する制御が可能である。即ち、副制御CPU50aは、特定回数目の第1時短状態中であっても、操作ボタンBTの操作に応じて時短状態中に出力する楽曲を変更する制御が可能である。
【0157】
そして、このような第1時短状態開始処理、第2時短状態開始処理、及び楽曲変更処理によれば、副制御CPU50aは、第1時短状態制御回数が特定回数であるときには、該第1時短状態に制御される前の時短状態中に出力させた楽曲の種類にかかわらず、特定回数目の第1時短状態中に特定楽曲としての楽曲Dを出力させる制御が可能である。
【0158】
即ち、副制御CPU50aは、第1時短状態開始処理において、第1時短状態制御回数が特定回数に達したことを契機として特定楽曲フラグをON状態に制御したときには、特定回数目の時短状態中における時短中楽曲演出において、特定楽曲としての楽曲Dを出力させる。このとき、副制御CPU50aは、第1時短状態開始処理において第1楽曲フラグに楽曲Dを示す値を記憶させた上で第1楽曲フラグの値に応じて時短中楽曲演出を実行させることから、第1時短状態開始処理の開始時点における第1楽曲フラグ及び第2楽曲フラグの値にかかわらず楽曲Dを出力させることとなる。
【0159】
また、このような処理によれば、副制御CPU50aは、楽曲変更処理において第1時短状態中に第1楽曲フラグの値を変更した場合、次に第1時短状態に制御されることに伴って第1時短状態開始処理を開始するときには、第1楽曲フラグには前回の第1時短状態中に最後に出力されていた楽曲を示す値が記憶されていることとなる。そして、副制御CPU50aは、第1時短状態開始処理において、第1楽曲フラグの値を変更することなく、該第1楽曲フラグの値に基づいて楽曲の出力を開始させることにより時短中楽曲演出を開始させる制御が可能である。即ち、本実施形態において、副制御CPU50aは、第1時短状態に制御されるときには、前回の第1時短状態中に出力された楽曲の種類に基づいて、時短中楽曲演出で出力させる楽曲を決定可能である。特に、本実施形態において、副制御CPU50aは、前回の第1時短状態中に出力された楽曲と同じ楽曲を時短中楽曲演出で出力させる楽曲として決定可能である。
【0160】
また、副制御CPU50aは、第1時短状態開始処理において、第2楽曲フラグの値にかかわらず第1楽曲フラグの値に基づいて楽曲を出力させる。即ち、副制御CPU50aは、第1時短状態に制御された後に第2時短状態に制御され、その後さらに第1時短状態に制御された場合、第2時短状態中に出力された楽曲にかかわらず、前回の第1時短状態中に出力された楽曲の種類に基づいて、時短中楽曲演出で出力させる楽曲を決定可能である。
【0161】
さらに、このような処理によれば、副制御CPU50aは、楽曲変更処理において第2時短状態中に第2楽曲フラグの値を変更した場合、次に第2時短状態に制御されることに伴って第2時短状態開始処理を開始するときには、第2楽曲フラグには前回の第2時短状態中に最後に出力されていた楽曲を示す値が記憶されていることとなる。そして、副制御CPU50aは、第2時短状態開始処理において、その時点で第2楽曲フラグに記憶されている値に応じて第2楽曲フラグの値を変更した後に、該第2楽曲フラグの値に基づいて楽曲の出力を開始させることにより時短中楽曲演出を開始させる制御が可能である。即ち、本実施形態において、副制御CPU50aは、第2時短状態に制御されるときには、前回の第2時短状態中に出力された楽曲の種類に基づいて、時短中楽曲演出で出力させる楽曲を決定可能である。
【0162】
特に、本実施形態において、副制御CPU50aは、前回の第2時短状態中に出力された楽曲が楽曲Aであるときには、時短中楽曲演出で出力させる楽曲として楽曲Bを決定する。また、本実施形態において、副制御CPU50aは、前回の第2時短状態中に出力された楽曲が楽曲Bであるときには、時短中楽曲演出で出力させる楽曲として楽曲Cを決定する。さらに、本実施形態において、副制御CPU50aは、前回の第2時短状態中に出力された楽曲が楽曲Dであるときには、時短中楽曲演出で出力させる楽曲として楽曲Aを決定する。そして、本実施形態において、副制御CPU50aは、前回の第2時短状態中に出力された楽曲が楽曲Cであるときには、特定楽曲フラグがON状態であるか否かに応じて時短中楽曲演出で出力させる楽曲を決定する。具体的に、副制御CPU50aは、前回の第2時短状態中に出力された楽曲が楽曲Cであって、特定楽曲フラグがON状態であるときには、時短中楽曲演出で出力させる楽曲として楽曲Dを決定する。一方で、副制御CPU50aは、前回の第2時短状態中に出力された楽曲が楽曲Cであって、特定楽曲フラグがOFF状態であるときには、時短中楽曲演出で出力させる楽曲として楽曲Aを決定する。
【0163】
また、副制御CPU50aは、第2時短状態開始処理において、第1楽曲フラグの値にかかわらず第2楽曲フラグの値に基づいて楽曲を出力させる。即ち、副制御CPU50aは、第2時短状態に制御された後に第1時短状態に制御され、その後さらに第2時短状態に制御された場合、第1時短状態中に出力された楽曲にかかわらず、前回の第2時短状態中に出力された楽曲の種類に基づいて、時短中楽曲演出で出力させる楽曲を決定可能である。
【0164】
次に、特別楽曲フラグをON状態に設定するための特別楽曲設定処理について説明する。本実施形態において、副制御CPU50aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別楽曲設定処理を実行する。
【0165】
図9に示すように、特別楽曲設定処理において、副制御CPU50aは、第1時短状態中であるか否かを判定する(ステップS41)。第1時短状態中ではない場合(ステップS41:NO)、副制御CPU50aは、特別楽曲フラグを設定することなく特別楽曲設定処理を終了する。
【0166】
第1時短状態中である場合(ステップS41:YES)、副制御CPU50aは、副制御RAM50cに記憶されている獲得賞球数が規定数以上であるか否かを判定する(ステップS42)。本実施形態において、獲得賞球数は、遊技者が獲得した遊技球の数を特定可能な情報である。具体的に、副制御CPU50aは、各入賞口に遊技球が入球したことを示すコマンドを入力する毎に獲得賞球数を更新することにより、遊技者が獲得した遊技球の数を特定可能となる。獲得賞球数が規定数未満である場合(ステップS42:NO)、副制御CPU50aは、特別楽曲フラグを設定することなく特別楽曲設定処理を終了する。
【0167】
獲得賞球数が規定数以上である場合(ステップS42:YES)、副制御CPU50aは、特別楽曲フラグがON状態であるか否かを判定する(ステップS43)。特別楽曲フラグがON状態である場合(ステップS43:YES)、副制御CPU50aは、特別楽曲フラグを設定することなく特別楽曲設定処理を終了する。一方、特別楽曲フラグがOFF状態である場合(ステップS43:NO)、副制御CPU50aは、特別楽曲フラグをON状態に設定する(ステップS44)。その後、副制御CPU50aは、特別楽曲設定処理を終了する。
【0168】
このような特別楽曲設定処理により、副制御CPU50aは、第1時短状態中に獲得賞球数が規定数以上となった場合、特別楽曲フラグをON状態に設定する。そして、特別楽曲フラグがON状態である場合、副制御CPU50aは、第1時短状態開始処理及び第2時短状態開始処理において、楽曲フラグに特別楽曲としての楽曲Eを示す値を記憶させることにより、時短中楽曲演出で楽曲Eを出力させるように制御する。即ち、本実施形態では、第1時短状態中に獲得賞球数が規定数以上となった場合、該第1時短状態の終了後には、時短中楽曲演出において特別楽曲としての楽曲Eが出力されることとなる。
【0169】
また、特別楽曲フラグがON状態である場合、副制御CPU50aは、楽曲変更処理において、楽曲フラグの値を変更不能に制御する。このため、本実施形態において、特別楽曲フラグがON状態に設定された後は、時短中楽曲演出において楽曲Eが出力されることとなり、楽曲A~Dへの変更が不可能となる。即ち、本実施形態では、第1時短状態中に獲得賞球数が規定数以上となった場合、該第1時短状態の終了後には、特定楽曲としての楽曲Dを含む複数種類の楽曲の出力が制限される。本実施形態において、獲得賞球数が規定数以上となることは、特定条件に相当する。
【0170】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10が実行可能な楽曲表示演出について説明する。
図10(a)~(c)に示すように、本実施形態において、楽曲表示演出は、時短中楽曲演出の実行中に実行される演出である。本実施形態の楽曲表示演出では、時短中楽曲演出で出力されている楽曲を特定可能な楽曲情報MJが演出表示装置12に表示される。例えば、楽曲情報MJは、楽曲名を示す文字列を模した画像である。
【0171】
副制御CPU50aは、時短中楽曲演出の実行中に、該時短中楽曲演出で出力されている楽曲に応じた楽曲情報MJを表示させるように演出表示装置12を制御する。このとき、副制御CPU50aは、時短中楽曲演出で出力されている楽曲の種類に応じて異なる表示領域に楽曲情報MJを表示させる。
【0172】
具体的に、副制御CPU50aは、時短中楽曲演出で出力されている楽曲が楽曲A~Cの何れかであるときには、演出表示装置12の画像表示部GHのうち第1表示領域A1において楽曲情報MJを表示させるように制御する(
図10(a))。また、副制御CPU50aは、時短中楽曲演出で出力されている楽曲が楽曲Dであるときには、演出表示装置12の画像表示部GHのうち第2表示領域A2において楽曲情報MJを表示させるように制御する(
図10(b))。そして、副制御CPU50aは、時短中楽曲演出で出力されている楽曲が楽曲Eであるときには、演出表示装置12の画像表示部GHのうち第3表示領域A3において楽曲情報MJを表示させるように制御する(
図10(c))。
【0173】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10が実行可能な時短中チャンス演出について説明する。本実施形態において、時短中チャンス演出は、時短状態中に実行可能な演出である。本実施形態の時短中チャンス演出は、該時短中チャンス演出が実行されない場合と比較して、実行中の特別ゲームで特殊当り図柄が導出される期待度が高いことを報知する演出である。特に、本実施形態の時短中チャンス演出では、実行中の特別ゲームで特殊当り図柄が導出される期待度が高いことを報知するチャンス報知画像CGが演出表示装置12に表示される。
【0174】
副制御CPU50aは、時短状態中に変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、時短中チャンス演出を実行するか否かの演出実行抽選を行う。このとき、副制御CPU50aは、実行中の特別ゲームが特殊当り図柄を導出する特別ゲームである場合には、実行中の特別ゲームがはずれ図柄を導出する特別ゲームであるときと比較して高い確率で演出実行抽選に当選するように制御する。
【0175】
副制御CPU50aは、演出実行抽選に当選した場合に、時短中チャンス演出を実行させるように演出表示装置12を制御する。このとき、副制御CPU50aは、実行中の時短中楽曲演出で出力されている楽曲に応じて異なる種類のチャンス報知画像CGを表示させるように演出表示装置12を制御する。
【0176】
具体的に、副制御CPU50aは、時短中楽曲演出で出力されている楽曲が楽曲A~Cの何れかであるときには、第1チャンス報知画像CG1を表示させるように制御する(
図10(a))。また、副制御CPU50aは、時短中楽曲演出で出力されている楽曲が楽曲Dであるときには、第2チャンス報知画像CG2を表示させるように制御する(
図10(b))。そして、副制御CPU50aは、時短中楽曲演出で出力されている楽曲が楽曲Eであるときには、第3チャンス報知画像CG3を表示させるように制御する(
図10(c))。
【0177】
このとき、副制御CPU50aは、表示させるチャンス報知画像CGの種類にかかわらず、演出表示装置12の画像表示部GHにおいて同一の表示領域にチャンス報知画像CGを表示させるように制御する。またこのとき、副制御CPU50aは、現在の遊技状態が第1時短状態と第2時短状態の何れであるかにかかわらず、演出表示装置12の画像表示部GHにおいて同一の表示領域にチャンス報知画像CGを表示させるように制御する。具体的に、本実施形態において、副制御CPU50aは、演出表示装置12の画像表示部GHのうち第4表示領域A4にチャンス報知画像CGを表示させるように制御する。その後、副制御CPU50aは、チャンス報知画像CGを表示させてから所定時間が経過したことを契機としてチャンス報知画像CGを非表示とすることにより、時短中チャンス演出を終了させる。
【0178】
このように、副制御CPU50aは、時短中チャンス演出において、時短状態中に出力されている楽曲に応じたチャンス報知画像CGを表示させる制御が可能である。そして、本実施形態では、演出表示装置12においてチャンス報知画像CGが表示される表示領域は、現在の遊技状態の種類にかかわらず同一である。
【0179】
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態では、第1時短状態に制御される際に、特別楽曲フラグがOFF状態であり、第1時短状態制御回数が特定回数である場合には、第1時短状態中における時短中楽曲演出で出力する楽曲として楽曲Dが決定される。即ち、本実施形態の第1時短状態では、該第1時短状態に制御された回数に応じて出力される楽曲が決定される。これによれば、遊技の状況に応じた楽曲を出力させることができるため、遊技に対する興趣を向上できる。
【0180】
(2)特に本実施形態では、第2時短状態よりも遊技者にとって有利な第1時短状態について、該第1時短状態に制御された回数に応じて出力される楽曲が決定される。これによれば、遊技者にとって有利な第1時短状態中について、遊技の状況に応じた楽曲を出力させることができるため、遊技に対する興趣を向上できる。
【0181】
(3)本実施形態では、第1時短状態開始処理において第1時短状態中における時短中楽曲演出で出力する楽曲として楽曲Dが決定された場合、操作ボタンBTの操作による楽曲の変更を制限する変更制限期間が設定される。これによれば、変更制限期間中は遊技者の意図によらず遊技の状況に応じた楽曲を出力させることができるため、遊技に対する興趣を向上できる。
【0182】
(4)本実施形態では、第1時短状態開始処理において第1時短状態中における時短中楽曲演出で出力する楽曲として楽曲Dが決定された場合であっても、変更制限期間の終了後は、操作ボタンBTの操作を契機として実行される楽曲変更処理により時短中楽曲演出で出力する楽曲を変更可能である。これによれば、特定回数目の第1時短状態中であっても、遊技者による操作ボタンBTの操作により時短中楽曲演出で出力される楽曲を変更可能であるため、遊技者の好みの楽曲を選択させることで遊技に対する興趣を向上できる。
【0183】
(5)本実施形態では、第2時短状態に制御された後に第1時短状態に制御され、その後さらに第2時短状態に制御された場合、前回の第2時短状態中における時短中楽曲演出で出力された楽曲に基づいて、今回の第2時短状態中における時短中楽曲演出で出力される楽曲が決定される。これによれば、複数回の第2時短状態の間に第1時短状態に制御された場合であっても、複数回の第2時短状態について関連性を持たせて遊技を楽しませることができる。
【0184】
(6)本実施形態において、第1時短状態中に獲得賞球数が規定数以上となった場合、該第1時短状態の終了後には複数種類の楽曲の出力が制限される。これによれば、第1時短状態中に獲得賞球数が規定数以上となる前後で演出の態様を変化させて遊技を楽しませることができる。
【0185】
(7)本実施形態の時短中チャンス演出では、時短中楽曲演出で出力されている楽曲に応じた種類のチャンス報知画像CGが表示される。これによれば、出力されている楽曲と表示されるチャンス報知画像CGの組み合わせにより遊技者の興趣を向上できる。
【0186】
(8)本実施形態の時短中チャンス演出において、チャンス報知画像CGは、第1時短状態中であるか第2時短状態中であるかにかかわらず同一の表示領域に表示される。これによれば、時短中チャンス演出においてチャンス報知画像CGが見逃されてしまうことを抑制できる。
【0187】
(9)本実施形態の時短中チャンス演出において、チャンス報知画像CGは、出力されている楽曲の種類にかかわらず同一の表示領域に表示される。これによれば、時短中チャンス演出においてチャンス報知画像CGが見逃されてしまうことを抑制できる。
【0188】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0189】
・演出モードの種類は、適宜変更してもよい。例えば、所定の遊技状態中の演出モードとして複数種類の演出モードを備えてもよい。また、複数の遊技状態について、同一の演出モードに制御可能であってもよい。
【0190】
・時短中チャンス演出の実行態様は適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU50aは、現在の遊技状態に応じて異なる表示領域にチャンス報知画像CGを表示させるようにしてもよいし、時短中楽曲演出で出力されている楽曲の種類に応じて異なる表示領域にチャンス報知画像CGを表示させるようにしてもよい。また、副制御CPU50aは、現在の遊技状態にかかわらず同一のチャンス報知画像CGを表示させるようにしてもよいし、時短中楽曲演出で出力されている楽曲の種類にかかわらず同一のチャンス報知画像CGを表示させるようにしてもよい。
【0191】
・時短中チャンス演出で報知する内容は、適宜変更してもよい。例えば、時短中チャンス演出は、保留中の特別ゲームの中に特殊当り図柄が導出される特別ゲームが含まれている期待度を報知する演出であってもよい。また、時短中チャンス演出は、残りの作動回数を示唆又は報知する演出であってもよい。
【0192】
・時短中チャンス演出を備えていない遊技機に具体化してもよい。
・楽曲表示演出の実行態様は適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU50aは、現在の遊技状態にかかわらず同一の表示領域に楽曲情報MJを表示させるようにしてもよいし、時短中楽曲演出で出力されている楽曲の種類にかかわらず同一の表示領域に楽曲情報MJを表示させるようにしてもよい。なお、この場合、楽曲情報MJは、有利状態の種類にかかわらず同一の表示領域に表示される楽曲関連画像に相当する。
【0193】
・楽曲情報MJとして表示される画像は、適宜変更してもよい。例えば、楽曲情報MJは、楽曲の歌詞を示す文字列を模した画像であってもよいし、楽曲名を示す文字列を模した画像と、楽曲の歌詞を示す文字列を模した画像と、の組み合わせであってもよい。
【0194】
・楽曲表示演出を備えていない遊技機に具体化してもよい。
・特別楽曲フラグをON状態に設定するための特定条件は適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU50aは、大当り遊技が生起された回数が規定回数に達したことを条件として特別楽曲フラグをON状態に設定するようにしてもよい。
【0195】
・特別楽曲フラグは、第1時短状態であるか否かにかかわらず、特定条件が成立したことを契機としてON状態に設定されるようにしてもよい。例えば、副制御CPU50aは、第2時短状態中に獲得賞球数が規定数以上となったことを契機として特別楽曲フラグをON状態に設定してもよい。
【0196】
・特別楽曲フラグがON状態であるときの制御は適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU50aは、特別楽曲フラグがON状態であるときには、第1時短状態開始処理及び第2時短状態開始処理において時短中楽曲演出で楽曲Eを出力させるように制御する一方で、楽曲変更処理において時短中楽曲演出で出力する楽曲を変更可能としてもよい。即ち、特別楽曲フラグがON状態であるときには、時短中楽曲演出の開始時には楽曲A~Dが出力されない一方で、操作ボタンBTの操作により時短中楽曲演出で出力される楽曲を楽曲A~Dに変更可能であってもよい。また、副制御CPU50aは、特別楽曲フラグがON状態であるときには、操作ボタンBTの操作により、時短中楽曲演出で出力される楽曲を楽曲A~Eの中で変更可能としてもよい。
【0197】
・特別楽曲フラグは、任意の条件が成立したときにOFF状態に設定されるようにしてもよい。例えば、副制御CPU50aは、非時短状態中に第1特別ゲームが開始されたことを契機として特別楽曲フラグをOFF状態に設定してもよいし、非時短状態中に第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの何れかが開始されたことを契機として特別楽曲フラグをOFF状態に設定してもよい。また、副制御CPU50aは、特別楽曲フラグをON状態に設定した第1時短状態の次の時短状態の終了を契機として特別楽曲フラグをOFF状態に設定してもよい。
【0198】
・副制御CPU50aは、時短状態中に特定条件が成立した場合、楽曲フラグに特別楽曲としての楽曲Eを示す値を記憶させることにより、該時短状態において特定条件が成立した時点から楽曲Eを出力させるように制御してもよい。言い換えれば、時短状態中に特定条件が成立した場合、該時短状態において特定条件が成立した時点から楽曲A~Dの出力が制限されるようにしてもよい。
【0199】
・特別楽曲フラグをON状態に設定するための特定条件の成立を予告する特定条件予告演出を実行可能な遊技機に具体化してもよい。例えば、獲得賞球数が規定数に達することが特定条件である場合、副制御CPU50aは、獲得賞球数が規定数よりも少ない所定数に達したことを条件として、特定条件の成立が近いことを示唆する画像を演出表示装置12に表示させることにより、特定条件予告演出を実行させるようにしてもよい。また、大当り遊技が生起された回数が規定回数に達することが特定条件である場合、副制御CPU50aは、大当り遊技が生起された回数が規定回数よりも少ない所定回数に達したことを条件として、特定条件の成立が近いことを示唆する画像を演出表示装置12に表示させることにより、特定条件予告演出を実行させるようにしてもよい。これによれば、特定条件の成立が近い状況下で、まもなく特定条件が成立して特別楽曲フラグがON状態に設定されることで楽曲A~Dの出力が制限されることを予告することができる。
【0200】
・特別楽曲フラグがON状態に設定されたことを報知する特別報知演出を実行可能な遊技機に具体化してもよい。例えば、副制御CPU50aは、特別楽曲フラグをON状態に設定した場合に、特別楽曲フラグがON状態に設定されたことを報知する画像を演出表示装置12に表示させることにより、特別報知演出を実行させるようにしてもよい。これによれば、特別楽曲フラグがON状態となったときに、次の時短状態に制御されることを待つことなく、次の時短状態中に楽曲A~Dの出力が制限されることを報知することができる。
【0201】
・特別楽曲フラグを備えていない遊技機に具体化してもよい。即ち、副制御CPU50aは、特定条件の成立を契機としては、特定楽曲を含む複数種類の楽曲の出力を制限しないように制御してもよい。
【0202】
・変更制限期間が設定される期間は適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU50aは、第1時短状態開始処理において特定楽曲フラグをON状態に設定した場合、第1時短状態が終了するまでの間、変更制限期間を設定するようにしてもよい。即ち、特定回数目の第1時短状態中は、時短中楽曲演出で出力する楽曲を変更不能としてもよい。また、副制御CPU50aは、第1時短状態開始処理において特定楽曲フラグをON状態に設定した場合であっても、変更制限期間を設定しないようにしてもよい。即ち、特定回数目の第1時短状態中である期間の全体について、時短中楽曲演出で出力する楽曲を変更可能としてもよい。また、副制御CPU50aは、第1時短状態開始処理において特定楽曲フラグをON状態に設定するか否かにかかわらず、変更制限期間を設定するようにしてもよい。同様に、副制御CPU50aは、第2時短状態開始処理において変更制限期間を設定するようにしてもよい。即ち、特定回数目の第1時短状態であるか否かにかかわらず、時短状態に制御されてから一定時間は変更制限期間を設定するようにしてもよい。また、変更制限期間は、一定の時間でなくてもよく、不定の時間であってもよい。例えば、変更制限期間は、所定回数の特別ゲームが実行される期間であってもよい。
【0203】
・楽曲変更処理において楽曲を変更するときの楽曲の決定順序は、適宜変更してもよい。また、楽曲変更処理において決定不能な楽曲があってもよい。例えば、副制御CPU50aは、特定楽曲フラグがON状態である場合であっても、楽曲変更処理において楽曲フラグに楽曲Dを示す値を記憶させる制御が不能であってもよい。
【0204】
・楽曲変更処理における副制御CPU50aの制御内容は、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU50aは、最後に生起された大当り遊技の種類に応じて、楽曲変更処理において決定可能な楽曲の種類を異ならせてもよい。また、副制御CPU50aは、時短状態に制御されてから実行された特別ゲームの回数に応じて、楽曲変更処理において決定可能な楽曲の種類を異ならせてもよい。この場合、例えば、副制御CPU50aは、時短状態に制御されてから実行された特別ゲームの回数が0~10回であるときと、11~15回であるときと、16回以上であるときとで、決定可能な楽曲の種類を異ならせてもよい。これによれば、大当り遊技の種類に応じて大当り遊技の終了後に作動回数として設定される回数を異ならせる場合に、生起された大当り遊技の種類に応じて、楽曲変更処理において決定可能な楽曲の種類を異ならせることができるため、遊技者を飽きさせてしまうことを抑制できる。
【0205】
・副制御CPU50aは、操作ボタンBTが操作されていない場合であっても、時短中楽曲演出で出力される楽曲を変更可能であってもよい。例えば、副制御CPU50aは、時短状態中に実行された特別ゲームの回数が所定回数に達したことを条件として、時短中楽曲演出で出力される楽曲を変更するようにしてもよい。このとき、所定回数は、一部の大当り遊技の終了後に時短状態に制御されるときの作動回数よりも多い回数である一方で、他の大当り遊技の終了後に時短状態に制御されるときの作動回数よりも少ない回数であってもよい。例えば、所定回数は、大当り遊技Zdの終了後に時短状態に制御されるときの作動回数よりも多く、大当り遊技Za~Zcの終了後に時短状態に制御されるときの作動回数よりも少ない回数であってもよい。
【0206】
・特定回数は、適宜設定可能である。例えば、特定回数は1回であってもよい。即ち、副制御CPU50aは、初めて第1時短状態に制御される場合に、特定楽曲フラグをON状態に設定するとともに、第1楽曲フラグに特定楽曲としての楽曲Dを示す値を記憶させるようにしてもよい。
【0207】
・特定楽曲フラグをON状態に設定する条件は適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU50aは、第1時短状態開始処理において、獲得賞球数が所定数以上に達していることを条件として特定楽曲フラグをON状態に制御するようにしてもよい。
【0208】
・第1時短状態制御回数を消去するタイミングは、適宜変更してもよい。例えば、第1時短状態制御回数は、非時短状態中に第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの何れかが開始されたときに消去されるようにしてもよいし、パチンコ遊技機10が電源断されるまで消去されないようにしてもよい。
【0209】
・特定楽曲フラグは、任意の条件が成立したときにOFF状態に設定されるようにしてもよい。例えば、副制御CPU50aは、非時短状態中に第1特別ゲームが開始されたことを契機として特定楽曲フラグをOFF状態に設定してもよいし、非時短状態中に第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの何れかが開始されたことを契機として特定楽曲フラグをOFF状態に設定してもよい。
【0210】
・副制御CPU50aは、第1時短状態開始処理において、特別楽曲フラグがOFF状態であって、第1時短状態制御回数が特定回数ではないときには、第1楽曲フラグの値を更新した後に該更新後の第1楽曲フラグの値に基づいて楽曲の出力を開始させるようにしてもよい。このとき、副制御CPU50aは、第1時短状態開始処理の開始時点で第1楽曲フラグに記憶されている値に応じて第1楽曲フラグに記憶させる値を決定するようにしてもよい。即ち、副制御CPU50aは、第1時短状態開始処理において、前回の第1時短状態中に出力された楽曲に基づいて今回の第1時短状態中に出力させる楽曲を決定してもよい。また、副制御CPU50aは、第1時短状態開始処理の開始時点で第1楽曲フラグに記憶されている値にかかわらず第1楽曲フラグに記憶させる値を決定してもよい。即ち、副制御CPU50aは、第1時短状態開始処理において、前回の第1時短状態中に出力された楽曲にかかわらず今回の第1時短状態中に出力させる楽曲を決定してもよい。
【0211】
・副制御CPU50aは、第1時短状態開始処理において、特別楽曲フラグがON状態である場合であっても、第1楽曲フラグに楽曲Eを示す値を記憶させないようにしてもよい。即ち、副制御CPU50aは、第1時短状態中に特定条件が成立したことを契機として特別楽曲フラグをON状態に設定した場合、その後に第2時短状態に制御されたときに楽曲Eを出力させるように制御する一方で、第1時短状態に制御されたときには楽曲Eを出力させないように制御してもよい。
【0212】
・副制御CPU50aは、第2時短状態開始処理において、特別楽曲フラグがOFF状態であるときには、第2楽曲フラグの値を更新することなく該第2楽曲フラグの値に基づいて楽曲の出力を開始させるようにしてもよい。即ち、副制御CPU50aは、第2時短状態に制御するに際して、前回の第2時短状態中に出力された楽曲と同一の楽曲を今回の第2時短状態中に出力させる楽曲として決定してもよい。また、副制御CPU50aは、その時点で第2楽曲フラグに記憶されている値にかかわらず第2楽曲フラグに記憶させる値を決定してもよい。即ち、副制御CPU50aは、前回の第2時短状態中に出力された楽曲にかかわらず今回の第2時短状態中に出力させる楽曲を決定してもよい。
【0213】
・副制御CPU50aは、第2時短状態開始処理において、特別楽曲フラグがON状態である場合であっても、第2楽曲フラグに楽曲Eを示す値を記憶させないようにしてもよい。即ち、副制御CPU50aは、第1時短状態中に特定条件が成立したことを契機として特別楽曲フラグをON状態に設定した場合、その後に第1時短状態に制御されたときに楽曲Eを出力させるように制御する一方で、第2時短状態に制御されたときには楽曲Eを出力させないように制御してもよい。
【0214】
・第1楽曲フラグと第2楽曲フラグとは、1つの楽曲フラグとしてもよい。この場合、副制御CPU50aは、第1時短状態の次に第2時短状態に制御される場合、第2時短状態開始処理の開始時点で楽曲フラグに記憶されている値に基づいて第2時短状態中に出力させる楽曲を決定することにより、前回の第1時短状態中に出力された楽曲に基づいて今回の第2時短状態中に出力させる楽曲を決定してもよい。同様に、副制御CPU50aは、第2時短状態の次に第1時短状態に制御される場合、第1時短状態開始処理の開始時点で楽曲フラグに記憶されている値に基づいて第1時短状態中に出力させる楽曲を決定することにより、前回の第2時短状態中に出力された楽曲に基づいて今回の第1時短状態中に出力させる楽曲を決定してもよい。
【0215】
・時短中楽曲演出で出力可能な楽曲の数及び種類は、適宜変更してもよい。また、特定楽曲に相当する楽曲を複数種類備えていてもよい。この場合、副制御CPU50aは、変更制限期間中であっても、特定楽曲に相当する複数種類の楽曲の中で出力させる楽曲を変更する制御が可能であってもよい。また、特別楽曲に相当する楽曲を複数種類備えていてもよい。この場合、副制御CPU50aは、特別楽曲フラグがON状態であるときであっても、特別楽曲に相当する複数種類の楽曲の中で出力させる楽曲を変更する制御が可能であってもよい。
【0216】
・時短中楽曲演出に代えて、又は加えて、大当り遊技中に複数種類の楽曲の中から何れかの楽曲を出力する大当り遊技中楽曲演出を実行可能としてもよい。この場合、副制御CPU50aは、操作ボタンBTの操作に応じて、大当り遊技中に出力する楽曲を変更させる制御が可能であってもよい。またこの場合、副制御CPU50aは、大当り遊技のうち特定の大当り遊技について、該特定の大当り遊技が生起された回数が特定回数であるときには、該特定の大当り遊技が生起される前の大当り遊技中に出力させた楽曲の種類にかかわらず、特定回数目の大当り遊技中に特定の楽曲を出力させるようにしてもよい。また、時短中楽曲演出に加えて大当り遊技中楽曲演出を実行可能とする場合、副制御CPU50aは、大当り遊技の終了後に時短状態に制御されるときには、大当り遊技中に出力された楽曲に基づいて時短状態中に出力される楽曲を決定してもよい。さらに、時短中楽曲演出に加えて大当り遊技中楽曲演出を実行可能とする場合、副制御CPU50aは、時短状態中に大当り遊技が生起されるときには、時短状態中に出力された楽曲に基づいて大当り遊技中に出力される楽曲を決定してもよい。このとき、副制御CPU50aは、大当り遊技のうち特定の大当り遊技について、該特定の大当り遊技が生起された回数が第1特定回数であるときには、該特定の大当り遊技が生起される前の時短状態中に出力させた楽曲の種類にかかわらず、第1特定回数目の大当り遊技中に特定の楽曲を出力させるようにしてもよい。また、副制御CPU50aは、時短状態のうち特定の時短状態について、該特定の時短状態に制御された回数が第2特定回数であるときには、該特定の時短状態に制御される前の大当り遊技中に出力させた楽曲の種類にかかわらず、第2特定回数目の時短状態中に特定の楽曲を出力させるようにしてもよい。
【0217】
・大当り遊技中楽曲演出を実行可能な遊技機に具体化する場合、上記した実施形態及び変更例に記載した時短中楽曲演出に関する制御は、大当り遊技中楽曲演出に関する制御に転用してもよい。この場合、例えば、大当り遊技Zaは第1有利状態に相当し、大当り遊技Zb~Zdは第2有利状態に相当する。即ち、遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の大当り遊技は、大当り遊技が生起されていない状態よりも遊技者にとって有利な有利状態に相当する。
【0218】
・大当りの数及び種類は、適宜変更してもよい。
・特殊当りの数及び種類は、適宜変更してもよい。例えば、各特殊当りについて、特殊当り遊技において大当り遊技が生起された後に制御される遊技状態の種類を変更してもよい。また、特殊当り遊技において、実質的に遊技球が特定領域を通過しない特殊当りを備えてもよい。
【0219】
・次回の大当り遊技が生起されることが実質的に確約される大当り遊技を備えた遊技機に具体化してもよい。例えば、特定の大当り遊技について、大当り遊技の終了後に時短状態に制御されるときの作動回数として極めて多い回数(例えば、10000回)が設定されるようにしてもよい。これによれば、特定の大当り遊技は、次回の大当り遊技が生起されることが実質的に確約される大当り遊技となる。
【0220】
・特別図柄の大当り図柄を備えていない遊技機に具体化してもよい。即ち、大当り遊技は、特殊当り遊技において検知有効期間内に遊技球が特定領域を通過した場合にのみ生起されるようにしてもよい。
【0221】
・特別図柄の特殊当り図柄を備えていない遊技機に具体化してもよい。即ち、大当り遊技は、特別当り抽選において大当りに当選した場合にのみ生起されるようにしてもよい。
・第1時短状態及び第2時短状態における各種の制御の内容は、適宜変更してもよい。例えば、主制御CPU41aは、第1時短状態では、第2時短状態と比較して第2始動入賞口15への遊技球の入球率が低くなるように制御してもよい。また、主制御CPU41aは、第1時短状態に制御するときには、第2時短状態に制御するときと比較して作動回数として設定される回数が少なくなるように制御してもよい。即ち、第1時短状態は、第2時短状態と比較して遊技者にとって不利な遊技状態であってもよい。
【0222】
・時短状態の終了条件は、適宜変更してもよい。例えば、時短状態は、所定の特殊当りに当選したことを契機として終了される場合があってもよい。また、時短状態は、所定の特殊当りに基づく特殊当り遊技の終了を契機として終了される場合があってもよい。
【0223】
・特別当り抽選において大当りに当選する確率を変動させる確率変動機能を備えた遊技機に具体化してもよい。例えば、特定の大当りに当選したことを条件として大当り遊技の終了後に低確率状態から高確率状態に遊技状態を移行させるパチンコ遊技機に具体化してもよい。また例えば、大当り遊技中に遊技球が特定通過センサSE5により検知されたことを条件として大当り遊技の終了後に低確率状態から高確率状態に遊技状態を移行させるパチンコ遊技機(所謂、V確変機)に具体化してもよい。
【0224】
・遊技者が獲得した遊技球の数と、遊技者が遊技に使用した遊技球の数と、に基づいて算出される特定球数が所定の上限数に達したことを契機として遊技の実行を制限する機能(所謂、コンプリート機能)を備えた遊技機に具体化してもよい。この場合、副制御CPU50aは、特定球数が上限数に達したことを契機として、遊技の実行が制限されることを報知する制限報知演出を実行させる制御が可能であってもよい。また、副制御CPU50aは、当り遊技中に特定球数が上限数に達したことを契機として、当り遊技の終了後に遊技の実行が制限されることを事前に報知する第1制限事前報知演出を実行させる制御が可能であってもよい。このとき、副制御CPU50aは、特定球数が上限数に達したことを契機としては制限報知演出を実行させず、特定球数が上限数に達したときに生起されていた当り遊技が終了したことに伴って制限報知演出を実行させるように制御してもよい。また、副制御CPU50aは、特定球数が所定の上限数よりも小さい特定数に達したことを契機として、特定球数が上限数に達したときには遊技の実行が制限されることを事前に報知する第2制限事前報知演出を実行させる制御が可能であってもよい。ここで、遊技の実行が制限された場合には、その後に新たに大当り遊技が生起されず、遊技球を獲得できなくなる。また、遊技の実行が制限された場合には、時短中楽曲演出を含む各種の演出を実行不能となる。即ち、遊技の実行が制限された場合には、特定楽曲としての楽曲Dを含む複数種類の楽曲の出力が制限される。このため、例えば、特定の大当り遊技中に特定球数が上限数に達した場合、該特定の大当り遊技の終了後には、特定楽曲を含む複数種類の楽曲の出力が制限されることとなる。
【0225】
・副制御基板50をサブ統括制御基板とし、副制御基板50とは別に、演出表示装置12を専門に制御する表示制御基板と、スピーカSPを専門に制御する音声制御基板と、装飾ランプLAを専門に制御するランプ制御基板と、を個別に設けてもよい。また、表示制御基板と、音声制御基板と、ランプ制御基板と、のうち一部又は全部の基板を同一の基板としてもよい。また、副制御CPU50aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0226】
・パチンコ遊技機10は、主制御基板40の機能と副制御基板50の機能とを統合した単一の制御基板を備えてもよい。また、主制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御CPU41aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0227】
・演出ゲームを実行しないパチンコ遊技機に具体化してもよい。この場合、演出表示装置12に特別図柄を表示するとよい。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
【0228】
(付記1)遊技機の状態を制御する状態制御手段と、音声を出力する音声出力手段と、前記音声出力手段を制御する出力制御手段と、遊技者による操作が可能な操作手段と、を備え、前記状態制御手段により制御される状態には、通常状態と、通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態とがあり、前記有利状態には、第1有利状態と、第2有利状態と、を含む複数種類の前記有利状態があり、該複数種類の前記有利状態は、遊技者にとっての有利度が異なり、前記第1有利状態は、前記第2有利状態よりも遊技者にとって有利な有利状態であり、前記音声出力手段は、前記有利状態中に楽曲を出力可能であり、前記有利状態中に出力可能な楽曲は複数種類あり、前記出力制御手段は、前記操作手段の操作に応じて、前記有利状態中に出力する楽曲を変更させる制御が可能であって、前記第1有利状態に制御された回数が特定回数であるときには、該第1有利状態に制御される前の前記有利状態中に出力させた楽曲の種類にかかわらず、前記特定回数目の前記第1有利状態中に特定楽曲を出力させることを特徴とする遊技機。
【0229】
(付記2)画像を表示する表示手段と、前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記有利状態中に出力されている楽曲に応じた楽曲関連画像を表示させる制御が可能であり、前記表示手段において前記楽曲関連画像が表示される表示領域は、前記有利状態の種類にかかわらず同一である付記1に記載の遊技機。
【0230】
(付記3)前記出力制御手段は、前記第2有利状態に制御された後に前記第1有利状態に制御され、その後さらに前記第2有利状態に制御された場合に、前記第1有利状態の前に制御された前記第2有利状態中に出力された楽曲の種類に基づいて、前記第1有利状態の後に制御される前記第2有利状態の開始に伴って出力される楽曲を決定可能である付記1又は付記2に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0231】
A1…第1表示領域 A2…第2表示領域 A3…第3表示領域 A4…第4表示領域 BT…操作ボタン(操作手段) CG…チャンス報知画像(楽曲関連画像) CG1…第1チャンス報知画像(楽曲関連画像) CG2…第2チャンス報知画像(楽曲関連画像) CG3…第3チャンス報知画像(楽曲関連画像) CL…中心線 GH…画像表示部 HD…発射ハンドル LA…装飾ランプ MJ…楽曲情報 R1…第1経路 R1a…左側領域 R2…第2経路 R2a…右側領域 SE1…第1始動入賞センサ SE2…第2始動入賞センサ SE3…第1カウントセンサ SE4…第2カウントセンサ SE5…特定通過センサ SE6…ゲートセンサ SL1…第1ソレノイド SL2…第2ソレノイド SL3…第3ソレノイド SL4…第4ソレノイド SP…スピーカ(音声出力手段) W…センター枠 YB…遊技盤 YBa…遊技領域 YBb…開口窓 10…パチンコ遊技機 12…演出表示装置(表示手段) 13…情報表示装置 13a…第1特別図柄表示部 13b…第2特別図柄表示部 13c…第1特別保留表示部 13d…第2特別保留表示部 13e…普通図柄表示部 13f…普通保留表示部 14…第1始動入球口 15…第2始動入球口 16…普通開閉片 18…第1大入賞口 19…第1特別開閉片 20…第2大入賞口 21…第2特別開閉片 23…ゲート 23a…ゲート口 26…通路 26a…第1通路 26b…第2通路 27…分岐部 28…振分シャッタ 40…主制御基板 41…マイクロプロセッサ 41a…主制御CPU(状態制御手段) 41b…主制御ROM 41c…主制御RAM 50…副制御基板 50a…副制御CPU(出力制御手段、表示制御手段) 50b…副制御ROM 50c…副制御RAM