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特許7560083コンテンツ提供システム及びコンテンツ提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】コンテンツ提供システム及びコンテンツ提供方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20240925BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20240925BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240925BHJP
   G06V 10/82 20220101ALI20240925BHJP
【FI】
A61B5/00 D
G16H20/00
G06T7/00 660Z
G06T7/00 350C
G06V10/82
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024000585
(22)【出願日】2024-01-05
(62)【分割の表示】P 2020088870の分割
【原出願日】2020-05-21
(65)【公開番号】P2024036343
(43)【公開日】2024-03-15
【審査請求日】2024-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】516007858
【氏名又は名称】株式会社ジョリーグッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上路 健介
【審査官】外山 未琴
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-146173(JP,A)
【文献】特開2013-258555(JP,A)
【文献】特表2017-538556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
A61B 5/16
A61B 10/00
G16H 20/00
G06T 7/00
G06V 10/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像データ候補から選択された複数の画像データを含む治療用コンテンツを作成するための治療用コンテンツ情報を作成するコンテンツ作成端末と、前記治療用コンテンツを取得するユーザ端末と、前記治療用コンテンツ情報を前記ユーザ端末に提供するコンテンツ提供装置と、を備え、
前記コンテンツ作成端末は、
前記ユーザ端末を使用するユーザの健康状態を特定する第1状態特定部と、
前記第1状態特定部が特定した健康状態に基づいて、前記治療用コンテンツに含める複数の治療用画像データそれぞれを識別するための複数の画像識別情報を含む前記治療用コンテンツ情報を作成する情報作成部と、
前記治療用コンテンツ情報を識別するための治療用コンテンツ識別情報に関連付けて前記治療用コンテンツ情報を前記コンテンツ提供装置に送信するとともに、前記ユーザ端末が取得できるように前記治療用コンテンツ識別情報を出力する出力部と、
を有し、
前記ユーザ端末は、
取得した前記治療用コンテンツ識別情報を前記コンテンツ提供装置に送信することにより、前記治療用コンテンツ情報が示す前記複数の画像識別情報に対応する前記複数の治療用画像データを含む前記治療用コンテンツを取得する情報取得部と、
前記複数の治療用画像データを含む前記治療用コンテンツを表示部に表示させる画像表示部と、
を有するコンテンツ提供システム。
【請求項2】
前記ユーザ端末は、
前記ユーザ端末を使用するユーザが前記治療用コンテンツを閲覧した後に前記ユーザの健康状態を特定する第2状態特定部と、
前記第2状態特定部が特定した健康状態を示す情報と、前記ユーザが閲覧した前記治療用コンテンツの前記治療用コンテンツ識別情報とを前記コンテンツ作成端末に通知する通知部と、
をさらに有し、
前記情報作成部は、前記通知部から通知された前記ユーザの健康状態及び前記治療用コンテンツ識別情報に基づいて、前記治療用コンテンツ情報を更新し、
前記出力部は、前記治療用コンテンツ識別情報に関連付けて、更新後の前記治療用コンテンツ情報を前記コンテンツ提供装置に送信し、
前記ユーザ端末の前記情報取得部は、前記治療用コンテンツ情報が更新されたという通知を前記コンテンツ提供装置から取得した場合に、前記更新された前記治療用コンテンツ情報を取得する、
請求項1に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項3】
前記治療用コンテンツ情報は、前記複数の治療用画像データそれぞれの再生時間を示す再生時間情報をさらに含み、
前記画像表示部は、前記再生時間情報が示す前記再生時間ごとに前記複数の治療用画像データを前記表示部に表示させる、
請求項1に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項4】
前記第1状態特定部は、所定の診断用コンテンツを表示する表示端末を装着した前記ユーザが前記診断用コンテンツにおいて視認する視認位置と、当該視認位置に含まれる画像を前記ユーザが視認している間の前記ユーザの生体情報と、の関係に基づいて前記ユーザの健康状態を特定する、
請求項1に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項5】
複数の画像データ候補から選択された複数の画像データを含む治療用コンテンツを作成するための治療用コンテンツ情報を作成するコンテンツ作成端末と、前記治療用コンテンツを取得するユーザ端末と、前記治療用コンテンツ情報を前記ユーザ端末に提供するコンテンツ提供装置と、が実行するコンテンツ提供方法であって、
前記コンテンツ作成端末が実行する、前記ユーザ端末を使用するユーザの健康状態を特定するステップと、
前記コンテンツ作成端末が実行する、特定した健康状態に基づいて、前記治療用コンテンツに含める複数の治療用画像データそれぞれを識別するための複数の画像識別情報を含む前記治療用コンテンツ情報を作成するステップと、
前記コンテンツ作成端末が実行する、前記治療用コンテンツ情報を識別するための治療用コンテンツ識別情報に関連付けて前記治療用コンテンツ情報を前記コンテンツ提供装置に送信するステップと、
前記コンテンツ作成端末が実行する、前記ユーザ端末が取得できるように前記治療用コンテンツ識別情報を出力するステップと、
前記ユーザ端末が実行する、取得した前記治療用コンテンツ識別情報を前記コンテンツ提供装置に送信することにより、前記治療用コンテンツ情報が示す前記複数の画像識別情報に対応する前記複数の治療用画像データを含む前記治療用コンテンツを取得するステップと、
前記ユーザ端末が実行する、前記複数の治療用画像データを含む前記治療用コンテンツを表示部に表示させるステップと、
を有するコンテンツ提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが閲覧するためのコンテンツを提供するためのコンテンツ提供システム及びコンテンツ提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人の疲労状態を評価し、評価した結果を示す画像を出力する技術が知られている。特許文献1には、疲労に係る症状への対策を示す画像を出力する健康指導支援装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-096283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
うつ病や不安症等の精神疾患を有する人の場合、症状を改善するための医師等や心理士等(以下、医師等という)の面談を定期的に実施する必要があるが、面談を実施することができずに症状が改善しない場合があるという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、健康障害を有する人の状態を改善しやすくすることを可能にするコンテンツを提供するためのコンテンツ提供システム及びコンテンツ提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様のコンテンツ提供システムは、複数の画像データ候補から選択された複数の画像データを含む治療用コンテンツを作成するための治療用コンテンツ情報を作成するコンテンツ作成端末と、前記治療用コンテンツを取得するユーザ端末と、前記治療用コンテンツ情報を前記ユーザ端末に提供するコンテンツ提供装置と、を備え、前記コンテンツ作成端末は、前記ユーザ端末を使用するユーザの健康状態を特定する第1状態特定部と、前記第1状態特定部が特定した健康状態に基づいて、前記治療用コンテンツに含める複数の治療用画像データそれぞれを識別するための複数の画像識別情報を含む前記治療用コンテンツ情報を作成する情報作成部と、前記治療用コンテンツ情報を識別するための治療用コンテンツ識別情報に関連付けて前記治療用コンテンツ情報を前記コンテンツ提供装置に送信するとともに、前記ユーザ端末が取得できるように前記治療用コンテンツ識別情報を出力する出力部と、を有し、前記ユーザ端末は、取得した前記治療用コンテンツ識別情報を前記コンテンツ提供装置に送信することにより、前記治療用コンテンツ情報が示す前記複数の画像識別情報に対応する前記複数の治療用画像データを含む前記治療用コンテンツを取得する情報取得部と、前記複数の治療用画像データを含む前記治療用コンテンツを表示部に表示させる画像表示部と、を有する。
【0007】
前記ユーザ端末は、前記ユーザ端末を使用するユーザが前記治療用コンテンツを閲覧した後に前記ユーザの健康状態を特定する第2状態特定部と、前記第2状態特定部が特定した健康状態を示す情報と、前記ユーザが閲覧した前記治療用コンテンツの前記治療用コンテンツ識別情報とを前記コンテンツ作成端末に通知する通知部と、をさらに有し、前記情報作成部は、前記通知部から通知された前記ユーザの健康状態及び前記治療用コンテンツ識別情報に基づいて、前記治療用コンテンツ情報を更新し、前記出力部は、前記治療用コンテンツ識別情報に関連付けて、更新後の前記治療用コンテンツ情報を前記コンテンツ提供装置に送信し、前記ユーザ端末の前記情報取得部は、前記治療用コンテンツ情報が更新されたという通知を前記コンテンツ提供装置から取得した場合に、前記更新された前記治療用コンテンツ情報を取得してもよい。
【0008】
前記治療用コンテンツ情報は、前記複数の治療用画像データそれぞれの再生時間を示す再生時間情報をさらに含み、前記画像表示部は、前記再生時間情報が示す前記再生時間ごとに前記複数の治療用画像データを前記表示部に表示させてもよい。
【0009】
前記第1状態特定部は、所定の診断用コンテンツを表示する表示端末を装着した前記ユーザが前記診断用コンテンツにおいて視認する視認位置と、当該視認位置に含まれる画像を前記ユーザが視認している間の前記ユーザの生体情報と、の関係に基づいて前記ユーザの健康状態を特定してもよい。
【0010】
本発明の第2の態様のコンテンツ提供方法は、複数の画像データ候補から選択された複数の画像データを含む治療用コンテンツを作成するための治療用コンテンツ情報を作成するコンテンツ作成端末と、前記治療用コンテンツを取得するユーザ端末と、前記治療用コンテンツ情報を前記ユーザ端末に提供するコンテンツ提供装置と、が実行するコンテンツ提供方法であって、前記コンテンツ作成端末が実行する、前記ユーザ端末を使用するユーザの健康状態を特定するステップと、前記コンテンツ作成端末が実行する、特定した健康状態に基づいて、前記治療用コンテンツに含める複数の治療用画像データそれぞれを識別するための複数の画像識別情報を含む前記治療用コンテンツ情報を作成するステップと、前記コンテンツ作成端末が実行する、前記治療用コンテンツ情報を識別するための治療用コンテンツ識別情報に関連付けて前記治療用コンテンツ情報を前記コンテンツ提供装置に送信するステップと、前記コンテンツ作成端末が実行する、前記ユーザ端末が取得できるように前記治療用コンテンツ識別情報を出力するステップと、前記ユーザ端末が実行する、取得した前記治療用コンテンツ識別情報を前記コンテンツ提供装置に送信することにより、前記治療用コンテンツ情報が示す前記複数の画像識別情報に対応する前記複数の治療用画像データを含む前記治療用コンテンツを取得するステップと、前記ユーザ端末が実行する、前記複数の治療用画像データを含む前記治療用コンテンツを表示部に表示させるステップと、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、健康障害を有する人の状態が改善しやすくなるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】コンテンツ提供システムSの概要を説明するための図である。
図2】コンテンツ提供システムSの概要を説明するための図である。
図3】コンテンツ提供システムSの動作の流れの概要を示すフローチャートである。
図4】ユーザUの健康状態を特定する方法を説明するための図である。
図5】コンテンツ作成端末3の構成を示す図である。
図6】情報作成部364が治療用コンテンツ情報を作成する方法について説明するための図である。
図7】ユーザ端末4の構成を示す図である。
図8】コンテンツ提供システムSにおける治療用コンテンツの更新処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[コンテンツ提供システムSの概要]
図1及び図2は、コンテンツ提供システムSの概要を説明するための図である。図3は、コンテンツ提供システムSの動作の流れの概要を示すフローチャートである。
【0014】
コンテンツ提供システムSは、ユーザUが視認可能なコンテンツを提供するためのシステムである。ユーザUは、健康状態の確認又は健康状態の改善が必要な人であり、例えば精神疾患を患っている可能性がある人のように健康障害を有する可能性がある人である。
【0015】
図1は、病院又は診療所等の医療施設にユーザUがいる間に行われる処理の流れを示す図である。図2は、ユーザUが自宅において治療用コンテンツを閲覧するための処理の流れを示す図である。治療用コンテンツは、ユーザUが閲覧することにより、健康状態を改善するように構成されたコンテンツである。
【0016】
図1に示すように、コンテンツ提供システムSは、表示端末1Aと、生体情報取得装置2と、コンテンツ作成端末3と、ユーザ端末4と、コンテンツ提供装置5と、を備える。以下、図1図2及び図3を参照しながら、コンテンツ提供システムSの概要を説明する。
【0017】
表示端末1Aは、医療施設においてユーザUが閲覧する診断用コンテンツを表示する装置である。表示端末1Aは、例えばゴーグルの形状をしているが、表示端末1Aの態様は、表示端末1Aが表示する診断用コンテンツをユーザUが視認できる限りにおいて任意である。
【0018】
表示端末1Aは、診断用コンテンツを表示する(図3のS11)。表示端末1Aは、ユーザUが視認している診断用コンテンツ内の位置を特定し、特定した位置を示す情報(以下、「視認位置情報」という。)をコンテンツ作成端末3に送信する。表示端末1Aは、例えば、表示している診断用コンテンツの画面を特定するための情報(例えばフレーム番号)と関連付けて視認位置情報を送信する。コンテンツ作成端末3は、例えば医療施設に設置されているコンピュータであり、ユーザUの治療に用いられる治療用コンテンツを作成するためのコンテンツ作成端末として機能する。コンテンツ作成端末3は、視認位置情報に基づいて、ユーザUが視認している診断用コンテンツ内の位置を特定する(S12)。
【0019】
図1に示すユーザUは、手首に生体情報取得装置2を装着している。生体情報取得装置2は、ユーザUの身体の状態(例えば、脈拍、血圧、体温、発汗量)を示す生体情報を測定する装置であり、測定した生体情報をコンテンツ作成端末3に送信する。生体情報取得装置2は、例えばBLE(Bluetooth Low Energy、Bluetoothは登録商標)等の無線通信手段により生体情報をコンテンツ作成端末3に送信する。コンテンツ作成端末3は、生体情報取得装置2が送信した生体情報を取得する(S13)。
【0020】
続いて、コンテンツ作成端末3は、表示端末1Aから受信した視認位置情報及び生体情報取得装置2から受信した生体情報に基づいて、ユーザUの健康状態を特定する(S14)。図4は、ユーザUの健康状態を特定する方法を説明するための図である。図4(a)は診断用画像を示しており、図4(b)は、時間の経過に伴うユーザUの生体情報(例えば脈拍)の変化を示している。図4(a)における星印(★)は、閲覧者Uの視認位置を示している。図4に示す例においては、閲覧者Uが飲み物を視認している間に生体情報が変化している。表示端末1は、このように閲覧者Uが視認している対象と生体情報との関係に基づいて閲覧者Uの心身の状態を特定する。
【0021】
コンテンツ作成端末3は、特定した健康状態を改善するための治療用コンテンツの内容を決定し、治療用コンテンツの内容を示す処方情報である治療用コンテンツ情報を作成する(S15)。治療用コンテンツ情報は、治療用コンテンツに含める複数の治療用画像データそれぞれを識別するための複数の画像識別情報と、複数の治療用画像データを再生する順序を示す順序情報と、を含む情報である。なお、コンテンツ作成端末3は、複数の治療用コンテンツの候補を表示し、医師等の選択操作に基づいて治療用コンテンツの内容を決定してもよい。
【0022】
コンテンツ作成端末3は、ネットワークNを介して、治療用コンテンツ情報と、当該治療用コンテンツを識別するための治療用コンテンツ識別情報(以下、「コンテンツID」という)とをコンテンツ提供装置5に送信する(S16)。また、コンテンツ作成端末3は、コンテンツIDをディスプレイに表示する(S17)。当該情報は、例えば、コンテンツIDを含む二次元画像データであり、ユーザUが使用するユーザ端末4が読取可能な態様でディスプレイに表示される。コンテンツ作成端末3は、コンテンツIDを含む二次元画像データをプリンタに出力してもよい。
【0023】
ユーザ端末4は、例えばスマートフォン又はタブレットである。ユーザ端末4は、ユーザUの操作に応じてコンテンツ作成端末3に表示された二次元画像コードを読み取ることにより、コンテンツIDを取得する。ユーザ端末4は、内蔵する記憶媒体にコンテンツIDを記憶する(S18)。
【0024】
コンテンツ提供装置5は、コンテンツIDに関連付けて複数の治療用コンテンツを記憶するサーバである。コンテンツ提供装置5は、コンテンツ作成端末3からコンテンツ作成情報とコンテンツIDとを受信すると、コンテンツ作成情報に基づいて治療用コンテンツを作成し、作成した治療用コンテンツとコンテンツIDとを関連付けて記憶してもよい。コンテンツ提供装置5は、ユーザ端末4からコンテンツIDとともにコンテンツの要求を受信すると、複数の治療用コンテンツのうち、ユーザ端末4から受信したコンテンツIDに対応する治療用コンテンツをユーザ端末4に提供する。コンテンツ提供装置5は、治療用コンテンツとして、治療用コンテンツを構成する複数の治療用画像データと、当該治療用画像データの再生順序及び再生時間を示すデータとをユーザ端末4に送信してもよい。
【0025】
続いて、図2及び図3を参照しながら、ユーザUが自宅において治療用コンテンツを閲覧するための処理の流れを説明する。ユーザUが、例えばユーザ端末4にインストールされたアプリケーションソフトウェアを起動して、医療施設においてユーザ端末4に記憶させたコンテンツIDをコンテンツ提供装置5に送信する操作をすると、ユーザ端末4は、コンテンツIDをコンテンツ提供装置5に送信する(S19)。コンテンツ提供装置5は、コンテンツIDに対応する治療用コンテンツ情報をユーザ端末4に送信し、ユーザ端末4は、送信された治療用コンテンツ情報を受信する(S20)。
【0026】
ユーザ端末4は、取得した治療用コンテンツ情報に基づいて治療用コンテンツを構成し、構成した治療用コンテンツをユーザUが装着する表示端末1Bに表示させる。ユーザ端末4は、例えば治療用コンテンツを近距離無線通信により表示端末1Bに送信することにより、治療用コンテンツを表示端末1Bに表示させる(S21)。なお、表示端末1Bは、表示端末1Aと同様の機能を有しており、ユーザUが視認している治療用コンテンツ内の位置を特定し、特定した位置を示す視認位置情報をユーザ端末4に送信することもできる。また、ユーザUは、自宅においても生体情報取得装置2を装着し、生体情報取得装置2は、治療用コンテンツを閲覧している間のユーザUの生体情報をユーザ端末4に送信してもよい。
【0027】
コンテンツ提供システムSが以上のように構成されていることにより、ユーザUは、ユーザUが医療施設において診断用コンテンツを閲覧した結果に基づいて処方された治療用コンテンツを、医療施設以外の任意の場所(例えば自宅)で閲覧することができる。したがって、ユーザUは、医療施設に頻繁に通うことなく治療用コンテンツを閲覧することができるので、ユーザUの健康状態が改善しやすくなる。
以下、コンテンツ作成端末3及びユーザ端末4の構成及び動作を詳細に説明する。
【0028】
[コンテンツ作成端末3の構成]
図5は、コンテンツ作成端末3の構成を示す図である。コンテンツ作成端末3は、第1通信部31と、第2通信部32と、表示部33と、操作部34と、記憶部35と、制御部36とを有する。制御部36は、視認位置特定部361と、生体情報取得部362と、状態特定部363と、情報作成部364と、出力部365と、を有する。
【0029】
第1通信部31は、表示端末1A及び生体情報取得装置2との間でデータを送受信するための通信インターフェースであり、例えばWi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)等の無線コントローラを有する。第1通信部31は、例えば表示端末1Aに診断用コンテンツを送信したり、表示端末1Aから視認位置情報を受信したりする。また、第1通信部31は、生体情報取得装置2から生体情報を受信する。第1通信部31は、受信した視認位置情報及び生体情報を制御部36に入力する。
【0030】
第2通信部32は、コンテンツ提供装置5との間でデータを送受信するための通信インターフェースであり、例えばインターネットに接続するための通信コントローラを有する。第2通信部32は、治療用コンテンツ情報及びコンテンツIDをコンテンツ提供装置5に送信する。
【0031】
表示部33は、情報を表示するデバイスであり、例えばディスプレイである。表示部33は、例えば、コンテンツIDを含む二次元画像データであるQRコード(登録商標)を表示する。
【0032】
操作部34は、医師等の操作を受け付けるデバイスであり、例えばキーボード及びマウスである。操作部34は、治療用コンテンツを作成するための操作を受け付ける。
【0033】
記憶部35は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体を含む。記憶部35は、表示端末1Aから受信した視認位置情報、及び生体情報取得装置2から受信した生体情報を一時的に記憶したり、ユーザUに関連付けて、ユーザUが視認した診断用コンテンツを特定するための情報、及びユーザUに処方した治療用コンテンツを特定するための情報を記憶したりする。また、記憶部35は、制御部36が実行するプログラムを記憶する。
【0034】
制御部36は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む。制御部36は、記憶部35に記憶されたプログラムを実行することにより、視認位置特定部361、生体情報取得部362、状態特定部363、情報作成部364、及び出力部365として機能する。
【0035】
視認位置特定部361は、第1通信部31を介して表示端末1Aから受信した視認位置情報に基づいて、ユーザUが診断用コンテンツを閲覧している間の視認位置を特定する。視認位置特定部361は、例えば、表示端末1が表示している診断用コンテンツの画面を特定するための情報(例えばフレーム番号)と視認位置情報とを関連付けて取得する。視認位置特定部361は、取得した情報を用いて、診断用コンテンツが表示されている画面における複数の位置それぞれを視認している時間の長さ、及び複数の位置を視認する順序等を特定した結果を状態特定部363に通知する。
【0036】
生体情報取得部362は、第1通信部31を介して生体情報取得装置2から受信した生体情報を取得する。生体情報取得部362は取得した生体情報を状態特定部363に通知する。
【0037】
状態特定部363は、所定の診断用コンテンツを表示する表示端末1Aを装着したユーザUが診断用コンテンツにおいて視認する視認位置に基づいてユーザUの健康状態(例えばユーザUの精神状態又は疲労状態)を特定する第1状態特定部である。状態特定部363は、例えば、視認位置特定部361から通知された、ユーザUが診断用コンテンツにおける複数の位置それぞれを視認している時間の長さ、及び複数の位置を視認する順序等に基づいて、ユーザUの健康状態を特定する。状態特定部363は、生体情報取得部362から取得した生体情報にさらに基づいてユーザUの健康状態を特定してもよい。状態特定部363は、特定した健康状態を情報作成部364に通知する。
【0038】
情報作成部364は、作成する治療用コンテンツの内容を特定するための情報として、治療用コンテンツに含める複数の治療用画像データそれぞれを識別するための複数の画像識別情報と、複数の治療用画像データを再生する順序を示す順序情報と、を含む治療用コンテンツ情報を作成する。情報作成部364は、例えば、状態特定部363から通知されたユーザUの健康状態を改善するために適した治療用コンテンツに対応する治療用コンテンツ情報を作成する。すなわち、情報作成部364は、状態特定部363が特定した健康状態に基づいて、複数の画像識別情報及び順序情報を生成する。情報作成部364は、作成した治療用コンテンツ情報を出力部365に通知する。
【0039】
情報作成部364は、例えば、健康状態と治療用コンテンツ情報とが関連付けられたデータベースを参照し、複数の治療用コンテンツ情報から、ユーザUの健康状態に対応する治療用コンテンツ情報を選択する。情報作成部364は、健康状態と複数の画像識別情報とが関連付けられたデータベースを参照し、健康状態に基づいて、複数の画像識別情報から一以上の画像識別情報を選択することにより、治療用コンテンツ情報を作成してもよい。
【0040】
ユーザUの健康状態に適した治療用コンテンツが複数存在する場合、出力部365を介して、複数の治療用コンテンツの候補を表示部33に表示させてもよい。この場合、情報作成部364は、複数の治療用コンテンツの候補から医師等が選択した治療用コンテンツに対応する治療用コンテンツ情報を出力部365に通知する。
【0041】
出力部365は、情報作成部364から通知された治療用コンテンツ情報を出力する。出力部365は、例えば、治療用コンテンツ識別情報をコンテンツIDに関連付けてコンテンツ提供装置5に送信する。また、出力部365は、治療用コンテンツ識別情報に対応するコンテンツIDを含むQRコードを表示部33に表示させる。
【0042】
図6は、情報作成部364が治療用コンテンツ情報を作成する方法について説明するための図である。図6においては、複数の画像データ候補として、動物に関連する画像データ候補A1~A4、カフェに関連する画像データ候補B1~B4、スポーツに関連する画像データ候補C1~C4、風景に関連する画像データ候補D1~D4が示されている。
【0043】
図6に示す例において、情報作成部364は、状態特定部363が特定したユーザUの健康状態に基づいて、これらの複数の画像データ候補からA4、B2、B3、D1、D2、D3それぞれの少なくとも一部を選択する。そして、情報作成部364は、選択した複数の画像データ候補を、ユーザUの健康状態を改善するための効果が相対的に大きいと推定される順序を決定することにより治療用コンテンツ情報を作成する。図6に示す例の場合、情報作成部364は、B2、B3、D1、D2、D3、A4の順序に並べることを示す治療用コンテンツ情報を作成する。
【0044】
情報作成部364は、ユーザUの状態に基づいて、複数の画像データそれぞれの時間の長さを決定する。情報作成部364は、ユーザUの状態の改善に直接的につながると考えられる1つの治療用画像データのうち第1時間に相当する部分を使用し、他の1つの第2画像データのうち第1時間よりも短い第2時間に相当する部分を使用する。図6に示す例の場合、D1とA4が他の画像データよりも長く、B3とD3が他の画像データよりも短い。
【0045】
情報作成部364は、例えば、ユーザUの状態が緊張した状態である場合、ユーザUがリラックスできる画像データのうち第1時間の部分を治療用画像データとして使用することに決定する。そして、情報作成部364は、ユーザUの興味を惹きつける画像データのうち第2時間の部分を第2画像データとして使用し、第2画像データの後に治療用画像データを配置することにより治療用コンテンツ情報を作成する。情報作成部364がこのような治療用コンテンツ情報を作成することにより、ユーザUは興味を持って治療用画像データの閲覧を開始した後に、第2画像データを閲覧することで状態を改善することができる。
【0046】
図6に示す治療用コンテンツ情報において、B2、B3、D1、D2、D3、A4の横幅は再生時間を示している。このように、情報作成部364は、治療用コンテンツに含める複数の治療用画像データの再生時間を示す情報も含んでいる。なお、図6においては、治療用コンテンツ情報のイメージを示しているが、治療用コンテンツ情報は、治療用画像データを特定するための画像ID、複数の治療用画像データを再生する順序、及びそれぞれの画像データの再生時間を示すテキスト情報により構成されている。
【0047】
[ユーザ端末4の構成]
図7は、ユーザ端末4の構成を示す図である。ユーザ端末4は、通信部41と、表示操作部42と、記憶部43と、制御部44と、を有する。制御部44は、UI部441と、情報取得部442と、画像表示部443と、視認位置特定部444と、生体情報取得部445と、状態特定部446と、通知部447とを有する。
【0048】
通信部41は、例えばコンテンツ提供装置5との間でデータを送受信するための通信インターフェースである。通信部41は、例えばWi-Fiに接続するための無線通信コントローラを有する。
【0049】
表示操作部42は、各種の情報を表示するディスプレイ、及びユーザUの操作を受け付けるタッチパネル等の操作デバイスを含む。表示操作部42は、UI部441から入力された情報を表示し、ユーザUが操作した画面上の位置を示す情報をUI部441に通知する。
【0050】
記憶部43は、ROM及びRAM等の記憶媒体を有する。記憶部43は、コンテンツ作成端末3に表示されたコンテンツIDを記憶する。また、記憶部43は、コンテンツ提供装置5から取得した治療用コンテンツ情報を記憶する。さらに、記憶部43は、制御部44が実行するプログラムを記憶する。
【0051】
制御部44は、例えばCPUであり、記憶部43に記憶されたプログラムを実行することにより、UI部441、情報取得部442、画像表示部443、視認位置特定部444、生体情報取得部445、状態特定部446及び通知部447として機能する。
【0052】
UI部441は、記憶部43に各種の情報を表示させ、記憶部43においてユーザUが行った操作の内容を受け付けるユーザインターフェース機能を有する。UI部441は、例えば、治療用コンテンツを閲覧するための操作を記憶部43から受け付けると、当該操作を受け付けたことを情報取得部442に通知する。
【0053】
情報取得部442は、コンテンツ作成端末3が作成した治療用コンテンツ情報又は治療用コンテンツ情報に対応する治療用コンテンツを取得する。情報取得部442は、例えば、UI部441から、治療用コンテンツを閲覧するための操作が行われたという通知を受けると、通信部41を介して、記憶部43に記憶されているコンテンツIDをコンテンツ提供装置5に送信することにより、コンテンツIDに対応する治療用コンテンツ情報をコンテンツ提供装置5から取得する。情報取得部442は、治療用コンテンツ情報に基づいてコンテンツ提供装置5が作成した治療用コンテンツをコンテンツ提供装置5から取得してもよい。情報取得部442は、取得した治療用コンテンツ情報又は治療用コンテンツを画像表示部443に通知する。
【0054】
画像表示部443は、通知された治療用コンテンツ情報が示す複数の画像識別情報に対応する複数の治療用画像データを、順序情報が示す順序で表示部に表示させる。表示部は、例えば表示端末1Bが有するディスプレイである。上述したように、治療用コンテンツ情報は、複数の治療用画像データそれぞれの再生時間を示す再生時間情報をさらに含んでもよく、この場合、画像表示部443は、再生時間情報が示す再生時間ごとに複数の治療用画像データを表示端末1Bに表示させる。
【0055】
画像表示部443は、例えば再生時間情報が示す再生時間に対応する複数の治療用画像データを、順序情報が示す順序で表示端末1Bに送信することにより、治療用コンテンツを表示端末1Bに表示させる。画像表示部443は、治療用コンテンツ情報が示す複数の画像識別情報に対応する複数の治療用画像データ、順序情報及び再生時間情報を表示端末1Bに送信し、表示端末1Bにおいて順序情報に基づいて複数の治療用画像データを再生させることにより、治療用コンテンツを表示端末1Bに表示させてもよい。
【0056】
視認位置特定部444は、治療用コンテンツを閲覧しているユーザUが視認している位置を示す視認位置情報を表示端末1Bから取得することにより、治療用コンテンツにおける視認位置を特定する。視認位置特定部444は、特定した視認位置を状態特定部446に通知する。視認位置特定部444は、コンテンツ作成端末3が有する視認位置特定部361と同様に、治療用コンテンツが表示されている画面における複数の位置それぞれを視認している時間の長さ、及び複数の位置を視認する順序等を特定した結果を状態特定部446に通知してもよい。
【0057】
生体情報取得部445は、コンテンツ作成端末3が有する生体情報取得部362と同様に、治療用コンテンツを閲覧しているユーザUが装着している生体情報取得装置2から、生体情報取得装置2の生体情報を取得する。生体情報取得部445は、取得した生体情報を状態特定部446に通知する。
【0058】
状態特定部446は、ユーザ端末4を使用するユーザUが治療用コンテンツを閲覧した後にユーザUの健康状態を特定する第2状態特定部である。具体的には、状態特定部446は、生体情報取得部445から通知された、治療用コンテンツを閲覧中のユーザUの視認位置に基づいて、ユーザUの健康状態を特定する。状態特定部446は、視認位置と生体情報とに基づいてユーザUの健康状態を特定してもよい。状態特定部446は、治療用コンテンツをユーザUが閲覧した後に表示される診断用コンテンツを閲覧中のユーザUの視認位置又は生体情報の少なくともいずれかに基づいて、ユーザUの健康状態を特定してもよい。状態特定部446は、特定した健康状態を通知部447に通知する。
【0059】
通知部447は、通信部41を介して、状態特定部446が特定したユーザUの健康状態と、ユーザUが閲覧した治療用コンテンツに対応するコンテンツIDとをコンテンツ作成端末3に通知する。通知部447は、例えば、コンテンツ作成端末3を使用する医師等のメールアドレス宛に、ユーザUの健康状態を示す情報とコンテンツIDとを関連付けて送信する。
【0060】
通知部447は、健康状態を示す情報とコンテンツIDとを関連付けてコンテンツ提供装置5に送信し、コンテンツ提供装置5を介して、健康状態を示す情報とコンテンツIDとをコンテンツ作成端末3に通知してもよい。通知部447は、コンテンツ作成端末3が有する制御部36が実行するアプリケーションプログラムを介して情報作成部364が、ユーザUの健康状態を示す情報とコンテンツIDとを取得できるように、これらを送信してもよい。
【0061】
[治療用コンテンツの更新処理]
上記のように、状態特定部446が特定したユーザUの健康状態と、ユーザUが閲覧した治療用コンテンツに対応するコンテンツIDとを通知部447がコンテンツ作成端末3に通知することにより、コンテンツ作成端末3は、コンテンツIDに関連付けられた治療用コンテンツを更新することができる。
【0062】
図8は、コンテンツ提供システムSにおける治療用コンテンツの更新処理の流れを示すフローチャートである。図8に示すフローチャートは、ユーザUが表示端末1Bにおいて治療用コンテンツを閲覧している時点から開始している。
【0063】
ユーザUが表示端末1Bにおいて治療用コンテンツを閲覧している間に、視認位置特定部444は、ユーザUの視認位置を特定し(S21)、状態特定部446は、例えば視認位置に基づいてユーザUの健康状態を特定する(S22)。状態特定部446は、特定したユーザUの健康状態を示す情報とコンテンツIDとを関連付けて送信する(S23)。
【0064】
コンテンツ作成端末3の情報作成部364は、健康状態を示す情報及びコンテンツIDを取得すると、ユーザUの健康状態と、コンテンツIDに対応する治療用コンテンツの内容とを照合し、治療用コンテンツを更新すべきか否かを判定する(S24)。情報作成部364は、例えば、ユーザUが医療施設において診断用コンテンツを閲覧した時点での健康状態(第1健康状態)と、取得した情報が示す最新の健康状態(第2健康状態)との差が、治療効果が生じていないと推定される所定範囲内である場合、治療用コンテンツの更新が必要であると判定する。
【0065】
情報作成部364は、第1健康状態と第2健康状態との差が所定範囲よりも大きく、第2健康状態が第1健康状態よりも良い状態になっている場合、治療効果が生じていると判定する。情報作成部364は、第1健康状態と第2健康状態との差が所定範囲よりも大きく、第2健康状態が第1健康状態よりも悪い状態になっている場合、ユーザUが第1治療用コンテンツ情報を閲覧することで逆効果が生じていると判定する。情報作成部364は、治療用コンテンツを更新すべきであると判定した場合、更新した治療用コンテンツを作成する(S25)。情報作成部364は、例えば、判定結果を表示部33に表示させ、判定結果を確認した医師等の指示に基づいて治療用コンテンツを作成する。情報作成部364は、作成した治療用コンテンツに対応する治療用コンテンツ情報をコンテンツIDに関連付けてコンテンツ提供装置5に送信する(S26)。
【0066】
その後、ユーザ端末4の情報取得部442は、治療用コンテンツが更新されたという通知をコンテンツ提供装置5から受信する。情報取得部442は、更新された治療用コンテンツ情報又は更新された治療用コンテンツをコンテンツ提供装置5から取得し(S27)、画像表示部443は、更新された治療用コンテンツ情報に対応する治療用コンテンツを表示端末1Bに表示させる(S28)。このように、治療用コンテンツを閲覧したユーザUの健康状態に基づいて治療用コンテンツが更新されることにより、コンテンツ提供システムSは、ユーザUの健康状態をさらに効果的に改善することが可能になる。
【0067】
[機械学習モデルの利用]
情報作成部364は、治療効果が高い治療用コンテンツ情報を作成するために、機械学習モデルを利用してもよい。機械学習モデルは、一例として、ユーザUの健康状態が入力されると、複数の画像データ候補から選択された複数の画像データを出力するように深層学習することにより作成されたモデルである。情報作成部364は、このような機械学習モデルに、ユーザUの健康状態を入力し、機械学習モデルから出力された複数の画像データを選択することにより、治療用コンテンツを作成する。
【0068】
上記のような機械学習モデルを作成するために、情報作成部364は、ユーザUの状態と、ユーザUが閲覧した治療用コンテンツにおける複数の画像データの配置と、ユーザUが当該治療用コンテンツを閲覧したことによる治療の効果の有無を示す情報と、を教師データとして、機械学習モデル作成装置(例えばコンピュータ)に出力してもよい。教師データには、ユーザUの属性がさらに関連付けられていてもよい。
【0069】
機械学習モデル作成装置は、多数の表示端末1から取得した多数の教師データに基づいて深層学習をすることにより、ユーザUの状態に適した画像データの内容、複数の画像データを表示する順序、複数の画像データそれぞれを表示する長さの精度が向上する。情報作成部364は、このようにして作成された機械学習モデルにユーザUの状態を入力することで、治療効果が大きい治療用コンテンツ情報を作成することができる。
【0070】
なお、機械学習モデルは、ユーザUの視認位置情報又は生体情報の少なくともいずれかが入力されると、ユーザUの健康状態を示す情報を出力するように学習したモデルであってもよい。また、機械学習モデルは、ユーザUの視認位置情報又は生体情報の少なくともいずれかが入力されると、ユーザUの健康状態を改善するために適した治療用コンテンツを作成するように学習したモデルであってもよい。
【0071】
[第1変形例]
以上の説明においては、ユーザ端末4がコンテンツIDをコンテンツ提供装置5に送信し、コンテンツIDに対応する治療用コンテンツ情報又は治療用コンテンツをコンテンツ提供装置5から取得する場合を例示したが、ユーザ端末4が治療用コンテンツ情報又は治療用コンテンツを取得する方法はこれに限らない。ユーザ端末4は、コンテンツ提供装置5を介することなく、コンテンツ作成端末3から直接治療用コンテンツ情報又は治療用コンテンツを取得してもよい。
【0072】
[第2変形例]
以上の説明においては、ユーザ端末4が、治療用コンテンツを閲覧したユーザUの健康状態を示す情報をコンテンツ作成端末3に送信し、コンテンツ作成端末3が、健康状態を示す情報に基づいて、更新した治療用コンテンツを作成する場合を例示したが、更新した治療用コンテンツをコンテンツ作成端末3以外の装置で作成してもよい。例えば、治療用コンテンツを閲覧したユーザUの健康状態を示す情報をコンテンツ提供装置5が受信し、コンテンツ提供装置5が、上記の情報作成部364が実行する処理と同様の処理を実行することにより、更新した治療用コンテンツを作成してもよい。この際、コンテンツ提供装置5は、情報作成部364と同様に、機械学習モデルを使用して、ユーザUの健康状態を改善するために適した治療用コンテンツを作成してもよい。
【0073】
コンテンツ提供装置5は、例えば、ユーザ端末4を介して、治療用コンテンツを閲覧中のユーザUの視認位置を示す情報及び生体情報を取得し、取得した情報に基づいてユーザUの健康状態を特定する。コンテンツ提供装置5は、ユーザUの健康状態に異常があると判定した場合にコンテンツ作成端末3に通知したり、健康状態を改善するように更新した治療用コンテンツを作成したりしてもよい。
【0074】
[第3変形例]
以上の説明においては、コンテンツ作成端末3が、視認位置情報又は生体情報に基づいてユーザUの健康状態を特定した結果に基づいて治療用コンテンツを作成する場合を例示したが、コンテンツ作成端末3が治療用コンテンツを作成する方法はこれに限らない。コンテンツ作成端末3は、例えば、医師がユーザUに問診をした結果に基づいて特定した健康状態に基づいて治療用コンテンツを作成してもよい。
【0075】
[第4変形例]
以上の説明においては、状態特定部363及び状態特定部446が、視線位置情報又は生体情報を用いてユーザUの健康状態を特定する場合を例示したが、状態特定部363及び状態特定部446がユーザUの健康状態を特定する手段はこれらに限らない。状態特定部363及び状態特定部446は、自身の健康状態をユーザUに回答してもらう質問と回答の選択肢をユーザUに提示し、ユーザUが回答した結果に基づいてユーザUの健康状態を特定してもよい。この場合、表示端末1Aが表示する診断用コンテンツが、ユーザUに健康状態を確認するための質問を含んでいてもよい。
【0076】
また、情報作成部364は、ユーザUに健康状態を確認するための質問を含む治療用コンテンツ情報を作成してもよい。情報作成部364は、診断用コンテンツを用いて状態特定部363が特定したユーザUの健康状態に基づいて決定した質問を含む治療用コンテンツ情報を作成してもよい。情報作成部364は、例えば、状態特定部363が診断用コンテンツを用いて特定したユーザUの健康上の問題が改善したかどうかを確認するための質問を含む治療用コンテンツ情報を作成する。情報作成部364は、治療用コンテンツ情報に含める治療用画像データに関連付けられた質問を含む治療用コンテンツ情報を作成してもよい。
【0077】
ユーザは、診断用コンテンツ又は治療用コンテンツに表示される回答の選択肢を視認し、状態特定部363又は状態特定部446は、ユーザUが視認した選択肢に基づいてユーザUの健康状態を特定する。状態特定部363又は状態特定部446が、このような質問への回答を用いてユーザUの健康状態を特定することにより、健康状態の特定精度がさらに向上する。
【0078】
[表示端末1による効果]
以上説明したように、コンテンツ提供システムSにおいては、医療施設においてユーザUが診断用コンテンツを閲覧している間のユーザUの視線位置又は生体情報等に基づいて、コンテンツ作成端末3が治療用コンテンツを作成し、コンテンツ作成端末3は、治療用コンテンツに関連付けられたコンテンツIDを表示する。ユーザUは、自身のユーザ端末4でコンテンツIDを撮影し、任意の場所で、コンテンツIDに対応する治療用コンテンツを再生することができる。コンテンツ提供システムSがこのように構成されていることにより、ユーザUが、症状を改善するための医師等との面談を行っていない時間においても治療が進むので、ユーザUの健康状態が改善しやすくなる。
【0079】
また、コンテンツ提供システムSにおいては、コンテンツ作成端末3が出力する情報はコンテンツIDであり、治療用コンテンツ自体を出力しない。したがって、例えば治療用コンテンツの使用許諾を医師等が有していない場合であっても、治療用コンテンツの処方データとしての治療用コンテンツ情報をコンテンツ作成端末3が作成することで、ユーザUがコンテンツ提供装置5を介して治療用コンテンツを閲覧可能にすることができる。
【0080】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0081】
1 表示端末
2 生体情報取得装置
3 コンテンツ作成端末
4 ユーザ端末
5 コンテンツ提供装置
31 第1通信部
32 第2通信部
33 表示部
34 操作部
35 記憶部
36 制御部
41 通信部
42 表示操作部
43 記憶部
44 制御部
361 視認位置特定部
362 生体情報取得部
363 状態特定部
364 情報作成部
365 出力部
441 UI部
442 情報取得部
443 画像表示部
444 視認位置特定部
445 生体情報取得部
446 状態特定部
447 通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8