(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】フェルラ酸の変色抑制用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/44 20060101AFI20240925BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20240925BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/36
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2020064185
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2022-10-17
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598073604
【氏名又は名称】築野ライスファインケミカルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】築野 卓夫
(72)【発明者】
【氏名】神足 悟史
(72)【発明者】
【氏名】小林 瑞佳
(72)【発明者】
【氏名】中川 詩織
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-176225(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0123499(US,A1)
【文献】特開平08-259421(JP,A)
【文献】特開2004-203835(JP,A)
【文献】Daiichi Sankyo Healthcare, Japan,Moist Lift Lotion,Mintel GNPD [online],2012年09月,Internet <URL:https://portal.mintel.com>,ID#1880398, [検索日:2024.01.12], 表題部分及び成分
【文献】Highside, Japan,Lotion AO II,Mintel GNPD [online],2015年04月,Internet <URL:https://portal.mintel.com>,ID#3095999, [検索日:2024.01.12], 表題部分及び成分
【文献】Hakuichi, Japan,Extra Lotion,Mintel GNPD [online],2014年10月,Internet <URL:https://portal.mintel.com>,ID#2741689, [検索日:2024.01.12], 表題部分及び成分
【文献】Highside, Japan,The Cream,Mintel GNPD [online],2019年09月,Internet <URL:https://portal.mintel.com>,ID#6872159, [検索日:2023.09.14], 表題部分及び成分
【文献】Jimos, Japan,Ice Wine Pack,Mintel GNPD [online],2017年08月,Internet <URL:https://portal.mintel.com>,ID#5042951, [検索日:2023.09.14], 表題部分及び成分
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61Q 1/00-43/00
A23L 5/40- 5/49
A23L 31/00-33/29
A23L 2/00- 2/84
A23L 3/00- 3/3598
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルギニン又はその塩とフェルラ酸又はその塩とを混合すること、及びフェルラ酸1質量部に対して、アルギニンを0.5~2.0質量部の割合で混合することを特徴とする、フェルラ酸の変色抑制方法。
【請求項2】
アルギニン又はその塩とフェルラ酸又はその塩とを含む混合物のpHが4.0~6.0であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
フェルラ酸又はその塩の含量が、アルギニン又はその塩とフェルラ酸又はその塩とを含む混合物に対して、0.01~3.0質量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
アルギニン又はその塩の含量が、アルギニン又はその塩とフェルラ酸又はその塩とを含む混合物に対して、0.005~6.0質量%であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェルラ酸の変色抑制用組成物及びフェルラ酸の変色抑制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フェルラ酸は、米、小麦、トマト等のさまざまな植物に含まれる天然の抗酸化剤であり、紫外線吸収作用、防黴作用、抗菌作用、血糖値降下作用等の効能も有することから、美白剤や日焼け止め、しわ防止剤等に利用されている。しかしながら、フェルラ酸は、フェノール性化合物であるため、比較的不安定であり、光や高温の条件下では変色し易い欠点があった。このため、例えば、化粧料や、医薬品、食品等への応用に当たり、フェルラ酸を安定化する技術が検討されている。
例えば、特許文献1には、フェルラ酸をγ-シクロデキストリンにより包接することで、安定化することが記載されており、特許文献2には、フェルラ酸をポリオールと併用する方法が記載されている。しかしながら、アルギニンによって、フェルラ酸の変色を抑制出来ることは、これまでに知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-055182号公報
【文献】特許4540909号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、フェルラ酸の変色抑制用組成物及びフェルラ酸の変色抑制方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アルギニンを加えるという簡便な方法によって、フェルラ酸の変色を抑制出来ることを見出し、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は以下の発明に関する。
[1]アルギニン又はその塩を含有することを特徴とする、フェルラ酸の変色抑制用組成物。
[2]さらに、フェルラ酸又はその塩を含有することを特徴とする、前記[1]に記載の組成物。
[3]フェルラ酸又はその塩の含量が組成物全体に対して、0.01~3.0質量%であることを特徴とする、前記[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]アルギニン又はその塩の含量が組成物全体に対して、0.005~6.0質量%であることを特徴とする、前記[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]組成物中のフェルラ酸に対するアルギニンの含有割合が、フェルラ酸1質量部に対して、アルギニンが0.5~2.0質量部であることを特徴とする、前記[2]~[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]さらに、化粧料組成物であることを特徴とする、前記[1]~[4]のいずれかに記載の組成物。
[7]pHが4.0~6.0であることを特徴とする、前記[1]~[5]のいずれかに記載の組成物。
[8]EDTA又は他のキレート剤を含まないことを特徴とする、前記[1]~[6]のいずれかに記載の組成物。
[9]アルギニン又はその塩とフェルラ酸又はその塩とを混合することを特徴とする、フェルラ酸の変色抑制方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フェルラ酸の変色抑制用組成物を提供することができる。好ましくは、キレート剤を用いずに、フェルラ酸の変色を抑制することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、各試料について、フェルラ酸の吸光度の変化量(吸光度の差)を測定した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔フェルラ酸の変色抑制用組成物〕
本発明のフェルラ酸の変色抑制用組成物は、アルギニン又はその塩を含有することを特徴とする。
アルギニンは、塩基性アミノ酸の1種であり、2-アミノ-5-グアニジノ吉草酸とも呼ばれる。アルギニンには、L体とD体が存在し、いずれも本発明に用いることが出来るが、L体がより好ましい。L体とD体の任意の割合の混合物であってもよい。
アルギニンのL体(L-アルギニン)は、以下の構造を有する。
【化1】
また、アルギニンは遊離形であってもよいし、塩であってもよい。例えば、塩酸等の無機酸との塩、酢酸、ギ酸等の有機酸との塩の他、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の無機塩基との塩、アンモニウム、トリエチルアミン等の有機塩基との塩が好ましく挙げられ、このうち無毒性の塩がより好ましいが、これらに限定されない。
なお、本明細書において、アルギニンは、特許請求の範囲の記載も含めて、遊離形のみならず、塩の形態も含まれる。
本発明のフェルラ酸の変色抑制用組成物においては、アルギニンの含量が組成物全体に対して、0.005~6.0質量%であることが好ましく、0.025~4.0質量%であることがより好ましく、0.05~2.0質量%であることがさらに好ましいが、これらの範囲に限定されない。
【0010】
本発明の組成物は、さらに、フェルラ酸又はその塩を含有することが好ましい。フェルラ酸は、米糠等から抽出することによって容易に入手しうる化合物である。その化合物名は、3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)2-プロペン酸又は3-メトキシ4-ヒドロキシケイ皮酸とも呼ばれる。
フェルラ酸は、米糠から米油を製造する際の廃棄物や副産物である廃油、アルカリ油滓、粗脂肪酸を原料とし、これらをアルカリ加水分解することによって容易に得ることもできるし、市販品を用いてよい。フェルラ酸は、以下の構造を有する。
【化2】
また、フェルラ酸は遊離形であってもよいし、塩であってもよい。例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の無機塩基との塩、アンモニウム、トリエチルアミン等の有機塩基との塩が好ましく挙げられ、このうち無毒性の塩がより好ましい。
なお、本明細書において、フェルラ酸は、特許請求の範囲の記載も含めて、遊離形のみならず、塩の形態も含まれる。
本発明の組成物において、フェルラ酸の含量が組成物全体に対して、0.01~3.0質量%であることが好ましく、0.05~2.0質量%であることがより好ましく、0.1~1.0質量%であることがさらに好ましいが、これらの範囲に限定されない。
【0011】
本発明の組成物において、組成物中のアルギニンに対するフェルラ酸の含有割合が、フェルラ酸1質量部に対して、0.5~2.0質量部であることが好ましいが、この範囲に限定されない。
【0012】
〔組成物のpH〕
本発明の組成物において、pHは、4.0~6.0が好ましく、4.5~5.8がより好ましく、5.0~5.5がさらに好ましいが、これらに限定されない。フェルラ酸は、pHが高いほど変色(黄変)しやすいため、pHが高い場合において、変色を防止することがより望まれている。
【0013】
〔その他の成分〕
本発明の組成物のpHを調整するために、pH調整剤が用いられることが好ましい。このようなpH調整剤として、例えば、クエン酸、リン酸、グリコール酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられ、このうち、クエン酸、リン酸、グリコール酸及び水酸化ナトリウム等が好ましく挙げられるが、これらに限定されない。
また、本発明の組成物に、必要に応じて、水、エタノール等の低級アルコール、アセトン等の溶剤や、溶解補助剤、界面活性剤、乳化安定化剤、ゲル化剤、粘着剤又はその他所望する剤型を得るために通常使用される基剤成分等を配合することができる。保湿剤として、例えば、1,3-ブチレングリコール(BG)、ヘキサンジオール、グリセリン、乳酸、ピロリドンカルポン酸ナトリウム、尿素、イノシトール等が挙げられ、防腐剤として、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、安息香酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、グリセリン脂肪酸エステル、カプリン酸グリセリル、デヒドロ酢酸ナトリウム、フェノキシエタノール等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
本発明の組成物は、化粧料組成物であることが好ましい。また、本発明の組成物においては、上記した成分の他、本発明の効果を損なわない範囲において、例えば、油脂、ロウ、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類、酸化防止剤、香料、顔料、ビタミン類、紫外線防止剤、増粘剤、アミノ酸類、賦形剤、担体などの公知の添加剤を、適宜に配合して製造することが可能である。
このような添加剤としては、例えば、増粘安定剤、酵素、強化剤、製造用剤、着色料、ガムベース、光沢剤、酸化防止剤、保存料、乳化剤、乳化安定剤、乳化助剤、殺菌料、漂白剤、発色剤、香料、防かび剤、抽出溶剤、被膜剤、緩衝剤、膨張剤、栄養強化剤、保存剤、賦形剤、安定剤、矯味剤、溶解補助剤、緩衝剤、懸濁化剤、着香剤、粘稠剤、収斂剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、紫外線遮蔽剤、金属封鎖剤、油剤、保護剤、洗浄剤、消炎剤、抗菌剤、美白剤、抗たるみ剤、皮膜剤、剥離剤、結合剤、エモリエント剤、可塑剤、ビタミン剤、感触改良剤、泡安定剤、安定化剤、加脂肪剤、滑剤、可溶化剤、還元剤、酸化剤、顔料、基剤、希釈剤、起泡剤、吸着剤、緊張剤、経皮吸収促進剤、結合剤、血行促進剤、ゲル化剤、抗酸化剤、抗脂漏剤、コンディショニング剤、細胞賦活剤、柔軟剤、浸透剤、スクラブ剤、成形改良剤、成形剤、洗浄剤、造膜剤、帯電防止剤、中和剤、鎮静剤、肌荒れ防止剤、撥水剤、発泡剤、発毛促進剤、付着剤、分散剤、噴霧剤、変性剤、抱水剤、保香剤、養毛剤等が挙げられるが、これらに限定されない。このような添加剤や、これらを用いた組成物の製造方法は、本技術分野において、従来充分に確立されているので、本発明において、それらに従ってよい。
【0015】
また、本発明の組成物は、EDTA又は他のキレート剤が含まれないことが好ましいが、これらを含んでいてもよい。このような、EDTA又は他のキレート剤の例としては、例えば、EDTA(エデト酸)、EDTA-2Na等のエデト酸塩、フィチン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
本発明の組成物の形態は、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤、不織布に薬液を含浸させたシート剤等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、液剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤等であり、より好ましくは液剤、乳剤等であるが、これらに限定されない。
【0017】
本発明の組成物の具体例としては、例えば、化粧水、化粧用乳液、化粧用オイル、ジェル、クリーム、美容液、日焼け止め用化粧料;化粧下地、ファンデーション、フェイスパウダー、アイシャドー、リップペンシル、口紅、リップクリーム、リップグロス、頬紅、各種カラー等のメイクアップ化粧料;パック、マスク、ハンドクリーム、ボディローション、ボディークリーム等の基礎化粧品;洗顔料、メイク落とし、ボディーソープ、シャンプー、ドライシャンプー、リンス、リンスインシャンプー、コンディショナー、トリートメント、石鹸等の洗浄用化粧料;ヘアトニック、ムース、整髪料、髪油、ポマード、ヘアカラーリング剤、白髪染め、ヘアマニキュア、ヘアスプレーなどのヘアケア用品;歯磨剤等が挙げられる。好ましくは、化粧水、化粧用乳液、美容液、ボディローション等であるが、これらに限定されない。
【0018】
また、本発明の組成物が医薬部外品である場合の具体的な用途は、例えば、薬用化粧料、薬用クリーム、薬用石鹸、薬用歯磨剤、制汗剤、育毛剤、染毛剤、うがい薬、ドリンク剤、口中清涼剤、健胃薬、口腔咽頭薬、コンタクトレンズ装着薬、殺菌消毒薬、消化薬、ビタミン含有保健薬、入浴剤等が挙げられ、好ましくは、薬用化粧料、薬用クリーム、育毛剤等であるが、これらに限定されない。
【0019】
本発明の組成物が適用される動物は、例えば、ヒト又はヒト以外の動物等であってもよい。ヒト以外の動物としては、特に限定されないが、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ラクダ、ウサギ、キツネ、ガチョウ、ニワトリ、アヒル又はハムスター等が挙げられるが、これらに限定されない。このうち、ヒトへの適用が特に好ましい。
【0020】
本発明の組成物が効果を発揮する動物の部位は、例えば、頬、鼻、口唇等の顔部、髪の毛、頭皮、爪の他、顔、手、腕、足等の肌等が挙げられるが、好ましくは、髪の毛、頭皮、顔や手の肌等であるが、これらに限定されない。
【実施例】
【0021】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
【0022】
試験例1:フェルラ酸の変色確認試験
<1.実施例1~10及び比較例1~4の各試料の調整>
下記(1)~(3)の手順及び表1の処方に従い、実施例と比較例の各試料を作成した。
各試料の調整方法
(1)成分4-7を室温(20℃)で5分間混合撹拌し、完全に溶解させて溶液を得た。
(2)成分1-3を80℃で10分間加熱溶解し、完全に溶解させた後、これを上記(1)で得られた溶液に添加し、20℃で5分間混合撹拌した。
(3)上記(2)で得られた溶液に、さらに、pH調整剤(成分8:クエン酸及び/又は水酸化ナトリウム)を20℃で適宜添加して、pHを6.0に調整した。なお、pHを6.0付近に調整した理由は、フェルラ酸の変色(黄変)が起きやすいようにするためである。
なお、実施例と比較例の概要は以下の通りである。
実施例1~10の試料は、アルギニンを含んでいる。
比較例1~2の試料は、アルギニンを含まない。
比較例3~4の試料は、アルギニンを含まないが、キレート剤であるEDTA-2Na(エデト酸二ナトリウム塩)を含む。
【0023】
<2.吸光度の測定>
上記方法により作成した各試料の吸光度を測定した(吸光度測定機器:日立U-3900H、測定波長:420nm)。その後、各実施例及び比較例の試料を遮光下の40℃で静置し、1ヶ月後、再度各試料の吸光度を同様の方法で測定した。
試料調整直後の吸光度と1ヶ月後の試料の吸光度の差を比較した結果は、以下の表2及び
図1の通りである(n数:3)。
【0024】
以下の表2及び
図1の結果から、アルギニンを含む本願発明の実施例1~10の試料は、アルギニンを含まない比較例1~2の試料に対し、優れたフェルラ酸の変色抑制効果を示したことが明らかである。
さらに、アルギニンを含む本願実施例1~10の試料は、アルギニンを含まないが、キレート剤であるEDTA-2Naを含む比較例3~4の試料に対して、同等又はそれ以上の、フェルラ酸の変色抑制効果を示したことも明らかである。この結果は、本願発明の組成物が、キレート剤を用いなくとも、キレート剤を用いた場合と同様に、又はキレート剤を用いた場合よりも、フェルラ酸の変色を抑制出来ることを示す。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、キレート剤を用いることなく、簡便にフェルラ酸の変色を抑制出来ることから、化粧料の製造に有用である。また、フェルラ酸は食品添加物としても利用されていることから、食品や医薬品等への応用も期待できると考えられる。
【0026】
【0027】