(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】通信装置、通信プログラムおよび通信システム
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20240925BHJP
G08B 13/22 20060101ALI20240925BHJP
G08B 21/18 20060101ALI20240925BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20240925BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
H04M11/00 301
G08B13/22
G08B21/18
G08B25/10 A
H04Q9/00 311J
(21)【出願番号】P 2020098746
(22)【出願日】2020-06-05
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】藤田 雅之
(72)【発明者】
【氏名】玉川 充
(72)【発明者】
【氏名】志水 章記
(72)【発明者】
【氏名】豊田 耕司
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-128751(JP,A)
【文献】特開2019-146083(JP,A)
【文献】特開2018-125572(JP,A)
【文献】特開2015-148896(JP,A)
【文献】特開2014-200692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B49/00-51/00
F04D15/00-15/02
G06Q10/00-10/30
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G08B13/00-15/02
19/00-31/00
G16Z99/00
H03J9/00-9/06
H04B7/24-7/26
H04M1/00
1/24-1/82
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04Q9/00-9/16
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ装置からブロードキャスト信号を受信する受信部と、
前記ブロードキャスト信号から前記ポンプ装置に関する情報がデータベースに登録されているか否かを判定する判定部と、
前記ポンプ装置に関する情報が前記データベースに登録されていない場合、前記データベースを管理する管理サーバに前記ポンプ装置に関する情報を送信する送信部と、
を具備する通信装置。
【請求項2】
前記ブロードキャスト信号は、前記ポンプ装置の機器情報を含み、
前記判定部は、前記機器情報から、前記ポンプ装置が前記データベースに登録されており、かつ前記データベースに登録される情報と差分が存在するか否かを判定し、
前記送信部は、前記差分が存在する場合、前記ポンプ装置の前記機器情報を前記管理サーバに送信する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記ブロードキャスト信号を受信した旨をプッシュ通知する通知部をさらに具備する、請求項1または請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
自端末の位置と前記ブロードキャスト信号の到達可能距離に基づく前記ポンプ装置の推定位置範囲とを示す地図情報を表示する表示制御部と、
前記データベースに登録されていないポンプ装置の位置について、前記地図情報への登録を受け付ける受付部とをさらに具備する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
自端末の位置と前記データベースに登録されているポンプ装置の位置とを示す地図情報を表示する表示制御部と、
前記データベースに登録されていないポンプ装置の位置について、前記地図情報への登録を受け付ける受付部とをさらに具備する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記データベースに登録されていないポンプ装置の推定位置を前記地図情報に表示する、請求項4または請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
コンピュータを、
ポンプ装置からブロードキャスト信号を受信する受信手段と、
前記ブロードキャスト信号から前記ポンプ装置に関する情報がデータベースに登録されているか否かを判定する判定手段と、
前記ポンプ装置に関する情報が前記データベースに登録されていない場合、前記データベースを管理する管理サーバに前記ポンプ装置に関する情報を送信する送信手段として機能させるための通信プログラム。
【請求項8】
無線通信モジュールが接続されるポンプ装置と、端末と、データベースを管理する管理サーバとを含む通信システムであって、
前記ポンプ装置は、
前記無線通信モジュールからブロードキャスト信号を送信する送信部を具備し、
前記端末は、
前記ブロードキャスト信号から前記ポンプ装置に関する情報が前記データベースに登録されているか否かを判定する判定部と、
前記ポンプ装置に関する情報が前記データベースに登録されていない場合、前記データベースを管理する管理サーバに前記ポンプ装置に関する情報を送信する送信部と、を具備し、
前記管理サーバは、
前記端末から受信した前記ポンプ装置に関する情報を前記データベースに登録する、通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ装置の運用状態を把握する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電気設備または機械設備は、種々の異常、例えば故障、電源トラブル、盗難被害などに見舞われる可能性がある。故に、設備の状態を継続的に確認することが求められる。そのため、設備の状態を確認する方法として、各種データを無線通信により可搬型の通信装置やサーバなどの他装置との間で送受信する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、電気設備または機械設備の例としてポンプ装置が挙げられており、ポンプ装置にBluetooth(登録商標)等の無線通信モジュールが接続されることで、可搬型の通信装置などとの無線通信を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メンテナンスの観点から、このような無線通信モジュールは、制御盤の操作表示基板にコネクタ接続などで取り外しが容易な状態で接続されることが多い。通常、制御盤には鍵が掛けられているようになっているが、鍵を解錠および施錠の煩わしさもあって、鍵が掛けられていないことも考えられる。または、制御盤の側面に基板からケーブルで引き出された状態で無線通信モジュールが貼り付けられ、第三者が無線通信モジュールに容易に接触可能な状態となっている場合も考えられる。上述の様に無線通信モジュールが管理または接続されている場合、無線通信モジュールが盗難される可能性がある。無線通信モジュールが盗難されてしまうと、無線通信モジュールが接続されていたポンプ装置からのデータが無線送信されないため、作業員および管理会社は、ポンプ装置の状態を容易に確認できなくなる。
【0005】
また、そもそもポンプ装置の販売ルートによっては、たとえ正規の販売ルートであっても、末端の販売会社またはポンプ装置の購入者がポンプ装置の管理登録を忘れてしまった場合などの状況では、管理会社はポンプ装置が設置されたことを確認できない可能性がある。
本発明は、対象設備を適切に管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、通信装置は、受信部と、判定部と、送信部とを含む。受信部は、ポンプ装置からブロードキャスト信号を受信する。判定部は、前記ブロードキャスト信号から前記ポンプ装置に関する情報がデータベースに登録されているか否かを判定する。送信部は、前記ポンプ装置に関する情報が前記データベースに登録されていない場合、前記データベースを管理する管理サーバに前記ポンプ装置に関する情報を送信する。
【0007】
本発明の別の態様によれば、通信装置は、受信部と、判定部と、発報部とを含む。受信部は、ポンプ装置に接続される無線通信モジュールから、前記ポンプ装置と前記無線通信モジュールとの接続を確認するための接続確認信号を受信する。判定部は、前記接続確認信号に基づき、前記無線通信モジュールに異常があるか否かを判定する。発報部は、前記無線通信モジュールに異常があると判定された場合、警報を発報する。
【0008】
本発明の別の態様によれば、通信システムは、無線通信モジュールが接続されるポンプ装置と、端末と、データベースを管理する管理サーバとを含む。ポンプ装置は、前記無線通信モジュールからブロードキャスト信号を送信する送信部を含む。端末は、判定部と、送信部とを含む。判定部は、前記ブロードキャスト信号から前記ポンプ装置に関する情報が前記データベースに登録されているか否かを判定する。送信部は、前記ポンプ装置に関する情報が前記データベースに登録されていない場合、前記データベースを管理する管理サーバに前記ポンプ装置に関する情報を送信する。管理サーバは、前記端末から受信した前記ポンプ装置に関する情報を前記データベースに登録する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、対象設備を適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る通信システムの一例を示す図。
【
図2】本実施形態に係るポンプ装置を示すブロック図。
【
図4】本実施形態に係るポンプ装置に含まれる通信装置の異常判定処理を示すフローチャート。
【
図5】本実施形態に係る端末に含まれる通信装置の異常判定処理を示すフローチャート。
【
図6】本実施形態に係る端末に含まれる通信装置による、ポンプ装置の登録処理の一例を示すシーケンス図。
【
図7】本実施形態に係る管理サーバで管理されるデータベースの一例を示す図。
【
図8】地図情報におけるポンプ装置5の第1の表示例を示す図。
【
図9】地図情報におけるポンプ装置5の第2の表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら実施形態に係る通信装置、通信プログラムおよび通信システムについて説明する。なお、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号を付し、重複する説明については基本的に省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0012】
以降の説明において便宜上、監視の対象となる設備(対象設備)をポンプ装置と仮定するが、対象設備は、任意の電気設備または機械設備、例えば、コンピュータ、OA(Office Automation)機器、家電機器、ロボット、産業機械などを含み得る。対象設備は、典型的には、使用者が継続的に使用することが想定される設備、盗難のおそれがある設備などであり得る。
【0013】
図1は、本実施形態に係る通信システム100を例示するブロック図である。
図1に示すように、通信システム100は、管理サーバ1、複数の端末3-n(nは端末のインデックス)、複数のポンプ装置5-m(mはポンプ装置のインデックス)を有する。通信システム100は、ポンプ装置5の製品登録及び稼動状態など、管理サーバ1を用いて管理するコンピュータシステムである。
図1においてnが2、mが4の構成を示しているが、これに限定する必要はなく、n及びmはそれぞれ1以上であれば幾つでもよい。以下、複数の端末3-nを特に区別しないときは単に端末3と記載し、複数のポンプ装置5-mを特に区別しないときは単にポンプ装置5と記載することとする。ポンプ装置5は通信システム100に含まれなくてもよい。
【0014】
図1に示すように、管理サーバ1と端末3とは、3G、4G、5Gといった携帯通信網や、Wimax、sigfox(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などの無線通信回線を介して接続されることを想定する。端末3とポンプ装置5とは、上述した無線通信回線に加え、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Filed Communication)、赤外線通信といった無線通信手段により接続されることを想定する。なお、端末3とポンプ装置5とは、USB(Universal Serial Bus)やケーブルによるLAN(Local Area Network)接続といった有線通信回線を介して接続されてもよい。
図1には図示しないが、管理サーバ1と複数のポンプ装置5とが無線通信回線を介して接続されてもよい。
【0015】
管理サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリ、表示機器、入力機器及び通信機器を有するコンピュータである。管理サーバ1は、複数のポンプ装置5に関する各種データを管理するためのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の大容量記憶装置を有する。当該大容量記憶装置をデータベースと呼ぶことにする。例えば、管理サーバ1は、ポンプ装置5に関する各種データをデータベースに記憶したり、ポンプ装置5の稼働状況を管理する。なお、管理サーバ1は、オンプレミスサーバに限らず、クラウドサーバであってもよい。
【0016】
端末3は、作業員等のユーザが持ち運び可能な通信端末であり、例えば、ノートPC、モバイル端末(スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット)が挙げられる。なお、端末3は、ポンプ装置5の管理専用に構成された通信デバイスであってもよい。
【0017】
ポンプ装置5は、例えば、建物に給水する機械装置である。ポンプ装置5は、一例として、水道本管に直結され、水道本管を流れる水を直接増圧し、建物に設けられた蛇口やシャワーヘッド等の供給先に給水する、いわゆる直結増圧型給水装置であるとする。なお、本実施形態に係るポンプ装置5の型は直結増圧型のみに限定されず、直結直圧型でもよいし、あるいは、貯水槽水道型その他の如何なる型式でもよい。
【0018】
次に、本実施形態に係るポンプ装置5について
図2のブロック図を参照して説明する。
図2に示すように、ポンプ装置5は、制御盤50とポンプ部60とを含む。ポンプ給水装置5は、他に、図示しない吸込配管と吐出配管とを含んでもよい。ポンプ装置5は、ポンプ部60により、吸込配管を介して一次側にある水を取り込み、吐出配管を介して二次側へ給水する。吸込配管は、例えば、水道本管から分岐された水道分管およびポンプ部60を接続する。吐出配管は、ポンプ部60とその二次側の給水先とを接続する。ポンプ装置5は、複数台のポンプ部60を含んでいてもよい。この場合に、ポンプ装置5は、複数台のポンプ部60を交互に駆動する交互運転、複数台のポンプ部60を同時に駆動する並列運転などを行うことができる。
ポンプ装置は建物に給水する給水装置の他、消火ポンプ、排水水中ポンプ、清水水中ポンプなど、制御盤を搭載するポンプ装置であれば、用途を限定しない。
【0019】
図2に示すように、制御盤50は、互いにバスを介して接続された近距離無線通信器51と、遠距離無線通信器52と、入力機器53と、インバータ54と、インタフェース55と、表示機器56と、記憶装置57と、プロセッサ58とを含む。プロセッサ58は、受信部581と、判定部582と、発報部583とを含む。なお、受信部581と、判定部582と、発報部583とをあわせて通信装置ともいう。
【0020】
近距離無線通信器51は、BluetoothやNFC等の無線通信の規格に準拠した無線通信モジュール511を搭載し、近距離無線通信を行なう。無線通信モジュール511は、通信規格としてBluetoothを採用する場合は、BLEモジュールともいう。近距離無線通信器51は、USB等の有線通信の規格を用いた近距離通信を代わりに行なってもよい。近距離無線通信器51は、端末3との間で、近距離無線通信回線を介して各種データの送受信を行なう。また、近距離無線通信器51は、自身の位置情報(緯度情報および経度情報)を計測するセンサを含み、位置情報を保持してもよい。
【0021】
遠距離無線通信器52は、携帯通信網、WimaxおよびWi-Fi、sigfox(登録商標)、等の無線通信の規格を用いた遠距離無線通信を行なう。遠距離無線通信器52は、管理サーバ1との間で、遠距離無線通信回線を介して各種データの送受信を行なう。
【0022】
入力機器53は、ユーザの指示を電気信号に変換する。入力機器53としては、例えば、操作パネルやタッチパネル、キーボード、マウス、各種スイッチ等が用いられればよい。なお、入力機器53としては、音声入力装置が用いられてもよい。入力機器53からの電気信号はバスを介してプロセッサ58に供給される。
【0023】
インバータ54は、ポンプ部60を作動する動力を発生する。具体的には、インバータ54は、ポンプ部60(のモータ)に所定周波数の交流電力を供給する。また、インバータ54は、プロセッサ58からインバータ制御信号を受け取る。インバータ54は、インバータ制御信号に応じて動作する。例えば、インバータ54は、運転停止信号または運転開始信号に相当するインバータ制御信号に応じて運転を停止または開始する。また、インバータ54は、回転数制御信号に相当するインバータ制御信号に応じてモータの回転数を制御する。
【0024】
具体的には、インバータ54は、図示しないコンバータ回路、平滑コンデンサ及びインバータ回路を含む。コンバータ回路は、交流電源から交流電力を取り込み整流することで直流電力に変換する。平滑コンデンサは、コンバータ回路によって出力される直流電力の電圧を平滑化し、略一定電圧の直流電力を得る。そして、インバータ回路は、平滑コンデンサによって得られた直流電力を制御盤50からのインバータ制御信号(回転数制御信号に相当)に応じた所定周波数の交流電力へと変換してモータに供給する。
【0025】
インタフェース55は、例えば、ポート等の入出力インタフェースである。インタフェース55は、例えば、制御盤50とポンプ部60とを接続し、各種データを送受信する。
【0026】
表示機器56は、各種データを表示する。表示機器56としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(electroluminescence)ディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ等の任意のディスプレイが用いられればよい。なお、表示機器56として、プロジェクタが用いられてもよい。
【0027】
記憶装置57は、各種データを記憶するROMやRAM、HDD、SSD、集積回路記憶装置等のメモリ装置である。記憶装置57は、物理的に一つのメモリ装置により実現されてもよいし、ポンプ装置5内に物理的に分離された複数のメモリ装置により実現されてもよい。以下、記憶装置57を単にメモリと呼ぶことにする。
【0028】
プロセッサ58は、CPUやマイクロプロセッサ等の演算装置である。プロセッサ58は、ASICやFPGA等の専用の回路により構成されてもよい。プロセッサ58は、異常判定処理を行うため、記憶装置57に保存された各種プログラムを実行することで、受信部581と、判定部582と、発報部583との各機能を実現する。
【0029】
受信部581は、ポンプ装置5の制御盤50に接続される無線通信モジュール511から、ポンプ装置5と無線通信モジュール511との接続を確認するための接続確認信号を受信する。接続確認信号の送信方法としては、例えば、無線通信モジュール511が自発的に所定間隔で受信部581に送信してもよい。また、受信部581が無線通信モジュール511に所定間隔でリクエスト信号を送信し、無線通信モジュール511が、接続確認信号を受信部581に送信してもよい。接続確認信号は、自身の識別情報と位置情報とを含んでもよいし、無線通信モジュール511が制御盤50と通電されていることを示す単なるフラグ情報(通電されていれば、1ビットを立てるなど)を含んでもよい。すなわち、接続確認信号は、無線通信モジュール511の所在や無線通信モジュール511とポンプ装置5との接続状態を把握できる情報を含めばよい。
【0030】
判定部582は、接続確認信号に基づき、無線通信モジュール511に異常があるか否かを判定する。
発報部583は、無線通信モジュール511に異常があると判定された場合、警報を発報する。
【0031】
なお、制御盤50を構成する基板の枚数は任意に設計可能であり、各基板が近距離無線通信器51、遠距離無線通信器52、入力機器53、インバータ54、インタフェース55、表示機器56、記憶装置57及びプロセッサ58のうちの何れの機器を物理的に装備するのかも任意に設計可能である。また、受信部581と、判定部582と、発報部583とは、一のプロセッサ58が担うものとしたが、物理的に分離した複数のプロセッサが分担してもよい。
【0032】
次に、本実施形態に係る端末3について
図3のブロック図を参照して説明する。
近距離無線通信器31と、遠距離無線通信器32と、入力機器33と、表示機器34と、メモリ35と、プロセッサ36と、GPS(Global Positioning System)センサ37を含む。プロセッサ36は、受信部361と、判定部362と、送信部363と、通知部364と、表示制御部365と、受付部366とを含む。
【0033】
近距離無線通信器31は、プロセッサ36により制御され、例えば、近距離無線通信技術を用いて、ポンプ装置5などの外部装置と通信可能な任意の通信インタフェースである。具体的には、近距離無線通信器31は、Bluetooth、Wi-Fi、NFCなどの近距離無線通信技術を用いて、管理サーバ1やポンプ装置5などの外部装置に接続可能である。なお、近距離無線通信器31は、USBやケーブルによるLAN接続といった有線通信技術を代わりに使用してもよい。
【0034】
遠距離無線通信器32は、プロセッサ36により制御され、例えば、遠距離無線通信技術を用いて、管理サーバ1などの外部装置と通信可能な任意の通信インタフェースである。具体的には、遠距離無線通信器32は、例えば、4G、5G等の携帯通信網、Wimax、sigfox(登録商標)などの無線通信技術を用いて、ネットワーク経由で管理サーバ1やポンプ装置5などの外部装置に接続可能となっている。
【0035】
入力機器33は、ユーザ入力を受け付けるための入力I/Fであり、端末3に内蔵されてもよいし、端末3に外付けされてもよい。入力機器33は、例えば、キーボード、マウス、テンキー、マイクロフォン、カメラなどであってもよいし、タッチスクリーンのように出力I/Fの機能を備えていてもよい。ユーザ入力は、典型的には、タップ、クリック、ドラッグ、特定のキーの押下などであり得る。このほか、ユーザ入力は、例えば、マイクロフォンによって捉えられる音声などを含むこともできる。また、ユーザ入力は、例えば、カメラにより撮影されたポンプ装置5のQRコード(登録商標)の画像を含んでもよい。また、ユーザ入力は、ユーザの操作に応じたポンプ装置5の位置情報を含んでもよい。
【0036】
表示機器34は、プロセッサ36の処理に応じて、画像及び/又は音声を出力するための出力I/Fの一例であり、動画像、静止画像、テキストなどを表示するための表示デバイスを含み得る。表示機器34は、音声、楽曲などを出力するためのスピーカを含んでもよい。「表示機器」は「出力機器」と読み替えてもよい。表示デバイスは、例えば、CRTディスプレイ液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、である。表示デバイスは、コンテンツを含む表示データを表示する。なお、表示デバイスは、タッチスクリーンのように入力I/Fの機能を備えていてもよい。
【0037】
メモリ35は、プロセッサ36が各処理を実現するために当該プロセッサ36によって実行されるプログラム、例えば、ファームウェア、OS、ポンプ通信プログラム、など、および当該プロセッサ36によって使用されるデータ、例えば、コード、ポンプデータなどを記憶する。メモリ35は、かかるプログラム/データが展開されるワークエリアを有するRAMを含み得る。
【0038】
プロセッサ36は、典型的にはCPUであるが、マイコン、GPU、FPGA、DSP、またはその他の汎用または専用のプロセッサなどであってもよい。プロセッサ36は、管理サーバ1とポンプ装置5との間に介在して、ポンプ装置5の異常判定処理および管理処理を実行するものである。まず、プロセッサ36による異常判定処理について説明する。
【0039】
受信部361は、ポンプ装置5からブロードキャスト信号を受信する。ブロードキャスト信号は、ビーコン信号、Bluetoothであればアドバタイジングパケットを想定する。なお、異常判定処理の場合は、ブロードキャスト信号を接続確認信号とも呼ぶ。
判定部362は、接続確認信号から、無線通信モジュール511の所在に変動があるか否かを判定する。
通知部364は、判定部362が無線通信モジュール511の所在に変動があると判定した場合、無線通信モジュール511に異常がある旨の通知を表示機器34に表示させ、端末3のユーザに通知する。
なお、送信部363は、判定部362が無線通信モジュール511の所在に変動があると判定した場合、無線通信モジュール511に異常がある旨のメッセージを管理サーバ1に通知してもよい。
【0040】
次に、プロセッサ36によるポンプ装置5の管理処理について説明する。
受信部361は、ポンプ装置5からブロードキャスト信号を受信する。
【0041】
判定部362は、ブロードキャスト信号から、ポンプ装置5に関する情報が管理サーバ1で管理されるデータベースに登録されているか否かを判定する。また、判定部362は、機器情報を用いて、ブロードキャスト信号を送信したポンプ装置5がデータベースに登録されており、かつデータベースに登録される情報と差分が存在するか否かを判定する。
【0042】
送信部363は、判定部362によりポンプ装置5に関する情報がデータベースに登録されていない場合またはデータベースに登録される情報と差分が存在する場合、遠距離無線通信器32を介して、管理サーバ1にポンプ装置5に関する情報を送信する。
【0043】
通知部364は、ブロードキャスト信号を受信した旨を表示機器34に表示する。例えば、通知部364は、ブロードキャスト信号を受信した旨を表示機器34にプッシュ通知する。
【0044】
表示制御部365は、自端末の位置と前記ブロードキャスト信号の到達可能範囲とを示す地図情報の表示を制御する。また、表示制御部365は、データベースに既に登録されているポンプ装置5の位置およびデータベースに登録されていないポンプ装置5の推定位置を地図情報に表示するように制御してもよい。
【0045】
受付部366は、データベースに登録されていないポンプ装置5の設置場所について、ユーザからの地図情報への登録を受け付ける。
【0046】
GPSセンサ37は、GPS情報に基づき、端末3の位置を特定する。
【0047】
次に、本実施形態のポンプ装置5に含まれる通信装置の異常判定処理について、
図4のフローチャートを参照して説明する。
【0048】
ステップS401では、判定部582が、受信部581において無線通信モジュール511からの接続確認信号を受信したか否かを判定する。受信部581が無線通信モジュール511からの接続確認信号を受信した場合、ステップS402に進み、受信部581が無線通信モジュール511からの接続確認信号を受信できなかった場合、ステップS403に進む。
【0049】
ステップS402では、判定部582が、異常なしと判定して処理を終了する。
ステップS403では、判定部582が、接続確認信号を受信していない期間が一定期間経過したか否か、言い換えれば、接続確認信号を受信していない期間が閾値以上であるか否かを判定する。接続確認信号を受信していない期間が閾値以上であれば、無線通信モジュール511と制御盤とが一定期間通電していないか、無線通信モジュール511が故障し接続確認信号が送信できない状態であると考えられるため、ステップS404に進む。一方、接続確認信号を受信していない期間が閾値未満であれば、点検のために無線通信モジュール511を給水装置5から取り外したとも考えられるため、ステップS401に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0050】
ステップS404では、一定期間接続確認信号を受信できないということは、盗難によりポンプ装置5の制御盤50から無線通信モジュール511が外れていたり、無線通信モジュール511の故障により接続確認信号が送信できない状態にあるといったことが考えられる。よって、判定部582が、無線通信モジュール511に異常があると判定する。
ステップS405では、発報部583が、警報を発報する。警報は、例えば、エラー音、エラーメッセージなどのエラー情報である。エラー音は、給水装置5の周辺に存在する者が気づくことができる大きさであればよい。エラーメッセージの場合は、例えば、盗難の可能性がある旨の内容を含む無線信号をブロードキャストする。なお、ブロードキャストされた信号を受信した端末にプッシュ通知されるようにしてもよい。プッシュ通知により、ユーザが問い合わせをすることなく、ほぼリアルタイムにエラー情報をユーザに通知できる。
【0051】
また、判定部582は、無線通信モジュール511と制御盤との通電状態を監視し、一定期間無線通信モジュール511が通電されていない場合、無線通信モジュール511に異常があると判定してもよい。
【0052】
次に、本実施形態の端末3に含まれる通信装置の異常判定処理について、
図5のフローチャートを参照して説明する。
【0053】
ステップS501では、受信部361が、無線通信モジュール511からの接続確認信号を受信する。
【0054】
ステップS502では、判定部362が、無線通信モジュール511の所在に変動があるか否かを判定する。具体的には、例えば、判定部362が、接続確認信号に含まれる現在の無線通信モジュール511の位置情報と、管理サーバ1等に問い合わせることにより確認した給水装置5の設置時における設置場所の位置情報との差分が閾値以上であるか否かを判定する。位置情報の差分が閾値未満であれば、無線通信モジュール511の所在に変動がないと判定し、ステップS502に進む。一方、位置情報の差分が閾値以上であれば、無線通信モジュール511の所在に変動があると判定し、ステップS504に進む。
このように差分を判定することで、無線通信モジュール511の所在の変動を判定できる。
【0055】
ステップS503では、判定部362が、異常なしと判定して処理を終了する。
ステップS504では、判定部362が、無線通信モジュール511に異常があると判定する。
ステップS505では、通知部364が、無線通信モジュール511が盗難され当初の設置場所とは異なる位置から情報を送信しているなど、無線通信モジュール511に異常があることを示すエラー情報を発報する。例えば、通知部364が、表示機器34にエラー情報をプッシュ通知したり、エラー音をならせばよい。なお、送信部363により管理サーバ1にエラー情報を送信してもよい。
【0056】
次に、本実施形態に係る端末3に含まれる通信装置による、ポンプ装置5の登録処理の一例について
図6のシーケンス図を参照して説明する。
図6は、管理サーバ1、端末3およびポンプ装置5の間でのデータの送受信を示したものである。
【0057】
ステップS601では、ポンプ装置5に接続される無線通信モジュール511が、ブロードキャスト信号をポンプ装置5周辺にブロードキャストする。例えば、無線通信としてBluetoothを用いる場合は、アドバタイズを実行してもよい。例えば、機器情報および位置情報を含むアドバタイジングパケットを、アドバタイジングチャネルにおいて所定間隔で送信する。Bluetoothにおいて用いられるアドバタイジングチャネルは複数存在するが、アドバタイジングパケットは、各アドバタイジングチャネルで順に1回ずつ送信されることを想定するため、受信側(ここでは端末3)でどのアドバタイジングチャネルを使用していても、アドバタイジングパケットを受信できる。
【0058】
ブロードキャスト信号は、ポンプ装置5の機種名、製品番号など機器を一意に識別する機器情報を含んでもよいし、ポンプ装置5が設置された住所および/または緯度・経度情報である位置情報を含んでもよい。また、作業員がポンプ装置5の所在を発見できれば、のちにポンプ装置5に貼り付けまたは表示されるQRコード(登録商標)から機器情報を取得できるため、ブロードキャスト信号は、単にポンプ装置5からの信号であることを示すフラグ情報などでもよい。
【0059】
ステップS602では、端末3の受信部361が、ブロードキャスト信号を受信する。具体的には、作業員などが端末3を携帯して移動中、ブロードキャスト信号を発するポンプ装置5の近くを通りかかった際、ブロードキャスト信号の受信可能範囲内(例えば、Bluetoothであれば約100mまでの範囲内)であれば端末3が当該ブロードキャスト信号を受信する。このとき、端末3においてポンプ装置5の管理に関する専用アプリをバックグラウンドで起動しておき、端末3の通知部364が、端末3の表示機器34にブロードキャスト信号を受信した際にプッシュ通知してもよい。作業員が表示機器34の画面に表示されるプッシュ通知領域をタップすることで、専用アプリを即時に立ち上げられるようにしてもよい。
【0060】
ステップS603では、端末3の判定部362が、ブロードキャスト信号に含まれる機器情報を用いて、ポンプ装置5の登録状況を判定する。具体的には、ブロードキャスト信号を送信したポンプ装置5が、管理サーバ1に登録されていない、未登録のポンプ装置5であるか否かを判定する。例えば、端末3の表示制御部365が、端末3付近における登録済みのポンプ装置5の位置を示す地図情報を表示機器34に表示する。判定部362は、ブロードキャスト信号を受信した範囲内に、登録済みのポンプ装置5が存在しなければ、ブロードキャスト信号を送信したポンプ装置5は、未登録のポンプ装置5であると判定すればよい。
【0061】
また、ブロードキャスト信号に聞き情報が含まれる場合は、端末3の判定部362が、管理サーバ1のデータベースを検索し、一致する機器情報が存在するか否かを検索すればよい。データベースに当該機器情報が存在すれば、登録されているポンプ装置5であると判定する。データベースに当該機器情報が存在しない場合、未登録のポンプ装置5であると判定する。
図6の例では、ポンプ装置5が管理サーバ1に登録されていない場合を想定する。
【0062】
ステップS604では、例えば端末3の入力機器33が、未登録のポンプ装置5に貼り付けまたは表示される、例えばQRコード(登録商標)又はバーコードを読み取り、ポンプ装置5に関する機器情報を取得する。また、端末3がQRコードを読み取った場合に、ポンプ装置5と端末3とが近距離無線通信器31を介して自動でペアリングできるように、端末3側で設定されていてもよい。これにより、今後、当該ポンプ装置5から一定範囲内の距離に端末3が存在するときに自動でペアリング処理がなされ、ポンプ装置5の詳細情報を無線通信により取得できるようにしてもよい。
【0063】
なお、ステップS604で読み取る機器情報は、ブロードキャスト信号に含まれる機器情報よりも詳細な情報が含まれることを想定するが、ブロードキャスト信号に詳細な機器情報が含まれている場合は、ステップS604の処理を省略してもよい。
【0064】
ステップS605では、ポンプ装置5が未登録であるため、端末3の送信部363が、例えば遠距離無線通信器32を介してポンプ装置5の機器情報を管理サーバ1に送信する。
【0065】
ステップS606では、管理サーバ1が、未登録のポンプ装置5の機器情報を受信する。
ステップS607では、管理サーバ1が、データベースにポンプ装置5の機器情報を登録する。
ステップS608では、管理サーバ1が、データベースに登録されたポンプ装置5の位置情報に基づいて、当該ポンプ装置5が登録済みであると表示されるよう地図情報を更新する。
【0066】
なお、既に管理サーバ1に登録されているポンプ装置5であっても、管理サーバ1に登録されているポンプ装置5の情報について更新すべき情報がある場合は、管理サーバ1にあるポンプ装置5の情報を更新してもよい。例えば、ポンプ装置5の位置情報はデータベースに登録されているが、試運転データが登録されていない場合は、データベースを更新すべきである。
【0067】
この場合、ステップS603において、端末3の判定部362が、登録されているポンプ装置5であり、更新すべき情報が存在するか否かを判定してもよい。具体的には、端末3の判定部362が、ブロードキャスト信号に含まれる機器情報と、管理サーバ1のデータベースに含まれる機器情報との差分があるか否かを検索し、差分があれば、更新すべき情報が存在すると判定すればよい。端末3が、差分情報を管理サーバ1に送信し、管理サーバ1がデータベースに差分情報を登録すればよい。
なお、端末3が、データベースを直接編集し、未登録のポンプ装置5に関する情報を新規登録してもよいし、更新すべき情報があれば、データベースに対して差分を反映するように更新してもよい。
【0068】
次に、管理サーバ1で管理されるデータベースの一例について
図7を参照して説明する。
図7に示すデータベースのテーブルは、識別番号と、位置と、機種と、日時と、運転状態と、販売ルートとがそれぞれ対応付けられた格納される。
【0069】
識別番号は、ポンプ装置5の識別番号である。位置は、ポンプ装置5の所在を示し、ここでは住所の例を記載するが、緯度および経度情報であってもよい。機種は、ポンプ装置5の機種を示す情報、例えば型番である。日時は、情報を更新した最新の日時である。運転状態は、ポンプ装置5の稼動状態を示し、例えば正常、電力供給停止、未運転、未試運転が挙げられる。販売ルートは、ポンプ装置5が設置されるまでの販売ルート(製造会社~購入者への直販ルート、製造会社~契約代理店(商社)~購入者など)、またはポンプ装置5が設置される直前の最終的な販売元を示す。
【0070】
製造会社の管理下にある販売店からポンプ装置5が販売された場合は、データベースによって販売先の住所または運転状態を管理することができるが、商社などの製造会社の管理を離れた販売店からポンプ装置5が販売された場合で、ポンプ装置5の位置情報が登録されなかった場合、ポンプ装置5の所在が不明になることがある。よって、
図6に示す処理により、未登録のポンプ装置5を管理サーバ1のデータベースに登録できる。
【0071】
次に、地図情報におけるポンプ装置5の第1の表示例について
図8を参照して説明する。
端末3で位置情報を含まないブロードキャスト信号を受信しただけでは、当該ブロードキャスト信号を送信したポンプ装置5の正確な位置が不明である。よって、登録済みのポンプ装置5の所在が示された地図を参照することで、ブロードキャスト信号を送信したポンプ装置5の位置を効率的に特定できる。
【0072】
図8では、P1からP3までは管理サーバ1のデータベースに登録済みのポンプ装置5である。なお、P1およびP2は、稼働中である場合を、P3はメンテナンスのため中止している場合を示し、それぞれアイコンで区別する。
【0073】
ブロードキャスト信号を送信したポンプ装置5は、データベースに登録されていないため、地図上にアイコンが表示されない。一方、端末3に搭載されるGPSセンサ37によりマップ上に自端末の位置801が表示される。さらに、自端末を基準としてブロードキャスト信号を送信したポンプ装置5の推定位置範囲802を表示する。すなわち、端末3がブロードキャスト信号を受信できたということは、端末3を基準としてブロードキャスト信号の到達可能距離の最大値を半径とした円内にポンプ装置5が存在するということになる。従って、端末3のユーザは、自端末の位置801および推定位置範囲802が表示された地図を参照し、ブロードキャスト信号を受信した自端末の位置と周辺の建物の状況とから、未登録のポンプ装置5の位置を推定できる。
【0074】
なお、端末3の表示制御部365は、登録済みのポンプ装置5の位置と表示される建物情報とに基づき、端末3周辺の登録済みのポンプ装置5が存在しない建物の位置を、未登録のポンプ装置5の推定位置として地図情報に表示する、レコメンド表示をしてもよい。レコメンド表示の例としては、マップ上の登録済みのポンプ装置5が存在しない建物の位置の上でアイコンを点滅表示させたり、「この建物では?」といった未登録のポンプ装置5の所在を提案するメッセージ803を表示させるなどすればよい。
【0075】
次に、地図情報におけるポンプ装置5の第2の表示例について
図9を参照して説明する。
端末3の受付部366が、ユーザが未登録のポンプ装置5の位置を指定することにより、未登録のポンプ装置5の位置をアイコンで地図情報上に表示する。なお、管理サーバ1が、データベースに未登録であったポンプ装置5を登録し、当該ポンプ装置5の位置情報に基づいて地図情報にアイコンが表示されるように更新してもよい。
図9の例では、例えば、ユーザがマップ上の地点をタップすることで、今回管理サーバ1に登録されたポンプ装置5を示すアイコンP4が示される。これにより、ユーザが未登録のポンプ装置5を発見し次第、地図情報に情報を反映でき、地図情報の精度を向上させることができる。
【0076】
以上に示した本実施形態によれば、ポンプ装置に係る通信装置または端末に係る通信装置が、無線通信モジュールからの接続確認信号を受信し、無線通信モジュールに異常があるか否かを判定し、無線通信モジュールに異常があると判定された場合、異常が発生している旨のエラー情報を発報する。このように、ポンプ装置または端末が無線通信モジュールの接続状態を監視して、接続状態に異常がある場合に警報を発報することで、盗難を防止および迅速な盗難通知を行なうことができ、対象設備の状態を適切に把握することができる。
【0077】
さらに、端末が、付近のポンプ装置からブロードキャストされるブロードキャスト信号を受信し、当該ブロードキャスト信号を送信したポンプ装置がデータベースに未登録であった場合、未登録の機器情報をデータベースおよび地図情報に登録する。これにより、未登録のポンプ装置を発見し次第、データベースおよび地図情報に追加することができるので、データベースおよび地図情報の情報量を効率的に増やし、管理可能なポンプ装置を増やすことができる。すなわち、対象設備の状態を適切に把握することができる。
【0078】
上記各実施形態の処理の少なくとも一部は、例えば汎用のコンピュータに搭載されたプロセッサを基本ハードウェアとして用いることでも実現可能である。上記処理を実現するプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納して提供されてもよい。プログラムは、インストール可能な形式のファイルまたは実行可能な形式のファイルとして記録媒体に記憶される。記録媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD-ROM、CD-R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリなどである。記録媒体は、プログラムを記憶でき、かつ、コンピュータが読み取り可能であれば、何れであってもよい。また、上記処理を実現するプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ(サーバ)上に格納し、ネットワーク経由でコンピュータ(クライアント)にダウンロードさせてもよい。
【0079】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0080】
1・・・管理サーバ、3・・・端末、5・・・ポンプ装置、31、51・・・近距離無線通信器、32、52・・・遠距離無線通信器、33、53・・・入力機器、34、56・・・表示機器、35・・・メモリ、36、58・・・プロセッサ、37・・・GPSセンサ、50・・・制御盤、54・・・インバータ、55・・・インタフェース、57・・・記憶装置、60・・・ポンプ部、100・・・通信システム、361、581・・・受信部、362、582・・・判定部、363・・・送信部、364・・・通知部、365・・・表示制御部、366・・・受付部、511・・・無線通信モジュール、583・・・発報部、801・・・自端末の位置、802・・・推定位置範囲、803・・・メッセージ。