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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】コンテナ
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/18 20060101AFI20240925BHJP
【FI】
B65D6/18 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020193729
(22)【出願日】2020-11-20
(65)【公開番号】P2022082265
(43)【公開日】2022-06-01
【審査請求日】2023-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】岩田 貴雄
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2005/016770(JP,A1)
【文献】特開2005-096815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナの一側壁の少なくとも一部である第1側壁部の外面又は内面に設けられたロック部材が規制位置から解除位置へ押し下げられると前記第1側壁部が取り外し又は回動可能になり、かつ、前記ロック部材の環状操作部に手をかけて持ち上げ可能なコンテナにおいて、
前記ロック部材に設けられ、上方に突出した係合突部と、
前記第1側壁部に設けられ、前記ロック部材が前記解除位置から前記規制位置に移動するときに、前記係合突部を受容し、かつ、前記係合突部の内外方向での移動を規制する係合受容部と、
前記環状操作部の内側に設けられ、押し下げ操作可能な操作孔と、を有し、
前記係合受容部は、上下方向に延びる第1構成壁と、第1構成壁の上端に配されて内外方向に延びる第2構成壁との角部に形成された切り欠きであり、前記ロック部材が前記規制位置に配されているときには、前記第2構成壁に形成された切り欠きに前記係合突部が受容され、
前記第1構成壁における前記係合受容部の深さは、前記ロック部材の移動距離よりも小さいコンテナ。
【請求項2】
コンテナの一側壁の少なくとも一部である第1側壁部の外面又は内面に設けられたロック部材が規制位置から解除位置へ押し下げられると前記第1側壁部が取り外し又は回動可能になり、かつ、前記ロック部材の環状操作部に手をかけて持ち上げ可能なコンテナにおいて、
前記ロック部材に設けられ、上方に突出した係合突部と、
前記第1側壁部から内外方向に突出する側壁リブにのみ切り欠き形成され、前記ロック部材が前記解除位置から前記規制位置に移動するときに、前記係合突部を受容し、かつ、前記係合突部の内外方向での移動を規制する係合受容部と、
前記環状操作部の内側に設けられ、押し下げ操作可能な操作孔と、を有するコンテナ。
【請求項3】
コンテナの一側壁の少なくとも一部である第1側壁部の外面又は内面に設けられたロック部材が規制位置から解除位置へ押し下げられると前記第1側壁部が取り外し又は回動可能になり、かつ、前記ロック部材の環状操作部に手をかけて持ち上げ可能なコンテナにおいて、
前記環状操作部は、内外方向に幅をもつ環状リブと、前記環状リブの内側の操作孔と、を備え、
前記ロック部材の上面のうち前記第1側壁部側の端部から連続して又は略連続して上方へ突出する係合突部と、
前記第1側壁部に配されて内外方向に突出し、前記ロック部材の上面と当接可能な側壁リブと、
前記側壁リブに設けられ、前記ロック部材が前記解除位置から前記規制位置に移動するときに、前記係合突部を受容し、かつ、前記係合突部の内外方向での移動を規制する係合受容部と、を有し、
前記ロック部材が前記規制位置に配された状態で、前記ロック部材の上面のうち前記係合突部と内外方向で隣り合う部分と前記側壁リブとが当接するコンテナ。
【請求項4】
コンテナの一側壁の少なくとも一部である第1側壁部の外面又は内面に設けられたロック部材が規制位置から解除位置へ押し下げられると前記第1側壁部が取り外し又は回動可能になり、かつ、前記ロック部材の環状操作部に手をかけて持ち上げ可能なコンテナにおいて、
前記環状操作部は、内外方向に幅をもつ環状リブと、前記環状リブの内側の操作孔と、を備え、
前記第1側壁部と前記ロック部材との一方に設けられ、内外方向と交差する第1方向に突出した係合突部と、
前記第1側壁部と前記ロック部材との他方に設けられ、前記ロック部材が前記解除位置から前記規制位置に移動するときに、前記係合突部を受容し、かつ、前記係合突部の内外方向での移動を規制する係合受容部と、を有し、
前記ロック部材の下面と環状操作部の上辺部との両方に、前記環状リブの一部である水平リブ部と、前記水平リブ部における前記第1側壁部と反対側の端部から垂下する垂下部と、を備える手掛け部が設けられているコンテナ。
【請求項5】
前記環状リブの下辺部の上面から突出する下側係合突部と、
前記第1側壁部に形成され、前記ロック部材が前記解除位置から前記規制位置に移動するときに、前記下側係合突部を受容し、かつ、前記下側係合突部の内外方向での移動を規制する下側係合受容部と、を有する請求項3又は4に記載のコンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロック部材が規制位置から解除位置へ押し下げられると、第1側壁部が取り外し又は回動可能になるコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のコンテナとして、ロック部材に環状操作部が設けられているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-96401号公報(段落[0024]、図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のコンテナにおいては、ロック部材の環状操作部に手をかけて持ち上げたときにロック部材が第1側壁部から脱落することを防ぐことが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた発明の第1態様は、コンテナの一側壁の少なくとも一部である第1側壁部の外面又は内面に設けられたロック部材が規制位置から解除位置へ押し下げられると前記第1側壁部が取り外し又は回動可能になり、かつ、前記ロック部材の環状操作部に手をかけて持ち上げ可能なコンテナにおいて、前記第1側壁部と前記ロック部材との一方に設けられ、内外方向と交差する第1方向に突出した係合突部と、前記第1側壁部と前記ロック部材との他方に設けられ、前記ロック部材が前記解除位置から前記規制位置に移動するときに、前記係合突部を受容し、かつ、前記係合突部の内外方向での移動を規制する係合受容部と、を有するコンテナである。
【0006】
発明の第2態様は、前記係合突部及び前記係合受容部は前記環状操作部の真上に配されている第1態様に記載のコンテナである。
【0007】
発明の第3態様の発明は、前記係合受容部は、前記第1側壁部と前記ロック部材との他方における、前記第1方向に延びる第1構成壁と内外方向に延びる第2構成壁との角部に形成されている第1態様又は第2態様に記載のコンテナである。
【0008】
発明の第4態様は、前記係合突部は、前記ロック部材の上面のうち前記第1側壁部側の端部から連続して又は略連続して上方へ突出している第1態様から第3態様の何れか1の態様に記載のコンテナである。
【0009】
発明の第5態様は、前記ロック部材には、前記環状操作部の上部と下部との両方に、手掛け部が設けられている第1態様から第4態様の何れか1の態様に記載のコンテナである。
【発明の効果】
【0010】
発明の第1態様では、ロック部材が規制位置に配されている状態では、係合受容部が係合突部を受容し、かつ、係合突部の内外方向での移動を規制するので、ロック部材の環状操作部に手をかけてコンテナを持ち上げても、係合突部と係合受容部との係合によりロック部材の内外方向の動きが規制されるので、ロック部材の第1側壁からの脱落が防がれる。
【0011】
発明の第2態様では、係合突部及び係合受容部が環状操作部の真上に配されているので、環状操作部に手をかけてコンテナを持ち上げると、係合突部と係合受容部との係合が深まる。
【0012】
発明の第3態様では、係合受容部が第1構成壁と第2構成壁との角部に配されているので、第1構成壁又は第2構成壁の中央部に配される場合よりも係合受容部の周縁部の薄肉化が防がれ、強度が強くなる。
【0013】
発明の第4態様では、係合突部が上面のうち第1側壁側の端部から連続して又は略連続して延びているので、係合突部の強度が向上する。
【0014】
発明の第5態様では、手掛け部がロック部材の上部と下部との2箇所に設けられているので、状況に応じて手を掛ける位置を選択することが可能であるので、コンテナの取り扱い性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示に係る折畳コンテナの斜視図
図2】折畳状態の折畳コンテナの斜視図
図3】短辺側壁の斜視図
図4】ロック部材の斜視図
図5】ロック部材の裏側斜視図
図6】短辺側壁の斜視図
図7】短辺側壁の斜視図
図8】短辺側壁周辺の側断面図
図9】短辺側壁の裏側斜視図
図10】短辺側壁周辺の側断面図
図11】変形例に係る短辺側壁周辺の側断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1図10を参照して、本開示の折畳コンテナ10(特許請求の範囲中の「コンテナ」に相当する)について説明する。図1に示すように、折畳コンテナ10は、平面形状が長方形で上面が開放した直方体構造になっている。また、折畳コンテナ10は、底壁30と、その底壁30における1対の短辺側の外縁部に回動可能に連結された1対の短辺側壁11(特許請求の範囲中の「一側壁」、「第1側壁部」に相当する)と、底壁30における1対の長辺側の外縁部に回動可能に連結された1対の長辺側壁21と、を有している。そして、折畳コンテナ10は、短辺及び長辺の側壁11,21を底壁30から起立させて互いに連結した組立状態(図1参照)と、底壁30の上に短辺側壁11を重ねるように折り畳んでから、それら短辺側壁11の上に長辺側壁21を折り重ねた折畳状態(図2参照)とに変更することができる。
【0017】
底壁30は、外縁から平面形状が大きくなるように段付き状に立ち上がった枠状突部31を備える。枠状突部31は、底壁30の1対の短辺から突出した短辺底突部32と、1対の長辺から突出した長辺底突部33と、底壁30の角部から突出したコーナー突部34と、を有している。これら突部32,33,34の間では、コーナー突部34が最も高く、長辺底突部33、短辺底突部32の順で低くなっていく。また、底壁30のうち枠状突部31より下方部は、段積嵌合部35となっている。
【0018】
図2に示すように、短辺底突部32及び長辺底突部33には、それぞれの長手方向に間隔を空けて複数のアーム受容部32A,33Aが形成されている。アーム受容部32A,33Aは、短辺底突部32及び長辺底突部33の上面と内面とに開口している。アーム受容部32A,33Aの上面開口32B,33Bは、内面開口32C,33Cよりも広くなっていて、アーム受容部32A,33Aの内面には、内面開口32C,33Cを挟んだ両側部分に、抜け止め部32D,33Dが形成されている。また、短辺底突部32及び長辺底突部33の下面には、それぞれの長手方向の中央部に上方へ陥没した手掛け部32K,33Kが形成されている。
【0019】
図1及び図2に示すように、短辺側壁11及び長辺側壁21の下端部からは、アーム受容部32A,33Aに対応した複数のヒンジ脚部14,24が垂下されている。ヒンジ脚部14,24の下端部には、両側面から長辺側壁21の横方向に1対のヒンジ軸が突出している。なお、図3には、短辺側壁11のヒンジ脚部14のヒンジ軸14Aが示されている。ヒンジ軸を含むヒンジ脚部14,24は、底壁30のアーム受容部32A,33Aに上面開口32B,33B側から受容され、ヒンジ軸が抜け止め部32D,33Dに係止して抜け止めされている。短辺側壁11及び長辺側壁21は、ヒンジ軸を中心にして底壁30に対して回動し、起立状態(図1に示した状態)と水平状態(図2に示した状態)とに変更することができる。
【0020】
図1に示すように、長辺側壁21は、横長の平板の上端に、外方へ突出した上端突部22を有し、下端に、外方へ突出した下端リブ23を有している。長辺側壁21の両側縁部には、短辺側壁11側に向かって突出した1対の連結突部25が形成されている。連結突部25は、長辺側壁21の長手方向の端部と端部寄り位置に配され、短辺側壁11側に向かって延びた外側壁25Aと内側壁25Bとを有している。外側壁25Aは、内側壁25Bよりも短辺側壁11側へ突出していて、短辺側壁11の側縁部に外方から対向する。内側壁25Bのうち上下方向の中央からは、係合壁25Cが短辺側壁11側へ突出形成されている。外側壁25Aのうち内側壁25Bより突出している部分の上端部には貫通孔25Dが形成されている。また、長辺側壁21のうち1対の連結突部25は、その間の部分よりも、上方へ突出している。
【0021】
図3に示すように、短辺側壁11は、横長の平板11Aの上端と下端とに、外方へ突出した上端リブ12と下端リブ13と、を有している。短辺側壁11の両側縁部には、上端部に、側方へ突出し、長辺側壁21の連結突部25の外側壁25Aに内側から重なる突壁15が形成されている。この突壁15には、折畳コンテナ10を組立状態にしたときに、長辺側壁21の連結突部25の貫通孔25Dに受容される係合突部15Aが外方へ向かって突出形成されている。
【0022】
図3に示すように、短辺側壁11の外面には、上端リブ12と下端リブ13との間にロック部材40が組み付けられている。ロック部材40は、短辺側壁11の横方向全体に亘って延びている。具体的には、図4及び図5に示すように、ロック部材40は、全体的に前板41から後方へリブ42が突出してなり、正面視略長方形状の第1構成部43と、第1構成部43の両側縁部から側方へ延びた台形状の第2構成部44と、第2構成部44からさらに側方へ延びた帯板状の第3構成部45と、を有している。これら第1~第3の構成部43~45は、上面が略面一になっている。また、第1構成部43の下面が最も低位置に配され、第2構成部44の下面は、第1構成部43の端部から上方へ傾斜して延び、第3構成部45の下面は、第2構成部44の端部から水平に延びている。
【0023】
図3に示すように、短辺側壁11には、ロック部材40の第3構成部45に前方から重なり、ロック部材40を抜け止めする規制壁16が設けられている。また、ロック部材40の第1構成部43における、左端部(図3における左端部)と、右端部寄り位置とには、上下方向に延びたスライド溝43Mが形成されていて、短辺側壁11には、このスライド溝43Mに受容されるガイド突部11G(図6参照)が外方へ突出形成されている。これにより、ロック部材40は、横方向にずれずに、上下方向にスライド可能になっている。また、図3に示すように、ロック部材40の第3構成部45のうち規制壁16より側方へ突出している部分には、上端部の外面側に、テーパー部45Tが形成されている。
【0024】
図3及び図6に示すように、短辺側壁11の両側縁部には、上下方向の中央部に、上方へ開放した「コ」の字状の規制受容部17が形成されている。この規制受容部17の底部17Aに第3構成部45が当接することで、ロック部材40の可動範囲の下端(以降、「解除位置」という)が定められている。また、ロック部材40の上面が短辺側壁11の上端リブ12に当接する位置が、ロック部材40の可動範囲の上端(以降、「規制位置」という)である。
【0025】
図3に示すように、ロック部材40の下面からは1対の可撓アーム46が互いに近づくように斜め下方に延びている。可撓アーム46の下端部は、短辺側壁11の下端リブ13に当接し、それら可撓アーム46の弾発力によってロック部材40が上方に付勢されている。その付勢によりロック部材40が規制位置に位置した状態では、第3構成部45の大部分が規制受容部17よりも上方に配される。
【0026】
折畳状態(図2参照)から1対の長辺側壁21を起立させ、短辺側壁11を起立させると、ロック部材40の第3構成部45のテーパー部45T(図3参照)が短辺側壁11の係合壁25C(図1参照)に摺接し、可撓アーム46の弾発力に抗してロック部材40が下方へ移動する。そして、ロック部材40の第3構成部45が短辺側壁11の係合壁25Cを通過すると、可撓アーム46の弾発力によりロック部材40が上端位置に移動して、第3構成部45が短辺側壁11の連結突部25における外側壁25Aと係合壁25Cとの間に挟まれて係合する。これにより、短辺側壁11と長辺側壁21とが互いに起立状態で固定される。
【0027】
組立状態(図1参照)から短辺側壁11を内側に倒すには、可撓アーム46の弾発力に抗してロック部材40を下方に押圧操作する。すると、ロック部材40が解除位置に配され、第3構成部45が規制受容部17に受容されて(図7参照)、係合壁25C(図1参照)との係合が解除され、短辺側壁11を回動可能となる。
【0028】
さて、ロック部材40には、係合を解除する操作(下方への押圧操作)を行うために、環状操作部50が設けられている。図3に示すように、環状操作部50は、ロック部材40の長手方向の中央に貫通形成された操作孔51の開口縁部からなる。操作孔51は、ロック部材40の長手方向を長辺とする長方形状をなし、ロック部材40の第1構成部43の上端寄り位置から下端寄り位置までの間に配されている。環状操作部50は、操作孔51の開口縁部から後方に突出した環状リブ52を有している。図5及び図8に示すように、環状操作部50の下辺部は、環状リブ52の下辺と、前板41と、ロック部材40の下縁から突出したリブ42(下辺リブ42Aとする)と、から、断面形状が後方へ開放した「コ」の字状になっている。また、この環状リブ52の上辺部は、ロック部材40の上縁から突出したリブ42(上辺リブ42Bとする)と共通している。
【0029】
また、ロック部材40の前板41には、上辺リブ42Bより下方へ突出した垂下部41Aが設けられていて、この上辺リブ42Bと垂下部41Aとにより、手掛け部40Tが構成されている。この手掛け部40Tに手を掛けることで、折畳コンテナ10を持ち上げることが可能である。
【0030】
ここで、図4及び図5に示すように、本実施形態のロック部材40には、上面(上辺リブ42Bの上面)から突出した係合突部47が設けられている。係合突部47は、ロック部材40の横方向の中央のうち、内外方向の内側端部(短辺側壁11本体(平板11A)側端部)に配されている。図5及び図8に示すように、係合突部47の平面形状は、内外方向の内側の辺が外側の辺よりも長い台形状をなし、係合突部47の内側側面は、上辺リブ42Bの内側端面と面一になっている。つまり、係合突部47は、ロック部材40の上面のうち短辺側壁11側の端部から連続して上方へ突出している。
【0031】
図8及び図9に示すように、短辺側壁11には、ロック部材40の係合突部47と対応する位置に係合受容部18が形成されている。係合受容部18は、短辺側壁11本体(平板11A)と上端リブ12との角部を切り欠いた形状をなし、上端リブ12に設けられた上面切欠き部12Kと短辺側壁11本体に設けられた側面切欠き部11Kとが連続してなる。上面切欠き部12Kは、係合突部47の平面形状と対応した台形状をなし、側面切欠き部11Kは、上端リブ12の板厚分より僅かに大きい高さの長方形状をなしている。なお、短辺側壁11本体(平板11A)が特許請求の範囲中の「第1構成壁」に相当し、上端リブ12が特許請求の範囲中の「第2構成壁」に相当する。
【0032】
図10に示すように、ロック部材40が解除位置に配されているときは、ロック部材40の係合突部47は、短辺側壁11の係合受容部18から外れている。なお、このとき、係合突部47の内側側面及び下辺リブ42Aの内側端面の全体が短辺側壁11本体に当接している。
【0033】
そして、図8に示すように、ロック部材40が規制位置に配されると、ロック部材40の係合突部47は、短辺側壁11の係合受容部18に受容される。このとき、係合突部47の外側側面が係合受容部18の外側内側面に当接し、係合突部47が外方へ向かうこと、即ち、ロック部材40が外方へ向かうことが規制される。
【0034】
本実施形態の折畳コンテナ10の構成は以上である。次に、折畳コンテナ10の作用効果について説明する。上述したように、組立状態の折畳コンテナ10において、短辺側壁11に配されたロック部材40の環状操作部50を下方へ押し込むことで、ロック部材40と長辺側壁21との係合が解除され、短辺側壁11を内側へ倒すことが可能になる。
【0035】
組立状態の折畳コンテナ10は、短辺側壁11のロック部材40に設けられた手掛け部40T(環状操作部50の上辺部)に手を掛けることで、折畳コンテナ10を持ち上げることが可能である。ここで、ロック部材40の手掛け部40Tに手をかけて折畳コンテナ10を持ち上げる際に、ロック部材40に外方へ向かうように負荷がかかり、ロック部材40が短辺側壁11から外れてしまうことが懸念される。
【0036】
これに対して、本実施形態の折畳コンテナ10では、ロック部材40が規制位置に配された状態では、ロック部材40の係合突部47が、短辺側壁11の係合受容部18に受容され、ロック部材40が外方へ向かうことが規制されるので、ロック部材40が短辺側壁11から外れてしまうことが防がれる。
【0037】
しかも、係合突部47と係合受容部18とが、ロック部材40の手掛け部40T(環状操作部50の上辺部)の真上に配され、係合突部47が係合受容部18に下方から進入しているので、ロック部材40の手掛け部40Tに手をかけて折畳コンテナ10を持ち上げると、ロック部材40に短辺側壁11の上端リブ12側へ向かう負荷がかかるため、係合突部47と係合受容部18との係合が深まり、ロック部材40が短辺側壁11からより外れにくくなる。
【0038】
また、係合受容部18が、短辺側壁11本体(平板11A)と上端リブ12との角部に配されているので、上端リブ12の中央部に配される場合よりも係合受容部18の薄肉化が防がれ、係合受容部18の強度が強くなる。
【0039】
係合受容部18に対応して、係合突部47がロック部材40のうち短辺側壁11本体(平板11A)側端部に配され、ロック部材40の上面のうち短辺側壁11側の端部から連続して上方へ突出しているので、係合突部47がロック部材40の上面の内外方向の中央に配される場合よりも、係合突部47の強度が強くなる。
【0040】
また、例えば、短辺側壁11を回動させるためにロック部材40の環状操作部50を下方へ押圧操作したときに、ロック部材40が内側へ傾くように(ロック部材40の下端部が外方へ向かうように)負荷を受けると、下端側からロック部材40が外れてしまうことが懸念される。これに対して、折畳コンテナ10では、面一になった係合突部47の内側側面と下辺リブ42Aの内側端面とが短辺側壁11本体(平板11A)に当接する、つまり、係合突部47がない場合又は係合突部47が内外方向の外側に配された場合よりも、短辺側壁11本体に当接する範囲が上下方向で長くなるので、ロック部材40が内側へ傾きにくくなり、下端側からロック部材40が外れてしまうことが防がれる。
【0041】
[他の実施形態]
(1)上記実施形態では、短辺側壁11が底壁30に対して回動可能になっていたが、短辺側壁11が取り外し可能な構成であってもよいし、短辺側壁11が扉のように長辺側壁21に対して回動する構成であってもよい。また、短辺側壁11がベース側壁と扉部材とを備えた扉部材付き側壁部であって、扉部材がベース側壁に対して回動する構成であってもよい。
【0042】
(2)短辺側壁11に、ロック部材40の操作孔51と内外方向で重なる持ち手孔が設けられていてもよい。
【0043】
(3)ロック部材40が短辺側壁11の内面側に配されていてもよい。
【0044】
(4)図11に示すように、ロック部材40の下面にも手掛け部40Tを設けてもよい。この場合、状況に応じて手を掛ける位置を選択することが可能であるので、折畳コンテナ10の取り扱い性が向上する。なお、この場合、下方の手掛け部40T近傍(例えば、環状リブ52の下辺部と短辺側壁11の対応箇所)にも、係合突部及び係合受容部を設けることが好ましい。
【0045】
(5)ロック部材40の上辺リブ42Bに係合受容部が形成され、短辺側壁11の上端リブ12から下方へ係合突部が突出形成された構成であってもよい。また、係合突部は左右方向に突出し、係合受容部に左右方向で進入する構成であってもよい。
【0046】
(6)上記実施形態では、係合受容部18が、上面切欠き部12Kと側面切欠き部11Kとが連続した構成となっていたが、側面切欠き部11Kを有さず上面切欠き部12Kのみから構成されていてもよい。この場合、ロック部材40が規制位置に配された状態でも、係合突部47の内側側面と下辺リブ42Aの内側端面とが短辺側壁11本体(平板11A)に当接するので、折畳コンテナ10を持ち上げるときに、ロック部材40が外方へ向かうように回動することが規制され、ロック部材40が短辺側壁11から外れることがより防がれる。
【0047】
なお、本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。
【符号の説明】
【0048】
10 折畳コンテナ(コンテナ)
11 短辺側壁(第1側壁部)
18 係合受容部
40 ロック部材
40T 手掛け部
42B 上辺リブ
47 係合突部
50 環状操作部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11