(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20240925BHJP
【FI】
G06F3/01 510
(21)【出願番号】P 2022092871
(22)【出願日】2022-06-08
【審査請求日】2023-03-20
(73)【特許権者】
【識別番号】506159699
【氏名又は名称】株式会社ジンズホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】菰田 泰生
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-026251(JP,A)
【文献】特開2016-062274(JP,A)
【文献】特開2017-142857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、
ユーザの所定部位の動作を計測可能なセンサから、複数時点における前記所定部位の動作に関するデータを順に取得すること、
移動モードである場合、前記データに基づいてポインタに関する移動情報を出力すること、
前記移動情報の出力後に所定条件が満たされた場合、前記移動モードから非移動モードに切り替えること、
前記移動モードから切替後の非移動モードである場合、前記データに基づいて前記所定部位の動作がモード切替動作であるかどうかを判定すること、
前記所定部位の動作がモード切替動作であると判定した場合、前記非移動モードから
前記移動モードに切り替えること、
を実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記非移動モードから前記移動モードに切り替えることは、
前記所定部位の動作が第1モード切替動作である場合、前記非移動モードから前記移動モードの第1状態に切り替えることを含み、
前記情報処理装置がさらに、
前記移動モードが前記第1状態である場合、前記移動情報の出力に続いて、ポインタの移動停止後に前記第1モード切替動作に対応するコマンドを出力することを実行する、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記非移動モードから前記移動モードに切り替えることは、
前記所定部位の動作が第2モード切替動作である場合、前記非移動モードから前記移動モードの第2状態に切り替えることを含み、
前記情報処理装置がさらに、
前記移動モードが前記第2状態である場合、前記移動情報の出力に続いて、ポインタの移動停止後に前記データに基づいて前記所定部位の動作がコマンド動作であるかどうかを判定し、前記コマンド動作であると判定した場合に、前記コマンド動作に対応するコマンドを出力することを実行する、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記所定条件は、前記コマンドを出力したことを含む、請求項2又は3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記非移動モードから前記移動モードに切り替えられる場合、前記モード切替動作に対応する動きを前記ポインタにさせる動き情報を出力することを含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記動き情報は、前記所定部位の動作に関係なく定められた動きを示す情報を含む、請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記情報処理装置がさらに、
前記非移動モードである場合、前記データに基づいて前記所定部位の動作がポインタの移動を伴わないコマンド動作であるかどうかを判定すること、
前記所定部位の動作が前記ポインタの移動を伴わないコマンド動作であると判定した場合、前記ポインタの移動を伴わないコマンド動作に対応するコマンドを出力すること、
を実行する請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項8】
情報処理装置に、
ユーザの所定部位の動作を計測可能なセンサから、複数時点における前記所定部位の動作に関するデータを順に取得すること、
移動モードである場合、前記データに基づいてポインタに関する移動情報を出力すること、
前記移動情報の出力後に所定条件が満たされた場合、前記移動モードから非移動モードに切り替えること、
前記移動モードから切替後の非移動モードである場合、前記データに基づいて前記所定部位の動作がモード切替動作であるかどうかを判定すること、
前記所定部位の動作がモード切替動作であると判定した場合、前記非移動モードから
前記移動モードに切り替えること、
を実行させるプログラム。
【請求項9】
プロセッサを含む情報処理装置であって、
前記プロセッサが、
ユーザの所定部位の動作を計測可能なセンサから、複数時点における前記所定部位の動作に関するデータを順に取得すること、
移動モードである場合、前記データに基づいてポインタに関する移動情報を出力すること、
前記移動情報の出力後に所定条件が満たされた場合、前記移動モードから非移動モードに切り替えること、
前記移動モードから切替後の非移動モードである場合、前記データに基づいて前記所定部位の動作がモード切替動作であるかどうかを判定すること、
前記所定部位の動作がモード切替動作であると判定した場合、前記非移動モードから
前記移動モードに切り替えること、
を実行する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、プログラム、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの頭部の動きを検出するセンサを用いて、マウスなどの入力手段に対するクリック操作などの入力操作を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平4-309996号公報
【文献】特開平9-258887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、頭部の動きを用いて入力操作を行う場合、ポインタが常に動いていたり、自然な頭部の動きにより意図しない操作が行われたり、ユーザビリティに問題があった。
【0005】
そこで、開示技術は、センサが設けられる所定部位の動きを用いて入力操作が行われる際に、ユーザが意図する操作をより適切に実現可能にし、ユーザビリティを向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示技術の一態様における情報処理方法は、情報処理装置が、ユーザの所定部位の動作を計測可能なセンサから、複数時点における前記所定部位の動作に関するデータを順に取得すること、非移動モードである場合、前記データに基づいて前記所定部位の動作がモード切替動作であるかどうかを判定すること、前記所定部位の動作がモード切替動作であると判定した場合、前記非移動モードから移動モードに切り替えること、前記移動モードである場合、前記データに基づいてポインタに関する移動情報を出力すること、前記移動情報の出力後に所定条件が満たされた場合、前記移動モードから前記非移動モードに切り替えること、を実行する。
【発明の効果】
【0007】
開示技術によれば、センサにより所定部位の動作を計測して入力操作が行われる際に、ユーザが意図する操作をより適切に実現可能にし、ユーザビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例における情報処理システムの一例を示す図である。
【
図2】実施例における外部の情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施例における情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】実施例における処理部の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】実施例における移動速度に関するデータの一例を示す図である。
【
図6】実施例におけるデータ、動き、出力の関係の一例を示す図である。
【
図7】実施例における所定部位の動きとモードとコマンドとの関係の一例を示す図である。
【
図8】実施例における動きとコマンドとポインタの動きとの関係の一例を示す図である。
【
図9】実施例におけるコマンド発行に関する処理の一例(その1)を示すフローチャートである。
【
図10】実施例におけるコマンド発行に関する処理の一例(その2)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0010】
[実施例]
実施例では、加速度センサ及び/又は角速度センサ、必要に応じて生体電極を搭載するウエアラブル端末の対象として、アイウエアを例に挙げるが、これに限られない。
図1は、実施例における情報処理システム1の一例を示す図である。
図1に示す情報処理システム1は、外部の情報処理装置(以下、「外部装置」とも称す。)10と、アイウエア30とを含み、外部装置10と、アイウエア30とは、ネットワークを介して接続され、データ通信可能になっている。
【0011】
アイウエア30は、例えばブリッジ部分に情報処理装置20を搭載する。情報処理装置20は、一対のノーズパッド及びブリッジ部を含み、それぞれに生体電極32、34、36を有してもよい。情報処理装置20は、3軸加速度センサ及び/又は3軸角速度センサ(6軸センサでもよい)を含む。なお、生体電極32、34、36は必ずしも必要ではない。
【0012】
情報処理装置20は、センサ信号や眼電位信号等を検出して外部装置10に送信する。情報処理装置20の設置位置は、必ずしもブリッジ部分である必要はないが、アイウエア30が装着された際に、センサ信号や眼電位信号を取得可能な位置に位置決めされればよい。また、情報処理装置20は、ブリッジ部分に取り外し可能に設けられてもよい。
【0013】
外部装置10は、通信機能を有する情報処理装置である。例えば、外部装置10は、サーバ装置、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどの携帯端末等である。外部装置10は、情報処理装置20から受信したユーザの頭部の移動に関するデータを取得し、このデータに基づいて複数の操作処理を実行する。操作処理は、例えば、ポインタ(カーソル)移動、クリック、ドラッグ、スクロールなどを含む。また、外部装置10は、情報処理装置20から、頭部の動作に応じて、操作処理を命令するコマンドや、ポインタの移動量を示すデータを受信してもよい。
【0014】
<外部装置10の構成>
図2は、実施例における外部装置10の構成の一例を示すブロック図である。外部装置10は、1つ又は複数の処理装置(CPU)110、1つ又は複数のネットワーク通信インタフェース120、メモリ130、ユーザインタフェース150、撮像センサ160、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス170を含む。
【0015】
ネットワーク通信インタフェース120は、移動体通信用アンテナや無線LAN通信用アンテナを通じてネットワークに接続され、情報処理装置20との間でデータ通信をすることが可能である。
【0016】
ユーザインタフェース150は、ディスプレイ装置、及び入力装置(キーボード及び/又はマウス、又は他の何らかのポインティングデバイス等)を挙げることができる。ユーザインタフェース150は、ディスプレイ装置に表示されるポインタを移動操作することが可能である。撮像センサ160は、イメージセンサであり、光信号を受け、この光信号を電気信号に変換し画像を生成する。画像は静止画像及び動画像の少なくとも1つを含む。
【0017】
メモリ130は、例えば、DRAM、SRAM、他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリであり、また、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリでもよく、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体でもよい。
【0018】
メモリ130は、情報処理システム1により用いられるデータを記憶する。例えば、メモリ130は、アイウエア30(情報処理装置20)から送信されるデータを記憶する。
【0019】
また、メモリ130の他の例として、CPU110から遠隔に設置される1つ又は複数の記憶装置でもよい。ある実施形態において、メモリ130は、CPU110により実行されるプログラム、モジュール及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納する。
【0020】
CPU110は、メモリ130に記憶されるプログラムを実行することで、取得部112、及び処理制御部114を構成する。
【0021】
取得部112は、アイウエア30の情報処理装置20から、操作に関する指令(コマンド)やポインタの移動量を示すデータ等を取得する。
【0022】
処理制御部113は、取得部112により取得された操作に関する指令を実行したり、ポインタの移動量を用いてポインタの移動を制御したりする。例えば、処理制御部113は、ポインティングデバイス(例えばマウス)などの入力デバイスの機能と同様の機能を有するアイウエア30から取得される指令やデータを用いて、クリックやドラッグなどの操作を制御する。
【0023】
なお、CPU110の取得部112は、、ユーザの所定部位の動作を計測可能なセンサ(一例として、ユーザの所定部位に装着されるセンサ)から、所定部位の移動速度に関するデータを順に取得してもよい。この場合、処理制御部113は、後述する情報処理装置20のモード制御処理や判定処理や出力処理を実行し、クリックやドラッグなどの操作を制御してもよい。なお、処理制御部113の処理は、クリックやドラッグ、スクロールなどのマウス操作に加え、ファンクションキーやテンキーや設定変更などの操作が、ユーザの頭部の動きに対応付けられてもよい。
【0024】
<情報処理装置20の構成>
図3は、実施例における情報処理装置20の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置20は、処理部202、送信部204、6軸センサ206、電源部208、及び各生体電極32、34、36を有する。また、各生体電極32、34、36は、例えば増幅部を介して電線を用いて処理部202に接続される。なお、各生体電極32、34、36は必ずしも必要な構成ではない。また、情報処理装置20は、処理データを記憶するメモリを有する。このメモリは、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体でもよい。
【0025】
送信部204は、例えば、処理部202によりパケット化された移動速度に関するデータ、後述する移動情報、非移動情報、又はコマンドを外部装置10に送信する。例えば、送信部204は、Bluetooth(登録商標)及び無線LAN等の無線通信、又は有線通信によって、非移動情報、移動情報、コマンド等を外部装置10に送信する。
【0026】
6軸センサ206は、3軸加速度センサ及び3軸角速度センサである。また、これらの各センサは別個に設けられてもよく、いずれか一方のセンサが設けられてもよい。6軸センサ206は、検出したセンサ信号を処理部202に出力する。電源部208は、処理部202、送信部204、6軸センサ206等に電力を供給する。
【0027】
処理部202は、プロセッサを含み、6軸センサ206から得られるセンサ信号や、必要に応じて各生体電極32、34、36から得られる眼電位信号を処理し、例えば、センサ信号や眼電位信号をパケット化して、このパケットを送信部204に出力してもよい。また、処理部202は、6軸センサ206から得られるセンサ信号を増幅等するだけでもよい。
【0028】
また、処理部202は、6軸センサ206からのセンサ信号を、頭部の動きに関する情報に基づく移動速度データとして生成してもよい。頭部の動きに関する情報は、例えば頭部の上下(前後)左右への動きに関する情報である。以下、処理部202が、プロセッサを有し、入力デバイスに対応する処理を実行する例について説明する。
【0029】
図4は、実施例における処理部202の構成の一例を示すブロック図である。
図4に示す例では、処理部202は、取得部222、モード制御部224、出力部228を有する。
【0030】
取得部222は、ユーザの所定部位の動作を計測可能なセンサから、複数時点における所定部位の移動速度に関するデータを順に取得する。例えば、取得部112は、所定のサンプリングレートでサンプリングする角速度センサから送信される角速度データを順に取得する。センサからデータを取得するとは、直接的又は間接的にデータを取得することを含む。実施例における所定部位は頭部であるが、腕や脚などでもよい。センサは、所定部位の移動速度を計測可能なセンサであり、実施例では、角速度センサや加速度センサが好適であり、ユーザの所定部位に装着されてもよい。例えば、センサが3軸角速度センサの場合、移動速度に関するデータは方向を含む角速度ベクトルのデータである。
【0031】
モード制御部224は、移動速度に関するデータに基づいて、外部装置10のポインタの移動を制御する移動モードと、ポインタを移動させない非移動モードとの状態遷移を制御する。例えば、モード制御部224は、各種の判定を行う判定部226を有する。
【0032】
例えば、モード制御部224の判定部226は、現在の状態が非移動モードである場合、順に取得される移動速度に関するデータに基づいて、ユーザの所定部位の動作がモード切替動作であるか否かを判定する。具体例として、モード切替動作は、予め設定された所定部位の1又は複数の動作であり、ユーザにより設定された動作でもよい。
【0033】
また、判定部226は、ユーザの所定部位の動作がモード切替動作であると判定した場合、非移動モードから移動モードに切り替える。例えば、判定部226は、順に取得される移動速度に関するデータにより示される所定部位の移動方向及び/又は移動量が、1又は複数のモード切替動作のうちの1つの動作を示すと判定した場合、モード制御部224は、非移動モードから移動モードに切り替える。モード切替動作の判定について、例えば、所定時間内に所定方向に閾値以上の移動がある動作であるか、又は任意の動作の複数の組み合わせがあるか否かが判定されてもよい。
【0034】
また、閾値は、急な動きを検出できる所定閾値が予め設定されてもよい。例えば、所定部位が頭部の場合は、素早く頭部を横方向や縦方向に振ったりする場合に超えるような閾値が設定されたり、所定部位が腕や脚の場合は、素早く腕や脚を動かした場合に超えるような閾値が設定されたりする。なお、各方向に応じた閾値は、それぞれの動きに合わせて異なるように設定されてもよい。
【0035】
出力部228は、情報処理装置20の電源がONになった場合などに、処理部202により処理されたデータを出力する。出力されたデータは、送信部204からネットワークやBluetooth(登録商標)を介して外部装置10に送信される。
【0036】
例えば、出力部228は、非移動モードの場合、外部装置10側のポインタを移動させない非移動情報を出力する。例えば、非移動情報は、順に取得される移動速度に関するデータに関わらず、ポインタを移動させないために、X座標、Y座標の移動量が0を示す(0,0)などの情報である。
【0037】
また、出力部228は、現在の状態が移動モードである場合、順に取得される移動速度に関するデータに基づいてポインタに関する移動情報を出力する。例えば、出力部228は、順に取得される移動速度に関するデータに基づいて、ポインタを移動させるために、X座標、Y座標の移動量(X1,Y1)などの情報を出力する。
【0038】
モード制御部224は、現在が移動モードであり、かつ、移動情報の出力後に所定条件が満たされた場合、移動モードから非移動モードに切り替える。所定条件は、例えば、移動速度に関するデータが示す移動量や動作に関する条件を含む。
【0039】
以上の処理により、センサにより所定部位の動作を計測して入力操作が行われる際に、ユーザが意図しないポインタの移動を防止し、ユーザが意図する操作をより適切に実現可能にし、ユーザビリティを向上させることができる。また、上記処理によれば、ユーザがポインタを移動させないときは、所定部位の動きに関係ない非移動モードを導入することで、ユーザが操作を意図しないときに、所定部位の動きに合わせてポインタが動いてしまうことを防止することが可能になる。また、外部装置10は、マウスやポインティングデバイスを操作するときと同様に情報処理装置20から送信される非移動情報、移動情報、コマンド等に従ってポインタを移動等させればよいだけなので、外部装置10側に特別なプログラムを追加等する必要がなく既存の外部装置10に適用できる。またその結果、外部装置10の限られた処理リソースを有効活用することが可能になる。
【0040】
また、モード制御部224は、移動速度に関するデータを用いてポインタ移動の制御が開始される場合、開始のモードとして非移動モードが設定されてもよい。これにより、情報処理装置20の電源をONにしてからすぐにポインタが所定部位の動きに合わせて移動することを防止し、マウス等のように、使いたい時にだけポインタが動くようになる操作感をユーザに提供することが可能になる。
【0041】
また、モード制御部224は、非移動モードから移動モードに切り替えることについて、ユーザの所定部位の動作が第1モード切替動作である場合、非移動モードから移動モードの第1状態に切り替えることを含んでもよい。例えば、モード制御部224は、順に取得される移動速度に関するデータにより示される移動方向及び移動量に基づいて、所定部位の動作が第1モード切替動作であると判定された場合、非移動モードから複数の移動モードのうちの第1状態に切り替える。
【0042】
例えば、第1モード切替動作が左右の動きである場合、判定部226は、順に取得される移動速度に関するデータに基づいて、所定時間内に左方向に閾値以上の移動量及び右方向に閾値以上の移動量のある動きがあるか否かを判定する。判定部226は、この動きを検知すれば、ユーザの所定部位の一連の動作が、ポインタ移動後にコマンド発行までの処理を行う第1モード切替動作であると判定する。
【0043】
また、出力部228は、移動モードが第1状態である場合、移動情報の出力に続いて、ポインタの移動停止後に第1モード切替動作に対応するコマンドを出力することを含んでもよい。例えば、第1状態はクリック待ち状態であり、第1モード切替動作に対応するコマンドは左クリックである。
【0044】
以上の処理により、非移動モードから移動モードへの切替動作後に、ポインタを移動して目的の位置で停止するだけで、左クリックのコマンドを出力することが可能になる。すなわち、ユーザは、モード切替動作と、コマンド決定動作との両方を行う必要がなく、良く使用する左クリックについてはモード切替動作からの一連の動作でポインタの移動から
左クリックまでの一連の動作を行うことが可能になる。また、コマンド決定の処理を削減することで、情報処理装置20の処理負荷を軽減させることが可能になる。なお、第1モード切替動作に対応するコマンドは左クリックに限らず、ユーザが良く利用するコマンドに変更されてもよい。
【0045】
また、モード制御部224は、非移動モードから移動モードに切り替えることについて、所定部位の動作が第2モード切替動作である場合、非移動モードから移動モードの第2状態に切り替えることを含んでもよい。例えば、モード制御部224は、順に取得される移動速度に関するデータにより示される移動方向及び移動量に基づいて、所定部位の動作が第2モード切替動作であると判定された場合、非移動モードから複数の移動モードのうちの第2状態に切り替える。
【0046】
例えば、第2モード切替動作が右左の動きである場合、判定部226は、順に取得される移動速度に関するデータに基づいて、所定時間内に右方向に閾値以上の移動量及び左方向に閾値以上の移動量のある動きがあるか否かを判定する。判定部226は、この動きを検知すれば、ユーザの所定部位の動作が、ポインタ移動後にコマンド決定の動作判定処理を行う第2モード切替動作であると判定する。
【0047】
また、判定部226は、移動モードが第2状態である場合、移動情報の出力に続いて、ポインタの移動停止後に移動速度に関するデータに基づいて、所定部位の動作がコマンド動作であるかどうかを判定する。例えば、コマンド動作が複数設定されている場合、判定部226は、順に取得される移動速度に関するデータに基づいて、複数のコマンド動作のうちの1つに該当するか否かを判定する。
【0048】
また、出力部228は、判定部226によりコマンド動作であると判定された場合に、コマンド動作に対応するコマンドを出力してもよい。例えば、コマンド動作が左へ一瞬動かす動きの場合、左クリックのコマンドが出力され、コマンド動作が右へ一瞬動かす動きの場合、右クリックのコマンドが出力され、コマンド動作が上へ一瞬動かす動きの場合、ダブルクリックが出力され、コマンド動作が下へ一瞬動かす動きの場合、ドラッグ開始のコマンドが出力される。
【0049】
以上の処理により、例えばポインタを移動して目的のアイコン上で一旦停止してから頭部を右へ一瞬動かすことで、当該アイコン上で右クリックするコマンドが出力され、当該アイコンのメニュー表示を開くことができる。すなわち、複数の動作を組み合わせてコマンドを設定することができ、コマンドのバリエーションを増やすことが可能になる。
【0050】
また、移動モードから非移動モードに遷移する所定条件は、出力部228によりコマンドが出力されたことを含んでもよい。例えば、モード制御部224は、出力部228からコマンドが出力されたことを検知すると、移動モードから非移動モードに遷移するよう制御する。
【0051】
以上の処理により、コマンド出力後に非移動モードに自動で遷移することができ、入力操作が終わった後にポインタが不必要に移動することを防止することが可能になる。
【0052】
また、出力部228は、非移動モードから移動モードに切り替えられる場合、モード切替動作に対応する動きをポインタにさせる動き情報を出力することを含んでもよい。例えば、出力部228は、モード切替後、所定時間は移動情報に代えて、予め設定されたモード切替動作に対応するポインタの動き情報を出力し、動き情報に続いて移動速度データに基づく移動情報を出力してもよい。
【0053】
以上の処理により、ユーザは、ポインタの動きを把握することにより、所定部位の動きが意図したものかどうかを確認することが可能になる。
【0054】
また、上述した動き情報は、ユーザの所定部位の動作に関係なく定められた動きを示す情報を含んでもよい。例えば、所定部位の動きは左右左右であるのに対し、動き情報は円3回を示す情報であってもよい。
【0055】
以上の処理により、ユーザはポインタのシンプルな動きを把握することで、自身の複雑な動きが正しく入力できたかを確認することが可能になる。
【0056】
また、現在のモードが非移動モードである場合、判定部226は、順に取得される移動速度に関するデータに基づいて、ユーザの所定部位の動作がポインタの移動を伴わないコマンド動作であるかどうかを判定してもよい。
【0057】
この場合、出力部228は、ユーザの所定部位の動作が上記コマンド動作であると判定した場合、コマンド動作に対応するコマンドを出力してもよい。
【0058】
以上の処理により、非移動モードの状態の時に、ユーザは直接コマンド動作を行うことで、非移動モードが解除されるとともに、ポインタの移動が不要なコマンド(例えばスクロール動作など)に対して直接コマンドを出力することが可能になる。
【0059】
<データ例>
図5は、実施例における移動速度に関するデータの一例を示す図である。
図5に示すデータは、所定のサンプリングレート(例えば20Hz=0.05秒)により取得されたデータを表す。
図5に示すデータは、例えば情報処理装置20内のメモリに記憶される。なお、移動速度に関するデータとして、眼電位信号に基づく視線の移動速度に関するデータも記憶されてもよい。
【0060】
<具体例>
図6は、実施例におけるデータ、動き、出力の関係の一例を示す図である。
図6に示す例では、情報処理装置20の電源がONになり、外部装置10と情報処理装置20とがBluetooth(登録商標)などでペアリングした後は非移動モードに制御される。すなわち、ペアリング後、ユーザの所定部位は移動しているが、処理部202のモードは非移動モードであるため、非移動情報が出力される。これにより、外部装置10は、非移動情報を取得し、ポインタを移動させない。
【0061】
次に、0.85秒までの所定時間において、所定部位が左右と移動した場合、例えば、判定部226は、順に取得される移動速度に関するデータが左右の動きを示すことで、第1モード切替動作であると判定する。モード制御部224は、非移動モードから、移動モードの第1状態に遷移させる。この時、出力部228は、非移動情報を出力してもよいし、データの取得から出力までにタイムラグがある場合は、左右の一連の動作の移動情報を出力してもよい。また、出力部228は、コマンドを示す動き情報を出力してもよい。
【0062】
次に、2.65秒まで所定部位が移動し、ユーザが目的とする対象位置にポインタが位置するように、ユーザは所定部位を動かす。第1状態においては、センサはこの動きを検知し、移動速度に関するデータが取得部222に取得され、このデータに基づく移動情報が出力部228により出力される。
【0063】
次に、所定時間(例えば2.70~2.80までの間)、所定部位が停止した場合、順に取得される移動速度に関するデータは、移動方向及び移動量がほぼ0のデータを示す。これにより、判定部226は停止を判定し、出力部228は、第1モード切替動作に対応する左クリックのコマンドを出力する。
【0064】
図7は、実施例における所定部位の動きとモードとコマンドとの関係の一例を示す図である。例えば、非移動モードの状態で、所定部位の動作のその後のコマンドは以下のとおりである。なお、コマンド発行後、状態は非移動モードに戻る。
所定部位の動作:その後のコマンド
左右(移動モードへの切替動作):ポインタ移動→停止→左クリック
右左(移動モードへの切替動作):ポインタ移動→停止→クリック選択(左:左クリック、右:右クリック、上:ダブルクリック、下:ドラッグ開始)
左右左右又は右左右左(停止動作):停止モード
縦3回往復(設定動作):設定モード→モード選択(右:設定変更モード、左:設定表示モード)
上下(ダイレクトコマンド動作):スクロール1つ上
下上(ダイレクトコマンド動作):スクロール1つ下
上下上(ダイレクトコマンド動作):連続スクロール上→上又は下→スクロール停止
下上下(ダイレクトコマンド動作):連続スクロール下→上又は下→スクロール停止
【0065】
以上のとおり、非移動モードから、ポインタが移動するモード(ポインタ移動)や、直接コマンドが発行されるモード等に遷移しうる。例えば、マウスのホイールは、ポインタの移動を伴わずにコマンドが発行される。このホイール機能と同様にするため、スクロールのコマンドに対応するダイレクトコマンド動作が判定されれば、ポインタの移動を伴わずに直接コマンドが発行される。
【0066】
また、停止モードは、停止モードを解除する動作がされない限り、ポインタは移動せず、コマンドは発行されない。例えば、会議中などで、相手に同調して所定部位を動かすことで、意図しない操作がなされることを防止するため、停止モードを解除する動作以外の動作を受け付けないモードが設けられている。これにより、ユーザが意図する動作からのコマンドの発行を、より適切に行うことができるようになる。
【0067】
図8は、実施例における動きとコマンドとポインタの動きとの関係の一例を示す図である。ポインタの動きとは、モード切替後に、所定部位の動作又はコマンドに応じて設定されているポインタの動きを示す。
図8に示す例では、各関係は以下のとおりである。
ポインタが示す動き:コマンド:ポインタの動き
左右:移動:左右
右左:移動:右左
左右左右:停止モード:円3回
縦3回往復:設定モード:円2回
上下:スクロール1つ上:上下
下上:スクロール1つ下:下上
【0068】
コマンドが移動などの場合は、データが示す動きとポインタの動きは同じであるが、コマンドが認識されたことを強調するため、ポインタの動きが強調されてもよい。出力部228は、強調処理として、例えば実際のデータが示す動きよりも、早く動いたり、大きく動いたりする動きを有する動き情報を出力してもよい。データが示す動きと、ポインタの動きとが同じであるため、ユーザは動作が適切に認識されたことを直感的に把握することができる。
【0069】
また、コマンドが停止モードなどの場合は、動きがないコマンドであるため、データが示す動きとは関係なく定められた動きをポインタが行う。このとき、所定部位が通常行わないようなシンプルな動きとすることで、ユーザは、所定部位の動作が適切に認識されたかを把握することができる。
【0070】
<動作>
図9及び
図10は、実施例におけるコマンド発行に関する処理の一例を示すフローチャートである。
図9及び
図10に示す処理は、情報処理装置20で実行される処理の一例である。
【0071】
図9に示すステップS102において、取得部222は、ユーザの所定部位の動作を計測可能なセンサから、所定部位の移動速度に関するデータを順に取得する。センサは、例えばアイウエア30に装着される角速度センサであり、所定部位は、例えばユーザの頭部であり、移動速度に関するデータは、例えば角速度データである。
【0072】
ステップS104において、モード制御部224は、現在の状態が非移動モードか移動モードかを判定する。例えば、モード制御部224は、デフォルトとして非移動モードに設定し、モード切替動作が検知されてから所定条件が満たされるまで移動モードに設定する。ここで、現在の状態が非移動モードであれば(ステップS104-YES)、処理はステップS106に進み、現在の状態が移動モードであれば(ステップS104-NO)、
図10に示すステップS122に進む。
【0073】
ステップS106において、判定部226は、順に取得される移動速度に関するデータが、予め設定されている1又は複数のモード切替動作を示すかを判定する。データがモード切替動作を示せば(ステップS106-YES)、処理はステップS114に進み、データがモード切替動作を示さなければ(ステップS106-NO)、処理はステップS108に進む。
【0074】
ステップS108において、判定部226は、ステップS106において取得した移動速度に関するデータが、ポインタ移動を伴わないコマンド動作(ダイレクトコマンド動作)か否かを判定する。データがダイレクトコマンド動作を示せば(ステップS108-YES)、処理はステップS110に進み、データがダイレクトコマンド動作を示さなければ(ステップS108-NO)、処理はステップS112に進む。
【0075】
ステップS110において、出力部228は、ダイレクトコマンド動作に対応するコマンドを出力する。
【0076】
ステップS112において、出力部228は、外部装置10のポインタを移動させない非移動情報、例えば移動量が(0,0)を示す情報を出力する。
【0077】
ステップS114において、モード制御部224は、非移動モードから移動モードに切り替える。
【0078】
ステップS116において、判定部226は、ステップS106において取得した移動速度に関するデータが第1モード切替動作を示すか否かを判定する。データが第1モード切替動作を示せば(ステップS116-YES)、処理はステップS118に進み、データが第1モード切替動作を示さなければ(ステップS118-NO)、処理はステップS120に進む。言い換えれば、第1モード切替動作であると判定されれば、処理はステップS118に進み、第2モード切替動作であると判定されれば、処理はステップS120に進む。
【0079】
ステップS118において、モード制御部224は、ポインタ停止後にコマンドを発行する第1状態に設定する。
【0080】
ステップS120において、モード制御部224は、所定のコマンドに対応する動作を待つ第2状態に設定する。
【0081】
図10に示すステップS122において、すなわち移動モードにおいて、判定部226は、順に取得される移動速度に関するデータがポインタの停止動作を示すか否かを判定する。データがポインタの停止動作を示せば(ステップS122-YES)、処理はステップS126に進み、データがポインタの停止動作を示さなければ(ステップS122-NO)、処理はステップS124に進む。
【0082】
ステップS124において、出力部228は、順に取得される移動速度に関するデータに基づき、ポインタの移動量を示す移動情報を出力する。
【0083】
ステップS126において、モード制御部224は、現在の状態が第1状態であるか否かを判定する。現在の状態が第1状態であれば(ステップS126-YES)、処理はステップS128に進み、現在の状態が第2状態であれば(ステップS126-NO)、処理はステップS130に進む。
【0084】
ステップS128において、出力部228は、第1モード切替動作に対応したコマンド動作に応じたコマンドを出力する。また、モード制御部224は、コマンド出力後に、移動モードを非移動モードに切り替える。
【0085】
ステップS130において、出力部228は、ポインタ停止後の所定のコマンド動作に応じたコマンドを出力する。また、モード制御部224は、コマンド出力後に、移動モードを非移動モードに切り替える。
【0086】
以上の処理により、センサが設けられる所定部位の動きを用いて入力操作が行われる際に、ユーザが意図する操作をより適切に実現可能にし、ユーザビリティを向上させることができる。
【0087】
なお、判定部226によりモード切替動作又はコマンド動作が判定された場合、モード切替動作又はコマンド動作に応じたポインタの動き情報を、出力部228が出力するようにしてもよい。この処理により、ユーザは、所定部位の動きが情報処理装置20により正しく認識されているかを確認することができる。
【0088】
なお、
図9で説明した処理のフローに含まれる各処理ステップは、処理内容に矛盾を生じない範囲で、任意に順番を変更して又は並列に実行することができるとともに、各処理ステップ間に他のステップを追加してもよい。また、便宜上1ステップとして記載されているステップは、複数ステップに分けて実行することができる一方、便宜上複数ステップに分けて記載されているものは、1ステップとして把握することができる。
【0089】
以上、実施例によれば、センサにより所定部位の動作を計測して入力操作が行われる際に、ユーザが意図する操作をより適切に実現可能にし、ユーザビリティを向上させることができる。また、実施例によれば、所定部位の動きを用いて入力操作する場合、マウスなどの入力デバイスのように、ポインタを動かしたいときや所定の操作をしたいときに、ユーザが意図する動きの認識や入力操作ができるようなインタフェースを提供することが可能になる。
【0090】
また、上記実施例では、所定部位の動きとして、ユーザの頭部や腕や脚などの動きを例に挙げたが、眼球の視線の動きを用いてもよい。この場合、各生体電極(センサの一例)から検知されるセンサ信号から眼球の動きを求め、この動きに関するデータに基づいて、処理部202は、処理を制御するようにしてもよい。
【0091】
なお、実施例において、アイウエア30に搭載された6軸センサからのセンサ信号を用いて説明したが、上述したように、6軸センサは頭部だけではなく、人体のいずれかの位置に装着されていればよい。
【0092】
また、実施例において、移動速度データに3軸加速度センサのデータを用いてもよいことは述べたが、この場合、加速度が検出された後に、所定の演算処理によって速度に変換し、変換後の速度のデータが用いられてもよい。
【0093】
以上、本発明について実施例を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施例に記載の範囲には限定されない。上記実施例に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0094】
<変形例1>
上述した実施例では、アイウエア30側の情報処理装置20がマウス等に変わるインタフェースの機能を果たし、情報処理装置20が、左クリック、右クリック、スクロールなどの操作コマンドを外部装置10に出力する例を説明した。他方、情報処理装置20は、順に取得される移動速度に関するデータを増幅したり、パケット化したりして外部装置10に送信してもよく、この場合、外部装置10は、上述した処理部202の機能を有し、判定されたコマンドをOS(Operating System)等に出力し、画面上のポインタの移動や操作を制御してもよい。
【0095】
<変形例2>
変形例2において、情報処理装置20と、外部装置10の一部の構成とが一体として形成される情報処理装置により、実施例で上述した処理内容が実現されてもよい。例えば、ヘッドマウントディスプレイは、情報処理装置20の処理部202と、外部装置10のディスプレイ151とを有し、ディスプレイ151に表示される画像に、ユーザの頭部の動作に応じたポインタが重畳され、上述したような入力操作が行われてもよい。
【0096】
<変形例3>
変形例3において、ユーザの所定部位の動作を計測可能なセンサとして、撮像センサ160が用いられる。変形例3の場合、外部装置10が、上述した情報処理装置であり、CPU110が処理部202を有する。具体例として、撮像センサ160のライブビューモードなどによりユーザの所定部位(頭部等)の動作を撮影し、画像認識により認識された所定部位の動きに関するデータを処理部202が取得する。以降の処理は、実施例の処理と同様である。これにより、カメラを有するパーソナルコンピュータなどを用いて、上述した非移動モードの導入により、ユーザが意図する操作をより適切に実現可能にし、ユーザビリティを向上させることができる。
【符号の説明】
【0097】
10 情報処理装置(外部装置)
20 情報処理装置
30 アイウエア
110 CPU
112 取得部
113 処理制御部
120 ネットワーク通信インタフェース
130 メモリ
150 ユーザインタフェース
160 撮像センサ
202 処理部
204 送信部
206 6軸センサ
208 電源部
222 取得部
224 モード制御部
226 判定部
228 出力部