(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】自動身体侵襲装置
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20240925BHJP
A61B 8/13 20060101ALI20240925BHJP
A61B 34/20 20160101ALI20240925BHJP
【FI】
A61B8/14
A61B8/13
A61B34/20
(21)【出願番号】P 2022553661
(86)(22)【出願日】2020-07-16
(86)【国際出願番号】 KR2020009393
(87)【国際公開番号】W WO2021201343
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-09-06
(31)【優先権主張番号】10-2020-0040097
(32)【優先日】2020-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522300628
【氏名又は名称】エアーズ・メディカル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AIRS MEDICAL INC.
【住所又は居所原語表記】13F, 14F, 223, Teheran-ro Gangnam-gu Seoul 06142 REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】イ ヘソン
(72)【発明者】
【氏名】キム ユンミョン
【審査官】宮川 数正
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-000499(JP,A)
【文献】特開2018-202042(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0015899(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0146904(US,A1)
【文献】特開平08-229046(JP,A)
【文献】特開2019-084088(JP,A)
【文献】特開平08-173433(JP,A)
【文献】特開2009-195560(JP,A)
【文献】特表2016-512137(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06-5/22,8/00-8/15,
34/00-34/20,42/00-90/98
A61M 3/00-9/00,31/00,39/00-39/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
侵襲対象から横方向に離隔した一対の柱部と、前記一対の柱部の間で横方向に延在する侵襲対象の横部とを含むフレームと、
映像獲得部を移動させる第1移動ユニットであって、該第1移動ユニットは、第1-1方向に延びる第1ガイドを有し、該第1ガイドは、前記横部の第1ガイド固定部において固定されている、該第1移動ユニットと、
侵襲部と、
前記侵襲部を移動させる第2移動ユニットであって、該第2移動ユニットは、第2-1方向に延びる第2ガイドを有し、該第2ガイドは、前記横部の第2ガイド固定部で固定され、前記横部の前記第2ガイド固定部は、
侵襲対象の長手方向に前記第1ガイド固定部から離隔して配置されている、該第2移動ユニットと、を含み、
前記第1移動ユニットは、
前記映像獲得部を前記第1ガイドに従って第1-1方向に移動させる第1-1移動モジュールと、前記映像獲得部を第1-2方向に移動させる第1-2移動モジュールと、該第1-2移動モジュールのボディ部に連結され前記映像獲得部を第1-3方向に移動させる第1-3移動モジュールと、のうちの少なくともいずれか一つを含み、
前記第2移動ユニットは、
前記侵襲部を前記第2ガイドに従って第2-1方向に移動させる第2-1移動モジュールと、前記侵襲部を第2-2方向に移動させる第2-2移動モジュールと、前記侵襲部を第2-3方向に移動させる第2-3移動モジュールと、のうちの少なくともいずれか一つを含み、
前記第1-1方向は、侵襲対象の横方向であり、前記第1-2方向は、侵襲対象の高さ方向であり、前記第1-3方向は、侵襲対象の長手方向を回転軸とする回転方向である、
自動身体侵襲装置。
【請求項2】
前記第1-1移動モジュール乃至前記第2-3移動モジュールの少なくともいずれか一つは、
駆動部と、各駆動モジュールにより制御される方向に前記駆動部によって駆動され、前記映像獲得部または前記侵襲部を移動させるように連結される被駆動部と、を含み、
前記被駆動部は、少なくとも一つは前記駆動部によって駆動される少なくとも二つのプーリーにかかっているタイミングベルトと、前記駆動部によって駆動されるスクリューと、前記駆動部に駆動されるピニオン・ラックメカニズムと、のうちの少なくともいずれか一つである、
請求項1に記載の自動身体侵襲装置。
【請求項3】
第2-1方向は、侵襲対象の横方向であり、第2-2方向は、侵襲対象の高さ方向であり、第2-3方向は、侵襲対象に向かって所定の角度を成して侵襲部が進入し得る方向である、
請求項1に記載の自動身体侵襲装置。
【請求項4】
前記所定の角度を調整し得るようになっている第2-4駆動モジュールを更に含み、
前記第2-4駆動モジュールは、第2-1方向を回転軸とする回転及び第2-2方向を回転軸とする回転のうちの少なくともいずれか一つの回転を行う、
請求項3に記載の自動身体侵襲装置。
【請求項5】
前記映像獲得部は、超音波プローブと、光音響映像装置(photoacoustic
imaging device)と、近赤外線発光部を具備して身体の内部から反射する光の位置座標を把握するためのToFセンサー(time of light sensor)が取り付けられた装置と、CTと、MRIと、のうちの少なくともいずれか一つである、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の自動身体侵襲装置。
【請求項6】
被侵襲器官は、血管であり、
前記第2移動ユニットは、血液流入を感知することができるセンサーを含む、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の自動身体侵襲装置。
【請求項7】
第1-2方向を回転軸として映像獲得部を回転させる第1-4駆動モジュール及び侵襲対象の長手方向に沿って映像獲得部を移動させる第1-5駆動モジュールのうちの少なくともいずれか一つを更に含む
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の自動身体侵襲装置。
【請求項8】
前記第1移動ユニット及び前記第2移動ユニットによって移動する部品の位置を感知する位置感知センサー及び部品間の相対的距離を感知する距離センサーのうちの少なくともいずれか一つを更に含む
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の自動身体侵襲装置。
【請求項9】
前記第1移動ユニット及び前記第2移動ユニットによって移動する部品のうちの少なくともいずれか一つは、位置追跡用タグを含む、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の自動身体侵襲装置。
【請求項10】
前記映像獲得部は、前記第1-2移動モジュールによって前記侵襲対象に対して前記第1-2方向に及ぼされる圧力を測定し、測定された圧力に対応する取得された画像を、学習データとして機械学習装置に提供するように構成されている、請求項1に記載の自動身体侵襲装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動身体侵襲装置に関し、より詳しくは、映像獲得手段によって侵襲すべき身体の器官の位置を探知し、探知された位置に侵襲部を移動させて侵襲させる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
身体の器官に侵襲して所定の医療技術を施す事例が多い。例えば、医療機関で採血や注射液注入のためにヒトの表在静脈に注射針を刺したり、針を刺してからカテーテルを挿入したりするなどの医療技術が代表的である。現在は、表在静脈などの血管の位置を探るように教育を受けて修練をした医師、看護婦または臨床病理士が表在静脈を探って注射針を刺しているが、教育に長い時間がかかり、専門人力の雇用のための費用も持続的に発生し、かついっぺんに成功することができずに何回刺してこそ成功にいたる場合が多いという問題も発生する。特に、赤ちゃん、年寄り、坑癌治療中の患者のように血管状態が良好ではない場合、もしくは色黒のせいで血管が肉眼でちゃんと見えない場合には、熟練した専門家も血管を探るのが非常に難しいという限界がある。
【0003】
また、教育をしっかりと受けた熟練した医療陣であっても、繰り返し採血作業などは、疲労度が高く拒否感を多く引き起こす医療技術にあたり、採血過程で誤って被検者の血液が医療技術者に飛ぶか、医療技術者の身体中に入り込んで感染される危険性も常に存在するなど、ヒトによる採血などは多くの問題点を持っている。
【0004】
本出願人は2020年1月29日に表在静脈のような身体の目的ターゲットの位置を機械学習を通じて正確に探知する方法について韓国特許出願第10-2020-0010302号として特許出願した事があり、該特許出願の全体内容は、映像獲得部が獲得した映像分析および機械学習による被侵襲器官の位置を探知する方法の一例であって、本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国特許第10-1601421号(発明の名称:自動採血方法、公告日:2016年3月10日)
【文献】韓国特許第10-1362922号(発明の名称:採血針発射調節用モジュール及びこれを含む採血装置、公告日:2014年2月6日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、身体の目的ターゲットの位置を探知し、探知された位置に注射針を侵襲する自動侵襲装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による自動身体侵襲装置は、映像獲得部を移動させる第1移動ユニットと、侵襲部と、侵襲部を移動させる第2移動ユニットと、を含む。
【0008】
第1移動ユニットは、映像獲得部を第1-1方向に移動させる第1-1移動モジュールと、映像獲得部を第1-2方向に移動させる第1-2移動モジュールと、映像獲得部を第1-3方向に移動させる第1-3移動モジュールと、のうちの少なくともいずれか一つを含む。
【0009】
第2移動ユニットは、侵襲部を第2-1方向に移動させる第2-1移動モジュールと、侵襲部を第2-2方向に移動させる第2-2移動モジュールと、侵襲部を第2-3方向に移動させる第2-3移動モジュールと、のうちの少なくともいずれか一つを含む。
【0010】
第1-1移動モジュール乃至第2-3移動モジュールの少なくともいずれか一つは、駆動部と、各駆動モジュールにより制御される方向に駆動部によって駆動され、映像獲得部または侵襲部を移動させるように連結される被駆動部と、を含むことができる。
【0011】
被駆動部は、少なくとも一つは駆動部によって駆動される少なくとも二つのプーリーにかかっているタイミングベルトと、駆動部によって駆動されるスクリューと、駆動部によって駆動されるピニオン・ラックメカニズムと、のうちの少なくともいずれか一つであってもよい。
【0012】
第1-1方向は、侵襲対象の横方向であり、第1-2方向は、侵襲対象の高さ方向であり、第1-3方向は、侵襲対象の長手方向を回転軸とする方向であることができる。
【0013】
第2-1方向は、侵襲対象の横方向であり、第2-2方向は、侵襲対象の高さ方向であり、第2-3方向は、侵襲対象に向かって所定の角度を成して侵襲部が進入し得る方向であることができる。
【0014】
本発明による自動身体侵襲装置は、前記所定の角度を調整し得るようになっている第2-4駆動モジュールを更に含むことができる。第2-4駆動モジュールは、第2-1方向を回転軸とする回転及び第2-2方向を回転軸とする回転のうちの少なくともいずれか一つの回転を行うことができる。
【0015】
映像獲得部は、超音波プローブと、光音響映像装置(photoacoustic imaging device)と、近赤外線発光部を具備して身体の内部から反射する光の位置座標を把握するためのToFセンサー(time of light sensor)が取り付けられた装置と、CTと、MRIと、のうちの少なくともいずれか一つである。
【0016】
被侵襲器官は、血管であってもよく、第2移動ユニットは、血液流入を感知することができるセンサーを含むことができる。
【0017】
本発明による自動身体侵襲装置は、第1-2方向を回転軸として映像獲得部を回転させる第1-4駆動モジュール及び侵襲対象の長手方向に沿って映像獲得部を移動させる第1-5駆動モジュールのうちの少なくともいずれか一つを更に含むことができる。
【0018】
本発明による自動身体侵襲装置は、第1移動ユニット及び第2移動ユニットによって移動する部品の位置を感知する位置感知センサー及び部品間の相対的距離を感知する距離センサーのうちの少なくともいずれか一つを更に含むことができる。
【0019】
第1移動ユニット及び第2移動ユニットによって移動する部品のうちの少なくともいずれか一つは、位置追跡用タグを含むことができる。
【0020】
本発明による自動身体侵襲装置を制御する方法は、第1-1駆動モジュール乃至第1-3駆動モジュールのうちの少なくともいずれか一つを駆動させて映像獲得部を侵襲対象に移動させる第1段階と、映像獲得部で獲得した映像に基づいて、侵襲対象の身体における被侵襲器官の位置を確認する第2段階と、第2段階で被侵襲器官の位置が確認されれば第2-1駆動モジュール乃至第2-3駆動モジュールのうちの少なくともいずれか一つを駆動させて侵襲部を確認された位置に向かって移動させて侵襲対象に侵襲する第3段階と、を含む。
【0021】
被侵襲器官は、血管及び神経のうちの少なくともいずれか一つであることができる。
【0022】
本発明による自動身体侵襲装置の制御方法は、映像獲得部を、第1-2方向を回転軸として回転させたり侵襲対象の長手方向に沿って移動させたりしながら血管または神経の走行経路を確認する第4段階を更に含むことができる。
【0023】
本発明による制御方法は、映像獲得部を侵襲対象に接触させて押圧する圧力を測定する第5段階と、第5段階で測定された圧力及び当該圧力に対応する映像に関する情報を機械学習に用いることができるように伝送する第6段階と、を更に含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、侵襲対象の位置を探知し、探知された位置に侵襲部を移動させて所望の医療技術を施すことができる効果が奏される。また、ヒトが直接医療技術を施す時よりも、より早くかつ簡単な過程を経て医療技術を施すことができ、特に、血管探知時に血管に対する「統制された押圧(潰し)」を作って、その押圧力を機械学習に用いることができるようにすることで、最適の機械学習を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】本発明の自動身体侵襲装置の分解斜視図である。
【
図5】本発明による自動身体侵襲過程のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して本発明について詳しく説明する。
【0027】
本明細書で遂行される情報(データ)送信・受信過程は、必要に応じて暗号化・復号化が適用されることができ、本明細書及び特許請求の範囲で情報(データ)送信過程を説明する表現は、特に言及されなくても、いずれも暗号化・復号化する場合も含むものと解釈されなければならない。本明細書で「AからBに送信(伝達)」または「AがBから受信」のような形態の表現は、中間に他の媒介体が含まれて送信(伝達)または受信されることも含み、AからBまで直接送信(伝達)または受信されることのみを表現するものではない。本発明の説明において、各段階の順序は、先行段階が論理的及び時間的に必ず後行段階に先立って遂行されるべき場合ではなければ、各段階の順序は、非制限的に理解されなければならない。つまり、前記のような例外的な場合を除き、後行段階として説明された過程が、先行段階として説明された過程よりも先立って遂行されても、発明の本質には影響がなく、権利範囲も段階の手順を問わず定義されなければならない。そして、本明細書における「AまたはB」は、AとBのどちら一つを選択的に指すだけはなく、AとBのいずれも含むことも意味するものと定義される。また、本明細書における「含む」という用語は、含むものとして挙げられた要素以外に、追加で他の構成要素を更に含むものも包括する意味を有する。
【0028】
本明細書における「モジュール」または「ユニット」とは、汎用的なハードウェアとその機能を遂行するソフトウェアとの論理的結合、または所定の制御命令を受信してそれによって作動する機械及び/または電子装置を意味する。
【0029】
本発明における制御方法は、電子的演算が可能なコンピューター、サーバーコンピューター、スマートフォンのようなモバイルデバイスなどの電子的演算装置によって行われ、後述する本発明の各段階の数学的演算及び算出は、当該演算または算出を行うための公知のコーディング方法及び/または本発明に適するように考案されたコーディングによって、コンピュータープログラムの実行による演算で具現されることができる。本発明を実行するコンピュータープログラムは、コンピューターによって読取可能な記録媒体に格納されることができる。
【0030】
なお、本明細書における「値」とは、スカラー値だけでなく、ベクトル及び行列、多項式など数学式で表されることができるすべての値を含む広義の概念で定義される。
【0031】
本明細書で説明する例示的な実施形態は、本明細書に開示される装置の構造、機能、製作及び用途並びに方法の原理に対する全般的な理解を提供する。このような一つ以上の実施形態が添付図面に示されている。当業者ならここで具体的に記載され、添付図面に示されている装置及び方法が、非制限的でかつ例示的な実施形態であり、本発明の権利範囲は、特許請求の範囲によって定義されるということを理解できるはずである。一つの例示的な実施形態と関連付けられて図示され説明される特徴は、他の実施形態の特徴とも結合され得る。かかる修正(modification)または変更(variation)は、本発明の権利範囲に属するように意図される。
【0032】
本明細書の添付図面に示されている装置の各構成要素は、図面に明示的に示されている形態、大きさ、寸法のみならず、本発明の意図する機能を遂行することができる形態、大きさ、寸法であれば、いずれでも適用可能である。また、本発明の構成要素として説明される部品などの個数は、特に言及されないとしても、発明の作動ができない範囲でなければ、必要によって異なるように選択してもよい。
【0033】
本明細書では、本発明の説明に必要な最小限の構成要素のみを説明しており、本発明の本質とは関係ない構成要素は言及しない。そして、言及される構成要素のみを含む排他的な意味で解釈されてはならなく、言及されなかった他の構成要素も含むことができる非排他的な意味で解釈すべきである。
【0034】
また、本明細書では説明の便宜上、侵襲対象が血管である場合について説明するが、侵襲の対象は、血管に限らず、例えば、神経や動脈なども含むものと理解されなければならない。
【0035】
図1は、本発明による自動身体侵襲装置100を示す斜視図であり、
図2は、主要構成要素を分解して示している分解斜視図である。本発明による自動身体侵襲装置100は、映像獲得部20と、映像獲得部20を移動させる第1移動ユニット30と、侵襲部40と、侵襲部40を移動させる第2移動ユニット50と、身体固定部110と、フレーム200と、身体安着部300とを含む。
【0036】
映像獲得部20は、身体の内部を確認することができる装置であって、例えば、超音波プローブ、光音響映像装置(photoacoustic imaging device)、もしくは近赤外線発光部を具備し、身体の内部から反射する光の位置座標を把握するためのToFセンサー(time of flight sensor)が取り付けられた装置、CT、MRIなどであってもよく、ただし、前述の装置に限定されるものではない。
【0037】
身体固定部110は、侵襲対象となる身体を動くことができないように固定させる装置であって、仮に、本発明による自動侵襲装置が採血を行う場合に用いられる際に、上腕を固定することができる。
【0038】
フレーム200は、互いに離間した一対の柱部210、230と、柱部210、230の間で延びる横部250と、を含むことができる。横部250には、第1ガイド固定部251と、第2ガイド固定部253とが設けられることができる。
【0039】
身体安着部300は、侵襲対象の身体が置かれる箇所であって、例えば採血のための侵襲をする場合には、下腕が置かれる場所である。
【0040】
図3には、第1移動ユニット30の分解斜視図が示されている。第1移動ユニット30は、第1-1方向に映像獲得部20を移動させる第1-1移動モジュール31と、第1-2方向に映像獲得部20を移動させる第1-2移動モジュール32と、第1-3方向に映像獲得部20を移動させる第1-3移動モジュール33とを含む。第1-1移動モジュール31乃至第1-3移動モジュール33は、それぞれ別個の構成要素として図示され説明されているが、一つの一体化された構成要素として構成してもよく、またはそのうちいずれか二つの方向に映像獲得部20を移動させる機能を遂行する一つの移動モジュールと、残りの一つの方向に映像獲得部20を移動させるもう一つの移動モジュールとで構成してもよい。
【0041】
第1-1方向(x軸方向)は、侵襲対象の横方向であり、第1-2方向(y軸方向)は、侵襲対象の高さ方向であり、第1-3方向は、侵襲対象の長手方向(z軸方向)を回転軸とする回転方向、すなわちxy平面での回転方向である。本発明による自動侵襲装置100は、静脈に侵襲して採血するか、薬物などを注射することができ、例えば、静脈に侵襲後、カテーテルなどの医療機器を身体内へ入れるための装置が挙げられ、医療技術に属するものであれば侵襲の目的や種類に制限があるわけではない。
【0042】
第1-1移動モジュール31は、駆動部311と、互いに離間した一対のプーリー313、314と、一対のプーリー313、314にかかっているタイミングベルト312と、固定部315と、第1タイミングベルト連結部325と、ガイド37と、を含む。タイミングベルト312には、歯部316が設けられ、プーリー313、314には、歯部316と噛み合う歯部317が設けられることができる。第1-2移動モジュール32のタイミングベルト322およびプーリー323、327にも歯部が設けられてもよい。
【0043】
本明細書における「駆動部」は、被駆動体を所定の方向に移動させる装置であって、例えば、モーターであってもよく、その種類に制限がない 。
【0044】
一対のプーリー313、314のうちの少なくともいずれか一つは、駆動部311によって駆動されることができる。固定部315は、一対のプーリー313、314のうちの少なくともいずれか一つに設けられることができ、例えば、固定部315の下部の取付孔318とフレーム200の横部250の取付孔255とがアライメントされてボルト締結されることができる。第1タイミングベルト連結部325は、タイミングベルト312に連結され、また、ガイド37に摺動自在に設けられる。なお、第1タイミングベルト連結部325は、後述する第1-3移動モジュール33に連結されることができる。ガイド37は、第1-1方向に沿って延び、横部250の第1ガイド固定部253に固定されることができる。
【0045】
本明細書において、「所定の方向」または「所定の方向に沿って」における「所定の方向」とは、言及された方向と平行であるか、アライメントされた方向のみを意味するものと解釈されてはならず、言及された方向と所定の角度を成す方向も含むものと解釈されるべきである。
【0046】
駆動部311が作動すると、プーリー313、314の回転によってタイミングベルト312は、第1-1方向(x方向)、すなわち侵襲対象の横方向に沿って駆動され、第1タイミングベルト連結部325によってタイミングベルト312に連結された第1-3移動モジュール33が、ガイド37に従って第1-1方向に移動することができる。後述するように、第1-3移動モジュール33は、第1-2移動モジュール32のボディ部324に連結されているので、第1-1移動モジュール31によって映像獲得部20が第1-1方向(x方向)に移動することができる。
【0047】
第1-2移動モジュール32は、駆動部321と、互いに離間した一対のプーリー323、327と、該一対のプーリー323、327にかかっているタイミングベルト322と、ボディ部324と、該ボディ部324に設けられているガイド34とを含む。一対のプーリー323、327のうちの少なくともいずれか一つは、駆動部321によって駆動されることができる。ガイド34は、第1-2方向(y方向)に沿ってボディ部324から延びることができる。ボディ部324は、第1-3移動モジュール33の駆動部331の回転軸332にz軸を回転軸として、すなわちxy平面上で回転可能に連結されることができる。
【0048】
本発明による自動身体侵襲装置は、映像獲得部20を載置する載置台35を更に含むことができる。載置台35はガイド34に連結されるガイド連結部351と、タイミングベルト322に連結される第2タイミングベルト連結部355と、映像獲得部20を固定する固定部材353とを含む。ガイド連結部351は、ガイド34に摺動自在に設けられる。
【0049】
駆動部321が作動すると、プーリー323、327の回転によってタイミングベルト322は、第1-2方向(y方向)、すなわち侵襲対象の高さ方向に沿って駆動され、第2タイミングベルト連結部355によってタイミングベルト322に連結された載置台35が、ガイド34に従って第1-2方向に移動することができ、その結果、載置台35に載置されている映像獲得部20が第1-2方向に移動することができる。
【0050】
第1-3移動モジュール33は、駆動部331と駆動部の出力軸332とを含む。出力軸332は、第1-2移動モジュール32のボディ部324に連結される。駆動部331が作動すると、出力軸332が回転し、その回転によってボディ部324は、xy平面上、すなわちz軸を回転軸として回転することができる。ボディ部3240が回転すれば、ボディ部324に連結された載置台35および映像獲得部20も、同一方向に回転することができる。
【0051】
本明細書における、「所定の回転軸に対して回転」または「所定の平面での回転」という意味は、言及された回転軸または平面と平行であるか、アライメントされた方向のみに沿うものと解釈されてはならなく、言及された方向と所定の角度を成す回転軸に対する回転、または言及された平面と所定の角度を成す平面での回転も含むものと解釈されなければならない。
【0052】
第1移動ユニット30は、z軸方向、すなわち侵襲対象の長手方向に映像獲得部20を移動させることができる更なる追加移動モジュール(図示せず)及びxz平面上で回転させる、すなわち第1-2軸を回転軸として回転させる回転モジュール(図示せず)を更に含むことができる。追加移動モジュールは、映像獲得部20の移動の自由度を高めるとともに血管走行方向を把握しやすくようにすることができ、回転モジュールは、後述するように、血管走行方向を把握し得るようにする。前記追加移動モジュールは、前述した第1-1移動モジュール31乃至第1-3移動モジュール33のうちの少なくともいずれか一つに合体されて機能してもよく、または別個の移動モジュールに設けられても構わない。
【0053】
図4には、本発明による自動身体侵襲装置の第2移動ユニット50の分解斜視図が示されている。
【0054】
第2移動ユニット50は、侵襲部40を第2-1方向x’に移動させる第2-1移動モジュール51と、侵襲部40を第2-2方向y’に移動させる第2-2移動モジュール52と、侵襲部40を第2-3方向に移動させる第2-3移動モジュール53とを含む。第2-3方向は、y’z’平面と平行な平面上でz’軸に対して所定の角度を成す方向であることができる。
【0055】
第2-1移動モジュール51乃至第2-3移動モジュール53は、それぞれ別個の構成要素として図示され説明されているが、一つの一体化された構成要素として構成してもよく、もしくは、そのうちいずれか二つの方向に侵襲部40を移動させる機能を遂行する一つの移動モジュールと、残りの一つの方向に侵襲部40を移動させるもう一つの移動モジュールとで構成してもよい。
【0056】
第2-1方向x’と、第2-2方向y’と、z’方向のそれぞれは、第1-1方向xと、第1-2方向yと、第1-3方向zと、それぞれ同一方向に設定してもよく、相異なる方向に設定してもよい。好ましい実施形態では、第2-3方向は、第1-3方向と所定の角度を成す方向に設定されることができる。所定の角度は、5°乃至60°、望ましくは、20°乃至45°の角度であってもよい。
【0057】
第2-1移動モジュール51は、スクリュー511と、スクリューの回転につれスクリュー上で移動する移動子512と、ボディ部514と、駆動部515と、ガイド54とを含む。スクリュー511は、第2-1方向(x’方向)に沿って延びる。移動子512は、固定部526に固定される。固定部526は、その下方に、ガイド54に摺動可能に連結されるガイド装着部527を含む。固定部526は、第2-2移動モジュール52のボディ部524に設けられることができる。ガイド54は、第2-1方向に沿って延びて、フレーム200の横部250の第2ガイド固定部251に固定されることができる。
【0058】
駆動部515が作動すると、スクリュー511が回転しながら移動子512がスクリュー511上で第2-1方向に沿って移動し、これによって、固定部526は、ガイド54に従って案内されて第2-1方向に沿って移動し、ボディ部524も第2-1方向に移動することができる。後述するように、侵襲部40が設けられる第2-3移動モジュール53が第2-2移動モジュール52に固定されるので、その結果、駆動部515の作動によって侵襲部40が第2-1方向に移動することができる。
【0059】
第2-2移動モジュール52は、スクリュー521と、該スクリューの回転によってスクリュー上で移動する移動子522と、ボディ部524と、駆動部525と、固定部526とを含む。移動子522は、第2-3移動モジュール53の固定部535に固定され、第2-2移動モジュール52と、第2-3移動モジュール53とが連結される。スクリュー521は、第2-2方向(y’方向)に沿って延びる。移動子522が摺動可能に連結されるガイド(図示せず)が、ボディ部524に設けられることができる。
【0060】
駆動部525が作動すると、スクリュー521が回転しながら移動子522がスクリュー521上で第2-2方向に沿って案内され、第2-2方向に沿って移動するので、移動子522に連結された第2-3移動モジュール53も、第2-2方向に沿って移動し、第2-3移動モジュール53に設けられる侵襲部40も第2-2方向に移動することができる。
【0061】
第2-3移動モジュール53はスクリュー531と、移動子532と、ボディ部534と、固定部535と、駆動部536と、第2-3方向に沿って延びてボディ部534に設けられるガイド537とを含む。スクリュー531は、第2-3方向に延びる。移動子532は、侵襲部40に設けられる固定部533に固定される。侵襲部40は、ボディ部41と、ピストン43と、身体に侵襲するニードル45と、固定部533とを含む。固定部533には、ガイド537に摺動可能に連結されるガイド装着部538が設けられる。侵襲部40は、例えば血液の流入を感知することができるセンサー(図示せず)を更に含むことができる。血液の流入を感知するセンサーは、血液の色を検知するセンサーまたは吸光度を検知して血液を検知するセンサーであることができる。前記センサーは、侵襲部40ではない第2移動ユニット50の他の部分に設けられてもよい。
【0062】
駆動部536が作動すると、スクリュー531が回転しながら移動子532がスクリュー531上で第2-3方向に沿って移動し、これによって、移動子532に固定部533が連結された侵襲部40は、ガイド537に従って第2-3方向に沿って移動する。
【0063】
第2移動ユニット52は、侵襲部40の角度を調整する移動モジュール(図示せず)を更に含むことができる。侵襲部40の角度調整は、y’軸を回転軸として侵襲部40を回転させる方法と、y’z’平面、すなわちx’軸を回転軸として侵襲部40を回転させる方法とがある。前者の回転方法によれば、ニードル45が侵襲する時、血管の走行方向と整列されるように侵襲部40の角度を調整することができるので、採血の正確度を高めることができる。y’z平面、すなわちx’軸を回転軸として侵襲部40を回転させると、侵襲角度を調整することができるので、侵襲深さなどを調整することができるという効果がある。y’軸を回転軸とする回転及びx’軸を回転軸とする回転は、一つの移動モジュールによって行われてもよく、別々区別される二つまたはそれ以上の移動モジュールによって行われてもよい。あるいは、前述の第2-1移動モジュール乃至第2-3移動モジュールのうちの少なくともいずれか一つに前記回転駆動を追加することもできる。
【0064】
第1-1移動モジュール31及び第1-2移動モジュール32は、被駆動部として、モーターによる圧力の入出力の容易な測定のためにタイミングベルトを使用し、第2-1移動モジュール51乃至第2-3移動モジュール53には、被駆動部として、位置精度を確保するためにスクリューを用いたが、これはただ例示的な実施形態に過ぎず、いずれか一つの例に局限されるものではない。つまり、第1-1移動モジュール31乃至第1-3移動モジュール33のうちの少なくともいずれか一つの被駆動部として、スクリューを用いてもよく、または、第2-1移動モジュール51乃至第2-3移動モジュール53のうちの少なくともいずれか一つの被駆動部としてタイミングベルトを用いてもよい。なお、被駆動部としてラックピニオン(図示せず)メカニズムを用いることもでき、駆動部の動力の伝達を受けて所定の方向に駆動される被駆動部として公知されている、数多くのメカニズムを用いることができる。
【0065】
また、本発明の自動侵襲装置において移動する部分、例えば載置台35、侵襲部40、ガイド連結部351、第1タイミングベルト連結部325などに、所定のタグ装置(図示せず)を取り付けることができる。すると、タグの位置のみをセンサーやカメラなどでトラッキングすれば、他の部品との配置関係などに基づいて他の箇所の位置も容易に算出することができる。
【0066】
本発明の自動侵襲装置の駆動部の制御または各部品の位置算出は、別途設けられる制御部(図示せず)によって遂行される。制御部は、本発明の自動侵襲装置に連結された電子的演算装置、例えば、パソコン、スマートフォン、タブレットPCであってもよく、または遠隔で接続されたサーバーであってもよい。
【0067】
次に、本発明による自動身体侵襲装置の作動について説明する。説明の便宜上、身体侵襲の目的が採血である場合、映像獲得部20が超音波プローブである場合を例えているが、かかる例に本発明の範囲が限定されるものではない。以下の作動は、本発明の実施に好適に考案されたコンピュータープログラムによって制御部(図示せず)が遂行し、侵襲対象の位置探知は、公知の映像分析技術及び人工知能による機械学習、特に、畳み込みニューラルネットワーク学習技術を利用して適用することができる。
【0068】
まず、採血のためには、表在静脈の位置を探知し、侵襲部40を探知された位置に移動させた後、当該位置にニードル45を侵襲させた後、採血を行うことができる。
【0069】
まず、被施術者が腕を固定ユニット110を通過させて下腕を安着部350に置くようになる。次に、第1-1移動モジュール31と第1-2移動モジュール32とのうちの少なくともいずれか一つを駆動させて映像獲得部20を侵襲対象に移動させる(段階500)。最初は侵襲対象の中央地点に映像獲得部20を移動させることが望ましい。
【0070】
次いで、次のように被侵襲器官の位置を探知する(段階510)。該段階は、前述のように、本明細書にその全ての内容が組み込まれる韓国特許出願第10-2020-0010302号に記載された方法が使われることもでき、映像分析に基づく機械学習を基盤とした他の探知方法が使われることもできる。
【0071】
映像獲得部20が超音波プローブの場合には、映像獲得部20を侵襲対象に接触するまで移動させる。例えば、第1-1方向と第1-3方向とのうちの少なくともいずれか一つの方向に映像獲得部20を移動させた後、侵襲対象の上に配置させる。その以降、第1-2方向(y方向)へ映像獲得部20がさらに下降するように駆動部321を駆動させて映像獲得部20を侵襲対象に接触させる。本実施形態においては、採血を目的とするから下腕の表在静脈の位置を探知することが目的である。映像獲得部20が侵襲対象に接触するかどうかは、駆動部321にかかる負荷を検知して確認し得る。映像獲得部20が超音波プローブである場合には、駆動部321にかかる負荷によって超音波プローブが押圧する圧力を調節することができる。超音波プローブが侵襲対象を押圧する圧力は、0乃至50mmHgであることができ、好ましくは、5乃至30mmHgである。
【0072】
超音波プローブを通じて獲得される侵襲対象の映像分析によって侵襲対象が最も大きく見える時点の圧力を保つことができる。侵襲対象が確認されなければ映像獲得部20を他の位置に移動させて再び探知する。侵襲対象確認の位置順序は、1次的には、身体の中央部で探知を行い、侵襲対象が確認されなければ、映像獲得部20を第1-1方向に移動させ、2次的には、身体の縁側(身体の真中から遠い方向)を優先的に探知することができる。前述の追加移動モジュール、すなわち、z軸方向移動モジュールが設けられる実施形態では、2次探知時にも侵襲対象が確認されなければ、z軸方向へ、すなわち、身体から遠ざかる方向へ、映像獲得部20を移動させて追加探知を行うことができ、所定の回数の間にも侵襲対象の確認が行わなければ採血不可と処理することができる。
【0073】
超音波プローブの面は平面であることに対し、身体はそうではないことから、超音波プローブが身体から離間していることがあり得る。そのような場合には、第1-3駆動部を駆動させて映像獲得部20をxy平面上で回転させることで身体に接触させて映像を獲得させることができる。
【0074】
本発明による超音波プローブ20が身体に接触する圧力を定量化することができ、かかるデータを機械学習に用いることで、最適の押圧力および時点、位置を学習することができるという作用・効果がある。これは、超音波映像内で観察される解剖学的構造物を正確に分類するための更なる学習情報として活用されることができる。例えば、静脈と皮下脂肪だけが押される圧力、筋肉が押される圧力、動脈まで押される圧力などを学習情報として使うことで、機械学習の正確度を高めるさせることができる。
【0075】
本発明の自動身体侵襲装置の作動のためには、とりわけ、映像獲得部20及び侵襲部40の位置が正確に獲得されなければならない。
【0076】
本発明による自動身体侵襲装置の各構成要素の次元(dimension)と、駆動部の制御値(出力値)などが分かっているから、所定の駆動を実行した後に各構成要素の位置を制御部が算出することができる。かかる位置算出方法は、公知の算出法を用いることができ、本発明の本質的な部分ではないので、詳細は省略する。
【0077】
各構成要素の位置をセンサーやカメラを通じて確認することができる。例えば、距離情報を獲得するために、二つ以上のカメラ(図示せず)を用いて、広角による距離を確認することができ、または、距離または位置センサー(図示せず)も一緒に用いて位置情報を獲得することができる。距離センサーは、駆動部によって移動した構成要素間の距離を測定するセンサーであってもよく、位置センサーは、所定の構成要素があらかじめ定められている特定の位置に配置された否かを確認するセンサーであって、これらのセンサーは、赤外線センサーやレーザーセンサーであってもよい。
【0078】
制御部によって算出された位置と、センサーやカメラをを通じて獲得した位置とが異なると、制御部によって算出された位置を、センサーやカメラを通じて獲得した位置に更新する。
【0079】
映像獲得部20が獲得した映像分析及び機械学習を通じて、侵襲対象の位置が確認されれば、次に、血管の走行方向を確認する過程を遂行することができる。血管の走行方向を確認するためには、映像獲得部20を侵襲対象の長手方向、すなわち、z方向に移動させながら映像分析を通じて確認するか、または映像獲得部20をy軸を回転軸として回転させた後、映像分析を通じて確認することができる。血管の走行方向の確認のためには、前述のごとく追加移動モジュール及び/または回転モジュール(図示せず)をさらに必要とすることがある。
【0080】
通常、ヒトが採血をする時と異なり、本発明では血管の走行方向を必ずしも確認する必要はない。前記過程は、ニードル挿入の成功確率を高めるためのもので、本発明において必須要素ではない。
【0081】
前記過程を経て侵襲対象の位置が確認されれば、第2-1駆動部515乃至第2-3駆動部536のうちの少なくともいずれか一つが作動して、侵襲部40を侵襲対象に隣接するように移動させる(段階520)。その後、第2-3方向にニードル45をさらに移動させて侵襲させ(段階530)、ピストン43を外側に移動させることで採血を行う。ピストン43の移動モジュールは、図示の便宜上省略した。侵襲部40への血液の流入を感知することができるセンサーが設けられると、侵襲部40内へ血液が進入する時に採血成功と検知することができる。ニードル45が挿入される前または採血中に侵襲対象、すなわち血管の位置をリアルタイムでトラッキングすることが好ましいので、超音波プローブ20が侵襲対象に接触している状態で、ニードル45が所定の方向、すなわち第2-3方向に侵襲することが好ましい。
【0082】
本発明によれば、ヒトが採血をする時とは異なり、ニードル45の侵襲経路と、血管の走行方向とが同一面上に位置する必要がない。ヒトが採血する時のように、ニードル45の角度を、底に対してなるべく最小角度になるようにすれば、血管が押し出されるという不具合、血管の壁部分を掻いて損傷させる恐れがあるという不具合が生じることができるが、本発明による自動侵襲装置は、血管の映像とニードル45の挿入角度及び位置を映像獲得部20の映像分析によってリアルタイムで把握しながら適正な深さに挿入可能なので、ニードル45の挿入角度をヒトが採血する時よりも大きくすることができて侵襲範囲を最小化することができる。
【0083】
ひいては、ニードル45の挿入角度を、血管の走行経路及び超音波プローブと同一面上に位置させる必要もないという長所がある。
【0084】
映像獲得部20が、接触が要らない光音響映像装置(photoacoustic imaging device)の場合には、映像獲得部20が侵襲対象に接触しない状態で、ニードル45が侵襲して採血することもできる。かかる場合であれば、ニードル45が一層垂直に近い角度で侵襲することができるため、侵襲範囲をより最小化することができる。
【0085】
以上、添付図面を参照して本発明について説明したが、本発明の権利範囲は、後述する特許請求の範囲によって定められ、前述の実施形態及び/または図面に限定されるものと解釈されてはならない。そして、特許請求の範囲に記載された発明に対する、当業者にとって自明な改良、変更及び修正も本発明の権利範囲に属するということが明白に理解されなければならない。