(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】自動仕分けシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240925BHJP
【FI】
B65G1/04 507
(21)【出願番号】P 2024105691
(22)【出願日】2024-06-28
【審査請求日】2024-08-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.https://roms.inc/ https://roms.inc/product/ec-logistics https://roms.inc/product/ec-logistics/nano-sorter https://roms.inc/news/18 https://roms.inc/news/V7uCKq6D https://roms.inc/news/iurYY-Iu 株式会社ROMSが、2024年3月7日より上記URLにおいて公開。 2.https://www.lnews.jp/2024/04/q0408303.html 株式会社物流ニュースが2024年4月8日付で上記URLにおいて公開。 3.https://www.logi-today.com/602377 LOGISTICS TODAY株式会社が2024年4月19日付で上記URLにおいて公開。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519288043
【氏名又は名称】株式会社ROMS
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】岩田 和也
(72)【発明者】
【氏名】前野 洋介
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/225234(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第115210152(CN,A)
【文献】特開2021-15606(JP,A)
【文献】特表2010-515570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が入る複数の容器を収納し、仕分け作業中の容器を収納するオーダーラック、及び空の容器又は仕分け作業終了後の容器を格納するバッファラックを含む、ラックと、
前記物品を受けて前記オーダーラックに格納されている容器に仕分けるとともに、空の容器を前記バッファラックから前記オーダーラックへ移動させ、仕分け作業終了後の容器を前記オーダーラックから前記バッファラックへ移動させるクレーンと、
を備える自動仕分けシステム。
【請求項2】
前記クレーンは、前記物品を受け取り前記容器に仕分けるコンベアと、前記容器を持ち上げるリフトとが、一体化されているマルチタスククレーンである、
請求項1に記載の自動仕分けシステム。
【請求項3】
前記コンベアが、前記物品を、順方向及び逆方向に搬送する、
請求項2に記載の自動仕分けシステム。
【請求項4】
前記ラックが、複数列のラックで構成され、
隣接するラックの列の間に配置され、前記クレーンが摺動するレールを更に備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の自動仕分けシステム。
【請求項5】
前記コンベアの第1レール上での垂直方向の摺動と、前記リフトの第2レール上での垂直方向の摺動と、がそれぞれ独立して動作し、
前記第1レール及び前記第2レールが、共通の台に取り付けられている
請求項2又は3に記載の自動仕分けシステム。
【請求項6】
前記ラックから前記容器を搬出する搬出コンベアを更に備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の自動仕分けシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動仕分けシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、クレーンがラックの容器に物品を仕分ける技術が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】Robotic put wall - Berkshire Grey、[online]、[令和6年5月2日検索]、インターネット<URL: https://www.berkshiregrey.com/solutions/robotic-put-wall/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
敷地面積に対して、仕分けする物品の量を高めることが求められている。
【0005】
本開示の目的は、敷地面積に対して、仕分けする物品の量を高めた自動仕分けシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様としての自動仕分けシステムは、
(1)
物品が入る複数の容器を収納し、仕分け作業中の容器を収納するオーダーラック、及び空の容器又は仕分け作業終了後の容器を格納するバッファラックを含む、ラックと、
前記物品を受けて前記オーダーラックに格納されている容器に仕分けるとともに、空の容器を前記バッファラックから前記オーダーラックへ移動させ、仕分け作業終了後の容器を前記オーダーラックから前記バッファラックへ移動させるクレーンと、
を備える自動仕分けシステム。
【0007】
本発明の1つの実施形態としての自動仕分けシステムは、
(2)
前記クレーンは、前記物品を受け取り前記容器に仕分けるコンベアと、前記容器を持ち上げるリフトとが、一体化されているマルチタスククレーンである、
上記(1)に記載の自動仕分けシステム、である。
【0008】
本発明の1つの実施形態としての自動仕分けシステムは、
(3)
前記コンベアが、前記物品を、順方向及び逆方向に搬送する、
上記(2)に記載の自動仕分けシステム、である。
【0009】
本発明の1つの実施形態としての自動仕分けシステムは、
(4)
前記ラックが、複数列のラックで構成され、
隣接するラックの列の間に配置され、前記クレーンが摺動するレールを更に備える、
上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の自動仕分けシステム、である。
【0010】
本発明の1つの実施形態としての自動仕分けシステムは、
(5)
前記コンベアの第1レール上での垂直方向の摺動と、前記リフトの第2レール上での垂直方向の摺動と、がそれぞれ独立して動作し、
前記第1レール及び前記第2レールが、共通の台に取り付けられている
上記(2)又は(3)に記載の自動仕分けシステム、である。
【0011】
本発明の1つの実施形態としての自動仕分けシステムは、
(6)
前記ラックから前記容器を搬出する搬出コンベアを更に備える
上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の自動仕分けシステム、である。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、敷地面積に対して、仕分けする物品の量を高めた自動仕分けシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る自動仕分けシステムを示す斜視図である。
【
図2】
図1の自動仕分けシステムのクレーンが、物品を容器に仕分ける様子を示す図である。
【
図3】
図1の自動仕分けシステムのクレーンが容器を、ラックの最下段から移動する様子を示す図である。
【
図4】
図1の自動仕分けシステムのマルチタスククレーンを示す斜視図である。
【
図5】
図4のマルチタスククレーンのレールを示す拡大斜視図である。
【
図6】
図1の自動仕分けシステムのリフトが容器をラック内で移動させる様子を示す図である。
【
図7】
図1の自動仕分けシステムのラックの一部を示す斜視図である。
【
図8】
図1の自動仕分けシステムの搬出コンベアが容器を、ラックから移動する様子を示す図である。
【
図9】
図1の自動仕分けシステムの変形例を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る自動仕分けシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態が、図面を参照して説明される。以下の図面に示す構成要素において、同じ構成要素には同じ符号を付す。
【0015】
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る自動仕分けシステム100を説明する。
【0016】
自動仕分けシステム100は、ラック10と、クレーン20と、を備える。自動仕分けシステム100は、レール40を更に備えてよい。自動仕分けシステム100は、任意の場所に設置されてよいが、本実施形態では、通信販売業者の倉庫に設置される。自動仕分けシステム100は、製造業の原料倉庫又は部品倉庫として設置されてもよい。自動仕分けシステム100は、「AS/RS(Automated Storage/Retrieval System)」とも呼ばれる。自動仕分けシステム100は、搬入コンベア33と、搬出コンベア18,19と、を更に備えてよい。
【0017】
図2を参照して、ラック10は、複数の容器210を収納する。容器210には、1つ以上の物品200が入る。
【0018】
本実施形態では、物品200は、通信販売業者が販売する商品である。物品200の種類としては、例えば、食品、日用品、及び雑誌があるが、これら以外にも様々な種類があってよいし、又は逆に1種類若しくは2種類しかなくてもよい。物品200の種類は、本実施形態ではSKUとして区別される。「SKU」は、stock keeping unitの略語である。ユーザ230が受け取る物品200は、ユーザ230が梱包する商品であってよい。
【0019】
容器210は、本実施形態ではコンテナであるが、例えば、トート、カートン、バッグ、ボックス、パレット、ケース、又はバケットでもよい。
【0020】
図1を参照して、ラック10は、複数列のラックで構成されてよい。ラック10は、オーダーラック16と、バッファラック17と、を含む。オーダーラック16は、仕分け作業中の容器210を収納する。バッファラック17は、空の容器210又は仕分け作業終了後の容器210を一時的に格納する。ユーザがアクセスできる前列且つ下部のラックがオーダーラック16であってよい。ユーザがアクセスできない後列又は上部のラックがバッファラック17であってよい。オーダーラック16と、バッファラック17とは同じ構造であってもよい。バッファラック17の前側及び後側に、カバー10Cが設けられてよい。
【0021】
図3を参照して、ラック10は、長手方向に所定の間隔で設けられた柱24と、柱24から横方向に突出する1つ以上の板状部材22とを備える。柱24の高さ方向に複数の貫通孔が形成されてよい。板状部材22に形成された貫通孔と、柱24の選択された貫通孔とをネジ留めすることで、板状部材22の高さを変更することができる。したがって、ラック10は、様々な高さの容器210を収納し得る。板状部材22同士の間に隙間22Sが存在してよい。言い換えれば、ラック10において、容器210は、下方から、長手方向両縁部のみにおいて板状部材22で支持されてよく、下方の長手方向中心近傍(隙間22S)では支持されていなくてよい。後述のとおり、板状部材22の隙間22Sを利用して、クレーン20は下方から容器210を持ち上げ、搬出又は搬入することができる。
【0022】
図1を参照して、ユーザ220は、ラック10に収納される物品200を検品してよい。ユーザ220は、スキャナ31等で物品200に付されたバーコード、2次元コード、又はRFIDなどの識別情報を読み取ってよい。読み取られた識別情報が、表示装置32に表示されてもよい。ユーザ220は、検品された物品200を、搬入コンベア33の上に移動させてよい。
【0023】
搬入コンベア33は、物品200を、クレーン20まで搬送する。搬入コンベア33は、クレーン20が搬入コンベア33の近傍まで移動したときに、物品200をクレーン20へ渡してよい。スキャナ31等が動作したときに、搬入コンベア33が駆動されてもよい。搬入コンベア33は、例えば、ベルトコンベア、チェーンコンベア、オムニホイールを応用したコンベア、ボット型の移載装置、又はこれらの任意の組合せである。搬入コンベア33は、1つ以上(
図1では1つ)のレーンを有する。搬入コンベア33が複数のレーンを有する構成では、搬入コンベア33はレーンごとに独立して駆動してよい。
【0024】
図4を参照して、クレーン20は、コンベア21と、リフト23と、を備えてよい。コンベア21と、リフト23とは、それぞれ独立して動作してよい。
【0025】
クレーン20は、コンベア21とリフト23とが一体化されているマルチタスククレーンであってよい。コンベア21の一対の第1垂直レール21R、及びリフト23の一対の第2垂直レール23Rは、上端部で共通の台25に取り付けられてよい。台25は平板状であってよい。コンベア21の一対の第1垂直レール21R、及びリフト23の一対の第2垂直レール23Rは、下端部で共通の台に取り付けられてよい。この構成により、自動仕分けシステム100のスペース効率を高めることができる。すなわち、コンベア及びリフトを個別に設けると、2本の垂直レールが必要となる。そのため、レール40の延在方向における寸法が大きくなる。さらには、コンベア21及びリフト23のそれぞれに対して、レール40上を摺動するクレーンを設ける必要がある。さらに、コンベア21及びリフト23が互いに衝突しないように、コンベア21及びリフト23の間に、例えば1メートル以上の空隙を設ける必要がある。以上のことから、本実施形態の自動仕分けシステム100と同じ機能(同じラック10への仕分け)を達成しようとすると、(レール40の延在方向における)設置長さが1メートル以上長くなり、設置面積が大きくなる。さらに、この構成により、コンベア21及びリフト23の両方を別個に設ける構成よりも、コストを削減することができる。
【0026】
図5を参照して、コンベア21は、第1垂直レール21R上を摺動してよい。リフト23は、垂直方向に延びる一対の第2垂直レール23Rを備えてよい。リフト23は、第2垂直レール23R上を摺動してよい。コンベア21の摺動と、リフト23の摺動とが、互いに独立していてもよい。
【0027】
図1の例では、クレーン20が、前列のラックと、後列のラックとの間の通路に設置されている。この通路は、クレーン20を設置できる幅があれば、人が通れないほど狭くてもよい。クレーン20は、本実施形態ではミニロードクレーンであるが、例えば、ユニットロードクレーン又はミッドロードクレーンであってもよい。
【0028】
クレーン20は、レール40を摺動可能である。レール40は隣接するラックの列の間に配置されてよい。より具体的に、レール40は、前列のラックと、後列のラックとの間に配置されてよい。ラック10の長手方向に沿って延在し、異なる高さに配置される、一対のレール40A,40B(
図1参照)が設けられてよい。
【0029】
クレーン20に車輪が設けられてよい。当該車輪がレール40に支持されてよい。クレーン20は、レール40から着脱可能であってよい。クレーン20の車輪は、モータにより駆動及び制動されてよい。クレーン20の車輪は、制御装置120によって制御されてよい。
【0030】
コンベア21は、物品200を、順方向及び逆方向に搬送してよい。ここでいう順方向とは、コンベア21の中から、コンベア21の外へ向かう方向をいう。逆方向とは、コンベア21の外から、コンベア21の中へ向かう方向をいう。コンベア21は、搬入コンベア33から物品200を受け取った後、物品200を順方向又は逆方向に搬送することで、物品200を位置合わせしてよい。
【0031】
クレーン20は、物品200を受けてオーダーラック16に格納されている容器210に仕分ける。コンベア21は、例えば物品200を順方向に搬送することで、物品200を受け取り容器210に、仕分けてよい。2種類以上の物品200が同じ容器210に入っている場合は、それら2種類以上の物品200が、物品200の宛先又はサイズに応じてソートされていてもよい。ソートには、スキャナ31等で読み取った物品200の識別情報が利用されてよい。ソート方法としては、任意の方法を用いてよいが、本実施形態では、その容器210の中をパーティションによって複数のスペースに分け、各物品200を宛先別のスペースに入れるという方法を用いることができる。ソート作業は、物品200がラック10の容器210に搬入される際に行われてよい。
【0032】
クレーン20は、仕分け作業終了後の容器210をオーダーラック16からバッファラック17へ移動させる。特定の宛先へ出荷する物品200のすべてが容器210に仕分けられたときに、制御装置120は仕分け作業が終了したと判定してよい。
【0033】
リフト23は容器210を持ち上げてよい。リフト23は、テレスコープ型であってよい。より具体的に、
図6を参照してリフト23が重なり合う複数の筒状部材23C1,23C2を有してよい。筒状部材23C1,23C2同士が互いに変位してよい。リフト23がラック10の2つの列に挟まれている構成では、筒状部材23C1,23C2が両方向に変位可能であってよい。
【0034】
図6を参照して、リフト23が容器210をラック10内で移動させる手順を説明する。リフト23は、筒状部材23C1,23C2の上面が、ラック10において容器210を支持する板状部材22の隙間の下方且つ手前に位置するよう移動する。具体的に、クレーン20は、レール40上を摺動し水平方向に移動してよい。リフト23は、第2垂直レール23R上を摺動し垂直方向に移動してよい。クレーン20は、筒状部材23C1,23C2を当該隙間の直下まで伸長させる。クレーン20は、リフト23を上昇させ、先端側の筒状部材23C2の上面に、容器210の底面を支持させる。その後、筒状部材23C1,23C2を収縮させることで、容器210をリフト23に引き寄せることができる。なお、筒状部材23C1,23C2の伸長方向を変えることで、ラック10の異なる列の容器210をリフト23に引き寄せることができる。
【0035】
その後リフト23は、容器210の次の収納位置で容器210を支持する板状部材22の隙間の上方且つ手前に位置するよう移動する。クレーン20は、筒状部材23C1,23C2を当該隙間の直下まで伸長させる。これにより、容器210は、板状部材22の上方に移動する。クレーン20は、リフト23を下降させ、板状部材22の上面に、容器210の底面を支持させる。その後、筒状部材23C1,23C2を収縮させる。なお、筒状部材23C1,23C2の伸長方向を変えることで、ラック10の異なる列に容器210を収納することができる。
【0036】
図7を参照して、ラック10は、数値表示用のセグメント表示器11と、ランプを備える完了ボタン12と、を備えてよい。セグメント表示器11は、容器210に格納されている物品200の数を表示してよい。完了ボタン12が備えるランプは、仕分け作業終了後の容器210が格納されている状態で、点灯してよい。具体的に、当該ランプの点灯は、容器210の取り出しが促されていることを示してよい。
【0037】
図8を参照して、オーダーラック16の最下段は、搬出コンベア18,19を備えてよい。ラック10に隣接する搬出コンベア18は、容器210をオーダーラック16の中から搬出コンベア19まで移動させてよい。搬出コンベア19は、容器210をユーザ230(
図1)の近くまで(
図8の右方向に)移動させてよい。ユーザ230がスイッチを押下することで、搬出コンベア18,19が駆動されてよい。
【0038】
搬出コンベア18の代わりに、ユーザ230がオーダーラック16から容器210を梱包等のため取り出してよい。ユーザ230は、オーダーラック16から容器210を取り出すときに、完了ボタン12(
図7)を押下する。完了ボタン12が押下された後、完了ボタン12が備えるランプが消灯する。搬出コンベア18が容器210を、梱包等のため移動させたときにも消灯する。当該ランプ消灯は、容器210内で物品200の仕分が完了しておらず、容器210が取り出されてはいけないことを示してよい。
【0039】
クレーン20は、空の容器210をバッファラック17からオーダーラック16へ移動させる。クレーン20は、仕分け作業終了後の容器210をバッファラック17からオーダーラック16へ移動させてもよい。
【0040】
オーダーラック16から取り出された容器210から、物品200が取り出された後、空の容器210が、オーダーラック16に戻される。搬出コンベア18,19又はユーザ230が、空の容器210をオーダーラック16に戻してよい。
【0041】
図9に、ラックの変形例を示す。オーダーラック16’は、カート16Cと、フローラック16Fとを含む。ユーザは、カート16C及びフローラック16Fをそれぞれ、梱包等のため、格納されている容器210ごと、移動させることができる。このことによって、多数の容器210を効率的に移動させることができる。また、壊れやすい物品200等が、フローラック16Fに格納されて出庫されることによって、物品200の破損が防止され得る。オーダーラック16’のその他の構成は、オーダーラック16と同様であってよい。
【0042】
図10を参照して、自動仕分けシステム100は更に、制御装置120、データベース140、入力装置150、及び出力装置160を備える。
【0043】
制御装置120は、ラック10又はその他のエリアに設置される。制御装置120は、コンピュータである。制御装置120は、制御部121、記憶部122、通信部123、入力部124、及び出力部125を備える。
【0044】
制御部121には、1つ以上のプロセッサ、1つ以上の専用回路、又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサは、CPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。「CPU」は、central processing unitの略語である。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。「FPGA」は、field-programmable gate arrayの略語である。「ASIC」は、application specific integrated circuitの略語である。制御部121は、制御装置120の各部を制御しながら、制御装置120の動作に関わる情報処理を実行する。
【0045】
記憶部122には、1つ以上の半導体メモリ、1つ以上の磁気メモリ、1つ以上の光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれる。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。「RAM」は、random access memoryの略語である。「ROM」は、read only memoryの略語である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。「SRAM」は、static random access memoryの略語である。「DRAM」は、dynamic random access memoryの略語である。ROMは、例えば、EEPROMである。「EEPROM」は、electrically erasable programmable read only memoryの略語である。記憶部122は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部122には、制御装置120の動作に用いられる情報と、制御装置120の動作によって得られた情報とが記憶される。
【0046】
通信部123には、1つ以上の通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェース、又はLTE、4G、若しくは5Gなどの移動通信規格に対応したインタフェースである。「LAN」は、local area networkの略語である。「LTE」は、Long Term Evolutionの略語である。「4G」は、4th generationの略語である。「5G」は、5th generationの略語である。通信部123は、制御装置120の動作に用いられる情報をデータベース140又はその他の外部機器から受信し、また制御装置120の動作によって得られる情報をデータベース140又はその他の外部機器へ送信する。
【0047】
入力部124には、1つ以上の入力用インタフェースが含まれる。入力用インタフェースは、例えば、USBインタフェースである。「USB」は、universal serial busの略語である。入力部124は、入力装置150を介して、制御装置120の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。
【0048】
出力部125には、1つ以上の出力用インタフェースが含まれる。出力用インタフェースは、例えば、USBインタフェースである。出力部125は、出力装置160を介して、制御装置120の動作によって得られる情報を出力する。
【0049】
制御装置120の機能は、本実施形態に係る制御プログラムを、制御部121に含まれるプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、制御装置120の機能は、ソフトウェアにより実現される。制御プログラムは、制御装置120の動作に含まれるステップの処理をコンピュータに実行させることで、当該ステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。すなわち、制御プログラムは、コンピュータを制御装置120として機能させるためのプログラムである。
【0050】
プログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD又はCD-ROMなどの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「DVD」は、digital versatile discの略語である。「CD-ROM」は、compact disc read only memoryの略語である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させてもよい。プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0051】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0052】
制御装置120の一部又は全ての機能が、制御部121に含まれる専用回路により実現されてもよい。すなわち、制御装置120の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0053】
データベース140は、制御装置120と同じように、ラック10又はその他のエリアに設置される。データベース140は、例えば、RDBMSである。「RDBMS」は、relational database management systemの略語である。データベース140は、本実施形態では制御装置120とは別体であるが、制御装置120に一体化されてもよい。
【0054】
データベース140は、ラック10の在庫情報240を保持する。在庫情報240には、各容器210に付されたバーコード、2次元コード、若しくはRFIDなどの識別情報、又は各容器210の、ラック10における収納位置を示す情報と、各容器210に入っている物品200の種類を示す情報との組み合わせが含まれる。在庫情報240は、各物品200が容器210に仕分けられる際に更新されてよい。
【0055】
入力装置150は、ユーザ220,230が入ることのできるエリアに設置される。入力装置150は、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力装置150は、前述したスキャナ31を含んでよい。入力装置150は、制御装置120とは別体であってよく、制御装置120に一体化されてもよい。
【0056】
出力装置160は、入力装置150と同じように、ユーザ220,230が入ることのできるエリアに設置される。出力装置160は、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。出力装置160は、本実施形態では制御装置120とは別体であってよく、制御装置120に一体化されてもよい。
【0057】
本実施形態の一例として、制御装置120の制御部121は、各容器210の収納位置を、各容器210に入っている物品200の注文頻度に応じて変更してもよい。この例によれば、サイクルタイムを短縮することができる。
【0058】
本実施形態では、ラック10、クレーン20、又はこれらの組み合わせをモジュールとして扱うことで、自動仕分けシステム100の拡張性を高めている。すなわち、自動仕分けシステム100が設置される倉庫の敷地面積及び必要な品数などの様々な要件に応じて、自動仕分けシステム100の構成を簡単に決定又は変更することができる。さらに、自動仕分けシステム100の構成要素の組み合わせをモジュールとして扱うことで、自動仕分けシステム100全体の拡張性を高めてもよい。すなわち、自動仕分けシステム100が設置される倉庫の様々な要件に応じて、自動仕分けシステム100の全体構成を簡単に決定又は変更することができるようにしてもよい。例えば、自動仕分けシステム100の構成要素を少数のモジュール、又は小規模なモジュールで構成することで、倉庫に自動仕分けシステム100を簡単に導入できる。あるいは、自動仕分けシステム100の構成要素を多数のモジュール、又は大規模なモジュールで構成することで、倉庫に自動仕分けシステム100を簡単に導入できる。また、自動仕分けシステム100が導入された倉庫が閉鎖になった場合、自動仕分けシステム100の各モジュールを他の倉庫等で再利用することができる。
【0059】
本実施形態では、ラック10は、搬入された複数の容器210を、各容器210に入っている物品200の種類に応じて、互いに温度設定の異なる2つ以上の区画に分けて収納してよい。例えば、ラック10が、全体で冷凍、冷蔵、定温、及び常温の4温度帯に対応する4つの区画に分けられ、搬入された複数の容器210を、各容器210に入っている物品200の種類に応じて、これら4つの区画に分けて収納する。その場合、冷凍の区画には、冷凍食品などの、冷凍保存が必要な商品が入った容器210が収納される。冷蔵の区画には、要冷蔵の商品が入った容器210が収納される。定温の区画には、酒類などの、定温保管が必要な商品が入った容器210が収納される。常温の区画には、その他の商品が入った容器210が収納される。
【0060】
本実施形態の一例として、各容器210に温度帯管理機能が付加されてもよい。例えば、冷凍、冷蔵、定温、及び常温の4温度帯のうち、対応する温度帯が容器210ごとに異なっていてもよい。この変形例によれば、より確実に温度帯を管理することができる。
【0061】
本実施形態の一例として、POSシステムなどの決済システム、IMS、及びERPシステムなどの、小売業者の既存の各種システムを自動仕分けシステム100と接続して連携させるためのAPIが規定されてもよい。「IMS」は、inventory management systemの略語である。「ERP」は、enterprise resource planningの略語である。「API」は、application programming interfaceの略語である。この変形例によれば、APIを介して、自動仕分けシステム100をターンキーシステムとして提供することができる。
【0062】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の複数のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【符号の説明】
【0063】
100 自動仕分けシステム
10 ラック
10C カバー
11 セグメント表示器
12 完了ボタン
16 オーダーラック
16C カート
16F フローラック
17 バッファラック
18,19 搬出コンベア
20 クレーン
21 コンベア
21R 第1垂直レール
22 板状部材
23R 第2垂直レール
22S 隙間
220,230 ユーザ
23 リフト
23C1,23C2 筒状部材
24 柱
25 台
31 スキャナ
32 表示装置
33 搬入コンベア
40,40A,40B レール
120 制御装置
121 制御部
122 記憶部
123 通信部
124 入力部
125 出力部
140 データベース
150 入力装置
160 出力装置
200 物品
210 容器
240 在庫情報
250 一覧
【要約】 (修正有)
【課題】敷地面積に対して、仕分けする物品の量を高めた自動仕分けシステムを提供する。
【解決手段】自動仕分けシステム100は、物品200が入る複数の容器を収納し、仕分け作業中の容器を収納するオーダーラック16、及び空の容器又は仕分け作業終了後の容器を格納するバッファラック17を含む、ラック10と、物品200を受けてオーダーラック16に格納されている容器に仕分けるとともに、空の容器をバッファラック17から前記オーダーラック16へ移動させ、仕分け作業終了後の容器をオーダーラック16からバッファラック17へ移動させるクレーン20と、を備える。
【選択図】
図1