(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】ヒューズの取り外し及び取り付けのための工具
(51)【国際特許分類】
H01H 85/02 20060101AFI20240925BHJP
B25B 27/14 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
H01H85/02 C
B25B27/14 D
(21)【出願番号】P 2023558188
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(86)【国際出願番号】 US2022021518
(87)【国際公開番号】W WO2022204264
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-09-21
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】イー,チャン ジェイ.
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第2430544(US,A)
【文献】米国特許第3161085(US,A)
【文献】米国特許第03973318(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 85/02
B25B 27/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具であって、
第1のハンドル部、第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ部及び第1のヒューズプッシャフィンガ部を備える、第1の工具アームと、
前記第1の工具アームに軸回りに枢動可能に取り付けられた第2の工具アームであって、前記第2の工具アームは、第2のハンドル部、第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ部、及び第2のヒューズプッシャフィンガ部を備え、前記第1のハンドル部が前記第2のハンドル部に対して移動されることに応答して、前記第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ部は、前記第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ部から離れるように移動可能であり、前記第2のヒューズプッシャフィンガ部は、前記第1のヒューズプッシャフィンガ部に向かって移動可能である、前記第2の工具アームと、を含む、
工具。
【請求項2】
前記第1の工具アーム及び前記第2の工具アームが同一である、請求項1に記載の工具。
【請求項3】
前記軸に沿って前記第2の工具アーム及び前記第1の工具アームを通過するヒンジピン締結具をさらに備える、請求項1に記載の工具。
【請求項4】
前記第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ部及び前記第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ部がそれぞれ2つのフィンガを備える、請求項1に記載の工具。
【請求項5】
前記第1のヒューズプッシャフィンガ部及び前記第2のヒューズプッシャフィンガ部が、それぞれ2つのフィンガを備える、請求項1に記載の工具。
【請求項6】
前記第1のハンドル部及び前記第2のハンドル部の少なくとも1つに、前記第2のハンドル部に対する前記第1のハンドル部の動きを制限するための止め具として動作する干渉構造をさらに備える、請求項1に記載の工具。
【請求項7】
前記第1のハンドル部及び前記第2のハンドル部上にグリップ面をさらに備える、請求項1に記載の工具。
【請求項8】
前記第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ部及び前記第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ部がそれぞれ2つのフィンガを備え、前記第1のヒューズプッシャフィンガ部及び前記第2のヒューズプッシャフィンガ部がそれぞれ2つのフィンガを備える、請求項1に記載の工具。
【請求項9】
前記第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ部及び前記第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ部は、前記第1のヒューズプッシャフィンガ部及び前記第2のヒューズプッシャフィンガ部の外側にある、請求項8に記載の工具。
【請求項10】
前記第1のヒューズプッシャフィンガ部及び前記第2のヒューズプッシャフィンガ部がそれぞれ、ヒューズを捕らえるためのフックを形成する、請求項1に記載の工具。
【請求項11】
前記フックが、前記ヒューズを回路カードアセンブリの表面から押し離すためのランプ部を備える、請求項10に記載の工具。
【請求項12】
ヒューズの取り外しまたは取り付けのための工具であって、
第1の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ、第1の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガ、第1の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガ、及び第1の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガが延在する第1のハンドル部を備える第1の工具アームと、
前記第1の工具アームに軸回りに枢動可能に取り付けられた第2の工具アームであって、前記第2の工具アームは、第2の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ、第2の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガ、第2の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガ、及び第2の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガが延在する第2のハンドル部を備え、
前記第2の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガは、前記第1の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガに隣接し、
前記第2の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガは、前記第1の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガに隣接し、
前記第2の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガは、前記第1の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガに隣接し、
前記第2の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガは、前記第1の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガに隣接している、前記第2の工具アームと、を備える、
工具。
【請求項13】
前記第1のハンドル部が前記第2のハンドル部に向かって移動することに応答して、前記第2の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガが、前記第1の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガから離れるように枢動し、及び前記第2の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガが、前記第1の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガから離れるように枢動する、請求項12に記載の工具。
【請求項14】
前記第1のハンドル部が前記第2のハンドル部に向かって移動することに応答して、前記第2の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガが、前記第1の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガに向かって枢動し、及び前記第2の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガが、前記第1の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガに向かって枢動する、請求項12に記載の工具。
【請求項15】
ヒューズを取り外す方法であって、
工具を回路カードアセンブリに隣接し、ヒューズホルダばねクリップ内に取り付けられたヒューズの周囲に配置することと、
前記工具のヒューズホルダスプレッダ部が前記ヒューズホルダばねクリップを広げ、前記工具のヒューズプッシャ部が前記ヒューズを前記回路カードアセンブリから押し離すように、前記工具の第1のハンドル部を第2のハンドル部に向かって枢動させること、とを備える、
方法。
【請求項16】
前記工具の前記ヒューズプッシャ部が前記回路カードアセンブリの表面上に少なくとも部分的に支持される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記工具の前記ヒューズプッシャ部は、前記ヒューズを捕らえるような形状である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
止め具に達するまで、前記第1のハンドル部及び前記第2のハンドル部が一緒に枢動することに応答して、前記ヒューズホルダスプレッダ部の動きを制限することをさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記ヒューズホルダスプレッダ部を前記ばねクリップ末端の縁部に係合させることをさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のハンドル部及び前記第2のハンドル部を枢動させることにより、前記ヒューズプッシャ部が第1の方向に枢動し、前記ヒューズホルダスプレッダ部が前記第1の方向とは反対の第2の方向に枢動する、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、工具に関し、より詳細には、ヒューズの支持構造を損傷することなくヒューズの取り外し及び取り付けを行うための工具に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒューズは、過電流保護デバイスとして広く使用されている。電子部品の小型化が進み、その結果、回路カードアセンブリ上のアクセスが難しくなり得る場所に部品が高密度に配置されるため、ヒューズの取り外し及び取り付けが複雑になっている。
【0003】
様々なヒューズプラー工具を使用することができるが、そのような工具は、ヒューズホルダばねクリップからヒューズを引き抜くために、著しい労力が必要となり得る。これによりヒューズの取り外しが複雑になり、回路カードアセンブリの損傷が発生し得る。そのような工具では通常、こじ開け動作も必要になり得、このこじ開け動作により、ヒューズを取り外す際にヒューズホルダばねクリップが損傷する危険性が高まる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の非限定的な一実施形態による工具は、第1のハンドル部、第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ部及び第1のヒューズプッシャフィンガ部を備える第1の工具アーム、及び第1の工具アームに軸回りに枢動可能に取り付けられた第2の工具アームであって、第2の工具アームは、第2のハンドル部、第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ部、及び第2のヒューズプッシャフィンガ部を備え、第1のハンドル部が第2のハンドル部に対して移動されることに応答して、第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ部は、第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ部から離れるように移動可能であり、第2のヒューズプッシャフィンガ部は、第1のヒューズプッシャフィンガ部に向かって移動可能である、第2の工具アームを含む。
【0005】
本開示の前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、第1の工具アーム及び第2の工具アームが同一であることを含む。
【0006】
本開示の前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、軸に沿って第2の工具アーム及び第1の工具アームを通過するヒンジピン締結具を含む。
【0007】
本開示の前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ部及び第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ部がそれぞれ2つのフィンガを備えることを含む。
【0008】
本開示の前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、第1のヒューズプッシャフィンガ部及び第2のヒューズプッシャフィンガ部がそれぞれ2つのフィンガを備えることを含む。
【0009】
本開示の前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、第1のハンドル部及び第2のハンドル部の少なくとも1つに、第2のハンドル部に対する第1のハンドル部の動きを制限するための止め具として動作する干渉構造を含む。
【0010】
本開示の前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、第1のハンドル部及び第2のハンドル部にグリップ面を含む。
【0011】
本開示の前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ部及び第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ部がそれぞれ2つのフィンガを備え、第1のヒューズプッシャフィンガ部及び第2のヒューズプッシャフィンガ部がそれぞれ2つのフィンガを備えることを含む。
【0012】
本開示の前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ部及び第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ部が、第1のヒューズプッシャフィンガ部及び第2のヒューズプッシャフィンガ部の外側にあることを含む。
【0013】
本開示の前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、第1のヒューズプッシャフィンガ部及び第2のヒューズプッシャフィンガ部がそれぞれ、ヒューズを捕らえるためのフックを形成することを含む。
【0014】
本開示の前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、フックが、ヒューズを回路カードアセンブリの表面から押し離すためのランプ部を備えることを含む。
【0015】
本開示の開示された非限定的な一実施形態によるヒューズの取り外しまたは取り付けのための工具は、第1の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ、第1の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガ、第1の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガ、及び第1の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガが延在する第1のハンドル部を備える第1の工具アーム、及び第1の工具アームに軸回りに枢動可能に取り付けられた第2の工具アームを含み、第2の工具アームは、第2の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ、第2の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガ、第2の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガ、及び第2の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガが延在する第2のハンドル部を備え、第2の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガは、第1の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガに隣接し、第2の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガは、第1の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガに隣接し、第2の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガは、第1の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガに隣接し、第2の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガは、第1の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガに隣接している。
【0016】
本開示の前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、第1のハンドル部が第2のハンドル部に向かって移動することに応答して、第2の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガが、第1の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガから離れるように枢動すること、及び第2の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガが、第1の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガから離れるように枢動することを含む。
【0017】
本開示の前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、第1のハンドル部が第2のハンドル部に向かって移動することに応答して、第2の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガが、第1の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガに向かって枢動すること、及び第2の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガが、第1の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガに向かって枢動することを含む。
【0018】
本開示の開示された非限定的な一実施形態によるヒューズを取り外す方法は、工具を回路カードアセンブリに隣接し、ヒューズホルダばねクリップ内に取り付けられたヒューズの周囲に配置すること、及び工具のヒューズホルダスプレッダ部がヒューズホルダばねクリップを広げ、工具のヒューズプッシャ部がヒューズを回路カードアセンブリから押し離すように、工具の第1のハンドル部を第2のハンドル部に向かって枢動させることを含む。
【0019】
本開示の前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、工具のヒューズプッシャ部が回路カードアセンブリの表面上に少なくとも部分的に支持されることを含む。
【0020】
本開示の前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、工具のヒューズプッシャ部がヒューズを捕らえるような形状であることを含む。
【0021】
本開示の前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、止め具に達するまで、第1のハンドル部及び第2のハンドル部が一緒に枢動することに応答して、ヒューズホルダスプレッダ部の動きを制限することを含む。
【0022】
本開示の前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、ヒューズホルダスプレッダ部をばねクリップ末端の縁部と係合させることを含む。
【0023】
本開示の前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、第1のハンドル部及び第2のハンドル部を枢動させることにより、ヒューズプッシャ部が第1の方向に枢動すること、及びヒューズホルダスプレッダ部が第1の方向とは反対の第2の方向に枢動することを含む。
【0024】
前述の特徴及び要素は、別段に明記されない限り、非排他的に様々な組み合わせで組み合わされてもよい。これらの特徴及び要素、ならびにそれらの動作は、下記の説明及び添付図面に照らして、より明らかになるであろう。しかし、下記の説明及び図面は、本質的に例示を意図し、限定する意図はないことを理解されたい。
【0025】
様々な特徴は、開示される非限定的な実施形態の次の詳細な説明を読めば、当業者には明らかになるであろう。詳細な説明に付随する図面は、次のように簡単に説明することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】回路カードアセンブリのヒューズホルダばねクリップにおけるヒューズと係合する工具の斜視図である。
【0027】
【0028】
【
図3】回路カードアセンブリのヒューズホルダばねクリップ内のヒューズと係合した工具の斜視図である。
【0029】
【
図4】回路カードアセンブリのヒューズホルダばねクリップ内のヒューズと係合した工具の概略断面図である。
【0030】
【
図5】工具を使用してヒューズを取り外すための方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、工具20を概略的に示す。工具20は、ヒューズ10、例えば、カートリッジタイプまたはバレルタイプヒューズの、回路カードアセンブリ14内のヒューズホルダばねクリップ12からの取り付け及び取り外しを容易にする。ヒューズ10は、ヒューズホルダばねクリップ12内に保持され、典型的には、物理的に他のヒューズに近接している。工具20は付加的に製造され得るか、または電気散逸性材料、非導電性材料、その他の非導電性材料で製造され得る。
【0032】
図2を参照すると、工具20は、第1の工具アーム22、第2の工具アーム24、及びボルトなどのヒンジピン締結具26を含む。第1の工具アーム22は、第2の工具アーム24と同一であり得る。第2の工具アーム24は、締結具26によって画定され得る軸A回りで第1の工具アーム22に枢動可能に取り付けられる。
【0033】
第1の工具アーム22は、第1のハンドル部30、第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ部32、及び第1のヒューズプッシャフィンガ部34を含む。第2の工具アーム24は、第2のハンドル部36、第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ部38、及び第2のヒューズプッシャフィンガ部40を含む。
【0034】
第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ部32は、第1の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ42、及び第1の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ44を含む。第1のヒューズプッシャフィンガ部34は、第1の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガ46、及び第1の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガ48を含む。第1の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ42及び第1の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ44は、この構成では、第1の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガ46及び第1の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガ48の外側にある。
【0035】
第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ部38は、第2の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ50、及び第2の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ52を含む。第2のヒューズプッシャフィンガ部40は、第2の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガ54、及び第2の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガ56を含む。第2の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ50及び第2の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ52は、この構成では、第2の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガ54及び第2の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガ56の外側にある。
【0036】
第2の工具アーム24は、フィンガ50、42、54、46、56、48、52及び44が交互に配置されるように、第1の工具アーム22に枢動可能に組み立てられる(
図3)。第2の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ50は、第1の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ42に隣接している。第1の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ42は、第2の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガ54に隣接している。第2の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガ54は、第1の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガ46に隣接している。第1の工具アームの第1のヒューズプッシャフィンガ46は、第2の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガ56に隣接している。第2の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガ56は、第1の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガ48に隣接している。第1の工具アームの第2のヒューズプッシャフィンガ48は、第2の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ52に隣接している。第2の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ52は、第1の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ44に隣接している。言い換えれば、一方の工具アームのフィンガはフィンガ間の空間を画定し、他方の工具アームのフィンガはこれらの空間を通って枢動する。
【0037】
第1の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ42、第1の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ44、第2の工具アームの第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ50、及び第2の工具アームの第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ52はそれぞれ、ヒューズホルダばねクリップ12の縁部62との係合を容易にする段差部60または他の接触面を含み得る(
図4)。
【0038】
第1のハンドル部30及び第2のハンドル部36は、複雑さを最小限に抑えるために、ヒューズプッシャフィンガに対するヒューズホルダスプレッダフィンガの枢動動作における(力及び変位の)剛性及び均一性を提供する。第1のハンドル部30及び第2のハンドル部36はそれぞれ、工具を握りやすくするためにグリップ面70を含み得る。グリップ面70は、リブなどの凹凸を含み得る。
【0039】
第1のハンドル部30及び第2のハンドル部36が押し合うことに応答して、第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ部38は、第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ部32から離れるように枢動し、第2のヒューズプッシャフィンガ部40は、第1のヒューズプッシャフィンガ部34に向かって枢動する。工具20を押し合うのに必要な典型的な力は、例えば、約2~3ポンド力であり得る。
【0040】
第1のハンドル部30の少なくとも1つの段差部などの干渉構造72、及び第2のハンドル部36上の干渉構造74が接触して、第2の工具アーム24に対する第1の工具アーム22の枢動運動を制限するための止め具として動作する。これにより、ヒューズホルダばねクリップ12の過度の広がりが回避される。
【0041】
第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ部38のフィンガは、第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ部32のフィンガから離れるように枢動して、ヒューズホルダばねクリップ12を広げる分離力(
図4の矢印S)を生成する。これにより、ヒューズ10にかかる摩擦力が減少し、引き抜きが容易になる。
【0042】
第2のヒューズプッシャフィンガ部40のフィンガは、第1のヒューズプッシャフィンガ部34のフィンガに向かって枢動してヒューズ10を捕らえて、引き抜き力を与える(
図4の矢印E)。引き抜き力(
図4の矢印E)は、第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ部38のフィンガ及び第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ部32のフィンガがヒューズホルダばねクリップ12を広げることによって、回路カードアセンブリ14に向かう下向きの力(
図4の矢印U)によって少なくとも部分的に抵抗され得る。すなわち、引き抜きは、第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ部38のフィンガ及び第1のヒューズホルダスプレッダフィンガ部32のフィンガが、ヒューズホルダばねクリップ12内に引き込まれると、ヒューズ10を押すための傾斜面を形成する第2のヒューズプッシャフィンガ部40のフィンガ及び第1のヒューズプッシャフィンガ部34のフィンガの内側輪郭80によって容易になる。第2のヒューズプッシャフィンガ部40のフィンガ及び第1のヒューズプッシャフィンガ部34のフィンガの外側輪郭90もまた、安定性を容易にするために回路カードアセンブリ14の表面16上に支持され得る。
【0043】
図5を参照すると、ヒューズ10を取り外す方法100は、第1及び第2のヒューズプッシャフィンガ部34、40が回路カードアセンブリ14に当接し、第1及び第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ部32、38がヒューズホルダばねクリップ12と係合するように、ヒューズホルダばねクリップ12内に取り付けられたヒューズ10の周囲に工具20を配置することを含む(110)。
【0044】
次いで、工具20の第1のハンドル部30及び第2のハンドル部36が押し合わされる(112)。第1及び第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ部32、38はヒューズホルダばねクリップ12を広げる一方、第1及び第2のヒューズプッシャフィンガ部34、40はヒューズ10の下側を回路カードアセンブリ14から押し離す(114)。
【0045】
ヒューズ10の取り付けはまた、ヒューズを第1及び第2のヒューズプッシャフィンガ部34、40に配置し、次いで、第1及び第2のヒューズホルダスプレッダフィンガ部32、38を使用してヒューズホルダばねクリップ12を広げることによっても容易になる。
【0046】
工具20を閉じた後、ヒューズ10及びヒューズホルダばねクリップ12に作用する力が互いに対抗するため、ヒューズ10を引き抜くのに必要な工具20の引張力が減少する。工具20は持ち運び可能であり、異なるタイプのヒューズに適応可能である。工具20はまた、ヒューズの取り付け及び取り外しに、これまで必要とされていた強い力に関する人間工学的な懸念にも対処する。
【0047】
前述の説明は、内部の制限によって定義されるのではなく、例示である。様々な非限定的な実施形態が本明細書に開示されるが、当業者であれば、上記の教示に照らし合わせて様々な修正例及び変更例は、添付の請求範囲の範囲内に入ることを理解するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲の範囲内で、本開示は、具体的に説明されたもの以外にも実施され得ることが理解されるべきである。その理由により、添付の請求範囲は、真の範囲及び内容を決定するために研究されるべきである。