IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 豊興工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電磁石 図1
  • 特許-電磁石 図2
  • 特許-電磁石 図3
  • 特許-電磁石 図4
  • 特許-電磁石 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】電磁石
(51)【国際特許分類】
   H01F 7/16 20060101AFI20240925BHJP
【FI】
H01F7/16 D
H01F7/16 E
H01F7/16 R
H01F7/16 N
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020069793
(22)【出願日】2020-04-08
(65)【公開番号】P2021166269
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000241267
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクトフルードパワーシステム
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 宣尚
【審査官】井上 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-067960(JP,A)
【文献】特開2011-185306(JP,A)
【文献】特開2006-279001(JP,A)
【文献】特開2013-096543(JP,A)
【文献】特開平09-306730(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0084195(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルへの通電により発生する吸引力で可動鉄心を固定鉄心に吸引する電磁石において、可動鉄心を固定鉄心と対向配置して筒状で磁性材から成るヨーク部材に軸方向へ移動自在に設け、可動鉄心はヨーク部材に軸方向へ移動自在に設けた個所における円状の横断面積をヨーク部材における円環状の横断面積と略同等に形成し、さらに、可動鉄心は固定鉄心と対向する個所をヨーク部材に軸方向へ移動自在に設けた個所より径方向外方に拡径して拡径部とし、可動鉄心と固定鉄心との対向面には円形の凹部と円柱状の凸部とを対向して2個を形成し、各凹部と各凸部はいずれも径方向中心を同心として相互に嵌合して設け、径方向中心にある凸部は径方向外方にある凸部より軸方向に突出して形成し、径方向中心にある凹部は径方向外方にある凹部より軸方向に窪んで形成し、径方向中心にある凹部、凸部は径方向外方にある凹部、凸部より軸方向寸法を大きく設定し、径方向外方にある凹部、凸部で可動鉄心に形成するものは拡径部にあることを特徴とする電磁石。
【請求項2】
前記凹部と前記凸部の各稜部には面取りを形成したことを特徴とする請求項1に記載の電磁石。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁に用いて好適な電磁石に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電磁石は、スプールを内部に設けた弁本体の一端に取付け、可動鉄心を軸方向へ移動自在にして固定鉄心と対向して配置し、コイルへの通電により発生する吸引力で可動鉄心を固定鉄心に吸引し、この吸引で可動鉄心がプッシュロッドを介してスプールを押して移動している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-70194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、かかる従来の電磁石では、可動鉄心を固定鉄心に吸引する吸引力特性は、図5に破線Aで示す如く、ストロークの0近傍で吸引力が急激に大きくなるため、必要以上に過大な吸引力が発生し、通電時の消費電力が大きくなるという問題点があった。
【0005】
本発明の課題は、可動鉄心を固定鉄心に吸引する通電時の消費電力を低減し得る電磁石を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を達成すべく、本発明は次の手段をとった。即ち、
コイルへの通電により発生する吸引力で可動鉄心を固定鉄心に吸引する電磁石において、可動鉄心を固定鉄心と対向配置して筒状で磁性材から成るヨーク部材に軸方向へ移動自在に設け、可動鉄心はヨーク部材に軸方向へ移動自在に設けた個所における円状の横断面積をヨーク部材における円環状の横断面積と略同等に形成し、さらに、可動鉄心は固定鉄心と対向する個所をヨーク部材に軸方向へ移動自在に設けた個所より径方向外方に拡径して拡径部とし、可動鉄心と固定鉄心との対向面には円形の凹部と円柱状の凸部とを対向して2個を形成し、各凹部と各凸部はいずれも径方向中心を同心として相互に嵌合して設け、径方向中心にある凸部は径方向外方にある凸部より軸方向に突出して形成し、径方向中心にある凹部は径方向外方にある凹部より軸方向に窪んで形成し、径方向中心にある凹部、凸部は径方向外方にある凹部、凸部より軸方向寸法を大きく設定し、径方向外方にある凹部、凸部で可動鉄心に形成するものは拡径部にあることを特徴とする電磁石がそれである。
【0007】
この場合、前記凹部と前記凸部の各稜部には面取りを形成してもよい。
【発明の効果】
【0008】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明は、可動鉄心を固定鉄心と対向配置して筒状で磁性材から成るヨーク部材に軸方向へ移動自在に設け、可動鉄心はヨーク部材に軸方向へ移動自在に設けた個所における円状の横断面積をヨーク部材における円環状の横断面積と略同等に形成し、さらに、可動鉄心は固定鉄心と対向する個所をヨーク部材に軸方向へ移動自在に設けた個所より径方向外方に拡径して拡径部とし、可動鉄心と固定鉄心との対向面には円形の凹部と円柱状の凸部とを対向して2個を形成し、各凹部と各凸部はいずれも径方向中心を同心として相互に嵌合して設け、径方向中心にある凸部は径方向外方にある凸部より軸方向に突出して形成し、径方向中心にある凹部は径方向外方にある凹部より軸方向に窪んで形成し、径方向中心にある凹部、凸部は径方向外方にある凹部、凸部より軸方向寸法を大きく設定し、径方向外方にある凹部、凸部で可動鉄心に形成するものは拡径部にある。このため、可動鉄心が固定鉄心に近づくストロークの0近傍で吸引力を急激に大きくしなければストロークの所望の位置で所望の吸引力を得ることができない従来の電磁石に比し、各凹部、凸部の相違する軸方向寸法に応じてストロークの複数の位置で吸引力を大きくすることができるから、ストロークの0近傍で吸引力を過大にする必要がなく、可動鉄心を固定鉄心に吸引する通電時の消費電力を低減することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、凹部と凸部の各稜部には面取りを形成した。このため、凹部と凸部が嵌合する際にバリ等による障害がなく、可動鉄心を円滑に移動することができる。また、可動鉄心を固定鉄心に吸着した状態で、可動鉄心と固定鉄心との間に面取りで隙間を形成することができるから、非通電で可動鉄心を固定鉄心から離間する際に、容易に離間すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態を示し、電磁石を電磁弁に適用した縦断面図である。
図2図1の作動状態を示す要部の拡大断面図である。
図3図2とは異なる作動状態を示す要部の拡大断面図である。
図4図3とは異なる作動状態を示す要部の拡大断面図である。
図5】一実施形態および従来技術のストロークと吸引力との吸引力特性を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態の電磁石を電磁弁に適用した図面に基づき説明する。
図1において、電磁弁は、弁本体1と、弁本体1の軸方向一端に取付けた第1電磁石2と、弁本体1の軸方向一端とは反対側の軸方向他端に取付けた第2電磁石部3と、弁本体1の上部に載置した端子箱Tとで構成している。
【0012】
弁本体1には、軸方向へ嵌装孔4を貫通して形成している。嵌装孔4には、スプール5を軸方向へ摺動自在に収装している。嵌装孔4の内周面には、軸方向の略中央に供給流路Pを、供給流路Pの軸方向両側に離間して負荷流路A、Bを、負荷流路A、Bの軸方向外側に離間して排出流路Rをそれぞれ環状に窪み形成している。供給流路Pは流体の圧力源に接続し、負荷流路A、Bは図示しないアクチュエータに接続し、排出流路Rは低圧側に接続している。スプール5は環状に突出してランド6を形成し、軸方向の移動でランド6が各流路P、A、B、Rを開閉して、各流路P、A、B、R間を切換連通する。スプール5の軸方向両端にはばね5A、5Bを配置し、ばね5A、5B力で各流路P、A、B、R間を遮断する中立位置にスプール5を位置保持している。
【0013】
弁本体1の軸方向一端に開口した嵌装孔4の一端開口には、第1電磁石2の円柱状の固定鉄心7を螺合し、第1電磁石2は弁本体1の軸方向一端に取り付け固定する。弁本体1の軸方向他端に開口した嵌装孔4の他端開口には、、第1電磁石2と同一構成の第2電磁石3を取り付け固定する。ここで、以下においては、第1電磁石2で代表して電磁石について説明する。同じ構成を有している。そこで、以下においては、第1電磁石部22で代表して電磁石部について説明する。
【0014】
第1電磁石2は、筒状ブロック8と、コイルブロック9と、カバー部材10と、スペーサ部材11と、ナット部材12と、ワッシャ部材13とから構成している。筒状ブロック8は、固定鉄心7と、可動鉄心14と、ヨーク部材15と、筒部材16と、プッシュロッド17と、押ピン部材18とから構成している。コイルブロック9は、コイル19と、コイルボビン20と、成形樹脂21とから構成している。
【0015】
筒状ブロック8は、固定鉄心7の弁本体1への螺合側とは反対側をヨーク部材15と対向配置し、固定鉄心7とヨーク部材15とを非磁性材から成る筒部材16で溶接により固着している。ヨーク部材15は筒状で磁性材から成り、固定鉄心7と対向する一端に嵌装孔22を開口して形成している。ヨーク部材15は一端の反対側となる他端を平坦面Hに形成し、平坦面Hの径方向中心から軸方向外方に向けて凸部15Aを突出形成している。可動鉄心14は円柱状で磁性材から成り、ヨーク部材15の嵌装孔22に軸方向へ摺動自在に嵌装している。ヨーク部材15における円環状の横断面積と、可動鉄心14における円状の横断面積とを略同等に形成している。ヨーク部材15の平坦面Hの面積は、ヨーク部材15の円環状の横断面積より大きく設けている。
【0016】
可動鉄心14には、径方向中心から偏心した位置に流通孔24を軸方向へ貫通形成し、流通孔24は可動鉄心14両端間の流体を流通自在として可動鉄心14両端間を圧力平衡する。プッシュロッド17は固定鉄心7の径方向中心に軸方向へ摺動自在に嵌装し、軸方向両端をスプール5と可動鉄心14にそれぞれ当接し、固定鉄心7への可動鉄心14の吸引作動に伴い、スプール5を押し込み作動する。押ピン部材18はヨーク部材15の凸部15Aに軸方向へ摺動自在に嵌装し、作業者がドライバー等の工具を用いて手動により外方から軸方向へ押し込み可能とし、可動鉄心14を固定鉄心7に向けて移動する。
【0017】
コイルブロック9は、円環状のコイルボビン20にコイル19を巻装し、成形樹脂21でモールドして一体成形する。スペーサ部材11は固定鉄心7に外嵌して弁本体1の軸方向一端に当接する。コイルブロック9は筒状ブロック8に外嵌してコイルボビン20の軸方向一端をスペーサ部材11に当接すると共に、コイルボビン9の軸方向他端をヨーク部材15の平坦面Hと面一にする。カバー部材10は底面Kを有する略コップ状で磁性材から成り、底面Kの径方向中心に貫通孔25を軸方向に貫通形成している。
【0018】
カバー部材10は、ヨーク部材15の凸部15Aを貫通孔25に貫通し、底面Kをヨーク部材15の平坦面Hに当接する。そして、カバー部材10は、コイルボビン9を覆い開口側端部をスペーサ部材11に係合する。ワッシャ部材13はヨーク部材15の凸部15Aに外嵌してカバー部材10に当接する。ナット部材12はヨーク部材15の凸部15Aに螺合し、回動操作によりカバー部材10をヨーク部材15に押し付け、底面Kを平坦面Hに圧接する。コイル19への通電で可動鉄心14を固定鉄心7に吸引する吸引力を発生する磁気回路は、可動鉄心14、固定鉄心7、スペーサ部材11、カバー部材10、ヨーク部材15で形成する。
【0019】
図2ないし図4に示す如く、可動鉄心14は、固定鉄心7との対向面に2個の円柱状の凸部25A、25Bを同心に形成している。凸部25Aは径方向中心にあり、凸部25Bは径方向外方にある。径方向中心にある凸部25Aは、径方向外方にある凸部25Bより軸方向へ図示左方向に突出して形成している。固定鉄心7は、可動鉄心14との対向面に2個の円形の凹部26A、26Bを同心に形成している。凹部26Aは径方向中心にあり、凹部26Bは径方向外方にある。径方向中心にある凹部26Aは、径方向外方にある凹部26Bより軸方向へ図示左方向に窪んで形成している。
【0020】
凹部26Aと凸部25Aおよび、凹部26Bと凸部25Bは同心で相互に嵌合自在に設けている。凸部25Aの軸方向寸法T1は凸部25Bの軸方向寸法T2より大きく設定している。凹部26Aの軸方向寸法U1は凹部26Bの軸方向寸法U2より大きく設定している。そして、凸部25Aの軸方向寸法T1と凹部26Aの軸方向寸法U1は略同寸法に設定し、凸部25Bの軸方向寸法T2と凹部26Bの軸方向寸法U2は略同寸法に設定している。
【0021】
凸部25Aの稜部には面取りC1を、凸部25Bの稜部には面取りC2を、凹部26Aの稜部には面取りC3を、凹部26Bの稜部には面取りC4をそれぞれ設け、各面取りC1~C4は略同寸法に形成している。そして、図2に示す如く、可動鉄心14の凸部25Aの面取りC1と固定鉄心7の凹部26Aの面取りC3とが最も接近する状態は、可動鉄心14を固定鉄心7に吸引する吸引力の磁束が面取りC1と面取りC3との間を流れる。この状態は、図5に実線Bで示す吸引力特性において、位置S1で吸引力F1となる点B1で示す。
【0022】
また、図3に示す如く、可動鉄心14の凸部25Bの面取りC2と固定鉄心7の凹部26Bの面取りC4とが最も接近する状態は、可動鉄心14を固定鉄心7に吸引する吸引力の磁束が面取りC2と面取りC4との間を流れる。この状態は、図5に示す吸引力特性の実線Bで、位置S2で吸引力F2となる点B2で示す。
【0023】
軸方向寸法T1、U1を変更すると位置S1を変更でき、軸方向寸法T2、U2を変更すると位置S2を変更できる。相互に嵌合する凹部26Aと凸部25Aの径方向寸法を変更すると、面取りC1とC3の円環状の面積が変更されて吸引力F1を変更できる。相互に嵌合する凹部26Bと凸部25Bの径方向寸法を変更すると、面取りC2とC4の円環状の面積が変更されて吸引力F2を変更できる。
【0024】
次に、かかる構成の作動を説明する。
図1の状態は、コイル19への非通電状態を示し、可動鉄心14は固定鉄心7から軸方向右方に離間した位置に停止している。スプール5は中立位置に位置し、各流路P、A、B、R間を遮断している。
【0025】
この状態で、コイル19に通電すると、可動鉄心14を固定鉄心7に吸引する吸引力が発生し、可動鉄心14は図1左方向へ摺動する。そして、図2の位置まで摺動すると、凸部25Aの面取りC1と凹部26Aの面取りC3とが最も接近して磁束が面取りC1と面取りC3との間を流れる。この状態は、図5に示す、吸引力特性の実線Bにおける点B1であり、位置S1で吸引力F1となる。
【0026】
さらに、可動鉄心14が図1左方向へ摺動して、図3の位置になると、凸部25Bの面取りC2と凹部26Bの面取りC4とが最も接近して磁束が面取りC2と面取りC4との間を流れる。この状態は、図5に示す、吸引力特性の実線Bにおける点B2であり、位置S2で吸引力F2となる。
【0027】
そして、可動鉄心14が固定鉄心7に吸着されて図4の位置になると、凸部25Aは凹部26Aに、凸部25Bは凹部26Bにそれぞれ嵌合する。スプール5は、ロッド部材17で図1左方向に押圧され、負荷流路Aを供給流路Pに切換連通して、負荷流路Bを排出流路Rに切換連通する。
【0028】
この状態で、コイル19を非通電にすると、可動鉄心14を固定鉄心7に吸引する吸引力がなくなり、スプール5はばね5B力で図示右方向へ摺動して図1位置に復帰し、各流路P、A、B、R間を遮断する。可動鉄心14はロッド部材17で図1右方向に押圧され、固定鉄心7から離間して図1位置に復帰する。
【0029】
また、図1の状態で、第2電磁石3に通電すると、スプール5は図1右方向に摺動し、負荷流路Aを排出流路Rに切換連通して、負荷流路Bを供給流路Pに切換連通する。そして、第2電磁石3を非通電にすると、スプール5はばね5A力で図1左方向へ摺動して図1位置に復帰し、各流路P、A、B、R間を遮断する。
【0030】
かかる作動において、可動鉄心14と固定鉄心7との対向面には円形の凹部26A、26Bと円柱状の凸部25A、25Bとを対向して複数個を形成し、各凹部26A、26Bと各凸部25A、25Bは同心で相互に嵌合して設け、径方向中心にある凸部25Aは径方向外方にある凸部25Bより軸方向に突出して形成し、径方向中心にある凹部26Aは径方向外方にある凹部26Bより軸方向に窪んで形成し、径方向中心にある凹部26A、凸部25Aと径方向外方にある凹部26B、凸部25Bとは軸方向寸法を相違した。このため、可動鉄心が固定鉄心に近づくストロークの0近傍で吸引力を急激に大きくしなければストロークの所望の位置で所望の吸引力を得ることができない従来の電磁石に比し、径方向中心にある凹部26A、凸部25Aおよび径方向外方にある凹部26B、凸部25Bの相違する軸方向寸法U1、T1と軸方向寸法U2、T2に応じてストロークの複数の位置で吸引力を大きくすることができるから、ストロークの0近傍で吸引力を過大にする必要がなく、可動鉄心14を固定鉄心7に吸引する通電時の消費電力を低減することができる。
【0031】
また、凹部26A、26Bと凸部25A、25Bの各稜部には面取りC1、C2、C3、C4を形成した。このため、凹部26Aと凸部25Aおよび凹部26Bと凸部25Bが嵌合する際にバリ等による障害がなく、可動鉄心14を円滑に移動することができる。また、可動鉄心14を固定鉄心7に吸着した状態で、可動鉄心14と固定鉄心7との間に面取りC1、C3および面取りC2、C4で隙間を形成することができるから、非通電で可動鉄心14を固定鉄心7から離間する際に、容易に離間すことができる。
【0032】
なお、前述の一実施形態では、電磁石を電磁弁に適用したが、他の用途に用いてもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0033】
7:固定鉄心
14:可動鉄心
19:コイル
25A、25B:凸部
26A、26B:凹部
T1、T2、U1、U2:軸方向寸法
図1
図2
図3
図4
図5