(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】浄水器
(51)【国際特許分類】
C02F 1/28 20230101AFI20240925BHJP
C02F 1/68 20230101ALI20240925BHJP
【FI】
C02F1/28 G
C02F1/68 510A
C02F1/68 510B
C02F1/68 520K
C02F1/68 520P
C02F1/68 530B
C02F1/68 540A
C02F1/68 540D
C02F1/68 540Z
(21)【出願番号】P 2020073863
(22)【出願日】2020-04-17
【審査請求日】2023-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】597047956
【氏名又は名称】株式会社サイテックス
(73)【特許権者】
【識別番号】508353075
【氏名又は名称】株式会社G.L.S
(73)【特許権者】
【識別番号】520135909
【氏名又は名称】霜田 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100103148
【氏名又は名称】山本 輝美
(72)【発明者】
【氏名】霜田 政雄
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-163974(JP,A)
【文献】特開2001-246370(JP,A)
【文献】登録実用新案第3120876(JP,U)
【文献】特開昭60-220107(JP,A)
【文献】特開平08-257559(JP,A)
【文献】特開2004-344691(JP,A)
【文献】河川水等を飲用水にできる浄水器の開発,国土強靱化 民間の取組事例集,[online],令和2年4月10日公開,[令和6年1月24日検索],インターネット,<https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11486165/www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokudo_kyoujinka/r2_minkan/pdf/030.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/28
1/44
1/66- 1/68
B01D 53/22
61/00-71/82
B01J 20/00-20/34
G21F 9/00- 9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分流器が設けられた原水流入部と、
該原水流入部を通って流入した原水が最初に流入し、活性炭と麦飯石が充填された外層と、
該外層を通過した水が次に流入し、サンゴ石が充填された中間層と、
該中間層を通過した水が流入し、活性炭と貴陽石が充填された内層と、
で構成される浄水生成カートリッジを備え、
前記分流器は凸状の複数の回転羽根を備え、該回転羽根を回転して、
前記浄水生成カートリッジが上部に位置する基台の中心に設けられた開口から流入する原水を旋回流として前記外層に均一に分散して供給し、
前記原水に含まれるヨウ素やセシウムを除去す
る飲料水を生成することを特徴とする浄水器。
【請求項2】
ヨウ素やセシウムを含む原水が入った容器と、
先端にフィルタが取り付けられホースを介して、前記容器から前記原水を吸引し、原水流入部に前記原水を供給する足踏みポンプと、
活性炭と麦飯石が充填された外層と、サンゴ石が充填された中間層と、活性炭と貴陽石が充填された内層と、を備えた浄水生成カートリッジと、
を備えた簡易型浄水システムであって、
前記原水流入部には分流器が設けられ、該分流器は
凸状の複数の回転羽根を備え、該回転羽根を回転して、
前記浄水生成カートリッジが上部に位置する基台の中心に設けられた開口から流入する原水を旋回流として前記外層に均一に分散して供給し、
前記浄水生成カートリッジから前記原水に含まれるヨウ素やセシウムを除去す
る飲料水を生成することを特徴とする簡易型浄水システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機汚染物質や細菌等を含む原水を浄化し、飲料水として給水を可能とすると共に、人体の超極小細孔に吸収し易くすると共に、活性酵素の減少効果とそれに伴う腸内酵素の働きを活性化する浄水器に関する。ここで原水とは、雨水、河川水、水道水、又は汚水等を言う。
【背景技術】
【0002】
今日、各地の天然水が話題になり、この天然水を再現し、更に力のある水にするための活性水を生成する装置の発明を開示する(特許文献1)。
【0003】
この発明は、活性炭が封入された活性炭ケースと、中空糸膜を保持する中空糸膜ケースとを一体構造とし、活性炭又は抗菌活性炭ケースに設けた給水口から水を流入し、活性炭により残留塩素や雑菌類を除去し、活性水を生成する装置である。ここで言う活性水とは、細胞に吸収され易く、腸内酵素の活性化を意味する。
【0004】
上記従来の発明では活性炭が使用され、ミネラル水としての意味はある。しかし、より健康によい水である点については充分ではない。例えば、ヨウ素やセシウム等に汚染された水や、ネコカリシウイルス等の細菌類に汚染された水を浄化することは十分ではなく、水の電気分解を伴うものが多く、また身体のPHを狂わせる場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明はヨウ素やセシウム等に汚染された水や、ネコカリシウイルス等の細菌類に汚染された水を浄化すると共に、人体の超極小細孔であるタンパク質細胞に透水する飲料水を効率良く生成させ、酵素活性力を向上させる浄水器を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は本発明によれば、分流器が設けられた原水流入部と、該原水流入部を通って流入した原水が最初に流入し、活性炭と麦飯石が充填された外層と、該外層を通過した水が次に流入し、サンゴ石が充填された中間層と、該中間層を通過した水が流入し、活性炭と貴陽石が充填された内層と、で構成される浄水生成カートリッジを備え、前記分流器は凸状の複数の回転羽根を備え、該回転羽根を回転して、前記浄水生成カートリッジが上部に位置する基台の中心に設けられた開口から流入する原水を旋回流として前記外層に均一に分散して供給し、前記原水に含まれるヨウ素やセシウムを除去する飲料水を生成する浄水器を提供することによって達成できる。
【0008】
また、前記原水流入部に設けられた分流器は流入する原水を所定方向に分流し、前記外層に原水を供給することを特徴とする。特に、前記分流器は固定又は回転し、流入した原水を均一にカートリッジ内の各層に配分することを特徴とする。
【0009】
また、上記課題は本発明によれば、原水が入った容器と、先端にフィルタが取り付けられホースを介して、前記容器から前記原水を吸引し、前記原水流入部に前記原水を供給する足踏みポンプと、前記活性炭と麦飯石が充填された外層と、前記サンゴ石が充填された中間層と、活性炭と貴陽石が充填された内層と、を備えた浄水生成カートリッジと、を備えた簡易型浄水システムであって、該浄水生成カートリッジから前記原水に含まれる化学物質、細菌類を除去すると共に、人体の超極小細孔であるタンパク質細胞に透水する飲料水を生成する簡易型浄水システムを提供することによって達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図4】ヨウ素やセシウム等に汚染された原水について、本発明の浄水器を使用した検査結果を説明する図である。
【
図5】本発明の浄水器を使用した簡易型浄水システムの構成図である。
【
図6】先端にフィルタを取り付けたホースの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の浄水器(腸内酵素等活性水生成浄水器)1の断面図であり、本例の浄水器1の下方には給水部2が設けられ、上方には出力部3が設けられている。浄水器1の給水部2にはホース4が取り付けられ、ホース4の他端にはポンプを介して後述する容器(例えば、バケツ)から原水が供給される。
【0012】
一方、出力部3からは浄水器1内の各材料の機能フローシステムによって化学物質や細菌類が除去され、人体の超極小細孔であるタンパク質細胞に透水する活性水が出力される。この活性水は、抗菌パイプ5を通してコップ等の容器6に供給される。
【0013】
本例の浄水器1の筐体7の内部には、中空糸膜カートリッジ8、及び基台9が配設されている。この基台9の上部に活性水生成カートリッジ10が配設され、この活性水生成カートリッジ10上に、上記中空糸膜カートリッジ8が取り付けられている。また、基台9の上面には、大径部、中径部、小径部と順次縮径された凹部が形成され、中心部に設けた円筒状の給水口11には逆止弁12が設けられている。
【0014】
図2は基台9の構造を示す図である。基台9の中心には円形の開口19が設けられており、この開口19を介して活性水生成カートリッジ10に原水が供給される。また、この基台9には分流器20が取り付けられている。
【0015】
図3はこの分流器20の斜視図である。この分流器20には凸状の複数の回転羽根20a、20b、・・が配設され、この回転羽根20a、20b、・・に前述の開口19を介して供給された原水が流入する。このように構成することによって、本例の浄水器1に供給される原水は適切に活性水生成カートリッジ10内に分散して供給される。尚、浄水器1に供給される原水は、前述のように、雨水、河川水、水道水、又は汚水等である。
【0016】
ここで、この分流器20を固定又は回転させ、流入した原水を活性水生成カートリッジ10内に分散して供給することによって、原水に含まれる化学物質や細菌類の除去を促進させ、活性力のある飲料水の生成を促進させることができる。ここで、水の活性力とは、界面活性力、酵素活性力を言う。
【0017】
活性水生成カートリッジ10は円筒状に形成され、前述の
図1に示すように3層で構成されている。先ず、活性水生成カートリッジ10の外壁13と隔壁14との間に上下に長い外層15が形成され、隔壁14と隔壁16の間に中間層17が形成され、更に隔壁16内に内層18が形成されている。尚、内層18の上部には、不織布からなるフィルタ19が配設されている。
【0018】
また、隔壁14の上部にはスリットが形成され外層15と中間層17を連通し、隔壁16の下端部にもスリットが形成され中間層17と内層18を連通している。同図に示すように、外層15には所定量の活性炭21と麦飯石22が充填され、例えば外層15の下層に活性炭21が充填され、外層15の上層に麦飯石22が充填されている。
【0019】
活性炭21は塩素や、クロロホルム、ブロロホルム、プロモジクロルメタン等のトリハロメタン、その他の汚染物質を吸着する。また、麦飯石22は無水ケイ素やアルミナ等の10種以上の成分から成り、例えば1cm2当たり8万3千の孔が形成され、その孔径が10~30ナノmmであり、ウイルスが通過できない孔径であり、雑菌の吸着や化学物質の吸着を行う。
【0020】
また、中間層17には雑菌の吸着や浄水を行うサンゴ石23が充填されている。サンゴ石23は90%が炭酸カルシウムであり、炭酸マグネシウムが7%ほどであり、その他20種類以上の微量成分で構成され、上記麦飯石22と同様、多孔質であり、異物を吸着し、水を浄化すると共に、ミネラル分を補充し、水をまろやかにする。
【0021】
さらに、内層18の下部には所定量の活性炭24が充填され、内層18の上部に所定量の貴陽石25が充填されている。ここで使用される活性炭24は上記活性炭21によって除去出来なかった汚染物質を吸着し、更に異物を最終的に吸着する。
【0022】
貴陽石25は天然イオン石であり、学名長石の一種であり、約6500万年前の地殻変動に伴う高温熱水作用によって形成された特殊鉱物であり、太古から延々と引き継がれた貴重な遺産であり、マイナスイオンの発生量が他の鉱物より圧倒的に多く、また遠赤外線の放射率やテラヘルツ波の発生にも優れ、更に水に接することによって水を改善する能力にも優れている。さらに、細胞への透過性を大幅に改善する。あえて、特別能力として、例えばヨウ素、セシウム等を除去する。
【0023】
本例で使用する貴陽石25は原石を粉砕加工し、球状に造粒したものを高温焼成したものであり、100%長石だけを特殊な方法で焼成したものである。上記のように水を通す孔のあるタンパク質であり、細胞膜の中にあり、細胞内にこのタンパク質の微小な孔を通して水分を補給する。したがって、貴陽石25により改善する水を生成することによって、例えば腸内酵素の働きを活発にし、体脂肪に吸収し易い水を生成する。
【0024】
さらに、
図4はヨウ素やセシウム等に汚染された水について、本例の浄水器1を使用した検査結果を示すものである。尚、測定方法は、緊急時における放射能測定マニュアルに基づくものであり、同図(a)は雨水槽底水のヨウ素及びセシウムを測定した結果を示すものであり、同図(b)は同じ雨水槽底水に対して本例の浄水器1を通した結果を示すものである。
【0025】
具体的には本例の浄水器1を使用する前の雨水槽底水のヨウ素(I131)が89Bq/Kgであったが、本例の浄水器1を使用した結果、ヨウ素(I131)は検出されなかった。また、セシウム(Cs134)についても、本例の浄水器1を使用する前の雨水槽底水のセシウム(Cs134)が220Bq/Kgであったが、本例の浄水器1を使用した結果、セシウム(Cs134)は検出されなかった。
【0026】
さらに、セシウム(Cs137)についても、本例の浄水器1を使用する前の雨水槽底水のセシウム(Cs137)が242Bq/Kgであったが、本例の浄水器1を使用した結果、セシウムセシウム(Cs137)は検出されなかった。
【0027】
このように、本例の浄水器1では、河川水や雨水等を浄化し、体に良く、美味しい水を提供できるだけではなく、全身のあらゆる臓器の細胞を活性化する水を生成すると共に、ヨウ素やセシウム等に汚染された河川水や雨水等を浄化することができる。
【0028】
図5は上記浄水器1を使用した簡易型浄水システムの構成図である。
本例の簡易型浄水システムは上記浄水器1と足踏みポンプ30で構成され、例えば河川水や雨水等が入った容器(例えば、バケツ)31の原水32の浄化を行う。浄水器1と足踏みポンプ30との接続は、前述の浄水器1のホース4を使用し、ホース4の他端に足踏みポンプ30を接続する。また足踏みポンプ30とバケツ31とはホース33によって接続する。
【0029】
尚、バケツ等の容器31には上記のように雨水や河川水等の原水が入っており、フィルタを介して浄水器1に供給する必要がある。この為、
図6に示すように、例えば先端にフィルタ35を取り付けたホース33を使用する。
【0030】
このように簡易型浄水システムを構成することによって、
図5に示すように足踏みポンプ30を足34で踏む(押す)ことによって、容器31に入った原水32はホース33を通して足踏みポンプ30に入り、更にホース4を通して浄水器1に送られる。そして、浄水器1に流入した原水32は前述のように浄水器1によって浄化される。
【0031】
すなわち、活性炭21や麦飯石22を通ることによって原水32に含まれる雑菌等が除去され、貴陽石25を通ることによって、マイナスイオンが多量に付与された飲みやすく、おいしい水となったミネラル活水に浄化することができる。
【0032】
さらに、本例の浄水器1によれば、ヨウ素やセシウム等に汚染された原水や、ネコカリシウイルス等の細菌類に汚染された原水を浄化することができ、更に人体の超極小細孔であるタンパク質細胞に透水する飲料水を効率良く生成することができる。
【0033】
また、上記説明では本例の浄水器1によってヨウ素やセシウムを除去する実験結果を示したが、例えばトリチウムやウラン、ストロンチウム、ポロニウム等についても、同様に除去が可能である。
【0034】
このように、本例の浄水器1を使用した簡易型浄水システムによれば、容器31に入った原水32を簡単に浄化することができ、例えば災害等によって飲み水が緊急に必要になった場合でも、上記簡易型浄水システムを使用することによって、容易に原水32を浄化して汚染のない飲料水を提供することができる。
【符号の説明】
【0035】
1・・・浄水器
2・・・給水部
3・・・出力部
4・・・ホース
5・・・抗菌パイプ
6・・・容器
7・・・筐体
8・・・中空糸膜カートリッジ
9・・・基台
10・・活性水生成カートリッジ
11・・給水口
12・・逆止弁
13・・外壁
14・・隔壁
15・・外層
16・・隔壁
17・・中間層
18・・内層
20・・分流器
21・・活性炭
22・・麦飯石
23・・サンゴ石
24・・活性炭
25・・貴陽石
30・・足踏みポンプ
31・・容器
32・・原水
33・・ホース
34・・足
35・・フィルタ