(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】転倒判定装置、携帯端末、通信装置及び転倒判定プログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 21/02 20060101AFI20240925BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240925BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20240925BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
G08B21/02
G08B25/04 K
G08B25/10 D
H04M1/00 R
(21)【出願番号】P 2020084765
(22)【出願日】2020-05-13
【審査請求日】2023-04-28
(31)【優先権主張番号】P 2020003016
(32)【優先日】2020-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【氏名又は名称】田中 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】吉川 尚志
(72)【発明者】
【氏名】對馬 肩吾
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-179116(JP,A)
【文献】特開2016-081293(JP,A)
【文献】特開2014-216737(JP,A)
【文献】特開2016-208335(JP,A)
【文献】特開2019-133385(JP,A)
【文献】特表2012-506084(JP,A)
【文献】特開2013-003815(JP,A)
【文献】特開2009-031195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 19/00-21/24,25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末の加速度センサから、前記携帯端末の加速度の情報と、前記携帯端末の回転運動のパラメータの情報と、を取得する加速度取得部と、
前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒する時刻より前の時刻における、又は、前記携帯端末が水面又は地面に自由落下する時刻より前の時刻における、前記携帯端末の加速度の大きさと、前記携帯端末の回転運動のパラメータの大きさと、に基づいて、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことと、前記携帯端末が水面又は地面に自由落下したことと、のいずれかを判定する転倒判定部と、
を備えることを特徴とする転倒判定装置。
【請求項2】
前記転倒判定部は、前記携帯端末の加速度の大きさが所定閾値以下である時間内に、前記携帯端末の回転運動のパラメータの大きさが所定閾値以上であることに基づいて、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを判定する
ことを特徴とする、請求項1に記載の転倒判定装置。
【請求項3】
前記転倒判定部は、前記携帯端末の加速度の大きさが所定閾値以下である時間内に、前記携帯端末の回転運動のパラメータの大きさが所定閾値より小さいことに基づいて、前記携帯端末が水面又は地面に自由落下したことを判定する
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の転倒判定装置。
【請求項4】
前記転倒判定部は、
前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒する時刻より前の時刻における、又は、前記携帯端末が水面又は地面に自由落下する時刻より前の時刻における、前記携帯端末の加速度の大きさと、前記携帯端末の回転運動のパラメータの大きさと、を入力データとし、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことと、前記携帯端末が水面又は地面に自由落下したことと、を示すビット値を教師データとし、前記入力データ及び前記教師データを用いて学習する
ことを特徴とする、請求項1に記載の転倒判定装置。
【請求項5】
前記加速度取得部は、前記携帯端末の回転運動のパラメータの情報として、前記携帯端末の角速度、角加速度、角運動量、角運動量の時間微分、回転エネルギー及び回転エネルギーの時間微分のうちの少なくともいずれか一つの情報を取得する
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の転倒判定装置。
【請求項6】
前記転倒判定部は、前記携帯端末の加速度の情報及び前記携帯端末の回転運動のパラメータの情報から、水面上の波浪による船舶の動揺の成分又は前記加速度センサのノイズの成分を除去する
ことを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の転倒判定装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の転倒判定装置を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項8】
自携帯端末との間の距離が所定距離より近い又は自携帯端末との間の連携が予め設定された通信装置に対して、自携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを通知することを特徴とする、請求項7に記載の携帯端末。
【請求項9】
自携帯端末との間の距離が前記所定距離より近い又は自携帯端末との間の連携が予め設定された前記通信装置に対して、自携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒した位置を通知することを特徴とする、請求項8に記載の携帯端末。
【請求項10】
自携帯端末との間の距離が前記所定距離より近い又は自携帯端末との間の連携が予め設定された前記通信装置に対して、自携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒するまでの自携帯端末の現在位置を通知することを特徴とする、請求項8に記載の携帯端末。
【請求項11】
自通信装置との間の距離が前記所定距離より近い又は自通信装置との間の連携が予め設定された請求項8に記載の携帯端末から、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを通知された後に、自通信装置と前記携帯端末との間の通信が途絶えたことに基づいて、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを警告することを特徴とする通信装置。
【請求項12】
自通信装置との間の距離が前記所定距離より近い又は自通信装置との間の連携が予め設定された請求項9に記載の携帯端末から、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒した位置を通知された時に、自通信装置と前記携帯端末との間の距離が前記所定距離より遠くなったことに基づいて、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを警告することを特徴とする通信装置。
【請求項13】
自通信装置との間の距離が前記所定距離より近い又は自通信装置との間の連携が予め設定された請求項10に記載の携帯端末から、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを通知された時に、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを警告するとともに、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒するまでの前記携帯端末の最新位置を表示することを特徴とする通信装置。
【請求項14】
請求項1から6のいずれかに記載の転倒判定装置としてコンピュータを機能させるための転倒判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを判定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末の所持者が登山中に滑落したことと、携帯端末が登山中に自由落下したことと、のいずれかを判定する技術が、特許文献1、2に開示されている。
【0003】
ここで、特許文献1では、携帯端末の加速度センサを用いて、携帯端末の角速度が有限値である時間が基準値(0.7秒等)以上であるときには、携帯端末の所持者が登山中に滑落したことを判定する一方で、携帯端末の角速度が有限値である時間が基準値(0.7秒等)より短いときには、携帯端末が登山中に自由落下したことを判定する。
【0004】
そして、特許文献2では、携帯端末の気圧センサを用いて、携帯端末の高度低下速度が所定閾値(自由落下閾値等)以上であるときには、携帯端末の所持者が登山中に滑落したことと、携帯端末が登山中に自由落下したことと、のいずれかを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-049065号公報
【文献】特許第6510368号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2を応用して、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことと、携帯端末が水面又は地面に自由落下したことと、のいずれかを判定することが考えられる。
【0007】
ここで、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒する時間は、約1秒である。一方で、携帯端末が水面又は地面に自由落下する時間は、約0.5秒である。そして、約1秒又は約0.5秒の時間内に、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことと、携帯端末が水面又は地面に自由落下したことと、のいずれかを判定及び通信する必要がある。
【0008】
しかし、特許文献1では、携帯端末の加速度センサを用いて、携帯端末の角速度が有限値である時間が基準値(0.7秒等)以上であるかどうかを判定するため、約1秒又は約0.5秒の時間内に、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことと、携帯端末が水面又は地面に自由落下したことと、のいずれかを判定及び通信することが困難である。
【0009】
そして、特許文献2では、携帯端末の気圧センサを用いて、携帯端末の高度低下速度が所定閾値(自由落下閾値等)以上であるかどうかを判定するため、約1秒又は約0.5秒の時間内に、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことと、携帯端末が水面又は地面に自由落下したことと、のいずれかを高精度に判定及び通信することが困難である。
【0010】
そこで、前記課題を解決するために、本開示は、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒する時間内(約1秒)に、又は、携帯端末が水面又は地面に自由落下する時間内(約0.5秒)に、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことと、携帯端末が水面又は地面に自由落下したことと、のいずれかを高精度に判定及び通信することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、携帯端末の加速度の大きさと、携帯端末の回転運動のパラメータの大きさと、に基づいて、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことと、携帯端末が水面又は地面に自由落下したことと、のいずれかを判定することとした。
【0012】
ここで、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒するときには、携帯端末の加速度は、重力加速度と遠心加速度との合成加速度であり、1Gより若干小さくなる時間があり、携帯端末の回転運動のパラメータは、携帯端末の所持者の転倒前の無回転に関わらず、位置エネルギーから回転運動エネルギーへの変換により、大きくなる時間がある。
【0013】
一方で、携帯端末が水面又は地面に自由落下するときには、携帯端末の加速度は、重力加速度と慣性加速度との合成加速度であり、0Gとなる時間があり、携帯端末の回転運動のパラメータは、携帯端末の自由落下前の無回転に加えて、位置エネルギーから直線運動エネルギーへの変換のみで、角運動量の保存により、大きくなる時間がない。
【0014】
そして、携帯端末の加速度が小さいことと、携帯端末の回転運動のパラメータが大きいかどうかと、を判定した時刻から、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒する時刻まで、又は、携帯端末が水面又は地面に自由落下する時刻まで、十分な時間が残っている。
【0015】
具体的には、本開示は、携帯端末の加速度センサから、前記携帯端末の加速度の情報と、前記携帯端末の回転運動のパラメータの情報と、を取得する加速度取得部と、前記携帯端末の加速度の大きさと、前記携帯端末の回転運動のパラメータの大きさと、に基づいて、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことと、前記携帯端末が水面又は地面に自由落下したことと、のいずれかを判定する転倒判定部と、を備えることを特徴とする転倒判定装置である。
【0016】
この構成によれば、携帯端末の加速度センサを用いて、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒する時間内(約1秒)に、又は、携帯端末が水面又は地面に自由落下する時間内(約0.5秒)に、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことと、携帯端末が水面又は地面に自由落下したことと、のいずれかを高精度に判定及び通信することができる。
【0017】
また、本開示は、前記転倒判定部は、前記携帯端末の加速度の大きさが所定閾値以下である時間内に、前記携帯端末の回転運動のパラメータの大きさが所定閾値以上であることに基づいて、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを判定することを特徴とする転倒判定装置である。
【0018】
この構成によれば、携帯端末の加速度が小さいことと、携帯端末の回転運動のパラメータが大きいことと、に基づいて、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを判定することができる。そして、携帯端末の動揺の影響を受けやすい携帯端末の回転運動のパラメータを判定する前に、携帯端末の動揺の影響を受けにくい携帯端末の加速度を判定するため、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを誤判定しないことができる。
【0019】
また、本開示は、前記転倒判定部は、前記携帯端末の加速度の大きさが所定閾値以下である時間内に、前記携帯端末の回転運動のパラメータの大きさが所定閾値より小さいことに基づいて、前記携帯端末が水面又は地面に自由落下したことを判定することを特徴とする転倒判定装置である。
【0020】
この構成によれば、携帯端末の加速度が小さいことと、携帯端末の回転運動のパラメータが小さいことと、に基づいて、携帯端末が水面又は地面に自由落下したことを判定することができる。そして、携帯端末の動揺の影響を受けやすい携帯端末の回転運動のパラメータを判定する前に、携帯端末の動揺の影響を受けにくい携帯端末の加速度を判定するため、携帯端末が水面又は地面に自由落下したことを誤判定しないことができる。
【0021】
また、本開示は、前記転倒判定部は、前記携帯端末の加速度の大きさと、前記携帯端末の回転運動のパラメータの大きさと、を入力データとし、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことと、前記携帯端末が水面又は地面に自由落下したことと、を示すビット値を教師データとし、前記入力データ及び前記教師データを用いて学習することを特徴とする転倒判定装置である。
【0022】
この構成によれば、携帯端末の加速度及び回転運動のパラメータの所定閾値を技術者が設定するまでもなく、携帯端末の加速度及び回転運動のパラメータの教師データを用いて機械的に学習させるのみにより、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことと、携帯端末が水面又は地面に自由落下したことと、のいずれかを高精度に判定することができる。
【0023】
また、本開示は、前記加速度取得部は、前記携帯端末の回転運動のパラメータの情報として、前記携帯端末の角速度、角加速度、角運動量、角運動量の時間微分、回転エネルギー及び回転エネルギーの時間微分のうちの少なくともいずれか一つの情報を取得することを特徴とする転倒判定装置である。
【0024】
この構成によれば、携帯端末の角速度、角加速度、角運動量、角運動量の時間微分、回転エネルギー及び回転エネルギーの時間微分のうちのいずれか一つ又は組み合わせを用いることにより、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことと、携帯端末が水面又は地面に自由落下したことと、のいずれかを高精度に判定することができる。
【0025】
また、本開示は、前記転倒判定部は、前記携帯端末の加速度の情報及び前記携帯端末の回転運動のパラメータの情報から、水面上の波浪による船舶の動揺の成分又は前記加速度センサのノイズの成分を除去することを特徴とする転倒判定装置である。
【0026】
この構成によれば、携帯端末の加速度及び回転運動のパラメータの情報から、船舶の動揺の成分又は加速度センサのノイズの成分のみを除去したうえで、携帯端末の所持者の転倒の成分又は携帯端末の自由落下の成分のみを抽出するため、携帯端末の所持者が水面に転倒したことと、携帯端末が水面に自由落下したことと、のいずれかを高精度に判定することができる。
【0027】
また、本開示は、上記の転倒判定装置を備えることを特徴とする携帯端末である。
【0028】
この構成によれば、携帯端末の加速度センサを用いて、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒する時間内(約1秒)に、又は、携帯端末が水面又は地面に自由落下する時間内(約0.5秒)に、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことと、携帯端末が水面又は地面に自由落下したことと、のいずれかを高精度に判定及び通信することができる。
【0029】
また、本開示は、自携帯端末との間の距離が所定距離より近い又は自携帯端末との間の連携が予め設定された通信装置に対して、自携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを通知することを特徴とする携帯端末である。
【0030】
この構成によれば、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを、携帯端末の所持者との間の近接者又は関係者に対して早期に通知することができる。
【0031】
また、本開示は、自携帯端末との間の距離が前記所定距離より近い又は自携帯端末との間の連携が予め設定された前記通信装置に対して、自携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒した位置を通知することを特徴とする携帯端末である。
【0032】
この構成によれば、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒した位置を、携帯端末の所持者との間の近接者又は関係者に対して早期に通知することができる。
【0033】
また、本開示は、自携帯端末との間の距離が前記所定距離より近い又は自携帯端末との間の連携が予め設定された前記通信装置に対して、自携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒するまでの自携帯端末の現在位置を通知することを特徴とする携帯端末である。
【0034】
この構成によれば、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒した時に、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒した位置を通知することができなくても、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒するまでの携帯端末の最新位置を、携帯端末の所持者との間の近接者又は関係者に対して確実に通知することができる。
【0035】
また、本開示は、自通信装置との間の距離が前記所定距離より近い又は自通信装置との間の連携が予め設定された上記の携帯端末から、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを通知された後に、自通信装置と前記携帯端末との間の通信が途絶えたことに基づいて、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを警告することを特徴とする通信装置である。
【0036】
この構成によれば、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒した後に、携帯端末が水面下で通信できないこと又は地面上で破壊されたことに基づいて、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを、携帯端末の所持者との間の近接者又は関係者に対して高精度に警告することができる。
【0037】
また、本開示は、自通信装置との間の距離が前記所定距離より近い又は自通信装置との間の連携が予め設定された上記の携帯端末から、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒した位置を通知された時に、自通信装置と前記携帯端末との間の距離が前記所定距離より遠くなったことに基づいて、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを警告することを特徴とする通信装置である。
【0038】
この構成によれば、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒した後に、携帯端末が水面上で流されたこと又は地面上で遠ざかったことに基づいて、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを、携帯端末の所持者との間の近接者又は関係者に対して高精度に警告することができる。
【0039】
また、本開示は、自通信装置との間の距離が前記所定距離より近い又は自通信装置との間の連携が予め設定された上記の携帯端末から、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを通知された時に、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことを警告するとともに、前記携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒するまでの前記携帯端末の最新位置を表示することを特徴とする通信装置である。
【0040】
この構成によれば、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒した時に、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒した位置を取得することができなくても、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことと、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒するまでの携帯端末の最新位置を、携帯端末の所持者との間の近接者又は関係者に対して確実に警告及び表示することができる。
【0041】
また、本開示は、上記の転倒判定装置としてコンピュータを機能させるための転倒判定プログラムである。
【0042】
この構成によれば、携帯端末の加速度センサを用いて、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒する時間内(約1秒)に、又は、携帯端末が水面又は地面に自由落下する時間内(約0.5秒)に、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことと、携帯端末が水面又は地面に自由落下したことと、のいずれかを高精度に判定及び通信することができる。
【発明の効果】
【0043】
このように、本開示は、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒する時間内(約1秒)に、又は、携帯端末が水面又は地面に自由落下する時間内(約0.5秒)に、携帯端末の所持者が水面又は地面に転倒したことと、携帯端末が水面又は地面に自由落下したことと、のいずれかを高精度に判定及び通信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】本開示の転倒判定システムの構成を示す図である。
【
図2】本開示の転倒判定処理の手順を示す図である。
【
図3】携帯端末の所持者の転倒時における、携帯端末の転倒角、角速度及び加速度の時間変化のシミュレーション結果を示す図である。
【
図4】携帯端末の所持者の転倒時における、携帯端末の加速度、角速度及び角加速度の時間変化のシミュレーション結果を示す図である。
【
図5】携帯端末の所持者の転倒時における、携帯端末の加速度、角運動量及び回転エネルギーの時間変化のシミュレーション結果を示す図である。
【
図6】携帯端末の所持者の転倒時における、携帯端末の加速度、角速度及び角加速度の時間変化の実験結果を示す図である。
【
図7】携帯端末の所持者の転倒時における、携帯端末の加速度、角運動量及び回転エネルギーの時間変化の実験結果を示す図である。
【
図8】携帯端末の自由落下時における、携帯端末の加速度、角速度及び角加速度の時間変化の実験結果を示す図である。
【
図9】携帯端末の自由落下時における、携帯端末の加速度、角運動量及び回転エネルギーの時間変化の実験結果を示す図である。
【
図10】携帯端末の所持者の転倒時及び携帯端末の自由落下時における、携帯端末の角速度、角加速度、角運動量及び回転エネルギーの最大値の実験結果を示す図である。
【
図11】携帯端末の加速度及び回転パラメータに対する所定閾値を示す図である。
【
図12】本開示の他の転倒判定処理の手順を示す図である。
【
図13】本開示の転倒判定システムの適用例を示す図である。
【
図14】本開示の転倒判定システムの構成例を示す図である。
【
図15】本開示の第1の転倒警告処理の手順を示す図である。
【
図16】本開示の第2の転倒警告処理の手順を示す図である。
【
図17】本開示の第3の転倒警告処理の手順を示す図である。
【
図18】本開示の第4の転倒警告処理の手順を示す図である。
【
図19】本開示の第5の転倒警告処理の手順を示す図である。
【
図20】本開示の第6の転倒警告処理の手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
添付の図面を参照して本開示の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本開示の実施の例であり、本開示は以下の実施形態に制限されるものではない。
【0046】
(閾値設定を用いる転倒判定)
本開示の転倒判定システムの構成を
図1に示す。本開示の転倒判定処理の手順を
図2に示す。転倒判定システムFは、携帯端末1及びサーバ装置2を備える。携帯端末1は、加速度センサ11、加速度取得部12、転倒判定部13及び無線通信部14を備え、
図2に示した転倒判定プログラムを携帯端末1にインストールすることにより実現可能である。サーバ装置2は、無線通信部21及び転倒警告部22を備え、
図2に示した転倒警告プログラムをコンピュータにインストールすることにより実現可能である。
【0047】
本開示では、携帯端末1の加速度の大きさと、携帯端末1の回転運動のパラメータの大きさと、に基づいて、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことと、携帯端末1が水面又は地面に自由落下したことと、のいずれかを判定することとした。
【0048】
ここで、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒するときには、携帯端末1の加速度は、重力加速度と遠心加速度との合成加速度であり、1Gより若干小さくなる時間があり、携帯端末1の回転運動のパラメータは、携帯端末1の所持者の転倒前の無回転に関わらず、位置エネルギーから回転運動エネルギーへの変換により、大きくなる時間がある。
【0049】
一方で、携帯端末1が水面又は地面に自由落下するときには、携帯端末1の加速度は、重力加速度と慣性加速度との合成加速度であり、0Gとなる時間があり、携帯端末1の回転運動のパラメータは、携帯端末1の自由落下前の無回転に加えて、位置エネルギーから直線運動エネルギーへの変換のみで、角運動量の保存により、大きくなる時間がない。
【0050】
そして、携帯端末1の加速度が小さいことと、携帯端末1の回転運動のパラメータが大きいかどうかと、を判定した時刻から、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒する時刻まで、又は、携帯端末1が水面又は地面に自由落下する時刻まで、十分な時間が残っている。そこで、
図2に示した転倒判定処理及び転倒警告処理を実行することができる。
【0051】
加速度取得部12は、携帯端末1の加速度センサ11から、携帯端末1の加速度の情報と、携帯端末1の回転運動のパラメータの情報と、を取得する(ステップS1)。ここで、加速度取得部12は、携帯端末1の回転運動のパラメータの情報として、携帯端末1の角速度、角加速度、角運動量、角運動量の時間微分、回転エネルギー及び回転エネルギーの時間微分のうちの少なくともいずれか一つの情報を取得する(ステップS1)。
【0052】
転倒判定部13は、携帯端末1の加速度の情報及び携帯端末1の回転運動のパラメータの情報から、水面上の波浪による船舶の動揺の成分又は加速度センサ11のノイズの成分を除去する(ステップS2)。なお、転倒判定部13として、アダプティブフィルタ及びローパスフィルタを含むデジタルフィルタを用いることができる。また、水面上の波浪による船舶の動揺の加速度として、波高30cmであり周期2秒であれば、d2/dt2(0.3sin(2*3.14*0.5t))を計算すると最大値は約0.3Gとなる。さらに、特に携帯端末1の回転運動のパラメータの時間微分に、加速度センサ11の高周波ノイズが重畳することを防止することができ、携帯端末1の所持者の転倒及び携帯端末1の自由落下のいずれかの判定が誤判定となることを防止することができる。
【0053】
そして、転倒判定部13は、携帯端末1の加速度の大きさが後述する所定閾値以下である時間内に(ステップS3においてYES)、携帯端末1の回転運動のパラメータの大きさが後述する所定閾値以上であることに基づいて(ステップS4においてYES)、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことを判定する(ステップS5)。
【0054】
一方で、転倒判定部13は、携帯端末1の加速度の大きさが後述する所定閾値以下である時間内に(ステップS3においてYES)、携帯端末1の回転運動のパラメータの大きさが後述する所定閾値より小さいことに基づいて(ステップS4においてNO)、携帯端末1が水面又は地面に自由落下したことを判定する(ステップS6)。
【0055】
そして、転倒判定部13は、携帯端末1の加速度の大きさが後述する所定閾値より大きいことに基づいて(ステップS3においてNO)、携帯端末1の回転運動のパラメータの大きさが後述する所定閾値以上であるかどうかに基づくまでもなく、携帯端末1の所持者及び携帯端末1に異常がないことを判定する(ステップS7)。
【0056】
携帯端末1において、無線通信部14は、サーバ装置2へと、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことを通知する。サーバ装置2において、無線通信部21は、携帯端末1から、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことを通知される。
【0057】
転倒警告部22は、携帯端末1から、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことを通知された後に(ステップS8においてYES)、通信が途絶えたことに基づいて(ステップS9においてYES)、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことを警告する(ステップS10)。ここで、転倒警告部22は、携帯端末1から、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことを通知されたときに、通信が途絶えたかどうかに基づくまでもなく、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことを警告してもよい。
【0058】
携帯端末1の所持者の転倒時における、携帯端末1の転倒角、角速度及び加速度の時間変化のシミュレーション結果を
図3に示す。携帯端末1の所持者の転倒時における、携帯端末1の加速度、角速度及び角加速度の時間変化のシミュレーション結果を
図4に示す。携帯端末1の所持者の転倒時における、携帯端末1の加速度、角運動量及び回転エネルギーの時間変化のシミュレーション結果を
図5に示す。
図3~5では、携帯端末1の所持者Pが、船舶Sから水面Wへと転倒する状況を扱う。ここで、携帯端末1の所持者Pは、剛体棒モデルとして扱う。そして、剛体棒モデルは、水面Wがなく、1回転しうる。
【0059】
携帯端末1の所持者Pの体重をMとし、携帯端末1の所持者Pの身長をLとすると、携帯端末1の所持者Pの慣性モーメントは、IP=1/3ML2である。携帯端末1の所持者Pの転倒角をθとし、携帯端末1の角速度をωとすると、携帯端末1の所持者Pのエネルギー保存則は、1/2IPω2=MgLsin2(θ/2)となる。
【0060】
携帯端末1の角速度は、ω=dθ/dt=√(6g/L)sin(θ/2)である。携帯端末1の所持高さをrとすると、携帯端末1の加速度は、a=√((g-rω2cosθ)2+(rω2sinθ)2)である。携帯端末1の慣性モーメントをIMとすると、携帯端末1の角運動量は、IMωであり、携帯端末1の回転エネルギーは、1/2IMω2である。
【0061】
すると、携帯端末1の所持者Pの転倒開始から約2.5秒後に、携帯端末1の所持者Pの転倒角θは、π/2radとなる。一方で、携帯端末1の所持者Pの転倒開始から約2.1~2.2秒後に、携帯端末1の加速度aは、0.7G以下となる。つまり、携帯端末1の加速度aが、0.7G以下となってから、携帯端末1の所持者Pの転倒角θが、π/2radとなるまでに、約0.3~0.4秒の十分な時間が残っている。
【0062】
そして、携帯端末1の加速度aが、0.7G以下となる時間内に、(1)携帯端末1の角速度ωは、有限値の約2rad/sを最大値とし、(2)携帯端末1の角加速度dω/dtは、有限値の約6rad/s2を最大値とし、(3)携帯端末1の角運動量IMωは、有限値の約0.002Nmsを最大値とし、(4)携帯端末1の角運動量の時間微分d(IMω)/dtは、有限値の約0.006Nmを最大値とし、(5)携帯端末1の回転エネルギー1/2IMω2は、有限値の約0.003Jを最大値とし、(6)携帯端末1の回転エネルギーの時間微分d(1/2IMω2)/dtは、有限値の約0.015Wを最大値とする。
【0063】
なお、転倒判定部13は、携帯端末1の位置エネルギーの経時変化と、携帯端末1の回転エネルギーの経時変化と、の間に負の相関が見られるときに、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことを判定してもよい。また、転倒判定部13は、携帯端末1の位置エネルギーの経時変化と、携帯端末1の回転エネルギーの経時変化と、の間に何ら相関が見られないときに、携帯端末1が水面又は地面に自由落下したことを判定してもよい。ここで、転倒判定部13は、携帯端末1の位置エネルギーを、携帯端末1の加速度に基づいて、ひいては、携帯端末1の落下距離に基づいて、算出することができる。
【0064】
携帯端末1の所持者の転倒時における、携帯端末1の加速度、角速度及び角加速度の時間変化の実験結果を
図6に示す。携帯端末1の所持者の転倒時における、携帯端末1の加速度、角運動量及び回転エネルギーの時間変化の実験結果を
図7に示す。
図6、7では、携帯端末1の所持者が、水面又は地面ではなく水面又は地面を模擬した環境(例えば、防護マット等)に転倒する状況を扱う。
【0065】
すると、時間tが、約101.57~101.86秒であるときに、携帯端末1の加速度aは、0.7G以下となる。一方で、時間tが、約101.86秒であるときに、携帯端末1の所持者は、水面又は地面を模擬した環境に転倒し、そのため、携帯端末1の加速度aは、約4Gまで急増する。つまり、携帯端末1の加速度aが、0.7G以下となってから、携帯端末1の所持者が、水面又は地面を模擬した環境に転倒するまでに、約0.3秒の十分な時間が残っている。
【0066】
そして、携帯端末1の加速度aが、0.7G以下となる時間内に、(1)携帯端末1の角速度ωは、有限値の約5rad/sを最大値とし、(2)携帯端末1の角加速度dω/dtは、有限値の約150rad/s2を最大値とし、(3)携帯端末1の角運動量IMωは、有限値の約0.002Nmsを最大値とし、(4)携帯端末1の角運動量の時間微分d(IMω)/dtは、有限値の約0.02Nmを最大値とし、(5)携帯端末1の回転エネルギー1/2IMω2は、有限値の約0.01Jを最大値とし、(6)携帯端末1の回転エネルギーの時間微分d(1/2IMω2)/dtは、有限値の約0.1Wを最大値とする。
【0067】
携帯端末1の自由落下時における、携帯端末1の加速度、角速度及び角加速度の時間変化の実験結果を
図8に示す。携帯端末1の自由落下時における、携帯端末1の加速度、角運動量及び回転エネルギーの時間変化の実験結果を
図9に示す。
図8、9では、携帯端末1が、水面又は地面ではなく水面又は地面を模擬した環境(例えば、防護マット等)に自由落下する状況を扱う。
【0068】
すると、時間tが、約4017.54~4017.96秒であるときに、携帯端末1の加速度aは、0.7G以下となる。そして、時間tが、約4017.56~4017.96秒であるときに、携帯端末1の加速度aは、0Gとなる。一方で、時間tが、約4017.96秒であるときに、携帯端末1は、水面又は地面を模擬した環境に到達し、そのため、携帯端末1の加速度aは、約6Gまで急増する。つまり、携帯端末1の加速度aが、0.7G以下となってから、携帯端末1が、水面又は地面を模擬した環境に到達するまでに、約0.4秒の十分な時間が残っている。
【0069】
そして、携帯端末1の加速度aが、0.7G以下となる時間内に、(1)携帯端末1の角速度ωは、有限値の約2rad/sを最大値とし、(2)携帯端末1の角加速度dω/dtは、有限値の約60rad/s2を最大値とし、(3)携帯端末1の角運動量IMωは、有限値の約0.001Nmsを最大値とし、(4)携帯端末1の角運動量の時間微分d(IMω)/dtは、有限値の約0.01Nmを最大値とし、(5)携帯端末1の回転エネルギー1/2IMω2は、有限値の約0.001Jを最大値とし、(6)携帯端末1の回転エネルギーの時間微分d(1/2IMω2)/dtは、有限値の約0.01Wを最大値とする。
【0070】
携帯端末1の所持者の転倒時及び携帯端末1の自由落下時における、携帯端末1の角速度、角加速度、角運動量及び回転エネルギーの最大値の実験結果を
図10に示す。
図10では、携帯端末1の所持者が、水面又は地面ではなく水面又は地面を模擬した環境(例えば、防護マット等)に転倒する状況を扱い、携帯端末1が、水面又は地面ではなく水面又は地面を模擬した環境(例えば、防護マット等)に自由落下する状況を扱う。
【0071】
1回目の携帯端末1の自由落下時では、携帯端末1の加速度aが、0.7G以下となる時間内に、以下のようになった:携帯端末1の角速度ωの最大値=2.1rad/s、携帯端末1の角加速度dω/dtの最大値=48.45rad/s2、携帯端末1の角運動量の時間微分d(IMω)/dtの最大値=0.001703Nm、携帯端末1の回転エネルギーの時間微分d(1/2IMω2)/dtの最大値=0.007162W。
【0072】
2回目の携帯端末1の自由落下時では、携帯端末1の加速度aが、0.7G以下となる時間内に、以下のようになった:携帯端末1の角速度ωの最大値=1.7rad/s、携帯端末1の角加速度dω/dtの最大値=33.61rad/s2、携帯端末1の角運動量の時間微分d(IMω)/dtの最大値=0.005556Nm、携帯端末1の回転エネルギーの時間微分d(1/2IMω2)/dtの最大値=0.007296W。
【0073】
3回目の携帯端末1の自由落下時では、携帯端末1の加速度aが、0.7G以下となる時間内に、以下のようになった:携帯端末1の角速度ωの最大値=0.7634rad/s、携帯端末1の角加速度dω/dtの最大値=18rad/s2、携帯端末1の角運動量の時間微分d(IMω)/dtの最大値=0.001222Nm、携帯端末1の回転エネルギーの時間微分d(1/2IMω2)/dtの最大値=0.000551W。
【0074】
4回目の携帯端末1の自由落下時では、携帯端末1の加速度aが、0.7G以下となる時間内に、以下のようになった:携帯端末1の角速度ωの最大値=3.4rad/s、携帯端末1の角加速度dω/dtの最大値=25rad/s2、携帯端末1の角運動量の時間微分d(IMω)/dtの最大値=0.001932Nm、携帯端末1の回転エネルギーの時間微分d(1/2IMω2)/dtの最大値=0.029164W。
【0075】
5回目の携帯端末1の自由落下時では、携帯端末1の加速度aが、0.7G以下となる時間内に、以下のようになった:携帯端末1の角速度ωの最大値=6.7rad/s、携帯端末1の角加速度dω/dtの最大値=48.28rad/s2、携帯端末1の角運動量の時間微分d(IMω)/dtの最大値=0.045601Nm、携帯端末1の回転エネルギーの時間微分d(1/2IMω2)/dtの最大値=0.055571W。
【0076】
6回目の携帯端末1の自由落下時では、携帯端末1の加速度aが、0.7G以下となる時間内に、以下のようになった:携帯端末1の角速度ωの最大値=6.43rad/s、携帯端末1の角加速度dω/dtの最大値=76rad/s2、携帯端末1の角運動量の時間微分d(IMω)/dtの最大値=0.030838Nm、携帯端末1の回転エネルギーの時間微分d(1/2IMω2)/dtの最大値=0.042937W。
【0077】
1回目の携帯端末1の所持者の転倒時では、携帯端末1の加速度aが、0.7G以下となる時間内に、以下のようになった:携帯端末1の角速度ωの最大値=4.8869rad/s、携帯端末1の角加速度dω/dtの最大値=136.13rad/s2、携帯端末1の角運動量の時間微分d(IMω)/dtの最大値=0.01563Nm、携帯端末1の回転エネルギーの時間微分d(1/2IMω2)/dtの最大値=0.08315W。
【0078】
2回目の携帯端末1の所持者の転倒時では、携帯端末1の加速度aが、0.7G以下となる時間内に、以下のようになった:携帯端末1の角速度ωの最大値=1.3123rad/s、携帯端末1の角加速度dω/dtの最大値=62.0377rad/s2、携帯端末1の角運動量の時間微分d(IMω)/dtの最大値=0.066087Nm、携帯端末1の回転エネルギーの時間微分d(1/2IMω2)/dtの最大値=0.52725W。
【0079】
3回目の携帯端末1の所持者の転倒時では、携帯端末1の加速度aが、0.7G以下となる時間内に、以下のようになった:携帯端末1の角速度ωの最大値=2.8816rad/s、携帯端末1の角加速度dω/dtの最大値=105.5527rad/s2、携帯端末1の角運動量の時間微分d(IMω)/dtの最大値=0.17117Nm、携帯端末1の回転エネルギーの時間微分d(1/2IMω2)/dtの最大値=0.018771W。
【0080】
4回目の携帯端末1の所持者の転倒時では、携帯端末1の加速度aが、0.7G以下となる時間内に、以下のようになった:携帯端末1の角速度ωの最大値=5.574rad/s、携帯端末1の角加速度dω/dtの最大値=64.4028rad/s2、携帯端末1の角運動量の時間微分d(IMω)/dtの最大値=0.05557Nm、携帯端末1の回転エネルギーの時間微分d(1/2IMω2)/dtの最大値=0.16694W。
【0081】
5回目の携帯端末1の所持者の転倒時では、携帯端末1の加速度aが、0.7G以下となる時間内に、以下のようになった:携帯端末1の角速度ωの最大値=9.1059rad/s、携帯端末1の角加速度dω/dtの最大値=77.8076rad/s2、携帯端末1の角運動量の時間微分d(IMω)/dtの最大値=0.077995Nm、携帯端末1の回転エネルギーの時間微分d(1/2IMω2)/dtの最大値=0.087218W。
【0082】
6回目の携帯端末1の所持者の転倒時では、携帯端末1の加速度aが、0.7G以下となる時間内に、以下のようになった:携帯端末1の角速度ωの最大値=7.1599rad/s、携帯端末1の角加速度dω/dtの最大値=69.2901rad/s2、携帯端末1の角運動量の時間微分d(IMω)/dtの最大値=0.31457Nm、携帯端末1の回転エネルギーの時間微分d(1/2IMω2)/dtの最大値=0.12749W。
【0083】
一般に、携帯端末1の加速度aに対するステップS3の所定閾値として、(1)携帯端末1の所持者の転倒時における、携帯端末1の加速度aの最小値のシミュレーション結果及び実験結果より大きい値を設定すればよく、(2)重力加速度1Gより若干小さい値を設定すればよく、(3)例えば、
図11のように設定すればよい。
【0084】
一方で、携帯端末1の回転運動のパラメータに対するステップS4の所定閾値として、(1)携帯端末1の所持者の転倒時及び携帯端末1の加速度a≦所定閾値における、携帯端末1の回転運動のパラメータの最大値のシミュレーション結果及び実験結果より小さい値に設定すればよく、(2)携帯端末1の自由落下時及び携帯端末1の加速度a≦所定閾値における、携帯端末1の回転運動のパラメータの最大値のシミュレーション結果及び実験結果より大きい値に設定すればよく、(3)例えば、
図11のように設定すればよい。
【0085】
携帯端末1の加速度及び回転パラメータに対する所定閾値を
図11に示す。
図11に示した携帯端末1の加速度及び回転パラメータに対する所定閾値は、携帯端末1の所持者の身長L、携帯端末1の所持高さ、回転半径及び慣性モーメントに応じて変わり得る。
【0086】
第1~3判定方法では、携帯端末1の加速度aに対するステップS3の所定閾値として、0.7G以上0.9G以下の値に設定している。そして、携帯端末1の加速度aに対するステップS3の成立条件として、携帯端末1の加速度aの測定誤差を考えて、当該状態が約0.1秒間持続することまで課している。ただし、携帯端末1の加速度aに対するステップS3の成立条件として、当該状態が一瞬でも満足されることのみ課してもよい。
【0087】
第1判定方法では、携帯端末1の角速度ω及び角加速度dω/dtが判定材料であり、携帯端末1の角速度ωに対するステップS4の所定閾値として、3rad/s以上6rad/s以下の値に設定しており、携帯端末1の角加速度dω/dtに対するステップS4の所定閾値として、9rad/s2以上60rad/s2以下の値に設定している。第2判定方法では、携帯端末1の角運動量の時間微分d(IMω)/dtに対するステップS4の所定閾値として、0.008Nm以上0.06Nm以下の値に設定している。第3判定方法では、携帯端末1の回転エネルギーの時間微分d(1/2IMω2)/dtに対するステップS4の所定閾値として、0.01W以上0.05W以下の値に設定している。
【0088】
(機械学習を用いる転倒判定)
本開示の他の転倒判定処理の手順を
図12に示す。転倒判定部13は、携帯端末1の加速度の大きさと、携帯端末1の回転運動のパラメータの大きさと、を入力データとし、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことと、携帯端末1が水面又は地面に自由落下したことと、を示すビット値を教師データとし、入力データ及び教師データを用いて学習する(ステップS11)。
【0089】
ここで、転倒判定部13として、ニューラルネットワーク、遺伝的アルゴリズム又はディープラーニング等を用いることができる。例えば、ニューラルネットワークの入力層では、携帯端末1の加速度の大きさの海上又は海上を模擬した環境(例えば、防護マット等)等での実験結果と、携帯端末1の回転運動のパラメータの大きさの海上又は海上を模擬した環境(例えば、防護マット等)等での実験結果と、を入力する。そして、ニューラルネットワークの出力層では、携帯端末1の所持者が海面又は海面を模擬した環境等に転倒したことと、携帯端末1が海面又は海面を模擬した環境等に自由落下したことと、携帯端末1の所持者が転倒しておらず携帯端末1も自由落下していないことと、をビット値として出力させる。このように、教師データを用いた機械学習が実行される。
【0090】
具体的に、物理量として、携帯端末1の加速度を扱うことを考える。携帯端末1の所持者の転倒及び携帯端末1の自由落下について、それぞれ50回実験し、所定閾値0.7Gより下回った1秒間の時系列の携帯端末1の加速度を取り出す。サンプリング時間が5msecだとすると、1秒間に200サンプリングのデータが取得できる。これに対応したニューラルネットワークの入力層、中間層及び出力層を、それぞれ200個、10個及び1個のニューロンで構成する。教師信号として、携帯端末1の所持者の転倒であれば1、携帯端末1の自由落下であれば0、の様に教師信号を割り付ける。ニューラルネットワークと教師信号の間の誤差が0に近くなった時に学習完了とする。実際に判定したいときは、所定閾値0.7Gを下回る携帯端末1の加速度を検出した時に、所定閾値0.7Gを下回る1秒間の携帯端末1の加速度の時系列データを、学習済みのニューラルネットワークに入力すれば、携帯端末1の所持者の転倒及び携帯端末1の自由落下を判定できる。携帯端末1の加速度が所定閾値0.7Gを下回らないときは、通常の動作となる。
【0091】
加速度取得部12は、携帯端末1の加速度センサ11から、携帯端末1の加速度の情報と、携帯端末1の回転運動のパラメータの情報と、を取得する(ステップS12)。ここで、加速度取得部12は、携帯端末1の回転運動のパラメータの情報として、携帯端末1の角速度、角加速度、角運動量、角運動量の時間微分、回転エネルギー及び回転エネルギーの時間微分のうちの少なくともいずれか一つの情報を取得する(ステップS12)。
【0092】
転倒判定部13は、携帯端末1の加速度の情報及び携帯端末1の回転運動のパラメータの情報から、水面上の波浪による船舶の動揺の成分又は加速度センサ11のノイズの成分を除去する(ステップS13)。なお、転倒判定部13として、アダプティブフィルタ及びローパスフィルタを含むデジタルフィルタを用いることができる。また、水面上の波浪による船舶の動揺の加速度として、波高30cmであり周期2秒であれば、d2/dt2(0.3sin(2*3.14*0.5t))を計算すると最大値は約0.3Gとなる。さらに、特に携帯端末1の回転運動のパラメータの時間微分に、加速度センサ11の高周波ノイズが重畳することを防止することができ、携帯端末1の所持者の転倒及び携帯端末1の自由落下のいずれかの判定が誤判定となることを防止することができる。
【0093】
そして、転倒判定部13は、ステップS11でのニューラルネットワーク等において、携帯端末1の加速度の情報と、携帯端末1の回転運動のパラメータの情報と、を入力層へと入力し、以下の(1)~(3)のいずれかを出力層からビット値として出力する:(1)携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことを判定(ステップS14)、(2)携帯端末1が水面又は地面に自由落下したことを判定(ステップS15)、(3)携帯端末1の所持者及び携帯端末1に異常がないことを判定(ステップS16)。
【0094】
携帯端末1において、無線通信部14は、サーバ装置2へと、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことを通知する。サーバ装置2において、無線通信部21は、携帯端末1から、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことを通知される。
【0095】
転倒警告部22は、携帯端末1から、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことを通知された後に(ステップS17においてYES)、通信が途絶えたことに基づいて(ステップS18においてYES)、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことを警告する(ステップS19)。ここで、転倒警告部22は、携帯端末1から、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことを通知されたときに、通信が途絶えたかどうかに基づくまでもなく、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことを警告してもよい。
【0096】
(本開示の発明の効果)
以上の本開示の発明の効果をまとめる。
図1~12に示したように、携帯端末1の加速度センサ11を用いて、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒する時間内(約1秒)に、又は、携帯端末1が水面又は地面に自由落下する時間内(約0.5秒)に、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことと、携帯端末1が水面又は地面に自由落下したことと、のいずれかを高精度に判定及び通信することができる。
【0097】
図1~11に示したように、携帯端末1の加速度が小さいことと、携帯端末1の回転運動のパラメータが大きいことと、に基づいて、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことを判定することができる。そして、
図2のステップS3、S4に示したように、携帯端末1の動揺の影響を受けやすい携帯端末1の回転運動のパラメータを判定する前に、携帯端末1の動揺の影響を受けにくい携帯端末1の加速度を判定するため、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことを誤判定しないことができる。
【0098】
図1~11に示したように、携帯端末1の加速度が小さいことと、携帯端末1の回転運動のパラメータが小さいことと、に基づいて、携帯端末1が水面又は地面に自由落下したことを判定することができる。そして、
図2のステップS3、S4に示したように、携帯端末1の動揺の影響を受けやすい携帯端末1の回転運動のパラメータを判定する前に、携帯端末1の動揺の影響を受けにくい携帯端末1の加速度を判定するため、携帯端末1が水面又は地面に自由落下したことを誤判定しないことができる。
【0099】
図1~11に示したように、携帯端末1の加速度及び回転運動のパラメータの所定閾値を技術者が設定するまでもなく、
図12に示したように、携帯端末1の加速度及び回転運動のパラメータの教師データを用いて機械的に学習させるのみにより、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことと、携帯端末1が水面又は地面に自由落下したことと、のいずれかを高精度に判定することができる。
【0100】
図11に示したように、携帯端末1の角速度、角加速度、角運動量、角運動量の時間微分、回転エネルギー及び回転エネルギーの時間微分のうちのいずれか一つ又は組み合わせを用いることにより、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことと、携帯端末1が水面又は地面に自由落下したことと、のいずれかを高精度に判定することができる。
【0101】
図2、12のステップS2、S13に示したように、携帯端末1の加速度及び回転運動のパラメータの情報から、船舶の動揺の成分又は加速度センサ11のノイズの成分のみを除去したうえで、携帯端末1の所持者の転倒の成分又は携帯端末1の自由落下の成分のみを抽出するため、携帯端末1の所持者が水面に転倒したことと、携帯端末1が水面に自由落下したことと、のいずれかを高精度に判定することができる。
【0102】
図2、12のステップS8~S10、S17~S19に示したように、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒した後に、携帯端末1が水面下で通信できないこと又は地面上で破壊されたことに基づいて、携帯端末1の所持者が水面又は地面に転倒したことをサーバ装置2から高精度に警告することができる。
【0103】
転倒警告部22は、携帯端末1の所持者が水面に転倒したことを警告するにあたり、(1)家族、漁港、主管庁の順序で警告レベルをエスカレーションさせてもよく、(2)人工衛星の撮像画像に基づいて、携帯端末1の所持者の転倒を判定してもよく(船舶が漁協に向かっていれば、携帯端末1の所持者は水面に転倒していないと判定。船舶がその場で止まっていれば、携帯端末1の所持者は水面に転倒していると判定。)、(3)携帯端末1の撮像画像に基づいて、携帯端末1の所持者の転倒を判定してもよく(携帯端末1の撮像画像が傾いていなければ、携帯端末1の所持者は水面に転倒していないと判定。携帯端末1の撮像画像が傾いているならば、携帯端末1の所持者は水面に転倒していると判定。)、(4)携帯端末1の所持者の転倒時刻及び転倒位置の情報を出力してもよい。
【0104】
携帯端末1の角速度の分解能が低いときには、携帯端末1の角速度の測定値が時間的に連続で同じ値になり得るため、携帯端末1の角加速度の算出値が時間的に連続で0の値になり得る。そこで、加速度取得部12は、携帯端末1の角速度の測定値に基づいて、携帯端末1の角加速度の算出値を導出するにあたり、携帯端末1の角加速度の算出値の時間的に連続で0の値を、携帯端末1の角速度の算出値の直近の非0の値に置換してもよい。
【0105】
サーバ装置2としてのLTE基地局は、受信感度が落ちたときには、送信出力を高めるため、サーバ装置2としてのLTE基地局と携帯端末1とは、携帯端末1の所持者が水面に転倒したときでも、直ちに通信が途絶えるわけではない。しかし、転倒判定部13は、携帯端末1の所持者が水面に転倒したことを早急に判定することが望ましく、無線通信部14は、携帯端末1の所持者が水面に転倒したことを早急に通知することが望ましい。
【0106】
(転倒警告及び位置表示)
本開示の転倒判定システムの適用例を
図13に示す。携帯端末1-1の所持者P-1は、船舶Sの見張りであり、携帯端末1-2の所持者P-2は、船舶Sの操船者である。携帯端末1-1の所持者P-1が、船舶Sの船尾から水面に転倒したときでも、携帯端末1-2の所持者P-2が、船舶Sの操船室で気が付かない可能性が考えられる。
【0107】
本開示の転倒判定システムの構成例を
図14に示す。本開示の第1から第6までの転倒警告処理の手順を
図15から
図20までに示す。転倒判定システムFは、携帯端末1-1、1-2、サーバ装置2及び航海機器3を備える。携帯端末1-1は、加速度センサ11、加速度取得部12、転倒判定部13、無線通信部14、通信連携部15及び位置取得部16を備え、
図15から
図20までに示した転倒通知プログラムをインストールすることにより実現可能である。携帯端末1-2、サーバ装置2及び航海機器3は、無線通信部21、転倒警告部22、通信連携部23及び位置表示部24を備え、
図15から
図20までに示した転倒警告プログラムをインストールすることにより実現可能である。なお、携帯端末1-1、1-2は、同種の携帯端末である。つまり、携帯端末1-1は、転倒警告部22及び位置表示部24をさらに備えてもよい。そして、携帯端末1-2は、加速度センサ11、加速度取得部12、転倒判定部13及び位置取得部16をさらに備えてもよい。以下では、本開示の説明に必須の構成要素のみについて説明する。
【0108】
以下の説明では、携帯端末1-1と携帯端末1-2との間の無線通信について説明する。なお、携帯端末1-1とサーバ装置2又は航海機器3との間の無線通信についてもほぼ同様である。また、携帯端末1-1からサーバ装置2を介して携帯端末1-2又は航海機器3へと無線通信してもよい。ただし、携帯端末1-1とサーバ装置2との間の無線通信については、携帯端末1-1とサーバ装置2との間の距離に基づいて、携帯端末1-1とサーバ装置2との間の連携を予め設定するわけではない(
図15のステップS20、S21等で後述。)。そして、携帯端末1-1とサーバ装置2との間の無線通信については、携帯端末1-1とサーバ装置2との間の距離に基づいて、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを警告するわけではない(
図15のステップS29等で後述。)。
【0109】
まず、
図15から
図20までに示した第1から第6までの転倒警告処理の共通点について説明する。ただし、
図20に示した第6の転倒警告処理は、
図15から
図19までに示した第1から第5までの転倒警告処理と、ステップS20、S21、S22のみを共通点としている。携帯端末1-1の通信連携部15と携帯端末1-2の通信連携部23とは、転倒情報及び転倒位置の共有連携を図る(ステップS20、S21)。
【0110】
具体的には、携帯端末1-1(1-2)の通信連携部15(23)は、携帯端末1-1(1-2)との間の距離が所定距離より近い携帯端末1-2(1-1)の通信連携部23(15)との間で、転倒情報及び転倒位置の共有連携を図る。ここで、端末間距離として、GPS等の位置情報又は航跡情報に基づいて算出することができる。そして、所定距離として、船舶Sの大きさ程度の距離を採用することができる。
【0111】
他方法では、携帯端末1-1(1-2)の通信連携部15(23)は、携帯端末1-1(1-2)との間の連携が予め設定された携帯端末1-2(1-1)の通信連携部23(15)との間で、転倒情報及び転倒位置の共有連携を図る。ここで、端末間連携として、船舶Sの船員間で二次元コード等を読み取り合い設定することができる。ただし、船舶Sの航海毎に、船舶Sの船員間で二次元コード等を読み取り合うことが望ましい。
【0112】
携帯端末1-1の転倒判定部13は、
図2のステップS5又は
図12のステップS14と同様に、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを判定する(ステップS22)。携帯端末1-1の位置取得部16は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を取得する。携帯端末1-1の無線通信部14は、携帯端末1-2に対して、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したこと及び携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を通知する(ステップS23)。携帯端末1-2の無線通信部21は、携帯端末1-1から、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したこと及び携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を通知される(ステップS24)。
【0113】
このように、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したこと及び携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を、携帯端末1-1の所持者P-1との間の近接者又は関係者(携帯端末1-2の所持者P-2)に対して早期に通知することができる。なお、水面転倒と同様に、地面転倒についても、情報を共有することができる。
【0114】
ここで、携帯端末1-1は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを通知した後に、水面下で通信できないため、携帯端末1-2との間の通信が途絶えることがある(ステップS25)。ただし、携帯端末1-1は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを通知した後に、しばらくの間は無線LAN又は4G等の通信性能に応じて、携帯端末1-2との間の通信が途絶えないこともある。そして、携帯端末1-1は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を通知し続ける間に、水面上で流されたため、携帯端末1-2との間の距離が遠くなることがある(ステップS25)。
【0115】
以下に説明するように、
図15から
図19までに示した第1から第5までの転倒警告処理では、携帯端末1-1と携帯端末1-2との間の通信が途絶えたことに基づいて、又は、携帯端末1-1と携帯端末1-2との間の距離が遠くなったことに基づいて、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを高精度に警告することができる。
【0116】
次に、
図15に示した第1の転倒警告処理の後半部分について説明する。
図15では、携帯端末1-1と携帯端末1-2との間の通信が途絶えたかどうかと、携帯端末1-1と携帯端末1-2との間の距離が遠くなったかどうかと、を独立に判断する。
【0117】
まずは、携帯端末1-2の転倒警告部22は、携帯端末1-1から携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを通知された後に(ステップS24)、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の通信が途絶えたことに基づいて(ステップS26、YES)、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを音声合成等により警告する(ステップS27)。そして、携帯端末1-2の位置表示部24は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を画面操作等により表示する(ステップS27)。
【0118】
一方で、携帯端末1-2の転倒警告部22は、携帯端末1-1から携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを通知された後に(ステップS24)、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の通信が途絶えないことに基づいて(ステップS26、NO)、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを音声合成等により警告しない(ステップS28)。そして、携帯端末1-2の位置表示部24は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を画面操作等により表示しない(ステップS28)。
【0119】
このように、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した後に、携帯端末1-1が水面下で通信できないことに基づいて、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを、携帯端末1-1の所持者P-1との間の近接者又は関係者(携帯端末1-2の所持者P-2)に対して高精度に警告することができる。なお、水面転倒と同様に、地面転倒についても、警告を出力することができ、位置を表示することができる。
【0120】
或いは、携帯端末1-2の転倒警告部22は、携帯端末1-1から携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を通知された時に(ステップS24)、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の距離が所定距離より遠くなったことに基づいて(ステップS29、YES)、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを音声合成等により警告する(ステップS30)。そして、携帯端末1-2の位置表示部24は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を画面操作等により表示する(ステップS30)。
【0121】
一方で、携帯端末1-2の転倒警告部22は、携帯端末1-1から携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を通知された時に(ステップS24)、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の距離が所定距離より未だ近いことに基づいて(ステップS29、NO)、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを音声合成等により警告しない(ステップS31)。そして、携帯端末1-2の位置表示部24は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を画面操作等により表示しない(ステップS31)。
【0122】
このように、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した後に、携帯端末1-1が水面上で流されたことに基づいて、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを、携帯端末1-1の所持者P-1との間の近接者又は関係者(携帯端末1-2の所持者P-2)に対して高精度に警告することができる。なお、水面転倒と同様に、地面転倒についても、警告を出力することができ、位置を表示することができる。
【0123】
次に、
図16に示した第2の転倒警告処理の後半部分について説明する。
図16では、携帯端末1-1と携帯端末1-2との間の通信が途絶えたかどうかを、携帯端末1-1と携帯端末1-2との間の距離が遠くなったかどうかよりも、優先に判断する。
図16のステップS32、YES→ステップS34は、
図15のステップS26、YES→ステップS27と同様である。
図16が
図15と異なる部分について説明する。
【0124】
まずは、携帯端末1-2の転倒警告部22は、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の通信が途絶えないものの(ステップS32、NO)、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の距離が所定距離より遠くなったことに基づいて(ステップS33、YES)、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを音声合成等により警告する(ステップS34)。そして、携帯端末1-2の位置表示部24は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を画面操作等により表示する(ステップS34)。
【0125】
一方で、携帯端末1-2の転倒警告部22は、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の通信が途絶えないとともに(ステップS32、NO)、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の距離が所定距離より未だ近いことに基づいて(ステップS33、NO)、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを音声合成等により警告しない(ステップS35)。そして、携帯端末1-2の位置表示部24は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を画面操作等により表示しない(ステップS35)。
【0126】
このように、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した後に、携帯端末1-1が水面下で通信することができるものの、携帯端末1-1が水面上で流されたことに基づいて、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを、携帯端末1-1の所持者P-1との間の近接者又は関係者(携帯端末1-2の所持者P-2)に対して、
図15の場合と比べてさらに高精度に警告することができる。なお、水面転倒と同様に、地面転倒についても、警告を出力することができ、位置を表示することができる。
【0127】
次に、
図17に示した第3の転倒警告処理の後半部分について説明する。
図17では、携帯端末1-1と携帯端末1-2との間の通信が途絶えたかどうか→携帯端末1-1と携帯端末1-2との間の距離が遠くなったかどうかの順序で、同等に判断する。
図17のステップS36、NO→ステップS40~S42は、
図16のステップS32、NO→ステップS33~S35と同様である。
図17が
図16と異なる部分について説明する。
【0128】
まずは、携帯端末1-2の転倒警告部22は、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の通信が途絶えたとともに(ステップS36、YES)、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の距離が所定距離より遠くなったことに基づいて(ステップS37、YES)、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを音声合成等により警告する(ステップS38)。そして、携帯端末1-2の位置表示部24は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を画面操作等により表示する(ステップS38)。
【0129】
一方で、携帯端末1-2の転倒警告部22は、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の通信が途絶えたものの(ステップS36、YES)、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の距離が所定距離より未だ近いことに基づいて(ステップS37、NO)、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを音声合成等により警告しない(ステップS39)。そして、携帯端末1-2の位置表示部24は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を画面操作等により表示しない(ステップS39)。
【0130】
このように、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した後に、携帯端末1-1が水面下で通信することができないとともに、携帯端末1-1が水面上で流されたことに基づいて、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを、携帯端末1-1の所持者P-1との間の近接者又は関係者(携帯端末1-2の所持者P-2)に対して、
図15の場合と比べてさらに高精度に警告することができる。なお、水面転倒と同様に、地面転倒についても、警告を出力することができ、位置を表示することができる。
【0131】
次に、
図18に示した第4の転倒警告処理の後半部分について説明する。
図18では、携帯端末1-1と携帯端末1-2との間の距離が遠くなったかどうかを、携帯端末1-1と携帯端末1-2との間の通信が途絶えたかどうかよりも、優先に判断する。
図18のステップS43、YES→ステップS45は、
図15のステップS29、YES→ステップS30と同様である。
図18が
図15と異なる部分について説明する。
【0132】
まずは、携帯端末1-2の転倒警告部22は、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の距離が所定距離より未だ近いものの(ステップS43、NO)、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の通信が途絶えたことに基づいて(ステップS44、YES)、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを音声合成等により警告する(ステップS45)。そして、携帯端末1-2の位置表示部24は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を画面操作等により表示する(ステップS45)。
【0133】
一方で、携帯端末1-2の転倒警告部22は、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の距離が所定距離より未だ近いとともに(ステップS43、NO)、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の通信が途絶えないことに基づいて(ステップS44、NO)、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを音声合成等により警告しない(ステップS46)。そして、携帯端末1-2の位置表示部24は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を画面操作等により表示しない(ステップS46)。
【0134】
このように、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した後に、携帯端末1-1が水面上で流されないものの、携帯端末1-1が水面下で通信することができないことに基づいて、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを、携帯端末1-1の所持者P-1との間の近接者又は関係者(携帯端末1-2の所持者P-2)に対して、
図15の場合と比べてさらに高精度に警告することができる。なお、水面転倒と同様に、地面転倒についても、警告を出力することができ、位置を表示することができる。
【0135】
次に、
図19に示した第5の転倒警告処理の後半部分について説明する。
図19では、携帯端末1-1と携帯端末1-2との間の距離が遠くなったかどうか→携帯端末1-1と携帯端末1-2との間の通信が途絶えたかどうかの順序で、同等に判断する。
図19のステップS47、NO→ステップS51~S53は、
図18のステップS43、NO→ステップS44~S46と同様である。
図19が
図18と異なる部分について説明する。
【0136】
まずは、携帯端末1-2の転倒警告部22は、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の距離が所定距離より遠くなったとともに(ステップS47、YES)、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の通信が途絶えたことに基づいて(ステップS48、YES)、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを音声合成等により警告する(ステップS49)。そして、携帯端末1-2の位置表示部24は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を画面操作等により表示する(ステップS49)。
【0137】
一方で、携帯端末1-2の転倒警告部22は、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の距離が所定距離より遠くなったものの(ステップS47、YES)、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の通信が途絶えないことに基づいて(ステップS48、NO)、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを音声合成等により警告しない(ステップS50)。そして、携帯端末1-2の位置表示部24は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を画面操作等により表示しない(ステップS50)。
【0138】
このように、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した後に、携帯端末1-1が水面上で流されたとともに、携帯端末1-1が水面下で通信することができないことに基づいて、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを、携帯端末1-1の所持者P-1との間の近接者又は関係者(携帯端末1-2の所持者P-2)に対して、
図15の場合と比べてさらに高精度に警告することができる。なお、水面転倒と同様に、地面転倒についても、警告を出力することができ、位置を表示することができる。
【0139】
次に、
図20に示した第6の転倒警告処理の残り部分について説明する。
図20では、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した時に、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を通知することができない場合に対処する。
【0140】
携帯端末1-1(1-2)の通信連携部15(23)は、携帯端末1-2(1-1)の通信連携部23(15)との間で、転倒情報、転倒位置、現在位置及び通信状況等の共有連携を図る(ステップS20、S21)。携帯端末1-1(1-2)の無線通信部14(21)は、携帯端末1-2(1-1)の無線通信部21(14)との間で、携帯端末1-1(1-2)の所持者P-1(P-2)が水面に転倒するまでの携帯端末1-1(1-2)の現在位置及び通信状況等を、定期的に又は常時通知する(ステップS54、S55)。
【0141】
携帯端末1-1の転倒判定部13は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを判定する(ステップS22)。携帯端末1-1の位置取得部16は、携帯端末1-1の所持者P-1が早く水没してしまうと携帯端末1-1が早く通信不能となるため、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を検出することができない場合が考えられる。携帯端末1-1の無線通信部14は、携帯端末1-2に対して、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを通知するが、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を通知することができない場合が考えられる(ステップS56)。携帯端末1-2の無線通信部21は、携帯端末1-1から、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを通知されるが、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を通知されることができない場合が考えられる(ステップS57)。
【0142】
携帯端末1-2の転倒警告部22は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した時の携帯端末1-1の通信状況に基づいて、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の通信が途絶えたと判定することができる。携帯端末1-2の転倒警告部22は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒するまでの携帯端末1-1の最新位置に基づいて、携帯端末1-2と携帯端末1-1との間の距離が所定距離より遠くなったと判定することができる。そこで、携帯端末1-2の転倒警告部22は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことを音声合成等により警告する(ステップS58)。そして、携帯端末1-2の位置表示部24は、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒するまでの携帯端末1-1の最新位置を画面操作等により表示する(ステップS58)。
【0143】
このように、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した時に、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒した位置を取得することができなくても、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒したことと、携帯端末1-1の所持者P-1が水面に転倒するまでの携帯端末1-1の最新位置を、携帯端末1-1の所持者P-1との間の近接者又は関係者(携帯端末1-2の所持者P-2)に対して、
図15から
図19までの場合と比べてさらに確実に警告及び表示することができる。なお、水面転倒と同様に、地面転倒についても、警告を出力することができ、位置を表示することができる。
【産業上の利用可能性】
【0144】
このように、本開示の転倒判定装置、携帯端末、通信装置及び転倒判定プログラムは、汎用の携帯端末の加速度センサを用いて、携帯端末の所持者(漁師又は歩行者等)が水面又は地面に転倒する時間内(約1秒)に、又は、携帯端末が水面又は地面に自由落下する時間内(約0.5秒)に、携帯端末の所持者(漁師又は歩行者等)が水面又は地面に転倒したことと、携帯端末が水面又は地面に自由落下したことと、のいずれかを、高精度に判定することができ、早期にかつ誤りなく通信することができる。
【符号の説明】
【0145】
F:転倒判定システム
S:船舶
W:水面
P、P-1、P-2:所持者
1、1-1、1-2:携帯端末
2:サーバ装置
3:航海機器
11:加速度センサ
12:加速度取得部
13:転倒判定部
14:無線通信部
15:通信連携部
16:位置取得部
21:無線通信部
22:転倒警告部
23:通信連携部
24:位置表示部