IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リンテック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-反射型表示体 図1
  • 特許-反射型表示体 図2
  • 特許-反射型表示体 図3
  • 特許-反射型表示体 図4
  • 特許-反射型表示体 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】反射型表示体
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240925BHJP
   G02B 5/00 20060101ALI20240925BHJP
   G02B 5/02 20060101ALI20240925BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20240925BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
G09F9/00 313
G02B5/00 Z
G02B5/02 B
G02F1/1335
G02F1/1335 520
G02F1/13357
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020185646
(22)【出願日】2020-11-06
(65)【公開番号】P2021092763
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-08-07
(31)【優先権主張番号】P 2019221458
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100176407
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 理啓
(72)【発明者】
【氏名】片桐 麦
(72)【発明者】
【氏名】草間 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】倉本 達己
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-178454(JP,A)
【文献】特開2013-182227(JP,A)
【文献】特開2003-202415(JP,A)
【文献】国際公開第2014/178230(WO,A1)
【文献】国際公開第02/097483(WO,A1)
【文献】特開2005-158310(JP,A)
【文献】特開2012-141593(JP,A)
【文献】特開2011-186002(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0261793(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
G02B 5/00
G02B 5/02
G02F 1/1335
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面における表示内容の上下方向が変更可能なように構成された反射型表示体であって、
屈折率が相対的に低い領域中に屈折率が相対的に高い領域を複数備えた規則的内部構造を有する光拡散制御層と、
前記光拡散制御層における2つの主面のうち、前記反射型表示体における前記表示面に遠位な主面の側に設けられた反射層と
を少なくとも備え、
前記光拡散制御層中において、前記屈折率が相対的に高い領域が、前記光拡散制御層の一方の面側から他方の面側に向けて延在しているとともに、前記延在の方向に平行な直線が、前記光拡散制御層の厚さ方向に対して傾斜しており、
前記延在の方向に平行であるとともに、前記反射型表示体における前記表示面に遠位な面側から前記表示面側に向いたベクトルであるベクトルAを、前記表示面に射影して得られるベクトルをベクトルCとし、
前記表示面の中心を始点とするとともに、前記表示内容の初期の上下方向における下方向向きのベクトルをベクトルD1とし、
前記表示面の中心を始点とするとともに、前記表示内容の初期の左右方向における左方向向きのベクトルをベクトルD2とし、
前記表示面の中心を始点とするとともに、前記表示内容の初期の左右方向における右方向向きのベクトルをベクトルD3とした場合に、
前記ベクトルCと前記ベクトルD1とがなす角度、前記ベクトルCと前記ベクトルD2とがなす角度および前記ベクトルCと前記ベクトルD3とがなす角度のうち、最も小さい角度が0°超、45°以下である
ことを特徴とする反射型表示体。
【請求項2】
前記光拡散制御層の厚さ方向に平行であるとともに、前記反射型表示体における前記表示面に遠位な面側から前記表示面側向きのベクトルをベクトルBとした場合に、
前記ベクトルAと前記ベクトルBとがなす角度が、0°超、30°以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の反射型表示体。
【請求項3】
前記表示面が矩形の形状を有しており、
前記表示内容の初期の上下方向が、前記矩形のいずれかの一辺と平行となるように構成されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の反射型表示体。
【請求項4】
前記反射型表示体は、前記光拡散制御層における前記反射層とは反対の面側に設けられたフロントライトを備え、
前記フロントライトは、前記表示面を覆う導光部材と、前記導光部材に接するとともに、前記表示面の周縁部の少なくとも一部に位置する光源とを備え、
前記光源は、前記表示面を平面視した場合に、前記光源の中心と前記表示面の中心とを通る直線が、前記表示内容の上下方向および左右方向のいずれとも平行とならない位置に存在する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の反射型表示体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の入射角度範囲内の入射光を、強く、かつ、光損失が低い状態で透過拡散させることができる光拡散制御層を備える反射型表示体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス(EL)ディスプレイ、電子ペーパーなどといった表示体には、反射層を備える反射型表示体に分類されるものがある。このような反射型表示体では、一般的に、室内照明や太陽等の光源や、表示体の表示面側に設けられた光源により反射型表示体の表示面を照らし、これらの光源からの光を反射層によって反射させ、その反射光によって表示の良好な視認を可能にする。
【0003】
反射型表示体では、外部の光源を利用することに起因して、通常、光源と視認者との位置関係が一定とはならない。その結果、光源の位置に依っては視認者に十分な光が到達せず、視認性が低下したり、表示体全体を明るく照明できないという問題が生じ易い。このような問題を解決するために、光拡散板を表示体に組み込むことが考えられる。しかし、一般的な光拡散板を単に組み込むだけでは、良好な視認性を得るために必要な拡散性が十分に得られなかったり、高い拡散を実現しようとすると迷光や後方散乱による光損失が生じ、画像鮮明度が損なわれるという問題がある。これらの問題を解消する観点から、反射型表示体においては、所定の入射角度範囲内の入射光を、強く、かつ、光損失が低い状態で透過拡散させることができる光拡散制御層を、視認者側の表面と反射層との間に設けることが検討されている(例えば、特許文献1)。上記光拡散制御層が存在することにより、反射層にて反射された光は適度に拡散されるものとなり、光源の位置に依存した視認性の低下が低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6250648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年のスマートフォンやタブレットの多くには、その表示面の上下方向の姿勢に応じて表示内容の上下方向が切り替わる機能が備わっている。すなわち、表示面の短辺を地面と平行にした場合、表示内容の上下方向が表示面の長辺と平行となるように表示され、表示面の長辺を地面と平行にした場合、表示内容の上下方向が表示面の短辺と平行となるように表示される。
【0006】
このような、表示面における表示内容の上下方向が変更可能なように構成された反射型表示体においては、表示内容の上下方向が変更された場合に、上述した光拡散制御層による視認性の向上の効果を十分得られなくなる問題があった。例えば、表示面の短辺を地面と平行にして、表示内容の上下方向が表示面の長辺と平行となるように表示させた場合に良好な視認性が得られたとしても、表示面の長辺を地面と平行にして、表示内容の上下方向が表示面の短辺と平行となるように表示させた場合には、光拡散制御層がその効果を十分発揮することができず、十分な視認性も得られなくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、表示内容の上下方向を変更した場合であっても優れた視認性を示す反射型表示体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1に本発明は、表示面における表示内容の上下方向が変更可能なように構成された反射型表示体であって、屈折率が相対的に低い領域中に屈折率が相対的に高い領域を複数備えた規則的内部構造を有する光拡散制御層と、前記光拡散制御層における2つの主面のうち、前記反射型表示体における前記表示面に遠位な主面の側に設けられた反射層とを少なくとも備え、前記光拡散制御層中において、前記屈折率が相対的に高い領域が、前記光拡散制御層の一方の面側から他方の面側に向けて延在しているとともに、前記延在の方向に平行な直線が、前記光拡散制御層の厚さ方向に対して傾斜しており、前記延在の方向に平行であるとともに、前記反射型表示体における前記表示面に遠位な面側から前記表示面側に向いたベクトルであるベクトルAを、前記表示面に射影して得られるベクトルをベクトルCとし、前記表示面の中心を始点とするとともに、前記表示内容の初期の上下方向における下方向向きのベクトルをベクトルD1とし、前記表示面の中心を始点とするとともに、前記表示内容の初期の左右方向における左方向向きのベクトルをベクトルD2とし、前記表示面の中心を始点とするとともに、前記表示内容の初期の左右方向における右方向向きのベクトルをベクトルD3とした場合に、前記ベクトルCと前記ベクトルD1とがなす角度、前記ベクトルCと前記ベクトルD2とがなす角度および前記ベクトルCと前記ベクトルD3とがなす角度のうち、最も小さい角度が0°超、45°以下であることを特徴とする反射型表示体を提供する(発明1)。
【0009】
上記発明(発明1)に係る反射型表示体は、光拡散制御層が上述した角度の条件を満たすように構成されていることにより、表示内容の上下方向を変更した場合であっても、光拡散制御層がその効果を有効に発揮することができ、その結果、優れた視認性を達成することができる。
【0010】
上記発明(発明1)において、前記光拡散制御層の厚さ方向に平行であるとともに、前記反射型表示体における前記表示面に遠位な面側から前記表示面側向きのベクトルをベクトルBとした場合に、前記ベクトルAと前記ベクトルBとがなす角度が、0°超、30°以下であることが好ましい(発明2)。
【0011】
上記発明(発明1,2)において、前記表示面が矩形の形状を有しており、前記表示内容の初期の上下方向が、前記矩形のいずれかの一辺と平行となるように構成されていることが好ましい(発明3)。
【0012】
上記発明(発明1~3)において、前記反射型表示体は、前記光拡散制御層における前記反射層とは反対の面側に設けられたフロントライトを備え、前記フロントライトは、前記表示面を覆う導光部材と、前記導光部材に接するとともに、前記表示面の周縁部の少なくとも一部に位置する光源とを備え、前記光源は、前記表示面を平面視した場合に、前記光源の中心と前記表示面の中心とを通る直線が、前記表示内容の上下方向および左右方向のいずれとも平行とならない位置に存在することが好ましい(発明4)。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る反射型表示体は、表示内容の上下方向を変更した場合であっても優れた視認性を示す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る反射型表示体の一例の断面図である。
図2】本発明の一実施形態における光拡散制御層の規則的内部構造の一例(カラム構造)を概略的に示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態における光拡散制御層に関する種々の方向(ベクトル)を説明する斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る反射型表示体における、表示内容の種々の方向(ベクトル)を説明する平面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る反射型表示体における、光拡散制御層に関するベクトルと、表示内容に関するベクトルとがなす角度を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る反射型表示体1の一例の断面図が示される。本実施形態に係る反射型表示体1は、表示面における表示内容の上下方向が変更可能なように構成されたものである。
【0016】
図1に示されるように、反射型表示体1は、光拡散制御層11と、当該光拡散制御層11の片面側に設けられた表示装置13と、当該表示装置13における光拡散制御層11とは反対の面側に設けられた反射層12とを備える。
【0017】
本実施形態に係る反射型表示体1において、光拡散制御層11は、屈折率が相対的に低い領域中に屈折率が相対的に高い領域を複数備えた規則的内部構造を有する。図2の斜視図には、このような規則的構造の一例として、カラム構造(詳細は後述)が概略的に示される。図2に示されるように、光拡散制御層11中では、屈折率が相対的に高い領域111(柱状物)が厚さ方向に複数延在し、その周囲を、屈折率が相対的に低い領域112が埋める構造となっている。ここで、規則的内部構造とは、屈折率が相対的に低い領域112中に、複数の屈折率が相対的に高い領域111が所定の規則性をもって配置されてなる内部構造(例えば、光拡散制御層11の表面と平行な平面で光拡散制御層11を切断して得られる断面であって、上記規則的内部構造が存在する位置にて切断して得られる断面をみた場合に、屈折率が相対的に低い領域112中に、屈折率が相対的に高い領域111が、上記断面内の少なくとも1方向に沿って、同程度のピッチをもって繰り返して配置されてなる内部構造)をいうものである。そして、ここにおける規則的内部構造は、屈折率が相対的に高い領域111がフィルム膜厚方向に延在してなるものである点で、一方の相が他方の相中に明確な規則性なく存在してなる相分離構造や、海成分中にほぼ球状の島成分が存在してなる海島構造とは区別されるものである。
【0018】
そして、光拡散制御層11の内部構造に関しては、屈折率が相対的に高い領域111が、光拡散制御層11の一方の面側から他方の面側に向けて延在しているとともに、当該延在の方向に平行な直線が、光拡散制御層11の厚さ方向に対して傾斜している。この点について、図3に基づいて詳細に説明する。図3の斜視図は、光拡散制御層11中に本来であれば複数存在する屈折率が相対的に高い領域111を、説明のために1つのみを残して省略して描いたものである。この図3において、屈折率が相対的に高い領域111は、光拡散制御層11の一方の面側から他方の面側(特に、反射型表示体1における表示面に遠位な面側から当該表示面側;図3中、下側から上側)に向けて延在しており、その延在の方向(方向A)に平行な直線は、光拡散制御層11の厚さ方向(方向B)に対して、角度aの分だけ傾斜している。
【0019】
なお、角度aは、ベクトルを用いて次のように表すこともできる。まず、延在の方向(方向A)に平行であるとともに反射型表示体1における表示面に遠位な面側から当該表示面側(図3中、下側から上側)に向いたベクトルをベクトルAとする。また、光拡散制御層11の厚さ方向に平行であるとともに、反射型表示体1における表示面に遠位な面側から当該表示面側(図3中、下側から上側)に向いたベクトルをベクトルBとする。そうした場合、ベクトルAとベクトルBとがなす角度として角度aを表すことができる。なお、本発明を表現する手段として用いられる「ベクトル」は、基本的に、その方向が重要な意味を有する。そのため、本明細書における「ベクトル」という語句は、特に説明がない限り、任意の大きさのベクトル量を有するものとする。
【0020】
さらに、本実施形態に係る反射型表示体1は、光拡散制御層11が、表示内容の上下方向との関係について以下の条件を満たすものとなっている。
【0021】
まず、図3に示されるように、ベクトルAを反射型表示体1における表示面に射影して得られるベクトルを、ベクトルCとする。
【0022】
一方、図4に示されるように、次のようなベクトルD1、ベクトルD2およびベクトルD3を想定する。図4は、本実施形態に係る反射型表示体1の表示面を平面視した状態を描いたものである。図4に示されるように、表示面の中心を始点とするとともに、表示内容の初期の上下方向における下方向向きのベクトルをベクトルD1とする。また、表示面の中心を始点とするとともに、表示内容の初期の左右方向における左方向向きのベクトルをベクトルD2とする。さらに、表示面の中心を始点とするとともに、表示内容の初期の左右方向における右方向向きのベクトルをベクトルD3とする。ここで、「初期の上下方向」および「初期の左右方向」とは、本実施形態に係る反射型表示体1が使用される際に、基準とされる上下方向および左右方向を指すものとする。通常、そのような基準とされる上下方向および左右方向は、表示内容の主要な上下左右方向(例えば、最も採用される上下左右方向、表示装置の操作部の上下左右方向と一致した上下左右方向等)に基づいて選択される。
【0023】
そして、本実施形態に係る反射型表示体1では、以上のように想定されたベクトルC、ベクトルD1、ベクトルD2およびベクトルD3同士がなす角度が以下の条件を満たすものとなっている。図5には、それらの角度を表した斜視図が示される。図5に示されるように、本実施形態に係る反射型表示体1では、ベクトルCとベクトルD1とがなす角度(図5(a)中、「b1」として表される角度)、ベクトルCとベクトルD2とがなす角度(図5(b)中、「b2」として表される角度)およびベクトルCとベクトルD3とがなす角度(図5(c)中、「b3」として表される角度)の角度のうち、最も小さい角度(以下、「角度b」という場合がある。)が0°超、45°以下であるものとなっている。
【0024】
従来の反射型表示体では、表示体の上方向から照射される光が表示体の正面方向に反射する光の量を最大化する観点から、図5中のベクトルCとベクトルD1とが重なるように(すなわち、ベクトルCが初期の表示内容の真下方向に向くように)構成されていた。しかしながら、このような表示体を横倒しした場合、その状態の表示体に対して上方向から照射される光を正面方向に十分に拡散させることができず、その結果、表示体を立てた場合と横倒しした場合とで、表示内容の明るさに大きな差異が生じていた。
【0025】
これに対し、本実施形態に係る反射型表示体1では、上記の通り、上述した角度bを0°超、45°以下とすることにより、例えば表示体を立てた場合と横倒しした場合との間における表示内容の明るさの差異を、良好に低減させることができ、優れた視認性を実現することができる。このような観点から、上述した角度bは、10°以上であることが好ましく、特に35°以上であることが好ましい。また、上述した角度bは、最も利用する方向でより明るい表示を実現する観点から、45°以下であることが好ましく、特に40°以下であることが好ましい。
【0026】
なお、本実施形態に係る反射型表示体1では、前述した角度aは、0°超であることが好ましく、特に2°以上であることが好ましく、さらには5°以上であることが好ましい。このような範囲であることにより、表示内容をより明るく表示することが可能となる。また、上記角度aは、30°以下であることが好ましく、特に15°以下であることが好ましく、さらには8°以下であることが好ましい。このような範囲であることにより、表示内容の上下方向を変更した際の明るさの差異をより低減することが可能となる。なお、上記角度aは、光学デジタル顕微鏡を用いて光拡散制御層11の断面を観察することにより測定することができる。
【0027】
なお、本実施形態における光拡散制御層11では、規則的内部構造が上述したカラム構造であるとともに、屈折率が相対的に高い領域111が上述した柱状物である場合、当該柱状物は、その一端と他端との間において屈曲していてもよい。この場合、上述した延在の方向(ベクトルAの方向)とは、当該柱状物における、屈曲部位から片端までにおける延在の方向をいうものとし、特に、屈曲部位から視認者側の一端までにおける延在の方向をいうものとする。
【0028】
また、本実施形態に係る反射型表示体1の表示面の形状は特に限定されないものの、典型的には、表示面が矩形の形状を有していることが好ましい。この場合、表示面は、一対の長辺と一対の短辺とからなる長方形であってもよく、また、全ての辺の長さが等しい正方形であってもよい。そして、表示面がこのような矩形の形状となる場合には、表示内容の初期の上下方向が、上記矩形のいずれかの一辺と平行となるように構成されていることが好ましい。その他にも、表示面の形状は、ひし形、台形、平行四辺形等の矩形以外の四角形であってもよく、三角形、五角形等の四角形以外の多角形であってもよく、正円形、楕円形等の円形であってもよく、さらにはこれら以外の不定形な形状であってもよい。
【0029】
1.反射型表示体の構成
(1)光拡散制御層
本実施形態における光拡散制御層11は、屈折率が相対的に低い領域112中に屈折率が相対的に高い領域111を複数備えた規則的内部構造を有し、且つ、屈折率が相対的に高い領域111が、光拡散制御層11の一方の面側から他方の面側に向けて延在しているとともに、当該延在の方向に平行な直線が、光拡散制御層11の厚さ方向に対して傾斜しているものである限り、特に限定されない。
【0030】
上述したような規則的内部構造を形成し易いという観点から、本実施形態に係る光拡散制御層11は、高屈折率成分と、当該高屈折率成分よりも低い屈折率を有する低屈折率成分とを含有する光拡散制御層用組成物を硬化させたものであることが好ましい。特に、高屈折率成分および低屈折率成分は、それぞれ、1個または2個の重合性官能基を有するものであることが好ましい。
【0031】
(1-1)高屈折率成分
上記高屈折率成分の好ましい例としては、芳香環を含有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、特に複数の芳香環を含有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく挙げられる。複数の芳香環を含有する(メタ)アクリル酸エステルの例としては、(メタ)アクリル酸ビフェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸アントラシル、(メタ)アクリル酸ベンジルフェニル、(メタ)アクリル酸ビフェニルオキシアルキル、(メタ)アクリル酸ナフチルオキシアルキル、(メタ)アクリル酸アントラシルオキシアルキル、(メタ)アクリル酸ベンジルフェニルオキシアルキル等、これらの一部がハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキル等によって置換されたもの等が挙げられる。これらの中でも、良好な規則的内部構造を形成し易いという観点から、(メタ)アクリル酸ビフェニルが好ましく、具体的には、o-フェニルフェノキシエチルアクリレート、o-フェニルフェノキシエトキシエチルアクリレート等が好ましい。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を意味する。他の類似用語も同様である。
【0032】
高屈折率成分の(重量平均)分子量は、2500以下であることが好ましく、特に1500以下であることが好ましく、さらには1000以下であることが好ましい。また、高屈折率成分の(重量平均)分子量は、150以上であることが好ましく、特に200以上であることが好ましく、さらには250以上であることが好ましい。高屈折率成分の(重量平均)分子量が上記範囲であることで、所望の規則的内部構造を有した光拡散制御層11を形成し易くなる。なお、上記高屈折率成分が、分子構造に基づいて理論分子量を特定可能である場合には、高屈折率成分の(重量平均)分子量とは、当該理論分子量(重量平均分子量ではない分子量)を指すものとする。一方、上記高屈折率成分が、例えば高分子成分であることに起因して、上述した理論分子量が特定困難である場合には、高屈折率成分の(重量平均)分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリスチレン換算の値として得られる重量平均分子量をいうものとする。なお、本明細書における重量平均分子量の測定方法は、当該GPC法により測定した標準ポリスチレン換算の値をいうものとする。
【0033】
高屈折率成分の屈折率は、1.45以上であることが好ましく、1.50以上であることがより好ましく、特に1.54以上であることが好ましく、さらには1.56以上であることが好ましい。また、高屈折率成分の屈折率は、1.70以下であることが好ましく、特に1.65以下であることが好ましく、さらには1.59以下であることが好ましい。高屈折率成分の屈折率が上記範囲であることで、所望の規則的内部構造を有した光拡散制御層11を形成し易くなる。なお、本明細書における屈折率とは、光拡散制御層用組成物を硬化する前における所定の成分の屈折率を意味し、また、当該屈折率は、JIS K0062:1992に準じて測定したものである。
【0034】
光拡散制御層用組成物中の高屈折率成分の含有量は、低屈折率成分100質量部に対して、25質量部以上であることが好ましく、特に40質量部以上であることが好ましく、さらには50質量部以上であることが好ましい。また、光拡散制御層用組成物中の高屈折率成分の含有量は、低屈折率成分100質量部に対して、400質量部以下であることが好ましく、特に300質量部以下であることが好ましく、さらには200質量部以下であることが好ましい。高屈折率成分の含有量がこれらの範囲であることで、形成される光拡散制御層11の規則的内部構造において、高屈折率成分に由来する領域と低屈折率成分に由来する領域とが所望の割合で存在するものとなる。その結果、所望の規則的内部構造を有した光拡散制御層11を形成し易くなる。
【0035】
(1-2)低屈折率成分
上記低屈折率成分の好ましい例としては、ウレタン(メタ)アクリレート、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル系ポリマー、(メタ)アクリロイル基含有シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられるが、特にウレタン(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。
【0036】
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、(a)イソシアナート基を少なくとも2つ含有する化合物、(b)ポリアルキレングリコール、および(c)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから形成されるものであることが好ましい。
【0037】
上述した(a)イソシアナート基を少なくとも2つ含有する化合物の好ましい例としては、2,4-トリレンジイソシアナート、2,6-トリレンジイソシアナート、1,3-キシリレンジイソシアナート、1,4-キシリレンジイソシアナート等の芳香族ポリイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート等の脂肪族ポリイソシアナート、イソホロンジイソシアナート(IPDI)、水素添加ジフェニルメタンジイソシアナート等の脂環式ポリイソシアナート、およびこれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体(例えば、キシリレンジイソシアナート系3官能アダクト体)等が挙げられる。これらの中でも、脂環式ポリイソシアナートであることが好ましく、特にイソシアナート基を2つのみ含有する脂環式ジイソシアナートが好ましい。
【0038】
上述した(b)ポリアルキレングリコールの好ましい例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリヘキシレングリコール等が挙げられ、中でも、ポリプロピレングリコールであることが好ましい。
【0039】
なお、(b)ポリアルキレングリコールの重量平均分子量は、2300以上であることが好ましく、特に3000以上であることが好ましく、さらには4000以上であることが好ましい。また、(b)ポリアルキレングリコールの重量平均分子量は、19500以下であることが好ましく、特に14300以下であることが好ましく、さらには12300以下であることが好ましい。
【0040】
上述した(c)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの好ましい例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0041】
上述した(a)~(c)の成分を材料としたウレタン(メタ)アクリレートの合成は、常法に従って行うことができる。このとき(a)~(c)の成分の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートを効率的に合成する観点から、モル比にて、(a)成分:(b)成分:(c)成分=1~5:1:1~5の割合とすることが好ましく、特に1~3:1:1~3の割合とすることが好ましい。
【0042】
低屈折率成分の重量平均分子量は、3000以上であることが好ましく、特に5000以上であることが好ましく、さらには7000以上であることが好ましい。また、低屈折率成分の重量平均分子量は、20000以下であることが好ましく、特に15000以下であることが好ましく、さらには13000以下であることが好ましい。低屈折率成分の重量平均分子量が上記範囲であることにより、所望の規則的内部構造を有した光拡散制御層11を形成し易くなる。
【0043】
低屈折率成分の屈折率は、1.59以下であることが好ましく、1.50以下であることがより好ましく、特に1.49以下であることが好ましく、さらには1.48以下であることが好ましい。また、低屈折率成分の屈折率は、1.30以上であることが好ましく、特に1.40以上であることが好ましく、さらには1.46以上であることが好ましい。低屈折率成分の屈折率が上記範囲であることで、所望の規則的内部構造を有した光拡散制御層11を形成し易くなる。
【0044】
(1-3)その他の成分
前述した光拡散制御層用組成物は、高屈折率成分および低屈折率成分以外に、その他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、多官能性モノマー(重合性官能基を3つ以上有する化合物)、光重合開始剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、重合促進剤、重合禁止剤、赤外線吸収剤、可塑剤、希釈溶剤、およびレベリング剤等が挙げられる。
【0045】
上述した添加剤の中でも、光拡散制御層用組成物は、光重合開始剤を含有することも好ましい。光拡散制御層用組成物が光重合開始剤を含有することで、所望の規則的内部構造を有する光拡散制御層11を効率的に形成し易いものとなる。
【0046】
光重合開始剤の例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-プロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-2-(ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p-フェニルベンゾフェノン、4,4-ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-ターシャリーブチルアントラキノン、2-アミノアントラキノン、2-メチルチオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p-ジメチルアミン安息香酸エステル、オリゴ[2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパン]等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0047】
光重合開始剤を使用する場合、光拡散制御層用組成物中の光重合開始剤の含有量は、高屈折率成分と低屈折率成分との合計量100質量部に対して、0.2質量部以上とすることが好ましく、特に0.5質量部以上とすることが好ましく、さらには1質量部以上とすることが好ましい。また、光重合開始剤の含有量は、高屈折率成分と低屈折率成分との合計量100質量部に対して、20質量部以下とすることが好ましく、特に15質量部以下とすることが好ましく、さらには10質量部以下とすることが好ましい。光拡散制御層用組成物中の光重合開始剤の含有量を上記範囲とすることで、光拡散制御層11を効率的に形成し易いものとなる。
【0048】
(1-4)光拡散制御層用組成物の調製
光拡散制御層用組成物は、前述した高屈折率成分および低屈折率成分、ならびに、所望により光重合開始剤等のその他の添加剤を均一に混合することで調整することができる。
【0049】
上記混合の際には、40~80℃の温度に加熱しながら撹拌し、均一な光拡散制御層用組成物を得てもよい。また、得られる光拡散制御層用組成物が所望の粘度となるように、希釈溶剤を添加して混合してもよい。
【0050】
(1-5)規則的内部構造
前述した通り、本実施形態における光拡散制御層11は、その内部に、屈折率が相対的に低い領域112中に屈折率が相対的に高い領域111を複数備えた規則的内部構造を有する。そして、光拡散制御層11中においては、屈折率が相対的に高い領域111が、光拡散制御層11の一方の面側から他方の面側に向けて延在しているとともに、当該延在の方向に平行な直線が、光拡散制御層11の厚さ方向に対して傾斜している。
【0051】
上述した規則的内部構造のより具体的な例としては、図2に示されるように、屈折率が相対的に低い領域112中に、屈折率が相対的に高い領域111としての柱状物をフィルム膜厚方向に複数林立させてなるカラム構造が挙げられる。本実施形態における光拡散制御層11においては、優れた視認性を達成し易いという観点から、規則的内部構造としてカラム構造を有することが好ましい。なお、図2では、柱状物が、光拡散制御層11内の厚さ方向全域に存在するものとして描かれているものの、光拡散制御層11の厚さ方向の上端部および下端部の少なくとも一方に、柱状物が存在しないものとなっていてもよい。
【0052】
このようなカラム構造を有する光拡散制御層11に入射された光は、所定の入射角度範囲内となる場合、所定の開き角をもって強く拡散しながら光拡散制御層11から出射される。一方、入射光が上記入射角度範囲外の角度による入射となる場合、拡散することなく透過するか、または、入射角度範囲内の入射光の場合よりも弱い拡散を伴って出射されるものとなる。なお、カラム構造によって生じる上記入射角度範囲内の入射光による拡散光は、光拡散制御層11表面と平行に造影体を配置する場合、いずれの方向にも広がりを有する、円形状もしくは略円形状(楕円形状など)となる。一方、上記入射角度範囲外の入射光による上記弱い拡散の場合は、三日月状の拡散光となる。
【0053】
上記カラム構造においては、屈折率が相対的に高い領域111(柱状物)の屈折率と、屈折率が相対的に低い領域112の屈折率との差が、0.01以上であることが好ましく、特に0.05以上であることが好ましく、さらには0.1以上であることが好ましい。上記差が0.01以上であることで、効果的な拡散を行うことが可能となる。なお、上記差の上限は特に限定されず、例えば、0.3以下であってもよい。
【0054】
上述した柱状物は、光拡散制御層11の一方の面から他方の面に向かって、直径が増加する構造を有していることが好ましい。このような構造を有する柱状物は、一方の面から他方の面に向かって直径がほぼ変化しない柱状物と比較して、柱状物の延在方向と平行な光の進行方向を変更させ易くなり、これにより、光拡散制御層が効果的に光を拡散させることが可能となる。
【0055】
また、柱状物を、光拡散制御層11のいずれか一方の表面に平行な面で切断したときの断面における、直径の最大値は、0.1μm以上であることが好ましく、特に0.5μm以上であることが好ましく、さらには1μm以上であることが好ましい。また、当該最大値は、15μm以下であることが好ましく、特に10μm以下であることが好ましく、さらには5μm以下であることが好ましい。直径の最大値が上記範囲であることで、光拡散制御層11が効果的に光を拡散させることが可能となる。なお、柱状物の上記断面の形状については、特に限定されるものではないが、例えば、円、楕円、多角形、異形等とすることが好ましい。
【0056】
上述したカラム構造においては、隣接する柱状物間の距離が、0.1μm以上であることが好ましく、特に0.5μm以上であることが好ましく、さらには1μm以上であることが好ましい。また、上記距離は、15μm以下であることが好ましく、特に10μm以下であることが好ましく、さらには5μm以下であることが好ましい。隣接する柱状物間の距離が上記範囲であることで、光拡散制御層が効果的に光を拡散させることが可能となる。
【0057】
なお、以上のカラム構造の規則的内部構造に係る寸法等は、光学デジタル顕微鏡を用いてカラム構造の断面を観察することにより測定することができる。
【0058】
本実施形態における光拡散制御層11の規則的内部構造は、上述したカラム構造を変形させた構造であってもよい。例えば、光拡散制御層11は、内部構造として、上述したカラム構造における柱状物が、光拡散制御層11の厚さ方向の途中において屈曲してなる構造を有していてもよい。また、光拡散制御層11は、光拡散制御層11の厚さ方向に傾斜角度の異なる柱状物の領域を2つ以上有するカラム構造であってもよい。
【0059】
(1-6)光拡散制御層の厚さ
本実施形態における光拡散制御層11の厚さは、30μm以上であることが好ましく、特に60μm以上であることが好ましく、さらには90μm以上であることが好ましい。また、上記厚さは、1000μm以下であることが好ましく、特に500μm以下であることが好ましく、さらには200μm以下であることが好ましい。光拡散制御層11の厚さがこのような範囲であることで、より明るい表示を実現し易くなるとともに、表示内容の上下方向を変更した際の表示の明るさの差異をより低減することが可能となる。
【0060】
(2)反射層
本実施形態における反射層12は特に限定されず、一般的な反射型表示体の反射層として使用されるものであってよい。反射層12の好ましい例としては、金属を所定の表面に蒸着させて得られた金属蒸着膜が挙げられる。そのような金属の好ましい例としては、アルミニウム、銀、ニッケル等が挙げられる。
【0061】
上述した金属蒸着膜からなる反射層12の厚さは、特に限定されないものの、例えば、1nm以上であることが好ましく、特に10nm以上であることが好ましく、さらには50nm以上であることが好ましい。また、上記厚さは、3μm以下であることが好ましく、特に1μm以下であることが好ましく、さらには400nm以下であることが好ましい。
【0062】
上述した金属蒸着膜からなる反射層12は、支持体としての樹脂フィルムの表面に設けられていてもよい。このような樹脂フィルムの例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニルフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、液晶ポリマーフィルム等が用いられる。また、これらの架橋フィルムも用いられる。さらに、これらの積層フィルムであってもよい。
【0063】
また、本実施形態における反射層12は、反射電極であってもよい。当該反射電極は、例えば、後述する表示装置内に組み込まれるものであってもよい。反射電極は、通常、反射型表示体1の表示面の全面を覆うように設けられてはおらず、電極が未形成の部分も存在する。そのため、反射電極を備える反射型表示体1では、反射電極によって外光を反射させることができる一方、電極が未形成の部分において、表示装置の背面に設けられたバックライト等の光を透過させることができる。本実施形態における反射層12としての反射電極の材料は特に限定されず、一般的な反射電極の材料によって形成することができる。
【0064】
なお、図1に示される反射型表示体1では、反射層12が、表示装置13から独立した構成要素として描かれており、また、反射層12が、横方向の全域(表示装置13における光拡散制御層11とは反対側の面の全域)に存在するように描かれている。しかしながら、本実施形態に係る反射型表示体1は、図1に示されたものに限定されず、反射層12として上述した反射電極を備えるものも包含するものである。
【0065】
本実施形態における反射層12は、その他にも、光を透過する性質と光を反射する性質との両方を示す半透過半反射性を有する反射層であってもよい。
【0066】
(3)表示装置
本実施形態における表示装置13は特に限定されず、一般的な反射型表示体に組み込まれる表示装置であってよい。例えば、表示装置13は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、電気泳動ディスプレイ、MEMSディスプレイ、固体結晶ディスプレイ等が挙げられ、また、これらのディスプレイにさらにタッチパネルが積層されたものであってもよい。
【0067】
(4)その他の構成部材
本実施形態における反射型表示体1は、上述した光拡散制御層11、反射層12および表示装置13以外の構成部材を備えていてもよい。
【0068】
例えば、光拡散制御層11における反射層12(および表示装置13)とは反対の面側(すなわち、反射型表示体1における視認者の面側)には、フロントライトを設けてもよい。当該フロントライトの例としては、特に限定されないものの、光源と導光部材とを備えるものであることが好ましい。上記導光部材は、光拡散制御層11における表示装置13とは反対面側を覆うように設けられることが好ましい。また、上記光源は、表示面の周縁部の少なくとも一部に設けられるとともに、上記導光部材に接するように設けられることが好ましい。
【0069】
上記導光部材は、光源から照射された光を表示面に導くものである。導光部材の構成としては、このような作用を奏する限り限定されず、例えば、内部にプリズムを構成する凹凸が設けられたものであってもよく、あるいは、光を反射する粒子を含む反射材が塗布されたものであってもよい。
【0070】
また、上記光源の位置は、導光部材を介して表示面に光を照射できる限り限定されず、例えば、表示面の周縁部のうち上側(視認者にとっての上側)の位置に設けてもよい。しかしながら、フロントライトの光を効率良く正面方向に拡散させる観点から、光源は、表示面を平面視した場合に、当該光源の中心と表示面の中心とを通る直線が、表示内容の上下方向および左右方向のいずれとも平行とならない位置に設けることが好ましい。これにより、より明るい画像を表示することが可能となる。
【0071】
上記光源の位置に関し、明るさの観点からは、表示面を平面視した場合に、光源の中心と表示面の中心とを通る直線と、表示内容の上下方向と平行な直線とのなす角度が、0°超、90°未満であることが好ましく、5°以上、85°以下であることがより好ましく、特に10°以上、80°以下であることが好ましく、さらには15°以上、75°以下であることが好ましい。
【0072】
また、上記光源の位置に関し、明るさの観点からは、光拡散制御層11を平面視した場合に、光源の中心と表示面の中心とを通る直線と、前述したベクトルCとのなす角度の絶対値が、30°以下であることが好ましく、20°以下であることがより好ましく、特に10°以下であることが好ましく、さらには5°以下であることが好ましい。
【0073】
フロントライト以外の構成部材としては、光拡散制御層11における反射層12とは反対の面側には、表面コート層やカバーパネル等が設けられていてもよい。また、表示装置13における光拡散制御層11とは反対の面側にバックライトが設けられていてもよい。
【0074】
2.反射型表示体の製造方法
反射型表示体1の製造方法としては特に限定されず、従来の製造方法により製造することができる。例えば、光拡散制御層11、表示装置13および反射層12をそれぞれ製造した後、これらを積層することで反射型表示体1を得ることができる。また、反射層12が組み込まれた表示装置13を作製した後、別途製造した光拡散制御層11と積層することで、反射型表示体1を得ることもできる。
【0075】
光拡散制御層11の製造方法としては、特に限定されず、従来公知の方法によって形成することができる。例えば、工程シートの片面に、前述した光拡散制御層用組成物を塗布し、塗膜を形成した後、当該塗膜における工程シートとは反対側の面に、剥離シートの片面(特に剥離面)を貼合する。続いて、工程シートまたは剥離シート越しに、上記塗膜に対して活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、光拡散制御層11を形成することができる。このように、上記塗膜に剥離シートを積層することにより、剥離シートと工程シートとのギャップを保ち、塗膜が押しつぶされることを抑制して、均一な厚さを有する光拡散制御層11を形成し易いものとなる。
【0076】
上述した塗布の方法としては、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、バーコート法、ブレードコート法、ダイコート法、およびグラビアコート法等が挙げられる。また、光拡散制御層用組成物は、必要に応じて溶剤を用いて希釈してもよい。
【0077】
塗膜に対する活性エネルギー線の照射は、形成しようとする規則的内部構造に応じて、異なる態様により行う。このような照射は従来公知の方法により行うことができる。例えば、前述したカラム構造を形成する場合には、塗膜に対して、光線の平行度が高い平行光を照射する。
【0078】
なお、上記活性エネルギー線とは、電磁波または荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものをいい、具体的には、紫外線や電子線などが挙げられる。活性エネルギー線の中でも、取扱いが容易な紫外線が特に好ましい。
【0079】
活性エネルギー線として紫外線を用い、カラム構造を形成する場合、その照射条件としては、塗膜表面におけるピーク照度を0.1~10mW/cmとすることが好ましい。なお、ここでいうピーク照度とは、塗膜表面に照射される活性エネルギー線が最大値を示す部分での測定値を意味する。さらに、塗膜表面における積算光量を、5~200mJ/cmとすることが好ましい。
【0080】
なお、より確実な硬化を完了させる観点から、前述したような平行光や帯状の光を用いた硬化を行った後に、通常の活性エネルギー線(平行光や帯状の光に変換する処理を行っていない活性エネルギー線,散乱光)を照射することも好ましい。
【0081】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【実施例
【0082】
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
【0083】
〔作製例1〕(光拡散制御層A)
(1)光拡散制御層用組成物の調製
低屈折率成分としての、ポリプロピレングリコールとイソホロンジイソシアナートと2-ヒドロキシエチルメタクリレートとを反応させて得られた重量平均分子量9,900のポリエーテルウレタンメタクリレート40質量部(固形分換算値;以下同じ)に対し、高屈折率成分としての、分子量268のo-フェニルフェノキシエトキシエチルアクリレート60質量部と、光重合開始剤としての2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン8質量部とを添加した後、80℃の条件下にて加熱混合を行い、光拡散制御層用組成物を得た。
【0084】
(2)光拡散制御層の形成
得られた光拡散制御層用組成物を、工程シートとしての、長尺のポリエチレンテレフタレートシートの片面に塗布し、塗膜を形成した。続いて、当該塗膜における工程シートとは反対側の面に、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した剥離シート(リンテック社製,製品名「SP-PET381130」,厚さ:38μm)の剥離面を積層した。
【0085】
これにより得られた、剥離シートと上記塗膜と工程シートとからなる積層体を、コンベア上に載置した。このとき、積層体における剥離シート側の面が上側となるとともに、積層体の長手方向がコンベアの流れ方向と平行になるようにした。そして、積層体を載置したコンベアに対して、中心光線平行度を±3°以内に制御した紫外線スポット平行光源(ジャテック社製)を設置した。このとき、当該光源が、積層体における塗膜側の面の法線方向に対して、コンベアの流れ方向に5°傾斜した方向の平行光を照射できるように設置した。
【0086】
その後、コンベアを作動させて、積層体を移動させながら、塗膜表面におけるピーク照度2.00mW/cm、積算光量53.13mJ/cmの条件で、平行度が2°以下の平行光(主ピーク波長365nm、その他254nm、303nm、313nmにピークを有する高圧水銀ランプからの紫外線)を照射することにより、積層体中の塗膜を硬化させ、厚さ110μmの光拡散制御層Aを形成した。その結果、工程シートと、光拡散制御層A(厚さ:110μm)と、剥離シートとがこの順に積層されてなる積層体が得られた。
【0087】
なお、形成された光拡散制御層Aの断面の顕微鏡観察等を行ったところ、光拡散制御層Aの内部に、厚さ方向全体に複数の柱状物を林立させてなるカラム構造が形成されていることが確認された。すなわち、得られた光拡散制御層A内部におけるカラム構造領域の厚さ方向に延在する割合は、100%であった。また、上述した柱状物の延在の方向(図3中ではA方向)と、光拡散制御層Aの厚さ方向(図3中ではB方向)とがなす角度(図3中では角度a)は、3.3°であることが確認された。なお、本明細書において、当該角度は、A方向が、B方向を基準としてコンベア進行側に傾いているときの角度をプラスで表記し、コンベア進行側とは反対側に傾いているときの角度をマイナスで表記するものとする。
【0088】
また、上述したピーク照度および積算光量は、受光器を取り付けたUV METER(アイグラフィックス社製,製品名「アイ紫外線積算照度計UVPF-A1」)を上記塗膜の位置に設置して測定したものである。光拡散制御層Aの厚さは、定圧厚さ測定器(宝製作所社製,製品名「テクロック PG-02J」)を用いて測定したものである。
【0089】
〔作製例2〕(光拡散制御層B)
紫外線スポット平行光源(ジャテック社製)を設置する際に、当該光源が、積層体における塗膜側の面の法線方向に対して、コンベアの流れ方向に10°傾斜した方向の平行光を照射できるように設置した以外は、作製例1と同様にして、工程シートと、光拡散制御層B(厚さ:110μm)と、剥離シートとがこの順に積層されてなる積層体を得た。
【0090】
なお、形成された光拡散制御層Bの断面の顕微鏡観察等を行ったところ、光拡散制御層Bの内部に、厚さ方向全体に複数の柱状物を林立させてなるカラム構造が形成されていることが確認された。すなわち、得られた光拡散制御層B内部におけるカラム構造領域の厚さ方向に延在する割合は、100%であった。また、光拡散制御層Aと同様に、光拡散制御層Bにおける角度aを測定したところ、6.6°であることが確認された。
【0091】
〔実施例1〕
作製例2で作製した積層体から、それぞれ工程シートおよび剥離シートを剥離除去し、光拡散制御層Bを得た。そして、光拡散制御層Bにおける、紫外線を照射した面と反対の面を、長辺と短辺とを有する矩形の反射層(厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にアルミニウムを厚さ300nmとなるように蒸着したもの)における反射面に積層した。これにより、反射型表示体サンプルを得た。
【0092】
なお、得られた反射型表示体サンプルでは、光拡散制御層側の面が表示面として想定されたものとする。さらに、上記反射層の長辺方向が表示内容の初期の上下方向と一致し、上記反射層の短辺方向が表示内容の初期の左右方向と一致するように想定されたものとする。
【0093】
そして、上述した積層の際には、光拡散制御層Bの柱状物の延在の方向に平行なベクトルを光拡散制御層Bの片面に射影して得られるベクトル(図3中、ベクトルC)と、上記表示面の中心を始点とするとともに上述した初期の上下方向における下方向に向いた任意の大きさのベクトル(図4中、ベクトルD1)とがなす角度(図5中、角度b1に相当)が、15°となるように積層することで、反射型表示体サンプルを得た。
【0094】
なお、上述した積層により、図5に示すベクトルCとベクトルD2がなす角度b2は75°となり、図5に示すベクトルCとベクトルD3がなす角度b3は105°となる。その結果、得られた反射型表示体サンプルでは、角度b1~b3のうち最も小さい角度(角度b)が15°なることとなる。
【0095】
〔実施例2〕
角度bが30°となるように積層した以外、実施例1と同様にして反射型表示体サンプルを得た。
【0096】
〔実施例3〕
角度bが45°となるように積層した以外、実施例1と同様にして反射型表示体サンプルを得た。
【0097】
〔実施例4〕
光拡散制御層Aを使用するとともに、角度bが45°となるように積層した以外、実施例1と同様にして反射型表示体サンプルを得た。
【0098】
〔比較例1〕
角度bが0°となるように積層した以外、実施例1と同様にして反射型表示体サンプルを得た。
【0099】
〔試験例1〕(光拡散制御層の拡散角度領域の測定)
作製例1および2にてそれぞれ作製した光拡散制御層AおよびBについて、変角ヘイズメーター(東洋精機製作所社製,製品名「ヘイズガードプラス、変角ヘイズメーター」)を用いて、ヘイズ値が90%以上となる拡散角度領域を測定した。
【0100】
具体的には、作製例1および2にて得た積層体から工程シートおよび剥離シートを剥離除去してなる光拡散制御層の単体における、製造時に紫外線を照射した面と反対の面を、無アルカリガラス板(厚さ:1.1mm)の片面に貼付し、積層体を得た。そして、当該積層体を、上記変角ヘイズメーターにおける積分球開口から測定光の到達位置までの距離が62mmとなるよう、かつ、無アルカリガラス側が光源と対向するように設置した。次に、上記到達位置における光拡散制御層の幅方向を回転軸として、光拡散制御層の長手方向(作製時の搬送方向)を回転させることにより、ヘイズ値(%)の変化を測定した。すなわち、光拡散制御層の傾き角度のみを変えることで、光拡散制御層に対する測定光の入射角度を変更し、それぞれの入射角度ごとにヘイズ値(%)を測定した。なお、測定光が積層体の法線方向となる入射角度を0°とし、光拡散制御層の長手方向(作製時の搬送方向)の進行方向側が光源に近づく回転方向をプラスとして、-70°~70°の範囲で測定を行った。測定条件の詳細は、次の通りとした。
光源:C光源
測定径:φ18mm
積分球開口径:φ25.4mm
【0101】
そして、測定されたヘイズ値(%)が90%以上となる角度範囲を、拡散角度領域として特定した。結果を表1に示す。
【0102】
〔試験例2〕(反射率の測定)
実施例および比較例で作製した反射型表示体サンプルについて、変角測色計(スガ試験機社製,製品名「変角測色計VC-2」)を用いて、反射率を測定した。
【0103】
具体的には、まず、変角測色計に付属の標準反射板について、その反射面の法線方向とのなす角度が30°となるようにC光源から光線を照射し、標準反射板の正面方向(反射面に対して垂直な方向)に反射した光線の量を測定し、これを基準値とした。
【0104】
続いて、反射型表示体サンプルにおける光拡散制御体側の面(表示面として想定される面)に対し、当該面の法線方向とのなす角度が30°となるようにC光源から光線を照射し、反射型表示体サンプルの正面方向(当該面に対して垂直な方向)に対して反射した光線の量を測定した。このとき、反射型表示体サンプルの表示内容の主要な上下方向(前述した通り、当該上下方向は、反射層の長辺方向と平行となる)の上側から光線を照射した場合(上方位)、および右側から光線を照射した場合(右方位)の2通りについて測定を行った。そして、このように測定された上方位および右方位についての反射した光線の量の、上記基準値に対する割合をそれぞれ算出し、これらを反射率(%)とした。その結果を表2に示す。
【0105】
さらに、上記の通り得られた、上方位に係る反射率と右方位に係る反射率との平均値(%)を算出し、これを明るさとした。その結果を表2に示す。また、次の式(1)
明るさの差異(%)=(上方位の反射率と右方位の反射率との差の絶対値)/(上方位の反射率と右方位の反射率との和)×100 …(1)
に基づいて、上方位の場合と右方位の場合との間での明るさの差異(%)を算出し、その結果も表2に示す。
【0106】
【表1】
【0107】
【表2】
【0108】
表2に示されるように、実施例に係る反射型表示体サンプルでは、上方位から光線を照射した場合と右方位から光線を照射した場合との明るさの差異を、比較例に係る反射型表示体サンプルに比べて低く抑えることができた。すなわち、実施例に係る反射型表示体サンプルでは、表示内容の上下方向を変更した場合でも、明るさの差異が生じ難く、優れた視認性が達成できることがわかった。
【0109】
また、実施例1~3に係る反射型表示体サンプルについては、十分な明るさを有した反射光を反射できることがわかった。実施例1~3に係る反射型表示体サンプルについては、この点からも、優れた視認性が達成できることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明の反射型表示体は、表示内容の上下方向が変更可能なように構成されたスマートフォンやタブレット等の情報端末の製造に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0111】
1…反射型表示体
11…光拡散制御層
111…屈折率が相対的に高い領域(柱状物)
112…屈折率が相対的に低い領域
12…反射層
13…表示装置
図1
図2
図3
図4
図5