(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】使用電力管理装置及び使用電力管理プログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20240925BHJP
H02J 3/14 20060101ALI20240925BHJP
G06Q 50/06 20240101ALI20240925BHJP
【FI】
H02J13/00 311T
H02J3/14 160
G06Q50/06
(21)【出願番号】P 2020186418
(22)【出願日】2020-11-09
【審査請求日】2023-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】下川 美代子
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-031597(JP,A)
【文献】特開2013-066320(JP,A)
【文献】特開2013-058046(JP,A)
【文献】国際公開第2015/159410(WO,A1)
【文献】特開2012-191707(JP,A)
【文献】特開2009-130974(JP,A)
【文献】特開2009-146010(JP,A)
【文献】特開2015-115006(JP,A)
【文献】特開2012-151948(JP,A)
【文献】特開2018-033273(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0262197(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H02J 3/14
G06Q 50/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を供給する機器ごとに、前記機器から供給された電力量を示す電力量データ及び前記機器から供給された電力の用途を示す用途デー
タを取得するデータ取得部と、
前記電力量データ及び前記用途デー
タに基づいて前記機器に供給される電力量を決定し、前記機器を使用している契約者に対応付けられている端末に前記機器に供給される電力量を通知する目的、
及び前記端末に前記機器で使用する電力を節約するよう通知する目
的の少なくとも一つの目的で使用される通知データを生成する処理と、前記電力量データ及び前記用途デー
タに基づいて前記機器に供給される電力の価格を決定し、前記端末に前記機器に供給される電力の価格を通知する目的で使用される価格データを生成する処理との少なくとも一方を実行するデータ生成部と、
前記通知データ及び前記価格データの少なくとも一方を前記端末に送信するデータ送信部と、
を備える使用電力管理装置。
【請求項2】
前記データ取得部は、予め定められた時間帯ごとに、前記電力量データ及び前記用途デー
タを取得し、
前記データ生成部は、前記予め定められた時間帯ごとに、前記通知データ及び前記価格データの少なくとも一方を生成し、
前記データ送信部は、前記予め定められた時間帯ごとに、前記通知データ及び前記価格データの少なくとも一方を前記端末に送信する、
請求項1に記載の使用電力管理装置。
【請求項3】
前記データ取得部は、前記機器から供給された電力量の経時的な変化を示す前記電力量データ及び前記機器から供給された電力量の経時的な変化に基づいて生成された前記用途デー
タを取得する、
請求項1又は請求項2に記載の使用電力管理装置。
【請求項4】
コンピュータに、
電力を供給する機器ごとに、前記機器から供給された電力量を示す電力量データ及び前記機器から供給された電力の用途を示す用途デー
タを取得するデータ取得機能と、
前記電力量データ及び前記用途デー
タに基づいて前記機器に供給される電力量を決定し、前記機器を使用している契約者に対応付けられている端末に前記機器に供給される電力量を通知する目的、
及び前記端末に前記機器で使用する電力を節約するよう通知する目
的の少なくとも一つの目的で使用される通知データを生成する処理と、前記電力量データ及び前記用途データの少なくとも一方に基づいて前記機器に供給される電力の価格を決定し、前記端末に前記機器に供給される電力の価格を通知する目的で使用される価格データを生成する処理との少なくとも一方を実行するデータ生成機能と、
前記通知データ及び前記価格データの少なくとも一方を前記端末に送信するデータ送信機能と、
を実現させる使用電力管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用電力管理装置及び使用電力管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、日本では電力自由化が実現しており、発電事業者が供給可能な電力量と需要家が要求している電力量とのバランスを取るアグリゲータが電力の供給において重要な役割を果たしている。このような役割を担う技術の一例として、特許文献1に開示されているアグリゲータシステムが挙げられる。一方、太陽光発電パネルの普及に伴い、複数の戸建て住宅、比較的規模が小さな集合住宅、比較的規模が小さな集合住宅等を含んでいる一つのコミュニティの中で電力を融通し合うサービスが登場している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
上述したアグリゲータシステムは、大規模な送電網及び配電網を使用した電力の供給に関する技術であり、上述したコミュニティの中で供給可能な電力量と需要家が要求している電力量とのバランスを取る技術ではない。また、上述したコミュニティの中で電力を融通し合うサービスは、一つの事業者により提供されることが多い。さらに、このようなサービスを提供する事業者は、互いに異なる状況に置かれているコミュニティの構成員同士の利害を調整しつつ、限られた電力を各構成員に分配する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、限られた電力でコミュニティに属する顧客全員の生活の水準を一定以上に保つことができる使用電力管理装置及び使用電力管理プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、電力を供給する機器ごとに、前記機器から供給された電力量を示す電力量データ及び前記機器から供給された電力の用途を示す用途データを取得するデータ取得部と、前記電力量データ及び前記用途データに基づいて前記機器に供給される電力量を決定し、前記機器を使用している契約者に対応付けられている端末に前記機器に供給される電力量を通知する目的、及び前記端末に前記機器で使用する電力を節約するよう通知する目的の少なくとも一つの目的で使用される通知データを生成する処理と、前記電力量データ及び前記用途データに基づいて前記機器に供給される電力の価格を決定し、前記端末に前記機器に供給される電力の価格を通知する目的で使用される価格データを生成する処理との少なくとも一方を実行するデータ生成部と、前記通知データ及び前記価格データの少なくとも一方を前記端末に送信するデータ送信部と、を備える使用電力管理装置である。
【0007】
また、上述した使用電力管理装置において、前記データ取得部は、予め定められた時間帯ごとに、前記電力量データ及び前記用途データを取得し、前記データ生成部は、前記予め定められた時間帯ごとに、前記通知データ及び前記価格データの少なくとも一方を生成し、前記データ送信部は、前記予め定められた時間帯ごとに、前記通知データ及び前記価格データの少なくとも一方を前記端末に送信してもよい。
【0008】
また、上述した使用電力管理装置において、前記データ取得部は、前記機器から供給された電力量の経時的な変化を示す前記電力量データ及び前記機器から供給された電力量の経時的な変化に基づいて生成された前記用途データを取得してもよい。
【0009】
本発明の一態様は、コンピュータに、電力を供給する機器ごとに、前記機器から供給された電力量を示す電力量データ及び前記機器から供給された電力の用途を示す用途データを取得するデータ取得機能と、前記電力量データ及び前記用途データに基づいて前記機器に供給される電力量を決定し、前記機器を使用している契約者に対応付けられている端末に前記機器に供給される電力量を通知する目的、及び前記端末に前記機器で使用する電力を節約するよう通知する目的の少なくとも一つの目的で使用される通知データを生成する処理と、前記電力量データ及び前記用途データの少なくとも一方に基づいて前記機器に供給される電力の価格を決定し、前記端末に前記機器に供給される電力の価格を通知する目的で使用される価格データを生成する処理との少なくとも一方を実行するデータ生成機能と、前記通知データ及び前記価格データの少なくとも一方を前記端末に送信するデータ送信機能と、
を実現させる使用電力管理プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、限られた電力でコミュニティに属する顧客全員の生活の水準を一定以上に保つことができる使用電力管理装置及び使用電力管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る使用電力管理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る使用電力管理装置の機能的な構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る電力量データにより示される内容、用途データにより示される内容及び価格データにより示される内容の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る使用電力管理装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態]
図1から
図3を参照しながら実施形態に係る使用電力管理装置及び使用電力管理プログラムについて説明する。
【0013】
まず、
図1を参照しながら本発明の実施形態に係る使用電力管理システムのハードウェア構成の一例について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る使用電力管理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
図1に示すように、使用電力管理システム1は、使用電力管理装置10と、配線用接続器20-1、…及び配線用接続器20-kと、端末30-1、…及び端末30-nとを備える。
【0014】
使用電力管理装置10は、例えば、サーバである。
図1に示すように、使用電力管理装置10は、プロセッサ11と、主記憶装置12と、通信インターフェース13と、補助記憶装置14と、入出力装置15と、バス16とを備える。
【0015】
プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、使用電力管理プログラムを読み出して実行し、使用電力管理装置10が有する各機能を実現させる。また、プロセッサ11は、使用電力管理プログラム以外のプログラムを読み出して実行し、使用電力管理装置10が有する各機能を実現させる上で必要な機能を実現させてもよい。
【0016】
主記憶装置12は、例えば、RAM(Random Access Memory)であり、プロセッサ11により読み出されて実行される使用電力管理プログラムその他プログラムを予め記憶している。
【0017】
通信インターフェース13は、
図1に示したネットワークNWを介して配線用接続器20-1、…、配線用接続器20-k(k:1以上の整数)、端末30-1、…又は端末30-n(n:1以上k以下の整数)と通信を実行するためのインターフェース回路である。また、ネットワークNWは、例えば、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、インターネット、イントラネットである。
【0018】
配線用接続器20-1、…及び配線用接続器20-kの少なくとも一つは、例えば、住宅、オフィス等の建物に設置されているコンセントである。或いは、配線用接続器20-1、…及び配線用接続器20-kの少なくとも一つは、住宅、オフィス、屋外等に設置されている配線タップである。さらに、これらの配線用接続器各々は、太陽光発電パネルが設置されている住宅又はオフィスに設置されていてもよいし、太陽光発電パネルが設置されていない住宅又はオフィスに設置されていてもよい。また、複数の配線用接続器が一つの建物に設置されていてもよい。
【0019】
配線用接続器20-1、…及び配線用接続器20-kは、いずれも自身に接続されている家電製品等に供給した電力量を計測し、当該電力量を示す電力量データを生成する電力量センサを備えている。また、配線用接続器20-1、…及び配線用接続器20-kは、いずれも自身に接続されている家電製品等の用途を示す用途データを当該家電製品等から取得する用途データ取得装置を備えている。
【0020】
端末30-1、…及び端末30-nは、例えば、いずれも配線用接続器20-1、…及び配線用接続器20-kの少なくとも一つが設置されている住宅、オフィス等の建物の管理者等により携帯されているスマートフォンである。また、当該管理者等は、使用電力管理システム1により提供されるサービスの契約者であり、当該サービスの利用者のコミュニティに属している。
【0021】
補助記憶装置14は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、ROM(Read Only Memory)である。補助記憶装置14は、例えば、電力量データ及び用途データの少なくとも一方が格納される。
【0022】
入出力装置15は、例えば、入出力ポート(Input/Output Port)である。入出力装置15は、例えば、入力装置、出力装置が接続されている。入力装置は、例えば、タッチパネルディスプレイ、マウス、キーボードであり、使用電力管理装置10の操作、使用電力管理装置10へのデータの入力に使用される。出力装置は、例えば、タッチパネルディスプレイ、スピーカであり、使用電力管理装置10がユーザに情報を提示するために使用される。
【0023】
次に、
図2及び
図3を参照しながら使用電力管理装置の機能的な構成について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る使用電力管理装置の機能的な構成の一例を示す図である。
図3は、本発明の実施形態に係る電力量データにより示される内容、用途データにより示される内容及び価格データにより示される内容の一例を示す図である。
【0024】
図2に示すように、使用電力管理装置10は、データ取得部111と、データ生成部112と、データ送信部113とを備える。データ取得部111、データ生成部112及びデータ送信部113は、いずれもプロセッサ11が主記憶装置12に格納されている使用電力管理プログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0025】
データ取得部111は、電力を供給する機器ごとに、機器から供給された電力量を示す電力量データ及び機器から供給された電力の用途を示す用途データの少なくとも一方を取得する。ここで言う電力を供給する機器は、例えば、上述した配線用接続器20-1、…又は配線用接続器20-kである。データ取得部111は、例えば、
図1に示したネットワークNWを介して電力量データ及び用途データの少なくとも一方を取得する。
【0026】
電力量データは、例えば、
図3の左から七列目に示すように、各日時において上述した配線用接続器のいずれかから供給された電力量を示している。また、電力量データは、
図3の左から六列目に示すように、各日時において供給された電力を発電した手段を示していてもよい。
図3に示した「再生」は、同じ行に示されている電力が再生可能エネルギーであることを意味している。
図3に示した「化石」は、同じ行に示されている電力が化石燃料を使用して発電されたことを意味している。
【0027】
用途データは、例えば、
図3の左から二列目に示すように、各日時において上述した配線用接続器のいずれかから供給された電力の用途を示している。
図3に示した「照明」は、上述した配線用接続器のいずれかから供給された電力が照明に使用されたことを示している。
図3に示した「ゲーム」は、上述した配線用接続器のいずれかから供給された電力がゲームに使用されたことを示している。
図3に示した「エアコン」は、上述した配線用接続器のいずれかから供給された電力がエアコンに使用されたことを示している。
【0028】
また、用途データは、各日時における電力の用途に加えて、目的行為、詳細用途及び配慮項目の少なくとも一つを示していてもよい。
【0029】
目的行為は、用途データにより示される用途に電力を使用した目的となる行為をいう。
図3に示した「就寝」は、例えば、就寝時に間接照明を点灯させていたことを示している。
図3に示した「身支度」は、例えば、身支度をする際に化粧台の照明を点灯させていたことを示している。
図3に示した「食事」は、食事を終えた後に照明を点灯させたままにしていたことを示している。
図3に示した「娯楽」は、娯楽のためにゲームを行っていたことを示している。
図3に示した「冷房」は、冷房のためにエアコンを使用していたことを示している。
【0030】
詳細用途は、用途データにより示される用途の詳細をいう。
図3に示した「26度未満」は、エアコンの設定温度が26度未満であることを示している。
【0031】
配慮項目は、用途データにより示される用途に電力を使用したことを考慮する際に配慮すべき内容を示している。
図3に示した「要介護」は、例えば、介護が必要な人を介護のために就寝時に間接照明を点灯させていたことを示している。
図3に示した「体調不良」は、食事を終えた後も照明を点灯させたままにしていた理由が体調不良であることを示している。
【0032】
なお、用途データは、電力を供給する機器から供給された電力の用途を明確に示すデータに限定されない。用途データは、例えば、電力を供給する機器から供給された電力の用途を推定した結果を示すデータであってもよい。つまり、用途データは、電力を供給する機器から供給された電力が特定の用途に使用されていることを一定以上の確率で示すデータであればよい。
【0033】
また、データ取得部111は、予め定められた時間帯ごとに、電力量データ及び用途データの少なくとも一方を取得してもよい。予め定められた時間帯は、例えば、0時を起点として一時間ずつ区切られた時間帯、すなわち0時から1時、1時から2時等の時間帯である。
【0034】
また、データ取得部111は、機器から供給された電力量の経時的な変化を示す電力量データ及び機器から供給された電力量の経時的な変化に基づいて生成された用途データの少なくとも一方を取得してもよい。
【0035】
また、例えば、このような用途データとしては、夕方から夜間の間に所定の閾値を超える電力が供給されていたことを示す電力量データに基づいて生成された用途データが挙げられる。この場合、用途データは、例えば、機器から供給された電力が電子レンジ、電気湯沸かし器、洗濯機、ヘアドライヤー、テレビ、オーディオ又は介護用電動ベッドに使用されたことを示している。
【0036】
或いは、このような用途データとしては、時間帯に関わらず略一定の電力が供給されていたことを示す電力量データに基づいて生成された用途データが挙げられる。この場合、用途データは、例えば、機器から供給された電力が冷蔵庫に使用されたことを示している。
【0037】
データ生成部112は、電力量データ及び用途データの少なくとも一方に基づいて機器に供給される電力量を決定する。当該機器は、機器は、例えば、上述した配線用接続器20-1、…又は配線用接続器20-kである。
【0038】
例えば、データ生成部112は、電力量データにより示される電力量が所定の閾値を超えている場合、機器に供給する電力量を低下させる。或いは、データ生成部112は、電力量データにより示される電力量が所定の閾値を超えているものの、用途データにより示される電力の用途が生活、介護等、必要不可欠な用途である場合、機器に供給する電力量を維持させる。或いは、データ生成部112は、電力量データにより示される電力量に関わらず、用途データにより示される電力の用途が娯楽等、必要不可欠ではない用途である場合、機器に供給する電力量を低下させる。
【0039】
そして、データ生成部112は、通知データを生成する処理を実行する。通知データは、機器を使用している契約者に対応付けられている端末30-1、…又は端末30-nに機器に供給される電力量を通知する目的及び端末30-1、…又は端末30-nに機器で使用する電力を節約するよう通知する目的の少なくとも一方の目的で使用される。
【0040】
また、データ生成部112は、電力量データ及び用途データの少なくとも一方に基づいて機器に供給される電力の価格を決定する。当該機器は、例えば、上述した配線用接続器20-1、…又は配線用接続器20-kである。
【0041】
例えば、データ生成部112は、電力量データにより示される電力量が所定の閾値を超えている場合、機器に供給する電力の価格を引き上げる。或いは、データ生成部112は、電力量データにより示される電力量が所定の閾値を超えている場合、当該機器を経由して使用する電力を節約するよう通知することを決定する。
【0042】
或いは、データ生成部112は、電力量データにより示される電力量が所定の閾値を超えているものの、用途データにより示される電力の用途が生活、介護等、必要不可欠な用途である場合、機器に供給する電力の価格を現状のままとする。
【0043】
或いは、データ生成部112は、電力量データにより示される電力量に関わらず、用途データにより示される電力の用途が娯楽等、必要不可欠ではない用途である場合、機器に供給する電力の価格を引き上げる。或いは、データ生成部112は、電力量データにより示される電力量に関わらず、用途データにより示される電力の用途が娯楽等、必要不可欠ではない用途である場合、当該機器を経由して使用する電力を節約するよう通知することを決定する。
【0044】
そして、データ生成部112は、価格データを生成する処理を実行する。価格データは、例えば、
図3の左から八列目に示すように、各日時において上述した配電用接続器から供給される電力の単位電力量当たりの価格を示している。価格データは、端末30-1、…又は端末30-nに機器に供給される電力の価格を通知する目的で使用される。
【0045】
なお、データ生成部112は、予め定められた時間帯ごとに、通知データを生成する処理及び価格データの少なくとも一方を生成してもよい。また、データ生成部112は、機器に供給される電力量を決定し、通知データを生成する処理及び機器に供給される電力の価格を決定し、価格データを生成する処理の一方のみを実行してもよい。
【0046】
データ送信部113は、例えば、
図1に示したネットワークNWを介して通知データ及び価格データの少なくとも一方を端末30-1、…又は端末30-nに送信する。また、データ送信部113は、予め定められた時間帯ごとに、通知データ及び価格データの少なくとも一方が生成される場合、当該予め定められた時間帯ごとに、通知データ及び価格データの少なくとも一方を送信することが好ましい。
【0047】
次に、
図4を参照しながら使用電力管理装置10が実行する処理の一例を説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る使用電力管理装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図4に示した処理は、電力を供給する機器ごとに実行される。例えば、
図4に示した処理は、
図1に示した配線用接続器ごとに実行される。また、
図4に示した処理は、定期的に実行されてもよいし、要請を受けてから実行されてもよい。
【0048】
ステップS1において、データ取得部111は、電力量データ及び用途データの少なくとも一方を取得する。
【0049】
ステップS2において、データ生成部112は、機器に供給される電力量を決定し、通知データを生成する処理と、機器に供給される電力の価格を決定し、価格データを生成する処理との少なくとも一方を実行する。
【0050】
ステップS3において、データ送信部113は、ステップS1で電力量データ及び用途データの少なくとも一方が取得された配線用接続器が設置されている建物の管理者が携帯している端末に通知データ及び価格データの少なくとも一方を送信する。
【0051】
以上、実施形態に係る使用電力管理装置10について説明した。使用電力管理装置10は、データ取得部111と、データ生成部112と、データ送信部113とを備える。データ取得部111は、電力を供給する機器ごとに、機器から供給された電力量を示す電力量データ及び機器から供給された電力の用途を示す用途データの少なくとも一方を取得する。データ生成部112は、機器に供給される電力量を決定し、通知データを生成する処理及び機器に供給される電力の価格を決定し、価格データを生成する処理との少なくとも一方を実行する。データ送信部113は、通知データ及び価格データの少なくとも一方を端末に送信する。
【0052】
これにより、使用電力管理装置10は、優先的に電力を供給した方が好ましい配線用接続器に優先的に電力が供給されるよう各建物の管理者を促すことができる。したがって、使用電力管理装置10は、限られた電力で一つのコミュニティに属する顧客全員、すなわち使用電力管理システム1によるサービスが提供されている建物の利用者全員の生活の水準を一定以上に保つことができる。
【0053】
また、使用電力管理装置10は、予め定められた時間帯ごとに、電力量データ及び用途データの少なくとも一方を取得し、通知データ及び価格データの少なくとも一方を生成して端末30-1、…又は端末30-nに送信する。
【0054】
これにより、使用電力管理装置10は、時間帯の変化に伴うコミュニティ内の電力の需要の変化を踏まえた上で更に好適に電力が分配されるように促し、コミュニティ内の建物の利用者全員の生活の水準を一定以上に保つことができる。
【0055】
また、使用電力管理装置10は、機器から供給された電力量の経時的な変化を示す電力量データ及び機器から供給された電力量の経時的な変化に基づいて生成された用途データの少なくとも一方を取得する。
【0056】
これにより、使用電力管理装置10は、時間帯の変化に伴うコミュニティ内の電力の需要の変化を踏まえた上で更に好適に電力が分配されるように促し、コミュニティ内の建物の利用者全員の生活の水準を一定以上に保つことができる。また、これにより、使用電力管理装置10は、時間帯の変化に伴うコミュニティ内の電力の需要の変化を考慮して更に正確に判定された電力の用途を踏まえて上述した効果を奏することができる。
【0057】
上述した実施形態では、電力を供給する機器の例として、配線用接続器20-1、…又は配線用接続器20-kを挙げたが、これに限定されない。電力を供給する機器は、例えば、配線用接続器20-1、…及び配線用接続器20-kの少なくとも一つの上流に設置されている分電盤に含まれている主開閉器及び分岐開閉器の少なくとも一方であってもよい。また、電力を供給する機器が主開閉器である場合、電力量データは、主開閉器の上流又は下流で計測された電力量を示している。同様に、電力を供給する機器が分岐開閉器である場合、電力量データは、分岐開閉器の上流又は下流で計測された電力量を示している。
【0058】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明した。ただし、使用電力管理装置及び使用電力管理プログラムは、上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、置換、組み合わせ及び設計変更の少なくとも一つを加えることができる。
【符号の説明】
【0059】
1…使用電力管理システム、10…使用電力管理装置、11…プロセッサ、12…主記憶装置、13…通信インターフェース、14…補助記憶装置、15…入出力装置、20-1,…,20-k…配線用接続器、30-1,…,30-n…端末、111…データ取得部、112…データ生成部、113…データ送信部、NW…ネットワーク